第2章 音響システム 歪みなく、ノイズのない音を求めて… 音響システムの基礎Ⅰ −音響システムを接続する− 校内放送、音楽会の録音、運動会の放送など、音を扱う機会は、多いものです。マイクロホン、 アンプ、スピーカー等、音声を扱う機器からなるシステムを音響システムといいます。ここでは、 このシステムを構成する機器および、接続の基本について説明します。 構成する機器とその機能 音響システムは、音のエネルギーがマイクロホンで電気エネルギーに変換されてから、 最終的にスピーカーでまた元の音響エネルギーに変換されるまで、実にさまざまの機器 を経由していきます。システムを構成する機器は、機能的に次の4つに分類されます。 1 音のエネルギーと電気のエネルギーの変換器 マイクロホン 音の入り口 スピーカ、ヘッドホン 音の出口 2 音声信号の増幅やミキシングなど、目的に合わせて各種の信号処理をする機器 ミキサー 音の制作 グラフィックイコライザー 音の加工、調整 パワーアンプ 音の拡大 遅延装置 音場の補正、残響付加 3 音声信号を記録したり再生したりする機器 カセットデッキ 音の記録・再生(アナログ) CDプレーヤ 音の再生(デジタル) MD 音の再生・記録(デジタル) DAT 音の再生・記録(デジタル) 4 信号を遠くに伝送するための装置 有線伝送装置 無線伝送装置 光伝送装置(デジタル) 注 意 接続の基本 入力 出力 「出力」から「入力」 入力1 機器A 出力 機器B 入力2 出力1 入力 機器C 出力2 人為的にエコー を付ける場合を 除き、左図のよ うにループ (閉回路)を 作ってはいけ ません。 電源の入れ方 1 再生機器 2 ミキサー 3 パワーアンプ 4 スピーカ CDプレーヤー MDプレーヤー カセットデッキ マイク 録音機器 ノイズの入り方 プチッ! プチッ!! プチッ! 電源の入れ方 左から順に入れていく 1 2 3 電源の切り方 右から順に切っていく 1 2 3 プチッ!! この順序を間違えると、トラブルの原因になります.大きなパワーアンプだとスピーカが 壊れることもあります。 再生機器の電源を入れたときに発生するノイズが次の機器を通る度に増幅され、最後にスピ ーカの所では非常に大きなノイズとなって出てきます.*1(ノイズの入り方参照) 出力レベルと入力レベルを合わせることが大切 マイクの出力レベルは他の機器に比べて小さいため、専用のマイク入力に接続しなければなりません。 逆に、このマイク入力に他の機器の出力を入れないことが大切です。その他の機器はLINE INへ接続 します。 また、普通レベルはdBで表す。マイクは−50dBくらい、ラインは−10∼0dBである。 Q&A ミキサーの出力端子は何を選べばいいですか? ミキサーの出力端子には、MAIN OUT、SUB OUT、REC OUT等があります。 出てくる信号は基本的には全て同じです。REC OUTからパワーアンプに つないでスピーカから音をだすこともできるし、MAIN OUTに録音機器をつ ないで録音してもいいです。ただそれぞれの出力端子は別々の用途がある ので、変則的な接続はかえって不便になるだけです。 ノイズが出ないように 自動的に順次電源を入 れていく電源装置もあ ります。 バランス(平衡)とアンバランス(不平衡) 入力と出力には、それぞれバランス型とアンバランス型のものがあります。バランス型の ものは、下図のように2つの端子がいずれも接地(アース)されていないものをいいます。 通常「業務用」といわれている機器の音響システムの場合多くはこのバランス型がよく用 いられ、図から分かるように、2芯シールド線が用いられます。 アンプ マイクロフォン 2芯シールド線 赤 白 マイクユニット 音声信号 シールド アース アンバランス型とは、下図のように端子の一方がアースされているものをいいます。 マイクロフォン 出力 Q&A 単芯シールド線 スピーカー・ケーブルは、平行コードなのにマイク・ケーブルは、なぜシールド 線を使用しなければならないのですか? ノイズの代表的なものは電灯線からのブーンというハム・ノイズです。マイクケーブルにシールド 線を使わずに平行線を使用するとこの電灯線からのハムノイズが混入してしまいます。では、なぜ スピーカケーブルには混入しないのにマイクラインには混入するのでしょうか?実はスピーカケー ブルも電灯線からの静電誘導ノイズは受けているのです。静電誘導で発生した電圧がアンプの低い 出力インピーダンス(大体、数Ωから数百万分の1Ωの超低抵抗)でショートされてしまうため、 スピーカーからは全く雑音として音が出てこないのです。それに比べてマイクラインでは、インピー ダンスが100Ωから数kΩと回路のインピーダンスが高いため、静電誘導で発生した電圧がショー トしきれずに残ります。これがハム・ノイズとなって耳につくわけです。 バランス型はケーブルが長くてもノイズが少ない。 アンバランス回路は民生機の接続によく用いられる。ケーブルの製造コストは低くできるが、ケーブル を長く延ばしたとき、ノイズを拾いやすく、高域が減衰しやすいことから、距離が長い場合、バランス 型を用いる方がよい。 接続端子と接続ケーブル 接続端子、接続ケーブルは下のようなものがあります。用途によって選びましょう。 1 ピン(RCA) a)カセットデッキ,CDプレーヤー,VIDEO等 b)赤(R)と白(L)のステレオで1SET c)いろいろの民生機の音声入出力 ピンプラグ 2 フォーン(標準モノラル) a)普及タイプのミキサーの各入出力 b)普及タイプのエフェクターの入出力 フォーンプラグ c)小型LM楽器の出力‥・シンセサイザー、音源などの出力 3 ステレオミニ‥・最近増加の傾向 a)ウォークマンのような小型再生機器のステレオ出力(ライン出力) b)ヘッドフォン出力(ステレオ) c) 小型録音機器(MD,DAT等)のライン入力 ステレオミニプラグ 4 キャノン(3PIN) a)マイク出力 b)業務用機器の入出力 C)平衝(バランス)型の入出力 5. フォーン(標準ステレオ) a)ヘッドフォン出力(ステレオ) b)平衡(バランス)入出力(モノラル) 注 意 キャノンプラグ ケーブルの巻き方は要注意! ケーブルは使用したあとは、 きちんと巻いて保管します。 左図のように腕を使って、 巻いていく光景をよく見かけ ますが、この巻き方は、よく ありません。ケーブルにくせ がついて、今度使うとき困り ます。図のような「マスター 巻き」できちんとまいておき ます。 図 マスター巻き 図 よくない巻き方 音響システムを組む 目的に合わせていくつかの機器を組み合わせましょう 上図のように音響システムには、様々な組み合わせが考えられます。例えば、体育館で、大音 響のコンサートをするのであれば、パワーアンプが必要ですし、教室程度の場合、簡易型アンプ ですんでしまう場合もあります。空間、人数、音量等を考えて機器を選びましょう。図のように、 簡易型のアンプなどは、再生機器やミキサー機能、パワーアンプ機能などを持っていますが、体 育館などでは音量が足りません。機器の特性を考えて選ぶ必要があります。 Q&A 音響システムを組んだときブーンというノイズに悩まされましたが、 防ぐ方法は、ありませんか? これはハム・ノイズというものです。電源の周波数およびその高調波成分が、電源回路から漏れたト ランスからの誘導によって音声信号に混ざるものです。ブーンという低域のうなりのような音がしま す。これを防ぐには、それぞれの音響機器の電源まわりをチェックする必要があります。よく行われ る方法は次のとおりです。 1.使っている機材の電源を一台ずつオン・オフをにしてハム、ノイズの原因となっている機材を探 し出す。 2.機材が特定できたら、その機材の電源プラグを抜いて逆にしてつないでみる。 3.ミキサーのアースを取る。 4.それでも改善されないときはその機材を他の機材から離す。 接続例Ⅰ 接続例 パソコンの音声をミニコンポで大きくしてみましょう! 今のマルチメディアパソコンでは、プレゼンテーションの時、効果音を使ったり、Webページを 閲覧する時にも、様々な音を聞くことがよくあります。ノートパソコンなどは、内蔵のスピーカー があるものの、音を十分な音量で聞くには、少し物足りません。パワーアンプ付きのスピーカユ ニットをパソコンに接続して使うこともよくありますが、ここでは、パソコンのラインアウトからミニ コンポに接続して使ってみます。 2 ミニのステレオプラグをパソコンの ラインアウトにつなぎます。 1 まず、接続コードを選びます。 パソコンのラインアウトによく使われる のが﹁ミニのステレオプラグ﹂です ミニコンポの外部入力端子に よく使われるるのがこの「ピン」と 一般によばれている端子です 3 ミニコンポのAUX INの端子に もう一方の端子を接続します。 ラインアウトとインを間違えないように! パソコンのメーカーによって記号が微妙に 違うので、マニュアルでよく確認すること 4 ミニコンポのファンクションスイッチを AUXにします パソコン、ミニコンポ(外部入力端子のついたもの) ステレオミニ・ピンの接続ケーブル 参考文献:リットーミュージック・ムック第44号,「音響映像設備マニュアル」,リットーミュージック(株) ,1996 音響システムの基礎Ⅱ −マイクロフォンの正しい使い方− 全校朝礼、体育館での式典、体育館での学習発表会、運動会など音響機器を使う機会は、よく あります。放送担当の先生は、結構大変です。ここでは、その音響機器の中でもよく使われるマ イクロフォンについて、その特性や使い方を解説します。 マイクの種類 マイクの種類 音響機器の中でも、音の入り口として重要なマイクロフォ ンの様々な特性について理解しましょう。 1 ダイナミック型→丈夫で使いやすく、ボーカル用に向いている。 シュアーSM58 2 コンデンサー型→音域が広く、繊細な音をも収音出来るため、主 に楽器用として使われる。中に電子回路が組み 込まれているため、ファンタム *1とよばれる直流 電源が必要である。扱いには、細心の注意が 必要。 有名なマイク シュアーSM58 ゼンハイザーMD421 PAボーカルマイクとして最も有名な製品。オンマイク*2使用を 前提としている。ハウリングに強い。最近は改良型のBeta58があ る。 ゼンハイザーMD421(通称クジラ) これも有名なダイナミックマイクで、楽器の収録などによく用いられる。 特に、タムやバス・ドラムなどの打楽器によく使われているが、もとも とは、ボーカル用に開発されたもので、中高域にクセのあるハリのあ る音で録れる。 ノイマンU−87 ノイマンU−87 スタジオ用大型コンデンサマイクの代表。自然な音色で楽器を選ばない。 B&K4006 色づけの少ないストレートな音色を特徴とするコンデンサマイク。オフ マイクでの使用に向く。クラシックの集音に好んで用いられる。 ファンタム電源*1 コンデンサーマイクロフォンには必要なもので、通常は48Vを供給するが、その方法はコ ンソールからマイクケーブルを通じて供給するようになっている。中には乾電池を内蔵して ファンタム電源との両用ができるものもあり、バッテリーの容量をチェックするインジケー ターを占めたタイプもある。 B&K4006 マイクの指向性 正 面 / 0° マイクの指向性とは、音源の方向によるマイクロフォンの感度 を表したもので、マイクの特性の中でも重要なものです。 正 面 / 0° R / 90° L/ 90° L/ 90° 背 面 / 180° 単一指向性 正面/0° R / 90° 背 面 /180° 双指向性 L/90° 0 背 面 /180° 無指向性 マイクロフォンには、上図のような指向性のパターンがあります。ほとんどのマイクロフォンは左の ような「単一指向性」になっています。通常マイクロフォンの正面に最大感度を持ち、後方が最低の 感度になっています。一般的に目標の音源をクリアに集音する場合に使用され、その感度曲線は 図のように心臓の型を描きます。無指向性は、あらゆる方向の音を一様に拾うもので、エアーモニ ター、計測用などにも用いられます。全方向に感度があるためハウリングに弱く、PAでの使用には、 適していません。 P40 注 意 マイクの取り扱いと保管には細心の注意を! マイクロフォンには音響振動を電気信号に変えるためのダイアフラムと呼ばれる振動板があります。 特にコンデンサーマイクロフォンでは、このダイアフラムが非常に薄く、高電圧がかかるため、特に 取り扱いに注意がいります。衝撃を与えたりすることは、絶対に避けなければいけません。何本もま とめて持って、落としたりすることのないよう注意しましょう。また、湿度にも大変弱いため、保管 場所も乾燥した場所に保存するよう注意が必要です。 Q&A 人の声を録音するときに吹かれによるボッという耳障りなノイズを 防ぐにはどうすればよいですか? これは、フカレとかポップノイズとかいうも のです。ハンドマイクにはカプセルの部分に 「マッチ棒の頭」のような外観をしたウイン ドスクリーンをかぶせて使うのがいいでしょ う。 またスタジオなどでは、右図のような、ポッ プフィルターが多く使われます。 これは、女性のストッキングと同じ、ごく薄 いナイロンでできたもので、これをマイクロ フォンの前面に装着して用います。 オンマイク*2 音源にマイクが近づいて いる状態をいい、逆に音 源からマイクが離れてい る状態をオ フ マ イ ク とい います。 ポップ・フィルター マイクを使う マイクを使おう マイクロフォンを使う場合に大切なことは、音源の特性に合ったタイプ(ダイナミックかコンデンサーか) 選択することと、マイクのセッティングです。音源の方向とマイクの指向性などを考えて、セッティングを する必要があります。この段階での入力レベルの不足やオーバーは、あといかなるすぐれた機器や技 術を持ってしても修正することはできません。こういったマイクのセッティングなどの作業を「マイキング」 と称しており、スタジオエンジニアが一番神経を使っているところです。 取り扱いが楽なダイナミックマイクはカラオケなどのボーカル用にま た周波数特性の優れたコンデンサーマイクは各種楽器の録音用に 用いられる。 マイクの指向性と音源の方向を考えて マイクには、指向性という音を拾いやすい方向があるのでその方向を音源(この場合自分の口) の方へ向けてやるのがマイキングの基本です。ただし、ボーカルの場合など、向ける角度で音質 も変わってくるので、それぞれ、微妙な調整が必要になってきます。 よくみかけるマイクの持ち方ですが これでは、マイクがほとんど声を拾 ってくれません。 いちばん声を拾ってくれる 持ち方です。でも腕が疲れ ますか?そのときは、マイク スタンドを使ってもいいです。 マイクのセッティング ここでは、最もよく用いられるボーカル(人の声) のケースについてマイクのセッティングのポイント を述べてみましょう。 やや上からのマイクのセッティングで録音している例 ① ② ③ マイクの立て方によって音質がかなり変わってきますので、慎重に行いましょう。個人の声質に もよりますが、フカレやポップ・ノイズ*を防ぐためには①や③の立て方を用いるといいです。② のように真正面から狙うとそれなりにパンチのきいた音になりますが、フカレやポップ・ノイズに は、弱いため、図のようにポップフィルターを用いるといいでしょう。①のようにやや上から狙う ようにすると高音が少し強調され明るめの音になります。③のように下から狙うと中低音の強調 された音になります。マイクの先端から口までの間隔は、個人の声量にもよりますが、10∼20 cm程度が基本です。音量はマイクとの距離の二乗に反比例し、距離が半分になれば、音量は 4倍になることも覚えておきましょう。 立つ位置を「バミって」おこう! マイクに対していつも同じ位置で声を出すことがポイントです。よく録音現場では ボーカリストが自分の立つ位置が決まったら、その床に白いビニールテープなどで 目印をつけたりすることがあります。こうすることで、音量・音質を一定に保つこ とができます。これを「 バ ミ ル 」 といっています。 近 接 効 果 マイクを音源に近づけると低音が強調される現象で ダイナミックマイクロフォンなどは、右図のように 口のそばに近づけると低域の特性が持ち上がり、低 音が強調される。SM58などは、近接効果のこと を考えてあらかじめ低音が抑えられた周波数特性を している。通常のマイクを近接して使用する場合は マイクのローカットスイッチやミキサーのイコライ ザーで修正する。 さまざまなマイキング 1.コーラス録り マイクのセッティングで音が決まる。 慎重に何度も確かめながら 数人が同時に歌って録音する場合は、 図のように、マイクは一本で録音すると いいでしょう。 それぞれの音量で、マイクに近づいた り、離れたりしながら、音量のバランスを とるといいです。位置が決まったら、バミ っておくのも一つの手です。 マイクロフォン 2.アコースティックギター ここでは、コンサートでもよく使われる アコースティックギターのマイクのセット について述べてみましょう。 マイクの位置は このあたり は、実際の 音に近い音 質で録れる このあたりは低域が強調される サウンドホールに近づくと低音の うなりが入る場合がある。 マイクの立て方ですべてが決まる アコースティックギターの音は、マイクの立て方でかなり変わっ てきます。自分でいろいろ試行錯誤してみながら、自分の一番 気に入った音質で録れるところをさがすことです。ただし演奏の テクニックはまた別としてですが。 ギターとマイクの間隔は、10∼20cm ぐらい。もちろん演奏のじゃまにならない ように 3.管楽器 管楽器のマイクの立て方のポイントは 管楽器も基本は、音の出てくる方向にマイクの指 向性を考えて狙ってやることです。数人で複数の 演奏のときは、コーラスの時と同じように、一本 のマイク(オフマイク)で立つ位置を音量をモニ ターしながら、調整するといいでしょう。 リコーダー リコーダは窓(ラピューム)から音が 出るのでそこを狙ってマイクをセット するといいでしょう。 サックス サックスも写真のように音が出るところを 狙うといいでしょう。ボーカルよりかなり音 が大きいので歪まないようにゲインを設定 する時、注意が必要です。 4.アコースティックピアノ アコースティックピアノには、グランドピアノとアップライト ピアノとあります。形がちがうためマイクの立て方も異な ります。左図は、アップライトの例です。上のふたを開け て立てましょう。 オンマイク(ピアノの場合20∼50cm)で録るとアタック のきいた音で録れます。オフマイク(1m∼2m)で録ると 全体の響きがバランスよく録れるようです。 マイクの種類は、コンデンサーマイクを使う方が、一般 的です。 参考文献:安斉直宗,新デモ・テープ制作ハンドブック,リットーミュージック(株),1999 北森義人,Vocal Club Arcadiaのホームページ,URL:http//www.arcadia.gr.jp/ 音響システムの基礎Ⅲ −ミキサーや 録音機器を使いこなそう− ここでは、録音機器と録音の時よく使われるミキサーの使い方について説明します。録音機器に は、アナログのカセットレコーダーやデジタルのMDやDATなどがあります。ミキサーは、複数の 音をミックスしたり、録音のレベルを調整したりする働きがあり、録音にはかかせないものです。 ミキサーの機能 ミキサーは、複数のマイクやラインの入力信号を加工し、レコーディングのための音声出力 など、必要なところに音声信号を送出するための装置です。入力回路数が5チャンネル、出 力がライン出力と録音出力の2チャンネル程度の、学校の朝礼に使用される程度の小さなも のから、入力回路数40チャンネル、出力回路数10チャンネルという、ホールやコンサー ト、レコーディングなどで使われるような大規模なものまで様々なものがあります。 ミキサーの各部の名称と働き ゲイン(トリム) このつまみでヘッドアンプの増幅率を変える。マイクの弱い信号を増幅し、デッキ やCD等のラインレベルに合わせ、フェーダーでの調節をしやすくする。 出力レベルを示す インジケーター EQ イコライザー 入力信号を左右の 出力に振り分ける パン 音質を調整する マスターフェーダー ミキサーからの出力レベ ルを調整する。ふつうミキ サーの右の方についてい る。 フェーダー 図 8chミキサー(民生機) 信号を可変抵抗によって音量を変える 注 意 P29 コ ン デ ン サ ー マ イ ク を 使 う と き は 、フ ァ ン タ ム 電 源 が 必 要 で す 。 コンデンサーマイクを使って録音する場合は、ファンタム電源のついたミキサーを使用 します。業務用のミキサーにしかついていない場合が多く、コンデンサーマイクの時に ONにします。また、バランス入力になります。民生機の場合、アンバランス入力のも のが普通で、ケーブルを長くするとノイズが増えやすいため注意が必要です。 ファンタムのついた ミキサー、コンデンサ ーマイクの時ON ミキサーとデッキを接続しよう P29 ピアノの音をカセットデッキに録音してみましょう。マイクのセッティングは、音響の基礎Ⅱを 参考にして立てます。カセットデッキにはマイク入力端子のついたものとライン入力のみの ものがあります。最近のものは、ライン入力のみのものも多く、この場合は、ミキサーを通し てミキサーの出力をカセットデッキのラインインに接続します。(図1) MIC INPUT 0ut ミキサー Out L i n e i n カセットデッキ 図1 カセットデッキの録音システム ここにミキサー のアウトと接続 マイク入力端子があるカセットデッキは直 接マイクをつなぎ、入力レベルを調節する。 録音レベルは耳でなく目で確かめる 図 カセットデッキの背面 録音において最も重要なことはレベルを合わせること 入力音源のレベルが、メーターのOdB付近で安定して振れるように調整できていればよい。これ を適正レベルといい最大音量のとき振り切れたり、最大音量になっても振れが小さすぎてはい けない。 小さい音ですからといって小さいレベルで録音してはいけない。 録 音 機 が デ ジ タ ル の 場 合 ( MD な ど ) ピ ー ク ま で 振 れ さ せ る と 歪 む 注 意 メーターの振れは−12dB付近で振れるようにし、絶対にピークまで振らせてはいけない。ピークまで 振れると確実に音は歪む。 マイクロフォン,ブームスタンド、ミキサー、録音機器(カセットレコーダー, MD等),各種接続ケーブル,カセット,MD等記録メディア,ヘッドホン さあ録音してみましょう ①再生機器をミキサーに接続する.(マイクはMIC IN、他の音響機器はLINE INへ) ②録音機器をミキサーに接続する。ヘッドフォンを接続する。 ①、②の順序はどうでもよい。ただし電源は切ったままで行う。 ③Trim(Gain)、Aux Send、Faderを最低レベルにする。 ④EQ、Panのつまみをセンターにする. ⑤オーディオ機器を再生するか、マイクに向かってしゃべる。 ⑥チャンネルFaderを徐々にあげ、メーターの表示が0付近で安定するようにする。 (Trimのつまみも併用して調整する。特にマイクはレベルが低いので注意) このときチャンネルFaderがOdB付近(7目盛付近)にきているとよい. ⑦レベル調整が出来たら、EQつまみ使って好みの音質に調整する。 ⑧録音機にテープまたはディスクを入れRECポーズ状態にし録音レベルの調整を する。 ⑨録音横がアナログの場合(カセットテープ) メーターの撮れはOdB付近で振れるようにし、多少高めにとる。 高めにとっても音が歪むことはない。(テープコンプレッション*) テープコンプレッション* カセットデッキの高級な機器では録音レベルの調整があります。一般的にはノーマル、フェルクローム、 クローム、メタル、などのテープのグレードがありますが、これは、テープに塗り付けてある磁性帯の 材料の配合によるものです。ノーマルは酸化鉄を主につかっていて、フェルクロームは酸化鉄とコバル トなどを混ぜてつくっています。メタルテープは特殊で、酸化していない鉄分とニッケルなどの原料で つくられています。ノーマルは磁化しやすいので、エネルギーの量が少なくても記録が容易いのです。 これに対し、メタルは磁化しにくくエネルギーの量が多くないと記録がうまくいきません。そのかわり、 耐久性がよくなります。(磁力が強くなるため)ノーマルは磁化しやすいのですが、その分エネルギー の容量が少なくなります。反対にメタルはエネルギーの容量が大きくなります。カセットに録音すると きは、ノーマルでメーターの+3dbを目安にし、メタルで+5dbを目安に録音するのはこのためです。さて ここで思い付くのは、なぜ0dbちょうどにしないのか?ということです。本来なら0dbを超えると歪みと なって不快な音を発生させるのですが、(とくにデジタルだとまともに聞けない歪み)アナログでは歪 みかたが緩やかにに進行します。テープコンプレッションとは、コンプレッサーを使わずに、自然に磁 気の飽和状態をつくり出して音を歪ませることなのです。こうすることによってコンプレッサーでは得 られない音の迫力がでるのです。 エフェクトの分類と接 続 ミキサーにエフェクトを接続することで音作りの仕上げをすることができます。ミキサーによっては エフェクトを内蔵したものもあります。エフェクトには大きく分けて、コンプレッサー・リミッターなどの ダイナミックス系とリバーブやディレイなどの空間系の2つに分類されます。 空間系エフェクト ダイナミックス系エフェクト エフェクター エフェクター 原音 原音を直接変化させる 加工された 原音 原音 原音はそのままで エフェクト音を加える 原音 + エフェクト音 リバーブを接続しよう ここでは空間系のエフェクトの代表のリバーブを つないでみる。左図のようにミキサーには、エフェ クトのSENDとRETURNというジャックがついて いる。ここに下図のようにリバーブを接続する。 SEND RETURN ミキサー ミキサーについている EFFECTのボリューム を回して各チャンネルご とにリバーブの程度を調 整する。 リバーブ リバーブとEQをうまく使う リバーブのボリュームをあげると何となく、重たい 感じがするときがある。このときは、EQでリバー ブ音の低域を削ってやるとよい。 音響システムの基礎Ⅳ −PAはこれでおまかせ− 校内放送、音楽会の録音、運動会の放送など、音を扱う機会は、多いものです。ここでは、行事 ごとに、このシステムを使ったPAのポイントなどを紹介します。 体育館でのPAのポイント 卒業式や記念式典など厳粛な催しを盛り上げるために 卒業式などの式典の放送担当の役割は大変です。音が出なかったり ハウリング*を起こしたりしては、せっかくのセレモニーが台無しです。 事前に細かいチェックが必要です。特に大切なのは、適切な音量を 確 保 す るということです。マイクを使う人によって、音量や、マイクから の距離がすべて違います。そのつど調整をしましょう。 事前のチェックと「もしもの時」の準備を 放送担当者は事前に会場の細かいチェックをしましょう。BGMを使うのであれば、BGM 音量等もテストしておく必要があります。また、放送設備にグラフィックイコライザーがあれ ばその会場の音場の補正をすると引き締まった音が聞こえてくるようになります。建物の 規模等にもよりますが、通称「ホン・コン音」と呼ばれる「ホーン」「コーン」と発声した時の 共鳴音として600Hz付近が響く傾向があります。もし、そのようであれば、この付近を必 要な量だけカットします。 また、低音域のモヤモヤした音として125∼315Hzぐらいをカットする必要があります。 また、機器にトラブルはつきものです。最悪の場合を想定して、非常用の電池の入った移動用拡 声器やBGMの予備のメディアなどを準備しておくと、担当者に心のゆとりが生まれます。また ワイヤレスマイクなど電池を使う機器は、電池を新しいものに変えるなどの配慮も必要です。 注 意 マイクに付属のON/OFFスイッチはないもののほうがよい よく民生機のマイクロフォンには、ON/OFFスイッチを 設けているものをよく見かけます。 これはマイクの出力を入り切りする作業を使用者自信にやらせる目的で設けた機能ですが、PA (SR)の現場で、このマイクの出力を入り切りしてしまうと、『ブチッ!』というノイズを発生 させてしまい その結果この不快なノイズをアンプで増幅させてしまうことになり、マイクアンプや パワーアンプ、スピーカなどに大変 大きな影響を与え、規模が大きいホールなどでは、故障の原因 となる場合があります。それに、シーンとした会場に「ブチッ!」は、いただけません。もっとひ どいのは、創立○○年記念式での大先生の来賓祝辞で、マイクスイッチをOFFのまましゃべられ て、放送担当がみんなの注目を浴びてスイッチを入れにいく…といったケースが考えられます。出 来る事ならON/OFFスイッチの付いていないマイクを使用しましょう。マイクの音量をテスト するのにマイクをコツコツたたいたり、フッと息を吹きかけるのもプロのすることではありません。 また、式の途中でマイクスタンドを移動することがよくありますが、このときゴトゴトと大きな音 を出すのもいただけません。かならず、その時だけ、そのマイクのフェーダーを下げましょう。 もちろん、移動が終わったらフェーダーを元に戻すことを忘れないようにしましょう。 ハウリングに注意 拡声の必要がある場面で、ピーピーとハウリングが起こるとお手上げの気分になって しまいます。体育館、運動場などの広い場所では、音響機器を使っての拡声(PA)なし では行事の盛り上がりも進行も難しいものです。 現状の設備や機器を使いこなすこと で1ランク上のPAが可能になります。 ハウリングを防ぐための諸条件 A.最も基本的な心得 1.いい音で進行したいと本当に思っていること 2.ハウリングが起きそうな兆候を感じる努力をすること a)リハーサルなどでハウリングを起こしてみる b)その時のボリューム(フェーダー)位置を覚える 3.ハウリングのメカニズムを知ろうとすること a)ハウリングには理由があります b)ハウリングは偶然ではありません c)条件を同じにするとハウリングは再現できます B.簡単な防止法 1.音(声)を大きくする 2.マイクに音源(口や楽器)を近づける 3.スピーカの近くにはマイクを置かない 4.マイクの指向性( P30 )の中に スピーカを入れない C.マイクのタイプによる影響 1.単一指向性と無指向性 単一指向性が有利 2.ダイナミックとコンデンサ− ダイナミックが有利 D.機器のランクを揃える 1.システムのクオリティーを均一にする 2.1カ所悪ければその影響は大きく、一カ所だけよくしてもその影響は小さい E.ハウリング防止の機器を導入する(最後の手段) 1.バラメトリックイコライザー*でハウリングポイントを押さえる 2.フィードバックを自動で抑える機器を使う。 もし、イコライザー等の音質調整のシステムが会場に在る場合は、調整 すると音の感じが全然ちがってきます。以下に、それぞれの周波数での 強調と感じ方をまとめてみました。 16∼60Hz 超低音の迫力増進効果があるが、過度の強調は音色を濁す。 60∼250Hz 音色の低域構成が変わる為に、音の厚さと バランスが変化し、過度の強調はブーミーと なる。 250∼2KHz 楽器の低次倍音の構成周波数の為、過度の強調はいわゆる電話的な音質となる。 500∼1KHz 強調するとホルン的音色になる。 1∼2KHz 強調すると金属的音色になる。 2∼5KHz 強調するとm,b,vなどの有声子音の識別が 不明瞭となり、3KHz付近のアッテネー トは音が遠のいた感じを受ける。ブーストすると音が 前に出る印象を受ける。これを利 用すると音量を 変えることなく、バランス補正が可能となる。 5KHz付近で6dB ブーストすると音量を 3dB上げた効果と同等になる。 4∼7KHz いわゆるプレゼンス帯域で、明瞭度と鮮明度の調整に重要な帯域である。 6∼15KHz この帯域も明瞭度と鮮明度の調整に効果が あるが、歯擦音が強調される帯域でもある。 Q&A 体育館で行われる音楽発表会をステレオで録音したいのですが、簡単にでき る録音の方法はありませんか? AVケーブルでビデオカメラの 音声出力と録音機器とをつなぐ マイクのついたラジカセを使うこともできますが たいていは、モノラルです。しかも、最近のラジ カセは、そのマイクさえついていないものが多い です。本来なら、収録用のコンデンサーマイクを 2本使えばいいのですが、学校などでは、ほとん ど保有していないと思います。そこで、ひとつの 代案として、ビデオカメラを用いる方法を紹介し ます。右の写真のようにビデオカメラには、ステ レオタイプのマイクをそなえているものが多く、 また、集音機能がすぐれています。会場の中央に 床の振動を拾わないように注意してセットし録音 します。収録が終わったら、ビデオカメラの音声 出力端子と録音機器の入力端子をつなぎ、必要な 部分を編集していきます。ミキサーを通し、録音 レベルなどの調整やイコライザーやリバーブなど のイフェクトをかけるともっといい音にすること ができます。ミキサーにつないだ場合は左(L) の入力と右(R)の入力のPAN(パンポット) をそれぞれ左いっぱい、右いっぱいに設定してお きましょう。 また、マイク入力端子のあるMDも小さくて 便利です。これにステレオマイク( P53 ) を接続すれば、十分使えます。 ステレオマイクのついたビデオカメラ ステレオマイク 運動場の放送 運動会を盛り上げるために 運動会を盛り上げるための、放送による効果は大変大きなもの があります。放送担当者は、屋内とはまた違った注意が必要に なります。 スピーカー マイク 放送室 レピーター ラジカセ等 再生機器 左の図は屋外PAのよくあるシステム 構成図です。放送室の機器と屋外の 機器を長いケーブルで結ぶため、多 くはバランス回路( P25)がよく用い られます。 モニターの返しを、またBGMなどは、事前に音量チェックを 屋外で遠くのスピーカーの音を聞きながらしゃべるのはとてもしゃべりづらいものです。 できればマイクの近くにモニタースピーカーを置いておきましょう。放送席でのアナウンス の場合はヘッドホンをつけてもいいです。 また、創作ダンスのテープを流したら録音レベルが低すぎて、聞き取りにくかったなど ということもよくあります。事前に音量のチェックをしておきましょう。また、誰もいない 運動場と当日の大勢の観客の中での音量の違いを十分考慮しておく必要があります。 注 意 放送機器の管理を十分に 屋外の放送では、放送機器の管理に十分気を付けましょう。とくに、運動場では、砂埃などが放送機 器にかからないように、また、直射日光などが直接当たって温度上昇などしないように十分気を付け ましょう。 注 意 トランペット型スピーカーの向きに注意 学校のグランドでやる運動会の場合、これまでは、校舎の屋上などに取り付けられた「トランペット 型スピーカー」で音を流す場合が多い。しかし、最近は近くに民家があることも多く、あまり遠くま で音が響くようなスピーカーの使い方は騒音問題としてもとり上げられている。今一度このスピーカー の向きを点検し、もし、上向きだったりする場合には、その向きの延長が運動場の中央あたりにくる ように、向きを下向きに修正するといいでしょう。 第3章 コンピュータと周辺機器 コンピュータの性能の進歩とともにデジカメやスキャナーなど の周辺機器も高性能のものが、低価格で手に入れられるよ うになってきました。 まるごとデジタルカメラ活用法 −パソコンを使わないでできる活用法から パソコンとの連携・応用までまるごと紹介− 最近は今までのフィルム式のカメラに代わって,デジタルカメラもよく使われるようになってきま した。そのデジタルカメラも以前に比べて,操作方法,画質,重さ・大きさなどがぐっと進歩してど んどん使いやすく魅力的な製品が登場しています。 でも,「パソコン持ってないし…」とか,「難しそう」という理由で後込みしていませんか?そんな あなたに,パソコンが無くてもできる活用法から,パソコンと連携しての上級編まで紹介します。 デジカメの種類 デジタルカメラは多種多様な製品がありますが,記憶方法の種類によって分ければ,主に3 種類の製品があります。 内蔵メモリー記憶式 脱着不可能な内蔵メ モリーに記憶し,撮った データはシリアルケー ブル *1や赤外線ポート *2での転送をする フロッピーディスク 記憶式 フロッピーディスク *3 に記憶をし,撮った写 真は直接フロッピーで パソコンに読み込む。 シリアルケーブル*1 パソコンとデータをやりとりするためにパソコン のシリアルポートに接続するためのケーブル。シ リアルポートは比較的古い規格なので多くのパソ コンに搭載されている利点がある。その一方,通 信速度が遅く,USBなどの新しい規格に移り変わ りつつある。通信には専用のソフトが必要。 シリアルポート 外部メモリー記憶式 脱着が可能な外部メ モリー *4に記憶し,撮っ た写真はそのメモリー をパソコンに接続して 転送する。 赤外線ポート *2 パソコンとデータのやりとりにケーブルを 使わず,テレビのリモコンのように赤外線で 通信をするための装置。送信側と受信側の 両方の機器がこの装置を積んでいる必要が ある。ケーブルをつなぐ煩わしさが無いが, 通信速度が遅い。通信には専用のソフトが 必要。 フロッピーディスク*3 データを記憶する媒体の一種。大きさは以前は8インチや5インチがあった が,現在は3.5インチが主流。また,記憶できる容量はワープロ専用機でよく 使う2DD(600KB,720KB)とパソコンでよく使う2HD(1.2MB,1.4MB)がある。 現在のWindowsでは2HD(1.4MB)が標準で,フロッピーディスク式のデジタ ルカメラもこれしか使えない。フロッピーディスクを読み書きする装置のこと をフロッピーディスクドライブという。 3.5インチ 5インチ 脱着が可能な外部メモリー*4 内蔵メモリーと違って機器の本体から容易に脱着ができるもの。最近は小 型化や大容量化が進んでいる。スマートメディアとコンパクトフラッシュメモリー という2種類の規格が主流になっている。どちらも専用のアダプターに取り 付けて,フロッピーディスクドライブやPCカードスロットから読み書きできる。 スマートメディア 授業はデジカメで 授業や発表で皆さんはどのような道具を使いますか?黒板にチョーク,たくさんの資料集…。 それともパソコンでかっこいいプレゼンテーション?たまにならいいけれど,準備や機材も大変 です。そんなあなたに,デジタルカメラを使った,「デジカメ・プレゼンテーション」をおすすめしま す。 1 その時間の授業や発表に必要な写真や絵 などを考え,集めます。 2 すべてデジタルカメラに撮影します。 3 順番通りになっていないものはカメラのメ ニューを操作して,順番通りに入れ替えます。 4 さあ,あとはデジカメとビデオ接続ケーブル を持ってさっそうと授業へ うーん,「百聞は一見にしかず。」絵や写真を 使って授業や発表をすれば分かりやすい! 撮影テクニックその1 背景は明るい 必要な機材はビデオ入力端子のつい たテレビ,ビデオ出力端子の付いたデ ジタルカメラと接続ケーブルです。 テレビのビデオ入力端子 デジタルカメラの ビデオ出力端子 無地がよい 蛍光灯は手前側から照 らすと反射が少ない 明るくはっきりとした画面に するために,明るい場所で撮 影したり,フラッシュを使った り工夫して下さい。しかし,フ ラッシュを使用すると,印刷 物は光が反射してうまく撮影 できないことがあります。そう いう時には,蛍光灯のスタン ドをうまく利用して撮影すると, 反射もなくきれいに撮れます。 撮影テクニックその2 デジタルカメラやテレビ は画像をどのくらいきめ 細かく表現できるかという 性能が決まっています。 そしてその性能はOHP などの直接写す機器に 比べて劣っています。で すから,文字や絵はでき るだけ大きく,太く,見や すい色で書いて下さい。 レタリング Q&A アップで撮影したいのですが, うまくピントがあいません カメラは写そうとするものから近すぎるとうまく ピントがあいません。そういったときは少し離れ て望遠の機能を利用したり,マクロの切り替え があるものはスイッチを「マクロ」に切り替えると 近くからアップで撮影できます。 レタリング 近くから アップで 撮影 パソコンとの連携 撮影した画像がある程度たまると,それ以上カメラに記憶できなくなります。また,使いやすく 整理しておけば,いつでも使いたいときに画像が用意できます。そこで,パソコンへ画像を記憶 させれば,グーンとたくさんの画像を扱うことが出来ます。 <画像の転送> 1 内臓メモリー記憶式の場合 画像をシリアルケーブルや赤外線ポートを用いてパソコンに転送します。また,転送には専 用のソフトが必要になります。 2 フロッピーディスク記憶式の場合 画像はフロッピーディスクにbmp形 式 *5 やjpeg *6 形式で記録されますので,フロッピーディス クドライブがあるWindowsパソコンならば,ドライブに挿入して読み込むだけでOkです。 3 外部メモリー記憶式の場合 パソコンにそのメモリー専用の差込スロットがあれば,それに差 し込んで読み込みます。無い場合には専用のPCカードアダプター や,フロッピーディスクドライブから読み込むためのアダプター(フ ラッシュパスなど)で読み込みます。たいていの場合,パソコンや アダプターに専用のソフトが付属しています。 フロッピーディスクからの画像の読み込み 1 画像の入ったフロッピーディスクを ドライブに差し込みます。 2 デスクトップ上のマイコンピュータを クリックします。 3 「マイコンピュータ」のウィンドウが開 いたら,「3.5インチフロッピーディスク を」をクリックします。 4 すると,その中に撮影した画像があ りますので,クリックすると目的の画像 を見ることが出来ます。 フラッシュパス 画像をパソコンに保存する 画像ファイルをパソコンに保存するに は,ファイルの移動が便利です。画像 の入ったフロッピーディスクやフォルダ のウィンドウと保存したい場所のウィン ドウの2つを開きます。次に,保存した い画像をマウスの左ボタンで持ったま ま(ドラッグ)にし,保存したい場所のウィ ンドウ内へ運びます。すると,画像ファ イルがコピーされます。 bmp形 式 *5 画像の保存形式(ファイル形式)の一つで,ウィン ドウズでは標準の形式。画像情報のすべてを正確 に記録するため,画質が良い反面,ファイルが大き くなり,写真1枚がフロッピー1枚に入りきらなくなる ことも多いため,デジカメでは重要な保存画像以外 ではあまり使用されない。 jpeg形 式 *6 bmpと同じく画像の保存形式(ファイル形式)の一 つで,標準的な形式。画像の変化の少ない部分の 画像情報を間引いて圧縮して保存するため,あまり 画質を落とさずにファイルサイズが小さく出来る。ま た,圧縮率を変更でき,画質とサイズのバランスを 自分で決定できる。何度も編集して保存しなおすと 徐々に情報が失われていく欠点もあるが,インター ネット上やデジカメなど,幅広く使われている。 画像の整理 画像もたくさんたまってくると,どの ファイルが何の写真だったかわからな くなってきますそこで,市販やフリーの 画像管理ソフトを使えば,画像を一覧 表示できたり,簡単に管理をすること ができます。 Q&A デジタルカメラの画像をパソ コンで見たいのですが特別 なソフトが必要なのですか。 見るだけなら,Windowsに付属のインターネッ トエクスプローラや,ネットスケープコミュニケー ターなど,インターネット閲覧ソフトなどで見るこ とが出来ます。しかし,写真に文字を入れたり するなど,内容を編集する場合には市販のフォ トレタッチソフトなどが必要になってきます。最 近では簡単な編集ソフトならば統合ソフトなどに は付属するようになりました。 デジタルカメラを使って観察 ー理科の学習に使おうー 小学校の理科学習では植物の成長や発芽の様子などを観察・記録することによってその特徴を見つ けたり確認したりします。そのときにデジタルカメラを使うとだれでも簡単に正確な観察ができるようにな ります。 必要なもの デジタルカメラ 観察の時に写真を撮るもの。実際に使えるものであれば,性能は問題ありません。 子どもたちが使うことを考えてできるだけ操作の簡単なものがいいです。 コンピュータ デジタルカメラで撮った写真を保存したり,印刷するために必要です。 カラープリンタ デジタルカメラで撮った写真を印刷するために使います。その写真をノートに貼ったりして観察日記 を書くときに便利です。できたらカラーレーザプリンタがあれば印刷も早くて経済的で綺麗です。 あると便利なもの 画像処理ソフト コンピュータに保存した写真をフォルダごとに見たり,必要な写真だけ選び出して印刷したりすると きに使います。 Windows95 以上のマシンであれば多くの場合,画像処理ソフトがついてくるのでそ れで間に合います。 プレゼンテーションソフト,プロジェクター 観察結果からわかったことや友だちに知ってもらいたいことをプレゼンテーションソフトを使って編 集したり,プロジェクタを使ってスクリーンに映し出してプレゼンテーションをするときに使います。で も,ないところの方が多いので,あると便利ですが,絶対に必要ということではありません。写真を 使ったまとめにはワープロソフトでも十分です。 写真を撮るとき 毎日続けることや何を写すのかをはっきりとさせておき,同じ位置から撮るようにすること。 子どもたちの観察だけでなく,教師側も学習資料として毎日写真を撮っておくこと。 これは,生き物の観察は取り返しがつかないため,子どもたちが失敗したり,うまくとれなかったときのバックアップの ためです。 観察とまとめ 図1のように子どもたちが自分でデジ タルカメラで写真をとり,それを日付フォ ルダを作って(例6月16日なら0616) 保存をする。 フォルダ名を日付にする フォルダ名を日付にしておき,一桁の月 日は前に0をつけておくと並べ替えが簡単 にでき,写真を探しやすくなります。 図1 観察風景と写真データフォルダのイメージ 図2のようにまとめることによって, この変化について気づいていた子ど もたちだけでなく,他の子どもたちに もその変化について知ってもらうこと ができる。 写真の元データは変更しない 図2のように何日間まとめて比較すると きに写真のデータにある日付を元に行 うこともできるので元データをコピーして 使うようにすると便利です。 図2 写真データから5月17日から5月21日までをまとめたもの Q&A パソコンやデジタルカメラを使ったことのない子どもたちが利用できるようにするには,どう したらいいだろうか。 あくまで1例として参考にしてもらえればということで書くと,まずはデジタルカメラを使って写真を撮ってそれをハードデ ィスクの中に保存し,コンピュータでみたり印刷する事をしてみせます。このことでデジタルカメラの良さを知らせます。 そして,①デジタルカメラの使い方 ②写真の保存の仕方 ③写真の見方や印刷の仕方という段階で子どもたちに操 作させながら一つ一つ押さえます。これをできるだけ短時間でやってしまって,後は実際の操作で困ったときにその場その 場で質問に答える形で教えていきます。こうすると短期間のうちに使い方をマスターします。 イメージ・スキャナで画像を取り込もう −イメージ・スキャナを用いたプリントづくり− 「一度手書きで書いた図をもう一度使いたい。」とか,「写真を入れて分かりやすいプリントを作 りたい。」と思うことはありませんか?そんなときには,パソコンにイメージ・スキャナを接続すれ ば簡単に写真や図をワープロなどの文書に張り付けることができます。 スキャナの種類 スキャナには形や大きさの種類がありますが,最近最も普及しているのは,コピー機の ような形をした,フラットベッドとよばれるタイプのものです。大きさは家庭用ではA4までの ものが多く,他に携帯用などもあります。 ←A4型 携帯型→ 接続の方式にはSCSI *1接続,パラレルポート接続,USB接続などがあります。画像デー タはかなり大容量なので,転送には時間がかかります。一般にSCSIがはやく,USB,パラ レルの順になっています。最近の新製品では手軽なUSB接続が多く出ているようです。 SCSI*1 パソコンとハードディスクや スキャナなどの周辺機器とを 接続するための規格。転送 速度が大変速く,6台まで接 続できる。パソコンには専用 のボードが必要なため,導入 には比較的コストがかかる。 パラレルポート*2 パソコンとプリンタを接続するための規格。 双方向で転送でき,ほとんどのパソコンに標 準で装備されるため,スキャナやZIPドライ ブなどの周辺機器の接続にも利用されるよ うになった。転送速度はあまり速くない。 USB*2 パソコンとスキャナ,プリンタなどの周辺 機器とを接続するための新しい規格。最近 では最もよく使われ,パソコンにもUSB端 子が標準で装備されるようになった。細い USBケーブル1本で接続でき,パソコンの 電源を入れたままで抜き差しが可能。また, 難しい設定なしに複数の機器が接続でき たり,周辺機器の電源までパソコンから供 給できたりする。速度はSCSIには劣るが, 通常の使用では問題なく,安価で使いや すい。 スキャナで 画像を取り込む スキャナのベットの上に取り込みたい写真や図を載せます。ガ ラスの部分が読みとり部ですので,原稿を下向きにセットして, ふたで押さえます。 そして,スキャナに付属のソフトを使って取り込みます。読みと りには白黒,グレースケール,カラーの3つのモードがあります。 読みとり部分 ■ 白黒 白か黒だけで表示します。文字や,線だけで描いた図などに適 します。 ■ グレースケール 色は白黒ですが,微妙な濃淡が表現できますので,写真を白 黒で印刷するなどに向いています。 ■ カラー フルカラーで画像を取り込めますので,カラーで写真などを印 刷するのに向いています。 読みとりモードが決まったら,画像の細かさを設定します。200dpiなど,dpiという単位で 表すことが多く,数が大きいほど細部まで表現できますが,画像データは大きくなります ので,必要以上に細かくするのは避けた方がよいでしょう。 読みとりテクニック スキャナはコピー機など と同じで,読みとり面に原 稿が密着していないとう まく原稿が読みとれませ ん。特に分厚い本などは 密着しにくいので,しっか り密着させるようにします。 押さえる 読みとった画像はjpeg形式やbmp形 式などで保存をし,ワー プロソフトなどで読み込めば,美しい文書を作成できます。写 真の大きさなどはワープロ上で変えることができますので, 簡単な文書なら通常のワープロソフトで十分です。 さらに複雑なものを作成したい場合には専用のグラフィック ソフトやフォトレタッチソフトなどを利用します。また,文字を認 識して文書に変換してくれるソフトなども利用すればさらに活 用範囲が広がるでしょう。 音楽会をCDに残そう −CD−R/RWの活用− 音楽会・合唱コンクール・弁論大会など録音された音源をもとに家電製品のCDデッキで再生が できる音楽CDを作ることができます。大量のデータのバックアップなどに活用されているCD−R /RWを使います。市販の音楽CD同様に約74分の記録ができます。CDは取り扱いも容易で, カセットテープのように劣化したりのびたりすることがありません。CDラベルも作ると素敵な音楽 CDのできあがりです。 作業の流れ 録音・音源の準備 録音はふつうのラジカセでも十分 ですが内蔵マイクよりは外部ステ レオマイクを使った方がきれいに 録音できます。 パソコンに取り込み WAVEファイルの作成 CD−R/RW への書き込み デッキとPCの接続 ビデオカメラで録音 された音声も同様 の方法でPCに取り 込むことができます。 カセットデッキ オーディオケーブル ※最近急速に普及しているポータ ブルMDデッキも便利です。 ライン入力端子の例 CD−R/RW P26 主なプラグ形状 ステレオミニプラグ ピンプラグ ステレオミニプラグ PC カセットデッキのライン出力またはヘッドフォン端子とパソコン側 のライン入力またはマイク入力端子をオーディオケーブルで接 続します。それぞれの端子にあったオーディオケーブルを用意 します。プラグの形状に注意してください。 W AVEファイル の 作 成 サウンドカードはなるべく性能 の高いものが好ましい。 サウンドカードが機能しているかどうかを確認します。サウンドカードに付属のソフトウェアまたは CD−R/RWに付属のライティングソフトの機能を使ってWAVEファイルをPCのハードディスクに 作成します。ノイズを取り除いたり効果を加えたりすることのできる専用ソフトウェアも市販されてい ます。ここではAplix社の「WinCDR4.0」で紹介します。(他のソフトでも同様の操作でできます) WinCDRの起動画面 ツールからアナログ録音を選択 録音ボタンをクリックしてからカセットデッキを再生し、 WAVEファイルの作成開始。入力レベルを確認して おこう。曲が終わると停止ボタンをクリック。これで1 曲分のWAVEファイルの作成が終了。 ・入力レベルの調整はコントロールパネルの「マルチ メディアのプロパティ」で行えます ・作成されたWAVEファイルを「メディアプレーヤ」な どで再生し(ファイルをクリック)、確認しておきます CD−R/RWへの書き込み 注 意 WAVEファイルの作成 でファイル形式は サンプリング周波数 44.1kHz サンプリングビット数 16b i t サンプリングチャンネル ステレオ オーディオアイコンをクリックしファイルを右の 「ウェル」にドラッグアンドドロップしオーディオ トラックを作成します。 終了するといよいよ書き込みです。「Ready」 に続き「Wr i t e 」 をクリックすると「レコーディング パネル」が開かれます。ここで最終的な書き込 み設定を行い、[実行]をクリックすればOKです。 ・音楽CDは必ずTrack at onceで行います ・書き込み速度は手持ちのCD−R/RWによ りますが音飛びなどが現れる場合は1倍を選 択します CDラベルの作成 できあがったCDにはCDラベルを 自作し、貼りましょう。ラベルを貼る スタンパー込みで3000円も出せ ばラベル作成ソフトを入手できます。 音楽会の写真をデジカメやスキャナ ーで取り込むとよい記念になります。 ステレオマイクロホン テープレコーダー オーディオケーブル パソコン(サウンド機能付き) CD−R/RWドライブ CD−R/RWライティングソフト CDラベル作成ソフト (スタンパー付属) ※デジカメ・スキャナー パソコンで本格的ビデオ編集 − パソコンに必要な性能にご注意− 最近のパソコンにはilinkという端子(IEEE1394)がついていて,ビデオ機器と接続できます。 この端子を利用してビデオをパソコンに取り込むと本格的な編集が簡単にできる要になりました。 必要な機材には気をつける必要がありますがやってみると簡単ですよ。 必要な性能 パソコンにIEEE1394のボードと高速のハードディスク, 編集用ソフトウェアを入れるとできます。 OSはWin98SecondEdit i o n以上。 iLINKとは IEEE1394(アイトリプルイー1394) が正しい呼び方 Sonyが提唱 App l eはF i r eWire Q&A ビデオ編集ができるパソコンは 高速大容量のハードディスク,ビデオキャブチャボード,ビデオ編集 ソフトウェア ハードディスクは高速,大容量 通常のIDEやSCSIは不可 ATA33以上,U l t r aWideSCSI以上 5分間で1GB程度必要 バックアップ・保存用にはDVD−RA Mなども必要かも ビデオの編集には機材も必要ですが それ以上にビデオに関するセンスが 必要です。 画面構成,色使い,音声処理等に ついて勉強しましょう。 注 意 ノートパソコンのIEEE1394 は静止画キャプチャしかでき ないものもありますよ。 基本的な手順 ビデオをパソコンに取り込むとビデオ,CD−ROM,DVD,ホームページなどで利用できます。 ビデオ編集ソフトウェア(メディアスタジオ) MPEG変換ソフトウェア Q&A ビデオのファイル形式がいろいろあるようですが・・ よく利用される形式 AVI…マイクロソフト社の標準形式,圧縮なしで編集に適する MOV…アップル社の標準形式 MPEG…デジタルビデオ用に開発,DVD,テレビ電話など RP…リアルネットワーク社の形式,インターネット用 DV(デジタルビデオ) 720×480 29.97フレーム YUV PCM48kHz16ビット(音声2ch) インターネットの標準 320×240 15フレーム 16ビット ビデオの信号は525本の走査線, 1秒間30フレームのアナログ信号 パソコンの信号はピクセル(色の点) のあつまり 色数,点の数,圧縮割合で色々 注 意 ソフトウェアにより,扱える ファイル形式が決まっています。 利用する場合は確認しながら, 変換しながら使いましよう。 参考になるWebページ http://www.canopus.co.jp/index_j.htm カノープス・・・・システムのチェックソフトウェアがある http://www.iodata.co.jp/index.htm IOdata・・・・比較データがある http://www.melcoinc.co.jp メルコ・・・・ノートパソコンでも可能な機種がある http://www.microsoft.com/windows/windowsmedia/en/download/default.asp MicroSoft…Mpeg4への変換ソフト http://www.jp.realnetworks.com/products/producer/index.html RealNetwork…RP用の変換ソフト(RealProducer) パソコンでオーケストラ演奏 −MIDI音源に楽譜を打ち込めばあなたも音楽家− パソコンだけでも音楽を演奏することができますが,MIDI機器と接続すると簡単です。 マウスで楽譜に音符を書き込んだり,パソコンの伴奏に合わせてキーボードから演奏すると あっという間に合奏ができあがります。各パートの楽譜もきれいに印刷できます。 MI DI の仕組み 音のデータをそのまま記録するWav形式,圧縮して小さなファイルにしたMP3形式 MIDIは楽譜のデータを記録して,その場その場で電子的に音をつくっています。 ですから,楽器の入れ替えや変調,マイナスワン演奏も容易です。 2つのMIDI規格 GS…ローランド XG…ヤマハ 基本的には同じMIDI規格ですが 各メーカーが拡張して多少違います Q&A 楽 譜 の 打 ち 込 み が 苦 手 で・・ 音源ユニット スピーカ(ステレオなどに接続) キーボード(なくても良い) ソフトウェア 市販の楽譜をスキャナーで読み込むとMIDIデータにしてくれるものや マイクから歌うと楽譜にしてくれたり, 1フレーズを入れるだけで作曲してくれるソフトウェアもあります 注 意 音源ユニット 最大同時発音数…同時に演奏できる音の数 この数だけ,楽器を設定できます。前もって 標準的な音(ピアノ,ホルン,ギター,トラン ペットなど)が設定されています。 著作権を大切に 楽譜には著作権があ り,勝手に演奏したり, 録音できない場合があ ります。 MI DI の 作 り方 新しい楽譜作成 楽譜を見ながらパソコンで入力し, 音源で演奏します キーボードに慣れている方は演奏すれば 自動的に楽譜ができあがります パソコンの演奏に合わせて 演奏したり歌をうたうこともできます 注 意 最近の電子楽器 電子クラリネットや電子サキソフォンなどの 電子楽器は基本的にMIDIに接続できます 著作権を大切に 楽譜をMIDIデータとし て打ち込むことも「複製」 にあたり,許諾なしに公 けに演奏したりすると違 反になります 液晶プロジェクタでパソコン利用 −マルチメディアを見やすく視聴− 最近、安価で小型になった液晶プロジェクタにはビデオもパソコンも接続できます。ミレニアムプ ロジェクトではインターネットにつながったパソコン2台と液晶プロジェクタを各一般教室に設置す ることになっています。特徴を理解して利用しましょう。 通常、ビデオとパソコンの画面を スクリーンに大きく表示できます。 スライドやOHPと異なり、話の都 合で飛ばしたり、追加したり、また クリックにあわせていろいろな動き を作れ、インタラクティブな動きを 表現できます。 解像度 ビデオ・・700×525 パソコン・・800×600 1024×760など プロジェクタによっては 疑似的に高解像度のものを表示 させる機種があるが、細い線が 写らないことがあるので注意! 利用できるいろいろな教材 ビデオ・・コンポジットまたはS端子のケーブルで接続 ビデオカメラやデジカメも接続可能 視聴覚ライブラリーのビデオも上映可能 パソコン・・15ピンのアナログRGBケーブルで接続 解像度に注意 ノートパソコンの場合はキーボードから外部 表示の設定変更をする必要がある ◎プレゼンテーションソフト(パワーポイントなど) ◎インターネットのブラウザソフト ◎メディアプレーヤー(動画、音声、音楽等) 注 意 液晶プロジェクタには小型で高 輝度なランプが使用されていま す。 強く振動させたり、たびたびス イッチを入れたり切ったりすると 短時間で切れることがあります。 スイッチを切ってもファンが回っ ているときはプラグを抜かないよ うにしましょう。 Q&A 教材はどのように作ればいいですか プレジェンテーションソフト(パワーポイント)では一枚一枚の スライドを複数作り、次々とめくっていくスライドショーと いわれる形になっています。 一枚のスライドの中にも、一行ごとに文字を表示したり、 絵が画面の外から飛んできたり、音といっしょにでてきた りといろいろな表現ができるようになっています。 ◎情報量が多すぎないように・・ ◎スクリーンで見やすい色使いに・・ ◎文字の大きさに注意(一行あたり16文字程度) 設置の仕方・・せっかくプロジェクタもスクリーンがゆがんでは・・ プロジェクタとスクリーンの中心を結ぶ線がスクリーン に垂直になるように設置すると良い。 (スクリーンのページ参照) P19 ディスクトップパソコンの場合は アナログRGBの分配機が必要。 マルチメディア作品(教材)を作る −簡単操作のオーサリングツールを使って− テキスト,写真,イラスト,サウンド,ムービー,さらにはWebページへのリンクなどを組み合わせ マルチメディア作品(教材)の作成です。ボタンやテキストボックス,写真等をクリックすることで新 しいページが表示されたり動画が再生されたり。Webページ作成ソフトやプレゼンテーションソフ トでもある程度のことはできますが,もう少し自由度が高く様々なアクションをつけることのできる オーサリングツールを使います。聞き慣れない名前ですが簡単操作で作品を作ることができます。 できた作品をCD−R/RWに書き込めば立派なCD−ROM作品(教材)のできあがりです。作品 を作る上での簡単な留意点と比較的低価格なオーサリングツールであるインフォシティ社の「GR EEN2」の基本的な操作を紹介します。 作品の設計上の留意点 ・マルチメディア作品の特性を生かす 使用者の意志・ペースで進行(繰り返す・とばす) ・素材の特長を生かす 写真…表情のアップ,じっくり観察, ムービー…流れ,動き,速さ,迫力,音との一体感 ・手順…できるところから始め,大まかな流れを作る その後加除修正を加え複雑な構造になるようにする ・ナビゲーションシステム 現在位置の確認,メニュー・サブメニュー画面など ・画面,操作の統一感(アイテムの色・位置・大きさ等) ○特に教材作成においては ・自作の意義…郷土教材の開発,生徒とともに, 作成者の思い,授業展開を念頭に ・対象を明確に…表現・用語の使い分け, 文字の大きさ・量,アクションの速さ ・素材・資料の収集…インパクトのあるもの,共有する Mac版GREENで作成 した教材の画面の一例 (岡山県教育センター マルチメディアライブラリ に登録のものより) 注 意 GREEN2で利用できる ファイル形式(拡張子) テキスト .txt ,.r t f グラフィック .bmp ,.jpg ,.gif ムービー .avi ,.mov サウンド .wav その他 .htm ,.html GREEN2のランタイムファイル オーサリングツール「 GREEN2」の操作 様々な素材やボタン等(GREEN2では「アイテム」と呼んでいます)を貼り付けた「ページ」 をたくさん作り,それらのアイテムやページを関連づけし,1つの作品を完成させます。 GREEN2について もともとはMacintosh用のオーサリングツール として「GREEN」が販売されていました。 Macで作成した「ランタイムファイル」も Windowsで実行可能です。動画の取り込み 等はMacの方が手軽に行えるようです。 注 意 GREEN2の動作環境 について Webブラウザ Internet Explorer 4.0以上 その他 Quicktime for Windows(32bit) が必要です。 GREEN2のCD-ROMに収録されています まず,自分で用意した素材を[素材フォルダ]に保存します。 GREEN2を起動し,[新規作成]を選択。[ファイル]メニューの[ドキュメントのプロパティ] ダイアログでこれから作成するドキュメントファイルの基本的な設定をします。 後は[素材フォルダ]の中の素材をページ上にドラッグ&ドロップし,位置やサイズを決定 します。さらにボタンやテキストを貼り付けていき,アクションやサウンドをそれぞれのプロ パティや一覧から選択し決定していきます。 起動画面でファイル名を入力後 [新規作成]をクリック [ファイル]メニューの [ドキュメントのプロパティ] 作成中の1ページと貼り付けた グラフィック素材のプロパティ 素材フォルダはアイコンでも画像でも表示 できる。右クリックで「画像を表示」を選択 様々なアイテムを貼り付け それぞれのプロパティ,アク ション等を設定し次々とペー ジを作成・関連づけしていく。 機能別のボタンを 用意された中から 選択するだけ クリック時のサウンド の一覧ダイアログ アクションのダイアログ アイテムとページの関連づけが終了したらプレビューして確認をします。OKであれば[ファイル] より[ランタイム作成]を実行し,独立して実行可能な「ランタイムファイル」を作成します。 CD−R/RWへの書き込 み 完成した「ランタイムファイル」と「素材フォルダ」をCD−R/RW に書き込み,自作CD−ROM作品(教材)の完成です。 注 意 ランタイムファイルの配布は自由です。GREEN2が インストールされていないPCでも動作しますが、配 布に当たり,素材の著作権に配慮しましょう。 ソフトウェア 「GREEN2 for Windows」 インフォシティ社 39,800円 (アカデミック版 25,000円) ハードウェア パソコン(OS Windows95以降) CD−R/RW 必要に応じて デジカメ,スキャナ, ビデオキャプチャボード 等
© Copyright 2024 Paperzz