わたしたちの体と運動 4年

わたしたちの体と運動
B区分「生命・地球」
4年
b
1組 25名 指導者 笹嶋 美冬
2組 25名 指導者 塩沢 明子
1
単元の目標
人や他の動物の骨や筋肉の動きについて興味・関心をもって追求する活動を通して、人や他の動物
の体のつくりと運動とを関係付ける能力を育てるとともに、それらについての理解を図り、生命を尊
重する態度を育て、人の体のつくりと運動とのかかわりについての見方や考え方をもつことができる
ようにする。
2
単元の評価規準
(1)自然事象への
(2)科学的な
関心・意欲・態度
(3)観察・実験の技能
(4)自然事象についての
思考・表現
知識・理解
①骨や筋肉の動きに興
①骨の位置や筋肉の存
①自分の体に直接触れ
①人の体には骨と筋肉が
味・関心をもち、進
在、骨と筋肉の動きを
たり、映像や模型な
あることを理解してい
んで、人や他の動物
関係付けて、それらに
どを活用したりし
る。
の体のつくりと運動
ついて予想や仮説を
て、人の体の骨や筋 ②人や動物が体を動かす
とのかかわりを調べ
もち、表現している。
肉とその動きを観察
ことができるのは、骨、
している。
筋肉の動きによること
ようとしている。
②人や他の動物の体の
3
②骨の位置や筋肉の存
在、骨と筋肉の動きを ②人の体の骨や筋肉と
つくりと運動に生命
関係付けて考察し、自
その動きを調べ、そ
の巧みさを感じ、観察
分の考えを表現して
の過程や結果を記録
しようとしている。
いる。
している。
を理解している。
本単元の内容
人や他の動物の体の動きを観察したり資料を活用したりして、骨や筋肉の動きを調べ、人の体のつ
くりと運動とのかかわりについての考えをもつことができるようにする。
ア 人の体には骨と筋肉があること。
児童が自分の体に直接触れることを手掛かりとして、骨の位置や筋肉の存在を調べる。体の各部
分を触ってみると、硬い部分としての骨と柔らかい部分としての筋肉があることに気付く。このよ
うに、人や他の動物の体には、体を支えたり体を動かしたりするときに使われる骨と筋肉があるこ
とを捉えるようにする。
イ 人の体を動かすことができるのは、骨、筋肉の働きによること。
人や他の動物が体を動かすことができるのは、骨と筋肉が関係していることを自分の体を動かし
たり、他の動物が運動しているところを観察したりして捉えるようにする。また、曲がるところを
関節ということを捉えるようにする。
4
単元の重点
(1) 体感できる活動の充実
子どもたちは、骨折をした経験や運動をした後に筋肉痛になった経験はあるが、体のつくりを
意識して生活をしていない。そこで、導入では体のつくりに着目させるために、体感できる活動
を取り入れた。一つは牛乳パックで関節を固定して、日常生活を体験させることで関節に意識を
もたせる。また、体操選手の筋肉の様子を映像で見せた後に、実際に自分の腕に紙テープを付け、
力を入れることで筋肉についても意識をもたせる。
また、この単元で最も難しいのは、見えないものを学習するという点である。そこで、自分の
体に触れたり、自分の体を動かしたりして学習を進めることを大切にする。
(2) 模型や視聴覚教材、図書教材の活用
実際に筋肉や骨を観察することができないので、学習を進める上で視聴覚教材や図書教材、骨
格模型などを活用する。実物大の骨格模型を用意することで自分の体を比べながら問題解決に取
り組むことができ、小型の骨格模型をグループに用意することで、話し合いの時に模型を使いな
がら学び合うことができる。また、人体の図鑑などの図書資料を用意しておき、自分の体と比較
しながら、図書資料から調べ学習をさせることで理解を深める。
5
本単元で目指す「かく・伝える・学び合う」児童の姿
かく
・自分の体を触ったり、模型や視聴覚教材、図書教材を活用したりしながら、人間の骨格や
筋肉、関節をかく。
・図書教材や視聴覚教材、図書教材を活用して、動物の骨格や筋肉を調べてかく。
伝える
・自分の体を触ったり、模型や視聴覚教材、図書教材を活用したりしながら、骨の役割や筋
肉の役割を調べたことを基に伝える。
・動物の骨格や筋肉など調べたことを基に伝える。
学び合う
・骨格模型や筋肉模型を使用することで、話し合いの時に自分の体と模型とを比べなが
ら説明する。
・複数の動物を比較して、動物と人との体のつくりの共通点や差異点を伝え、学び合う。
6
本単元の言語活動(・)と具体的手だて(○)
【かく・伝える・学び合う】
【かく】
・人体や動物の体のつくりを調
べてかく。
〇人体や動物の体の図書資料や
視聴覚資料を用意しておく。
・人間の骨格を予想し、骨格の
役割をノートにまとめる。
○見開き1ページでノートをと
るように指導する。
○ノートにまとめやすいように
体の外枠をかいたプリントを
用意する。
【伝える】
【学び合う】
・骨の役割について考えたこと ・骨の形やその役割について話
を伝える。
し合う。
○実物大の骨格模型や小型の骨 ○実物投影機でノートを投影
格模型を使用しながら伝え
したり、画用紙にまとめたり
る。
することで、全体で学び合う
・筋肉と骨との関係について、
時間をとる。
考えたことを伝える。
・動物の骨格や筋肉について調
○筋肉の模型を使用しながら説
べたことを基に分かったこ
明をする。
とを学び合う。
・動物の骨格や筋肉について調
べたことを伝える。
7
学習指導計画(全8時間)
次
時
1
1
人
の
体
の
つ
く
り
主な学習活動(○かく
◆伝える □学び合う)
●支援 ◎評価
・予想される児童の反応
自分のうでや手をさわったり、動かしたりして気が付いたことを話し合おう。
◆腕を使った活動を行う。
●実際に動いたり、動いている人を観察し
・斜め懸垂→なぜかうでが硬くなりました。
たりすることで筋肉、骨、関節に気付か
・紙テープ→筋肉が太くなります。
せる。
・牛乳パックを肘に付ける→曲がるところは骨が
分かれています。
●体の動きをよく観察できるように、グル
ープで行動させる。
◆□自分の腕を触りながら骨や筋肉の働きを観
◎関心・意欲・態度①(行動観察・発言分析)
察し、不思議に思ったことをまとめる。
・握りこぶしで力を入れると硬くなります。
・指はたくさん曲がるからたくさんの骨がありそ
うです。
●固い部分には骨があり、柔らかい部分に
は筋肉があること、曲げられるところは
関節ということを押さえる。
・筋肉と骨はつながっているのかな。
◎知識・理解①(記述分析)
・曲がるところと曲がらないところがあります。
・曲がる場所はどのくらいあるのかな。
●体験を基に調べたいことを考えさせる。
・どのようなしくみで動くのかな。
●お互いの意見を出し合い調べたいことを
・どうして筋肉は力を入れると硬くなる(膨らむ)
のかな。
深めさせる。
●次時の学習問題につなげる。
・筋肉は骨にくっついているのかな。
2
うでや指のしくみはどうなっているのか。
○◆自分の腕を触りながら骨・関節・筋肉がどこ
にあるのか調べる。
●腕の外側を紙になぞって、中のつくりの
予想や仮説をかかせる。
・指には小さい骨がたくさんあります。
・指には関節がたくさんあります。
●観察のときは自分の体を使って調べる。
・腕は硬くなるから筋肉があります。
◆□レントゲン写真や図書資料、骨格筋肉模型
(腕)を使い腕の骨について観察をする。
●外側の観察では十分に観察できないの
で、レントゲン写真や骨格模型で補う。
・腕や指だけでもたくさんの骨があります。
・指にも筋肉があります。
◎技能①(行動観察・記録分析)
・骨だけだとブラブラするから骨と筋肉はくっつ
いているのかな。
・骨と骨はどのようにつながっているのかな。
●次時の学習問題につなげる。
2
人
の
体
の
し
く
み
骨と骨はどのようにつながっているのか。
3
○◆□腕を触り筋肉がどのように付いているの
か予想を立てる。
●二の腕には2つの筋肉があることを確認
する。
○◆□腕の骨について観察をする。
◎思考・表現①(行動観察・記録分析)
・骨は筋肉でつながっています。
骨と骨は筋肉によってつながっている。
うでを動かす時、筋肉はどのようなしくみで動くのだろうか。
4
○◆□二の腕を観察し、曲げたり伸ばしたりした
ときの筋肉の動きを考え予想する。
・それぞれの骨を筋肉が引っ張って動きます。
●骨と筋肉の動きの実験器をグループに用
意し、自分の腕の様子と比べながら筋肉
の動きを考えさせる。
・上の筋肉がふくらむと腕が動きます。
○◆□骨と筋肉の動きの実験器を使って筋肉の
◎技能②(行動観察・記録分析)
伸び縮みを考える実験をする。
筋肉をちぢめたり、ゆるめたりすることでうでを動かしている。
。
5
人の体全体の動くしくみを考えよう。
○◆□体全体の輪郭が書いてある紙に、どこにど
●自分の体を触りながら、考えさせる。
の骨があるのかを予想する。
●人体の骨格模型をグループに用意する。
○◆□骨の役割について考える。
●骨の形の他に骨の大きさや数にも着目し
6 ○◆□筋肉は体のどこにあるのか調べ、発表す
(
る。
本
時 ・腹筋をしたら、お腹が硬くなったから筋肉があ
②
)
ります。
て考えさせる。
●人の体のしくみと運動をつなぎ合わせ
る。
◎思考・表現②(記述分析・発言分析)
骨や筋肉は体全体にあり、人が体を動かすことができるのは、骨、筋肉、それをつなぐ
関節の働きによる。
3
動
物
の
ほ
ね
と
き
ん
肉
7
。
動物の体のしくみはどうなっているのだろうか。
○◆□動物の骨や筋肉をグループごとに調べる。 ●人と他の動物の体を比較することで、人
間と同じところや違うところに気付くよ
8
(
本
時
①
)
○◆□人と比べて似ているところや違うところ
を発表する。
うにさせる。
◎関心・意欲・態度②(行動観察・発言分析)
◎知識・理解②(記録分析・発言分析)
動物の体も骨や筋肉、関節によって動いたり支えられたりしている。
。
8―①
本時の学習(8/8)
4年1組
(1) 目標
人間と他の動物の体のつくりを比較して、動物が体を動かすことができるのは、人間と同じように
骨、筋肉、関節の動きによることを理解することができる。
○本時における具体的手だて
○本時における「かく・伝える・学び合う」
・前時までの人間の体のつくりのノート
児童の姿
と比較させて、他の動物の体のつくり
かく
との共通点や差異点を見付けさせる。
自分の調べた動物について、骨、関節、筋肉
・個人で調べたことをグループでまとめ
があることを図や言葉でかくことができる。
ることにより、理解を深めさせる。
伝える
自分の調べた動物の体のしくみやその動物に
・グループでまとめたことを全体に発表
あった体のつくりをしていることを伝えること
することで様々な生き物の体のしくみ
ができる。
を理解させる。
・全体で人間とその他の動物とを比較
学び合う
ることで、学び合わさせる。
・ノートのかき方を徹底させる。
人間とその他の動物を比べて同じところや違
うところを話し合うことができる。
(2)問題解決学習における本時の過程
出会い
問題発見・把握
予想・仮説
実験計画
観察・実験
結果
考察
結論
活用
(3)本時の展開 ※ゴシック体表記・・・本時の見どころ
過程
学習活動(○かく ◆伝える □学び合う)
・予想される児童の反応
●支援 ◎評価
本時の学習内容を知る。
動物の体のしくみはどうなっているのだろうか。
観察
○◆□前時に調べたことをグループで発表用の
画用紙にまとめる。
ⅰ)骨はあるか。どこにどのようにあるか。
ⅱ)筋肉はあるか。
●前時に調べたことを同じ動物を調べた人で
グループを作り、画用紙にまとめさせる。
・人間と同じでたくさんの骨があるよ。
・動物も体中に筋肉があるよ。
・動物も人間と同じように関節があるね。
●筋肉や骨、関節に注目して気が付いたこと
を書き入れさせる。
・蛇は人間の背骨みたいに骨がたくさん並んで
いるからくねくねするね。
・こうもりも手に骨があるよ。
◎関心・意欲・態度②(記述分析・発言分析)
結果
◆グループごとに発表する。
考察
●調べた動物の体のしくみについて画用紙を
見せながら伝えさせる。
◆□発表を聞いて、人間と同じところや気が付
いたところを発表する。
●友達の発表を基に、人と他の動物の体を比
・どの動物も骨があります。
較することで、差異点に気付くようにさせ
・どの動物も筋肉があります。
る。
・人間と似ているところが多いです。
・生き物それぞれの生活環境に合った体のつく
りをしています。
・どの動物も頭蓋骨はしっかりしています。
●人と動物の骨格を比べてみることで、同じ
ところやその動物の特徴に気付かせ、理解
を深めさせる。
・動物も心臓とか体の中を守るしくみになって
います。
・どの動物も骨があるから体を支えることがで
きます。
・骨があるが長さや形は人間と違います。
◎知識・理解②(記録分析・発言分析)
結論
動物の体も人と同じように骨・筋肉・関節によって動いている。
○◆□自分なりの問題を見出す。
(分かったこと・もっと調べたいこと)
・体の中を知りたいです。
●単元を通して自分なりの新たな問題を見
い出させる。
・どうして筋肉痛になるのか知りたいです。
・なぜ身長が伸びるのか調べたいです。
・骨折した骨はどうして治るのかを調べたいで
す。
(4) 評価
◎知識・理解②
人や動物が体を動かすことができるのは骨や筋肉の動きによることを理解している。
8―②
本時の学習(6/8)
4年2組
(1) 目標
人の体が動くのは、体全体にある骨、筋肉、関節の働きによることと、骨の役割を関係付けて捉
えることができる。
○本時における「かく・伝える・学び合う」児
○本時における具体的手だて
童の姿
・前時までの人の体のつくりのノートを
かく
見て、骨、筋肉、関節をキーワードに
観察や体を触った体験を基に自分の考えを絵
出し考えさせる。
にしたり、言葉で書いたりすることができる。
・友達の意見もノートに書き入れながら
伝える
自分の考えと比較させる。
自分の体を動かしたり触ったりしながら筋肉
・腕の動きを思い出させながら、結論に
のある場所を考え、相手に分かりやすく伝える
つなげさせる。
ことができる。
・ノートのかき方を徹底させる。
学び合う
・小型の骨格模型をグループに用意する。
自分の考えと友達の考えを比較しながら、正
・話し合いの時に、模型を使いながら話
し合いをさせる。
しい考察を導くことができる。
(2)問題解決学習における本時の過程
出会い
問題発見・把握
予想・仮説
実験計画
観察・実験
結果
考察
結論
活用
(3)本時の展開 ※ゴシック体表記・・・本時の見どころ
過程
学習活動(○かく ◆伝える □学び合う)
●支援 ◎評価
・予想される児童の反応
◆□本時の学習内容を知る。
人の体全体の動くしくみを考えよう。
○◆□前時に調べたことから、それぞれの骨に
●小型の骨格模型を、グループに用意する。
はどのような役割があるのか振り返る。
・頭蓋骨…脳などの大切なものを守るためにヘ
ルメットのような形をしています。
・背骨…背中を丸められるようたくさん分かれ
ています。
・大腿骨…体を支えるために太く長くなってい
●骨のある場所や形から、骨にはどんな役割
があるかを考えさせる。
●骨格模型を掲示し、形の変わった骨(骨盤
や頭蓋骨等)を見付け、役割について考え
させる。
ます。
・骨盤…体を支えるから大きいです。体をねじ
れるような形になっています。
・手…細かい動きができるように指の骨も細か
●5種類の骨だけでなく、細い骨や形の変わ
った骨にも、それぞれ役割があることを骨
格模型を基に考えさせる。
く分かれています。関節も多いです。
観察
○◆体全体では、筋肉はどこについているのか
を考える。
●自分の体を動かしたり触ったりしながら筋
肉のある場所を考えさせる。
・骨のまわりに筋肉があると思います。
・足にも筋肉が付いています。
・顔にも筋肉があると思います。
結果
□体のどこに筋肉がついているのかを発表す
る。
●全身の筋肉の図を見て、体全部に筋肉があ
ることを確認させる。
・空気椅子をしたら太ももが硬くなったから筋
肉があります。
・腹筋をしたら、お腹が硬くなったから筋肉が
あります。
・顔は動くから、筋肉があります。
考察
●腕の仕組みを思い出しながら、足の筋肉も
見せる。
●腹筋や背筋など聞いたことのある筋肉の名
称を出す。
◆□人が体を動かすことができる理由を発表す
る。
・骨と筋肉が全身にあるから動けます。
・骨と骨の間に関節があるから体は曲がります。
・体全体にも骨と筋肉と関節があるから、腕と
同じように動きます。
◎思考・表現②(記述分析・発言分析)
結論
人は全身に骨や筋肉があり、骨と骨をつなぐ関節があるから体を動かすことができる。
(4)評価
◎思考・表現②
骨の位置や筋肉の存在を調べ、骨、筋肉、関節の動きを関係付けて自分の考えを表現している。