報告書 - OICE

東京大学 海外留学・国際交流プログラム報告書
大里望 工学系研究科都市工学専攻 M2
参加プログラム:全学交換留学 派遣先大学:ルンド大学
派遣地域:スウェーデン、ルンド
派遣期間:2014 年 8 月 17 日~2015 年 6 月 3 日

派遣先大学の概要
スウェーデンでは、学問ごとで有名な大学は異なるが、ルンド大学はスウェーデンの総合大
学としては最高学府として認識されており、QS Ranking 2014/2015 では、世界 60 番目の
大学と評されている。大学としても正規、交換を問わず留学生の受け入れに力を入れており、
国際色豊かな環境が整えられている。

留学した動機
・英語力の向上
・異国での学習経験
・修士論文に関わる学びを進められるコースがあり、異国で研究を進めるという経験を積み
たかった。

留学の準備
① ビザの手続き(ビザの種類、申請先、手続きに要した時間、ビザ申請にあたってのアド
バイスなど)
90 日以上の滞在のためのシュンゲンビザに関し、申請が承認されるまでに 2 か月程かかる
ため、留学決定後なるべく早く申請するのが良い。
② 保険関係の準備(加入した海外旅行傷害保険・留学保険等)
ジェイアイ傷害火災保険
医療機関にかかることはなかったが、安心のため何かしらの保険に加入するのが無難。
③ 日本から持参した方がよいもの、その他出発前にやっておくべきこと・アドバイスなど
就職活動を考える時期での留学になるならば、スーツを持参すると良い。ボストンやロンド
ン、その他都市で開催されるキャリアフォーラムの参加に必要になる。

学習・研究について
① 履修した授業科目のリスト(授業を履修した場合)
Introduction of Swedish
Swedish Level 1
Societal Resilience
Environmental Issues
Capacity Development
Swedish Social Policy
Urban Shelter Theory
Globalization and Innovation
② 留学中の学習・研究の概要(授業・予習・復習のスタイル、印象に残っている授業等)
スウェーデン語のクラス以外の授業は全て英語で行われたが、語学の面でのビハインド、ま
た積極的な発言を行う欧米の生徒に圧倒され、留学開始当初はついていくのに精いっぱい
であった。徐々に学習スタイルに慣れたが、他の生徒に引けを取らないレベルでの成果を残
すことは最後まで難しかった。
ただ、教授との論文の個人指導などにおいては毎回しっかりと自分の考えを練っていたた
め、こちらの熱意に応じてしっかりとした指導を受けることが出来た。
③
1学期あたりの履修科目・単位数、週あたりの学習・研究時間
1 学期当たり、4 つのコースを受講するように指示を受ける。予習復習、グループワーク等
での授業外での学習も必要にはなるが、授業のコマ数自体は多くなく、勉強以外の予定も比
較的入れやすかった。
④
語学面での苦労・アドバイス等
“ペラペラ”と一言で言っても、日常生活での語学力と、学習、研究を不自由なく行うため
の語学力には大きな差がある。1 年という期間は、後者の語学力を身につけるには短いかも
しれないが、語学力を磨くのにいい環境であることには変わらないので、積極的に言語を使
う機会を見つけるべきだと思う。

生活について
①
寮について
ルンド大学を通じ申し込み、部屋を割り振られた。寮でも他の学生と交流をしたいと思った
ため、個人のトイレ、シャワー有り、キッチンは共有という希望を出したが、結果的にシャ
ワー、トイレも共有の寮を割り振られた。思ったほど、共有のシャワー、トイレも汚くは無
かったが、気にする人は他の寮へ引っ越していった。
また、他の学生と密な時間を過ごせる点で、キッチン、リビングルームを共有するコリドー
タイプの寮は非常にオススメである。
② 生活環境(気候、大学周辺の様子、交通機関、食事、お金の管理方法(海外送金・クレ
ジットカード)など)
暖冬だったため、冬でも最低気温は-10℃程度だったが、日照時間は 1 日 4 時間程にまで短
くなる。鬱にならないよう、友人と定期的に時間を過ごす等、工夫が必要である。
ルンド大学は小さな学生街であるため、生活圏は基本的に自転車でカバーできる。
金銭管理に関しては、日常生活の支払いは全てクレジットカードで済ませていたため、現金
が必要な時にのみ、カードのキャッシング機能を利用した。
③
危機管理関係
スウェーデン、ルンドの治安は日本よりも良く、不安なく生活が出来る良いまちであった。
④ 留学に要した費用について(航空賃、授業料、教科書代、家賃、食費、交通費、娯楽費
などの概算)
・毎月の生活費とその内訳
12 万円前後 (5 万円:寮費用、4 万円:食費、その他経費 3 万円)
・留学に要した費用総額とその内訳
200 万円前後
20 万円:往復航空券、120 万円:毎月の生活費、10 万円:保険、50 万円:休暇中の旅行
⑤ 奨学金
官民協働海外留学支援制度
トビタテ!留学 JAPAN 日本代表プログラム
月額 16 万円
⑥ 学習・研究以外の活動(スポーツ・文化活動、ボランティア・インターン、週末や長期
休暇の過ごし方など)
週末や授業の無い日は、友人達と寮に集まり、ディナーを一緒に作って食事を共にすること
が多かった。皆で集まれる寮があるおかげで、日本で居酒屋で友人と時間を過ごすよりも、
気軽に、そして安価で済む。スポーツに関しては、nation という学生団体のチームもあっ
たが、自分は週 4 程度でジムに通った。
長期休暇に関しては、予定以上に旅行に時間を割いた。アジアからの留学生は、ヨーロッパ
旅行を留学の一つの目的としており、彼らの誘いに応じつつ、計 15 か国に渡航した。

就活準備
M1 の 8 月中旬から M2 の 6 月初旬の期間での留学であり、修士 2 年間の内 10 か月研究室
から不在する形にはなったが、指導教授の理解もあり、延長なしで修了出来る予定である。
就活に関しては、経団連の方針変換により、説明会は 3 月解禁、具体的な選考活動は 8 月
以降と例年に比べると遅くなったが、多くの業界は留学中に日本で選考を行うとのことで、
選択肢は狭まった。
留学中に行ったこととしては、業界研究、企業研究、自己分析日本にいなくても出来ること
はしっかりと進め、興味のある企業に勤め、海外駐在中であった知人を旅行として訪問した。
また 5 月末に行われたロンドンキャリアフォーラムにも参加し、1 社からは内々定をもらう
ことが出来、帰国後の就活に余裕を持たせることが出来た。

論文準備
延長無しでの修了を目指すため、留学先でも帰国後の研究に繋がる勉強に時間を割くこと
を意識していた。具体的には、授業を通じペーパーの指導を受けられるコースにおき、帰国
後進める研究のテーマに関しペーパーを書き、その成果物、また執筆段階での文献調査を帰
国後の研究につなげられるようにした。