Ⅳ. レポートの書き方―表記法編 はじめに ここでは、主として本学におけるテキスト履修課題方式のレポートと同論文方式の論文 を念頭に、レポートの表記法について記すこととします。表記法については、あまり細か いことを気にする必要はありませんが、大学にふさわしいレポート・論文にするためにも ある程度の約束事は知っておかなければなりません。 本稿がそのために役立てば幸いです。 1.タイトル レポート・論文にタイトルを付すことは必須です。ときどきタイトルのないレポートが 見受けられるので、注意してください。 課題のなかでタイトルが指定されている場合は、教員からの細かい指示をよく読んだう えで、指定されたタイトル(指示内容によってはそれに即したタイトル)を必ず付けてく ださい。また、教員が提示した複数のタイトルから一つを学生が選択する場合もあるでし ょうが、その場合、どれを選択したかをはっきり示すことが必要です。 2.章・節の区切り方・番号の付し方 レポート・論文の分量と内容がある程度増すと、論の組み立てを明確に示すために、章 や節に区切ることが重要になります。ここでは、章・節などの番号の付し方の例を紹介し ます。 ・まず、長大な論文の場合について知っておきましょう。その場合、たとえば次のように 分けられます。 (例1)最初に「序」を、最後に「結論」を置き、それらの間の本論について、最も大 きな区分を「部」とし、以下、下位区分として順次「章」 「節」 「項」 「目」などを置き ます。具体的には、 「第 1 部」 「第 1 章」 「第 1 節」 「第 1 項」 「第1目」等となります。 ・それよりもやや簡略な方法としては、 (例2)本論を、 「Ⅰ. 」 (ローマ数字) 「A.」 「1. 」 「a. 」等と区分する方法がありま す。この場合、それぞれ「章」 「節」 「項」 「目」ほどの規模で考えられることが多いよ うです。 (例 3)同じく、 「第 1 章」に相当する区分を「1.」 、「第 1 章第 1 節」を「1.1.」 、「第 1 章第 1 節第 1 項」を「1.1.1.」 、「第 1 章第1節第1項第1目」を「1.1.1.1.」 、等と表す方 法もあります。 ・私たちが念頭においているレポートや論文の場合は、字数が多いものであっても、それ ほどの細分化が必要なことは稀だと思われますので、たとえば、 「章」ないしは「節」 に該当する区分のみをいくつか並列させる(例4) 、あるいはもう一つだけ下位区分を -17- 加えて二段階で整理する(例5) 、などの手法が考えられるでしょう。 (例4)序 1. /Ⅰ./第1章 2. /Ⅱ./第2章 3. /Ⅲ./第3章 ・・・ 結論 (例5)序 1. / Ⅰ./ 第1章 1.1. / A./ 第1節 1.2. / B./ 第2節 2. / Ⅱ./ 第2章 ・・・ 結論 ・ごく短いレポートや、レポートのテーマの特質によっては、 (例4) (例5)のような区 分すら不要な場合もあるかもしれません。それでも、段落に区切ることくらいは必要な こともあるでしょうから、授業科目の内容と担当教員の指示をよく考慮して書くように してください。 3.段落の構成とその意義 論述に当たっては、適宜改行し、適当な数の段落に分ける配慮を怠らないでください。 そうすることによって、まず第一に、論者自身が論旨を明確化することができます。また、 第二に、読者にとっても、段落が適切に区切られていることによって、読みやすく、理解 しやすくなるでしょう。 一段落の字数については、固定的に考える必要はないと思いますが、目安としてよく言 われる「200~300 字」を超えた場合は、段落としては長めになっていると自覚したほうが よいでしょう。 なかには、まったく段落分けが行われていなかったり、考えもなく分けられていたりす るレポートが、ときどき見受けられますので、注意してください。 4.記号の種類と用法 ( ) 丸括弧、パーレン: 引用文献などに関する注を挿入する場合、語句について簡単な 説明を加える場合、原語や訳語を添える場合などに用います。 [ ] ブラケット: 引用文献などに関する注を挿入する場合、引用部分の意味をその前後 の文脈から補う場合などに用います。 〔 〕 亀甲(きっこう) : 丸括弧内で必要となる丸括弧に代えて用いたりします。 -18- 「 」 かぎ括弧: 文献等から引用する場合、特定の用語を強調したり相対化したりする場 合などに用います。書誌事項(参考文献のリスト)では、論文のタイトル、サブタイ トルを囲む場合があります。 『 』 二重かぎ括弧: 書名、雑誌名、新聞名などを記す場合、かぎ括弧内でさらにかぎ括 弧が必要となる場合などに用います。 ― ダッシュ: 文をいったん中断して、関連する別の文や語句を挿入する場合、論文等の タイトルで副題を添える場合、書誌事項の記述において同一著者等を表す場合などに 用います。( 「だっしゅ」の変換候補としても表示されます。 「ー」 〔長音符〕との区別 に注意してください。 ) ・・・ リード: 引用文中の一部省略した部分を示す場合などに用います。 / スラッシュ: 複数の語句を「または」のような意味で並列させる場合などに用います。 ・ 中黒、中点: 複数の語句を「と」のような意味で並列させる場合などに用います。 : コロン: 語句などについての説明・解説を付す場合、書名の後に副題を記述する場合な どに用います。 ‐ ハイフン: 数と数をつないで範囲を表したり、ある種の合成語をつくったりする場合 (たとえば、 「支配-従属関係」等)に用います。 * アスタリスク: 注を付けるときなどに用います。 5.略語の意味 以下に見出しとして挙げるのは、英語等の文献でよく見かける略語です。これら自体を 私たちが自分のレポートや論文で用いることはそれほど多くないと思われますが、各々の 略語の意味を知るとともに、私たちがレポート・論文に用いる可能性のある日本語表現を、 それらに対応させて押さえておきましょう。 ed. (edition; edited; editor) 版、 (∼によって)編集された、編者 →第 2 版、八洲太郎 編、など tr. (translator; translated by) 訳者、 (∼によって)翻訳された →八洲花子訳、など rev. (revised) 改訂された →改訂版、など et al. (et alii) その他(の人たち) →八洲太郎、高島町子ほか、など id. (idem) 同じ著者 →同「家庭教育における父親の役割」 、など ibid. (ibidem) 同じ箇所に →同 op.cit. (opera citato) 前掲書に →前掲書、31 ページ art.cit. (articulo citato) 前掲論文に →前掲論文、注(3) loc.cit. (loco citato) 先に言及した箇所に vol. (volume) 巻 p. (page), 複数 pp. 頁、ページ col. (column) 欄(たとえば、事典の左欄、右欄など) -19- l. (line), 複数 ll. 行 n. (note) 注 pl. (plate) 図版 →図版1、図 1、など s.v. (sub verbo) (∼という)見出し語の下に →「家庭教育」の項、など f. (and the following(s)), 複数 ff. ∼以下 →40 ページ以下 et sq.; et seq. (et sequens), 複数 et sqq. ∼以下 etc. (et cetera) その他 cf. (confer) 比較せよ、参照せよ →99 ページ参照、など v. (vide) を見よ →後出 101 ページを見よ、など infra 下に →下掲、後出など supra 上に →前掲、前出など c. (circa) ∼頃 →1234 年頃、など e.g. (exempli gratia) たとえば i.e. (id est) すなわち viz. (videlicet) すなわち vs. (versus) ∼対∼ 6.数の表し方 本学のレポート・論文は、基本的に横書きで提出することになっていますが、そのよう な場合、文中で使用する数字は、原則としてアラビア数字(算用数字)を用いることが多 くなっています。 (ただし、そのような表記法に反対する人たちもいます。 ) その場合、ローマ数字は、章の番号としてのみ用いること、また、漢数字は、熟語や固 有名詞等の場合にのみ用いることが原則となります。 ・ 「一部分」 「一時的」 「一面的」 「一覧表」 「一部始終」などは、漢数字で表すことになりま す。 「九十九里浜」なども漢字です。 ・ 「第一に」 「二つ」 「三人」 「四通り」 「五年後」 「六日前」などは、上の原則に従うかぎり、 それぞれ「第1に」 「2つ」 「3人」 「4通り」 「5年後」 「6日前」でよいことになりま す。 「一部」とするか「1部」とするかは、意味次第になるでしょう。 ・概数の場合は、 「数十メートル」「数千人」などと漢数字を用いるのが通例です。 ・桁数の多い数は、単位語を漢字で補うことがあります。たとえば、 「60 億 0298 万人」 等です。 ・数の範囲を示す場合、西暦年については、たとえば「1978−82」のように、前後の数に 共通する上位の桁を省略することが多いですが、他の場合については、様々に書かれて います。たとえば、ページ数について、130 ページから 132 ページまでの範囲を表すと き、 「130-132 ページ」と書かれることもあれば、 「130-2 ページ」と書かれることもあ ります。前者のように書くことが無難かと思われます。 -20- 7.注の付け方 どのような場合に注を付けるか、またどのように付けるかは、学問分野等によって多少 異なっているのが現状です。各授業科目の担当教員が採用している方法(必ずしもそれに あわせる必要はないでしょうが)は、テキストや著作で確認できるかと思います。ここで は、比較的多く用いられていると思われる方法を紹介しておきます。 ・注が付けられるのは、主として次の二つの場合です。 (1)本文を補足する場合。 (2)引用した文献、または参照・言及した文献の書誌事項を明示する場合。 ・ (1)の場合は、本文の当該箇所に注番号等を付したうえで、論文・レポートの末尾(長 い論文・レポートの場合は章末など)に同じ番号とともに、補足説明を記述します。 ・ (2)の場合については、二つの方法を紹介しておきましょう。 ①一つは、引用文献及び参照文献の書誌事項一覧を論文・レポートの末尾に掲げると ともに、本文(または補注)中の引用または言及の直後に、丸括弧( )もしくはブラケッ ト[ ]を付し、そのなかに、著者名(姓のみで) 、出版年、引用ないし参照ページをこ の順で記す方法です。同一著者の、同じ年に公刊された複数の文献を指示する場合は、 たとえば「2000a」「2000b」のように、出版年に小文字のアルファベットを付して区別 します。文献一覧は、五十音順またはアルファベット順に記載するのが通例です。 (下 掲例1) ②いま一つは、論文・レポートの末尾などに、補注と同列に並べて書誌事項をその都 度記述する方法です。 (下掲例2) ・本文中における注番号は、通例、注を付けるべき箇所の末尾の右肩に、1、1)、(1)など のように注番号を付けますが、右肩に注番号を付けることができない環境にある場合は、 (注1)などのように書き、注番号であることがはっきりとわかるようにすればよいでし ょう。 ・かぎ括弧の後に注番号と句点が来る場合、次のような順に書くとよいでしょう。 例: 「真の愛は徳なしにはありえず、真の徳は愛なしにはありえない」(注 1)。 (例 1) 八洲は、 「友愛を育むことが徳の形成に密接に結びついている」と結論づけた(八洲 2008a, 68)。さらに、ネット上での友愛の可能性についても別途検討し、そこには徳の形成に関わ る重要な要素が不足することを強調した(八洲 2008b, 231-232)。 一方、桜木は、八洲の後者の論点について、周到な調査にもとづいて反論した(桜木 2009, 198)。桜木の結論は、その論拠の一部をなす調査に難点が指摘されてはいるものの(注1)、 大筋では覆されていない。 -21- 注 (注1) とくに第2の調査について難点が指摘されている(平沼 2009, 201) 。この点は、 本稿の論旨に関係しないので、問題にしないでおく。 (注2) ・・・ 文献(*以下に掲げる文献は実在しません) 桜木町子.2009. 『インターネットと友愛』やしま生涯学習ライブラリー33.東京:八洲 学園大学出版部. 平沼次郎.2009. 「書評:桜木町子『インターネットと友愛』 」 『家庭教育研究』14 号,50-65 ページ. 八洲太郎.2008a. 「徳の形成と友愛」 『八洲学園大学紀要』98 号,33-68 ページ. 八洲太郎.2008b. 『八洲学園大学:e-ラーニングのフロンティア』改訂版.やしま生涯学 習ライブラリー18.東京:八洲学園大学出版部. (例2) 八洲は、 「友愛を育むことが徳の形成に密接に結びついている」と結論づけた(注1)。さ らに、ネット上での友愛の可能性についても別途検討し、そこには徳の形成に関わる重要 な要素が不足することを強調した(注2)。 一方、桜木は、八洲の後者の論点について、周到な調査にもとづいて反論した(注3)。 桜木の結論は、その論拠の一部をなす調査に難点が指摘されてはいるものの(注4)、大筋 では覆されていない。 注 (注1) 八洲太郎「徳の形成と友愛」 『八洲学園大学紀要』98 号(2008 年 3 月),33-68 ペ ージ, 68 ページ. (注2) 八洲太郎『八洲学園大学:e-ラーニングのフロンティア』改訂版.やしま生涯学 習ライブラリー18.東京:八洲学園大学出版部, 2008 年, 231-232 ページ. (注3) 桜木町子『インターネットと友愛』やしま生涯学習ライブラリー33.東京:八洲 学園大学出版部, 2009 年, 198 ページ. (注4) とくに第2の調査について難点が指摘されている。このことについては、平沼次 郎「書評:桜木町子『インターネットと友愛』 」 『家庭教育研究』14 号(2009 年 3 月),50-65 ページ, 201 ページ参照。なお、この点は、本稿の論旨に関係しないので、問題にしない でおく。 (注5) 八洲,前掲論文,33 ページ参照。 (注6)・・・ -22- 8.書誌事項の記述法 書誌事項の記述法は、一通りではありません。そのうえ、注の中で記述する場合か、文 献表の場合か、などによって異なることがありますし、さらに、文献表の場合であること は同じでも、注などにおける各文献への言及方法によって異なることがあります。 しかしながら、さしあたり、あまり細かいことは気にしないでよいと思います。記述法 について前もって頭に入れておくのは、大体のところだけでよいでしょう。あとは、実際 に書誌事項を記述する必要が生じたときに、明記するべき事項は何と何かをその都度よく 考えて、記述上の約束事を確認しつつ、過不足なく記述することを心がけてほしいと思い ます。 1)図書の場合 ・和書の場合、著者名(もしくは編者名) 書名:副書名 叢書名 版次 出版地:出版者 出版 年 [ページ数]の順で記述するなど、いくつかの方法があります。なお、引用文献な どに関する注を丸括弧等で括って本文中に挿入する方法をとる場合は、著者(編者)名の 後に出版年を書きます( 7.注の付け方 参照) 。 (例1)八洲太郎『八洲学園大学:e-ラーニングのフロンティア』改訂版.やしま生涯学 習ライブラリー18.東京:八洲学園大学出版部,2008 年. (例2)八洲太郎.八洲学園大学:e-ラーニングのフロンティア.改訂版.東京:八洲学 園大学出版部,2008 年. (やしま生涯学習ライブラリー18) ・編者の場合は、名の後に「編」を付します。 (例)八洲太郎編 ・同一著者(編者)の文献を続けて記述する場合は、二点目以降の著者(編者)名の代わりに 「同」または「――」または「__ 」とします。 ・著者(編者)が2名の場合は、中黒またはコンマで区切って連記します。 (例) 八洲太郎・高島町子 八洲太郎・高島町子編 ・著者(編者)が3名以上の場合は、1 番目に書かれている名の後に「ほか」と記し、他 は省略してかまいません。 (例) 八洲太郎ほか 八洲太郎ほか編 ・翻訳書の場合は、原著者(編者)名原綴. 『翻訳書名』版次.(訳者名)出版地:出版者, 出版年. (原書名.版次.原書出版地:同出版者,同出版年)などとされます(例1) 。 原綴で記述するのは、カタカナ表記の異同による混乱を避けるためです。したがって、 -23- レポートなどの場合は、原著者名を、翻訳書の表記に従ってカタカナ書きとし、さらに 原書名等を省略してもよいでしょう(例2) 。 (例1)Nussbaum, Martha C., et al. 『国を愛するということ:愛国主義の限界をめぐ る論争』 (辰巳伸知・細川元一訳)京都:人文書院,2000 年. (原書名:For Love of Country?: Debating the Limits of Patriotism, Beacon Press, 1996) (例2)マーサ・C.ヌスバウムほか『国を愛するということ:愛国主義の限界をめぐる論争』 (辰巳伸知・細川元一訳)京都:人文書院,2000 年. 2)学術誌に掲載された論文の場合 ・雑誌論文の場合は、著者名「論文名」 『雑誌名』巻号(刊行年月) ,掲載頁.と記述しま す。なお、引用文献などに関する注を丸括弧等で括って本文中に挿入する方法をとる場 合は、著者(編者)名の後に、丸括弧を付けずに出版年を書きます(7.注の付け方 参照) 。 (例)八洲太郎「徳の形成と友愛」 『八洲学園大学紀要』98 号(2008 年 3 月) ,33-68 ペ ージ. 3)新聞記事等の場合 ・新聞記事の場合、執筆者名(署名がある場合)「記事の見出し」 『新聞名』年月日(朝刊・夕 刊の別)[,掲載頁] .などと記述します。地方版や日曜版などの場合は、その旨明記し ます。 (例) 「大学激動第2部迫るバブル崩壊②」『日本経済新聞』2004 年 10 月 24 日(朝刊). ・総合誌などの雑誌記事の場合もほぼ同様で、執筆者名「記事の見出し」 『雑誌名』年月日, 掲載ページ.などと記述します。 (例) ・・・ 「・・・」 『・・・』・・・年・・月・・日,・・ページ. 4)Web サイトの場合 近年、Web サイトを参考にしたレポートを目にすることが多くなりました。Web 上の情 報や論説を参考にすること自体は問題ありませんが、その質をよく見極めたうえで参考に しなければなりません。 その場合、著者名、当該 Web ページのタイトル、当該 Web ページを含むサイトの名称、 当該ページの URL、アクセス・参照した年月日を記すべきです。その記述方法は、未確立 のようですが、たとえば次のようにするとよいでしょう。 -24- (例)内閣府政府広報室「家庭教育に関する世論調査」内閣府政府広報室 http://www8.cao.go.jp/survey/s55/S55-07-55-07.html(参照日:2004 年 6 月 3 日) 9.引用のルール 文章の引用については、次のようなルールがあります。 ・引用する場合は、原文に一切変更を加えてはなりません。文字づかいや句読点について も、原文を忠実に写さなければなりません。 ・引用部分の意味をその前後の文脈から補う必要のある場合は、文中に[ ]を挿入し、そ のなかに必要最少限の補いをほどこします。 ・引用文中の一部を省略する場合は、省略した部分を「・・・」または(中略)で示しま す。 ・外国語文献から引用する場合は、翻訳してよいとされています。 ・短い引用の場合は、引用部分を「 」または で括ります。 ・長い引用の場合は、引用文の上下を1行分あけ、さらに行頭から3文字分下げて書くこ とがあります。その場合、「 」や は必要ありません。 ・引用文の出所については、前出「7.注の付け方」に紹介した方法などで明示しなけれ ばなりません。 10.文体の統一 ・レポート・論文の場合、口語体・ 「である」調に統一するのが通例です。ただし、通常レ ポートなどで、 「です・ます」調で書いてもよい場合もあるかもしれません。 ・ただし、文献等を引用する場合、引用元が文語体や「です・ます」調であれば、それを 変更してはなりません。 11.よく見かける誤字・変換ミス・脱字 1)誤字・変換ミス 学生から提出されてくるレポートには、明らかな誤字が散見されます。当人が誤って覚 えていたことによる場合もあれば、変換操作上の不注意によるミスの場合もあると思われ ます。例を示して、注意を促したいと思います。 本学の場合、パソコンを使ってレポート・論文を作成するため、誤字は、(a)不注意によ る変換ミス、(b)知識不足による変換候補の選択ミスのいずれかとなるでしょう。 (a)は、長い文をまとめて一度で変換したために注意が行き届かなかった場合や、提出期 限が迫って焦っていたために注意が行き届かなかった場合などが考えられます。それに加 えて、同音異義語を用いているならば、さらに誤字を生む可能性が高まるでしょう。たと えば、 「誤字」を「五時」とか「護持」としてしまう、などです。この種の変換ミスは、自 -25- 分では十分注意しているつもりでも起こりうるものですので、書き終えてからていねいに 読み直してチェックする必要があるでしょう。 (b)は、たとえば「所要」と「所用」 、 「不要」と「不用」 、 「保障」と「保証」 、 「保険」と 「保健」等々の区別がよくわかっていないために、変換候補の選択を誤ってしまう場合で す。この種のミスは、本人が誤って覚えてしまっている場合などは防ぎにくいですが、少 なくとも、変換候補の選択に自信がないときは、日本語変換ソフトが表示する語義をよく 確認するか、労をいとわず辞書等で調べるようにしてほしいと思います。 なお、(a)(b)いずれの場合もあるのでしょうが、 「―」(ダッシュ)にするべきところを、 「ー」 (長音符)にしてしまっている例がよく見られますので、両者の区別に注意してください。 それらは、 「−」のキーを打って変換操作をすれば、マイナス記号・ハイフンとともに変換 候補として表示されるはずです。 (「4.記号の種類と用法」参照。 ) 蛇足となりますが、筆者が若い学生さんのレポートや答案を読んできた経験にもとづけ ば、手書きでの誤字として最も目に付いたのは「不可決」です。他にも、 「完壁」 「講議」 「指敵」「専問」などいろいろありました。だが、パソコンを利用する場合は、よほど強引 に変換しないかぎり、これらの誤字は出てこないはずです。 2)脱字 (a)パソコンを使って文章を書く場合、修正が容易です。たいていの人は、修正を重ねて レポート・論文を仕上げていくことでしょう。そこで、一度書いた文章の一部分を削除す る場合、脱字が起こらないよう十分注意してください。たとえば、修正の際に、助詞が抜 け落ちてしまっていることなどが見受けられます。 (また、脱字ではありませんが、たとえ ば「変換候補のを選び」のように、修正前の助詞が残ってしまっている場合もあります。 ) (b)また、キーボードの打ちそこないによると思われる脱字もあります。たとえば、 「よ くわかっていないtめ」 「よくわかていないため」などです。 (a) (b)とも、ていねいに読み直しさえすれば自分で気づいて修正できる場合が多いでし ょう。 12.文字づかいの統一 どの語句を漢字で書き、どの語句をかなで書くか、一定の方針を立て、一貫させるのが望 ましいでしょう。たとえば、 「従って」と「したがって」を混在させるのではなく、 「した がって」に統一する、などです。日本語の表記に関する辞典類が市販されていますので、 そうしたものに目を通してみるのもよいと思います。 -26-
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