公 民 館 だ よ り

平成21年12月号
公
民
館
だ
よ
り
佐 々 町 公 民 館
TEL 62-6294
公民館講座「初心者向けの野菜づくり」(第5回)
公民館講座「映画を楽しむための世界史」(第5回)
講師 元諫早農業高等学校長 山村 秀男 氏
講師 元中五島高等学校長 内山 茂 氏
テーマ 「 鉢・プランターでの野菜づくり」
○
テーマ 映画「 戦争と平和
映画内容
○原作はロ
内容 利点①畑のないところでも野菜が作れる②野菜 シアの文豪トルストイの小説。舞台は約200年前(西
の良くできる環境に移動できる③用土の入替え・消毒が 暦1800年前後)のロシア帝国。フランス皇帝ナポレ
できるので野菜が続けて作れる等 ○プランターの種類… オンのロシア遠征とその失敗、アウステルリッツの戦い
標準型・大型の野菜用プランターがあるので野菜の種類 などの歴史的背景を軸に、ロシア貴族ピエール(ヘンリ
によって使い分ける。また、植木鉢・トロ箱・ポリバケ ー・フォンダー)とナターシャ(オードリー・ヘップバー
ツ等も利用可。○用土の標準配合…畑土、荒木田、赤玉 ン)の恋と新しい時代への目覚めを描いた作品。ピエー
土→60% 腐葉土、堆肥→20% バーミキュライト→ ルは作者トルストイの分身とみられる。 フランスの歴
20%(配合用土量の0.1%の苦土石灰を7~30日前 史 (ナポレオン時代)○ナポレオンは1769年、地中
に混入) ○肥料…元肥→植付け1週間前に用土10㍑に 海のコルシカ島に貴族の子として誕生。20歳の時にフ
10㌘の化成肥料を施し混ぜ込む。(葉菜類→窒素分の多 ランス革命が勃発。革命側に参加し、頭角を表す。革命
いもの、根菜類・果菜類→燐酸と加里分の多いもの) 追 終了後、将軍としてイタリア遠征、エジプト遠征等を行
肥→灌水の度に窒素と加里が流亡するので生育状況をみ う。○エジプト遠征中に対仏大同盟(第2回)が結成され、
て追肥する。 ○灌水…容器栽培では用土が限定されるの 外交的勝利やナポレオン法典の作成などで成果を上げ、
で乾燥状態をみて灌水する。灌水は地温調節の役割もあ 1804年に皇帝の座につく。○ほぼ全ヨーロッパを支
る。●土なしでも野菜はつくれる…砂耕栽培・礫耕栽培 配下に治めたナポレオンは、イギリスに侵攻するが失敗。
・水耕栽培(野菜工場)の仕組み、家庭での応用について 1806年、大陸封鎖令を出してイギリスへの経済封鎖
説明があった。●マルチングの効果と資材…○効果①雑 を図るが、このため経済的困難に陥ったロシアはこれに
草繁茂の抑制②土の団粒構造維持・促進③肥料の流亡防 違反した。○これに怒ったナポレオンは1812年6月
止④地温の調節⑤降雨時の土の跳ね返りを抑え病気を防 に大軍を率いてロシアに遠征を決行し、首都モスクワに
ぐ⑥土壌の乾燥防止 ○資材①稲ワラ②落ち葉③ポリエチ 難なく入場する。しかし、モスクワはロシア軍によって
レンフイルム(黒色→雑草繁茂防止・地温上昇効果、透明 放火されており、食料などの物資の補給が困難となる。
→地温の上昇効果はあるが雑草が繁茂する、銀色→地温 さらに厳しい寒さ(冬将軍)が迫り、ナポレオンは撤退を
の上昇・雑草繁茂抑制効果とアブラムシ被害の防止効果
決意。飢えと寒さに苦し
あり) ●ニンジンづくりの要点 ○品種…長根種、短根種、
みながら退却するナポレ
ミニニンジン ○作型と作業内容…省略 ○畑の準備と元
オン軍をロシア軍が追撃
肥…1㎡当たり苦土石灰150㌘を全面散布し深く耕す。
し、壊滅的な打撃を与え
元肥→堆肥2㎏、化成肥料100㌘、過リン酸石灰20
た。(ナポレオン軍兵士
0㌘を施す。○種まき…好光性種子だから覆土は極薄く。
数61万→5千人に減
発芽し難いのでまき溝に灌水しておき、敷きワラをする。
少)○ロシア遠征の失敗
発芽に成功すれば、栽培も成功。○発芽後の管理、収穫
後、ナポレオン時代は終
→間引き、土寄せ、又根に注意。
幕を迎えた。
公民館の窓から 5回シリーズで開設した公民館講座「初心者向けの野菜づくり」が好評のうちに終了した。内容
は時期的に夏~初秋にかけての果菜類の栽培と、野菜づくりの要点として、温度・日当たり、土づくりと施肥、連
作障害とその対策、主な病虫害と防除法、鉢やプランターでの野菜づくり等、栽培上の基礎・基本が主体であった。
御指導いただいた山村秀男先生に感謝の真心を捧げたい。
仕事の分野でも、スポーツにしても、学力を向上させるためにも、基礎・基本がきちんと修得できていないと、
決して応用・発展には結びつかない。何事を成すにも基礎・基本は、人に課された修練である。この修練を怠れば
砂上の楼閣で、成果を目指して何度挑戦しても、素晴らしい結果にはつながらない。そして、基礎・基本は裾野が
広く、修得には時間を要する分野でもある。家庭菜園を楽しむためにも、プランターで草花を栽培するにも、基礎
・基本となる土壌・水分・肥料・日当たり・栽培植物の特性などを知った上で管理しなければ成功はしない。畑で
鍬を持ち、太陽の光をせいいっぱい浴びて額に汗し、大地の恵みを収穫する喜びは無上のものである。
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