別添2 平成 27 年度観光プロモーションマーケティング調査(フィリピン)の概要 1.調査の概要 (1) 目的 成長開拓型プロモーションを効果的に実施するため、以下の調査を実施 ①対象市場基礎情報調査 ②現地旅行事業者調査 ③市民の旅行意識調査 (2) 調査方法 調査項目 対象市場基礎情 対象市場の基礎統計の調査 報調査 都市の概要、社会・経済指標、姉妹 都市関係等 対象市場の地域特性の調査分析、 直行便フライト数、出国者数、訪日 海外旅行状況の把握 旅行者数、VISA 発給数等 現地旅行事業者 訪日旅行商品の流通手配構造、流 調査 通手配状況の分析 対象市場の有力旅行会社のリストア 各社のプロフィール、商品造成部門の ップ 有無、アジア旅行商品・訪日旅行商 品の取り扱い有無等 市民の旅行意識 日本を含む海外旅行の経験者及び 調査 関心の高い方を対象に、各対象市 場 300 票を回収・分析 2.対象市場基礎情報調査の結果概要 都 市 の 概 要 社 会 ・ 経 済 指 標 首都 マニラ 人口 約 9,769 万人(2012 年) 2014 年 7 月速報値では 1 億人突破 若年層が占める割合が高く、平均年齢は 23.2 歳 観光行政予算 25 億 ペ ソ ( 約 64 億 円 ) 、 中 央 政 府 総 支 出 の 0.13%(2015 年) 宗教 国民の約 9 割がキリスト教徒、うち 8 割強がカトリック 一人当たりGDP 2,998USD(2014 年) ※20 年間で約 3 倍 個人所得 平均家計所得 5,341USD (2012 年) 中間所得層(2,274-5,682USD) 2006 年:36.1%→2012 年:42.3% 情報通信普及率 インターネット普及率:39.69% (2014 年) 1 直行便フライト数 日本-フィリピン:119 往復/週(うち東京 86 往復/週) 就航都市(フィリピン):マニラ、セブ 就航空港(日本):成田、羽田、関西、中部、福岡 出国者(海外渡航者)数 4,570 千人(2013 年) うちレジャー目的: 3,380 千人 ※2008 年から 2013 年の5年間で 36%増加 目的地別出国者数 1 位 中国 967.9 千人 (2014 年) 2 位 シンガポール 676.4 千人 3 位 香港 634.7 千人 日本 184.2 千人 (2010→2014 年平均伸び率 238%) 市場動向 ・ 最近は純粋な観光目的の旅行者が増加 ・ LCC の台頭、旅行会社の商品競争等により安価な渡航 海 外 旅 行 状 況 が可能 ・ インターネット世代の若者層を中心に、海外旅行需要が 堅調に拡大 ・ 訪日旅行は、フルパッケージ、テイラーメイド商品がまだ主流 ・ 旅行商品の購入は、旅行会社での対面販売がまだ多い 旅行情報源 ・ インターネットによる情報入手が一般的 ・ ただし、対面販売が主流のため旅行会社からの情報入 手も多い ・ その他、新聞、テレビ、雑誌などからも広く旅行先情報を 入手 ・ Yahoo Philippine のトラベル情報は圧倒的なアクセス 数を誇っている 訪日 VISA 発給数 2012 年 74,424 件 2013 年 99,258 件 2014 年 163,386 件 3.旅行業界および商品流通の構造 業界団体(海外旅行) ・PTAA (Philippine Travel Agencies Association) 本部:マニラ 設立:1979 正会員(旅行会社):約 300 社 準会員(航空会社、ホテル 他):約 130 社 ・PIATA(IATA=国際航空運送協会の地域組織) 会員数(旅行会社):約 110 社 2 業界構造 ・全国的な大手旅行会社というものは存在しない ・ホールセール(卸売)のみを専門的に取り扱う企業は存在していない ・また、ホールセラーとリテーラーとの区別は明確ではない ・PC 普及率が低いため、まだオンライン販売より旅行会社の店頭取引が主流 ・ただし、若年層中心に LCC 直販、ホテル・ブッキングサイト等の利用も 増えている 訪日 VISA の取得 日本大使館より指名を受けた VISA 手続代行の登録会社(7 社)と 代行指定会社(5 社)を通じて旅行者は取得。 訪日旅行商品の流通構 仕入れに関しては商品パーツ(航空、宿泊、観光、交通機関他)によ 造 り手配が分散することもあり、流通としては複雑多岐化している。 流通上の課題 VISA :2013 年の取得条件の緩和により、飛躍的に訪日旅行者数 が増えているが、取得に係る煩雑さや取得日数を嫌い、シンガポールや 香港等の近隣国を選択する旅行者も少なくない。 訪日旅行商品 ・ゴールデンルート(東京(都内観光+東京ディズニーリゾート)~富士山・ 箱根~京都・大阪)が人気かつ主流 ・東京滞在プランも売られている ・都内の主な観光先:浅草寺、お台場、東京ディズニーリゾート、渋 谷、秋葉原等 ・価格帯:概ね 10 万円台後半(近隣諸国や東アジア諸国とヨーロッ パの中間価格帯) 3 4.対象市場の旅行会社概要 ・調査対象:約 250 社 ・回答:77 社 ・訪日旅行商品の造成あり:41 社 ・訪日旅行商品は取扱のみ:62 社 【業種】 ・ホールセラーが 5 割、リテーラーが 8 割の回答があり、両方とする複数回答が多いことから、明確な区 分はみられない。また、ツアーオペレーター(インバウンド)部門を併せ持つ会社が 4 割とすべてを取扱 う事業者が多い ・造成部門を持たなくても企画造成をしている事業者が多く、基本的には自社で企画造成している事 業者多い 【創業】 ・回答中では創業から 15 年を超える会社が 5 割、20 年以上も 4 割弱と比較的経験豊富な会社 が多い 【売上高】 ・有効回答は 3 割。うち 100 万 USD 以上が 6 割で、うち 2 割が 500 万 USD 以上 【従業員数】 ・30 名未満の小規模事業者が多い。100 名以上の会社は 4 社のみ 【訪日旅行の情報源】 ・日本のランドオペレーター、政府観光局、インターネット等が多いがセミナーやイベント参加からの情報 もあり 5.市民の旅行意識調査の結果概要 海 外 旅 行 の ニ ー ズ 全 体 動 向 海外旅行先 ・近年の旅行先は、香港、シンガポール、日本、米国が多い 旅行先での関心事 ・ショッピングや食事全般が 7 割近くと多いが、リラクゼーション、 テーマパークも 6 割を超えている 旅行の手配方法 ・個人旅行、団体旅行とも旅行会社の利用が多い ・インターネットで自分で手配する、は 27.9% 東 京 の 位 置 づ け 訪都旅行への意欲 ・東京が最も高くなっている(98.0%)が、次いでローマ、サン フランシスコ、ニューヨークなどが 9 割を超えている 訪都旅行の目的 ・日本食、自然体験、テーマパークが 6 割を超える ・「日本の伝統」では、花見・紅葉狩りの選択が多い 競合都市およびその ・東京のイメージは「ハイテクノロジーが溢れる都市」、「近代的・ イメージ 都会的」で、シンガポール、ニューヨークが近い 4 訪 都 旅 行 を 体 験 ( 予 定 ) し て い る 人 の 特 徴 属性 ・男性が多い(52.6%) ・年齢層はほぼ平均しているが、60 歳代以上では極端に少な くなる ・居住地ではマニラ首都圏が多い(65.3%) ・職業は会社員(役職あり、役員含む)が多い(44.2%) ・収入は中間所得層を中心として、それ以上が多い 観光での関心事 ・最もポイントが高いのは「ショッピング全般」(75.3%)。「健 康グッズ・サービス」、「漫画・アニメ」、「電化製品・家具」の割合 が非体験者に比べて 15 ポイント以上高い 観光情報を調べた地域 ・欧州、香港、北米等を調べた人の訪都体験者の割合が高く なっている 潜 在 的 旅 客 と の 接 点 普段の関心事 訪 都 観 光 へ の 阻 害 要 因 ・外食、料理、テーマパークが多い。海外旅行は 45.0%の人 が関心ありと回答 新製品に関する情報源 ・動画サイト、SNS、個人ブログ等のインターネット全般が多い。 親族・知人からの口コミも 4 割近くを占めている 海外旅行のきっかけとなる ・旅行先の観光当局の Web サイト、旅行雑誌、SNS の順とな 情報源 っている 東京旅行を検討した後の ・約 7 割が東京旅行に行ったと回答。東京以外に行った回答 旅行先 者(自由回答)の行く先は大阪 10 件、京都 6 件、名古屋 6 件(以上国内)、シンガポール 12 件、米国 7 件、香港 6 件 東京旅行に行かなかった理 ・予算超過がもっとも多い 由 ・他、物価が高い、VISA 取得等の手続きが煩雑、など 5
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