4th Quarter Outlook October 2014 2014 年第 4 四半期マーケット・アウトルック -日本語抄訳- Bond Market Outlook 出所:バークレイズ、ただし、エマージング債は J.P.モルガン、 HY 債はメリルリンチ、シニア・セキ ュアード・ローンはクレディスイス、欧州社債は iBoxx(米ドル建て)。パフォーマンス指標は 2014 年 9 月 30 日現在のもの。過去の運用実績は将来の運用成果を保証するものでも、信頼できる 指標となるものでもありません。直接インデックスに投資することはできません。 心機一転のための一休み 第 3 四半期は米国総合インデックスのリターンが 0.2%以内、10 年物米国債の利回りが 2.53%から 2.49%へ 4bps の下落といった小動きに止まりました。これだけを見れば投資 家は、第 3 四半期は大したイベントのない期間であったと片づけてしまうかも知れません。 しかし実際は、第 3 四半期には今後数四半期にわたって、そして恐らく今後数年にもわたっ て市場に大きな影響を及ぼす可能性のある重大なイベントが多数発生した期間でもありま した。水面下で起きていた変化については、下表に見られるように、市場間のパフォーマン スが大きく異なっていることにそのヒントが隠されています。 セクター別パフォーマンス (2014 年第 3 四半期のトータル・リターン順) 欧州投資適格社債 トータル・リターン (%) 2014 年第3四半 年初来 期 1.81 6.77 地方債 1.49 7.58 S&P 500 株価指数 1.13 8.34 米国債 0.34 3.06 欧州レバレッジド・ローン 0.32 2.21 エージェンシーMBS 0.18 4.22 米国総合 0.17 4.10 米国投資適格社債 -0.08 5.60 CMBS -0.23 2.38 米国レバレッジド・ローン -0.33 2.43 エマージング債ハード・カレンシー -0.59 8.02 エマージング市場現地通貨建て債(ヘッジあり) -0.66 2.10 欧州ハイ・イールド債 -0.73 4.71 米国ハイ・イールド債 -1.92 3.61 第 3 四半期のイベントは債券市場をリスク回避へと走らせ、投資適格社債やハイ・イールド 社債、エマージング債券等のスプレッド商品のアンダーパフォーマンスを引き起こしました。 ただし、スプレッド商品は当期は不振でしたが、年初来のリターンは低利回り環境を踏まえ ると、依然として満足すべき水準にあるといえます。 今期のイベント 第 3 四半期中おおむね「変化なし」だったのは、中国の景気減速、アベノミクスの成否、米 国経済の成長の持続性等の経済面での疑問だったと言えます。各地の不安定な政治情勢 も期中大きく注目されました。西欧諸国や中東諸国がイラク支援に駆けつけイスラム国(IS) に空爆を行いました。ロシアへの西欧諸国の制裁措置の強化やロシアからの資本逃避の 兆候にもかかわらず、ウクライナとロシアとの紛争は続いています。この他、当期末にかけ て発生した某債券運用大手での移籍問題も、資金の急激な流出や債券市場の不安を煽る ことで、重大な事件となりました。 欧州:政策は功を奏するのか 第 3 四半期は、後半にかけてユーロ圏の経済成長の失速が明らかとなりました。さらに悪 いことには、インフレ率とインフレ予想値が目標値を大きく下回り、欧州中央銀行が警鐘を 鳴らし始めました。第 3 四半期が終わる頃には欧州中央銀行は金利を引き下げ、資産担保 債券(ABS)やカバードボンド購入プログラムを通じて信用状況の緩和をはかることで、成長 を促進してインフレ率を目標値に戻そうと必死に取り組む姿勢を見せました。 ユーロ圏ではこの悲観的な成長見通しへの懸念から、主要欧州諸国の国債の利回りが大 幅に押し下げられました。何十年もの間米国債と似通った水準にあったドイツ国債のカーブ は、ここにきて日本国債と同様の水準にまで下降することになりました。一方、欧州中央銀 行の金融緩和策が功を奏したこともあって、スペインやイタリア等の周縁国の国債は、期中 4th Quarter Outlook – October 2014 の全般的なスプレッド拡大傾向に反して主要国の国債を上回るパフォーマンスをあげてい ます。 成長が低迷する可能性、目標値を大幅に下回るインフレ率、およびその結果として採られた 欧州中央銀行の積極策(金融市場を超低金利や債券担保融資や債券購入プログラムで満 たす策)といった環境下、ユーロ債の利回りは今後しばらく低位に抑制されるものと予想しま す。(欧州の状況の詳細については、2014 年 10 月公表の当社レポート、『Europe: Into the Void』を参照ください。)ユーロ圏の景気悪化とそれに伴う欧州債の利回りの下落は、米 国債の利回りをある程度抑制したと考えられ、今後も抑制し続けると思われます。 連邦準備銀行(FRB):自分たちだけで全てを背負って 世界経済の回復がなかなか進まない中、米国経済は 2%程度のペースで上昇しています。 連邦準備銀行(FRB)にとってより重要なのは恐らく失業率であると考えられます。失業率は 低下傾向を続けており、FRB が 5%k~6%と想定する長期的な通常レンジの上辺に近づい てきています。これを受けて FRB は資産購入プログラムの規模を徐々に縮小しており、金 利引き上げもその視野に入って来ています。金利引き上げは 2015 年中頃に始まるものと 予想されます。実際、今年開かれた FRB の会議では、会議の度に予想される金利引き上 げスケジュールが少しずつ前倒してされてきています。 連邦準備銀行の引き締めも視野に - 影響#1: ドルの高騰 Page 2 G3 のその他の中央銀行が前例のない緩和策を講じている最中に FRB が引き締め政策に 向かうという状況で、第 3 四半期のドルは、上表が示す通り、一年以上にわたった無風状態 から脱却して急騰し、ここ数年来の高値をつけました。成長率と政策の明確な違いがドルの 一時的な高騰を招いたのか、それとも今後しばらくこのドル高の流れが続くのか、今の時点 で予想は困難ですが、今後のドルのパフォーマンスを左右する主要な要因としては、予想さ れる金利引き上げのスピートとドル高が米国の貿易赤字に与える影響とが考えられます。 連邦準備銀行の引き締めも視野に ‐ 影響#2: そんなに急いで債券市場から脱出する 必要はあるのか? 2013 年末に我々は、FRB の金利引き上げ前に発生する国債相場の急落に際して記録さ れた利回りの水準がその後しばらくの期間の利回りのレンジの上限値となるケースが多い、 との見解を示しました。これを受けて、昨年末から年始にかけて 10 年国債がつけた約 3% 水準が今後の金利引き上げサイクルの大宗を通じて同利回りの高値となる、と予想してい ます。年度半ばを過ぎても、長期金利が低位のレンジ相場に止まるとの見通しは、依然とし て堅固と思われます。米国経済に関して観測されている全ての好材料も、G3 の他の 2 カ国 の 10 年国債利回りを 1%以下に留めている海外の経済状況の悪化によって、それ以上に 相殺されていると思われます。 厳しい四半期を経過し、スプレッド商品は再び長期のアウトパフォーマンスを狙えるポジショ ンに 第 3 四半期には、不安定な地政学リスク、金利引き上げ予想、大手債券運用機関の後継 者問題といったなかで、スプレッド・セクターは、ミューチャルファンドの償還やリスク回避的 な投資行動により大きな影響を受けました。我々は現状を長期的な購入機会と見ています。 これらの状況が短期的にどのような展開となるかは定かではありませんが、我々は、厳格 なクレジット分析を通じ、現行の価格水準で長期の優れた投資価値を提供する発行体を、 様々な債券セクターにおいて発見できると確信しています。米国債の利回りが低下している なかで、これらのスプレッドは益々魅力的となっています。一旦年初当時の水準まで拡大し た後、スプレッド・セクターの多くは、利回り面での有利さとキャピタルゲインの可能性から再 び米国債を大幅にアウトパフォームすると予想されます。 4th Quarter Outlook – October 2014 要旨: 米国経済成長が続き2015年中頃と予想される金利引き上げが現実味を帯びるな か、全体的に成長が停滞している世界経済は長期金利を低水準に抑え、今後もしばらく レンジ相場に留め置くと予想されます。足もとのスプレッド商品の調整局面がいつまで続く かを予測するのは困難ですが、投資家が債券商品のインカムと相対的な安定性を志向す るなか、投資家の利回り追求姿勢はいずれ再燃することが予想され、それはスプレッド商 品の大幅なアウトパフォーマンスに繋がることになります。特に、ハイ・イールド社債やハ ード・カレンシーのエマージング債などのより高利回りセクターにおいてその傾向は顕著と なると予想します。 Page 3 4th Quarter Outlook – October 2014 Global Economic Outlook この先全く違う局面に向かうのか? グローバル経済は、今後に主要な政策転換が期待される中で新たな四半期に突入しまし た。 米国では、FRB の資産購入プログラムの終了が長期にわたってメディアに取り上げられ、 市場は 2015 年にはそれに続いて金利引き上げが実施されるものと予想しています。ユー ロ圏では、欧州中央銀行のドラギ総裁がバランスシートの大幅な拡大計画を発表していま す。日本では、依然として構造改革の進展が広がりを見せないなか、追加的な金融緩和政 策への期待感が再燃しています。中国では、政策当局は成長率の鈍化を発信することで市 場に安心材料を提供する一方、マクロ面では従来よりもニュアンスを付けた景気刺激策を 実施しています。 Page 4 しかしながら、グローバル経済は実質的には一つのシリンダーのみに頼って走っていること から、この前提のどれにも試練が伴う可能性があり、政策の実現は困難を伴うことになりま す。 回復から 6 年目にあたる米国経済は第 1 四半期の後退局面から見事に回復していますが、 成長率は過去を上回るペースには至っていません。欧州と日本の成長率は再び予想を下 回っています。エマージング諸国は上向いてはいますが、成長著しいとまでは言えません。 中国は、我々が提示する弱気の成長予想値に近い数値にまで悪化しています。このような 活気のない環境下、現在のグローバル経済は量的緩和という金融政策の実験の新たな局 面に入っています。各国中央銀行はそれぞれ、平常化サイクル(米国)、政策手段の拡大 (欧州中央銀行)、過去の積極的な金融政策推進の限界への対応(中国)といった各種の対 策をとることになります。我々のグローバル予想に重大な変更を加えなければならない明確 な要因は見当りませんが、こうして金融政策が前例のない領域に入っていくため、ボラティリ ティが高まる可能性は考慮に入れる必要があると考えます。 このグローバル環境のなかで、米国の金融政策正常化のタイミングと手法は依然不透明で す。 2014 年下半期の成長率は年間ベースの約3%で推移し雇用市場も正常化が進むものと予 想していますが、全体的に脆弱な世界経済のなかでは、予想を下回るインフレ率になる可 能性もあります。加えて、FRB はバランスシートを高水準に維持しようとしているため、金利 引き上げが開始されると、FRB は金利コントロールに新たな手段の行使を迫られることにな ります。FRB はこれらの手段を今までも試行してきましたが、様々な条件下でのそれらの手 段の有効性については現時点では未知数です。金融政策は価格(金利)よりもむしろ量(バ ランスシート)を対象としなければならず、目的と手段が必ずしも一致していないため、政策 正常化には様々な副作用も想定されます。新たな手法や政策の枠組みに関する理解はは まだ不完全です。そのため市場や金融政策が新たな環境に順応するまではボラティリティ が上昇する可能性があります。 欧州の長引く低インフレ率は依然調整問題が解決していないことを示唆しています。 ユーロ圏の低インフレはどの地域にも増して構造的な問題です。これは一部メンバー諸国 の他国に対する競争力回復の必要性に起因します。実質的な生産性の上昇が見られない 場合、競争力の回復は相次ぐコスト削減によってのみもたらされます。競争力の回復は見ら れたものの、その動きは遅くかつ斑模様です。特にイタリアやフランスなどでは不可欠な改 革が先送りされており、こうしたことはこれらの国の低い成長率にも反映されています。解消 しない大幅な財政赤字のなかでの低成長と低インフレは今後の公的債務の動向にとって有 害材料です。長年の調整疲れや、選挙を控えている主要国もあるなかで、必要な構造改革 や財政改革を実施しようとする政治的意思は、ここにきて再び減退しているように見えます。 4th Quarter Outlook – October 2014 Page 5 欧州において金融政策の効果が期待できる範囲は、周縁諸国の輸出セクターの活性化効 果を除き、限定的です。 最近のユーロ安は明らかに金融情勢の緩和をもたらしましたが、金利水準は既に最低レベ ルに達しています。加えて、政策手段が限られ、銀行の超過準備金に懲罰的金利(マイナス 金利)が課せられている現状では、欧州中央銀行がバランスシート目標を達成するのは困 難と考えられます。信用供与の大幅な拡大がなければ(現状これは供給面よりも需要面で 制約されていると我々は考えます)、欧州中央銀行がバランスシート目標を達成することは 困難と考えられます。 日本は、今年前半の消費税の引き上げ後の景気の足取りが重く、それが持続的成長に向 けた構造改革の必要性をクローズアップさせることになりました。 日本のインフレ率は G3 国の中では現在最も高い水準にありますが、インフレ率上昇の原 因の殆どは一時的な要因に依るものです。要因としては、今年 4 月の消費税増税、過去 1 年半にわたる円安の影響が挙げられます。上昇が一時的なものであることは、今後継続的 な景気浮上を達成する上で様々な課題があることを浮き彫りにしています。政府はまた、イ ンフレ率上昇に合わせて企業に雇用者の賃金を上げるよう奨励していますが、今のところそ の成果は限定的です。実質可処分所得は減少傾向にあり、賃金と物価の良好な相互循環 はまだ見られません。また、この所の大幅な円安は既に金融情勢を大幅に緩和しています が、この動きがさらに加速すると、消費者や(輸出業社以外の)事業者の心理や行動を冷え 込ませる可能性があります。従って、日本銀行による資産購入の更なる拡大は、特にそれ が更なる大幅な円安をもたらす可能性を考えると、その効果は不透明です。こうした状況下、 構造改革は政治的な要因から益々困難となる可能性があります。しかし構造改革ができる かどうかが潜在成長率引上げを達成する上での鍵を握っています。 市場は中国の経済成長鈍化の見通しには慣れてきているように見えますが、調整はまだ 完了には程遠い状況です。 最近の中国の景気減速は依然雇用見通しが好調な中で起きています。しかしながら、直近 の購買担当者景況指数(PMI)が警鐘をならしているように、もし雇用市場の状況が悪化した 場合には、中国政府は更に積極的な刺激策へと再度追い込まれることになりかねません。 経済が既に相当の借入過剰となっている状況では、そのような刺激策が取られると金融の 安定性はさらに脅かされる可能性があります。中国当局は中国の成長モデルをより持続可 能なものとするための構造改革の必要性について正確に認識しています。若干の遅延が発 生しているものの、改革を積極的に推進するための機運は高まっていると我々は見ていま 4th Quarter Outlook – October 2014 す。改革(生産過剰の解消等)には短期的な経済コストが発生することを鑑み、我々は引き 続きコンセンサスより低い成長率予想を維持します。 エマージング諸国は成長を維持しているものの、先進諸国の金融政策正常化の動きに伴 い、エマージング諸国は自らの成長モデルを維持できるかどうかが再び問われることになる 可能性があります。 2013 年 5 月の「テーパリング・ショック」による市場の急落は、主要エマージング諸国にとっ て資本流入がいかに重要であるかを再認識させる契機となりました。特に所謂「フラジャイ ル・ファイブ(脆弱な 5 カ国)」(ブラジル、インド、インドネシア、南アフリカ、トルコ)は大きな 影響を受けました。その後これらの国の中には自らの回復力を強化した国もありますが、南 アフリカやトルコは取り組みが遅れている他、その他のエマージング諸国やフロンティア市 場でもその後の備えが甘くなっている国が見受けられます。 最後に、各地の政治情勢はワイルド・カードとして重要なかく乱要因であり続けます。 ウクライナや中東の紛争地域に加え、香港における将来の選挙に関する中国当局の計画 に対する民衆の不満も政治不安の高まりをもたらしています。さらに、不安定な政治情勢は エマージング諸国に限られたものではなく、先ごろ実施されたスコットランド独立を巡る国民 投票、カタルーニャの将来を決める住民の意見の相違など、政情不安は他でも見られます。 市場は、世界的な金融緩和に支えられていることもあって、これらのリスクについて非常に 楽観視していますが、こうした見方が今後変化していく可能性もあります。 Q4 2014 Sector Outlook 米国および欧州の投資適格社債市場 第3四半期の米国投資適格社債は、多額の新発債とイベント・リスクが市場の重しとなりリタ ーンは横這いとなりました。一方欧州投資適格社債はユーロ圏全域にわたって金利の低下 傾向が続き、好調な結果となりました。米国投資適格社債の対米国債のスプレッドは、 12bps 拡大して 112 bps となり、2013 年末のレベルを僅かに下回る水準にまで上昇してい ます。一方欧州の投資適格社債のスプレッドは対スワップ比で 2 bps 縮小し 81bps となり ました。 トータル・リターン 第3四半期 年初来 スプレッドの推移 第3四半期 年初来 OAS 9/30/14 Page 6 米国投資適格社債 -0.08% 5.60% +12 bps -2 bps 112 欧州投資適格社債 1.81% 6.77% -2 bps -17 bps 81 データはバークレイズ米国投資適格社債および iBoxx 欧州投資適格社債 。出所:バークレイズ および iBoxx Markit。パフォーマンス指標は 2014 年 9 月 30 日現在のもの。過去の実績は将来 の結果を保証するもの、または信用できる指標となるものではない。直接インデックスに投資す ることはできない。 米国社債 第 3 四半期の米国社債市場のファンダメンタルズは、吸収合併や株主優遇のアクショ ンが著増したにもかかわらず、10 年来の高水準で安定推移しました。企業業績は好調 で、売り上げは増加、利益の伸びは加速、フリー・キャッシュ・フローも高水準を維持し ました。多くの企業が 2014 年下半期の増益を予想し、企業経営者は楽観的な姿勢を 示しています。 逆風としては、 新発債の発行額は高水準が続き、3 年連続で記録を更新する勢いとなって いることが挙げられます。低金利環境を利して、新規発行債による調達資金の大半は債務 の借り換えや株主配当の資金、株式の買戻しに使用されましたが、一部は今後の資金需要 に備えて蓄えられています。設備投資の費用に振り向けられるための新規発行は増加して はいますが、過去の経済回復期やクレジットサイクルのペースには届いていません。 過去のサイクルと違うという点ではレバレッジド・バイアウトも同じで、その金額は今のところ 極めて低水準に留まっています。むしろイベント・リスクについては、レバレッジを高める株 主優遇のアクションや吸収合併(M&A)が主体となりました。これらのイベントは第 3 四半期 中も増加し続け、結果としてメドトロニック社やロリラード社(M&A 関連)、ウォルグリーン社 やキンダー・モルガン社 (アクティビスト要因)等の発行体のスプレッドが急激に上昇しました。 しかしながら、産業セクター全体で見ると、レバレッジの上昇は今のところ僅かに止まってお り、吸収合併を発表した多くの企業は投資適格の信用格付を維持することを意図したファイ ナンシング・ストラクチャーを利用しています。しかしながら、今後は M&A はより積極的なも のになって行くと我々は予想します。財務テクノロジ―を通じて株式評価を高める為に、より レバレッジの高い REIT やリミテッド・パートナーシップを組成する会社も出てきています。 一方で、アクティビスト株主もまたビジネス部門の分割若しくはスピンオフ等を通じて株主利 益を追求するものと予想され、こうした行動もクレジットの質を悪化させる可能性があります。 こうしたことから、我々は金融セクターに対して産業セクターをアンダーウェイトし、特にこうし たイベント・リスクに晒されることがなく、かつ同等の産業セクター債よりも 20 bps 高いスプ 4th Quarter Outlook – October 2014 レッド水準で取引されている、マネー・センター・バンクを選好しています。殆どのマネー・セ ンター・バンクが、政府による新たな資本要件や規制が導入される状況下、堅固な財務基 盤を確保しており、信用格付けの維持若しくは改善に注力していると考えられる点も重要で す。 産業セクターでは、我々は化学、自動車、パイプライン等のセクターの一角を有望と見てい ますが、原油価格の下落を鑑みエネルギー・セクターについて慎重姿勢です。また、償還期 間の短い BBB 格債や、リスク回避路線をとる保険会社や年金基金からの需要増の恩恵を 受けている償還期間の長い社債を、引き続き選好しています。この他、今年高いパフィーマ ンスを上げており、イベント・リスクにも晒されることの少ない地方債(課税対象債)を選好し ますが、同セクターの流動性が減少している点には留意が必要です。 現環境下では、特にスプレッドが 2013 年度末の水準に回帰していること、および堅調なフ ァンダメンタルズと米国経済の回復を受けて今後スプレッドが再び縮小するとの見通しを踏 まえ、我々は米国投資適格社債については控えめながらポジティブな見通しを維持します。 金利引き上げが突然行われるとスプレッドが危険に晒される可能性も残りますが、現在の 市場は、長期にわたってスプレッドが低レベルで推移した 1990 年代中期および 2003 年か ら 2006 年の期間に類似していると見ています。 Page 7 第 4 四半期に向けて、我々は既にスプレッドが急速に縮小した周縁諸国の債券よりも、英 国や北ヨーロッバ諸国の発行体に着目し続けます。また欧州については、金融セクターの 発行体よりも、配電網、高速道路、空港運営企業等の強固なバランスシートを有する規制 対象業種企業も含め産業セクターを選好します。銀行セクターでは、特にフランスやスペイ ンの銀行の多くが年初来の高値近辺で取引されていることから、ユーロ圏外の発行体を選 好します。 第 4 四半期の欧州市場に打撃を与える可能性のある地政学上のリスクやイベント・リスクと しては、経済成長の足取り、引続くロシアとウクライナの紛争に加え、今のところ米国ほど活 発化しておらず債券保有者に悪影響を与えていないイベント・リスクや M&A の高まり等にも 引き続き留意が必要です。 グローバル・ポートフォリオにおいては、我々は欧州および米国それぞれで最も魅力的な投 資アイディアを反映させています。米国では産業セクターよりも金融セクターを選好し、欧州 では金融セクターよりも産業セクターを選好します。引き続き償還期間の短い BBB 格社債、 米国地方債(課税対象)を選好する他、米国社債と欧州社債の一時的な利回り格差を追求 します。例えば、足もと償還期間の短い欧州社債は同年限の米国社債よりはるかに魅力的 なスプレッド水準となっています。 欧州投資適格社債 第 3 四半期の欧州投資適格社債は、欧州中央銀行(ECB)が低迷する地域経済の活性化 策やデフレスパイラルからの脱却策を推進したことにより、その他の債券セクターの殆ど全 てをアウトパフォームし、プラス 1.81%のリターンとなりました。同四半期の経済成長率はリ セッションレベル近くにまで悪化し、ECB は金利の更なる引き下げ、ならびにカバードボンド をターゲットとして 10 月中旬に開始される ECB 初となる量的緩和策の実施を促されること となりました。 発行体が歴史的低位な調達金利でのコスト確定固定を求める一方、投資家が超低利回り の国債を上回る利回りの債券への投資を追求したことから、当期の欧州社債市場のテクニ カル要因は堅調な推移となりました。この「利回りを追求する」展開では、周縁国の発行体 や一部の銀行等を含む多くの高利回りセクターが、高いパフォーマンスをあげました。 第 4 四半期においては、市場心理への影響力は中央銀行の政策が握っているものと見て います。経済成長率の鈍さにもかかわらず企業収益は経営陣の近年のコスト削減やバラン スシートの改善努力により概ね回復してきています。加えて、欧州の多くの発行体は欧州の みならず世界に目を向け、更なる経済状況悪化に伴うリスクを低下させています。しかしな がら、一部の企業は今後の見通しに関してより慎重な態度を強めています。 見通し: 拡大したスプレッド水準、健全なファンダメンタルズ、今後のスプレッドの再縮小の 可能性を考慮すると、控えめながらもポジティブな見通しです。引き続き米国の一部のマ ネー・センター・バンクや金融銘柄を選好します。 グローバル・レバレッジド・ファイナンス 第 3 四半期のグローバル・レバレッジド・ファイナンス・セクターは、乱高下する時期はあ ったものの、ファンダメンタルズ面では比較的安定していました。今後デフォルトも歴史 的な低水準を維持するものと予想されます。特に米国のハイ・イールド債市場で顕著だっ た直近のスプレッド拡大は、ミューチュアル・ファンド資金の流出による総じてテクニカルなも のです。 4th Quarter Outlook – October 2014 米国の金融引き締め政策開始への懸念から資金流出の連鎖が起こる可能性はありますが、 堅固なファンダメンタルズの継続と投資家の利回り追求傾向が、スプレッド縮小傾向の再開 と相対的に魅力的な利回り水準によるインカムとを通じて、プラスのトータル・リターンを第4 四半期にはもたらすものと予想しています。 トータル・リターン 第3四半期 年初来 スプレッドの推移 OAS 第3四半期 年初来 9/30/14 米国ハイ・イールド債 -1.92% 3.61% +31 bps -16 bps 384 bps+ 欧州ハイ・イールド債 -0.73% 4.71% +33 bps -2 bps 359 bps 米国レバレッジド・ロー ン -0.33% 2.43% +41 bps +16 bps 497 bps* 欧州レバレッジド・ロー ン 0.32% 2.21% +35 bps -7 bps 486 bps *Represents discount margin assuming a four-year life 米国ハイ・イールド債 第 3 四半期の米国のハイ・イールド債市場への資金の流れは低迷し、スプレッドの方向に 大きく影響を与えました。同四半期は、8 月第 1 週に 180 億ドルの資金の流出から始まり、 スプレッドは 6 月後半つけた年初来の最もタイトな水準から 100bps 近く拡大しました。8 月 後半はもみ合いを続けた後、多額の新規発行が後押しする形となり、9 月にはスプレッドは さらに拡大することとなりました。 全体では、同四半期は高利回りのミューチャルファンドの資金 180 億ドルが流出し、年初来 の資金流出は 130 億ドルとなり、2013 年通年の 47 億ドルの流出額を大きく上回りました。 Page 8 ファンダメンタルズの観点からは、第 3 四半期のハイ・イールド債セクターのボラティリティを 示唆するものは殆ど見られませんでした。企業の業績内容は、S&P 500 株価指数の構成 銘柄の合計の売上と利益が第 2 四半期にそれぞれ 4.4%および 9.3%上昇したことからも 見られるように、健全を維持しました。加えてバンク・オブ・アメリカによれば、ハイ・イールド 債セクターの発行体加重の格上げ・格下げ比率は直近の 1.42 となり通年で 1.0 を上回る 水準が維持されています。 比較的市場へのアクセスが容易なことから企業の再レバレッジに対する懸念があったにも かかわらず、2014 年のファンダメンタルズは堅調を維持し、第 2 四半期のネットレバレッジ 比率は 3.5 倍と 2012 年第 4 四半期以来の低レベルを記録しました。ネット・インタレスト・カ バレッジは第 2 四半期、3.9 倍から 4.0 倍へと僅かに上昇しました。ムーディーズ・インベス ター・サービスによれば、米国ハイ・イールド債のデフォルト率は、消費サービス・セクターに けん引されて、来年にかけて僅かながら上昇して 2.7%になると予想されていますが、これ は過去の長期平均を大きく下回るレベルです。 米国レバレッジド・ローン 第3四半期の米国レバレッジド・ローン市場は、リテール資金の流出があったものの、CLO (ローン担保証券)投資家からの強い引き合いが同セクターを引き続き下支えしており、横 ばいだったパフォーマンスは米国ハイ・イールド債を 159bps 上回りました。ローン市場は年 初来でも比較的フラットなパフォーマンスが顕著となっており、年初来では米国ハイ・イール ド債に 118bps 劣後しています。 レバレッジド・ローン・セクターは、週間資金流入の最高記録が約 2 年間続いた後、第 3 四 半期終了前の 24 週の内 22 週で資金が流出するという新たな流れを経験しました。第 3 四 半期は 77 億ドルの資金流出があり、年初来の合計は 68 億ドルの資金流出となりました。 2013 年は 630 億ドルの資金流入でした。 個人投資家の資金が流出した一方で、年初来 CLO 投資家からの需要は継続的に発生し、 資金の流れとスプレッドのボラティリティは供給サイドにも波及し、発行市場は 8 月に 15 件、 第 3 四半期までで米国の CLO 発行件数は 193 件で総額 1010 億ドルとなり、2013 年に 総額 49 億ドルに止まり、これは過去 3 年で月間発行額としては最低レベルとなりました。し 記録した 870 億ドルを凌ぐ勢いとなりました。CLO 発行はローン市場にも波及し、ローン発 かし 9 月には回復し、年初来発行額は 2860 億ドルとなり、過去最高値を記録した 2013 年 行市場の年初来の発行額は 4090 億ドルに達しました。 のレベルに近づく勢いとなりました。 今後の見通しとして、CLO 需要は個人投資家の流出分を相殺し、同市場を引き続き底支え 一時的な市場のボラティリティにより、第 3 四半期は-1.4%のリターンとなった高格付けの していくものと予想しています。 BB 債セクターがより低格付けのセクターをアウトパフォームしました。年初来で見ても、 4.5%のリターンとなった BB 格債セクターは B 格債と CCC 格債を、それぞれ 150bps、 欧州ハイ・イールド債 226bps アウトパフォームしています。 第 3 四半期の欧州ハイ・イールド債市場のパフォーマンスは軟調でした。リターンは米国市 場のリターンを依然上回ってはいるものの‐0.73%でした。特に CCC 格債がアンダーパフォ 4th Quarter Outlook – October 2014 ームしたのをはじめ、より低格付けのセクターの不振がその主な原因です。欧州ハイ・イー ルド債市場のスプレッドは第 2 四半期末の 350bps から 395bps まで拡大しました。 第 3 四半期までの年初来債券発行額は過去最高の 1028 億ユーロ(2013 年の発行高は 672 億ユーロ)を記録していますが、第 3 四半期に入り発行ペースは著しく減速し、約 180 億ユーロであった 2013 年第 3 四半期と同水準に止まっています。この横ばい傾向は欧州 の経済状況に対する懸念の高まりと、7 月に発行された新発債がアンダーパフォームしてい ることによるものです。 セクター別にみると、化学、金融、ゲーム/レジャー等のアウトパフォームが目立った一方、 小売、食品、電力はアンダーパフォームとなりました。第 3 四半期は殆どのセクターがマイ ナスリターンを記録しました。 今後の見通しとしては、欧州の金利が短期から中期的に上昇するリスクは殆ど無いと見て います。しかしながら、ユーロ圏の第 3 四半期の経済データは、総体的に失望させる内容を 示しており、特にコア諸国においては、逆風が高まるものと予想されます。また、第 3 四半 期に公表された企業業績は、企業の利益への圧力が増加していることを示しています。そし てこれが同四半期後半に向けてネガティブな市場心理に拍車をかけることとなっています。 このように、経済データと企業データのファンダメンタルズの見通しはより厳しいものとなって いますが、欧州中央銀行の資産購入と金融緩和の状況下では、高利回り資産に対する需 要は継続するものと予想されます。見通しの下方修正リスクの要因としては、ユーロ圏コア 諸国の経済データがさらに失望するものであること、周縁国の予期せぬソブリンショック、ロ シア・ウクライナ等の地政学的な不安の高まりが挙げられます。 全体として、欧州ハイ・イールド債にはポジティブな見通しです。ボラティリティは高まると予 想されますが、低金利という背景の中で利回りを追う展開に下支えされ、スプレッドの縮小 余地はあるものと見ています。中期から長期的には、特に低成長の環境、場合によっては デフレの環境下では、ファンダメンタルズに対する圧力が増加する可能性から、投資対象の 選択に際して選別的であることが重要になると考えます。 年初来の新規組成額は 810 億ユーロとなっていますが、大量償還による資金流出が発生 したため、機関投資家向けローン市場はネットで 20 億ユーロの縮小となりました。総体的 には、一部新規 CLO 債の発行に後押しされたこともあり、新規発行ローンの需要は依然旺 盛です。しかしながら、ユーロ圏の経済の先行きと主要企業の利益への圧力の増加に対す る警戒感の高まりに伴い、手控えが発生し、結果としてスプレッドや発行条件が改善してい ます。 今後の見通しとして、過去にデフォルトが相次いで発生した高レバレッジ取引のテール 効果により、欧州レバレッジド・ローン市場のデフォルト率は社債と比べて、高い水準に 止まるものと思われます。このテール効果を除けば、潜在的なデフォルト率は長期的な 平均水準を下回る可能性が高いと思われます。2015 年の欧州レバレッジド・ローンの デフォルト率のレンジは 1~3%と予想されます。 見通し:デフォルト懸念が低く、新規発行が限定的、建設的なM&A活動、デフォルトによる 予想損失と比べて比較的魅力的なスプレッドであることを踏まえ、スプレッドがさらに縮小 すると予想されることからポジティブ エマージング債券 エマージング債市場は、上半期は好調(第 1 四半期は+3.7%、第 2 四半期は +4.8%)でし たが、第 3 四半期はエマージング市場の成長への懸念、中国の特定要因、ドル高/コモデ ィティ価格安、不安定な政治情勢、各国特有の要因、また FRB の政策への見通しなどを主 な原因として、目立たったリターンは見られませんでした。 トータル・リターン 第3四半期の欧州レバレッジド・ローン市場は、米国レバレッジド・ローン市場をアンダ ーパフォームしたものの、リターンは+0.32%とプラスを維持しました。市場のボラティリ ティが高い環境下でハイ・イールドと比べてローンのボラティリティが低いことは珍しい ことではありませんが、第 3 四半期もやはりこうしたケースとなりました。 スプレッドの推移 OAS 第3四半期 年初来 第3四半期 年初来 9/30/14 -0.59% 8.02% +30 bps -9 bps 299 bps -0.66% 2.10% +20 bps -11 bps 6.74% エマージング債 FX -3.93% -1.71% +51 bps -76 bps エマージング債社債 -0.09% 6.24% +16 bps -12 bps エマージング債ハー ド・カレンシー債 欧州レバレッジド・ローン Page 9 エマージング市場現地 通貨建て債(ヘッジあ り) 298 bps 4th Quarter Outlook – October 2014 出所:J.P. Morgan 第 3 四半期は比較的魅力的なスプレッドを提供し、保有投資家も限られている小国の発行 体のパフォーマンスが好調でした。これらの例としては中央アメリカやカリブ諸国(ベリーズ が+8.55%、ホンデュラス+4.92%)、アフリカ(ザンビアが+4.04%、ガーナが+4.51%)、イラ ク(+2.19%)が挙げられます。これら諸国のクレジット・ファンダメンタルズには特段注目す べきことはありませんでしたが、相関性の低い投資機会を提供し、また短期的には外貨流 動性の圧力に晒されていない点が好感されています。一方、著しくアンダーパフォームした のはベネズエラ(-16.46%)とウクライナ(-9.36%)です。第 3 四半期のエマージング債社債は 僅かにアウトパフォームしましたが、エマージング現地通貨建て債券(ヘッジあり)のリターン はエマージング諸国の中央銀行の中立的・ハト派的スタンスにもかかわらず、エマージング 通貨のマイナスリターンの影響を受けました。 Page 10 する余地を残していると考えます。第 3 四半期末の時点でエマージング投資適格ソブリン債 は米国投資適格社債のスプレッドより約 80bps 高い水準で取引され、エマージング・ハイ・ イールド・ソブリン債のスプレッドは米国ハイ・イールド債よりもさらに大幅に高い水準にあり ます。過去ヒストリカルに見るとエマージング・ソブリン債は米国社債よりも低いスプレッドで 取引されています。 ファンダメンタルズが改善していることから、メキシコやインドネシアなどの準ソブリン債に魅 力があると考えます。この他、アルゼンチン、ベネズエラ、ロシア等ソブリン・クレジットの観 点から話題に上ることの多いいくつかの国々も第 4 四半期に堅調なパフォーマンスを記録 する可能性があると考えます。これら銘柄が高リスクなのは明らかですが、我々のバリュエ ーションや国個別要因の分析は、これらの投資魅力を示唆しています。アルゼンチンに関し ては、NY 州法準拠の債券がデフォルトしているにもかかわらず、来年には解決策の合意が グローバル状況とエマージング諸国固有のマクロ的要因(中国の成長の鈍化、コモディティ 見られ、デフォルトが解消されるとの期待感を反映してリターンは引き続きプラスとなってい 価格の低下、ウクライナ/ロシアの緊張の継続)の観点から、エマージング債がアンダーパ ます。このようなシナリオで、特に、好ましいテクニカル環境や来年の政権交代の高い可能 フォームした 2013 年のテーパリング・ショックの再来を懸念するのは当然のことといえます。 性を鑑み、上値余地は大きいと予想します。 控えめな GDP 成長率や貸出需要、低いインフレ率、公共部門と民間部門のレバレッジが 目立つ現在のグローバル経済状況では、今後も、先進国の金利がフォワードレートから導 出される金利よりも低い水準で推移するものと我々は予想しています。より一般的に言えば、 この低金利環境が利回りの追求を余儀なくさせる展開を引き起こし、それにより、長期金利 の上昇が抑えられるばかりでなくクレジットスプレッドを縮小させることになると予想していま す。しかしながら、2013 年のテーパリング・ショックのような相場の急落局面が発生する可 能性もあります。過去の例でみるように、急落は往々にして買いの機会をもたらします。 こうした環境下で、「フラジャイル・ファイブ(脆弱な 5 カ国)」およびその他一部のエマージン グ諸国は資本流出のリスクや市場の急落のリスクを抱えています。経常収支が赤字の国で は 2013 年の市場圧力に金利引き上げで対応しましたが、今後は多くの場合、こうした国々 でも通貨安を許容する可能性が高いと予想されることから、我々はエマージング通貨に関し てはより慎重姿勢です。エマージング諸国の成長率は大幅に抑制基調にあり、インフレ圧 力が少ないことから、中央銀行はより中立的・ハト派的立場をとるものと予想します。インド、 インドネシア、トルコ、南アフリカ、ブラジル(フラジャイル・ファイブ(脆弱な 5 カ国))の選挙 後(南アフリカ、ブラジルの選挙は 10 月の初め)は、新政権が誕生し中央銀行の総裁も入 れ替わる可能性があります。そのような場合、構造的な問題や市場の問題に対応するため 財政引き締め政策を実施することも考えられます。 ベネズエラは、原油価格の下落や低水準の外貨準備の中での経済の深刻な悪化や構造調 整の不足が発生していることから、期近の償還債券の支払能力に対する懸念を反映して、7 月以降劇的なアンダーパフォーマンスとなっています。支払能力は危ういものの、支払い意 思のある原油輸出国として同国のバリュエーションはリスクを埋め合わせるには十分と考え られます。ウクライナの紛争は、経済が減速するなかで実施されている制裁措置がスプレッ ド上昇をもたらし、ロシアの債券に顕著な影響を与えています。しかしながらロシアは強力な 外貨ポジションを有し、西洋諸国が実施している制裁措置が与えるソブリン債支払い余力へ の影響が出るのは先のことです。 エマージング社債についてはポジティブな見通しを維持します。格付け別で比較すると、平 均的に、エマージング社債は同等格付けの米国産業セクターの社債に比してスプレッドのク ッション(上乗せ)があります。例えば、米国ハイ・イールド債セクターにおける利回りが反騰 した第 3 四半期末の時点でも、A 格債は約 40bps、BB 格債と BBB 格は約 75bps、それぞ れ割安なスプレッド水準で取引されています。このクッションがあるため、エマージング社債 のスプレッドは今後縮小すると見ています。幾つかの産業におけるエマージング社債のクレ ジット指標は、多くの場合、先進国市場のそれよりも良好です。さらに、エマージング社債の 供給は増加かつ多様化し続けており、投資対象となる企業や産業の範囲も拡大しています。 我々は健全な財務状況と確固たる事業内容を有する企業に焦点を当て、ボトムアップのフ ァンダメンタル評価や相対価値の評価を通じて投資価値のある投資対象を探し続けます。 エマージング債のスプレッドは依然、2013 年の急落前の水準に比べて高い水準にあります。 低位の BBB 格債(BBB-)や高位の BB 格債(BB+)のクレジットを市場の狙い目として考え 短期的には市場の調整の可能性を考慮し警戒的ではあるものの、昨年来からの市場が魅 ています。 力的なスプレッドの債券に対する需要が根強いことを示していることから、スプレッドは縮小 4th Quarter Outlook – October 2014 幾つかのエマージング現地通貨建て債券市場は引き続き魅力的だと考えます。エマージン グ市場と先進市場の利回りには依然として大きな差があり、エマージング市場の中央銀行 の多くは、金利を引き下げる(チリ、トルコ、ハンガリー)か、若しくは据え置き状態にするか (ブラジル、メキシコ、インドネシア)、または利上げサイクルの終盤に差し掛かろうと(カンボ ジア、インド、南アフリカ)しています。インフレへの動きが見えないことから、多くの中央銀行 は中立的・ハト派的な姿勢をとっています。特に、名目金利が 12.4%もあるブラジルが魅力 的水準にあると見ています。金利の先行きは、エマージング諸国通貨の為替の動きに影響 されます。 エマージング諸国通貨に関しては、同地域の経済見通しが軟化し通貨に下押し圧力がか かる中、米ドル高も相まって、投資機会は限定的です。加えて、コモディティ価格の下落が 長引いていることから、多くのエマージング諸国は経済競争力の向上のため通貨の更なる 引き下げを迫られる可能性があります。市場参加者の保有ポジションが極めて軽いことが 唯一の好材料といえます。我々はメキシコやフィリピンなどの強いファンダメンタルズと健全 な国際収支を有する国や高利回りの通貨に着目していきます。 見通し: 控えめなポジティブ。高リスク諸国やFRBの政策、個別の地政学上の圧力等を めぐる市場の不透明感にもかかわらず、高利回りクレジット諸国は、バリュエーションと投 資家の利回り追求姿勢の継続を背景に、第4四半期に反騰する可能性があります。エマ ージング社債は魅力的と考えますが、エマージング諸国通貨については、中国やFRB、 およびエマージング諸国全般の成長に関する脆弱性を踏まえ、強気スタンスを留保してい ます。 Page 11 &エネルギー・オーソリティー(PREPA)が必要な流動性を大幅に向上させるために銀行与 信枠を 2015 年まで延長することで銀行と合意しました。9 月に PREPA は再建担当責任者 を任命しました。2013 年の場合とは異なり、プエルトリコのボラティリティは概ね抑制され、 他の地方債市場に波及をすることはありませんでした。新発債供給が適度(年初来 2260 億ドル)に止まったことと安定的な債券需要とが相まって、テクニカル面も好環境です。 米国債を着実にアウトパフォームしてきた地方債はここ1年で最も割高な水準にあります。 しかしながら好ましいテクニカル環境は年末まで続くものと予想しています。そのため、供給 圧力により短期的にアンダーパフォームした場合は、これを買い機会と捉えるべきと考えま す。信用力の観点からは、幾つかの破産手続きの裁判(デトロイト、サンバーナーディノ、ス トックトン)が進行中で、第 4 四半期には注目を集めヘッドラインにも取り上げられることにな ると思われます。債券保有者と年金受給者の利害の調整については長期的には大きな問 題になる可能性がありますが、これらの裁判の結果が当面のボラティリティをもたらすとは 考えません。さらに、イリノイ州でも年金改革に関する法的問題に対し裁判所の判断が待た れています。敗訴側が控訴することが予想されるため、短期間の間に決定的な判断が下さ れる可能性はないと予想されます。依然として年金債務の積立不足が幾つかの連邦政府 や地方自治体にとっての最大の信用リスクとなっています。 第 4 四半期に入り、課税対象地方債は投資適格社債と同水準のパフォーマンスを維持す ると予想しています。 見通し: 控えめなポジティブ。非課税債には相対的に割高感があるものの、非課税の恩 恵を享受できる投資家にとっては魅力があることから、テクニカル面での好環境に支えら れています。 地方債 AAA 格地方債は長期米国債をアウトパフォームし、第 3 四半期末の 30 年物地方債の対 米国債利回り比率は期初の 98%から 96%に低下しました。期中ハイ・イールド地方債は高 格付け地方債をアウトパフォームし、それぞれのリターンは+4.61%と+1.49%でした。年初 来でもハイ・イールド地方債のリターンは+12.48%と、高格付け地方債(+7.58%)を上回って います。一方、第 3 四半期の課税対象地方債のリターンは+0.74%、年初来のリターンは +13.65%となりました。 ハイ・イールド地方債は好パフォーマンスで、第 3 四半期に 10%のリターンを記録し、ハイ・ イールド地方債インデックスの 30%超を占めるプエルトリコ債に主導されたものでした。復 興法案が議会を通過したのを受けて一般債務やその他のクレジットが格下げされた 6 月末 から 7 月初めにかけ、利回りやボラティリティはピークに達しました。8 月には、プエルトリコ 主要国国債 欧州経済が低迷を続け、欧州中央銀行が成長回復のための追加措置を講じているなかで、 第 3 四半期は長期ドイツ国債の利回りが著しく下落し、その他の高格付け先進国債市場の 金利上昇を抑えることになりました。連邦準備銀行やイングランド銀行といった幾つかの中 央銀行が近々金融引き締め政策に踏み切るとの予想に反し、第 3 四半期の長期金利は横 ばいから下落という結果になっています。 第 3 四半期の 10 年物ドイツ国債の利回りは 30bps 低下して 0.90%となりました。これは、 欧州中央銀行が欧州経済全体にデフレの脅威が波及するのを食い止めるため、最終的に は量的緩和策に出るのではないかという憶測によるものです。直近の相場上昇の結果、ド 4th Quarter Outlook – October 2014 イツ国債は、15 年ゾーンには多少の投資価値があるものの、他の高格付け債や政府関連 市場と比較して投資価値は少なくなったと見ています。 第 3 四半期の長期ドイツ国債利回りの著しい下落は 10 年物米国債の利回りにも影響を与 え、同利回りは 10bps 低下して 2.50%となりました。この低下は、FRB の資産購入が 10 月には終了するとの予想や 2015 年には短期金利を引き上げるとの大方の憶測にもかか わらず発生しました。長期債利回りが若干低下した一方、短期債の利回りは上昇し、米国 債イールドカーブは 30bps ほどフラット化しました。今後の見通しとしては、FF 金利の最終 的な着地点として 2.5%から 3.5%の水準を当面の市場が織り込みに行くと予想され、大幅 な金利上昇が織り込まれる可能性は少ないものと予想しています。したがって、年初来見ら れたイールドカーブのフラット化は既に収束したものと考えます。我々は他の高格付けの各 国債に比較して米国債を魅力的と見ており、特に 5 年ゾーンは 2004 年に FRB が金融引 き締めを行う直前の水準以来、最も魅力的な水準に到達していると考えます。 第 3 四半期、日本国債の利回りは安定を維持し、キャリーとロールダウンの観点からは、 15 年ゾーンでのブレット・ポジションを魅力的と見ています。英国債市場については、米国 やその他欧州の同等債券に比べてカーブがフラットのため投資価値を見出していません。 また、英国債カーブに織り込まれている長期フォワードレートは極めて割高(低すぎる)とみ ています。 金利スワップに関しては、対米国債のスプレッドは、ポジティブ・キャリーの恩恵で拡大する ものと予想しています。 見通し:他のより魅力的なスプレッド・セクターを選好しますが、政府関連セクターの中でも 5年ゾーンの米国債や15年ゾーンの日本国債、ドイツ国債などに投資機会があるとみて います。金利スワップのスプレッドは拡大すると予想しています。 Page 12 第 3 四半期の期間、FRB は引き続き MBS 購入プログラムの規模を徐々に減少させており、 月間購入量は 50 億ドルにまで減少しました(スタート時には 400 億ドルであった)。連邦公 開市場委員会(FOMC)の先頃の発表を受け、市場関係者には、FRB が MBS 購入プログ ラムの終了を 10 月 29 日の FOMC の場で発表するのではないかとの憶測が流れていま す。しかしながら、MBS 市場の底支えのため、FRB は保有するエージェンシー債やエージ ェンシーMBS からの元利金を引き続きエージェンシーMBS 市場に再投資する予定です。こ の再投資プログラムは FRB が短期金利の引き上げを実施するまで、恐らく 2015 年中旬ま で続くものと我々は見ています。 第 4 四半期は、発行額が低水準に止まる一方で、金利上昇に際して利回り志向の投資家 による購入増の可能性があり、テクニカル面で MBS は厳しい局面が続くと予想しています。 FRB が第 4 四半期に購入プログラムを打ち切った場合、全体的な需要は減少することにな りますが、FRB の 1 兆 7000 億ドルの MBS 保有の中で、元利金の再投資が続けられるこ とで月間 200 億ドルの需要が発生することになります。さらに、FRB による流動性カバレッ ジ比率(LCR)規制が決定されたことから、銀行は MBS エクスポージャーの引上げを迫ら れる可能性があります。更に、金利が上昇した場合、海外投資家の MBS 購入が増加する 可能性があります。 現在のところ、FRB の MBS 購入プログラム縮小を鑑み、ダラー・ロールの調達コストが低 下すると予想されることから、経年物プールに対する TBA 取引のエクスポージャーを引き 下げることを選好します。年末に向けて、TBA 取引の需要が発生する可能性はあるものの、 経年物プールのポジションがポートフォリオのコンベクシティを改善し、より魅力的な OAS スプレッドを提供すると考えます。 見通し: MBS債の発行圧力は弱いものの、より魅力的な投資機会として他の債券スプレ ッド・セクターを選好します。 モーゲージ債 証券化商品 第 3 四半期のエージェンシーMBS のリターンは+0.18%で年初来リターンは+4.22%となり ました。エージェンシーMBS は同四半期に対米国債で 27bps アンダーパフォームしました が、年初来では 40bps アウトパフォームしています。 第 3 四半期の証券化商品市場は、スプレッドは概ね安定していました。引き続きシニアなト ランシェにポジティブであり、高格付け債に投資価値があると見ています。(高いヘアカット 率と調達水準により)レバレッジがないため同セクターの安定性が向上しています。しかしな がら担保の質は、特に CMBS やサブプライムの自動車ローンについては貸出競争の圧力 により、以前とは少し様相が違ってきています。規制動向については、SEC が公募の CMBS、非エージェンシーRMBS、自動車ローン、リース ABS に対し個別ローンレベルでの 開示要件の最終版を発表しています。個別ローンレベルでの開示はデュー・デリジェンスの 質を向上させることになりますが、一方で発行体のコストを増加させ、個人保護法に係る法 第 3 四半期、エージェンシーMBS は純供給量が若干増加したことを受けて軟調に始まりま したが、純供給量が減少に転じ高利回りが MBS 投資家を引き付けるに連れて、再びスプ レッドは縮小傾向に転じました。モーゲージ・ローンの応募や貸出件数は少ないままで、供 給サイドは年間の MBS の純 MBS 供給量の見通しを大幅に下方修正しています。 4th Quarter Outlook – October 2014 的責任が発生する可能性があります。こうしたことから、新規則を回避するため、適用除外 の 144a での債券発行にシフトする可能性があります。欧州 ABS においては、スプレッドは 欧州中央銀行が ABS の買い入れ策を発表したことで縮小しましたが、ABS 劣後債の購入 が伴わない場合は、信用創造に結びつかないものと予想します。 CMBS –シニアの CMBS は引き続き魅力的です。第 3 四半期は、レガシー2006/2007 ス ーパー・シニア CMBS のスプレッドは安定し、スワップ対比スプレッドで 75 から 90bps のレ ンジで取引されています。新発の 10 年物スーパー・シニアのスプレッドは数 bps 拡大(対ス ワップ+ 80bps 台前半)しましたが、市場は同四半期 170 億ドルにまで増加した新規発行を 容易に吸収しています。 エージェンシーCMBS のスプレッドは少し拡大して対スワップ+37 bps となりました。今後 CMBS のスプレッドは債券市場全般に対しアウトパフォームすると見ています。商業用不動 産の価格は 2%上昇し、2007 年のピーク時より僅か 3%低い水準へと回復しています。 2014 年の年間で、民間のコンデュイット型 CMBS の新規発行は約 700 億ドルの発行が予 想されています。一方、連邦住宅抵当公庫(ファニー・メイ)や連邦住宅金融抵当公庫(フレ ディ・マック)は共同住宅を担保として、2014 年に 450 億ドルを発行すると予想されていま す(2013 年に比して発行額は 150 億ドル減)。2006/2007 年の CMBS プールの債務不 履行は依然高水準ながら改善傾向にあります。実際の損失は AM や AJ、もしくはそれ以下 の劣後部分に限られると見られます。 消費関連 ABS –コンシューマー・クレジットのファンダメンタルズが強固なため、消費関連 ABS は低ベータ、高格付け債としてポジティブな見通しです。ベンチマークとなるクレジット カード ABS や自動車 ABS のスプレッドは期中 5bps 拡大しました(5 年物 AAA 格クレジッ トカード ABS は LIBOR+40 bps)。新規発行額は年初来で 1600 億ドルとなっており、昨年 のペースを少し上回っています。 非エージェンシー・レジデンシャル・モーゲージ – 第 3 四半期のシニア RMBS の価格は概 ねレンジ内での動きとなりました。ファンダメンタルズ面ではモーゲージのデフォルト率は低 下しており住宅価格は上昇しています。過去 2 年間二桁台の値上がりを経験した住宅価格 は、2014 中には約 4%から 6%の上昇にスローダウンするものと予想しています。年間の 返済率が債務残高の約 15%に達している一方、証券化よりも銀行ポートフォリオからのロ ーンが執行面で好まれていること、新規発行は最低水準と止まっていることから、テクニカ ル面でも好環境が続いています。我々は引き続き 2005 年およびそれ以前に発行されたサ ブプライム証券で、十分に信用補完されている銘柄を選好します。これらの債券は L+100200 のレンジで取引されています。更に、2006/2007 年ビンテージのシニア債およびそれ らの REMIC(不動産モーゲージ投資コンディット)についても、投資価値を見出しています。 これらは L+200-300bps のレンジで取引されています。 Page 13 CLO –AAA 格の米国 CLO(ローン担保証券)のスプレッドは、活発な供給の後押しを受け て新規発行市場でわずかに拡大しています。米国での新規発行 CLO(CLO3.0)のスプレッ ドは 4bps 拡大して L+149 bps となっていますが、中途償還中の CLO の流通市場におけ るスプレッドは L+70 bps に縮小しました。新規発行のスプレッド拡大は、CLO 市場への新 規参入が続くなかで発生しました。 欧州の CLO 市場は、AAA 格 CLO 発行市場のスプレッドは、新規発行が限られる中、 15bps 縮小し L+125 bps となっています。米国同様、欧州の新規発行市場は各種規制や 投資家層が限られていることが障害となっていましたが、足元の他の ABS 市場におけるス プレッド圧縮の恩恵にあずかっています。 引き続き、新発市場と流通市場の双方で CLO は優れた相対的価値を提供すると考えます。 米国および欧州の新発市場では、AAA 格への投資家はスプレッドと融資条件の交渉に有 利な状況となっています。 見通し:シニア・トランシェにポジティブ。 留意事項 本資料はプルデンシャル・フィクスト・インカムが作成した"4th Quarter Outlook "をプルデン シャル・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社が抄訳したものです。 本資料は、特定の金融商品の勧誘または販売を目的としたものではありません。過去の実 績は将来の成果を保証するものではありません。 本資料に記載されている市場動向等に関する意見等は本資料作成日現在でのプルデンシ ャル・フィクスト・インカムの見解であり、事前の通知なしに変更されることがあります。 本資料は、プルデンシャル・フィクスト・インカムが信頼できると判断した各種情報源から入 手した情報に基づき作成していますが、情報の正確性を保証するものではありません。プル デンシャル・フィクスト・インカムは、米国 SEC 登録投資顧問会社であるプルデンシャル・イ ンベストメント・マネジメント・インクのパブリック債券運用部門です。 原文(英語版)と本抄訳の間に差異がある場合には、原文(英語版)の内容が優先します。 詳細は原文(英語版)をご参照ください。 4th Quarter Outlook – October 2014 “Prudential”、プルデンシャル・ロゴおよびロック・シンボルは、プルデンシャル・ファイナンシ ャル・インクおよびその関連会社のサービスマークであり、多数の国・地域で登録されていま す。プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社は、世界最大級の金 融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であり、英国プルーデンシャル社と はなんら関係がありません。 プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 392 号 Page 14
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