安全対策連絡協議会 - 在ジュネーブ領事事務所

ジュネーブ・ヴォー安全対策連絡協議会
(平成 26 年 6 月 10 日)
議論の概要
1.最近のジュネーブ州、ヴォー州の治安情勢について
(1)犯罪の動向
冒頭事務局より、最近のジュネーブ州、ヴォー州における日本人の犯罪被害、警察発表の犯罪統
計について以下のとおり概要を説明(別添資料1,別添資料2)
○警察発表の犯罪統計によれば、2013年のジュネーブ州、ヴォー州、スイス全体の犯罪発生
件数は減少した。しかし、ジュネーブ州、ヴォー州では、過去数年で大幅に増加しており、人口
千人あたりの犯罪発生件数はスイス国内で最も高い地域であるので、引き続き注意が必要で
ある。
○出張駐在官事務所では、2013年から、毎月の日本人犯罪被害の件数と概要をお知らせメー
ルを通じて在留邦人に報告し、注意喚起を行っている。犯罪被害の主な傾向は次のとおり。
・犯罪の種類:窃盗被害(特に置き引き、スリ)が大半。空き巣、車上荒らしが散発。
・発生場所・地域
① 大半が駅、空港、電車・バス内、ホテル、観光地など人が多く集まる場所での被害
② ローザンヌ、モントルー等ヴォー州での犯罪被害が増加傾向
③ フランス・フェルネーでの犯罪被害も増加
・被害者の特徴:旅行者、出張者の被害が多い。幅広い年齢層が被害。
○ジュネーブ州の犯罪発生数は大阪市の犯罪発生数(2009年)とほぼ同じであるが、人口あた
りの発生率を考慮するとジュネーブ州の発生率は大阪市の約6倍となり、犯罪発生率が高い。
(出席委員からコメント)
• ローザンヌでは、時間帯により街の様子が一変するようになった。昼間は安全な場所が夕方
から雰囲気が一変して近寄らない方が良い地区がある。
・ ローザンヌ郊外の町や村でも、空き巣被害が増えている。ロムと見られる若い女性が住宅
のベルを一件一件鳴らし、在宅か留守かを確認し、留守とわかるとグループの別の者が空き
巣に入るようである。
• いかにも出張ビジネスマン風の人が狙われる印象がある。お辞儀などのしぐさで日本人と分
かってしまうと狙われる可能性が高くなるのではないか。
・犯人は、複数人でグループを組み、役割を分担で犯行する例が多い。インターネットの動画
サイトで代表的な手口を見ることができるが、手口を知れば防犯の参考となる。
(2) 防犯の対策
○空き巣
• 外出時は、夜はよろい戸を閉めておくと良い。
・ タイマーで照明、ラジオをつけ、在宅しているように装うことが効果的。タイマーはスーパー
などで 10 フラン以下で購入可能。
• 犯人は入るのに時間がかかるアパートを敬遠するので、アパートの扉には閂(かんぬき)を
設置すると効果的。設置費用は 700 フラン程度。最近、在留邦人から空き巣被害に遭ったと
の情報提供があったが、隣接する3件のうち、閂を設置していた1件は被害に遭わず、残りの
2件が被害にあったということであり、閂の防犯効果を示す一例である。
• 家の中には、大金を置かないようにする。また、小額の現金を敢えて比較的見つけやすいと
ころに置いておくと、ほかの貴重品に手を出させない工夫となる。
○車上荒らし
・外から見えるところに物を置いたままにして、車から離れてはいけない。
・駐車した場所で、荷物の出し入れをして、トランクに荷物が残っていることを見られてはいけな
い。
・スイス・ナンバー特にジュネーブ・ナンバーの車両は、イタリアなど近隣諸国で車上荒らしの被
害に遭いやすい。旅行先では有料の屋内駐車場(又は地下駐車場)を利用する方が被害に
遭う確率が低くなる。
•鍵穴に細い金属棒を入れ、小型の機械を操作することにより、車を壊さずして手早く開ける技
術もあるので、貴重品は車内に置かないことが大切。
・リモコンでの開閉時にコードを盗み読みしてドアを開ける手口もあるので、リモコンは車の近く
で使うようにするべき。
○スリ、置き引き
・多くの場合、犯人は複数で巧みにスリや置き引きを行うので、狙われてしまうと被害を逃れるこ
とは難しい。目立たないよう、狙われないようにすることが重要。
・こちらが一人でいると周囲の状況に気をつけるが、複数となると話に夢中になるなど緊張が薄
れ、置き引きの被害に遭いやすい。
2. 緊急連絡網の確認
事務局より連絡網を使った連絡の練習を行いたいと提案し、席上配布した連絡網につき、委員
の連絡先変更の有無確認。
3.岡田所長挨拶
・邦人の安全対策は在外公館の重要業務。前回はアルジェリアのテロ事件発生を踏まえ緊急に
会合を行ったが、当地におけるテロの脅威は高くない反面、一般犯罪の被害は多数発生して
いる。出張駐在官事務所では、お知らせメールを通じて被害の例を報告し、注意喚起するとと
もに、在留邦人に犯罪被害に関する情報提供を呼びかけており、協力をお願いしたい。邦人が
より安全に安心して滞在するため、委員の皆さまのご支援ご協力に感謝。
・緊急連絡網については、当地で差し迫った具体的脅威が存在する訳ではないが、万が一に備
え、整備しているものであり、連絡網ネットワークを維持する上で定期的な連絡訓練にご協力
頂ければありがたい。
(以上)
(別添:資料1)
日本人の犯罪被害
(在ジュネーブ出張駐在官事務所に通報があったもの)
件数
2013年
2
1月
主な事案
備考
○駅ホームでの置き引き
○ケンピンスキ地下駐車
○劇場での置き引き
場での強盗事件:注意喚起
(被害者:白人男性)
2月
2
○空き巣
○地下駐車場
3月
5
○バス、電車内での置き引き(3 件)
4月
5
○トラム乗り場でのひったくり
○地下駐車場での車上荒らし
5月
3
○ホテル・ロビーでの置き引き
○両替店における日本円偽造紙幣
6月
5
○観光地での置き引き
○レストランでの置き引き
7月
6
○空港、列車内での置き引き
○偽警官による現金盗難
8月
3
○ホテル前停車時に車中荷物の盗難(2 件)
○空き巣
9月
4
○観光地でのスリ
○観光地列車内での置き引き
10月
5
○観光地でのスリ
○車上ねらい
11月
2
○ホテルロビーでのスリ
12月
7
○列車内での置き引き(4 件)
(モントルー周辺での盗難被害(5 件)
)
2014年
6
1月
○空き巣被害(3 件)
○駅・列車内での置き引き(2 件)
2月
6
○列車内での置き引き
3月
2
○ホテル前で写真撮影中の置き引き
○列車内での置き引き
4月
2
○列車内での置き引き
○路上での話しかけスリ
5月
2
○ファーストフード店でのスリ
○公園ベンチでの置き引き
(主な傾向)
1.犯罪の種類
窃盗被害(特に置き引き、スリ)が大半。空き巣、車上荒らしが散発。
2.発生場所・地域
(1) 大半が駅、空港、電車・バス内、ホテル、観光地など人が多く集まる場所での被害
(2) ローザンヌ、モントルー等ヴォー州での犯罪被害が増加傾向
(3) フェルネーでの犯罪被害も増加
3.被害者の特徴
旅行者、出張者の被害が多い。幅広い年齢層が被害。
(別添:資料2)
2013年 犯罪統計
スイス全体
罪
刑
種
法 犯 総 数
身体、生命に係る犯
殺人・殺人未遂
重
傷
害
単 純 傷 害
財 産 に 係 る 犯 罪
窃盗犯(除車盗)
うち)侵入盗
うち)強奪盗
車
両
盗
強
盗
犯
器 物 損 壊
詐
欺
麻
薬
犯
罪
ジュネーブ州
増減
2013
2012
1月~12月
1月~12月
575,139
25,728
210
568
8,572
413,166
217,978
56,930
2,228
44,079
3,196
48,130
9,304
611,903
26,351
229
597
8,728
444,039
237,449
61,128
2,473
48,121
3,603
50,279
8,066
▲ 36764
▲ 623
▲ 19
▲ 29
▲ 156
▲ 30873
▲ 19471
▲ 4198
▲ 245
▲ 4042
▲ 407
▲ 2149
1238
-6%
-2%
-8%
-5%
-2%
-7%
-8%
-7%
-10%
-8%
-11%
-4%
15%
59,170
2,039
6
25
25
48,195
28,879
6,060
739
4,601
576
5,960
559
66,423
2,084
49
32
968
55,009
32,250
7,322
769
4,945
546
6,163
437
▲ 7253
▲ 45
▲ 43
▲7
▲ 943
▲ 6814
▲ 3371
▲ 1262
▲ 30
▲ 344
30
▲ 203
122
-11%
-2%
-88%
-22%
-97%
-12%
-10%
-17%
-4%
-7%
5%
-3%
28%
78,537
3,054
26
23
912
57,279
32,254
9,747
536
2,660
597
5,391
574
83,380
3,204
15
29
1,040
61,422
32,495
10,604
633
2,997
731
5,935
529
▲ 4843
▲ 150
11
▲6
▲ 128
▲ 4143
▲ 241
▲ 857
▲ 97
▲ 337
▲ 134
▲ 544
45
-6%
-5%
73%
-21%
-12%
-7%
-1%
-8%
-15%
-11%
-18%
-9%
9%
97,289
92,862
4427
5%
9,545
8,451
1094
13%
15,789
13,083
2706
21%
件数
2013
増減率
2012
ヴォー州
1月~12月 1月~12月
増減
件数
2013
増減率
2012
1月~12月 1月~12月
増減
件数
増減率