第31回・・・お母さんに知って欲しい子供の口と 歯のホームケアー

第31回・・・お母さんに知って欲しい子供の口と
歯のホームケアー(シリーズ~No2)
第31回~アンチエイジング講座
・・・平成21年6月
“天使の微笑み”
まだ首も座らない赤ちゃんが、ふと
したことで微笑むことがあります。
“天使の微笑み”と言われています
が、発達上とても大切なサインです。
心地よさの感覚から口元がゆるんで
微笑みとなりますが、このことは心
理的に快いという感覚が脳に働きかけて、口元の筋肉が反射的にゆ
るんだ状態です。つまり刺激に対する表情の現れであり、感情や情
緒の形成です。ですから生後3ヵ月ごろになっても天使の微笑みが見
られない時には、少し注意して観察し、積極的に働きかけてくださ
い。反応が出てくれば育児も益々楽しくなってきます。
今月は6月4日のむし歯予防にちなみ、第30回の講座の続きを
記載していきます。
0
1.
ヵ月から6ヵ月児のお口のなか
歯が生まれつきはえている~先天性歯・新生児歯
生まれた時にすでに歯がはえていたり・・・
(先天性歯)
生後間もなく歯がはえはじめる(新生児歯)ことがあります。
下の前歯に見られますが、そのために哺乳の邪魔になったり、
上あごの歯ぐきを傷つけたりすることがあります。
※リガフェーデ病・・・
赤ちゃんがミルクを飲む時に先天性歯や新生児歯で舌のう
らを傷つけてしまい、表面が白っぽくて固いしこりをつくるこ
とがあります。これをリガフェーデ病と言い、場合によっては歯
を抜かなければならないこともあります。
※歯ぐきに真珠?
生後2~3ヵ月のころに歯ぐきに黄色み
がかった白い半球状の粒が見られること
があります。これを上皮真珠と言ってい
ます。歯を作る細胞の一部が残って角化したものです。いずれ
も自然になくなりますので、気にしなくても大丈夫です。
※※※ MEMO~舌のこけ
赤ちゃんの舌の上全体が白くなって、軽く拭いても取れないこ
とがあります。ほとんどは母乳やミルクの中のタンパク質が固
まって、舌の細かなしわの中に入り込んだためです。時々はガ
ーゼで舌の表面を拭いてあげてください。
❤カンジダ症…かぜや消化器の病気、発熱のために体力が落ち
たり、色々な薬を飲んでいても白いこけ(黒毛舌も体力低下時
につくことがあります)が付くことがあります。
また感染で親から貰うこともありますので常に清潔にするこ
が大事なこと!であることを忘れず予防の考え方を知り、実践
してください。
2・上手な授乳…脳の発達のはじまり~
生まれてすぐの赤ちゃんの哺乳は、反射的にただ
飲み込むだけです。その中で少しずつ乳首とお口
との関係を感覚的に知り、どうすると上手に飲め
るかを判断した哺乳運動を考えはじめます。つまり生まれては
じめて脳を使っての感覚や運動の学習をはじめているのです。
…授乳は母と子の関係をつくる基本です
じょうずな授乳は母と子の強い絆を作ります。お母さんは母乳
やミルクを飲むお子さんを見つめて、赤ちゃんはお母さんの母
乳やミルクに安心と満足を感じて育ちます。それがお母さんと
の心理的関係だけでなく、情緒の発達を含めた全ての人間関係
の基礎となって育ちますから、授乳は赤ちゃんの食事以外に大
切な意味を持っていることを理解してください。
●上手な授乳と哺乳のチェック項目
1・規則的な授乳で新鮮な母乳
(ミルク)ですか
2・赤ちゃんの抱き方は正しい抱き方ですか
3・赤ちゃんは乳首を上手にくわえていますか
4・乳首の根元までお口に入れていますか
5・哺乳ビンは顔に対してほぼ垂直ですか
6・一定のリズムで力強く飲みますか
7・哺乳ビンの空気穴は働いていますか
8・哺乳ビンの穴の大きさは適当ですか
9・むせ返りもなく連続して飲めますか
10・授乳の後は満足そうですか
11・愛情いっぱいの微笑みと語りかけを忘れずに!
…授乳障害
●上手に母乳を飲めない理由
1・低体重児(未熟児)のため
2・舌小帯(ぜつしょうたい)が短い~舌の前後運動が機能的でな
いため
3・口唇裂、口蓋裂(こうしんれつ、こうがいれつ)~のどの機能
障害があるため
4・顔、唇、舌の運動神経麻痺があるため
5・お母さんの飲ませ方が上手でないため
6・乳首がへこんでいたり飲みにくいかたちのため
3~離乳食の食べさせ方
※離乳食のはじまり
食べる動作は脳の発達…離乳食の始まりは単に栄養をとるだけで
なく、母と子の関係や赤ちゃんの脳の発
達という点から大きな意味をもちます。
離乳食を食べる時の色々な感覚と運動が
脳の学習です。
いつからはじめる?
早いほうがいいわけではありません。
平均的には5ヵ月前後の体調のいい時か
らです。しかし体重が極端に増えていな
かったり哺乳の量が少なくて元気がなか
ったり、また低体重で生まれた赤ちゃん
の場合は小児科の先生に相談してくださ
い。
何から、どのくらい?はじめる?
1・最初は刺激の少ないさましたおかゆ(米1:水10~味はつけませ
ん)から、卵、魚のタンパク質は離乳食
に慣れてから。
2・1日1回から、まず1さじをお口から食べる練習です。
3・虫歯予防と健康作りは~食材の持つ甘みからがスタートです!
※食べさせかたのポイント
1・唇の動きに注目
上の唇を使って「アム」とお口
の中に取り込むことを覚えさせ
ることが大切です。離乳食は唇
の動きを覚えるための大切な食事なのです。
2・スプーン入れ過ぎに注意!
食べ物をのせたスプーンの先をお口の中に半分入れて赤ちゃん
が自分でとるのを待ちます。中に入れ過ぎると唇でとれません
し、かたちや軟らかさの感覚をつかめずに飲み込んでしまいま
す。
3・遊びながら覚えます
離乳食を進めていくと、赤ちゃんのお口にはさまざまな動きが
でてきます。唇をとがらせたり、上下の唇を閉じたままブルブ
ルとふるわせたり、プップッとつばを飛ばしたり、ベーとお口
から出してしまったりと賑やかです。これらは全て感覚遊びで
あり、それを学習して機能に繋げます~手で離乳食を握ったり
することも、実は機能に繋がっていきます!~ママ達の自分の
ハラハラ!ドキドキ!をゆったりとした目で赤ちゃんを見守っ
てあげてください(*^^)v
4・食べる姿勢にも注意
正面を向いた真っ直ぐの姿勢が食べる時の左右の筋肉のバラン
スのとれた感覚を脳に伝えます。顔が横を向いては上手に飲み込
めません・・・この最初の離乳食が将来の健康か心と体を作る
大事なポイントになってきますので!くれぐれも TV は消して、
食から伝える愛情をお互いが築き上げて頂きたいのです。
追加!ポイント!・・・少しは早いですが(*^^)v~おまけ!
子供が一人で食事がとれるようになれば、イスは足が床にピッタ
リつくものを選んであげてください~噛む力が自然とアップし、
脳も免疫力もアップさせることができてきます!…食事の時、ト
イレタイム、ママは?パパ
は?足が?床にピッタリ
とついていますか?
ついていないと(>_<)全て
に損ですよ!今日から意識して今座っているイスが床と足がピッ
タリついていなければ、自分の体を少し前に移動して調節してく
ださい!
新しいイスや便器を買い替える必要はありませんから(*^_^*)
Dr ゆみの4月、5月の近況報告
4月18日、19日は日本アンチエイジング歯科学会が福岡で
開催され、理事として大会のお世話、また TV や書籍などでも有
名な宝田恭子先生の講演の座長もしてきました。今回の大会も
歯科の立場からアンチエイジングを考え「Change」という、テ
ーマで歯科が未来を担う重要な立場であることを実例として紹
介されました。
特別講演では、高視聴率テレビ番組「世界一受けたい授業」な
どでお馴染みのアンチエイジング医療の第一人者である順天堂
大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授の白澤卓二氏が
「美しく老いる「Graceful Aging」をテーマに講演されました。
寿命の決定要因は約75%が生まれた後の環境要因にあり、「食
事・運動・生きる姿勢(生きがい)の3本柱」に対する日常の
意識付けが寿命の長さを左右すると述べられました。
特に食事においては30%のカロリー制限により活性化する遺
伝子で、老化スピードを抑制する長寿遺伝子の存在に言及。
同時に、カロリー制限しなくても長寿遺伝子の活性化が働く
成分の存在を紹介。その成分は果実や野菜の皮、赤ワインな
どに多く含まれ、旬の時期や厳しい環境で育った柑橘類や野菜
に高含有していることが解ってきたことを講演なさいました。
※白澤教授とのツーショット写真を撮
ってもらいました。教授の素敵なスマ
イル(徹底した予防歯科の受診を遂行
されています)
とカロリー制限と運動、サプリメント
etc.により作り上げられた綺麗な体系を維持されていました。
また、名古屋大学医学部顎顔面外科講座教授の上田実氏は「歯
科再生医療の新展開―肝細胞バンクとアンチエイジング医療」
をテーマに登壇。細胞の再生にかかわる幹細胞による再生医療
の日本での実用化は、法整備の遅れもあって基礎研究に偏って
いるが、歯科医療では比較的臨床応用が進んでいる現状を紹介。
今後は口腔組織幹細胞、特に乳歯髄由来幹細胞が骨や皮膚の再
生、脳梗塞や痴ほう症への有用性等あらゆる医療での可能性を
強調されました。
このように、一番私達に身近な乳歯、口腔粘膜が再生療法の最
先端の細胞であること、また虫歯の無い乳歯、健康な口腔粘膜
がいかに将来!自分に役立つか!を皆様にもお伝えしたく記載
致しました。
また当日のサプライズゲストは、なんと!102歳で世界25ヵ国を
講演旅行した福岡在住の昇地三郎氏も来場して頂き、生きる姿
勢や30回噛む健康法を自ら紹介、そしていかに良い口元で噛
むということが男性としての若さ、自信を維持できる最大の秘
訣であるということ!を
力説され会場は大きな拍
手で盛り上がりました。
※昇地氏とのツーショッ
トです(*^^)v
日野原先生ととても良
く似ておられびっくりしましたが、日野原先生よりも姿勢も行
動もお話も活発で驚きの連発でした。
また別会場のテーマセッションではサプリメントを活用して
いる医院や、韓国においてのアンチエイジングをサポートす
る最先端歯科の取り組みを紹介。展示コーナーでは、伯方塩
業、日本分子生理化学研究所、メルシーなど40社が出展さ
れました。
来年は「よく噛んで人生100年計画~食とエイジング」をテーマ
に東京で開催されます。
来年も!出席してきますので~ホットな情報をお楽しみに!
今月は長くなりましたので、✿花のくすり箱、花言葉✿はお
休みさせて頂きます。
今後暫くは、このシリーズで記載させて頂きます。