ルフトハンザの医療サービス Ms. Doris Ehring Manager Sales

ルフトハンザの医療サービス
Ms. Doris Ehring Manager Sales Marketing Lufthansa Medical Service,
Lufthansa German Airlines
ルフトハンザは、すべての患者さんに、オーダーメードの医療サービスを広く提供します。必要であ
れば、患者さんの搭乗を手助けするなど、空港での特別サポートも行います。
ストレッチャー
患者さんが座ることも歩くこともできない場合には、すべてのどの国際路線でストレッチャーを手配
します。ストレッチャーにはカーテンで囲われているため、患者さんは他人の目に曝されずに安心
して目的地に着くことができます。特に長距離のフライトでは、これは患者さんにとって大きなメリット
となります。
酸素
医学的な理由でフライト中も酸素吸入が必要なお客様には、路線、クラスにかかわらず、酸素供給
装置を用意します。Wenoll 酸素供給システムは、技術的に優れた使いやすい装置で、フライトのど
の段階においても要求された酸素量を持続的に供給することが保証されています。Wenoll 酸素供
給システムは扱いやすく、フライト中でも自由に移動することができます。
重症患者搬送コンパートメント
ルフトハンザ航空の重症患者搬送コンパートメント(PTC)を使用すれば、集中治療中の重症患者
でも安全に長距離の医療搬送をすることができます。この重症患者搬送コンパートメント(PTC)は
ルフトハンザドイツ航空が 1996 年より開発を重ね完成した組み立て式のアルミパネルユニットです。
このユニットは、医療搬送目的のためだけに開発されたアルミパネル・スペース・ユニットです。この
パネルユニットによって、プライベートな空間が確保され、患者管理に集中して医療搬送を行なうこ
とが可能になりました。
PTC は完全に独立したスペース・ユニットです。フランクフルト空港で B 747-400 や A 340/A330 な
どの大型の航空機に離陸まで短い時間内で組み立ててセットアップすることができます。内部の広
さは 6 平方メートル、人が立てる高さがあり、小型医療搬送ジェット機と比べて治療用スペースが相
当広く取られています。
このユニット内には、患者用ベッドに加えて、医療スタッフ用の 2 座席、集中治療医療器具、
13,000 リットルの酸素、必要消耗品類、薬剤が装備されています。
ユニット使用による患者搬送
2004 年には、このユニットは B-747 機の就航都市に加え、新型 A-340-300/600 機の就航都市も
加わりました。つまり、このユニットを使用して医療搬送できる都市は、当初は 25 都市しかありませ
んでしたが、現在は 70 都市以上あります。
離陸前のユニットの安全チェックには 30 分ほどかかります。このユニットでの医療搬送は、一般席
の空席の有無にかかわらず最優先されます。スムーズに医療搬送できるように、事前に依頼者と具
体的な搬送プランを検討します。搬送プランには、旅先の病院から空港までの搬送と空港から帰
国後の病院までの搬送も含まれます。搬送ユニットを積み込むために通常のフライトスケジュール
に遅れがでてはいけないので、正確な予定搬送プランを組む必要があります。
搬送ユニット使用による医療搬送依頼を受けると、その日のうちに準備はスタートし、同乗する医
療スタッフがフランクフルトから患者さんのもとへ向かいます。医療搬送には、依頼者が手配した医
師とルフトハンザ PTC エスコートの 2 名で構成されます。PTC エスコートとは、集中治療専門ナース
あるいはパラメディカルとして訓練を受けた客室乗務員のことです。この客室乗務員は医療補助を
行なうだけでなく、搬送ユニットを安全に輸送できるようにコーディネートする責任を負っています。
したがって、搬送医師は患者さんの治療にのみ専念することができます。
医療スタッフは、戻りのフライトの 24 時間以上前に目的地に到着するのが原則です。ルフトハン
ザの医師は患者さんの医療記録に目を通したうえで患者さんを診察し、航空搬送に耐えられるか
否かを判定します。準備打ち合わせはすべてこの間に終わらせておきます。
この時点で患者さんが航空搬送に耐えられる状態ではないと判明すれば、フランクフルト空港で
の搬送ユニットの積み込みをストップさせます。したがって、搬送ユニットを目的地まで運ばせてお
いてキャンセルしたり、待機させたりして依頼者に多額の費用負担がかかるのを避けることができま
す。このような場合、ルフトハンザは依頼者と一緒に次善の策を考えます。患者さんの状態が良く
なってから搬送ユニットを使用する、あるいは患者さんの搬送を中止して医療スタッフを一旦返すこ
ともあります。
搬送ユニットを積み込んだ航空機が定刻に離陸でき、搬送スケジュールに狂いが生じないように
するために、ブリュッセルの航空指令本部 Central Flow Management Unit(CMU)に最優先のフラ
イト登録をします。
綿密な計画を立て、調整することで、患者さんを何の問題もなく、また他の乗客に迷惑をかけるこ
となく確実に医療搬送することができます。通常のケースでは、患者さんはメディカル・クルーがフラ
ンクフルトを出発してから 2 日半ほどで帰国できます。
空港内での患者さんの移動は原則としてルフトハンザが行います。フランクフルト空港ではハイロ
ーダー(機外搬入車)を使用します。他の空港ではケータリング用ローダーを使用します。これらを
使用するほうが、通常のタラップから患者さんを搭乗させるより安全で容易です。到着した空港から
さらに救急ヘリコプターや救急航空機での搬送を必要とする場合には、ルフトハンザ機とそれらの
航空機が隣り合わせの位置につけられるようにあらかじめ準備しておきます。こうすることで、患者
さんを短時間で移動させることができます。
搬送には、絶対に必要以上の時間をかけてはいけません。搬送ユニットはこの必須条件を満たし
...................................
ており、搬送時間は、小型アンビュランスジェットでの搬送時間の約半分で済みます。
医療搬送の費用も重要です。重要患者搬送コンパートメント(PTC)による価格には、医師の往
復分の B-クラスチケット、医療搬送に必要な医療器具、薬剤、医療消耗品、PTC エスコートにかか
る費用が含まれています。
.....................................
言うまでもなく、小型アンビュランスジェットを依頼するより、定期便を利用するほうがはるかに安
...
価です。その差額で地方都市へ帰るフライトや家族の送迎フライトの費用をまかなっても余りあるほ
どです。ロングフライトでの重要患者搬送コンパートメント(PTC)の使用には経済面、作業面、医
療面で明らかな利点があり、搬送ユニットは非常に特異的な業務プロフィールを持つ小型アンビュ
ランスジェット機の代替として非常に役立ちます。
医療チームと器具
原則として、依頼者が搬送に随行する医師を手配し、ルフトハンザが PTC エスコート(医療補助を
行なう集中治療専門ナースあるいはパラメディック)を差し向けます。PTC エスコートは、必要であ
れば、医師に医療器具の使用方法を教えます。PTC エスコートは連邦航空局(FAA)が要求するラ
イセンスをすべて取得しており、搬送前および搬送中のコーディネーションと安全に対して全責任
を負います。これは医師の負担の大幅な軽減につながり、医師は患者さんの治療に専念すること
ができます。そのため医師は、PTC エスコートが行なうルフトハンザ-国内フライトの手続きのみで随
行することができます。原則として、医師はスペシャリストであり、集中治療と救急医療の経験が無く
てはいけません。
独立した集中治療ユニットであるルフトハンザ航空重症患者搬送コンパートメントは、定期便で輸
送することができます。このユニットは 6 平方メートルの広さがあり、立って治療できるスペースがあ
ります。医療器具には、患者さんの命を高度に守る集中治療器具が含まれています。必要な場合
には、さらに他の医療器具を追加して輸送することもできます。小型アンビュランスジェット機と比べ、
明らかにフライト時間が短く費用も少なくて済むことから、このシステムは、集中治療の必要な患者
さんをロングフライトで搬送するための理想的な方法です。
(翻訳 嶋崎 由美)