第1学年1組図画工作科学習指導案 平成 14年9月12日 (木) 第 3・4校時 指 導 者 新潟市立沼垂小学校 教諭 石塚 1 題材名 「つないで つないで どこへいこう?」<3時 間> (日本文教出版1・2上 2 崇 題材番号9「つないでどこへ」より) 題材の目標 ・ ・ 机と机を 新聞紙などの道でつなぐことを楽しむ 。 つないだり、思いついたものをつくったりして、 教室を楽しい町 に見立て、思いを 広げながら 工夫して活 動する。 3 題材と児童 (1)題材について ① 手や体全体を使って、材料 や場所とかかわる 教 室という広がりのある場所を 使って造 形 活 動を行うことで、 子供たちは体全体 を十分に働 かせて 活動するであろう。大きな空 間の中で、ま ず自分の机を自 分の町に見立てることで、活 動を始 めていく基点 が生まれていくこととなる。 自分の町から他 の友達の町へと紙 をつなげて いくことによって、 広い空間を構成 していくことになるが、新 聞 紙や広告などを細 長く切った り折ったり、つないだりする過程で 、子供たちの 中に曲がった道 をつくったり形を 変えたりす るなどのいろいろな思いや工 夫が生まれてくると思われる。 ② いろいろな材料の特徴を生 かして自分の思い を広げてつくる ま ず、自分の町 をかくときに「 行ってみたい 場所」や「楽しい 場所」などを想像 しながら、 画用紙 にパスやクレヨンで町をつくってみる。机 の場所も自由に 移動して、自分の 場所を決め る。 次 に、新聞紙や 広告を、のりや セロハンテープで工夫しながらはり、つなげながらいろいろ な友達の 町へ行くことができるようにする。 活動 の途中で友達 と相談し て つ く り方を考え た り、遊び方を思 いついたりしながら、さらに 活動が広 がっていくことが期 待できる。 (2)児童について 子 供たちは絵を 描いたりものをつくったりすることが好き で あ る。人形や怪獣な ど自分の興 味に合 わせて 、「じ ゆ う ち ょ う」に 黙々と絵 を描いている 子が多 い。友達 の絵に 関心を示 し、 かいてもらうなどのかかわりも見られた。 図 画 工 作や生 活の時間 では 、「クーピー」や 「ク レ ヨ ン」で 多くの色 を使って 周りをぬった りする 子が増えてきたが、丁寧さが 欠けてきている子も出てきた 。また、個別に話 し掛けるな どの支援 がないと 、「何をかいていいか分からない 。」という子が 数名いる。 ポリ 袋が箱から飛 び出す工作では 、空気が入っていくポリ袋の 動きを面白がって 、いくつも つくり続 ける意欲的な姿が見 られた。 見 立てたり、体 を使い友達と楽 しく活動したりする子が多い。 本題材は、個人で の表現活動 や、体 を使った教室全体での活動、 友達と か か わ る活動な ど が あ り、子供たちは興 味を継続し ながら、 意欲的に活動していけると思われる。 -1- 4 指導と評価 の構想 本研究 は、新潟市立総合教育セ ン タ ーの「指導に 生かす評価の在り 方∼評価を生か し た授業の改 善と単元における観点別評価の算定方法の開発∼ 」をテーマに 、次のことを研 究の内容と し ている。 (1)評価を 生かした授業の改善 ① 指導 と評価の一体化を図 る評価計画の作成 の手順、方法の開発 ・ 子 供の姿が見える行動目標的な達成規準 (評価規準)の設定 ・ ・ ABCの判定基準(評価基準)の検討 評価基準の達成に向け た評価方法を位 置 付けた指導計画の作 成 ② ③ ④ よりよく子供を理解で き る評価方法の開発 ・ ・ 多面的でかつ簡便な評価方法の検討、開 発 それぞれの観点に適し た評価方法の検討 、開発 ・ よ り簡便な評価の蓄積方法 評価 を生かした授業を行 う際のポイント より 成長を確認できる自己評価、相互評価 の際のポイント (2)題材における観点別評価の 算定方法の開発 ① ② 1時 間の評価から単元終了後の観点別評価 を行うための算 定 方 法の開発 観点別評価を行うための 学習活動の重み付 け 上記の研究内容を受け 、国立教育政策研究所の「 評価規準 、評価方法等の研究開発( 報告 )」や 、 新潟県教育庁義務教育課 による小学校教育課程研究集会「新しい評価 の在り方について 」を参考に しながら、研 究を進めていく。 本研究 では、実際の授 業を通し な が ら、図 画 工 作 科、特に「A表現 (1)材料などを 基にした楽 しい造 形 活 動<通 称 造 形 遊び>」で「一人一人を観 点 別に評価することができ(AとB、BとCの カッティングポ イ ン ト を明 確にして 判断 す る こ と等 )、 指導 に生 か し て い く こ と が で き た か 。」と いうことを 検証していく 。「まず 、実践 を し て み る」という姿 勢を大 切にし、 そ こ か ら、さまざま な問題点が表 れると思われるので 、特に次のことを 念頭に置きながら実 践を進めていく。 ・ 子供の見 取り方とかかわって 、評価できなかったり、できにくかったりしたところを 明らか にし、そ の要因を具 体 的な評価の仕方 から探っ て い く。これは、事 前に設定した評価規準や評 価基準が適 切であったかも大き な要因となるであろう。 ・ ・ 評価が指 導に生きた部分を明 らかにし、その際 の支援への生かし方 を考えていく。 評価については、簡 便でなければ全題材を通じてできるものではない。より、やりやすく、 効果的な評 価を考えるとともに 、年間を通した評 価についても考えを 深めたい。 評価にかかわって 、特に 心掛けていきたいことは 、信 頼 性があり共有できる 評価を目指し て い く 。 そのために 、学習指導要領に示される目 標や内容を基 に、観点別に、 本単元に合わせてより具体的 な評価規準 を設定し て い く。その際、子 供たちの活動 の様子をできるだけ予測しながら 、働かせた い資質・能 力の高まりも 考えていく。ま た、信頼性・ 客観性のある評 価となるように、 結果として つくったものだけでなく 、活動の様子についてさまざまな評価方法を 取り入れていくようにする。 特に、見落 とされがちな 「鑑賞の能力」 を「表現」と 関連を図り な が ら、評価に取り入 れていくよ うにする。 また、 短時間での題材 なので、具 体 的に評価で き る部分を絞り な が ら、確実に評価ができるよう にし、どの 観点(資質・ 能力)に当てはまるのかが分 かりにくいような様子をメモするなどして、 子供たちの見 取りが深まるように 心掛けていく。 評価は一人一人の良さ を見付け る こ と が基本である 。子供の良さを 見取る力を伸ばし 、指導・支 援に生かすようにしていきたい。 -2- 5 題材の評価規準と評価基準(判断基準) 観 題材における評価規準 点 題材 の評価基準(判 断 基 準) 十分満足できる (A) <A表現(1)> おおむね満足できる( B) 教 科 書の 活 動 例を 参考 教 科 書の 活 動 例を 参考 関 関① に、 広 告を 集め る だ け で に 、自 分か ら広 告な ど の 心 ・ 身の回 りにある 広告 などの材 料を進ん で集 なく 、 遊び に使 っ て み た 紙を集める。 意 める。 したりする。 欲 ・ <A表現(1)> 関② 態 机と机 をつなぐこと 度 を楽しみ 、道を使 いな がら遊ぶ。 <A表現(2)> 努力を要する(C) 教師 に催 促 さ れ て、 広 告などの紙を集める。 い材 料 を尋 ね た り、 用意 進 んで 材料 や場所 (教 自分から材料や場所( 自 室空間全体で )、友達とか 分の周りで)、友達とかか か わ り な が ら、 活動 を楽 わ り な が ら 、活 動を 楽し しみ、発展させていく 。 む。 教師 に促 さ れ、 教師 と 一緒に遊ぶ。 色 だ け で な く、材 料や い ろ い ろ な 色を 使うな 自分 で表し た い 町が 思 発 想 発① 自分の 机を町に 見立 形な ど も工 夫し て、 自分 ど の工 夫を し て 、自 分で い 付か な か っ た り 、友 達 で考えた町を表す。(クレ 考えた町を表す。 の 町と 同じ 町 を表 し た り や 構 て、表し た い こ と を見 付ける。 ヨン以外のものも 活用) 想 <A表現(1)> の 能 する。 変 化し た教 室 空 間 と材 変 化した教室空間と材 材料に興味をもたずに、 発②( は鑑賞) 町と い う場所と 材料 料の 特 徴か ら、 想像 を広 料 の特 徴か ら、 想像 を広 道 を つ な ぐ 活 動や も の づ げ、 楽 しい 活動 を次 々に げ、 楽しい活動を考える。 く り の 活動 の み に 専念 す 力 から、友 達と共に 楽し 考える。 創 い活動を思い付く 。 <A表現(1)> 造 る。 自 分の 思っ た よ う に道 自分で道をつないだり、 教師 と一緒 に道 を つ な 創① を つ な い だ り、 興味 のあ 興味のある 材料を使って、 い だ り 、紹 介 さ れ た材 料 的 な 材料や 用具を自 分で 選び、思 い付いたこと る材 料 を使 っ て そ の 特徴 思 い通 り に つ く り た い も を使ってつくったりする 。 を生 か し な が ら 思い 通り のをつくったりする。 技 を 、思ったように 表す 。 につくりたいものをつく 能 ったりする。 <B鑑賞(1)> 自 分で 町の 名前を 決め 自分で 町の 名前 を決め 町の 名前が 思い 付か な 鑑 賞 鑑① 自分の 町に名前 を付 て書 き 表し 、友 達の 作品 て 書き 表し 、友 達の 作品 か っ た り、 友 達と 同じ 名 にも 興 味を も っ て積 極 的 にも興味をもって見る。 前にしたりする 。 の け、友達 の作品に 興味 に話 し 掛け た り し て か か 能 力 をもつ。 <B鑑賞(1)> わる。 活 動を 振り 返り、 友達 活動を 振り 返り 、自分 教師 と一緒 に活 動を 振 鑑② とのかかわりやつくった が や っ て み て楽 し か っ た り 返り 、楽 し か っ た こ と 楽しい 町や楽しかっ たことを 書いたり 、話 もの 、 や っ た こ と、 全体 こ と や つ く っ た も の を話 やつくったものなどを 、 の様 子 な ど か ら 、楽 しか したり 書いたりする。 話したり書いたりする。 したりする。 っ た こ と を 、話 し た り書 いたりする。 -3- 6 指導と評価 の計画 次 ねらい・主 な学習活動 学習活動における評価規準 <評価方法 > ( 時数 ) ・教科書 を参考に、 身の回り に あ 事 前 る広告 や使え そ う な材料を集 め ておく。 ・広告の紙は細 く切っておく。 関① 教科書 の活動例 を参 考に 、身 の回 りの 広告 な ど の 材料を進んで集め る。<集めたものから> ○活 動 内 容を知り、 各自で自分 の 思いを広げる 。 ① 机を 並べ変えて 教室い っ ぱ い 第 に広が る活動であることを知 り 1 次 町と町 をつないでいくとどんな 町になるか想 像する。 ( 1) ② ③ 自分 の机の町をどんな町に す 発① るか考 え、自分なりに工夫し な がらクレヨン 等で表現する。 自分の机を町に 見立て 、表したいことを見付けて 、 進んで表現し て い る。<活動の観察 ・作品> 自分の町に 名前を付ける。 鑑① 自 分の 町に ふ さ わ し い名 前を 付け 、友 達の 作品 に 興味をもつ。<作 品・行動の観察> ○つないだり、思い つ い た も の を つくったりして、 教室を楽し い 町に見 立て、思い を広げ な が ら 工夫して活動 する。 ① 自分の か い た町を机にはり、 第 教室のどの場所がいいか考え な 2 次 がら机を移動 する。 ② 自分 の町から友 達の町へ紙 を ( 2) つないで道をつくる。 関② 机 と机 を つ な ぐ こ と を楽 しみ 、道 を使 いながら 遊 ぶ。<活動の観察 > 創① 材 料や 用具 を自 分で 選び 、思 い付 い た こ と を、 思 本 時 ったように表す 。(学習活動②③か ら) <活動の観察・材 料> ③ 教室 いっぱいにつながった 道 のある 空間と材料 から、や り た い こ と を考えて、 つくったり 遊 発② 町 と い う場 所と 材料 から 、友 達と 共に 楽し い活 動 を思い付いて遊ぶ 。<活動の観察> んだりする。 ④ ⑤ 楽し か っ た こ と を振り返り 、 発表したり、カ ー ドに書い た り 鑑② 楽 しい 町や 楽し か っ た こ と を 書いたり 、話 し た り する。 する。<発表・カード> ご み を分別し た り、セ ロ テ ー プをきちんと取ったりして片 付 ける。 -4- 7 本時の学習 <2・3/3 (1)本時のねらい ・ ・ 時 間 目> 机と机 を新聞紙などの道でつなぐことを楽し む。 つないだり、思い 付いたものをつくったりして、教室を楽しい 町に見立て、思い を広げなが ら工夫し て活動する。 (2)本時における評価規準 本 時は、3時 間 扱いの2・3時間目に当たる 。短時間の題材であるが、上記6< 指導と評価 の計画 >にもあるように、四つの観 点から評 価 規 準を設定し て あ る。本時の2時間 の活動の中 で、児童一人一人を 四つの観点で見 ていくことは 難しいが、特定 の観点だけに絞るのは題材全 体の客観的な評価にならないのではないかと考え る。そこで、次 のように重点的に 評価する観 点を設定 しながら、できる限 り四つの観点で評 価していく。 <重点的 に評価する観点> 発② 変化し た教室空間と材料の 特徴から、想像を 広げながら楽しい活 動を考える。 <活動の観察 ・ビデオ> *ど の子がどんな遊 びや活 動をしているのかを観 察や聞 き取りから一人一人について見 取っ ていくようにする。 <その他 の観点> 関② 自分か ら材料や場所(自分 の周りで )、友達 とかかわりながら、 活動を楽しむ。 <活動の観察> 創① 自分 で道をつないだり、興味の あ る材料を使って 思い通りにつくりたいものをつくったり する。 <活動・材料> * 上記二つの観 点については、 特に目に付く A(十分満足で き る)とC(努力を 要する)で 評価 されるような子供を 見取っていくようにする。 鑑②ー 1 楽しい 町や楽しかったことを話したり書いたりする。<発表・カード> *発表 は授業中に評価し、 カードについては 授業後に評価をする 。 (3)本時の 活動について 前時 で自分なりの 町をかき表し、 町の名前を付 けている。本時 では、活動しやすいように広 い場所 で、自分の机 に表した町(画用紙)をはり 、机の場所を部 屋の中で移動して 場所を決め る。そして、自分の 町から友達の町 へ紙を つ な い で道をつくり、 教室の中の町で遊 ぶ活動をす る。 本 時の前半では 、机から机へ紙 をつなぐことを楽しめるように 、事前に用意した 広告の紙を 切って準 備しておく。 後 半、材料を提 示して、教 室 空 間が変化した 中で材料を使いながら遊んでいくことを提案す る。材 料については 、「おたから・ ざ い り ょ うBOX」として事 前に子供 たちが 集めたり 、教 師が用意 したりした物を使っていく 。カップ 、牛乳のふた 、折り紙 、画 用 紙 、毛糸などである 。 本時は 主と し て「A表 現(1 )材料 をもとにした楽し い造形活動(造形遊び )」の内容 であ る。そこで「場所や 材料に思いのままかかわり、 思いを膨らませながら活動を楽し む」という 自主的 で発展的な遊 び性の要素が あ る活動を組織 し、思い付いたことを楽しむ子供 の姿をねら っ て い る。これは、 子供たちの勝 手 気ままな活動 を意味するものではなく、楽しんでいる子供 を見ていく視点としては、場所や材 料に関心をもって進んで働き 掛けているかどうかで見取り -5- 支援をする必要が あ る。例えば、場 所だけに関心 をもって道づくりだけに専念し て る子や、材 料に関 心をもってつくり続け る だ け で場所を使っ て遊んでいない 子には、支援が必 要であると 考える 。そのために 、子供一人一人 の思いや考え の良さを肯定的 に評価し、そ れ ら の思いに合 った活 動ができるように、材料や場 所などについて支援していく 。活動の過程で生 まれてくる さまざまな子供の思 いを拾い上げ、 それが発展できるように、子 供との会話を心掛 けながら思 いを見取 るようにしていきたい。 友達 とのかかわりも大切にし、活 動の途中で友 達と相談してつくり方を考えたり 、遊び方を 思い付 いたりするなど、協力し な が ら楽しい活動 になるようにしていきたい。また 活動全体を 通して 、机や物の配 置、町の様子、 紙のつなげ方 、途中で思い付 いた遊び、後始末 の仕方な ど、子供一人一人の様 子や全体の様子 に配慮して、 タイミング良く 言葉掛けや支援ができるよ うに心掛けていく。 子 供たちがかいた町(画用紙) やつくったものは、後で展示することで、活動の 良さを味わ ったり振 り返ったりできるようにしていく。 (4)本時の 展開 学 1 習 活 動 自分の 町から友達 の町 教師の働き掛 けと児童の反応 教室の中で 、自分の好きな 指 導 上の留意事項と評 価 ・机 の移動に際 して、混み 過ぎる へ紙をつないで道をつく 場 所 に机 を 動 か し て み ま し ょ と 道がつなげられないことや、 る 。(30分) う。 どんな感じになったかな。 自 分だけ勝手 に移動す る と危険 であることなどを理解さ せ、安 友達はどこにいるかな。 全に移 動できるようにする。 ・いつもと違 う。 ・楽しい感じ 。 ・友 達を捜すことで、道をつなげ いく意 識をもたせる。 ・広がった。 ・道具箱に切っ た紙を入れさせて ・友達を見付 けた。 ・遠くにいるぞ。 つなげられる おく。 かな。 紙 を つ な い で 、 友 達の 町 に ・紙をつなぐときに、友達 と話し 行 っ て み よ う 。 そ し て、 教 室 合 ったり、協 力したりできるよ いっぱいに道をつないでみよ う。 うに声 を掛けていく。 ・紙をつなぐ (セロテープ) 評 価 規 準(関②) ・友達 の町へつないで、そ こ か からまた次 の友達につなぐ。 ◆ 自 分の周り (班程度) の友 達の 机へ紙をつないで、 友達 ・も っ と、遠くにつないでみた とかかわりながらつなぐこと い。 ・紙がなくなった。 を楽し む。<活動の観察 > ・C 評価の子供 には、だ れ の所に 行く か を明確にしてやる 。 ・予備の 紙も用意する。 評 価 規 準(創①ー1) ◆ 思 い通りに 紙やセロテープ を使 って自分 の周りに道 をつ -6- たくさんの 道ができました 。 教室がどんな町になりました か。 ・広い町 なぐことができる。 <活動 ・材料、用具の活 用> ・技能面で活動 が停滞している子 供 には、丈夫 な接着の仕 方を指 導していく。 ・楽しい町 ・どこでも行 ける町 *休 憩(10分) ・友 達の町を見 に行けるようにす る。 ・道 が壊れないように、慎 重に動 き な が ら遊べるようにする。 2 教室いっぱいになった 道と材料 から遊びを 考え と っ て も 楽し い 町 が で き た ね。 ・「 お宝材料BOX 」準備 、紹介 。 材料と 印象的に出会わせたい。 て、思い 付いたものをつ くったりしながら遊 びを こ こ に 、「 お 宝 材 料 」 が あ り ま す。 こ れ を 使 い な が ら 、 ( 折 り 紙、 画 用 紙、 カップ 、 牛 乳 のふた 、 毛 糸、 マ ジ ッ ク 発 展 さ せ る 。( 3 0 分 ) この町で遊んでみない? 等) いろんなものをつくってい いんだよ 。 い い アイディアは 評 価 規 準(発②) あるかな? ◆ 変 化した教室空間と材 料の じ ゃ あ 、 い ろ い ろ な町 で 遊 んでみよう。 特徴 から、想 像を広げ材 料を 活 用し て 楽し い活 動 を考 え る。< 活動の観察・ビ デ オ> ・活 動の中で思 い付いたものや遊 <予想される活 動> び な ど に共感し 、励ましていく 。 道に見立てて遊 ぶ ・C 評価の子供 には、話をしてつ く ぐ っ て遊ぶ(体) 迷路 怪獣 材料を使っ て遊ぶ 歩く ( 自分が変身 ) 転 がす く り た い も の を明ら か に し、一 飾る 走る 緒 に材料を見 ながら遊ぶことを 考 えていく。 また、友達 の活動 を紹介 していく。 花 人 動物 車 船 魚 ( 空間 ) *空間を海に 見立てる 3 楽しかったことを 振り 返 り、発表したり、 カー 楽 し か っ た こ と を 発表 し て ください 。 発 表 できなかった 評 価 規 準(鑑②) ◆ 活 動を振り 返り、自分 がや ド に書いたりする。 こ と はカ ー ド に 書 い て お き ま ってみて楽し か っ た こ と を話 ( 15分) しょう。 し た り書いたりする。< 発表 -7- ( *全員一斉にカ ー ド記入) ・カ ー ド> ・自動車で道 を通って遊べて、 ・発 表やカード 書きは自分 の席で <カードの内容> おもしろかった。 落 ち着いてできるようにする。 ・材料用意 ・たくさんの町に行っ た か ・いろんな町に行 って楽し か っ カ ー ドは子供が 書きやすい た。 に、 ◎△など記 号でも表す ・楽 しかったか ・友達と遊べ て楽しかった。 よう こと ができるものにする。 *何 をつくったか *楽 しかった町はだれ ・書 けない子供 には、活動 を思い 起こさせるようにしていく。 *楽 しかったこと 4 分別したり、セロテー 楽し い こ と を考えましたね 。 ・取 っておくものと捨てるものを プ をきちんと取ったりし 残念だけど、片付けをしまし 確 認し、ご み は分別する 。まだ て 片付ける 。(15 分) ょ う 。残 し て お く と い い 物 は ありますか。では、けがをし 使 えるものは 保存し、ものの大 切さを 考えさせていく。 ないように、 始めましょう。 8 題材に お け る観点別評価の総括 について 下記の よ う な評価表に基づいて 総括を進める。標 記はABC。 重み付 けをして、評価 していく。重 みを置く も の は網掛け部分。二 つの評価規準が あ る観点につ いては、次のように評価する。 ・番号1… <発>はA・Bだが 、<発②>に重み 付けしているので、 総括はB。 <鑑>はB・Aだが 、<鑑②>に重み 付けしているので、 総括はA。 題材総括 は、各観点がA・B ・A・Aなので、A。 ・番号 2… 題材総括は 、各観点 がA・ A・B・ B だが、 <発> に重み付 けしているので、A。 ・番号3… <関>は、C・A。 その場合は、重み 付けとは関係無しに Bとする。 <発>も同じように 考える。 番 氏 名 関心・意欲・態 度 発想・構想の 能力 号 1 関① A 関② A 総括 A 発① A 発② B 総括 B 創① A 総括 A 鑑① B 鑑② A 総括 A 総括 A 2 B A A B A A B B B B B A 3 C A B A C B C C B C C B -8- 創 造 的な 技能 鑑賞の 能力 題材 研究の成果と課題 1 授業の実際 (1) 題材の 提示と材料集め(事 前) 教 科 書を見せ、題 材の予告をする 。必要な物を 考えさせると、多 くの子が「新聞紙 」と答えた が 、「丈 夫で き れ い だ か ら」 ということを伝 え、 広告 を集 めて 来ることにする 。外 に 、「遊 べそ うな材料 、使えそうな 材料」を持って 来るように呼 び掛ける。子供 たちは、カップや ペットボト ル、割りばしなどの他 に、道を転がせるようにビー 玉やスーパーボールを持ってくる 子が多かっ た。 また、給 食のデザートのカ ッ プや牛乳のふたなども、子供たちが洗 って集めておいた 。 集めた材 料は「おたから・ざいりょうBOX」 という段ボール箱に 入れておいた。 (2) 町を か き表す(第1次…1 時間) 前 日 、「 ど ん な町 が あ っ た ら楽 し い か な? 自分 の好き な町 を考 えてこよう 。」 と投げ 掛け た。 その時点で は 、「お金の町 」「 花の町 」「恐竜の 町」にしたいという 子供が多かった。 町をかく時間の始め に、かきたい 町が決まっている子は3分の2 位だった。決まっていない子 が、考えられるように 、また、決まっている子も発 想が広が る よ う に、絵本の挿し絵 を15点程 度、デジタルカメラを使って提 示した。 その 後、かきたい 町が決まった子 から、色 画 用 紙(4つ切り)を 取りに来させ、どんな町をか くのか確認 して画用紙の色を選 ばせる。クレヨン やクーピーでかいている子が多かった 。 かきたい町が決まらない子が2人 。何がいいか 話をしたり友達の 絵を見たりしたが 、その時間 で は決まらずに 、「明日 かく」 と言っていた。 次の日 、登校 すると 、自分か ら町をかき表してい た。 (3) 広告を 切る(1時間) みんなで集めた広 告を分け、折ってから切るとまっすぐに切れることを伝えてから 、切り始め た。切った 物は 、「さんすうボックス」のふたに 入れておいた。 時間 の後半には、 はしご状に切るなどの工夫が 見られたり、広告 の真ん中に穴を開 けて顔には めて「ライオンだ 。」と遊んだりしている子も い た。 前時 に欠席して町 をかけなかった 子や途中の子 は、この時間に か き、たくさん広告 を切った子 が、広告を 分けてあげた。 (4) 町と町 をつなぐ(第2次… 1時間) 活動的になるように、教室よりも広い音楽室で 実施した。 机 を移 動し て教室 の中 の好 きな 場所 に置く 時は 、「 仲の 良い 友達 と一緒 が い い」 とか 、「 一人 で隅っこにいよう」というような子供たちの気持 ちの硬さが伝わってきた。 始め は、近くの友達同士でつないでいたが、だんだん遠くの友達 とも協力しながら 道をつない で、くぐったり、またいだりしながら 活動を楽しんでいた子がほとんどだった。なかなか活動に 入り込めなかった2人の子も、 周りの子につられるようにしてつなぐ 活動を始めた。 -9- ここでは 、セロテープカッターを2人に一つ用 意した。 「セロテープでどんどんつなげよう 。」 (5) 「もっと遠くの机( 町)までつなげようよ 。」 場と材 料から楽しい活動を 思い付いて遊ぶ( 第2次…1時間) 10分間 の休憩を取り、その 間に自由に教室で 遊べるようにした。 その 後 、「 お た か ら・ざいりょう ボ ッ ク ス」の 材料を紹 介し、 つ な が っ た町で こ の材料を 使っ て遊ぶことを投げ掛け た。子供たちは 車やロケット 、動物、看板をつくったりしながら遊んでい た 。道 を使って町で遊んでいる子もいたが 、時間が足りずにつくることだけで終わった子も い た 。 しかし、何 らかの形で道と町とかかわらせ、材料 から発想しながら活 動していた。 この材 料からは、子 供たちが持ってきたビー玉や スーパーボール を除いた。広告の 道をうまく 転が ら な く、活動が広 がらないと考えたからである 。箱や折り紙などを教師側で材料 に加えた。 片付けの 際も子供たちが進ん で取り組んでいた 。 時間 の不足で、帰 りの会で「振り 返りカード」 を書いた。内容が 分かりにくい子に は、一人一 人に聞いて 活動内容を確認した 。その後も休 み時間などに 、ものづくりを楽 しむ子供が多か っ た 。 「おたからざいりょうボックス」 つくったものを転がして遊ぶ 「 道の周りにお金の 町をつくろ う 。」 ロケット をつくる 道 の上を走る車 をつくる 「中に何を入 れようか?」 「紙をどうやって 付けよう?」 - 10- 「 ロボットが で き た よ。中に、 私 と友達が乗っ て る の 。」 2 授業全体についての考察 (1) 机をつないでいく活動は、 子供たちにかかわりが生まれ、意欲的 になる。 始めは近 くの友達との活動であったが 、次第に 遠くの友達ともつなごうという意識が 生まれた 。 遠くにつなぐためには一人ではできないので 、様 々な友達とのかかわりが自然に生まれていった 。 また、教室空間が変わ り、机と机の間 の広告の紙をくぐったり、またいだりという体全体を使っ た 活動によって 、「みんなとやるとおもしろい 」と い う思いをもち 、心も開 放さ れ て い っ た と考 えられる。 このかかわりが、 場と材料を使っ て遊ぶ場面で も継続し、友達と 楽しそうに活動す る姿が見ら れた。この 題材は、1年生にとって適切な題材であると思われる。 (2) 子 供は目 前の活 動の み に集 中し、 活動がとぎれているように 見え る が、思 いは内在化して つながっている。 子 供の活動 の様子 は、教師 が予想したものと 違った 。「町をつくる 」「町をつなげる 」「何か をつくって町で遊ぶ 」という三つの 活動が深くつながると考えていたが、子供たちはそれぞれ を独立 した活動と し て楽しんでいるように感じられた。つまり、 できた道を通りながらいろい ろな町 に行って遊ぶという姿が あ ま り見られず、 つくることに専 念したり、一定の 場所で遊ん でいた 子が多かった 。これは、大き く空間が変化 したことで、町 を一つ一つ見て楽 しむよりも 教 室 空 間の変化そのものを体全体で 楽しみ味わったことや新たに 提示された材料に 引き付けら れたことが原因として考えられる。 題材 として考えたときには、例え ば「町をつなげる」という活 動だけでも効果的 であると思 う。 では 、「何かをつくって町 で遊ぶ 」という 活動に 意味はなかったのか。 これは 、子供の 姿を 見る限 りNOである 。低学年の子供 の活動は、つくっていること 自体が遊びである 。つくった 後で、 その場で遊ぶという順序性はなく、つくりながら遊び、遊 びながらまたつくっている姿 が多く見 られた。 ま た、どんなに 簡単にできたものでも、自分 がつくったものは 「宝物」のように 大切にして いた。 これは、自分 がつくったものは、自分の思 いが入り込んだものであることが 分かる。自 教室へ 戻ってからも、 下校しないでつくったもので 遊ぶ姿 や 、「 すぐ、持 って帰 りたい」 とい う思い 、日々つくり 変えていく姿か ら、深い愛着 を感じていることが分かる。こ れ は、自ら発 想して作 品ができた喜びによるものだと考える 。 「何 かをつくって 町で遊ぶ」場面 での一人一人 の子供の活動を 丁寧に見てみると 、下記のよ うに変化 した空間や描いた町 から発想したと考 えられるものが多い 。 ・ウサギ の町をかいた子が、 ウサギのいる看板 をつくった。 ・お金の 町をかいた子が、牛 乳のふたをお金に 見立てて町で遊んでいた。 ・ロ ケ ッ トや車をつくって外 の町を回りたい。 ・広告の 道の下を海と考えて 、タコなどをつくった。 ・町の上 を飛ぶことをイ メ ー ジして、折り紙や 画用紙で風船をつくった。 ・道の上 をカップを転がしながらいろいろな町 へ行って遊ぶうちに 、カップを使って クマを つ く っ て遊びだした。 休憩時間をはさまず、連続した 活動に す る な ど、設定を工夫すると、町で遊ぶ姿 が見られた - 11- かもしれない。 以上 の子供たちの姿 から 、「造 形 遊び」や 「つくりたいものをつくる」 というような枠 組み を明確にした活動でなくてよいことを改めて感 じることができた。 (3) 材料を 吟味し、子供が用意 したものを何でも 与えない。 子 供が遊べそうだと用意したビ ー玉、スーパーボールは、子供 たちに断って、あえて今回の 材料には 使わなかった。この 材料の吟味は、造形遊びでは重要なことだと思われる。 (4) 活動が 充実すると、後始末 が早い。 3 評価についての考察 (1) 評 価 規 準と評価基準を設定 することで、高めたい力が明確になる 。 今回初めて、評価規準と評 価 基 準を細かく計画立てて設定し、 実践をしてみた。 目の前の子 供たちにこの題材で 何の力を高めていくのか、何 を見取って評価 していくかを考えながら設定 することができた。 これは、実践において、より 子供を見たり知 ったりしていこうという視点 となり得 るものであった。 また 、設定した評価規準(基準) の難しさも感 じることができた。このことについては、次 に述べる 。 (2) 計画段階 で設定 した評 価 規 準・基 準の吟 味、検 討が課 題と な る。これを繰 り返していくこ とで、客観的な評 価へ近づく。 今 回 設 定した各評価規準・ 基準について検討 し、次回に生かしていくことが大切である。 < P3 参照> ① 関心・ 意欲・態度 ア 「材 料を集め」を評価す る際の留意点 始 めは 、「 何種類 の材料 を集めたか」ということを評価基準 として設 定しが 、新聞紙 と広 告を 集めたらA、 新聞紙だけでは Bという基準 の設定は関心・ 意欲を見て い く の に妥当では な い と考えた。そこで、本題材で は、広告の外 に遊べそうな材 料を持ってきた子 をAと設定 して 評価を出した 。しかし、この 設定も妥当ではないように思 われた。それは、 子供たちが 活動 を明確にとらえていない段階 での材料集め で、表したい目 的をもって集めたわけではな いからである。 「材料を集めることの評価」 は、自分のつくりたい・表したいもののために探 してくる材 料であったときに 、「 意欲」 として Aとなりえるような大き な部分を 占める評 価となるので あろう 。 - 12- イ 友達とのかかわりや、活動範囲からの評価は有効 <机と机を つ な ぎ、遊ぶ活動> 評価基準のA としての「教室空間全体で友 達とかかわり…」 と、Bの「自分の 周りで友達 とかかわりながら …」という活動範囲に焦点を 当てた設定は、 予想以上に的確に 判断できる 基準 であった。当 初は活動範囲だけでは評価できないという思 いもあったが、活 動に入り込 めない 子は 、かかわりも少 ないので活動範囲 が広がらずに自分の 席に戻ってくるようである 。 活動中心の「造 形 遊び」のような 学習では、このような明確な 視点(キーワード )の判断基 準が 大変有効であると思われる。 また、この評 価は、図画工作 の意欲だけでなく 、友達との かかわりを見るという学級経営の上でも効 果 的であった。 ② 発想や 構想の能力 ア 自分の力で表 したらB評価に <町に見 立て表したいことを 見付ける活動> 評価基準の Aで「 材料や形 なども 工夫して … 」「クレヨン 以外のものも活用 」と設定 した が 、子供たちに材 料を紹介しなかったために 、半立体的な表現にはならなかった 。ここでは 、 町を表 す際のオリジナリティーや、ア イ デ ィ ア・工夫を見付けるように努めた。 自分 の力でかき表した子 はBとした 。描き 表すこと自体に工夫 があると考えるからである 。 そ こ で、評価基準 のCは、表せなかったり完全 に友達のものを 写したりする姿としてとらえ た。 イ 評価基準Aの キーワードに着目し て評価する < 場所と材料から 友達と共に楽 しいこと を 思い付く活動> 評価基準の A「…楽 しい活 動を次 々に考え る 。」の 「次々 に」と い う言葉が 、子供を 見て いく 際にポイント となった。このようなキーワードを教師がたくさん知っていて 目の前の子 供に当 てはめていくことが 有効である。 B は端的に言う と自ら活動している子だが、 友達の活動を隣 から見ていて、声 を掛けたり かかわっている場合も、B となると思われる 。 Cの 基準は 、表現 の仕方は 一考が 必要だが 、「材料 や友達 の活動に 興味をもたない」 とい う よ う な実態でいいのだと 思う。ある活動に 専念していればBとなるであろう。 ③ 創造的 な技能 複数の評 価 規 準が客観性を高める < 自分で選び 思い付い た こ と を、思ったように表す 活 動> 本実践では、 道をつなげることと材料を生 かしてつくることを見てきた。評価 していく視 点を一 つにしなかったことが良かった。 ④ 鑑賞の 能力 ア 評価するためには、それに合った 活動であることが 必要 <自 分の町に名前を付 け、友達 の 作品に興味をもつ 活動> 自 分の町に名前 を付けることは 、どんな町にしたいのかを考 えて表現しているので、容易 なことである。しかし、友達の作 品に興味をもつにはそれなりの場を設定していかなければ - 13- ならない。例えば 、見合う時間を 設けたり、飾 っておいて自由 に見合えるようにしたりする ことである 。今回 、このような場が設定できず 、評価できなかったのは残 念なことであった 。 イ カードの内容 だけで評価するのは 危険 < 楽しい町や楽しかったことを書い た り、話し たりする活動> カードに書い た内容で評価 していくことは 、表現力の個人差 ともかかわり、危 険である。 評価基準のABC とも高度であり 、また、カ ー ドの内容のみで 鑑賞の能力を評価 することは 不 適 切であると感 じた。 鑑賞は 、お互 いを見合 う よ う な場の 中で、 良さを感 じたり 興 味を もったりする姿や発言な ど を見取っていく必 要があるだろう。 (3) 作品と 振り返りカードの重要性 「 作品のみで評 価しないで、子 供の活動する 姿や思いを評価していく」とよく言 われる。そ の通 りだと思わ れ る が、か と い っ て作品は必要でないかと言ったらそうではない。 子供の思い が詰まったものが作品であるからである 。その作品をじっと 見ていくと 、そこに子供の工夫 が 、 そ し て思いが見えてくる。また、 どんな表情で 活動をしていたのかを思い起こさせてくれるも のである 。 また 、カード はなかなか全員の活 動が見取れないときに 、 「 あの子はこんなことをしていた 」 と想 起させてくれるものである。 特に、低学年 など、記入した内 容が明確でないときなどに問 い返すことができる利点も あ る。 実際 に本実践の終了後に、一覧表 で全児童を評 価する際、ある 一人の子がどんな 活動をして いたのかどうしても 分からないということがあった。これは、活動的な教科で あ れ ば得てして 起こりうることである。その子のカードや授業の ビデオを見たり 、本人に聞いたりして、友達 が作るのを見たり一 緒にやったりしていたのが分 かった。1年生 でも、カードの内 容を工夫し ていくことで、大いに活用していけることがわかった。 (4) 即時性 と継続性を 当た り前のことだが 、評価はすぐ 行うことが大切 である。作品 を参考にして良い が、活動す る姿 はすぐ忘れてしまうからである。だからといって、授業中に 評価カードを も っ て回ってい たのでは支援もできにくく、子供 たちと活動を楽 しむこともできなくなる。記憶している部分 で評価していかなくてはいけないものであろう 。 また 、評価を行うことで 、次の題 材でねらうものや 年間を通しての付けたい力が見え て く る 。 個々 の傾向としての 良さや弱点が 具体的に見え れ ば、支援を工夫 していける。ポートフォリオ 評価のように、子供たちの評 価を蓄積していくことが大切である。 (5) 効率化 と客観性について( まとまりとしての ABC基準の設定を ) 評 価のための判断基準をより具体的に決めておけば、評価がしやすくなると思いやすい。し かし、 図画工作科においては子供の 活動が十 人 十 色であり、1時 間の中でも様々な 変化が見ら れ る の で、具体的な 判断基準に当てはめにくい場 合が出てくる。 そこで、全員に対 応できる評 価基準 はある程度のまとまりとしての行動様式を 想定しておくことがよいと思わ れ る。大変大 - 14- まかなとらえだが、例 えば、A(自 分から発 展させていく )、 B (自分でする)C(自分 でし ない) などのくくりや、前述のキーワード(例え ば…、自分から 進んで、自分ら し く、いろい ろ工夫 して、次々に 、かかわりながら、存分に味 わう、どんどん 見付ける、根気強 くつくる、 ふさわしいものを 考える)を も っ て子供に臨むことが効率化にもつながることではないだろう か。 子 供たちの姿を四 つの観点から 具体的に語れることが客観性につながることだと 思われる。 (6) まとめとして…評価は子供 を知ること、子供 の見方を深めること 今 回の実践で感 じたことは、評 価は子供を知 ることであり、子 供の見方について 深めていく ことであるということである 。 実 際の評価では 、題材のどこで 、何から、何 を見取るのかという評価の計画(評価規準・基 準) を設定していくことが、評価 の大きな分かれ 目となる。単に 、参考となる既成 の評価規準 をそのまま使うのではなく、目の 前の子供と題材 に沿った規準を 考えて行くことが 大切であろ う。 【資料1:カ ー ドの実際】 - 15- 【資料2:評価 の実際】 番 氏 名 関 心・意 欲 号 ・態度 関 ② 材 の能力 な技能 発 ① 発 ② 紙 町 遊ぶ 料 集 を つ を 表 ・ 場と め な す 材料 1 B ぐ A A B A A A 2 B A A B A A 3 4 A A A A B B A B 5 B A A A 6 7 A B A A B 8 9 A B A A 10 A 11 12 名前 カ な ぐ 付け ・ ド 友 振り 達 A 返り A A A 虹。光る ロケット飛ばし A A A A A お金の町 。お金遊び B B B B A A B B お金。折 り紙で パ ッ ク ン チ ョ ジ ャ ン グ ル。 A A A A A A A 家。 ク ワ ガ タ ロ ボ ッ ト 。(まゆこ) A B A A B A A A A A B ビー玉。 ビル、うちわ お金。 A A A A A B A B A C A C A B A B A B 夜。花畑 、 ウ サ ギ、 パ ン ダ 友達、家 。 A A A A A A A A A A 花 。「ち ょ び ち ゃ ん 」材 料か ら発 展 ) ゆか) B B A A A A A B A B A B A B A B A B A B A B ビー玉。 看板の絵 家。う ち わ。 広告 でラ イ オ ン 、はしご 13 A A A A A A A A A A A ウサギ。 ウサギの絵 16 17 B B A A A A A A A B A B A B A B A A A A A B 恐竜。道 、町 虹と雲 。ロボット(みなみ) 18 B A A A A A A A A A A 音楽と踊 り 。「ロ ボ ジ ン 」、人 を入 れる 19 20 B B A B A B B B B A B A B A B A A A A A B A 花 。(ひかる) 虹。タコ 3人家族、かに 21 B A A B A A A A A A A 魚(次の 日 )。車 22 23 B B A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A 小判。車 (ひろみち) 魔女 。「 ち ょ び ち ゃ ん」 材料 か ら発 展ゆきな 24 A A A B A A A A A A A 花。看板 スマイル 25 26 A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A お金。車 (たかひろ) 恐竜。 ロ ケ ッ ト (人 を た く さ ん 乗せ る) 27 A A A A A A A A A A A お化け。 車 28 29 A B A B A B A A B B B B A A A A A A A A A B 雲。風船 3手首 虹。コロコロ回し 30 B A A A B B B B A A B 花。折り 紙パックンチョ 31 B A A A B B A B A A B 星。風船 1 C 0 0 1 0 0 総 括 材 つ B 4 11 6 2 10 創 ① 題 鑑 ② A 25 18 20 25 19 総 括 鑑賞の能 力 鑑 ① 観点別評価人数 関心 ・意欲・態度 発想 ・構想 創 造 的な技能 鑑賞 の能力 題材総括 総 括 創造的 29 29 27 27 29(人) - 16- 総 括 町についての内容 総 括 ー 関 ① 発想 ・構 想 場と材料 からの遊び 友達・そ の他 - 17-
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