P.2 - RALLIART

2004年WRC復活へのカギを握る男!
エースドライバー ジル・パニッツィと契約
三菱のWRC復活に向けてたくさんのパズルが徐々に組み上がってきているが、その中で最も重要なピースがはめ込まれた。
三菱自動車のモータースポーツ統轄会社MMSP GmbHは、
このほど2004年のWRC復帰に向 けてジル・パニッツィ
(37歳、仏)
と契約 を結んだ。
Gilles
Panizzi
パニッツィは19 9 0 年のモンテカルロラリー
でWRCデビュー。1996年、1997年にはフラ
ンスラリー選手権を連覇した。
2000年のツール・ド・コルス
でWRC初優勝を挙げ、現在
通算6勝。特にサンレモラリー
では2000年から2002 年まで
3連勝。
勝 利したラリーはすべてター
マック
(舗 装 路 )であること
から、
ターマックマイスターと
呼ばれるほど。さらに近年は
グラベ ル(未 舗 装 路)
ラリー
でのパフォーマンスも向上し、
その能力はWR Cでもトップクラス。
パニッツィは、現在WRCチームのチーフディ
レクターであるマリオ・フォナリスとの交友
が深く、強い信頼関係を築いている。この
コンビが、これからのマシン開 発において
良い影響を与えていくことは明らか。
契 約 にあたって、パニッツィは次のような
コメントを残している。
「 輝かしい歴 史と実 績を持 つ 三 菱チーム
に加わることができて大変嬉しい。三菱は
WRC復帰に向け、新体制のもと、スタッフ
の士気も高まっていると聞いている。その
チームの一員として自分とコ・ドライバーの
エルベ(実弟)
は意欲に燃えている。なんと
してもチームの 成 功に貢 献したい。また、
マリオとの関係により我々はマシンの開発
Y
L
L
A
R
D
L
P
R
I
O
H
W I ON S
P
M
CHA
面でも 有 利 なスタートを切れる事を確 信
している」
な お W R C 復 帰に 向 けたテストの一 環と
して、7月24日
(木)〜7月27日
(日)
に行われ
たドイツラリーにランサーエボリューション
WRC 2 で参 戦し、コンポーネントの 確 認を
行った。
パリダカより過酷!パジェロエボリューション、
灼熱のモロッコテストで始動。
2004年のダカールラリー
( 正式名称:テレフォニカ・ダカール2004/通称:パリダカ)
に向け、
パジェロ エボリューションいよいよ始動。パ リダカより も暑いモロッコ の砂漠で、
パ ジェロ エボリューションの改良テストが 行 われた。例年よ り も早い時期の開発テストに、
順調な仕上がり具合を見た!
去る7月14日
(月)〜7月26日
(土)
、
モロッコ
南 東 部 のエルフォードを中 心とした砂 漠
地 帯で2 0 0 4 年 パリダカに向けたパジェロ
エボリューションの改良テストが実施された。
テストには、2 0 0 3 年 王 者 の 増 岡 浩、ステ
ファン・ペテランセル(仏)
、
ミキ・ビアシオン
(伊)
のレギュラードライバーに加え、今 年
から開 発ドライバーを務めるジャン・ピエー
ル・フォントネ
(仏)が参加した。
またドミニク・セリエス監督やチームエンジ
ニアのティエリー・ヴィアルド、世 界ラリー
選 手 権 チームから移 籍したエンジニアの
ベ ル ナール・リンダウアーをはじめ、総 勢
30名ものスタッフが現場に揃った。
1
RALLIART JOURNAL
テストが行われたモロッコの砂漠は暑さが
すさまじく、外 気 温 5 3℃、日陰でも4 6℃に
達するまさに地 獄のような気候。
この暑さの
ため随伴していたヘリコプターのエンジンが
不調になってしまうほど。そんな中パジェロ
エボリューションは快 調にテスト走行を続
けた。
今 回 のテストで はエンジン・トランスミッ
ション・サスペ ンションなどの 駆 動 系、ブ
レーキ、空 力 系などに全 面 的な改良が施
されたパジェロエボリューションが走 行し、
性 能や耐久性が評価された。
2004年のパリダカは、
新しいレギュレーション
によってタイヤ空気圧の室内自動調整 機が
4
0
20
使 用禁 止となる。このシステムはパジェロの
お家 芸ともいえるものだっただけに、使 用
禁止による影響は明らか。これによって全行
程でおよそ20〜30分のタイムロスになると
いわれており、
そのハンディを克服する速さ
を身につけられるかどうかがカギになる。
また、競技コースのルート変更があり、2002
年以来となる西アフリカ・モーリタニア砂漠
がメインコースとなる。このコースは中低速
なテクニカルコースで、マシンへの負担が
大きい。昨年ほとんどトラブルフリーだった
パジェロエボリューションだったが、耐久性
はそのままにより一層の軽量化と冷却性能
の向上が求められている。
R
A
DAK
今 回のモロッコテストではそういった部 分
の 改良と開 発 作 業が行われ、その 進 化を
確認することができた。
テストに参加した王者・増岡浩は2000km
もの距離を精力的に走り込み、その結果に
は満足した様子だった。
マシンの開発はおよそ90%が終了しており、
残り10%の仕 上げを行う。
より一層進化したパジェロエボリューション
がお目見えするのは、FIAクロスカントリー
ラリー選手権の最終戦「UAEデザートチャ
レンジ」
(10月19日〜10月24日)
になる予定。
パリダカと共にこちらのラリーの 結 果も
要チェック!
Y
L
L
RA