摂食嚥下障害の食事

摂食嚥下障害の食事
自分の家族を診るように
医療法人 社団 光医会
たかなし歯科
横浜市旭区鶴ヶ峰本町2-45-9
TEL953-8100
http://www.kouikai.or.jp
高齢者の方の食事を考える上では、摂食(せっしょく)・嚥下(えんげ)障害を考慮した食事や介助が重要となります。
摂食・嚥下障害とは...食べ物を口に取り込み、飲み込む一連の流れがスムーズにできないこと
摂食・嚥下の流れとは、、、食物を目で確認⇒ 食物を口腔内に取り入れる ⇒ 咀嚼(ソシャク)舌で食べ物をまとめる ⇒ 嚥下運動 飲み込む
主な要因、、、加齢(かむ力や唾液の分泌の低下) 脳血管障害(脳梗塞後遺症・痴呆など)
嚥下障害の影響、、、誤嚥(ごえん) 低栄養 脱水 窒息 食事が楽しくない
こんな症状には要注意!!
●食事中や水分を摂るときにむせる、咳き込む。 ●食事中、食後にがらがら声になる。 ●のどに食べ物がつまった感じがする。●パサパサした物、弾
力のある物が食べにくい、嫌がる。 ●昨日と今日とで食べ方が異なる。 ●飲み込むときに天井を見るように上を向く。●体重が減っていく。
嚥下障害の方に適した食事のポイント
適した食べ物の条件舌で押しつぶせるやわらかさ適度な粘度バラバラにならない
口腔や咽頭を変形しながら滑らかに通過する形態密度が均一
調理上の工夫
① 軟らかくする
切り方 ・・・・ 細かく 繊維に直角につなぎの利用 ・・・ いも 卵 油脂(マヨネーズ 生クリームなど)加熱
・・ 揚げ煮 下ゆで 蒸すなど
② とろみをつけたり、まとまりのある形態にする
とろみ・ゼリーの食材使用濃度の目安
●でんぷん 約1.5% ●片栗粉・くず粉・コーンスターチなど 市販の増粘剤 約1.0%~ ●ゼラチン
約1.6%~
気をつけた方がよい食べ物
スポンジ状 ・・・・・凍り豆腐
線維状 ・・・・・せり もやし たけのこ セロリ ごぼう
かまぼこ状・・・・・かまぼこ ちくわ
焼き魚(ぱさつく)酸味 ・・・・・酢の物 酢みそ和え
熱い物 ・・・・・汁物 うどん シチュー(少し冷ます)
刺激物 ・・・・・練り辛子 唐辛子 わさび
その他 ・・・・・餅 海苔 わかめ ウエハース 大豆 丸い飴 こんにゃく 水(通過が滑らかでなく、へばりついたり、詰まりやすい)
食事時の工夫
「口から食べる」ことは脳を刺激し、リハビリや生きる力へとつながります。
生きる意欲のバロメーターである「食の自立」をめざして、正しい食事の工夫・介助を
いたしましょう!!
① 食べる意欲を引き出す工夫
・家族で食卓を囲み、会話を楽しむ 家族と同じ料理で調理を工夫
・旬の食材、盛りつけ、食器、見た目や香り、嗜好、適温、味付けを配慮
・食環境の整備・・・食卓の花やテーブルクロスなど
・麻痺のある場合、残存機能が活用できるように、全てを介助せず
できないことだけ食事介助する。
② 食べる姿勢と食べ方の工夫
・垂直座位でやや前屈姿勢(あごをひく)片麻痺の場合は頚部・体幹を健側に側屈
・座位困難な場合は30度仰臥位頚部前屈で横向き(片麻痺では麻痺側が上)
・小さなスプーンでひとくちずつ
・麻痺のある場合は健側の口腔内に入れる
・飲み込みを確認して、次のひとくち
・歯や口腔内の衛生にも気をつけて
嚥下障害の方の気持ちを理解し、楽しく食事ができる環境作りや精神的援助が必要です。
形
態
プリン状
調
理
例
プリン 豆腐のあんかけ ムース 茶碗蒸し
ゼリー状
スープゼリー 牛乳ゼリー 果汁ゼリー お茶ゼリー
ポタージュ状
カボチャ・豆・じゃがいものポタージュ シチュー
乳化状
ドリンクヨーグルト アイスクリーム フルーツヨーグルト
マッシュ状
マッシュポテト カボチャマッシュ
とろろ状
生卵 とろろ汁 納豆ペースト
ネクター状
白桃缶 りんごのコンポート バナナペースト
粥状
ねっとり粥 パン粥 ゆるめの葛湯 くたくた煮込みうどん
ミンチ状
つみれ 肉団子のあんかけ 豆腐ハンバーグ
診療時間: 月12時~20時 火~土9時~20時 日曜9時~17時
休診日 : 祝日 水曜日
診療科目: 一般歯科・小児歯科・障害者歯科・歯列矯正・インプラント歯科・訪問歯科
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