お客さまの声レポート

2009 年度 (2009 年 4 月~2010 年 3 月)
お客さまの声レポート
2010 年 7 月 30 日
富士火災海上保険株式会社
当社では、「お客さまの声」を起点に業務品質の改善・改革をしていくために、以下の通り「お客さまの声」収集・管理態
勢を整備・強化するとともに、「お客さまの声を起点にした品質改善 PDCA」活動に積極的に取り組んでいます。
【お客さまの声収集・管理態勢の整備・強化】
・ 2007 年 5 月 「不満足の表明」をされたお客さまの声を苦情とするよう定義を変更
・ 2008 年 4 月 コールセンターに入電した「不満足の表明」を、システム的に苦情として抽出するプログラムを導入
・ 2008 年 4 月 「お客さまの声室」を設置し、分析・評価態勢を強化
「お客さまの声データベース」の運用を開始し、お客さまの声管理態勢を整備
・ 2009 年 2 月 コールセンターおよび代理店に寄せられたお客さまの声収集態勢を強化
【お客さまの声受付け態勢強化】
富士火災 お客さまの声室
0120-246-145
(携帯電話・PHS からもご利用になれます)
平日 午前 9:00~午後 7:00
土・日・祝日 午前 9:00~午後 5:00
(年末年始を除きます)
・ 2007 年 7 月 「お客さまの声室」の平日受付時間を 2 時間拡大し、午前 9:00 から午後 7:00 までとする
土曜日 午前 9:00~午後 5:00 の受付けを開始
・ 2008 年 1 月 日曜日・祝日 午前 9:00~午後 5:00 の受付けを開始 (年末年始除く)
・ 2008 年 4 月 携帯電話、PHS からのフリーダイヤル接続に対応
【お客さまの声を起点にした PDCA サイクル活動の展開】
収集・分析した「お客さまの声」は、当社の全本社部門で情報共有し、
日々「お客さまの声」情報を基にした業務改善に活用しています。
また、社長の直轄組織である経営企画部が、「VOC(お客さまの声)
会議」を定期的に開催し、全社的な業務品質の改善に努めています。
【お客さまの声レポート】
この「お客さまの声レポート」は、「お客さまの声(苦情・お褒めの言葉)」の概況、「お客さまの声を基にした改善事例」につ
いて取りまとめ、四半期単位で開示しています。
また、保険金をお支払いできない事案に対する判断の適切性を審査する「保険金支払業務審査委員会(社外委員 4 名
を含む)」の審査実施状況を併せて公開しています。
1
1.「お客さまの声」受付状況
2009 年度「お客さまの声」 受付状況は以下の通りです。
・ お寄せいただいた苦情に対しては、真摯に解決のための対応を行っております。
・ 併せて、苦情を含む「お客さまの声」は、本社部門において共有化し、「お客さま起点」での業務品質改善の取り組
みに活用しています。
(1) 2009 年度「お客さまの声」概況
2009 年度 <件>
「お客さまの声」区分
①ご契約手続き業務
②商品・ツール
苦情
③ご契約の管理業務
④保険金お支払い業務
⑤その他
合
計
第1四半期
第 2 四半期
第 3 四半期
第 4 四半期
4~6 月
7~9 月
10~12 月
1~3 月
前年
同期
増減
合計
991(523)
1,086(482)
1,024(456)
1,270(715)
4,371(2,176)
101%
219(78)
225(83)
179(72)
233(176)
856(409)
109%
1,557(547)
1,536(561)
1,591(578) 1,637(1,097)
6,321(2,783)
127%
836(478)
732(488)
768(527)
728(634)
3,064(2,127)
44%
118(60)
104(43)
114(56)
118(202)
454(361)
26%
3,721(1,686) 3,683(1,657) 3,676(1,689) 3,986(2,824)
15,066(7,856)
92%
(
なお、四半期ごとの苦情受付件数推移は以下の通りで
す。
)内は前年同期件数
苦情受付件数推移(2008年度・2009年度)
4,500
3,986
・ 2010 年 1 月~3 月の苦情受付件数は 3,986 件でした。 4,000
3,721
3,683
3,676
前年同月に比べての件数増加は、2009 年 2 月にコー 3,500
2,824
3,000
ルセンターからお客さまの声室への苦情情報提供ルー 2,500
2,000
ルの見直しを行ったことが主な要因です。
・ 2009 年度は、コールセンターに入電した「お客さまから
の不満の表明」をシステム的に抽出し、苦情として登録
2008年度
2009年度
1,657
1,686
1,689
1,500
1,000
500
0
しています。
4月~6月
申立内容別の苦情件数は次の通りです。
7月~9月
10月~12月
1月~3月
申立内容別苦情件数(2009年度)
・ 2009 年度は「ご契約の管理業務」が最も件数が多くな 1800
っています。
1500
1200
詳細は、「(2)代表的な苦情と業務区分ごとの受付
900
状況」をご覧下さい。
600
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
1637
1,557
1591
1536
1270
1086
991 1024
836
768
728
732
225 233
219 179
300
118 114118
104
0
①ご契約
手続き業務
2
②商品・ツール
③ご契約の
管理業務
④保険金
お支払い業務
⑤その他
(2) 代表的な苦情と業務区分ごとの受付状況
お申出内容区分
ご契約の継続手続き
ご契約手続き業務
募集行為
ご契約内容・条件の説明
代表的な苦情
・継続案内のご送付遅れ
・継続手続きの遅れ・漏れなど
・契約手続きにおけるご契約者のご同意不十分
・契約手続きに関するご不満など
・商品内容のご説明不足
・補償条件等のご説明不足・漏れなど
2009 年度
(前年度)(件)
前年度
増減
1,106(605)
83%
642(375)
71%
1,686(724)
133%
ご契約の引受
・引き受け条件、制限に関するご不満など
75(69)
9%
保険料誤り
・建物構造級別適用誤り
・地震保険建築割引適用誤りなど
93(82)
13%
接客態度
・契約・募集手続きの際のマナーに関するご不満など
147(95)
622(226)
55%
175%
4,371(2,176)
101%
749(354)
107(55)
112%
95%
856(409)
109%
・保険証券が届かない
375(128)
193%
・口座振替変更手続き遅れ
・保険料口座振替不能の連絡遅れ・漏れなど
・契約内容変更手続きの遅れ
・車両入替手続きの遅れ・漏れなど
・解約手続きの誤り、返れい保険料誤り
・解約手続きの遅れ・漏れなど
711(296)
140%
1,469(698)
110%
1,862(912)
104%
106(47)
126%
254(148)
72%
1,544(554)
179%
6,321(2,783)
127%
470(441)
7%
1,424(912)
56%
その他
小計
商品
商品・サービス
・商品内容・サービス内容に関するご不満など
証券・パンフレット等
・証券・パンフレットの内容がわかりにくいなど
小計
証券未着
ご契約の管理業務
分割払・口座振替手続き
ご契約の変更手続き
ご契約の解約手続き
満期返戻
・満期時の返戻金お受け取りに関するご不満など
接客態度
・契約の管理・保全に関する手続きの際のマナーに関
するご不満など
その他
小計
保険金お支払い業務
示談関係
ご連絡の遅れ・手続き方法
・医療費、休業損害、修理費の認定額に対するご不満
・過失割合の決定に関するご不満など
・社員からの連絡の遅れ、経過などのご説明が不十分
・保険金のお支払についてのご説明不足など
お支払いの可否
・保険金が支払われないことへのご不満
147(113)
30%
接客態度
・専門用語を使われ、分かりにくい
・被害者に対する対応が事務的すぎるなど
247(200)
24%
776(461)
68%
3,064(2,127)
44%
174(94)
280(267)
85%
5%
454(361)
15,066(7,856)
26%
92%
その他
小計
その他
お客さま情報管理
・個人情報の取扱に関するご指摘
その他
小計
合計
●ご契約管理の業務では、「ご契約の変更・解約手続き」に関する苦情の件数が多くなっています。また、商品では、商品
内容・サービス内容に関するご不満が多く寄せられています。これらの苦情発生の原因を減少させていくために、原因
を分析し、改善に向けたPDCA活動(P1 参照)を実施しています。
3
2.2009 年度の「お客さまの声」を基にした改善事例
改善課題
「らくトクねっと(賃貸住
宅総合保険)」の当社内
システムの改善につい
て (システム)
コールセン ターで受付
けたお客さまからのお
申出の管理について
(業務フロー)
満期時における継続手
続きに関する業務につ
いて
自賠責保険満期案内ハ
ガキの文言の追加・修
正について(商品・ツー
ル)
保険証券払込方法欄の
「長期年払」という文言
の修正について(商品・
ツール)
お客さまの声
改善事例
改善日
携帯電話から「らくトクねっと」を利用して賃貸
住宅の火災保険の申込みをした。□□コンビ
ニで保険料を支払いすることを選択したが、□
□コンビニでの支払番号が分らない。支払番
号を控えていなかった。
お客さまセンター(コールセンター)に聞いても
支払番号が分らない。「再度保険の申込み手
続きをして新たに支払番号を取得してくださ
い」ではなくて、お客さまセンターではお客さま
からの問合せに対して回答できるようにしてお
くべきではないか。
携帯電話から「らくトクねっと」を利用して保険を
お申込みいただいたお客さまからお問合せを
受けた場合に、きちんとしたお応えができるよ
う、当社お客さまセンター(コールセンター)と代
理店のシステムから「お客さまが選択したコン
ビニ名」「コンビニでの支払番号」の情報が取得
できるよう、システムの改善をしました。
2009/6
コールセンターへ連絡したところ、支店の担当
者から至急連絡させると言っていたのに連絡
がこない。担当者にはきちんと申出が伝わっ
ているのか。
コールセンターがお客さまからのお申し出をお
預りした場合、コールセンターは「連絡票」を作
成して各支店等へ連絡しています。
今回、お客さまとのお約束事項等が記載されて
いる重要な「連絡票」の管理ルールを新たに策
定し、十分な管理の下で、きちんとお客さまとの
連絡をとらせていただくよう業務フローの改善
をしました。
2009/6
「契約の満期をもう直ぐ向かえるが、満期の案
内もなく継続手続きがなされていない。」
「継続契約時における私の意思確認を十分に
行ってもらえなかった。継続時の対応に不満
が残っている。」
保険契約の満期管理等の募集ルールの適正
化を徹底するため、継続的な研修を通じて、満
期のご案内の遅れや放置、継続時にかかる不
十分な意思確認など、問題の再発防止に向け
て日々取組みの徹底を図っています。
①営業部門の全社員を対象にした「e-ラーニ
ング研修」の実施。
②営業職員(プロフェッショナル アドバイザー)
を対象とした研修(パソコン会議方式)の実
施。
2009/10
継続契約ご希望のお客さまが、自賠責保険満
期案内ハガキを持って当社の支店へご来店。
前契約が登録番号のみの原付バイク契約だっ
たため、車台番号の確認を申し出たところ、お
客さまより「案内ハガキに必要書類の記載が
あれば、持ってきたのに。」とのご意見をいた
だきました。
「ご継続の際は車台番号を確認させていただく
ため、『標識交付証明書』、『軽自動車届出済
証』等公的書類をご用意ください。」という文言
を追加しました。
2009/12
自賠責保険満期案内ハガキをご覧になったお
客さまより「自賠責保険に加入しなかったら『6
点減点』されると記載されているが、運転免許
証の違反点は加算式(累積点数)のため、『6
点加算』されると記載すべきでは?」とのご意
見をいただきました。
「自賠責保険に加入しないで運行されますと、
法律により罰せられますのでご注意ください。」
という文言に修正しました。
2009/12
証券の払込方法欄に記載された「長期年払」
という文言を見たお客さまが、3年間分の保険
料をすでに一括で支払完了しているものと勘
違いしてしまいました。
今般の商品改定と同時に文言の見直しを行
い、「長期契約(年払)」という表現に修正しまし
た。
2009/12
4
改善課題
ライフパートナーα(賃
貸住宅総合保険)解約
手続き機能の充実化に
ついて (システム)
お客さまへご自身の個
人情報をお送りする際
の留意点について(個
人情報)
お客さまの声
改善事例
改善日
賃貸住宅から翌月に退去予定のお客さまより
①「今のマンションは退去1ヶ月前に不動産会
社に通知しなければならないので、退去通
知の際、保険(ライフパートナーα)も1ヵ月
後の解約でお願いしたいと申し出たが、1ヶ
月先の解約を受付してもらえず、めんどう
だった。」
① ライフパートナーα(団体扱 12 回払を除く)に
ついては、依頼日から2ヶ月先までの解約手
続きができるシステムに変更しました。
(2010 年 3 月より実施)
①
2010/3
②「また、解約返戻金も1週間前にならないと
金額が照会できないと言われた。」
とのご意見をいただきました。
② 同様に解約返戻金の照会についてもシステ
ムを改修し、2ヶ月先までご案内できる体制
にしました。
②
2010/2
代理店が独自に作成した案内ハガキを受け取
ったお客さまより「個人情報が書かれている
が、ハガキだと契約者以外の者でもすぐ内容
が見られるので問題あり。」とのご意見をいた
だきました。
個人情報管理の重要性と個人情報を取り扱う
際の留意点を、代理店に対して改めて周知す
るとともに、シークレット化されていないはがき
等を使用する場合はシークレットラベルを貼付
したり封書で郵送するなど、具体的な例を挙げ
て個人情報の送付方法を指導しています。
2010/3
5
3.適正な保険金お支払いのための審査実施状況
当社では、保険金をお支払いできない事案や、このことが原因で苦情を申立てられた事案に対する判断の適切性を検
証するために、保険金支払業務審査委員会(社外委員 4 名を含みます)を 2007 年 2 月 28 日より毎月開催しています。
2009 年度第 4 四半期は 3 回開催し、89 件の審査を行ないました。また、本委員会の審査結果は、経営会議および監査
委員会に定期報告しています。
2009年度第4四半期は、審査の結果、88件を「適切」、1件を「再調査」と裁定しました。
(1) 審査委員会の実施状況
審査事案
2007 年度
2008 年度
2009 年度
合計(件)
始期前発病(注 1)
37
73
104
214
免責条項(注 2)
38
71
60
169
告知義務違反(注 3)
58
87
108
253
その他
42
68
70
180
合計
175
299
342
816
(注1)始 期 前 発 病:保険始期(補償開始日)前に発病していた疾病に関しては保険金のお支払いはできません。
(注2)免 責 条 項:当社が「保険金を支払わない場合」に定めている事由(免責)に関しては保険金のお支払いはできません。
(注3)告知義務違反:お客さまが保険ご加入に際して当社が告知をお願いした事項に正しく回答頂けなかった場合は、保険契約を解除
し、保険金のお支払いはできません。
(但し、請求された疾病と告知されなかった疾病との因果関係がない場合はお支払の対象となります。)
(2) 審査委員会の事例
保険の種類
判断のポイント
事案の概要と審査の結果
グループ傷害保険
(入院医療保険金)
≪始期前発病≫
・保険責任開始前に発病
しているか
ご請求いただいた疾病(左眼白内障)について、発病時
より継続して診察してきた医師の診断書により、保険責任
開始前に発病していたことが判明しました。
以上から、保険始期前発病に該当し、保険金のお支払
い対象とはならないと判断しました。
医療保険
≪免責条項≫
・H6.10.12 総務庁告示第
75 号に定められた分類
項目中の分類番号が
F00 から F99 に規定さ
れ た 精神 病の 疾病に
該当するかどうか
ご請求いただいた疾病(統合失調症)について、発病時
に診察した医師への確認をした結果、分類番号が「F20」
に該当することが判明しました。
以上から、免責条項に該当し、保険金のお支払い対象
とはならないと判断しました。
≪告知義務違反≫
・告知されなかった疾病
があるか
・告知されなかった疾病
と保険請求の疾病に因
果関係があるか
大腸ポリープで保険金のご請求をいただきましたが、調
査の結果、告知日以前に高コレステロール血症と診断さ
れ、継続して通院し投薬を受けておられる事実を確認しま
した。
しかしながら、ご請求の疾病と高コレステロール血症に
は因果関係のないことが確認されましたので、医療保険
金はお支払いをすることが適切であると判断しました。
但し、ご契約時に当社へ高コレステロール血症に関す
る告知をしていただいていない事実が判明したため、告知
義務違反として契約を解除させていただきました。
医療保険
6