第 1 章 インターネット利用に関する子どもの意識と実態

第1章
インターネット利用に関する子どもの意識と実態
1-1
インターネットに関する知識を得たところ
あなたは,インターネットの使い方や危険性について,どこで知りましたか。
あてはまるものすべてをマークしてください。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
小2; 51%
小4; 61%
家庭
小6; 48%
中1; 46%
中3; 45%
小2; 12%
小4; 32%
学校
小6; 51%
中1; 62%
中3; 56%
小2; 16%
小4; 45%
小6; 53%
中1; 51%
中3; 51%
テレビや新聞
インターネット
本や雑誌
友達
その他
小2; 7%
小4; 11%
小6; 18%
中1; 14%
中3; 20%
小2; 6%
小4; 6%
小6; 7%
中1; 6%
中3; 12%
小2; 2%
小4; 6%
小6; 7%
中1; 8%
中3; 15%
小2; 6%
小4; 6%
小6; 2%
中1; 2%
中3; 2%
小2
小4
小6
中1
中3
子どもたちは,インターネットの使い方や危険性について,家庭や学校で知ることが多
いことがわかる。小6からは,家庭よりも学校で知ることのほうが多くなっている。また,
家庭,学校以外では,テレビや新聞から情報を得ていることもわかる。
学年が上がるにつれて友達やインターネット,本や雑誌からも情報を得るようになって
いる。
-5-
1-2
インターネットの使い方の授業は必要か
学校でインターネットの使い方の授業は,必要だと思いますか。
(どれか1つにマーク)
0%
小2
20%
25%
小4
40%
30%
32%
小6
60%
24%
38%
34%
中1
32%
中3
32%
とても必要
どちらかというと必要
80%
42%
43%
41%
あまり必要ではない
100%
15%
16%
10%
6%
6%
8%
4%
13%
15%
必要ではない
10%
4%
8%
8% 4%
無回答
小学生では,学年が上がるにつれて学校においてインターネットの使い方を学ぶべきだ
と考える児童が多くなっている。
中学生でも小6と同様に,学校でインターネットの使い方を学ぶべきだと4人に3人の
生徒が感じている。小学生と異なり,学年が上がるにつれて学校で学ぶ必要性がさらに高
まっていくという様子は見られない。
-6-
1-3
インターネット情報端末の所有状況
あなたは,インターネットが利用できる情報端末(ゲーム機,スマホ,携帯,PC,
タブレット等)を持っていますか。(どれか1つにマーク)
0%
小2
小4
小6
10%
20%
30%
40%
50%
36%
60%
70%
80%
37%
55%
4%
5%
27%
中1
68%
中3
69%
15%
17%
家族と共用のものがある
100%
23%
33%
57%
自分専用のものがある
90%
持っていない
7%
5%
11%
7%
10%
7%
7%
無回答
小2では,
「家族と共用のものがある」と回答する児童が一番多くなっているが,学年が
上がるにつれて,家族と共用のものから自分専用の情報端末を所有するようになることが
わかる。自分専用の情報端末については,小2ではおよそ3人に1人が持っていて,小4
以上になるとおよそ2人に1人,中学生になると3人に2人は,自分専用の情報端末を持っ
ていることがわかる。
情報端末を持っていない子どもは,小4以上になると4人に1人から 20 人に1人に減っ
ている。
-7-
1-4
インターネット情報端末のフィルタリング状況
あなたが使っている情報端末(ゲーム機,スマホ,携帯,PC,タブレット等)には,
フィルタリングなどの制限がかけられていますか。(どれか1つにマーク)
0%
小2
10%
11%
小4
20%
9%
いいえ
70%
80%
20%
わからない
17%
21%
13%
90%
100%
28%
29%
13%
41%
はい
60%
35%
45%
中3
50%
16%
33%
中1
40%
17%
28%
小6
30%
10%
26%
20%
7%
10%
22%
フィルタリングとは何かを知らない
12%
9%
8%
無回答
フィルタリングなどの制限がかかっていることを自覚している子どもは,全体的に半数
以下である。また,中1までは学年が上がるにつれてフィルタリングについて認識が高ま
るとともに,制限をかける割合が増加していることがわかる。
小学生においては,
「フィルタリング」という用語自体がよくわかっていなかったり,か
かっているかどうかがわからなかったりする児童が半数前後いることがわかる。
中1では,フィルタリングをかけている生徒が 45%,かけていない生徒が 13%であった
が,中3になるとフィルタリングをかけている生徒が 41%,かけていない生徒が 20%と,
制限をかけている状況に差が見られることがわかる。
-8-
1-5
インターネット接続に使用する情報端末
あなたは,どんな情報端末(ゲーム機,スマホ,携帯,PC,タブレット等)を使っ
てインターネットを利用していますか。(あてはまるものすべてにマーク)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
小2; 20%
小4; 29%
小6; 35%
携帯電話やスマートフォン
中1; 46%
中3; 55%
小2; 17%
小4; 38%
パソコン
(タブレットPCを含む)
小6; 47%
中1; 50%
中3; 56%
小2; 32%
小4; 43%
小6; 42%
中1; 35%
中3; 29%
携帯ゲーム機
(PSP,DSなど)
小2; 19%
小4; 24%
小6; 26%
中1; 23%
中3; 20%
家庭用ゲーム機
(PS,Wiiなど)
小2; 12%
小4; 9%
小6; 15%
中1; 15%
中3; 15%
テレビ
あまり利用していない
小2; 16%
小4; 12%
小6; 10%
中1; 7%
中3; 6%
小2
小4
小6
中1
中3
インターネットへ接続する情報端末の使用状況は,
「携帯電話やスマートフォン」,
「パソ
コン」については,学年が上がるにつれて増えていくことがわかる。また,
「携帯ゲーム機」
については,小学生では携帯電話やスマートフォンよりも使用されているが,中学生にな
ると使用が減っている。小学生では携帯ゲーム機がインターネット接続の中心であったが,
中学生になると携帯電話やスマートフォンへと移行していくことがわかる。
-9-
1-6
インターネットの利用目的
あなたは,学校以外でどんな時にインターネットを利用していますか。
(あてはまるものすべてにマーク)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
小2; 19%
小2; 9%
小2; 44%
小4; 53%
小6; 56%
中1; 47%
中3; 47%
ゲームをするとき
小2; 9%
小4; 26%
音楽をきくとき
小2; 3%
サイトを見るとき
その他
80%
小4; 53%
小6; 48%
中1; 55%
中3; 62%
調べ学習をするとき
掲示板を読んだり
書き込んだりするとき
70%
小4; 55%
小6; 65%
中1; 67%
中3; 70%
動画を見るとき
メールの
やりとりをするとき
60%
小4; 20%
小6; 26%
小2; 6%
小4; 11%
小6; 20%
小6; 39%
中1; 52%
中3; 58%
中1; 41%
中3; 59%
中1; 48%
中3; 46%
小2; 0%
小4; 2%
小6; 5%
中1; 13%
中3; 19%
小2; 5%
小4; 4%
小6; 4%
中1; 4%
中3; 1%
小2
小4
小6
中1
中3
インターネットの利用目的は,どの項目も学年が上がるにつれて,増えていく傾向にな
る。多いものとしては「動画を見るとき」や「調べ学習をするとき」などが挙げられる。
また,小学生では「ゲームをするとき」が多く,中学生では「メールのやりとりをすると
き」が多くなっている。加えて,中学生になると「掲示板を読んだり,書き込んだりする
とき」の項目が増えていく傾向がある。
- 10 -
1-7
インターネットの利用時間
あなたが1日のうちインターネットを利用する時間は,どのくらいですか。
(どれか1つにマーク)
0%
10%
小2
40%
8%
60%
11%
23%
21%
13%
50%
17%
23%
小6
中3
30%
33%
小4
中1
20%
11%
ほとんど使っていない
25%
22%
30分~1時間
80%
4%1%
13%
90%
100%
25%
14%
19%
24%
30分以下
9%
24%
17%
13%
70%
4% 4%
9%
12%
18%
14%
1時間~2時間
2時間~3時間
8%
13%
16%
3時間以上
8%
7%
8%
9%
無回答
学年が上がるにつれて,インターネットの利用時間が増える傾向にある。中学生になる
と,
「3時間以上」と回答する生徒が1割以上いることがわかる。小2以外の各学年におい
て,4割程度の子どもは利用時間が 30 分~2時間に含まれていることがわかる。
- 11 -
1-8
インターネットへの発信手段
あなたは,インターネット上で何を使って情報を発信していますか。(あてはまるもの
すべてにマーク)
0%
SNS
(GREE,モバゲー,
Twitter,LINEなど)
ホームページ
動画サイト
10%
20%
小2; 3%
小4; 9%
40%
小6; 22%
50%
60%
70%
中1; 40%
中3; 46%
小2; 3%
小4; 4%
小6; 16%
中1; 10%
中3; 10%
小2; 3%
小4; 6%
小6; 7%
中1; 7%
中3; 7%
チャット
小2; 1%
小4; 2%
小6; 6%
中1; 8%
中3; 10%
ブログ
小2; 0%
小4; 1%
小6; 10%
中1; 6%
中3; 6%
掲示板
小2; 0%
小4; 2%
小6; 2%
中1; 2%
中3; 3%
その他
30%
小2; 1%
小4; 5%
小6; 9%
中1; 3%
中3; 4%
情報を発信していない
中3; 31%
小2
小4
小6
中1
小2; 53%
小4; 63%
小6; 56%
中1; 44%
中3
小6から発信が増えており,中学生については情報を発信しない生徒が半分以下である。
SNSの利用による情報発信は学年が上がるにつれて増えており,中1で 40%,中3で
46%と約半分が情報を発信している。
- 12 -
1-9
インターネットへの発信内容
あなたはインターネット上に,どのような情報内容を発信していますか。
(あてはまる
ものすべてにマーク)
0%
自分の気持ちや考え
人物の写真
人物以外の写真
10%
20%
小2; 1%
小4; 7%
小6; 15%
50%
60%
70%
中1; 26%
中3; 30%
小2; 0%
小4; 2%
小6; 6%
中1; 14%
中3; 15%
小2; 0%
小4; 3%
小6; 4%
中1; 1%
中3; 3%
人物以外の動画
小2; 1%
小4; 2%
小6; 2%
中1; 4%
中3; 3%
学級や学校の
友達について
40%
小2; 1%
小4; 1%
小6; 3%
中1; 5%
中3; 10%
人物の動画
自分のプロフィール
30%
小2; 1%
小4; 5%
小6; 3%
中1; 9%
中3; 9%
小2; 0%
小4; 2%
小6; 5%
中1; 10%
中3; 9%
学校以外の
友達について
小2; 1%
小4; 2%
小6; 2%
中1; 4%
中3; 5%
その他
小2; 4%
小4; 5%
小6; 3%
中1; 0%
中3; 4%
小2; 59%
小4; 60%
小6; 64%
中1; 52%
中3; 44%
情報を発信していない
小2
小4
小6
中1
中3
中1までは情報を発信していない子どもが半分以上である。中1以降は情報の発信が多
くなり,
「自分の気持ちや考え」を発信しているのが中3で 30%となり,増加傾向にある。
写真の発信も学年が進むにつれて増えてきており,中3では人物の写真が 10%,人物以外
の写真が 15%となっている。
- 13 -
1-10
家庭でのルール
あなたは,家の人とインターネットの使い方(携帯電話,スマホを含む)の約束をし
ていますか。(あてはまるものすべてにマーク)
0%
10%
20%
30%
40%
小2; 33%
小4; 37%
小6; 36%
中1; 36%
インターネットを使う
時間を決めている
中3; 25%
小2; 11%
小4; 27%
小6; 20%
中1; 21%
メールや通話,通信の相手を
制限したり禁止したりしている
中3; 11%
小2; 4%
小4; 13%
インターネットの利用料金の
上限を決めている
小6; 21%
中1; 24%
中3; 16%
小2; 12%
小4; 15%
小6; 14%
中1; 19%
中3; 10%
インターネットを使う
場所を決めている
小2; 10%
小4; 16%
小6; 16%
中1; 18%
中3; 13%
サイトの利用内容を決め
たり,サイトを見ることを
禁止したりしている
小2; 5%
小4; 15%
その他
小6; 26%
中1; 16%
中3; 17%
小2
小4
小6
中1
中3
約束で多いのは「使用時間の制限」で,どの学年でも最も高い数値である。小4と中1
では約束をしている子どもが多く,小6,中3では比較的少ない。中3になると約束をし
ていると答える子どもは減少し,比較的自由にインターネットを利用できる環境になって
いることがわかる。
「その他」と答えた子どもの中には「約束を決めていない」というもの
もある。
[その他の例]
・決めていない
・インターネットを使わない
・ゲームをしない
・情報を発信しない
・Eメールなし
・保護者に言ってから使う
・課金しない
・パスワードがかかっている
- 14 -
1-11
インターネットでのトラブル
あなたはインターネットを使っていてトラブルにあったことがありましたか。
(あては
まるものすべてにマーク)
0%
集中力が低下した
友達とけんかになった
10%
ネットで知り合った人
とトラブルが起きた
小2; 2%
小4; 1%
小6; 5%
中1; 2%
中3; 2%
その他
40%
50%
60%
70%
80%
小2; 2%
小4; 0%
小6; 3%
中1; 4%
中3; 4%
小2; 2%
小4; 0%
小6; 5%
中1; 3%
中3; 3%
使っていないと
不安に感じる
30%
小2; 1%
小4; 2%
小6; 4%
中1; 7%
中3; 14%
個人情報(住所や
電話番号など)がもれた
お金をとられ
そうになった
20%
小2; 0%
小4; 0%
小6; 0%
中1; 2%
中3; 3%
小2; 0%
小4; 0%
小6; 2%
中1; 3%
中3; 4%
小2; 2%
小4; 10%
小6; 5%
中1; 2%
中3; 3%
小2; 65%
小4; 71%
小6; 69%
中1; 70%
トラブルにあった
ことがない
中3; 59%
小2
小4
小6
中1
中3
トラブルにあったことのない子どもは中3になると大きく減少している。情報端末を使
用することによるトラブルは,中学生に多い傾向がある。中1,中3で集中力の低下を感
じる子どもは多く,中3で 14%となっている。小4児童の記述から「その他」の項目のう
ち,インターネットの危険性をわからないまま利用している実態があった。
[その他の例]
・予期しないところをクリックしてしまった(小4)
・迷惑メールが来た(中1)
・知らない人と言いあいになった(小4)
・視力がおちた(中3)
- 15 -
1-12
情報端末の存在
あなたにとって,情報端末(ゲーム機,スマホ,携帯,PC,タブレット等)は,どの
ような存在ですか。(どれか1つにマーク)
0%
小2
小4
10%
20%
10%
30%
40%
50%
43%
15%
18%
61%
小6
10%
64%
中1
11%
63%
中3
60%
70%
80%
90%
4%
25%
12%
2% 10%
14%
1% 11%
17%
24%
60%
100%
0% 9%
5%
10%
1%
なくてはならない存在
あったほうが便利な存在 なくても困らない存在
いらない存在
無回答
小4から情報端末の重要度は増し,中3では「なくてはならない」,
「あったほうが便利」
と考える子どもが 84%と,ほとんどの子どもが必要性を感じている。また,なくてはなら
ない存在と答える子どもは小学校では小4で高く 15%となっており,中学校では中3で
24%と最も高くなっている。
「なくても困らない」と答えた子どもは中3で5%と最も低く,
情報端末の使用が日常的になっていることがわかる。
「いらない」と答えた子どもはどの学
年も5%をきっており,年齢が低いうちから情報端末の必要性を感じていることがわかる。
- 16 -
第1章のまとめ
第 1 章では,子どもたちのインターネットとのかかわりの様子に関して調査を行い,次
のようなことがわかった。
小学生は5割が,中学生は7割が自分専用の情報端末を所持している。小学生では
携帯ゲーム機,中学生では携帯電話,スマートフォンを中心に利用している。
子どもたちは,身近にインターネットにつながる情報端末を所持しており,1-3
「情報端末の所有状況」にあるように小4以上の小学生は5割以上が,中学生では7
割近くが自分専用の情報端末を持ち,インターネットに接続していることがわかる。
1-5「インターネット接続に使用する情報端末」からわかるように,小学校,中
学校どちらもパソコンを使用してインターネットを利用していることに加え,小学生
では携帯ゲーム機を使用してインターネットを利用しているのに対し,中学生では,
携帯電話,スマートフォンを使用してインターネットを利用していることがわかる。
また,学年が上がるにつれて,情報端末の所有率や使用率も上がることがわかる。
インターネット利用時間は平成 19 年度調査と比較して全体的に見て増加傾向にあ
る。学年が上がるにつれて利用時間も増えていく。
平成 19 年度「子どもと情報―その光と影―」の調査では,携帯電話とパソコンを
分けて利用時間を調査している。本調査でも1-7「インターネットの利用時間」で
インターネットの利用時間について調査を行った。30 分以下もしくはほとんど使わな
い子どもを学年別に比べると,左
30 分以下
小2 小4 小6 中1 中3 の表のようになる。利用時間 30 分
ほとんど使わない
以下の子どもは全学年で減ってい
H19 調査携帯電話
82% 84% 72% 34%
30%
ることがわかる。特に小4の変化
H19 調査パソコン
62% 66% 53% 50%
45% は顕著であり,現在は小4の段階
H26 調査インターネット 50% 46% 38% 26%
19% でインターネットを使える環境が
整っていることがわかる。
1時間以上利用している子ども
1時間以上 小2 小4 小6 中1 中3
は,中3以外は増加していること
H19 調査携帯電話 5%
5%
11% 33%
49% がわかる。インターネット利用の
低年齢化が進んでいることが伺え
H19 調査パソコン 12%
8%
15% 23%
25%
る。インターネットを利用できる
H26 調査インターネット
14% 22% 30% 44%
48% 端末の種類が増えたことも要因の
一つとして考えられる。
ほとんど
使っていない
30 分
30 分
1時間
2時間 3時間
無回答
以下 ~1時間 ~2時間 ~3時間
以上
H19 小2携帯電話
82%
13%
3%
0%
2%
H19 小2パソコン
62%
26%
6%
2%
4%
H26 中3
8%
11%
24%
18%
14%
16%
9%
本調査での中3は平成 19 年度調査における小2であった。この変化を見るだけで
も学年が上がるごとにインターネット利用の時間が増えていることがわかる。
- 17 -
インターネットは,ゲーム,動画を見るなどの娯楽や調べ学習に利用されている。
中学生になるとコミュニケーションのツールとしても利用される。
1-6「インターネットの利用目的」や1-7にあるように,インターネットは,
学年が上がるにつれて利用内容が多岐にわたり,利用時間も増加する傾向にある。小
4で急激に増加する「調べ学習をするとき」のように学習のためにインターネットを
利用することに加えて,
「ゲームをするとき」,
「音楽をきくとき」,
「動画を見るとき」
といったような趣味・娯楽としてもインターネットが利用されていることがわかる。
また,中学生になると「メールのやりとりをするとき」,
「掲示板を読んだり,書き
込んだりするとき」という項目が急激に増えてくる。1-8「インターネットへの発
信手段」からもわかるように中学生になるとLINEなどのSNSを利用して情報発
信をする生徒が4割以上いる。小学生のころのように学習やゲーム,動画閲覧といっ
た娯楽としてインターネットを利用することに加えて,中学生になるとコミュニケー
ションのツールとしてインターネットを活用していくようになっていくことがわか
る。
子どもたちは,小さいころから情報端末に必要性を感じている。学年が上がるにつ
れて,利用時間も必要性も増加している。
1-12「情報端末の存在」では,情報端末を必要としないと回答した子どもは,全
体の5%にも満たないことから,子どもたちは,小さいころから情報端末の必要性を
感じている。小4以上になると4人に3人は情報端末が「なくてはならない存在」,
「あ
ったほうが便利な存在」と回答しており,その必要性は学年が上がるにつれて増加し
ていく傾向にある。
中3になると「なくてはならない存在」と回答する生徒が 24%と4人に1人は,情
報端末の必要性を強く感じている。これは,1-6,8で明らかになったように,中
学生になるとインターネットをコミュニケーションのツールとして使うようになる
ことから,友達や他者と連絡を取り合うために欠かせないものとして認識しているこ
とが推察される。
一方で,1-7のように学年が上がるにつれて利用時間が長くなり,中3では,30%
の生徒が1日に2時間以上利用している。そのため,1-11「インターネットでのト
ラブル」にあるように情報端末によるトラブルの一つとして「集中力の低下」を挙げ
る生徒も 14%おり,「使っていないと不安に感じる」と回答する生徒も4%いた。子
ども自身が心身の変調に気付きながらも,コミュニケーションのツールとしての情報
端末に必要性を感じ,長時間利用している一面を垣間見ることができる。
- 18 -