農村医学用語集改訂第 3 版の発刊にあたって 初版の農村医学用語集は、農村医学用語委員会(1980 年 10 月の第 41 回理事会で発足)に おいて策定した①農村医学において使用されている用語およびこれと関連の深い用語を選定 する、②農村医学用語集は日本医学会用語委員会「医学用語辞典」の編集方針に準拠する- 等の大綱に沿って 1995 年に発刊された。用語委員会の林雅人委員長は用語集の序文に、登録 された膨大な用語の見直しが繰り返しなされたと記している。どれだけの努力を費やされた かは筆舌に尽くしがたい。初刊から 4 年後の 1999 年に発行された改訂第 2 版は、編集委員会 (真田勝弘委員長)が中心となって新たな用語の採用および第 1 版の見直しが行われた。 今回の改訂第 3 版は、第 2 版発刊以来 16 年ぶりとなる。藤原秀臣理事長(当時)の意を受 け、2013 年 7 月の編集委員会において早川富博編集委員長(当時)より、懸案である用語集 の見直しを行なうことが提案され、8回にわたる編集委員会の検討を経て、2015 年 1 月の第 160 回理事会において承認をいただいた。今回の改訂は、初版の大綱に則り、第 59 回および 第 60 回学術総会における一般演題抄録のキーワードから、農作業災害、農薬中毒、食と生活、 福祉関連、地域医療、チーム医療(ICT,NST,褥瘡)、看護、公衆衛生など多岐にわたる用語を 抽出し、新たに 222 語を追加し、現行用語の見直しも行なった。合わせて巻末に掲載してい る行政関係、JA関係、法律関係の名称も必要に応じて変更した。 改訂第 3 版は、本号の掲載と合わせて本学会ホームページにも掲載するが、2014 年4月か ら「日本医学会医学用語辞典 Web 版」が一般公開されているので、これらをご活用されるこ とを期待する。まだまだ用語は不足かもしれないが、今後更により良いものに育てていただ きたいと願っている。初版・第2版の両委員長が、述べておられるがごとく、言葉は生きて いるものであり、今後も見直しは常に行わねばならない。本改訂第3版も以前と同様に、日 本農村医学会の連綿とつづく歴史のなかで、次の改訂のための出発点であろう。 最後に、改訂にあたりご協力と多大なご尽力をいただいた編集委員各位を始め多くの先生 方に対し、改めて謝意を表する次第である。特に、無理なご依頼に快く応じて頂いた、塩飽 邦憲先生(島根大学)、垰田和史先生(滋賀医科大学)及び上原明子先生(佐久大学)には、 編集委員会を代表してここに深甚なる謝意を表する。 2015 年 5 月 日本農村医学会 編集委員長 山本直人
© Copyright 2024 Paperzz