修 士 論 文 の 和 文 要 旨

修
研究科・専攻
氏
名
論 文 題 目
要
大学院
士
論
文
の
情報理工学研究科
田地 良輔
和
文
要
旨
知能機械工学専攻 博士前期課程
学籍番号
1132046
超磁歪素子を利用した埋め込み型骨導補聴器の開発:
実使用に近い状態における補聴性能評価
旨
骨導補聴器は,外耳や鼓膜を介さない聴覚経路である骨導を用いた補聴器であり,より良い聞
こえを実現可能な場合が多く,また,気導補聴器の欠点であるハウリングや外耳道の閉塞感など
を克服できることから注目されている.しかし,既存の埋め込み型骨導補聴器は,出力不足や設
置時の侵襲,衛生管理の難しさによる感染症のリスクなど多くの課題がある.そのため,補聴性
能が良く低侵襲で安全性の高い埋め込み型骨導補聴器が求められている.そこで,先行研究にて,
従来の埋め込み型骨導補聴器よりも侵襲性や出力,衛生管理の面で改善を目指した,側頭骨の皮
膚下に埋め込む骨導補聴器が提案された.この補聴器は,マイク,サウンドプロセッサ,送信コ
イルからなる信号送信器(体外ユニット)と,振動子,受信コイルからなる骨加振器(体内ユニ
ット)により構成されている.体内外のユニットを分離する事で,体内ユニットの完全埋め込み
と小型化を可能とした.本研究では,先行研究により提案された皮下埋め込み型骨導補聴器の実
用化を目指し,以下のことを行った
・ 経皮伝送効率を計算し,送受信コイルの最適化を行った.
・ 試作した一点固定ケース,二点固定ケースに超磁歪素子を組み込んだ振動子を Wooden
cube と遺体に固定し,発生する外耳道内の音圧や側頭骨の振動を計測した.
・ 実使用に近い条件としてモルモットに骨導音を与えた時の ABR の計測を行った.
・ BAHA 使用患者のインプラント部に本補聴器を押し当て,性能比較を行った.
その結果,以下の知見が得られた.
・ 理論計算によって実際のコイルの巻き数変化による伝送効率の傾向がわかり,最適な巻
き数の設計が可能であった.
・ 圧電素子である PVDF を用いると低い周波数の補聴器の振動特性の比較ができた.
・ 振動子ケースは二点固定のものが本補聴器に適していることがわかった.
・ モルモットに本補聴器で骨導音を与え ABR を計測した場合,音として知覚されており,そ
の閾値は入力電流値で 10mA 以下であることが推定された.
・ 本補聴器は BAHA に比べて周波数特性が優れていることが示された.
平成 24 年度
修士論文
超磁歪素子を利用した埋め込み型骨導補聴器の開発:
実使用に近い状態における補聴性能評価
電気通信大学大学院
情報理工学研究科
知能機械工学専攻
1132046
小池研究室
田地 良輔
主指導教員
小池 卓二 教授
指導教員
山田 幸生 教授
~目
第1章 緒
次~
言
1
第2章 ヒトの聴覚と難聴
2.1 聴覚器官と伝音機構
2.2 気導音と骨導音
2.3 難聴
4
4
第3章 既存の骨導補聴器と問題点
3.1 非侵襲型
7
7
3.2
5
5
Bone Anchored Hearing Aid(BAHAⓇ)
8
第4章 埋め込み型骨導補聴器の構成と駆動原理
10
第5章 経皮伝送効率計算による送受信コイルの最適化
5.1 理論式
5.2 計算結果
5.3 実測値との比較
5.3.1 実験方法
13
13
15
5.3.2
結果考察
第6章 埋め込み振動子のケース形状による振動特性変化
6.1 先行研究
6.2 振動子ケースの試作
6.3 頭部を模した Wooden cube の振動計測による特性比較
6.3.1 実験方法
6.3.2 実験結果
6.4 遺体側頭骨表面の振動と外耳道内音圧計測による特性比較
6.4.1 実験方法
6.4.2 実験結果
6.5 考察
第7章 実使用に近い状態における試作振動子評価実験
7.1 動物の ABR を用いた性能評価実験
7.1.1 聴性脳幹反応
7.1.2 実験方法
7.1.3 結果・考察
7.2
臨床試験による BAHA との性能比較
15
15
16
28
28
28
28
28
29
29
29
29
30
39
39
39
39
40
40
7.2.1
7.2.2
実験方法
結果・考察
40
40
第8章 結言
46
第9章 今後の課題と展望
47
参考文献
謝辞
48
50
第1章
緒 言
空気の疎密波である音は,鼓膜で機械的振動に変換され,耳小骨を経由して蝸牛へと伝わり蝸
牛内のリンパ液を振動させる.蝸牛内では,リンパ液の振動により蝸牛内の感覚細胞が刺激され,
機械振動は電気信号へと変換される.この電気信号は聴神経を介して脳に伝えられる.このよう
な経路を経て人は音を認識している(1),(2).この経路に何らかの異常が生じると難聴となる.難
聴には,外耳道や耳小骨の病変により内耳へ振動を効率良く伝えられなくなる伝音性難聴や,内
耳や聴神経の障害により,音を電気信号に変換できなくなる感音性難聴,また,伝音性難聴と感
音性難聴の 2 つの特徴を併せ持つ混合性難聴等がある(3).難聴は,その障害の重さにより,軽度,
中度,高度,重度難聴にそれぞれ程度が分類される(4).難聴の程度を Table 1 に示す.
難聴者への処置として,外科手術や補聴器の利用などがある.人口の高齢化,疾病構造の変化
に伴い,言語機能障害や先天的難聴等の聴覚障害を有する人々に対する補聴器の重要性,必要性
は高まっている.また補聴器を利用する人の生活の質を向上させるため,既存の補聴器よりも広
範囲の補聴が可能な音質の良い補聴器が求められている.
補聴器は,気導音を利用する気導補聴器と,骨導音を利用する骨導補聴器に分類される.気導
補聴器は,箱型や耳かけ型,耳穴型など様々な種類(4)がある(Fig. 1.1).これらの補聴器は,外
部の音をマイクにより取得し,信号処理後,外耳道に挿入したイヤホンにより,再び音として外
耳道に放射するものである.イヤホンを用いた従来の補聴器は,イヤプラグにより外耳道を常に
閉鎖しておく必要があるため装着感が悪い.また,外耳道閉鎖症等の症例では使用することがで
きない.さらに,補聴器の利得を高めると,外耳道内における音の反射やハウリングなどの影響
により高音域までひずみの少ない正確な音圧増幅特性の実現が難しく,高度難聴者を補聴するの
は困難である.
骨導補聴器は,外耳や鼓膜を介さない聴覚経路である骨導を用いた補聴器であり,より良い聞
こえを実現可能な場合が多く,また,気導補聴器の欠点であるハウリングや外耳道の閉塞感など
を克服できることから注目されている.骨導補聴器には,ヘッドバンド式骨導補聴器(Fig. 1.2(a)
)
のように,皮膚を介し骨を加振することで補聴を行う器具があるが,加振源と骨との間に皮膚が
介在するため,皮膚や皮下組織に振動エネルギーが吸収されて伝音効率が悪く,特に高音域では
加振力不足が顕著である(5).また,加振源を皮膚に押しつける際に痛みを伴うため,継続して使
用することが困難である.そこで,骨導端子を耳後部に埋め込み,頭蓋骨を直接加振して補聴す
る,Bone Anchored Hearing Aid(BAHAⓇ)
(Fig. 1.2(b)
)が開発され(6),(7),普及してきてい
る.しかし,BAHA は,端子が皮膚表面に露出し感染が生じやすいことや,出力不足などの問題
がある.上記以外にも,気導および骨導補聴器とは異なり,鼓膜や耳小骨を直接加振して補聴す
る埋め込み型の補聴器(8),(9)が開発されているが,埋め込みの際に側頭骨を大幅に削る必要があ
り,大きな侵襲を伴うことから広く普及するまでには至っていない.
そこで,先行研究にて,従来の骨導補聴器や埋め込み型補聴器よりも侵襲性や出力,衛生管理
の面で改善を目指した,側頭骨の皮膚下に埋め込む骨導補聴器が提案された(10).この補聴器は,
マイク,サウンドプロセッサ,送信コイルからなる信号送信器(体外ユニット)と,振動子,受
信コイルからなる骨加振器(体内ユニット)により構成されている.体内外のユニットを分離す
る事で,体内ユニットの完全埋め込み化と小型化を可能とした.
本研究では,先行研究により提案された埋め込み型骨導補聴器の実用化を目指し,体内ユニッ
トの振動子の試作を行い,振動子の特性(加振力や周波数特性)を評価した.
Table 1 Classification of hearing loss.
Fig. 1.1 Air conduction hearing aids. (a) Body-worn type, (b) Behind the ear type, (c) In the ear
type.
Fig. 1.2 Bone conduction hearing aids. (a) Headband type, (b) Bone Anchored Hearing Aid
(BAHAⓇ).
第2章
ヒトの聴覚と難聴
2.1 聴覚器官と伝音機構
ヒトの聴覚器官(Fig. 2.1)は耳介と外耳道からなる外耳,鼓膜と耳小骨などからなる中耳,お
よび蝸牛や半規管からなる内耳の 3 つに大きく分類することができる(11).
外耳は,耳介と外耳道から構成され,空気の疎密波である音を鼓膜へ伝える機能を持つ.耳介
は,皮膚と軟骨から形成されている扇状の構造物であり,音波を外耳道方向に反射させることで,
音圧増強と音源定位に寄与しているといえる.ヒト以外の動物は,耳介の集音効率を高めるため
に耳介の随意運動が可能である種も多いが,ヒトの耳介は随意運動を苦手としているため,集音
効果に乏しい.ヒトの場合,耳介は 4 kHz 以上の音波の音源定位に寄与しているが,4 kHz 以下
の音波の場合,耳介が左右一対あることや,頭蓋骨による音波の反射や回折が主として音源定位
に寄与している(12),(13).外耳道はわずかに彎曲した,長さ 20~35 mm,直径 5~12 mm 程度の
管であり,その一番奥に鼓膜が張っている.外耳道は音波を鼓膜に導く管であるが,一端が開口
した共鳴管となっており,共鳴により 2.5~4 kHz の音波は,外耳道入口の音圧に対して鼓膜付近
の音圧が 10~15 dB 程度増強される(1),(11).よって,ヒトの聴覚は上記の周波数における音波に
対して感度が高くなっている.
中耳は,鼓膜や耳小骨連鎖,鼓室などから構成されており,外耳道内の音波振動を効率よく内
耳に伝達する役割を有している.鼓膜は,直径 10 mm 程度,厚さ 60~100 m 程度の中央部が
窪んだ円錐形の膜であり,その母線上に,耳小骨の一つであるツチ骨が付着している(2).鼓膜の
内側の空気を含んだ空間のことを鼓室という.鼓室は,耳管と呼ばれる管で咽頭とつながってお
り,この開閉によって外界と鼓室との圧の平衡を保っている.耳小骨はツチ骨,キヌタ骨,アブ
ミ骨がそれぞれ関節で連結しており,全体として耳小骨連鎖を形成している.アブミ骨は,その
底が蝸牛の前庭窓と付着しており,耳小骨は鼓膜と前庭窓,さらにツチ骨に付着する靭帯に支え
られて鼓室内に振動しやすい形で存在している.中耳は鼓膜が受けた音波振動を,耳小骨の回転
テコ運動および鼓膜とアブミ骨底の面積比によって約 27 dB 程度増強して蝸牛に伝えている(12).
一般に空気中を伝搬した音波は液体表面ではほとんど反射されてしまい,液体の中へは伝わりに
くい.同様に,内耳の中もリンパ液という液体が入っており,空気中の音波は伝わりにくい.し
かし,中耳伝音系は音波を空気から内耳リンパ液へ異なった媒体間を音響エネルギーの損失を少
なく伝搬させており,インピーダンス整合の役割を有している(11).
内耳は,音響信号の受容器である蝸牛および,平衡感覚の受容器である前庭と半規管から構成
される.蝸牛は螺旋形状をしている.蝸牛内部はリンパ液で満たされており,基底板と呼ばれる
膜組織により仕切られている.基底板上にはコルチ器という感覚細胞を含む組織が等間隔に配列
されている.鼓膜が振動すると,その振動は耳小骨を介して前庭窓から蝸牛内部に伝えられ,蝸
牛内のリンパ液に振動が起こる.リンパ液の振動により基底板が振動し,この振動により感覚細
胞が刺激され,電気信号が発生し,蝸牛神経を介して脳に伝わる仕組みになっている.
2.2 気導音と骨導音
ヒトが認識する音は,音波が蝸牛に伝達される経路の違いにより気導音と骨導音に分類できる
(Fig. 2.2).
空気の疎密波である音が,外耳道,鼓膜,耳小骨を経由して蝸牛に伝わることで,認識する音
のことを気導音という.また,頭蓋骨を伝わる振動が直接側頭骨の内部にある蝸牛に振動を起こ
すことで認識する音のことを骨導音という.
2.3 難聴
ヒトは,空気中を伝わる音波を外耳,中耳,内耳の働きにより音として認識している.したが
って,これら各器官に障害が存在する場合,音を認識する能力が低下し,難聴が生じる.
難聴は,外耳より入った音刺激が聴覚皮質に伝わる経路において,障害が存在する部位の違い
により伝音性難聴,感音性難聴,混合性難聴に分類される.
伝音性難聴は,外耳や中耳など蝸牛に振動を伝える器官の障害により発現する難聴である.伝
音性難聴の原因となる障害の種類には,外耳道閉鎖症や鼓膜穿孔,耳小骨の欠損・固着,中耳炎
などがある(3),(11).蝸牛や神経は正常であるため,障害治癒のための外科手術などを施すことで
聴覚改善の可能性がある.また,外耳,中耳機能に依存しない骨導音により聴力を補うという方
法もある.
感音性難聴は,内耳や聴覚神経などに障害があり,外耳,中耳より伝達された音刺激をうまく
脳に伝えられないことにより発現する難聴である.感音性難聴は,音の聞こえが悪くなるだけで
はなく,特定の音が聞き取れない,音が歪むなどの複雑な症状が現れることがあり,一般的に医
学治療を行うことが困難である.
混合性難聴は,伝音性難聴と感音性難聴の両方の症状が現れる難聴のことをいう.混合性難聴
は,中耳内の病変が進行し前庭窓や蝸牛窓を介して内耳に障害をもたらすことで発現することが
一般的にみられる(11).
Fig. 2.1 Human auditory organ.
Fig. 2.2 Bone and Air conduction pathway.
第3章
既存の骨導補聴器と問題点
3.1 非侵襲型
骨導補聴器は,外耳や鼓膜を介さない聴覚経路である骨導を用いた補聴器である.骨導振動は,
蝸牛に達するために頭骨に効果的に伝わる必要があり,バネの弾性力などを用いて骨加振部を頭
骨に押し当てる.
(Fig. 3.1)
.
骨導補聴器は伝音性難聴あるいは混合性難聴を抱えている患者に有効である.なかでも,疾病
等のために外耳への挿入が困難である場合,生まれつき外耳や中耳に形態学的な問題(外耳道閉
鎖,小耳症等)を抱えている場合,典型的かつ高度な伝音性難聴をもっている場合などに有効で
ある.これは,上記に示す症例では,骨伝導が中耳を介さずに内耳に音を伝える仕組みである骨
導補聴器の方が気導式補聴器よりも効率良く内耳を刺激できるからである.
気導補聴器と比べた場合の欠点として,以下の点が挙げられる(14).
① 効率よく使用するために,骨加振部をしっかりと頭骨に押さえつけて装用しなければな
らない.そのため,継続的な使用は,皮膚への圧迫で痛みを伴う.また,皮膚が硬くな
る.
② 骨加振部やその固定具が大きく目立つ.
③ 皮膚を経由して振動を与えるため,皮膚や皮下組織に振動エネルギーが吸収されて伝音
効率が悪く加振力不足である.特に,高音域においては,音声を的確に伝えることに限
界がある.
3.2 Bone Anchored Hearing Aid(BAHAⓇ)
BAHA(Fig. 3.2)は近年開発された骨導補聴器である(6),(7).BAHA は,通常の骨導補聴器と
同様に機械的な振動を活用した補聴器である.しかし,骨導端子としてチタン製のビスを側頭骨
にねじ込み,ねじ込んだビスを体外から直接振動することで補聴する点が異なる.
BAHA は埋め込み型の補聴器であるが,埋め込むデバイスは骨導端子のみであり侵襲は少なく
てすむ.また,BAHA は音の振動エネルギーが皮膚や皮下組織の減衰なく骨に伝わることや,チ
タン製の骨導端子が osseointegration により高度に骨と結合することから(7),従来の経皮伝音す
る骨導補聴器(Fig. 3.1)よりも音質や加振力が改善されている.しかし,BAHA にも次に示す
ような欠点がある(15).
① 骨導端子が皮膚表面に露出している.
② 露出した骨導端子周辺に炎症が生じやすい.そのため,骨導端子周辺の手入れを十分に
行う必要がある.
③ 振動子本体が帽子等に触れると補聴能力が低下する.
④ 60 dB より高度の感音性難聴には適応がない.
Fig. 3.1 Bone conduction hearing aids. (a) Eyeglasses type, (b) Headband type.
Fig. 3.2 Bone Anchored Hearing Aid (BAHAⓇ).
第4章
埋め込み型骨導補聴器の構成と駆動原理
本研究で提案する補聴器の構成を Fig. 4.1 に示す.本補聴器は,マイク,サウンドプロセッサ,
送信コイルからなる信号送信器(体外ユニット)と,小型振動子,受信コイルからなる骨加振器
(体内ユニット)で構成している(10).体外ユニットと体内ユニットはコイルの相互誘導により経
皮的に信号伝送を行う.相互誘導用のコイルは,送信コイルおよび受信コイルとする.小型振動
子部分には,超磁歪素子 (Giant Magnetostrictive Material, GMM) を用いる.GMM とは,外
部磁界に応じて寸法を変化させる性質を持ち,圧電材料に比べ,変形率,応答速度ともに優れた
素子である.GMM を伸縮運動させるために,GMM にコイルを巻き(駆動コイル),そのコイル
に電流を流すことで GMM 周辺の磁界を変化させる.駆動コイルと受信コイルは直列に接続して
いるため,体外の送信コイルに入力した信号に応じて GMM を駆動させることが可能である.
GMM は Fig. 4.2 が示すように,磁界変形特性が非線形である.よって,GMM にはバイアス磁
界を与え,
磁界変形特性が比較的線形な領域を用いる(16).GMM にバイアス磁界を与えるために,
永久磁石であるネオジム磁石を GMM の両端に取り付ける.振動子は,駆動コイルを巻き,両端
にネオジム磁石を取り付けた GMM を,チタン製のケースに挿入したものである.チタン製のケ
ースは GMM の伸縮運動による振動を,骨に効率よく伝えることができるように設計する必要が
ある.本補聴器は,上記の小型振動子を側頭骨の皮膚下に完全に埋め込む事で骨導補聴を行う.
本補聴器は,体内ユニットと体内ユニットを分離することで,体内ユニットの完全埋め込みと
小型化を実現している.よって,埋め込み時の侵襲を低減できる.また,BAHA よりも衛生管理
に優れ,感染症へのリスクが小さく,患者の負担が低減されるという利点がある.
Fig. 4.1 Configuration of the implantable hearing aid.
Displacement (ppm)
1600
1400
1200
1000
⊿l-1
⊿l-2
⊿l-3
800
600
400
200
0
0
50
100
150
Magnetic field (kA/m)
Fig. 4.2 Relationship between the intensity of the magnetic field and the displacement of the
GMM. (measured by GMM tech Co. Ltd.)
第5章
経皮伝送効率計算による送受信コイルの最適化
5.1 理論式(33)
これまで,送受信コイルは実験によって実測値を測り,効率がよいものが選定されてきた(32).
本章ではさらに効率のよいコイルの組み合わせを求めるため,伝送効率の理論計算を行い,送受
信コイルの最適化を行った.
現在の試作している補聴器のシステムの回路図は Fig. 5.1 のようにあらわせる.これを T
型等価回路に変換すると Fig. 5.2 のようになる.この回路の 1 次電流 と,2 次電流 は次式
のようにあらわせる.
(1)
(2)
なお,(1)(2)式のパラメータは以下の(3)~(6)式で求められる.
(3)
L : コイルの自己インダクタンス
µ : 透磁率 k : 長岡係数
a : コイル半径 N : コイルの巻数 l : コイル長
(4)
R : 抵抗 a : コイル半径 N : コイル巻き数
:1m あたりの抵抗の実測値
(5)
L1:一次コイルの自己インダクタンス
L2:二次コイルの自己インダクタンス
k:結合係数
(6)
:角周波数
:周波数
(1)式を(2)式に代入し,整理すると
(7)
これを実部と虚部に整理し,実効値を求めると
(8)
また,1 次コイルの皮相電力
より,
(9)
この式から実部を取り出し,実効電力 P を求めると以下のようになる
(10)
経皮伝送効率 E を 2 次電流 と有効電力 P を用いて次のように定義する
(11)
(11)式に(8)式,(10)式を代入し,整理すると,
(12)
この E を用いて送受信コイルの伝送効率を比較した.
計算にはエクセル(ver. 2007, Microsoft )を用い,各パラメータには Table. 5.1 に示す定数を入
力し,送信コイル巻き数
と受信コイル巻き数
が変数とした場合の E の変化を 3 次元に表示し
た.
5.2 計算結果
周波数毎の計算結果を Fig. 5.3~Fig. 5.8 に示す.結果を見ると,送信コイルは巻き数が多いほ
ど効率がよい.これは,(11)式にパラメータを代入したとき,分子で
の次数が分母の次数より
高いことが原因であると考えられる.受信コイル巻き数は高い周波数において 40~50 巻きに最大
値があることが分かる.このピークの巻き数は駆動コイルの巻き数を変化させると変動する.こ
れは(11)式の分子の第 2 項,第 3 項によるものだと考えられる.
5.3 実測値との比較
5.3.1 実験方法
次に,計算値と実測値の比較を行った.計測システムを Fig. 5.9 に示す.送信コイルから 5 mm
の位置に受信コイルを設置し,送信コイルには,0.2 Vrms,250~80 kHz の正弦波を,ファンク
ションジェネレータ(IWATSU,SG-4115)からアンプ(NF,HSA4011)
,電力計(YOKOGAWA,
WT210)を介して入力した.なお,受信コイルには GMM が接続されており,体内埋め込み時
と同様な負荷を与えている.体内ユニット内の電流を電流プローブ(IWATSU,SS240A)にて計測
した.電流プローブで読み取った体内ユニット内電流を電力計で読み取った電力値で割り,計算
値と比較した.実験はまず送信コイルを 50 巻に固定し,受信コイルの巻き数を 10,20,40,50,
80 巻と変化させた場合について行った.その後,受信コイルを 50 巻で固定し,送信コイル巻き
数を同様に変化させた場合について計測を行った.
5.3.2 実験結果・考察
受信コイルの巻き数を変化させた場合の伝送効率の実測値と計算値の結果の比較を,Fig.
5.10~Fig. 5.15 に示す.送信コイルの巻き数を変化させた場合の結果の比較を,Fig.5.16~Fig. 5.21
に示す.受信コイルの巻き数を変化させた場合,伝送効率の実測値と計算値の差は大きいものの,
実測値は計算値と同様に 40~50 巻の場合に効率がよくなる傾向があらわれていることが分かる.
これより,計算によってコイルの最適な巻き数が示せていると言える.実測値と計算値の違いに
ついては,計算では考慮していないアンプから送信コイルまでの導線の抵抗や,電力計の内部抵
抗や内部インダクタンスの影響,GMM の逆起電力の影響などが考えられる.また,送信コイル
の巻き数を変化させた場合,巻き数が大きくなるにつれて効率もよくなるという傾向あることが
分かる,しかし巻き数が増えていくにつれて計算結果との差異が大きくなるという結果になった.
これは,計算ではコイルの内径,厚さなどの寸法を定数として決め,巻き数を変数にして変化さ
せているので,単位長さ当たりのコイルの密度を変化させていることになる.それに対し,実際
のコイルでは巻き数を増やしていくにつれて,内径と外形の差も大きくなり,厚さも大きくなっ
てしまう.この寸法の変化による影響が計算値と実測値の差に表れたのではないかと考えられる.
以上のことより,経皮伝送効率の理論計算の結果,値の大きさは実測値との差異があるものの,
実測値と同じ傾向を示すことができ,送受信コイルの最適な巻き数を示せることが分かった.現
状では受信コイルはピークが得られていた 50 巻が最適であるといえる.また,送信コイルは巻き
数の大きい方が効率はよくなるが,巻き数が増えていくにつれて計算値との差も大きくなり,効
率の上昇率も小さくなる.よって送信コイルは,コイル巻き数が多く,なおかつ実際に外部ユニ
ットに設置できる大きさであることが望ましい.今回は暫定として実測を行った最大の巻き数で
ある 80 巻を送信コイルの巻き数の設定値とする.今後は,駆動コイル巻き数やコイルの太さを変
更し,さらなる最適化を行う必要がある.
また,Fig. 5.10~ Fig. 5.21 より,コイルの伝送効率は周波数によって変化することが分かる.
これは,相互誘導の効率が電流の時間変化によることに起因していると考えられるが,この周波
数特性は補聴器自体の周波数特性に影響する.本研究ではこれまで,AM 変調を用い伝送を行っ
てきたが,体内ユニットに電源を用いない場合,AM 変調波は体内ユニットで十分に復調が行わ
れず,かえって効率が悪くなるという結果が得られていた.しかし,サイン波を用いた場合,低
い周波数領域で効率が悪くなることに対し,AM 変調波の場合,搬送波は高い周波数で変化がな
いので伝送効率は変調波周波数に影響を受けにくく,比較的フラットな特性であることが考えら
れる.今後,体内に電源を必要としないパッシブな復調回路を設置することで大幅な出力向上が
見込めるならば AM 変調を用いた伝送方法にすることが有効であると考えられる.
Table. 5.1 Parameter
送信コイル
駆動コイル
コイル半径 a[m]
0.0125
0.0125
0.001
コイル長さb[m]
0.003
0.003
0.009
1
1
9.3
0.8
0.8
0.8
0.23
0.23
0.911
コイル芯材比透磁率 μ
コイル線 1m あたりの抵抗[Ω]
長岡係数
電圧[V]
Fig.
受信コイル
結合係数 k
0.2
2.81E-01
Circuit diagram
Fig. 5.2 Equivalent circuit diagram
Fig. 5.3 Calculation result of transmitting efficiency inputting 8 kHz
5.1
Fig. 5.4 Calculation result of transmitting efficiency inputting 4 kHz
Fig. 5.5 Calculation result of transmitting efficiency inputting 2 kHz
Fig. 5.6 Calculation result of transmitting efficiency inputting 1 kHz
Fig. 5.7 Calculation result of transmitting efficiency inputting 500 Hz
Fig. 5.8 Calculation result of transmitting efficiency inputting 250Hz
Fig. 5.9 Measurement system
measured value
theoretical value
transmitting efficiency [A/W]
6
4
2
0
50
coil turns
100
Fig. 5.10 Comparison of measured value and theoretical value
when receiving coil turns are changed inputting 8 kHz sine wave
measured value
theoretical value
transmitting efficiency [A/W]
3
2
1
0
50
100
coil turns
Fig. 5.11 Comparison of measured value and theoretical value
when receiving coil turns are changed inputting 4 kHz sine wave
measured value
theoretical value
transmitting efficiency [A/W]
2
1
0
50
100
coil turns
Fig. 5.12 Comparison of measured value and theoretical value
when receiving coil turns are changed inputting 2 kHz sine wave
measured value
theoretical value
transmitting efficiency [A/W]
1
0.5
0
50
coil turns
100
Fig. 5.13 Comparison of measured value and theoretical value
when receiving coil turns are changed inputting 1 kHz sine wave
measured value
theoretical value
transmitting efficiency [A/W]
0.5
0.25
0
50
100
coil turns
Fig. 5.14 Comparison of measured value and theoretical value
when receiving coil turns are changed inputting 500 Hz sine wave
measured value
theoretical value
transmitting efficiency [A/W]
0.3
0.2
0.1
0
50
100
coil turns
Fig. 5.15 Comparison of measured value and theoretical value
when receiving coil turns are changed inputting 250 Hz sine wave
transmitting efficiency [A/W]
15
measured value
theoretical value
10
5
0
50
coil turns
100
Fig. 5.16 Comparison of measured value and theoretical value
when transmitting coil turns are changed inputting 8 kHz sine wave
6
transmitting efficiency [A/W]
measured value
theoretical value
4
2
0
50
coil turns
100
Fig. 5.17 Comparison of measured value and theoretical value
when transmitting coil turns are changed inputting 4 kHz sine wave
transmitting efficiency [A/W]
4
measured value
theoretical value
2
0
50
coil turns
100
Fig. 5.18 Comparison of measured value and theoretical value
when transmitting coil turns are changed inputting 2 kHz sine wave
transmitting efficiency [A/W]
2
measured value
theoretical value
1
0
50
coil turns
100
Fig. 5.19 Comparison of measured value and theoretical value
when transmitting coil turns are changed inputting 1 kHz sine wave
transmitting efficiency [A/W]
1
measured value
theoretical value
0.5
0
50
coil turns
100
Fig. 5.20 Comparison of measured value and theoretical value
when transmitting coil turns are changed inputting 500Hz sine wave
transmitting efficiency [A/W]
0.4
measured value
theoretical value
0.2
0
50
coil turns
100
Fig. 5.21 Comparison of measured value and theoretical value
when transmitting coil turns are changed inputting 250Hz sine wave
第6章
6.1
埋め込み振動子のケース形状による振動特性変化
先行研究(27)
本補聴器の埋め込み振動子は,銅線を 130 巻きした GMM (2×10 mm) の両端にネオジム磁石
(4×1.5 mm) を取り付けたものをチタン製のケースに挿入することで試作されている.これまで,
本研究では異なる固定点数のケース(Fig. 6.1,Fig. 6.2)やテコ型の機構(Fig. 6.3 )を用い特性変化
を評価し,改良を行ってきた.ケースは,GMM を挿入する部分と,骨に固定する部分で構成さ
れていている.1 点固定のケースにはスリットが入っていて,GMM が磁力の変化によって伸縮
すると,Fig.6.2 の丸で示した部分を支点にして振動子が変位する.特性比較の結果,固定点数が
1 点のものと,2 点のもので出力は同程度であり,側頭骨乳突部周辺の凹凸に影響を受けにくい固
定点数が 1 点のケースが変位するものがよいとされてきた.しかし,評価に用いられてきたレー
ザドップラ振動計やプローブ型マイクは低い週数でノイズの影響を受けやすく,出力がノイズに
埋もれやすく比較が困難であった.
そこで,
本章では PVDF を用い,
先行研究で計測できていなかった低周波数での出力を比較し,
ケースの固定点数の変化による特性の評価を目的とする.PVDF は圧力を加えて変形させること
によって電気エネルギーを発生させる圧電効果を持った素子で,圧電性セラミックの 10 倍以上の
高電圧出力であり,広い周波数帯に渡って一定の周波数特性を持っている.本研究では,PVDF
をフィルムにし,電極ではさんだ PVDF フィルム(東京センサ,SDT1-028K)を振動センサとして
使用した.
6.2
振動子ケースの試作
今回新たに試作し,評価を行うケースを Fig. 6.4(A) (B)に示す.(A)は 1 点で側頭骨に固定する
ケースで,GMM が伸縮すると,ケースに入れたスリット部がヒンジの役割をし,側頭骨表面法
線方向に変位する.(B)は 2 点で固定するケースである.2 点固定のケースは先行研究において側
頭骨表面に凹凸があると固定がしにくいことが問題となっていた.そこで側頭骨表面の凹凸があ
っても固定がしやすくなるように,GMM を収納する部分の側面を浅くし,側頭骨表面の間に隙
間が出来るようにしている.また,ネジ固定部の厚みを薄くし,側頭骨表面の凹凸によってネジ
部に隙間が出来たしまった場合にワッシャを挿入することで高さ調整を可能にした.
6.3 頭部を模した Wooden cube の振動計測による特性比較
6.3.1 実験方法
試作したケースの特性評価の為に,遺体を用いた実験の予備実験として, Fig.6.5 に示すような
15 cm×15 cm×17 cm,重さ 2.1 kg の比較的人の頭に近い大きさのパイン材に補聴器を固定し,駆
動させたときの Wooden cube 表面の振動を計測する実験を行った.計測システムを Fig. 6.6 に示
す.コイルに対しファンクションジェネレータ(エヌエフ回路設計ブロック,WF1945B ) からア
ンプ(エヌエフ回路設計ブロック,HSA4011)
,電流計(YOKOGAWA,WT210)を介し,125,
250,500,1 k,2 k,4 k,8 kHz の正弦波を入力した.このとき,コイルに流す電流値は 100mArms
で一定とした.振動子の固定された Wooden cube 表面に生じた変位をレーザドップラ振動計
(ONO SOKKI,LV-1720A,以下 LDV)を用いて変形速度を計測しオシロスコープ(LeCroy,
DS-5524)によって波形を記録した.また同時に,PVDF を Wooden cube 表面に貼り付け振動を
計測し,チャージアンプ(東京センサ,研究開発アンプ)を介し,オシロスコープにより記録を行っ
た.チャージアンプの増幅度は 1V/pC とした.PVDF と振動子,レーザの照射点を Fig. 6.7 に示
す.
6.3.2
実験結果
比較した結果を Fig. 6.8 に示す.これらの結果を見ると,LDV ではノイズに埋もれ評価が困難
であった低音域での振動を PVDF によって評価が可能になったことが分かる.2 点固定振動子は
低音域においてノイズレベル以上の出力があることが分かる.また,1 点固定の場合は 1~4kHz
において振幅が大きいことが言える.
6.4 遺体側頭骨表面の振動と外耳道内音圧計測による特性比較
6.4.1 実験方法
遺体に本補聴器を固定し,駆動させたときの側頭骨表面の振動と外耳道内に発生した音圧を計
測する実験を行った.実験システムを Fig. 6.9 に示す.信号入力方法,LDV,PVDF の計測方法
は前項と同様にした.
外耳道内の音圧の測定には,外耳道内にプローブ型マイクロホン (ETYNOTIC RESEARCH,
ER-10C) を挿入し,得られた電圧波形をオシロスコープ (LeCroy,DS-5524) により取得し,こ
の電圧波形を FFT 解析し,変調成分に着目した電圧値から音圧に変換した.
振動子の固定方法は,遺体の耳介裏を切り,露出させた乳突部にステンレス製のタッピンネジ
(M3×8mm) を用いて固定させ,その後,振動子を駆動させたときの振動,外耳道内音圧を測定し
た.側頭骨に振動子を固定した様子を Fig. 6.10 に示す.なお,振動子の GMM が露出している部
分はシリコンゴムで覆い防水加工とした.PVDF は側頭骨表面と皮膚の間に挿入した.LDV のレ
ーザ照射点にはレーザの反射材としてアルミ箔の小片を瞬間接着剤によって接着した.
6.4.2
実験結果
LDV による計測結果を Fig. 6.11 に,PVDF による計測結果を Fig. 6.12 に,外耳道内音圧の計
測結果を Fig. 6.13 に示す.LDV と PVDF の結果は,傾向は異なるが,高周波数において大きな
振幅が得られているという点では同様であり,PVDF の出力は実際に骨表面の振動とある程度相
関があることが分かる.外耳道内音圧と PVDF による計測結果においては,PVDF と比較すると
外耳道内音圧では低周波数域で小さくなっていて,低周波数域では骨表面の振動と外耳道内音圧
の傾向は異なるといえる.これより,骨導音は低い周波数において外耳道に放射されないことが
考えられる.PVDF による結果に着目すると Wooden cube の実験と同様に 2 点固定チタンケース
では低音域で 1 点固定のケースよりも大きな出力が得られていることが分かる.また,1 点固定
のケースは Wooden cube の実験での結果とは異なり,2~4kHz においての出力が小さくなってい
る.
6.5
考察
2 つの実験の両方に共通して 2 点固定のケースの結果は 2kHz までフラットな周波数特性がみら
れる.今回,入力信号は相互誘導を用いずに一定電流値で駆動コイルに入力している.よって
GMM が一定の振幅で伸縮していることが考えられる.2 点固定のケースは GMM 両端をネジで
固定しているので,スリット部やネジのばね係数の影響をあまり受けないで側頭骨へ振動を伝え
ることが出来ると思われる.よって,このような周波数特性になったと考えられる.これに対し
1 点固定のケースの場合,GMM の伸縮によってケースのヒンジ部より先の部分は側頭骨法線方
向に変位する.この時,骨に伝わる振動は GMM の伸縮のみではなく,スリット部のばね係数や
ヒンジ部より先の部分の質量に影響されていることが考えられる.よって周波数特性はフラット
ではなく,低音域では出力が低くなり特定の周波数で出力が高くなるという結果になったと考え
られる.また,遺体実験において 1 点固定のケースの出力が Wooden cube の実験の結果より小さ
くなったことについて,Wooden cube 表面と遺体側頭骨表面の凹凸の違いが関係していると考え
られる.1 点固定のケースは GMM の伸縮により固定する面の法線方向にケースが変位する.
Wooden cube 表面で計測された振動は,FFT 解析を行うと入力周波数の他に非整数倍音にピーク
が得られていた.非整数倍音は音階のある打楽器などを打ち付けたときに生じることが知られて
いる(34).よって,1 点固定のケースは GMM が収縮しているときにヒンジ部より先の部分が側頭
骨表面に接触し打ちつけていることが推測でき,1 点固定のケースはヒンジ部より先の部分の接
触と固定部の応力によって振動を伝達していたと考えられる.これに対し遺体側頭骨表面に固定
した場合,遺体側頭骨表面は平面でなく凹凸があり,ヒンジ部より先の部分の間に隙間が生じて
いることが考えられる.よって,GMM が収縮していてもヒンジ部より先の部分は接触せず.固
定部の応力のみによって振動が伝達され,出力値が小さくなったことが考えられる.これらの結
果より,日本語の母音の判別に重要な 500~2kHz での出力の大きさと,実際の取り付けの際の凹
凸の影響の少なさを考えると,2 点固定のケースがより本補聴器に適していると言える.
Fig. 6.1 Two fixed-point transducer.
Fig. 6.2 One fixed-point transducer.
Fig. 6.3 Lever type transducer.
(A)
(B)
Fig. 6.4 Dimension of case
(A)1 fixed-point
(B) 2 fixed-point
Fig. 6.5 Wooden cube used for experiment
Fig. 6.6 Measurement system
Fig. 6.7 Points for measuring vibration on the wood
amplitude of viblation [nm]
(A)
10
2
10
0
10
1 fixed−pont
2 fixed−pont
−2
10
2
3
10
frequency [Hz]
10
4
(B)
1 fixed−point
2 fixed−point
Output [pC]
10
10
10
0
−2
−4
10
2
3
10
frequency [Hz]
10
4
Fig. 6.8 Vibration on wooden cube generated by one or two fixed-point transducers
(A) Measured by LDV
(B) Measured by PVDF
Fig. 6.9 Measurement system for cadaver experiment
Fig 6.10 Transducer attached to temporal bone of
10
2
1 fixed−point
amplitude of viblation [nm]
2 fixed−point
10
10
0
−2
10
cadaver
2
3
10
frequency [Hz]
10
4
Fig. 6.11 Vibration generated by transducers on cadaver temporal bone measured by LDV
10
0
1 fixed−point
Output [pC]
2 fixed−point
10
10
−2
−4
10
2
3
10
frequency [Hz]
10
4
Fig. 6.12 Vibration generated by transducers on cadaver temporal bone measured by PVDF
sound pressure level (dBSPL)
100
1 fixed−point
2 fixed−point
80
60
noise floor
40 2
10
10
3
10
4
frequency (Hz)
Fig. 6.13 Sound pressure in external ear canal generated by transducers
第7章
実使用に近い状態における試作振動子評価実験
7.1 動物の ABR を用いた性能評価実験
本研究ではこれまで,献体を用い加振時の外耳道内音圧や骨表面に発生する振幅を計測するこ
とによって骨導音の評価を行ってきた.しかし,骨導音の定量的な評価法は確立されておらず,
外耳道内音圧と骨導音は,相関がある傾向は見られるが,直接的な評価ではない.また,献体と
生体の伝音条件の違いも影響すると考えられる.そこで,モルモットに本人工中耳の振動子と受
信コイルを埋め込み,ABR を計測することによって,本人工中耳の生体における加振力の評価を
行う.
7.1.1 聴性脳幹反応(30)
脳の表面や頭皮状に装着した電極から誘導される音刺激に対応した脳波変動を聴性誘発反応
(auditory evoked response)という.聴性誘発反応には様々な形の波があるが,現在では潜時から
速反応,中間反応,緩反応,後反応に分類されている.速反応は潜時が 1.5~6.0msec と短く,そ
の起源は脳幹にあり,聴性脳幹反応(auditory brainstem respons,ABR)という.ABR は,睡眠
の深さに関係なく乳児から成人まで短時間に記録できるので,1970 年代後半から急速に普及し,
客観的聴力検査,脳幹障害の程度や部位の検索,臓器移植の条件である脳死の判定などに応用さ
れる.ABR は,記録電極として脳波誘導用皿電極を額に,不関電極として同じく皿電極を側頭部
乳様突起か耳垂に,そして接地電極として鼻尖に接着することで容易に誘導記録できる.このた
め広く臨床応用されている.
典型的な波形を Fig. 7.1 に示したが,一般にⅤ波,Ⅰ波,Ⅲ波の順に判定しやすいので,臨床
的にはこれらの波形が参考とされる.なお,Fig. 7.1 に描かれた ABR の各波と脳幹聴覚路の中継
核とは厳密に 1 対 1 に対応するものではない.しかし,各波の起源はそれぞれの脳幹中継核に大
まかに由来している.
聴性脳幹反応は音刺激(クリック音など)によって誘発される 0.1~0.5μV 程度のきわめて微弱
な電位変動である.耳垂と頭皮上に接着した電極によって導出された反応電位は,頭皮あるいは
耳垂で記録される平均 20~30μV の脳波電位(以下,背景脳波)の中に埋もれた電位である.よっ
て,背景脳波の中に埋もれている微弱な電位変化のみをコンピュータによる同期加算平均法によ
って検出する過程が必要である.
7.1.2 実験方法
計測システムを Fig. 7.2 に示す.モルモットの電極装着図を Fig. 7.3 に示す.2 匹のモルモット
に振動子および受信コイルを埋め込んだ.今回は動物に固定するため,実験には 1 点固定のチタ
ンケースの振動子を用いた.体重 300g のモルモットを#1,430g のモルモットを#2 とする.予め
刺激音に気導音を用いて 2 匹モルモットの ABR 計測を行い,閾値を求めたところ,12kHz での
閾値は#1 が 30dB,#2 が 35dB であった.
モルモットに麻酔を投与し眠らせた後に,針電極を頭頂部,耳垂,額に電極を装着し,振動子
を駆動させ骨導音を刺激音として用いた場合の ABR の計測を行った. PC 上で周波数 12kHz,
バースト音の持続時間 1ms,バースト間隔約 20ms のバースト音を生成し,アンプ(エヌエフ回
路設計ブロック,HSA4011)
,電流計(YOKOGAWA,WT210)を介し,送信コイルに入力した.
電流値は 60,40,20,15,10,0 mArms に設定し,それぞれ計測を行った.モルモットの ABR は装着
した電極で計測され検査機器(日本光電,MEB-9102)によって刺激音入力時から 10ms までの
波形を計測し,1000 回加算平均を行い,記録される.PC と検査機器はトリガ信号によって同期
されている.入力信号,トリガ信号の生成にはプログラムソフト LabVIEW を用いた.刺激音の
設定条件は日本マウスクリニックの標準操作手順(31)を参考にした.
7.1.3 結果・考察
振動子による ABR の計測結果を Fig.7.4 (a)(b)に示す.結果から,第Ⅰ波とみられるピークや
その後のノッチの出方に着目すると閾値は 10mA 以下にあると判断できる.仮に,閾値が 10mA
だった場合,気導音との結果と照らし合わせると,本補聴器は 10mA 入力時に 30~35dB 程の出
力があることになる.また,この結果を元に 100mArms 入力時の骨導音の音圧を推測すると
50~55dB である.骨導音での 50~55dB という大きさの音は,頭部から離れた場所では気導音と
して確認できない程の大きさであることが想定できる.しかし,実際には献体実験で 100mArms
の電流を入力した際,出力の大きさは周波数によっては離れた所からでも気導音として確認でき
るほどの大きさであった.そのことを考慮すると今回推測された 50~55dB という数値は実際より
も小さい結果であることが考えられる.今回の実験では小さい電流値での制御が行えなかった関
係で 10mA より低い電流値での計測を行っていない.よって骨導音の閾値が 10mA より低い可能
性があり,再度実験を行い,電流値が 0~10mA の間でさらに細かく計測を行い,判断する必要
があると言える.
7.2 臨床試験による BAHA との性能比較
実使用に近い状態における性能評価として BAHA を使用している患者の協力のもと,試作した
補聴器と BAHA との性能の比較を行った.
7.2.1 実験方法
BAHA は,患者の側頭部にチタン製のインプラントを埋め込み,振動を発生させるデバイスを
装着することで頭蓋骨を直接加振する.この体外装置は取り外しが可能で,取り外した場合,患
者の側頭部にインプラントが露出する(Fig. 3.2).本実験では実使用に近い状態として,BAHA 使
用患者のインプラント部に本補聴器を押し当て,自由音場で音を流し聴力検査を行い,BAHA を
使用した場合と比較を行った.入力音は Fig. 7.5 に示す体外ユニットのマイクで集録し,サウン
ドプロセッサ(ONWA WH-103JJ,パナソニック補聴器株式会社)によりコイルへ電流を入力し
た.振動子部にアクリル製のペグを装着し(Fig. 7.6),患者のインプラント部に押し当てた.イン
プラント部に押し当てる構造上,本実験でも 1 点固定チタンケースの振動子を用いた.
被験者は 72 歳女性で,聴力閾値は右耳: 52.5 dB,左耳 : 61.3 dB であり,2007 年より右耳に
BAHA®を使用している.
7.2.2 結果・考察
計測した聴力の結果を Fig . 7.7 に示す.横軸は周波数,縦軸は聴力閾値を示している.結果よ
り,500, 1000 Hz では BAHA の方が高い出力であるが,それ以外の周波数では本補聴器の方が
同等か,それ以上であることが分かる.これは,BAHA が振動磁界を用いて磁石を振動させてい
るので,高音域に行くにつれて慣性の影響を受けて利得が低くなっていくことが考えられる.周
波数特性に着目すると,BAHA が周波数ごとに聴力閾値が大きく上下しているのに対して本補聴
器は比較的フラットな周波数特性を持っており,補聴器として使用する際に優れていることが分
かる.これらの結果より本補聴器の優位性を示せた.
Fig .7.1 Example of ABR(30)
Fig. 7.2 Measurement system
Fig. 7.3 Fixed position of electrode
0.5
(a)
20 mA
voltage [V]
15 mA
10 mA
0 mA
0
5
time [ms]
0.5
(b)
voltage [V]
10
20 mA
15 mA
10 mA
0 mA
0
5
time [ms]
Fig. 7.4 Measuring result of ABR
(a)Guinea pig #1 (b) Guinea pig #2
10
Fig. 7.5 External unit
Fig. 7.6 Acrylic peg attached to the GMM vibrator
Fig. 7.7 Aided audiogram
第8章
結言
皮下埋め込み型骨導補聴器の実用化に向けて,最適な振動子の形状を提案するために,以下の
ことを行った
・ 経皮伝送効率を計算し,送受信コイルの最適化を行った.
・ 試作した一点固定ケース,二点固定ケースに超磁歪素子を組み込んだ振動子を Wooden
cube と遺体に固定し,発生する外耳道内の音圧や側頭骨の振動を計測した.
・ 実使用に近い条件としてモルモットに骨導音を与えた時の ABR の計測を行った.
・ BAHA 使用患者のインプラント部に本補聴器を押し当て,性能比較を行った.
その結果,以下の知見が得られた.
・ 理論計算によって実際のコイルの巻き数変化による伝送効率の傾向がわかり,最適な巻
き数の設計が可能であった.
・ 圧電素子である PVDF を用いると低い周波数の補聴器の振動特性の比較ができた.
・ 振動子ケースは二点固定のものが本補聴器に適していることがわかった.
・ モルモットに本補聴器で骨導音を与え ABR を計測した場合,音として知覚されており,そ
の閾値は入力電流値で 10mA 以下であることが推定された.
・ 本補聴器は BAHA に比べて周波数特性が優れていることが示された.
第9章
今後の展望・課題
本研究では,ケースの形状を変化させ補聴器性能の向上を目指した.その結果,振動子は二点
で固定することが望ましいこと分かった.LDV では低い周波数で出力が足りず,課題となってい
たが,PVDF の計測結果より低い周波数においても 4kHz での出力と同程度の出力が得られてい
ることが分かった.また,経皮伝送効率を理論計算し,コイル巻き数の最適化が出来た.今後,
駆動コイルの線の太さと巻き数を変えながら伝送効率の高い送受信コイルの巻き数の設計を行う
ことで性能向上が期待できる.また,計算結果より,サイン波で経皮伝送を行うと低い周波数で
の伝送効率が下がることが分かった.これまで低周波数において本補聴器の出力不足が課題であ
ったが,振動子の特性に加えて,コイルによる伝送特性も一因であることが考えられる.今後も
さらなる補聴器性能の向上を目指すために,伝送方法として AM 変調波を採用し,体内にパッシ
ブで高効率な復調回路を設置することによって周波数特性が良好で伝送効率も高くできる可能性
がある.今後はその点において検討を行い,更なる性能向上が期待できる.
参考文献
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本音響学会誌,65 (1),46-51,2009.
(18)岡本学:超音波ヘッドホン,日本音響学会誌,59 (8),474-479,2003.
(19)Stenfelt S., Wild T., Hato N., Goode R. L.: Factors contributing to bone conduction: The
outer ear, J. Acoust. Soc. Am., 113 (2), 902-913, 2003.
(20)Stenfelt S., Goode R. L.: Transmission properties of bone conducted sound:
Measurements in cadaver heads, J. Acoust. Soc. Am., 118 (4), 2373-2391, 2005.
(21)小林一光:自動車用電子部品の最新技術動向 超磁歪素子の技術と応用動向,電波新聞 ハ
イテクノロジ―,2004.
(22)岡田佑介,渡辺好章,岡本学ほか:超音波ヘッドホンにおける耳珠軟骨組織の音響的非線
形性の影響,電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 103(87),35-40,2003.
(23)菊池善充:改訂増強
磁歪振動と超音波,コロナ社,1969.
(24)小出昭一郎:物理学,裳華房,1997.
(25)瀧保夫:通信方式,コロナ社,1963.
(26)「新版 聴覚と音声」工学博士三浦種敏著 社団法人電気情報通信学会.
(27)原島立成,皮下埋め込み型骨導補聴器実用化に向けた振動子の開発と特性評価,電気通信
大学修士論文,2010.
(28)A・E・クラーク,江田弘,超磁歪材料,日刊工業新聞社.
(29)大賀寿郎,鎌倉友男,斎藤繁実,武田一哉:音響エレクトロニクス,倍風館
(30)船坂宗太郎,橋本勲,矢野純:聴性脳幹反応ガイドブック,メジカルビュー社
(31)The Standard Operation Procesures (SOPs) of the mouse phenotyping platform in RIKEN Japan
Mouse Clinic : http://www.brc.riken.jp/lab/jmc/mouse_clinic/
(32)大城越美,埋め込み型骨導補聴器用経皮伝送システムの最適化,電気通信大学修士論
文,2011.
(33)鎌倉 友男,渡辺 好章, 上 芳夫:電気回路,培風館
(34)N.H.フレッチャー,T.D.ロッシング,
:楽器の物理学,丸善出版
謝辞
本研究を進めるにあたり,終始懇切丁寧に指導していただいた小池卓二教授に,深く感謝いたし
ます.
本研究を進めるにあたり,共同研究者として有益な助言をいただいた,愛媛大学医学系研究科頭
頸部感覚器外科,羽藤直人准教授,慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科講師,神崎晶講師に深く感謝
いたします.
本研究を進めるにあたり,器具作成に協力していただいた,カツミチコーポレーション,佐野勝
道氏に深く感謝いたします.
慶應義塾大学病院における実験において協力していただいた,慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学
教室の方々,および病院関係者の方々に深く感謝いたします.また,献体提供していただいた本
人および遺族の方々に深く感謝いたします.
実験等に協力していただいた,4 年田中絵里さんに深く感謝いたします.
最後に,共に研究してきた,小池研究室の皆さんおよび本間・小池研究室の卒業生に感謝致しま
す.
学会発表
(1)
田地良輔,藤井麻起子,小池卓二,小野倫嗣,池田勝久:体表振動を利用した内視鏡手術リスク低減装
置の開発,日本機械学会 2011 年度年次大会,2011.9
(2)
田地良輔,大城越美,小池卓二,神埼晶,羽藤直人:超磁歪素子を用いた埋め込み型骨
導補聴器の開発:骨加振方法の違いによる補聴特性比較,第 22 回バイオフロンティア講
演会,2011.10
(3)
田地良輔,藤井麻起子,望月秀行,小池卓二,小野倫嗣,池田勝久:両眼球振動差に着
目した内視鏡下副鼻腔手術におけるリスク検知システムの開発,第 24 回バイオエンジニ
アリング講演会,2012.1
(4)
田地良輔,大城越美,池尻恭介,小池卓二,神崎晶,羽藤直人:超磁歪素子と磁石振動
子を用いたハイブリッド埋め込み型骨導補聴器の開発,日本機械学会 2012 年度年次大会,
2012.9
(5)
田地良輔,田中絵里,小池卓二,神埼晶,羽藤直人:超磁歪素子を用いた埋め込み型骨
導補聴器の開発:モルモットの ABR 計測による補聴性能評価,第 23 回バイオフロンテ
ィア講演会,2012.10
(6)
田地良輔,田中絵里,小池卓二,神埼晶,羽藤直人:超磁歪素子を利用した埋め込み型
骨導補聴器の開発:実使用に近い状態における補聴性能評価,第 25 回バイオエンジニア
リング講演会,2013.1