2013年 秋号 上海市内各地に設置された「中国(上海)自由貿易試験区」の道路案内標識 目 Ⅰ.レポート 次 Ⅱ.トピックス ~中国の新しい出入国管理法令の施行について~ ~中国(上海)自由貿易試験区が発足~ Ⅲ.上海で開催される主な見本市・展示会等情報(2013 年 11 月~2014 年 1 月) Ⅳ.コラム ~岐路に立つ観光PR~ Ⅰ.レポート 中国の新しい出入国管理法令の施行について 1.はじめに 昨年 6 月 30 日に公布された「中華人民共和国出境入境管理法」 (以下「新出入国管理法」 という。 )が今年 7 月 1 日より施行され、その実施細則に位置付けられる「中華人民共和国 外国人入境出境管理条例」 (以下「管理条例」という。 )が 9 月 1 日より施行された。 新たに施行された管理条例は、これまで外国人に対して適用してきた「中華人民共和国 外国人入境出境管理法実施細則」の内容を取り込んだ上で、管理規定の整備や追加等が行 われた。特に外国人の不法入国や不法就労等に関する罰則規定、ビザの種類、居留許可手 続に関して従来と異なる取扱いが規定されている。 ビザや居留許可は、現地で業務を行う上で必要不可欠なものであることから、今回は、 施行された主な法令の内容および実務上の運用状況、中国への渡航・滞在の際に注意すべ き事項等についてレポートする。 2.新しい法令制定の経緯 中国における出入国管理は、従来、外国人と中国人はそれぞれ別の法律と実施細則によ って管理され、外国人に対しては「中華人民共和国外国人入境出境管理法(1985 年制定)」 および「中華人民共和国外国人入境出境管理法実施細則(1986 年制定) 」が適用されてき た。 中国公安部によると、改革開放以降、中国の経済成長の加速とともに外国人の入国者数 は伸び続けており、その数は、1980 年の 74 万人から 2011 年には 2,711 万人へと激増して いる。また、半年以上中国に滞在する外国人についても、1980 年の 2 万人から 2011 年に は 60 万人へと大幅に増加している。 外国人の大幅な増加により、制定から相当の年月が経過した法令は実態にそぐわないも のとなり、不法入国や不法滞在、不法就労等の取締りが困難となったほか、滞在する外国 人への管理面等においても改善等が必要とされたため、今回の法令が施行されるに至った。 【旧法律法規】 法律(注 1) 【新法律法規】 行政法規 法 律 行政法規 中 中 中華人民共和国公 中華人民共和国公民 中華人民共和国公民 国 国 民出境入境管理法 出境入境管理法実施 出境入境管理法 人 人 中華人民共和国 実施細則 細則 外 中華人民共和国外国 外 出境入境管理法 中華人民共和国外 中華人民共和国外国人 国 国 人入境出境管理法実 国人入境出境管理 入 境 出 境 管 理 法 人 人 施細則(注 2) 条例 注 1:2013 年 7 月 1 日の「中華人民共和国出境入境管理法」施行と同時に 2 つの法律は廃止 注 2:2013 年 9 月 1 日の「中華人民共和国外国人入境出境管理条例」施行と同時に廃止 -1- 3.主な法令内容(改正点等) (1)罰則規定の強化 近年の外国人の出入国者数の増加を受けて、不法入国や不法滞在、不法就労等に関する 罰則規定が以下のように整備され、特に不法就労に関しては罰金額が大幅に引き上げられ たほか、仲介者も処罰の対象となるなど厳罰化された。 (下線部分が主な改正・追加箇所) 従 来 2013 年 7 月 1 日以降 1,000 人民元以上 10,000 人民元以下の 罰金、または 3 日以上 10 日以下の拘留と 期限を設けて出国または強制退去。 1,000 人民以上5,000人民元以下の 罰金。事案が重大の場合、5 日以上 10 日以下の拘留と 2,000 人民元以上 10,000 人民元以下の罰金。 警告、不法滞在 1 日毎に 500 人民元、上 限 5,000 人民元の罰金、または、3 日以上 10 日以下の拘留。事案が重大の場合、期 限を設けて出国。 警告。事案が重大の場合、不法滞在 1 日毎に 500 人民元、上限10,000人民 元の罰金、または5日以上15日以下の 拘留。 ○就労者本人 1,000 人民元以下の罰金。事案が重大の 場合は、期限を設けて出国。 ○就労者本人 5,000 人民元以上 20,000人民元以 下の罰金。事案が重大の場合は、罰金 のほか 5 日以上 15 日以下の拘留。 ○雇用者 1 人につき 10,000人民元、 上限 100,000人民元以内の罰金。 ○不法就労の仲介者 紹介 1 人につき 5,000 人民元、上限 50,000 人民元以内の罰金(ただし、 仲介者が法人の場合は、上限 100,000 人民元以内) 。 不 法 入 国 不 法 滞 在 不 法 就 ○雇用者 5,000 人民元以上 50,000 人民元以下の 罰金と送還費用の全額負担。 労 そ 【再入国禁止措置】 最長 5 年間の中国再入国禁止。 (運用) の 他 【臨時宿泊登記違反にかかる罰金】 上限 500 人民元 【再入国禁止措置】 強制退去の処罰を受けた場合、最長 10年間中国再入国禁止。(明文化) 【臨時宿泊登記違反にかかる罰金】 上限2,000人民元 ※なお、新出入国管理法では、不法入国や不法滞在、不法就労のいずれの場合において も、強制退去できると規定されている。 (2)ビザの種別拡大 中国におけるビザの種別は、旧制度では 8 種類が規定されていたが、新制度では発行 事由をより細分化し、新たに「M・Q・S・R」ビザを増設のうえ 12 種類とした。ビ ザの発給対象における改正内容および新設されたビザの内容は次頁のとおり。 ※ビザの種別は、ビザの中国語名に相応するアルファベットで表されている。 -2- A.ビザの発給対象における改正内容(下線部分が主な改正・追加箇所) ビザの種別 発給対象 従 来 2013 年 9 月 1 日以降 D:定住ビザ 中国に定住する者 中国に永住する者 Z:就労ビザ 中国国内で就労する者および 帯同家族 中国国内で就労を申請する者 X:留学ビザ 留学、研修、実習の目的で 6 ヵ 月以上中国に滞在する者 X1:中国国内で 180 日を超え る長期間就学を申請する者 X2:中国国内で 180 日以内の 短期間就学を申請する者 F:訪問ビザ 招聘に応じて中国を訪問し、視 察、商用、会議、講義、文化交 流、短期留学、研修等の活動を し、6 ヵ月を超えない者 入国して交流、訪問および視察 等の活動を行う者 ※商用に関するものは新設さ れるMビザに繰り入れ L:中国に入国して観光する者 L:観光ビザ L:旅行、親族訪問、その他私 的事由で中国を訪問する者 団体L:9 名以上の団体で観光 する者 G:過境ビザ 中国を越境して第三国に行く (トランジットビザ) 者 中国を越境して第三国に行く 者 国際列車乗務員、国際航空機乗 組員および国際航行船舶船員 および随行家族 国際列車乗務員、国際航空機乗 組員、国際航行船舶船員および 随行家族、国際道路運輸自動車 の運転手 J1:中国に来て常駐する外国 記者 J1:中国に常駐する報道機関 の外国人記者で180 日を超える 長期間中国に居留する者 J2:中国国内で180 日以内の 取材報道を行う外国人記者 C:乗務ビザ J:記者ビザ J2:臨時に中国に来て取材す る外国記者 団体L:団体で入国・旅行する 者 B.新設されたビザの種類および発給対象 新設されたビザ M:商用ビザ 発給対象(2013 年 9 月 1 日以降) 中国に入国して商業、貿易活動を行う者 Q1:家族同居のため入国を申請する中国国民や永住資格を持 Q:中国人親族ビザ つ外国人の家族、および扶養等の理由で中国国内に居留する者 Q2:入国して 180 日以内の短期で親族を訪問する中国国民や 永住資格を持つ外国人を訪問する家族 -3- 新設されたビザ 発給対象(2013 年 9 月 1 日以降) S:外国人家族・私 的事務ビザ S1:就労、学習等の理由で中国国内に居留する外国人の親族 (配偶者、父母、満 18 歳未満の子女、配偶者の父母)のうち 180 日を超える長期間親族訪問する者、およびその他私的事務のた めに 180 日を超える長期間中国国内に居留を要する者 S2:就労、学習等の理由で中国国内に居留する外国人の親族の うち、180 日以内の短期間で親族訪問する者、およびその他の私 的事務のために 180 日以内の短期間中国国内に居留を要する者 R:人材ビザ 国が必要とする外国のハイレベル人材、および緊急的に必要な 専門的人材 ※短期:中国国内に 180 日を超えず(180 日以内)滞在すること 長期・常駐:中国国内に 180 日を超えて居留すること (3)居留許可証の取得手続き A.申請期間の長期化(5 営業日から 15 営業日へ) 居留許可証の申請、更新に関する審査期間が 5 営業日から 15 営業日へと延長され、 パスポート原本を出入国管理局に預ける期間が長期化した。居留許可申請中は、パス ポートと引き換えに交付される「居留許可受理証」をパスポート代わりに利用するこ ととなる。(居留許可受理証の取扱等については、後段「4.実務上の運用状況と留 意点等」を参照。 ) B.生体認証技術の導入 居留許可の申請・取得時において、指紋等生体識別情報の保存が義務づけられたた め、居留許可の申請・取得の際には、申請者本人が公安局へ赴き、指紋採取の手続き が行われる。 ただし、現時点で上海市では導入されておらず、将来的に実施される見通し。 4.実務上の運用状況と留意点等 (1)居留許可証の取得手続きに関連する実務上の運用状況等 A.上海市における居留許可の申請手続期間 居留許可証の申請、更新に関する審査期間の長期化は、中国で就労、居留する外国 人にとって、最も影響が大きい問題の一つである。ただし、実際には上海市内におい て 7 月以降、15 営業日を要していた居留許可の更新期間が、9 月 2 日から 7 営業日に 短縮されている。また、パスポートと引き換えに交付される「居留許可受理証」 (顔写 真が掲載され、公安局の印が押されたもの)が、中国国内で居留許可の申請手続き期 間中の有効な身分証明書として発行されている。 ※地域によっては顔写真がないケースもあり。また、地方都市等では見慣れない書類の ため、認識してもらえないケースも想定されるので注意が必要。 -4- B.居留許可受理証の取扱い 利 用 可 能 国内線航空便への搭乗、列車チケットの購入、宿泊施設 利 用 不 可 国際線航空便への搭乗等による出国、銀行での所要の手続き C.居留許可証更新手続きと就業証延長手続きにおける実務上の取扱い 居留許可更新手続は、居留許可の有効期間が満了する 30 日前まで、就業証延長手続 きは労働契約期間が満了する前 30 日以内に取得が定められているが、労働契約と居 留許可の期限が同日の場合の手続きに矛盾が生じる。 実務上は、就業証の延長申請は 3 ヵ月前から申請可能(手続期間:申請日を含む 4 営業日)となっているほか、居留証の更新についても期間満了前 30 日以内の申請で も承認されている(満了日の 15 営業日前までの申請が望ましい) 。ただし、申請およ び手続期間の管理には時間的余裕を持った対応が必要である。 (2)現地駐在員等の帯同家族が取得すべきビザと留意点 A.取得するビザはS1或いはS2ビザ これまでは帯同家族は就労者本人と同じ「Zビザ」を取得し、居留事由には「就業者 家属( 「家族」のことを指す。 ) 」と記載されていたが、今後は「就労、学習等の理由で 中国国内に居留する外国人の親族」としてS1或いはS2ビザを取得する必要がある。 なお、居留事由には「私人事務」と記載される。 B.家族関係を証明する書類の提出 S1、S2ビザの申請に際し、中国の公安当局より、申請者と駐在員等との家族間 関係を証明する書類の提出を求められるケースがある。具体的な取扱いは個々の事案 毎に異なることから、実際に手続きを行う場合は、必要書類等について、各地の公安 当局に確認することが望ましい。 ※なお、在上海日本国総領事館では、夫婦関係を証明する婚姻証明および親子関係を 証明する出生証明の発行が可能である。 (3)60 歳以上の外国人就労者のビザ更新 今回の法令施行により外国人へのビザ発給の管理強化が一層厳格化され、60 歳定年制 が定められている中国においては、60 歳以上のZビザ更新が、原則として困難な状況に ある。 上海市では、実務上必要不可欠な人材との説明が認められれば、65 歳までは更新でき るケースもあるが、現地企業にとって後任人材の育成・配置等については、より計画的 に取り組む必要がある。 ※法律事務所の見解では、実務上必要不可欠な人材とは、対象者が経営に直接参加して いる、または、専門技能や知識、経験等を有しており、かつ中国国内で適切な人材が 不足している専門家等を指すが、その人材の必要性を強く訴えなければ、一般的には 更新は難しいとの見解が示されている。 -5- 5.おわりに 今回の新出入国管理法および管理条例の施行により、不法入国や不法就労等に関する罰 則が強化されたほか、ビザ発行事由が細分化され、ビザの種別と入国事由の対応関係がよ り明確化された。特に、これまで入国事由が多岐にわたり、業務に関わるものとしても取 得が可能だった「Fビザ」が、新制度下で「Fビザ」と「Mビザ」に細分化され、商用目 的での「Fビザ」の取得が難しくなった。管理条例施行前に取得済みのビザは期限まで有 効とされているものの、商用ビザについては、従来と異なる取扱いになるため、本社等か ら出張者が多い企業にとっては、今後、新たな対応を検討していく必要も想定される。 ビザの申請や居留許可受理証の取扱い等については、現状、地域により運用に差異がみ られることから、各種詳細な手続き等は当地の公安局窓口で確認を要すほか、各種手続き 等にあたっては時間的余裕を持った申請を行う必要がある。また、実務上の手続きの集積 により、実務上の運用がさらに変わっていくことも考えられることから、今後も動向等を 注視していく必要がある。 以 上 1. 法律上、会計上の助言:本資料記載の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではありま せん。法律上、会計上、税務上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。 2. 著作権:本資料記載の情報の著作権は原則として弊行に帰属します。いかなる目的であれ本資料の一 部または全部について無断で、いかなる方法においても複写、複製、引用、転載、翻訳、貸与等を行 うことを禁止します。 3. 免責:本資料記載の情報は、弊行が信頼できると考える各方面から取得しておりますが、その内容の 正確性、信頼性、完全性を保証するものではありません。弊行は当該情報に起因して発生した損害に ついては、その内容如何にかかわらず一切責任を負いません。 -6- Ⅱ.トピックス 中国(上海)自由貿易試験区が発足 9 月 27 日、国務院は「中国(上海)自由貿易試験区総体法案」を公布し、9 月 29 日、上 海市浦東新区において「中国(上海)自由貿易試験区」(以下「上海自由貿易試験区」とい う。)が発足しました。国務院が公布した総体法案では、貿易や投資、金融の自由化、行政 手続の簡素化等を行うことで、対外開放を更に進めることを強調しており、参入障壁撤廃に よる外資参入や貿易取引の促進、人民元取引の自由化などが期待されています。 方向性が示された一方で、まだ明らかにされていない部分も多いことから、具体的な内容 については、順次発表される細則等、政策決定の進捗を注視することが必要です。 総体法案の概要については、以下のとおりです。 総体法案の概要 範 囲 上海市外高橋保税区、外高橋物流園区、洋山保税港区、上海浦東空港総合保 税区の 4 ヵ所の税関特殊監督管理区域(総面積約 28 ㎢)が対象。 1.行政管理体制改革 事前の審査認可から、事後のモニタリングへの政府管理に転換。 2.サービス業の開放拡大 (1)サービス業 6 分野 18 業種を対象に、持株比率、経営範囲制限などの 参入障壁を一時停止あるいは撤廃。 金 融 海 運 商業・貿易 主な政策 専 門 文 社 化 会 【対象となる 6 分野 18 業種】 銀行業、健康医療保険、ファイナンスリース 遠洋貨物運輸、国際船舶管理 電信付加価値サービス、ゲーム機販売等 弁護士、信用調査、旅行、人材仲介、投資管理、工事 設計、建築 公演マネジメント、娯楽施設 教育研修、医療サービス (2)ネガティブリスト(外資の参入を制限・禁止する業種)管理方式を導 入。リストに掲載されていない業種については、認可制から届出制に変 更。 3.貿易取引の推進 多国籍企業がアジア・太平洋地域本部を設立し、貿易・物流・決済等の 機能を統合したビジネス・物流センターの設立を推奨。 4.金融の自由化 (1)人民元資本項目取引、両替取引の自由化、金利の自由化、人民元クロ スボーダー取引の利用を推進。 (2)上海自由貿易試験区に適した外貨管理体制の構築とクロスボーダー融 資の利便化を促進。 (3)中国民間資本銀行と外資系金融機関の中外合弁銀行設立を認可。 -7- Ⅲ.上海で開催される主な見本市・展示会等情報(2013 年 11 月~2014 年 1 月) 見本市・展示会等名 2013 中国国際工業博覧会 2013 工業自動化展 会 期 11 月 5 日 ~ 11 月 9 日 11 月 5 日 ~ 2013 中国航空宇宙産業技術展 11 月 5 日 ~ RubberTech China 2013 (第 13 回国際ゴム技術展覧会) 第 12 回中国国際古典家具展覧会& 上海国際骨董及び芸術品展覧会 11 月 13 日 ~ オートメカニカ上海 2013 (上海国際自動車部品見本市) http://www.icef.com.cn/fall_eng http://www.rubbertech.com.cn/in 11 月 15 日 dex.asp http://www.sfchina.net/HTMLPage 11 月 22 日 sf1260.htm 11 月 22 日 ~ http://www.antiquefurniture 11 月 25 日 fair.com/ http://www.koelnmesse.cn/fair/ 11 月 28 日 New_CIHS_E/index.asp Marintec China 2013(中国国際海 12 月 03 日 ~ 事技術学術会議展覧会) http://www.fhcchina.com/en/ 11 月 15 日 /index.shtm CIHS 2013(中国国際ハードウエア 11 月 26 日 ~ 見本市) http://www.chinainfo-jp.com/ex 11 月 15 日 index.asp SFCHINA2013(第 26 回中国国際表面 11 月 20 日 ~ 処理展) http://www.metalworkingchina.c 11 月 9 日 po/caats.html CEF 2013(第 82 回中国エレクトロ 11 月 13 日 ~ ニクス見本市) http://www.industrial-automati 11 月 9 日 om/EN/ FHC CHINA 2013(第 17 回上海国際 11 月 13 日 ~ 食品・飲料・ケータリング設備展) http://www.ciif-expo.com/ 11 月 9 日 on-show.com/CN/ MWCS2013 (金属切削工作機械見本 11 月 5 日 ~ 市) ホームページ等 12 月 06 日 12 月 10 日 ~ http://www.marintecchina.com/ http://www.automechanika 12 月 13 日 -shanghai.com ※各見本市・展示会等の開催時期や内容等は、主催者により変更、延期、中止されること があります。詳細については、直接各主催者等にお問合せの上、ご確認願います。 ※2014 年 1 月は、春節(旧正月)休暇等があるため、大きな展示会等は予定されておりま せん。 -8- Ⅳ.コラム 「岐路に立つ観光PR」 上海では、9 月 14 日から 10 月 6 日までの期間、 「上海旅行節」として観光イベントが開催 されました。初日の夜には、上海市内の繁華街において華やかに電飾された「花車」のパレ ードが行われ、イベント期間中は、東方明珠塔(通称「テレビ塔」 )や上海野生動物園、遊園 地など、市内 52 カ所の観光地(昨年に比べ 10 カ所増加)と外灘を眺める黄浦江遊覧船のチ ケットが半額になりました。また、市内 200 余りのレストラン・ホテルでも、各種優待セッ トメニューや割引特典、プレゼントが用意される企画など、誘客に力が入っておりました。 しかし、残念ながら、 「上海旅行節」は日本ではほとんど知られていません。また、日本国 内経済の景気低迷、人民元高、尖閣諸島問題、鳥インフルエンザの流行など数多くの要因に よって、日本人観光客数は 2012 年から激減し続けています。国家観光局の統計によると、今 年 1 月から 5 月に、中国に宿泊した外国人観光客数は約 2,293 万人で、昨年同期比約 4%の 減少となっていますが、そのうち、日本人観光客数は約 118 万人で、昨年同期比約 25%の減 少と大きく落ち込んでいます。昨年 8 月までは、日本人観光客の受入は上海の旅行会社にと って、大きな収入源の一つとなっており、多くの旅行会社にはたくさんの日本語ガイドが所 属していました。日本語ガイドの月収は、2011 年の時には、1,000 元の基本給に歩合を加え て 8,000 元以上にもなったものが、日本人観光客の減少を受け、現在では、2,000 元から 3000 元前後に減少しているようです。こうした状況下、多くの日本語ガイドが、転職や東南アジ アへの団体旅行の引率への配置転換を余儀なくされていると聞きます。 一方、中国からの訪日観光の状況は、商品開発等で当局の許可が必要な団体旅行について は依然として厳しい状況が続いていますが、個人旅行については、今年に入ってからの円安 要因等もあり、 ビザの発給件数は過去最高を記録するなど拡大基調にあります。 各自治体が、 中国からの訪日観光客受入のためのPR活動に躍起になっていますが、中国人観光客の訪問 先は北海道や東京を中心とした首都圏、富士山、関西に人気が集中しており、宮城県を始め とした東北地方でも、地方独自の特色を出すのに苦労しています。 仙台空港から上海浦東空港への国際定期便が、10 月 27 日から来年の 3 月 29 日まで運休と なることが発表されました。これは、双方の観光事業にとって大きな痛手です。お互いが、 一方的に「来て欲しい」と思うばかりでなく、双方がPRに努め、双方ともに往来する人を 増やすための「もうひと工夫」をする必要があると思います。 観光イベントでなぜか「たこ焼き」をPRする台湾のブース -9(終)-
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