第2学年 社会科 学習指導案

第2学年 社会科 学習指導案
1.単
元
名
「欧米諸国における「近代化」」
2.単 元 の 目 標
欧米諸国における「市民革命」および「産業革命」による政治的社会的変化とその影響を追求することを通して,
欧米諸国において自由・平等を原理とする国民国家が成立し,資本主義の進展とともに世界への進出が進められた
ことを説明できる。
3.単元の評価規準
社会的事象への
関心・意欲・態度
欧米諸国の「近代化」によ
る政治的社会的変化ついて
興味をもち,開国以前の日
本を取り巻く世界情勢を意
欲的に追及している。
社会的な
思考・判断・表現
欧米諸国の「近代化」によ
る政治的社会的変化と,そ
れが当時の世界情勢に与え
た影響について説明でき
る。
資料活用の技能
欧米諸国の「近代化」によ
る政治的社会的変化と,そ
れが当時の世界情勢に与え
た影響について,諸資料か
ら読み取ることができる。
社会的事象についての
知識・理解
欧米諸国の「近代化」にか
かわる概念を理解し,開国
以前の日本を取り巻く世界
情勢を理解している。
4.指導と評価の計画(全5時間)
時
学習内容
評
関 考 技 知
◎
価
評 価 規 準
評価方法
フランス革命がめざ
した社会(本時)
フランス革命により,「自由・平等」な「国民」が主権者として
国家を運営する近代社会が成立したことを考察している。
ワークシート
○ フランス革命のおきた背景について,アンシャン・レジームの不 発言
合理さという視点から理解している。
2
イギリスにおける市
民革命
◎ 16~18世紀におけるイギリスでは,
革命により絶対王政が崩れ,
議会政治が始まったことを理解している。
ワークシート
16~18世紀におけるイギリスの政治的社会的変化の背景につい 発言
て,興味を持ち,意欲的に追及している。
3
植民地アメリカの独
立
1
○
◎
アメリカがイギリス本国から独立した背景について,イギリスの
ワークシート
植民地政策と植民地側の主張を軸に考察している。
発言
〇 アメリカが独立戦争を起こした背景について理解している。
◎
4
資本主義の成立
5
日本を取り巻く世界
情勢
イギリスの工業化が国内社会へもたらした影響について興味を持
ち,意欲的に追求している。
ワークシート
○ イギリスで成立した資本主義は,繁栄をもたらす一方で,資本家 発言
と労働者の経済格差を広げるものであったことを理解している。
◎
○
イギリスによるアジアの植民地支配が進んだ背景について,イギ
リスの工業化と関連付けて説明できる。
ワークシート
アジアがイギリスの工業化によって受けた影響を,グラフなどか 発言
ら読み取ることができる。
5.本時の展開
(1)本時の目標
フランス革命における背景と成果(歴史的意義)を追求することを通して,「自由・平等」「国民主権」とい
う基本原理に基づき,国民が国家(政治)を運営する社会が形成され,その理念が現在世界中に広がっているこ
とを考察・説明できる。
(2)学習過程
学習活動
導入 本時の目標を確認する(10 分)
〇小テストをおこなう。
指導上の留意事項(◇指導の手立て)
(◆支援を要する生徒への指導の手立て)
評価規準(評価方法)
◇18~19 世紀末にかけて欧米諸国が日本に
接近したことを確認し,開国に至る欧米の
動きを学習していくことを示す。
ICT の活用
○フランス革命当時の王家の様子を知り,興
味をもつ。
本時の目標
◇PowerPoint 資料により「どのような人の
家か?」と問い,フランス国王のベルサイ
ユ宮殿であることを示し,国王が華やかな
生活を送っていたことを理解させる。
◇革命時の処刑の絵を見せ,国王ルイ 16 世
やマリーアントワネットら国王一家が処刑
されたことを説明し,なぜ国王らが処刑さ
れたのか疑問を持たせる。
「フランス革命は,なぜ起こり,どのような成果をもたらしたか」説明できる。
展開1 フランス革命の背景をとらえる(15分)
○革命前のフランスの社会構造をとらえる。 ◇フランスの旧体制を示す図を提示し,王が
絶対的な権力をふるう「絶対王政」と 3 層
の「身分制度」から成る社会構造であった
ことを示し、革命の主体が第 3 身分と呼ば
れる民衆であったことを示す。
ICT の活用
○民衆が何に不満をもって革命を起こしたか ◇PowerPoint により「革命前のフランス」
考える。
の風刺画を示し,民衆にすべての負担が課
されていたことに着目させ,国王・貴族た
ちの華やかな生活を民衆が支えていたこと
を理解させる。
◆旧体制の図を踏まえて,風刺画に描かれて
いる事柄をていねいにおさえる。
◇「民衆の不満」を示す資料から,当時の税
が「合意なく不当に」集められていたこと
に気付かせる。
フランス革命のおきた背景
○革命の背景について、民衆の不満という視
について,アンシャン・レ
点でまとめ,発表する。
・自分たちは苦しんでいるのに、王や貴族ら
は豊かな生活をしていること。
・王や貴族らは税がかせられないのに、合意
無く民衆にだけ税が課せられていること。
・絶対王政と身分制により、自分たちに権利
が与えられていないこと
ジームの不合理さという視
点から理解している。(発
言・ワークシート)
展開2 フランス革命の成果を考察・説明する(20分)
ICT の活用
○革命による社会構造の変化をとらえる。
◇PowerPoint 資料を用いて,第 3 身分が第
1・第 2 身分に襲い掛かろうとしている風
刺画を見せ,「この次に 3 人の関係はどう
なるだろうか」と発問し,予想させる。
◇革命後の風刺画を見せ,革命後の社会が,
身分制度の無い平等な社会となったことを
とらえさせる。
◆風刺画の「岩」(税金)をどの身分も支え
ていることに着目させる。
◇フランス人権宣言の条文を(
)抜きし、
どのような語句が入るか予想させた後、
「自
由」「平等」「国民」という言葉が入るこ
とを示す。
○フランス革命のもたらした成果について、 ◇「フランス革命によって何が、何に変わっ
たか?」と問い,それぞれ考え、ワークシートに
意見を整理し、まとめる。
記入させる。
◆革命以前の社会のキーワードとして「身分
制」「絶対王政」に着目させ、その対比と
なる語句を考えさせる。
○小グループになり,個人で考えたことを ◇ホワイトボードを用いて,意見をまとめさ
せ、書かれたものを黒板に貼り,各グルー
説明しあい,まとめる。
プの意見を把握させる。
○グループでまとめたものを全体で発表, ◇各グループの意見を評価し、価値づける。
交流する。
・身分制度にもとづく社会
→自由・平等な社会
・国王による政治→国民による政治
終結 本時のまとめをする。(5 分)
○本時のまとめとして、フランス革命の歴史 ◇日本国憲法の前文や条文を示し、「自由・
的意義をふりかえり、記述する。
平等」「国民主権」が今の日本にもつなが
っていること示す。
【まとめの例】フランス革命は,「身分制度」や「国王による政治」を壊し,世界
中に「自由・平等」の理念と「国民による政治」を広げるきっかけとなった。
フランス革命により,「自
由・平等」な「国民」が主
権者として国家を運営する
近代社会が成立したことを
考察している。(発言・ワ
ークシート)