2009 年 12 月 1 日 ふりがな うりゅうはら ようこ 氏名 瓜生原 博士後期課程修了予定年月 2011 年 3 月 Email [email protected] 葉子 略歴 学歴 1989 年 3 月 静岡薬科大学薬学科(生物薬品化学教室)卒業 2008 年 3 月 神戸大学大学院経営学研究科 2009 年 3 月 慶応義塾大学院 2011 年 3 月 神戸大学大学院経営学研究科 専門職学位課程 修了 医療マネジメント科(医薬経済学・医薬経済分析論)修了 博士後期課程 修了予定 教歴 2008 年 6 月~2009 年 3 月 『企業価値の維持・向上に寄与する戦略的 CSR について』リサーチ・アシスタント 2009 年 2 月~2009 年 3 月 『日本企業における品質管理及び環境経営について』リサーチ・アシスタント 2009 年 5 月~2009 年 7 月 『企業の戦略的 CSR と消費者の購買意欲向上について』リサーチ・アシスタント 2009 年 7 月~2009 年 9 月 神戸大学大学院経営学研究科『サーベイリサーチ法応用研究』ティーチング・アシスタント 職歴 1989 年 4 月~2001 年 9 月 ノバルティスファーマ株式会社 臨床開発部門,マーケティング部門 プロダクトマネージャー 2001 年 10 月~2002 年 3 月 ノバルティスファーマ AG スイス本社 移植・免疫・癌領域事業部 2002 年 ノバルティスファーマ株式会社 4 月~2007 年 8 月 移植・免疫・感染症事業部 2007 年 9 月~2009 年 9 月 2009 年 10 月~ 日本イーライリリー株式会社 プロダクトマネージャー 渉外企画部 企画・広報 NPO 法人設立準備中 指導教員 上林 憲雄 研究テーマ • 医療現場を動機づける組織についての考察 • プロフェッショナルの形成に関する考察 研究業績 学位論文 • 「臓器提供数増加を目指した社会システムの構築~院内コーディネーターの職務特性に関 する日欧比較と考察~」 (専門職学位論文)2007 年。 学術論文(査読付) • 瓜生原葉子ほか「欧州における臓器提供の現況と推進への取組み ~日本の臓器提供数増 加に向けて~」『移植』 第 39 巻, 第 2 号, 145-162 頁, 2004 年。 学術論文(査読なし) • 瓜生原葉子,上林憲雄「臓器提供病院における院内コーディネーターの重要性:院内コー ディネーターの日欧比較と考察」『日本腹部救急医学会雑誌』第 29 巻,第 4 号,639-644 頁,2009 年。 • 島田智明,瓜生原葉子「質的調査による CSR 活動の評価:企業との共同研究における 思考プロセスの一例」 『国民経済雑誌』第 199 巻,第 5 号,61-78 頁,2009 年。 • 島田智明,瓜生原葉子「グローバル化における医薬品企業の挑戦: 後発医薬品市場での 競争」『国民経済雑誌』第 201 巻,第 3 号,2010 年(掲載予定)。 学会報告等 査読付学会報告 • “Comparison Survey on the Job Characteristics between Japanese and European In-hospital Coordinators” September 2007 (in the 15th Congress of the European Transplant Coordinators Organization, Prague, Czech Republic) • 「スペインにおける臓器提供増加の成功事例から学ぶ~院内コーディネーターの職務 特性に関する日欧比較と考察~」2007 年 11 月(第 43 回日本移植学会, 仙台) • 「院内コーディネーターの要件と教育システム ~欧州における院内コーディネータ ーの研究結果と考察~」2008 年 6 月(第 26 回日本肝移植研究会, 横浜) • “Intrinsic Motivation of Organ Transplant Coordinators in Europe and Japan” August 2008 (in the 22nd International Congress of the Transplantation Society, Sydney, Australia) • “Intrinsic Motivation of Organ Transplant Coordinators in Europe and Japan” August 2008 (in the 68th Academy of Management Annual Meeting, California, USA) • 「The Spanish Model の成功要因分析と各国への導入結果」2008 年 9 月(第 44 回日本 移植学会, 大阪) • 「ドナーコーディネーターのプロフェッショナリズムを醸成するための欧州の取組 み」2008 年 9 月(第 44 回日本移植学会, 大阪) • “Intrinsic Motivation of Organ Transplant Coordinators in Europe and Japan” February 2009 (in Décimo Congreso Societat Catalana de Trasplantament, Spain) • 「フランスの制度改革: 臓器提供増加の成功要因 」2009 年 9 月(第 45 回日本移植学 会,東京) • “Factors associated with professionalism of Transplant Coordinators” October 2009 (in 2009 Organ Donation Congress, the 10th International Society for Organ Donation and Procurement & the 16th European Transplant Coordinators Organization, Germany). 招待講演・教育講演・パネリストなど • 薬剤関連 Loma Linda University (USA)、北里大学、千葉大学における講演など計 7 回 • 医療関連 産経新聞社主催「移植医療シンポジウム」におけるパネリスト(2006 年 10 月),厚生労働省 再生医療等研究事業「移植の社会的基盤整備に関する研究」 TPM Training for trainer seminar における講演 (2008 年 1),第 44 回日本腹部救急医学会総会におけるシンポジスト(2008 年 3 月) ,第 5 回移植再生医療学会におけるシンポジスト(2009 年 10 月)など計 10 回 • マーケティング関連 「医薬品における製品価値最大化のための戦略的マーケティング」講師(2009 年 8 月) 受賞歴 • 第四回神戸大学 MBA 論文賞(2008 年 3 月) • 第1回凌霜賞<財団法人神戸大学六甲台後援会創立 50 周年記念社会 科学特別奨励賞>(2008 年 6 月) 担当可能な授業科目 医療マネジメント,生命関連産業マネジメント,医薬品マーケティング 経営組織論,経営管理論,組織行動論,NPO マネジメント 主たる研究の要約 1. 「臓器提供数増加を目指した社会システムの構築~院内コーディネーターの職務特性に関 する日欧比較と考察~」 (専門職学位論文)2007 年 臓器提供不足は深刻な社会問題の一つである。臓器移植の機会が少ないため、年間 2,000 人以 上が移植待機中に死亡し、透析患者数が増加して国民総医療費を圧迫し続けている(2005 年時 点で総医療費 30 兆円の 7%)。本研究の目的は、必要な人が必要な時に臓器移植を受けられる社 会に日本が成熟するため、その社会システムを経営学の視点で分析し、得た知見を社会へ還元 することである。 臓器提供不足の本質は、臓器病院に搬送された潜在的脳死患者を実際の臓器提供に結びつける 病院内のプロセスの欠如にあると考えられるため、そこで重要な役割を担う「院内コーディネ ーター(Co.)」に焦点を当て、彼(女)らの働くモチベーションについて日欧比較をした。仮説 検証型の実証研究として、日本 108 名と欧州 123 名の院内 Co.を対象とした Hackman & Oldham の職務特性モデルに基づくアンケート調査、及び欧州 2 名と日本 1 名に対する補足的なインタ ビュー調査を実施した。 その結果、日本では「院内 Co.が、タスク完結性、タスク重要性、自律性、フィードバックの 程度が低い職務を与えられ、社会的認知、十分な教育・訓練が得られていないため、職務満足・ 仕事への誇り・プロフェッショナリズムを持つことができず、モチベーションの低い状態で仕 事を行っている」ことが明らかになった。よって、職務再設計、体系的な教育、資格認定制度 の導入などによる動機づけにより、院内プロセスを改善し、臓器提供数の増加に結びつくこと が示唆された。 2. 「欧州における臓器提供の現況と推進への取組み~日本の臓器提供数増加に向けて~」 『移 植』 第 39 巻, 第 2 号, 145-162 頁, 2004 年。 移植医療の成績向上に伴い、移植用臓器の不足は世界各国での共通の問題となっている。そ こで、欧州各国の臓器提供数増加にむけての活動を分析し、その成功要因について検討した。 2002 年 1 月~3 月、2003 年 6 月に、スペイン、ベルギー、フランス、イギリス、ドイツ、ス イスの臓器提供推進部門の代表者を訪問し、約 1 時間の半構造化インタビュー形式で臓器提供 の推進のための取り組みについて調査を実施した。さらに、2003 年 10 月、この 6 カ国にポル トガル、フィンランドを加え、欧州 8 カ国の代表者に対してアンケート調査を実施した。調査 項目は、宗教、臓器移植法、臓器提供に関する制度、病院におけるシステム構築、医療スタッ フへの教育、臓器提供に関わる実施主体、成功要因からなる。これらの結果を項目毎に集計し、 各国の臓器提供機関のホームページから得られた情報ならびに文献を検討して考察を加えた。 欧州主要国の共通の成功要因としては、熱意とプロフェッショナリズム、presumed consent 制度の導入、ドナーアクションプログラムによる院内システムの構築・改善、医療スタッフに 対する充実した教育システムの確立、国民への継続的な教育および各関係者間の協力体制が挙 げられた。しかし、これらの要素は一つのみでは不十分であり、これらを総合的に導入するこ と、総合戦略を立てる専門組織と専任者を設置することが重要である。また、それぞれの国や 地域の状況を十分に踏まえた上で多面的に要因を分析する必要がある。 以上を鑑み、日本の臓器提供増加に向けて考慮すべきことは、各国の成功要因を分析し総合 的に導入すること、戦略策定を行う組織のあり方について検討すること、可能であれば専任者 を確保すること、各関連組織へ適切な人員を配置すること、国家的な財的・人的支援を得るこ とであると考えられた。 社会活動 • 厚生科学研究補助金班研究平成 13 年度厚生科学研究費補助金(厚生科 学特別研究事業)「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と臓器移植に関 する研究」研究協力者(2001) • 厚生労働省科学研究費補助金事業「ヒトゲノム・再生医療等研究事業 / 移植医療の社会基盤整備に関する研究」 研究協力者(2002-2005)
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