新規ペプチドの機能性を応用した蛋白質安定化技術の開発

平成20年度 青森県産業技術センター工業部門事業報告書
新規ペプチドの機能性を応用した蛋白質安定化技術の開発
− 長期間安定な植物ウイルス診断キットの開発−
Development of protein stabilization technology by applying functionality of
new peptide
–Development of plant virus diagnosis kit steady for a long term–
内沢秀光、櫻庭麻恵、奈良岡哲志、山下一夫 * 、白川和浩 ** 、福井達浩 **
( * 青森県農林総合研究センター畑作園芸試験場、 ** 株式会社福島商店)
抗体や酵素は広く産業に活用されているが、蛋白質であるために一般に安定性が悪いことが弱点
である。一方、当センターでは、シジミエキス中に見出した新規ペプチド *1 に高い蛋白質安定化効
果があることを明らかにした。本研究では、県内企業の新製品開発による事業拡大を目的に、シジ
ミ由来新規ペプチドの酵素や抗体に対する安定化効果を検討し、長期間安定な植物ウイルス診断キ
ットの開発を行った。結果は以下のとおり。
1. 西洋ワサビペルオキシダーゼが標識されたヤギ抗ウサギ IgG 抗体に対する 37℃保存における
新規ペプチドの安定化効果を検討した。その結果、12 週間後でも反応性が 50%保持され、高い
安定化効果が示された(表)。
2. ウサギ抗キュウリモザイクウイルス抗血清に対する新規ペプチドの安定化効果を検討した結
果、室温保管では 1 ヶ月以内で失活する抗血清が、新規ペプチドの添加により 12 ヶ月以上安定
に保存できることがわかった。これにより、室温でも長期保存可能な植物ウイルス診断キット
を開発することができた(写真)。
現在、多くの検査キットに汎用されているヤギ及びウサギ由来の抗体もしくは抗血清に対して、
高い安定化効果が示されたことから、各種の抗体利用製品への広範な活用が期待される。
*1
新規ペプチド:アミノ酸のβ-アラニン 1 個とオルニチン 2 個が結合したトリペプチド(β-Ala-Orn-Orn)
で、当センターで発見し"アコルビン、acorbine"と命名した。
表 抗体*2の37℃保存における新規ペプチドの安定化効果
安定化剤
反応性(
反応性(%)
0日
1週
3週
6週
12週
12週
新規ペプチド
新規ペプチド(
ペプチド(1mM)
mM)
100
100
87
72
50
牛血清アルブミン
牛血清アルブミン(
アルブミン(1%)
100
65
48
41
14
安定化剤無添加
100
28
3
1
1
*2 西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体
植物ウイルス診断キットの商品イメージ
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平成20年度 青森県産業技術センター工業部門事業報告書
1.はじめに
抗原と抗体との特異的な反応を利用することで、目的物質を高精度に検出あるいは定量すること
が可能であることから、抗原抗体反応を利用した多くの臨床診断、食品分析、環境分析キットが商
品化されている。しかし、抗体は保存安定性が低く、常温で保存すると反応性が低下する傾向があ
ることから、溶液中での保存は専ら冷凍や冷蔵によることが一般的である。また、植物ウイルスの
感染を簡便に判別できる方法として抗原抗体反応を利用したイムノクロマト法が開発されている 1)。
この方法は、容易にかつ確実に感染を診断することができるが、目的とする植物ウイルスと結合す
る抗体を担持させた着色粒子の分散液(移動相)を室温保管しておくと著しく抗体との反応性が低
下し、冷蔵保管する必要がある。このことは、野外において使用する時はクーラーボックス等が必
要となるばかりでなく、製品を常温で市場に流通させることができず、販売上の大きな障害にもな
る。一方当センターでは、シジミエキス中に見出した新規ペプチド 2) に高い蛋白質安定化効果が有
ることを明らかにした。本研究では、シジミエキス由来新規ペプチドの酵素や抗体に対する安定化
効果を応用し、イムノクロマト法による室温保存可能な植物ウイルス診断キットを開発したので報
告する。
2.実験方法
2.1 酵素標識抗体に対するシジミエキス由来新規ペプチドの安定化効果
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体溶液にシジミエキス由来新規ペ
プチド(アコルビン、β-Ala-Orn-Orn) 2) を添加し、ウサギ IgG と HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗
体との反応性において、新規ペプチドの抗体に対する安定化効果を検討した。
(1)HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体溶液の調製法および保存試験
安定化剤としてシジミエキス由来新規ペプチド、牛血清アルブミン(BSA)、アルギニンエチルエ
ステルを用い、0.15M NaCl、0.05% Tween20 および防腐剤として 0.05% プロクリン 300 を含む 50mM
Tris-HCl 緩衝液(pH7.5)(P-TBS)に溶解させて、設定した濃度に調製し、0.22μm フィルターで
濾過した溶液を試験溶液とした。HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体(CHEMICON INTERNATIONAL)を上
記試験溶液で 10000 倍希釈した溶液を保存試験に用いた。試験当日(スタート)、37℃で保存した 1
週間後、3 週間後、6 週間後、12 週間後における HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体の活性を測定し、
安定化効果を評価した。各試験溶液は室温(20~25℃)に戻してから活性測定に使用した。
(2)HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体の活性測定方法
固相化ヤギ抗ウサギ IgG 抗体プレート(Reacti-Bind TM Goart Anti-Rabbit IgG Coated Plates,
PIERCE)の各ウエルに 1%BSA を含む P-TBS(BSA 溶液)を 100μl ずつ加え、次に BSA 溶液で 100ng
/ml に希釈したウサギ IgG(CHEMICON INTERNATIONAL)を 20μl ずつ加え、37℃で 60 分間静置し
て抗原抗体反応を行った。ブランクは BSA 溶液とした。反応終了後、P-TBS で各ウエルを 4 回洗浄
し、上記により保存試験に供した HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体溶液を 100μl ずつ加え、37℃で
60 分間静置して抗原抗体反応を行った。反応終了後、P-TBS で各ウエルを 4 回洗浄し、ペルオキシ
ダ ー ゼ の 基 質 と し て テ ト ラ メ チ ル ベ ン ジ ジ ン 溶 液 ( SureBlue TM TMB Microwell Peroxidase
Substrate, KPL)を 100μl ずつ加え、37℃で 30 分間反応させ、青色に発色させた。30 分後、各
ウエルに 1N HCl を 100μl 加えて反応を止めた。この時、溶液は青色から黄色に変化し、波長 450nm
の吸光度をマイクロプレートリーダー(iEMS Reader MF、大日本製薬)で測定した。
2.2
抗体感作ラテッックスに対するシジミエキス由来新規ペプチドの安定化効果
植物ウイルスの一種であるキュウリモザイクウイルス(CMV)を抗原とし、同ウイルスをウサギ
に接種することにより作製した CMV 抗血清を用いたイムノクロマト法における、新規ペプチドの抗
体に対する安定化効果を検討した。
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(1)プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体の調製方法 1)
プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体の調製は、イムノクロマト検出ろ紙固定化用に白色
ラテックス(Immutex S080-02-120,日本有機合成ゴム)を、検出用にピンク色ラテックス(Immutex
G0304CR,日本有機合成ゴム)を用い、100μg/ml に調製したプロテインA溶液(ナカライ)と等
量の 0.5%白色ラテックスあるいは 1%ピンク色ラテックスを混合し、160rpm で 2 時間、室温で振と
うした後、10,000×g で 10 分間遠心分離した。得られた沈殿に洗浄用緩衝液(0.45% NaCl および
0.1%BSA を含む 0.05M Tris-HCl 緩衝液、pH7.0)を加えて懸濁し、遠心・懸濁の操作を 4 回繰り返
し洗浄した。次に、洗浄用緩衝液に懸濁した白色プロテインAラテックスあるいはピンク色プロテ
インAラテックスに、洗浄用緩衝液で 50~100 倍に希釈した CMV 抗血清希釈液を加え混合して、4℃
に一晩静置し結合させた。前述の洗浄操作を繰り返し,最後に 1ml の洗浄用緩衝液に懸濁して白色
プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体あるいはピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテッ
クス媒体とした。
(2)固定相の作製方法
イムノクロマト検出用ろ紙にはガラス繊維ろ紙 GF/A(Whatman)を用い,同ろ紙の上部に溶液吸
収用ろ紙としてガラス繊維ろ紙 GA100(Advantec)を重ねた。固定化用の白色プロテインA吸着型
抗体感作ラテックス媒体を、ろ紙幅 1cm 当たり 15~20μl になるように検出ろ紙の下側から 17~
18mm の位置に面相筆を用いて 1mm 幅で画線するように吸着固定し、乾燥させた。白色 PPC ラベルシ
ート(KOKUYO)端から 1mm の位置に検出ろ紙下側を揃えて張り付け、さらに検出ろ紙下側端から 5mm
あけて透明 PPC ラベルシート(KOKUYO)をのせてカバーした。作製した固定相は、5~10mm 幅にな
るように切断し、室温のデシケーター内に保存した。
(3)移動相試験液の調製方法
新規ペプチドおよび安定化剤の代表としてアルギニンエチルエステルを試験物質として用い、検
出用ピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体に添加し、移動相試験液とした。移動相
試験液を 5℃冷蔵庫および 24℃の恒温器に静置し、試験当日(スタート)、2 週間後、1 ヶ月後、2
ヶ月後、3 ヶ月後、6 ヶ月後、10 ヶ月後、12 ヶ月後における反応性を測定し、試験物質の安定化効
果を評価した。24℃は、室温保管を想定した区分である。
(4)移動相(検出用ピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体)の活性測定方法
100μg/ml に調製した CMV 溶液 100μl を、上記(2)により作製した固定相に吸収・展開させ
て固定化白色ラテックス粒子と抗原抗体反応させた後、速やかに保存試験実施済みの試験物質を含
む移動相試験液(検出用ピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体)100μl を、ろ紙に
吸収・展開させた。室温に数分間放置し、ろ紙上の固定化白色ラテックス粒子の抗体に結合した CMV
とピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテックス粒子の抗原抗体反応により生じるろ紙上のピン
ク色の着色線の有無およびその濃淡を、作製直後の移動相の着色の程度を対照として比較し、反応
性を評価した。
(5)CMV 感染キュウリ葉片を用いた移動相(検出用ピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテッ
クス媒体)の活性測定方法
CMV の感染による明瞭な病徴が認められるキュウリの葉片(約 100mg)に、磨砕用緩衝液(0.1%
2-メルカプトエタノール、10mM EDTA、0.15% ポリビニルピロリドン、0.1% BSA を含む 0.1M リン
酸緩衝液、pH7.0)を 1ml 加え、磨砕し、得られた粗汁液 100μl を上記(2)により作製した固定
相に吸収・展開させて、上記(4)と同様の方法により抗体の反応性を評価した。即ち、粗汁液を
展開し固定化白色ラテックス粒子と抗原抗体反応させた後、速やかに新規ペプチドを添加して保存
試験実施済みのピンク色の移動相 100μl をろ紙に吸収・展開させた。室温に数分放置し、ろ紙上
の固定化白色ラテックス粒子の抗体に結合した CMV とピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテッ
クス粒子の抗原抗体反応により生じるろ紙上のピンク色の着色線の有無およびその濃淡を、作製直
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平成20年度 青森県産業技術センター工業部門事業報告書
後の移動相の着色の程度を対照として比較し、移動相に含まれる抗体の反応性を評価した。
3.結果及び考察
3.1
酵素標識抗体に対するシジミエキス由来新規ペプチドの安定化効果
新 規 ペ プ チ ド の 安 定 化 効 果 を 、 HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体の反応性、即ちペルオキシダ
ーゼの残存活性を測定することにより評価した。ペルオキシダーゼの残存活性は、試験溶液調製当
日の試料を用いて測定した吸光度に対する、保存試験に供した試験溶液を用いて測定した吸光度の
比を、百分率(%)で示した。測定波長には 450nm を用いた。ペルオキシダーゼの残存活性が高い
ほど、試験物質の抗体に対する安定化効果が高いことを示している。
各試験物質におけるペルオキシダーゼの残存活性の結果を表1に示した。37℃、1 週間保存にお
いて、HRP 標識ヤギ抗ウサギ IgG 抗体の残存活性は、対照(添加物無し)では 28%、1%BSA 添加で
は 65%であり、活性は低下した。一方 0.1mM 新規ペプチドでは 44%であったが、1mM 新規ペプチド
では残存活性が 100%であり、活性低下が見られなかった。3 週間後、6 週間後においても、新規ペ
プチド添加区分は高い残存活性を示した。12 週間後においては、無添加では 1%、BSA 添加では 14%
であったが、1mM 新規ペプチド添加区分では残存活性が 50%であり、極めて高い安定化効果が示さ
れた。なお、従来から蛋白質安定化効果が知られているアルギニンエチルエステルでは、1mM 添加
区分で 6 週間以後の残存活性が 1%であり無添加の場合とほとんど変わらず、本実験条件下における
安定化効果は認められなかった。
表1
抗体の 37℃保存における新規ペプチドの安定化効果
残存活性(%)
試験物質
新規ペプチド
BSA
アルギニンエチルエステル
対照(添加物無し)
3.2
濃度
スタート
1W
3W
6W
12W
0.1mM
100
44
15
3
1
1mM
100
100
87
72
50
1%
100
65
48
41
14
0.1mM
100
31
4
1
1
1mM
100
33
6
1
1
100
28
3
1
1
抗体感作ラテックスに対する新規ペプチドの抗安定化効果
CMV を抗原とし、同ウイルスをウサギに接種することにより作製した CMV 抗血清を用いたイムノ
クロマト法における新規ペプチドの抗体に対する安定化効果を検討した。前述の実験方法のとおり、
ま ず 白 色 の プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体を調製しておき、作製した固定相に固定
しておいた。そ し て 、新規ペプチドおよび安定化剤の代表としてアルギニンエチルエステルを試験
物質として、検出用ピンク色プロテインA吸着型抗体感作ラテックス媒体に添加し、5℃冷蔵庫あ
るいは 24℃の恒温器に静置し、試験当日(スタート)、2 週間後、1 ヶ月後、2 ヶ月後、3 ヶ月後、6
ヶ月後、10 ヶ月後、12 ヶ月後における反応性を測定し、試験物質の安定化効果を評価した。結果
を表2に示す。5℃に保存した 2mM の新規ペプチドを含有させた移動相試験液は、12 ヶ月後でも反
応が認められ、新規ペプチドに、抗体に対する高い安定化効果が示された。24℃における保存試験
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平成20年度 青森県産業技術センター工業部門事業報告書
の結果を表3に示す。対照(添加物なし)およびアルギニンエチルエステルを添加した区分は、2
週間後には反応が極めて弱くなり、1 ヶ月後には発色が認められなかった。一方、2mM の新規ペプ
チドを添加した区分は、12 ヶ月後でも着色が認められ、新規ペプチドにおける抗体に対する高い安
定化効果が示された。さらに、実際に CMV に感染したキュウリの葉片を用いて同様の反応性を調べ
た結果、24℃で 12 ヶ月間安定であることが分かった。
表2
抗体感作ラテックス 4℃保存における新規ペプチドの安定化効果
対照
期間
アルギニンエチルエステル
新規ペプチド
( 添加物無し )
2m M
5mM
10mM
2mM
5m M
10mM
スタート
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
2W
±
±
±
±
+ ++
-
-
1M
-
-
-
-
+ ++
-
-
2M
-
-
-
-
+ ++
-
-
3M
-
-
-
-
+ ++
-
-
6M
-
-
-
-
++
-
-
10 M
-
-
-
-
++
-
-
12 M
-
-
-
-
++
-
-
+ ++
++
+
ラ テッ ク ス調 製後、 冷蔵保存 1 ヶ月以内の反応と同程度
着色は薄いが確認できる程度
反応直後の濾紙が濡れた状態で、陽性発色をわずかに確認できる程度
± 反応直後の濡れた状態では発色を確認できないが、乾燥すると確認できる程度
- 乾燥しても発色を確認できない
4.まとめ
植物ウイルス診断キットにおける移動相の保存安定性試験の結果、24℃、6 ヶ月後および 12 ヶ月
後の移動相を用いてもピンク色の着色線が現れ、反応性が保持されていることが確認された。この
ことから、移動相に抗体安定化剤として新規ペプチドを用いることにより、室温保管でき、かつ圃
場での検査に充分対応可能なイムノクロマト法を用いた植物ウイルス診断キットを提供できること
が分かった。新規ペプチドを用いない場合は、24℃保存1ヶ月で活性が認められなかった。
植物ウイルス病は難防除病害として、早期診断・早期除去が基本対策とされてきたが、生産現場
では、依然として多くの作物で種々の植物ウイルス病が発生し、それによる品質低下や減収等の問
題は後を絶たないのが実情である。また、毎年のように海外から侵入したと思われる新規ウイルス
の発生等も報告されている。その中で、病害虫診断という技術は、生産上重要な位置を占めている
が、正確な診断には知識と経験が必要とされる。本研究では、シジミ由来新規ペプチドを利用する
ことで、室温を想定した 24℃で 12 ヶ月間の保管に耐えられる抗体の安定化方法、およびその方法
を利用したイムノクロマト法による植物ウイルス診断キットを開発することができた。現在、共同
研究企業において来年度の商品化を目指し研究を進めている。
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表3
抗体感作ラテックス 24℃保存における新規ペプチドの安定化効果
対照
期間
アルギニンエチルエステル
新規ペプチド
( 添加物無し )
2mM
5mM
10mM
2mM
5mM
10mM
スタート
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
+ ++
2W
±
±
±
±
+ ++
-
-
1M
-
-
-
-
+ ++
-
-
2M
-
-
-
-
+ ++
-
-
3M
-
-
-
-
+ ++
-
-
6M
-
-
-
-
++
-
-
10 M
-
-
-
-
++
-
-
12 M
-
-
-
-
++
-
-
+ ++
++
+
±
ラ テッ ク ス調 製後、 冷蔵保存 1 ヶ月以内の反応と同程度
着色は薄いが確認できる程度
反応直後の濾紙が濡れた状態で、陽性発色をわずかに確認できる程度
反応直後の濡れた状態では発色を確認できないが、乾燥すると確認できる程度
- 乾燥しても発色を確認できない
5.参考文献
1)山下一夫, 福井要子, 鈴木正彦, 改良型プロテインA吸着迅速免疫ろ紙検定法、AGBC Research
Reports , Vol.1, 48-54 (2005).
2)Hidemitsu UCHISAWA, Tetsushi NARAOKA, and Tomotada ONO: A Novel Ornithine-containing
Tripeptide Isolated from the Extract of the Brackish-water Bivalve Corbicula japonica.
Biochim. Biophys. Acta , 1770, 790-796 (2007).
3)内沢秀光、櫻庭麻恵、奈良岡哲志、山下一夫、白川和浩、福井達浩:特願 2007-027581
「抗体の安定化方法およびその方法を利用したイムノクロマト法ならびに植物ウイルス
診断キット」
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