飛翔No.3 - 日本大学 理工学部 航空宇宙工学科・専攻

日本大学理工学部航空宇宙工学科活動誌
April 2011 / No.
3
□目次□
平成 22 年度 各教員の研究・活動
平成 22 年度 博士論文・修士論文・卒業研究題目
平成 22 年度 就職状況
平成 23 年度 航空宇宙工学科行事予定
2
12
17
20
巻 頭 言
教室主任 桒原 卓雄
平成 22 年の始まりとともに日本の航空機会
社の一角がくずれ航空宇宙関連の学科に進学
を希望する学生に衝撃が走りました.6 月に
は暗雲を振り払うハヤブサによる快挙が成し
遂げられました.鳩山政権が倒れ同じ民主党
の菅政権が誕生し国民の期待が十分高まりま
した.政権交代と中国市場の回復で景気は徐々
に回復に向かってきました.企業の業績も黒
字を確保するところが多く,見かけ上は日本
国の景気の回復を印象付けていました.
ハヤブサは宇宙から帰還するとともに世界
で初めて惑星糸川からサンプルを回収してき
ました.サンプルは日本ばかりでなく世界に
配布され宇宙の誕生の研究に役立つ資料の分
析が開始されました.航空機産業においては
MRJ の製造が本格化してきました.YS11 以来
の国産機の開発ということで重工各社をはじ
め関連会社の士気が高められてきました.
スペースシャトルは 2010 年打ち上げが廃止
となり宇宙ステーションへの物質の運搬がで
きなくなりました.そこで日本の H-IIB が二
度ほど宇宙ステーションに荷物を運搬してい
ます.今年(2011 年)に入りコウノトリによ
り食料等を宇宙ステーションに届け,その様
子が肉眼でも観察できる明るさでした.
航空宇宙工学科は宇宙,航空に関する研究
を幅広く行っています.これらの内容を広く
周知していただくためには毎年アクティビ
ティを公開していく必要があります.飛翔 1
~ 2 号はまだ十分に卒業生や関連企業,政府
関連に浸透していません.大学の中で行える
研究には限界がありますが,先生方,学部の
学生,大学院の学生が一生懸命に研究を行っ
た内容を含んでいます.研究項目のみ挙げて
いますが興味のある研究は研究室を訪ねれば
アクティビティが得られます.これから航空
宇宙工学科をさらに発展させるための布石と
して飛翔 3 号は存在します.
各教員のアクティビティ Topics 1
燃焼研究の難所,
「爆轟波」と「燃焼波」の間を行く
教授 田辺 光昭
※田辺先生は平成 23 年 4 月に教授に昇進されました .
前年度から「反応性流体力学」の講義をは き,燃焼波も爆轟波もうまく使えないという
じめました.エンジンの燃焼の分析を中心に ことです.この流速はラムジェットやスクラ
話しています.航空機やロケットでは小型軽 ムジェットエンジンの燃焼器に相当するので,
量高出力の推進装置が求められます.そのレ 解決策が摸索されています.燃焼波の速度が
ベルは尋常ではなく,ロケットエンジンなど 数倍高い水素燃料の使用はその1つです.他
は,原発 1 基分のエネルギーを,ドラム缶一 に,らせん状に爆轟波を伝播させ,見かけの
本程度のスペースで発生させています.この (軸)速度を落とす,あるいは,火種を分散さ
様な超高密度のエネルギー生成を安全に実現 せて着火の連続で炎を進めるとか,予熱で燃
させているのが「燃焼」で,とても興味深い 焼波の速度を上げる試みなどがあります.た
だし現状は,どの方法も決定打といえるもの
現象です.
講義では,燃料と酸化剤を混ぜた「可燃性 ではありません.
混合気」に火をつけるとどうなるかという問 私どもの研究室で最近 ESA と実施した研究
題を解きます.炎ができ,それが水面の波の で,周期的な圧力波(音波)に反応促進作用
ように一定速度で混合気中を伝播して燃えま があることが解かってきました.衝撃波ほど
す.理論解析から波の速度の違う2つの定常 強くない圧力波を使い,かつ定常解でなくて
解が導けます.
「爆轟波」と「燃焼波」です. よいならば,燃焼波以上で爆轟波以下の毎秒
爆轟では,燃えたガスが未燃の混合気を押し, 数 100m の伝播速度の炎ができるかもしれませ
衝撃波が出来ます.衝撃波が伝播すると背後 ん.これまでに,ジェットエンジンを想定し
の混合気が圧縮を受けて燃え,未燃部をさら た連続燃焼器で適切な音を与えると,保炎器
に押して強い衝撃波が維持されます.
「爆轟波」 なしでも炎が吹飛ばないなど定常解からは想
は圧力勾配が大きいので,物を破壊する力も 像できない現象を作りだせるようになりまし
持っています.いわゆる「爆発」です.爆轟 た.さらに,ガソリンエンジンの燃焼室でも,
波は大抵毎秒 1 ㎞程度以上の伝播速度で,そ 燃費改善を妨げる爆轟発生に,筒内を行き交
れ以下の流速では火炎が逆走して危険です. う圧力波の反応促進が関与している兆候をつ
「燃焼波」は圧力がほぼ一定で,熱伝導で熱が かみ,自動車メーカと研究を進めています.
火炎前方に伝わって未燃混合気を反応させて この先どんな世界が開けているのか,あるい
進む炎です.家庭のコンロの炎がこれに相当 はすぐ行き止まりなのか,まだ先は見えませ
します.燃焼波は伝播が遅いので,エンジン んが,「圧力波でラムジェットに火を灯そう」
では乱流で波面を乱し,波面面積を増やすこ と学生達と密かに夢見ながら研究を進めてい
とで伝播を早くします.ただし強すぎる乱流 ます.
は熱を奪い,消炎作用があるため,乱流を使っ
ても石油系燃料の燃焼波の伝播は高々毎秒
100m 以下です.より高速の気流中では炎は吹
飛んでしまいます.ここで問題となるのは,
気流の速度が毎秒 100m から 1km の間にあると
-2-
各教員のアクティビティ Topics 2
周囲と密度が異なる
気体噴流に関する研究
教授 村松 旦典
※村松先生は平成 23 年 4 月に教授に昇進されました .
以前,「どのような研究をしているのですか」
,と尋
ねられて,標記の研究の内容について説明したところ,
「軍事研究ですね」
,と航空宇宙推進機の技術者から言
われたことがある.これは,ジェットエンジンあるい
はロケットエンジンから大気中に噴出される高温のガ
スは周囲大気と拡散・混合せずに長い高温領域を形成
するので赤外線探知のミサイルの目標となるから,高
温の排気を急速に拡散させる方法の研究が進められて
いる,とのことであった.そして,ノズル形状を変え
て拡散・混合の効果を調べる研究がなされているとの
ことであった.私と恩師の江良先生(元・本学科教授)
がこの課題に取り組んだのは拡散燃焼に関する基礎研
究としてである.同じ研究でも見方によって応用分野
が異なる.
拡散燃焼とは燃料と酸化剤をあらかじめ混ぜ合わせ
て燃焼させる(予混合燃焼と呼ばれる)のではなく,
燃料を酸化剤(一般には空気)中に噴出して酸化剤と
燃料を拡散・混合させる燃焼方式であり,ディーゼル
エンジン,ガスライタやろうそくなどの燃焼方式であ
る.ガスライタのように燃料を孔から噴出させ燃焼さ
せる拡散噴流火炎の火炎形成領域を予測するためには,
燃料ガス噴流の流体力学的な特性を知ることが必要で
ある.噴流火炎を形成するには適切な燃料濃度で,適
切な速度を持った噴流による流れ場を形成しなければ
ならないからである.
一般に燃料と酸化剤の分子量は同じではなく,分子
量は運動量の輸送に関係する粘性係数やエネルギの輸
送に関係する熱伝導率の値を決めるので,分子量の違
いによって形成される流れ場に違いが現れる.このた
め,空気中に空気とは分子量(すなわち,密度)の異
なる気体を噴出して,噴流の濃度や速度分布を調べ,
密度の違いによる影響を調べることが求められた.ガ
スクロマトグラフと総圧管による測定が行われ,得ら
れた平均濃度および平均速度の分布には密度の影響が
現れることが,江良先生や海外の研究者によって示さ
れた.
実用上では,気体の燃料と酸化剤の混合を促進して
小型で高温の火炎を形成することが要求され,ほとん
どの場合の流れは乱流(乱れた流れ)となる.乱流の
場合,流れの濃度や速度の平均値の分布はこれらの変
動値によって支配されているので,濃度と速度の瞬時
値を計測することが望まれるようになった.このよう
測定法の開発を行うことになった.
測定法には,乱流の速度を測定するために開発され
た熱線風速計を応用することにした.熱線風速計は直
径 5μm,長さ 1mm 程度の金属線を電気的に加熱し,
その強制対流熱伝達による放熱量から速度を測定する
計測器で,1/10000 秒の時間的な変化にも遅れること
なく測定できる.熱線風速計を応用して,音速でサン
プリングし,サンプリングプローブ内に設置した熱線
風速計により濃度の瞬時値を検出するセンサを開発し
た.このセンサを熱線濃度計と名付けた.密度が変化
する流れ場では,熱線風速計は速度だけでなく濃度に
も感度を持つので,熱線濃度計により測定した濃度の
値により補正して混合気体の速度を求めるようにし
た.
この測定法を周囲と密度の異なる気体噴流に適用
し,乱流噴流の自己保存領域において濃度と速度の同
時測定を行った.平均値の空間分布については従来と
同様に密度の関数として表せることを確認した.濃度
や速度の乱流スケール,濃度と速度変動の関係などで
新たな知見が得られた.これらの研究は学位論文「熱
線濃度計を利用した混合ガスの濃度と速度の測定法に
関する研究」の主要部分となった.
この研究の過程で,周囲より低密度の気体を噴出し
た流れは噴出ノズル直後から大きく広がり,周囲気体
と密度が等しい気体や大きな気体を噴出した場合と噴
流の構造が異なることに気付いた.特に,円形のノズ
ルから噴出するのにもかかわらず,低密度気体噴流で
は非対称で大規模な流出構造が形成される場合がある
ことが特徴である.この現象に興味を持ち,その形成
要因や形成過程を現在実験的に調べている.この研究
を始めた頃,3 ヶ月間テキサス大学・航空宇宙工学科
で研究する機会に恵まれ,レーザを利用してヘリウム
ガス噴流について調べた.ここで得たデータや経験は
研究を進める上で貴重なものとなっている.
近年は噴流の研究や測定法の開発だけでなく,航空
流体力学分野の研究も行っている.翼面上の流れを制
御する目的で,能動的な流体制御デバイスであるプラ
ズマアクチュエータに関する研究を,本橋教授,大竹
助教と共同で実施している.この研究は国内では先駆
的に始めたので,日本流体力学会会誌(Vol. 29, No.
4, 2010)のプラズマアクチュエータの解説において,
私たちの研究が紹介された
なときに,江良研究室にお世話になることになり,
-3-
航空宇宙工学系
石川芳男 教授
の代わりに局所的相互作用則を用いて,直接的に生物
活動を模擬するシミュレーション手法である.
5)Winged seed の遺伝的発達に関する研究:
植物の種子の中には翼を持ち,自ら飛行することで
■現在の主な研究内容:
1)Space-plane(SP) の概念設計に関する研究:
SP は,スペースシャトルに代わる次世代型宇宙
散布するものがある.これは,何らかの基準で最適化
され生まれたはずであり,最適化手法を用いてこの発
達をシミュレーションしようとしている.
往還機である.これの概念設計を行うためには,強
■昨年の主な発表論文:
力なシステム最適化法を構築する必要がある.
1) 石森,飯塚,中根,石川,吉田,山口:”スペースプレー
2)MPD スラスタの最適化に関する研究:
ンの概念設計 -2種の機体構成と2種のエンジン
システムに関して-”,第54回宇宙科学技術連合講
演会
2) 大竹,高橋,中根,石川,窪田,船木:”非平衡電離
プラズマを用いた軸対称 MPD スラスタの最適形状探
索 ”,第54回宇宙科学技術連合講演会
3) 山崎,大田,中根,石川、宮嶋:”CELSS に対する自
律分散制御手法の適用 ”
,第54回宇宙科学技術連
合講演会
4) 寺尾,王丸,中根,石川,杉浦:”生物の突然変異が
マイクロコズムに及ぼす影響 ”,2010 生態工学会年
次大会
5) 尾崎,横野,中根,吉田,山口,石川:”最適化手法
による Winged Seed 形態の進化に関する研究 ”, 第
15 回計算工学講演会
宇宙における電気推進器の1つである MPD スラス
タの性能を最大化するため,電磁流体解析を伴う最
適化シミュレーションを行っている.
3)宇宙基地の構築に関する研究:
宇宙における生命維持・人間活動・さらには生命
連鎖を保証するために必要な,人工閉鎖生態系にお
ける安定した物質循環の確立を目指している.
4)個体ベースモデルによる微生物生態系の研究:
個体ベースモデルを用いて,3種の微生物(生産
者・分解者・捕食者)から成る生態系の解析を行っ
ている.個体ベースモデルは,従来の微分方程式系
航空宇宙工学系
安田邦男 教授
図の約-0.4 秒から竹とんぼが回転し始め,0.0 秒点
で投擲装置から離れて上昇し飛び出します.初期回
転数は,#1 が毎分約 3000 回転で #10 の毎分約 3700
回転までの変化します.回転数が増加するので上昇
竹とんぼの空力・飛行特性を解明するために機械
速度も増加し到達高度も増加します.回転数は,竹
装置を用いて投擲実験を行いました.人の手による
とんぼが投擲装置から離れたら減少します.
投擲実験では,初期回転数は毎分約 4000 回転で手
から飛び出すことがわかったのですが,竹とんぼが
1.0
到達できる高度が正確には測定できませんでした.
0.9
0.8
これは,人の手の動きが竹とんぼに初期速度や飛び
しまいました.そのために到達高度が大きくばらつ
きました.そこで人による投擲ではなく,機械的に
投擲できる装置を製作しました.機械的に投擲でき
る装置では,一定の初期条件で投擲できるのです.
初期回転数のみを 10 種類で投擲しました.図は,
横軸に時間秒,縦軸に高度の変化を示しています.
測定は,0.001 秒間隔で行いましたが図は,0.03 秒
間隔で表示しました.#1 ~ #10 は,初期回転数の
変化を表し 10 種類の初期回転数で投擲しました.
-4-
0.7
高度, h (m)
出し角度を与えてしまい到達高度に大きく影響して
0.6
0.5
#1
#2
#3
#4
#5
#6
#7
#8
#9
#10
#10
#6
0.4
0.3
0.2
0.1
#1
0.0
-0.1
-0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8
時間, t (s)
航空宇宙工学系
松原一雄 専任講師
これらは,当研究室の研究テーマの 1 つである
「Visual Sensing」と同様の技術を応用したものです.
Visual Sensing とは,カメラによる時系列画像から対
象物の形状・位置・姿勢などを検出する技術であり,
航空計器及びその計測システムを専門分野とし, 当研究室では,無人宇宙機の位置姿勢推定,無人探
航空計器や宇宙機器に用いられるセンサから表示シ
査機の着陸地点探索,自律型探査ローバーの障害物
ステムまで幅広い領域を研究対象としています.
検知と経路生成,超小型人工衛星における柔軟構造
研 究 実 績 と し て は,IVSI の 開 発,Windshear
物の展開状態測定など,計測から認識アルゴリズム
Detector の 開 発,総 圧 変 動 指 示 計 の 開 発, まで幅広く研究を進めています.
Corrugated Diaphragm Capsule の特性解析及び最適
もう 1 つのテーマは、将来導入される複雑な着陸
形状設計,Acoustic Emission による構造体の破壊
進入コースに対応した新しい情報表示システムの開
予測,GPS 航空航法,Visual Display による空港進
発を目指したもので,昨年度から,単眼 HMD 形式
入システム等を挙げることができます.近年は視覚
の実験用シミュレータの開発を開始しています.
情報に関する分野に重点を置いています.
昨年は,探査機はやぶさが,小惑星イトカワから
業績例
微粒子を採取して帰還したことが大きな話題になり
1) Two Effective Methods of Approach and Landing by ました.はやぶさは,カメラによって相対距離の推
Visual Display
定を行う自律的な画像航法システムと,タッチダウ
2) Nihon University Nano Satellite Development Projects :
ンマーカーの反射光画像から着陸降下中の水平方向
SEEDS and SPROUT
速度と位置を検出するシステムを搭載していました. 3) 最適推定論の GPS 航空航法への応用
航空宇宙工学系
中根昌克 助教
し,未だ包括的な設計指針は得られていない.
私達は,特に MPD スラスタのノズル形状に着目して,
どのような形状が最適なのかを数値計算を用いて研究
■現在の主な研究内容:
している.ノズル形状が変化することにより,プラズ
石川芳男教授と一緒に宇宙システムや循環システ
マ内部に発生する磁場の分布が変化するため,ノズル
ムなどの問題の解析および最適化に関する研究など
形状が変化することにより性能向上が見込めるのであ
を行っている.その中の 1 つ,MPD スラスタのノ
る.昨年度では最適化手法の選定が終わり,実際に CFD
ズル形状最適化はに関して述べる.
と最適化手法を用いて最適化を行った.今後は,CFD の
MPD スラスタは,宇宙用電気推進器の一種であ
モデル厳密化が必須である.
り,以下のように推力を発生させる.まず,推進剤
を放電によりプラズマ化させる.プラズマ化した推
■昨年の主な発表論文:
進剤は電流を通すが,その流れる電流が磁場を誘起
1) 中根,永尾 , 石川 , 窪田 , 船木 :”応答曲面法を用
する.すると,この磁場と推進剤プラズマが相互作
いた 2 次元同軸形状自己誘起磁場型 MPD スラスタの
用し、いわゆるローレンツ力によってプラズマが加
最適形状探索 ”, 日本航空宇宙学会論文集(掲載号
速される.この反力が推力となる.MPD スラスタは,
決定待ち )
電気推進機の中では大きな推力を有しているが,電
2) NAKANE, YAMAZAKI, ISHIKAWA and MIYAJIMA:
力を速度に変換する効率(推進効率)が 20% 程度と
”Autonomous Control Method for Material Circulation in
非常に低いため,未だ実用化には至っていない.
Advanced Life Support System”, AIAA-2010-6227.
この低い推進効率を向上させるため,今までに
3) 高橋,久保,大竹,中根 , 石川 , 窪田 , 船木 :”2 次
様々な実験・数値計算が行われてきた.しかしなが
元軸対称モデルを用いた MPD スラスタの電極形状最
ら,内部プラズマ挙動が複雑であることなどに起因
適化 ”, 平成 22 年度宇宙輸送シンポジウム
-5-
動力学・制御工学系
● 発表論文
Nonparametric Adaptive Attitude Control System
佐藤親俊 助手
Accommodating Nonlinearity and Uncertainty (2010
AIAA GN&C)/ Robust Control System for Automatic
Landing of Spaceplane Merging Dynamic Inversion with
なぜ航空宇宙工学科で制御工学が必要なのです DAC Observe (2009)/ Design of Adaptive Control System
か?と疑問を呈する学生がいます.実は私も昔,卒 For Lateral-Directional Motion in Automatic Landing
業研究には飛行力学を研究テーマにしたいと考え, (2009) / Design of Disturbance-Accommodating Control
恩師に相談したところ,即座に「君!力学は既に確 System for Nonlinear Attitude Control of Spaceplane
立された学問だよ.これからは制御です!」と一撃 (2009)/ 他.
を食らいました.やがて恩師の答えは的中し,今や ● 受賞
航空機・宇宙機の飛行力学の研究者はすべて制御工 Best Presentation Award 受 賞:"Nonlinear Adaptive
学を専門とする時代です.自動操縦装置から,ロボッ Control Law for ALFLEX using Dynamic Inversion and
ト制御,モータ制御,油圧機械制御,電力網制御, Disturbance Accommodating Control Observer".
原子炉制御,化学プラント制御,車両制御,自動車 ● プロジェクト
制御など広範囲の工業製品に応用されています.す 「垂直着陸機の最適誘導と適応制御アルゴリズムの開
なわち,制御工学は数学や物理学と同様に,各専門 発」科学研究費補助金(H14,15,16)
「宇宙輸送システムへの適応制御の応用」JAXA 委託研
学科に共通に必要とされる横断的学問なのです.
究 (H17,18,19)
● 研究テーマ
「人力飛行機用フライトシミュレータの開発」理工学
適応飛行制御/宇宙往還機の誘導制御と自動着陸
/再使用型ロケット・惑星軟着陸機の誘導制御/小 部特別推進研究費 (H18)
「特性変動と故障に適応する有人宇宙往還機用誘導制
型衛星の姿勢制御/各種シミュレータ開発など
御系の設計」科学研究費補助金 (H20,21,22)
● 著書
「UAVの姿勢制御システムに関する研究」研究奨励
「わ か る 制 御 工 学 入 門」, 産 業 図 書 (2004,2006,
寄付金 (H22)
2009)
嶋田有三 教授
動力学・制御工学系
内山賢治 准教授
◆ 研究内容
UAV の自律飛行制御
リアルタイム性を有した分散型の UAV(無人飛行
機)自律飛行制御システムの開発を行っている.
(科学研究費補助金基盤研究 (c))
宇宙機のフォーメーションフライト
複数の宇宙機利用計画に対して,フォーメーショ
ンフライト(編隊飛行)を実現するための誘導制
御に関する研究を行っている.
宇宙機の最適軌道決定
推力などの制約条件を考慮した最適軌道問題にお
いて,解析的なアプローチにより最適解を求める
研究を行っている.
小型人工衛星の姿勢制御
小型人工衛星用の姿勢制御装置の開発および制御
系の構築を行っている.
(理工学部シンボリック
プロジェクトの一環)
宇宙テザー・宇宙エレベータの研究
小惑星の試料採集技術に関する検討を行ってい
る.また,新たな輸送機関として注目されている
宇宙エレベータに関する研究を行っている.
(藤
井教授との共同研究テーマ)
-6-
◆ 所属学会
・日本航空宇宙学会
・計測自動制御学会
・日本機械学会
・AIAA(米国航空宇宙学会)
◆ 研究成果
・K.Uchiyama, “Closed-Form Guidance Law for Lunar
Lander with Input Constraints”, Global Lunar
conference, 2010.
・M.Suzuki, K.Uchiyama, D.Bennet, “Autonomous
Formation Flight Using Bifurcating Potential Fields”,
International Council of the Aeronautical Sciences, 2010.
・M. Kokume, K. Uchiyama, “Guidance Law Based on
Bifurcating Velocity Field for Formation Flight”, AIAA
guidance Navigation and Control Conference, 2010.
・R. Ohkawa, K. Uchiyama, and H. A. Fujii, “The Effect
of Disturbances on Space Elevator Dynamics with Flexilbity”, 61st International Astronautical Congress,
IAC-10-D4.4.5, Prague 2010.
・細田,小池,菊入,内山,藤井:惑星表層サンプ
ルの採取方法の検討,第 54 回宇宙科学技術連合講
演会,JSASS-2010-4413,静岡コンベンションアー
ツセンター 2010.
動力学・制御工学系
安部明雄 助教
また,その後は,宇宙から地球に帰還する際の大
気圏突入からの自動着陸問題に取り組んでおります
(業績 [3], Fig.1).
[1] State-Space Exact Linearization and Minimum Energy Guidance for a 私は,2006 年に本学の大学院博士課程を修了後,
引き続き航空機・宇宙機のための誘導・制御理論の
構築と適用に関する研究と教育に従事しております.
学位は,「厳密な線形化法によるスペースプレーンの
誘導制御方式の研究」でいただきました.
スペースプレーン(Spaceplane)とは,飛行機の
ように滑走路から離陸して,加速しながら高度を上
げていき,最終的に宇宙まで到達する機体を表して
Spaceplane, Proceedings of 24th International Symposium on Space Technology and Science, Japan, pp. 1053-1058, 2004 (Selected Papers).
“Modi Memorial Jaya-Jayant Award”
[2] Minimum Acceleration Guidance Law for Spaceplane in Ascent Phase via Exact Linearization, Transactions of Japan Society for Aeronautical
and Space Science, Vol.48, No.161, pp.135-142, 2005.(嶋 田 先 生・内
山先生と共著)
[3] Three-Dimensional Entry Guidance Using Exact Linearization, Proceedings of 25th International Symposium on Space Technology and
Science, Japan, pp. 481-486, 2006 (Selected Papers).(嶋 田 先 生・内 山
先生と共著)
V : Velocity
γ : Flight Path Angle
χ : Heading Angle
います.現在,わが国でも将来建設予定の月面基地
と地球の往復手段として 2050 年の就航を目指し,研
究が行われています.
私は,2001 ~ 2004 年にかけて,スペースプレーン
特有の水平離陸からの上昇運動に関して,飛行中に
1. Re-entry Phase:
Alititude range
from 120 to 24 [km]
Velocity range
from 7.9 to 0.8 [km/s]
自律的に飛行経路を変更可能な誘導制御システムを
2. Terminal Aera
Energy
Management Phase
3. Approach and
Automatic Landing
開発し,学会賞をいただきました(業績 [1],[2]).
Fig.1 Flight schame of Re-entry Vehicle
構造・材料工学系
出井裕 教授
1.研究テーマ 1) 放電プラズマ焼結法による TiB ウィスカ強化チ
タン基複合材料 2) 金属-セラミックス系傾斜機能材料
最近の航空機材料では,軽量で耐久性に優れた材
料が使われる傾向にあります.現在開発中の B787(米
国・ボ ー イ ン グ 社)と A350(欧 州・エ ア バ ス 社)
の機体では,炭素繊維強化複合材料(CFRP: 炭素繊
維をエポキシ樹脂で固めた材料)が大量に使われま
す.これまでの機体は 80%から 90%がアルミニウ
ム合金でしたが,50%以上が CFRP になります.こ
れも伴い,CFRP と相性がよいチタン合金も使われ
るようになります.チタン合金は軽量で耐食性に優
れています.そこで私共の研究室では,チタン合金
粉末を新しい技術で固化(焼結)し,低コストで信
頼性の高いチタン合金製航空機部品の製造技術の確
立と材料特性評価を行っています.その他に,材料
の組成を徐々に変化させた金属-セラミックス系傾
2.研究発表
1) 出井 他,放電プラズマ焼結法による Ti-6Al-4V 合
金の焼結性と強度特性,日本材料学会第 55 期学術講
演会,2010 年 5 月 ほか国内発表 4 件.
2)Izui, Ohta, Egawa and Matsumoto, Mechanical and Fatigue Properties of Ti-6Al-4V and TiB/ Ti-6Al-4V Prepared by Spark Plasma Sintering,
AeroMat 2010, 他国際会議での発表 1 件.
3.委託研究
1) 次世代構造部材創製・加工技術開発(次世代チタン
合金創製・加工技術開発)」,経済産業省(平成 22 年度)
4.受賞
日本粉末冶金工業会 第 8 回 PM 研究促進展 研究奨励
賞.
斜機能材料に関する研究も行っています.
-7-
構造・材料工学系
川島孝幸 教授
実験では墜落の可能性があるので,まず無人の飛行機(U
AV)を使うことで,このリスクは回避できます.しかし,
このときも減衰が立ちはだかるので,研究が必要になり
ます.
航空機の構造には,ライト兄弟のフライヤー号以
*研究テーマ
来,操縦性を確保する要素として構造の変形を積極
マルチボディーダイナミックスの制振設計
的に利用する仕掛けがあります.航空機の構造が積
粘性流れによる空力弾性問題
極的に形をかえるのは,飛行中の条件が変わること
UAVによるグライダーのウインチ発航に関する研究
に対応するためです.このような構造物を適応構造
*著書
物と呼びます.適応構造物は,容易に揺れが起こり
材料力学入門(理工学者)
やすいので,揺れを抑制する研究も合わせて行う必
航空機構造力学(産業図書)
要があります.揺れを抑制する方法の一つは減衰性
*最近の研究成果
に注目することです.減衰はすべての構造の揺れに
非線形構造の減衰について (2010)
役立つ性質と考えています.
バネー減衰器によって連結された多体棒系の運動解析
減衰性は重要な性質ですが,減衰学という学問は
(2010)
ありません.減衰は振動工学で紹介されます.また
工業力学で最初の説明があると思います.このよう
に減衰は力学分野で紹介される物理的性質です.
Tokyo(IASS2010)
Damping Characteristics of a Prestressed Concrete Cylindrical Shell in Chiba, Japan 航空機に人が乗らないと,人命に関係しないので,
(Movic2010)
実験を大胆に実行できます.減衰に関係する飛行
グライダ曳航索の安全装置について (2009)
構造・材料工学系
宮崎康行 教授
【2010 年度の研究内容】
1. ゴッサマー・マルチボディ・ダイナミクスの保存型解法:
文科省・科研費(基盤研究 B)の援助のもとで開発した,
膜面や剛体等から成る多体系の動力学の解析コード NEDA2.0 による解析結果を,JAXA のソーラー電力セイル
小型実証機 IKAROS のフライトデータと比較することに
より,コードを宇宙実証した.
2. ゴッサマー構造の非線形構造ダイナミクスの経験的モデ
ル低次元化の研究:より迅速な設計や挙動予測が可能で,
制御モデルにも利用可能な低次元モデルを研究中.大型
真空層にて実験検証を実施中.
3. 複合膜面構造の研究:膜面とインフレータブル構造物か
ら成る複合膜面構造物の宇宙展開実験を,超小型人工衛
星 SPROUT を用いて行う予定.現在は,概念設計が固まり,
EM 開発に着手するところ.
4. 超小型衛星技術を応用した実践的な軌道上サービスシス
テムの探求(代表:東工大・松永准教授)
:文科省・科
研費(基盤研究 A)の研究分担者として,カメラによる
大型宇宙構造物の状態監視システムの研究を実施中.宇
宙空間での撮影を模擬した大型暗室を構築中.
5. ソーラー電力セイル小型実証機 IKAROS の軌道上実証:
打ち上げは成功し,NEDA2.0 を宇宙実証できた.
6. 木星・小惑星探査用中型ソーラー電力セイルの研究: JAXA のソーラーセイル WG に参加.IKAROS の成功を受け,
一辺 50m の大型セイルを展開する探査機のセイル構造設
計に着手.2010 年代終わりの打ち上げが目標.
7. 軽量マルチセル宇宙構造物システムの研究(代表: JAXA・石村准教授):JAXA のオープンラボの一貫として,
-8-
Damping Characteristics of a Steel HP Shell in
川上産業・東大と共同研究中.構造特性評価を担当.地
上へのスピンオフ製品の開発なども実施中.
8. 宇宙インフレータブル構造の宇宙実証(代表:東大・青
木教授):ISS の JEM 曝露部にて実験する FM が完成・納
品され,2012 年はじめに HTV にて打ち上げ予定.
9. 先進軽量構造システムの研究(代表:室蘭工大・樋口教授)
:
JAXA の戦略的開発研究費による標記研究チームに参加し,
超軽量構造の基盤技術と応用展開グループのリーダを担
当.また,膜面のしわや接着・折り目の数学モデルの研
究や,膜面の亀裂進展の研究など,今後のゴッサマー宇
宙構造物の利用に不可欠な要素技術を研究.
10. 日本発の「ほどよし信頼性工学」を導入した超小型衛星
による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築(代表:
東大・中須賀教授):標記の内閣府・最先端研究開発支援
プログラムのとりまとめメンバー・サブテーマ「先進的
超小型衛星設計論と要素技術に関する研究」のリーダと
して参加.また,展開アンテナの研究を実施中.
【2010 年度の学会活動】
日本航空宇宙学会論文集編集委員・構造部門幹事,日本機
械学会論文集編集委員・宇宙工学部門運営委員,ISTS プロ
グラム委員・論文集 editor 等.また,宇宙工学の研究・開
発に関する新雑誌を準備中(乞うご期待).
【2010 年度の主な成果発表】
[1]M. Yamazaki and Y. Miyazaki, "Empirical Model Reduction of Spinning Solar Sail," Trans. JSASS. Vol.8, Pc_35-40, 2010.
[2]H. Sakamoto, Y. Miyazaki, and O. Mori, “Transient
Dynamic Analysis of Gossamer Appendage Deployment
Using Nonlinear Finite Element Method”, AIAA-2010-2587, pp.1-15, 2010.
[3]N. Kishimoto, et. al. "On-orbit Verification of Inflatable Space Terrarium on the Exposed Facility
of the International Space Station", IAC-10-D3.3.3,
pp.1-7, 2010.
流体工学系
本橋龍郎 教授
牛島正道 助手
主に低速(流速 50m/s 以下)での流体力学の基
礎研究を行っています.研究手法には,風洞実験と
数値計算を用います.下図は,低速流れの中の小さ
な翼周りの流れを可視化した一例です.翼の周りに
は,境界層という薄い層が存在し,この層の中で流
れが不安定になったり,翼面から境界層が剥がれた
りすると,翼の性能に大きな影響を与えます.特に
低速では,速度の違いにより境界層の振る舞いが複
雑に変化するため,詳細な研究が遅れています.
最近の論文
[1] 大竹智久・中江雄亮・本橋龍郎“ 低 Re 数領域での
NACA0012 翼の非線形空力特性 ”日本航空宇宙学会論文集
vol.55, No.644, pp.439-445, 2007.
[2] 永井俊一・大竹智久・本橋龍郎“ 人力飛行機の換気口が
パイロットの冷却と胴体抵抗に与える影響 ”日本航空宇宙
学会 vol.56, No.656, pp.442-448,2008.
[3] 中江雄亮・大竹智久・本橋龍郎・小紫誠子・桑原邦郎“ 低
レイノルズ数領域における翼の空力特性に与える剥離泡の
影響 ”日本大学理工学研究所所報 vol.118, pp.99-107,
2008.
[4]Ohtake,T. & Motohashi,T.“Nonlinearity of Lift
Characteristics Caused by Separated Flow on an
Airfoil at Low Reynolds Numbers”, ICJWSF-2008.
[5] 大竹智久・本橋龍郎 :“ 低 Re 数領域での NACA0012 翼まわ
りの流れ場 第 1 報 翼後流の特性 ”, 日本航空宇宙学会
論文集 , vol.57, No.669, pp.397-404.
α=0.0°
α=0.0°
α=5.0°
α=5.0°
α=7.5°
α=7.5°
Separation Bubble
α=10.0°
Re=30000 での
流れの可視化
Separation Bubble
Re=50000 での
流れの可視化
α=10.0°
流体工学系
村松旦典 教授
2. 低レイノルズ数(非常に低速で微小な)噴流中の乱
れの生成および成長過程を調べている.
3. レーザシートを利用して流れ場を 3 次元的に可視化
して見る方法の開発を進めている.
4. プラズマの生成による流体制御素子(プラズマアク
チュエータ)の基本的な性能の調査および翼周りの
流体の圧縮性を考慮しなくてもよい低速な領域(一
剥離制御への応用を行っている.
般にマッハ数が 0.3 未満)での流れに関係した基礎研
究を行っている.このような流れでは流体の持つ粘性
2010 年度の研究成果の発表
の影響を考慮する必要がある.このような流れを扱う
1. A. Muramatsu,“Side-jet formation in pulsed
学科目は粘性流体力学と呼ばれ,学部の 3 年次および
air jets”, 3rd ICJWSF, 2010-9.
大学院で学習する.流体の持つ粘性の作用により,翼
2. Y. Yanase, et al.,“Influence of DBD plasma
のような固体壁面と周囲の流れの間に境界層が,ある
actuator on aerodynamic characteristics of いは速度差を持った流れの間に剪断層が形成される.
NACA0012 airfoil at low Reynolds numbers”, 翼周りの境界層の性質が翼の性能に,噴流(空間に噴
3rd ICJWSF, 2010-9.
出した流れ)の剪断層の性質が噴流の混合や伝熱の性
3. 村松旦典・生板翔平,“ 低レイノルズ数での 2 次元
能に関係するので,境界層や剪断層の性質を知り制御
噴流の発達過程 ”,可視化情報学会全国講演会,
することが,様々な流体関連機器の性能向上に関係す
2010-10.
る.例えば,
近年のジェットエンジンに採用されたシェ
4. 金田康宏・村松旦典,“ 周囲より密度の低い気体噴
ブロンノズルは,ノズル出口で形成した強い縦渦によ
流のサイドジェットの発生条件 ”,第 88 期日本機
り噴流のコアを包み込み,噴流(ジェット)騒音を低
械学会流体工学部門講演会,2010-10.
下させることに成功している.
など,国際会議 4 件,国内学会 9 件および学内講演会
3 件を発表した.学内講演会である理工学部学術講演
2010 年度の研究内容
会では,“ 流れ場の 3 次元的な可視化手法の検討 ”お
1. サイドジェット(ノズル出口近傍で生じる噴出
よび“ バースト波を用いた DBD プラズマアクチュエー
流体の噴流コアからの流出または分岐現象)につ
タが誘起する流れ ”を発表した 4 年生,2 名が優秀発
いて,形成の条件,要因とメカニズムを調べている.
表賞を受賞した.
-9-
流体工学系
安部建一 専任講師
高橋賢一 助手
そこで,風洞実験では実機の実大模型(操縦席部分
のみ)を作り,給排気口の大きさと位置を変えて実験
を繰り返した.その結果から,給排気口の大きさおよ
び位置を決定し,実機でもその効果が確認した.その
安部研究室では,理工学研究所所有の 2m×2m
の大型低速風洞を用いた流体力学に関する基礎研究
を行っている.ライト兄弟が初飛行に成功したのも,
風洞実験で主翼の形状を決めたことも成功の要因で
ある.飛行機とともに発達した風洞実験技術である
が,最近では,建物の環境風,自動車の空力特性等
の各種研究・開発に伴う模型実験が欠かせない.し
かし,風洞実験と実物では寸法効果が生じるため,
様々な考慮をせねばならない.また,模型周りの流
れの可視化も実験には欠かせないものである.1996
年より人力飛行機の空力特性に関する研究を卒業研
結果,琵琶湖での第 25 回大会で,飛行時間 27 分,操
縦席内の空気の流れは非常に良く流れていたとの談を
得た.その給排気位置を同様にした Möwe20,21 が琵
琶湖の大会記録や日本記録を更新することができた.
昨年,記録更新は成らなかったが,再度世界記録に挑
戦する予定である.
近年の主な著書および発表論文は以下の通りである
・著書「交通の百科事典」,丸善(2010)
「風の事典」,丸善(2011 予定)
・安部建一:進化するものづくり教育(Part5)学生主
体のものづくり実践 - 鳥人間コンテストの取り組み
-,砥粒学会,(2010)
究として再開し,その空力データを航空研究会に提
・山脇邦達,佐藤親俊,安部建一他:人力飛行機用プ
供してきた.
ロペラ特性計測装置の試作 , 日本航空宇宙学会ス
2001 年 6 月琵琶湖を制するためには操縦席周り
カイスポーツシンポジウム,(2010)
の給排気位置の決定が重要課題と決めた.
・金本敏昌,安部建一他:人力飛行機の飛距離更新へ
の挑戦 , 日本航空宇宙学会スカイスポーツシンポジ
ウム,(2009)
流体工学系
大竹智久 助教
航空機に使われる翼や様々な物体まわりに現れる
流れ場と空気力の関連性に関する研究を,実験や数
値シミュレーションを用いて行っています.
ここ数年,大きさが十数 cm ほどの小さな模型飛
行機などを比較的身近な所で目にする機会が増えた
かと思われます.このような飛行機は,飛行速度が
数 m/s 程度と遅く,空気力と密接な関係にある翼ま
わりの流れ場も複雑に変化することが知られていま
す.翼まわりの流れ場の振る舞いには,翼表面付近
に存在する境界層と呼ばれる非常に薄い(速度にも
依りますが,~数 mm 程)領域内で現れる剥離や遷
移といった流体現象が強く影響します.ある意味ミ
クロな現象が結果的にマクロな現象に関わる,この
様な流体現象のメカニズムの中には,未解明な部分
がまだ多く残されています.
- 10 -
最近の研究成果
1.Ohtake, T., Muramatsu, A. and Motohashi, T.:
“Characteristics of Flow Field with Laminar
Separation and Bubble on NACA0012 Airfoil at Low
Reynolds Numbers”, ICJWSF-2010.
2.Hiruma, H., Ohtake, T. and Motohashi, T.: “Analysis
of Aerodynamic Characteristics and Flow Field of
Circular Arc Airfoils at Low Reynolds Numbers”,
ICJWSF-2010.
3.Yanase, Y., Muramatsu, A., Ohtake, T. and Motohashi,
T.: “Influence of DBD Plasma Actuator on Aerodynamic
Characteristics of NACA0012 Airfoil at Low Reynolds
Numbers”, ICJWSF-2010.
4. 大竹智久,中江雄亮,村松旦典,本橋龍郎:“ 低 Re 数での
NACA0012 翼上に見られる層流剥離・剥離泡を伴う流れ場 ”,
第 42 回流体力学講演会/ ANSS 2010.
5. 中江雄亮,大竹智久,本橋龍郎:“ 低レイノルズ数領域に
おける翼の空力特性シミュレーション ”
,第 42 回流体力学
講演会/ ANSS 2010.
6. 大竹智久,本橋龍郎:低 Re 数領域での NACA0012 翼まわり
の流れ場(第一報,翼後流の特性),日本航空宇宙学会論文
集 57(2009),No.669,pp.397-404.
7. 中江雄亮,大竹智久,本橋龍郎,小紫誠子,桑原邦郎:低
レイノルズ数領域における翼の空力特性に与える剥離泡の
影 響,日 本 大 学 理 工 学 研 究 所 所 報,第 118 号(2008),
pp.99-107.
8. 大 竹 智 久,中 江 雄 亮,本 橋 龍 郎:低 Re 数 領 域 で の
NACA0012 翼の非線形空力特性,日本航空宇宙学会論文集,
55(2007),No. 644,pp.439-445.
熱工学系
桒原卓雄 教授
空気吸い込みエンジンはラムジェットの研究が主
体です.ラムジェットにはダクテッドロケット,液
体ラムジェット,固体燃料ラムジェット,スクラム
ジェット等があります.この中で最も燃焼効率の高
航空宇宙関連の推進系に関する研究を進めていま
いダクテッドロケットの研究を主体に行っています.
す.推進系は大きくロケットと空気吸い込みエンジ
往還機が地球に再突入したときラムジェットを推力
ンに分かれます.ロケットは液体ロケット,ハイブ
制御エンジンとして用いると,狭い目標地に着地可
リッドロケット,固体ロケットがあります.液体ロ
能となります.また,小型誘導機のエンジンおよび
ケットははやぶさに用いられていたヒドラジンに
高速飛行可能な航空機のエンジンとして将来期待さ
取って代わる推進薬の候補の一つのグリシジルアジ
れております.これらのうちダクテッドロケットの
化ポリマーの着火特性に関する研究を進めていま
空気と混合した燃焼室内における,金属及び B( ホウ
す.ハイブリッドロケットは酸化剤に一酸化二窒素, 素)粒子を用いた保炎の研究を主に行なっています.
HAN(硝酸ヒドロキシルアンモニウム:NH3OHNO3)を
今年は固体粒子を模擬した熱線を燃焼器に入れ保炎
用いて行っております.固体ロケットに関しては
状況が取得できました.地球外では火星大気を模擬
JAXA と共同で高エネルギ物質を酸化剤に用いるた
した条件でダクテッドロケットの燃焼実験を行い燃
めの検討会を開催しています.さらに,固体推進薬
焼性能を取得しました.
成分中の金属の燃焼特性を求めています.金属は
今年度の主な研究発表論文は下記の通りです.
Al を用いて着火及び燃焼時間,金属の凝集状況を
(1) T. Kuwahara, etc. AIAA Paper 2010-6678.
測定しております.これら研究成果は米国航空宇宙
(2) K. Takahashi, etc. AIAA Paper 2010-6679.
学会で毎年発表しております.
(3) M. Ushijima, etc. AIAA Paper 2010-6999.
熱工学系
論文発表等
1.Drop Tower Experiments and Numerical Modeling
on the Combustion-Induced Secondary Flow in
Standing Acoustic Fields, Microgravity Science and Technology, Vol. 22 No. 4, pp.507-515, 2010
2.Characteristic of Secondary Flow Caused by エンジンの環境対応や高性能化に寄与する目的で, Local Density Change in Standing Acoustic Fields, 38th COSPAR Scientific Assembly, 2010
以下のような研究を行っています.
3.Influence of Ignition Process on the Burn ・音場保炎の研究:
Rate of the HCCI Combustion in a Super Rapid
音波を利用し,保炎器無しで圧力損失を抑えつつ Compression Machine, 8th ASPACC, 毎秒50mの気流中で安定して保炎できる技術を pp.1216-1222, 2010
4.Structure of Premixed Flame in Standing 開発した.
Acoustic Fields, 8th ASPACC, p.194-198, 2010
・音場での火炎構造に関する研究:
音が燃焼促進する仕組みを落下塔をもちいた微小 著書
1. 工業熱力学 基礎編(第6刷)第7章,東京大学
重力実験で解明し,ロケットエンジンの爆発予測 出版会,2010
につながる理論構築を目指している.(国際宇宙ス
テーション利用の装置開発で他大学・研究機関と
共同研究,右図参照)
・HCCI エンジンの高負荷化:
ディーゼルとガソリンエンジンの中間的な動作を
する環境対応型レシプロエンジンの実現を目指し
ている.(自動車メーカと共同研究)
・ナノインジェクタに関する研究:
微細気泡や微細燃料粒子生成のため,FIB を用いて
加工できるナノサイズの超小型噴射器を開発中(電
気・機械工学科・メーカと共同研究)
(宇宙実験用小型シュリーレン装置と噴流可視化)
田辺光昭 教授
- 11 -
博士論文・
修士論文・卒業研究題目
平成 22 年度 ■
修士論文題目
《航空宇宙工学系》
・最適化手法を用いたスペースプレーンの上昇フェーズにおける成立性
・非平衡電離モデルを用いた自己誘起磁場型 MPD スラスタの
放電室形状最適化に関する研究
・分解者の突然変異がマイクロコズムに及ぼす影響
・確率的最適化法を用いた TSTO の実現可能性の検討
《動力学・制御工学系》
・人力特性を考慮した人力飛行機の航続距離最適化の検討
・宇宙テザーシステムにおけるエレベータの運動の影響
・不確かさと非線形性を許容する外乱オブザーバを用いた
適応バックステッピング型飛行制御
・速度場に分岐理論を適用した UAV の 3 次元フォーメーションフライト
・将来宇宙輸送システムのための適応外乱オブザーバを用いた
多変数適応制御系の設計
《構造・材料工学系》
・形状記憶合金を用いた超小型ガスタンク開放機構の開発
・薄膜構造物の亀裂進展防止に関する研究
・薄膜構造物におけるしわ分布の予測手法
・粘性流体中の弾性体について
・非線形運動系の臨界減衰と制振について
・可変長要素を有する非線形連鎖系の運動
・薄膜構造物における折り目の力学モデルに関する研究
・インフレータブルチューブを用いた膜面構造物の設計法に関する研究
- 12 -
《熱工学系》
・超急速圧縮装置を用いた火花点火機関で発生するノッキングに
乱れが及ぼす影響の評価
・HCCI 燃焼の圧力上昇率に及ぼす燃焼前の温度不均一及び温度上昇の影響
・定在音場が予混合燃焼の火炎構造に及ぼす影響
・定在音場における局所加熱 / 冷却によって生じる二次流れの特性
《流体工学系》
・低レイノルズ数領域における円弧翼型の空力特性に与える剥離泡の影響
■
卒業研究題目
《航空宇宙工学系》
●石川研究室
・スペースプレーンの概念設計に関する研究
・MPD スラスタの放電室形状最適化に関する研究
・CELSS を用いた月面基地構築に関する研究
・生物の突然変異が微小生態系に及ぼす影響
・Winged Seed 形態の遺伝的発達に関する研究
●安田研究室
・最適回転翼に関する研究
・固定翼の地面効果に関する研究
・柔軟構造の翼の空力特性に関する研究
・ソーラープレーンの設計に関する研究
・トビウオの飛行に関する研究
●松原研究室
・航空機の情報表示に関する研究
~ AfpdsXNA の機能強化と単眼 HMD システムの開発 ~
・ビジュアルセンシングに関する研究
― インフレータブル展開膜の計測システムの開発 ―
- 13 -
《動力学・制御工学系》
●嶋田・安部(明)研究室
・ニューラルネットを用いたセルフチューニングと外乱オブザーバによる 適応飛行制御系設計
・宇宙往還機用フライトシュミレータの開発
―シャトルの RCS モデルの実装と音源再生機構の構築―
・人力飛行機用フライトシュミレータの開発 ・UAV の自律飛行制御に向けての開発
2 点吊り法による慣性モーメントの導出と姿勢制御
●内山研究室
・ポテンシャル関数誘導法による UAV のフォーメーションフライト
・飛行実験による小型 UAV のシステム同定
・低推力連続加速宇宙機による惑星間軌道の最適化
・小惑星表層サンプルの採取方法の実験的検討
貫入試験機を用いた貫入量への影響
《構造・材料工学系》
●出井研究室
・疑似 HIP 法による空中ハット型焼結体の作製と機能傾斜材料化
・放電プラズマ法により作成した Ti-6Al-4V 基複合材料の機能的特性
・放電プラズマ焼結法によるチタン焼結体の相対密度と強度特性に及ぼす
添加元素の影響
・放電プラズマ焼結法による TiAl-3at%Cr 焼結体の強度特性
・傾斜機能材料の開発と応用
●川島研究室
・人力ヘリコプタのロータにおける近接効果
ロータに発生する推力,トルク,回転数の測定方法について
・構造物の適応性に関する研究
多自由度運動系と実験装置の検討
・グライダーのウィンチ発航に関する曳航索安全装置のウィークメンバーの研究
ヒューズの品質測定
・グライダーのウィンチ発航に関する研究
無人グライダーの機体設計
- 14 -
●宮崎研究室
・柔軟構造物に関する研究
―膜面の変形の分岐構造と振動による膜の折り畳み形状の変化の研究―
・大型膜面構造物の状態推定に関する研究
―衛星搭載用カメラによる状態推定と地上実験における状態推定および検証―
・超小型人工衛星用大型展開構造物に関する研究
―インフレータブル機構の開発とパネル展開挙動の解析―
・超小型人工衛星に関する研究
―磁気トルカによる姿勢制御システムの開発と熱解析コードの開発―
・超小型人工衛星の構体設計法に関する研究
・無尾翼機における簡易推算式を用いたモデルの構築
《熱工学系》
●桒原研究室
・AP 系コンポジット推進薬に含まれるアルミニウム粒子の集塊特性
・GAP 液滴群による着火の影響
・ガスハイブリットロケットの混合ガスの着火特性
・火星用ダクテッドロケットの燃料となる Mg-Al の着火特性
・宇宙往還機用ダクテッドロケットの研究
・ダクテッドロケットにおける高温金属粒子による火炎の発生条件
●田辺研究室
・定在音場を用いた希薄予混合火炎の保炎に関する研究
・定在音場が予混合火炎の皺形成に与える影響
・超急速圧縮装置を用いた乱れがノッキング発生に及ぼす影響
・HCCI 時の主の燃焼前の温度不均一性が燃焼時の圧力上昇率に与える影響
《流体工学系》
●本橋研究室
・後端部の形状が抵抗係数や後流に与える影響
・異なる最大キャンバー位置における円弧翼型の 低レイノルズ数空力特性の二次元数値解析
・空気力を考慮した人力飛行機胴体の設計
・Re105 付近における平板表面の圧力分布の測定
- 15 -
・パルス変調を用いた SDBD プラズマアクチュエータが誘起する流れ(村松研究室と共同研究)
●村松研究室
・流れ場 3 次元的な可視化
・サイドジェット発生点における速度の測定
・低レイノルズ数領域における2次元噴流の実験
・FLUENT による低レイノルズ数領域における 2 次元噴流の数値計算
●安部(建)研究室
・記録飛行用人力飛行機 Möwe2006 の試験飛行・記録飛行
・人力飛行機用プロペラ効率に関する研究
人力飛行機用プロペラ特性計測装置によるプロペラ効率の実証
《一般教育教室》
●中原研究室
・シアノバクテリアの成長パターン
・流体の粘性変化によるパイプ流の渋滞
・温度勾配を用いたヨウ化鉛水溶液の沈殿
・発揮性の高い溶媒を用いた破壊の制御
●御前研究室
・線源の拡散計算における新しい方法の検証
- 16 -
就職状況
平成 22 年度 就職指導委員会委員
4年生担任就職担当
航空宇宙工学科では,就職指導委員会委員
の教員,4年生担任の就職担当教員,就職担
当事務員が,各研究室の教員と連携して大学
院生と学部生の就職支援を担っています.
以下に,平成 22 年度の就職・進学状況お
よび就職支援について説明します.
就職・進学状況
平成 22 年度の就職については,前年度に
続く難しい経済状況の中,厳しい就職活動が
強いられました.企業からの求人件数は減少
してはいませんが,各企業の採用数の減少に
より,学科創設時から多数の採用実績がある
企業への内定が減少し,数多くの企業に分散
して採用される結果となりました(表1参
照).しかしながら,理工系大学における内
定率の全国平均を大幅に上回る 95%の内定率
を達成出来ました.尚,大学院生の就職内定
率は 100%でした.就職先の詳細は,図1と
図2に示します.
大学院進学については,不況時に見られる
傾向の通り,進学希望者が大幅に増加し,そ
の結果として進学者数も増加しました.内訳
は,航空宇宙工学専攻への内部進学が多くを
占めますが,東北大学,九州大学,千葉大学,
総合研究大学院大学,慶応義塾大学など,他
大学院への合格者が増加しています.
就職支援
学科としては,就職希望者に対する「就職
説明会」を 10 月に,進学希望者に対する「大
学院進学説明会」を 12 月に実施すると共に,
12 月から3月の間に,多様な企業の個別説明
会を行いました.又,11 月には,航空宇宙工
松原 一雄
本橋 龍郎 ,安部 明雄
学科 OB 会(飛翔会)の協力で,企業で活躍
している卒業生との座談会を2回開催しまし
た.富士重工業,日立製作所,全日本空輸,
NEC 航空宇宙システム等から参加があり,出
席した学生から好評を博しました.
日本大学および理工学部の就職指導課と就
職指導委員会は,低学年からのキャリア教育
および大学院1年生と学部3年生を対象とし
た講座等の開催を通して,就職への意識の向
上と就職活動の支援を行っています.
低学年に対しては,キャリアガイダンスと
低学年対象の就職セミナーを実施しました.
大学院生と学部高学年に対する就職支援と
しては,一般常識テスト,語彙・読解力テスト,
適職診断テスト,自己分析講座,自己表現テ
スト,エントリーシート対策講座,SPI2 対策
テスト,WEB 対策テスト,就職活動マナー講座,
就職に必要な情報の集め方,面接対策セミ
ナー,模擬面接などの講座や試験を,80 数回
開催しました.又,公務員および教員試験対
策として,公務員試験対策講座や教員採用試
験模試等を実施しています.
企業説明会としては,大学主催の「合同企
業研究会・就職セミナー」と,理工学部主催
の「業界セミナー」を,多くの参加企業の下
に2月に開催しました.又,未内定学生の為
に,10 月に「フォローアップセミナー」を,
2月に「合同企業セミナー」を開催しました.
以上の様に,大学,学部,学科の連携の下,
低学年に対するキャリア形成支援と大学院生
および学部高学年に対する様々な支援活動に
より,学生の就職をサポートしています.
- 17 -
平成 22 年度の就職・進学状況
(進路届け提出者対象,H23 年 3 月 17 日時点)
研究機関(1)
(次世代宇宙システム技術研究組合)
特定派遣(1)
(リクルートスタッフィング)
進学(2)
(日本大学大学院航空宇宙専攻)
運輸(1)
(JR 東日本)
機械製造(8)
(三菱重工・富士重工・
トヨタ・アイシン精機・
スズキ・曙ブレーキ・
いすゞ・鷺宮製作所)
大学院
20 名
設計・解析(2)
(菱友システムズ・
中菱エンジニアリング)
システム開発(4)
(NEC 航空宇宙システム・
富士通システムソリューショ
ンズ・ACCESS・ソラン)
電気機器製造(1)
(三菱電機)
図 1 大学院生の就職・進学状況
進学(28)
(日本大学大学院航空宇宙専攻)
進学(他大学院等)(9)
(東北大学大学院・九州大学大
学院・千葉大学大学院・総合研
究大学院大学,香川大学大学
院,慶応義塾大学大学院,芝
浦工業大学大学院ほか)
機械製造(20)
(川崎重工・富士重工・トヨタ・
スズキ・ヤマハ発動機ほか)
電気機器製造(5)
(TDK・日本無線ほか)
公務員(2)
(横浜市役所・
航空自衛隊ほか)
学部
103 名
システム開発・ソフトウェア(10)
(衛星運用を含)
(宇宙技術開発・三菱スペースソ
フトウェア・空港情報通信ほか)
その他(7)
(自営業ほか)
設計・解析(3)
(中央エンジニアリング)
特定派遣(2)
(トラストテックほか)
運輸(6)
(スカイマーク・JR 各社ほか)
建設・不動産(6)
(成田空港給油施設・
すみしん不動産ほか)
商社(4)
(住商エアロシステムほか)
図 2 学部生の就職・進学状況
- 18 -
整備(1)
(全日空整備)
学部生の就職先・進学先
<付表>
航空宇宙工学科の主要進路(大学院・多数就職企業 )
表は,大学院生と学部生の主な就職先と進路を示
しています.大学院生については,多数就職してい
る企業の上位 30 社を,学部生については上位 50 社
を掲載しています.公務員および進学先について
は,紙面の都合で具体的な名称を省いています.
卒業生総数は,大学院 450,学部生 3500 程です.
・”通算 ”は,学科創設時からの総数
・”H18 ~ 21”は,平成 18 ~ 21 年度の
4 年間の合計数
・”H22”は,平成 22 年度の結果
(平成 23 年 3 月 15 日 現在)
大学院生の就職先・進学先
順
位
1
2
2
4
5
5
7
8
8
10
11
12
12
14
14
14
14
18
18
18
18
18
18
24
24
24
24
24
24
24
就職先・進学先
本田技研工業(含む研究所)
トヨタ自動車
三菱重工業
三菱電機
IHI( 石川島播磨重工業)
富士重工業
日産自動車
川崎重工業
日立製作所
三菱スペース・ソフトウェア
富士通
中菱エンジニアリング
研究機関(JAXA,船舶技研など)
宇宙技術開発
日本航空
日本大学
マツダ
MHI エアロスペースシステムズ
セック
東芝
日本航空電子工業
日本電気
NEC 航空宇宙システム
荏原製作所
JAL インフォテック
スズキ
トヨタ車体
日本飛行機
日野自動車
三菱プレシジョン
公務員ほか
国家公務員
地方公務員
事業団,財団など
進 学
日本大学大学院(航空宇宙工学専攻)
日本大学大学院(他専攻)
他大学院(東大,東北大,筑波大等)
通算
24
18
18
17
15
15
14
9
9
8
7
6
6
5
5
5
5
4
4
4
4
4
4
3
3
3
3
3
3
3
H18
H22
~ 21 年度
7
1
5
1
3
1
1
4
1
2
1
3
2
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
9
4
5
10
1
4
1
1
2
順
位
1
2
3
4
4
6
6
8
8
10
10
12
13
14
15
16
16
16
19
20
20
22
22
24
25
25
25
25
29
29
29
29
33
33
35
35
37
37
37
37
37
37
43
43
43
43
43
43
43
50
就職先・進学先
本田技研工業(含研究所)
富士重工業
トヨタ自動車
日産自動車
三菱スペース・ソフトウェア
全日本空輸(含パイロット)
三菱自動車工業
ジャムコ
NEC 航空宇宙システム
いすゞ自動車
富士通
スズキ(鈴木自動車工業)
三菱プレシジョン
川崎重工業
メイテック
中菱エンジニアリング
デンソー
日本飛行機
日野自動車
日本航空電子工業
マツダ
関東自動車工業
三菱電機
ヤマハ発動機
アイシン精機
IHI(石川島播磨重工業)
日産テクノ
日本電気
曙ブレーキ工業
MHI エアロスペースシステムズ
日本航空(含パイロット)
日本電気ロボットエンジニアリング
日産車体
三菱重工業
全日空システム企画
全日空整備
CSK
セック
中央エンジニアリング
日本アビオニクス
日本エアシステム
菱友システムズ
NOK
コマツ
東京計器
日本精工
日本ユニシス
東日本旅客鉄道
富士エアロスペーステクノロジー
通算
71
56
45
41
41
40
40
35
35
33
33
31
28
24
23
22
22
22
21
20
20
19
19
18
15
15
15
15
14
14
14
14
13
13
12
12
11
11
11
11
11
11
10
10
10
10
10
10
10
9
宇宙儀実開発
公務員ほか
国家公務員
37
地方公務員
32
自衛隊
16
進 学
日本大学大学院(航空宇宙工学専攻) 471
日本大学大学院(他専攻)
22
他大学院(東大,東北大、など)
86
海外の大学院
12
他大学
20
その他の学校
14
H18
H22
~ 21 年度
12
9
1
5
1
2
1
8
9
1
17
1
1
2
1
5
3
1
1
3
1
1
1
4
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
4
5
1
6
3
3
2
1
1
8
3
1
1
5
4
1
1
2
73
4
23
28
1
7
1
1
- 19 -
航空宇宙工学科 行事予定
平成 23 年度 平成 22 年
4月
10 月
・ガイダンス
・学部一般入試(AO)
・入学式
・学部祭
・前期授業開始
・船橋キャンパスウォッチング
・定期健康診断
11 月
5月
・理工・短大合同スポーツ大会
6月
・学部推薦入試(付属高校 B 方式、指定校、
公募制高校長推薦)
・大学院入試(外国人留学生)
・付属高校生のためのオープンカレッジ
・理工学部学術講演会
・後援会役員会・総会
12 月
7月
・学部推薦入試(付属高校 A 方式)
・大学院入試(前期課程(推薦、一般 1 期))
・大学院進学説明会
・駿河台入試フォーラム
平成 23 年
・前期授業終了
1 月
・前期試験
・後期授業終了
・オープンキャンパス(船橋)
・後期試験
8 月
2 月
・後援会地方父母懇談会
・卒業研究報告書要旨提出
9 月
・学部一般入試(A 方式)
・学部入試(帰国生、校友子女、学士入学)
・修士論文審査会
・編入学試験(推薦、一般)
3 月
・大学院入試(前期課程(一般第 2 期、社
・学部一般入試(C 方式第 2 期、CA 方式)
会人第 1 期)、後期課程(一般第 1 期、 ・大学院入試(前期課程(一般第 3 期、社
社会人第 1 期))
・夏季集中実験(グライダー曳航実験ほか)
第 2 期、社会人第 2 期))
・後期授業開始
・卒業・修了発表
会人第 2 期、飛び級)
、後期課程(一般
・卒業式
飛翔
日本大理工学部航空宇宙工学科活動誌 No.3
編集:中根 昌克
発行者:桒原 卓雄
発行日:平成 23 年 4 月 1 日
- 20 -
〒274-8501
千葉県船橋市習志野台 7-24-1
日本大学理工学部航空宇宙工学科
Tel.:047-469-5387( 事務室 )
Fax:047-467-9569
http://www.aero.cst.nihon-u.ac.jp/