PFI事業参入における留意点

PFI事業参入に
おける留意点
秋
(
田
2
0
県
0
P F
4 年
1
I 研
1 月
1
修
5 日
会
)
パ シ フ ィ ッ ク コ ン サ ル タ ン ツ 株 式 会 社
マ ネ ジ メ ン ト 事 業 本 部
P F I 事 業 部
八
島
雄
( P C KK= パ シ フ ィ ッ クコン サル タン ツ 作成
一
郎
禁 無断転 載)
1
研修内容
Ⅰ.PFI参画のポイント
Ⅱ.PFI事業計画の実際
Ⅲ.模擬提案書
2
1
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント
1.PFI参画のスタンス
2.案件の判断
3.提案書作成上のポイント
3
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-1.PFI事業の現況をどう見るか(1)
z 「合併」、「三位一体」で様子見
⇒「指定管理者」引き金に第二波の様相
z 大勢は決した
〜PFIに前向きな自治体が
4割弱から6割強へ
z 霞ヶ関の風向きも変化
(PCKK作成)
4
2
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-2.PFI事業の現況をどう見るか(2)
・特定自治体での集中傾向(実施経験と定着化)
・周辺自治体での実施による触発
5
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-3.憶えておいていただきたいこと
一体としての業務
(マネジメント的観点)
ファイナンス
(延払効果=現在価値化)
性能発注
(今まで:仕様発注)
長期契約
(今まで:請負・単年度)
総合評価
(入札額と提案内容で)
コンソーシアム
(仲間づくり 銀行も)
6
3
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-4. PFIでは「経営と資金調達」が求められる
行政:段階ごとの計画・管理・運営
×
×
施設・
サー ビスの管 理
サービスの提供
施設 の整備
+
︻
PFI︼
施設・
サー ビスの管 理
サービスの提供
施設 の整備
︻従来型︼
+
行政:必要なサービ スの特定
民間
資金調達
設計受託
建設請負
一番札
個別作業受託 個別作業受託
民間:事業全体を受託→経営
一番札
一番札
内容も含めた一番札
(PCKK作成)
7
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-5.事業規模のオーダー
1000億円単位
100億円単位
・・・
・・・
病院等
プラント等
(50億円)
10億円単位
・・・
10億円以下
⇒
箱物
バンドル化
地
域
P
F
I
8
4
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-6.PFIでつける地域のソフト力
【公共側
公共側】
】
【事業者側
事業者側】
】
公共施設整備
公共サービス調達
マネジ メント・
メンテナンス事業
建設事業
技 術
技術提案能力(見せ方)
法 務
リーガルコントロール(専門弁護士事務所活用)
財 務
(PCKK作成)
プロジェクトファイナンス
事業計画策定能力
9
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス
1-7. 支払いの受け方
整備代金
♦ 従来型
維持管理・運営代金
(PSC
PSC))
売却代金
„
BOT(PFI)
„
BTO(PFI)
賃貸料
維持管理・運営代金/金利
割賦料
(PCKK作成)
10
5
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-1. PFIを働きかける上での注意
♦ PFIは地味な話
⇒PFIはありきたりの事業の積み重ね(官民とも)
⇒PFIは安全なビジネスであるべき
♦ 面開発が出来るとの勘違い
(「土地はあるから何かできないか」)
♦ 地域としていずれ必ずやりたいものの早期着工
(防災・教育・医療 等)
(PCKK作成)
11
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
<参考>PFI事業の実施プロセス(1)
Step1
事業の発案(民
間事業者からの
発案を含む)
○PFIアドバイザーの選定
○PFI導入可能性調査の実施
○実施に関する庁内協議・関係者の合意形成
Step2
実施方針の策定 ○審査委員会の設置
及び公表
○実施方針の公表
○要求水準書(案)等の公表
○民間事業者からの質問・意見の招請、質問・
意見への回答
6ヶ月程度
3〜
6ヶ月程度
Step3
特定事業の評
価・選定、公表
(PCKK作成)
○VFM算定結果の公表
12
6
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
<参考>PFI事業の実施プロセス(2)
4〜
6ヶ月程度
○債務負担行為の設定・議決
民間事業者の募
集、評価・選定、 ○募集の公告、募集関係資料の公表
公表
・募集要項(=入札説明書)、様式集
・要求水準書
・事業者選定基準(=落札者決定基準)
・事業契約書(案)または条件規定書
・基本協定書(案)
○ 説明会、現地見学会等の開催
○ 民 間事 業者 か らの 質問 ・意 見の 招請、 質
問・ 意見への回答
○ 事業契約書(修正案)の公表
○ 参加資格審査または簡易提案書審査
○ 入 札、 提案 書 審査 、事 業者 選定 結果 の 公
表
Step4
(PCKK作成)
13
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
<参考>PFI事業の実施プロセス(3)
Step5
協定等の締結等 ○基本協定の締結
○仮契約の締結
○PFI事業契約の議決
○PFI事業契約の締結
(○金融機関等との直接協定の締結)
3〜6ヶ月
程度
Step6
事業の実施、監
視等
○設計、建設工事状況の監視
○施設の引渡し(BTOの場合)
○維持管理・運営状況、経営状況等の監視
○サービス購入料の改定、減額
―
○施設の引渡し(BOTの場合)
○土地・施設の明渡し等
―
Step7
事業の終了
(PCKK作成)
14
7
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-3. 案件の判断
—事業者にとっての意義
(新市場進出、経営資源活用等)
—事業規模
—リスク
—先行メリット・シリーズ物
15
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-4. 案件判断のタイミング
○リスクの見きわめ
◆可能性調査〜
市場調査時
○コンソーシアムの相手 ◆実施方針発表時
○最終判断(収益性等)
(PCKK作成)
◆入札直前
16
8
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-5. PFIにおけるリスク
☆需要リスク〜軽々に移転するのは避ける(独立採
算型・民間事業施設併設)が
⇒配分次第で応募者数(競争環境)、民間事業者の
やる気に大きな影響
☆金利リスク〜金融村の常識あるが
☆不可抗力〜(一定限度以上)公共負担の方向だが
☆許認可リスク〜二人の「首長」がいる場合も
☆議会リスク〜将来の議会制約はできない
☆近隣リスク〜用地がらみとともに根本的
17
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-6.リスク分担表の例
(仮称)浜松市新清掃工場・新水泳場整備運営事業のリスク分担表(案)
(平成16年1月23日公表)
※負担者
リスクの種 類
○主分担,△従分担
リス クの内容
募集要 項リスク
共通
募 集要項等の 誤り,内容 の変更に関 するもの等
市 の事由によ り契約が結 べない,契 約締結が遅 延する等
契約締 結リスク
事 業者の事由 により契約 が結べない, 契約締結が 遅延する等
計画変 更リスク
市 による事業の 業務範囲の縮 小,拡充等
用地確 保リスク
事 業用地の確保 に関するもの
本 施設の設置 に対する住民 反対運動等に 関するもの
近隣対 応リスク
上 記以外のもの
第 三 者 賠 償 リ ス 調 査・建設・運営段階にお ける騒音・振動・地盤 沈下・臭気等に関す
ク
る もの及び事 業者の責めに 帰すべき事由 によるもの
法 令 等の 変 更 リ 本 事業に直接 関係する法 令等の新設 ・変更に関 するもの
スク
上 記以外の法令 の新設・変更 に関するもの
税 制 度 変 更リ ス 本 事業に直接 関係する税 制度の新設 ・変更に関 するもの
ク
上 記以外の税 制度の新設 ・変更に関 するもの
許 認 可 遅 延リ ス
事 業者が実施 する許認可 取得の遅延に 関するもの
ク
応募コ スト
応 募費用に関 するもの
施 設の供用開 始前のインフ レ・デ フレ
( 施設整備費 用に相当する もの)
物価変 更リスク
施 設の供用開 始後のインフ レ・デフレ(維持管 理,運営に 相当する部
分)
事 故 の発 生 リ ス
設 計・建設・運 営・維持管 理業務におけ る事故の発生
ク
事業の中止・遅延
に関する リスク
不可抗 力リスク
市 の指示,議 会の不承認,市 の債務不履 行によるもの
事 業者の債務 不履行,事業 放棄,破綻 によるもの
天 災・暴動等 の不可抗力に よる費用の 増大,計画遅 延・中止等
負担者
市 事業者
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
18
9
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-6.リスク分担表の例
(仮称)浜松市新清掃工場・新水泳場整備運営事業のリスク分担表(案)
(平成16年1月23日公表)
※負担者
リ スクの種 類
設 計段階
設計変更
測量・地質調 査の
誤りリスク
建設着工遅延
建 設段階
運営段 階
工 事費 増 大 リ ス
ク
工事遅延リスク
一般的損害リスク
性能リスク
受 入廃 棄 物 の 品
質リスク
受 入廃 棄 物 の 量
の変動リスク
水 泳場 需 要 変 動
リスク
性能リスク
事業終了時
施 設の 性 能 確 保
リスク
○主分担,△従分担
負担者
市 事業者
リス クの内容
市の指示,提示条 件の不備・変更による 設計変更による費用 の増大,
計画遅延に関するも の
事業者の提案内容の 不備・変更による設計変 更による費用の増大 ,計
画遅延に関するもの
市が実施した測量・地 質調査部分に関するも の
事業者が実施した測量・地 質調査部分に関するも の
市の指示,提示条件の 不備・変更によるも の
上記以外の要因による もの
市の指示,提示条件の不 備・変更による工事費の増 大
上記以外の要因による工事費の増 大
工事遅延・未完工によ る施設の供用開始の遅 延
工事目的物・材料・他関 連工事に関して生じた損 害
要求水準の不適合( 施工不良を含む)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
受入れ廃棄物の質に起因す る事故及び発熱量の減 少
○
△
受入廃棄物の量の変動 による運営費用の増 大
○
△
水泳場の利用者数の変動に よる収入及び費用の増 減
△
○
要求水準の不適合
○
事業終了時における施設 の性能確保に関するも の
○
19
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-7.需要リスク(独立採算部分)
・サービス購入型
・独立採算型
(ほとんどなし)
・複合型
○パタ ーン1
○パタ ーン2
入れ込み型
別立て型=民間事業施設併設
パフォーマンスフィー=
(PCKK作成)
20
10
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-8.金利リスク
管理徹底!
①金利によるPFI支払の見直しなし
15年
②金利によるPFI支払の見直しあり
見直し
10年
見直し
20年
〜第一回金利(ベースレート)確定時が問題
(提案時・契約時・供用時)
(PCKK作成)
21
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断
2-9. 民間に移転されたリスクはコンソーシアムで対応
【PFI】
民間へ移転
︵リスク分担︶
すべて公共
引続ぎ公共
【従来】
(民間における分担 )
建設会社
運営会社
金融機関 等
22
11
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-1. PFIにおける「入札」は提案書
提案 (定性的=性能点)
事業予定者決定
現在価値入札額(定量的=価格点)
割引率
事業期間中の支払額合計
事業収支計画
維持管理・運営費
建設費
資金調達 (金利・返済方法)
利益
設計・積算
銀行との折衝(関心表明)
税金の負担
維持管理・運営計画
(PCKK作成)
23
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-2. 提案準備上の留意点
【予め準備できるもの】
‹
‹
‹
‹
仲間集め
運営事業者
実績
組織について
個人について
特殊な業務 では
「取り合い」に
リスク管理方針(バックアップ体制、保険)
施設のコンセプト
周辺地域調査
【時間との戦い】
‹
‹
‹
‹
(PCKK作成)
何種類もの事業収支計画
各社内決裁・SPC設立の段取り
付帯施設〜公共の上位計画に抵触しない
銀行まわり(関心表明は必須)
24
12
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-3. 提案書上の留意点
【基本は】
♦ 行政ニーズの理解(「熱意」)
♦ 具体性(esp、しっかりした体制、LCC削減策)
【事業収支計画のあり方】
♦ 安定性〜配当政策(資金留保)、追加資金
♦ 補助金の入り方に注意
【性能発注への対応】〜オウム返しは避ける
♦ サービス内容
具体的に答える
♦ 提供方法
(特に維持管理では人員計画)
♦ 検証方法
(PCKK作成)
25
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-5.重要な点は
1.コンソーシアム構成企業間の
調整過程の円滑化
2.落札者決定基準の読みこみ
3.なによりも「安心感」
26
13
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-6.提案の評価のされ方(=総合評価)
除算方式か加算方式か
(総 合 評 価 一 般 競 争 入 れ
除算方式
加算方式
/
公 募 プ ロ ポ ー ザ ル 方 式)
概
要
効 果
提案内容の総合点を価格で割る
価格重視
(性能点/価格点)
提案内容の総合点に価格点を加える
質重視
(価格点+性能点)
事
例
調布市(調和小学校)
千葉市(計量センター)
神奈川県
(衛生研究所、近代美術館)
〈 除算方式の考え方
除算方式の考え方〉〉
基礎点++加点(
基礎点
加点(100
100)
)
得点︵ 価格以外 の評 価︶
A
失
B
格
基礎点(75
基礎点(
75)
)
失
入札価格
(PCKK作成)
格
予定価格
(現在価値に割引いた価格)
27
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-6.提案の評価のされ方(=総合評価)
配点(性能点と価格点)
①バランス型 ②メリハリ型 ③安定重視型 ④価格重視型
配点
評価 得点 評価 得点 評価 得点 評価 得点
1)施設の設計・建設に関する事項
15
7.5
13
5.5
2
①施設計画
7
B
3.5
A
7
B
3.5
C
0
②環境への配慮
4
B
2
A
4
C
0
C
0
③施工計画
4
B
2
B
2
B
2
B
2
2)施設の維持管理計画に関する事項
15
7.5
7.5
7.5
7.5
①保守管理計画
6
B
3
B
3
B
3
B
3
②環境衛生管理計画
3
B
1.5
B
1.5
B
1.5
B
1.5
③計画修繕
3
B
1.5
B
1.5
B
1.5
B
1.5
④維持管理体制
3
B
1.5
B
1.5
B
1.5
B
1.5
3)運営計画に関する事項
15
7.5
11.5
0
7.5
①運営体制、運営プログラム内容
8
B
4
A
8
C
0
B
4
7
B
3.5
B
3.5
C
0
B
3.5
②需要計画
4)事業計画に関する事項
15
7.5
7.5
15
7.5
①資金調達・返済計画の安定性
5
B
2.5
B
2.5
A
5
B
2.5
②資金調達の確実性
5
B
2.5
B
2.5
A
5
B
2.5
③リスク管理計画
5
B
2.5
B
2.5
A
5
B
2.5
小計
60
30.0
39.5
28.0
24.5
5)入札価格に関する事項
40
26.5
24.6
28.7
40.0
①入札価格
6500
7000
6000
4300
合計
56.5
64.1
56.7
64.5
(PCKK作成)
28
14
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 .「安心感」:設計・建設業務(1)
①工程計画
・公共側が(完了を)確認できる
・調整(各棟間、建築と土木等関連工事)に十分な配慮がある
・技術品質のチェック体制、資機材調達の確実性に触れられてい
る
→特に工期に制約があったり、面的・複合的な施設整備の場合
に 「安心」
②建築設備の性能
・省エネ・環境負荷など公共施設として当然の配慮だけでなく、耐
久 性・メンテナンス性、施工性・安全性・衛生面での向上などに
触れら れている
・ 利用者サービスの向上につながることが(ややコジツケでも)示
されている
→外部からPFIのメリットを問われた時に「安心」
29
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 .「安心感」:設計・建設業務(2)
③周辺環境への配慮
・地盤、工事用ヤード、工事排水、建設副産物、近隣安全対
策、騒音・ 振動対策への十分な配慮が示されている
→PFIであってもクレームは公共に持ち込まれるのであり、
これを避けるために「安心」
・屋上緑化、雨水循環などもできれば提案する
・ユニバーサルデザイン
ワーキンググループ、トライアルモニターなどによる向上策、
チェック体制を示すとより望ましい
30
15
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 .「安心感」:維持管理業務
①体制
・実施者を明確化し、応急措置等を具体的に示す
→事業開始後、誰を相手にすればよいか分かるので「安心」
②修繕計画
・実施頻度、修繕基準(予防保全方針)を示す
・事業期間終了年度における一定の修繕計画を示すこと
→耐用年数を残っている施設を事業期間終了時にボロボロ
で受け取るという懸念がなくなり「安心」
31
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 .「安心感」:事業運営業務(1)
①配置職員の能力水準確保
効果的な方策(職員研修、マニュアル等)、能力水準(資格、
業務実績)を示す
→アルバイトに毛の生えたような職員を配置される心配がなく
なり「安心」
②職員の安定配置
緊急時代替要員(バックアップ、人材ネットワーク)、人員交替
時のサービス低下防止策(研修等)を示す
・継続的雇用(キャリアアップ)策もできれば示す
→頻繁に職員が入れ替わったり、これによる業務支障の心配
がなくなり「安心」
32
16
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 . 「安心感」:事業運営業務(2)
③職員の勤務体制
・ローテーション、配置職員数、勤務シフト等明記
・職員の役割(責任)分担明記
→しっかりした実施体制が確認できるので「安心」
④利用プログラム開発
・利用者の多様なニーズ、変化するニーズへの対応策を示す
→段階的・継続的なプログラムであり、単発、尻すぼみでは
段階的・継続的なプログラムであり、単発、尻すぼみではな
な
いことが分かり「安心」
⑤施設利用促進
・稼働率向上(閑期対応、リピーター確保)の必要性と業務
内容明確化(施設情報提供、利用案内、利用者ア ンケート ・
相談、 主催事業等)
→「使われない」施設批判対応への民間側の協力の意思がわ
かり「安心」
33
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 . 「安心感」:事業計画(1)
締めきりギリギリまで調整するのが常態だが最後のチェッ
クは必要。(違算でも入札価格は変えられない。)
①資金調達・返済計画の安定性
・固定金利調達、プロジェクトファイナンス利用を示す(それ
以外の方法の場合は、SPCが金利変動リスクにさらされ
ず、十分な期限の利益を確保していることについてかな
ず、十分な期限の利益を確保していることについてか
な
り詳細な説明が必要)
・各指標を上回ること
34
17
Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント
3-7 . 「安心感」:事業運営業務(2)
②資金調達の確実性
・金融機関との協議度合を示す 〜融資確約は融資の現実
からは無理だが、条件付き融資確約(関心表明とど う違
う?表現だけの問題?)なら有利な評価が得られる。ター
ムシート(融 資契約書概案)を要求す る動きもあるので
注意。。
注意
③リスク管理方針
・リスク管理の原則への認識(発生回避、分散・移転、被害
抑制)を示す
・事業者が負う潜在リスクを明確に把握していることを示す
・各リスクにつき具体的かつ包括的な管理方策(保険、資
金リザーブ、事業マネジメント 会社等)を構築していること
を示す
35
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1.PFI事業計画の基礎
2.PFI事業計画の構成要素
3.PFI事業収支計画の考え方
4.PFI事業収支計画の作成
36
18
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-1. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
事業計画の目的
事業計画の留意点
事業実施の体制
収支計画の基礎
リスクマネジメン ト
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
①事業計画の目的
(1) 事業実施の基本的な考え方
・・・事業の基本的な理解、提案実現の基盤
・・・事業リスク管理の方針
(2) 事業実施の体制
・・・役割・責任の分担、各サービサーの実績
(3) 事業収支計画
・・・資金調達の方法、収支の合理性・安定性
Î (公共に対して)これらをできる限り客観的・具体的に示
して長期 にわたる確実な事業実施が可能なことをア
ピール する「セールスツ ール」「合意形成ツール」
言いかえると・・・
『付き合う、付き合わないを決めてもらう材料』
(PCKK作成)
「信用・信頼」
「うまみ」
能力・実績、具体性、
客観性、リスク
付き合うメリット
「見栄え」
見やすさ・一貫性
(ケアレスミスは減点)
37
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-2. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
事業計画の目的
事業計画の留意点
事業実施の体制
収支計画の基礎
リスクマネジメン ト
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
②事業計画提示における留意点
・ 相手の立場を考える
−公共(発注者)・・・信頼感、具体(実現)性、安定性
−金融機関・・・客観性(数字)、リスク管理、「硬い」計画
−構成員(出資者)・・・事業の魅力、意義、コンセプト、リスク
−協力者・・・役割・リスクの分担、経済的メリット
・ 性悪説で考える
−「言わなくても分かってくれるだろう・・・」
−「これくらいのミスなら影響ないだろう・・・」
『付き合う、付き合わないを決めてもらう材料』
「信用・信頼」
能力・実績、具体性、
客観性、リスク
(PCKK作成)
「うまみ」
「見栄え」
付き合うメリット
見やすさ・一貫性
(ケアレスミスは減点)
38
19
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-3. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
事業計画の目的
事業計画の留意点
事業実施の体制
収支計画の基礎
リスクマネジメン ト
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
③事業実施の体制
(1) 誰が事業全体を統括するのか
(2) 誰が個別業務(設計、建設、維持管理、運営)を
実施するのか
(3) 誰が資金を提供するのか
(4) 各事業参加者はどのような資格・責任で参加するのか
(SPC構成員、出資者、融資者、下請業者、アドバイザー、
等々)
事業収支計画の作成
Î参加企業の役割と責任を明確に示すことがポイント!
−類似または関連業務の実績
−各企業の重要な特徴、能力
−コミットメント(事業への積極的関与)の証拠
−想定しているサービスの具体的内容
−分かりやすさ、見やすさ(コンパクトにまとめる)
(PCKK作成)
39
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-4. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
事業計画の目的
事業計画の留意点
収支計画の基礎
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
(ダイ レクト・
アグリーメ ント)
融 資 団
(PCKK作成)
(PFI契約)
(設計・監理委託契約)
(建設請負契約・瑕疵保証)
○×銀行
(貸付契約)
▽▽銀行
(出資)
◇◇商事
□□リース
(出資比率 70%)
(出資比率 30% )
○○保険
△△設計事務所
建 設 JV
事業計画の構成要素
○○ コンサルタ ント
(各種保険契約)
(事業アドバイザー契約)
事 業 者 ︵S P C ︶
リスクマネジメン ト
【事業実施体制の例】
発 注 者 ︵公 共 ︶
事業実施の体制
③事業実施の体制(つづき)
□□建設
××建設
◇◇ビルサービス
(施設管理
委託契約)
(運営委託契約)
(バックアップサービサー)
××ビル管理
◇◇商事
40
20
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-5. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
事業計画の目的
事業計画の留意点
事業実施の体制
収支計画の基礎
リスクマネジメン ト
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
④事業収支計画の基礎
目的:キャッシュの流れから事業成立が明らか!
(1) 事業全体の収入・費用の把握
(1)事業全体の収入・費用の把握
(2)資金調達方法の決定
(2)
資金調達方法の決定
(3)事業期間中のキャッシュフローの増減予測
(3)
事業期間中のキャッシュフローの増減予測
(4)キャッシュフローの安定性・確実性
(4)
キャッシュフローの安定性・確実性
客観性・透明性・包括性
収益性・安定性・リスク耐性
事業収支計画の作成
条件設定
・設 計、建 設、維持 管理 、運営 のコスト
・資 金調 達条 件(自 己資 本比 率、借入 条件 、等)
・利 益処 分政 策(内部 留 保率、配当 政 策、等)
・(収 入・費用 等の変動 の可能 性)
・・・等
長期収支計算
・各年 度の当 期利 益及 び正味 キャッ シュフロー
・投資 事業と しての収 益性 (指 標 IRR:内部 収 益率)
・金融 機関 に対 する債 務履 行の確実 性(指 標 DS CR)
・・・等
(PCKK作成)
41
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-6. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
④事業収支計画の基礎(つづき)
事業計画の目的
事業計画の留意点
事業実施の体制
収支計画の基礎
キャッシュフロ ーから見れば・・・
公共(発注者)
事業成立!
【VFM】
リスクマネジメン ト
点線:ハードル・レート
(各主体の最低要求を
結んだ線)
事業計画の構成要素
【EIRR】
【DSCR】
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
(PCKK作成)
PFI事業者
金融機関
【PIRR】
①事業IRR(またはPIRR)=事業への資本投下総額(資本金+借入金)に対する元
利償還前のキャッシュローの利回り。長期プロジェクトの採算性を表す代表
的指標
②資本金IRR(またはEIRR)=事業への自己資本投下額に対する元利償還後の
キャッシュフローの利回り。投資主体としてのプロジェクト事業者からみた利
回りを示す指標
③DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)=各期の元利償還前キャッシュフ
ローが、その期の支払予定元利金の何倍に相当するかを算出
42
21
Ⅱ.PFI事業計画の実際
1-7. PFI事業計画の基礎
PFI事業計画の基礎
⑤リスクマネジメント
事業計画の目的
事業計画の留意点
事業実施の体制
収支計画の基礎
リ スクマネジメン ト
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
○「リスク」とは Î 投資の目標達成を不安定にする要素
○事業リスクの総量は変わらない
Î「ゼロにする」のではなく「コントロールする」
ま ずは重要リスクの認識から(「見て見ぬふり」は最悪!)
○事業リスクの3タイプと対応策
① ハザ ードリスク・・・ 従来考えられてきた「リスク」。発生すれば必ず事業
に負の影響を及ぼす事態。⇒ 4つの対応策を組合せて対応
② 不確実性リスク・・・ 事業の構成要素のうちで一定の振れ幅があるもの
について、将来予測が困難であることから生じるリスク。
⇒計画段階で振れ幅を考慮に入れる(感度分析)+対応
③ 事業機会リスク・・・ 積極的にリスクを取ることで事業性を上げることが
できるリスク。
⇒「質問回答」を通してリスク負担を提案/事業中の追加投資など
(PCKK作成)
■計画における ポイント ・重要リスクを 把握している か。
・リスクの重要度に応じた適切な資源配分はされている か。
・長期事業である ことが意識されている か。
・リスク管理の監視・調整・報告のシステムは?
43
Ⅱ.PFI事業計画の実際
2-1.事業計画の構成要素
PFI事業計画の基礎
♦ 事業計画の8つの構成要素
事業計画の構成要素
①事業コンセプト
8つの構成要素
事業コン セプ ト
⑧資金計画
②理念とビジョ ン
理念とビ ジョ ン
事業の責任者
客観的な数字
事業の「種」
⑦フォロー可
能な計画
信用・信頼を
得られる事業計画
③事業責任者
事業の協力者
フォロ ー可能な計画
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
④事業の協力者
④客観的な数字
⑤事業の「種」
※「できる・使える 事業計画書の書き方」(井口・家弓・長谷川著/日本能率協会マネ
ジメン トセン ター刊) 62頁の図を 加筆して引用
(PCKK作成)
44
22
Ⅱ.PFI事業計画の実際
2-2.事業計画の構成要素
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
8つの構成要素
事業コン セプ ト
♦ 事業コンセプト
Îニーズを把握し、特徴ある回答を立案
(現状との対比で目指す質・量〔コスト〕の違いをアピールしてみる)
誰に対して?
どんなサービスを?
どうやって?
理念とビ ジョ ン
事業の責任者
費用は?
価格は?
収益性は?
競争力は?
新しい点は?
継続性は?
客観的な数字
事業の「種」
事業の協力者
フォロ ー可能な計画
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
(PCKK作成)
♦ 事業理念と長期的ビジョン
【事業理念】
①事業の存在意義 ⇒ なぜ必要か(大げさすぎず、わかりやすく)
② 経営姿勢 ⇒ どのような事業運営をしていきたいか(ポリシー)
③ 行動規範 ⇒ 経営者・従業員のサービス提供の基本姿
【長期的ビジョ ン】
⇒ 長い目で見てどうしていきたいか
45
Ⅱ.PFI事業計画の実際
2-3.事業計画の構成要素
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
8つの構成要素
事業コン セプ ト
理念とビ ジョ ン
事業の責任者
客観的な数字
事業の「種」
事業の協力者
フォロ ー可能な計画
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
♦ 事業の責任者
− 信頼感・倫理感
− 経験・専門性
− ネットワーク
− 熱意・リーダーシップ
Î提案書では個人情報までは求められないが、事業計画
では欠かせない。
♦ 客観的な数値データ
− 数値の根拠はできる限り明確に
⇒「この金は何だ?」と思われないように
− 特に平均的な値と異なる場合には説明が必要
⇒「安くなるのは何故?」「高くなるのは何故?」
− 数字の羅列は流し見られる
⇒場合に応じてグラフや表で分かりやすい形に
Î提案書では根拠のない数字は評価されない場合がある。
金融機関も数値の客観性を第一に気にする。
(PCKK作成)
46
23
Ⅱ.PFI事業計画の実際
2-4.事業計画の構成要素
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
8つの構成要素
事業コン セプ ト
理念とビ ジョ ン
事業の責任者
客観的な数字
事業の「種」
事業の協力者
フォロ ー可能な計画
事業収支計画の考え方
事業収支計画の作成
♦ 事業の「種」
事業の「種」((4つの「P」
4つの「P」))
− 「商品( Product)」 ⇒売り物(サービス)の特徴は?
− 「価格( Price)」 ⇒競争力のある価格か?価格の根拠は?
− 「チャンネル( Place)」 ⇒流通・調達経路は?
− 「プロモーショ ン( Promotion)」 ⇒販促策・販促能力は?
Î把握されたニーズに対応したサービスを実現させて
いく能力が備わっていることをアピール
♦ 事業の協力者
− 「協力者」と「構成員」の違い
⇒協力者はサービス提供者、構成員は経営者/出資者
− 「協力者」の価格競争が行き過ぎると・・・
⇒万一入れ替えが必要となったときに再外注価格が増えるリ
スクに注意
♦ フォロー可能な計画
− 「作って終わり」の事業計画には意味がない
−実行とのギャップを監視、計画を調整するメカニズム準備
(PCKK作成)
47
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-1. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
キャッシュの配分
プロ ジェ クトファイナン ス
事業収支計画の作成
♦ 収支計算のためのツール(財務諸表)
(1) 損益計算書(P/L表)
・・・各期の収入・費用及び課税額(法人税)か
ら当期利益を計算
(2) 貸借対照表(バランスシート、B/S)
・・・資金の運用状況と資金源(資本金+負債)
から財政状態を見る
(3) キャッシュフロー表(資金繰り表)
・・・(1)から得られた当期利益に(1)で「費用(損
金)」として計上された「非資金項目」等を加えて元
利償還前や後のキャッシュ(手持ち資金)を計算
Î 事業収支計画では特に(3)と(1)が重要!
(PCKK作成)
48
24
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-2. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
♦ 収支計算のためのツール(つづき)
目的:キャッシュの流れから事業が成立すること!
事業収支計画の考え方
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
キャッシュの配分
プロ ジェ クトファイナン ス
【損益計算書】
【キャッシュフロ−表】
+営業収入( PFIサ ービ スの対価等)
−営業費用( PFIサ ービ スの原価)
+税引後当期利益
+減価償却費
+利息支払
●元利償還前ネットキャッシュフロ ー
−元本・利息支払
●元利償還後フリーキャッシュフロ ー
⇒配当金、法定準備金、繰越利益等に配分
+営業外収入(留保金の運用益など )
−営業外費用(利払いなど)
●税引前当期利益
−法人税
●税引後当期利益
事業収支計画の作成
『事業が成立する』とは?
①初期資本投下に対する適切なリターンがある
②SPCが適正水準の収益をあげられる
③金融機関が安定した融資回収が可能
④公共が期待した財政負担軽減が可能
対応する指標
事業IRR(PIRR)
資本金IRR(EIRR)
DSCR、LLCR
VFM
(PCKK作成)
49
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-3. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
キャッシュの配分
プロ ジェ クトファイナン ス
事業収支計画の作成
(PCKK作成)
♦長期事業収支の評価指標
(1) 「割引率 (Discount Rate)」と「現在価(Present
Value : PV)」
●現在手持ちの100円は将来手に入る100円よりも価値が高い
(⇒手持ちの100円を預金すれば将来時点で100円+金利に
なる)。逆にいえば、将来の100円は現在の100円よりもいくら
か「割引かれた」価値しかないことになる。
●例えば現在の100円が1年後には104円になると期待される
場合、逆に1年後の100円は現在の96円(100×100/104
=96.1)と同じ価値しかないと考えられる。この96円を、1年後
の100円の「現在価値」といい、計算で用いた手持ち資金の
価値の単年度あたりの上昇率((104−100)/100=
4.0%))を「割引率」、金銭価値の下落率(上の例では
100/104=0.961)を「割引係数」という。
●複数年度にわたる事業のキャッシュフローをそれぞれの年
度の割引係数(1÷(1+0.04)n :ただしnは年度)で割引いた金
額の合計を、事業キャッシュフローの「正味現在価値(NPV :
Net Present Value)」という。
50
25
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-4. PFI事業収支計画の考え方
♦長期事業収支の評価指標(つづき)
事業年度
事業キャッシュフロー
0
0
1
300
割引率を4.7%としたときの割引係数⇒ 0.955
(参考)0年度の100円は・・・
¥95
割引係数をキャッシュフローにかけると・・・
286
2
3
250 250
0.912 0.871
¥91 ¥87
228 218
4
5
200 230
0. 832 0.794
¥83 ¥79
166 183
3 00
30 0
2 50
25 0
2 00
20 0
1 50
15 0
1 00
10 0
50
50
0
0
【各年キャッシ ュフロー実額(名目値)】
6
220
0.758
¥76
167
7
8
270 300
0.724 0.692
¥72 ¥69
196 207
(単位:百万円)
9
10
280 260
0.660 0.631
¥66 ¥63
185 164
合計
2,560
2,000
【各年キャッシ ュフローの現在価値】
合計2,000百万円が事業キャッシュフロー「正味現在価値」
(PCKK作成)
51
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-5. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
キャッシュの配分
プロ ジェ クトファイナン ス
事業収支計画の作成
♦長期事業収支の評価指標(つづき)
(2) 「内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)」
●投資に対して十分なリターンが得られるかどうかを表す代
表的指標。
●事業キャッシュフローの「正味現在価値」が投資額と等しく
なる割引率を逆算したもの。これが高いということは事業か
ら得られる収益が高いことを意味する。
●代表的なもの
①事業IRR(またはPIRR)・・・事業への資本投下総額(資本金
+借入金)に対する元利償還前のキャッシュフローの利回
り。長期プロジェクトの採算性を表す代表的指標
②資本金IRR(またはEIRR)・・・事業への自己資本投下額に対
する元利償還後のキャッシュフローの利回り。
投資主体としてのプロジェクト事業者からみた利回りを示
す指標 ※IRRはExcel関数の「IRR」を利用するとすばやく簡
単 に計算できる。
(PCKK作成)
52
26
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-6. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
♦長期事業収支の評価指標(つづき)
事業計画の構成要素
(3) 「DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)」
事業収支計画の考え方
●金融機関からの借入れに対して、各年度でどれくらいの
余裕をもって元利の返済ができるかを示す指標。
●各期の元利償還前キャッシュフローが、その期に支払を
要する元利金の何倍に相当するかを算出したもの。
●この値が「1.0」を下回ると、当期のキャッシュフローが支
払元利金よりも少ないということを意味する⇒繰越金等を
充当しないと債務不履行に陥る。
●通常1.2〜1.3程度が目安と言われているが、プロジェ
クトの内容や金融機関によって要求される水準は異なる。
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
キャッシュの配分
プロ ジェ クトファイナン ス
事業収支計画の作成
元利支払前キャッシュフロー
DSCR
=
当期の元利支払予定額
(PCKK作成)
53
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-6. PFI事業収支計画の考え方
〈参考
参考〉〉Excel
Excelを使った評価指標の計算例
を使った評価指標の計算例
資本 金
借入 金
利息
①
②
③
④
⑤
⑥
300
1,700
3.0% (元 金均等・10年 償還)
事業 年度
キャッシュフロー
割引 係数
0
-2,000
-1,700
事業I RR=
4.7%
事業年度
キャッシュフロー
元本償還
(元本残高)
支払利息
元利合計
償還後CF
※CF=Cash Flow
1
300
300
2
250
250
3
250
250
4
200
200
5
230
230
6
220
220
(EXC EL関数「=IR R(C 7:M7) 」を 入力すると計算される。 関数の(
7
270
270
8
300
300
9
280
280
10
260
260
)の中は0〜10年度のキャッシ ュフローのセルに対応。 )
0
-300
0
1
300
170
2
250
170
3
250
170
4
200
170
5
230
170
6
220
170
7
270
170
8
300
170
9
280
170
10
260
170
(1,7 00 )
(1 ,53 0)
(1,3 60 )
( 1,19 0)
(1 0, 20 )
(85 0)
( 680 )
(51 0)
( 340 )
(1 70)
(0 )
0
0
-300
45.9
215.9
84.1
40.8
210.8
39.2
35.7
205.7
44.3
30.6
200.6
-0.6
25.5
195.5
34.5
20. 4
190. 4
29. 6
15.3
185.3
84.7
10. 2
180. 2
119. 8
5.1
175.1
104.9
0
170
90
1.4
1.2
1.2
1.0
1.2
1. 2
1.5
1. 7
1.6
1.5
13.8%
資本金IR R=
① ÷⑤ DSCR
-
(参考)Excelスプレッドシートに入力した数式
事業 年度
(PCKK作成)
① キャッシュフロー
② 元本 償還
③ (元本 残高)
④ 支払 利息
⑤ 元利 合計
⑥ 償還 後CF
0
=-D 2
0
1
300
=$D$3/10
2
250
=$D$3/10
3
250
=$D$3/10
4
200
=$D$3/10
5
230
=$D$3/10
6
220
=$D$3/10
7
270
=$D $3/10
8
300
=$D $3/10
=D3
=D20-E19
=E20-F19
=F20-G19
=G20-H19
=H20-I19
=I20-J19
=J20-K19
=K20-L19
=-D 5
=-D 6
=D 18-D 22
=E20*$D $4
=E19+E21
=E18-E22
=F20*$D $4
=F19+F21
=F18-F22
=G20*$D$4
=G19+G21
=G18-G22
=H 20*$D$4
=H 19+H21
=H 18-H22
=I20*$D $4
=I19+I21
=I18-I22
=J20*$D$4
=J19+J21
=J18-J22
=K20*$D$4
=K19+K21
=K18-K22
=L20*$D$4
=L19+L21
=L18-L22
54
27
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-6. PFI事業収支計画の考え方
〈参考
参考〉〉簡単な計算表と事業収支評価指標の計算例
1
2
3
4
5
0
0
0
1 10
100
10
110
100
10
110
100
10
90
80
10
90
80
10
90
80
10
600
540
60
支 出
人件費
材料費
減価償却費
支払利息(5%)
算
公租公課
表 税引前当期利益
法人税(税率40%として計算)
当期損益(税引後)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
48
25
8
7
6
2
62
25
37
47
25
8
7
5
2
63
25
38
47
25
9
7
4
2
63
25
38
51
30
9
7
3
2
40
16
24
50
30
10
7
1
2
40
16
24
49
30
10
7
0
2
41
16
25
292
165
54
42
19
12
308
123
185
事
業
年
度
益
計
事
ャッ
キ
ュ
シ
ー
フ
ロ
表
利
益
処
分
PIRR計算用デー タ
PIRR
資本金
当期フリ ーキャッ シュ フ ロー
EIRR計算用データ
EIRR
業
年
度
キャ ッシ ュ・イン
当期利益(税引後)
減価償却費戻入
資本金
借入金
キャ ッシ ュ・アウ ト
当期損失(税引後)
設備投資額
借入金元本償還
(借入金残高)
当期フリーキャッシュ フロー
200
0
0
37
0
7
0
6
-200
50
#N UM! #N UM!
-50
0
0
19
-50
19
#N UM! #N UM!
0
0
38
38
7
7
5
4
50
49
-36.0% -13.5%
0
20
20
-15%
0
1
2
3
4
5
6
合 計
200
0
44
37
45
38
45
38
31
24
31
24
32
25
0
7
7
7
7
7
7
427
185
42
50
50
配当
内部留保金(当期繰越利益)
(内部留保金累計)
資本投下総額( 資本金+借入金)
当期利益( 税引後)
減価償却費戻 入
支払利息戻入
(PCKK作成)
(単 位:百万円)
6
合 計
0
収 入
売上高
その他収入
損
0
20
20
8%
0
0
0
0
0
0
150
0
0
0
0
0
0
150
200
25
25
25
25
25
25
350
0
200
0
(150)
0
0
25
( 125)
0
0
25
(100)
0
0
25
(75)
0
0
25
( 50)
0
0
25
(25)
0
0
25
(0)
0
200
150
-
0
19
20
20
6
6
7
77
0
11
12
12
3
4
4
46
0
(0)
8
( 8)
8
(16)
8
(24)
2
( 26)
2
(28)
3
( 31)
31
0
24
7
3
33
- 3.9%
0
24
7
1
32
2.5%
0
25
7
0
32
6.9%
0
6
6
13%
0
6
6
16%
0
7
7
18%
当期利益(税引後)
減価償却 費戻入
支払利息 戻入
上記合計(※DSCRの分子)
元本償還+支 払利息(同 分母)
DSCR
−
0
0
0
0
0
37
7
6
50
31
38
7
5
50
30
38
7
4
49
29
24
7
3
33
28
24
7
1
32
26
25
7
0
32
25
-
1.6
1.7
1.7
1.2
1.2
1.3
55
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-7. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
キャッシュの配分
プロ ジェ クトファイナン ス
事業収支計画の作成
♦資金調達の具体性と確実性
・「誰から、どれだけの額を、どんな条件で?」
・自己資本/負債比率、借入条件(金利、期間、償還方法)等
・金融機関からの「関心表明書」取得は事業計画の健全性を
アピールする武器
・コンソーシアム構成企業の出資によるコミットメントの確保
♦バランスの取れたキャッシュの配分
(1)「DSCRは十分なのにEIRRが低い・・・」⇒負債償還に余裕が
あるので 借入れ比率を増して自己資本投資額を減らし、小
さい資本投下に対 して大きな利益を得られるようにする(=
「レバレッジを効かせる」)。
(2)「PIRR、EIRR、DSCRが全体的に低い・・・」⇒コスト削減の検
討、資金 調達・支出のタイミングの変更、より有利な資金調
達方法の検討
Î どんなケースでも収支計画に戻って問題の原因をた
どるのが基本!
(PCKK作成)
56
28
Ⅱ.PFI事業計画の実際
3-8. PFI事業収支計画の考え方
PFI事業計画の基礎
♦プロジェクトファイナンスとは
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
収支計算のツ ール
事業収支の評価指標
資金調達の
具体性と確実性
【コーポレート・ファイナン ス】
・スポン サーの資力・信用力に依存
・担保売却価値に依存
・銀行の事業への関与は小さい
スポンサー(親会社)
■出資
■債務保証
■担保提供
(キャッシュフロー)
借入人(子会社)
銀行団(貸出人)
(キャッシュフロー)
キャッシュの配分
スポンサー(親会社)
プロ ジェ クトファイナン ス
事業収支計画の作成
■出資
■限定的支援
(劣後ロ ーン 等)
プロジェ クト実施
銀行団(貸出人)
借入人(子会社)
(キャッシュフロー)
【プロ ジェ クト・ファイナン ス】
・事業キャッシュフローに依存
・原則としてスポン サーへの遡及なし
・金融機関の事業への関与が大きい
・金融機関による 事業性のチェ ックが期待できる
プロジェ クト実施
(PCKK作成)
57
Ⅱ.PFI事業計画の実際
4-1. PFI事業収支計画の作成
PFI事業計画の基礎
♦ PFI事業収支計画の流れ
事業計画の構成要素
与件の把握
事業収支計画の考え方
・募集要項の読込み
・支払条件の把握
・計算上のルール把握
PFI事業収支計画の作成
収支計画の流れ
与件の把握
前提条件の設定
前提条件の設定
CF表の作成
結果のフィードバック
感度分析
キャッシュフロー表
の作成
・初期投資
・ランニングコスト
・はじめは概算値で
・客観性・正確性を徐々に
アップ
・損益計算書
・キャッシュフロー表
・事業CF評価指標の算
出
感度分析
結果のフィードバック
(PCKK作成)
・事業性の評価
・前提条件の修正・変更
58
29
Ⅱ.PFI事業計画の実際
4-2. PFI事業収支計画の作成
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
PFI事業収支計画の作成
収支計画の流れ
与件の把握
前提条件の設定
CF表の作成
結果のフィードバック
感度分析
♦ 収支計画の与件の把握
Îまずは募集要項(入札説明書)の読み込みから
・事業方式とサービス対価支払条件の把握
⇒完全サービス購入型か、一部直接収入があるのか?
⇒事業期間中の支払いは完全平準化か、凸凹があるか
⇒補助金交付はあるか、その額と受け取り時期は?
・金利及び物価変動リスク並びに需要リスク
⇒金利・物価変動リスクは官民どちらが負うのか?
⇒需要リスクがある場合官民どちらが負うのか?
⇒直接収入がある場合、料金設定は自由か?
…など
…など
・計算上のルールの把握 (※「様式集」に直接書き込まれていることもあるので注意)
⇒割引率の設定は?
⇒計算で採用する税率は?
⇒減価償却、消費税の扱いは?
⇒求められている財務諸表・財務データの種類は?
…など
(PCKK作成)
59
Ⅲ.PFI事業計画の実際
4-3. PFI事業収支計画の作成
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
PFI事業収支計画の作成
収支計画の流れ
与件の把握
前提条件の設定
♦ 収支計画の前提条件設定
−要求水準書を反映して、まずは概算で回してみる
−ステージが進むにつれ正確・客観的・合理的に
1.初期投資費用の前提
①設計・建設費・・・設計・監理費,建設工事費等
②その他施設整備費・・・備品整備費,調査費,近隣対策費等
③その他初期投資費・・・建中金利,建物取得課税(不動産取得税、
登録免許税、事業所税)
…など
CF表の作成
結果のフィードバック
感度分析
2.初期投資資金調達の前提
①自己資金/負債比率
②借入金の借入条件(償還方式、金利、期間、借入時期)
③補助金(建設一時金)の有無
…など
3.ランニングコスト(運営費)の前提
⇒売上原価は費目〔材料費,人件費,etc.〕で分けても業務〔保全
費,運営費,etc.〕で分けても可(※ただし指定がある場合は別)
⇒減価償却費、公租公課(固定資産税・都市計画税)
…など
(PCKK作成)
60
30
Ⅱ.PFI事業計画の実際
4-4. PFI事業収支計画の作成
PFI事業計画の基礎
♦ キャッシュフロー(CF)表の作成
事業計画の構成要素
1.損益計算書(例)
CF水準が設定したハード
ル・レートを 越えるよ うな
値を最後に逆算
1-1.営業収入(+)
・PFIサービスの対価
・利用者からの直接収入
1-2.営業支出(−)
・設備保守管理費
・施設修繕費
・施設運営費
・公租公課
・減価償却費
事業収支計画の考え方
PFI事業収支計画の作成
収支計画の流れ
与件の把握
前提条件の設定
C F表の作成
不動産取得税、登録免許
税、固定資産税、
都市計画税、事業所税
初めは「建物」と「設備」の
二分類程度で
など
1-3.営業損益
1-4.営業外収入(+)
1-5.営業外支出(−)
・支払利息
結果のフィードバック
感度分析
前提条件
借入元本の償還は「損」
ではないので利息支払だ
けが損益計算に入る
など
○提案の与件
○初期投資費用
○ランニン グコスト
○資金調達
1-6.税引前当期損益
1-7.法人税
1-8.税引後当期損益
当期損益がマイ ナス(損)
だった場合、最長5年間
その損を 繰延べられる
3.補助計算表・・・表の煩雑化を 避ける ため、必要に応じて作成
長期修繕計画表
(PCKK作成)
借入金償還計算表
61
Ⅱ.PFI事業計画の実際
4-5. PFI事業収支計画の作成
PFI事業計画の基礎
♦ キャッシュフロー(CF)表の作成
事業計画の構成要素
2.キャッシュフロー表(例)
1.損益計算書
事業収支計画の考え方
PFI事業収支計画の作成
収支計画の流れ
「非資金損失」(減価償
却費等)を 加える のを
忘れずに
与件の把握
前提条件の設定
C F表の作成
結果のフィードバック
感度分析
前提条件
○提案の与件
○初期投資費用
○ランニン グコスト
○資金調達
建中金利や建物取得税
を 開業費として繰延べる
ときはこち らに含む
投資の効果が複数年度
に及ぶ修繕・更新の場合
はこちらに含む
2-1.キャッシュ・イン(資金収入)
・税引後当期利益(+)
・減価償却費戻入(+)
・出資金(建設期間+)
・劣後ローン(
〃
)
・建設補助金(
〃
)
・借入金(
〃
)
2-2.キャッシュ・アウト(資金支出)
・当期損失(−)
・施設整備費(−)
−建設工事費
−設計・監理費
など
・大規模修繕・更新費
・借入金元本償還
3.補助計算表・・・表の煩雑化を 避ける ため、必要に応じて作成
長期修繕計画表
(PCKK作成)
借入金償還計算表
CF指標計算表
62
31
Ⅱ.PFI事業計画の実際
4-6. PFI事業収支計画の作成
PFI事業計画の基礎
事業計画の構成要素
事業収支計画の考え方
PFI事業収支計画の作成
収支計画の流れ
与件の把握
前提条件の設定
CF表の作成
結果のフィードバック
感度分析
♦ 結果のフィードバックと条件調整
・得られた結果が事業性の不足を示した場合には、コ
スト削減策、資金調達の再検討等の事業性向上対策
を検討する必要がある
⇒事業構築過程でコントロール可能と考えられる要因を抽
出し、上下に変動させて新しいシミュレーション結果を変動
させる前と比べる。
⇒当初の概算値は検討が進むとともに精緻化し、新しい条
件としてそれを反映させたシミュレーションを行うこと。
♦ 感度分析
・事業期間中に上下変動が予測される項目を抽出して
「ベスト(最良)ケース」「ワースト(最悪)ケース」等の
場合のキャッシュフローの変化を見る
⇒一見「硬い」計画でも、シナリオが少し変わっただけで見
通しが狂う場合がある。特に初期段階では多くの数値を概
算で見積もるため、注意が必要。
⇒変動がCFに大きな影響を与える項目は重要リスクと判
断し、対策を講じる必要がある。
(PCKK作成)
63
Ⅲ.模擬提案書(配布資料)
1.維持管理計画提案書
・運営計画提案書
2.施設計画提案書
3.附帯事業計画提案書
4.事業計画提案書
64
32
付録 PFI用語集( 1)
1. 事業形態
・ BOT (Build Operate Transfer)
・ BTO (Build Transfer Operate)
・ BOO (Build Own Operate)
2. SPC (Special Purpose Company)
・ ある特別の事業をする目的のために設立された事業会社
3. コンセッション (Concession)
・ 事業権。欧米のPFI,BOT事業の契約に使われる。
4. コンソーシアム
・ 特定の事業を実施するために複数の企業などが結成した企業体
5. PSC (Public Sector Comparator)
・ 従来型公共事業で実施した場合の財政負担額
6. (正味)現在価値(Net Present Value)
・ 将来価値を一定の割引率で割引き,現在の価値に換算したもの。
7. 割引率 (Discount Rate)
・ 現在価値を算出する際に用いる利率。
65
付録 PFI用語集(2)
8. IRR (Internal Rate of Ratio)
・ E-IRR (Equity-IRR:自己資本内部収益率)
・ 事業の出資に対する採算性(利回り)を示す指標
9. P-IRR (Project-IRR:事業内部収益率)
・ 投資額に対する採算性を示す指標。事業者が事業を実施するか否
かの判断指標。
10. DSCR (Debt Service Coverage Ratio)
・ 事業が生み出す毎年のキャッシュ フローが元利金返済に十分な水準で
あるかを見る指標。金融機関が融資をする際の判断指標。
11. LLCR(Loan Life Coverage Ratio)
・ 融資期間中のキャッシュフローの総額が借入金を返済するのに十分な
水準であるかを見る指標。金融機関が融資をする際の判断指標。
12. アベイラビリティ・フィー (Availability Fee)
・ 施設が利用可能な状態になっていることに対して,公共から支払われる
料金。
13. パフォーマンス・フィー(Performance Fee)
・ サービスの質(Performance)に対して,公共から支払われる料金。通常,
ボーナスとペナルティからなる。
66
33
付録 PFI用語集(3)
14. ユーセージ・フィー (Usage Fee)
・ 施設の利用量に基づいて,公共から支払われる変動料金。
15. ステップインライト(Step-in Right:介入権)
・ 債務不履行発生など非常の場合に,プロジェクトに対して貸し手が介入
できる権利。
16. ダイレクト・アグリーメント (Direct Agreement:直接協定)
・ 業績が悪化した場合に,貸し手は業績を修復し契約を継続させることに
よって返済原資を確保するため,金融機関と公共機関とが予め結ぶ契
約。
17. ノンリコース・ファイナンス(Non-Recourse Finance)
・ 負債の返済方法を,プロジェクトが生み出す収入と資産のみとし,出資
者には出資額を超えて弁済責任を遡及しないとする融資方法。
18. リミテッドリコースファイナンス (Limited Recourse Finance)
・ 負債の返済に関して,限定的な債務不履行の場合のみ親会社に責任
を遡及することを約した融資方法
67
34