地産エネルギーを活用した中小企 業工場のエネルギーマネジメント システム構築の可能性調査 巻 頭 言 “エネルギーの地産・地消”という言葉は、現在ではマスコミなどにも登場してい ますが、広く使われるようになったのは最近のようです。インターネットで検索して みましたが、“エネルギーの地産・地消”をキーワードとする文献は古くても 2008 年 となっています。昨年 3 月 11 日に発生した東日本大震災によって、東日本の太平洋側 において甚大な被害を受けました。地震後に発生した津波で原子力発電所内の原子炉 の冷却用電源が全喪失し、原子炉が爆発してしまうという事故が発生しました。これ をきっかけに電力不足が深刻な問題となっています。このため、再生可能エネルギー や地産エネルギーの有効利用が注目されています。さらに、これらの再生可能エネル ギーによる発電を積極的に取り入れたスマートグリッド(Smart Grid)などの次世代電 力網が提案され、実証試験が行われています。このような社会インフラとしてスマー トグリッドとその関連産業が成長産業分野として位置づけられ産業創出が期待されて いますが、中小企業が参入可能な分野や商品などについては未知な状況です。一方、 近年、FEMS(Factory Energy Management System)が急速に導入されています。この FEMS は、これまで行われてきました受変電設備のエネルギー管理に加えて、各工場におけ る生産設備のエネルギー使用状況や稼働状況をリアルタイムで把握し、エネルギー使 用の合理化および工場内設備・機器のトータルライフサイクル管理の最適化を図るた めのシステムのことです。FEMS は、データ収集機能、エネルギー実績・原単位などの データベースを管理するデータベース管理機能およびパソコンなどによる監視・管理 機能によって構成されており、FEMS の構成要素や制御システムの市場が拡大していま す。 このような背景から、中国地域における中小企業の地産エネルギーの活用およびエ ネルギーマネジメントに関する動向や実態を調査し、さらに、地産エネルギーを活用 した中小企業の FEMS 構築の可能性および中小企業の FEMS への参入・新産業創出の可 能性を明らかにすることを目的として、調査活動を行ってきました。本報告書は、6 章から構成されています。第1章では、地産エネルギー活用および工場におけるエネ ルギーマネジメントに関する動向調査の結果を述べています。特に、中国地域におけ る地産エネルギー利用可能量を詳細に調査し、風力、太陽光およびバイオマスエネル ギーの割合が高いことを明らかにしています。さらに、関連政策、法規および助成措 置を示すとともに工場におけるエネルギーマネジメントに関する動向を明らかにして います。第2章では、中国地域における中小企業のエネルギー実態を調査した結果を 詳細に述べています。これまで中国地域における中小企業のエネルギー実態を詳細に 調査した文献は皆無であり、貴重な調査結果であると考えております。第3章では、 地産エネルギー活用および FEMS に関する先進事例調査結果について述べています。先 進事例を通じて、FEMS による消費電力削減効果は企業の収益改善に有効であることを 明らかにしています。第4章では、FEMS 構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性 調査結果について述べています。中国地域における地産環境配慮型製品の調査結果と FEMS 構築に係る活用可能性について詳細に検討しています。第5章では、中小企業単 独型と連係型に分類し地産エネルギーを活用した FEMS モデルの構築について課題整 理を含めて詳細に検討しています。第6章では、FEMS モデルの実現と中小企業の参入 および新作業創出について詳細に論じ、本報告書の結論を述べています。 本委員会には、行政(国、中国地域5県)、民間(中国経済連合会、民間企業各社、 シンクタンク)など、多方面から参加をいただきました。また、調査は中電技術コン サルタント(株)に担当いただきました。検討の過程においては、調査研究作業に対 して様々な意見を反映するために、小委員会も開催させていただきました。これらの 会議にご参加いただいた各位にお礼申し上げるとともに、本報告書が関係する各方面 にご活用いただくように祈念しております。 平成 24 年 3 月 「地産エネルギーを活用した中小企業工場のエネルギーマネ ジメントシステム構築の可能性調査」委員会 委員長 田中 俊彦 地産エネルギーを活用した中小企業工場のエネルギーマネジメントシステム構 築の可能性調査 委員会名簿 委 員 長 副委員長 副委員長 氏名 田中 俊彦 稲葉 和也 小金井 真 委員 相薗 岳生 委員 崎谷 誠 委員 井上 光悦 委員 門脇 範明 委員 増本 勲 委員 小泉 直樹 委員 岡下 敏彦 委員 委員 委員 委員 委員 委員 委員 委員 山﨑 敏晴 三笠 博司 酒井 崇行 長井 啓三 工藤 浩二 船石 博義 片岡 紘子 植田 巧 委員 能野 昌剛 委員 委員 オブザーバー 黒瀬 邦彦 香川 正信 山田 誠治 オブザーバー 松本 佳昭 事務局 中野 直文 (敬称略:所属五十音順) 所属・役職 山口大学 大学院理工学研究科 教授 山口大学 大学院技術経営研究科 教授 山口大学 大学院理工学研究科 准教授 株式会社エヌエフ回路設計ブロック 執行役員 システム事業本部 本部長 岡山県 産業労働部 産業振興課 副参事 株式会社山陰合同銀行 地域振興部 地域プロジェクト支援グループ サブリーダー 島根県 商工労働部 産業振興課 地域産業創造グループ 企画員 中国経済産業局 資源エネルギー環境部 参事官(エネルギー企画担当) 中国経済連合会 部長 中国電力株式会社 エネルギア総合研究所 経営調査担当 副長 長州産業株式会社 生産技術本部 企画開発部 部長 株式会社トクヤマ 徳山製造所 副所長 兼工場管理部長 鳥取県 商工労働部次世代環境産業室 室長 株式会社日立産機システム 中国支社 山口支店長 株式会社日立製作所 中国支社 企画部 部長代理 広島県 商工労働局 次世代産業課 主査 広島市 経済局 産業振興部 産学官技術振興課 技師 三菱重工業株式会社 中国支社 業務グループ長 財団法人山口経済研究所 調査研究部 調査研究課長 兼 上席研究員 山口県 商工労働部 新産業振興課長 財団法人やまぐち産業振興財団 技術振興部 部長 山口県 商工労働部 新産業振興課 主査 地方独立行政法人 山口県産業技術センター 企業支援部 設計制御グループリーダー 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 専務理事 (第2~4回委員会) 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 常務理事 調査企画部長 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 常務理事 調査部統括部長 事務局 事務局 事務局 宮﨑 哲彦 三牧 詳史 中村 睦 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 調査部 部長 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 調査部 部長 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 調査部 部長 事務局 奥本 芳治 公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 産業部 産業企画部長 佐々木 隆雄 事務局 (第1回委員会) 吉澤 洋一 シンクタンク シンクタンク シンクタンク シンクタンク 森 真樹 山名 良明 片山 隆志 真田 大輔 中電技術コンサルタント株式会社 地域マネジメント部 課長 中電技術コンサルタント株式会社 臨海・都市部 部長 中電技術コンサルタント株式会社 建築部 課長 中電技術コンサルタント株式会社 電気通信部 目 次 調査目的及び方針 ············································· 2-1 Ⅰ.地産エネルギー活用及び工場のエネルギーマネジメントに関する動向調査 2-3 1.対象とする地産エネルギーの設定 ··········································· 2-3 (1)地産エネルギーの定義 ··················································· 2-3 (2)我が国における地産エネルギー利用可能量 ································· 2-4 (3)中国地域における地産エネルギー利用可能量 ······························· 2-5 2.地産エネルギー活用に関する動向調査 ······································ 2-12 (1)地産エネルギー(新エネルギー)政策 ···································· 2-12 (2)地産エネルギー(新エネルギー)関連法規 ································ 2-18 (3)地産エネルギー(新エネルギー)助成措置 ································ 2-25 (4)地産エネルギー(新エネルギー)技術開発 ································ 2-25 (5)工場における地産エネルギー活用事例 ···································· 2-40 3.工場のエネルギーマネジメントに関する動向調査 ···························· 2-44 (1)省エネルギー政策 ······················································ 2-44 (2)省エネルギー関連法規 ·················································· 2-47 (3)省エネルギー助成措置 ·················································· 2-54 (4)省エネルギー技術開発 ·················································· 2-62 (5)工場におけるFEMS活用事例 ·········································· 2-69 Ⅱ.中国地域における中小企業のエネルギー実態調査 ············· 2-75 1.中小企業アンケート調査 ·················································· 2-75 (1)アンケート調査の目的 ·················································· 2-75 (2)アンケート調査の実施概要 ·············································· 2-75 (3)アンケート調査結果 ···················································· 2-79 2.地産エネルギーの活用可能量の推計 ······································· 2-106 (1)地産エネルギーの活用状況 ············································· 2-106 (2)活用可能量の推計 ····················································· 2-107 3.エネルギー消費原単位の推計 ············································· 2-114 (1)エネルギー消費の状況 ················································· 2-114 (2)エネルギーの消費原単位の推計方法 ····································· 2-117 4.中小企業エネルギー実態に関する考察 ····································· 2-118 (1)エネルギー消費原単位の推計結果 ······································· 2-118 (2)考察 ································································· 2-123 Ⅲ.地産エネルギー活用及びFEMSに関する先進事例調査 ······ 2-126 1.先進事例視察の目的 ····················································· 2-126 2.先進事例視察先の概要 ··················································· 2-126 (1)中部地域 ····························································· 2-126 (2)関東甲信越地域 ······················································· 2-130 3.先進事例視察の実施及び調査結果の整理 ··································· 2-132 (1)中部地域 ····························································· 2-132 (2)関東甲信越地域 ······················································· 2-141 4.先進事例調査における考察 ··············································· 2-149 (1)地産エネルギーの活用 ················································· 2-149 (2)省エネルギーの推進 ··················································· 2-150 (3)中小企業の参入 ······················································· 2-151 Ⅳ.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性調査 ···· 2-152 1.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の整理 ····························· 2-152 (1)FEMSの概要 ······················································· 2-152 (2)FEMS構成要素の省エネ設備 ········································· 2-154 (3)電力・熱等の計測器 ··················································· 2-155 (4)太陽光発電等の地産エネルギー設備 ····································· 2-158 2.地産環境配慮型製品に係る中小企業の抽出 ································· 2-159 (1)中国地域環境関連マップ2010 ······································· 2-159 (2)プレスリリース・新聞記事(近1年) ··································· 2-160 (3)中国5県ヒアリング調査 ··············································· 2-163 (4)民間企業ヒアリング調査 ··············································· 2-187 3.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性 ······················· 2-189 (1)中国地域における地産環境配慮型製品 ··································· 2-189 (2)FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性 ····················· 2-194 Ⅴ.地産環境配慮型製品を活用したFEMSモデルの構築 ········ 2-196 1.地産エネルギーを活用したFEMSモデルの構築 ··························· 2-196 (1)中小企業単独FEMSモデル ··········································· 2-196 (2)中小企業連携FEMSモデル ··········································· 2-198 2.FEMSモデル構築に向けた課題整理 ····································· 2-200 (1)関連企業・団体ヒアリング調査 ········································· 2-200 (2)FEMSモデル実現に向けた課題整理 ··································· 2-218 Ⅵ.FEMSモデル実現及び中小企業参入・新産業創出の方向性 ·· 2-228 1.FEMSモデル実現の方向性 ············································· 2-228 (1)FEMSモデルの導入ステップの設定 ··································· 2-228 (2)導入ステップ毎の方向性 ··············································· 2-229 2.中小企業参入の方向性 ··················································· 2-234 (1)環境配慮型製品の競争力向上 ··········································· 2-234 (2)エネルギー需給データの収集・提供 ····································· 2-234 (3)企業間連携を促進させる信用力向上支援 ································· 2-235 3.新産業創出の方向性 ····················································· 2-236 (1)契約デマンド削減電力供給事業(電力契約コンサルティング含む)·········· 2-237 (2)エネルギー見える化・省エネ診断事業 ··································· 2-238 (3)省エネ機器更新コンサルティング事業 ··································· 2-238 (4)人材育成・研修事業 ··················································· 2-239 (5)排出権取引事業 ······················································· 2-239 おわりに ··················································· 2-240 資 料 編 (資料-1)中小企業アンケート調査票 ······································· 2-246 調査目的及び方針 1.調査目的 地球温暖化対策としての低炭素型社会形成と経済発展との両立を目指して、国の新 成長戦略では「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」が戦略 分野の一つとして掲げられている。その中では、2020 年までの目標として、 「50 兆円 超の環境関連新規市場」、「140 万人の環境分野の新規雇用」、 「日本の民間ベースの技 術を活かした世界の温室効果ガス削減量を 13 億トン以上とすることを目標にする」 が掲げられている。 目標達成に向けては、再生可能エネルギー(太陽光、風力、小水力、バイオマス、 地熱等)の普及拡大、電力供給側と電力ユーザー側を情報システムでつなぐ日本型ス マートグリッド※1により効率的な電力需給を実現し、家庭における関連機器等の新 たな需要を喚起することで、成長産業として振興を図ること等にも言及されている。 このように、社会インフラとしての電力供給網の高度化および省エネルギー化をね らったものとして、スマートグリッド関連産業が成長産業として位置づけられている が、巨大産業創出が期待されているものの、中小企業の参入に関する部分について未 知なものが多い。 地域の産業を支えている中小企業においては、省エネルギー化、CO2排出量削減 による企業競争力を確保していくことが重要な課題となっているが、さまざまな理由 により省エネルギー化が進んでいない場合が多い。 こうしたなか、2011 年 3 月 11 日に東日本大震災が発生し、東北地方と関東地方の 太平洋側を中心とした東日本に未曾有の被害をもたらすとともに、原子力発電所等の 停止による電力不足の状況となり、地産エネルギーの有効利用が各方面で注目されて いる。 このような背景において、中国地域における中小企業の地産エネルギーの活用およ びエネルギーマネジメントに関する動向、実態調査を行い、さらに、地産エネルギー を活用した中小企業工場のFEMS※2構築の可能性、およびその構築における中小 企業参入・新産業創出可能性(環境配慮型製品、部品、メンテナンス、サービスなど) を調査することにより、中小企業におけるFEMSモデルの構築およびその分野への 参入・新産業創出の方向性を明らかにすることを目的とする。 ※1 スマートグリッド(次世代送電網):電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化で きる送電網。 ※2 Factory Energy Management System:工場におけるエネルギーマネジメントシステムの略 2.調査対象地域 調査対象地域は「中国地域」とする。 -2-1- 3.調査期間 平成 23(2011)年 5 月~平成 24(2012)年 3 月 4.調査方針 調査方針は、以下のフローに示すとおりであり、既往文献調査のほか、中国地域の 中小企業を対象としたアンケート調査、関係各所へのヒアリング調査、先進地事例調 査等により実施する。 図表 調査方針(全体の流れ) Ⅰ.地産エネルギー活用及び工場のエネルギーマ ネジメントに関する動向調査 地産エネルギー活 用可能量及びエネ ルギー消費原単位 の推計等に関する アンケート調査 Ⅱ.中国地域における中小企業のエネルギー実 態調査 Ⅲ.地産エネルギー活用及びFEMSに関する 先進事例調査 中国 5 県(行政・支 援機関)へのヒアリ ング調査 FEMS等に関す る先進地視察 Ⅳ.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の 活用可能性調査 Ⅴ.地産環境配慮型製品を活用したFEMSモ デルの構築 調査結果を踏まえ た方向性の検討 関連調査報告書及 び新聞記事データ ベース等による既 往文献調査 Ⅵ.FEMSモデル実現及び中小企業参入・新 産業創出の方向性 -2-2- 調査結果を踏まえ たモデル検討及び 関係機関へのヒア リング調査 Ⅰ.地産エネルギー活用及び工場のエネルギーマネジメントに関する動向調査 1.対象とする地産エネルギーの設定 (1)地産エネルギーの定義 本調査における「地産エネルギー」とは、その地域に存在する再生可能エネルギー のうち、 「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法 施行令(平成 20 年 1 月改 正※以後、新エネ法)」における新エネルギー及び革新的なエネルギー高度利用技術 を対象とする。 あわせて、中小企業工場においては工場排熱や自家発電設備等も地産エネルギーと して捉えることができ、その効率的活用は社会的背景から必要不可欠と考えられるこ とから、本調査の対象とする。 また、下図では地熱は発電のみ対象となっているが、中小企業工場の規模において は空調利用の可能性もあることから、地中熱利用についても本調査の対象とする。 図表Ⅰ.1 地産エネルギーの定義 再生可能 エネルギー 新エネルギー 地産エネルギー 石油や石炭、天然ガスなどの限りある化石燃料と異なり、自然現象の サイクルで資源の再生が可能なエネルギー(下図参照) 太陽光発電や太陽熱利用、風力発電、地熱発電、廃棄物発電など、主 に自然エネルギー、リサイクルエネルギーを意味する。「新エネルギ ー法」では、このほか燃料電池、バイオマス、雪氷冷熱なども含め、 14 種類のエネルギー利用形態を対象としている(下図参照) エネルギー需要地及びその周辺地域で利用することができる新エネ ルギー(本調査で定義)※新エネルギーではないが、「革新的なエネ ルギー高度利用技術」「地中熱利用・工場排熱・自家発電設備」も調 査対象に含める 図表Ⅰ.2 (参考)新エネ法における再生可能エネルギー・新エネルギーの定義 -2-3- (2)我が国における地産エネルギー利用可能量 「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書(平成 23 年 3 月: 環境省)」によると、我が国における再生可能エネルギーの導入ポテンシャルは太陽 光(非住宅系に限る。以下同じ。 )が最大で約 1.5 億kW、風力が約 19 億kW、中小水力 (河川部と農業用水路、3 万kW以下)が約 1,400 万kW、地熱が約 1,400 万kWと推計さ れている。 シナリオ別導入可能量では、基本シナリオ1では風力が約 1.4 億kWと突出して高 く、太陽光が表出しなかった。基本シナリオ2(技術革新シナリオ)では、太陽光が 約 7,200 万kW表出し、風力(約 4.1 億kW)に次ぐ導入可能量が推計されている。 これらの値だけをみると、風力発電の大きな導入ポテンシャルが目立つが、そのポ テンシャルは北海道、東北、九州エリアに集中しており、特別高圧送電線の新増設な どによる系統連系対策が課題となる。 これに対して、太陽光発電等でも系統連系対策が必要となるが、その対象は低圧配 電線や高圧配電線での対応が可能となる。ただし、太陽光についてはシナリオ別導入 可能量が小さく、現状のコストレベルでは事業用発電事業として大々的に普及してい く可能性は高いとは言いにくい。 図表Ⅰ.3 各種再生可能エネルギーの賦存量・導入ポテンシャル・シナリオ別導入可能量(設備容量:万 kW) 資料:平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書(2011 年 3 月:環境省) -2-4- (3)中国地域における地産エネルギー利用可能量 「海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギ ー自給・活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) 」によると、 中国地域における地産エネルギーの利用可能量が大きいのは、現在伸びが著しい風力 エネルギー、太陽光エネルギー、バイオマスエネルギーが比較的大きい。 また、エネルギーの有効利用を考えたときには、発電よりも熱利用のほうが高効率 であるため、太陽熱利用やバイオマス熱利用についても導入を進める必要があると考 えられる。 図表Ⅰ.4 県別地産エネルギー利用可能量 (TJ/年) 12000 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 10000 8000 6000 4000 山口県 広島県 岡山県 島根県 鳥取県 太陽光 発電 太陽熱 利用 風力発電 温度差・雪 氷熱利用 小水力 発電 バイオマス 発電 バイオマス 熱利用 廃棄物 発電 廃棄物 熱利用 0 廃棄物 燃料製造 2000 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-5- 図表Ⅰ.5(1) 市町村別地産エネルギー利用可能量(太陽光発電) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) 図表Ⅰ.5(2) 市町村別地産エネルギー利用可能量(風力発電) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-6- 図表Ⅰ.5(3) 市町村別地産エネルギー利用可能量(バイオマス熱利用) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) 図表Ⅰ.5(4) 市町村別地産エネルギー利用可能量(木質系バイオマス〈林地残材〉熱利用) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-7- 図表Ⅰ.5(5) 市町村別地産エネルギー利用可能量(廃棄物熱利用) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) 図表Ⅰ.6 中国地域における新エネルギー導入状況 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-8- 図表Ⅰ.7(1) 市町村別地産エネルギー利用可能量(鳥取県) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) 図表Ⅰ.7(2) 市町村別地産エネルギー利用可能量(島根県) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-9- 図表Ⅰ.7(3) 市町村別地産エネルギー利用可能量(岡山県) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) 図表Ⅰ.7(4) 市町村別地産エネルギー利用可能量(広島県) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-10- 図表Ⅰ.7(5) 市町村別地産エネルギー利用可能量(山口県) 資料:海・山・街から始める次世代エネルギー圏域づくり推進調査報告書〈新エネルギー自給・ 活用社会基盤づくり推進調査〉 (2010 年 3 月:中国経済産業局) -2-11- 2.地産エネルギー活用に関する動向調査 (1)地産エネルギー(新エネルギー)政策 我が国におけるエネルギー政策は、2002 年 6 月に策定された「エネルギー政策基 本法」により、“安定供給の確保”“環境への適合”“市場原理の活用”という基本方 針が示されている。また、この基本法においては、政府がこれらの基本方針に沿って 施策の計画的な推進を図るため「エネルギー基本計画」を定めることになっている。 さらに、世界の厳しいエネルギー情勢を踏まえ、エネルギー安全保障を核として 2006 年 5 月に「新・国家エネルギー戦略」が策定され、その具体的な将来像は「長 期エネルギー需給見通し」としてまとめられている。 新エネルギーの利用拡大は、この見通しを踏まえながら 1997 年 4 月施行(2008 年 4 月一部改正)の「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(通称:新エネ法)」 及び 2003 年 4 月施行の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置 法(通称:RPS法) 」により、進められている。 図表Ⅰ.8 我が国のエネルギー政策 資料:資源エネルギー庁「明日のためにいま『新エネルギー』 」 -2-12- a.エネルギー政策基本法 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持及び発展に欠くことので きないものであり、その利用が地域及び地球の環境に大きな影響を及ぼすものであ る。 したがって、2002 年 6 月に制定されたエネルギー政策基本法は、エネルギーの需 給に関する施策に関し、基本方針を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明ら かにするとともに、エネルギーの需給に関する施策の基本となる事項を定めることに より、エネルギーの需給に関する施策を長期的、総合的かつ計画的に推進し、もって 地域及び地球の環境の保全に寄与するとともに日本及び世界の経済社会の持続的な 発展に貢献することを目的とする法律である。 この基本法では、「安定供給の確保」、「環境への適合」、「市場原理の活用」などの 基本理念が掲げられ、国の責務、地方公共団体の責務、事業者の責務、国民の努力、 相互協力などが定められている。また政府は「エネルギー基本計画」を定めなければ ならないこと、国際協力の推進、知識の普及についても規定されている。 図表Ⅰ.9 エネルギー政策基本法の概要 資料:資源エネルギー庁「エネルギー政策基本法と最近のエネルギー情勢」 -2-13- b.エネルギー基本計画 エネルギー基本計画とは、エネルギー政策基本法において明らかにされた「安定供 給の確保」 、 「環境への適合」及びこれらを十分考慮した上での「市場原理の活用」と いう基本方針にのっとり、10 年程度を見通して、エネルギーの需給全体に関する施 策の基本的な方向性を定性的に示すものである。 なお、エネルギー基本計画に盛り込む主な内容は、以下のとおりである。 ①需 要 面:民生・運輸部門を中心に伸び続けるエネルギー需要を抑制するための方 策の基本的な方向 ②供 給 面:石油依存度を低減し、二酸化炭素排出量の抑制を達成するための、原子 力、新エネルギー、天然ガスなどの導入促進策の基本的な方向 ③研究開発:更なる技術開発の推進によって供給安定性の向上、コスト低減が期待さ れるものを中心として、重点的に研究開発を行うべき分野と研究開発の 基本的な方向 2002 年 6 月のエネルギー政策基本法の制定以降、2003 年 10 月にエネルギー基本計 画が策定され、その後、2007 年 3 月に第一次改定、2010 年 6 月に第二次改定を行っ ている。 一方で、第二次改定から約 9 ヵ月後の 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災に 伴う東電福島第一原発事故により、エネルギー基本計画に関する見直しの方向性が政 府より示されている。 -2-14- 図表Ⅰ.10 エネルギー基本計画(第二次改定)の概要 資料:資源エネルギー庁「総合資源エネルギー調査会総合部会(第 2 回会合)配布資料 2010 年 6 月」 -2-15- c.新・国家エネルギー戦略 新・国家エネルギー戦略は、原油価格高騰など昨今の厳しいエネルギー情勢を受け、 総合資源エネルギー調査会の議論をもとに、2006 年 5 月に経済産業省がまとめたも のである。2030 年までの目標を数値で示し、その実現のための戦略を明らかにして いる。 新エネルギーについては、産業としての自立をめざしながら導入拡大を図る「新エ ネルギーイノベーション計画」を掲げている。 図表Ⅰ.11 新・国家エネルギー戦略の概要 資料:経済産業省「新・国家エネルギー戦略について 2006 年 5 月」 -2-16- d.新エネルギーイノベーション計画 新エネルギーイノベーション計画は、「新・国家エネルギー戦略」のなかで位置づ けられている計画であり、例えば太陽光発電の導入量が世界一となるなど、我が国は 一定の実績をあげてきている一方で、全般的には、エネルギー変換効率や設備利用率 も上がらないなど競合するエネルギーと比較してコストが高く、系統連系や電力品質 の確保など、事業性確保に向け未だ多くの課題が残されている。 このため、新エネルギーのうち、再生可能エネルギーであって、太陽光、風力、バ イオマスなど特に導入を促進すべきエネルギー源を特定し、重点的に支援を行い、さ らに、新たなエネルギーの貯蔵・輸送技術やバイオ技術を活かしたバイオマス由来燃 料の高効率製造技術など、効率性の飛躍的向上やエネルギー源の多様化を実現するよ うな「革新的なエネルギー高度利用技術」の開発と利用を強化することを目的として いる。 図表Ⅰ.12 新エネルギーイノベーション計画における新エネルギー導入拡大イメージ 資料:経済産業省「新・国家エネルギー戦略 2006 年 5 月」 -2-17- (2)地産エネルギー(新エネルギー)関連法規 a.新エネ法 1997 年 4 月制定、同年 6 月に施行された「新エネルギー利用等の促進に関する特 別措置法(通称:新エネ法)」は、国内におけるエネルギー消費量の急増、海外にお けるエネルギー供給基盤の脆弱化、長期的なエネルギー供給制約、地球環境問題の顕 在化等、エネルギーをめぐる様々な経済的、社会的環境に対応し、安定的かつ適切な 供給を確保していくため、新エネルギー利用等について国民の努力を促すとともに、 新エネルギー利用等を円滑に進める上で必要な措置を講ずることを目的としている。 新エネ法の施行以後、2002 年 1 月の施行令改正によりバイオマス及び雪氷が新エ ネルギーとして追加され、2008 年 2 月の施行令改正によりバイナリ(地熱による熱 水を 2 次系統で間接的に利用する)方式の地熱発電、1,000kW以下の小水力発電がさ らに新エネルギーとして追加されている。 また、2008 年 2 月の施行令改正では、それまで新エネルギーとして定義されてい た、化石原料を由来とする廃棄物発電・廃棄物熱利用・廃棄物燃料製造、クリーンエ ネルギー自動車、天然ガスコージェネレーション、燃料電池について、「革新的なエ ネルギー高度利用技術」として引き続き普及促進を図ることとされている。 図表Ⅰ.13 新エネ法の概要 1 目的 (第 1 条) 本法は、国内におけるエネルギー消費量の急増、海外におけるエネルギー供給基盤の脆 弱化、長期的なエネルギー供給制約、地球環境問題の顕在化等エネルギーをめぐるさま ざまな経済的社会的環境に対応し、安定的かつ適切な供給を確保していくため、新エネ ルギー利用等についての国民の努力を促すとともに、新エネルギー利用等を円滑に進め る上で必要な措置を講ずることとしている。 具体的には、新エネルギー利用等に関する基本方針を策定(第 3 条) 、新エネルギー利 用指針の策定(第 5 条) 、指導及び助言(第 6 条) 、事業活動において新エネルギー利用 等を行おうとする者への各種支援(第 10、13 条)を講ずることとしている。 2 定義 (第 2 条) 本法において「新エネルギー利用等」の定義は以下の通りである。 [新エネ法の対象となるエネルギーの利用等の要件] (1)経済性における制約から普及が十分でないもの (2)石油代替エネルギー供給目標の達成のために促進を図ることが特に必要なもの 3 基本方針 (第 3 条) 新エネルギー利用等に関して、国、事業者、国民等の役割分担及び国等が行う新エネル ギー利用等の促進のための施策等を盛り込んだ「新エネルギー利用等の促進に関する基 本方針」 (以下「基本方針」という)を策定及び公表することとしている。 また、この基本方針においてそれぞれ構ずべき措置を掲げられた各者には、本法により 努力義務が求められることとなる。 基本方針においては、以下に掲げる事項について定めることとしている。 1 新エネルギー利用等に関してエネルギー使用者が講ずべき措置に関する基本的事項 エネルギー使用者が、自ら講ずべき措置に関する基本的事項である。具体的には、事 業者に対しては必要なエネルギー消費を可能な限り新エネルギーにより充当し、具体 的な導入計画の策定により計画的な導入に努めること、政府及び地方公共団体に対し ては、新エネルギー利用等の初期需要創出・拡大のため積極的に関係施設への利用を 進めること、国民に対しては、必要なエネルギー消費を可能な限り新エネルギーによ り充当するよう努めること等である -2-18- 2 新エネルギー利用等の促進のためにエネルギーを供給する事業を行う者及び新エネ ルギー利用等を行うための機械器具の製造又は輸入の事業を行う者が講ずべき措置に 関する基本的な事項 具体的には、エネルギー供給者に対しては、所有するインフラの活用等により新エネ ルギーの導入を促進すること、機械器具製造または輸入事業者に対しては、良質かつ 低廉な機器を積極的に開発・供給すること等である 3 新エネルギー利用等の促進のための施策に関する基本的な事項 国民及び事業者の利用等を促進するために国が講ずべき施策等に関する基本的事項。 具体的には、政府の講ずべき措置として、各省庁が新エネルギー利用等の促進を重要 な政策課題として位置づけ、相互に密接な連携をとりながら政府一体となって施策を 推進すること、また、地方公共団体の講ずべき措置として、地域特性を踏まえつつ新 エネルギーの利用等を促進すること等である。 4 その他新エネルギー利用等に関する事項 新エネルギー利用等を進める上で前提となる諸条件、利用等の実態、制約要因、今後 の目標について。 4 新エネル ギー利用方針 (第 5 条) 5 指導及び 助言 (第 6 条) 前述の基本方針において示されるのは、あくまで基本的な事項であることから、実際に エネルギー使用者が新エネルギー利用等に努める場合の個別具体的な利用方法等を盛 り込んだ「新エネルギー利用指針」を策定・公表することとしている。利用指針には、 新エネルギー利用等の特性(新エネルギー利用等の特性とは、新エネルギー利用等によ って得られる燃料、熱、動力、電気の性質、新エネルギー利用等に必要な自然的社会的 条件等を意味する)、新エネルギー利用等に関する技術水準(新エネルギー利用等に必 要となる技術の水準、新エネルギー利用等によって得られた燃料、熱、動力、電気を使 用する際に必要な技術の水準を意味する)、その他の事情(事業者であれば事業内容、 既存のエネルギー使用設備、立地点等を意味する)からみて新エネルギー利用等の種類 及び具体的な方法を記している。 主務大臣が、新エネルギー利用等の促進を的確に実施する上で必要があると認めるとき は、エネルギー利用者に対し、新エネルギー利用指針に定める事項に基づいて指導及び 助言を行うこととしている。 ここでの「指導及び助言」とは、広く一般のエネルギー使用者による新エネルギー利用 等の適切かつ確実な実施を促すべく、主務大臣が新エネルギー利用指針に定める事項に 基づく必要な情報の提供を行うものである。 6 利用計画 の認定 (第 8 条) 本条は、事業活動において新エネルギー利用等を行おうとする者が利用計画を作成し、 主務大臣の認定を受けることができる旨規定し、利用計画に記載すべき事項、認定の要 件等について定めたものである。 当該利用計画の認定に当たっては、①目標、②内容及び実施時期を、また、当該新エネ ルギー利用等が確実に行われるかを資金面から判断するために、③必要となる資金の額 及びその調達方法を、実施計画に記載することとしている。具体的には以下のとおり。 ① 新エネルギー利用等の目標 実施しようとする新エネルギー利用等の目的を要約的に記述 ②新エネルギー利用等の内容及び実施時期 (a)新エネルギー利用等を行う事業者の名称、所在地、連絡先、連絡担当者 (b)実施する新エネルギー利用等の種類、概括的な方法及び用途 (c)新エネルギー利用等に伴い設置する設備の名称、仕様、能力 (d)新エネルギー利用等による年間のエネルギー発生量 (e)実施時期 ③新エネルギー利用等に必要な資金の額及びその調達方法 (a)必要資金額 (b)調達方法の内訳(借り入れ、自己資金の別) (c)NEDOの債務保証を受ける場合にはその旨 (d)各調達方法により調達した資金の使途 -2-19- b.RPS制度 RPS制度(Renewables Portfolio Standard:再生可能エネルギーポートフォリ オ基準)とは、「新エネルギー等電気利用法」に基づき、エネルギーの安定的かつ適 切な供給を確保するため、電気事業者に対して、毎年その販売電力量に応じた一定割 合以上の新エネルギー等から発電される電気(以下「新エネルギー等電気」)の利用 を義務づけ、新エネルギー等のさらなる普及を図るものである。 電気事業者は、義務を履行するため、自ら新エネルギー等電気を発電する、もしく は、他から新エネルギー等電気または新エネルギー等電気相当量(法の規定に従い電 気の利用に充てる、もしくは、基準利用量の減少に充てることができる量)を購入す ることになっている。 図表Ⅰ.14 RPS制度の概要 資料:RPS法ホームページ -2-20- 図表Ⅰ.15(1) 総認定設備件数(2011 年 6 月 30 日現在) 東北 関東 中部 近畿 中国 (件) 発電形態 北海道 四国 九州 沖縄 合計 風力発電 59 65 80 41 29 28 14 62 22 400 水力発電 14 57 154 50 42 98 16 69 3 503 太陽光発電 4 7 29 12 26 10 5 15 9 117 バイオマス 発電 35 25 116 40 54 29 16 47 4 366 地熱発電 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 複合型 0 1 16 8 1 4 1 2 1 34 特定 太陽光発電 (買取対象) 9,814 42,489 278,583 87,041 116,435 75,455 30,156 132,331 7,961 780,265 合 計 9,926 42,644 278,978 87,192 116,587 75,624 30,208 132,527 8,000 781,686 資料:RPS法ホームページ 図表Ⅰ.15(2) 認定設備総発電出力(2011 年 6 月 30 日現在) 東北 関東 中部 近畿 中国 (kW) 発電形態 北海道 四国 九州 沖縄 風力発電 271,449 687,624 308,441 217,174 145,805 300,821 123,650 397,101 21,712 2,473,777 水力発電 5,082 31,295 68,856 25,557 21,375 26,864 5,517 24,202 1,435 210,183 太陽光発電 6,026 2,270 7,298 4,637 12,054 2,806 3,516 11,799 5,422 55,828 バイオマス 発電(注) 348,887 (98,703) 1,924,593 1,680,077 5,503,742 4,145,340 1,651,870 1,609,810 2,514,580 328,300 (125,450) (668,341) (193,981) (330,518) (253,017) (330,725) (230,661) (11,971) 19,707,199 (2,243,367) 地熱発電 0 0 0 0 0 0 0 2,000 0 2,000 複合型 0 115 10,841 1,804 145 106 6 1,067 245 14,329 特定太陽光 発電 (買取対象) 42,304 164,179 1,017,888 335,289 419,921 295,490 129,020 552,250 35,208 2,991,549 合 計 673,748 2,810,076 3,093,401 6,088,203 4,744,640 2,277,957 1,871,519 3,502,999 392,322 25,454,865 資料:RPS法ホームページ (注)カッコ書きの出力は、バイオマス発電の出力に使用燃料のバイオマス熱量比率を乗じた出力 -2-21- 合計 c.再生可能エネルギー特別措置法 2011 年 8 月に成立、公布された再生可能エネルギー特別措置法は、電気事業者に 対し再生可能エネルギーによる電気の固定価格での買取を義務付ける制度(再生可能 エネルギー全量買取制度)を定めたものであり、2012 年 7 月 1 日から施行される予 定である。 (a)買取の対象となるエネルギーの種類 従来、我が国では発電事業用ではない中・小規模の太陽光発電(例:住宅用)を対 象とした余剰買取制度を除き、再生可能エネルギーの買取制度は設けられていない。 これに対し、本法は、太陽光発電のほか、風力、水力、地熱、バイオマスなどを「再 生可能エネルギー源」と定義し(本法 2 条 4 項) 、広く買取制度の対象としている。 (b)買取の対象となるエネルギー及び設備の範囲 本法は、余剰買取制度とは異なり、再生可能エネルギー設備の発電により得られる 電気量の全量を買取対象としている。 なお、本法は、原則として新規設備のみに適用され、既存設備には適用されない。 すなわち、本法の施行前から既存の設備を用いて電気事業者と買取契約を締結して再 生可能エネルギーによる発電を行っていた者は、本法の適用を受けず、引き続き締結 済みの買取契約に従う。 ただし、上記と異なる扱いがなされる場合があり、余剰買取制度の対象となってい た太陽光発電のうち、住宅用の小規模のものについては、既存のものはもちろん、新 規に設置されるものであっても本法上で例外扱いがされ、引き続き余剰分のみが買い 取られる予定となっている。 図表Ⅰ.16 買取の対象となるエネルギー及び設備の範囲 太陽光 対象 住宅用 10kW 未満 住宅用 10kW 以上 500kW 未満 非住宅用 500kW 未満 発電事業用 500kW 以上 太陽光以外 既存設備 余剰買取 余剰買取 買取制度なし 買取制度なし 新設設備 余剰買取 全量買取 全量買取 全量買取 -2-22- (c)買取契約・接続の義務 経済産業省の認定を受けて(本法 6 条)再生可能エネルギーを用いて発電しようと する者が、政府が定める調達価格(いわゆる買取価格。本法 3 条)により、政府が定 める調達期間(本法 3 条)の範囲内で契約により定められる期間、電気事業者が再生 可能エネルギーによる電気を買い取る旨の契約(以下「特定契約」という)の申込み をした場合、電気事業者は原則として当該特定契約の締結を拒むことはできない(本 法 4 条 1 項)。 また、電気事業者(特定規模電気事業者を除く)は、特定契約の申込者から求めら れたときは、原則として、申込者の発電設備と電気事業者(同)の送電網との接続を しなければならない(本法 5 条 1 項)。ただし、接続の拒否事由も認められる方向と なっており、引き続き詳細の制度設計を行う予定である。 (d)買取の費用負担 買取を行うことによって生ずる費用は、全国の電力利用者が電気料金の一部として 「賦課金」を支払うことによって負担する。 しかし、賦課金は全国均一の水準であるため、電力利用者が少なく、かつ再生可能 エネルギーによる発電が多い地域の電気事業者は、賦課金によって買取費用の全てを まかなうことができない。 そこで、各電気事業者間の負担の調整を図るため、各電気事業者が「費用負担調整 機関」に対して電力供給量に応じた納付金を納め(本法 11 条、12 条)、費用負担調 整機関は各電力事業者に対して再生可能エネルギーによる電気の買取量に応じた交 付金を交付することになっている。 -2-23- 図表Ⅰ.17 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の概要 資料:資源エネルギー庁ホームページ -2-24- (3)地産エネルギー(新エネルギー)助成措置 再生可能エネルギー特別措置法の成立、公布に伴い、原則、新エネルギーに対する 助成措置は廃止され、再生可能エネルギー全量買取制度による導入・普及をめざす政 策転換がなされる状況である。 ただし、地方自治体においては、新エネルギー設備に対する独自の助成制度を創設 し、個別に取り組みを進めている場合もある。 (4)地産エネルギー(新エネルギー)技術開発 2006 年 5 月に策定された「新・国家エネルギー戦略」及び 2007 年 3 月の「エネル ギー基本計画」において、技術開発によって解決すべき課題を明らかにし、その解決 の鍵を握る技術開発をロードマップの形で提示する、エネルギー技術戦略を構築する ことの必要性が明示された。 これを受け、新・エネルギー国家戦略において想定されている 2030 年という長期 の設定の中で、 「超長期エネルギー技術ビジョン(2005 年 10 月)」を参考に「エネル ギー技術戦略マップ 2006(2006 年 11 月)」をベースとし、有識者などによる検討の 結果を踏まえて、検討対象技術の拡大及び抽出された技術の重要度・特徴づけなどに ついての検討を加えられた「技術戦略マップ(2007) (2008)」が策定された。さらに、 省エネルギー技術戦略との整合性、既存ロードマップ・最新技術の反映、個別技術の 統廃合などについて見直しが図られ、「技術戦略マップ(2009)(2010)」が策定され た。 -2-25- 図表Ⅰ.18 新エネルギーの開発・導入促進に向けた導入シナリオ 資料:技術戦略マップ2010(経済産業省) -2-26- a.太陽光発電の技術開発動向 我が国の太陽電池生産量、導入累積量はすでに世界トップクラスにあるが、一層の 導入拡大のためには、経済性の改善、変換効率の向上、原材料の供給安定性など、さ まざまな課題がある。 これらの課題解決のためには、シリコン系太陽光電池では薄膜化によるシリコン利 用量の低減や多接合などの高効率化が重要であり、また非シリコン系太陽電池として は、化合物(CIS)系薄膜太陽電池、色素増大太陽電池などの高効率化、耐久性向 上などに向けた技術開発が重要である。 図表Ⅰ.19(1) 太陽光発電技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-27- 図表Ⅰ.19(2) 太陽光発電技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) 「Cool Earth-エネルギー革新技術計画(2008 年 3 月:経済産業省)」 では、重点的に研究開発に取り組むべきエネルギー革新技術の一つとして「革新的太 陽光発電」をあげている。 革新的太陽光発電とは、量子ナノ型などの新材料・構造による飛躍的な効率の向上、 有機系太陽電池技術や超薄膜化などにより低コスト化を図る太陽光発電技術である。 -2-28- 図表Ⅰ.20 革新的太陽光発電 資料:Cool Earth-エネルギー革新技術計画(2008 年 3 月:経済産業省) 図表Ⅰ.21 革新的太陽光発電技術開発ロードマップ 資料:Cool Earth-エネルギー革新技術計画(2008 年 3 月:経済産業省) -2-29- 以上のようなモジュール自体の低コスト化や高効率化といった視点のみならず、生 産技術の高度化につながる研究開発も重要であり、極薄型の多結晶シリコン太陽電池 のためのスライス技術、薄膜太陽電池の高生産性技術(超大面積化、高速成膜)や軽 量化などの早期実用化に向けた取組みが進められている。 また、太陽電池の不安定な出力を制御するためのキーテクノロジーである「蓄電池」 の低コスト化や高効率化のための研究開発の継続と、太陽電池モジュールの性能・安 全性や長期信頼性等についての評価指標や評価方法の確立による国際標準化を進め ることも重要となる。 あわせて、太陽光発電等の再生可能エネルギーは、制御が困難かつ出力が不安定で あるため、大量導入された場合、地域的な電圧変動問題や周波数が不安定になるなど のリスクもあり、従来の電力供給システムでは十分な受け入れができない可能性があ る。また、電力需要面でも、電気自動車など次世代自動車の普及や家庭内における電 化が進展しつつあり、今後多くの電力需要が見込まれている。 b.太陽熱利用の技術開発動向 太陽熱利用は、太陽光発電と比べてエネルギー変換効率が高いことから、改めて注 目されている技術である。変換効率の高さだけではく、新エネルギーの中でも設備費 用が比較的安価であり、利用用途も給湯や暖房以外に、冷房、プール加温、乾燥及び 土壌殺菌など幅広い分野に利用可能な技術である。 一般的な太陽集熱器は、熱エネルギーを水に蓄える水式集熱器と、熱エネルギーを 空気に蓄える空気式集熱器に分けられる。そのうち、前者の水式集熱器は「自然循環 型」と「強制循環型」にさらに分類することができる。 太陽熱利用システムの形態としては、冷暖房・給湯システム、産業用ソーラーシス テム、太陽熱発電システム、熱・電気複合ソーラーシステムがあるが、太陽熱をさま ざまな分野に活用するための新たな技術も開発されており、さらなる普及拡大が期待 される。 また、2009 年 7 月に経済産業省総合資源エネルギー調査会都市熱エネルギー部会 が発表した政策提言「低炭素社会におけるガス事業のあり方について」では、太陽熱 を「地産地消のローカルエネルギーとして全国各地で利用でき、民生部門(家庭部門 や業務部門)の新エネルギーとして、熱エネルギーを扱うガス事業者にとっては親和 性の高いエネルギー」とした上で、我が国のガス事業の低炭素社会への移行に際して は、天然ガスと太陽熱を組み合わせて高度利用することにより、省エネ・省CO2を 図っていくことが重要としている。 -2-30- c.風力発電の技術開発動向 風力発電は、発電時にCO2や廃棄物を出さないクリーンなエネルギーである。我 が国においては 1990 年代末から急速に導入・普及が進み、1998 年から 2008 年まで で設備容量は約 49 倍、設備基数は約 12 倍と激増、2008 年度末には総設備容量 185 万kW、総設置基数 1,517 基となっている。今後に向けても大型化、低コスト化などに より、さらなる普及が求められている。 風力発電は、大型と小型に分類され、一般的には風車の直径 7m以下と小型風力発 電と呼んでいる。小型風力発電には、直径 5m以下のミニ風力発電、直径 2m以下の マイクロ風力発電も含まれ、特にマイクロ風力発電はモニュメントや太陽電池と併用 したハイブリッド発電として、照明等の補助電源の役割も果たしている。 発電目的の風力発電としては、大型化が可能で出力も大きいプロペラ型水平軸風力 発電が主力であるが、他にも風向きを選ばない垂直軸タイプ、小規模な照明機器を点 灯するためのデザイン重視型、翼の揚力を利用する揚力型、風の押す力を利用する抗 力型、翼の角度を制御した最適な揚力を得るピッチ制御式など、設置地域の風況、コ スト、目的、構造の違いにより多様な形式がある。 また、風力発電に適した立地の確保にはさまざまな制約が存在することを背景に、 いずれ陸上の設置限界が来ることを見越して、環境省などが洋上風力発電の実用化に 向けた技術研究開発を進めている。他にも、騒音を低減するための技術開発、蓄電池 を用いた系統連系技術開発、落雷対策に関する研究支援、小型風力発電の性能評価(ラ ベリング)制度など、さまざまな取組みが進められている。 -2-31- 図表Ⅰ.22 風力発電技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-32- d.バイオマスエネルギーの技術開発動向 バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称であり、「廃棄物系」と 「植物(栽培物系)」に分類される。この生物資源を直接燃焼してエネルギーに変換 したり、化学的に得た物質から燃料や電力を得るなど、さまざまなエネルギーに転換 して利用している。 こうしたエネルギー利用のうち、「バイオマス発電」「バイオマス熱利用」「バイオ マス燃料製造」が新エネルギーに指定されている。技術戦略の方向性としては、自動 車用燃料の製造技術とともに、バイオマスや廃棄物のガス化発電などの技術開発や、 地域の特性を踏まえた地産地消型のエネルギー需給システムの確立が必要となって いる。次に、バイオマスエネルギーに関する目指す姿の実現に向けた解決すべき課題 とそのための対応、及びそのロードマップを示す。 図表Ⅰ.23 バイオマスエネルギーに関する目指す姿の実現に向けた課題と対応 分類 バイオマスエネ ルギー共通 技術的な課題と対応 1.バイオマス資源の確保、安定供給 2.収集・運搬コストの低減 3.エネルギー変換効率の向上、低コスト化 生 物 化 学 的 気 体 [オンサイト利用] 燃料製造 1.低コスト化、コンパクト化、省エネルギー化 (メタン発酵) [オフサイト利用] 2.既存インフラに導入する際の低コスト化 熱 化 学 的 気 体 燃 1.設備、ランニング、メンテナンスの低コスト化 料製造 2.適用可能なバイオマス種の拡大 (ガス化) 3.タール低減技術開発 バイオ燃料製造 1.持続可能なバイオエタノール生産システム (ガソリン代替 (持続可能な原料生産の確立、LCAのGHG削減) 燃料) 2.食料との競合の克服(セルロース系資源の前処理・糖化技術の確 立、食糧生産不適地で栽培可能な資源作物の開発) 3.経済性の向上(低コストでエネルギー効率の高いプロセスの確立) 4.供給安定性の確保(我が国の技術力を活用し、国産・準国産(開 発輸入)のエタノールの生産拡大をはかる) バイオ燃料製造 [バイオディーゼル燃料製造] (軽油・灯油代替 1.製造コスト削減、エネルギー収支の向上 燃料) (副産物の処理・利用技術、適用資源の拡大) [微細藻類由来バイオ燃料製造] 1.経済的に成立する製造システムの確立 (要素技術のブラッシュアップ→ 一貫プロセス開発、実証) 2.有用物質生産との組合せ、カスケード利用 [BTL(ガス化-液体燃料製造)] 1.経済的に成立する製造システムの確立 (要素技術のブラッシュアップ→ 一貫プロセス開発、実証) 2.既存の化石燃料インフラの活用 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-33- 図表Ⅰ.24(1) バイオマスエネルギーの技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-34- 図表Ⅰ.24(2) バイオマスエネルギーの技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) 図表Ⅰ.24(3) バイオマスエネルギーの技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-35- 図表Ⅰ.24(4) バイオマスエネルギーの技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-36- 図表Ⅰ.24(5) バイオマスエネルギーの技術ロードマップ 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-37- e.小水力発電の技術開発動向 2008 年 7 月に資源エネルギー庁水力発電に関する研究会が発表した中間報告によ ると、「大規模なダム建設を伴わない中小水力、既存水路や河川環境保全のための維 持放流を活用した小規模な発電施設などの開発可能性は、太陽光や風力と比較しても 十分に大きい」とされている。 水力発電の開発については、新規に開発可能な地点が奥地化、小規模化しているた め、開発にあたって採算性が取りにくくなっている。一方で、農業用水路や工場排水、 浄水場など未利用な水エネルギーの発電開発への重要度は増しており、小水力発電の ほかマイクロ水力発電も含めた新規開発(低落差、小水量水車の開発)やその低コス ト化などの推進に関わる技術開発を進めていくことが必要である。 図表Ⅰ.25 中小水力発電の主な技術課題 技術課題 発電効率の向上 解決策・要素技術 • 水車・発電機の高効率化 発電コストの イニシャルコストの削減 削減 • 標準化による設備費の削減 • 施工費の削減 ランニングコストの削減 • メンテナンスコストの削減 水量の確保 • 取水口への土砂堆積、ゴミの目詰まり等の防止 (金網等の設置等) 管理・運用 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-38- f.雪氷熱利用 雪氷熱は、降り積もった雪や、寒冷地域の冷気を利用して作った氷、人工凍土を夏 季まで貯蔵・保存し、その冷熱エネルギーを建物などの冷房や農作物などの保存に利 用するものである。断熱材で覆われた貯蔵庫に雪や氷を蓄えて生鮮食品を貯蔵するケ ースや、雪解け水を汲み上げて、熱交換器で循環水を冷却し、冷房に利用するケース がある。 しかし、雪を貯蔵する倉庫などの初期費用が高く、ランニングコストは安いものの、 全体で見ると従来の電気式冷蔵に比べコストが高いという課題があり、導入加速化が 進展しない要因となっている。 今後は、地域の再開発時にあわせた導入や技術開発によるイニシャルコスト低減、 利用施設の増加施策に加え、冷気を直接利用した塵芥の吸着やアンモニアなどの水溶 性ガス吸収といったフィルターとしての効果、低温醸造・低温発酵なども活用した新 たな用途開発などで、新分野を含めた普及を図っていくことが必要である。 図表Ⅰ.26 雪氷熱利用の主な技術課題 技術課題 設備費・施工費の削減 低コスト化 収集費・輸送費の削減 解決策・要素技術 • • • • 既存建物の転用 建物と貯雪庫の一体化 地産地消 人工降雪機の活用 冷熱回収コストの削減 • システムの大規模化 熱貯蔵効率の向上 • 貯蔵設備の断熱性能の向上 • 貯蔵設備構造の工夫 熱交換効率の向上 • 熱交換器の高効率化 高効率化 資料:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2010 年 7 月) -2-39- (5)工場における地産エネルギー活用事例 新エネ大賞(新エネルギー財団)及び新エネ百選(NEDO)の事例をもとに、工 場における代表的な地産エネルギー活用事例を整理する。 図表Ⅰ.27(1) 地産エネルギー活用事例(その1) エネルギー 太陽光発電 企 業 TDK株式会社 甲府工場 場 所 山梨県南アルプス市 要 • 日本でも有数の日照時間を誇る山梨県においては桃や葡萄等の フルーツやワインが有名であるが、太陽光発電に関しては過去の 実績で設置容量が多いと言えるものでは無かった。この地になん とか太陽光発電を普及させようと、TDK甲府工場に 300kW の太 陽光発電システムが設置された。 • 年間の発電量は約 360MWh で期待以上の発電量を生み出している とともにTV・新聞・科学資料等にも取り上げられたことから、 設置したいと思う企業や行政機関、環境活動団体等県内外から 250 団体以上が訪れ、直に触れながら見学し施工過程や太陽光発 電の効果について体得している。 • これらの成果により見学企業の 2 割以上が太陽光発電システムを 実際に設置しており、新エネルギーの普及に貢献している。 • また、この施設で計測された特性データは、メーカーの要求に応 じてフィードバックし、太陽電池の改良に役立てている。 概 • 工場の屋上に量産規模の 100kW 太陽光発電システムおよびインバ ーターを複数種類設置し、純粋な太陽電池の特性比較できる施設 である。 • 長年の利用実績に基づく特性データは太陽電池のメーカー等に 提供し、太陽電池の普及に貢献している。 • また、地域とも連携しながら工場見学を受け入れており、長年に わたる地道な活動が評価されている。 参考となる ポイント -2-40- 図表Ⅰ.27(2) 地産エネルギー活用事例(その2) エネルギー バイオマスエネルギー、地熱エネルギー 企 業 株式会社アレフ 北海道工場 場 所 北海道札幌市 要 • アレフ北海道工場では、地域社会と連携して地産のバイオマス資 源を有効活用し、場内エネルギーとして利用(地産地消)するとと もに、地中熱および工場排熱を徹底的に利用している。 • これらの技術導入により、灯油使用量ゼロ、床面積当たりのCO 2排出量 50%削減を実現した。(自社既存工場との比較) • バイオマスで新エネルギーの地産地消:道内間伐材等からできる 木質ペレットや工場の生ゴミを原料の一部とするバイオガスを ボイラ燃料とし、ソース製造用の蒸気製造等に利用。また、地域 社会と連携した廃食用油回収と燃料化(BDF) 、店舗配送車等 への供給。 • 地中熱・排熱の徹底利用:地中熱、地下水、空調からの冷温排熱、 冷蔵庫等の設備排熱および工場排水から熱を回収し、ヒートポン プで温冷水製造・冷暖房に利用。 • その他自然エネルギー利用:太陽光を利用したソーラーパネル、 ソーラーウォール。 概 • 地中熱や廃熱の熱源、木質ペレットや生ごみ、廃食油等のバイオ マス資源等の多様なエネルギー源を工場内等のエネルギー源と して有効に活用している。 • このような総合利用システムは全国的にも類がなく、地域社会と 連携して地産資源を有効に活用していることが高く評価されて いる。 参考となる ポイント -2-41- 図表Ⅰ.27(3) 地産エネルギー活用事例(その3) エネルギー バイオマスエネルギー 企 業 霧島酒造株式会社 場 所 宮崎県都城市 要 • 焼酎製造工場から排出される、焼酎粕、芋くずを発酵させメタン ガスを回収する。更に他所からの焼酎粕の脱水ケーキを本プラン トで乾燥しているが、その燃料は回収したメタンガスを使用す る。脱水ケーキの乾燥物は、飼料原料として利用する。国内最大 規模の本施設は、化石燃料を使用せず乾燥させるので、輸入品よ り安い飼料を提供している。 • 回収したバイオガスのほとんどは、乾燥用に消費している。従来 の焼酎粕のメタン発酵方法は、焼酎粕の液部だけをメタン発酵 し、固体分は乾燥飼料にするか焼却していたが、本方式は、焼酎 粕や芋くずの粉砕物全部を短期間にメタン発酵させ、ガス回収率 も高い。 概 • 焼酎製造時の廃棄物である発酵残さを嫌気性発酵によって有効 利用してエネルギー回収し、廃棄物処理コストと場内エネルギー コストを低減して経済的なシステムを構築している。 • 発酵残さの嫌気性発酵そのものは通常の手法だが、その熱を利用 して飼料を生産し、さらに経済性を高めており、地域特性を生か して経済的なシステムを実現している点が評価されている。 参考となる ポイント -2-42- 図表Ⅰ.27(4) 地産エネルギー活用事例(その4) エネルギー 雪氷熱利用 企 業 サントリー天然水株式会社 場 所 鳥取県江府町 概 要 • 平成 19 年度に自社の天然水製造工場に 260 トンの雪氷熱利用設 備を導入。 • 普及啓発活動や森林保全活動も実施している。 • 西日本では貴重な、雪氷エネルギー活用事例である。 参考となる ポイント -2-43- 3.工場のエネルギーマネジメントに関する動向調査 工場のエネルギーマネジメントシステムは、生産設備の電力、その他全エネルギー の計測・管理と稼働状況・生産数量の監視によってエネルギー原単位の把握及び製造 エネルギー最適化を実現するものであり、同時に、工場の省エネルギー化を実現する ものでもある。 現状では、工場のエネルギーマネジメントのほとんどは、省エネルギー対策が目的 であることから、ここでは省エネルギーを中心とした我が国の動向を調査・整理する。 (1)省エネルギー政策 我が国における省エネルギー政策は、1970 年代の第一次石油危機を契機として、 エネルギーセキュリティ確保を目的として取り組まれ、その後の 30 年間で約 30%を 越えるエネルギー効率の改善を実現し、世界でも最高水準のエネルギー消費効率を達 成してきた(図表Ⅰ.28)。近年では、我が国のエネルギー需要が民生部門などで高 い伸びを示していること、中国・インドをはじめとするアジア太平洋地域のエネルギ ー消費量の著しい増加により逼迫が懸念されている国際エネルギー需給を安定化さ せる必要があること、また、今後、多くの国においてエネルギーの効率化が進むこと が想定されることなどから、我が国でもさらに着実な省エネルギー対策を推進してい く必要がある。 また、京都議定書の第一約束期間における温室効果ガスマイナス 6%削減の目標の 達成に向けては、エネルギー起源CO2のさらなる排出抑制が不可欠である。 こうした状況を踏まえ、現在、我が国では図表Ⅰ.29 に示すような省エネルギー 対策を以って次項のような省エネルギー対策を展開している。 a.省エネルギー法による省エネルギー対策の強化 我が国では現在、 「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネルギー法)」に おいて、産業、民生、運輸に関する規制と、予算・税制などによる支援を両輪とした 総合的な省エネルギー政策を展開している。省エネルギー法はこれまでに 10 回の改 正が行われており、近年では 2005 年と 2008 年に改正されている。 b.省エネルギー技術戦略 「世界一 新・国家エネルギー戦略(注)を受け、資源エネルギー庁では 2007 年 4 月、 の省エネ国家」の実現をめざすことを目標とする「省エネルギー技術戦略 2007」が とりまとめられた。本戦略には、2030 年に向けて官民で共有すべき数値目標が設定 され、省エネルギーの一層の推進を行い、30%以上のエネルギー消費効率の改善を行 うことなどが盛り込まれている。 (注)新・国家エネルギー戦略:2006 年 5 月、経済産業省が 2030 年に向けた目標の 達成を実現するために策定した指針。 -2-44- c.グリーン購入法 公的部門における省エネルギー機器・設備の率先的な導入は、その初期需要創出や 市場拡大に寄与するとともに、地域における普及啓発に資することから、2000 年 5 月、循環型社会形成促進基本法の個別法のひとつとして「国等による環境物品等の調 達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定された。 (2001 年 4 月 1 日施行) これにより、国などの機関が物品などを調達する際には、省エネルギー機器・設備を 含む環境負荷の少ない製品を率先的に導入することが義務づけられている。 d.国際省エネルギー対策の推進 エネルギー需要の増大が見込まれる発展途上国においては、省エネルギーに対する 必要性が高まっている。このため、我が国が有する省エネルギーについての実績、技 術・ノウハウを活用して、これらの発展途上国の省エネルギー推進を図ることを目的 として、さまざまな形での省エネルギー分野の国際協力が行われている。多国間協力 としては、IEA(国際エネルギー機関)及びAPEC(アジア太平洋経済協力会議) 等の国際機関を通じた情報交換・意見交換等が取り組まれている。 図表Ⅰ.28 各国のGDP単位当たり一次エネルギー供給量の比較(2007 年) (指数 日本=1) 17.5 18 16 14 12 10 7.9 8 6.0 6 4 2 1.0 1.8 3.1 7.8 6.0 3.1 3.0 資料:通産資料出版会「省エネルギー総覧 2010-2011」p103 -2-45- 世界 2.一次エネルギー消費量をGDPで除した数値を元に日本を1とした場合の指数。 ロシ ア (注) 1.IEA統計より算出 イ ンド 中国 イ ンド ネ シ ア 中東 タイ 韓国 カ ナダ E U 2 7 2.5 豪州 米国 日本 0 2.0 7.9 図表Ⅰ.29 我が国の省エネルギー政策の全体像 エネルギー 消費量(百万kl) GDP(億円) 600 GDP 1990-2007 1.2倍 400 運輸部門 1990-2007 1.1倍 400 300 民生部門 1990-2007 1.3倍 業務 部門 規制 自主的取組 ○自主行動 計画の推 進・強化 ○燃料の優れた自動車の普及の推進(クリーンエ ネルギー自動車の導入促進) ○自動車交通流の改善、モーダルシフト、物流の 効率化 ○税制(自動車グリーン税制等)・政策金融 ○エコドライブの普及推進 ○省エネ法に基づくエネルギー管理の徹底 →企業単位のエネルギー管理を導入 ○省エネ法に基づく建築物対策 →住宅の省エネ性能向上を促す措置を導入 ○省エネ法に基づくトップランナー制度 ○グリーン購入(公的部門) ○自主行動 計画の推 進・強化 ○高効率機器等の導入促進(住宅・建築物高効率 エネルギーシステム導入促進事業等) ○ESCOの振興 ・省エネルギー対策導入促進事業 ○省エネ法に基づくトップランナー制度 ○エネ革税制・政策金融 ○高効率機器等の導入促進(住宅・建築物高効率 エネルギーシステム導入促進事業、高効率給 湯器導入支援事業等) ○省エネ住宅改修促進税制 ○家電に係る情報提供(省エネルギーラベリング 制度、省エネ家電普及促進フォーラム、省エネ ルギー型製品販売事業者評価制度等) ○省エネ法に基づく住宅対策 →住宅の省エネ性能向上を促す措置を導入 ○省エネ法に基づくトップランナー制度 家庭 部門 200 200 ○省エネ法に基づくエネルギー管理の徹底 ◇第一種エネルギー管理指定工場 (エネルギー使用量3,000kl/年) ・エネルギー管理者の選任義務 ・中長期計画の提出義務 ・エネルギー使用状況等の定期報告 ◇第二種エネルギー管理指定工場 (エネルギー使用量1,500kl/年) ・エネルギー管理員の選任 ・エネルギー使用状況等の定期報告 →企業単位のエネルギー管理を導入 産業部門 1990-2007 1.0倍 100 0 支援 ○省エネ法に基づくエネルギー管理の徹底 (輸送事業者、荷主) ○省エネ法に基づくトップランナー制度 ○自主行動 計画の推 進・強化 0 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07(年度) (出所) 経費産業省 資料:通産資料出版会「省エネルギー総覧 2010-2011」p104 -2-46- ○高効率設備の導入促進・複数事業者連携 ・エネルギー使用合理化事業者支援事業 (高性能工業炉、コージェネレーションシステム 等) ・省エネルギー対策導入促進事業 (省エネ診断) ○エネ革税制 ○政策金融 横断的取組 ○省エネ意 識の向上 に向けた 情報提供・ 国民運動 ○省エネル ギー技術 開発の推 進 ○省エネ国 際協力の 推進 (2)省エネルギー関連法規 a.省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律) 省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)は、石油危機を契機として 1979 年 6 月に、 「内外のエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有 効な利用の確保」と「工場・事業場、輸送、建築物、機械器具についてのエネルギー の使用の合理化を総合的に進めるための必要な措置を講ずる」ことなどを目的に制定 された。 1979 年に省エネルギー法が制定され、現在までに 10 回の改正が行われており、近 年では 2005 年と 2008 年に改正されている。 (a)2005 年改正 2005 年 2 月の京都議定書の発効を踏まえ、各分野におけるエネルギー使用の合理 化を一層進めるため、エネルギー消費量の伸びの著しい運輸分野における対策を導入 するとともに、工場・事業場及び住宅・建築物分野における対策を強化するなどの措 置を講じることを目的として 2005 年 8 月に改正され、 2006 年 4 月 1 日に施行された。 (b)2008 年改正 2008 年から京都議定書の第一約束期間が始まり、さらなるエネルギーの効率的な 消費を促すため、2008 年 5 月に 10 回目となる省エネルギー法の改正が行われ、2009 年 4 月 1 日より一部施行された。この改正では、これまで重点的に省エネルギーを進 めてきた産業部門の工場だけでなく、エネルギー使用量が大幅に増加している民生部 門においてもエネルギーの使用の合理化を一層進めることを目的としている。 省エネ法(2008 年 5 月 30 日改正版)の抜粋を図表Ⅰ.30 に示す。 図表Ⅰ.30 1 目的 (第 1 条) 2 定義 (第 2 条) 省エネ法の概要 この法律は、内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資材の有 効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物及び機械器具についてのエネルギ ーの使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進 めるために必要な措置等を講ずることとし、もつて国民経済の健全な発展に寄与するこ とを目的とする。 この法律において「エネルギー」とは、燃料並びに熱(燃料を熱源とする熱に代えて使 用される熱であって政令で定めるものを除く。以下同じ。)及び電気(燃料を熱源とす る熱を変換して得られる動力を変換して得られる電気に代えて使用される電気であっ て政令で定めるものを除く。以下同じ。 )をいう。 2 この法律において「燃料」とは、原油及び揮発油、重油その他経済産業省令で定め る石油製品、可燃性天然ガス並びに石炭及びコークスその他経済産業省令で定める 石炭製品であって、燃料その他の経済産業省令で定める用途に供するものをいう。 3 基本方針 (第 3 条) 経済産業大臣は、工場又は事業場(以下単に「工場等」という。 ) 、輸送、建築物、機械 器具等に係るエネルギーの使用の合理化を総合的に進める見地から、エネルギーの使用 の合理化に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定め、これを公表しなけれ ばならない。 2 基本方針は、エネルギーの使用の合理化のためにエネルギーを使用する者等が講ず べき措置に関する基本的な事項、エネルギーの使用の合理化の促進のための施策に -2-47- 関する基本的な事項その他エネルギーの使用の合理化に関する事項について、エネ ルギー需給の長期見通し、エネルギーの使用の合理化に関する技術水準その他の事 情を勘案して定めるものとする。 3 経済産業大臣が基本方針を定めるには、閣議の決定を経なければならない。 4 経済産業大臣は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、輸送に係る部分、 建築物に係る部分(建築材料の品質の向上及び表示に係る部分を除く。 )及びエネル ギーの消費量との対比における自動車の性能に係る部分については国土交通大臣に 協議しなければならない。 5 経済産業大臣は、第 2 項の事情の変動のため必要があるときは、基本方針を改定す るものとする。 6 第 1 項から第 4 項までの規定は、前項の規定による基本方針の改定に準用する。 4 工場等に 係る措置 (事業者の判 断の基準とな るべき事項) (第 5 条) 経済産業大臣は、工場等におけるエネルギーの使用の合理化の適切かつ有効な実施を図 るため、次に掲げる事項並びにエネルギーの使用の合理化の目標及び当該目標を達成す るために計画的に取り組むべき措置に関し、工場等においてエネルギーを使用して事業 を行う者の判断の基準となるべき事項を定め、これを公表するものとする。 一 工場等であって専ら事務所その他これに類する用途に供するものにおけるエネ ルギーの使用の方法の改善、エネルギーの消費量との対比における性能が優れて いる機械器具の選択その他エネルギーの使用の合理化に関する事 二 工場等(前号に該当するものを除く。 )におけるエネルギーの使用の合理化に関 する事項であって次に掲げるもの イ 燃料の燃焼の合理化 ロ 加熱及び冷却並びに伝熱の合理化 ハ 廃熱の回収利用 ニ 熱の動力等への変換の合理化 ホ 放射、伝導、抵抗等によるエネルギーの損失の防止 ヘ 電気の動力、熱等への変換の合理化 2 前項に規定する判断の基準となるべき事項は、エネルギー需給の長期見通し、エネ ルギーの使用の合理化に関する技術水準、業種別のエネルギーの使用の合理化の状 況その他の事情を勘案して定めるものとし、これらの事情の変動に応じて必要な改 定をするものとする。 (特定事業者 の指定) (第 7 条) 経済産業大臣は、工場等を設置している者(第 19 条第 1 項に規定する連鎖化事業者を 除く。第 3 項において同じ。 )のうち、その設置しているすべての工場等におけるエネ ルギーの年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までをいう。以下同じ。 )の使用量の合計量 が政令で定める数値以上であるものをエネルギーの使用の合理化を特に推進する必要 がある者として指定するものとする。 2 前項のエネルギーの年度の使用量は、政令で定めるところにより算定する。 3 工場等を設置している者は、その設置しているすべての工場等の前年度における前 項の政令で定めるところにより算定したエネルギーの使用量の合計量が第一項の政 令で定める数値以上であるときは、経済産業省令で定めるところにより、その設置 しているすべての工場等の前年度におけるエネルギーの使用量その他エネルギーの 使用の状況に関し、経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければな らない。ただし、同項の規定により指定された者(以下「特定事業者」という。 )に ついては、この限りでない。 4 特定事業者は、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、経済産業省令で 定めるところにより、経済産業大臣に、第 1 項の規定による指定を取り消すべき旨 の申出をすることができる。 一 その設置しているすべての工場等につき事業の全部を行わなくなつたとき。 二 その設置しているすべての工場等における第 2 項の政令で定めるところにより 算定したエネルギーの年度の使用量の合計量について第 1 項の政令で定める数値 以上となる見込みがなくなったとき。 5 経済産業大臣は、前項の申出があつた場合において、その申出に理由があると認め るときは、遅滞なく、第 1 項の規定による指定を取り消すものとする。前項の申出 -2-48- がない場合において、当該者につき同項各号のいずれかに掲げる事由が生じたと認 められるときも、同様とする。 6 経済産業大臣は、第 1 項の規定による指定又は前項の規定による指定の取消しをし たときは、その旨を当該者が設置している工場等に係る事業を所管する大臣に通知 するものとする。 (エネルギー 管理統括者) (第 7 条の 2) 特定事業者は、経済産業省令で定めるところにより、第 14 条第 1 項の中長期的な計画 の作成事務、その設置している工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関し、エネ ルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視その他経済産業 省令で定める業務を統括管理する者(以下「エネルギー管理統括者」という。)を選任 しなければならない。 2 エネルギー管理統括者は、特定事業者が行う事業の実施を統括管理する者をもつて 充てなければならない。 3 特定事業者は、経済産業省令で定めるところにより、エネルギー管理統括者の選任 又は解任について経済産業大臣に届け出なければならない。 (エネルギー 管理企画推進 者) (第 7 条の 3) 特定事業者は、経済産業省令で定めるところにより、第 13 条第 1 項各号に掲げる者の うちから、エネルギー管理企画推進者を選任しなければならない。 2 特定事業者は、第 13 条第 1 項第 1 号に掲げる者のうちからエネルギー管理企画推 進者を選任した場合には、経済産業省令で定める期間ごとに、当該エネルギー管理 企画推進者に同条第二項に規定する講習を受けさせなければならない。 3 エネルギー管理企画推進者は、前条第 1 項に規定する業務に関し、エネルギー管理 統括者を補佐する。 4 前条第 3 項の規定は、エネルギー管理企画推進者について準用する。 (第 1 種エネル 経済産業大臣は、特定事業者が設置している工場等のうち、第 7 条第 2 項の政令で定め ギ ー 管 理 指 定 るところにより算定したエネルギーの年度の使用量が政令で定める数値以上であるも 工場等の指定) のをエネルギーの使用の合理化を特に推進する必要がある工場等として指定するもの (第 7 条の 4) とする。 2 特定事業者のうち前項の規定により指定された工場等(以下「第一種エネルギー管 理指定工場等」という。)を設置している者(以下「第一種特定事業者」という。) は、当該工場等につき次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、経済産業 省令で定めるところにより、経済産業大臣に、同項の規定による指定を取り消すべ き旨の申出をすることができる。 一 事業を行わなくなったとき。 二 第 7 条第 2 項の政令で定めるところにより算定したエネルギーの年度の使用量 について前項の政令で定める数値以上となる見込みがなくなったとき。 3 経済産業大臣は、前項の申出があつた場合において、その申出に理由があると認め るときは、遅滞なく、第 1 項の規定による指定を取り消すものとする。前項の申出 がない場合において、当該工場等につき同項各号のいずれかに掲げる事由が生じた と認められるときも、同様とする。 4 経済産業大臣は、第 1 項の規定による指定又は前項の規定による指定の取消しをし たときは、その旨を当該工場等に係る事業を所管する大臣に通知するものとする。 5 輸送に係 る措置 (貨物輸送事 業者の判断の 基準となるべ き事項) (第 52 条) 経済産業大臣及び国土交通大臣は、貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化の適切 かつ有効な実施を図るため、次に掲げる事項並びに貨物の輸送に係るエネルギーの使用 の合理化の目標及び当該目標を達成するために計画的に取り組むべき措置に関し、貨物 輸送事業者(本邦内の各地間において発着する他人又は自らの貨物の輸送を、業として、 エネルギーを使用して行う者をいう。以下同じ。 )の判断の基準となるべき事項を定め、 これを公表するものとする。 一 エネルギーの消費量との対比における性能が優れている輸送用機械器具の使用 ニ 輸送用機械器具のエネルギーの使用の合理化に資する運転又は操縦 三 輸送能力の高い輸送用機械器具の使用 四 輸送用機械器具の輸送能力の効率的な活用 2 前項に規定する判断の基準となるべき事項は、エネルギー需給の長期見通し、エネ ルギーの使用の合理化に関する技術水準その他の事業を勘案して定めるものとし、 -2-49- これらの事情の変動に応じて必要な改定をするものとする。 6 建築物に 係る措置 (建築物の建 築をしようと する者等の努 力) 次に掲げる者は、基本方針の定めるところに留意して、建築物の外壁、窓等を通しての 熱の損失の防止及び建築物に設ける空気調和設備その他の政令で定める建築設備(以下 「空気調和設備等」という。)に係るエネルギーの効率的利用のための措置を適確に実 施することにより、建築物に係るエネルギーの使用の合理化に資するよう努めなければ ならない。 一 建築物の建築をしようとする者 (第 72 条) (建築主等及 び特定建築物 の所有者の判 断の基準とな るべき事項) (第 73 条) 二 建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合にあっては、管理者。以下同じ。 ) (製造事業者 等の努力) 建築物の直接外気に接する屋根、壁又は床(これらに設ける窓その他の開口部 を含む。以下同じ。 )の修繕又は模様替をしようとする者 四 建築物への空気調和設備等の設置又は建築物に設けた空気調和設備等の改修を しようとする者 経済産業大臣及び国土交通大臣は、建築物に係るエネルギーの使用の合理化の適切かつ 有効な実施を図るため、前条に規定する措置に関し建築主等(同条第一号、第三号及び 第四号に掲げる者をいう。以下同じ。)及び建築物に係るエネルギーの使用の合理化を 図る必要がある規模の建築物として政令で定める規模以上のもの(以下「特定建築物」 という。 )の所有者の判断の基準となるべき事項(住宅の建築を業として行う建築主(以 下「住宅事業建築主」という。)が住宅であって政令で定めるもの(以下「特定住宅」 という。 )を新築する場合に係るものを除く。 )を定め、これを公表するものとする。 2 7 機械器具 に係る措置 三 第五十二条第二項の規定は、前項に規定する判断の基準となるべき事項に準用す る。 エネルギーを消費する機械器具の製造又は輸入の事業を行う者(以下「製造事業者等」 という。)は、基本方針の定めるところに留意して、その製造又は輸入に係る機械器具 につき、エネルギーの消費量との対比における機械器具の性能の向上を図ることによ り、機械器具に係るエネルギーの使用の合理化に資するよう努めなければならない。 (第 77 条) (製造事業者 等の判断の基 準となるべき 事項) (第 78 条) エネルギーを消費する機械器具のうち、自動車(前条に規定する性能の向上を図ること が特に必要なものとして政令で定めるものに限る。以下同じ。)その他我が国において 大量に使用され、かつ、その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具であっ て当該性能の向上を図ることが特に必要なものとして政令で定めるもの(以下「特定機 器」という。)については、経済産業大臣(自動車にあっては、経済産業大臣及び国土 交通大臣。以下この章及び第八十七条第十一項において同じ。)は、特定機器ごとに、 当該性能の向上に関し製造事業者等の判断の基準となるべき事項を定め、これを公表す るものとする。 2 前項に規定する判断の基準となるべき事項は、当該特定機器のうち前条に規定する 性能が最も優れているものの当該性能、当該特定機器に関する技術開発の将来の見 通しその他の事情を勘案して定めるものとし、これらの事情の変動に応じて必要な 改定をするものとする。 -2-50- 図表Ⅰ.31 特定事業者・特定連鎖化事業者の義務内容 年間エネルギー使用量 1,500kL/年以上 (原油換算kL) 1,500kL/年未満 特定事業者または特定連鎖化事業者(注) 事業者の区分 事業者の 義務 選任すべき者 遵守すべき事項 事業者の目標 - エネルギー管理統括者・エネルギー管理企 - 画推進者 判断基準の遵守(管理標準の設定、省エネ措置の実施等) 中長期的にみて年平均 1%以上のエネルギー消費原単位の低減 行政によるチェック 指導・助言、報告徴収・立入検査、合理化計画の作成指示(指示に従わな い場合、公表・命令)等 (注)特定連鎖化事業者:フランチャイズチェーン等 資料:通産資料出版会「省エネルギー総覧 2010-2011」p173 図表Ⅰ.32 特定事業者・特定連鎖化事業者の義務内容 年間エネルギー使用量 3,000kL/年以上 (原油換算kL) 指定区分 第一種エネルギー管理指定工場等 第一種特定事業者 事業者の区分 第一種指定事業者 製造業等 5 業種 1,500kL 以上~ 1,500kL 3,000kL/年未満 /年未満 第二種エネルギー 管理指定工場等 指定なし 第二種特定事業者 - 全ての業種 全ての業種 左記業種の事務所 (鉱業、製造業、 左記以外の業種 業種 電気供給業、ガス (ホテル、病院、 供 給 業 、 熱 供 給 学校等) 業) 事業者 選任 エネルギー エネルギー エネルギー の義務 すべき者 管理者 管理員 管理員 資料:通産資料出版会「省エネルギー総覧 2010-2011」p173 -2-51- - 図表Ⅰ.33 省エネルギー対策の全体像 -2-52- 図表Ⅰ.34 エネルギー管理指定工場の範囲 エネルギー管理指定工場 (熱と電気を合算して規制) 第1種:3,000kl以上 第2種:1,500kl以上 電気 旧第1種電気管理 指定工場 第1種エネルギー 管理指定工場 1,200万kWh 旧第2種電気管理 指定工場 新たに第1種指定 工場となる工場 第2種エネルギー 管理指定工場 600万kWh 新たに第2種指定 工場となる工場 旧指定対象外 0 1,500kl 3,000kl 熱(燃料) [単位:原油換算] 旧指定対象外 旧第2種熱管理 旧第1種熱管理 指定工場 指定工場 電気:750kl 熱電一体 1,550kl 熱:800kl 今までは熱と電気ともに指定外 改正後は、新たに第2種エネルギー 管理指定工場へ -2-53- (3)省エネルギー助成措置 a.金融上の助成措置 省エネ対策事業に対し、金融上の優遇制度がある。株式会社日本政策金融公庫法第 2条第三号に定める中小企業等に対して、省エネルギー効果の高い設備の導入に必要 な資金について長期・低利融資を行っている。対象として、次に挙げる3種類の融資 がある。 ①省エネルギー設備関連 対象:省エネルギー施設を設置する者(ESCO事業により当該施設をリー ス・レンタルする者を含む) 資金使途:表(b)の省エネルギー施設を取得するために必要な設備資金。た だし、表(b)に掲げる省エネルギー施設であって、次に該当する ものに限る。 ・既存の平均的な設備に対し、省エネルギー効果が25%以上の もの ・設備更新の場合、更新前の設備に対し、省エネルギー効果が4 0%以上のもの ESCO事業:Energy Service Company事業の略。顧客の水道光熱費等の経費 削減を行い、削減実績から対価を得るビジネス形態のこと。 ②省エネリース業者関連 対象:省エネルギー施設を取得するリース・レンタル事業者 資金使途:自走式作業用機械設備を取得するために必要な設備資金 ③特定高性能エネルギー消費設備関連 対象:特定高性能エネルギー消費設備の導入等を行う者 資金使途:特定の高性能工業炉、同ボイラ等を設置するために必要な設備資金 現在の工業炉、ボイラを高性能工業炉、同ボイラと同様の性能にす るための特定の付加設備を設置するための設備資金 (a)制度の概要 対象事業 ①省エネルギー 設備関連 ②省エネリース 業者関連 ③特定高性能エ ネルギー消費 設備関連 対象者 中小企業 金融機関 融資条件 日本政策金融 公庫 (政策公庫) 融資限度:直接貸付 7 億 2 千万円 融資利率:2 億 7 千万円まで特別利率 2 億 7 千万円超は基準利率 融資期間:15 年以内(うち据置期間 2 年以内) 融資限度:直接貸付 7 億 2 千万円 融資利率:2 億 7 千万円まで特省エネ利率B 2 億 7 千万円超は基準利率 融資期間:15 年以内(うち据置期間 2 年以内) (b)省エネルギー施設 -2-54- ・ヒートポンプ方式熱源装置 ・電動送り式金属工作機械 ・省エネルギー型鍛造素材切断機 ・廃熱ボイラ ・省エネルギー型プレス ・省エネルギー型鋳物砂混練装置 ・省エネルギー型工業炉 ・無杼式自動織機 ・省エネルギー型ショットブラス ・コージェネレーションシス ・省エネルギー型ダイカスト テム マシン ト ・省エネルギー型古紙梱包装置 ・染色整理装置 ・プリンタースロッタ ・省エネルギー型ボイラ ・単板乾燥装置 ・省エネルギー型印刷機 ・省エネルギー型アーク溶接機 ・せん断機 ・自走式作業用機械設備 ・省エネルギー型真空焼鈍炉 ・高性能ダイカストマシン ・油圧解体機 ・熟成形機 ・プレス・タッピング複合加 ・大口径掘削機 ・精密打抜プレス ・省エネルギー電気炉 ・省エネルギー型フォークリフト ・省エネルギー型めん類製造 ・高効率生地連続包あん機 工装置 ・自動温度調整装置 ・省エネルギー型鋳型造型機 ・高周波誘導加熱装置 ・省エネルギー型乾燥装置 ・省エネルギー型染色整理装 置 装置 ・多段ホーマー ・省エネルギー型焼成焼上装 置 ・高熱効率型連続蒸米機 (米の蒸煮及び蒸煮後の米 ・省エネルギー型紙製容器製 造装置 ・外断熱システム ・省エネルギー型ジョークラッシ ャー ・省エネルギー型経編機 の取出しを並行して連続的 ・建築物の省エネ性能の向上に資 に行うものに限る) ・省エネルギー型製本装置 ・高性能ねん糸機 ・省エネルギー型成形機 ・高速全自動殖版機 する設備、機器及び建築材料 ・高効率変圧器 b.エネルギー需給構造改革推進投資促進税制(略称:エネ革税制) 省エネルギー設備投資に対する税制上の助成措置として、現在国税では「エネルギ ー需給構造改革投資促進税制」が設けられている。本制度により、対象設備を取得し た場合、特別償却又は法人(所得)税額の特別控除ができる。 -2-55- (a)制度の概要 対象事業 対象者 エネ革税制対象設備の取得 法人又は個人のうち (かつ、1 年以内に事業の用 青色申告書を提出す に供した場合) る者 税制優遇(注 1) ①基準取得価額(計算の基礎となる価 額)の 7%相当額の税額控除 ②普通償却に加えて基準取得価額の 30%相当額を限度として償却できる 特別償却。ただし、平成 21 年 4 月 1 日より平成 23 年 3 月 31 日までの間に 取得等して、その日から 1 年以内に事 業の用に供した場合、事業の用に供し た日を含む事業年度において即時償 却ができる。 注 1)①か②の一方を選択できる。ただし、税額控除の適用は中小企業者等(注 2) に限る。 注 2)中小企業者等の要件:大企業の子会社等を除く資本金もしくは出資金の額が 1 億円以下の法人。または資本若しくは出資を有しない法人か個人事業者で従業員数 が千人以下のものなど。 (b)適用期間 制度の概要、対象設備等については、平成 22 年 3 月 31 日時点のものを示す。 (c)対象設備 対象設備 1.エネルギー有効利用製造設備等 2.エネルギー有効利用付加設備等 3.電気・ガス需要平準化設備 4.新エネルギー利用設備等 5.その他の石油代替エネルギー利用設備等 6.エネルギー使用合理化設備 7.エネルギー使用制御設備 8.配電多重化設備 -2-56- (4 設備) (20 設備) (1 設備) (15 設備) (15 設備) (26 設備) (6 設備) (1 設備) (d)基準取得価額(対象設備の取得価額に下表の割合を掛ける) 区 分 一般 設 備 割合 エネルギー使用合理化設備、エネルギー使用制御設備 100% エネルギー有効利用製造設備等、エネルギー有効利用付加設備等 100% 電気・ガス需要平準化設備、配電多重化設備 50% 新エネルギー利用設備等、その他の石油代替エネルギー利用設備等 100% (e)制度上の留意点 ①対象設備を直接取得した場合にのみ適用が受けられ、リース契約による場合、特 別償却は適用されない。 ②設備取得後 1 年以内に当該法人の事業の用に供した場合に、特別償却又は税額控 除ができる。 ③税額控除を適用する場合、税控除額は当期法人税額の 20%を上限とする。 ④税額控除不足額、特別償却不足額は一年繰り越し可能。 ⑤他の租税特別措置との重複適用は認められない。 ⑥エネルギー有効利用製造設備等、エネルギー有効利用付加設備等、電気・ガス需 要平準化設備についてはメーカー等による証明制度あり。 ⑦エネルギー使用合理化設備については所管行政庁(建築主事を配置し、建築確認 等を行う都道府県)、エネルギー使用制御設備については地方経済産業局による証明 制度あり。 c.補助金制度 省エネ効果又はCO2削減効果の高い事業に対して種々の補助金制度がある。(平 成 21 年度実績) 補助率等 実施機関 エネルギー使用合理化事業者支援事業 事業概要 全業種 補助対象者 (1)事業者単独事 (独)新 既設の工場、事業場における省エネルギー設 ( ESCO 事業者 業 エネルギ 備・技術の導入事業であって、省エネルギー効果 及 びリース 事業者 補助率:1/3 ー産業技 が高く、費用対効果が優れていると認められるも が申請する場合は、 上限額:5 億円 術総合開 のに係る設備導入費等について補助。 設 備設置事 業者と /年 発機構 の共同申請) (大規模事業は 15 億円/年) (2)複数事業者連 携事業 補助率:1/2 上限額:15 億円 /年 -2-57- 事業概要 補助対象者 地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定 地方公共団体等 等事業 補助率等 実施機関 定額 上限額:600 万円 地方公共団体等が新エネルギー・省エネルギー を導入・普及するに当たって、当該地域における その導入・普及を図るための「ビジョン策定」に 要する費用を補助。 新エネルギー等非営利活動促進事業 NPO法人、公益法 1/2 以内 営利を目的としない民間団体等が営利を目的と 人、その他の法人格 上限額:10 百万円 せずに行う、新エネルギー導入や省エネルギー推 を有する民間団体、 進に資する普及啓発事業に要する経費を補助。 又 はこれら に準ず る団体 住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促 建築主、ESCO事 進事業 業者、リース事業者 (1)住宅・建築物高効率エネルギーシステム(空 等 調、給湯、照明及び断熱部材等で構成)を住宅・ (1)建築物に係る もの 補助率:1/3 以 内 建築物に導入する場合に、その経費の一部を補 (2)BEMS導入 助。 支援事業 (2)エネルギー需要の最適な管理を行うためのB 補助率:1/3 以 EMS(業務用ビルエネルギーマネジメントシ 内 ステム)を導入する場合に、その経費の一部を 上限額:1 億円 補助。 /件 エネルギー供給事業者主導型総合省エネルギー 連携推進事業 エネルギー供給事業者が主導して地方公共団体 エ ネルギー 供給事 (1)導入事業 (独)新 業 者、地方 公共団 補助対象経費 エネルギ 体、建築主等 の 1/2 以内 ー産業技 (2)広報等事業 術総合開 等とともに策定した導入計画に基づき実施される 定額 導入事業並びに広報等事業について必要な経費の 発機構 一部又は定額を補助。 高効率給湯器導入促進事業(エコキュート導入 補助金) 全 業種(家 庭を含 む) 補助金交付の対象となっているエコキュート (CO2冷媒ヒートポンプ給湯器)を住宅等に設 (1)家庭用、家庭 用リース定額 (2)業務用(リー ス含む)定額 一般社団 法人 日本エレ クトロヒ 置して使用することを予定している方に対して、 ートセン その購入費用(リース含む)の一部を補助。 ター -2-58- 事業概要 補助対象者 補助率等 高効率空調機導入支援事業 民生・業務用途の建 補助対象経費の 1/ 高い省エネルギー性が認められる高効率空調機 築 物等に導 入する 3 (蒸気圧縮式のヒートポンプ技術を用いた空気調 実施機関 法人又は個人 和設備の室外機あるいは熱源機)を、民生・業務 用途の建築物等に導入する法人又は個人に、その 経費の一部を補助。 (産業用途(倉庫空調・工場空 調等)は対象外) (補助対象機器) (1)当該事業で導入する機器単体の冷房(冷却) 能力が 28kW 以上であること。 (2)冷媒にオゾン層を破壊する物質が使用されて いないこと。 (3)エネルギー消費効率(COP)を一次エネル ギー換算した値が、空冷機器(チリングユニッ ト)1.32 以上、空冷機器(ビルマルチエアコン 等)1.44 以上、水冷機器(チリングユニット) 1.89 以上、水冷機器(ターボ冷凍機)2.21 以上 であること。 (冷暖房兼用の機器については双方 の平均値とする) エネルギー多消費型設備天然ガス化推進補助事 全業種 業 補助率:1/3 以内 一般社団 上限額:1.8 億円 法人 石炭、石油等の燃料を使用する工業炉、ボイラ 等の燃焼設備を、天然ガスを主原料とするガスへ 燃料転換した事業者に対し、その設備変更等に要 の一部を補助。 ス) 潜 熱回収型 給湯器 を購入し、実際に使 下記条件を満たした給湯器で都市ガス振興セン 都市ガス 業 振興セン ター する経費(設備改造費、設備更新費、設計費等) 潜熱回収型給湯器導入支援補助金制度(都市ガ /1 補助事 用する者 ターから補助金交付の対象となる指定を受けた給 湯器の導入に必要な経費の一部を補助。 ・潜熱を回収するための熱交換器を備えている給 湯器 ・給湯熱効率が 90%以上である給湯器 ・都市ガスを使用する給湯器 ・定格給湯能力が 60 号以下である給湯器 -2-59- 定額 事業概要 補助対象者 補助率等 実施機関 ガスエンジン給湯器導入支援補助金制御(都市ガ ガ スエンジ ン給湯 出 力により 定めら 一般社団 ス) 器を購入し、実際に れた額 法人 (下記以外に設置対象施設に関する要件あり) 使用する者 都市ガス (ガスエンジンユニットの指定の条件) 振興セン ・10kW 未満の小出力発電設備であること。 ター ・JIS基準(JIS B 8122)に基づく計測を 行い、総合効率が 80%以上(LHV基準)であ ること。 ・都市ガスを使用すること。 ・ガスエンジンの排熱を回収し、熱の有効利用で きる機構をもっていること。 (貯湯ユニットの指定の条件) ・社団法人日本水道協会品質認証センターの給水 用具(湯沸器等)の認証登録があること。又は 「財団法人日本ガス機器検査協会」の給水装置 認証登録がなされていること。 ・貯湯容量が 120 リットル以上 500 リットル未満 であること。 ・貯湯ユニットはガスエンジンユニットの排熱を 吸収する貯湯槽を持つこと。 ・貯湯槽には、対となるガスエンジンユニットか ら供給されるエネルギー以外の熱を流入させな いこと。 天然ガス型エネルギー面的利用導入モデル事業 本 システム を建築 補助率:1/3 以内 天然ガスコージェネレーションと熱の融通を組 物 に導入し ようと 上限額:2 億円 み合わせた省エネルギー効果、CO2削減効果の する事業者(地方自 /1 補助事 高い天然ガス型エネルギー面的利用システムを導 治体を含む) 業 入するモデル事業の実施に要する経費の一部を補 助。 (補助事業の対象) ・民生用建築物。ただし、賃貸用の集合住宅は建 築物扱いとする。 ・本システムが導入され、2 以上の建築物(以下 「建築物群」という。 )間で熱の融通が行われる こと。 ・本システムが天然ガスコージェネレーション、 排熱利用設備、熱を融通するための導管で構成 されていること。 ・建築物群全体の省エネルギー率が 5%程度以上 であること。 ・建築物群全体のCO2削減率が 10%程度以上で あること。 ・熱供給事業法による熱供給事業でないこと。 -2-60- 事業概要 補助対象者 高効率給湯器導入支援事業(LPガス) (1)潜熱回収型給 下記条件を満たす高効率給湯器で日本LPガス 団体協議会から補助金交付の対象となる指定を受 けた給湯器の導入に必要な経費の一部を補助。 (1)潜熱回収型給湯器 湯器を導入する 者 補助率等 実施機関 (1)定額 日本LP (2)出力により定 ガス団体 められた額 協議会 (2)ガスエンジン 給湯器を導入す ・LPガスを燃料とすること。 る者 ・潜熱を回収するための熱交換器を備えている こと。 ・熱効率が 90%以上であること。 ・定格給湯能力が 60 号以下であること。 (2)ガスエンジン給湯器 (ガスエンジンユニットの指定の条件) ・総合熱効率が 80%以上(低位発熱量基準)で あること。 ・LPガスを燃料として使用すること。 (貯湯ユニットの指定の条件) ・社団法人日本水道協会品質認証センターの給 水用具(湯沸器類)の認証登録があること。 または、財団法人日本ガス機器検査協会の給 水装置認証登録がなされていること。 ・貯湯容量が 120 リットル以上であること。 ・貯湯ユニットはガスエンジンユニット排熱を 吸収する貯湯槽を持つこと。 ・貯湯槽には、対となるガスエンジンユニット から供給されるエネルギー以外の熱を流入 させないこと。 環境対応型高効率業務用ボイラ等導入効果実証事 モニター実施者 業費補助金 補 助対象と なる経 費の 1/5 又は上限 環境対応型高効率業務用ボイラ等(注)を導入 し、その導入効果を検証する者(モニター実施者) 額 のいずれ か低い 金額を上限 に対して補助対象機器の購入費用の一部を補助。 (注)石油連盟が指定した、従来品と比較して 省エネルギー効果が高く、かつNO X排出抑 制効果も高い石油焚き小型貫流ボイラ及び 温水発生機(灯油又はA重油を燃料とする) を指します。 出所:各実施機関のパンフレット・ホームページから要約。 -2-61- 石油連盟 (4)省エネルギー技術開発 a.省エネルギー技術戦略 2011 の概要 戦略策定の趣旨は、 「エネルギー基本計画」に掲げる 2030 年に向けた目標の達成に 資する省エネルギー技術開発と、それらの技術の着実な導入普及及び国際展開を推進 し、世界最高水準の省エネルギー国家の実現と経済成長を目指すための指針である。 また、広範・多岐に渡る省エネルギー技術は、重点化が必要であり、真に省エネル ギーの推進に貢献する重要分野を特定している。 省エネルギー技術戦略 2011 のポイントは、以下のとおりである。 ① 重点的に取り組むべき重要技術を選定し、ロードマップを策定。 【選定基準】 ・2030 年において大きな省エネ効果を発揮する技術。 ・組合せや新たな切り口により大きな省エネ効果を発揮するシステム。 ・長期的に大きな効果や広範な適用が見込める技術。 ② 「技術戦略マップ」 (省エネ部分)と統合し利便性を向上。 ③ システム化による全体最適や、従来にない視点・切り口から、新たな省エネ の可能性を明示。 図表Ⅰ.35 省エネルギー技術戦略 2011 資料:経済産業省「省エネルギー技術戦略 2011 概要」 ※ZEB:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、 ITS:Intelligent Transport Systems -2-62- 今後の展開は、戦略推進上の課題として、開発支援のあり方や社会的制約、国際競 争力を持つ省エネルギー技術の維持強化、省エネルギー技術の普及促進等がある。 また、公的支援のあり方として、事業化までのシナリオと一体化した技術開発の促 進、技術シーズやアイデアの発掘・育成、技術等のシステム化と異業種間連携の推進、 長期的視点に立った最先端技術に対するアプローチ等がある。 国際競争力の維持・強化に向けては、海外市場で勝負できる「卓越した技術」、国 内の産業基盤の維持、国際標準化、コアとなる技術が海外に模倣されない工夫、ジャ パンブランドの海外での浸透、我が国の卓越した技術の正当な評価等が肝要である。 b.重要技術 産業部門、家庭・業務部門、運輸部門、部門横断の重要技術を以下に示す。 (a)産業部門 産業部門は、エクセルギー損失最小化技術、省エネ促進システム化技術、省エネプ ロダクト加速化技術がある。 エクセルギー損失最小化技術は、様々な製造プロセス内で使用されているエネルギ ーの利用形態をエクセルギー(有効仕事)の利活用という面から見直して、エクセル ギー損失の最小化を目指す技術であり、以下の具体例がある。 ・省エネ型製造プロセス ・革新的製鉄プロセス ・産業用ヒートポンプ ・高効率火力発電 省エネ促進システム化技術は、技術の組合せや新たな切り口による仕組み等(蓄熱 や熱輸送を用いた熱活用の柔軟化等)により、大きな省エネルギーを促進すると期待 される技術であり、以下の具体例がある。 ・産業間エネルギーネットワーク ・レーザー加工プロセス 省エネプロダクト加速化技術は、その製造プロセス自身では大幅な省エネルギーは 期待できないが、製品使用階段における省エネルギー効果が極めて高い省エネプロダ クトを生み出すことで省エネルギーに寄与する技術であり、以下の具体例がある。 ・セラミックス製造技術 ・炭素繊維・複合材料製造技術 -2-63- (b)家庭・業務部門 家庭・業務部門は、ZEB・ZEH、快適・省エネヒューマンファクター、省エネ 型情報機器・システム、定置用燃料電池がある。 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル) ・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ ハウス)※1は、住宅・建築物の躯体・設備の省エネルギー性能の向上および負荷制 御や統合制御等を総合的に設計することにより、住宅または建築物のエネルギー消費 量を正味でゼロに近づけるものである。 図表Ⅰ.36 ZEB・ZEH 高断熱・高気密住宅 高効率照明、 次世代照明 パッシブ住宅 家庭空調用 ヒートポンプ ZEH HEMS 給湯用ヒートポンプ 高効率給湯器 HEMS 高効率照明、 次世代照明 パッシブビル 高断熱・高気密ビル ZEB BEMS BEMS 給湯用ヒートポンプ 高効率給湯器 資料:経済産業省「省エネルギー技術戦略 2011 概要」 -2-64- ビル等空調用 ヒートポンプ ※1 ZEB・ZEH:建築物におけるエネルギー消費によるCO2排出量を、建築物・設備の省エネ 性能の向上、エネルギーの面的利用、再生可能エネルギーの活用等により削減 し、年間でのCO2排出量がネットでゼロとなる建築物。 快適・省エネヒューマンファクターは、個人により異なる快適性や嗜好性を尊重し つつ、これらを巧みに活用・応用することによって省エネルギーを進展させる新たな 概念・手法であり、以下の具体例がある。 ・人間理解に基づき、制御技術、センサー技術等を駆使することにより最適な居 住・執務環境を省エネルギーで実現する技術。 省エネ型情報機器・システムは、IT機器の利用等により増大する消費電力量を削 減するため、個別のデバイスや機器の省エネルギー化を進展させる技術である。 定置用燃料電池は、発電効率の向上や熱の利用技術の進展により、一次エネルギー 消費をさらに大幅に削減することができる技術である。 (c)運輸部門 運輸部門は、次世代自動車、ITS※2、インテリジェント物流がある。 次世代自動車は、電気自動車など、従来の自動車から大幅に燃費改善が可能な自動 車であり、以下の具体例がある。 ・電気自動車 ・プラグインハイブリッド自動車 ・燃料電池自動車 ITS(Intelligent Transport Systems)※3は、情報通信技術や制御技術を活用 して、人、物及びそれらを運ぶ交通システム全てに係る流れの最適化を図ると同時に、 事故や渋滞の解消、省エネルギーや環境との共存を図ることを目指した技術であり、 ETC※4やVICS※5等が普及している。以下に具体例を挙げる。 ・省エネ走行支援技術 ・TDM※6(交通需要マネジメント技術) ・交通情報提供・管理情報技術 ・交通制御・管理技術 ・交通流緩和技術 ※2、※3 ITS(Intelligent Transport Systems) :人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、 道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、 様々な課題を解決するための高度道路情報シ ステム。 -2-65- ※4 ETC(Electronic Toll Collection System) :車両に設置された ETC 車載器に ETC カード(IC カード)を挿入し、有料道路の料金所に設置さ れた路側アンテナとの間の無線通信により、車 両を停止することなく通行料金を支払う自動 料金支払いシステム。 ※5 VICS(Vehicle Information and Communication System):渋滞や交通規制などの道路交通 情報をリアルタイムに送信し、 カーナビゲーションなどの車載 機に文字・図形で表示する情報 通信システム。 ※6 TDM(Transportation Demand Management) :車の利用者の交通行動の変更を促すことにより、 道路交通渋滞を緩和する方法。 インテリジェント物流は、ドアからドアの間の輸送、保管、荷役などそれぞれの過 程の荷物情報と輸送機関等の情報などを通信技術により総合的に連携・制御すること で省エネ及び物流の効率化を図る技術である。 ◆求荷・求車・求庫貨物 ◆貨物情報・輸送情報のマッチ ・輸送対象貨物と荷役設備、保管 ング技術 の位置や受け渡し状況 設備の情報連携、一元化、共通 の把握、配送管理、品 システム化 質管理、在庫管理の見 ◆移動実態のトレーサビリティ ・マイクロチップやICタグによ える化 技術 る荷物情報 ◆エネルギー原単位の少 ◆環境パフォーマンス測定技術 ・GPSによる位置情報 ない輸送手段選択 ・エネルギー消費量の見える化 ◆モーダルシフト ・自動車、鉄道、船舶の連携最適 ◆結節点のインテリジェント化 配分および結節点の高度化 ・隊列走行による貨物の集約輸送 -2-66- (d)部門横断 部門横断は、次世代型ヒートポンプシステム、パワーエレクトロニクス、熱・電力 の次世代ネットワークがある。 次世代型ヒートポンプシステムは、ヒートポンプに関わるシステム化技術※7や革 新的要素技術※8の開発により、高効率化・低廉化と温室効果ガス排出量削減とを実 現するシステムであり、以下の具体例がある。 ・家庭・業務用建物・工場空調用HP ・カーエアコン用HP ・給湯用HP ・産業用HP ・冷凍冷蔵庫等用HP ※7 システム化技術:未利用熱利用技術、高効率熱回収・蓄熱技術、低負荷域効率化技術等。 ※8 革新的要素技術:高効率冷凍サイクル、新規冷媒の開発、それらに対応する高性能熱交換器、高 効率圧縮機等の技術開発。 図表Ⅰ.37 次世代型ヒートポンプシステム 資料:経済産業省「省エネルギー技術戦略 2011 概要」 -2-67- パワーエレクトロニクスは、IT化による飛躍的なエネルギー消費の伸びに対応 し、あらゆる分野で使用される電気電子機器に備わる電源の高効率化を支える技術で あり、以下の具体例がある。 ・ワイドギャップ半導体 ・高効率インバータ 熱・電力の次世代ネットワークは、熱の有効利用を図る熱ネットワークや地域内の エネルギー利用最適化を図る次世代エネルギーマネジメントシステム、再生可能エネ ルギー導入を支える次世代送配電ネットワーク等の総合的省エネルギー技術であり、 以下の具体例がある。 ・次世代エネルギーマネジメントシステム ・次世代送配電ネットワーク ・次世代地域熱ネットワーク ・コージェネレーションシステム ・産業用燃料電池(SOFC) ・熱輸送システム ・蓄熱システム 図表Ⅰ.38 次世代エネルギーマネジメントシステムイメージ図 海洋発電 バイオマス発電 電力ネットワーク 電気自動車(EV) 小型風力発電 配電線 蓄電池 工場・事業所 BEMS 風力発電所 熱電併給 地域需給マネジメント 家庭用 太陽光発電 太陽光発電所 充電 ステーション 道路交通 マイクロ水力発電 HEMS スマートメータ 情報ネットワーク -2-68- 温度差発電 (5)工場におけるFEMS活用事例 工場における省エネ事例として、自動車工場の例と事業所の例を以下に示す。それ ぞれ、新電気(オーム社出版)2009 年 2 月号と 2009 年 1 月号からの抜粋である。 a.自動車工場の例 (a)日産自動車(株)追浜工場の概要 電力に関しては、66kV 2 回線で受電し、受変電所で 6.45kVに降圧、28 系統の フィーダを介して 49 か所の二次変電所へ送られる、二次変電所でさらに 400Vに降 圧して工場内の設備へ送電される。図表Ⅰ.39 に系統図の概略を示す。 図表Ⅰ.39 予備線 電気系統図 常用線 GCB 800A (区分A) GCB 800A GCB 800A 20000kV・A 64.5/6.45kV No.1 Tr No.2 Tr No.3 Tr VCB 2500A VCB 600A VCB 600A 受電設備所 受電盤 VCB 600A 工場内 変電所へ 工場内 変電所へ 高圧盤 800A Tr 2000kV・A 6.6kV/400V 高圧盤 800A 高圧盤 800A 低圧盤 FFB600A 低圧盤 FFB600A 低圧盤 FFB600A 400V専用幹線 (生産設備) 200・100V幹線 (区分B) (区分C) Tr 30kV・A 400V/200・100V 資料:新電気(オーム社出版)2009 年 2 月号 -2-69- (b)省エネの必要性 2007 年の同工場のエネルギー別占有率を図表Ⅰ.40 に示す。電気が 56.6%を占め ていることから、省エネを推進するには電気の使用量を抑える必要がある。そこで、 2004 年 4 月に受配電設備運転保全グループで電気設備の省エネに取り組み始める。 まず、図表Ⅰ.41 のように電気系統を 3 分割し、区分ごとにどのような省エネ対策 がとれるのかを検討する。その結果、次項のような省エネ対策が提案される。 図表Ⅰ.40 工場内エネルギー別占有率グラフ 灯油0.9% SRC蒸気3.5% A重油0.1% ガス38.9% 電気56.6% 図表Ⅰ.41 系統を 3 分割 高圧設備幹線6.45kV 一般設備幹線400V 電力会社 受電電圧 66kV 受変電所 電圧 66kV→6.45kV 二次変電所 区分A 溶接設備幹線400V 区分B -2-70- 工場内 一般設備 400/200/100V 区分C (c)具体的な省エネ対策 三つの区分ごとに行った省エネ対策について、コスト面と二酸化炭素排出量削減の 効果を図表Ⅰ.42 に示す。 図表Ⅰ.42 区分ごとの電力量削減対策 効 区 分 受変電所 二次変電所 工場内 対 策 非稼働時間帯送り出し電圧引き下げ 特高トランス高効率設備導入 休日二次変電設備遮断器停止による、工 場の待機電力の削減 高圧トランス高効率設備導入 給排気ファン設備の昼休み停止 遊休トランス停止による省エネ 照明設備照度最適化による省エネ ピークカット調整対応可能設備検討 -2-71- 果 金額 [百万円] 9.7 2.2 CO2 [t-CO2] 405.0 90.2 0.7 27.2 1.8 1.6 0.9 1.1 2.1 72.9 65.4 37.4 45.5 87.3 ア.非稼働時間帯の送り出し電圧引き下げ ・現状把握 工場の電力は 66kVで受電し、受変電所から電圧 6.45kVで二次変電所へ自動制 御で供給されている。二次変電所では、さらに 400Vに降圧し、工場内の機器へ送ら れる。400V幹線の末端電圧保証値は 380~440Vと定められている。この値は機器を 使用する稼働日がベースとなっており、負荷が稼働日の約 3 割となる休日も同じ 6.45 kVで送り出した場合、機器の末端電圧の上昇が予想される。そこで、少しでも電力 の無駄を省くため、休日に送り出し電圧を下げることを検討する。 送り出し電圧を 0.15V引き下げたことにより、年間で 1,083MWhの電力量削減、 405tの二酸化炭素排出量削減を実現している。この取り組みに要した費用は約 145 万円である。 イ.高効率トランスの導入 工場の稼働開始から 40 数年が経過しており、設備の老朽化が進んでいる。トラン スは順次、高効率の新しい機器に更新していく。トランスの台数が多いほど負荷損が 生じることから、機器更新時に 2 台または 3 台の古いトランスを 1 台に集約していく ことで損失を減らしている。 ウ.照明設備 工場内では省エネに優れた 220Wのメタルハライドランプを 1,500 灯導入してい る。以前は 400Wの水銀灯だったので、省エネ効果は絶大である。また、蛍光灯につ いても、設置年月の古いものから順次、銅鉄製安定器をインバータ式の安定器に替え ており、約 9,000 灯の更新が終わっている。 -2-72- b.事業所の例 (a)三菱電機ビルテクノサービス(株)の概要 東京の他地区にあった本社管理部門と東京支社、関連会社の一部を組み入れた事務 所ビルに変貌したことで延床面積は約 2 倍に増え、使用電力量も増大している。 1997 年度をピークに原単位は順調に減少している。これは、後述する蓄熱式空調 システムや高効率の照明設備などの省エネ対策が奏功したものである。しかし、2005 年度からは増加傾向に転じている。 この原単位の増加は、サーバシステムの更新による二重稼働が原因とみられる。新 型のサーバシステムは 1~2 年の慣らし運転を行う。新旧二つのサーバシステムが動 くため、エネルギー使用量は増える。さらに、サーバは 24 時間 365 日休まず動いて いるため、室温に応じて 25~35kWの空調機が 1 台から 3 台、常に稼働している。こ のため、電算室のエネルギー原単位は一般事務室の 4~5 倍に達する。 本社全体でサーバシステムの設置面積は約 1,300m2(全体の 5%強)であるが、全 使用電力量の約 42%を消費している。今後は旧型サーバシステムを停止していくこ とから、エネルギー原単位が大幅に削減される見通しである。 (b)主な省エネ対策 増改築の期間中、特に効果のあった省エネ対策を紹介する。 ア.デマンド※制御システムの導入 空調機を中心にデマンド警報による段階的制御を行っている。契約電力は 1,450kW であるが、負荷が増加してこの数値を超えるとピークカットが実施される。優先順位 は図表Ⅰ.43 のように設定されており、1 位のB館共用部分の空調から順次、電力供 給がストップする。喫煙室やエレベータホールなどの電気が優先的に停止される。 ※デマンド(最大需要電力)とは、電力会社の電気料金算出に使われる電力値のこと。電力会社は契約 者の電気使用を計測するため、最大需要電力計(デマンド計)を設置し 30 分単位における平均使用電 力(kW)を算出する。そして、1 か月の中で最大の値がその月の最大需要電力(デマンド値)となる。 -2-73- 図表Ⅰ.43 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 デマンド制御システムによる遮断順序 主な制御対象機器 B館共用空調(喫煙室・エレベータホール) B館 3~7 階空調(事務室入口) C館共用空調(喫煙室・エレベータホール) A館電算室PAC B館 8 階会議室全熱交換器 C館ミーティングルーム空調 A館 3 階事務室空調 B館 3~7 階事務室空調の一部 C館システムラボ空調 B館 2~7 階会議室空調・全熱交換器 B館 3~7 階事務室空調の一部 C館事務室空調の一部 計 台数 12 23 20 1 4 6 4 10 4 12 10 21 127 削減電力[kW] 23.4 45.3 24.3 26 2 11 14 27.5 8.8 32.2 27.5 26.4 268.4 イ.蓄熱式空調システムの採用 A館、B館、C館すべてで蓄熱式空調システムが採用されている。その概要を図表 Ⅰ.44 に示した。B館では躯体蓄熱も採用されている。これは、一部の天井裏のコ ンクリートスラブに夜間電力を活用して、冷気を吹きつけて躯体を冷やすことで、日 中の冷房電力量を減らすものである。 これらの蓄熱式空調システムでは、午後 10 時から翌朝 8 時までの電力が活用され、 ピーク時の負荷低減が図られる。全 20 台の蓄熱式空調システムにより、2006 年度と 2007 年度平均で、年間 195,000kWhの夜間電力が活用され、77kWの最大需要電力を削 減できている。 図表Ⅰ.44 A館 B館 C館 蓄熱空調機の概要 種 別 ユニット型エコ・アイス ビルマルチ型エコ・アイス 躯体蓄熱式エコ・アイス ビルマルチ型エコ・アイス ビルマルチ型エコ・アイス 計 台数 1 2 1 3 13 20 熱源機容量[kW] 41.2 21.7 12.1 27.8 111.2 214 蓄熱槽容量[t] 10.4 5.2 1 8.7 6.5 31.8 ウ.外光利用の高効率照明システム 全館で外光を利用した高効率Hf型照明システム(三菱電機照明(株)「メルセー ブ」システム)を導入している。同システムは初期設定を行えば、日光の状況によっ て窓側照明の光量を自動的に調整できる。また、昼休みの照度の減光も自動で行える。 同社では午後 0 時 16 分から同 59 分までの 43 分間、毎日 75%の減光を行っている。 この結果、窓側照明は従来の蛍光灯との比較で平均 46%の省エネを達成、全館で の削減電力量は 322,000kWhにのぼっている。 -2-74- Ⅱ.中国地域における中小企業のエネルギー実態調査 1.中小企業アンケート調査 (1)アンケート調査の目的 アンケート調査の目的は、以下のとおりである。 中国地域における中小企業工場のエネルギー消費や省エネルギーの取り組み、 地産エネルギーの活用等の実態を把握するとともに、地産エネルギーを活用し た中小企業工場のFEMS構築の可能性検討に向けてのヒントを得る。 (2)アンケート調査の実施概要 アンケート調査の実施概要は、以下のとおりである。 図表Ⅱ.1 アンケート調査の実施概要 調査時期 2011 年 7 月 18 日~8 月 1 日 調査方法 郵送配布、郵送回収、FAX 回収、Web 回収 配布先 抽出方法 配布数 有効回答数 留意事項 中小企業基本法における「中小企業(製造業その他) 」 以下の条件をもとに、帝国データバンク企業リストから抽出 ・業種は製造業(食品・繊維・パルプ・化学・医薬品・石油・ゴ ム・窯業・鉄鋼・非鉄金属製品・機械・電気機器・造船・輸送 用機器・精密機器・その他製造業) ・資本金の額又は出資の総額が 3 億円以下の会社並びに常時使用 する従業員の数が 300 人以下の会社及び個人 2,500 社(中国 5 県×500 社) 475 社(回収率:19.0% ※FAX 回収 347 社、Web 回収 128 社) エネルギー消費原単位の算出指標となる「燃料・熱の使用量」 「電 気の使用量」「生産出荷額」への回答は必須とする -2-75- a.アンケート先の選定 アンケートを送付する 2,500 社は次の方法により抽出した。 ① 帝国データバンクの企業リストを用いる。 ② 従業員数 300 名以下または資本金 3 億円以下の中小企業を抽出する(図表Ⅱ. 2)。 ③ 発送数 2,500 社を県別・業種別に按分し、それぞれの発送数を確定させる(図表 Ⅱ.3)。 ④ 売上高の上位から、県別・業種別に確定した発送数の企業を抽出する。 図表Ⅱ.2 中国地域における中小企業数(計 10,836 社) 主業業種中分類 武器製造 飲食料品・飼料製造 たばこ製造 繊維工業 繊維製品製造 木材・木製品製造 家具・装飾品製造 パルプ・紙製造 出版・印刷業 化学工業 石油石炭製品製造 ゴム製品製造 皮革・同製品製造 窯業・土石製品製造 鉄・非鉄金属製造 金属製品製造 一般機械器具製造 電気機械器具製造 輸送機械製造 精密・医療機械製造 その他製造 【合計】 鳥取県 0 195 0 5 54 43 20 22 43 5 3 5 1 56 9 60 85 91 12 3 49 761 島根県 0 318 0 2 84 72 30 23 65 4 5 5 2 119 11 66 134 36 27 8 68 1,079 岡山県 0 342 0 114 336 91 94 67 210 56 10 49 11 199 78 300 473 129 137 23 272 2,991 広島県 1 552 0 67 277 204 168 99 321 73 7 51 6 159 119 722 904 241 282 25 398 4,676 山口県 0 319 0 9 38 70 17 13 103 48 8 12 1 94 40 139 183 57 93 5 80 1,329 図表Ⅱ.3 アンケート調査対象となる中小企業数(計 2,500 社) 【合計】 1 1,726 0 197 789 480 329 224 742 186 33 122 21 627 257 1,287 1,779 554 551 64 867 10,836 2,500÷10,836×100=23.1% ※上表に 23.1%を乗じた結果 主業業種中分類 武器製造 飲食料品・飼料製造 たばこ製造 繊維工業 繊維製品製造 木材・木製品製造 家具・装飾品製造 パルプ・紙製造 出版・印刷業 化学工業 石油石炭製品製造 ゴム製品製造 皮革・同製品製造 窯業・土石製品製造 鉄・非鉄金属製造 金属製品製造 一般機械器具製造 電気機械器具製造 輸送機械製造 精密・医療機械製造 その他製造 【合計】 鳥取県 0 45 0 1 12 10 5 5 10 1 1 1 0 13 2 14 20 21 3 1 11 176 島根県 岡山県 0 73 0 0 19 17 7 5 15 1 1 1 0 27 3 15 31 8 6 2 16 247 -2-76- 0 79 0 26 78 21 22 15 48 13 2 11 3 46 18 69 109 30 32 5 63 690 広島県 1 127 0 15 64 47 39 23 74 17 2 12 1 37 27 167 209 56 65 6 92 1,081 山口県 0 74 0 2 9 16 4 3 24 11 2 3 0 22 9 32 42 13 21 1 18 306 【合計】 1 398 0 44 182 111 77 51 171 43 8 28 4 145 59 297 411 128 127 15 200 2,500 b.アンケート設計 アンケート調査の設問は、以下のとおりである。 エネルギー利用に関する質問の他、東日本大震災の企業活動影響についても確認し た。6 項目、計 18 設問につきアンケートを行った。 図表Ⅱ.4 アンケート調査の設問 項 目 1.東日本大震災の影響 について 設 問1 問2 問3 問4 問5 問6 2.省エネルギー対策に ついて 問7 問8 問9 問 10 3.再生可能エネルギー の導入について 問 11 問 12 問 13 4.エネルギー使用実態 について 5.エネルギーマネジメ ントシステム(FE MSについて) 問 14 問 15 問 16 問 17 6.貴社の属性について 問 18 問 内 容 回答方式 東北地方、関東地方に貴社の事業所・工場はありますか? 選択肢 東北地方、関東地方に貴社の取引先はありますか? 選択肢 事業活動において、東日本大震災の影響はありますか? 選択肢 影響がある(可能性がある)場合、具体的にどのような面に影 選択肢 響がありますか? 東日本大震災の影響により、貴社の設備投資計画に変更はあり 選択肢 ますか? 東日本を中心とした夏季の電力需給対策による節電の取り組み (使用最大電力を▲15%以上抑制)を踏まえ、貴社の省エネルギ 選択肢 ーに関する意識に変化はありますか? 貴社の代表的な工場では、日常業務において省エネ行動を行っ 選択肢 ていますか? 貴社の代表的な工場では、どのようなエネルギー管理をされて 選択肢 いますか?回答は中国地域の代表的な工場としてください。 貴社の代表的な工場における設備保有状況と各設備の省エネ対 選択肢 策の可能性を教えてください。 設備投資を必要とする省エネ対策について、どの程度の費用負 選択肢 担なら実施可能と考えますか? 貴社の代表的な工場では、太陽光発電等の再生可能エネルギー を導入していますか?導入している場合は、その設備規模(定 選択肢 格出力等)を教えてください。 再生可能エネルギーを導入している場合、その導入目的を教え 自由記入 てください。 貴社の代表的な工場または工場周辺において、再生可能エネル 選択肢 ギーとして活用できる(できそうな)資源がありますか? 貴社の代表的な工場における年間のエネルギー使用量を、燃料、 選択肢 電力、その他の分類で教えてください。 工場全体のエネルギーの効率的利用を行うためのマネジメント システムであるFEMSについて、そのようなシステムやサー 選択肢 ビスがあった場合に利用したいと思いますか? 貴社の代表的な工場でFEMSを導入する場合の条件はありま 選択肢 すか? 貴社の工場で生産している製品について、省エネルギーや新エ ネルギー、エネルギーマネジメント等の関連製品がありました ら簡単にご紹介ください。また、環境・エネルギー分野に関し 自由記入 て大学・研究機関や関連企業との新製品開発等の共同研究に加 わりたい意向はありますか。 貴社の属性について教えてください。 直接記入 -2-77- c.アンケートの回収結果 回収状況は以下のとおりであり、2,500 社の郵送に対し 475 社より回収でき、回収 率 19.0%となった。 図表Ⅱ.5 都道府県別の回収率 0% 20% 60% 80% 100% 19.3%(34/176社) 鳥取県 24.3%(60/247社) 島根県 岡山県 40% 14.2%(98/690社) 広島県 17.2%(186/1081社) 山口県 16.7%(51/306社) 19.0%(475/2500社) 中国5県 回答のあった 475 社の内、県名の記述のない回答が 44 件、中国地方以外の県(兵庫 県、東京都)が 2 件あった。 図表Ⅱ.6 都道府県別の回収割合 その他 0.4% (2社) 無回答 9.3% (44社) 鳥取県 7.2% (34社) 島根県 12.6% (60社) 山口県 10.7% (51社) 岡山県 20.6% (98社) 広島県 39.2% (186社) -2-78- (3)アンケート調査結果 a.回答先の属性 回答のあった 475 社の属性は以下のとおりである。 回答数は、21 業種の送付数に概ね比例しており、食料品製造業から最も多い 56 社 の回答が得られた。 図表Ⅱ.7 所在地、業種 所在地(工場) 所在地(本社) 鳥取県 7.2% (34社) 無回答 9.3% (44社) その他 0.4% (2社) 島根県 12.6% (60社) 山口県 10.7% (51社) 鳥取県 7.2% (34社) 無回答 9.3% (44社) その他 0.4% (2社) 島根県 12.4% (59社) 山口県 11.2% (53社) 岡山県 20.6% (98社) 岡山県 20.6% (98社) 広島県 38.9% (185社) 広島県 39.2% (186社) 業種番号 (社)60 57 鳥取県 鳥取県 56 山口県 広島県 島根県 広島県 島根県 岡山県 岡山県 山口県 4 ※□数字は中国5県の合計 7 50 49 3 41 40 17 29 8 27 30 9 25 23 4 10 1 398 0 繊維 工業 44 木材・ 家具・ 繊維製 パルプ・ 出版・ 木製品 装飾品 品製造 紙製造 印刷業 製造 製造 182 111 77 51 171 化学 工業 1 2 4 5 1 2 2 1 1 1 1 1 4 1 5 1 1 情報通信機械器具製造業 4 2 2 8 3 電気機械器具製造業 1 2 5 1 電子部品・デバイス・ 電子回路製造業 4 生産用機械器具製造業 1 0 金属製品製造業 1 1 1 3 窯業・土石製品製造業 1 1 50 4 7 6 4 3 なめし革・同製品・毛皮製造業 3 1 10 10 1 3 4 9 プラスチック製品製造業 1 1 2 石油製品・石炭製品製造業 1 10 ゴム製品製造業 2 2 飲食料 たばこ 品・飼 製造 料製造 武器 製造 3 3 4 6 7 化学工業 飲料・たばこ・飼料製造業 食料品製造業 0 5 6 家具・装備品製造業 7 2 2 繊維工業 1 2 2 木材・木製品製造業 (家具を除く) 5 5 7 印刷・同関連業 3 12 11 1 5 11 11 16 はん用機械器具製造業 12 8 1 パルプ・紙・紙加工品製造業 14 2 9 非鉄金属製造業 15 6 5 2 1 1 石油石 皮革・ 窯業・ 鉄・非 一般機 電気機 精密・ ゴム製 金属製 輸送機 その他 炭製品 同製品 土石製 鉄金属 械器具 械器具 医療機 品製造 品製造 械製造 製造 製造 製造 品製造 製造 製造 製造 械製造 43 -2-79- 8 28 4 145 59 297 411 128 127 15 1 無回答 9 1 19 3 10 送付数 2 鉄鋼業 20 24 2 業務用機械器具製造業 20 その他の製造業 22 輸送用機械器具製造業 10 200 年間生産出荷額は、5 億円以上~10 億円未満が 18.9%、10 億円以上~20 億円未満 が 18.3%と多い。業績に関わることもあり、20.6%の 98 社からは回答が得られなか った。 図表Ⅱ.8 年間生産出荷額 年間生産出荷額(中国地域の代表的な工場) 中国5県割合 2億円以上~ ~2億円未満 3億円未満 2.1% (10社) 4.6% (22社) 無回答 20.6% (98社) 200億円以上~ 0.8% (4社) 鳥取県 0% 3億円以上~ 4億円未満 6.9% (33社) 4億円以上~ 5億円未満 5.7% (27社) 100億円以上~ 200億円未満 2.7% (13社) 2.9% (1社) 2億円以上~3億円未満 2.9% (1社) 3億円以上~4億円未満 80% 100% 40% 60% 80% 100% 60% 80% 100% 17.6% (6社) 11.8% (4社) 20億円以上~40億円未満 11.8% (4社) 40億円以上~60億円未満 5億円以上~ 10億円未満 18.9% (90社) 60% 14.7% (5社) 10億円以上~20億円未満 60億円以上~ 80億円未満 2.5% (12社) 40% 11.8% (4社) 4億円以上~5億円未満 5億円以上~10億円未満 80億円以上~ 100億円未満 1.1% (5社) 40億円以上~ 60億円未満 3.8% (18社) 20% ~2億円未満 2.9% (1社) 5.9% (2社) 60億円以上~80億円未満 80億円以上~100億円未満 2.9% (1社) 100億円以上~200億円未満 5.9% (2社) 200億円以上~ 20億円以上~ 40億円未満 11.8% (56社) 無回答 10億円以上~ 20億円未満 18.3% (87社) 島根県 8.8% (3社) 岡山県 0% 20% ~2億円未満 40% 60% 80% 100% 0% 8.3% (5社) 2億円以上~3億円未満 15.0% (9社) 3億円以上~4億円未満 11.7% (7社) 4億円以上~5億円未満 5億円以上~10億円未満 21.4% (21社) 10億円以上~20億円未満 13.3% (8社) 40億円以上~60億円未満 6.1% (6社) 4.1% (4社) 5億円以上~10億円未満 8.3% (5社) 20億円以上~40億円未満 3.1% (3社) 4億円以上~5億円未満 23.3% (14社) 10億円以上~20億円未満 3.1% (3社) 2億円以上~3億円未満 3億円以上~4億円未満 5.0% (3社) 20% ~2億円未満 23.5% (23社) 20億円以上~40億円未満 3.3% (2社) 12.2% (12社) 40億円以上~60億円未満 4.1% (4社) 60億円以上~80億円未満 2.0% (2社) 80億円以上~100億円未満 80億円以上~100億円未満 2.0% (2社) 100億円以上~200億円未満 100億円以上~200億円未満 60億円以上~80億円未満 1.7% (1社) 200億円以上~ 無回答 5.1% (5社) 1.0% (1社) 200億円以上~ 10.0% (6社) 無回答 広島県 12.2% (12社) 山口県 0% ~2億円未満 2億円以上~3億円未満 20% 40% 60% 80% 100% 0.5% (1社) 0% 4.3% (8社) 2億円以上~3億円未満 3億円以上~4億円未満 7.0% (13社) 3億円以上~4億円未満 4億円以上~5億円未満 7.5% (14社) 4億円以上~5億円未満 5億円以上~10億円未満 18.3% (34社) 10億円以上~20億円未満 20億円以上~40億円未満 40億円以上~60億円未満 14.5% (27社) 20億円以上~40億円未満 40億円以上~60億円未満 60億円以上~80億円未満 80億円以上~100億円未満 1.1% (2社) 80億円以上~100億円未満 100億円以上~200億円未満 2.2% (4社) 100億円以上~200億円未満 200億円以上~ 1.1% (2社) 200億円以上~ 無回答 5.9% (3社) 2.0% (1社) 25.5% (13社) 10億円以上~20億円未満 3.2% (6社) 2.2% (4社) 40% 2.0% (1社) 5億円以上~10億円未満 24.2% (45社) 60億円以上~80億円未満 20% ~2億円未満 14.0% (26社) 無回答 -2-80- 19.6% (10社) 7.8% (4社) 9.8% (5社) 7.8% (4社) 3.9% (2社) 15.7% (8社) 工場従業員数は、50~99 人が 21.7%、30~49 人が 20.0%と多い。 図表Ⅱ.9 工場従業員数 工場従業者数(派遣・パート含む) 鳥取県 中国5県割合 無回答 12.6% (59社) 300人以上 4.0% (19社) 0% 200~299人 5.5% (26社) 9人以下 1.7% (8社) 300人以上 100% 60% 80% 100% 60% 80% 100% 14.7% (5社) 20.6% (7社) 30~49人 5.9% (2社) 20~29人 23.5% (8社) 10~19人 5.9% (2社) 9人以下 2.9% (1社) 無回答 50~99人 21.7% (103社) 80% 8.8% (3社) 50~99人 20~29人 11.6% (55社) 60% 11.8% (4社) 100~199人 10~19人 11.6% (55社) 40% 5.9% (2社) 200~299人 100~199人 11.6% (55社) 20% 30~49人 20.0% (95社) 岡山県 島根県 0% 20% 40% 60% 80% 0% 100% 20% 300人以上 3.3% (2社) 300人以上 7.1% (7社) 200~299人 3.3% (2社) 200~299人 7.1% (7社) 20.0% (12社) 30~49人 17% (1社) 9人以下 無回答 1.7% (1社) 無回答 広島県 100~199人 1.0% (1社) 山口県 0% 300人以上 9.2% (9社) 10~19人 9人以下 200~299人 15.3% (15社) 20~29人 25.0% (15社) 10~19人 24.5% (24社) 30~49人 13.3% (8社) 20~29人 22.4% (22社) 50~99人 21.7% (13社) 50~99人 13.3% (13社) 100~199人 10.0% (6社) 100~199人 20% 40% 60% 80% 100% 3.8% (7社) 6.5% (12社) 12.4% (23社) 20% 300人以上 2.0% (1社) 200~299人 2.0% (1社) 25.5% (13社) 21.6% (11社) 30~49人 20~29人 11.3% (21社) 20~29人 10~19人 11.8% (22社) 10~19人 2.0% (1社) 9人以下 2.0% (1社) 無回答 2.2% (4社) 5.4% (10社) 無回答 -2-81- 40% 19.6% (10社) 50~99人 20.4% (38社) 30~49人 0% 100~199人 26.3% (49社) 50~99人 9人以下 40% 17.6% (9社) 7.8% (4社) 省エネ法事業者区分は約 50%(46.7%)が「わからない」の回答であり、省エネ法 が認知されていないと推定される。第一種特定事業者(年間エネルギー使用量 3,000kL/年原油以上)が 5.9%(28 社)、第二種特定事業者(年間エネルギー使用量 1,500 以上~3,000kL/年原油未満)が 7.6%(36 社)である。 図表Ⅱ.10 省エネ法事業者区分 省エネ法事業者区分 中国5県割合 鳥取県 第一種特定 事業者 5.9% (28社) 0% 第二種特定 事業者 7.6% (36社) 無回答 19.8% (94社) 第一種特定 事業者 40% 60% 80% 100% 80% 100% 80% 100% 11.8% (4社) 第二種特定 事業者 5.9% (2社) 省エネ法 対象外事業者 省エネ法 対象外事業者 20.0% (95社) 20% 20.6% (7社) 50.0% (17社) わからない 無回答 11.8% (4社) わからない 46.7% (222社) 島根県 岡山県 0% 第一種特定 事業者 20% 40% 60% 80% 100% 第一種特定 事業者 5.0% (3社) 第二種特定 事業者 省エネ法 対象外事業者 53.3% (32社) 10.0% (6社) 省エネ法 対象外事業者 20% 無回答 40% 60% 80% 100% 11.2% (11社) 0% 第一種特定 事業者 3.2% (6社) 第二種特定 事業者 7.5% (14社) 省エネ法 対象外事業者 19.9% (37社) 56.5% (105社) わからない 無回答 46.9% (46社) 山口県 0% 第二種特定 事業者 60% 22.4% (22社) わからない 広島県 第一種特定 事業者 40% 10.2% (10社) 省エネ法 対象外事業者 23.3% (14社) わからない 20% 9.2% (9社) 第二種特定 事業者 8.3% (5社) 無回答 0% 20% 40% 11.8% (6社) 9.8% (5社) 27.5% (14社) 35.3% (18社) わからない 12.9% (24社) 無回答 -2-82- 15.7% (8社) 60% b.アンケート結果 (a)東日本大震災の影響について 東北地方に事業所・工場のある会社は 1.1%、関東地方に事業所・工場のある会社 は 12.4%、両方の地方に事業所・工場のある会社は 3.6%で、合わせて約 17%の会 社が東北地方・関東地方に事業所・工場がある。 図表Ⅱ.11(1) 東日本大震災の影響について 問 1.東北地方、関東地方に貴社の事業所・工場はありますか? 中国5県割合 無回答 1.3% (6社) 東北地方に 事業所・工場 がある 1.1% (5社) 鳥取県 関東地方に 事業所・工場 がある 12.4% (59社) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東北地方に事業所・ 工場がある 関東地方に事業所・ 工場がある 東北・関東地方の 両方に事業所・ 工場がある 3.6% (17社) 11.8% (4社) 東北・関東地方の両方に 事業所・工場がある どちらにも事業所・ 工場はない 88.2% (30社) 無回答 どちらにも 事業所・工場 はない 81.7% (388社) 島根県 0% 20% 40% 60% 80% 100% 東北地方に事業所・ 工場がある 岡山県 0% 東北地方に事業所・ 工場がある 関東地方に事業所・ 工場がある 1.7% (1社) 関東地方に事業所・ 工場がある 東北・関東地方の両方に 事業所・工場がある 1.7% (1社) 東北・関東地方の両方に 事業所・工場がある どちらにも事業所・ 工場はない 20% 40% 60% 80% 100% 東北地方に事業所・ 工場がある 東北・関東地方の両方に 事業所・工場がある 80% 100% 3.1% (3社) 12.2% (12社) 4.1% (4社) 80.6% (79社) 山口県 0% 20% 40% 60% 80% 東北地方に事業所・ 工場がある 関東地方に事業所・ 工場がある 14.0% (26社) 東北・関東地方の両方に 事業所・工場がある 3.8% (7社) どちらにも事業所・ 工場はない 無回答 60% 無回答 0% 関東地方に事業所・ 工場がある 40% どちらにも事業所・ 工場はない 96.7% (58社) 無回答 広島県 20% 80.1% (149社) 2.2% (4社) 7.8% (4社) どちらにも事業所・ 工場はない 無回答 -2-83- 19.6% (10社) 68.6% (35社) 3.9% (2社) 100% 東北地方に取引先のある会社は 5.1%、関東地方に取引先のある会社は 21.9%、両 方の地方に取引先のある会社は 39.4%で、合わせて約 70%の会社が東北地方・関東 地方に取引先がある。 図表Ⅱ.11(2) 東日本大震災の影響について 問 2.東北地方、関東地方に貴社の取引先はありますか? 中国5県割合 鳥取県 無回答 1.9% (9社) 東北地方に 取引先がある 5.1% (24社) 0% 東北地方に取引先がある 関東地方に 取引先がある 21.9% (104社) どちらにも 取引先はない 31.8% (151社) 20% 40% 60% 80% 100% 60% 80% 100% 80% 100% 8.8% (3社) 関東地方に取引先がある 26.5% (9社) 東北・関東地方の両方に 取引先がある 38.2% (13社) 26.5% (9社) どちらにも取引先はない 無回答 東北・関東地方 の両方に取引先 がある 39.4% (187社) 島根県 0% 東北地方に取引先がある 20% 40% 岡山県 48.3% (29社) 40% 60% 80% 100% 3.8% (7社) 44.9% (44社) 27.6% (27社) 0% 20% 27.5% (14社) 東北・関東地方の両方に 取引先がある 34.9% (65社) 37.3% (19社) 23.5% (12社) どちらにも取引先はない 3.2% (6社) 無回答 -2-84- 40% 7.8% (4社) 関東地方に取引先がある 39.2% (73社) どちらにも取引先はない 山口県 東北地方に取引先がある 18.8% (35社) 東北・関東地方の両方に 取引先がある 23.5% (23社) 無回答 20% 関東地方に取引先がある 40% 4.1% (4社) どちらにも取引先はない 1.7% (1社) 0% 20% 東北・関東地方の両方に 取引先がある 25.0% (15社) 無回答 0% 関東地方に取引先がある 20.0% (12社) どちらにも取引先はない 無回答 100% 東北地方に取引先がある 東北・関東地方の両方に 取引先がある 東北地方に取引先がある 80% 5.0% (3社) 関東地方に取引先がある 広島県 60% 3.9% (2社) 60% 東日本大震災の影響があると回答のあった会社は、現時点、今後も合せ 58.3%で、 約 60%の会社が影響があると考えている。 図表Ⅱ.11(3) 東日本大震災の影響について 問 3.事業活動において、東日本大震災の影響はありますか? 中国5県割合 鳥取県 無回答 わからない 1.7% (8社) 5.3% (25社) 0% 20% 40% 今後、影響がでる 可能性がある 現時点で 影響がある 46.9% (223社) 80% 100% 80% 100% 80% 100% 50.0% (17社) 現時点で影響がある ほとんど 影響はない 34.7% (165社) 60% 11.8% (4社) 29.4% (10社) ほとんど影響はない 8.8% (3社) わからない 無回答 今後、影響がでる 可能性がある 11.4% (54社) 島根県 0% 20% 40% 60% 80% 100% 35.0% (21社) 現時点で影響がある 今後、影響がでる 可能性がある 3.3% (2社) 20% 40% 60% 80% 100% 36.7% (36社) 4.1% (4社) 山口県 0% 20% 40% 今後、影響がでる 可能性がある 37.1% (69社) 11.8% (6社) 23.5% (12社) ほとんど影響はない 5.4% (10社) わからない 3.2% (6社) 無回答 -2-85- 60% 51.0% (26社) 現時点で影響がある 8.1% (15社) ほとんど影響はない 無回答 7.1% (7社) わからない 46.2% (86社) 現時点で影響がある わからない 60% 無回答 0% 今後、影響がでる 可能性がある 40% ほとんど影響はない 無回答 広島県 20% 52.0% (51社) 今後、影響がでる 可能性がある 36.7% (22社) わからない 0% 現時点で影響がある 25.0% (15社) ほとんど影響はない 岡山県 9.8% (5社) 3.9% (2社) 東日本大震災の企業活動に及ぼす影響は、 「資材・原材料調達」21.7%、 「販売・受 注」25.1%の比率が高い。これ以外の「燃料調達」 「在庫管理」他の回答を含めると、 約 70%の会社が影響があると考えている。その他の回答の意見には「風評被害」等 もあった。 図表Ⅱ.11(4) 東日本大震災の影響について 問 4.影響がある(可能性がある)場合、具体的にどのような面に影響がありま すか?(複数回答可) 中国5県割合 雇用・人員配置 3.5% (25社) 鳥取県 20 生産管理 6.2% (44社) 無回答 27.9% (199社) 16 12 資材・原材料調達 21.7% (155社) 8 その他 1.5% (11社) 4 情報・通信 0.4% (3社) 燃料調達 0.7% (5社) 物流・配送 5.5% (39社) 0 雇用・ 資材・ 資金 (社) 人員配 生産管 原材料 燃料調 販売・ 在庫管 繰・資 設備管 物流・ 情報・ その他 無回答 置 設備管理 0.8% (6社) 企業数 資金繰・資金決済 3.5% (25社) 2 理 3 調達 16 達 受注 理 1 14 3 金決済 4 理 配送 通信 0 4 0 1 13 販売・受注 25.1% (179社) 在庫管理 3.1% (22社) 岡山県 島根県 30 50 25 40 20 30 15 20 10 10 5 0 雇用・ 資材・ 資金 生産管 燃料調 販売・ 在庫管 設備管 物流・ 情報・ (社) 企業数 人員配 置 1 理 原材料 調達 達 受注 2 20 2 18 理 繰・資 金決済 理 配送 通信 0 1 1 4 1 その他 無回答 0 雇用・ 資材・ 資金 (社) 人員配 生産管 原材料 燃料調 販売・ 在庫管 繰・資 設備管 物流・ 情報・ その他 無回答 置 2 25 広島県 企業数 8 理 13 調達 29 達 受注 理 2 39 8 金決済 7 理 配送 通信 0 9 1 3 40 山口県 100 30 25 80 20 60 15 40 10 20 5 0 雇用・ 資材・ 資金 (社) 人員配 生産管 原材料 燃料調 販売・ 在庫管 繰・資 設備管 物流・ 情報・ その他 無回答 置 企業数 12 理 13 調達 55 達 受注 理 0 69 7 金決済 9 理 配送 通信 4 9 0 0 雇用・ 資材・ 資金 (社) 人員配 生産管 原材料 燃料調 販売・ 在庫管 繰・資 設備管 物流・ 情報・ その他 無回答 置 4 85 企業数 0 理 4 調達 16 達 受注 理 0 24 1 金決済 2 理 配送 通信 0 7 1 1 19 その他の回答 ・部品調達。 ・親会社が宮城県に有り、6 月末まで影響があり。 ・在庫増加。 ・食肉の販売。 ・放射性物質により廃材処理の引き取りが困難、もしくは費用負担増。 ・顧客の部品調達の影響により、納期変更が多発している。 -2-86- ・資材不足による引渡しが完成しないため現金回収の遅れ。 ・売上減少。 ・家を建てようとする雰囲気にない。 ・電力使用。 ・風評被害(茶のセシウム)。 東日本大震災の設備投資への影響は、約 80%が影響ないと考えている。 図表Ⅱ.11(5) 東日本大震災の影響について 問 5.東日本大震災の影響により、貴社の設備投資計画に変更はありますか? 中国5県割合 未定 10.5% (50社) 鳥取県 無回答 2.1% (10社) 0% 20% 40% 60% 変更なし 変更あり (中止・延期) 5.5% (26社) 100% 67.6% (23社) 変更あり (増強) 変更あり (増強) 1.1% (5社) 80% 2.9% (1社) 変更あり (中止・延期) 14.7% (5社) 8.8% (3社) 未定 5.9% (2社) 無回答 変更なし 80.8% (384社) 島根県 岡山県 0% 20% 40% 60% 80% 変更なし 100% 85.0% (51社) 0% 1.7% (1社) 変更あり (増強) 変更あり (中止・延期) 1.7% (1社) 変更あり (中止・延期) 11.7% (7社) 20% 変更なし 未定 無回答 100% 2.0% (2社) 8.2% (8社) 9.2% (9社) 山口県 0% 変更あり (中止・延期) 80% 無回答 広島県 変更あり (増強) 60% 80.6% (79社) 未定 無回答 40% 変更なし 変更あり (増強) 未定 20% 40% 60% 80% 100% 83.9% (156社) 0% 20% 変更なし 変更あり (中止・延期) 3.2% (6社) 9.1% (17社) 未定 3.2% (6社) 無回答 -2-87- 60% 80% 72.5% (37社) 変更あり (増強) 0.5% (1社) 40% 7.8% (4社) 15.7% (8社) 3.9% (2社) 100% 東日本大震災により約 60%の会社が、これまで以上に省エネ意識が高まったと回 答している。 図表Ⅱ.11(6) 東日本大震災の影響について 問 6.東日本を中心とした夏季の電力需給対策による節電の取り組み(使用最大 電力を▲15%以上抑制)を踏まえ、貴社の省エネルギーに関する意識に変 化はありますか? 鳥取県 中国5県割合 その他 無回答 1.1% (5社) 1.5% (7社) わからない 7.8% (37社) 0% 20% 40% 60% これまで以上に省エネ 意識が高まっている 100% 61.8% (21社) これまでと比べ省エネ 意識に変化はない 29.4% (10社) 8.8% (3社) わからない これまでと比べ 省エネ意識に 変化はない 28.2% (134社) 80% その他 これまで以上に 省エネ意識が 高まっている 61.5% (292社) 無回答 岡山県 島根県 0% 20% 40% これまで以上に省エネ 意識が高まっている 60% 80% 40% 60% その他 1.7% (1社) その他 無回答 1.7% (1社) 無回答 100% 23.5% (23社) 8.2% (8社) わからない 8.3% (5社) 80% 68.4% (67社) これまでと比べ省エネ 意識に変化はない 38.3% (23社) わからない 20% これまで以上に省エネ 意識が高まっている 50.0% (30社) これまでと比べ省エネ 意識に変化はない 0% 100% 山口県 広島県 0% 20% 40% これまで以上に省エネ 意識が高まっている 80% 100% 61.3% (114社) これまでと比べ省エネ 意識に変化はない わからない 60% 0% 20% これまで以上に省エネ 意識が高まっている 7.5% (14社) わからない その他 2.2% (4社) その他 無回答 2.7% (5社) 無回答 その他回答 ・昨年より取り組んでいる。 ・すでに節約のため、限界まで行っている。 ・多少あり。 ・省エネ意識はある。 ・常識的な対応をしている。 -2-88- 60% 80% 62.7% (32社) これまでと比べ省エネ 意識に変化はない 26.3% (49社) 40% 29.4% (15社) 5.9% (3社) 2.0% (1社) 100% (b)省エネルギー対策について 省エネ行動について、「特に意識して行っている」会社が 17.3%。「ある程度行っ ている」会社が 37.1%である。 「できるところから少し行っている」の 36.4%を含め ると約 90%の会社が省エネに関心を持っている。 図表Ⅱ.12(1) 省エネルギー対策について 問 7.貴社の代表的な工場では、日常業務において省エネ行動を行っています か? 鳥取県 中国5県割合 0% 無回答 あまり行って 1.5% (7社) いない 7.8% (37社) 特に意識して 行っている 17.3% (82社) 特に意識して行っている 20% 40% 80% 100% 80% 100% 80% 100% 14.7% (5社) 44.1% (15社) ある程度行っている できるところから少し 行っている できるところから 少し行っている 36.4% (173社) 60% 35.3% (12社) あまり行っていない 5.9% (2社) 無回答 ある程度 行っている 37.1% (176社) 岡山県 島根県 0% 特に意識して行っている 20% 40% 60% 80% できるところから少し 行っている 40% 44.9% (44社) できるところから少し 行っている 50.0% (30社) 27.6% (27社) あまり行っていない 11.7% (7社) 4.1% (4社) 無回答 無回答 広島県 60% 22.4% (22社) ある程度行っている 26.7% (16社) あまり行っていない 20% 特に意識して行っている 11.7% (7社) ある程度行っている 0% 100% 1.0% (1社) 山口県 0% 特に意識して行っている 20% 80% 100% 0% 特に意識して行っている 39.2% (73社) できるところから少し 行っている 無回答 60% 15.1% (28社) ある程度行っている あまり行っていない 40% 20% 29.4% (15社) できるところから少し 行っている あまり行っていない 9.1% (17社) 無回答 2.7% (5社) -2-89- 60% 13.7% (7社) ある程度行っている 33.9% (63社) 40% 45.1% (23社) 9.8% (5社) 2.0% (1社) 約 40%の工場が「①エネルギー原単位の管理」を実施している。約 30%の工場が 「②エネルギー管理記録を有効に活用」、 「④省エネルギー管理の目標を設定」してい る。FEMSとも関連する「③機器システムの効率を計測・管理」している工場も約 20%ある。 図表Ⅱ.12(2) 省エネルギー対策について 問 8.貴社の代表的な工場では、どのようなエネルギー管理をされていますか? 回答は中国地域の代表的な工場としてください。 実施している 中国5県 0% 20% ①エネルギー原単位の 管理を実施している ④省エネルギーの管理 目標を設定している ①エネルギー原単位の 管理を実施している ④省エネルギーの管理 目標を設定している 0% 10 20% ①エネルギー原単位の 管理を実施している ④省エネルギーの管理 目標を設定している 15 20% 40% 21 1 ④省エネルギーの管理 目標を設定している 80% 100% 80% 29 9 ③機器システムの効率 を計測・管理している 2 ④省エネルギーの管理 目標を設定している 100% 1 2 2 23 0% 2 -2-90- 17 20% 40% 22 60% 80% 3 15 29 9 8 11 0% 40% 61 14 56 5 60% 80% 105 27 9 103 36 100% 6 94 34 61 5 34 20% 40 5 40 10 100% 6 30 7 ②エネルギー管理記録 を有効に活用している 2 24 24 広島県 20 207 ①エネルギー原単位の 管理を実施している 1 60% 8 9 17 12 42 5 17 11 ③機器システムの効率 を計測・管理している 60 39 ②エネルギー管理記録 を有効に活用している 1 49 16 0% ②エネルギー管理記録 を有効に活用している 44 13 20 ①エネルギー原単位の 管理を実施している ③機器システムの効率 を計測・管理している 60% 6 35 ④省エネルギーの管理 目標を設定している 山口県 40% 48 ②エネルギー管理記録 を有効に活用している 1 16 11 島根県 1 13 12 100% ①エネルギー原単位の 管理を実施している 11 9 5 ③機器システムの効率 を計測・管理している 80% 6 11 ③機器システムの効率 を計測・管理している 98 60% 16 ②エネルギー管理記録 を有効に活用している 岡山県 40% 18 266 153 20% 14 229 93 無回答 100% 227 74 96 実施していない 80% 43 153 ③機器システムの効率 を計測・管理している 0% 60% 191 ②エネルギー管理記録 を有効に活用している 鳥取県 40% 検討中である 9 82 7 90%以上の工場が「①空調設備」 「②照明設備」 「④コンプレッサー」を保有してい る。 「①空調設備」 「②照明設備」は保有する設備の 80%以上が省エネの可能性がある。 次に保有率の高いのが「③ポンプファン」 「⑨受変電設備」 「⑩電動機」であり約 70% の工場が保有している。熱供給設備では、「⑤ボイラ」「⑪電気加熱設備」を約 40% の工場が保有している。 図表Ⅱ.12(3) 省エネルギー対策について 問 9.貴社の代表的な工場における設備保有状況と各設備の省エネ対策の可能性 を教えてください。 中国5県 0% 31 79 43 ⑫ 冷却設備 79 47 ⑬ 保冷・冷凍設備 ⑦ 蒸気系統 ⑧ 熱交換器 80% 2 4 13 2 1 2 17 6 2 9 9 12 ⑪ 電気加熱設備 7 5 ⑫ 冷却設備 7 5 5 20% ③ ポンプ・ファン ④ コンプレッサー ⑤ ボイラ 1 ⑥ 工業炉 1 ⑦ 蒸気系統 1 2 2 ⑪ 電気加熱設備 22 14 24 -2-91- 40% ⑬ 保冷・冷凍設備 60% 80% 100% 16 8 29 4 6 42 7 5 40 6 4 15 8 4 5 3 3 5 38 42 2 3 6 1 13 20 9 8 4 2 2 27 17 2 1 37 12 3 2 45 9 2 5 33 4 5 2 3 25 10 6 1 9 4 26 13 ⑫ 冷却設備 1 29 47 ⑩ 電動機 1 2 18 22 ⑧ 熱交換器 3 17 35 ⑨ 受変電設備 20 20 ② 照明設備 1 5 10 18 1 2 0% ① 空調設備 2 1 21 12 島根県 2 2 21 8 1 2 27 3 6 2 4 14 6 ⑩ 電動機 100% 9 1 ⑨ 受変電設備 ⑬ 保冷・冷凍設備 60% 28 23 345 7 5 24 19 292 45 16 3 16 43 281 26 8 27 53 128 59 14 ⑤ ボイラ 90 66 40% 16 22 128 20 ④ コンプレッサー 12 15 183 158 ⑩ 電動機 80 22 12 326 131 ⑪ 電気加熱設備 19 327 45 ⑨ 受変電設備 27 374 54 ⑧ 熱交換器 27 265 27 65 ⑦ 蒸気系統 ⑥ 工業炉 204 104 12 8 15 6 10 80 218 ⑥ 工業炉 ② 照明設備 34 75 180 保有していない 100% 109 161 ⑤ ボイラ ③ ポンプ・ファン 80% 369 ④ コンプレッサー 20% 60% 312 ③ ポンプ・ファン 0% 無回答 40% ② 照明設備 ① 空調設備 保有している(省エネの可能性なし) わからない 20% ① 空調設備 鳥取県 保有している(省エネの可能性あり) 4 4 2 3 岡山県 0% 20% 40% ⑤ ボイラ 5 19 7 34 ⑩ 電動機 34 7 1 20 32 21 ⑬ 保冷・冷凍設備 1 63 23 56 13 9 0% 20% 40% 60% ③ ポンプ・ファン 18 ⑤ ボイラ 4 10 13 2 3 3 2 1 2 1 1 25 22 7 15 8 9 34 10 6 1 1 38 ⑩ 電動機 5 100% 38 5 ⑫ 冷却設備 ⑬ 保冷・冷凍設備 41 5 5 ⑨ 受変電設備 6 27 4 7 ⑦ 蒸気系統 ⑫ 冷却設備 8 7 35 4 2 3 2 1 30 2 3 1 2 1 2 -2-92- 13 11 6 8 130 11 129 70 32 45 29 56 25 24 111 24 15 12 9 143 55 17 12 107 51 ⑨ 受変電設備 ⑪ 電気加熱設備 3 23 13 22 2 1 13 21 ④ コンプレッサー 23 ⑧ 熱交換器 5 16 14 ⑦ 蒸気系統 6 20 33 ② 照明設備 5 2 76 31 9 6 6 5 8 3 6 38 83 12 100% 16 30 65 32 ⑤ ボイラ 1 80% 38 139 ④ コンプレッサー ⑩ 電動機 保有していない 60% 59 ⑥ 工業炉 80% 28 ① 空調設備 1 2 76 40% 121 ② 照明設備 5 60 20% 5 9 7 29 14 18 ⑫ 冷却設備 2 66 0% ③ ポンプ・ファン 3 2 1 1 14 ⑨ 受変電設備 ⑪ 電気加熱設備 4 78 14 ⑧ 熱交換器 1 1 4 52 広島県 ① 空調設備 3 9 49 17 9 ⑦ 蒸気系統 ⑬ 保冷・冷凍設備 100% 4 14 43 26 ⑥ 工業炉 ⑪ 電気加熱設備 80% 43 ④ コンプレッサー ⑧ 熱交換器 無回答 87 33 ③ ポンプ・ファン ⑥ 工業炉 保有している(省エネの可能性なし) わからない 18 ② 照明設備 山口県 60% 73 ① 空調設備 保有している(省エネの可能性あり) 116 136 7 10 14 9 11 13 11 24 9 22 8 10 11 12 10 6 12 省エネの設備投資は、 「1~4 年程度の回収」が 34.3%と最も高い。次いで「5~10 年程度」が 24.8%である。 「省エネの設備投資をしない」会社も 28.2%と高い。次ペ ージのその他回答の意見には、「補助の必要性」が上げられており、国等の補助があ れば設備投資は進むと思われる。 図表Ⅱ.12(4) 省エネルギー対策について 問 10.設備投資を必要とする省エネ対策について、どの程度の費用負担なら実 施可能と考えますか? 中国5県割合 無回答 2.1% (10社) その他 3.4% (16社) 投資回収できれは 15年を超えても 実施する 10~15年程度で 1.7% (8社) 投資回収できれば 鳥取県 0% 実施する 5.5% (26社) 20% 投資回収できれは15年を 超えても実施する 2.9% (1社) 10~15年程度で投資 回収できれば実施する 2.9% (1社) 5~9年程度で投資 回収できれば実施する 40% 80% 100% 60% 80% 100% 60% 80% 100% 29.4% (10社) 1~4年程度で投資 回収できれば実施する 省エネ対策のため だけの投資は 考えていない 28.2% (134社) 60% 38.2% (13社) 5~9年程度で 省エネ対策のためだけの 投資回収できれば 投資は考えていない 実施する その他 24.8% (118社) 2.9% (1社) 無回答 2.9% (1社) 20.6% (7社) 1~4年程度で 投資回収できれば 実施する 34.3% (163社) 島根県 岡山県 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 投資回収できれは15年を 超えても実施する 投資回収できれは15年を 超えても実施する 10~15年程度で投資 回収できれば実施する 10~15年程度で投資 回収できれば実施する 6.7% (4社) 5~9年程度で投資 回収できれば実施する 6.1% (6社) 24.5% (24社) 1~4年程度で投資 回収できれば実施する 26.7% (16社) 省エネ対策のためだけの 投資は考えていない 34.7% (34社) 省エネ対策のためだけの 投資は考えていない 30.0% (18社) その他 27.6% (27社) その他 無回答 3.3% (2社) 40% 2.0% (2社) 5~9年程度で投資 回収できれば実施する 33.3% (20社) 1~4年程度で投資 回収できれば実施する 20% 4.1% (4社) 無回答 1.0% (1社) 山口県 広島県 0% 投資回収できれは15年を 超えても実施する 10~15年程度で投資 回収できれば実施する 20% 80% 投資回収できれは15年を 超えても実施する 10~15年程度で投資 回収できれば実施する 20% 3.9% (2社) 21.6% (11社) 1~4年程度で投資 回収できれば実施する 33.3% (62社) 33.3% (17社) 省エネ対策のためだけの 投資は考えていない 29.0% (54社) 35.3% (18社) その他 4.3% (8社) 無回答 2.2% (4社) -2-93- 40% 2.0% (1社) 5~9年程度で投資 回収できれば実施する 24.2% (45社) 省エネ対策のためだけの 投資は考えていない 0% 100% 4.8% (9社) 1~4年程度で投資 回収できれば実施する 無回答 60% 2.2% (4社) 5~9年程度で投資 回収できれば実施する その他 40% 3.9% (2社) その他回答 ・省エネには積極的に取り組むが、中小企業のレベルでは行政の手助けが必要。特に 被災工場を持っているため、投資部分は再建に回したい。 ・省エネの具体的対策がわからない。 ・1 年で回収出来なければ投資できない。 ・基本的に導入設備寿命の 1/2 以内で投資回収可能であれば起案に上げる。但しリプ レースは別である。 ・本社にて検討の上実施(可、否) 。 ・まず実態を把握し、運用面でムダが見つかれば改善する。 ・親会社の設備を操業する会社であり、設備投資も親会社の意向である。 ・補助金等があるなら。 ・売り上げ向上が現在の所不明な点が多いので回答できない。 ・予算をあげていたが、資金繰りが厳しく先延ばしになった。 ・予算にはあげていたが、資金繰りが悪化したため、先送り。 -2-94- (c)再生可能エネルギーの導入について 再生可能エネルギーを導入している工場は少ない。 最も多いのが「①太陽光発電」の 10、次いで、 「⑤バイオマス熱利用」9、 「④バイ オマス発電」4 である。「⑤バイオマス熱利用」、「④バイオマス発電」はいずれも木 質バイオマスである。 図表Ⅱ.13(1) 再生可能エネルギーの導入について 問 11.貴社の代表的な工場では、太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入し ていますか?導入している場合は、その設備規模(定格出力等)を教え てください。 導入していない 中国5県 0% 20% 40% 導入している 60% 無回答 80% 100% 448 ① 太陽光発電 10 17 ② 太陽熱利用 460 15 ③ 風力発電(小型) 459 1 15 ④ バイオマス発電 458 4 13 ⑤ バイオマス熱利用 454 9 12 ⑥ 小水力発電 462 13 ⑦ 地熱利用 461 1 13 ⑧ 雪氷熱利用 460 1 14 鳥取県 0% 20% 40% 60% ① 太陽光発電 34 ② 太陽熱利用 34 ③ 風力発電(小型) 34 ④ バイオマス発電 34 ⑤ バイオマス熱利用 34 ⑥ 小水力発電 34 ⑦ 地熱利用 34 80% 100% 33 ⑧ 雪氷熱利用 1 島根県 0% 20% 40% ① 太陽光発電 60% 54 80% 100% 2 4 ② 太陽熱利用 56 4 ③ 風力発電(小型) 56 4 ④ バイオマス発電 56 4 55 ⑤ バイオマス熱利用 2 3 ⑥ 小水力発電 56 4 ⑦ 地熱利用 56 4 ⑧ 雪氷熱利用 56 4 -2-95- 導入していない 岡山県 0% 20% 40% 導入している 60% 無回答 80% 100% 4 92 ① 太陽光発電 95 ② 太陽熱利用 2 3 ③ 風力発電(小型) 95 3 ④ バイオマス発電 94 1 3 ⑤ バイオマス熱利用 93 3 2 ⑥ 小水力発電 95 3 ⑦ 地熱利用 95 3 ⑧ 雪氷熱利用 95 3 広島県 0% 20% 40% ① 太陽光発電 60% 80% 100% 2 177 7 ② 太陽熱利用 181 5 ③ 風力発電(小型) 179 1 6 ④ バイオマス発電 178 3 5 ⑤ バイオマス熱利用 178 3 5 ⑥ 小水力発電 181 5 ⑦ 地熱利用 180 1 5 ⑧ 雪氷熱利用 180 1 5 山口県 0% 20% 40% 60% 80% 100% ① 太陽光発電 49 1 1 ② 太陽熱利用 49 2 ③ 風力発電(小型) 50 ④ バイオマス発電 50 49 ⑤ バイオマス熱利用 1 1 1 1 ⑥ 小水力発電 50 1 ⑦ 地熱利用 50 1 ⑧ 雪氷熱利用 50 1 -2-96- 再生可能エネルギー導入の目的は、木材の有効利用が多く、 「木材・木製品製造業」 の製材所等では、工場で発生する端材等の木質廃棄物の有効利用が図られている。 図表Ⅱ.13(2) 再生可能エネルギーの導入について 問 12.再生可能エネルギーを導入している場合、その導入目的を教えてくださ い。 意 見 ・燻煙乾燥機・自社の製材端材、皮等の有効利用・煙を利用する ことで厚さの大きい木材でも比較的容易に木材を傷めること なく乾燥できる。 ・重油を燃料として稼動できる設備であるが、コスト削減のため バイオマス利用している。 ・我社が販売代理店のため。 ・リサイクル燃料。 ・環境への配慮。 業 種 県 4.木材・木製品製造業(家 具を除く) 島根県 4.木材・木製品製造業(家 具を除く) 21.電気機械器具製造業 1.食料品製造業 4.木材・木製品製造業(家 具を除く) ・省エネ、少しでもできるところから。 19.業務 用機械器具 製造 業 ・余っていた樹皮を燃料とすることで A 重油を削減。岡山市初の 4.木材・木製品製造業(家 CO2 削減を達成。 具を除く) ・購入電力を削減する施策として導入。 22.情報 通信機械器 具製 造業 ・冷暖房費(電力量)削減。 10.プラ スチック製 品製 造業 ・木工会社なので社内より木くず発生のため導入。 5.家具・装備品製造業 ・自社工場で発生する木質バイオマスの有効利用のため。 4.木材・木製品製造業(家 具を除く) ・木材の有効利用のため。 4.木材・木製品製造業(家 具を除く) ・地球温暖化防止対策(空調エネルギーの節約、利害関係者へ地 21.電気機械器具製造業 球温暖化防止への啓蒙活動と PR)。 ・新社屋建設時にNEDOとの共同研究として導入。 10.プラ スチック製 品製 造業 ・重油の代替エネルギーとしてコスト削減のため。 4.木材・木製品製造業(家 具を除く) ・会社関係者の省エネ意識の高まり。 13.窯業・土石製品製造業 ・取引先、地域住民などへのPRとして。 21.電気機械器具製造業 ・排熱を利用して、燃料吹込系統のエアーを予熱しており、省エ 13.窯業・土石製品製造業 ネに寄与している。 -2-97- 島根県 広島県 島根県 岡山県 岡山県 岡山県 岡山県 広島県 広島県 岡山県 広島県 広島県 岡山県 山口県 島根県 島根県 広島県 再生可能エネルギーとして利用できる資源は、太陽光が対象となる「④空屋根」が 211 件(約 45%)、 「⑤空地」74 件(約 15%)と多い。次いで、熱利用の「③木材(廃材 等)」48 件(約 10%)、 「①排熱(ボイラ燃焼ガス等)」47 件(約 10%)である。小水力発 電が対象の「②水流(工場排水等)」も 22 件あった。 図表Ⅱ.13(3) 再生可能エネルギーの導入について 問 13.貴社の代表的な工場または工場周辺において、再生可能エネルギーとし て活用できる(できそうな)資源がありますか? 資源はない 中国5県 0% 20% 40% ① 排熱 (ボイラ燃焼ガス等) 資源はある 60% 無回答 80% 100% 407 ② 水流 (工場排水等) 47 430 22 404 ③ 木材(廃材等) 23 211 21 381 ⑤ 空地 74 20 446 ⑥ 副生水素 鳥取県 0% 20% 40% ① 排熱 (ボイラ燃焼ガス等) 60% 30 ③ 木材(廃材等) 30 2 1 20 1 11 32 ⑥ 副生水素 20% 40% ① 排熱 (ボイラ燃焼ガス等) 2 60% 80% 48 ② 水流 (工場排水等) 100% 7 52 6 31 5 2 48 ③ 木材(廃材等) ⑤ 空地 2 3 23 0% 27 100% 2 13 ⑤ 空地 ④ 空屋根 80% 7 ② 水流 (工場排水等) 島根県 2 25 ④ 空屋根 23 48 243 ④ 空屋根 21 6 6 26 44 10 54 ⑥ 副生水素 -2-98- 3 6 6 資源はない 岡山県 0% 20% 40% 資源はある 60% 無回答 80% 100% ① 排熱 (ボイラ燃焼ガス等) 85 7 6 ② 水流 (工場排水等) 86 6 6 10 5 83 ③ 木材(廃材等) 57 ④ 空屋根 36 75 ⑤ 空地 93 0% 20% 40% ① 排熱 (ボイラ燃焼ガス等) 100% 16 171 7 163 17 178 ⑥ 副生水素 40% ① 排熱 (ボイラ燃焼ガス等) ② 水流 (工場排水等) 6 1 60% 7 80% 100% 43 6 46 2 3 41 ③ 木材(廃材等) 7 79 ⑤ 空地 20% 7 15 100 0% 6 8 164 ④ 空屋根 ⑤ 空地 80% 164 ③ 木材(廃材等) ④ 空屋根 5 60% ② 水流 (工場排水等) 山口県 2 21 ⑥ 副生水素 広島県 5 2 8 25 2 24 39 9 48 ⑥ 副生水素 -2-99- 2 3 1 2 (d)エネルギーの使用実態について エネルギーの使用実態については、以下の燃料、電力について年間使用量について 調査した。 結果は、2.地産エネルギー活用可能量の推計、3.エネルギー消費原単位の推計にま とめる。 図表Ⅱ.14 エネルギー使用実態について 問 14.貴社の代表的な工場における年間のエネルギー使用量を、燃料、電力、 その他の分類で教えてください。 年間使用量 1.燃料 2.電力 3.その他 単位 灯油 kL ガソリン kL 軽油 kL A重油 kL B・C重油 kL LPG t ※回答しやすい単位の欄に記入 してください Nm3 商用電力(電力会社より購入) 千 kWh 自家発電 千 kWh ( ) ( ) ( ) ( ) -2-100- (e)エネルギーマネジメントシステム(FEMSについて) FEMSについては、利用したいが「導入可能性大」、 「興味がある」を合わせても 23.4%であり、中小企業にはまだ認知度が低いと推定される。 図表Ⅱ.15(1) エネルギーマネジメントシステム(FEMSについて) 問 15.工場全体のエネルギーの効率的利用を行うためのマネジメントシステム であるFEMSについて、そのようなシステムやサービスがあった場合 に利用したいと思いますか? 中国5県割合 その他回答 0.2% (1社) 鳥取県 利用したい (導入可能性大) 1.5% (7社) 無回答 13.3% (63社) 0% 利用したい (導入可能性大) 利用したい (興味がある) 21.9% (104社) 20% 40% 60% 80% 100% 60% 80% 100% 80% 100% 2.9% (1社) 利用したい (興味がある) 35.3% (12社) 利用したいとは 思わない 26.5% (9社) 35.3% (12社) わからない 無回答 利用したい とは思わない 18.1% (86社) わからない 45.1% (214社) 島根県 0% 利用したい (導入可能性大) 20% 40% 利用したいとは 思わない 20.3% (12社) 0% 20% 40% 4.1% (4社) 利用したい (興味がある) 23.5% (23社) 利用したいとは 思わない 23.5% (23社) 山口県 0% 20% 40% 3.1% (3社) 無回答 1.7% (1社) ※導入済(2011年6月~) その他回答 45.9% (45社) わからない 6.8% (4社) 無回答 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 利用したい (導入可能性大) 0.5% (1社) 利用したい (興味がある) 利用したい (興味がある) 24.7% (46社) 利用したいとは 思わない 17.2% (32社) 21.6% (11社) 17.6% (9社) 54.9% (28社) わからない 50.5% (94社) わからない 無回答 岡山県 50.8% (30社) わからない 利用したいとは 思わない 100% 利用したい (導入可能性大) 20.3% (12社) 利用したい (導入可能性大) 80% 1.7% (1社) 利用したい (興味がある) 広島県 60% 7.0% (13社) 無回答 -2-101- 5.9% (3社) FEMSを導入する条件は、「投資に要した費用が省エネで回収できる」30.5%、 「補助金制度があれば」21.8%で 50%を超えており、費用負担が条件となっている。 図表Ⅱ.15(2) エネルギーマネジメントシステム(FEMSについて) 問 16.貴社の代表的な工場でFEMSを導入する場合の条件はありますか? 鳥取県 中国5県割合 無回答 16.1% (129社) 投資に要した費用が 省エネで回収できる のであれば 30.5% (244社) その他 2.5% (20社) 0% 20% 40% 投資に要した費用が省エネで 回収できるのであれば 60% 80% 100% 58.8% (20社) FEMS導入に対する 補助金制度があったら 8.8% (3社) 設備機器の改修・更新 時期を迎えたら 投資のための資金調達 ができたら FEMSの導入 事例が増えたら 9.3% (74社) 14.7% (5社) FEMSの導入事例が 増えたら 2.9% (1社) その他 投資のための 資金調達が できたら 8.8% (70社) 14.7% (5社) 無回答 FEMS導入に 対する補助金制度 があったら 21.8% (174社) 設備機器の 改修・更新時期 を迎えたら 11.0% (88社) 島根県 0% 20% 40% 投資に要した費用が省エネで 回収できるのであれば 60% 80% 100% 0% 11.7% (7社) 5.0% (3社) 設備機器の改修・更新 時期を迎えたら 投資のための資金調達 ができたら 5.0% (3社) 投資のための資金調達 ができたら 3.3% (2社) 広島県 0% 20% 投資に要した費用が省エネで 回収できるのであれば FEMS導入に対する 補助金制度があったら 設備機器の改修・更新 時期を迎えたら 投資のための資金調達 ができたら 60% 80% 100% 54.8% (102社) 山口県 6.1% (6社) 5.1% (5社) 18.4% (18社) 0% 設備機器の改修・更新 時期を迎えたら 3.2% (6社) 投資のための資金調達 ができたら 2.2% (4社) 20% 投資に要した費用が省エネで 回収できるのであれば FEMS導入に対する 補助金制度があったら 7.5% (14社) 11.8% (6社) 3.9% (2社) 2.0% (1社) 4.3% (8社) FEMSの導入事例が 増えたら 5.9% (3社) その他 3.8% (7社) その他 5.9% (3社) 24.2% (45社) 無回答 -2-102- 40% 60% 52.9% (27社) FEMSの導入事例が 増えたら 無回答 100% 2.0% (2社) 無回答 40% 80% 1.0% (1社) その他 16.7% (10社) 無回答 60% 3.1% (3社) FEMSの導入事例が 増えたら 10.0% (6社) その他 40% 64.3% (63社) FEMS導入に対する 補助金制度があったら 設備機器の改修・更新 時期を迎えたら FEMSの導入事例が 増えたら 20% 投資に要した費用が省エネで 回収できるのであれば 48.3% (29社) FEMS導入に対する 補助金制度があったら 岡山県 17.6% (9社) 80% 100% その他回答の意見には、「親会社、本社等の組織体制」の問題、FEMSが認知さ れてないことが要因と思われる「目的運用が明確になり、作業効率がUPするようであ れば。」、 「まずどんなものか理解したい。」等の意見があり、FEMS導入への積極的 な意見は少ない。 その他回答 ・組合で共同受電しているので考えられない。 ・親会社の管理領域。 ・今のところ考えられない。 ・特に考えていない。 ・現在考えていない。 ・必要ではない。 ・費用対効果が得られれば良い。 ・電気等エネルギーの使用量が少ない。 ・既に近いものをやっているので不要。 ・目的運用が明確になり、作業効率が UP するようであれば。 ・本社事業所が 1 ヶ所であり今後の動向により検討。 ・業務が多種に渡っているため管理できない。 ・導入効果があまり考えられない。 ・わからない。 ・まずどんなものか理解したい。 ・システムやサービスの内容を理解することと、メリット、デメリットを把握したい。 ・年間のエネルギー使用量、燃料、電力が少量につき、FEMSを導入する必要がない。 ・既に環境マネジメントシステムの中で、省エネに取り組んでおり、必要無しと判断し ています。 -2-103- 再生可能エネルギーの導入についての意見は、木材・木製品製造業者から多くの意 見があった。電気・機械関係業者からは、製品紹介、大学・研究機関との共同研究の 紹介があった。 図表Ⅱ.15(3) エネルギーマネジメントシステム(FEMSについて) 問 17.貴社の工場で生産している製品について、省エネルギーや新エネルギー、 エネルギーマネジメント等の関連製品がありましたら簡単にご紹介くだ さい。また、環境・エネルギー分野に関して大学・研究機関や関連企業と の新製品開発等の共同研究に加わりたい意向はありますか。 意 見 ・建築用木材の製材販売を主としている材木商です。製造過程に おける端材も大切なエネルギーである事は私は昔から尊重し ていますがいわれなきダイオキシンとか誤解していた CO2 への 理解など、机上がベストに非ずと考えています。数字のみで木 はコントロールできるものではありません。また我国のエネル ギーの歴史を先ず勉強しなおす事が大切です。 ・ロータリーコージェネシステム(下水から発生するメタンガス を利用して発電するユニット) 。 ・バイオマス燃料焚蒸気ボイラ、ペレット製造ライン他環境関連 商品。 ・攪拌機を製造販売していますがモータに高効率モータを使用。 ・印刷機械設計製作。太陽電池、印刷機。 ・主に国内産の杉材を使っており、杉材は乾燥すると多くの空気 の層を持ち断熱効果が期待できる。ただし、自然のものなので その効果にはばらつきがあるとも言え、その数値を平均化すれ ば省エネ資材としてより広く利用できると思う。 ・窒化アルミニウム白板:放熱用の基板としてパワー半導体、L ED等の用途に使用されている。 ・弊組合は熱処理炉を有し、特にガス浸炭炉は大量の熱を炉外に も放出しているため、この有効活用が可能であれば研究の意義 があると考えられる。 ・ガス会社との共同開発である動力回収ガバナーガス供給の際の 減圧エネルギーを電化する装置。 ・省エネタイプの生ごみ処理機は生産しております。 ・ハイブリッドクレーン思索中。 業 種 4.木材・木製品製造 業(家具を除く) 広島県 24.その他の製造業 広島県 18.生産用機械器具 製造業 19.業務用機械器具 製造業 16.金属製品製造業 広島県 広島県 島根県 4.木材・木製品製造 業(家具を除く) 島根県 13.窯業・土石製品 製造業 山口県 16.金属製品製造業 鳥取県 21.電気機械器具製 造業 24.その他の製造業 18.生産用機械器具 製造業 24.その他の製造業 ・LED 関連製品の製造で、共同研究に加わりたい。 ・岡山県初の CO2 削減達成により、332tのクレジットをもらう。 4.木材・木製品製造 これにより、当社の柱では 1 本当り 0.5kg-CO2 の削減となり利 業(家具を除く) 用者に証明書を出している。 ・マイクロ発電装置を開発し、商品化している。国交省等、国と 17.はん用機械器具 の関連はスムーズに対応ができず、個人(法人)向け販路を模索 製造業 している。 ・共同研究の機会があれば前向きに検討したい。 10.プラスチック製 品製造業 ・共同研究に加わりたいが、どう加われるかわからない。 16.金属製品製造業 -2-104- 県 広島県 広島県 島根県 島根県 岡山県 岡山県 広島県 広島県 意 見 ・環境・エネルギー分野に関する研究は数多くあり、これからも 増加していくと思います。確かに魅力あるとは思いますが競争 が激しく、利益を生み出すには難しく、時間もかかると思いま す。大学は基礎研究が多く実際にシーズでなくてニーズに直結 するような研究を行う事が必要と思います。弊社は共同研究に は前向きですので、賛同できる新製品開発等がありましたら参 加したいと思います。 ・木質ペレット燃料。 ・現時点では関連製品ありません。また、共同開発についても興 味はありますが現時点では取組むことができない。 ・省エネ対応製品として「チラー」があり、ヒーターを使用して いないため、以前同仕様のものと比べると、電力が約半分にな ります。また、さらなる省エネ新製品開発は検討中です。 ・ポリフィルムの薄肉化 共同研究の意向はなし。 ・複層ガラス、太陽光発電モジュール。 ・デマンド監視装置。 ・湯洗のかわりに電解水での洗いを行うエコ染色システムを導入 した染色生産ラインがあり、このシステムを利用して染色した 製品をエコ製品として扱っている。 ・チップ 共同研究に加わりたい。 ・使用している原料がマグネシウム合金なので、生産しているも の全てが軽量化により、直接・間接的に省エネに関係している ものと思われる。 ・フライアッシュの使用。産業廃棄物の有効利用。参加の意向は あります。 ・工業炉用熱交換器(レキュペレータ)を生産。 ・産官学には以前より興味を持っている。 ・横型ブラインド、縦型ブラインド、ロールスクリーン、プリー ツスクリーン。 ・バイオマスの分野では、すでに共同研究を進めています。まだ、 研究段階にあり、実用化に向けています。今後も新たな案件が あれば共同研究に加わることになると思います。 ・当社製品:HIT 太陽電池セル、ソーラー応用製品、パワコン 共同研究:親会社(電気メーカー)に委ねる。 ※中国経済産業局主催の「太陽電池フォーラム推進委員会」に は参加している。 ・弊社の持つ技術が共同研究に役立つ機会があれば参画したいと 考えています。 ・精密プラスチック、ゴム部品を成形していますので、弊社のユ ーザーの方が共同研究に適していると思います。 ・和紙あかり:太陽光を拡散させて、室内に取り込み、室内の照 明を削減する(採光ブラインド)。 ・エコサポート住宅用分電盤:テレビモニターに電気の使用量を 表示するシステム。共同研究の意向はない。 ・当社は自動車会社をはじめ、他社自動車部品の製造を行なって おります。その中で電気自動車部品の一部を自動車会社へ納品 させて頂いております。 -2-105- 業 種 県 18.生産用機械器具 製造業 広島県 4.木材・木製品製造 業(家具を除く 岡山県 21 機械器具製造業 広島県 21.電気機械器具製 造業 広島県 6.パルプ・紙・紙加 工品製造業 13.窯業・土石製品 製造業 21.電気機械器具製 造業 岡山県 岡山県 島根県 3.繊維工業 広島県 4.木材・木製品製造 業(家具を除く) 島根県 16.金属製品製造業 広島県 13.窯業・土石製品 製造業 14.鉄鋼業 24.その他の製造業 鳥取県 鳥取県 16.金属製品製造業 広島県 24.その他の製造業 広島県 21.電気機械器具製 造業 島根県 5.家具・装備品製造 業 広島県 16.金属製品製造業 広島県 24.その他の製造業 岡山県 21.電気機械器具製 造業 広島県 23.輸送用機械器具 製造業 岡山県 島根県 2.地産エネルギーの活用可能量の推計 (1)地産エネルギーの活用状況 再生可能エネルギーの導入についてのアンケート調査から、地産エネルギーの導入 会社は、最も多いのが「①太陽光発電」の 10 工場、次いで「⑤バイオマス熱利用」の 9 工場、「④バイオマス発電」の 4 工場である。 バイオマス発電では、工場内電力以外に外部へ余剰電力供給も可能と推定される出 力 2,000kWの設備を有する工場もある。 太陽光発電は1工場が大規模な 700kWの設備を有するが、他は 200kW以下の設備で ある。 地産エネルギーの活用状況は、回答数 475 社に対し導入工場数は 10 社以下で少な い。また、バイオマス発電の 2 社をのぞき小規模であり、工場のエネルギー供給を賄 う設備は導入されていない。 なお、バイオマス発電で 2 工場、バイオマス熱利用では 7 工場が木材・木製品製造 業者であり、製材所等木材業者は地産エネルギー利用が進んでいる。 図表Ⅱ.16 地産エネルギーの活用状況 利用エネルギー 導入 工場数 ①太陽光発電 10 ②太陽熱利用 ③風力発電(小型) 0 1 ④バイオマス発電 4 ⑤バイオマス熱利用 9 ⑥小水力発電 ⑦地熱利用 ⑧雪氷熱利用 0 1 1 設備規模 備 考 ・700kW (岡山県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・200kW (岡山県,16.金属製品製造業) ・90kW (岡山県,19.業務用機械器具製造業) ・40kW (島根県,21.電気機械器具製造業) ・20kW (岡山県,10.プラスチック製品製造業) ・20kW (広島県,21.電気機械器具製造業) ・15kW (島根県,13.窯業・土石製品製造業) ・10kW (岡山県,22.情報通信機械器具製造業) ・10kW (広島県,21.電気機械器具製造業) ・出力不明 (山口県,21.電気機械器具製造業) ・出力不明(広島県,21.電気機械器具製造業) ・2,000kW(*1) (広島県,17.はん用機会器具製造業) ・1,950kW(*2) (岡山県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・300kW(*2) (広島県,5.家具・装備品製造業) ・出力不明 (広島県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・木材ボイラ (広島県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・ 〃 (島根県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・ 〃 (岡山県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・ 〃 (岡山県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・ 〃 (広島県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・出力不明 (島根県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) ・ 〃 (岡山県,19.業務用機械器具製造業) ・ 〃 (広島県,5.家具・装備品製造業) ・ 〃 (山口県,4.木材・木製品製造業(家具を除く)) 空調利用(出力不明、(広島県,10.プラスチック製品製造業) ・用途・出力不明(広島県,1.食料品製造業) -2-106- *1:廃棄物発電 *2:木質バイオマス発電 (2)活用可能量の推計 アンケート調査から、地産エネルギーとして活用可能な資源は、最も多いのが「④ 空屋根」の 211 工場、次いで「⑤空地」の 74 工場である。これらは、太陽光発電・ 太陽熱利用設備として活用できる。 「①排熱(ボイラ燃焼ガス等)」が 47 工場、また木質ボイラ導入が可能と見込まれ る「③木材(廃材等)」が 48 工場あった。 図表Ⅱ.17(1) 利用 可能資源 ①排熱 (ボイラ燃焼 ガス等) ②水流 (工場排水等) 地産エネルギーとして活用可能な資源 回答数 47 22 資源量 備 ・22.5Gcal/日 ・2,073,445KJ/t ・668kg/h ・ボイラのドレン(2 台) ・21,840Nm3/日 ・2,000m3/h ・1,500MJ/h ・0~10,000×103cal ・廃材 5t/月 ・排熱×2 工場 ・排熱(工業炉等) ・30,000Nm3/h ・1,078,000kcal ・ボイラ燃焼ガス ・資源量不明 32 〔県 ・200t/日 ・35m3/日 ・100m3/日 ・1,000m3/日 ・2,000t/日 ・150t/日 ・5,000m3/日 ・500m3/日 ・600m3/日 ・35 千 m3/年 ・資源量不明 〔県 考 別〕 鳥取県: 7 島根県: 7 岡山県: 7 広島県:16 山口県: 6 兵庫県: 1 県不明: 3 (内資源量不明 5) (内資源量不明 4) (内資源量不明 5) (内資源量不明 12) (内資源量不明 3) (内資源量不明 1) (内資源量不明 2) 〔業種別〕 1.食料品製造業:10 (内資源量不明 7) 2.飲料・たばこ・飼料製造業:1 (内資源量不明 1) 3.繊維工業:2 (内資源量不明 2) 4.木材・木製品製造業(家具を除く):2 5.家具・装備品製造業:2 (内資源量不明 1) 6.パルプ・紙・紙加工品製造業:1 (内資源量不明 1) 7.印刷・同関連業:3 (内資源量不明 2) 10.プラスチック製品製造業:2 (内資源量不明 2) 11.ゴム製品製造業:1 (内資源量不明 1) 13.窯業・土石製品製造業:4 (内資源量不明 1) 14.鉄鋼業:4 (内資源量不明 2) 16.金属製品製造業:3 (内資源量不明 3) 17.はん用機械器具製造業:2 (内資源量不明 2) 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業:2 (内資源量不明 1) 23.輸送用機械器具製造業 1 (内資源量不明 1) 24.その他の製造業:4 (内資源量不明 3) 無回答:3 (内資源量不明 2) 別〕 鳥取県: 島根県: 岡山県: 広島県: 山口県: 兵庫県: 2 2 6 8 3 1 (内資源量不明 (内資源量不明 (内資源量不明 (内資源量不明 1) 2) 3) 5) (内資源量不明 1) 〔業種別〕 12 -2-107- 1.食料品製造業:6 (内資源量不明 3) 2.飲料・たばこ・飼料製造業:1 3.繊維工業:1 8.化学工業:1 10.プラスチック製品製造業:2 (内資源量不明 1) 11.ゴム製品製造業:1 (内資源量不明 1) 13.窯業・土石製品製造業:1 (内資源量不明 1) 14.鉄鋼業:1 (内資源量不明 1) 15.非鉄金属製造業:1 17.はん用機械器具製造業:3 (内資源量不明 2) 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業:1 (内資源量不明 1) 23.輸送用機械器具製造業 1 (内資源量不明 1) 24.その他の製造業:2 (内資源量不明 1) 図表Ⅱ.17(2) 利用 可能資源 ③木材 (廃材等) 地産エネルギーとして活用可能な資源 回答数 48 資源量 備 考 〔県 別〕 ・120t/月 鳥取県: 3 (内資源量不明 2) ・10×3 工場 島根県: 6 (内資源量不明 3) ・20×2 工場 岡山県:10 (内資源量不明 5) ・2.5t/月 広島県:15 (内資源量不明 8) ・1,000t/月 山口県: 8 (内資源量不明 3) ・ボイラ 15t 分の燃料 県不明: 6 (内資源量不明 4) ・100 〔業種別〕 ・9.7 3.繊維工業:1 (内資源量不明 1) ・2,000t/月 4.木材・木製品製造業(家具を除く):17 (内資源量不明 9) ・22.527t/月 5.家具・装備品製造業:7 (内資源量不明 4) ・0.5 13.窯業・土石製品製造業:1 ・10.84 14.鉄鋼業:2 (内資源量不明 1) ・50,000 15.非鉄金属製造業:2 ・24 16.金属製品製造業:4 (内資源量不明 2) ・廃材 5t/月 17.はん用機械器具製造業:2 ・年間 1.8t 18.生産用機械器具製造業:1 ・100t/年 21.電気機械器具製造業:1 (内資源量不明 1) ・717t/年 24.その他の製造業:4 (内資源量不明 3) ・木くず 6t/年(木製パレッ 無回答:6 (内資源量不明 4) ト)×2 工場 ・資源量不明 25 ・20m2~311,585m2 146 工場 〔県 別〕 鳥取県:20 (内資源量不明 5) ・資源量不明 65 島根県:26 岡山県:36 広島県:79 山口県:24 東京都: 1 兵庫県: 1 県不明:24 (内資源量不明 8) (内資源量不明 12) (内資源量不明 25) (内資源量不明 7) (内資源量不明 (内資源量不明 1) 7) 〔業種別〕 ④空屋根 1.食料品製造業:26 (内資源量不明 11) 2.飲料・たばこ・飼料製造業:2 (内資源量不明 1) 3.繊維工業:8 (内資源量不明 3) 4.木材・木製品製造業(家具を除く):13 (内資源量不明 4) 5.家具・装備品製造業:5 (内資源量不明 2) 6.パルプ・紙・紙加工品製造業:3 (内資源量不明 2) 7.印刷・同関連業:9 (内資源量不明 3) 8.化学工業:2 (内資源量不明 1) 10.プラスチック製品製造業:15 (内資源量不明 6) 11.ゴム製品製造業:2 13.窯業・土石製品製造業:12 (内資源量不明 3) 14.鉄鋼業:7 (内資源量不明 2) 15.非鉄金属製造業:2 16.金属製品製造業:21 (内資源量不明 3) 17.はん用機械器具製造業:7 (内資源量不明 2) 18.生産用機械器具製造業:7 19.業務用機械器具製造業:3 (内資源量不明 1) 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業:4 (内資源量不明 1) 21.電気機械器具製造業:12 (内資源量不明 2) 23.輸送用機械器具製造業:11 (内資源量不明 2) 24.その他の製造業:16 (内資源量不明 9) 無回答:24 (内資源量不明 7) 211 -2-108- 図表Ⅱ.17(3) 利用 可能資源 地産エネルギーとして活用可能な資源 回答数 資源量 備 考 ・30m2~270,000m2 40 工場 〔県 別〕 鳥取県:11 (内資源量不明 3) ・中学校の跡地、校庭 島根県:10 (内資源量不明 4) ・資源量不明 33 岡山県:21 広島県:17 山口県: 9 県不明: 6 (内資源量不明 10) (内資源量不明 9) (内資源量不明 3) (内資源量不明 4) 〔業種別〕 ⑤空地 1.食料品製造業:8 (内資源量不明 6) 3.繊維工業:4 (内資源量不明 2) 4.木材・木製品製造業(家具を除く):4 5.家具・装備品製造業:2 (内資源量不明 2) 6.パルプ・紙・紙加工品製造業:3 (内資源量不明 1) 7.印刷・同関連業:2 8.化学工業:2 (内資源量不明 1) 10.プラスチック製品製造業:6 (内資源量不明 3) 13.窯業・土石製品製造業:7 (内資源量不明 4) 14.鉄鋼業:2 (内資源量不明 1) 16.金属製品製造業:4 (内資源量不明 2) 17.はん用機械器具製造業:5 (内資源量不明 3) 18.生産用機械器具製造業:1 19.業務用機械器具製造業:1 (内資源量不明 1) 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業:4 (内資源量不明 1) 21.電気機械器具製造業:5 23.輸送用機械器具製造業:3 24.その他の製造業:5 (内資源量不明 3) 無回答:6 (内資源量不明 3) 74 ・資源量不明 ⑥副生水素 2 〔県 別〕 広島県: 1 (内資源量不明 山口県: 1 (内資源量不明 2 1) 1) 〔業種別〕 23.輸送用機械器具製造業:1 (内資源量不明 1) 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業:1 (内資源量不明 1) ここで、①排熱からは、空調、また熱量が多い場合は排熱回収ボイラが運用できる。 ②水流からは、水量・落差によっては小水力発電が可能である。しかし、エネルギー 算出に要する資源量の詳細が確認されていない。エネルギーの算定は詳細な情報を入 手し地産エネルギー量の算定を実施していきたい。 なお、②水流は回答のあった資源量の内、最大の 5,000m3/日(=0.06m3/s)の水量に おいても一般的な式による水力発電出力は 0.6kW程度であり、工場で賄うエネルギー は得られない。 発電出力=最大使用水量(m3/s)×有効落差(m)×水車・発電機の総合効率(%) ×重力加速度(m/s2) =0.06m3/s×2m×0.5×9.8m/s2=0.6kW 資源量また中国地方の実績から、太陽光発電、木質ボイラによる再生可能な地産エ ネルギー量を推計する。 -2-109- a.太陽光 太陽光が設置できる、④空屋根、⑤空地 面積に太陽光パネルを設置した場合の発 電量を以下に示す。 図表Ⅱ.18 太陽光発電量の推定(面積の記載のあった工場を対象とした) 面積(m2) 工場数 (社) 項 目 ④空屋根 ⑤空 地 エネルギー使用量 対象の全工場 1 工場当り 1 工場当り太陽光発電量 1 工場当り (以下式により算出) の太陽光発 電の比率 (%) kWh/年 GJ/年 (e)÷(d) (e) 対象の 全工場 1 工場 当り GJ/年 (a) (b) (b)÷(a) (c) 146 908,609 6,223 6,252,276 163,672 42,823.8 1,121.0 667,827.3 2,404.2 5.6% 40 676,641 16,916 3,543,971 92,774 88,599.3 2,319.4 1,815,258.6 6,534.9 7.4% 原油 kL/年 GJ/年 (d)=(c)÷(a) 原油 kL/年 太陽光発電量=設置可能パネル面積(m2)×年間最適傾斜角平均日射量(kWh/m2)×発電効率(-)×総合設計係数(-) ×稼動日数(日/年) 年間最適傾斜角平均日射量:3.5kWh/m2 発電効率:0.12 総合設計係数:0.7 稼動日数:365 日/年 電力標準発熱量:3.6MJ/kWh 発電量は、④空屋根で約 2,400GJ/年となり、回答のあった 146 工場のエネルギー 使用量の 5.6%である。⑤空地では約 6,500GJ/年となり、回答のあった 40 工場のエネ ルギー使用量の 7.4%である。 工場の空スペースに太陽光発電設備設置により、工場のエネルギー量の削減量は 5 ~7%程度と推定される。 b.木質ボイラ ③木材(廃材等)も②水流と同様に、資源量の詳細が記述されていないが、 「木材・ 木製品製造業」は、木質ボイラによる地産エネルギーの利用が進んでいる。 中国地方有数の林業地帯真庭市では、市内の 32 製材所のうち約 2 割の 7 社が木質 ボイラを導入している。1 日当たり 1t相当の木材で蒸発量 0.8t/hのボイラが運用で き、年間約 100kLの原油が削減される。 図表Ⅱ.19 真庭市の木質ボイラの運用状況 蒸気ボイラ能力 1 2 3 4 5 6 7 燃料利用量 木材乾燥用 3.0t/h 蒸気ボイラ 木材乾燥用 2.0t/h 蒸気ボイラ 木材乾燥用 0.8t/h 蒸気ボイラ 木材乾燥用 0.8t/h 蒸気ボイラ 木材乾燥用 0.2t/h 蒸気ボイラ 木屑バイオマス 1.5t/h 蒸気ボイラ 木材乾燥用 0.5t/h 蒸気ボイラ(貫流) 2,500 1,500 1,000 380 150 5,000 500 t/年 t/年 t/年 t/年 t/年 t/年 t/年 代替エネルギー量 (GJ/年) 35,162 15,069 10,046 3,817 1,507 41,860 8,372 代替エネルギー量 原油換算 (kL/年) 920 394 263 100 39 1,096 219 中国地方の「木材・木製品製造」業の 480 社のうち、2 割の 100 社程度は年間約 100kL の原油相当の木質バイオマスによる地産エネルギーの利用が可能と推定される。 -2-110- 回答数のあった 48 工場に木質ボイラを設置した場合、重油換算で 100kL/年のエネ ルギー量は工場全体のエネルギーの 5.0%となる。 図表Ⅱ.20 木質ボイラによるエネルギー量 項 目 工場数 (社) ③木材(廃材等) エネルギー使用量 対象の全工場 1 工場当り (a) GJ/年 (b) 原油 kL/年 G/J 年 (b)÷(a) 原油 kL/年 (c) 48 3,660,826 95,833 76,267.2 1,996.5 木質ボイラによ る原油削減量 木質ボイラによる エネルギー削減量 原油 kL/年 (d) 100.0 (d)÷(c) 5.01% c.中小企業工場での地産エネルギーの活用 地産エネルギーとして活用の可能性が高い太陽光発電は、アンケートの平均では工 場のエネルギー量の削減量は 5~7%程度であるが、工場の規模・業種により発電量比 率は異なる。工場のエネルギー使用量あたりの太陽光発電比率は、エネルギー使用量 が 10,000GJ/年以下の工場では図表Ⅱ.21~23 のように総量ベースで 100%以上も可能 である。 太陽光は設置スペースに依存するので、自給率が 50%以上の工場は業種には特定 されない。従業員数も 40 人以上の工場もあり小規模工場に特定されない。 太陽光は発電量に気候・季節変動があるので、発電量の変動を蓄電池で調整し供給 負荷を一定とすれば、消費電力の削減ともに、定量的に地産エネルギーとして契約電 力の削減も可能となる。エネルギー消費量が 10,000GJ/年以下の工場では、100%に近 いエネルギー自給も可能である。 木質ボイラは、燃料供給が確保されれば気候・季節変動の少ない地産エネルギーと してエネルギー供給が可能である。エネルギーとして多様な利用が可能な電気は、 1.5t/hの小規模蒸気ボイラを活用すると約 100kWの発電が可能である。 しかし、生成するエネルギー量は、1日 10 時間、年間 350 日の運転でも約 1,300GJ/ 年であり、電力としてのエネルギー自給の効果は小さい。 熱で有れば、同じ運用で約 15,000GJ/年のエネルギーが得られる。アンケートでの 工場のエネルギー使用量は約 80%の工場が 50,000GJ/年以下(図表Ⅱ.26)である。乾 燥等熱源を必要とする業種であれば、木質ボイラにより、20%以上のエネルギー自給 が見込まれる。 1.5t/hの蒸気ボイラで、1日 10 時間・年間 350 日の運転での供給エネルギー ①電気:100kW×10h×350 日×3.6MJ/kWh=1,260GJ/年 ②熱:2,770MJ/t(蒸気エネルギー)×1.5t/h×10h×350 日=14,540GJ/年 -2-111- 図表Ⅱ.21 空き屋根による太陽光発電での工場のエネルギー自給率 (注:太陽光発電量は総量) 空屋根 100 100 太陽光発電の比率(%) 90 80 太陽光発電の比率(%) 70 80 60 40 20 0 60 0 200,000 50 400,000 600,000 工場のエネルギー使用量(GJ/年) 拡 大 40 30 20 10 0 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 工場のエネルギー使用量(GJ/年) 図表Ⅱ.22 空地による太陽光発電による工場のエネルギー自給率 (注:太陽光発電量は総量) 空 地 100 100 太陽光発電の比率(%) 90 80 太陽光発電の比率(%) 70 80 60 40 20 0 60 0 200,000 50 400,000 600,000 800,000 工場のエネルギー使用量(GJ/年) 40 30 20 10 0 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 180,000 200,000 工場のエネルギー使用量(GJ/年) -2-112- 図表Ⅱ.23 太陽光発電比率の高い(50%以上)工場(注:無回答はWEB回答の工場) 空屋根 県 島根県 広島県 広島県 広島県 広島県 広島県 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 山口県 広島県 無回答 岡山県 広島県 鳥取県 山口県 岡山県 工場 従業者数 業種番号 13.窯業・土石製品製造業 16.金属製品製造業 17.はん用機械器具製造業 18.生産用機械器具製造業 18.生産用機械器具製造業 23.輸送用機械器具製造業 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 4.木材・木製品製造業(家具を除く) 16.金属製品製造業 無回答 3.繊維工業 4.木材・木製品製造業(家具を除く) 21.電気機械器具製造業 10.プラスチック製品製造業 24.その他の製造業 40~60 20~40 0~20 80~100 0~20 100~ - - - - - - - 0~20 80~100 - 20~40 20~40 100~ 100~ 100~ 工場のエネルギー 太陽光発電 の比率 使用量 (%) (GJ/年) 1686.3 100.00 114.7 100.00 87.9 100.00 13698.8 100.00 36.7 100.00 11772.2 100.00 1284.5 100.00 476.1 100.00 445.8 100.00 445.8 100.00 17.3 100.00 17.3 100.00 1.8 100.00 426.8 90.07 6407.1 89.54 220.2 87.72 358.9 73.19 2592.2 59.61 3271.8 59.04 2197.3 52.74 2991.1 51.66 空地 県 岡山県 岡山県 広島県 鳥取県 岡山県 山口県 無回答 岡山県 鳥取県 岡山県 広島県 工場 従業者数 業種番号 3.繊維工業 13.窯業・土石製品製造業 17.はん用機械器具製造業 21.電気機械器具製造業 24.その他の製造業 24.その他の製造業 無回答 無回答 21.電気機械器具製造業 4.木材・木製品製造業(家具を除く) 3.繊維工業 20~40 20~40 20~40 100~ 100~ - - - 0~20 100~ 0~20 工場のエネルギー 太陽光発電 使用量 の比率 (GJ/年) (%) 358.9 100.00 20811.6 100.00 87.9 100.00 3271.8 100.00 10772.4 100.00 414.0 100.00 1284.5 100.00 310.3 100.00 1381.0 55.95 13958.0 55.35 732.2 52.76 図表Ⅱ.24 太陽光発電比率の高い工場での太陽光発電利用 太陽光発電で 100%に近い エネルギー供給が可能 工場エネルギー エネルギー エネルギー 晴れ くもり 工場エネルギー 太陽光発電 充電 太陽光発電 放電 電力の平準化 太陽光発電 蓄電池 日 -2-113- 日 3.エネルギー消費原単位の推計 (1)エネルギー消費の状況 アンケート調査から、エネルギーの使用量は、原油換算で 0 以上~50kL/年未満が 82 社と、最も多い。次に、1,000 以上~5,000kL/年未満が 76 社と多いが、概ね従業 員数が 100 人以上の会社が該当する。400kL/年未満までで約 50%の 223 社である。 図表Ⅱ.25 エネルギー使用量(原油換算) 0社 20社 40社 60社 80社 0以上~50未満 82社 38社 50以上~100未満 51社 100以上~200未満 52社 200以上~400未満 19社 400以上~600未満 15社 600以上~800未満 16社 800以上~1,000未満 76社 1,000以上~5,000未満 7社 5,000以上~10,000未満 10社 10,000以上~20,000未満 4社 20,000以上~30,000未満 30,000以上~40,000未満 40,000以上~50,000未満 50,000以上~ (単位:kL/年) 100社 1社 2社 1社 GJ/年当りのエネルギー使用量は次のとおりである。 図表Ⅱ.26 エネルギー使用量(GJ/年) 0社 20社 40社 60社 38社 2,000以上~4,000未満 29社 4,000以上~6,000未満 19社 6,000以上~8,000未満 15社 8,000以上~10,000未満 48社 10,000以上~20,000未満 22社 20,000以上~30,000未満 19社 30,000以上~40,000未満 15社 40,000以上~50,000未満 60,000以上~70,000未満 70,000以上~80,000未満 80,000以上~100,000未満 100社 86社 0以上~2,000未満 50,000以上~60,000未満 80社 7社 11社 10社 12社 42社 100,000以上~ (単位:GJ/年) -2-114- 年間出荷額当りのエネルギー使用量は 0~20kL/億円未満が 135 社と多い。 図表Ⅱ.27 年間出荷額(億円)当りのエネルギー使用量 0社 20社 40社 60社 80社 100社 120社 0以上~20未満 135社 59社 20以上~40未満 40以上~60未満 40社 60以上~80未満 13社 80以上~100未満 14社 100以上~120未満 120以上~140未満 12社 5社 140以上~160未満 160以上~180未満 180以上~200未満 140社 7社 4社 3社 200以上~ (単位:kL/億円) 15社 工場従業員数当りのエネルギー使用量は 0 以上~10kL/人未満が 77 社と多い。 図表Ⅱ.28 工場従業員数(人)当りのエネルギー使用量 0社 20社 40社 60社 77社 0以上~10未満 10以上~20未満 58社 20以上~30未満 27社 32社 30以上~40未満 40以上~50未満 17社 23社 50以上~60未満 60以上~70未満 70以上~80未満 80以上~90未満 90以上~100未満 80社 5社 8社 6社 8社 100以上~ 46社 (単位:kL/人) -2-115- 100社 化石燃料は、灯油・ガソリン・軽油を約 40%の 200 社前後が使用している。LP Gも約 30%の 137 社が使用している。 図表Ⅱ.29 燃料別使用割合 0% 10% 20% 灯油 30% 40% 50% 60% 70% 202社 182社 293社 軽油 188社 287社 B・C重油 113社 100% 362社 15社 460社 137社 LPG 90% 273社 ガソリン A重油 80% 338社 使用 未使用 業種毎の化石燃料の使用量は次のとおりである。 図表Ⅱ.30 燃料別割合 202社 灯 油 182社 ガソリン 188社 軽 油 113社 A重油 B・C重油 15社 137社 LPG 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 食料品製造業 飲料・たばこ・飼料製造業 繊維工業 木材・木製品製造業(家具を除く) 家具・装備品製造業 パルプ・紙・紙加工品製造業 印刷・同関連業 化学工業 石油製品・石炭製品製造業 プラスチック製品製造業 ゴム製品製造業 なめし革・同製品・毛皮製造業 窯業・土石製品製造業 鉄鋼業 非鉄金属製造業 金属製品製造業 はん用機械器具製造業 生産用機械器具製造業 業務用機械器具製造業 電子部品・デバイス・電子回路製造業 電気機械器具製造業 情報通信機械器具製造業 輸送用機械器具製造業 その他の製造業 無回答 -2-116- 45% (2)エネルギーの消費原単位の推計方法 アンケート調査結果をもとに、業種別に中小企業工場のエネルギー消費原単位を次 の方法で推計した。 ① 基本はエネルギー消費原単位を業種別に推計する方針とするが、アンケート回 答の業種に偏りがある場合には、類似業種を集約して推計する。 ② 業種毎の比較は同一指標による推計が望ましいことから、年間エネルギー使用 量は原油換算するとともに、原単位を推計する母数は生産出荷額とする。 ③ 基本的な推計式は、以下のとおりとする。 エネルギー消費原単位=エネルギー使用量(原油換算 kL/年)/生産出荷額(億円) 算出した原単位は、(財)省エネルギーセンターで実施している省エネルギー診断 サービスの診断結果におけるエネルギー消費原単位との比較を行う。 図表Ⅱ.31 省エネルギー診断サービスの原単位 サンプル数:2,920 3 9 8 (9) 熱供給業 2 1 8 (35) 洗濯・理容・美容・浴場業 窯業・土石製品製造業 1 7 0 (131) 石油製品・石炭製品製造業 1 5 6 (8) 繊維工業 ( )内:サンプル数 1 5 5 (121) 1 4 5 (20) 農業 1 0 5 (70) 鉄鋼業 8 8 (61) パルプ・紙・紙加工品製造業 非鉄金属製造業 8 6 (78) 鉱業・採石業・砂利採取業 8 3 (5) 飲料・たばこ・飼料製造業 7 5 (84) 7 5 (237) 化学工業 7 1 (237) プラスチック製品製造業 金属製造業 5 9 (290) 食料品製造業 5 9 (422) ゴム製品製造業 5 8 (51) 5 7 (114) 電子部品・デバイス・電子回路製造業 5 1 (99) 印刷・同関連業 輸送用機械器具製造業 4 7 (239) なめし革・同製品・毛皮製造業 4 3 (1) 木材・木製品製造業 3 3 (33) はん用機械器具製造業 3 2 (69) 3 1 (274) 電気機械器具製造業 2 8 (74) 業務用機械器具製造業 生産用機械器具製造業 2 5 (101) 情報通信機械器具製造業 2 1 (37) 家具・装備品製造業 1 9 (20) 0 100 200 300 原単位[原油換算kL/出荷億円] -2-117- 400 500 4.中小企業エネルギー実態に関する考察 (1)エネルギー消費原単位の推計結果 エネルギー原単位の計算結果と(財)省エネルギーセンターの原単位との比較結果 を以下に示す。業種毎の詳細な内訳は、図表Ⅱ.34 に示す。 図表Ⅱ.32 エネルギー消費原単位 (原油換算kL/出荷億円) 50 0 100 エネルギー原単位(中国5県) 121 3.繊維工業 15 (原単位小) 33 4.木材・木製品製造業(家具を除く) 14 20 5.家具・装備品製造業 7 61 6.パルプ・紙・紙加工品製造業 6 99 7.印刷・同関連業 12 237 8.化学工業 5 (原単位小 → サンプル数と企業数の差があり) 8 1 (原単位小) 237 10.プラスチック製品製造業 18 (原単位小 → サンプル数と企業数の差があり) 51 11.ゴム製品製造業 3 (原単位大) 1 12.なめし革・同製品・毛皮製造業 131 13.窯業・土石製品製造業 32 70 7(原単位小) 78 15.非鉄金属製造業 3 290 16.金属製品製造業 34 69 17.はん用機械器具製造業 10 101 15 18.生産用機械器具製造業 19.業務用機械器具製造業 74 5 114 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業 23.輸送用機械器具製造業 4 (原単位大) 274 21.電気機械器具製造業 22.情報通信機械器具製造業 250 参考原単位 84 5 2.飲料・たばこ・飼料製造業 14.鉄鋼業 200 サンプル数:422 企業数:38 1.食料品製造業 9.石油製品・石炭製品製造業 150 17 37 1 (原単位大) 239 20 (財)省エネルギーセンターの原単位と比較し、 「3.繊維工業」 「9.石油製品・石炭 製品製造業」 「14.鉄鋼業」は原単位が小さくなっている。これは以下の理由による。 ①「3.繊維工業」 :生産出荷額の少ない会社が多い ②「9.石油製品・石炭製品製造業」 :回答会社が 1 社で規模が小さい ③「14.鉄鋼業」 :生産出荷額に対しエネルギー使用量の少ない会社が 1 社ある 「8.化学工業」 「10.プラスチック製品製造業」も(財)省エネルギーセンターの原 単位と比較し原単位が半分以下と小さい。これは(財)省エネルギーセンターのサン プル数が 200 以上に対し、アンケート回答数が 5 社・18 社と少ないため、アンケー -2-118- トの原単位にはバラツキが出ていると推定される。 一方、「6.パルプ・紙・紙加工品製造業」「11.ゴム製品製造業」「20.電子部品・デ バイス・電子回路製造業」 「22.情報通信機械器具製造業」は次の理由により、原単位 が大きくなっている。 ①「6.パルプ・紙・紙加工品製造業」:1社(製紙会社)のエネルギー使用量が多い ②「11.ゴム製品製造業」 :自動車会社の下請け等大規模会社が多い ③「20.電子部品・デバイス・電子回路製造業」 「22.情報通信機械器具製造業」 :大企業メーカの子会社 これらを補正すれば、原単位は(財)省エネルギーセンターの原単位と同等と推定 される。 このうち、回答数が 1 社の2業種(「9.石油製品・石炭製品製造業」、 「22.情報通信 機械器具製造業)を除き、原単位の差が大きい「6.パルプ・紙・紙加工品製造業」 「11. ゴム製品製造業」 「14.鉄鋼業」「20.電子部品・デバイス・電子回路製造業」につき、 原単位が大きく異なる 1~2 社を除くと、エネルギー消費原単位は図表Ⅱ.33 となる。 「11.ゴム製品製造業」 「14.鉄鋼業」は原単位がほぼ一致する。 「20.電子部品・デバイス・電子回路製造業」は原単位の差は小さくなる。 「6.パルプ・紙・紙加工品製造業」については、原単位が小さくなる。 -2-119- 図表Ⅱ.33 エネルギー消費原単位(4 業種について数値が著しく異なる 1~2 社を除く) (原油換算kL/出荷億円) 0 50 100 エネルギー原単位(中国5県) 121 3.繊維工業 15 33 4.木材・木製品製造業(家具を除く) 14 20 5.家具・装備品製造業 7 61 6.パルプ・紙・紙加工品製造業 (1 社を除くと原単位は小さくなる) 5 99 7.印刷・同関連業 12 237 8.化学工業 5 8 1 237 10.プラスチック製品製造業 18 51 11.ゴム製品製造業 2 (1 社を除くと原単位はほぼ一致) 1 12.なめし革・同製品・毛皮製造業 131 13.窯業・土石製品製造業 32 70 14.鉄鋼業 6 3 290 16.金属製品製造業 34 69 17.はん用機械器具製造業 10 101 15 18.生産用機械器具製造業 74 5 114 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業 3 (1 社を除くと原単位の差は小さくなる) 274 21.電気機械器具製造業 23.輸送用機械器具製造業 (1 社を除くと原単位はほぼ一致) 78 15.非鉄金属製造業 22.情報通信機械器具製造業 250 参考原単位 84 5 2.飲料・たばこ・飼料製造業 19.業務用機械器具製造業 200 サンプル数:422 企業数:38 1.食料品製造業 9.石油製品・石炭製品製造業 150 17 37 1 239 20 -2-120- 図表Ⅱ.34(1) 業種別エネルギー使用量、生産出荷額の内訳(1/4) 2.飲料・たばこ・飼料 4.木材・木製品 6.パルプ・紙・ 3.繊維工業 5.家具・装備品製造業 製造業 製造業(家具を除く) 紙加工品製造業 エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 1 76.0 2,443.9 11.0 121.5 1.0 24.7 4.2 70.1 2.5 38.9 7.5 88.1 2 54.0 419.8 5.0 61.4 1.2 46.5 3.0 11.2 10.0 252.9 11.0 550.9 3 7.0 314.2 9.0 100.0 5.0 150.7 4.0 175.5 22.0 1,022.0 11.0 559.8 4 17.0 886.9 28.0 2,717.5 66.0 4,212.6 140.0 365.4 25.0 1,197.3 60.0 459.0 5 5.0 74.8 12.0 1,811.6 12.0 71.3 10.0 33.1 9.7 262.2 14.0 235.2 6 21.0 719.4 6.0 9.4 3.0 42.8 3.0 226.5 100.0 27,666.2 7 10.0 183.2 7.0 19.1 9.0 384.5 10.0 351.3 8 2.3 50.8 10.0 1,622.9 168.0 45,526.3 9 7.0 365.7 2.0 7.5 620.0 11,771.7 10 14.0 10.3 96.0 3,550.9 4.0 354.1 11 13.0 846.3 5.3 151.6 13.0 4.4 12 16.0 1,660.3 8.0 25.6 50.0 2,458.9 13 20.0 429.2 3.8 19.2 5.0 92.7 14 5.0 549.3 1.8 63.7 4.0 67.9 15 6.0 621.7 3.7 43.5 16 155.0 8,843.0 除いた数値 17 23.0 52.2 18 17.0 1,186.8 19 24.0 133.1 20 17.0 73.8 21 7.0 331.2 22 30.0 1,182.8 23 4.0 139.5 24 8.0 271.3 25 1.5 79.0 26 4.0 69.4 27 60.0 2,768.2 28 33.0 721.5 29 14.0 1,104.8 30 22.0 1,855.8 31 2.2 61.4 32 37.0 1,649.4 33 14.0 1,476.0 34 2.8 15.7 35 26.0 2,007.1 36 6.0 78.8 37 6.0 864.7 38 12.0 653.6 合計 798.8 35,194.9 65.0 4,812.0 228.8 10,019.2 1037.2 61,358.5 82.2 3,351.1 203.5 29,559.2 原油(kL)/年間出荷額(億円) 44.1kL/億円 74.0kL/億円 43.8kL/億円 59.2kL/億円 40.8kL/億円 145.3kL/億円 103.5 1,893.0 18.3kL/億円 1.食料品製造業 № 図表Ⅱ.34(2) 業種別エネルギー使用量、生産出荷額の内訳(2/4) 9.石油製品・石炭 10.プラスチック製品 12.なめし革・同製品・ 8.化学工業 11.ゴム製品製造業 製品製造業 製造業 毛皮製造業 エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 217.7 15.0 307.1 79.0 899.5 5.0 21.4 40.0 12,249.1 35.1 130.0 4,932.4 16.0 57.5 13.0 2,038.0 80.7 32.0 589.6 35.0 1,845.5 36.0 1,831.1 504.2 110.0 4,039.1 3.6 276.0 625.8 3.0 150.3 15.0 488.1 83.5 7.0 1,513.8 360.2 4.0 295.3 277.4 4.0 142.5 114.0 79.1 8,272.2 611.2 5.0 127.6 1,315.9 6.7 848.2 1,200.6 9.1 12.3 8.0 146.5 20.0 1,135.1 11.0 345.0 50.0 2,652.1 除いた数値 10.0 1,135.7 625.0 6,708.2 7.印刷・同関連業 № 生産出荷額 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 合計 原油(kL)/年間出荷額(億円) 18.0 2.0 5.2 15.0 5.0 6.0 11.0 7.0 5.0 11.0 56.0 20.0 161.2 5,426.4 33.7kL/億円 290.0 10,018.5 34.5kL/億円 79.0 899.5 11.4kL/億円 -2-121- 913.5 26,023.2 28.5kL/億円 89.0 16,118.2 181.1kL/億円 49.0 3,869.1 79.0kL/億円 0.0 0.0 図表Ⅱ.34(3) 業種別エネルギー使用量、生産出荷額の内訳(3/4) 17.はん用機械器具 18.生産用機械器具 14.鉄鋼業 15.非鉄金属製造業 16.金属製品製造業 製造業 製造業 エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 180.8 1727.0 1,016.4 94.0 2,426.8 5.0 22.3 33.0 845.1 5.0 1,224.9 3,972.4 5.5 106.7 33.0 3,349.1 9.0 3.0 8.0 143.5 22.0 358.6 17,076.8 16.0 3,774.3 5.0 275.8 5.0 85.1 11.0 154.6 5.0 3.1 194.0 5.0 27.2 3.5 173.0 2.5 2.3 39.0 1,251.0 385.8 30.0 3,242.4 16.0 167.7 16.0 346.2 70.0 842.9 1,503.3 48.1 2,395.0 32.0 146.0 3.0 21.3 4.0 7.9 264.1 79.0 8,655.6 6.0 1,078.1 140.0 2,746.3 29.0 175.8 107.0 4.5 1,047.1 109.0 2,094.2 10.0 17.9 749.7 16.0 278.4 100.0 974.8 7.0 1.0 310.0 21.0 188.8 188.0 2,496.7 3.0 88.5 836.7 1.8 102.8 3.8 309.6 217.4 15.0 1,367.6 3.8 924.6 144.7 5.0 600.0 3.0 13.0 884.4 24.0 2,952.8 30.0 571.8 81.9 18.0 125.3 20.0 248.6 268.4 2.5 27.7 除いた数値 130.8 16.0 169.9 143.4 5.0 437.4 410.0 10.0 49.3 2,246.6 5.0 30.0 22,822.7 3.0 53.0 247.3 5.5 106.8 6,045.2 36.0 3,742.6 133.6 22.0 837.2 458.1 80.0 2,466.5 4.0 7.5 52.3 1.7 44.0 114.6 44.1 2.9 21.5 713.5 10.0 244.5 1,762.3 6.0 634.3 1,846.7 12.0 753.8 544.8 33.0 2,380.8 20.0 1,909.8 12.0 381.0 13.窯業・土石製品製造業 № 生産出荷額 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 合計 原油(kL)/年間出荷額(億円) 4.0 20.0 15.5 5.0 4.0 10.0 3.0 3.0 8.0 18.0 5.0 5.0 18.0 11.0 18.0 10.0 13.0 3.0 3.5 30.0 21.0 8.5 7.0 2.5 25.0 3.7 6.0 9.0 4.0 8.0 12.0 4.0 317.7 64,732.3 203.8kL/億円 図表Ⅱ.34(4) № 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 合計 原油(kL)/年間出荷額(億円) 1910.6 19,217.7 10.1kL/億円 183.6 18,201.3 99.1kL/億円 132.0 6,051.7 45.8kL/億円 514.2 22,750.9 44.2kL/億円 610.5 9,825.1 16.1kL/億円 業種別エネルギー使用量、生産出荷額の内訳(4/4) 19.業務用機械器具 20.電子部品・デバイス・ 22.情報通信機械器具 23.輸送用機械器具 21.電気機械器具製造業 製造業 電子回路製造業 製造業 製造業 エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー 使用量 使用量 使用量 使用量 使用量 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 生産出荷額 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 原油kL/年 4.3 52.2 2.0 44.1 4.0 18.9 53.0 12,279.1 42.0 2,387.6 10.0 85.1 56.0 12,378.0 17.0 64.4 64.0 195.7 5.0 160.6 45.0 255.3 1.2 36.2 29.0 1,620.8 3.7 72.8 63.0 14,800.0 150.0 1,776.0 71.5 2,218.2 8.0 15.4 6.0 104.4 30.0 984.7 17.0 112.0 15.0 310.4 47.0 288.3 14.0 436.9 3.0 10.2 24.0 28.0 6.0 73.6 5.0 252.3 20.0 104.5 10.0 26.0 9.0 150.6 50.0 9,091.8 14.0 1,305.0 26.6 783.5 220.0 21,938.2 10.4 436.4 6.0 182.7 9.0 276.8 12.0 89.3 10.0 22.2 4.3 236.3 10.0 587.5 除いた数値 10.0 990.9 87.0 4,064.2 38.0 183.3 15.0 308.2 59.0 4,431.7 31.0 386.0 12.5kL/億円 166.0 27,477.4 165.5kL/億円 103.0 12,677.4 123.1kL/億円 546.5 27,481.4 50.3kL/億円 -2-122- 53.0 12,279.1 231.7kL/億円 619.5 28,646.0 46.2kL/億円 254.6 6,039.3 23.7kL/億円 (2)考察 a.アンケート結果 アンケートは 2,500 社の郵送に対し 475 社より回答があり、回収率 19.0%となっ た。エネルギー利用に関する質問、及び東日本大震災の企業活動への影響についての アンケート結果は次のとおりである。 1.東日本大震災の影響 ・東北地方・関東地方に約 17%の会社が事業所・工場がある。約 70%の会社が東 北地方・関東地方に取引先がある。 ・事業活動に影響があると考えている会社は約 60%ある。設備投資への影響は 約 80%が影響がないと考えている。 ・東日本大震災により約 60%の会社が省エネ意識が高まったと回答している。 2.省エネルギー対策について ・約 90%の会社が省エネに関心をもっており、省エネ意識は高い。 ・ 「エネルギー原単位の管理」を約 40%の工場が実施している。FEMSとも関 連する「機器システムの効率を計測・管理」している工場も約 20%ある。 ・省エネの設備投資は、 「1~4 年程度の回収」が 34.3%。次いで「5~10 年程度」 が 24.8%と高い。 「補助の必要性」があげられており、コストが課題である。 3.再生可能エネルギーの導入について ・再生可能エネルギーを導入している工場は少ない。最も多いのが「太陽光発電」 の 10、次いで、 「バイオマス熱利用」9、 「バイオマス発電」4 である。 「バイオ マス熱利用」 、 「バイオマス発電」はいずれも木質バイオマスである。 ・再生可能エネルギーとして利用できる資源は、太陽光が対象の「空屋根」が 211 件、 「空地」74 件と多い。次いで、熱利用の「木材(廃材等)」48 件、 「排 熱(ボイラ燃焼ガス等)」47 件である。小水力発電が対象の「水流(工場排水等)」 も 22 件あった。 4.エネルギー使用実態について ・燃料、電力の年間使用量から、エネルギー原単位を算出した。結果は、b.エ ネルギー原単位にまとめる。 5.エネルギーマネジメントシステム(FEMSについて) ・FEMSについては、利用したいが「導入可能性大」、 「興味がある」を合わせ ても 23.4%であり、中小企業にはまだ認知度が低い。 ・導入する条件は、 「投資に要した費用が省エネで回収できる」30.5%、 「補助金 制度があれば」21.8%で 50%を超えており、コストが課題となっている。 -2-123- b.エネルギー原単位 エネルギー原単位は工場の省エネルギー化を評価する指標となる。 「1. 食料品製造 業」ほか 10 業種については、 (財)省エネルギーセンターの原単位とほぼ一致してお り、この原単位により工場の省エネルギー化の動向を概ね評価できると考えられる。 上記以外の業種では、 「4.木材・木製品製造業(家具を除く)」 「5.家具・装備品製 造業」は原単位が大きい。これは、中国地方のこれら業種の規模が大きいと考えられ、 また地産エネルギーの活用も多いことから、生産活動が活発であると考えられる。 他の業種の原単位は(財)省エネルギーセンターの原単位より小さい。これは、こ れら業種の規模が小さいためと考えられる。 なお、「9. 石油製品・石炭製品製造業」「20. 電子部品・デバイス・電子回路製造 業」 「22.情報通信機械器具製造業」はアンケート回答数が少なく、また大企業メーカ の子会社の回答も含むので再調査を要する。 図表Ⅱ.35 エネルギー原単位(原油kL/億円。図表Ⅱ.32 の補正値) 業 種 区 分 1.食料品製造業 2.飲料・たばこ・飼料製造業 3.繊維工業 4.木材・木製品製造業(家具を除く) 5.家具・装備品製造業 6.パルプ・紙・紙加工品製造業 7.印刷・同関連業 8.化学工業 9.石油製品・石炭製品製造業 調査結果 ()はアンケート数 44.1 (38) 74.0 (5) 43.8 (15) 59.2 (14) 40.8 (7) 18.3 (5) 33.7 (12) 34.5 (5) 省エネルギーセンター ()はサンプル数 59.0 (422) 75.0 (84) 155.0 (121) 33.0 (33) 19.0 (20) 88.0 (61) 51.0 (99) 75.0 (237) 11.4 (1) 156.0 (8) 10.プラスチック製品製造業 11.ゴム製品製造業 12.なめし革・同製品・毛皮製造業 13.窯業・土石製品製造業 14.鉄鋼業 15.非鉄金属製造業 16.金属製品製造業 17.はん用機械器具製造業 18.生産用機械器具製造業 19.業務用機械器具製造業 28.5 79.0 - 203.8 99.1 45.8 44.2 16.1 23.7 12.5 (18) (2) (0) (32) (6) (3) (34) (10) (15) (5) 71.0 58.0 43.0 170.0 105.0 86.0 59.0 32.0 25.0 28.0 (237) (51) (1) (131) (70) (78) (290) (69) (101) (74) 20.電子部品・デバイス・電子回路製造業 123.1 (3) 57.0 (114) 50.3 (17) 31.0 (274) 231.7 (1) 21.0 (37) 46.2 (20) 47.0 (239) 21.電気機械器具製造業 22.情報通信機械器具製造業 23.輸送用機械器具製造業 -2-124- 評 価 ○:原単位ほぼ一致 ○:原単位ほぼ一致 原単位小 原単位大 原単位大 原単位小 ○:原単位ほぼ一致 原単位小 アンケート数小。再調査 要 原単位小 ○:原単位ほぼ一致 - ○:原単位ほぼ一致 ○:原単位ほぼ一致 原単位小 ○:原単位ほぼ一致 原単位小 ○:原単位ほぼ一致 原単位小 アンケート数小。メーカ子 会社。再調査要 ○:原単位ほぼ一致 アンケート数小。メーカ子 会社。再調査要 ○:原単位ほぼ一致 c.省エネルギーの可能性 中小企業の省エネルギーの関心は高い。省エネルギーの方策としては(a)地産エ ネルギーの活用、(b)設備改善 があるが、設備投資を要する地産エネルギーの活 用は導入も少ない。導入によるエネルギー削減量も小さい。 中小企業工場の省エネルギー化は、現状は設備改善の方が効果が高い。 (a)地産エネルギーの活用 地産エネルギーの導入会社は、アンケート回答の 475 社のうち、最も多いのが「太 陽光発電」の 10 工場、次いで「バイオマス熱利用」の 9 工場、 「バイオマス発電」の 4 工場であり、導入は少ない。 「空屋根・空地」 「木材(廃材等)」等、地産エネルギー導入が可能な資源から推定 したエネルギー量は、比較的導入が容易な太陽光で 5~7%のエネルギー削減が見込 まれる。また、地産エネルギー導入が進んでいる製材所等木材業者では木質ボイラの 導入により約 5%のエネルギー削減が見込まれる。 (b)設備改善 設備投資額が抑えられる設備改善は、省エネルギーの関心の高い中小企業工場で導 入は容易である。 大企業で実践されている次の手法により、現時点では(a)地産エネルギーの活用 よりも高い省エネルギー効果が見込まれる。 1.設備診断手法 (1)非生産時に機器(空調、コンプレッサー等)を停止 (2)生産ラインに製品が流れていない時は(1)と同様機器を停止 (3)コンプレッサーの流量・圧力を音・差圧測定の簡易な方法で計測し、空気漏 れ・配管ロスの確認 2.省エネ手法 (1)機器の改善:①高効率化、②モータのインバータ化、③台数制御 (2)運用対応:①温度・圧力等運転条件の最適化、②流量可変制御 3.省エネ推進運動 (1)省エネ改善提案を改善前後で比較しまとめる (2)(1)の成果を従業員全員で共有 -2-125- Ⅲ.地産エネルギー活用及びFEMSに関する先進事例調査 1.先進事例調査の目的 先進事例調査の目的は、以下のとおりである。 地産エネルギーを活用した中小企業工場のFEMS構築の可能性、及びその構築 における中小企業参入・新産業創出の可能性の検討に向けてのヒントを得る。 2.先進事例視察先の概要 (1)中部地域 委員会による先進事例視察先は、以下のとおり中部地域を対象に 4 箇所を抽出し た。先進事例視察先の概要は次のとおりである。 図表Ⅲ.1(1) 先進事例視察先の概要 視察先 シンフォニアテクノロジー株式会社 豊橋製作所 場 所 愛知県豊田市 要 • シンフォニアテクノロジーは、実証実験として豊橋製作所内事務 所を 10kW 程度の工場事務所と想定し、太陽光発電の最大電力追従 制御や蓄電の残量検出、緊急時の系統切り替え、発電量と負荷パ ターンの測定制御などの小規模スマートグリッドシステムを構築 している。 概 参考とな るポイン ト • 風力発電、水力発電、太 陽光発電等の自然エネル ギーを鉛蓄電池に充電 し、独自開発した「自然 電力マネジメントシステ ム」によって発電量、蓄 電残量及び負荷を監視 し、供給できる電力量に 合わせて負荷電力を段階 的に切替え制御すること で、自然エネルギーで発 電した電力を最大限に有 効活用し、特定区域内に 安定した電力供給を行う システム(呼称:ナチュ エネ) • 太陽光発電の最大電力追 従制御や蓄電池の残量検 出、緊急時の系統切り替 え、発電量と負荷パター ンの測定制御 資料:シンフォニアテクノロジーホームページ -2-126- 図表Ⅲ.1(2) 先進事例視察先の概要 視察先 あいち臨空新エネルギー実証研究エリア 場 所 愛知県常滑市 要 • 中部臨空都市周辺の様々な新エネルギー関連施設で構成された多 様な新エネルギー研究・体験型パークであり、新エネルギーに関 する展示体験施設や企業による実証研究を見学できる「あいち臨 空新エネルギー実証研究エリア」を中核として、太陽光発電・バ イオマス発電・燃料電池・風力発電等、様々な新エネルギーを体 験できる施設がある。 概 • 小学校を中心とした学校の社会見学、大学・企業等の研修会・セ ミナー等で利用できる「新エネ体験館」と「実証研究施設」によ る新エネルギーをわかりやすく学べる施設の設置 • 水素エネルギーを活用した燃料電池自動車(FCV) ・燃料電池バ スの燃料である水素を充填する施設の設置及び燃料電池バスの空 港内運行 • 天然ガスコージェネレーションによる地域冷暖房 • 発電出力 7,500kW(一般家庭約 2,000 世帯が使用する電力量相当を 発電)の太陽光発電所の設置(平成 23 年 10 月に運転開始) 参考とな るポイン ト 資料:あいち臨空新エネルギー実証研究エリアホームページ -2-127- 図表Ⅲ.1(3) 先進事例視察先の概要 視察先 パナソニックエコシステムズ株式会社 春日井工場 場 所 愛知県春日井市 要 • パナソニックは、2007 年度からの 3 年間で、生産活動におけるC O2排出量をグローバルで 30 万トン削減することを掲げた目標に 対し、84 万トンの削減を達成した。そのCO2削減取組みで蓄積 した 1,300 件以上に及ぶ省エネノウハウを広く社会に展開するた め、パナソニックエコシステムズ春日井工場において、製造業の 工場管理者様向けに、CO2削減ノウハウをベースとしたシステ ムや機器、事例を数多く展示している。 概 • 春日井工場で稼働している生産設備や原動設備に導入したシステ ムから得られる測定データの随時モニタリング(eco 見える化室) • ソリューション提供している工場省エネ支援サービスの最新技術 やシステム機器、パナソニックグループの工場で採用されている 省エネ事例の紹介 • 工場の省エネに加え、排水処理、造排水リサイクル、排ガス処理、 資源リサイクル、土壌地下水浄化、太陽光発電などの環境・エネ ルギー技術やノウハウをトータルで提供する「工場まるごと」で 環境に配慮したグリーンファクトリーの実現 参考とな るポイン ト 資料:パナソニックエコシステムズホームページ -2-128- 図表Ⅲ.1(4) 先進事例視察先の概要 視察先 シャープ株式会社 亀山工場 場 所 三重県亀山市 要 • 環境先進企業の実現を目指し、テクノロジ、プロダクト/デバイ ス、ファクトリー、リサイクル、マネジメントの 5 分野で、環境 負荷低減に取り組む「スーパーグリーン戦略」を進めている。中 でも工場の環境性能を評価する「スーパーグリーンファクトリー」 (SGF)では、2008 年 3 月期までに、全 10 工場をSGF化する という中期目標を達成し、2008 年度からは温室効果ガスと廃棄物 の総排出量削減を目指す「SGFⅡ」を展開している。 概 • 一般家庭の約 1,300 軒分に相当する太陽光発電(5,210kW)の設置 により、自ら太陽光発電システムでエネルギーを作り出す「創エ ネ」を実践 • 合計発電量が日本最大級となる溶融炭酸塩型燃料電池(発電量: 250kW)を 4 台設置し、すべてを工場内の生産用動力用として使用 • 上記燃料電池の発電に伴う廃熱も蒸気として回収するとともに、 夜間や雨の日も発電できるため、太陽光発電とハイブリット化し て電気を安定供給 • LNG(液化天然ガス)を用いて、第 1 工場は約 12,000kW、第 2 工場は約 14,400kW を自家発電し、その際に発生する廃熱を冷暖房 や給湯などに利用 参考とな るポイン ト 資料:シャープホームページ -2-129- (2)関東甲信越地域 委員会による先進事例視察とは別に、事務局による先進事例視察として関東甲信越 地域 2 箇所を抽出した。なお、先進事例視察先の概要は次のとおりである。 図表Ⅲ.2(1) 先進事例視察先の概要 視察先 株式会社 日立産機システム本社 場 所 東京都千代田区 要 • 株式会社 日立産機システムは、産業電機を製造・販売している。 • 国内製造拠点と主な製品は以下のとおりである。 習志野事業所:モータ、インバータ、ポンプ 中条事業所:アモルファストランス、開閉器 清水事業所:スクリュー圧縮機 相模事業所:ベビコン 多賀事業所:インクジェットプリンタ 概 • 【SAN FEMSライト】は、受配電室、ユーティリティー、生 産現場などの個別設備や、中小規模工場など、最も必要な部門に 導入しやすいエネルギー管理システム。監視対象毎に機能を標準 化したユニット構成であり、規模に応じたシステム構築が可能で、 Webサーバ機能により、LANを利用したデータ収集と遠隔監 視が可能。 参考とな るポイン ト 資料:(株)日立産機システムホームページ -2-130- 図表Ⅲ.2(2) 先進事例視察先の概要 視察先 株式会社 日立産機システム中条事業所 場 所 新潟県胎内市 要 • 中条事業所の主な製品は以下のとおりである。 ①変圧器 ②開閉器・遮断器 ③H-NET(配電・ユーティリティー監視システム) ④クリーンエア装置 ⑤精密金型 ⑥プログラマブルコントローラ • 中条事業所には、3 つの生産工場があり、その中でも変圧器の製造 工場を主としている。 概 • 二次変電設備における従来型変圧器の運転状況を電源監視装置 (H-NET)で計測・記録・分析し、省エネ効果の最も大きい アモルファス変圧器への更新実施 • 標準式空気圧縮機とインバータ式空気圧縮機を組合せた空気圧縮 機の負荷追従方式への運転改善の実施 • 変圧器組立職場の温湿度管理に必要であった電気ヒータを空調機 の廃熱と蒸気乾燥炉のドレン熱を再利用することで廃止 参考とな るポイン ト 資料:(株)日立産機システムホームページ -2-131- 3.先進事例視察の実施及び調査結果の整理 (1)中部地域 a.スケジュール 先進事例視察は、以下のとおり 3 日の行程で実施し、1 箇所あたり 1 時間半から 2 時間で視察及び意見交換を実施した。 図表Ⅲ.3 先進事例視察スケジュール 月 日 9/7(水) 時 間 視 13:30~15:30 9:30~11:00 9/8(木) 14:10~16:10 9/9(金) 9:30~11:30 察 先 場 シンフォニアテクノロジー株式会社 豊橋製作所 あいち臨空新エネルギー実証研究エリア パナソニックエコシステムズ株式会社 春日井工場 シャープ株式会社 亀山工場 所 愛知県豊橋市 愛知県常滑市 愛知県春日井市 三重県亀山市 図表Ⅲ.4 先進事例視察先の概略位置図 パナソニックエコシステムズ株式会社 春日井工場 シャープ株式会社 亀山工場 あいち臨空エネルギー 実証研究エリア -2-132- シンフォニアテクノロジー株式会社 豊橋製作所 b.先進事例調査結果 中部地域における先進事例調査のヒアリング結果を以下に示す。 図表Ⅲ.5(1) 先進事例調査におけるヒアリング結果 視察先 シンフォニアテクノロジー株式会社 住 愛知県豊橋市 所 豊橋製作所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 • (旧)神鋼電機から社名変更しており、一般用産業用クラッチ等の産業機 器や航空・車両に関する装置・システム、エコ発電システム等を製造・販 売している。 • 2003 年に一般消費者に販売できる商品として、モータ発電機等の技術を 活用した小型風力発電の開発を開始した(そよ風くん) 。現在、全国で 950 基が稼動しており、1 台も事故を起こしていない。 特徴的な技術 • 2010 年 10 月から、ナチュエネシステムの実証実験を開始している。 • ナチュエネシステムとは、 8.64kW の太陽光発電、1.0kW の水力発電、 5.22kW (1.74×3 台)の風力発電の 3 つの再生可能エネルギーを蓄電池(600Ah 48V)と自然エネルギー(NEMS)コントローラで制御し、豊橋製作所 の事務所の一部エリアに電力供給(負荷:11.572kW)する小規模スマート グリッドシステムである。なお、リアルタイムモニタ及びホームページに より、発電エネルギー量及び消費電力量を確認することもできる。 • 蓄電池は、古河電池株式会社のウルトラバッテリーを使用している。ウル トラバッテリーとは、鉛蓄電池の負極にスーパーキャパシタを電極レベル で組み込んだハイブリッドバッテリーであり、変動の激しい自然エネルギ ーに対応した蓄電池である。通常の鉛蓄電池であれば、蓄電池容量の 30% 分しか充放電ができないが、ウルトラバッテリーでは容量の 70%分で充 放電が可能となっている。 • ナチュエネシステムの特徴は以下のとおりである。 ①安定した電力供給 ②効率良く蓄電池に充電 ③蓄電池容量が少ない時は電気の使用量を制限 ④電力の平準化を行い、ピークカットに大きく貢献 ⑤非常時や災害時の独立電源に ⑥設置環境に合った様々な発電装置の組み合わせが可能 ⑦既設の太陽光発電などの流用も可能 • 運転モードは、大きく「自立モード」と「連系モード」の 2 つがあり、 「自 立モード」は 4 パターン、 「連系モード」は 2 パターンで自動切換えによ り運転している。なお、負荷制御を行うモードは、事務所の負荷機器(コ ピー機、自動販売機、照明・スポット照明、コンセント)に優先順位をつ け、スイッチのON/OFFにより制御している。 • 将来的には、太陽光発電、小水力発電、小型風力発電以外の再生可能エネ ルギーとも連系しながら、天候に基づき電力需要予測による最適電力供給 運転や調整可能な負荷設備(照明・空調)の省エネ制御、電気自動車や急 速充電器によるビークル to グリッド等に展開したいと考えている。 -2-133- 中小企業工場へ の適用可能性 • ナチュエネシステムの用途例としては、学校や道の駅、農業施設(植物工 場含む) 、コンビニ、工場事務所・管理棟などを想定している。 • 導入メリットとしては、ピークカットによる電気料金削減や非常時の電源 確保等が考えられるが、実証段階でのシステム価格が工事費込みで 4,000 万円程度と見込まれることから、国や自治体からの補助事業や金融機関か らの低金利融資がないと普及が進まないと考えられる。 • 植物工場での活用については、経済産業省の補助事業により平成 23 年度 から5年間かけて豊橋市で実証を行う予定であり、自然エネルギーを活用 した制御システムによるトマト生産を行い、量産システム(2.5 倍の収穫) を構築する計画である。この事業により植物工場への適用可能性について 検討する予定となっている。 中小企業参入 (製品供給等) の可能性 • ナチュエネシステム自体は、シンフォニアテクノロジーの製品に古河電池 のウルトラバッテリーを組み合わせたものであり、すでに存在する製品を システム化することで新たな付加価値を創出している。 • 太陽光発電や蓄電池などは、まだコスト高であることから、システム全体 のコストが高止まりしており、販売における大きな課題となっている。 新産業創出の 可能性 • 小型風力発電が全国で 950 基稼動しているが、国内クレジット制度を活用 して、それらの環境価値をバンドリングすれば、新たな収入源を得られる 可能性がある。 • 東日本大震災を受けて、分散型電源の活用ニーズが高まっており、相談案 件も増えている。特に、コンビニはPOSデータのやりとりができないと、 円滑な事業運営ができないことから、停電時における分散型電源の活用方 法として、ナチュエネシステムの導入可能性が高まっている。 その他 • 系統連系ガイドラインの条件が緩和されれば、ナチュエネシステムのよう な再生可能エネルギーを組み込んだ仕組みが普及しやすくなると感じて いる。 • 例えば、砂防ダムは今後も全国的な整備が進められていく計画であるが、 そこに小水力発電設備を設置するとともに、近くにキャンプ場を整備し電 力供給をする等、エネルギーの地産地消を行いながら、地域振興に活用す る方法もある。 参考写真 -2-134- 図表Ⅲ.5(2) 先進事例調査におけるヒアリング結果 視察先 あいち臨空新エネルギー実証研究エリア 住 愛知県常滑市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 • 愛知県では、「環境・エネルギー産業」を地球温暖化や資源枯渇等の問題 に対応した次世代の成長産業として位置づけ、特に新エネルギー関連産業 の振興を図るため、技術の実用化を促す研究開発拠点として、「あいち臨 空新エネルギー実証研究エリア」を整備し、実証研究の場を提供している。 • 実証研究では、 「自然エネルギー分野」 「バイオマス・廃棄物利用分野」 「燃 料電池分野」「その他革新的エネルギー分野」の 4 分野を実施している。 • エリア内で発電した電力は、「エリア内使用(スターリングエンジン、燃 料電池、風力発電、NAS電池)」 「常滑浄化センター送電(太陽光発電 4 種類)」 「EV/PHV用充電器(風力発電) 」でそれぞれ使用している。 特徴的な技術 • 各研究における特徴的な技術は以下のとおり。 ①集光型太陽光発電プラントの実証研究・・・集光型太陽光発電は、他の太 陽光発電に比べ高い変換効率で電気を作り出すことができ、晴天時にはシ リコンを用いた太陽電池の約 2 倍程度の能力となる。この装置は、太陽の 動きに合わせて自動的にパネルの向きを変える追尾型になっている。 ②小型風力発電装置の翼の騒音低減のための実証研究・・・風力発電機の普 及には、風切音による騒音の低減が必要である。したがって、本研究では、 騒音を低減するため、翼の材質と形状の変更を行い、発電量を維持しなが ら翼の先端速度を遅くする実証を行っている。 ③蓄電式小型風力発電装置におけるバッテリー充放電制御の実証研究・・・ この小型風力発電装置は、風速約 1m/s で風車が回転を始め、垂直軸の翼 を持つことであらゆる風向でも風車が回転し、発電することができる。本 研究では、この風力発電装置にバッテリー装置を搭載し、効率的な発電、 充電システムを検討・検証している。 ④バイオマス利用スターリングエンジン発電の実証研究・・・この発電シス テムは、木くず等のバイオマス燃料を燃焼装置内で燃やし、そこで得た高 温の燃焼ガスを、スターリングエンジンを稼動する熱源として利用し発電 する。本研究では、バイオマス資源を利用したスターリングエンジン発電 システムの特性を調べている。 ⑤家庭用燃料電離の耐塩害性耐久評価の実証研究・・・燃料電池システム は、エネルギー効率が高く、発電のときに排出されるCO2が少ないため、 非常にクリーンな発電・熱供給システムである。一方、海岸近くの家では、 塩分が金属を腐食する等の塩害が発生しやすくなることから、本研究では 燃料電池システムの耐塩害性に関する耐久試験を実施している。 ⑥EV/PHV用充電器インフラ普及に向けた運用課題の抽出及び自然 エネルギーの適用可能性の実証研究・・・本研究では、大電力で短時間に充 電する急速充電器とゆっくり充電する普通充電器を使用し、充電待ち時間 の短縮による充電器の利用効率アップや使い易さに関する研究のほか、垂 直軸型小型風力発電装置と連携させて、充電器への自然エネルギーの有効 活用に関する研究を実施している。 ⑦保水セラミックスを用いた太陽光発電効率向上システムに関する実証 研究・・・結晶シリコン系太陽電池は、温度上昇とともに発電効率が低下す るといった特性を有しており、太陽電池モジュールの表面温度が 1℃上昇 すると発電効率が 0.5%低下する。特に夏場は、モジュール表面温度が 50 ~60℃になり、発電効率が 10%以上も低下することから、太陽電池モジ ュールの裏面に保水セラミックスを設置し、保水セラミックスの水が蒸発 -2-135- して気化熱を奪うことで、太陽電池を冷却させ、発電効率を向上させる研 究を実施している。 中小企業工場へ の適用可能性 • 実証研究段階であることから、現時点で直接的に中小企業工場へ適用でき るものはないが、太陽光発電(計 360kW)は近傍の常滑浄化センターへ送 電、太陽光発電以外の電力(計 285kW)はエリア内使用しており、エネル ギーの地産地消を実施しているところは適用可能と思われる。 中小企業参入 (製品供給等) の可能性 • 保水セラミックスを用いた太陽光発電の効率向上システムは、(株)LI XILが実施しており、いわゆる機械器具製造業ではない、その他の製造 業についても、環境・エネルギー分野に参入するために研究を進めている。 新産業創出の 可能性 • スターリングエンジンは、シリンダ内に気体を閉じ込めて、シリンダを外 から暖めたり冷やしたりすることで気体を膨張収縮させ、ピストンを動か して発電する外燃機関エンジンであるが、実証設備は海外製のもので、保 守・メンテナンスが容易ではない。国内におけるスターリングエンジンの 技術開発については、木質バイオマス資源が豊富な日本においては有望技 術・産業になる可能性があると考えられる。 • EV/PHV用充電器システムと新エネルギーとの連携については、今後 の社会ニーズに沿った製品になる可能性があると考えられる。 • 集光型太陽光発電や保水セラミックスのような、太陽光発電の変換効率を 高める技術や製品は、今後の社会ニーズに沿った製品になる可能性がある と考えられる。 参考写真 -2-136- 図表Ⅲ.5(3) 先進事例調査におけるヒアリング結果 視察先 パナソニックエコシステムズ株式会社 春日井工場 (パナソニック環境エンジニアリング株式会社) (パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社) 住 愛知県春日井市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 • 春日井工場は、パナソニックグループの中で「環境システム事業」を担当 するパナソニックエコシステムズのマザー工場として、地球に優しく、人 にも優しい商品開発とものづくりを進めている。 • 「eco見える化工場」では、パナソニック環境エンジニアリングとパナ ソニックグループの省エネ取組みを現場・現物で見学できるモデル工場と もなっている。 • また、パナソニック システムソリューションズ ジャパンでは、「エコ見 える化システム」を開発し、工場の拠点ごとのムダを見える化することで、 一括モニタリングによる効率的な省エネ推進の支援を行っている。 特徴的な技術 • 生産状況に応じて生産設備(実装機/実装ライン、成形機、乾燥炉・焼成 炉)と原動設備(コンプレッサ、排ガス処理装置、ドライエア発生装置、 ボイラ)を連携する制御システム「SE-Link」は、生産状況に応じ て原動設備の稼動調整を行うことで、工場全体をミニマムエネルギーで稼 動させるシステムである。 • パナソニックグループの省エネ活動のステップは、 「①メタゲジ設置(メ ータとゲージの略語) 」 「②省エネ診断」 「③プロセス革新」 「④BAチャー トによる横展開(BA:ビフォーアフター)」となっている。省エネはお 金がかかるイメージがあるが、これまでの省エネ取組みケースの 50%程 度は 0 円または 50 万円以下での省エネとなっている。 • また、パナソニックグループでは、省エネに関する設備評価マニュアルを 作成しており、前述のBAチャートとともにグループ内で情報を共有化し ている。 • 「見える化システム(P-FEMS) 」は、エネルギー総量はもちろん、 製品の原単位エネルギー、複数拠点でのエネルギーの一元管理を行うシス テムである。システム概要は以下のとおり。 ①多拠点のエネルギー使用量を一括集計/管理 ②各エリア、各拠点の電力、温度などを測定 ③各種データはExcel形式で出力可能 ④エネルギーモニタ未設置の拠点でもWebブラウザでエネルギー使用 量を手動入力/一括集計 ⑤一括集計したデータから帳票作成を支援 ⑥メール等によるデマンド通知 • パナソニックグループとなったサンヨーでは、創エネの取組みも実施して おり、1MW の太陽光発電により、照明設備等を中心に管理棟の 8 割の電力 を供給している。工場については、空調も含めて太陽光発電の利用は難し いと感じている。蓄電池も設置しているが、これは電力のピークカットに 用いている。省エネ、蓄エネ、創エネの 3 つがキーワードである。 • 東日本大震災を受けて、危機管理の一つとして太陽光発電の電源を用いる といった動き、全量固定価格買取制度におけるビジネス化の可能性等か ら、太陽光発電を導入するような方向性も出てきている。 • 戦時中に整備された地下空間が工場敷地内にあり、年間を通して一定の温 度が保たれることから、この地熱エネルギーを空調に活用している。 -2-137- 中小企業工場へ の適用可能性 • 中小企業については、電気使用量の削減に伴う経費縮減、省エネ法申請の ためのデータ整理等からFEMSニーズは高まりつつある。中小企業の省 エネは、 「①設備調査」 「②測定ポイントにメタゲジ設置」 「③省エネ分析」 の流れとなるが、メタゲジを設置しただけでは省エネにならない。測定結 果を見える化することで、従業員の意識向上や取組み成果の理解を深める ことで省エネ効果が高まる。パナソニックでは、社員食堂で見える化する ことで進捗状況の確認や意識付けを行うとともに、テストも実施し社員教 育の視点でも省エネに取り組んでいる。 • 例えば、エアー漏れの改善は、日々の生産活動のなかで従業員が音等で気 づくようなものもあり、外部に省エネ診断をお願いする前に中小企業で取 り組むことも可能である。 中小企業参入 (製品供給等) の可能性 • FEMSは、メタゲジのような測定技術、見える化や分析といったIT技 術、そして機械・設備等の診断技術の組み合わせであり、それぞれの技術 に強みを持つ中小企業が連携すれば、参入の可能性が高まるものと考えら れる。 新産業創出の 可能性 • パナソニックグループで実施しているBAチャートや設備評価マニュア ルは、各地にある工場の省エネ技術の情報を収集・共有化することで、グ ループ全体の省エネが進み、また従業員の教育にもつながっている。中小 企業に対しても、それぞれが連携しながら省エネ情報を共有化し、省エネ 診断と従業員教育とをあわせたようなサービスの可能性はあるものと考 えられる。その場合には、民間企業に設備やエネルギー使用状況のデータ を提供するのは企業はいやがることから、公益団体等が実施することが望 ましいと考えられる。省エネの取組みが進めば、設備投資需要が高まり、 間接的な産業振興にもつながっていくと想定される。 参考写真 -2-138- 図表Ⅲ.5(4) 先進事例調査におけるヒアリング結果 視察先 シャープ株式会社 亀山工場 住 三重県亀山市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 • 亀山工場は、液晶テレビ「AQUOS」や液晶パネル、液晶モジュールを 生産しており、10 万坪の敷地にTV工場、第 1 工場、第 2 工場や物流棟、 水処理棟、エネルギー棟等で約 3,000 名(協力会社含む)の従業員が働い ている。 • リーマンショック以降、為替変動による価格競争力の低下や、パネルの供 給過剰等により普及サイズでは利益を得ることが困難な状況にある。今後 は、60 型以上の大画面液晶テレビ、スマートフォン、タブレット端末用 の液晶パネルなどに生産品を転換するため、工場の設備を更新していると ころである。 特徴的な技術 • 亀山工場で導入している環境対応エネルギー設備は以下のとおりである。 ①建物設置太陽光発電(計 5,210kW)・・・正門前壁面、第 2 工場壁面、第 2 工場屋上、物流棟屋上、TV工場屋上 ※第 1 工場屋上は、建物の構造上 の問題で太陽光発電を設置できない ②フロート型太陽光発電(計 200kW)・・・調整池 ※パネル 4 枚は噴水用 電力としており、池の面積の 1/3 を覆うことでアオコ対策も期待できる。 ③コージェネレーションシステム(計 40,320kW)・・・都市ガスによるV型 18kエンジン(2,880kW×14 台) ※排ガスをボイラで回収し空調利用 • 上記のほか、瞬停対応のため 10,000kW で高圧側で保証するための電力貯 蔵装置を設置している。これは、液体ヘリウムの中にコイルが浸かってい る状態で、-269℃にすることで超伝導となり、コイルの抵抗がゼロにな っている。瞬停時に 1 秒間だけ電力供給する仕組みであり、8 年間で約 40 回の瞬停対応を行い、工場稼動への支障をきたしたことはない。現状では、 コストが課題であるが、コイルの材質を工夫することで、コイルの大きさ をコンパクトにし、電力貯蔵装置の大きさを変えずに大容量化(20,000 ~30,000kW)すれば、コンデンサー等と比較しても競争力があがるものと 期待される。 • 燃料電池は、地球温暖化対策のため 250kW の設備を 4 台導入し、 計 1,000kW で実験的に使用していたが、メーカー(アメリカ製)が事業から撤退した ことから、メンテナンス契約が解除され、現在は撤去している。実験的な 使用の状況として、信頼性が他の発電設備と比べて劣り 4 台全てが定格出 力で稼動したことは少なかった。トラブル事例の1つとして、日本の都市 ガスは安全性の観点で硫黄分によるにおいをつけているが、脱硫機能がう まくできなかったこと等がある。ただし、稼動時の効率は結構良いこと、 煤煙がでないこと、廃熱を利用できることから、これからの技術として期 待しても良いと考えられる。今後、チャンスがあれば、廃液からメタンガ スを取り出して、その中の水素から燃料電池を稼動させるといったエネル ギーの循環についても取り組んで行きたいと考えている。 • コージェネレーションシステムは、ベース電源としての信頼性は高く、廃 熱を空調等に利用することで、70%以上の効率で稼動している。コージェ ネシステムの導入においては工場の熱需要を調査しておくことが重要で あり、亀山工場の場合は、工場の電力需要の 1/3 ぐらいの設備規模にする と廃熱を余さず使える。なお、コージェネシステムは、メンテナンスの手 間がかかること、騒音、煤煙が発生すること、法の届けや公害防止管理者 の配置が必要なこと、規模によっては環境アセスの対応が求められること 等の課題もあげられる。特に、環境アセス対応により、導入したいと思っ -2-139- ても 2 年ぐらいの時間をアセスに要することから、すぐに導入できない状 況がある。 • 太陽光発電は、他の電源設備と比較してメンテナンスが楽である。中央監 視室で発電状況を確認し、必要に応じてパネルのよごれを点検し、鳥のふ んを掃除する程度しか実施していない。太陽光発電は、昼間のピークカッ トに有効であるが、天候がくもりや雨の時には発電しないなどのムラがあ るため、契約電力を下げるほどの効果はない。なお、太陽光パネルは、南 向きに設置するケースが多いが、工場地点は鈴鹿おろしという山風が北か ら吹き付けるため、東西向きに山型に設置している。 • 小型風力発電についても、多数設置する計画を検討していたが、風況調査 により、年間を通した安定的な風が発生しないことから、計画を断念した 経緯がある。ただし、国内事例(デンソー)で工場の排気ファンに小型風 力発電を設置している例もあり、引き続き検討していきたい。 中小企業工場へ の適用可能性 • 規模が大きいため、単純に中小企業に適用することは困難であるが、屋根 や壁面への太陽光発電の設置や、工場排気ファンへの小型風力設置の発想 は参考になる。ただし、工場の電力需要のパターンによっては、エネルギ ーの地産地消よりも全量売電の方が経済的なメリットが出てくることも 事実である。 中小企業参入 (製品供給等) の可能性 • 燃料電池については、これからの技術としては期待される。実験的使用で 確認された課題(脱硫機能)やメタンガスからの効率的な水素抽出等の技 術や製品は、今後の技術開発の中で求められるものと考えられる。 • コージェネシステムは、工場設備としてはエネルギー効率としても、ベー ス電源としての安定性も十分であることから、課題である騒音や煤煙を少 なくする技術や製品が求められるものと考えられる。 新産業創出の 可能性 • フロート型太陽光発電は、ダム湖等の閉鎖的水域でのニーズが高まってく るものと考えられる。 • 工場の排気ファンを利用した小型風力発電も、ニッチな市場としてニーズ があるのではと考えられる。 • 燃料電池については、メタンガスや水素の確保が可能な地域での活用は想 定されることから、関連技術開発により将来的な市場は広がるのではない かと考えられる。 参考写真 -2-140- (2)関東甲信越地域 a.スケジュール 関東甲信越地域の先進地視察は、以下のとおり 2 日の行程で実施した。10 日(木) は、株式会社 日立産機システム本社を訪問し、1 時間半で意見交換を実施した。11 日(金)は、株式会社 日立産機システム中条事業所を視察し、4 時間で意見交換及 び工場視察を実施した。 図表Ⅲ.6 先進地視察スケジュール 月 日 時 間 視 察 先 11/10(木) 16:00~17:30 株式会社 日立産機システム本社 11/11(金) 13:00~17:00 株式会社 日立産機システム中条事業所 図表Ⅲ.7(1) 先進地視察先の概略位置図 株式会社 日立産機システム本社 資料:Google マップ -2-141- 場 所 東京都千代田区 新潟県胎内市 図表Ⅲ.7(2) 先進地視察先の概略位置図 株式会社 日立産機システム中条 事業所 資料:Google マップ -2-142- b.先進事例調査結果 関東甲信越地域における先進事例調査のヒアリング結果を以下に示す。 図表Ⅲ.8(1) 先進地視察におけるヒアリング結果 視察先 株式会社 日立産機システム本社 住 東京都千代田区 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 • 株式会社 日立産機システムは、産業電機を製造・販売している。 • 国内製造拠点と主な製品は以下のとおりである。 習志野事業所:モータ、インバータ、ポンプ 中条事業所:アモルファストランス、開閉器 清水事業所:スクリュー圧縮機 相模事業所:ベビコン 多賀事業所:インクジェットプリンタ • 日立グループ内で認定されたスーパーエコファクトリーに習志野事業所 と中条事業所が該当している。また、エネルギー管理優良工場として経済 産業大臣表彰を受賞している。 • 環境保全として、再生可能エネルギーを利用した「やまホタル構想」を掲 げている。 特徴的な技術 • 株式会社 日立産機システムは、トータルシステムで、環境保護と効率化 の両立を実現している。 ①配電・ユーティリティー監視システム(H-NET)・・・エネルギー使 用実態や排気および排水などのデータ記録が可能で、展開・送信・編集の 容易なシステム。 ②超省エネ変圧器Superアモルファス・・・トップランナー変圧器に比 べて、待機電力(無負荷損)を低減する。 ③高効率モータ・・・鉄心形状の最適化、材料の高品位化により、損失を 20 ~30%低減する。 ④モータ設備、ポンプ設備、送風機設備、圧縮機設備用インバータ・・・フ ァンやポンプの回転数をインバータで制御することにより動力の低減を 実現する。 ⑤台数制御盤・・・複数台の圧縮機を効率的に制御する。 • 株式会社 日立産機システムは、最新のエレクトロニクスとITを応用し、 機器や設備、システムなどの稼働状況監視からエネルギー管理システムを 構築している。 ①工場エネルギー管理システム「SAN FEMS」・・・PLCや既設の監 視システムなどからさまざまな監視データを取り込み、工場全体のエネル ギー管理を行うシステム。 ②エネルギー監視総合システム「SEMS」・・・複数拠点のエネルギーの 見える化を実現する。 FEMSに関す る取り組み • 習志野事業所と中条事業所でFEMSを実践しており、国内に限らず海外 からの見学者を受け入れており、省エネルギー、FEMSの普及活動を行 っている。また、省エネルギーセンター等へ講師の派遣等で協力をしてい る。 -2-143- FEMSにおけ る留意点・課題 • BEMS、HEMSは主に照明、空調の制御であるが、FEMSは工場の 生産設備を含めた制御となり複雑である。例えば、温度管理がある。 • FEMSは、固定費の無駄を削減するイメージがあり、企業の経営者は固 定費の削減は、すぐに効果の現れる人件費の削減を考える。そのため、企 業の経営者に理解を得るためには、利益を生むイメージが必要である。 • 個別機器の高効率化の意識はあるが、FEMSというシステム全体でのモ ニタリングによる省エネの意識はない。 • エネルギーを管理する人が必要である。 • 省エネを誰のために実践するのか理解できない。 中小企業工場に おけるFEMS 導入の可能性 • 工場設備を熟知した技術者が必要であり、外部から無償で技術面をサポー トするしくみがあれば導入の可能性はあると考えられる。 • FEMSの導入にイニシャルコストがかかるが、どのくらい省エネができ て、イニシャルコストの回収年はどれくらいであるかを明確にできれば導 入の可能性はあると考えられる。 • 中小企業は、ハードの補助の情報は知っている。東京都では、ハードに加 え人材育成のソフト支援も行っている。これらの情報提示も有効である。 新産業創出の 可能性 • 省エネを実現するシステムH-NETは、そのシステム内の機器である変 圧器、モータ、インバータ、台数制御盤は、各種部品の材料により構成さ れる製品である。工業製品の部品の製造を手がける中小企業は、既存技術 を活かし、FEMSの省エネ製品の付加価値を有する新製品製造として参 入が可能と考えられる。 その他 • 再生可能エネルギーを利用した製品として、マイクロ水力発電機エネルギ ー回収システムを製造している。工業用水、冷却水のもどり、プールの水、 雨水の落水等を利用できるマイクロ水力発電機があり、工場及びフィトネ スクラブに実績がある。なお、NHK渋谷放送局や福岡放送局にも、導入 されている。将来の活用の可能性としてマンション等への導入があると考 えられる。 • 地産エネルギーを活用したFEMSは事例がないようである。地産エネル ギーは、あまり大きすぎず、コントロールしやすいものがよい。地産エネ ルギーの全体の電力使用量に対する割合は、およそ 3%が妥当なのではな いかと思われる。 参考写真 (参考資料) 資料:配布資料より抜粋 -2-144- 図表Ⅲ.8(2) 先進地視察におけるヒアリング結果 視察先 株式会社 日立産機システム中条事業所 住 新潟県胎内市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 • 1920 年に亀戸工場として東京都に設立され、1974 年に当時の田中首相の “日本列島改造”により、現在の地である日本海側に移転し、中条工場と なる。 • 中条事業所の主な製品は以下のとおりである。 ①変圧器 ②開閉器・遮断器 ③H-NET(配電・ユーティリティー監視システム) ④クリーンエア装置 ⑤精密金型 ⑥プログラマブルコントローラ • 中条事業所には、3 つの生産工場があり、その中でも変圧器の製造工場を 主としている。 • 中条事業所の設備概要は以下のとおり。 【電気設備】 ・受電電圧:66kV×1 回線、 ・受電変圧器:3 相 4,500kVA×2 台(エコトランス) ・高圧フィダー:6.6kV×9 回線 ・二次変電所:屋内変台 15 ヶ所、屋外変台 3 ヶ所 ・変圧器:Superアモルファス変圧器 33 台 ・契約電力:3,300kW(平成 23 年 2 月~) 【ボイラ設備】 ・炉筒煙管式ボイラ:5t/h×1 基 ・小型貫流式ボイラ:2t/h×6 基(送風機INV制御) ・簡易貫流式ボイラ:1t/h×3 基(送風機INV制御) ・灯油専用焚き:炉筒煙管式ボイラ:5t/h×1 基 ・ガス焚き:小型貫流式ボイラ:2t/h×6 基 簡易貫流式ボイラ:1t/h×3 基 ・最大圧力:0.98MPa ・送気圧力:夏期 0.39MPa・冬期 0.39~0.59MPa ・用途:変圧器コイル・塗工紙乾燥、塗装前処理槽加温、暖房 【エアー供給設備】 ・ハイスクリュー空気圧縮機(インバータ) :75kW×2 台 ・ハイスクリュー空気圧縮機(標準機):75kW×3 台 ・発生圧力:最大 0.69MPa、送気圧力:0.52~0.59MPa 【給水設備】 ・ピット:500m3 ・ポンプ:18.5kW×2 台 ・圧力タンク:12m3(送水圧力:0.20~0.29MPa) ・ピット:300m3 ・ポンプ:11kW×2 台 -2-145- ・圧力タンク:8m3(送水圧力:0.20~0.29MPa) 【排水処理設備】 ・生産系排水処理装置:1,000m3/日 ・生活系排水処理装置:250m3/日 • 中条事業所の 2010 年度のエネルギー消費量は、4,520kL/年(原油換算 値)である。 特徴的な技術 • 中条事業所では、以下の省エネ機器と監視システムの導入によりトータル な省エネを実現している。 ①H-NETによる二次変電所のリアルタイム監視の導入・・・工場内 18 ヶ所の変圧器の使用電力量をチェックし、統合している。これにより、低 損失変圧器への更新による電力料金の低減につなげている。 ②Superアモルファス変圧器への更新・・・変圧器 48 台(15,405kVA) をSuperアモルファス変圧器 33 台(11,285kVA)に更新することで 553 万円/年の省エネ効果を実現している。これにより、現状の作業負荷 に応じた変電設備の適正な容量見直しにより電力損失と契約電力の低減 を図っている。また、Superアモルファス変圧器の導入と適正配置に より電力ロスの最小限化を図っている。 ③インバータ制御空気圧縮機と台数制御盤の導入・・・標準機 3 台をベース にした台数制御とインバータ機(2 台)の組み合わせ運転(445kW/5 台→ 375kW/5 台)、および空冷機を個別排気ダクト方式とし、室内温度を検知 して室温上昇時のみ排気ファンを稼働させることで、330MWh/年、電力料 金で 330 万円/年の省エネ効果を実現している。 ④変圧器組立室の空調設備の改善・・・冷凍機の排熱を利用するため、空調 機内に熱交換器を設置、さらに冷凍機不稼働時に蒸気乾燥炉のドレンを利 用する熱交換器を設置し、室内循環ファンをインバータ運転とすること で、電力量 312MWh/年、電力料金 312 万円/年の省エネ効果を実現して いる。 ⑤ガス空調機導入・ボイラーガス化改造によるCO2排出量削減・・・灯油 炊きボイラ 3 台をガス化することで、CO2排出量を 29%低減、エネルギ ー費で 170 万円/年の削減を実現している。また、空調機契約電力の引き 下げにより、CO2排出量で 43%低減、エネルギー費で 198 万円/年の 削減を実現している。 ⑥生産工場の天井照明の改善・・・生産工場の天井照明 33 台を高効率・長寿 命で経済性に優れるセラミックメタルハライドランプ(水銀ランプの 2 倍の照度)に更新(700W 形→400W 形)することで、35MWh/年の省電力を 実現している。 2005 年~2009 年(5 年間)の工場全体での削減効果 電力量:▲20% CO2排出量:▲ 8.3% CO2原単位:▲ 4% FEMSに関す る取り組み • 13 部門 16 名からなる地球温暖化防止分科会を設立し、省エネを進めてき た。省エネを進めるには、省エネ推進員といった、設備を理解し省エネを 推進する担当者が必要である。 • 事業所は、H-NETという自社システムを導入しており、情報は電力監 視室で一括管理を行っている。また、エネルギー監視統合システムによっ て工場、営業拠点のエネルギーの見える化も実施している。 • H-NETシステムは、数百社以上の納入実績がある。監視システム単独 の納入だけでなく、取得したデータをもとに省エネ製品を納入する循環型 -2-146- ビジネスを展開しており波及効果がある。 • H-NETシステム等の監視システムも機器製造・販売と同程度に力を入 れている。自社で工事もできることと、納入後のサポート体制を強みとし ている。 FEMSにおけ る留意点・課題 • 基本的には、納入者自体の監視となるため、納入者側の監視管理体制が重 要である。 • FEMSの導入によって、取得したデータをどのように活用するのかが課 題である。 • FEMSの導入によって、利益に結びつく成果が必要である。 中小企業工場に おけるFEMS 導入の可能性 • FEMSの普及に関連した補助金事業を活用する。具体的には、経済産業 省の省エネルギー対策導入推進事業費補助金である。公募期間は、2011 年 4 月 15 日(金)~5 月 31 日(火) 、2 次募集は、2011 年 6 月 10 日(金) ~7 月 15 日(金)であり、いずれも応募は終了している。最近の補助金 事業は、公募期間が短いため、事前準備が重要である。 • H-NETシステムは、1 台で 8 回路の電流、電力、電力量の監視が可能 なユニットもあり、コストパフォーマンスを重視した製品ラインナップと なっている。そのため、中小企業工場へ導入の可能性はあると考えられる。 • エネルギーパフォーマンス、エネルギー効率や省エネルギーの継続的改善 を図ることを目的とした国際規格にISO50001 がある。FEMS導入に よって、現状の改善を図り、認証取得できれば国内外の企業からも注目さ れる。 • 「ヤメル」 「トメル」 「ヒロウ」「カエル」「ナオス」 「サゲル」の分かりや すいキーワードで導入のメリットを説明する等のPRが必要である。 新産業創出の 可能性 • 中条工場では、 ”物作りの工場の技術力・開発精神”で変圧器製造ライン の工作機器も自社開発されている機器が多くあった。中小企業は、大企業 と同等の物作りの高い技術力を有している。省エネのポイントである「ヤ メル」 「ヒロウ」 「カエル」 「トメル」 「ナオス」 「サゲル」の事例を見れば、 高い技術力を有し、開発・改造のスピードの早い中小企業で応用できる技 術は多いと思われる。 • FEMS構築に繫がる、省エネの推進は、FEMSを導入している企業・ 行政のPRにより、普及すると考える。 その他 • 地産エネルギーとFEMSの連系は可能であるが、事例はない。 • 事業所の雷対策として、避雷針を設置している。また、重要な情報機器に は瞬時停電対策として、UPSも設置している。生産設備は、半導体のよ うに瞬時停電の影響はないので設置していない。 • 工場視察中に、 「エアーコンプレッサからのエアー漏れの量を漏れている 箇所の音を計測することで把握できる『超音波式のエアー漏れ診断器』と いうものがある」という話があった。エアーコンプレッサは、どの工場に もある設備であり、省エネを実現する身近な方法である。 参考写真 (参考資料) 写真:ヒアリング状況 写真:事業所内視察状況 -2-147- 写真:事業所内視察状況 (変圧器) 多機能形電源監視ユニット 監視端末 写真:事業所内視察状況 (H-NET) 写真:事業所内視察状況 (電気室) 資料:配布パンフレットより抜粋 -2-148- 4.先進事例調査における考察 (1)地産エネルギーの活用 工場に地産エネルギー(太陽光発電等)を導入した場合、発電ピーク時でも工場全 体の消費電力の 2%程度となり、ピークカットまでの効果は得られない。中小企業工 場でも同様の傾向であると推測され、エネルギー自給率の向上には大きな効果は期待 できない。 また、地産エネルギーの導入コストが高止まりしている。特に、太陽光発電や小型 風力発電のような不安定な電力は、工場内で効率的に電力利用するための蓄電池が必 要であるが、蓄電池自体がコスト高で現状では現実的ではない。 2012 年 7 月から施行予定の再生可能エネルギー全量買取制度により、工場に地産 エネルギーを導入した場合は、工場内で電力利用するのではなく、全量売電する方が 経済的なメリットが出てくる。特に、全量買取制度の導入にあわせて補助金が廃止さ れたことから、その傾向は一層強まるものと想定される。 一方、非常時における分散型電源としての利用には、一定の導入インセンティブが 働く可能性がある。工場内でどうしても停止できない設備・機器への自家発電設備と して、地産エネルギーと蓄電池の普及可能性はあると考えられる。(例:平常時は全 量売電、非常時は施設内利用) あわせて、企業のCSR活動の一環として、地産エネルギーの活用に効果を見出し ている取組みも多く、経済的な効果だけではない位置づけも確認できた。中小企業に おいても、環境・エネルギーの取組みが自社製品の販売などにつながるPR効果を期 待できるのであれば、地産エネルギーの導入の可能性はあると考えられる。 また、系統連系ガイドラインの条件が緩和されれば、小規模スマートグリッドシス テムのような再生可能エネルギーを組み込んだ仕組みが普及しやすくなるという意 見や、工場の排気ファンを利用した小型風力発電のニーズ等の情報は、施策検討の参 考になる情報となる。 -2-149- (2)省エネルギーの推進 省エネルギーの推進には、FEMSの導入があるが、導入コストがかかることから 中小企業の規模では進んでいないと想定される。その場合、経済産業省の補助金事業 の活用は、有効であると考えられる。 また、中小企業工場の規模では、エネルギーを管理する専門家や省エネ推進員とい った人材不在のため、FEMSの導入が進んでいないと想定される。したがって、無 償で外部の協力が得られるしくみが必要であると考えられる。 その場合、省エネルギーセンターでは、平成 23 年度の事業として、工場の省エネ ルギー診断サービスを無償で行っている。(対象は、原則として、年間エネルギー使 用量の原油換算値が 100kL以上、1,500kL未満の工場)このような制度の活用は、有 効であると考えられる。 同時に、省エネルギーセンターでは、省エネルギー法、関連技術などに係る情報提 供、省エネルギー法に関する質問をはじめ、省エネルギーの進め方、技術的質問への 対応を行っており、同センターの積極的な活用が望まれる。 省エネルギーには、H-NET((株)日立産機システムの配置・ユーティリティー 監視システム)といったシステムによる現状の「見える化」が必要である。H-NE Tシステムは、1 台で 8 回路の電流、電力、電力量の監視が可能なユニットもあり、 コストパフォーマンスを重視した製品ラインナップとなっているため、中小企業工場 へ導入の可能性はあり、省エネルギーの推進につながると考えられる。 生産状況に応じて原動設備の稼動調整を行う方法は、中小企業工場の規模では取組 みが進んでいないと想定される。ただし、大きな工場とは異なる状況も考えられるこ とから、中小企業工場で実施できる原動設備の稼動調整の方法は、今後求められると 考えられる。 BAチャート(BA:ビフォーアフター)や設備評価マニュアルは、各地にある工 場の省エネ技術の情報を収集・共有化することで、企業グループ全体の省エネが進み、 また従業員の教育にもつながっている。中小企業に対しても、それぞれが連携しなが ら省エネ情報を共有化し、省エネ診断と従業員教育とをあわせたようなサービスの可 能性はあるものと考えられる。その場合、民間企業にとって設備やエネルギー使用状 況のデータは経営情報の一つであり、他の民間企業へデータ提供することは消極的と なる可能性があることから、公益団体等が実施することが望ましいと考えられる。省 エネの取組みが進めば、設備投資需要が高まり、間接的な産業振興にもつながってい くと想定される。 また、FEMS構築に繫がる、省エネルギーの推進は、FEMSを導入している企 業・行政のPRにより、普及すると考えられる。 -2-150- (3)中小企業の参入 あいち臨空新エネルギー実証研究エリアにおけるEV/PHV用充電器システム と新エネルギーとの連携については、今後の社会ニーズに沿った製品になり、中小企 業の参入の可能性があると考えられる。 集光型太陽光発電や保水セラミックスのような、太陽光発電の変換効率を高める技 術や製品は、今後の社会ニーズに沿った製品となり、中小企業の参入の可能性がある と考えられる。 シャープ(株)亀山工場におけるフロート型太陽光発電は、ダム湖等の閉鎖的水域で のニーズが高まってくるものと考えられ、中小企業の参入の可能性があると考えられ る。 燃料電池については、これからの技術として期待されている。現在、実験的使用で 確認された課題(脱硫機能)やメタンガスからの効率的な水素抽出等の技術や製品は、 今後の技術開発の中で求められていくものと考えられる。 コージェネシステムは、工場設備として、エネルギー効率、ベース電源としての安 定性も十分であることから、普及していくと考えられる。そのため、課題である騒音 や煤煙を少なくする技術や製品が求められていくものと考えられる。 (株)日立産機システム中条工場では、”物作りの工場の技術力・開発精神”で変 圧器製造ラインの工作機器の多くが自社開発されている。中小企業は、大企業と同等 の物作りの高い技術力を有している。省エネのポイントである「ヤメル」「ヒロウ」 「カエル」 「トメル」 「ナオス」 「サゲル」の事例を見れば、高い技術力を有し、開発・ 改造のスピードの早い中小企業で応用できる技術は多いと思われる。 FEMSは、メタゲジ(メーター・ゲージ)のような測定技術、見える化や分析と いったIT技術、そして機械・設備等の診断技術の組み合わせである。そのため、そ れぞれの技術に強みを持つ中小企業が連携することで、参入の可能性が高まるものと 考えられる。 また、省エネを実現するシステムH-NETは、そのシステム内の機器である変圧 器、モータ、インバータ、台数制御盤は、各種部品の材料により構成される製品であ る。工業製品の各種部品の製造を手がける中小企業は、既存技術を活かし、FEMS に関わる省エネ製品としての付加価値を有する新製品を製造するなど、参入が可能と 考えられる。 -2-151- Ⅳ.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性調査 1.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の整理 (1)FEMSの概要 一般的には、FEMS(Factory Energy Management System)とは、従来行われて きた受配電設備のエネルギー管理に加えて工場における生産設備のエネルギー使用 状況・稼働状況等を把握し、エネルギー使用の合理化および工場内設備・機器のトー タルライフサイクル管理の最適化を図るためのシステムと言われている。 なお、一般的なFEMSの導入手順を次ページに示す。 図表Ⅳ.1 FEMSの適用範囲 BEMS(Building and Energy Management System) 資料:社団法人 日本電機工業会「FEMS導入の手引き」 -2-152- 図表Ⅳ.2 FEMS導入手順 順 序 手順 1 項 目 工場設備の選定 手順 2 「見える化」する設備の選定 手順 3 計測器設置箇所の決定 手順 4 計測器の準備 手順 5 計測器の設置 手順 6 計測期間・周期の決定 手順 7 エネルギー消費動向の把握と 分析 手順 8 省エネ対策活動 手順 9 手順 10 効果の把握 次のエネルギーマネジメント 内 容 工場で使用されている設備エネルギーの簡易診断を実施す る。 ① 生産設備関連:機械加工機、組立試験機、溶接機、恒 温槽、はんだ槽など ② 生産付帯設備:排気装置、工場エアーコンプレッサ、 クレーン、ポンプなど ③ 共通施設関連:室内照明、外灯、エアコン、浄化槽、 エレベータ、自販機、換気扇、給湯器など ④ 事務機器関連:パソコン、プリンタ等の周辺機器、コ ピー機、電話、FAXなど ① 電気使用量、生産数量が多い設備および変動の大きい 設備 ② 人が介在する場所、段取り替えが多い設備 ③ 交替、休憩、休日を考慮に入れる 電力の計測は、回路が集約されている分電盤や設備等に電 力モニタを接続して計測する。 ① 測定箇所の電圧、電流確認 ② 生産数の計測方法の検討(光電スイッチ、PLCから のパルス)他 ③ 電気以外のエネルギー使用量を、同時に取り込むこと も検討 ※PLC:プログラマブルコントローラ 計測器・モニタ [センサ・ケーブル類(エネルギー量把握)] [光電スイッチ他(生産数量の把握)] [既存の利用(PLC、電力量計)] ① 現場(分電盤等)に計測器を設置(安全には注意) ② 計測器をセットする場合は、設備の電源を切って感電 などの危険が無いようにセット ① 土曜日、日曜日を含み 1 時間単位で計測(例えば、休 日には待機電力が潜んでいる) ② データから計測周期を決定し、細かく計測 ③ 季節要因が考えられる場合、長期計測を継続する。 ① 表、原単位グラフ化等で「見える化」 ② ライン構成、フロー等との比較 ③ ロス分析(効果予測) 、過去データとの比較 ① 製造部門の小集団活動のアイテムとし、PDCAを回 す。問題点の発見には、悪化箇所を関係メンバ全員で 検討する。 ・なぜ、この時間は生産していないのか ・なぜ、電源を切れないのか ② 設備管理部門を巻き込み、設備稼働まで踏み込んだ活 動とする。 効果を把握し、次の省エネ計画に反映 対象設備の拡大、スパイラルアップによるエネルギーマネ ジメントシステムの構築 資料:社団法人 日本電機工業会「FEMS導入の手引き」 -2-153- (2)FEMS構成要素の省エネ設備 FEMS構成要素である工場の省エネ設備には、変圧器、モータ、インバーター、 台数制御盤等がある。 (図表Ⅳ.3) 図表Ⅳ.3 省エネ設備の例 受変電設備 ■アモルファス変圧器 ■トップランナー変圧器 ・高効率変圧器の導入 ■高効率モータ モータ設備 ・高効率モータの導入 ・可変速(インバータ)化 ポンプ設備 ・台数制御装置の導入 ・可変速(インバータ)化 送風機設備 ・可変速(インバータ)化 圧縮機設備 ■永久磁石モータ ■インバータ ■インバータ・ポンプユニット ■ファン・ポンプ用インバータ ■インバータ搭載圧縮機 ■台数制御コントローラ ・台数制御装置の導入 ・インバータ搭載機の導入 空調設備 ・高効率空調機の導入 ・省エネ制御システム ■高効率チラーユニット ■高効率ビル用マルチエアコン ■空調機省エネ制御システム など 照明設備 ・高効率照明設備の導入 ■LED照明セラミックメタルハライドランプ ■省エネ制御装置 ■インバータ式安定器 など 資料:(株)日立産機システムパンフレット -2-154- (3)電力・熱等の計測器 FEMS構成要素には、電力・熱等の計測器、システムがある。 a.電力の計測器 電力の計測器は、以下の企業が製造・販売を行っている。 図表Ⅳ.4 電力の計測器 企業名 製品概要 (株)エネゲート 電力計用の管理用メーター「EL計器」を製造・販売 東光東芝メーターシステムズ(株) 電力監視ユニット「KK20シリーズ」を製造・販売 電力計測ユニット「エネメータ」を製造・販売 日東工業(株) ガス・水道メーター等のパルス情報を電力情報と同時計 測が可能 パナソニック電工(株) 電力監視ユニット「多回路エネルギーモニタ」を製造・ 販売 (株)日立産機システム 多機能形電源監視ユニット「DE-15AX」を製造・ 販売 富士電機機器制御(株) 電力監視ユニット「F-MPC」を製造・販売 三菱電機(株) 電力監視ユニット「EcoMonitorシリーズ」を 製造・販売 ※企業名は 50 音順 (株)日立産機システムは、電源監視ユニットを用いたシステム「H-NET」を 製造・販売している。 -2-155- -2-156- 図表Ⅳ.5 日立配電・ユーティリティー監視システムH-NET 資料:(株)日立産機システム b.熱の計測器 熱の計測器は、愛知時計電機(株)が製造・販売を行っており、測定原理の違いに より、電磁式積算熱量計と羽根車式積算熱量計がある。 熱量計は、体積計量部と演算部から構成される。熱量は、配管内を流れる冷温水の 送り側・返り側に取り付けた、それぞれの温度センサーから、その温度に相当する温 度信号と体積計量部からの流量信号を演算部で演算して算出する。 熱量計は、商業施設やテナントといった冷温水を用いた空調機で使用される。 図表Ⅳ.6 電磁式積算熱量計と羽根車式積算熱量計の特長 製 特 品 長 可動部がなく耐久性に優れる。 電磁式積算熱量計 小流量域から大流量域まで高精度な計測が可能。 計測管には障害物がないため、圧力損失がない。 シンプルなギアレス構造で耐久性と感度を両立。 羽根車式積算熱量計 多様な現場にフレキシブルに対応。 出力端子で遠隔・集中管理にも対応。 図表Ⅳ.7 電磁式積算熱量計、羽根車式積算熱量計 電磁式 羽根車式 資料:愛知時計電機(株)パンフレット -2-157- (4)太陽光発電等の地産エネルギー設備 太陽光発電、風力発電等地産エネルギーは、クリーンエネルギーとして地球温暖化 の原因となるCO2削減、エネルギーの地産池消の経済効果から導入が進められてい る。 家庭用でも導入が進んでいる太陽光発電・熱利用は工場でも導入が可能である。風 力発電、中小規模水力発電も小規模設備は開発されており、コストが下がれば導入が 見込まれる。 工場への導入事例としては、本調査のアンケートから 9 箇所の木材・木製品製造業 社で、廃棄物の廃材を木質バイオマスボイラ燃料として利用し、製品の乾燥熱等への 利用が確認された。事業規模の大きい製材所では発電し、工場電力の自家消費ととも に売電もされており、廃棄物の有効利用による“工場”での地産池消が図られている。 図表Ⅳ.8 地産エネルギーと中小工場への導入事例 地産エネルギー 概要 工場での利用例 ・太陽光のエネルギーを太陽電池で電気に変換する。熱利用 太陽光発電・熱利 は、エネルギーを集熱し給湯・冷暖房に利用する。 用 ・太陽光発電は、日内変動、夜間発電無し、天気(晴れ、曇 り、雨)による変動→発電量を一定に保つことが困難 ・風の力で風車を回し、回転運動を発電機に伝え発電する。 風力発電 ・風速変動による変動、風況による変動、エネルギー密度が 小さい → 発電量を一定に保つことが困難 バイオマス発電・ 熱利用 ・木材、畜産廃棄物・食品廃棄物等生物資源を活用し、燃焼・ 製材所で廃材を利用し、 発酵によりエネルギー源として電気・熱を生成する。 熱利用・発電されてい る。 ・発電量を一定に保つことが可能 中小規模水力発電 ・農業用水路や小さな河川の水流の落差を利用し発電する。 ・発電量を一定に保つことが可能、エネルギー密度が小さい 雪氷熱利用 ・雪や氷の冷熱エネルギーを冷房・冷蔵に利用する。 温度差熱利用 ・海水や河川水などが持つ「温度差エネルギー」をヒートポ ンプを使って利用する。 蒸気ボイ 製材所廃材による木質ボイラ。蒸気を木材乾燥に利用(岡山県真庭市の製材工場) -2-158- 2.地産環境配慮型製品に係る中小企業の抽出 (1)中国地域環境関連マップ2010 中国経済産業局では、中国地域における県別の環境関連企業を整理した「中国地域 環境関連マップ2010」を、2010 年 3 月に発行している。 このマップでは、環境関連企業を「廃棄物リサイクル分野」「バイオマスリサイク ル分野」 「環境関連機器製造分野」 「環境調査型製品製造分野」の 4 つに分類して整理 している。以下に環境関連機器製造分野における環境関連企業を示す。 図表Ⅳ.9 環境関連企業(環境関連機器製造分野) 資料:中国地域環境関連マップ2010(中国経済産業局) ※中国地域の全ての環境関連企業を網羅しているものではなく、またFEMSと直接的に関連 しない製品もリストアップされているため、取り扱いには留意が必要 -2-159- (2)プレスリリース・新聞記事(近 1 年) 日経テレコン21(日本経済新聞デジタルメディア)を用い、2010 年 11 月から 2011 年 10 月までの近 1 年のプレスリリース及び新聞記事をもとに、中国地域における環 境関連企業を抽出・整理した。 図表Ⅳ.10(1) 環境関連企業 資料:日経テレコン21(日本経済新聞デジタルメディア) ※中国地域の全ての環境関連企業を網羅しているものではないため、取り扱いには留意が必要 -2-160- 図表Ⅳ.10(2) 環境関連企業 資料:日経テレコン21(日本経済新聞デジタルメディア) -2-161- 図表Ⅳ.10(3) 環境関連企業 資料:日経テレコン21(日本経済新聞デジタルメディア) -2-162- (3)中国5県ヒアリング調査 中国地域における環境配慮型製品の抽出及び工場のエネルギーマネジメントシス テム(FEMS)を始め、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS (Building and Energy Management System) 、スマートグリッドなど広い範囲で、シ ステムに環境配慮型製品が組み込まれ、中国地域の中小企業の新市場参入や新産業創 出の可能性を検討するため、中国経済産業局及び中国5県の商工労働部や産業振興財 団・機構にヒアリング調査を実施した。 ヒアリング項目は以下のとおりである。 【ヒアリング項目】 ①環境関連製品における各県の取組み・支援 ②添付ファイルのリスト以外での企業紹介 ③環境配慮型製品を製造する企業支援の現状・課題・アイディア ④エネルギーマネジメントシステム全般について(期待や課題) a.中国経済産業局 2011 年 11 月 22 日(火)に中国経済産業局に対して地産環境配慮型製品に関する ヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅳ.11(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 経済産業省 中国経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー企画担当 参事官 増本 勲氏、課長補佐 閑田 英敬氏 広島県広島市 ヒ ア リ ン グ 結 果 中国経済産業局では、新エネルギーの導入促進のため、中国地域内のいく つかの企業の取組事例(下記など)を紹介した、新エネルギー事例集等を 作成して情報提供を行っている。 環境関連製品に おける取組み・ 支援 ■太陽エネルギー:「豊国工業(株)」(広島県東広島市)、「(株)安成工務店」 (山口県下関市) ■温度差エネルギー: 「ミサワ環境技術(株)」(広島県三次市)、 「 (株)ジオパワ ーシステム」 (山口県美祢市) ■小水力発電:「イームル工業(株)」 (広島県東広島市) 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 中国地域における環境関連企業を分野ごとに抽出し、 「中国地域環境関連 マップ 2010 経済産業省中国経済産業局(平成 22 年 3 月発行) 」及び同 ガイドブックとしてとりまとめている。紹介している企業は環境リサイク ル関連企業が多数であるが、環境エネルギー関連企業もある。 「(株)スーパー・フェイズ」(鳥取県米子市)では、高カロリー固形燃料 (RPF)やペレットが生成できる使用済み紙おむつ燃料化システム(SFD シ ステム)の技術を有している。 -2-163- 図表Ⅳ.11(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 経済産業省 中国経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー企画担当 参事官 増本 勲氏、課長補佐 閑田 英敬氏 広島県広島市中区上八丁堀 6 番 30 号 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア FEMS全体となると大手企業の範疇となるが、中国地域内の中小企業が 参入する場合には、地産地消という視点で可能性を見出していくことが有 効ではないか。 FEMSに関連する機器のメンテナンスやランニングの部分において、地 元中小企業がどのように入り込んでいけるかといった視点も重要である。 中小企業に自社の製品や技術がどういったところに売り込めそうなのか ということを知ってもらうこと、気づいてもらうことが重要である。その ための様々な具体事例の紹介は有効であろう。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 中小企業もエネルギーマネジメントシステムの有効性は感じているかも しれないが、設備投資の優先順位は低く、まだ先の話と捉えているかもし れない。一言で“FEMS”といってしまうと、中小企業からすると大掛 かりな設備投資をイメージして敬遠するかもしれないので、メリットが見 えやすい、感じやすい個別の施設整備例などを示すことが有効である。 その他 FEMSに関連する技術が導入された工場の事例紹介があれば中小企業 の参考となる。例えば、ミサワ環境技術(株)の地中熱活用の仕組みがアヲ ハタ(株)に導入されているといったものもその一例である。 FEMSには色々なかたちがあると思うが、様々な仕組みや分野などを上 手く整理できれば、中小企業側が入り込めそうな領域なり、ビジネスチャ ンスが見えてくるかもしれない。 FEMS構築に向けた導入ステップを示すことも有効である。一気にFE MSを構築するというよりも、企業規模に応じた効果的な施設整備の段階 等を示すことで、中小企業でも現実的に取り組みが可能なものとしても捉 えやすくなる。省エネ対策も含め、小さな取り組みを積み重ねた結果とし て、最終的にFEMS構築に到達するというケースもあるだろう。 -2-164- b.鳥取県 2011 年 11 月 25 日(金)に(財)鳥取県産業振興機構、2011 年 1 月 6 日(金)に鳥 取県商工労働部に対して地産環境配慮型製品に関するヒアリング調査を実施した。ヒ アリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅳ.12(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 鳥取県 商工労働部 産業振興総室 次世代環境産業室長 酒井 崇行氏 鳥取県鳥取市 ヒ ア リ ン グ 結 果 成長戦略に即して、太陽光とLEDの関連産業を基点として、人材育成・ 企業支援(①)、研究開発促進(②~③)、普及等において、下記の支援施 策を展開中である。 ① 鳥取県太陽光発電関連育成協議会運営費 ② 次世代環境ビジネス創出プロジェクト事業(研究開発委託事業) ③ 次世代環境ビジネス事業化支援補助金 環境関連製品に おける取組み・ 支援 また、効果的な環境経営に必要な省エネ診断を支援し、また、省エネ診断 に基づく新エネ・省エネ設備の導入に対して助成する「戦略的な「環境経 営」推進事業」を行っている。 企業誘致の促進や大学等との連携による地場企業の新規参入、技術者育成 を目的として、 「太陽光発電関連産業育成協議会」を平成 21 年 9 月に立ち 上げた。民間企業 30 社と学官が連携した組織体である。協議会には「① 周辺機器WG」 、「②新製品WG」、 「③施工技術WG」の3つがある。 前述の「太陽光発電関連産業育成協議会」のうち、「③施工技術WG」の 活動から生まれたアイディアを基に、販売や施工業者等による「太陽光発 電システム取扱事業者協議会」を平成 23 年 11 月に立ち上げた。この協議 会では、各事業者が保有技術や品質の向上を目指し、企業間での連携や情 報交換等を行っており、会員数は 100 社である。今のところは鳥取県が事 務局として、立ち上げ時の支援をしている。協議会の会長は「(株)松東電 機」 (米子市)が担っている。 太陽光発電施設の施工において、雪の降らないところでしか施工したこと のない業者による県内でのトラブルがあると聞いている。協議会では地域 特性も加味しながらの製品なり、施工に対する付加価値をつけ、差別化を 図れればと考えている。 LED関連の事業者は多くある。30 社程度の関連企業が集まってLED 戦略研究会も平成 22 年 10 月に立ち上げた。 -2-165- 図表Ⅳ.12(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 鳥取県 商工労働部 産業振興総室 次世代環境産業室長 酒井 崇行氏 鳥取県鳥取市 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 使用済み紙おむつ燃料化システム(SFD システム)の技術を有している 「(株)スーパー・フェイズ」(米子市)がある。 「(株)桑本総合設計」(米子市)は、住宅や工場等に対して、様々な省エネ 工法を組み合わせながら、快適な室内環境を整えるようなことを行ってい る建設コンサルタントである。 その他の主な企業としては、「(有)プティオ」 (米子市・ソーラー用水ポ ンプ、小型水中ポンプの製造販売) 、 「ダイヘン産業機器(株)」 (鳥取市・ 太陽光発電用パワーコンディショナーの製造)、「 (株)日本マイクロシス テム」(米子市・マイクロ水力発電機の開発)、「三光(株)」 (境港市・廃 プラスチック、木くず等からのRPF製造)、 「 (有)山陰クリエート」 (米 子市・廃プラスチック、木くず、紙くず、繊維くず等からのRPF製造)、 「(株)中井技研」 (倉吉市・廃食油等の再燃料化装置の製造) 、「 (有)赤 碕清掃」 (琴浦町・ペレットストーブ用木質ペレットの製造)、 「(株)ウェ ストバイオマス」 (境港市・食品加工業等から排出される有機汚泥を乾燥・ 炭化処理し、炭化物を製造(稼動は平成 25 年から) ) 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 環境・エネルギー関連は今後伸びるであろうという予想もされるが、問題 の根本は、地方の中小企業が付加価値の高いものをどう売り込んでいく か、ニッチな分野を狙っていくかというところにある。大手企業と同様の 商品・サービスでは競争にならない。ユーザーに選んでもらえる商品開発 ができるかどうかが課題である。 FEMSにおいてはソリューションの部分において、分かりやすく、見え やすいかたちで提案がなされる必要があると感じている。これからは、技 術開発支援のみならず、 “見せる”視点が大切である。 リスクを取りながら、走りながら考えるといった経営戦略の企業もある が、鳥取県内企業ではなかなか難しい。経済状況も厳しい中、経営状況も 同様であり、新たな取り組みには極めて慎重である。 “開発”と“普及”において、 “開発”も県内で行うべきとの声は少なか らずあるが、汎用的なものを考えていては大手企業には勝てない。ニッチ なところを狙っていかなければならないが、一方で、ニッチなところを狙 うとなると常に新しいことに目を向けながら継続的に探していかなけれ ばならないという大変さがある。 エコカー・マネージャーを今年度から産業振興機構に配置したので、今後、 産学官連携の中で、研究・開発プロジェクトを進められるような道筋をつ けていきたいと考えている。 エコカー産業振興では、本県の場合はまず取っ掛かりとなる足場固めが必 要。県内には(株)ナノオプトニクス・エナジーがあるが、一企業だけでは なく、いろいろな新たな動きに発展させていくことが重要である。 -2-166- 図表Ⅳ.12(3) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 鳥取県 商工労働部 産業振興総室 次世代環境産業室長 酒井 崇行氏 鳥取県鳥取市 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 鳥取県では前述の「環境経営」推進事業により省エネ診断を行っているが、 “診断をして終わり”ではなく、“攻めの省エネ”の行動が取れるように なって行かなければならないと思う。省エネセンターの省エネ診断も今ま で県内は数件程度の補助申請だったが、今年度は連動して増えている。 省エネ診断の補助では、診断の後、どういった省エネ設備を整備するのか も申請内容に盛り込むよう求めている。今後は、省エネ設備導入後のデー タを収集し、効果のほどを検証していければ良い。 最近は銀行の環境配慮型融資などもあり、効果の派生も見込める。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 視点をかえて、省エネによるコスト縮減は、売上向上と同じことであると 考えれば、企業側はその重要性、有効性を見出しやすいかもしれない。 FEMS構築においては、省エネ機器導入や見える化といったステップを 踏みながら、最終的にエネルギーマネジメントに到達することとなる。如 何にしてやりやすいところからの普及促進を図り、最終段階に向けてステ ップアップさせていくかが大切である。いきなり最終段階のエネルギーマ ネジメント・FEMSといっても中小企業では到底できない。 その他 LEDは中国地方のいずれの県でも取り組んでおり、近隣県で競合すると ころである。こういった広域的に調整なり協調が必要な分野に関しては、 中国経済産業局が調整役となってもらえると良い。 -2-167- 図表Ⅳ.13(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 財団法人 鳥取県産業振興機構 企業支援部 部長 谷口 和男氏 鳥取県鳥取市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 本機構では、サポートインダストリーとして、様々な支援を行っている。 例えば、販路開拓による企業支援や研究開発におけるパートナー探しなど があげられる。 また、展示会等への出展支援による販路開拓も、中小企業への支援の一つ である。 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 (株)ユビテックは、県外企業であることからリストには含まない方が良 い。 (株)ナノオプトニクス・エナジーは、担当が異なるためマスコミ情報しか 個人的には持っていない。 (株)日本マイクロシステムは、鳥取県産業技術センターと共同で小水力発 電機の開発を行っている。なお、開発においては国の競争支援事業を活用 している。 (株)フジタは、屋上緑化・壁面緑化のための常緑キリンソウ育種・販売事 業を行っており、島根原子力発電所の壁面にも使用されている。 いなば和紙協業組合は、採光性の和紙ブラインドを開発している。 (株)ジーアイーシーは、住宅における地中熱活用を行っている。室内にセ ンサーを設置し、遠隔地でもデータ観測ができるシステムとなっている。 センサーは高さ方向を計測できるもので、透明な水でもその水位がわかる ものと聞いている。 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 環境配慮型製品に係らず中小企業は、こんな技術や製品を持っているの で、どこかで活用できるところはないかとか、その売り先を探してくれと いった状況が多い。要は、出口をイメージした取り組みになっていないの が課題として感じられる。 また、類似商品が中国で製造されている場合も多いが、その品質も上がっ ていると感じている。 鳥取県は、三洋電機(株)があったことで中小企業が一定の技術水準を保つ ことができた(技術指導など) 。その結果、家電の製造やその加工の技術 を持つ企業がある。しかし、 三洋電機(株)がパナソニックグループになり、 状況がグラグラしていることから、今後、技術を持つ中小企業の活躍の場 を創出しなければならない。例えば、家電製品のなかにはインバーターが あり、そういった技術を持つ企業がある。電気自動車も電化製品の一つと 見なせることから、相性が良いのではと感じる。 一方で、施策として国内市場をつくることも必要と感じる。電気自動車の インバーターを製造したとして、その市場が拡大しなければ、企業も成長 しない。鳥取県では総合特区制度などを活用したスマートグリッドの取り 組みを行っているが、その取り組みの出口がわかりにくい。例えば、電気 自動車の新たな市場をつくるために取り組んでいるとなれば、入口から出 口までイメージできる取り組みになると感じる。そのなかで、新しい都市 をつくっていく等へつながり、都市経営自体も黒字化するような大きな取 り組みを期待している。 -2-168- 図表Ⅳ.13(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 財団法人 鳥取県産業振興機構 企業支援部 部長 谷口 和男氏 鳥取県鳥取市 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア (続き) また、インバーターは制御する組み込みソフトも必要となる。その中でI T企業の活動範囲が出てくれば、より一層良いのではないか。 研究開発段階の課題として、国の事業を活用して製品のプロトタイプをつ くるための設備を導入した場合、プロトタイプが完成した後の製品製造に その設備を使うことができない問題がある。製品製造段階で、中小企業が 新たに設備投資をするのは難しいこと、国の事業で入れた設備は廃棄も認 められていないので、製造段階では倉庫に眠っているという、おかしな状 況が発生している。現在の国の支援は、技術が高まれば良いという思想が 感じられ、製品が売れて事業化すれば良いといったところまで意識されて いない。 製品を作ったとしても、具体的な販売先がないことが最も大きな課題と思 われる。一方で、製造前から販売先が担保できることも難しく、まずは県 内の地産地消を進めるなかで内需としての販売先が確保できれば理想で ある。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 現在、米子市などで取組みが始まっているスマートグリッドは、非常に期 待している半面、絵に描いた餅にならないかと憂慮している。あの取り組 みに出口が見えないのが一番の課題と感じており、もっと県内企業が参画 し、事業活動に直接的に効果がある取り組みになればと感じている。 電気自動車は、鳥取県の特徴を出せる可能性があり、そういった面でのス マートグリッドは期待している。 その他 新しい都市形成のなかで、アイディアとして保険会社に入ってもらう方法 があるのではと感じる。都市や行政は、住民が元気になればハッピーであ り、保険会社も契約者が健康であればハッピーである。逆に、住民や契約 者が病気になれば、アンハッピーである。そういった面で利害関係が一致 することから、高齢化が進む鳥取県と保険会社とが連系した新たな都市づ くりを行えば、面白いのではないか。そのなかで、アンチエイジングにも 取り組めば、鳥取県に人が来てくれる一つの要素になるかもしれない。 -2-169- c.島根県 2011 年 11 月 24 日(木)に島根県商工労働部、(財)しまね産業振興財団に対して 地産環境配慮型製品に関するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のと おりである。 図表Ⅳ.14(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 島根県 商工労働部 産業振興課 地域産業創造グループ 企画員 門脇 範明氏、企画員 小松原 雅照氏 島根県松江市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 島根県では、環境関連製品への支援として、循環資源を利用した製品の普 及・利用促進を図るため、平成 16 年度から「しまねグリーン製品認定制 度」を実施し、環境関連製品の利用促進を支援している。大きく「土木資 材等」 「木製品・建材等」 「園芸資材・植生基盤材等」 「排水処理剤等」 「そ の他」に分類しており、計 92 品目となっている。 また、水処理関連では、松江土建(株)の湖沼水質浄化、(株)イズコンのリ ン回収技術、(株)研電社の固液分離装置、カナツ技研工業(株)の多段土壌 水浄化システムなどの取り組みを支援している。今後、中国などの東アジ アのマーケットを意識した展開を考えている。 企業が取組みやすいよう、融資、補助金等の面から支援を行っており、 「平 成 23 年度企業支援施策ガイドブック」(島根県商工労働部 平成 23 年 5 月)にその支援施策をまとめている。 LEDについては、環境展への出展を行うなどしまね産業振興財団と連携 して販路支援(マンパワー支援)を行っている。 公募方式の「発展型試作開発等助成金」を設け、企業の製品開発、試作開 発・改良を支援している。 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 水質浄化材として、島根県内で採掘されるゼオライトを主原料とする隠岐 商事(株)のネスナイト、(株)ネオナイトのネオナイトがあげられる。福島 第一原発事故に伴う放射性物質の除染での活用可能性があり、注目をされ ている。ネオナイトは、福島県の学校プールの水質浄化に利用された実績 がある。 そのほか、環境関連として以下のような企業の取組も行われている。 ○(株)藤井基礎設計事務所:産廃汚泥を農業用耕作土に浄化還元するシス テム ○山興緑化(有):伐採樹木のリサイクル ○(株)テーリング:文書の出張細断サービス ○小松電機産業(株):インターネットを使った上下水道施設の制御管理 ○播磨屋林業(株):竹を粉末状にし、土壌改良材として販売 ○(株)環境テクニカ:調理施設から排出される油脂を特殊な加工材で吸収 ○(株)ミライエ:家畜ふんを効率的に堆肥化 ○(株)ハナオカ工務店:地元の木材資源を生かした新たな商品開発 ○特定非営利活動法人コスモ銀河計画:生ごみから有機肥料を製造販売 ○松永牧場:食品の残りかすの飼料化 -2-170- 図表Ⅳ.14(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 島根県 商工労働部 産業振興課 地域産業創造グループ 企画員 門脇 範明氏、企画員 小松原 雅照氏 島根県松江市 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 (続き) ○アースサポート(株):生ごみから液体肥料を製造 ○(株)植松:ダイオキシン類削減工法による焼却炉の撤去事業 ○(株)研電社:固液分離装置 ○森下建設(株):バイオマスボイラ事業 ○山陰建設工業(株):バイオテクノロジー技術を活用した植物活力材を製 造 ○(株)山陰プロスハート:独自開発工法により排水や汚泥処理での環境負 荷の軽減 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 各製品の競争力を高めることが一番の課題である。その場合には、まず競 合品のコストや性能を知ることが重要であり、島根県では首都圏コーディ ネーターの協力を得ている。なお、コストを下げるためには、原価や投資 回収費用の見える化が重要と考えられる。 環境展などを活用した販路開拓は、継続性が重要となる。1 年目、2 年目 では難しく、一定の期間の取り組みが必要となるが、企業規模が小さいと なかなか継続するのが難しい。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) この委員会での先進地視察では、様々な新しい取り組みを見ることができ たが、中小企業ではFEMSを導入するのは、初期投資なども必要であり、 コスト的に難しいのではないかと感じた。 新たな取り組みとして、スマートグリッドやマイクログリッドといった言 葉が出てきているが、こちらも事業化はイメージしにくいという印象であ り、事業内容、事業効果や必要コストなどを明確にしていく必要があると 感じている。コスト面など課題も大きく、実施にあたっては、国のプロジ ェクトなどの活用を視野に入れていく必要があると考えられる。 エネルギーマネジメントシステムにおいて、島根発のプログラミング言語 であるRubyの活用も今後は考えられるかもしれない。 その他 松江内陸工業団地の取り組みについては、このヒアリングにより情報を得 たことから、改めて情報収集する。 -2-171- 図表Ⅳ.15(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 公益財団法人 しまね産業振興財団 顧問 酒井 禮男氏、課長 松浦 研二氏 島根県松江市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 当財団では、研究開発段階において国や県の事業を活用した技術支援や展 示会出展・人的ネットワーク活用による販路開拓支援を行っている。 県内の特徴的な環境関連製品としてLEDがあげられる。島根大学が中心 となり、国のプロジェクトを活用しながら県内 2 社とともに独自の研究開 発が行われている。 このLED関連 2 社ほか民間企業、島根大学、島根県産業技術センターに よる産学官の共同研究体制により、宍道湖・中海エリアで環境にやさしい 材料を用いた次世代照明デバイス・新エネルギー関連技術による新産業創 出事業を実施している。 また、地元企業約 40 社で島根県次世代自動車等技術研究会を設立・運営 している。 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 LED関連では、(株)島根電子今福製作所や(株)トリコンのほか、ヒカリ 電子工業(株)等がLED技術を保有している。 太陽光発電関連では、島根三洋電機(株)において太陽電池セルの製造を行 っており、また島根県産業技術センターでは、色素増感型太陽電池の技術 研究を行っている。 島根県は、バイオマス燃料関係の企業が多い。 バイオマス関連では、森下建設(株)がバイオマスボイラに取り組んでい る。 島根県は歴史的に炭に関する技術があり、関連する企業も多い。 一方で、現在、山陰興業(株)が廃食油の回収および再生燃料油の販売を行 っている。A重油の 30%程度を再生燃料油に置き換えられるものであり、 一定の目途がたちそうである。 雲南市では、市の事業として、山から出る木材を燃料として供給するシス テムの構築を推進している。 水環境関連では、松江土建(株)の湖沼水質浄化、中国環境(株)の汚泥材料 によるペレット製造、(株)イズコンのリン回収技術、(株)研電社の固液分 離装置、カナツ技研工業(株)の多段土壌水浄化システムがあげられる。 また水質浄化材として、隠岐商事(株)のネスナイト、(株)ネオナイトのネ オナイトも特徴的な取り組みである。島根県内で採掘されるゼオライトを 主原料とするものであり、福島第一原発事故に伴う放射性物質の除染での 活用可能性があり、注目をされている。 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア このような課題解決の一つとして、公的機関が評価して、機能性について お墨付きを与えることがあげられる。これにより、コストよりも機能性で 勝負することが可能となり、あわせて新聞記事などによるPR効果も出て くる。このような公的機関により製品を評価する体制があれば、その製品 への保障となり、販路拡大の可能性につながると思う。 一例として、経済産業省のものづくり補助事業で食品の成分分析を 100% 補助で実施できた。この制度は非常に好評であったが、現在は制度が廃止 されている。残留農薬の分析だけでも数十万円はかかることから、中小企 業では負担が大きい。 -2-172- 図表Ⅳ.15(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 公益財団法人 しまね産業振興財団 顧問 酒井 禮男氏、課長 松浦 研二氏 島根県松江市 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) LEDや太陽光発電は、県内企業が取り組んでいる分野であることから、 エネルギーマネジメントシステムの一部として期待がもてる。 島根県の資源であるバイオマス(木質ボイラーや再生油)の活用にも期待 したい。ただし、バイオマスも使い分けが必要であり、オンオフの明確な 切り替えが必要な設備は液体燃料が適している。木質ボイラは立ち上がり に時間がかかる。 財団のIT産業支援室では、Rubyの業界支援を行っている。このよう なIT技術が活用できる環境としても期待している。 その他 中海をフィールドに、オゴノリの育成によるバイオエタノール原料の製造 に関する研究開発を始めたところである。 -2-173- d.岡山県 2011 年 11 月 29 日(火)に岡山県産業労働部、(財)岡山県産業振興財団に対して 地産環境配慮型製品に関するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のと おりである。 図表Ⅳ.16(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 岡山県 産業労働部 産業振興課 新産業推進班 副参事 崎谷 誠氏 岡山県岡山市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 岡山県では“ものづくり重点 4 分野(①超精密生産技術関連、②バイオ関 連、③環境関連、④医療・福祉・健康関連)”を設定して取り組みを進め ている。その中で、 “②バイオ関連”では、グリーンバイオ・プロジェク ト推進事業として環境関連製品開発等の取り組みを展開している。 現在は、平成 22 年度から文部科学省の補助(「森と人が共生するSMAR T工場モデル実証」:約 9 億円)を受けて、革新的な素材であるセルロー スナノファイバー製造の取り組みを産学官連携で進めている。これに併せ て県独自に、県内企業が行う木質バイオマス製品の研究開発に支援を行っ ている。 「SMART工場モデル実証事業」では、自然エネルギー複合利用技術を 導入してナノファイバー製造設備等を有する“SMART工場”を構築し、 CO2 排出抑制(25%削減)を目指している。SMART工場では、太陽 光発電、風力発電、バイオマスボイラと一部で熱電素子による発電を組み 合わせ、ハイブリッドコントローラーを介してマイクログリッド化を図る ものである。太陽光発電が中心で、現在は 60kW 程度の発電を見込んでい る。 SMART工場のビジネスモデルは、①セルロースナノファイバー製造の 括り、②新エネルギーの複合利用の括り、③地域基盤形成の括りの 3 つで 構成されている。 SMART工場の立地場所としては、真庭産業団地を想定している。 SMART工場でのバイオマス利用は、ボイラ熱利用を検討している。 SMART工場への電力供給は、再生可能エネルギーで100%賄うこと を目指している。 SMART工場でのハイブリッドコントローラーは、参画機関である県内 企業・大学において研究・開発中である。 岡山県では以下のような補助事業がある。 (http://www.pref.okayama.jp/soshiki/kakuka.html?sec_sec1=28) 環境関連製品に おける取組み・ 支援 ①「温室効果ガス排出削減支援モデル事業補助金」:事業場に係る省エネ ルギー診断を実施するとともに、温室効果ガスの排出を削減するため の計画の作成や変更等を行う中小企業者に補助を行う。 ②「岡山県電気自動車普及促進事業補助金」:電気自動車の普及促進のた め、電気自動車用充電設備の整備費を事業者に補助する。 -2-174- 図表Ⅳ.16(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 岡山県 産業労働部 産業振興課 新産業推進班 副参事 崎谷 誠氏 岡山県岡山市 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 現在の岡山県のプロジェクトに関係している企業としては、ナノファイバ ー製造の「モリマシナリー(株)」や、蓄電池や風力発電設備の「コアテッ ク(株)」 、有機薄膜太陽電池の「三菱化学(株)」などがある。 真庭市の銘建工業のバイオマス発電は、全国的にも知られているが、木質 以外のもの(廃油や廃棄物利用など)は特に把握はしていない。 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア SMART工場では、製品コストを下げるためにも、できるだけ施設整備 費等のイニシャルコストを低減しなければならないと考えている。そうし たコスト面を考えて、バイオマスよりも多くの発電が期待できる太陽光の ウェイトを高くしていくよう考えている。 今まではプラスチックの強度を増すためにプラスチック材料にガラス繊 維を入れていた。ナノファイバーは、それに取って代わることをねらって いるところである。既存品よりも高品質・高機能だけではなく、コスト競 争力も持たないと製品としては売れないと考えている。 SMART工場は土日の操業は考えていないので、土日に発電した電力を 地域で消費してもらえるような連携ができると良い。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) その他 スマートメーターを導入して見える化を進めている事例が各所で見られ るが、全てが自動化されているわけではなく、人による管理部分が残され るだろう。適正な管理・運用が自動化されることにも期待したい。 真庭市の新庁舎ではバイオマスボイラを空調利用している。 全量買取制度の導入を見据え、グリーンバイオ・プロジェクト(SMAR T工場)で発電されたものはコスト面での優位性を高めるために、全量売 電した方が良いのではないかとの意見もあるが、地産地消の思想のもと、 自家消費出来た方が望ましいと考えている。 -2-175- 図表Ⅳ.17(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 財団法人 岡山県産業振興財団 技術支援部 研究開発支援課 技術支援部長 深井 康光氏、課長 横田 尚之氏 岡山県岡山市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 岡山県が注力しているのは、①次世代電気自動車への支援、②産業廃棄物 に関する循環型の取り組み支援、③電池産業の育成の 3 つがあげられる。 電池産業については現在、県内に無いので育成に力を入れて行こうとして いるところであり、昨年度研究会を立ち上げ、今年度は岡山県工業技術セ ンターにより進められている。 透過型太陽光発電など、大学も含めて研究に入った段階である。出口が見 えるのは 2~3 年先になるか。 FEMSに取り組んでいるのは大手数社に限られる。また、その取り組ん でいる企業なり、工場に自社製品を供給しようという県内企業はない。L EDを提供している企業はあるが、自社製造品ではない。蓄電池の技術な り製品を有する企業も県内にはない。 県のメガソーラー構想はまだ着手しておらず、候補地探しの段階である。 企業連携を支援しながら、クラスター形成によって岡山ブランドが構築で きればと思うが現実は厳しい。研究・開発段階では大学や企業の連携はで きるが、いざ製造段階となると連携が難しいのが現実である。企業同士と なると利害関係の問題からクラスター形成は困難を極める。 シムドライブEVの勉強会に参画した企業 16 社についてはモチベーショ ンを高く持ち、活動は 2 年目に入っている。現在は設計の構想段階なので モチベーションも高いが、次のステップの製造段階の議論に入ると、経済 的な制約や利害関係の問題から、各社がモチベーションを維持できるのか どうかは分からない。 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 水島コンビナートでは大手企業の主導によってヒートポンプの取り組み が進められているとの話が聞かれる。 制御技術・IT系企業としては、 「セリオ(株)(東洋電器グループ) 」があ る。また、両備グループ他 4~5 社程度あるが、県外企業と比較して特徴 的なものではない。 小水力に関しては異業種グループの「(株)テクノ 21」や「つばめガス (株)」 、両備グループの「ソレックス(株)」がある。 「つばめガス(株)」で は実証実験も行っている。 小規模コミュニティ程度の規模を想定した揚水発電を研究している企業 もあるが、現段階では採算ベースに乗らず、実用化には至っていない。 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 岡山県がプロジェクトを立ち上げて財政的な支援のもとに公募をかけれ ば企業コラボの可能性はあるかもしれない。ただ、企業は本当に重要な核 となる技術は出したがらない傾向にあり、それは日本の企業文化の原点か もしれない。もし企業コラボが成立するとしても 3 社程度の関係が限界 で、実現してもそれは例外的なものであろう。グループ企業同士のコラボ であれば実現しやすいかもしれない。 岡山県としての方針が示されない中では財団としても支援の方向性を明 確にし難い面がある。 -2-176- 図表Ⅳ.17(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 財団法人 岡山県産業振興財団 技術支援部 研究開発支援課 技術支援部長 深井 康光氏、課長 横田 尚之氏 岡山県岡山市 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 【続き】 岡山県の方針が示されれば、それに即して様々な分野ごとに専門の企業コ ーディネーターが確保できると良い。現在は財団がコーディネーター役の 一部担っているところもあるが、その位置づけは明確なものではない。コ ーディネートも県や財団、企業がバラバラに動いていたのでは良いものに ならないので、やはり、県全体としての柱となる方針が必要である。 財団として支援する場合には、輸入品を取り扱う企業よりも、県内産、国 内産の企業に重点を置きたいという気持ちはある。LEDも 4~5 年前に は開発に取り組んでいた企業もあったが、現在は韓国からの輸入品を取り 扱っている企業程度である。安価な輸入品を取り扱う代理店企業がどこま でその製品の品質を把握しているのか疑問であり、輸入品関連の支援より も、県内産、国内産を優先したいと考える。 財団に対して要請がある支援としては、①事業・開発パートナーの紹介、 ②大学等の共同研究先の紹介、③販路開拓や受発注の基となる相手先紹介 などが多い。補助金など経済的支援に関する話も一部にはある。 事業・開発パートナーや販路開拓の支援は、財団が組織として長年蓄積し てきた実績もさることながら、様々なやり取りを通じて出来た個人的なネ ットワークを活用するところも多い。 海外への売り込み支援は今までも財団として取り組んできたところであ るが、現在は、海外とのパートナー探しをどう支援していくかが検討課題 である。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 「おかやま次世代自動車技術開発センター」の議論が進められている中、 岡山県としての将来の電気・エネルギー行政施策方針を打ち出してほしい と思う。岡山情報ハイウェイを有効に活用することも重要である。 EVや情報技術など、エネルギー関連の入口は様々あるが、岡山県として の方針が示されないため、企業側としては入った先の将来像が見えない状 況である。岡山県もスマートタウン構想を打ち出しているが、よりアクテ ィブで具体的なプランを示していく必要があると感じる。 EVに取り組むにしても、商業用車両をターゲットにするのか、個人向け 車両をターゲットとするのかといった違いもある。県が方針を打ち出して 対象をはっきりとしなければ、企業側は全方位型で取り組まざるを得ない こととなり、今後の県の取り組みに期待したい。 その他 県内では植物工場を手がけたいという企業が増えてきているが、そこに太 陽光システム等を導入するとなると断念してしまう状況である。太陽光発 電システムの基盤自体も県外から持ってこなければならない。 岡山県では 10 年前くらいに省エネ診断に注力して取り組んだ。診断の結 果、かなりの工場に省エネ設備を導入した。当時、全国トップクラスであ ったものと思う。当時は経済状況が今ほど悪く無く、企業側も省エネ設備 投資ができた。 -2-177- e.広島県 2011 年 12 月 1 日(木)に広島県商工労働部、2011 年 12 月 2 日(金)に(財)ひろ しま産業推進機構に対して地産環境配慮型製品に関するヒアリング調査を実施した。 ヒアリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅳ.18(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 広島県 商工労働局 次世代産業課 主査 船石 博義氏 広島県広島市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 新規創業や新規事業展開を考えている企業等に対して、補助金としては 「イノベーション人材等育成事業」 「新事業創出チャレンジ企業支援事業 (ひろしまチャレンジ基金)」 「産業廃棄物排出抑制・リサイクル関連研究 開発費助成事業」 「循環型社会形成推進技術研究開発事業」 「事業所内廃棄 物排出抑制支援事業」 「産業廃棄物排出抑制・リサイクル施設整備費補助 金」がある。また、海外企業との業務提携等の支援に向けた支援や資金調 達の支援、市場化の支援なども行っている。 ( 「制度活用ハンドブック(平 成 23 年度版) 」より) (http://www.pref.hiroshima.lg.jp/www/contents/1306494346074/) 広島県では、今年の 7 月にイノベーション立県を目指す指針として「ひろ しま産業 新成長ビジョン」を策定した。 「ひろしま産業 新成長ビジョン」 で位置づける次世代産業育成の柱は 2 つあり、1 つは“医療・健康関連分 野”で、もう 1 つが“環境エネルギー関連分野”である。 環境エネルギー関連分野の取り組みの方向性の一つとして、縮小している 国内市場から脱却し、中国やアジアなどの新たな海外市場の開拓に向けた 支援を図ることとしている。また、企業間コンソーシアムや大学との連携 の支援なども図ることとしている。今後、そうした方針に即して具体施策 を組み立てていく予定である。 クラスター形成というより、個別企業の支援というかたちをとっている。 状況に応じては県外企業との有効な連携が出来れば良いと考えている。あ まり県内だけに固執しすぎると、かえって話が広がっていかない。 “選択と集中”により、強いところを伸ばしていくという思想で支援をし ていく。財政も厳しい状況の中で、薄く広くの支援によって結果、総倒れ になったのでは元も子もない。 -2-178- 図表Ⅳ.18(2) ヒアリング先 住 所 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) 広島県 商工労働局 次世代産業課 主査 船石 博義氏 広島県広島市 ①太陽電池、②環境リサイクル、③LED、④リチウムイオン電池、⑤ 風力発電、 ⑥燃料電池の 6 つの分野で区分して県内企業を下表のとおり抽 出している(現在取組中のオンリーワンナンバーワン企業のみ掲載して いるが、他にも参入を検討中のオンリーワン企業もある)。 ① 太陽電池: 「三井デュポンケミカル(株)」 「ヤスハラケミカル(株)」 「戸田 工業(株)」 「(株)サンエス」 「トーヨーエイテック(株)」 「ディスコ呉工場」 「ローツェ(株)」 「アルテ(株)」 「(株)アドテックプラズマテクノロジー」 「三誠産業(株)」 ② 環境・リサイクル: 「(株)テックコーポレーション」 「(株)エフピコ」 「(株) テラル」「(株)アイメックス」「(株)サタケ」「ポエック(株)」「広和エム テック(株)」 「永和国土環境(株)」 「寿工業(株)」 「(株)エコノインダスト リー」 「(株)明和工作所」「(株)北川鉄工所」 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 ③ LED: 「シャープ(株)」 「日東電工(株)」 「エクセル(株)」 「広島化成(株)」 「(株)サンエス」 「テイヨー(株)」 「(株)タテイシ広美社」 「(株)研創」 「デ ィスコ(株)」「アテル(株)」 「三誠産業(株)」 ④ リチウムイオン電池: 「戸田工業(株)」 ⑤ 風力発電:現在取組中のオンリーワンナンバーワン企業は無し ⑥ 燃料電池:「(株)ヒロマイト」「(株)エコノインダストリー」 前述の 6 分野の企業は、素材や部材部品、装置、製品製造など、様々な 段階の企業である。 LEDの分野では「エクセル(株)」が信号灯器用LED電球を武器にトッ プセールスを展開している。LED蛍光灯は既に大手が市場を抑えている ので、それとは別の市場開拓をねらったものである。また、「ひろしまL ED応用技術研究会」も立ち上げ、技術開発等にも取り組んでいる。 「寿工業(株)」はロータリーエンジンを搭載したコージェネシステムを実 用化しており、太田川(水質浄化)にも設置する予定である。ただし、車 のロータリーエンジンがベースとなっているので規模は小さい。 「永和国土環境(株)」は既に中国に進出している。 -2-179- 図表Ⅳ.18(3) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 広島県 商工労働局 次世代産業課 主査 船石 博義氏 広島県広島市 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 太陽電池の分野で見ると、素材や部材、モジュール等に関する企業はある が、最後のセル製造が出来る企業が県内にはない。中国地域内では島根県 にある「パナソニック」か、山口県の「長州産業」くらいである。部品を 製造する企業はあっても最終的な製品まで出来ないのが広島県としての 課題である。 県としては海外市場の伸びしろのある地域(アジア、中国など)の開拓に 注力しようとしている。例えば、今年度から一つのきっかけづくりにすべ く、四川省に対して“環境”と“観光”をキーワードに売り込んで行こう としている。 中小企業が単独で海外に出て行こうとすると国内よりもリスクが高いの で、県としては如何にしてリスク軽減に向けた支援ができるのかを検討し ているところである。 海外市場を開拓するに当たっては“ALL広島”によって、相手先から与 えられる課題を解決できるような道筋を探るといった方針である。 海外市場開拓における行政の役割は、政府間の窓口を開くところがある。 そして、公に認められた商談会等を開催し、そこに中小企業が出展するこ とで、海外取引先に信用を得やすい環境を作り出すことができる。中小企 業が単独で進出した場合には信用を得るところから大変である。 県内企業でクラスター形成を図るにしても、まずは市場を見極めたうえで ターゲットを絞り、そのターゲットに対応した課題解決に適したクラスタ ー形成を目指さなければならない。作ったものが売れる時代ではなく、求 められるものを作って売る時代である。 海外市場を見極めるのは難しい。広島県の今のやり方としては、まず今あ る玉(県内にある優れた企業や技術等)を相手にぶつけていって、それに 対して相手から課題をもらい、次にその課題を解決する策を持って売り込 んでいくという流れである。また、相手から課題をもらうことによって、 こちら側も新たな気づきがある。 海外市場で可能性のあるものは何かを聞いても誰も教えてはくれないし、 たとえ教えてくれたとしても、総論的なことだけである。自分の足で情報 を得ていく以外方法はない。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 環境・エネルギー全体として担当する部署は、産業や環境など多様な面が あることから県庁内で明確になっていないところもあり、部門間連携を円 滑にしていく必要があると感じている。 エネルギーマネジメントに絡むような県内IT関連企業はあまり強くない。 -2-180- 図表Ⅳ.19(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 公益財団法人 ひろしま産業振興機構 広島県中小企業・ベンチャー総合支援センター プロジェクトマネージャー 山本 和男氏 広島県広島市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 企業への支援は、I:発掘・育成 II;ビジネスパートナーとの交流 III;事業化 支援 IV;販路拡大支援と 4 段階で行なっている。この中で「①ビジネスプ ラン作成支援」 「②ビジネスプランのイノベーションマッチングひろしまで の発表支援」 「③重点的企業支援」に注力している。 特に「①ビジネスプラン作成」は重要と考えており、ビジネスプラン作成支 援のガイドとして、ビジネスプラン作成ガイドブックを作成・配布している。 ビジネスプラン作成時の課題としては、ビジネスの理想と現実の違いに気づ き作成をあきらめてしまう企業が多いことがあげられる。 5W1Hのわかるビジネスプランをガイドラインを見ながら作成してもらい、 月 3 回開催している指導会でブラッシュアップするようにしている。 5W1H の有るビジネスプランを作成していないと、各種補助金に応募しても採 択されない。 「②イノベーションマッチングひろしま」は、コーディネート企業とのコミ ュニケーションづくりに有効な取り組みとなっている。ここでビジネスプラ ンのプレゼンしてもらい、名刺交換することで新たな取り組みが生まれる。 また、プレゼンを聞いた企業側のコメントを財団が収集し、プレゼンを実施 した企業に情報を提供することで、製品の改善や販路拡大に活かしている。 「③重点的企業支援」では、上場を目指す企業を 3 名のマネージャーが、重 点的に支援している。 支援を始めて 3~5 年で独り立ちしてもらうスケジュールとしている。独り 立ちし上場を視野に入れるレベルになると支援卒業としている。 また、県内の支援機関と連携した企業支援を行っており、年 2 回会議を実施 し情報共有化を図っている。 また、支援企業に対しては会社訪問を行い、状況確認や各種のアドバイスを 実施している。 財団は基本的には、B to Bの企業支援を行っている。 環境・エネルギー分野は、特に注力すべき分野と位置づけて活動を実施して いる。この分野は日々技術が進歩しているため、1 回/月で専門家の方にプレ ゼンを行ってもらい、関連企業のレベルアップを図ったりもしている。 また、びわ湖環境ビジネスメッセ 2011(長浜) 、エコイノベーションメッセ 広島 2011 には環境関連支援企業の出展を支援した。 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 まずは、中国経済産業局のエネルギーマップに掲載されている企業が基本と 考えられる。 その上で、2010 年に財団のアドバイザーが作成した「中国地方の新エネルギ ー・省エネルギー関連企業マップ」が参考になる。このリストは、全てを網 羅している訳ではないが、地域別、分野別に整理されており、80 点程の精度 と感じている。 作成して 1 年経過しているため、そのマップに掲載されていない企業として は、福山市の(株)ワールドルームブリス(地熱) 、ワールド熱学(有)等相当 数あると思われる。 -2-181- 図表Ⅳ.19(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 公益財団法人 ひろしま産業振興機構 広島県中小企業・ベンチャー総合支援センター プロジェクトマネージャー 山本 和男氏 広島県広島市 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 財団の設立経緯、蓄積された情報、ノウハウ量より、ものづくりに関する支 援は非常に高いレベルになっている。一方、食品・雑貨関係の支援が弱いと 感じており外部の専門家による販売戦略塾という支援事業を行っている。 工業技術センターや大学・研究機関と民間企業とのマッチングも非常に重要 であり積極的に取組んでいる。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 広島県を始めとした中国地方は、他地域と比べて遅れている。例えば、九州 地域は福岡県がリーダーとなって、九州全域の活動を牽引している。 広島県は、エネルギーマネジメントシステム全般についてリーダーとなるべ き企業・団体が出てこないのが取り組みが遅れている原因と感じている。県 内の主要企業を集めて研究会を開催し、その中からリーダー的企業や人材を 発掘していく必要がある。 中国地域で団結してエネルギーマネジメントシステムのモデル都市をつく っていかないと、新しい産業創出としてエネルギーマネジメントシステム関 連企業が生まれない。 その他 企業支援は指導する人材が重要な役割となる。企業OBなど、地域の優秀な 人材を様々な分野で活用することが重要である。 -2-182- f.山口県 2011 年 11 月 30 日(水)に山口県商工労働部、(財)やまぐち産業振興財団に対し て地産環境配慮型製品に関するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果は以下の とおりである。 図表Ⅳ.20(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 山口県 商工労働部 新産業振興課 次世代産業班 主査 山田 誠治氏 山口県山口市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 山口県では環境省の地域グリーンニューディール基金を活用して以下の 2 つの補助事業を行っている。(http://eco.pref.yamaguchi.lg.jp/ondan/index.php) ①「環境やまぐち省エネ住宅普及促進事業」( 「やまぐちエコハウス補助 金」) :個人住宅を対象に、太陽光発電・太陽熱利用等の製品を複合的 に導入する際の補助制度。 ②「環境やまぐち省エネ事業所普及促進事業」 (「やまぐちエコオフィス補 助金」) :自己所有事業所を対象に、太陽光発電・太陽熱利用等の製品 を複合的に導入する際の補助制度。 また、山口県産省エネ・グリーン化製品届出制度を実施しており、この 制度による届出製品は、 【山口県産の省エネ・グリーン化製品】として認 められ、 「やまぐちエコハウス補助金」、 「やまぐちエコオフィス補助金」 の補助対象として導入する場合、補助金の申請手続が簡素化される。 環境省の地域グリーンニューディール基金の制度を活用して取り組んで来 たがそれも今年度が最終年度で、来年度については未定である。 山口県産省エネ・グリーン化製品届出制度による届出製品について一覧に 整理し、紹介している。届出製品は 36 製品で、下記の 22 企業ある。 【山口県産省エネ・グリーン化製品届出制度による届出製品一覧より】 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 「(株)ジオパワーシステム」 「海水化学工業(株)」 「東洋鋼鈑(株)」 「(株)デコス」 「長州産業(株)」 「長府製作所(株)」 「長府工産(株)」 「宇部興産(株)」「シャープ(株)」「(株)ジャスト東海」「パナソ ニック電工(株)山口営業所」 「日本ハウス」 「セントラル硝子九州 (株)」 「(株)京セラソーラーコーポレーション」 「(株)コロナ」 「東 芝燃料電池システム(株)」「三菱電機住環境システムズ(株)中四 国社」 「JX日鉱日石エネルギー(株)」 「ダイキン空調中国(株)山 口支店」 「ソーラーフロンティア(株)」 「三洋ソーラーエナジーシ ステム(株)中四国支店」 「水口電装(株)」 上記の中で、例えば、 「海水化学工業(株)」は、乾燥・湿潤状態を上手く 制御する屋上断熱パネルシステムを開発しており、その技術は特許も取得 している。また、地域イノベーション創出研究開発事業「無機複合技術に よる超軽量外断熱・潜熱冷却システムの開発」を現在推進中である。 食品乾燥機を製作する「(株)木原製作所」は、しいたけを乾燥させる機器 において、湿度コントロールを行いながら乾燥させることで、高品質かつ 省エネを実現している。第 30 回優秀省エネルギー機器表彰(日本機械工業 連合会主催)「日刊工業新聞社賞」を受賞。 -2-183- 図表Ⅳ.20(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 山口県 商工労働部 新産業振興課 次世代産業班 主査 山田 誠治氏 山口県山口市 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 (続き) 「エアオペレーションズテクノロジーズ(株)」は、食品の乾燥を防ぎ、高 品質な商品が生産でき、かつ省エネも実現する冷却・冷凍システムを開発 している。 「(株)ジオパワーシステム」は、地中熱利用による空調システムを開発し ている。このシステムは労働環境改善が求められる中、工場内の空調にお いて、この地中熱利用による空調システムは、エアコンと比較してランニ ングコスト低減の可能性がある。 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 上記の「(株)木原製作所」や「エアオペレーションズテクノロジーズ(株)」 のように高品質な商品が生産でき、かつ省エネも実現できるなど、製品に 付加価値がつくなど省エネ以外に効果のある製品開発は重要である。 太陽光パネルについては、経済的な効果を出すのが困難と思われる。導入 時の補助や全量買取制度を利用すれば条件によっては経済的な効果が期 待できるかもしれない。 中小企業は大量生産によりコスト低減ができないことが大きな課題であ る。大量生産品であればコスト競争力において中小企業は大企業と比べて 不利である。 個別の対応を求められる一品ものに対しては、中小企業の参入可能性があ る。大企業がターゲットとしない比較的ニッチな市場を目指すことが重要 と思われる。 現在は環境政策上の取り組みと、産業振興上の取り組みは別のセクション で担当しているが、両方の取り組みを有効に機能させる施策や取り組みを 進めることが重要である。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) 工業団地での一括受電による複数企業の効率化という取り組みも考えられる。 下関市の長府扇町工業団地においては、団地内の組合が環境に対する取組(ク ールファンビジネス)を積極的に行っており、団地内の単独企業のみならず、 複数社によるエネルギーマネジメントに取り組むことも可能かもしれない。 地産エネルギーを活用したエネルギーマネジメントシステム導入を考え る場合、アンケート結果を参考に個々の企業に対して、使用エネルギーに 対する導入可能な地産エネルギーの割合を検証し、導入効果が見込めそう な企業について、機器構成などを整理し、地産エネルギーを活用した FEMS の導入が可能な工場の事例として示すことにより、今後の取組の参 考となる。 エネルギー供給源として燃料電池を導入することは、エネルギーマネジメ ントシステムにおいて有効であると考えられる。 その他 “創エネ”、“蓄エネ”、“省エネ”について、様々な具体的な取組事例があれ ば中小企業の参考となると思われる。 FEMS 構築 企業や工場の規模などによって FEMS 構築に 《フェーズ 4》 向けた取組の内容も様々になると思われる。 中小企業にとっては、はじめから理想的な地 《フェーズ 3》 産エネルギーを活用した FEMS モデルを目指 《フェーズ 2》 すのは困難と思われる。FEMS 構築に向けた 《フェーズ 1》 取組をフェーズ(右図イメージ)毎に示すこ とができれば取組の参考になると思われる。 -2-184- 図表Ⅳ.21(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 財団法人 やまぐち産業振興財団 事業活動支援部 CO2 排出削除コーディネーター 篠原 哲朗氏 山口県山口市 ヒ ア リ ン グ 結 果 環境関連製品に おける取組み・ 支援 「(株)ヤマダ電機」と住宅メーカーの「S×L(エス・バイ・エル(株))」 が連携して、太陽光パネル等を含めた省エネ家電を個人住宅に売り込みを 進めている。「(株)ヤマダ電機」側が売れると判断したものと共同で開発 することで、販路には直ぐに乗せられるものとなる。マーケティング力の 強い企業や全国に販売網を有する企業との連携は魅力的である。 太陽光パネルは温度が上昇すると発電効率が低下する。そこで、そのデメ リットとなる温度上昇分の太陽熱エネルギーを活用すべく、太陽光と太陽 熱の双方をプラスに利用できるハイブリッド技術を「S×L(エス・バイ・ エル(株)」が研究・開発中である。地中熱技術開発は、財団も参画のもと で、 「S×L産学官合同ミーティング」という会議体を組織して研究開発 と実証実験中である。 これには財団から補助金の 100 万円を交付しており、 「(株)ジャスト東海」 の設備購入費の一部に当てられている。会議体には山口大学の中園教授、 小金井准教授、後藤講師も参画している。 「(株)ジャスト東海」は昨年の 12月19日から横浜の展示場で実験住宅を使い実験を開始した。 湯田温泉で温泉熱利用も検討中である。温泉は一部では冷まして利用し、 一部では沸かして利用するといった両面があり、そこを上手く熱交換でき ると良い。 「長府製作所(株)」の紹介により MDI(株)がプレート式熱交 換技術を有している。 添付ファイルの リスト以外での 企業紹介 屋根断熱の製品を有する「海水化学工業(株)」(防府市)は有望である。 現在、「長府製作所(株)」はエス・バイ・エル(株)が実験している地熱利 用の住宅の PJ に参画している。またこの企業はデシカント(除湿)空調 システム技術も有している。 前述の「(株)ジャスト東海」や「長府製作所(株)」の技術を導入した住宅 は、最大の環境価値を実現できるようなものになることが期待される。 環境に特化した“人にやさしい住まい本物の住まいづくり”を目指す「(株) 安成工務店」、太陽光発電の電力を蓄電し夜間、LED 照明として利用する 自立自存型の照明施設を提供する「宇部興機(株)」なども有望である。 -2-185- 図表Ⅳ.21(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 財団法人 やまぐち産業振興財団 事業活動支援部 CO2 排出削除コーディネーター 篠原 哲朗氏 山口県山口市 環境配慮型製品 を製造する企業 支援の現状・課 題・アイディア 「(株)ヤマダ電機」が太陽光パネルを売り込もうとしている話をしたが、 「(株)ヤマダ電機」の取り扱い商品とすれば、県内企業のものだけでなく、 当然、大手であるパナソニック製やシャープ製などの他社製品も視野に入 れている。メンテナンスやアフターサービス等を考えた場合、中小企業は、 大企業に比べて倒産リスクが高く、それが弱みである。また、需要に応じ て海外へのデリバリーもできるかどうかといった課題もある。 「S×L(株)」と山口県の各企業との連携、山口県との関わりは、私(篠 原氏本人)の人的ネットワークにより実現したものである。中小企業の販 路開拓においては人的ネットワークが極めて重要である。 中小企業の場合、社長の交代が大きなリスクである。経営方針が大きく変 わってしまうことがある。 中小企業と連携する場合、連携先は不安に思うところがあるので、中小企 業は様々な面から信用力を高めていくことが課題である。信用力を高める には、行政や銀行等のバックアップが必要である。製品開発のみではなく、 常に事業承継を念頭に置きファイナンスや税制なども含めトータルで考 えていかなければならない。 エネルギーマネ ジメントシステ ム全般について (期待や課題) エネルギーマネジメントの普及・発展を図るためには、都市計画法や建築 基準法、農地法、森林法など日本の国土を律する各種法律の法改正の必要 性を感じる。人口増加の時代には抑制型の規制・誘導が必要な面もあった が、今は人口減少社会であり、コンパクトシティの実現に向けては様々な 規制緩和や時代に合った法改正が必要である。 その他 中小企業での研究・開発を推進するためには大学との連携が重要であり、 人的交流ができると良い。大学側から卒業生を中小企業に送り込んでいけ ると良いのだが、学生側からすると大企業志向が強いので難しい面がある かもしれない。 今の時代は外部環境の変化の速度が極めて速いので、財団も将来性を見越 すことは難しく、企業側に自信を持って“これは良い” “これならいける” といったことは言えない状況である。企業側の主体的な選択結果を支援す るスタンスとなる。 -2-186- (4)民間企業ヒアリング調査 「 (3)中国5県ヒアリング調査」は行政・支援機関の視点における環境配慮型製 品に関するヒアリング調査であったことから、中国地域で環境配慮型製品を取り扱っ ている民間企業に対してもヒアリング調査を実施した。 a.長州産業株式会社 2012 年 2 月 2 日(木)に長州産業(株)に対して地産環境配慮型製品に関するヒア リング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅳ.22(1) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 長州産業株式会社 山口県山陽小野田市 ヒ ア リ ン グ 結 果 主な事業は、「①エネルギー機器事業」「②洗浄事業」 「③真空メカトロ機 器事業」の 3 本柱である。 事業概要 「①エネルギー機器事業」では、太陽光発電システムを製造しており、 シリコンインゴットの引き上げから、シリコンウエハーの製造及び太陽 電池モジュールの生産を経て、設置・アフターサービスまで一環体制で 事業を行っている。 生産工場としては、太陽光モジュールを生産するC棟に加え、太陽電池 セルを生産するD棟が完成し、近日中に量産予定。 D棟は、年間 100MW程度のセル生産能力を有するが、まずは年間 30M Wの生産量で開始する。 供給側としては、中国の企業の太陽電池メーカーの新規投資規模はギガ ワット単位である。欧米の生産設備メーカーがターンキー販売としてプ ロセスも込みで設備を販売し、中国企業がそれを導入する方法で、その ラインを買えば誰でも生産できるものである。初期は効率や歩留まりが 日本メーカーに比べ大きく劣っていたが、今では、技術面・品質面では 日本メーカーに追いついてきている。問題は安定した品質管理。 環境関連製品に おける現状及び 課題 需要側の現状及び課題については、社会的な背景から太陽光発電に関す る市場が急速に変化してきている。また世界情勢に加え、官首相の発言 などもあり、コスト低減の圧力が急激に強まっている。品質の安定性や ロス削減等の取り組み、一環体制による生産プロセス改善等により市場 の変化に対応する努力をしているが、非常に大変である。 その他の環境配慮型製品も同様かもしれないが、日本で研究・開発を行 いながら技術をリードして、量産はコストが安い海外で生産するという 形態にならざるを得ないのかも知れない。 そうならないためには、国内での過度な価格競争を避けなければならな いが、事業の元請企業から太陽電池メーカーに対する要求が高いこと、 またメーカー側も在庫を抱えている場合は安価に納入することから、場 合によっては原価割れしているケースもある。そうなると、産業全体の 成長にはつながらず、上記のような海外生産の方向性が強まり、国内産 業が空洞化してしまう。液晶産業も同様な傾向となっている。 -2-187- 図表Ⅳ.22(2) 地産環境配慮型製品に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 環境関連製品に おける現状及び 課題(つづき) 工場における省 エネ活動の実践 例 太陽光や地熱等 地産エネルギー の活用可能性 その他 長州産業株式会社 山口県山陽小野田市 国内産業の空洞化を避けるためには、 国や地方自治体が積極的に国内企業 をバックアップする必要があるのではないか。日本は輸入立国であること から国のバックアップは難しいことも考えられるが、 少なくとも地方自治 体からは国内産業の競争力を向上させるプランニングが求められる。 プランニングの方向性として、 災害時における太陽光発電の導入といった 企業支援とは異なる位置づけであれば支援がしやすくなるのではないか。 なお、住宅用太陽光発電については、多少高くても国内産を選択し、購入 するケースが多い。また、家電量販店では、価格統制を行ったり、販売す るために顧客にメリットのみを情報提供し、 きちんとした事前説明がされ ていない場合もある。地元の施工店とメーカーが連携し、お客様の立場に 立った情報提供の上で、 しっかりとしたアフターサービスのできる形で太 陽光発電を普及させていく取り組みが良い。 他の企業と同じような取り組みになると思うが、 こまめな消灯や適切なエ アコン温度の設定などが基本となる。 また、かなり前からセンサーによる照明点灯は実施しており、自動販売機 についても東日本大震災前からずっとライトを消している。 太陽光発電についても、 NEDO等の実証事業により 100kW 程度設置して おり、発電した電気は事務所や守衛所で利用している。 社内には環境委員会が設置されており、リサイクル活動を含む省エネ推進 を実施している。 省エネ診断については、細かな診断ではなく、電気管理者がデマンド管理 を行っている。デマンドを超えそうになると、自動でブザーがなる仕組み となっている。 地中熱による空調利用については、 なるべく自然に近い空調環境にするこ とは非常に良いこと理解できる。ただ、導入時におけるコストや、その立 地場所の地層により大幅なコスト UP となる可能性がある。 導入時の工場電力設計において、過大仕様となっている場合がある。一般 的に定格最大電力の 60%を常用とするが、供給電力の設計仕様はその半分 くらいで十分。 中国電力が宇部市にメガソーラーを設置する新聞記事が出ており、地元の 太陽電池を用いるとの記載もある。行政のみならず、民間企業も単にコス トだけで選択をするのではく、 地産エネルギーを採用するようなしくみを 考慮してもらうことが、望ましい。 環境・エネルギー分野についても、中国地域内の大学などの研究者が有機 的な連携ができていない。 効率の良い連携で競争力のある地域連携体とな れるのではないか。東京工業大学では学内での研究者連携がシステム化で きており、地域でシステム化できたような前例はなく、そのような産学官 連携が出来ないだろうか? 弊社の単結晶太陽電池において、効率 20%以上のモジュールの量産がで きるようになったと、本日(2/2)新聞報道がされている。一般的な単結 晶の効率は 18%~19%程度であることから、1%以上の効率向上になって いる。インゴットからモジュール設置・サービスまでの一環生産体制の元 で、市場での競争力を高めていける。 (株)トクヤマとのタイアップにより、シリコンウエハーの材料となるイ ンゴットの引き上げを行っている。 このような企業連携が非常に有効であ る。 -2-188- 3.FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性 (1)中国地域における地産環境配慮型製品 「2.地産環境配慮型製品に係る中小企業の抽出」における調査結果を踏まえ、中 国地域における地産環境配慮型製品の関連企業(例)を整理した。 その結果を、次ページ以降に示す -2-189- -2-190- 図表Ⅳ.23(1) 中国地域における地産環境配慮型製品の関連企業(例)※2011 年 10 月 31 日時点 -2-191- 図表Ⅳ.23(2) 中国地域における地産環境配慮型製品の関連企業(例)※2011 年 10 月 31 日時点 -2-192- 図表Ⅳ.23(3) 中国地域における地産環境配慮型製品の関連企業(例)※2011 年 10 月 31 日時点 -2-193- 図表Ⅳ.23(4) 中国地域における地産環境配慮型製品の関連企業(例)※2011 年 10 月 31 日時点 (2)FEMS構築に係る地産環境配慮型製品の活用可能性 以上の中国 5 県等ヒアリング調査等を踏まえ、FEMS構築に係る地産環境配慮型 製品の活用可能性を整理する。 a.環境配慮型製品について (a)中小企業工場 環境配慮型製品に関する事業を実施する場合、各製品の競争力を高めることが一番 の課題となっている。その場合、まず競合品のコストや性能を知ること、そのために 原価や投資回収費用の見える化を中小企業においても実施することが求められる。 特に、太陽光発電やLEDのような製品は、中国を代表とする海外の類似製品が存 在するが、コストは下がり品質が向上している傾向がある。 また、FEMS構築に係る環境配慮型製品の対象市場を中小企業とした場合、FE MSや環境配慮型製品の市場性や販路があるのか、その中小企業にとって事業性が確 保できる分野なのかも重要な課題としてあげられる。場合によっては、製品販売のみ にとどまらず、FEMSに関連する環境配慮型製品のメンテナンスやランニングの部 分においても、中小企業が参入でき、事業性を確保する可能性を見出していく必要が ある。 (b)行政・支援機関 FEMS構築の全体となると大手企業の範疇となるが、地産地消という視点で中国 地域内の中小企業の環境配慮型製品が部分的に導入される可能性を見出していく必 要がある。その場合、FEMSのどの部分に中小企業の環境配慮型製品が導入できる のかを知ってもらうこと、気づいてもらうことが重要であり、そのための具体的なモ デルの提示が有効となる。 FEMSや環境配慮型製品の市場として、海外を想定することも考えられる。その 場合には、中小企業が単独で海外に出て行こうとすると国内よりもリスクが高いの で、如何にしてリスク軽減に向けた支援ができるのかも、あわせて検討する必要があ る。一つのリスク軽減支援として、地域内企業でのクラスター形成があげられるが、 まずは市場を見極めたうえでターゲットを絞り、そのターゲットに対応した課題解決 型のクラスター形成を目指さなければならない。作ったものが売れる時代ではなく、 求められるものを作って売る時代となっている。 また、クラスター形成においては、大企業と中小企業との連携も考えられるが、そ の場合、中小企業の信用力の面で不安に感じられるところもあるのが現実である。こ の信用力を高めるには、行政や銀行等のバックアップが必要であり、製品開発のみで はなく、ファイナンスや税制なども含めトータルでの支援を考えていかなければなら ない。 -2-194- b.エネルギーマネジメントシステムについて (a)中小企業工場 中小企業工場は、エネルギーマネジメントシステムの有効性は感じているものの、 設備投資の優先順位は低く、将来的な対応事項と捉えている可能性が高い。一言で“F EMS”という言葉を聞くと、中小企業工場からすると大掛かりな設備投資をイメー ジして敬遠する可能性があることから、まずは、FEMS構築の最初のステップとな る省エネ活動や省エネ設備導入等により、直接的なメリットを期待できる取り組みか ら始めることが求められる。 (b)行政・支援機関 対象とする中小企業工場の規模などによって、FEMSに向けた取り組みの内容や 段階も様々となる。中小企業にとってのFEMS完成形のモデルを見せてもなかなか 参考にし難いため、行政・支援機関ではFEMS構築に向けたフェーズを上手く示し、 段階的にFEMS構築を進めていくステップ論が重要となる。 今後、地域の製造業を支える大きな会社の経営が悪くなれば、地域全体の経済が悪 くなる程の影響が予想される。そうならないように、新産業創出としてFEMSを含 む広い意味でのスマートグリッドに期待している声があり、中国地域で団結してFE MSモデル地域やスマートグリッドモデル都市をつくっていく必要がある。 このFEMSモデル地域のイメージとして、工業団地での一括受電による複数企業 の効率化という取り組みがあげられる。例えば、デマンドのピークカットをしようと すると、どういう企業が連携すれば対応しやすい等といった事例を参考にしながら、 お手本となる機器や構成要素などの情報を整理して、モデル的工場のスタイルを示し ていく必要がある。 また、スマートメーターを 図表Ⅳ.24 スマートメーターの概要 導入して見える化を進めて いる事例が各所で見られる が、全てが自動化されている わけではなく、人による管理 部分も残されている。今後 は、適正な管理・運用の自動 化に対する期待もある。この 見える化や自動化のシステ ムのなかで、中国地域発のプ ログラミング言語であるR ubyが活用できれば、中国 出典:次世代エネルギー・社会システム協議会中間とりまとめ(平成 22 年 1 月) 地域における環境配慮型製品とIT技術の融合システム構築の可能性も考えられる。 -2-195- Ⅴ.地産環境配慮型製品を活用したFEMSモデルの構築 1.地産エネルギーを活用したFEMSモデルの構築 (1)中小企業単独FEMSモデル Ⅳ章までの調査結果を踏まえ、地産エネルギーを活用したFEMSモデルは、大き く以下の 6 項目で構成される。 ① エネルギーを創る ② エネルギーを使う ③ エネルギーを測る ④ エネルギーを見える化する ⑤ エネルギーを蓄える ⑥ エネルギーを制御する この 6 項目について、各項目の構成技術は以下のとおりである。 図表Ⅴ.1 地産エネルギーを活用したFEMSモデルの構成技術(例) -2-196- したがって、標準的に導入が期待される構成技術を用いた中小企業単独FEMSモ デルのイメージを以下に示す。 図表Ⅴ.2 中小企業単独FEMSモデルのイメージ このイメージ図では、アンケート調査より最も多くの資源量が確認された太陽光発 電を地産エネルギーとして活用しながら、LED照明や高効率空調設備、個別の生産 設備等の電力として活用するとともに、スマートメーターを含む電力計測器でエネル ギーの使用データを収集・分析し、デマンド最適制御システムによる電力制御を行う ものである。 あわせて、照明設備や空調設備は、アンケート結果によりほとんどの工場に導入さ れている一方で、省エネの可能性が非常に高いという回答が多いことから、高効率機 器の導入とあわせて、スポット照明・スポット空調など適切な場所に適切な照度・温 度を確保するものである。 -2-197- (2)中小企業連携FEMSモデル 地産エネルギーを活用したFEMSモデル構築においては、中小企業単独での取り 組みよりも、複数の中小企業が連携して実施する方が効果的な場合がある。したがっ て、中小企業が連携するFEMSモデルを提案する。 現在、いくつかの工業団地において、事業協同組合等が組合員のために一般電気事 業者から高圧一括受電を行っているケースが存在する。これは、事業協同組合等が自 ら配電線や受電設備などを設置し、自らが保守点検を行いながら組合員の事業所・工 場に電力供給を行うものであり、デマンドの平準化などによる電気料金の削減を行っ ているものである。 ただし、新規の工業団地で事前に高圧一括受電を計画していれば、上記のような対 応も可能であるが、現実には工業団地内に既に中小企業工場が立地していることか ら、新たなインフラを全て再構築するのは現実的ではない。 したがって、以下のとおり工業団地内に「エネルギー共同利用組合」を設立し、特 定電気事業者の届出を行うことで、一般電気事業者から電力供給を受けながら、エネ ルギー使用データをリアルタイムに監視し、契約デマンドを超えないように自家発電 設備(太陽光発電等を含む)により電力を供給するモデルを構築する。 また、排熱が発生する工場と熱を必要とする工場が地域内に存在する場合には、組 合員同士の相対契約により熱融通することも考えられる。 図表Ⅴ.3 中小企業連携FEMSモデルのイメージ -2-198- あわせて、特定電気事業者の事業内容として、「エネルギー見える化・省エネ診断 事業」「省エネ機器更新コンサルティング事業」「人材育成・研修事業」「排出権取引 事業」を行うことで事業収益性を高めながら、「エネルギー共同利用組合」全体でエ ネルギーの効率的利用と地産エネルギーの活用、人材育成等を行い、組合員の地球温 暖化対策に対する意識効用と競争力向上を図るものとする。 なお、このモデルを実現するにあたっては、 「地域高圧一括受電」 「地域熱供給」 「ス マートグリッド」「地中熱利用」等に関する課題が考えられることから、次に関係者 へのヒアリング調査を実施し、課題や解決策を明らかにする。 [参考:特定電気事業者の概要] 我が国では、電気事業法により電気事業の運営が規制されており、当該法律によって、事 業者の種類が規定されている。 特定電気事業者は、以下のとおり限定された区域に対し、自らの発電設備や電線路を用い て、電力供給を行う事業者のことである。 電気事業者の種類 説 明 一般電気事業者 一般(不特定多数)の需要に応じて電気を供給する者。現在は、北 海道電力(株)、東北電力(株)、東京電力(株)、中部電力(株)、北陸 電力(株)、関西電力(株)、中国電力(株)、四国電力(株)、九州電力 (株)、沖縄電力(株)の 10 電力会社が該当する。一般への電気供給は、 一般電気事業者以外が行うことはできないこととなっている。 卸電気事業者 一般電気事業者に電気を供給する事業者で、200 万 kW 超の設備を有 する者。 (電源開発(株)、日本原子力発電(株)、200 万 kW 以下であ るものの特例で認められている「みなし卸電気事業者」として公営、 共同火力がある。 ) 卸供給事業者 一般電気事業者に電気を供給する卸電気事業者以外の者で、一般電 気事業者と 10 年以上にわたり 1,000kW 超の供給契約、もしくは、5 年以上にわたり 10 万 kW 超の供給契約を交わしている者(いわゆる 独立発電事業者(IPP)) 。 特定規模電気事業者 契約電力が 50kW 以上の需要家に対して、一般電気事業者が有する電 線路を通じて電力供給を行う事業者(いわゆる小売自由化部門への 新規参入者(PPS) )。 特定電気事業者 限定された区域に対し、自らの発電設備や電線路を用いて、電力供 給を行う事業者(六本木エネルギーサービス(株)、諏訪エネルギー サービス(株)が該当) 。 特定供給 供給者・需要者間の関係で、需要家保護の必要性の低い密接な関係 (生産工程、資本関係、人的関係)を有する者の間での電力供給(本 社工場と子会社工場間での電力供給等)。 -2-199- 2.FEMSモデル構築に向けた課題整理 (1)関連企業・団体ヒアリング調査 a.地域高圧一括受電 2011 年 11 月 24 日(木)に松江内陸工業団地協同組合連合会、2011 年 11 月 22 日 (火)に中国電力に対して地域高圧一括受電に関するヒアリング調査を実施した。ヒ アリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅴ.4(1) 地域高圧一括受電に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 松江内陸工業団地協同組合連合会 事務局長 作野 一成氏 (株)太陽電気製作所 営業・開発課長 糸賀 一正氏 財団法人中国電気保安協会島根支部 保安部 三島 崇志氏 島根県松江市 ヒ ア リ ン グ 結 果 工業団地におけ る高圧一括受電 に関する現状 (運営体制・契 約・電力使用状 況等) 松江内陸工業団地協同組合連合会の 20 社(協同組合松江食品工業センタ ー9 社、松江内陸鉄工団地協同組合 10 社、紙容器製造販売企業 1 社)が 企業の枠を超えて高圧一括受電を実施している(昭和 50 年に開始)。平成 14 年からは、この連合会で省エネ活動を実施している。 なお、紙容器製造販売企業 1 社が入っているのは、松江内陸鉄工団地協同 組合の企業1社がなくなりその敷地に紙器容器製造販売企業の工場が立 地したためである。 運営としては、共同受電運営委員会(委員数 10 名)を年に 3~4 回開催し ている(6 月にデマンド協議、10 月に反省会)。なお、電力会社との契約 については、連合会事務局が行っており、毎年契約を見直している。 電力使用状況について、過去 5 年間(平成 18 年度~平成 22 年度)の年間 使用電力量は、平成 18 年度の約 577 万 kWh から序々に減少し平成 21 年度 には約 472 万 kWh となっている。平成 22 年度は、猛暑のため約 513 万 kWh と若干増加している。 デマンド制御により、当初の契約電力は 1,800kW であったが、現在では 1,600kW に低減させている。 異業種が一体となった企業団地での共同受電と省エネルギーに向けた取 り組みは、全国的にも珍しいケースと理解している。平成 17 年には、財 団法人省エネルギーセンターの省エネルギー優秀事例全国大会において 資源エネルギー庁長官賞を受賞した。 工業団地におけ る高圧一括受電 に関する課題 まずは構内における停電時の対応が考えられる。今年、強風で 2 度停電し たが、団地内にある財団法人中国電気保安協会により、1 時間程度で復旧 した。以前は、電力会社のOBを雇用し対応していたが、その時は体制的 に迅速に復旧できるものではなかった。現在は電気設備の保守を、団地内 に事務所がある保安協会に委託しており、この課題を解決している。 また、内陸会館で各工場のデマンド制御ができるようにしており、7~9 月のピーク時においては、実際に制御を行っている。その際に各工場の空 調は導入時期やメーカーが異なり、デマンド制御によりオンオフした際に 故障した場合は、誰の責任になるのかが課題である。もし、空調設備が地 域内で統一されていれば、非常にデマンド制御がしやすい。 -2-200- 図表Ⅴ.4(2) 地域高圧一括受電に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 松江内陸工業団地協同組合連合会 事務局長 作野 一成氏 (株)太陽電気製作所 営業・開発課長 糸賀 一正氏 財団法人中国電気保安協会島根支部 保安部 三島 崇志氏 島根県松江市 工業団地におけ る高圧一括受電 に関する課題 (続き) 高圧一括受電に伴う構内電気設備の更新も大きな課題となっている。昭和 50 年に連合会が自前で配電線などの電気設備を設置したが、その更新時 期を迎えている。本来であれば更新に要する費用を積み立てておく必要が あったが、積み立てをはじめたのは最近である。電力会社に電気設備を引 き受けてほしいと相談したが、新しい電気設備に更新するか、それに要す る費用を負担してもらえれば引き受けるとの回答で、現実的には難しい結 果となった。工業団地で高圧一括受電をしている地域は同様の問題を抱え ていると思うので、国からの支援を期待したい。 異業種が一体となることでピークの平準化などによる高圧一括受電メリ ットが出てくるが、逆に業種が異なるので合意形成が図りにくいといった 面もある。例えば、協同組合松江食品工業センターでは、共同冷蔵庫を持 っており、この共同冷蔵庫もデマンド制御している。冷蔵庫は電気使用量 が多いので制御の効果が出やすいが、一方で松江内陸鉄工団地協同組合は 共同の電気設備を持っていないため、平等なデマンド制御にはなっていな い面もある。 また、一括共同受電の場合、電気設備の保守・メンテナンスのために電気 を一括して切る場合があるが、食品系企業の中には 24 時間稼動している 工場もあるため、電気を切りにくい一面がある。 他の工業団地 (既存・新規) における高圧一 括受電の可能性 受電方法(共同受電と個別受電)による経費の比較を実施しており、平成 22 年度実績では共同受電により年間約 1,200 万円の使用電力量料金の削 減メリットが出ている。また、個別受電の場合には、別途、保安管理業務 費や維持管理費が必要となり、その金額は年間約 400~500 万円となるこ とから、合計で約 1,600 万円程度の経費削減となる。 この効果は、 「デマンドシステムを構築したこと」 「昼休憩時間を企業毎に ずらすことによる抑制」「各企業のピーク時間帯の分散」が要因と考えら れる。この 3 つめは異業種による一括受電のメリットであるが、一方で高 圧一括受電は法的根拠のある組合でないとできず、結果的に同業種だけが 集まってもピーク時間帯は分散しない。したがって、他の工業団地で高圧 一括受電を行う場合には、ピークが異なる業種の組合が地域内に 2 つ以上 なければならない条件となる。 また、一括受電に関する問い合わせもあり、他の工業団地でも関心を示す 企業がある一方で、初期投資(電気設備など)が多く必要となることから、 なかなか実現までこぎつけないのが現状と思われる。 ただし、高圧一括受電のメリットとして、組合企業の省エネに関する意識 は高まると考えられる。共同受電運営委員会や勉強会により、各社社長の 知識が高まるとともに、デマンド制御についても協力してもらえる。東日 本大震災により日本における電力供給の課題が出てきているが、中小企業 の組合により一緒に省エネを進めていくのは、これからの形の一つになる のではないか。 -2-201- 図表Ⅴ.4(3) 地域高圧一括受電に関するヒアリング結果(続き) ヒアリング先 住 所 その他 (省エネや新エ ネ等の取組み状 況等) 松江内陸工業団地協同組合連合会 事務局長 作野 一成氏 (株)太陽電気製作所 営業・開発課長 糸賀 一正氏 財団法人中国電気保安協会島根支部 保安部 三島 崇志氏 島根県松江市 太陽光発電に関心のある企業があり、その企業が先頭に立って勉強会を立 ち上げようという声が出ている。団地内には建物を増設したい工場もある が、現在の建ぺい率では増設できない。それを解決する方法として、連合 会で太陽光発電を導入すれば、団地内の建ぺい率が緩和され、既存工業団 地では非常にメリットを感じる。 また、省エネ対策のため、新機種のエアコンの導入や照明(外灯)のLE D化を検討している。 現在は、松江内陸工業団地協同組合連合会全体のデマンドを監視している が、今後は個々の企業のデマンドの見える化を実現したい。現在は試験的 に製麺工場で実施しており、その成果を反映させたい。 -2-202- 図表Ⅴ.5 地域高圧一括受電に関するヒアリング結果 ヒアリング先 住 所 中国電力㈱販売事業本部(営業運営担当) 副長 森山 亮完氏、伊藤 勇二氏 広島県広島市 ヒ ア リ ン グ 結 果 一括受電の条件 《その1》 (準拠 する法・要綱) 電気事業法に則し、それに定められる1需要場所で契約電力が 50kW 以上 の特定規模需要であれば自由化対象となり、一括受電の一条件となる。 中国電力では法令に沿ったものとして「電気契約要綱」を定めており、こ れに基づいて一括受電契約を行っている。 一括受電の条件 《その2》 (1需 要場所とは) 一括受電の対象となる“1需要場所”とは以下のことを指す。 ①:1構内又は1建物の場合 ②:隣接する複数の構内であって、各事業所が資本や製造等において密接 な関係性がある場合 上記の②は以下のような場合が該当する。 その1:コンビナート等の工場群で、同一資本系列であったり、相互に電 気設備上または製造工程上密接に協力関係にあること。 その2:中小企業工場団地等で、「独立行政法人中小企業基盤整備機構法 施行令」の第2条第1項第2号イもしくはロ、第3号または第4 号に規定する事業を行う事業協同組合等が、組合員のために一括 受電する場合で、組合が需給契約をする。また、団地工場は、さ く、へい、道路などで外部と明確に区分され、団地内に非組合員 がいないこと。 一括受電の条件 《その3》 (工業 団地内の組合に ついて) 上記の1需要場所に該当する中小企業工場団地等における組合は、上記の とおりの法に基づくものでなければならない。法に基づかない任意の組合 を組織してもダメである。 工場団地内に非組合員の事業所があると、その事業所のみ一括受電でな く、非効率な個別対応となるため、認められないこととなる。 契約後の組合員の増減については問題はない。その際には契約者の組合と 再協議を行い、必要に応じて契約変更すればよい。 その他 一括受電による工場団地側のメリットとしては、電力需要のピークを調整 し、団地全体として最大需要の効率化を図ることで料金を下げられる可能 性がある。中国電力側のメリットとしては設備投資の効率化という点であ る。お互いがWIN/WINの関係のもとに成り立っているものである。 中国電力側として新たな電力需要の開拓等をねらいとして特別措置を行 うようなことはない。あくまでも「電気契約要綱」の定めのとおりである。 一括受電契約件数の実績は今時点としては集計・把握していない。平成7 年ごろで、コンビナートと中小企業工業団地で 20~30 件程度であった。 詳細は中国電力ホームページに「電気契約要綱 平成 22 年 4 月実施 中 国電力株式会社」を掲載している。 (次頁の参考に抜粋を掲載) -2-203- [参考:「電気契約要綱 平成 22 年 4 月実施 中国電力株式会社」より抜粋掲載] 「電気契約要綱」・(Ⅱ契約の申込み)・(8 需要場所)より 8 需要場所 (1) 当社は,1構内をなすものは1構内を,1建物をなすものは1建物を1需要場所とい たします。ただし,集合住宅等の1建物内において,共用部分その他建物の使用上独立 している部分がある場合は,その部分を1需要場所とすることがあります。 なお,この場合において,構内とは,さく,へいその他の客観的な遮断物によって明 確に区画された区域をいいます。また,建物とは,独立した建物をいいます。 (2) 隣接する複数の構内であって,それぞれの構内において営む事業の相互の関連性が高 いと認められる次のような場合で,複数のお客さまが共用する受電設備によって一括し て電気の供給を受けることを希望されるときは, (1)にかかわらず,その隣接する複 数の構内を1需要場所とすることがあります。 イ コンビナート等の工場群で次のいずれにも該当する場合 (イ) それぞれのお客さまが,同一の資本系列に属していること,または相互に電気 設備上もしくは製造工程上密接な協力関係にあること。 (ロ) それぞれのお客さまの需要電力の最大値が 500 キロワット以上であること。 (ハ) お客さまの代表者が,当社との間の料金の支払いおよび保安の責任を一括して 負い,かつ,当社との協議等を行なうこと。 ロ 中小企業工場団地等で次のいずれにも該当する場合 (イ) 独立行政法人中小企業基盤整備機構法施行令(平成 16 年政令第 182 号)第2条 第1項第2号イもしくはロ,第3号または第4号に規定する事業を行なう事業協 同組合,事業協同小組合もしくはこれらの組合のみを会員とする協同組合連合会 であって,独立行政法人中小企業基盤整備機構法(平成 14 年法律第 147 号)第 15 条第1項第3号もしくは第4号の業務に係る資金の貸付けを受けたものまた はこれらに準ずるもの(以下これらを総称して「組合」といいます。)が,その 組合員(所属員を含みます。)のために受電設備を施設すること。 (ロ) さく,へい,道路等によって団地と外部とが明確に区分され,かつ,組合また は組合員(所属員を含みます。 )以外の者の工場等が団地内に存在しないこと。 (ハ) 需給契約の当事者が組合であること。 (ニ) 組合の内部における電気料金の負担の基準が,その定款または規約に明確に定 められており,かつ,その基準にもとづき算定される各組合員(所属員を含みま す。)の電気料金の負担額の合計が当社に対する組合の料金支払額と一致するも のと認められること。 (ホ) 高圧電力または特別高圧電力Bの適用範囲に該当すること。 (3) 道路その他公共の用に供せられる土地( (1)に定める構内または(2)に定める隣 接する複数の構内を除きます。 )において,街路灯等が設置されている場合は,その設 置されている場所を1需要場所といたします。 参考:中国電力HP(http://www.energia.co.jp/)掲載情報 -2-204- b.地域熱供給 2011 年 11 月 10 日(木)に(一社)日本熱供給事業協会、2012 年 2 月 2 日(木)に (株)トクヤマ対して地域熱供給に関するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結 果は以下のとおりである。 図表Ⅴ.6(1) 地域熱供給に関するヒアリング結果 視察先 一般社団法人 日本熱供給事業協会 住 東京都港区 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 1972 年に任意団体として日本熱供給事業協会が設立され、2011 年 4 月に 一般社団法人として設立されている。現在、正会員は 88 社、賛助会員は 19 社である。 熱供給事業は、1970 年代に公害問題の解決策として大きく成長した。ま た、1990 年代に大都市、中都市の都市再開発により大きく成長した。 供給戸数は、平成 17 年度は 46,000 戸であったが、原料の値上がり、個別 空調の効率化の影響で平成 21 年度は 41,000 戸と減少している状況であ る。売上高は 1,500 億円/年である。 熱供給料金は、設備導入のイニシャルランニングコストと電気料金、ガス 料金等を参考に設定する。したがって、料金は地区により異なる。料金は、 認可時に申請する。 特徴的な技術 地域冷暖房は、温水・蒸気を製造するボイラ、冷水を製造する冷凍機、ヒ ートポンプ、熱エネルギーを蓄える蓄熱槽、電気と熱を製造するコージェ ネレーションシステム、熱エネルギーを供給するパイプライン地域導管で 構成され、エリア全体の冷暖房・給湯に使用する冷水、温水、蒸気を 24 時間供給し、都市の快適性、利便性の向上を実現している。 地域冷暖房の高効率化の技術は以下のとおりである。 ①大規模蓄熱システムを活用したヒートポンプ・・・夜間の安価な電力を利 用し、蓄熱槽にエネルギーを溜めて昼間のエネルギー供給に活かすことに より、省エネルギー効果を発揮する。 ②コージェネレーションシステムを活用した排熱利用・・・天然ガスコージ ェネレーションシステムはクリーンな都市ガスを燃料に用いて、電気と熱 を同時に供給するシステムである。この排熱を地域冷暖房システムに活用 することができる。 地域冷暖房の未利用エネルギーを活用した高効率化の技術は以下のとお りである。 ①排熱エネルギーの利用・・・都市の中で、使用されずに捨てられる工場、 変電所、地下鉄などから放出される排熱を地域熱供給事業に利用すること により、エネルギー使用量や排熱の削減などの効果が生まれる。 ②廃棄物エネルギーの利用・・・ごみをはじめ都市から出る廃棄物を燃やす 際に発生する高温排熱を地域冷暖房システムに利用する。省エネルギー対 策となるだけでなく都市の廃棄物対策にもつながる。 ③温度差エネルギーの利用・・・海水、河川水、下水、地下水等は外気温と 比べて、冬は暖かく、夏は冷たく、しかも、年間を通じて温度が安定して いる。この温度差をヒートポンプで取り出し、地域冷暖房システムに利用 する。 -2-205- 図表Ⅴ.6(2) 地域熱供給に関するヒアリング結果(続き) 視察先 一般社団法人 日本熱供給事業協会 住 東京都港区 所 地域熱供給事業 に関する取り組 み 現在、地域熱供給地区は、141 地区であり、その 6 割が関東に存在してい る。総供給熱量は、2,300 万 GJ である。 地域熱供給地区の内、最大地区は西新宿地区の 140 万 GJ である。最小規 模では、ビル 2 棟への供給といったものもある。 来年度に 1 地区(名古屋駅貨物ヤード跡地)ほど地域熱供給計画がある。 地域熱供給事業 における留意 点・課題 地域熱供給を構成するプラント設備は、設置後 15~20 年後に更新時期を 迎えるため投資が多大となる。 熱供給用の導管が長くなると熱損失も増えるため効率の良い敷設が重要 である。 現下の経済情勢において、新規の都市開発は大幅な物件数の伸長が見込め ないことから、今後は、特に既成市街地において、いかに未利用エネルギ ーを活用できるかが、事業普及のカギと思われ、導管建設コストを含めた 検討が課題である。 中小企業工場 (工業団地)に おける地域熱供 給事業の可能性 熱供給事業は、熱供給事業法による加熱能力 21GJ/h 以上の熱源プラント から導管を通じて供給する事業であり、規模が大きいため、単純に中小企 業に適用することは困難であるが、熱供給事業法適用外の規模の小さい熱 利用は可能であると考えられる。また、関連する法律に道路法があり、道 路に導管を敷設する場合には道路管理者から占用の許可を受けることが 必要であるため、該当する場合は注意が必要である。 工業団地においては、再開発プロジェクトで地域熱供給の検討項目があれ ば導入の可能性がある。但し、密度が小さいので採算確保が問題となる。 新産業創出の 可能性 地域冷暖房は、温水・蒸気を製造するボイラ、冷水を製造する冷凍機、ヒ ートポンプ、熱エネルギーを蓄える蓄熱槽、電気と熱を製造するコージェ ネレーションシステム、熱エネルギーを供給するパイプライン地域導管で 構成される。この内、ボイラについては、製品乾燥用に中小企業でも導入 している事業者も多い。工業用地内にボイラがあれば、ボイラを運用しな い休憩時間、夜間、休日に運用し、ボイラ所有者は、ボイラの稼働率向上 による設備の有効利用と熱供給による利潤、熱需要側(事業所の空調利用、 給湯利用等)は、燃料費削減により、工業用地内で新事業として、熱供給 事業導入の可能性はあると考えられる。 その他 現在、太陽熱を利用した地域熱供給はないが、一部、木質バイオマス熱を 利用した地域熱供給が札幌で行われている。 地域再開発等の地域マスタープランに「熱供給」という言葉があれば、導 入を検討される場合が多い。 参考写真 (参考資料) 写真:ヒアリング状況 -2-206- 図表Ⅴ.6(3) 地域熱供給に関するヒアリング結果(続き) 視察先 一般社団法人 日本熱供給事業協会 住 東京都港区 所 資料:配布パンプレットより抜粋 -2-207- 図表Ⅴ.7(1) 地域熱供給に関するヒアリング結果 視察先 株式会社トクヤマ 住 山口県周南市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 事業内容は多岐にわたるが、化学の技術を用いた半導体用多結晶シリコン や苛性ソーダ、セメント・地盤改良材等の生産を行っている。 徳山製造所では、複数の生産事業を行う一大生産拠点であり、日本有数の 自家発電所(中央発電所・東発電所)が稼動している。中央発電所(5 号・ 7 号・8 号・9 号)の出力は 407,000kW、東発電所(2 号)の出力は 145,000kW であり、総発電所出力は計 552,000kW である。 発電所の主燃料は石炭であるが、木材チップやタイヤチップを混ぜて、燃 料利用している。これは、環境活動の一環であり、CO2削減に取り組ん でいる。 木材チップの混焼は、東発電所(2 号)で行っており、混焼率は石炭重量 比で最大 3%、最大で年間 1.3 万トンの木材チップを混焼することが可能 である。 熱エネルギーの 活用(輸送や共 同利用等) ボイラーからの蒸発量は、中央発電が 5 号:220t/h、7 号:310t/h、8 号: 500t/h、9 号:530t/h であり、東発電所が 2 号:580t/h となっている。 発電機はユニット方式となっており、全ユニットで電熱併用方式(コージ ェネ)を採用している。発生した蒸気は工場へ送汽している。 一般の火力発電所では、入熱に対して電気が 42%、ロスが 58%程度と想 定されるが、大口自家発電設置者懇話会で示されている電熱併給の発電所 では入熱に対して電気利用と熱の工場送汽をあわせて 57%、ロスが 43% となっている。 (徳山製造所の自家発電所もほぼ同等) 工場への送汽は敷地内に蒸気配管を敷設しているが、敷地が港湾を隔てて 分かれていることから、海底トンネル(直径 3.5m)内を通している。ト ンネル内の蒸気配管は、8.8MPa、3.0MPa、1.1MPa である 蒸気は、徳山製造所のほか計 12 社に送汽している。ほとんどは資本関係 のある会社であるが、一部、隣接している他企業の工場にも熱供給を行っ ている。蒸気供給量は、40~100t/h であり、相対の個別供給である。 隣接地への供給においては、一部公道を跨る箇所もあり、道路管理者の許 可を受けている。 熱供給における課題としては、送汽のための蒸気配管のコスト負担があげ られる。それだけのコスト負担をしても総合的にメリットがあるのであれ ば、量が少なくても蒸気を送ることは可能である。なお、蒸気配管のコス ト負担の考え方としては、それぞれの敷地境界が設備保有上も維持管理上 も良いのではないか。蒸気配管の維持管理は、ほとんど手間はかからない。 蒸気販売単価は、1t あたりいくらで契約している。現在送汽しているの は、0.3MPa の圧力で送っているものが多い。 副生ガスの活用 副生ガスは、塩を電解することによる苛性ソーダ精製の際に、水素と塩素 が副生されるものであり、水素は最大で 18,000Nm3/h が発生する。 精製水素は、多結晶シリコンの製造や関連企業への供給を行っているが、 余った場合には自家発電所の燃料として利用している。水素はカロリーが 低く、できれば違った利用方法が好ましいと考えている。 そのため、2013 年から液体水素の製造を行う計画である。液体水素にす ることで輸送が容易になり、燃料電池や水素自動車など新たな利用方法に 広がる可能性がある。 -2-208- 図表Ⅴ.7(2) 地域熱供給に関するヒアリング結果(続き) 視察先 株式会社トクヤマ 住 山口県周南市 所 副生ガスの活用 (つづき) コミュニティ単位で液体水素を利用するようなプランがあれば、新たな展 開につながると考えられる。特に、液体水素は冷熱を持っていることから、 そのエネルギーも有効に活用できればと思う。 自家発電設備の 地域内での共同 利用の可能性 徳山製造所では、自営線による特定供給を行っており、工場内の関係会社 に電気を供給している。この特定供給では、時系列的なデマンドの変化に 対応した電力供給運用が難しいが、化学プラントの場合は電力需要の変動 が少なく、デマンド予測がしやすいことから、安定的な運用を行いやすい 環境と言える。 自家発電設備での地域内での共同利用としては、北九州市で実証されてい るスマートコミュニティ事業のイメージになるかと思う。自営線であれば 地域内での共同利用は可能であるが、電気事業法において資本関係やプロ セスの一体化などの条件があり、全ての地域でできるものではない。 なお、徳山製造所も資本関係のない周南市の浄化センターに電力供給を行 っている。これは、浄化センターの汚泥をセメント材料に使用しているこ とから、プロセスが一体であるという位置づけで実施している。この取り 組みはコンビナート特区で開始した。 工場における省 エネ活動の実践 例 主には、 「熱回収強化」 「高効率電解槽の導入」 「蒸気使用量の削減」 「石炭 使用量の削減」 「バイオマス燃料・タイヤチップ燃料の使用」 「燃料化プラ ントの設置」などがあげられる。これらの投資を 7 年間で 104 億円実施し ており、2010 年までの削減目標を 1990 年対比で 22%と設定していたもの に対して、1 年前倒しした 2009 年度に達成している。 徳山製造所のゼロエミッション率は 99.9%となっており、ほとんどの資 源・エネルギーを循環して利用している。残りの 0.1%はどうしても廃棄 物が発生することから、埋め立てている。 その他 創業 60 周年記念事業として、スイミングクラブを設立し、建物・プール を建設した。その際に蒸気を供給しており、工場のエネルギーが住民の健 康づくりなど地域貢献の一つにつながっている。 最近、木材チップの調達が難しくなっている。石炭と同価であれば引き続 き調達するが、それ以上になると対応について検討が必要となる。調達コ ストは物流コスト部分が大きく、物流コストが縮減されれば、木材チップ のコストも下がってくると思われる。 木材チップは、10t積トラックが毎日搬入している状況である。北九州や 広島からも調達している。 -2-209- [参考:まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会] 経済産業省資源エネルギー庁では、2011 年 5 月から「まちづくりと一体となっ た熱エネルギーの有効利用に関する研究会」を設立、開催している。 2011 年 5 月 31 日に開催された第 2 回研究会では、大阪ガス株式会社から「まち づくりにおける熱融通に対する当社の考え方」に関する資料が提示され、そのなか に工業団地内熱融通に関する試算や課題が整理されている。 以下のとおり、熱供給側の課題として「製品・生産ライン変更による供給可能熱 変動の可能性」 「熱源設置スペース」「熱源、熱誘導管敷設費用」「省エネ法・温対 法等での届出数値の増大、コントロールできない変動」があげられている。 また、需要側の課題としては、「製品・生産ライン変更による熱需要変動の可能 性」があげられている。 -2-210- c.スマートグリッド 2011 年 11 月 10 日(木)に日本アイ・ビー・エム(株)に対してスマートグリッド に関するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のとおりである。 なお、日本アイ・ビー・エムでは、スマートグリッドについて広くスマートシティ と位置づけており、水道や交通状況、気象・災害予測を含んだ市内情報を一元管理す るコマンドセンターの構築を通じて、世界各地の都市づくりに協力している。 図表Ⅴ.8(1) スマートグリッドに関するヒアリング結果 視察先 日本アイ・ビー・エム 株式会社 住 東京都中央区 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 2050 年に都市化率は 70%、エネルギー消費は全エネルギーの 75%は都市 に集中すると推定される。都市人口の増加に伴う社会問題の解決に向けて IT 技術を活用したスマートな都市づくりに取り組んでいる。 エネルギー、輸送・交通、安全・安心等を見える化し、スマートな都市づ くりを可能としている。 特徴的な技術 日本アイ・ビー・エムは、都市に存在する以下の社会問題へ挑戦している。 ①2050 年までに地球人口の 70%(64 億人)が都市に住む ②世界の全エネルギーの 75%は都市で消費 ③温室効果ガス:80%以上が都市からの排出 日本アイ・ビー・エムでは、世界中の都市でスマートな都市づくりを計画 している。 ①スマートな交通 (例)ストックホルム、シンガポール、ロンドン、ブリスベンの道路課 金システム ②スマートな水管理 (例)アイルランドガルウェイ湾の水質・海洋資源管理 ③スマートな金融サービス (例)インドGrameen Kootaのマイクロ・ファイナンス ④スマートな医療システム (例)スペインの地域内医療連携 ⑤スマートなエネルギー (例)マルタ共和国のスマートメーター ⑥スマートなサプライ・チェーン (例)ノルウェーの食肉製品追跡システム ⑦スマートな公共安全 (例)ニューヨークの犯罪情報ウェアハウス ⑧スマートな教育 (例)ノースカロライナ州立大学の 24 時間ウェブ教育システム -2-211- 図表Ⅴ.8(2) スマートグリッドに関するヒアリング結果 視察先 日本アイ・ビー・エム 株式会社 住 東京都中央区 所 スマートグリッ ドに関する取り 組み ブラジルリオデジャネイロ 交通状況、気象・災害予測システム、市内カメラ、ビーチやサッカー場の 状況をリオ・オペレーション・センターで一元的に把握・予測し、災害や 事故に迅速に対応している。システムは、2010 年 12 月末開設、2011 年か ら本格稼働であり、期待効果として災害予測による危機対応の迅速化・最 適化とより広範でリアルタイムの情報収集による意思決定の質の向上が 挙げられている。 マルタ共和国 スマートメーターによる遠隔からの監視・管理で電力と水をスマートメー ターで見える化し、その効率的な使用を実現している。対象は、40 万人、 25 万世帯であり、太陽光と EV も併用している。期待効果としてより効率 的な電力・水使用、ユーザー・サービスの向上(消費量管理・契約/支払)、 盗電、盗水などの削減、技術的損失の特定が挙げられている。 スペインマドリード 交通状況、監視ビデオ、パトカー等に配備したモバイル端末からの市内状 況をマドリード緊急指令センターで一元的に把握し、迅速な対応、事故発 生件数を抑制している。期待効果としてより広範で速い情報収集による意 思決定、複雑な問題への対応、緊急時の対応時間を 30%削減、事件発生 件数を 15%削減している。 今後のスマートグリッドは、Machine to Machineクラウ ドに進展すると考えている。 北九州市スマー トコミュニティ 創造事業の状況 同地域には新日本製鉄の自営線(企業独自の電力線)があり、こうした社 会インフラが整っているため実証試験には最適である。 エネルギーの見える化により、48 時間後までの時間帯別料金の設定を行 えるようにしている。 熱の見える化をどうするのか課題である。 中小企業工場を 生かした地域エ ネルギーマネジ メントの方向性 IBMではスマートグリッド構築を以下の 5 階層でモデル化しており、デ バイスに該当する下位層で中小企業工場の製品を活用できると考えられ る。 スマートシティ運営事業体:データを見る、活用する市民、自治体、企業 など A社、B社:データを見る、活用するためのデバイスを製造する企業など 4:統制 3:運用 2:管理 1:制御 0:デバイス スマートシティ運営事業体 スマートシティ運営事業体 A社 -2-212- B社 ・・・ 図表Ⅴ.8(3) スマートグリッドに関するヒアリング結果 視察先 日本アイ・ビー・エム 株式会社 住 東京都中央区 所 中国地域におけ るスマートグリ ッドの可能性 スマートグリッドの構築では、どういう都市を作るかという価値観が重要 である。地域によって、規模も対象も異なるため、地域がどういう特色を 出したいのか明確に議論した上で、構築する必要がある。最近は、地域の 特色を出すことにスマートシティを活用している。 電力会社との連帯は、売上減、特定地域の事業化となることに抵抗感が持 たれる。スマートグリッドにより、 「予備電力の削減」 「新しい料金収集体 系の事業化」のメリットを強調することが導入のポイントと考えられる。 新産業創出の 可能性 マルタ共和国の全世帯への、水道・電気のスマートメーター設置は、国が 事業者として推進したものである。住民生活に密着した水道・電気の計測 機器は中小企業が得意とする範疇であり、従来計器をスマートメーター化 することは、中小企業でも対応が可能と思われる。 スマートメーターを各家庭に設置工事となれば、地元企業が適している。 開発費用・規模も小規模となる家庭用のFEMS機器の開発・工事は中小 企業の参入の可能性があると考えられる。 水道・電気のスマートメーター化による効果は、1世帯では小さいが対象 個数が増えると効果が見込まれる。中小企業のある工業団地で種々の技術 を有する中小企業が連携し、団地内の水道・電気のスマートメーター化を 図ることは技術的に十分可能と考える。工業団地全体の対象であれば省エ ネ効果も見込まれる。また、導入にあたり、行政の補助があれば、推進も 進むと考えられる。 北九州市スマートコミュニティ創造事業では、エネルギーマネジメントシ ステム、カーボンオフセットエコポイントシステム、グリーングリッドの 形成、総合的モビリティマネジメントシステムが構築されているが、総合 的モビリティマネジメントシステムの自転車利用の促進は、中小企業も参 入可能であると考えられる。 その他 震災後は、世界で 200 以上の国がスマートグリッドプロジェクトに参加し ている。 震災前は、スマートメーターは受け入れられなかったが震災後は導入が進 みつつある。 参考写真 (参考資料) 資料:配布資料より抜粋 -2-213- 2012 年 1 月 10 日(月)に中国電力(株)に対してスマートグリッドに関するヒアリ ング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅴ.9(1) スマートグリッドに関するヒアリング結果 視察先 中国電力株式会社 経営企画部門 住 広島県広島市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 スマートグリッ ドに対する中国 電力の考え スマートグリッドの定義は世界的に統一されたものはないが、従来からの 集中電源と送電系統の一体運用に加え、情報通信技術により分散型電源や エンドユーザーの情報を統合・活用して、新たな電力供給システムという ものが一般的なイメージである。 スマートグリッドの概念は、欧米を中心に再生可能エネルギー大量導入や 供給信頼度向上を目的として提唱され始め、オバマ大統領がグリーンニュ ーディール政策の一環としてスマートグリッド構築を掲げたことで一般 に広まった。 スマートグリッドの活用目的は、主に「①信頼度向上」「②遠隔検針・遠 隔開閉」 「③再生可能エネルギーの大量導入や電気自動車の充電インフラ 整備等の統合制御」の 3 つであると考えられるが、国や企業によってこの 目的や期待する機能が異なる。 「①信頼度向上」では、日本では米国で整備を計画している送配電網の自 動化について、情報通信技術を活用した高信頼度の電力供給システムを既 に構築済みであり、供給信頼度は米国等に比較して高い状況となってい る。そのため、米国のように供給信頼度向上や送配電系統への投資抑制を 理由とした需要家側での需要直接制御へのニーズは、現状では低いと考え ている。 「②遠隔検針・遠隔開閉」について、日本では、宅内に電力メーターがあ る欧州のような着実な料金回収に対するニーズはなく、遠隔検針・遠隔開 閉などによる業務効率化等を目的として新型メーターの導入検討がされ ている。中国電力においては、電力使用量の見える化など、新型メーター を活用した機能について国レベルの検討状況等を踏まえながら検討を進 めており、平成 24 年からスマートメーターの実証を予定している。現在、 国が示した 5 年間で総需要の 8 割という導入目標を受けた対応を進めてい るところである。 「③再生可能エネルギーの大量導入や電気自動車の充電インフラ整備等 の統合制御」では、将来、特に太陽光発電が大量導入された場合には、余 剰電力の発生、周波数の変動、電圧の上昇、および分散型電源の単独運転・ 不要解列といった課題があると考えている。こうした課題に対して、電 源・系統が一体となって周波数や電圧などの品質を維持し続けられるよ う、社内の関係部署が連携して対策の検討を進めている。また、国の実証 試験にも参画し、新たな知見・ノウハウの蓄積にも取り組んでいるところ である。 再生可能エネルギーは、国産エネルギーであり、エネルギー自給率の改善 や地球環境負荷低減の観点から貴重なエネルギーと認識しており、引き続 き、メガソーラーの開発など再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組 んでいきたい。 -2-214- 図表Ⅴ.9(2) スマートグリッドに関するヒアリング結果 視察先 中国電力株式会社 経営企画部門 住 広島県広島市 所 スマートグリッ ドにおける期待 及び課題 太陽光発電が大量導入された場合には、余剰電力の発生、周波数の変動、 電圧の上昇、および分散型電源の単独運転・不要解列といった課題が考え られる。 太陽光発電は日射状況により発電しない場合もあるため、火力発電所等の バックアップ供給力が必要となる。また、蓄電池を設置することも考えら れているが、コスト面等の課題が挙げられている。加えて、再生可能エネ ルギーの開発には送電系統の増強が必要となる場合も考えられる。そうし た対策にかかる社会的コストも勘案された上で、再生可能エネルギーが普 及していくことを期待している。 課題解決に向け て必要となる技 術 現在、全国規模での太陽光データの収集、太陽光の出力予測、配電系統の 電圧制御等に関する実証試験が進められており、当社としてもそうした試 験から知見を得ているところ。 再生可能エネルギーの大量導入が可能となるよう、出力変動に対応する制 御システムの開発など、スマートコミュニティ等の新たなエネルギーシス テムと現行のネットワークを組み合わせた電力システムの構築を目指し ていきたい。 FEMSに対す る期待及び課題 省エネについては今後のエネルギー需給の中で重要な役割が期待されて おり、現在のエネルギー基本計画においても、最大限の国民の努力が織り 込まれている。可能な範囲での協力をしていきたいと考えている。 当社としても、既に営業部門が提供している省エネ診断に加え、今後、需 要サイドでの省エネが進むよう、柔軟な料金メニュー等の創意工夫を一層 進めるとともに、分散型電源と協調した電力システムを目指していきたい と考えている。 -2-215- d.地中熱利用 2011 年 12 月 14 日(水)に(株)ジオパワーシステムに対して地中熱利用に関する ヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果は以下のとおりである。 図表Ⅴ.10(1) 地中熱利用に関するヒアリング結果 視察先 株式会社 ジオパワーシステム 住 山口県美祢市 所 ヒ ア リ ン グ 結 果 事業概要 平成 13 年 4 月に(株)東光工業から分離独立し、(株)ジオパワーシステム を設立、特許工法である「地中熱、他自然エネルギーによる建築物空調省 エネ換気システム」 “ジオパワーシステム”の研究開発、製造、施工、販 売を行っている。 全国 120 社の技術提携代理店「ジオパワーシステム会」を設立し、代理店 の募集や育成、共同事業を実施している。 また、技術提携代理店へのコンサルティングやジオパワーシステム専用パ イプの販売、ホームページやカタログの作成代行等も行っている。 パッシブ地中熱利用換気システムであるジオパワーシステムは、環境大臣 賞、愛・地球賞、新日本様式 100 選、グッドデザイン賞、エコプロダクツ 賞等を受賞・選定されている。 特徴的な技術 ジオパワーシステムは、地表から 5m の深さに熱交換パイプを埋設し、外 気をこのパイプにより空気で熱交換し、床下の砕石蓄熱層により熱を蓄 積、送風機によりその熱を建物全体に送ることで、室温をゆるやかに調整 する仕組みとなっている。 従来の地中熱利用システムは、地中熱交換器を 50~100m ほど埋設し、水 や不凍液を循環させて熱交換させているが、ジオパワーシステムは電柱施 工に用いる従来の建設機械で対応できる地中 5m 程度のパイプ埋設で設置 可能となっている。 一般住宅のほか、工場や教育施設にも導入実績がある。空調設備のような 室温調整まではいかないが、工場を「暑すぎず、寒すぎない」労働環境と することができ、長時間の労働作業でもエアコン稼動時に比べ体が疲れに くいといった声も聞かれる。 ジオパワーシステムを工場に導入する場合には、パイプ敷設によるスポッ トエアコン的な使い方となる。導入した工場の具体的な数値としては、8 月において外気温度約 37℃の時に、スポットパイプからの吹き出し温度 は約 24℃となっている(地中熱+井水利用での最大値)。 また、地中に埋設する熱交換パイプは二重構造となっており、空気を浄化 する機能もある。導入工場における粉塵除去データでは、1 ミクロン以上 の粉塵は 96%カット、2 ミクロン以上の粉塵は 98%カット、5 ミクロン以 上の粉塵(例:花粉・黄砂)は 99%カットとなっている。 中小企業工場に導入した実績もあり、導入企業からは非常に効果が出たこ とから、システムを増設された。(※パンフレット情報:導入するまでの 1 ヶ月の電気代・灯油代は、夏場(7~9 月)が約 10 万円、冬場(12~3 月)が 20 万円となっていたが、ジオパワーシステムの導入により夏場 1 ヶ月あたりの電気代が 16,400 円となり、コスト面からの効果も出ている) 技術的にはまだまだ発展途上の段階である。顧客からの要望を聞いて、そ れを技術開発に活かすといった永久的に技術開発をしていくことになる。 山口大学や徳山高専と共同で技術開発を継続していく計画である。 -2-216- 図表Ⅴ.10(2) 地中熱利用に関するヒアリング結果(続き) 視察先 株式会社 ジオパワーシステム 住 山口県美祢市 所 地中熱利用にお ける留意点・課 題 ジオパワーシステムは、地中熱を効率的に利用する仕組みであることか ら、エアコンと同等の温度調整機能は難しいということがあげられる。一 方でこれまでの空調設計は、ピーク時の空調負荷等を計算し、それに応じ た空調設備を導入しているが、その結果たくさんの電気を使ってしまって いる。室内全体の温度・湿度を均一に空調しなければいけないのか、エア コンをつけていることで逆に労働者の健康や気候の順応性を阻害してい る可能性もあるのではないか。したがって、ジオパワーシステムとエアコ ンを同じ基準や指標で比べるのではなく、いかに電気を使わないで労働者 が健康的に働ける労働環境を構築するための地中熱の活用を提案したい。 また、コスト面でも、エアコンと同じ基準で電気代が安くなった、設備投 資回収が何年だったという評価だけでなく、労働者の安全衛生面での効果 や企業のCSR面での効果など、多様な視点で評価されれば、十分にジオ パワーシステムの良さを活かせるものと思われる。 中小企業工場に おける地中熱利 用の可能性 中小企業工場においては、労働者の健康を保ちながら必要最小限のエネル ギー利用となるスポット空調が適していると思われる。夏場でも 7 月や 9 月であれば地中熱のスポット空調で十分に対応可能である。8 月の真夏日 においては、地中熱で足りない分を太陽光発電によるエアコンで補完すれ ば、地産エネルギーを活用した仕組みになり得る。 また、工場の屋根全面に太陽光発電が設置されれば、そこで太陽エネルギ ーが吸収されることから、工場内の温度上昇も抑制される可能性がある。 そうすると 8 月においても地中熱で十分に対応できる可能性もある。 また、地域高圧一括受電等で中小企業工場が連携してデマンド制御する場 合、輪番で空調を短時間オフにする運用も想定されるが、その場合のオフ 時間を地中熱のスポット空調で乗り切るような方法もある。 工場における温度・湿度などの労働環境に関する基準があるかどうかを調 査する必要がある。室内全体の画一的な基準ではなく、スポット空調で労 働者が健康的に働けるための温度や湿度の基準が明確になれば、中小企業 工場の経営状況に沿った設備投資の中で地中熱活用は十分に想定される。 仮に、吹き出し口 8 ヵ所のハイブリッドタイプのジオパワーシステムを 2 セット(吹き出し口計 16 箇所)導入した場合には、空調パイプの配管等 を含めて 1,000 万円程度の費用となる。 新産業創出の 可能性 太陽光発電と地中熱システムのハイブリッド型の工場空調システムがで きれば、夏場のデマンドを削減できる可能性があり、新産業の可能性があ ると思われる(デマンド抑制による費用対効果も出るかもしれない) 。 また、スポット空調をはじめ、スポット照明など、必要な場所だけスポッ ト的に労働環境を構築し、電力使用量を削減させるニーズが高まる可能性 もあり、その場合にスポットの温度や湿度、照度などのセンサーにより感 知して、空調や照明を制御するシステムも需要がでてくる可能性がある。 そのためには、スポット的な労働環境の基準づくりが必要となる。 参考写真 -2-217- (2)FEMSモデル実現に向けた課題整理 a.中小企業単独FEMSモデル (a)エネルギーを創る ア.太陽光発電 アンケート調査結果によると、太陽光発 電は中小企業工場で最も多くの資源量が確 認された地産エネルギーであり、単純平均 すると空屋根設置で1工場あたり 5.6%相 当の電気使用量を太陽光発電に置き換える ことが可能となる。 太陽光発電は、中小企業工場のエネルギー使用の多い夏場や日中に発電することか ら、エネルギーの地産地消を行いやすい特徴である一方、天候の変化に伴い発電量が 不安定になることから、電力会社と協調しながら電力系統に影響を与えない範囲での 商用電力との併用が、中小企業工場においては現実的な対応になると考えられる。 なお、蓄電池の導入・制御により太陽光発電の電力を安定化させる必要があるが、 アンケート調査結果によると、長くても 9 年以内には投資回収できないと中小企業工 場での導入は難しい。蓄電池の導入による直接的な投資効果は見出しにくいことか ら、蓄電池のコストが将来的に低下し、また非常用電源としての付加的な機能も含め ることで、中小企業工場における蓄電池導入の可能性が高まるものと考えられる。 ただし、中小企業工場において太陽光発電を導入する場合、今後予定されている全 量買取制度により、地産エネルギーを工場で利用するのではなく、全量を売電した方 が経済的なメリットが出ることが想定される。太陽光発電の電力を自らの工場で使用 するのか、それとも売電するのかは経営判断となるが、当面は売電する可能性が高い と考えられ、エネルギーマネジメントとは切り離された状況になると考えられる。 イ.バイオマス発電・熱利用 バイオマス発電・熱利用(特に木質バイオマス)は、アンケート調査結果によると 太陽光発電に次いで資源量(廃材等木材)が確認された地産エネルギーである。また、 木質バイオマスボイラは、重油ボイラの代替として先進的に導入されている施設も多 く、比較的導入がイメージしやすい地産エネルギーである。 一方で、木質バイオマスボイラは重油ボイラと比較して、イニシャルコスト・ラン ニングコストとも高くなる傾向であること、維持管理面でも灰の処理や種火の管理、 燃料(チップやペレット)の保管・管理など手間がかかるものであることから、木材・ 木製品製造業や家具・装飾品製造業など、事業活動の廃棄物として木材資源が調達で きる業種への導入が適していると考えられる。 -2-218- ウ.小水力発電 小水力発電は、上記地産エネルギーとは異なり、発電量を比較的一定に保つことが でき、かつエネルギー密度が大きい特徴がある。したがって、年間を通して一定量の 排水があるような工場では、導入がしやすい地産エネルギーであると考えられる。 ただし、アンケート調査結果によると、資源として工場排水が確認できたのは全体 の 4.6%となり、導入できる工場が少ないこと、工場の敷地は基本的に平坦であるこ とから落差をとりにくく、大きな出力が期待できないことから、小水力発電を十分に 活用できる工場は限定的になると想定される。 エ.小型風力発電 小型風力発電は、太陽光発電と同様に発電量が安定しない課題があるが、更に先進 事例調査結果を踏まえると、太陽光発電よりも時間的な(日単位・月単位・季節単位 全てにおいて)出力変動が激しいこと、1 基あたりの出力が小さいこと等から、中小 企業工場での導入促進は中長期的な時間を要することが想定され、出力や効率向上、 発電コスト低減等の更なる技術開発が不可欠である。 オ.地中熱利用 地中熱は、上記地産エネルギーと比較して、利用可能な熱量が少ないといった課題 がある一方、熱量が安定的でどの地域でも利用しやすい地産エネルギーである。 また、中小企業工場では夏場にデマンドが最も大きい傾向があるが、これは冷房利 用に伴う電力使用が増加するものである。 したがって、地熱を利用することで少ないながらも安定的な熱エネルギーを活用 し、特に夏場において必要な場所に必要最低限の冷熱を供給する地中熱システムは、 中小企業工場で導入しやすい地産エネルギーと考えられる。また、他の地産エネルギ ーと比較してイニシャルコストが安価であることが、より一層中小企業工場に適して いる。 ただし、地中熱利用は、これまでの空調環境の構築とは違った考え方になることを 理解する必要がある。具体的には、一般的な空調設計はピーク時の空調負荷等を計算 し、それに応じた空調設備を導入している。その結果、多くの電気を使用しているが、 本当に室内全体の温度・湿度を均一に空調しなければいけないのか、必要以上にエア コンをつけることで逆に労働者の健康や気候の順応性を阻害している可能性もある のではないかといった、これまでの基準や指標を改めて考えることが重要である。 また、コスト面でも、エアコンと同じ基準で電気代が安くなった、設備投資回収が 何年だったという評価だけでは不利な点もあり、労働者の安全衛生面での効果や企業 のCSR※面での効果など、多様な視点で評価していく必要がある。 ※ Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任の略 -2-219- カ.太陽熱利用 太陽熱は、地中熱と同様に熱量が安定的であり、比較的導入がしやすい地産エネル ギーである。また、太陽熱の導入事例として給湯利用が一般住宅等を中心に非常に活 用が進んでおり、空調利用についても特に床下に設けた砕石等の蓄熱層を媒体に、温 熱を供給する技術も開発が進んでいる。 中小企業工場においては、給湯利用では温水利用の多い業種(例:食料品加工業) や事務所などでの太陽熱利用、空調利用では特に冬場の暖房における太陽熱利用が考 えられる。 ただし、空調利用においては、地中熱と同様に熱量が比較的少ないことから、空調 のベースとなるエネルギーには向いておらず、共用スペース(廊下やロビー等)など のある程度の快適性が求められる空間に供給することが望ましいと考えられる。 キ.工場排熱利用 工場排熱は、地中熱や太陽熱と同様に熱量が安定的であり、かつ地中熱や太陽熱よ りも大きな熱量を期待できることから、非常に有効な地産エネルギーと考えられる。 ただし、熱を運ぶためのパイプラインが必要となり、その敷設コストや熱効率を勘 案すると、熱の需要地と供給地との距離が近いことが工場排熱の有効利用の条件とな る。 すでに熱の需要地と供給地が隣接している場合には、パイプライン敷設コストを含 むエネルギーコスト計算を行う等の具体的検討を行うことが好ましいが、そのような 条件を持つケースは多くはないことが想定される。 仮に地域で面的に工場排熱を活用する場合には、事業組合や行政機関が主導して、 熱を供給できる中小企業工場と熱需要のある中小企業工場とをマッチングさせる必 要がある。また、パイプライン敷設等のイニシャルコストの低減を目的とした補助金 制度や税制優遇も普及においては必要となる。 (b)エネルギーを使う ア.空調設備 アンケート調査結果によると、475 社の 回答のうち、空調設備を保有しているのは 421 社(88.6%)となり、かつ省エネの可 能性があると回答したのは 312 社(65.7%) となった。 したがって、中小企業工場における空調 設備の省エネ可能性は高く、高効率空調機 や省エネ制御システムの導入による改善等が考えられる。 -2-220- ただし、空調設備の更新における費用負担において、アンケート調査結果では「1 ~4 年で投資回収」が 38.2%、 「5~9 年で投資回収」が 29.4%となり、長くても 9 年 以内には投資回収ができる設備回収提案が求められる。 なお、地中熱利用の課題で触れているが、一般的な空調設計は、ピーク時の空調負 荷等を計算し、それに応じた空調設備を導入しているが、空調環境の構築に関する基 準や指標を改めて考え直すことで、一層の省エネにつながる可能性が高まり、また空 調設備に関する技術・新製品開発も進むものと考えられる。 イ.照明設備 アンケート調査結果によると、475 社の回答のうち、照明設備を保有しているのは 444 社(93.5%)となり、かつ省エネの可能性があると回答したのは 369 社(77.7%) となった。 したがって、中小企業工場における照明設備は、空調設備よりも省エネ可能性は高 く、高効率照明設備(LED、メタルハライドランプ等)の導入による改善が考えら れる。 ただし、空調設備と同様に、照明設備の更新における費用負担において、アンケー ト調査結果では「1~4 年で投資回収」が 38.2%、 「5~9 年で投資回収」が 29.4%と なり、長くても 9 年以内には投資回収ができる設備回収提案が求められる。 ウ.コンプレッサー アンケート調査結果によると、475 社の回答のうち、コンプレッサーを保有してい るのは 422 社(88.8%)となり、かつ省エネの可能性があると回答したのは 218 社 (45.9%)となった。 コンプレッサーは、台数制御装置やインバーター搭載圧縮機の導入により、状況に よっては大きな省エネ効果、投資回収効果を得ることができることから、FEMSモ デルにおける重要な構成技術の一つである。 ただし、コンプレッサーの省エネ可能性があると考えていない中小企業工場も多く 確認されたことから、省エネ効果のPR等の情報発信による中小企業工場の理解促進 が課題であると考えられる。 (c)エネルギーを測る ア.電力・熱計測器 電力計測器は、測定目的にもよるが1台 数万円もする製品が多く、中小企業が単独 で導入するには、数的な限界がある。また、 日常的に測定し続ける必要性も乏しいと感 -2-221- じており、エネルギーを測る段階に至らないことも想定される。 また、熱計測器については、温水等であれば測定しやすいが、焼成設備からの熱の 発散等、設備自体から発生する熱の把握が難しいなど、電力と比較して非常に測定が 難しい面がある。 (d)エネルギーを見える化する ア.ソフトウェア 中小企業工場におけるエネルギーの見え る化は、その必要性が十分に理解されてい ない傾向があるが、非常に重要な取り組み であると考えられる。具体的には、蛍光灯 を消すといった細かな省エネ活動は従業員 一人ひとりの意識向上が重要であるが、そ の活動によりどの程度の省エネ効果があっ たのかがわからないと、省エネ活動が継続 しない可能性がある。 このように、省エネ活動はPDCAを回すことが大切であり、そのためにはエネル ギーを見える化するソフトウェアは非常に重要な構成技術となる。 また、工場内設備は経年劣化により増エネする可能性もあり、その傾向を把握する ことで、一層の省エネ活動につながるものと考えられる。 ただし、ソフトウェアはIT企業が中心となり開発することになるが、エネルギー に関する専門的なノウハウ(測定方法や測定箇所等)がないことが課題であることか ら、中小企業工場やコンサルタント、IT企業等が連携し開発することが求められる。 (e)エネルギーを蓄える ア.電池 地産エネルギーを活用したFEMSモデ ルにおいては、エネルギーを制御するため に蓄電池が必要となる。特に充放電性能の 高いリチウムイオン電池は、FEMSの導 入される蓄電池として期待されるところで あるが、現時点では導入コストが非常に高 く、中小企業工場で導入するのは非常に負 担感がある。なお、鉛蓄電池とキャパシタを組み合わせたウルトラバッテリーが製品 化されているが、先進事例調査を行ったシンフォニアテクノロジー株式会社で実証試 験中であり、エネルギーマネジメントの一部として活用するには、経済性の向上など -2-222- 今後の技術開発に期待するところである。 あわせて、蓄電池機能を電気自動車(バッテリー)に持たせる「ビークル to グリ ッド」といった考え方もHEMS等で出てきており、技術開発が進めば中小企業工場 の従業員所有の電気自動車と工場とが連系し、相互に電力を融通することも将来的に は可能になると考えられる。 (f)エネルギーを制御する ア.ソフトウェア デマンド管理を含むエネルギーの最適制 御においては、それをコントロールする制 御システムの開発が必要となる。 このシステム開発では、中小企業工場は 多様な業種が存在することから、それぞれ の最適制御モデルを構築するためのエネル ギー需給に関する基礎データが必要とな る。 現在、システム開発が先行しているHEMSやBEMSは、エネルギー需給が比較 的推計しやすいことも要因としてあげられ、FEMSに関するシステム開発において は地産エネルギーの発電データや工場でのエネルギー消費データをどのように収集 するかが課題となる。 イ.制御機器 FEMSの構築にあたっては、エネルギー使用量を通信により把握するだけではな く、制御機能を持つスマートメーターが求められるが、現時点ではその市場性が不透 明であることから、FEMSに対応したスマートメーターはほぼ存在しないと思われ る。 上記のソフトウェアと制御機器の両方が組み合わさることでFEMSモデルが構 築されることから、スマートメーターに関する技術開発も今後は求められると考えら れる。 -2-223- 図表Ⅴ.11(1) FEMSモデル実現に向けた課題(中小企業単独FEMSモデル) 項 目 エネルギーを 創る 課 題 太陽光発電 • 天候の変化に伴い発電量が不安定になることから、商用電力との併用によ る有効活用が中小企業工場における現実的な対応になる。 • 蓄電池の導入による直接的な投資効果は見出しにくいことから、蓄電池の コストが将来的に低下し、また非常用電源としての付加的な機能も含める ことで、中小企業工場における蓄電池導入の可能性が高まる。 • 全量買取制度により、太陽光発電の電力を自らの工場で使用するのか、そ れとも売電するのかは経営判断となるが、当面は売電する可能性が高いと 考えられ、エネルギーマネジメントとは切り離された状況になる。 バイオマス発電・熱利用 • 木質バイオマスボイラは重油ボイラと比較して、イニシャルコスト・ラン ニングコストとも高くなる傾向であること、維持管理面でも灰の処理や種 火の管理、燃料(チップやペレット)の保管・管理など手間がかかるもの である。 小水力発電 • 導入できる工場が少ないこと、工場の敷地は基本的に平坦であることから 落差をとりにくく、大きな出力が期待できないことから、小水力発電を十 分に活用できる工場は限定的になる。 小型風力発電 • 太陽光発電よりも時系列的な(日単位・月単位・季節単位全てにおいて) 変化が激しいこと、1 基あたりの出力が小さいこと等から、中小企業工場 での導入促進は中長期的な時間を要する。 地中熱利用 • これまでの空調環境の構築とは違った考え方になることを理解する必要 がある。 • エアコンと同じ基準で電気代が安くなった、設備投資回収が何年だったと いう評価だけでは不利な点もあり、労働者の安全衛生面での効果や企業の CSR面での効果など、多様な視点で評価していく必要がある。 太陽熱利用 • 空調利用においては、地中熱と同様に熱量が比較的少ないことから、空調 のベースとなるエネルギーには向いておらず、共用スペース(廊下やロビ ー等)などのある程度の快適性が求められる空間に供給することが望まし い。 工場排熱利用 • 地域で面的に工場排熱を活用する場合には、事業組合や行政機関が主導し て、熱を供給できる中小企業工場と熱需要のある中小企業工場とをマッチ ングさせる必要がある。 • パイプライン敷設等のイニシャルコストの低減を目的とした補助金制度 や税制優遇も普及においては必要となる。 -2-224- 図表Ⅴ.11(2) FEMSモデル実現に向けた課題(中小企業単独FEMSモデル) 項 目 課 題 エネルギーを 使う • 空調設備・照明設備の更新における費用負担において、アンケート調査結 果では「1~4 年で投資回収」が 38.2%、 「5~9 年で投資回収」が 29.4% となり、長くても 9 年以内には投資回収ができる設備回収提案が求められ る。 • コンプレッサーの省エネ可能性があると考えていない中小企業工場も多 く確認されたことから、省エネ効果のPR等の情報発信による中小企業工 場の理解促進が課題である。 エネルギーを 測る • 電力計測器は、測定目的にもよるが1台数万円も製品が多く、中小企業が 単独で導入するには、数的な限界がある。 • 日常的に測定し続ける必要性も乏しいと感じていることから、エネルギー を測る段階に至らないことも想定される。 • 熱計測器については、温水等であれば測定しやすいが、焼成設備からの熱 の発散等、設備自体から発生する熱の把握が難しいなど、電力と比較して 非常に測定が難しい。 エネルギーを 見える化する • ソフトウェアはIT企業が中心となり開発することになるが、エネルギー に関する専門的なノウハウ(測定方法や測定箇所等)がないことが課題で あることから、中小企業工場やコンサルタント、IT企業等が連携し開発 することが求められる。 エネルギーを 蓄える • 現時点では導入コストが非常に高く、中小企業工場で導入するのは非常に 負担感がある。 • エネルギーマネジメントの一部として活用するには、経済性の向上など今 後の技術開発に期待するところである。 • 技術開発が進めば中小企業工場の従業員所有の電気自動車と工場とが連 系し、相互に電力を融通することも将来的には可能になる。 エネルギーを 制御する • 中小企業工場は多様な業種が存在することから、それぞれの最適制御モデ ルを構築するためのエネルギー需給に関する基礎データが必要となる。 • FEMSに関するシステム開発においては地産エネルギーの発電データ や工場でのエネルギー消費データをどのように収集するかが課題となる。 • FEMSの構築にあたっては、エネルギー使用量を通信により把握するだ けではなく、制御機能を持つスマートメーターが求められるが、現時点で はその市場性が不透明であることから、FEMSに対応したスマートメー ターはほぼ存在しないと思われる。 • ソフトウェアと制御機器の両方が組み合わさることでFEMSモデルが 構築されることから、スマートメーターに関する技術開発も今後は求めら れる。 -2-225- b.中小企業連携FEMSモデル (a)電力共同利用 エネルギー共同利用組合に対する特定電気事業者からの電力供給の場合、特定電気 事業者からの電力供給を前提に一般電気事業者と契約するため、デマンド発生時に事 故等で電力供給ができないと生産工程に大きな影響がでると考えられる。そのために は、日常的に電気設備の保守ができる体制を構築する必要がある。 また、エネルギー共同利用組合で連携してデマンド制御を行う場合には、各工場の 空調や照明、生産設備等は導入時期やメーカー、仕様が異なることから、デマンド制 御に伴う故障時の補償の問題もあげられる。 なお、特定電気事業者から電力供給する場合には自営線を敷設する必要があるが、 そのイニシャルコストを回収できるのかどうかも考慮しておく必要がある。特に現 在、高圧一括受電を行っている工業団地では、構内電気設備の更新に要する費用が負 担できず、今後も継続的に電力共同利用ができない可能性も出てきており、電気設備 の更新・回収の積立金も含めた上での収支を検討することが求められる。 あわせて、電力使用ピークが異なる異業種が一体となることで、電力共同利用の効 果が出やすくなるが、逆に業種が異なるので合意形成が図りにくいといった面もあ る。特に、デマンド制御の具体的なルール策定や情報管理方法など、複数企業が連携 するための合意形成を図る組織の設立が求められる。 (b)熱共同利用 地域熱供給を構成するプラント設備は、設置後 15~20 年後に更新時期を迎えるた め投資が多大となり、あわせて熱供給用の導管が長くなると熱損失も増えるため、効 率の良い導管敷設を検討する必要がある。 あわせて、既往資料によると、熱供給側の課題として「製品・生産ライン変更によ る供給可能熱変動の可能性」「熱源設置スペース」「熱源、熱誘導管敷設費用」「省エ ネ法・温対法等での届出数値の増大、コントロールできない変動」、需要側の課題と しては、「製品・生産ライン変更による熱需要変動の可能性」があげられており、そ れぞれの課題にも対応してくことが求められる。 (c)資金調達 特定電気事業者により電力供給を行う場合、その特定電気事業者自体の信用力を担 保に資金調達をすることは難しいことが想定され、プロジェクトファイナンスやファ ンドといった特定電気事業者が事業を始めるための資金調達支援施策が求められる。 また、行政・支援機関からの補助金制度も資金調達支援として必要となる。特に、 原子力発電所事故や地球温暖化対策を背景に、中小企業が連携して省エネルギーを進 めることは公共性の高い取り組みであり、特定電気事業者のエネルギーマネジメント 事業を安定させるためにも、新たな補助金制度の創設が求められる。 -2-226- 図表Ⅴ.12 項 目 FEMSモデル実現に向けた課題(中小企業連携FEMSモデル) 課 題 電力共同利用 • デマンド発生時に事故等で電力供給ができないと生産工程に大きな影響 がでるため、日常的に電気設備の保守ができる体制を構築する必要があ る。 • 各工場の空調や照明、生産設備等は導入時期やメーカー、仕様が異なるこ とから、デマンド制御に伴う故障時の補償の問題もあげられる。 • 特定電気事業者から電力供給する場合には自営線を敷設する必要がある が、そのイニシャルコストを回収できるのかどうかも考慮しておく必要が ある。 • 電気設備の更新・回収の積立金も含めた上での収支を検討することが求め られる。 • デマンド制御の具体的なルール策定や情報管理方法など、複数企業が連携 するための合意形成を図る組織の設立が求められる。 熱共同利用 • 地域熱供給を構成するプラント設備は、設置後 15~20 年後に更新時期を 迎えるため投資が多大となり、あわせて熱供給用の導管が長くなると熱損 失も増えるため、効率の良い導管敷設を検討する必要がある。 • 熱供給側の課題として「製品・生産ライン変更による供給可能熱変動の可 能性」 「熱源設置スペース」 「熱源、熱誘導管敷設費用」「省エネ法・温対 法等での届出数値の増大、コントロールできない変動」、需要側の課題と しては、 「製品・生産ライン変更による熱需要変動の可能性」があげられ ており、それぞれの課題にも対応してくことが求められる。 資金調達 • 特定電気事業者により電力供給を行う場合、その特定電気事業者自体の信 用力を担保に資金調達をすることは難しいことが想定され、プロジェクト ファイナンスやファンドといった特定電気事業者が事業を始めるための 資金調達支援施策が求められる。 • 中小企業が連携して省エネルギーを進めることは公共性の高い取り組み であり、特定電気事業者のエネルギーマネジメント事業を安定させるため にも、新たな補助金制度の創設が求められる。 -2-227- Ⅵ.FEMSモデル実現及び中小企業参入・新産業創出の方向性 1.FEMSモデル実現の方向性 (1)FEMSモデルの導入ステップの設定 中小企業工場における地産エネルギー活用及び地産環境配慮型製品の利用は、企業 規模や経営方針、現在の取り組み状況が各社異なることから、全ての中小企業工場が 画一的に取り組むことは難しい。 特にFEMSの導入においては、アンケート調査結果におけるFEMSの利用意向 において約半数の企業が「わからない」と回答し、中小企業工場においてはFEMS の理解が進んでいない状況であり、いきなり補助金制度等でFEMSの導入支援策を 実施したとしても、すぐに普及が進むものではないことが想定される。 したがって、FEMSモデルを実現させるためには、下図のようなステップを設定 し、最終的にはFEMS構築をめざすものの、それぞれの企業がどのステップまで対 応できるかを判断するような仕組みを構築する必要がある。 そのためには、 「ステップ1:省エネ活動」 「ステップ2:省エネ設備導入」といっ た前半のステップに取り組む企業をいかに増やし、また取り組んだ企業が直接的なメ リットを感じることが重要となる。 そのためには、本報告書において検討・整理した調査結果は中小企業工場において 参考となるものであり、FEMS構築に向けたステップとあわせて、多くの中小企業 に省エネ活動や省エネ設備導入のPRを行うことが重要である。 図表Ⅵ.1 FEMSモデルの導入ステップ(イメージ) 共通用途 共通用途 ・太陽光発電 ・太陽光発電 ・LED照明 ・LED照明 ・地中熱利用 ・地中熱利用 ・エネルギー計測・見える ・エネルギー計測・見える 化システム 化システム ・新エネ設備(太陽光・地 ・新エネ設備(太陽光・地 中熱以外) 中熱以外) ・蓄電池 ・蓄電池 等 等 ステップアッ ステップアッ プした取り組 プした取り組 みを評価・ みを評価・ フィードバッ フィードバッ クすることで クすることで PDCAサイ PDCAサイ クルによる クルによる 改善を実施 改善を実施 企業規模や 企業規模や 経営方針等 経営方針等 により、どの により、どの ステップまで ステップまで 対応するか 対応するか を判断 を判断 (最後まで到 (最後まで到 達すればFE 達すればFE MS構築) MS構築) 太陽光発電 太陽光発電 ・工場内の電力負荷軽減 ・工場内の電力負荷軽減 の電源として利用(デマ の電源として利用(デマ ンド・電気使用量削減) ンド・電気使用量削減) ・全量買取制度の活用に ・全量買取制度の活用に よる売電も可能 よる売電も可能 地中熱利用 地中熱利用 ・事業所・工場内の空調 ・事業所・工場内の空調 として熱利用 として熱利用 バイオマスボイラ バイオマスボイラ ・重油ボイラーの代替とし ・重油ボイラーの代替とし て熱利用 て熱利用 ・バイオマス発電として電 ・バイオマス発電として電 力・熱のコージェネレー 力・熱のコージェネレー ションシステムも可能 ションシステムも可能 生産用途 生産用途 ・コンプレッサー ・コンプレッサー ・ポンプ・ファン ・ポンプ・ファン ・受変電設備 ・受変電設備 ・電動機 ・電動機 ・ボイラ ・ボイラ 等 等 小水力発電 小水力発電 ・太陽光発電の補完電源 ・太陽光発電の補完電源 小型風力発電 小型風力発電 ・太陽光発電の補完電源 ・太陽光発電の補完電源 -2-228- (2)導入ステップ毎の方向性 a.ステップ1:省エネ活動 省エネは、下図のとおり 6 つの視点があり、省エネ活動は「カエル」以外の 5 項目 が該当する。 次頁に、「ヤメル」「ヒロウ」「トメル」「ナオス」「サゲル」に関する具体的な取り 組み(例)を示す。基本的には、“空間軸の無駄”“時間軸の無駄”“量の無駄”をど のように改善していくかが、省エネ活動のポイントとなる。 日常的な事業活動のなかでこれらの取り組みを実施することが、中小企業工場にお けるFEMS構築に向けた第一歩となる。 図表Ⅵ.2 省エネの 6 つの視点 資料:FEMS導入の手引き(一般社団法人 日本電機工業会) b.ステップ2:省エネ・地産エネ設備導入 省エネ設備の導入は、上図の「カエル」の視点となる。次頁以降に省エネ設備導入 に関する具体的な取り組み(例)、及び参考として具体的な省エネ設備導入効果を示 す。 中小企業工場は、競合企業とのコスト競争のためエネルギーコストをいかに下げる かが重要である。エネルギーの無駄をなくす、効率をあげる等の省エネ活動とあわせ て、省エネ設備の導入による電気・燃料代の削減は、営業費用をかけずに営業利益を あげるのを同じ効果を期待することが可能となり、生産設備更新時において省エネ効 果の高い設備を導入することが望ましい。 -2-229- 図表Ⅵ.3 省エネの 6 つの視点に関する具体的な取り組み(例) 省エネ活 動 • • ヤメル • 「なぜこの設備は必要なの • か」を考え、不要なものは廃 止 • • • ヒロウ • 棄てるモノに潜んでいるエネ • ルギーを回収・再利用する • • • トメル • • 実際には働いていない設備の • 停止 ナオス 設備の作動状況を確認し、不 具合個所の修正 サゲル 設備の運転条件を見直し、圧 力や空調負荷などの低減 省エネ設備導入 カエル 省エネになる設備機器やエネ ルギーへの変更 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 照明の間引き(必要以上に照明が明るい) 配管経路の短縮 待機運転の削減 大空間での全体空調の見直し(単なる通路に空調が入 っている) フィーダごとの無駄の抽出と対策 通路部分などでの空調廃止(換気) 排ガスや温水などの回収 予熱の利用 分別回収 リサイクル設計 エアブローの間欠化 休息(ライン停止)時の運転停止 コンプレッサーなどの空転防止 人感センサーによる照明制御 展示ホールや食堂など不在室における空調および照 明オフの徹底 デマンド管理による効率運転 エア漏れの修理 バキューム配管の修理 断熱材のハガレ修理 ドレンや冷媒配管・水配管の修理 スチームパイプの修理 エアーカーテンの修理 空調機フィルターの交換 エアや蒸気の圧力低減 加熱温度の低減 ポンプやファンの処理量の低減 部分的な熱処理による負荷軽減 蛇口からの出水量の抑制 空調機内部やフィルター、照明器具などの清掃 設定温度・時間帯の適正化(エアコン設定が不適切) ペリメータゾーンの熱負荷低減 ヒートポンプ式設備への変更 インバータ機器への変更 省エネランプへの変更 射出成形機の駆動制御方式の変更(油圧式からサーボ モータ式へ) 燃料の転換 オンサイト供給やコージェネの利用などエネルギー システムの変更 トップランナー機器への更新 -2-230- [参考:具体的な省エネ設備導入効果「(株)日立産機システムヒアリング結果より」] ①H-NETによる二次変電所のリアルタイム監視の導入・・・工場内 18 ヶ所の変圧器の使 用電力量をチェックし、統合している。これにより、低損失変圧器への更新による電力料 金の低減につなげている。 ②Superアモルファス変圧器への更新・・・変圧器 48 台(15,405kVA)をSuper アモルファス変圧器 33 台(11,285kVA)に更新することで 553 万円/年の省エネ効果を 実現している。これにより、現状の作業負荷に応じた変電設備の適正な容量見直しにより 電力損失と契約電力の低減を図っている。また、Superアモルファス変圧器の導入と 適正配置により電力ロスの最小限化を図っている。 ③インバータ制御空気圧縮機と台数制御盤の導入・・・標準機 3 台をベースにした台数制御と インバータ機(2 台)の組み合わせ運転(445kW/5 台→375kW/5 台) 、および空冷機を個別 排気ダクト方式とし、室内温度を検知して室温上昇時のみ排気ファンを稼働させることで、 330MWh/年、電力料金で 330 万円/年の省エネ効果を実現している。 ④変圧器組立室の空調設備の改善・・・冷凍機の排熱を利用するため、空調機内に熱交換器を 設置、さらに冷凍機不稼働時に蒸気乾燥炉のドレンを利用する熱交換器を設置し、室内循 環ファンをインバータ運転とすることで、電力量 312MWh/年、電力料金 312 万円/年の省 エネ効果を実現している。 ⑤ガス空調機導入・ボイラーガス化改造によるCO2排出量削減・・・灯油炊きボイラ 3 台を ガス化することで、CO2排出量を 29%低減、エネルギー費で 170 万円/年の削減を実現 している。また、空調機契約電力の引き下げにより、CO2排出量で 43%低減、エネルギ ー費で 198 万円/年の削減を実現している。 ⑥生産工場の天井照明の改善・・・生産工場の天井照明 33 台を高効率・長寿命で経済性に優 れるセラミックメタルハライドランプ(水銀ランプの 2 倍の照度)に更新(700W形→400 W形)することで、35MWh/年の省電力を実現している。 2005 年~2009 年(5 年間)の工場全体での削減効果 電力量:▲20% CO2排出量:▲ 8.3% CO2原単位:▲ 4% -2-231- また、地産エネ設備の導入は、中小企業工場でも積極的に取り組むことが求められ る。特に、2012 年 7 月 1 日からの施行が予定されている再生可能エネルギー全量買 取制度は、中小企業工場における地産エネルギーの導入を促進させるインセンティブ として期待される制度である。 一方で、同制度においては、太陽光発電設備等の地産エネ設備で発電した電力を電 力会社に全量売電した方が経済的なメリットがでることから、工場におけるエネルギ ーの地産地消が進まない可能性が高いと考えられる。 したがって、中小企業工場において地産エネ設備を導入する場合には、その目的を 経済性、環境性、社会性、リスク分散といった視点から明確化し、全量買取制度によ る経済性のみではない効果も期待するものとする。(全量買取制度の導入を背景に補 助金制度がなくなった現在においても、中国地域の事業所・工場で太陽光発電の導入 が進んでおり、一概に経済性だけではない効果もあると考えられる) 本調査で明らかになった地産エネ設備の導入によるFEMSの導入目的(例)は、 以下のような項目があげられる。 【FEMSの導入目的(例) 】 ○経 済 性:地産エネルギー活用と省エネルギー推進をIT技術を用いて管 理することによるエネルギーコストの削減 ○環 境 性:事業運営(工場・事業所等)に伴うCO2排出量の削減 ○社 会 性:地域・自然と企業との共生による持続可能性の向上 ○リスク分散:地産エネルギーを分散型電源として活用することによるエネル ギーセキュリティの向上 c.ステップ3:計測器設置・分析 中小企業工場においては、電気使用量の削減に伴う経費縮減、電力供給能力の不足 に伴う計画停電対応、省エネ法申請のためのデータ整理等から計測器設置・分析のニ ーズは高まりつつある。 ここで、中小企業工場の省エネは、基本的には「①設備調査」「②測定ポイントに メタゲジ設置」 「③省エネ分析」の流れとなるが、計測器を設置し分析しただけでは、 省エネ効果は限定的となり、かつ工場全体の省エネ意識向上にはつながりにくい。 したがって、計測器設置・分析した後は、「ステップ4:エネルギー監視・見える 化」にステップアップするとともに、 「ステップ1:省エネ活動」 「ステップ2:省エ ネ・地産エネ設備導入」に結果をフィードバックすることで、PDCAサイクルを回 しながら継続的な取り組みにつなげていくことが重要となる。 -2-232- d.ステップ4:エネルギー監視・見える化 「ステップ3:計測器設置・分析」から監視・見える化につなげることで、従業員 の意識向上や取組み成果の理解を深めることができ、中小企業工場での省エネ効果が 一層高まる。 先進事例視察におけるパナソニックでは、社員食堂に見える化システムを設置する ことで進捗状況の確認や意識付けを行うとともに、テストも実施し社員教育の視点で も省エネに取り組んでおり、一定の成果が出ていることも確認された。 ただし、中小企業工場にそのまま適用するには、エネルギーの監視・見える化の必 要性が十分に理解されていない傾向があることが、パナソニックのような規模が大き い工場とは状況が異なる面もある。 ただし、省エネ活動は従業員一人ひとりの意識向上が重要であり、従業員数の少な い中小企業工場は、逆に意識レベルをあわせやすい特徴がある。したがって、省エネ 活動によりどの程度の省エネ効果があったのかを見える化するだけで、省エネ活動が 継続しやすい環境とも言える。 また、中小企業工場内での生産ライン毎や、場合によっては他の工場と連携した見 える化システムの共有化ができれば、省エネ活動の共有化や競争意識向上など、更な る相乗効果を得ることも考えられ、面的なエネルギー監視・見える化も今後は検討す べきテーマであると考えられる。 e.ステップ5:エネルギーマネジメント 先進事例調査を実施したシンフォニアテクノロジーの「ナチュエネ」は、将来的な 中小企業工場や事業所のエネルギーマネジメントのモデルとなり得るものである。 太陽光発電や小型風力発電、小水力発電といった地産エネルギーと蓄電池を組み合 わせることにより、工場・事業所に安定的な電力供給を行いながら、電力の平準化に よりピークカットとなることは、本調査の目的である地産エネルギーを活用した中小 企業工場のエネルギーマネジメントそのものであると言える。 一方で、課題も明らかになりつつある。特に、実証段階でのシステム価格が工事費 込みで 4,000 万円程度と見込まれ、更なる技術開発によるシステム価格縮減はもちろ んのこと、国や自治体からの補助事業や金融機関からの低金利融資がないと普及が進 まない可能性もある。 ただし、中小企業工場のエネルギーマネジメントを設備的な対応によるエネルギー 需給の自動制御という面だけでなく、エネルギー監視・見える化による従業員のアナ ログ的な制御の方が、投資余力の少ない中小企業工場において適している面もある。 そういった運用上のノウハウを、中国地域の中小企業工場で集約・共有化すること も、エネルギーマネジメントの定義に含めることが適していると考えられる。 -2-233- 2.中小企業参入の方向性 FEMS構築における中小企業参入の方向性は、以下のとおりである。 (1)環境配慮型製品の競争力向上 中国地域において環境配慮型製品に関連する中小企業は、海外を含む競合企業との 競争を強いられ、技術面では十分な競争ができているものの、コスト競争では非常に 苦労しているのが現状である。 コスト競争に対応するためには、生産設備の更新による生産量拡大や人件費を含む 固定費の縮減など様々な取り組みを実施しているが、省エネ・地産エネ導入によるエ ネルギーコストの縮減までの取り組みには至っていないケースもある。 中国地域においては、各県の行政や支援機関により、中小企業が競争力を高めるた めに各種事業を展開しているが、新エネ・省エネに関連する新たな設備導入に対する 補助制度の対象条件として、省エネルギー診断を受けること等の条件を付加すること で、ハードとソフトの両面から中小企業を支援し、戦略的な「環境経営」を推進して いる事例も見られる。 このように、環境と経営が一体となりながら環境配慮型製品の競争力を向上させる ことが、今後、環境・エネルギー分野への中小企業参入に向けては重要な視点となる。 (2)エネルギー需給データの収集・提供 地産エネルギーを活用したFEMSの開発においては、システム検証のため、年間 の工場エネルギー使用データ、太陽光発電等の発電データ等の時系列データが必要と なる。しかし、工場エネルギー使用データは事業活動を表す直接的なデータとなるこ と、太陽光発電等の発電データは行政の予算執行事務の関係で1年間を通したデータ 測定が行われない傾向があることから、システム開発・検証のための基礎データを容 易に入手できない状況となっている。 これらの時系列データを入手できれば、エネルギー使用量の削減・平準化や、地産 エネルギーの有効活用による商用電源の使用量削減、蓄エネルギーなどの対策につい て定量的な検討が可能となることから、FEMS開発のためには、年間を通したエネ ルギー需給データを容易に入手できる環境整備が求められる。 特に、中小企業ほど、このようなデータを入手しづらい環境であることも想定され ることから、行政や支援機関が率先してエネルギー需給データを収集・提供し、中小 企業の技術開発を後押しすることが望まれる。 -2-234- (3)企業間連携を促進させる信用力向上支援 中国地域において地産エネルギーを活用したFEMSを開発する場合には、環境配 慮型製品を製造している企業のほか、IT企業やコンサルタント企業、場合によって は製造業の大手企業等と連携する必要がある。 一方で、中小企業では、相対的に信用力が高くないケースも想定され、企業間連携 が容易ではないことも考えられる。 したがって、中小企業の信用力を向上させるためには、行政や銀行等の公共公益機 関のバックアップが不可欠であり、かつ製品開発のみではなく、ファイナンスや税制、 販売促進など、トータル的な企業支援が求められる。 -2-235- 3.新産業創出の方向性 「Ⅴ.地産環境配慮型製品を活用したFEMSモデルの構築」では、中小企業連携 FEMSモデルとして下図の事業を提案しているが、このモデルにおける各事業の方 向性を次に示す。 図表Ⅵ.4 中小企業連携FEMSモデルのイメージ -2-236- (1)契約デマンド削減電力供給事業(電力契約コンサルティング含む) ヒアリング調査結果によると、中小企業工場においては、一般電気事業者との契約 デマンドをなるべく抑え、エネルギーコストを削減したいニーズが確認された。一方 で、契約するデマンドを中小企業で検討するのは、気候等の自然条件、景気等の経営 条件などを想定することができず、結果的に過去のデマンド実績で電力供給契約を行 っている。 現在、工業団地において地域高圧一括受電を行っているケースでは、上記のような 想定しづらい状況を、中小企業工場が連携することでリスク分散・平準化しており、 ひとつの理想的なモデルとも言える。 一方で、中国地域の工業団地は、既に中小企業工場が稼動しているケースが多く、 一般電気事業者が既に配電網や受電設備を設置している状況であり、後追いで地域高 圧一括受電を行うことは、二重のインフラ投資となり経済的ではない。 したがって、これらの課題を解決する新産業として「契約デマンド削減電力供給事 業」を提案する。 これは、複数の中小企業工場が隣接する工業団地において、その団地内に特定電気 事業者を設立、自家発電設備を設置し、中小企業工場へ電力供給を行うものである。 この特定電気事業者は、いわゆる電気事業を行うものであるが、中小企業工場から のリアルタイムな電力使用データを収集したうえで、契約デマンドを超えないように 自家発電設備の電力を供給するエネルギーマネジメント事業である。 更に、電力契約コンサルティングを実施することで、中小企業工場のエネルギーコ ストを削減するとともに、削減分の一部をフィーとして支払う仕組みも考えられる。 また、自家発電設備は重油ボイラ等の化石燃料を使用することになるが、発電量相 当分の環境価値を、特定電気事業者が中小企業工場の屋根に設置した太陽光発電や省 エネ設備導入に伴うCO2排出量削減分からオフセットする仕組みも求められ、工業 団地全体のエネルギー需給データを収集するシステム開発も必要となる。 -2-237- (2)エネルギー見える化・省エネ診断事業 中小企業工場においては、エネルギーの見える化による継続的なエネルギーの無駄 の削減が必要となる。これにより、エネルギーコストが下がれば、製造品の競争力が 向上することにつながる。 一方で、エネルギー見える化に伴う設備・システム投資は、その投資効果が不透明 な段階では、最終的な導入判断ができない状況も考えられる。 したがって、エネルギー見える化の設備・システムを販売するのではなく、エネル ギー見える化サービスを提供する事業を提案する。 これは、サービス事業者が保有する計測器や通信機器を、顧客となる中小企業工場 の設備に設置し、インターネットを介してエネルギーを見える化するものである。 あわせて、サービス事業者が省エネ診断を行い、省エネ活動のなかで削減できるエ ネルギーの無駄を改善することでエネルギーコストを削減し、その削減分の一部を見 える化システムの利用料と含めて支払うというものである。 (3)省エネ機器更新コンサルティング事業 上記、 「エネルギー見える化・省エネ診断事業」が発展したものが、 「省エネ機器更 新コンサルティング事業」である。 これは、上記サービス事業者が複数の設備メーカーの代理店となり、省エネ診断の 結果を踏まえ最適な省エネ機器の更新を提案するものである。 現在、設備メーカーは営業活動の一環として、中小企業工場のエネルギー使用デー タを調査し、設備更新の提案を行っているが、中小企業工場ではその提案内容の客観 性を判断することができず、結果的に設備更新が進みにくい可能性もある。 そこで、コンサルティング事業者が省エネ診断サービスの結果を踏まえた客観的提 案を、複数の設備メーカーの商品から抽出・提案することで、中小企業工場の設備更 新を進め、設備メーカーからの販売手数料をもらうというものである。 ただし、中小企業工場は信用力の面で劣ることから、設備更新の必要性はあるもの の、代理店が積極的に提案しにくいことも想定される。したがって、その信用力を高 めるための行政支援、金融機関支援が必要となる。 -2-238- (4)人材育成・研修事業 中小企業工場は、競合企業との競争のため、製造品の品質を確保しながら、いかに 製造コストを下げるかが命題となっており、特に人件費についてはできる限り縮減し ている傾向がある。したがって、企業・工場内に人的余裕はなく、細かな設備管理・ エネルギー管理まで十分な人的資源を投入できない状況が見受けられる。 今後、電力供給環境が不透明な社会情勢においては、企業競争力を向上させるため のエネルギー管理に関する継続的な人材育成は、中小企業工場においても対応が必要 不可欠であり、人材育成や研修サービスは需要が高まってくるものと考えられる。 ただし、現在においても(財)省エネルギーセンターや地方自治体、関連団体によ り、工場や事業所を対象とした省エネルギー診断や研修などが開催されており、サー ビス事業者が直接的に収益を得ることは課題も多いが、中小企業に特化した研修、計 画停電予定地域に立地する工場を対象とした研修、業種別の研修など、地方公共団体 や関係機関が行わないようなサービスを提供する必要がある。 (5)排出権取引事業 我が国における排出権取引制度は、国内クレジットやJ-VER、グリーン電力・ 熱証書、東京都クレジット等、多様な仕組みが乱立している状況である。 このような背景のなか、再生可能エネルギー全量買取制度が導入された後の排出権 取引制度は、現在流動的な状況となっている。 今後、我が国における原子力発電所の稼動が遅れる、または稼動しない場合におい ては、火力発電所を最大限に活用せざるを得ず、これまでの地球温暖化対策と逆行す ることも十分に考えられる。 その場合においては、国内において排出権の価値が相対的に向上することも想定さ れ、中国地域においても現時点からそのノウハウを蓄積し、排出権取引制度の見直し に応じた準備をしておく必要がある。 その準備を行うフィールドとして、中小企業工場や工業団地の省エネ・地産エネ設 備の導入、エネルギーの計測・見える化等を進めながら排出権取引を事業として実際 に実施しノウハウを蓄積することで、将来的な新産業創出につながる可能性はあると 考えられる。 -2-239- おわりに 本調査は、“地産エネルギーの活用”“地産環境配慮型製品の活用”“中小企業工場 のエネルギーマネジメントシステムの構築”を目的とした調査であり、様々な立場の 方を対象に、非常に多面的な視点でのとりまとめとなっている。 中国地域において環境配慮型製品を取り扱う企業は、「Ⅳ.FEMS構築に係る地 産環境配慮型製品の活用可能性調査」で調査したとおり、多くの企業が存在する。ま た、社会情勢を背景に環境・エネルギー関連産業は国全体として積極的に推進してい く分野となっており、中小企業工場における新エネルギー・省エネルギー設備の導入 やエネルギーマネジメントにとどまらず、地域全体としてエネルギーを効率的にマネ ジメントする技術も今後求められる。 したがって、中国地域における中小企業のビジネスチャンスとして市場拡大が期待 される分野であり、また省エネルギーの取り組み推進が中小企業の競争力を高める効 果もあることから、本調査は「中小企業工場」向けとしてとりまとめている。 ただし、この環境・エネルギー関連産業は、中国を始めとした海外企業との技術・ 価格競争が激しい市場とも言え、国内においても既に過度な価格競争に陥っている面 もある。 中国地域において環境・エネルギー関連産業の振興を進めていくためには、中小企 業の技術・価格競争力を向上させる地方自治体の積極的な支援が求められ、「行政・ 支援機関」向けとして支援策を検討する際の基礎資料として活用できるようにと意識 して整理している章もある。 最後に、中国 5 県における環境・エネルギー関連の中小企業支援事業を整理する。 これらの事業を活用することで、“地産エネルギーの活用”“ 地産環境配慮型製品の 活用”“中小企業工場のエネルギーマネジメントシステムの構築”が促進され、また 本調査における成果を関係機関で具体化されることを期待する次第である。 -2-240- 図表 鳥取県における環境・エネルギー関連事業(例)※最新情報は相談窓口に要確認 No 事業名 1 エネルギーシフト 加速化事業(非住 宅用太陽光発電シ ステム導入支援) 事業概要 相談窓口 鳥取県生活環境部 事業概要 中小企業、社会福祉法人等の事業者が、太陽光 環境立県推進課 発電システムを導入し、余剰電力売電又は全て 自家消費する場合(発電事業目的は除く)に支 TEL:0857-26-7879 援する。 FAX:0857-26-8194 事業期間 E-mail:kankyouri 平成 24 年度 kken 事業主体 @pref.tottori.jp 県内に事業所を置く中小企業、社会福祉法人等 補助対象・補助率 事業費の1/2 ※最大出力 4kW 以上の設備 限度額:370 千円/kW、5,000 千円以内 2 戦略的な「環境経 営」推進事業 鳥取県商工労働部 県内企業の省エネ及び生産性向上を図るため、 産業振興総室 省エネ診断及び診断に基づく省エネ設備の導 次世代環境産業室 入に対し助成する。 TEL:0857-26-7656 事業期間 FAX:0857-21-0609 事業概要 平成 24 年度 事業主体 E-mail:sangyoush inkou 県内に事業所を置く中小企業者等 @pref.tottori.jp ※エネルギー削減などにおいて一定以上の効 果が図られることが要件。 補助対象・補助率 ・新エネルギー事業(太陽光除く) ・競争力強化事業 1/2 1/2 ・省エネルギー事業 1/3 限度額 3 次世代環境ビジネ ス事業化支援補助 金 5,000 千円 同上 事業概要 太陽光発電関連産業育成協議会及び LED 戦略 研究会の会員が他企業と連携して行う製品開 発等を支援する。 事業期間 平成 24 年度 事業主体 太陽光発電関連産業育成協議会及び LED 戦略 研究会の会員企業 補助対象・補助率 研究開発経費、補助率 2/3、限度額 2,000 千 円 4 次世代環境産業創 出プロジェクト事 業 同上 事業概要 再生可能エネルギー分野及び LED 分野におけ る異分野・企業連携による付加価値の高い製品 -2-241- 等の研究開発を委託する。 事業期間 平成 24・25 年度 事業主体 県内企業・団体等 委託費 研究開発経費(10/10) 、限度額 10,000 千円 5 鳥取県太陽光発電 システム取扱事業 者協議会支援補助 金 鳥取県商工労働部 事業概要 太陽光発電システムの普及及び当業界の振興 産業振興総室 を図るため、鳥取県太陽光発電システム取扱事 次世代環境産業室 業者協議会に対し、運営費を支援する。 TEL:0857-26-7656 事業期間 FAX:0857-21-0609 平成 24 年度 事業主体 鳥取県太陽光発電システム取扱事業者協議会 E-mail:sangyoush inkou @pref.tottori.jp ※県内の太陽光発電システム販売・施工業者 102 社が参加 補助対象・補助率 運営に要する経費、10/10(定額:150 千円) 6 企業立地事業補助 金 事業概要 鳥取県商工労働部 県内の工業団地等に工場等新増設する(施設設 備のみの増設も可)企業に対して、その経費の 一部を補助する。 事業期間 産業振興総室 企業立地推進室 ※特に定めはありません。 TEL:0857-26-7664 FAX:0857-21-0609 E-mail:sangyoush inkou 製造業等の事業者で新増設事業に係る投資額 @pref.tottori.jp 及び雇用増が一定の規模以上であるもの 事業主体 <例:県内中小製造業の要件> 投資額が 3 千万円、増加する常時雇用労働者数 3 人以上 補助対象・補助率 ・通常分の補助金限度額:2~30 億円 ・環境・エネルギー分野の加算 <県の経済成長戦略における戦略的推進分野 > 投資固定資産額の 5/100 と操業開始から 1 年間 の賃借料の 25/100 の合計額(限度額 10 億円) <低炭素型産業>(国の低炭素型産業立地に係 る特定の補助金の交付決定事業であること。 ) 当該投資固定資産額の 5/100(限度額 10 億円) -2-242- 図表 No 1 島根県における環境・エネルギー関連事業(例)※最新情報は相談窓口に要確認 事業名 事業概要 太陽光発電等導入 事業概要 支援事業 市町村が個人や事業者に対して行う再生可能 エネルギー導入支援に対し補助を行う。 相談窓口 各市町村 事業期間 平成 24 年度 事業主体 市町村(間接補助) 補助対象・補助率 住宅用太陽光発電:1 万円/kW、上限 4 万円 事業所用太陽光発電:補助率 1/3、上限 20 万 円 図表 No 1 岡山県における環境・エネルギー関連事業(例)※最新情報は相談窓口に要確認 事業名 事業概要 温室効果ガス排出 事業概要 削減支援モデル事 事業場に係る省エネルギー診断を実施すると 業補助金 ともに、温室効果ガスの排出を削減するため の計画の作成や変更等を行う中小企業者に補 助を行う。 相談窓口 岡山県環境文化部 地球温暖化対策室 TEL:086-226-7297 FAX:086-231-8094 事業期間平成 24 年度 事業主体中小企業者 補助対象・補助率 補助率 1/3 以内、補助限度額 100 万円 2 岡山県電気自動車 事業概要 普及促進事業補助 電気自動車の普及促進のため、電気自動車用 金 充電設備の整備費を事業者に補助する。 事業期間平成 24 年度 事業主体県内に 1 年以上事業所を有する法人 岡山県環境文化部 地球温暖化対策室 TEL:086-226-7298 FAX:086-231-8094 補助対象・補助率 急速充電機器設置候補地:詳細未定 3 晴れの国おかやま 事業概要 メガソーラー設置 「晴れの国」の特長を活かした太陽光発電シ 促進補助金 ステムの普及を促進するため、大規模太陽光 発電施設(発電出力)1MW 以上)を設置し、 電気事業者に供給を開始した民間事業者に補 助する。 事業期間平成 24 年度 事業主体民間事業者 補助対象・補助率発電出力 1,000kW あたり 2,000 万円:県が公表した候補地 1,000 万円:上記以外 -2-243- 岡山県産業労働部 企業立地推進課 TEL:086-226-7374 FAX:086-225-3449 図表 No 1 広島県における環境・エネルギー関連事業(例)※最新情報は相談窓口に要確認 事業名 事業概要 ものづくり産業高 事業概要 度化推進事業(L 広島県立総合技術研究所 東部工業技術セン ED関連産業創出 ターに整備したLED等計測・評価試験室を 支援事業) 中心とした開発支援体制を充実させるととも に、産学官の連携体制を構築し、LED関連 産業の総合的な支援を行う。 相談窓口 広島県商工労働部 次世代産業課 事業期間 平成 24 年度 事業主体 広島県 補助対象・補助率 -(単県 986 千円) 図表 No 1 山口県における環境・エネルギー関連事業(例)※最新情報は相談窓口に要確認 事業名 事業概要 環境やまぐち省エ 事業概要 ネ事業所普及促進 一般住宅や事業所における太陽光発電・太陽 事業 熱利用システムや省エネ・グリーン化製品の複 合的導入を支援し、民生部門における CO2 排出 量の削減を推進する。 事業期間 相談窓口 山口県環境生活部 環境政策課 TEL:083-933-2690 FAX:083-933-3094 E-mail: [email protected] aguchi.lg.jp 平成 24 年度 事業主体 県 補助対象・補助率 環境やまぐち省エネ事業所普及促進事業 (エコオフィス補助金) 【補助要件】 ○太陽光発電システム:出力5kW 以上(必須) ○省エネ・グリーン化製品:3製品以上導入 ○導入経費:300万円以上 ○補助対象のうち、1製品以上を県産製品と し、施工は全て県内事業者 【補助率】 ○対象経費の1/3以内(上限 500 万円) -2-244- 資 (資料-1) 料 中小企業アンケート調査票 編 中国地域における中小企業工場エネルギー実態調査 アンケートへのご協力のお願い(ご案内文) 調 査 主 体:公益財団法人 ちゅうごく産業創造センター 調 査 機 関:中電技術コンサルタント株式会社 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 現在、(公財)ちゅうごく産業創造センターでは、中国地域における中小企業工場を対象に、地産エネル ギー(地域に存在するエネルギー〈再生可能エネルギー、副生水素、廃熱等〉)を活用したエネルギーマネ ジメントシステムの構築の可能性、及びその構築における中小企業参入・新産業創出の可能性についての 調査・検討を、産学官連携※)により進めております。 ※)山口大学を始め、中国経済産業局や地方自治体(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、広島市) 、民間事業者 の代表等からなる委員会を組織し、調査を実施しております。 本アンケートは、中国地域における中小企業工場のエネルギー消費や省エネルギーの取り組み、地産エ ネルギーの活用等の実態を把握するとともに、地産エネルギーを活用した中小企業工場のエネルギーマネ ジメントシステム構築の可能性検討に向けての基礎データを得るために実施するものです。 つきましては、大変ご多忙のこととは存じますが、何卒本調査にご協力下さいますよう宜しくお願い申 し上げます。 なお、本アンケートでは、東日本大震災の影響についても確認させていただいております。3 月 11 日に 発生した東日本大震災におきまして、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災さ れた皆さま、そのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。 敬 本アンケートの回答にあたっての留意点を裏面に記載しておりますので、回答前にご確認ください。 【アンケートに関するお問い合わせ】 本アンケートに関するお問い合わせがございましたら、下記までご連絡ください。 調査機関連絡先:中電技術コンサルタント株式会社(担当:山名、森) 〒734-8510 広島県広島市南区出汐 2-3-30 TEL:082-256-3352 FAX:082-256-1968 -2-246- 具 ■ 本アンケートの回答にあたっての留意点 ■ 本アンケートについて 本アンケートは、中国地域に本社所在地がある製造業の企業のうち、資本金の額又は出資の総額が 3 億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が 300 人以下の会社(いわゆる中小企業)にご協 力をお願いしております。 本アンケートは、 (公財)ちゅうごく産業創造センターが実施し、同センターから委託を受けた中電 技術コンサルタント(株)がアンケート票の回収・集計を行います。 アンケート結果の取り扱いについて 本アンケートの結果は、外部にデータが漏れることがないよう厳密に管理・保管します。 アンケート結果は統計的な処理等を行い、調査報告書としてとりまとめます。無断で個別の内容を 発表する等、ご迷惑をお掛けしたりすることは決してありません。 アンケート結果を基礎データとした調査報告書は、2012 年 5 月頃に(公財)ちゅうごく産業創造セ ンターのホームページで公表する予定です。中小企業工場を対象としたエネルギーマネジメントの 可能性について検討しておりますので、事業運営の参考にしてください。 アンケートの回答方法について アンケートは、以下に示す2つの回答方法があります。回答しやすい方を選択してご回答ください。 回答方法①:FAX回答 (1)封入されているアンケート調査票に回答を記載する (2)回答を記載したアンケート調査票をFAX送信する [FAX番号]082-256-1968 ⇒ 調査機関:中電技術コンサルタント(株) 山名 行き 回答方法②:インターネット回答 (1) (公財)ちゅうごく産業創造センターのホームページ[http://www.ciicz.jp/]にアクセスする (2)トップページの「トピックス」に記載の『中国地域における中小企業工場エネルギー実態調 査』をクリックする (3)アンケート回答用のユーザー名:ciicuser、パスワード:fems23 を入力する (4)画面の指示に従い、アンケートを回答する アンケート調査の締切について 平成 23 年 8 月 1 日(月)までに、上記の回答方法のどちらかによりご回答いただきますよう、宜し くお願い申し上げます。 -2-247- [FAX番号]082-256-1968 ⇒ 調査機関:中電技術コンサルタント(株) 山名 行き 1.東日本大震災の影響について 問1.東北地方、関東地方に貴社の事業所・工場はありますか? 1.東北地方に事業所・工場がある 2.関東地方に事業所・工場がある 3.東北・関東地方の両方に事業所・工場がある 4.どちらにも事業所・工場はない 問2.東北地方、関東地方に貴社の取引先はありますか? 1.東北地方に取引先がある 2.関東地方に取引先がある 3.東北・関東地方の両方に取引先がある 4.どちらにも取引先はない 問3.事業活動において、東日本大震災の影響はありますか? 1.現時点で影響がある 2.今後、影響がでる可能性がある 3.ほとんど影響はない ⇒問5へ 4.わからない ⇒問5へ 問4.影響がある(可能性がある)場合、具体的にどのような面に影響がありますか?(複数回答可) 1.雇用・人員配置 2.生産管理 3.資材・原材料調達 4.燃料調達 5.販売・受注 6.在庫管理 7.資金繰・資金決済 8.設備管理 9.物流・配送 10.情報・通信 11.その他( ) 問5.東日本大震災の影響により、貴社の設備投資計画に変更はありますか? 1.変更なし 2.変更あり(増強) 3.変更あり(中止・延期) 4.未定 問6.東日本を中心とした夏季の電力需給対策による節電の取り組み(使用最大電力を▲15%以上抑制)を 踏まえ、貴社の省エネルギーに関する意識に変化はありますか? 1.これまで以上に省エネ意識が高まっている 2.これまでと比べ省エネ意識に変化はない 3.わからない 4.その他( ) 次の質問からは、中国地域に立地する貴社の代表的な工場(1工場)についてご回答ください。 2.省エネルギー対策について 問7.貴社の代表的な工場では、日常業務において省エネ行動を行っていますか? 1.特に意識して行っている 2.ある程度行っている 3.できるところから少し行っている 4.あまり行っていない -2-248- [FAX番号]082-256-1968 ⇒ 調査機関:中電技術コンサルタント(株) 山名 行き 問8.貴社の代表的な工場では、どのようなエネルギー管理をされていますか?回答は中国地域の代表的 な工場としてください。 (項目ごとに○) 実施している 検討中である 実施していない ① エネルギー原単位の管理を実施している 1 2 3 ② エネルギー管理記録を有効に活用している 1 2 3 ③ 機器システムの効率を計測・管理している 1 2 3 ④ 省エネルギーの管理目標を設定している 1 2 3 問9.貴社の代表的な工場における設備保有状況と各設備の省エネ対策の可能性を教えてください。 (項目 ごとに○) 保有している 省エネの 可能性あり 省エネの 可能性なし 保有していない わからない ① 空調設備 1 2 3 4 ② 照明設備 1 2 3 4 ③ ポンプ・ファン 1 2 3 4 ④ コンプレッサー 1 2 3 4 ⑤ ボイラ 1 2 3 4 ⑥ 工業炉 1 2 3 4 ⑦ 蒸気系統 1 2 3 4 ⑧ 熱交換器 1 2 3 4 ⑨ 受変電設備 1 2 3 4 ⑩ 電動機 1 2 3 4 ⑪ 電気加熱設備 1 2 3 4 ⑫ 冷却設備 1 2 3 4 ⑬ 保冷・冷凍設備 1 2 3 4 問 10.設備投資を必要とする省エネ対策について、どの程度の費用負担なら実施可能と考えますか? 1.投資回収できれば 15 年を超えても実施する 2.10~15 年程度で投資回収できれば実施する 3.5~9 年程度で投資回収できれば実施する 4.1~4 年程度で投資回収できれば実施する 5.省エネ対策のためだけの投資は考えていない 6.その他( ) -2-249- [FAX番号]082-256-1968 ⇒ 調査機関:中電技術コンサルタント(株) 山名 行き 3.再生可能エネルギーの導入について 問 11.貴社の代表的な工場では、太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入していますか?導入している 場合は、その設備規模(定格出力等)を教えてください。(項目ごとに○) 導入していない 導入している 【導入している場合】 設備規模(定格出力等) ① 太陽光発電 1 2 ⇒ kW ② 太陽熱利用 1 2 ⇒ ③ 風力発電(小型) 1 2 ⇒ kW ④ バイオマス発電 1 2 ⇒ kW ⑤ バイオマス熱利用 1 2 ⇒ ⑥ 小水力発電 1 2 ⇒ ⑦ 地熱利用 1 2 ⇒ ⑧ 雪氷熱利用 1 2 ⇒ kW 問 12.再生可能エネルギーを導入している場合、その導入目的を教えてください。 (自由記述) 問 13.貴社の代表的な工場または工場周辺において、再生可能エネルギーとして活用できる(できそうな) 資源がありますか?(項目ごとに○)。 資源はない ① 排熱(ボイラ燃焼ガス等) ※活用方法:ヒートポンプ熱源等 ② 水流(工場排水等) ※活用方法:小水力発電等 ③ 木材(廃材等) ※活用方法:ボイラ燃料等 ④ 空屋根 ※活用方法:太陽光発電等 ⑤ 空地 ※活用方法:太陽光発電等 ⑥ 副生水素 ※活用方法:燃料電池等 資源がある 【資源がある場合】 資源量(熱量・水量・面積等) 1 2 ⇒ (熱量等) 1 2 ⇒ (水量等) 1 2 ⇒ (重量等) 1 2 ⇒ (面積等) 1 2 ⇒ (面積等) 1 2 ⇒ (体積等) -2-250- [FAX番号]082-256-1968 ⇒ 調査機関:中電技術コンサルタント(株) 山名 行き 4.エネルギー使用実態について 問 14.貴社の代表的な工場における年間のエネルギー使用量を、燃料、電力、その他の分類で教えてくだ さい。 (ご回答いただける範囲で結構です) 年間使用量 1.燃料 2.電力 3.その他 単位 灯油 kL ガソリン kL 軽油 kL A重油 kL B・C重油 kL LPG t ※回答しやすい単位の欄に記入し てください Nm3 商用電力(電力会社より購入) 千 kWh 自家発電 千 kWh ( ) ( ) ( ) ( ) 5.エネルギーマネジメントシステム(FEMS)について 問 15.工場全体のエネルギーの効率的利用を行うためのマネジメントシステムであるFEMS注1)につい て、そのようなシステムやサービスがあった場合に利用したいと思いますか? 1.利用したい(導入可能性大) 2.利用したい(興味がある) 3.利用したいとは思わない 4.わからない 注1)FEMS(Factory Energy Management System)とは・・・ 従来行われてきた受変電設備のエネルギー管理に加えて工場における生産設備のエネルギー使用状況・稼働状 況を把握し、エネルギー使用の合理化および工場内設備・機器のトータルライフサイクル管理の最適化を図る ためのシステムである。FEMSのシステム機能は、生産設備と連動した生産数・消費電力などのデータを収 集する「データ収集機能」 、エネルギー実績・原単位などのデータベースを管理する「データベース管理機能」 、 パソコンなどによる「監視・管理機能」によって構成される。 問 16.貴社の代表的な工場でFEMSを導入する場合の条件はありますか?(最大3つに○) 1.投資に要した費用が省エネで回収できるのであれば 2.FEMS導入に対する補助金制度があったら 3.設備機器の改修・更新時期を迎えたら 4.投資のための資金調達ができたら 5.FEMSの導入事例が増えたら 6.その他( ) -2-251- [FAX番号]082-256-1968 ⇒ 調査機関:中電技術コンサルタント(株) 山名 行き 問 17.貴社の工場で生産している製品について、省エネルギーや新エネルギー、エネルギーマネジメント 等の関連製品がありましたら簡単にご紹介ください。また、環境・エネルギー分野に関して大学・ 研究機関や関連企業との新製品開発等の共同研究に加わりたい意向はありますか。 (自由記述) 6.貴社の属性について 問 18.貴社の属性について教えてください。(直接記入) 企業名 所在地 (本社) 県 市・町・村 所在地 (主な工場) 県 市・町・村 業種番号 (下表参照) 注2)主な業種番号を1つだけ 主要製品 年間生産出荷額 (中国地域の代表的な工場) 億円/年 工場従業者数 (派遣・パート含む) 省エネ法 事業者区分 1.第一種特定事業者 3.省エネ法対象外事業者 2.第二種特定事業者 4.わからない 回答者 所属・氏名 連絡先(TEL) 注2)業種番号 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 業 種 番号 食料品製造業 9 飲料・たばこ・飼料製造業 10 繊維工業 11 木材・木製品製造業(家具を除く) 12 家具・装備品製造業 13 パルプ・紙・紙加工品製造業 14 印刷・同関連業 15 化学工業 16 業 種 石油製品・石炭製品製造業 プラスチック製品製造業 ゴム製品製造業 なめし革・同製品・毛皮製造業 窯業・土石製品製造業 鉄鋼業 非鉄金属製造業 金属製品製造業 番号 17 18 19 20 21 22 23 24 業 種 はん用機械器具製造業 生産用機械器具製造業 業務用機械器具製造業 電子部品・デバイス・電子回路製造業 電気機械器具製造業 情報通信機械器具製造業 輸送用機械器具製造業 その他の製造業 以上でアンケートは終了です。ご協力ありがとうございました。 ※ 本アンケート結果を基礎データとした調査報告書は、2012 年 5 月頃に(公財)ちゅうごく産業創造セ ンターのホームページで公表する予定です。 -2-252-
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