大人の関わり方を 見直してみませんか

親・大人の姿からの気づき
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子どもの成長を伸ばす親の後ろ姿
1
いじめは、
「いじめる側」、
「いじめられる側」のいずれの子どもにとっても大きな苦しみやつ
らさを抱えることになり、生活をともにする家族にとっても大きな問題です。
娘が、同じ学校の生徒さんによるいじめを受け、学校を休むようになりました。学校側の解決
大人の関わり方を
見直してみませんか
策は当初、謝らせればいいと受け取れるような対応であり、娘も学校に行きたがらず、私も納
得いかなかったので、休ませることにしました。
欠席が続いたこともあり、学校側も解決に向けて努力し、クラスでは連日のように話し合い
が行われました。その結果、いじめた側の親と子が謝ることで娘の不安を取り除くという解決
策が示され、親子で学校にいける日を心待ちにしていました。
数日後、数人のいじめの当事者の生徒さんが親御さんに連れられて、娘に謝りにきました。娘
も謝ってもらって安心した様子でした。
そばで見ていた生徒さんの親御さんからも電話をいただきましたが、娘の心を思いやる言
葉もなく我が子の弁護を繰り返す言葉に、思わず語気を荒げた対応をしてしまいました。
私も、そばで見ていた子どもの親御さんも、我が子を大切に思い、思いやりのある心豊かな
子どもに育ってほしいと願う気持ちは同じであると思います。どんな立場でも、いじめられた
子どものつらさやいじめをなくすための対処の方法について、子どもと一緒に考える親であれ
ば、自己弁護だけで終始した電話の内容はずいぶん変わっていたと思います。
いろいろな失敗を繰り返し、子どもの周りにいる大人からしかられ、教えられながら成長す
ることが子どもの成長には欠かせません。周囲の大人の関わり方次第で子どもに身に付くもの
も大きく変わると思います。
幸い娘は、いじめを乗り越えて元気に学校に通っております。
PTA活動に参加すれば、
「私の
子どもは未熟であるがゆえに、
母よ」
「私の友だちよ」と紹介してくれます。親の後ろ姿について考えさせられた出来事でした。
(30代 会社員)
失敗や間違いを
してしまうことがあることに
気づきました。
かわいい我が子の
成長を願う親ならば、
かばうことよりも
教えたり叱ったりすることを
話 し 合 い の ポ イ ン ト
① あなたやあなたの家族がいじめたりいじめられたりした場合、どのような対応
を心がけたいかを話し合いましょう。
○いじめる側の場合
○いじめられた側の場合
② いじめの問題が発生した場合、学校とどのような関係で解決にあたることが望
ましいか話し合いましょう。
③ 同じ失敗を繰り返させないために、保護者や地域の大人にどのような役割を期
待するか挙げてみましょう。
優先させるときも必要です。
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親・大人の姿からの気づき
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あ り が と う
2
中・高校生の進学・就職のニュースを耳にすると、未熟だった私の主張に困惑したH先生
の表情が思い出されます。
クラスメイトのほとんどが高校に進学します。私も、H先生から進学を勧められました
子どもに
が、実社会で力を試してみたいという思いが強く、先生のアドバイスを固辞し続け専門学校
の道に進みました。
しかし、専門学校や実社会で働くことは甘くはありませんでした。15歳の私は、さまざ
まな年齢の人から、社会人としてのふるまいを要求されました。「社会人として」扱われる
全力で向き合うこと
ことの責任の重大さに押しつぶされそうになり、辛くてトイレで泣いたこともありました。
H先生の再三の声かけを受け入れず自分で決めた道だから、意地でも初志貫徹しようと、資
格取得に向けてがんばりました。
今思えば、「私の未熟さ」を心配して進学を勧めてくださった理由がわかります。中学生
時代、生意気でわがままな私に全力で向き合い励ましてくれたことや、どんなときでも味方
になってくれるという安心感が、人間的な強さを育ててくれたと素直に感謝することができ
ます。
今でも、子育てに悩んだときにはつい先生を頼ってしまいますが、子どもに全力で向き
合ってくれるH先生の気持ちが、親となってようやくわかるようになりました。先生のこと
を思い出すたびに、共に過ごしながら、年を重ねていけたらいいなと思っています。そし
て、子どものこれから出会う大人がみんな先生のようであればいいなと、願ってやみませ
子どもを本気で心配し
ん。 (30代 会社員)
全力で向き合ってくれる
大人の存在は、
子どもを安心させ、
話 し 合 い の ポ イ ン ト
前向きに生きていく
強さをもたらすことに気づきました。
思春期の子どもに
社会の厳しさを教えることは
① あなたが出会った印象深い大人や先生について、話し合いましょう。
② あなたが自分の親に反抗した時期を振り返り、自分の親の接し方について共感
できるところ、大切にしたいところはどのようなところでしょうか。
③ 学校・家庭・地域で子ども(家族)が安心して生き生きとした生活を送るために、
親として心がけることを話し合いましょう。
大切です。
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親・大人の姿からの気づき
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心 の 鏡
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子どもを叱ったり、夫婦げんかをしたり他人の話をしたりするとき、自分がどんな表情を
しているか、我が顔を想像できる人はどれだけいるでしょうか。
ほめるときとは違い、叱るときは声は大きく荒く、とげとげしく、目は刺すように威圧的
大人は
で、自分でもこんな顔になるのかと思うほどいやな表情になることを、知っている人はあま
りいません。一度鏡の前で、子ども、友だち、夫婦で言い合った言葉遣いをそのままに、鏡
の中の自分に再現してみてください。鏡の中の自分の姿を見ることは、自分という人間を客
観視するにはとてもよい方法であり、鏡は効果的な道具です。
子どもの鏡
そしてこの私を、子ども、夫、妻、友人、地域の人たちはしっかりと目で、耳で、身体全
体の感覚で見ており、評価していることを忘れないようにしましょう。
人は、自然界の全てのものを気遣うような優しく温かいことばを使うとき、不思議なくら
い表情は温かく、生き方の美しさが品格となって全身からにじみ出てくるものです。
口元もことばや音声にふさわしくやさしい丸みをおび、笑みもこぼれてきます。
私たちは、相手を励まし元気づける力を《ことばや目》が持っていることを心に留め、人
として身につけるように努力したいものです。それが大人になるということだと思います。
私たちがよりよい親、大人、人間になるよう謙虚で真摯な態度で日々の生活をし、ふと後
ろを振り返ってみた時そこに我が子がいる、そんな親子関係でありたいものです。子どもは
紛れもなく大人の後ろ姿を見ながら、ついてきてくれているのですから。
(60代 自営業)
感情的に怒ったり
話 し 合 い の ポ イ ン ト
叱ったりするときの親の表情を、
子どもはまっすぐに
見ていることに気づきました。
子どもを励まし、元気づけ、
正しく導くような
温かなことばとまなざしを持つように
① あなたが「怒る」
「叱る」
「怒鳴る」時はどんな時ですか?あなたの気持ちは伝わ
りましたか?
② 子ども(家族)から叱り方や注意の仕方について不満が出たり、注文をつけられ
た事例等を出し合いながら、伝えたいことをどのように伝えることが望ましい
のかを話し合ってみましょう。
③ 笑顔あふれる家庭・学校・地域づくりのために大人が心がけることについて、話
し合いましょう。
努力することが親には必要です。
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親・大人の姿からの気づき
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忘れられがちな心育て
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子どもはゲームが好きです。テレビゲームやパソコンに向かい夢中になっているとき、
しん
せきの人が子どもへ土産を持って遊びに来たとしましょう。ほとんどの親は「○ちゃん△をい
挨拶は
ただいたよ」と声をかけます。でも、子どもの耳には入っていません。次に来る親のことばは、
「ありがとうを言いなさい」です。
子どもは相手の顔をろくに見もしないで、
しかも半分はめんどうくさいなといわんばかり
の、誠意(心)も感じられないことばで「ありがとう」とオウム返しの返事をしています。
コミュニケーションの
すると、親の方が「すみません、あれを始めたらいつも止めないのです」と謝っています。この
ような姿を、どこでも見かけます。何故親が謝るのでしょう。何故「ありがとうといいなさい」と
決めつけたことばを言わせるのでしょう。それも中学生ぐらいの歳になっても。
お土産をもらったのは子どもです。子どもなりのことばできちんと相手の目(顔)を見てお
基本
礼を言わせるのがけじめであり、人への対応を身につける大切なしつけの場です。今、子どもた
ちは「ありがとう」
「おはよう」のことばは知っていても、いつ、どのタイミングで、どんな顔をし
て言えばよいのか、身につけていないように思います。
「相手の顔をよく見て、自分のことばでお礼を言いましょうね」と言われれば、5、6歳頃の子
どもはきちんとお礼が言えます。相手の表情や雰囲気から、その人の気持ちを感じ取って、そ
の場に合うことばを子どもなりに頭で考え、使おうとするものです。こうした感性を身につけ
させることが親、周りの大人たちの役割ではないでしょうか。
「あんなに上手にお話ができてお
かあさんうれしかった、おばちゃんもニコニコしてたね。」と、後で一言伝える、
これがほめこと
ばだと思います。
この見守りが子どもの応用力を育てる場を与えます。また、人とまっすぐに目
を合わせ向き合う経験を多く持った子どもほど、人付き合いが上手になり、ことばに出ない相
手の心を読み取り、
感じ取れる力をつけていくことができるように思います。
子どもがあいさつや
子どもなりの誠意を、ことばや態度で相手に伝えることができるようになったとき、大事な
しつけが一つできたと言えるのではないでしょうか。このことは大切なコミュニケーションの
お礼のことばを言う機会を
基本であり、現在の求められている心育てでもあると思います。
(60代 元幼稚園教諭)
大人が奪ってしまうことも
あることに気づきました。
話 し 合 い の ポ イ ン ト
相手の目を見て、
その場に合うことばを考える機会を
大人が与えると
① 子どもの挨拶について、あなたが生活している地域の様子を挙げてみましょう。
② 挨拶の習慣を身につけるために、家族で工夫していることを挙げてみましょう。
③ 気持ちの良い挨拶が交わされる学校・家庭・地域にするために、どのような取組
が必要となるかを話し合いましょう。
子どもの感性は磨かれていきます。
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親・大人の姿からの気づき
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しつけの極意
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子育てにおいて親たちは、
「子どもをしっかりしつけなければならない。」と、とかく構えてし
まいがちです。
ある老人福祉センターを訪ねたときのことです。私は認知症の方の姿から強い衝撃を受け、
しつけとは何かを学ぶことができました。ヘルパーさんを怒鳴り散らし思い通りにさせようと
しつけの極意とは
わがままを言い張る人。いつもニコニコと笑みをたたえ、穏やかで温かさがにじみ出ている
人。年老いて自分を装ったり、飾る気力もなくなった時、人間はこれまで生きてきた姿そのまま
が、そこに残っていました。
私たちは、ことばや目、態度で教え、
しつけをしていると考えがちですが、本当は人や物に対
して持っている考え方、日々の暮らしのなかで使うことばや話す口調、そして子どもと触れ合
うときの態度等が自ずとしつけとなって現れているのです。親がことばや態度で、規律や礼儀
作法を子どもに教えたり、
「やっていいこと」と「やってはいけないこと」の正しい区別ができる
ように何度も繰り返し教えることは、確かにしつけのなかで行われることです。
しかし、究極の
しつけとは、親自身が生涯かけて自分をよりよい人間に作り上げていく営みのことであり、子
育てをしていくなかで、さらに、
よりよい親、大人、人間へと成長していくのだということを私た
ちは謙虚に受け止めたいものです。
老人福祉センターでお会いした人のように、笑顔のなかに穏やかさと温かさがにじみ出るよ
うな人柄は、幼いころに身について、その人の生涯ずっと残っていくものなのでしょう。
人を尊び、愛し、受け入れ、温かい物の見方やことばが身についた美しい生き方をして、生き
子どものしつけとは
る幸せを感じる生涯を、大人が、まず、作りましょう。そして、子どもに伝えましょう。
このことは、大人が子どもへ残すことのできる最大の財産ではないでしょうか。
規律や礼儀作法を
(60代 元幼稚園教諭)
教えるだけではないことに
気づきました。
親自身が子育てをしながら
人間的成長をとげ
幸せを感じる生涯を送っていくことが
子どものしつけをするうえで
話 し 合 い の ポ イ ン ト
① よりよい大人とは、どのような大人だと思いますか。あなたが思う「よりよい大
人」の条件を3つ挙げて、その理由について話し合いましょう
② 社会生活を送る上で、是非子どもに身につけてほしいモラル(注3 P49参照)につ
いて話し合いましょう。
③ 日常生活の中で、親や地域の大人が改めたいと感じるモラルについて話し合い
ましょう。
大切なのです。
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親・大人の姿からの気づき
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PTAのパワーが生みだした新たな活力
6
近隣の高校PTA役員との交流会終了後、
有志が集まった慰労会でのことです。各々がPTAに
関わりながら、日頃考えているそれぞれの思いを語り始めました。
PTA活動は
●Aさん
「H高校の役員さんからいろいろ話を聞けたし顔見知りになってよかった。」
「俺な、今日初めて参加したんやけど、職場以外の人と話したことなかったなあ。」
(会社員:新人のPTA役員)
「出会い・ふれあい・
●Bさん
「こげえおもしれえんやったら、またなんかやろうえ。
(自営業:2年目のPTA役員)
」
●Cさん
学び合い」
です
「そやなあ、子どもがあっと驚くことしょうえ。大人しかできん事。」
「ひとついいかえ。校門に門松作っちみらん?皆驚くで。地域ん人も喜ぶし。
PTA会員に呼び
かけちみらんな。」 (建設会社の社員:3年目のPTA役員)
こんな気ままな会話が夜遅くまで交わされました。
門松を作るには、材料や道具の調達、協力者の募集、製作手順の作成、作業日程の調整等多く
の作業があり、完成を危ぶむ声も聞かれました。
しかし、
PTA役員の中には、多様な技能を持つ
人がたくさんいました。役員はそれぞれの人脈を生かしてそれぞれの力を発揮する体制を整
え、
トントン拍子に話が進みました。製作の日には、現役高校生も参加し校門にりっぱな門松が
完成しました。
登校してきた生徒の歓声、散歩をしていた地域の方からいただいた「いやされますね」の一
積極的なPTA(注4 P49参照)活動は
言に、
メンバーは
子どもに大きな喜びを
「来年はもっといい物を作るで!」
もたらすことに
と意気込みを新たにしたのでした。
PTAとは出会い・ふれあい・学び合いです。あなたの一歩が人生を変えるかもしれません。
気づきました。
一人一人の力を活かせる
(50代 自営業)
話 し 合 い の ポ イ ン ト
PTA行事、
① PTA活動の必要性について話し合いましょう。
そこには
② PTA役員を決めるとき、またはあなたが役員に決まったとき、大切にしたい考
「出会い、ふれあい、学び合い」
の場があり、
え方はどのようなことでしょうか。
③ PTA活動の活性化に繋がる活動を実現するために、どのような条件が必要とな
るのか考えてみましょう。
あなたの参加を待っています。
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親・大人の姿からの気づき
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お父さん、お母さんってすごい!
7
例年ざわついている中で行われる文化祭。先生方も指導に手をやいていました。
時には、
大人のパワーを
その会場が水を打ったように静かになりました。そして、子どもたちから送られる大きな
拍手。私たち父親・母親の合唱が生みだした子どもたちとの一体感。歌い終わった私たちは
満足感と達成感に満ちていました。「お父さん、お母さんの声はすごい!」の生徒のコメン
トに「寄せ集めのPTA会員でもやればできること」をみんなで喜び合いました。
○○中学校のPTA役員会で「子どもたちに負けない大人の合唱を聞かせることで、合唱
の楽しさやチャレンジすることの大切さを子どもたちに伝え、文化祭を盛り上げよう」との
提案がありました。「忙しい中での練習ができるのか」「子どもたちが聞いてくれるのか」
見せつけよう
等の不安はありましたが、みなさんの熱意で合唱に取り組むことになりました。
最初の練習会。不安は的中です。合唱などしたことのない私たちの声は細々としていて、
とても合唱とは言い難いものでした。しかし、合唱経験のある会員がリーダー役となり、み
んなを励ましながら練習を重ねた結果、何とか子どもたちに負けないと思えるような声と張
りが歌に出てきました。
今思えば、先生方とPTAが学校を立て直すためにどんなことができるのかを真剣に話し
合ってきました。このような中で保護者同志の絆が深まり、進路のことや友人関係の悩みな
ど気軽に相談できる関係が築けていたからだと感じています。街で出会った時は今でも、文
化祭の話題や子どもの近況報告で話が弾みます。
PTA活動とは、子どもの成長に必要な情報を共有し、共に悩み考え、行動することだと
思います。変化の激しい時代を生き抜く力は親にも子どもにも必要です。
忙しいけれど、子どもの変化をキャッチして親育ち!一歩踏み出してみませんか。
(50代 自営業)
大人の真剣な姿は
話 し 合 い の ポ イ ン ト
思春期の子どもを感動させることに
気づきました。
変化の激しい時代ですが
① あなたの「後ろ姿」は、子ども(周囲の人)にどのようにうつっているか話し合っ
てみましょう。
② 大人のどのような姿を子どもに見せたいか話し合いましょう。
③ 答えのない社会の中を生きていく上で、子どもに励ましの言葉を贈るとしたら、
子どもと向き合い頑張る親の姿を
どのような言葉を贈りますか?
見せることが大切です。
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親・大人の姿からの気づき
2
会話のキャッチボールのある町
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「おいちゃん!お祭りの準備できよる?」
地域行事に
参加して
みませんか
「おう、今度の祭りは出てこいよ!」
「うん、絶対行くわぁ」
こんな会話が聞こえてくるのが、私の息子を育ててくれた町です。
この町にはいろいろな行事があります。校区体育祭、夏祭り、文化祭、餅つき大会。その
行事は、校区に住んでいる様々な方々(自治会・公民館・PTA・体育協会・青少年健全育
成協議会・子供会・老人会等々)が、企画運営をしています。
幼い頃は家庭の都合で転勤が多く、地域の行事に参加したくともできず、いつも残念に
思っていました。そのせいか、大人になって祭りの太鼓の音が聞こえてくると、いてもたっ
てもいられませんでした。
ある時、思い切って息子と参加してみたところ、地域の方々から「来年もよろしくな」と、
思わぬ一声をかけられました。
一度参加すると、顔見知りになった人との挨拶が始まりました。私だけでなく、息子にも
声をかけられるようになったのです。これまで学校の友達としか関係がなかった息子に、地
域の「家族」ができたのです。
なんのきなしに通り過ぎていた人との間に、会話が生まれるようにしてくださったのは、
地域の方々です。子どもが思わぬ所でお世話になっていることや地域の後継者として育って
いる姿を見ることは、親にとってもうれしいことです。
今、息子は他県で生活していますが、地域の方から「今年は帰っち来るんか」と声をかけ
られ、祭りの役割をしっかり与えられています。その期待に応えようと、仕事の都合をつけ
毎年帰省し、「来年も祭りに来いよ」と次の世代に声をかけています。こんな息子を育てて
子どもと一緒に
くれたこの町に感謝しています。
(50代 自営業)
地域の行事に参加することは
子どもの豊かな心を
話 し 合 い の ポ イ ン ト
育むことに気づきました。
① あなた自身が子どもの頃に参加した(したかった)地域の行事を思い出してみま
子どもの生活の中に
子どもを見守る
大人の存在が増えれば
子どもの社会力(注4 P49参照)を
しょう。
② 多様な人間関係を築くきっかけが、学校・家庭・地域にあるか話し合ってみま
しょう。
③ 子どもの生活の中に地域の大人とのコミュニケーションの機会をつくるため
に、親や地域の大人に望まれることを挙げてみましょう。
身につけることができます。
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