施設版 在宅・入所相互利用について

在宅・入所相互利用について
・待機者問題への取組み
・在宅生活への支援 介護負担の軽減
・在宅復帰への可能性への取り組み
社会福祉法人きしろ社会事業会
稲村ガ崎きしろ
はじめに
●全国で特養の待機者は43万人います
●等施設でもH22.11現在375名の待機者がいます
本当は自宅でいつまでも生活したいのに、介護が大変に
なり自宅で生活できない。
病院へ入院し退院したら家へ帰れると思ったら、老健へ
、リハビリを頑張り家へ帰れると思ったら特養へ。
どんどん家から遠ざかってしまった。
・本当に、待機者全員が特養入居が必要なのか?
・住み慣れた家で暮らすことはできないのだろうか?
特養ホームができることは
・本当に、待機者全員が特養入居が必要なのか?
・住み慣れた家で暮らすことはできないのだろうか?
特養ホームとして
この二つの課題に対して取り組んでい
けるのが
在宅・入所相互利用サービス
在宅・入所相互利用とは・・・・・。
24時間の
集中的な施
設ケア
Cさ
相
ん
3か月を限度とした入居
特養
在
宅
復
帰
互
利
用
在宅
Bさ
ん
在宅のサービスを利用し
ながらの在宅での暮らし
Aさ
ん
特養のひとつのベッドを在宅・入所相
互利用として
Cさ
ん
Bさ
ん
Aさ
ん
ベッドシェアリン
同室の個室を計画的に利用
Aさん
在宅サービス
在宅サービス
Bさん
在宅サービス
在宅サービス
Cさん
イ 在宅生活を継続する観点から、複数の者であらかじめ在宅期間及び入所期間(入所期間が三月を超える
ときは、三月を限度とする。)を定めて、当該施設の同一の個室を計画的に利用している者であること。
1月
2月
施設入所
ビスを利用し
宅生活をおく
3月
4月
5月
6月
在宅サービスを利用し
ながら在宅生活をおく
る。
デイ、ショート、老健
施設入所
ョート、老健
居宅サービスを利用し
ながら在宅生活をおく
る。
7月
8月
施設入所
在宅サービスを利用し
ながら在宅生活をおく
る。
デイ、ショート、老健
施設入所
9月
10月
11月
12月
在宅サービスを利用し
ながら在宅生活をおく
る。
デイ、ショート、老健
施設入所
在宅サービスを利用し
ながら在宅生活をおく
る。
デイ、ショート、老健
在宅サービスを
ながら在宅生活
る。
デイ、ショート
施設入所
在宅・入所相互利用の目的
・特養入居中の生活改善セルフケアの向上
(認知症に対する適切なケア・排泄・歩行)
・家族へのアプローチ
・施設 在宅サービスのケアの連続性
一体化(シームレスケア)
一体的なチームとして
利用者本人の
セルフケアの回復
家族の
介護負担の軽減
住み慣れた家で、地域で暮らし続ける支
援を特養という立場から積極的に取り組
んでいく。
在宅生活を困難にする状況(ニーズ)
具体的な問題
認知症
歩行
排泄
認知症が基礎にあると、様々な生活上でも不自由さが出
現してくる。時間や場所、人物などの認知能力が低下し
てくると同時に生活の中でのセルフケアが低下してくる
。周辺症状のが出現してくる。
今まで屋内な屋外での歩行ができなくり、活動性が低下
してくる。トイレへ行くことも難しくなってくる。
歩行能力が低下してトイレへ行くことも難しくなってく
る。なんとかトイレで排便していたのがオムツとなり、
便失禁が多くなってくる。便失禁への対応が在宅介護を
困難にする。
ケア目標:生活改善
食事
水分
(在宅生活を困難にする状況)
・認知症の悪化
・歩行能力の低下
・排泄(頻尿・便失禁)
歩行能力の改善
規則正しい健康的な生活
体力
の向
上
認知症タイプとして:身体不調型
認知症でもっとも多いタイプ。次の述べるような原因によっ
て体調が良くないときに「興奮」という言葉で表現される各
種の症状が起こってくるものです。
脱水を原因とするもの
身体不調型のなかでももっとも多いのが「脱水」によるも
ので、次のような特徴をもっています。
夜のなると興奮不穏状態になる。
午後の遅い時間や夕方になると落ち着かなくなる。
午前中は落ち着いている。
※午前中はまだ水分のバランスがとれています。体を動かしているのに飲
む水が少ないと時間が経つにつれて水分のバランスが崩れていきます。こ
れが症状が現われてくる原因です。脱水⇒意識障害⇒症状出現(周辺症状
)。昔、認知症の症状として言われていた「夕暮れ症候群」は脱水による
ことが科学的に証明されてきている。
これまでの特養は・・・・・・・。
家でくらせ
そうなんだけ
ど
二度と家
へ
帰れない
特養
入居
大きな分岐点
Aさんと家族
でも、特養の長期入所以
外、方法があるかという
と・・・・?
これからの特養のあり方
・特養待機者全てが特養対象者ではない。
・特養入所、在宅継続の2つの道を作る。
・特養入所から在宅復帰の可能性を探る。
相互利用入所
特養入所
希望者
入所面接時
スクリーニング
在
宅
特養待機者の減少
特養長期入所
在
宅
相互利用入所
在宅復帰の可能性
特養に入らなくても済む特養
ヲ 在宅・入所相互利用加算30単位
注 別に厚生大臣が定める者に対して
、別に厚生大臣が定める基準に適合す
る指定介護福祉施設サービスを行う場
合にあっては、一日につき所定単位数
を加算する。
別に厚生大臣が定める者
平成12年厚生省告示第23号40
四十 指定施設サービス等介護給付費単位数表の介護福祉施
設サービスのヲの注の厚生労働大臣が定める者
第三十三号に規定する者
三十三 指定地域密着型サービス介護給付費単位数表の地域
密着型介護福祉施設サービスのカの注の厚生労働大臣が定め
る者
次に掲げる要件を満たす者
イ 在宅生活を継続する観点から、複数の者であらかじめ在
宅期間及び入所期間(入所期間が三月を超えるときは、三月
を限度とする。)を定めて、当該施設の同一の個室を計画的
に利用している者であること。
ロ 要介護状態区分が要介護三、要介護四又は要介護五であ
る者であること。
別に厚生大臣が定める基準に
平成12年厚生省告示第25号33
三十三 地域密着型介護福祉施設サービス及び
介護福祉施設サービスにおける在宅・入所相互
利用加算の基準
在宅において生活している期間中の介護支援専
門員と入所する地域密着型介護老人福祉施設又
は介護老 人福祉施設の介護支援専門員との間で
情報の交換を十分に行い、双方が合意の上介護
に関する目標及び方針を定め、入所者又はその
家族等に対して当該目標及び 方針の内容を説明
し、同意を得ていること。
在宅・相互入所利用の対象者
①現在、在宅生活をされている方でできるだけそれ
を継続していきたい方
3ヶ月間を限度として、特養に入所し生活状態の改
善を行い、また在宅生活を継続する。その間に介護
者は休息も可能となる。
②施設の入居申し込みをしていて、将来的には特養
の入所入所を希望している。その状況で在宅生活、
家族、保険サービスによる在宅介護をなんとか維持
している状況の方(待機者対策のひとつと認識)
③すでに長期入居されている方で、この相互利用に
よって「もう一度家で暮らしてみたい」という願い
がある方。(在宅復帰の可能性)
在宅・入所相互の効果
ア:基本的には、家が生活の本拠でショートステイよりも長い
短期間の入居であるが長期にわたってではない。今の現状では
3ヶ月間を限度となっています。
・ご本人にとっては短期間の入居なので、家で暮らしていると
いうことが心理的な安心感にとなりこのことがベースにあるこ
とが重要。
・サービスを使いながらといっても家族である介護者は24時
間という状況にはかわりない。再び在宅での介護を続けるため
の充電期間ともなりえるのではないか。
イ:すでに長期入居されている方で、この相互利用によって「
もう一度家で暮らしてみたい」という願いがある方。(在宅復
帰の可能性)
在宅・入所相互利用のフロー
①特養入所申し込み
②スクリニーニング(在宅・入所相互利用対象者参照)
③対象者の決定
④事前面接・重要事項等の説明も含む入所契約締結
⑤居宅ケアマネージャー・施設ケアマネージャー合同での
事前カンファ(生活改善へのアプローチ)
⑥家族・本人も含めたサービス担当者介護の開催
・入居日もしくは入居前
・施設と居宅のケアマネ、施設スタッフ、居宅サービス
スタッフ
・基本的には月1回の開催
⑦施設サービスによる、生活改善(セルフケアのアップ)
を目的とし
て集中的なケアの提供。
⑧退所に伴う、評価と居宅ケアマネへの引き継ぎ
⑨次回の予定の確認
その他
・医療健康面においては、特養入居の期間においては施設の嘱
託医が基本的に担当する。退所後での在宅での医療はかかりつ
け医が担当。入退所にともなっては診療情報等での相互の情報
提供を行う。
・入居後における入居者の医療機関の受診および急変時の対応
は長期入居の対応に準ずる。
すでに実践している施設より
相互利用につきましては、今後、全国に広がれば良いと考え、私たちも日々活動
しています。利用者、家族、職員にとってもとても素晴らしい仕組みだと考えてい
ます。
1.1回の利用の限度は、3ヶ月以内と規程されています。今までに
最短で1ヶ月の利用もありました。もちろん2ヶ月の利用でも構いま
せん。ちなみに現在は、初回の利用はご利用者の状態が悪い場合が多
く、3ヶ月の入所で自立支援ケアを行っていますが、2回目以降の利
用については、あまり長く入所することで、施設に慣れすぎてしまう
為、基本的には2ヶ月の入所としています。
2.制度上は年間でのベッド利用の計画を策定しなければならないと
されています。一応分かる範囲での計画をご家族へお伝えしています
。ただ、ご質問の通り急なキャンセルや緊急を要する利用などもあり
、その際には他の利用者ずれていただくこともあります。ちなみに制
度の中では、緊急を要する場合などは、計画を変更して入所すること
は認められています。