学科紹介パンフレット - 電気電子工学科

国立大学法人
千葉大学
AD ALTIORA SEMPER
つねに,より高きものをめざして
工学部
電気電子工学科
大学院 工学研究科 人工システム科学専攻
電気電子系コース
電気電子工学科/電気電子系コース
Electrical and Electronic Engineering
電気エネルギーの利用,情報通信,コンピュータ,インターネットなど現代社会は電気電子工学
に支えられています.今日の社会の繁栄を維持し,さらに地球環境との調和を図っていくために
は,今の電気電子工学をさらに発展させ続けなければなりません.
私たちの工学部電気電子工学科および大学院工学研究科人工システム科学専攻電気電子系コース
では,このような使命感に基づいて,未来を担う有為な人材の育成と,将来の方向性を見据えた
研究活動を展開しています.
このパンフレットをご一読いただき,これからの電気電子工学のために,一人でも多くの意欲に
満ちた皆さんが,私たちの仲間に加わろうと思い立っていただければ幸いです.
電気電子工学科のカリキュラム
私たちの電気電子工学科では,皆さんに電気
電子工学の真のスペシャリストになってもらう
ために,右のようなカリキュラムを用意してい
ます.
1年次では,数学,自然科学,語学,教養科
目などが中心ですが,入学した直後に「電気電
子工学セミナー」を受講します.この「電気電
子工学セミナー」では,電気電子工学とは何か
を知ってもらうことをはじめ,実践的なもの作
りの体験,レポート作成やプレゼンテーション
などを行い,電気電子工学の面白さを実感する
とともに,目的意識を持ってもらうことを狙っ
ています.専門科目は,電磁気学と回路理論を
基礎として,それを十分身に付けた上で応用科
目を配置した構成になっています.電気電子工
学は急速な発展を遂げ,今後も変化し続けてい
きますが,その根幹を司っている電磁気学や回
路理論をしっかりと身に付けていれば,どんな
状況にも対応できるはずです.これらを修得し
た段階で,応用分野につながる科目を体系的に
配置してあり,基礎から理解を積み上げること
ができます.
2,3年次では,ロボットやエネルギー問題
などを扱うシステム理論や,太陽光から電力を
効率よく生成するためのデバイス理論や,コン
ピュータを駆使した情報通信技術のための理論
などさまざまな専門科目を習得します.また,
実感をもった理解や実践的能力を養成するため
に,実験・実習科目を配置しています.
4年次の卒業研究やその先の大学院では,各研
究分野の第一線で活躍する教員のもとで,最先
端の研究課題に取り組み,実践的な課題発見能
力や問題解決能力を醸成します.
基
礎
力
養
成
1年次
数学・物理・化学各科目,電磁気学,プログラミング
物理・化学基礎実験,電気電子工学セミナーなど
2年次
電気電子工学実験,電磁気学,回路理論,
基礎制御理論,電子計測,シミュレーションなど
3年次
電気電子工学実験,基礎電子回路,電力システム,
通信工学基礎,半導体物性,プロジェクト実習など
応
用
・
実
践
4年次
最先端のテーマによる卒業研究など
研究室に自分の机が持てます!
展
開
大学院進学(約80%)
就職(約20%)
以上のカリキュラムで学ぶことにより,電気電子工学をしっかりとした基礎のもとに「わかる」
ようになり,また,実験や卒業研究などでの実践的経験を通して「できる」ようになります.こ
のようにして,将来活躍するための自信を持つことができ,電気電子工学のスペシャリストとし
て世界中で活躍できるようになります.
大学院および卒業・修了後の進路
電気電子工学科での4年間の専門教育を受け
たあと,さらに専門性を高めたい学生のため
に,下図のような,人工システム科学専攻電
気電子系コースの博士前期課程(修士課程)
および博士後期課程(博士課程)が用意され
ています.
博士前期課程では修士(工学)の,博士後期
課程では博士(工学)の学位がそれぞれ取得
可能です.
電気電子系コースでは,波動応用・電子回路,
半導体物性・電子デバイス,電子システム・
電力変換・制御,電子情報・通信分野の研究
領域から構成され,世界でもトップレベルの
研究内容を誇るとともに,研究教育拠点とし
ても世界トップレベルを目指して活発に活動
しています.
工学部電気電子工学科
(学部)
4年間
Graduate School of Engineering
ゼミでの研究発表風景
大学院工学研究科
人工システム科学専攻
電気電子系コース
博士前期課程(修士課程)
2年間
大学院工学研究科
人工システム科学専攻
電気電子系コース
博士後期課程(博士課程)
3年間
卒業・修了後の進路 ~電気電子のスペシャリストが求められています~
電力会社,通信会社,鉄道会社,電気メーカ等,電気を本業にしている会社はもちろんですが,
官公庁,自動車メーカ,建設会社,商社等,電気を本業としていない多くの会社でも電気電子の
専門家を必要としています.私達の電気電子工学科には,電気電子の人材を求めて,毎年,卒業
生の数倍に当たる500社以上から求人が来ています.
このことは,私たちの電気電子工学科への社会からの大きな期待を裏付けていると自負しており
ますが,その背景として,社会では非常に多くの電気電子のスペシャリストが求められているこ
とが挙げられます.
以下に最近の卒業生・修了生が活躍している企業の一部を示します.(順不同)
【電気】アルプス電気 オリンパス カシオ計算機 キヤノン シチズン電子 シャープ
スタンレー電気 セイコーエプソン ソニー ダイキン工業 SCREENホールディング
ス 東芝 ニコン 日本電気 日本ビクター パナソニック 日立製作所 フジクラ
富士ゼロックス 富士通 三菱電機 村田製作所 リコー ローム
【自動車・鉄道】スズキ デンソー トヨタ自動車 日産自動車 本田技研工業 マツダ
JR東日本 JR東海 JR西日本
【情報通信】NTTデータ NTTドコモ NTT東日本 NTT西日本 NHK ソフトバンク
ニフティ 日本ヒューレット・パッカード
【電力】東京電力
【重工業】I H I JFEスチール 川崎重工業 富士重工業 三井造船 三菱重工業
【その他】清水建設 大成建設 鹿島建設 東日本高速道路 旭化成 大日本印刷 凸版印刷
日亜化学工業 千葉銀行 千葉県庁 総務省統計局 東京都庁 特許事務所
テルモ 東京ガス 京葉瓦斯 日本郵政
このほかにも電気のスペシャリストとして,多くの活躍の場が待っています.
波動・回路 教育研究領域
Wave and Circuit
電波物理工学:教授 鷹野 敏明, 助教 中田 裕之, 助教 大矢 浩代,技術職員 河村 洋平
教授 鷹野 敏明
助教 中田 裕之
助教 大矢 浩代
電磁波を計測する装
自 然 災 害に 伴 い発 生
雷から放射される電波を
置を開発し,自然界
す る 電 離圏 変 動に つ
観測することにより,太
の物理現象を解明し
い て 研 究を 行 って い
陽活動や磁気嵐に関連し
て人間生活に役立て
ます。
た下部電離圏の研究を
る研究をしています.
行っています.
高感度の 95GHz ミリ波雲
レーダを開発し,国内のみな
らず北極圏など地球上の様々
な場所で雲の構造と分布を調
べています.感度と分解能が
高いので、空中を浮遊してい
る昆虫も計測できます。
地表から約70kmより上空に
広がる電離圏で,地震,台風,
火山の噴火などの自然災害に
伴って生じる変動が近年注目
されています。上に示すGPS
で得られたデータ以外にも
様々な観測手法を用いて研究
を進めています。
電磁界解析:准教授 早乙女 英夫
准教授 早乙女 英夫
専門は磁気応用工学で,高周波電源用
磁気デバイス,双方向DC-DCコンバー
タの研究を行っています.
右図は,高周波電力用磁性材料である
フェライトの動的磁気損失パラメータ
λfの磁束密度とその時間微分に対する
特性を示しています。
電離圏は地球周辺のプラズマ領
域であり,その変動は短波通信
等に大きな影響を与えます。雷
から放射されるトウィーク空電
や電波時計等に使われる標準電
波を解析し,下部電離圏の変動
を調べています.
物性・デバイス 教育研究領域
Condensed matter physics and Device
分子機能デバイス:教授 工藤 一浩, 准教授 酒井 正俊,技術職員 山内 博
教授 工藤 一浩
有機半導体物性評価とフレキシブル有
機電子デバイスの開発・研究を進めて
います.
准教授 酒井 正俊
有機半導体材料の新奇な電子物性を調
べ,エレクトロニクスに応用する研究
をしています.
機能性有機薄膜の基礎物性研究からフレキシブル電子デバイスへの応用研究を進めています.
主な研究テーマは機能性分子超薄膜の新機能物性の発現と有機EL用トランジスタなどの
ディスプレイデバイス、相転移トランジスタ、バイオセンサなどへの応用です.
縦型トランジスタと
発光素子を一体化し
たフレキシブル有機
ディスプレイパネル
です.
有機半導体(ルブレ
ン)の単結晶です.
このような結晶から
トランジスタを作る
ことができます.
プラスチック基板上
に作製した有機薄膜
太陽電池です.
電極間に形成された有
機金属ワイヤです。超
微細電子回路や神経回
路網への応用を目指し
ています.
光エレクトロニクス:教授 石谷 善博,准教授 森田 健,助教 馬 蓓,技術職員 大木 健輔
教授 石谷 善博
准教授 森田 健
助教 馬 蓓
化合物半導体の
半導体中電子スピ
窒化物半導体結晶中
レーザや太陽電池
ンとテラヘルツの
のエネルギー輸送過
の特性飛躍化、新
相互作用に着目し、
程をシミュレーショ
たな光デバイス動
新しい光デバイス
ンし、光物性の研究
作原理の開拓を進
の開拓を進めてい
を行っています。
めています。
ます。
テラヘルツパルスによる
高度計測・解析技術によ
情報・通信・エネルギー分野の
電子スピンダイナミクス制御
将来を担うワイドギャップ半導体 る物性探索
高速パルレーザ
による半導体の
ピコ秒・ナノ秒
光測定
発光強度 (任意強度)
100
10-1
10-2
10-3
0
2
高効率太陽電池
Raman intensity (arbitrary units)
紫外からTHzま
での広波長域光
デバイス
8
E2(high)
0.3
0.2
0.1
6
ラマン分光
0.4
超高速大容量
光通信
4
時間 (ns)
A1(TO)
E1(TO)
半導体原子振
動観測から物
理性質制御
0.0
400
スピン軌道相互作用によ
る電子スピンの回転
スピン
内部有効磁場//進行方向
500
600
-1
Wavenumber (cm )
システム・制御 教育研究領域
System and Control
システム設計:教授 劉 康志,准教授 残間 忠直,助教 若生 将史,技術職員 片根 保
教授 劉 康志
ス マ ー ト グ リ ッド の シ
ステムインテグレー
シ ョ ン 技 術 ,先端 制 御
理論を研究しています.
スマートグリッドのイメージ図
准教授 残間 忠直
電気自動車の次世代
モータ制御,2輪ロ
ボット追従制御を研
究しています.
複数台ロボットの追従制御
助教 若生 将史
ネットワークを介し
た制御,サイバー攻
撃に頑強な制御の研
究を行っています.
サイバー攻撃を考慮した制御
パワーシステム:教授 佐藤 之彦,教授 近藤 圭一郎,助教 名取 賢二,技術職員 千葉 誠
教授 佐藤 之彦
次世代半導体デバイスを
用いた高性能電力変換器
とその応用システムの研
究を行っています.
教授 近藤 圭一郎
モータ制御,電力変換
回路技術, 蓄電技術と
その鉄道等への応用の
研究を行っています.
助教 名取 賢二
高効率/高性能制御シ
ステム設計,次世代エ
ネルギーネットワーク
の研究を行っています.
省エネルギー・小型軽量な次世代電力変換シス 高性能なモータ制御技術や蓄電技術を鉄道等に
テムの研究に取り組んでいます.
応用する研究を行っています.
システム数理:教授 小圷 成一,准教授 岡本 卓,技術職員 鈴木 哲夫
教授 小圷 成一
計算機工学,VLSIのCAD,
確率的最適化,進化・学習シス
テムの研究を行っています.
再構成可能デバイスの自律移動ロボットへの応
用を研究しています.
准教授 岡本 卓
システム工学,最適化理論,ソ
フトコンピューティング,計算
知能,複雑系の研究を行ってい
ます.
エネルギーシステム等の複雑なシステムに
対する最適化技術を研究しています.
情報・通信 教育研究領域
Information and Communication
電子情報システム:教授 伊藤 智義,准教授 下馬場 朋禄,助教 角江 崇
教授 伊藤 智義
専用計算システムに
よる3次元テレビの
研究開発などを行っ
ています.
准教授 下馬場 朋禄
専用計算システムに
よる3次元顕微鏡な
どの研究を行ってい
ます.
助教 角江 崇
3次元動画像の記録・
再生システムについて
の研究を行っています.
3次元顕微鏡を試作していて,高速度撮影して得られたホログ
3次元テレビの試作機による再 図は微小物体の3次元再生を ラフィック(3次元)動画像か
生例で,歩きまわる恐竜のワン 行っている様子を示していま ら抜き出した,透明ガスが噴射
ショットです.
す.
される様子の可視化画像です.
電子通信システム:教授 橋本 研也,教授 安 昌俊,准教授 大森 達也
教授 橋本 研也
携帯電話等に用いられ
る高周波電子回路技術
並びに高周波電子回路
デバイスの開発を行っ
ています.
高性能高周波デバイスの研究
に取り組んでいます.
教授 安 昌俊
超高速無線通信シス
テムとマイクロ波を
用いた無線電力伝送
の研究開発を行って
います.
マイクロ波を用いた無線電力
伝送の研究を行っています.
統合情報センター:教授 全 へい東
教授 全 へい東
コ ン ピ ュ ー タ視覚 (コ ン ピ ュ ー タ ビ
ジョン)や画像処理の研究をしていま
す.
准教授 大森 達也
超音波を利用した高周
波電子デバイスについ
ての研究を行っていま
す.
超高速で超高周波超音波振動
の様子を画像化できます
言語教育センター:教授 高橋 秀夫
教授 高橋 秀夫
コンピュータを活用した英語指導シス
テム(CALLシステム)の開発を行っ
ています.
3台の首振りカメラで歩行者を追尾している様 開発されたCALL教材の画面例.総合校舎H号
子です.
館,図書館,またWebでの利用が可能です.
企業の皆様へ
Recruiting
電気電子工学科の各教員は世界でもトップレベルの研究者として,学会発表に留まらず,研究機
関や企業等外部との共同研究や委託研究にも積極的に取り組んでおります.
私どもの研究成果にご興味をお持ちの方,技術的な相談をご希望の方は,下記連絡先もしくは工
学研究科Webサイトの教員総覧に記載の連絡先までお気軽にご連絡下さい.きっと皆様のお役に
立てるものと思います.
アクセス(千葉大学 西千葉キャンパス)
千葉大学 西千葉キャンパスを西千葉駅上空から望む
35分(8駅)
JR東京
京成上野
お問い合わせ
総武快速線
35分(6駅)
京成線特急
3分(1駅)
JR稲毛
京成津田沼
総武緩行線
11分(5駅)
京成千葉線
JR西千葉
南門まで
徒歩1分
京成みどり台
正門まで
徒歩5分
千葉大学 電気電子
電気電子工学科/電気電子系コース
住所
〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33
Email
ee-info@ml.chiba-u.jp
電話
043-290-3333
ホームページ
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