Promise Co., Ltd. プロミスが描く道筋 消費者金融事業の再構築 2ブランドによる顧客基盤の拡大、与信基準の見直し、 優良顧客の囲い込み、コスト構造改革で収益基盤の強化を図る ●三洋信販との統合効果および今後の方向性 統合のポイント 1. スケールメリットの追求による競争優位の確立 2. 経営資源の集中化・共有化によるコスト効率の追求 3. グループ企業間連携による全体での収益力の強化 消費者金融事業の抜本的な改革と新たな収益基盤の確 る一方で、両社の広告宣伝業務をプロミスが一元管理し、 保が求められる中、プロミスは、三洋信販を子会社化し、 コスト面での効率性も追求するなど、三洋信販との間で スケールメリットの追求とコスト構造改革による費用削 経営資源の集中化、共有化を進めながら、グループ内での 減、そして顧客獲得力の強化を図っています。 適正配分を進めています。 三洋信販のグループ化により、単に残高規模を拡大し 今後も同営業体制を維持し、効率的なマーケティング ただけでなく、経営の効率化や成長戦略への取り組みを を追求するとともに、プロミスおよび三洋信販それぞれ ダイナミックに推進していくことが可能になりました。 の保証事業や、グループ内のサービサー事業の連携を強 例えば、2ブランド体制の営業展開により集客力を高め 化し、効率性を重視した拡大を考えていきます。 ●コスト構造改革 ITシステム一本化、チャネル共有化、人員の適正配置 プロミスは、三洋信販との統合によるコスト構造改革 営業費用の推移 を急ピッチで進め、2010年3月期に関連コスト150億円 削減という目標に向けた体制が整いました。 4,560億円 (億円) 6,000 まず基幹系システムをはじめ消費者金融にかかわるIT 5,000 システムのプロミスシステムへの統合が2008年8月に完 了し、各業務の効率化に向けたバックアップ体制が整い 4,000 ました。チャネルの共有化は、店舗の所有をプロミスとし 3,000 て、有人店舗が3月に、無人店舗が8月に完了。集中セン 2,000 ターも同月にプロミスセンターへの統合が完了しました。 一方、人員削減につきましては、有期雇用社員の削減を中 1,000 心に行い、2008年10月からの1年間で約1,400人の減 0 少となりました。 また、2009年3月には子会社のタンポート、サンライ フ、セシールクレジット、3社の株式並びに債権の譲渡を 決定しました。これにより、今後の利息返還関連費用およ 12 び人件費の削減を見込んでいます。 05 ■金融費用 ■広告宣伝費 06 07 ■貸倒費用 ■人件費 08 09 ■利息返還費用 ■その他費用 ●与信基準の厳格化 プロミスグループでは、法改正を睨み、先行して金利引き下げ対応と与信基準 の厳格化を行い、クレジットコストの抑制を図るための債権ポートフォリオの 改善に取り組んでいます。 消費者金融事業のマーケット規模が縮小し、競合がま すます激化していく中で、新規顧客の獲得強化と顧客の 債権ポートフォリオの改善状況(単体、無担保ローン) (%) 100 囲い込みを図るため、プロミスでは、2008年12月に新 規貸付上限金利を引き下げ、同貸付金利帯を7.9%∼ 80 17.8%に変更しました。 また、貸付上限金利の引き下げに合わせて、三洋信販を 含めたプロミスグループとして与信基準についての見直 60 40 し・厳格化を行いました。今回の与信基準の厳格化は、日 本貸金業協会が改正法の完全施行に先立ち制定した多重 20 債務防止のための自主規制規則を踏まえたものです。 0 プロミスグループでは、現在進めている与信政策を通 じて、改正法の完全施行後の新たな環境に対応した債権 ポートフォリオへの転換を図っていきたいと考えています。 07 ■他社利用0件 ■他社利用3件 08 ■他社利用1件 ■他社利用4件 09 ■他社利用2件 ■他社利用5件以上 ●優良顧客の囲い込み 競争力が高く、お客様の利便性やニーズに即した商品ラインナップを提供する ことで、優良顧客の獲得を図ります。 消費者の資金ニーズに「いつでも」 「どこでも」 「迅速 に」お応えするチャネルネットワークは、消費者金融会社 の重要なインフラです。プロミスでは、消費者の様々なラ イフスタイルの変化に対応しながら、チャネルネット ワークやご相談窓口の整備に取り組んでいます。 また、フリーキャッシングの最優遇金利を消費者金融 会社のみならず、信販・クレジット会社に対しても十分な 競争力を持つ7.9%へと大幅に引き下げ、お取引履歴等の 良好なお客様には、優遇金利の適用を進めています。 13 Promise Co., Ltd. プロミスが描く道筋 収益基盤の多角化 消費者金融事業で培った与信・債権管理ノウハウを活用し、 国内での保証事業、海外での消費者金融事業を拡大するほか、新規事業にも着手。 ●保証残高 ・連結保証残高:4,949億円 ・SMBCカードローンの保証を中心に、金融機関との保証提携が着実に拡大 信用保証事業については、三井住友銀行(SMBC)との 保証残高の推移 提携による残高が順調に拡大しており、連結保証残高に 4,949億円 占める割合は55.7%となっています。その他、地方銀行 (億円) との保証提携も着実に増えています。 5,000 三洋信販の 保証残高連結 また、三洋信販も地方銀行から信金・信組まで、きめ細 4,000 かく地域金融機関との保証提携ネットワークを構築して おり、同残高に占める割合は23.7%となっています。 3,000 SMBCとの 保証事業スタート (2005年4月) 法改正による貸付上限金利引き下げに伴い、銀行・信 2,000 販・消費者金融専業の垣根はなくなっていきます。そうし た中で、顧客基盤を着実に拡大していくには、銀行をはじ 1,000 めとする金融機関との保証提携は欠くことのできない施 策であると考えています。 0 05 06 07 08 09 ■プロミスグループ ■三洋信販グループ プロミスは今後も、保証事業の取引先拡大と取扱高の 増大に注力し、収益の大きな柱として育てていきます。 主な提携状況 2008年07月 東京スター銀行との事業者向けローン保証業務の取扱いを開始(三洋信販) 2008年10月 中国銀行と提携し、個人向け無担保ローンの保証業務の受託を開始 2008年12月 SMBCとプロミス保証による新型教育ローンを開発 2009年02月 福島銀行と提携し、個人向け無担保ローンの保証業務の受託を開始 2009年03月 長野銀行が新たに販売する個人向け無担保ローンの保証業務の受託を開始 ●サービサー事業 グループ内の買取債権残高:255億円 プロミスのサービサー子会社のパル債権回収では東京・ 阪・札幌・仙台・名古屋・広島・福岡に7拠点を持ち、大口債 大阪・札幌・福岡の4都市に拠点を設け、プロミスグルー 権に特化した事業を展開しています。これからも両社の プ内の債権だけでなく、消費者向けの小口債権を中心に、 連携を図り、それぞれの強みを活かした相互補完の関係 金融機関等の債権の買い取りや回収業務の受託に積極的 を構築し、事業を拡大していきます。 に取り組んでいます。また三洋信販債権回収は東京・大 14 ●新事業の動向 消費者の資金決済ニーズが潜在している新たな事業領域に進出し、消費者 の資金決済ニーズを獲得する「新ビジネスモデル」を開発・展開 プロミスグループは収益基盤の多角化を図るため、異 す。また、インターネットショッピングモールを運営する 業種との連携などにより幅広い顧客層を持つ事業領域に 「買う市」ユーザー向けの小口決済や短期の決済ニーズに 進出し、そこで顕在化した資金決済ニーズを取り込む 対応した商品の提供も既に開始しています。今後もDoフィ 「総合金融サービスの提供」に取り組んでいます。その中 ナンシャルサービスでは、プロミスグループが進出した 核を担う総合ファイナンス会社として、2007年2月にDo 新事業から派生する金融サービスの充実を進め、その収 フィナンシャルサービスを設立しました。 益源としてのさらなる成長を目指していきます。さらに Doフィナンシャルサービスは、プロミスの消費者金融 プ ロ ミ ス で は 、消 費 者 と の 接 点 を 増 や す 資 金 決 済 事業で培った与信・審査ノウハウを活かし、中古車のネッ ニーズを創造・開拓する事業会社の設立や業務提携を進 トオークションを手がける「カーイチ」を通じ、中古車の め、それらの事業ポートフォリオを構築することで新た 購入ユーザー向けの「オートクレジット」を販売していま な収益機会を増やしていきます。 ●海外展開 アジアを中心とした新たなマーケットへの進出を視野に、消費者金融事業 を展開 プロミスは、1992年2月にプロミス香港を設立し、国 野に入れ、海外での消費者金融事業を検討していきます 内で培った与信・債権管理ノウハウを活かした消費者金融 が、グローバルな金融危機の影響はアジアにも及んでお 事業を展開しています。 り、慎重に市場調査と情勢分析を進めています。 プロミス香港は着実に業績を伸ばし、2008年12月末 では香港の消費者金融業 プロミス香港の概要 (2008年12月31日現在) 界第4位(推定)の営業 名称 PROMISE (HONG KONG) CO., LTD. 設立 1992年2月 事業内容 消費者金融 資本金 HK$4,500万 決算期 12月 タイランドを設立し、 本社所在地 Wan Chai, Hong Kong 2005年10月より営業 株主 プロミス株式会社(100%) を開始しています。 上場 未上場 店舗数 25店舗 従業員数 174人 貸付金を有するまでに成 長しています。香港以外 では、2004年3月にタ イ・バンコクにプロミス プロミスでは、今後も アジアを中心とした新た なマーケットの開発を視 15
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