大学誘致について提出された意見と市の考え方

大学誘致について提出された意見と市の考え方
番号
1
項目
提出された意見の概要
看護系大学の誘致については国際戦略特区での医学部
新設が認められることを条件とすべき。
意見に対する市の考え方
看護学部の設置は、国家戦略特区の提案とは別に進め
てきたものであり、成田市にとって看護師不足による地
今回、成田市に設立が認められない場合は、看護系大 域医療の崩壊を防ぐために必要不可欠であり、医学部が
学の誘致については白紙撤回とし、次の機会を待つこと 設置できず看護学部等の設置のみの場合でも、経済効果、
を提案したい。
社会的効果、文化的効果など本市に対し多大なる効果が
もたらされるものと確信しております。
そのため、国家戦略特区の指定の有無に関わらず、看
護学部を含む医療系大学の設置を推進してまいりたいと
考えております。
2
多額の市税を投入しているのにも拘わらずに、私立大
今回の誘致が叶った場合には、およそ 1,600 人の新た
学機関とは言え特定の一団体に無償期限も設けずにいわ な 「まち」 が誕生するということであります。また、
ばタダ貸し・全面支援するとは如何なものか?
看護師不足の解消はもとより、学生や教職員及びその家
族の定住による 「人口増加の効果」、建設時に 100 億円、
開校後は毎年 40 億円を超える「経済波及効果」
、教育機
関、研究機関としての「社会的効果」や大学が立地する
ことによる「文化的効果」が見込まれ、教育環境の向上、
生涯を通じて学ぶことができるまちづくり、若者が集ま
るにぎわいのあるまちづくりの実現など、市としてのク
オリティーが格段に上がるものと確信しております。大
学誘致はそうした公共性の高い事業であるとの判断か
ら、支援を検討しているものです。
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番号
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項目
提出された意見の概要
意見に対する市の考え方
当初、市は医療従事者(特に医師・看護婦)不足を改
善する目的で医科系大学誘致に全力を挙げて取り組んだ
とありますが、結果、医師・看護師以外の医療系学部を
有する『国際医療福祉大学』に誘致先を絞り込んだこと
について異議を唱えます。
説明によると「将来、同大学が医学部設置を睨んでい
る」とありますが、現状は主に、リハビリテーション専
門職種の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓
練士等々を全国展開で養成する大学です。当市に誘致さ
れた場合、計画の中でも看護学部以外のリハ専門職種の
学部を多く設置することになり、各職種とも既に全国で
は多くの私立大学が存在し十分量的には充足できてお
り、その全国定員数もこの先の新陳代謝を考えたとして
も卒業生の就職先や教育の質が担保困難になる程の量で
あると考えます。
つまり、リハビリ専門職の量的供給量は現状で十分或
いは過剰になっています。このことについて、是非正し
い現状認識をして欲しい。㈳日本リハビリテーション医
学会、㈳日本理学療法士協会等各職能団体の認識で確認
ができるので、有識者・団体の意見をしっかり参考にさ
れることをお勧めします。
将来「医師・看護師」を主とした人材不足対策として
検討されているなら、他の医療系学部も認めるというこ
とではなく、あくまでも「初志貫徹」原点に立ち戻り、
「あの時、何故この医系大学でなければならなかったの
か」と将来に禍根を残すことのないよう後悔することが
ないよう、適正な医系大学の選定を再考するようお願い
いたします。
国際医療福祉大学は栃木県大田原市を中心に神奈川
県・福岡県にもキャンパスを構えるほか、栃木・東京・
千葉・福岡で多数の病院や福祉施設を運営しています。
大学単体で見ますと、6 学部 16 学科を擁しており、大
学院まで含めると約 6,700 人の学生が学んでいますが、
医療・福祉に係る学部では、医学部のみ設置できていな
いという状況であります。
そのため、大学側としても医学部の設置には早くから
意欲を示しており、平成 22 年 3 月には「医学部設置準備
委員会」を設置し、取り組みを続けられています。
このような状況もあって、医療業界では、医学部の設
置が認められた際には、同大学が認可の最有力候補であ
ると言われております。
また、リハビリテーション専門職種についてですが、
本市が属する印旛保健医療圏の医療機関で就労するそれ
らの職種の就労者数は、人口 10 万人あたり、理学療法士
が 22.6 人、作業療法士が 14.5 人、言語聴覚士が 2.4 人
と、全国平均の 44.6 人、27.9 人、9.0 人と比較して半数
程度となっております。
このような状況から、理学療法士、作業療法士、言語
聴覚士についても不足しており、それぞれが地域医療を
担う重要な職種であると考えていることから誘致を進め
ているところであります。
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番号
4
項目
提出された意見の概要
大学を成田市が誘致するにあたり、建った物への[騒
意見に対する市の考え方
今回の大学誘致が叶った場合の住環境につきまして
音]や[治安]その他の苦情の受け入れ窓口は、一体どこに は、学生は国家資格取得を目的として大学に通う真面目
なるのでしょうか?
な学生でありますので、市といたしましては、誘致に伴
はっきりと窓口を決めて最後まで住民の生活に責任を持 い騒音の発生や治安の悪化ということは考えておりませ
ってくださることを約束してください!
今更、建設反対の余地はないようですが、もう少し住
ん。
大学側との意見交換につきましては、今後、開催につ
民への説明会を密に行って欲しいと思います。出来たら いて大学側と協議してまいります。
誘致する大学側の方々とも意見交換の場を設けて頂きた
いです。
誘致にあたりましては、大学側と市とで協定書を結ぶ
予定でありますので、地域貢献を含めた内容を盛り込ん
「誘致する」と言うことで、大学側が優位に立つよう でいきたいと考えております。
な事がないように!成田市としてしっかりとした交渉を
してください。
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提出された意見の概要
大学誘致は当市の財政規模を考えた時、身の丈を超え
たプロジェクトと考えます。
意見に対する市の考え方
本市は、成田国際空港や空港に関連する事業所が多数
所在していることなどから税収が安定しており、地方公
成田空港に伴う、諸税収は他市が羨む規模かと思いま 共団体の財政基盤の強さを示す 「財政力指数」は、全国
すが、羽田空港に国際線が多数利用できるようになり、
でトップクラスであり、また、各種財政指標においても
今後成田空港を取り巻く環境は楽観を出来る状況下にあ 健全性を確保しており、県内の各市の平均と比較しても、
るとはとても思いません。
本市の財政状況は良好であります。
かつての過剰な投資により苦しんでいる自治体を他山
今回の誘致に関しましては、土地の購入と今後予定さ
の石とすべきと思います。
れております建設費の補助を合わせまして、50
億円の
賢明なる判断を強く望みます。
支出を予定しているわけでございますが、財政負担の平
準化、住民負担の世代間公平の調整等を図ることから財
源を 「起債」 により確保したいと考えており、起債に
よる借入金の返済額が及ぼす「実質公債費比率」、「将
来負担比率」という財政指標の数字の上から見ましても、
財政の健全性は維持できると考えております。
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番号
6
項目
提出された意見の概要
今回の「大学誘致」に反対いたします。
反対の理由としまして
意見に対する市の考え方
市では、生涯を完結できるまちづくりを目指す中で、
本市にはない高等教育機関の要である「大学」の誘致を
1. 大学を誘致する理由が不明瞭である。
目標の一つに掲げてきましたが、近年問題となっている
2. 予算を他に使用すべきである。
医師・看護師不足をはじめとする医療従事者不足を改善
3. 住環境の悪化が懸念される。
し、地域医療の崩壊を食い止めるためには、医療関係者
以上の意見です。
の努力だけでなく、行政としても方策を講じる必要があ
1.につきましては大学を誘致したら医療従事者不足が ると考え、誘致の対象を「医科系大学」に絞り、全力を
軽減されるとは考えられません。
あげて取り組んでいるところです。
それよりも現行の日赤への支援や他の病院への支援体
制を強化できるのではないでしょうか?
今回の誘致にあたっての市から大学への支援につきま
しては、土地の購入費及び校舎の建設に対しての補助金
2.誘致に使用する予算があれば保育所や幼稚園などの を考えており、その財源につきましては、適債性、即ち
施設を充実させ、働きながらでも子育てができるなどの 公共性がある事業であるということが国で認められている
施策を充実させるべきだと思われます。
ため、起債により確保したいと考えております。これに
仮に大学を誘致して従事者が増加しても子育てできな より、財政負担の平準化、住民負担の世代間公平の調整
いような環境では転出してしまうと思われます。
及び一般財源の補完等が図られ、現状の住民サービスを
3.私が公津の杜に住んでいるのは静かで落ち着いた街 低下させることなく事業を推進していきたいと考えてお
だからこそ住宅を購入したのです。
ります。
駅前に学校があれば必ずトラブルなど(夜間の喧騒や路
学生は国家資格取得を目的として大学に通う真面目な
上駐車等)が起こり治安も悪化すると思いますし、駅前 学生でありますので、市といたしましては、誘致に伴い
の発展も不可能となります。
住環境が悪化するということは考えておりません。
以上の理由から公津の杜駅前への大学誘致には反対い
たします。
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番号
7
項目
提出された意見の概要
地方の医師不足が叫ばれています。特に初期臨床研修
意見に対する市の考え方
大学側からの見解では、医学部については、私立大学
制度が導入され、医学部卒業生は自由に研修先(勤務先) の例をみますと、かなりの入学金、授業料を要し、現実
を選択する様になり、地方の医師不足は顕著になりまし 問題として、高額な授業料等の為に医学部進学を断念せ
た。諸悪の根源と言われた医局制度は崩壊しつつありま ざるを得ないという学生がいる状況がある中で、地域医
す。医局制度は地方の医師不足を解消するための医師派 療、国際医療に貢献したいという意欲のある学生を求め
遣制度であったと思います。医学部を新設し医師を増や ていくため、できるだけ授業料を抑えていきたいと伺っ
すことは歓迎すべきことです。
ております。
医学部を設置する場合にハード面の充実は大切です。
また、教員の確保については、どこの大学も大変苦慮
その点については計画書を見る限り問題ないと判断しま していると聞いておりますが、国際医療福祉大学は、栃
す。重要課題として良質な教員と学生の確保が挙げられ 木県大田原市を中心に神奈川県、福岡県に 4 キャンパス
ます。そこで国際医療福祉大学がどのように施策を立て 6 学部 16 学科を擁し、また、東京都に国際医療福祉大学
ているかを明確にする必要があります。学生確保は難し 三田病院や山王病院、栃木県に国際医療福祉大学病院な
い問題です。特に私立大学医学部は授業料が高いことか ど 1 都 5 県で多数の病院や福祉施設を運営しており、大
ら良質な学生の確保は困難を極める可能性があります。 変スタッフが充実しているということで、新たに学部を
一案として私立である成田高校に国際医療大学特別進学 設置しても、教員の確保については心配ないと、自信を
クラス(附属)を設け、ある程度の学生を確保すること 持っているということでございます。
も検討してはいかがでしょうか。教員確保=医師確保も
重要な問題となるでしょう。このことも大学側でどのよ
うに考えるかを提示してもらう必要があります。医師不
足の折、教員確保のほうが困難となる可能性が高いと思
います。
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番号
8
項目
提出された意見の概要
公津の杜地区は、市内において、閑静な住宅地として
意見に対する市の考え方
今回の誘致にあたりましては、大学建設時及び開学後
人気の地区と認識しております。大学設置により期待さ の経済波及効果や教職員、学生及び雇用増加に伴う人口
れる「若者が集まるにぎわいのあるまち」と、閑静な住 増加の効果、教育機関としての効果や看護師等の人材供
宅地は、相容れるものではなく、公津の杜地区の価値が、 給の効果など様々な社会的効果が期待でき、地元の小・
良くも悪くも変わってしまうリスクは大きいと感じま 中・高の教育レベルが上昇することや生涯学習への意識
す。
の向上などの文化的効果など、多大なる効果を見込んで
一方、成田湯川地区においては、近隣地区の発展や、 おります。また、大学側では地域貢献も考えており、他
利便性向上が期待される中、新駅が設置されたことと思 市の例で見ますと、図書館や食堂等の大学施設の開放や
いますが、期待された効果が得られていないように感じ 市民向けの公開講座や講演会の開催などが見受けられ、
ます。
公津地区は他の地域よりもより大きなメリットが受けら
成田市の中で、良いところは残しつつ、市全体を見通 れると考えておりますので、大学の設置場所につきまし
して発展を促すことを考えると、大学の設置場所は、成 ては、公津の杜で進めさせていただきたいと考えており
田湯川地区の方が、望ましいと思いますが、いかがでし ます。
ょうか。成田スカイアクセスの乗車率向上により、利便
医学部や附属病院の設置につきましては、国が医学部
性が高まることも期待でき、市内だけでなく、県内近隣 の新設を認めていない為、未定ではありますが、今後も
エリアの発展にもつながり、相乗効果を期待します。
また、医学部附属病院や、トレーニングセンターも、
畑ケ田地区ではなく、医学部と一緒に、成田湯川地区に
設置できれば、大学としての魅力が高まり、更なる発展
が期待できるとはないでしょうか。
更に、設置費用の圧縮、アパート賃貸料が割安である
ことによる、学生の市内在住率の向上も期待できると考
えます。
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国の動向に注視してまいりたいと考えております。
番号
9
項目
提出された意見の概要
医科系大学誘致の最大の目的である、医学部とその附
意見に対する市の考え方
市では、医学部の新設を国が認めていない中では、医
属病院の設置費用は、成田市が補助することで大学側と 学部を新設することは現状においては困難であります
交渉を進めているのですか?
が、地域医療を守るためには医師と同様に不足している
補助する計画であれば、50 億円だけの話ではなく、更 看護師の養成機関である看護学部をはじめとする医療系
なる莫大な拠出が発生し、市の財政圧迫は必至と予想さ 学部の設置も必要であると考えていたことから、医学部
れます。
の設置を最終的な目標に、今回の誘致を推進しておりま
医学部が設置されなければ、本末転倒な話であり、50 す。しかし、仮に医学部の新設が認められた場合に、ど
億円の拠出が適正なのか、市民が判断することができま のような医学部の校舎を建設し、どのような病院を作る
せん。
かは、これから大学側と協議していく内容であります。
今回の看護学部、保険医療学部の設置を決定する前に、 大学単体でもその内容により事業費に大きな差があり、
医学部、附属病院も含めた財政支出の是非を、市民に信 特に附属病院につきましては、病院規模によりその差は
を問う必要があると考えます。
顕著になると思われますので、具体的にどのくらいの支
援をしていくかということにつきましては未定でござい
ますが、引き続き国の動向を注視してまいりたいと考え
ております。
いずれにしましても、本市に医科系大学を誘致するこ
とができた場合、誘致による市内人口の増加、建設時の
投資や年間消費による経済効果、社会的効果や文化的効
果など、様々な効果が見込まれます。また、医師・看護
師不足の解消といった地域医療環境の充実も期待できま
すことから、医学部の新設時に関しても大学側へ支援し
たいと考えております。
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番号
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項目
提出された意見の概要
一市民です。市職員・議員の皆様、ご活躍ありがとう
ございます。
意見に対する市の考え方
千葉県の人口 10 万人あたりの医師数・看護師数は、全
国平均を大きく下回り、47 都道府県中最下位を争ってい
医療系を含め公津への大学誘致に反対です。人口減の る状況にあり、今後の高齢化の進展によりますます深刻
今、大学増は不要です。
なものになると思われます。このような医師・看護師を
20 億も 50 億も出せる金があるなら、フクシマを始め はじめとする医療従事者不足を改善し、地域医療の崩壊
3.11 被災地の支援に充てるべきでしょう。皮算用の成田 を食い止めるためには、本市に医科系大学を設置して医
市の利益を考えてはいけません。空港からの税があるか 療従事者を養成していく必要があるとの考えに至り、大
らといってムダな支出はいけません。たまたま成田にあ 学誘致を推進しているところですが、大学が設置された
るだけ。
場合には、本市のみならず空港周辺地域全体に大きな効
なお、百歩ゆずっても公津の地は大学には狭い。市で 果をもたらすものと期待しています。少子化の中、学生
買いあげるなら、市民が直接かかわれる施策を考えるの 獲得のための大学間の競争は激化しておりますが、医療
が本来です。箱物だけ作る、あるいは作らせるのは止め 系学部に関しては、人材不足を背景とする就職率の高さ
てください。
などから定員割れは考えにくいと判断しています。
また、公津の杜駅前ではキャンパスとしては手狭な印
象を受けますが、大学の計画では校舎を 9 階建てとする
ことにより教育・実習等のスペースは十分に確保できる
とのことです。キャンパスには、図書館や食堂等の設置
も計画されておりますので、それら大学施設の市民への
開放や公開講座や講演会の開催、学生によるボランティ
ア活動や地域主催事業への参加など地元住民のかたにも
様々なメリットがあるものと考えています。
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番号
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項目
提出された意見の概要
なぜ商業地区に大学なのですか。
意見に対する市の考え方
医療系の大学へ進学する学生は、国家資格取得を目的
落ち着いて勉学に励むことができないのではと思いま として通学する勤勉な学生でありますので、駅前の土地
す。
へ大学を誘致しましても心配ないと考えております。
成田市が大学誘致の用地 20 億円、建設費の半額 30 億
大学を誘致する場合、財政的な支援を行っている自治
円補助するとの事、この 50 億円は私たち市民の税金で 体がほとんどであります。用地に対する援助、建設費に
す。用地は無償貸与とのことですが、用地代金として支 対する援助、その他様々な形で支援を行っております。
払ってもらうことはできないのですか。
用地に関する支援については、自治体によってその内容
大学誘致で市民福祉が後退するようでは賛成すること は異なりますが、無償譲渡、無償貸与といった形で支援
はできません。
しているのがほとんどでございます。
今後、医学部も考えている様ですが、これ以上の財政
負担は反対です。
今回の誘致にあたって、市から大学側への支援の財源
は、公共性がある事業ということが国で認められている
ため、起債により確保したいと考えております。これに
より、財政負担の平準化、住民負担の世代間公平の調整
及び一般財源の補完等が図られ、現状の住民サービスを
低下させることなく事業を推進していきたいと考えてお
ります。
医学部の新設につきましては、国が認めていないため
未定ではありますが、今後も国の動向に注視してまいり
たいと考えております。
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番号
12
項目
提出された意見の概要
商業施設用地としての名目でありながら、商業施設が
意見に対する市の考え方
今回の大学誘致と、地区計画の変更については、全く
進まないので土地利用の目的の解釈を市側の都合のよい 別のものであります。
方に拡大解釈し利用目的を変更しているのではないか。
地区計画は平成 4 年に設定し、20 年以上が経過してお
大学開校になった場合、運動施設を利用するとなると りますが、経済情勢等の影響などもあり商業施設等を誘
既存の施設も利用ことが考えられる。市民の利用率が圧 致できていないことから、商業施設だけでなく、住宅施
迫される事が出て来るのではないか。
設なども誘致できる計画への変更を予定しているもので
あります。
なお、地区計画を変更せず商業地区でも大学を設置す
ることは可能でありますので、大学を誘致するために地
区計画を変更するものではございません。
また、大学が利用する運動施設につきましては、体育
館は大学側で校舎内に設置する予定であると伺っており
ますが、グランドについては、既存のスポーツ施設や学
校跡地の活用等を前提に、市民の利用率が低下すること
が無いよう、今後大学側と協議してまいりたいと考えて
おります。
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番号
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項目
提出された意見の概要
医療系大学の誘致に関し、市の努力を多とし評価いた
意見に対する市の考え方
大学の設置場所となる予定地の選定につきましては、
すと共に市内あるいは近隣の向学心の高い若者に大いな 学校跡地などの市有地や取得の可能性がある土地などを
る希望と機会を示した事は素晴らしい政策であり順調な 大学側と見て回りました。
推移を願っております。
大学側からは、学生や教員を募集するにあたり昨今の
上記を踏まえて以下の質問をいたします。
学生の都心回帰の意向などを考慮すると、交通の便の良
い京成公津の杜駅前の用地としたいとの要望がありまし
「大学設置計画(案)について」
たので、今回の誘致は当該地において進めさせていただ
予定地について大学側の意向も理解するものですが、 きたいと考えております。
これからの市の発展にとり又地区の発展の起爆剤とし
大学を誘致する場合、財政的な支援を行っている自治
て、湯川地区に適地が無かったのでしょうか、周囲の環 体がほとんどであります。
境、アクセスに関しても申し分ないもので市のバランス 用地に対する援助、建設費に対する援助、その他様々な
ある発展の最大の機会を逸することが危惧されます。
形で支援を行っており、相当高額な資金援助を行ってい
「誘致の効果について」
る自治体もあります。今回の誘致に関しましても、他の
都市志向の高まる中で悩ましいことですが地域内消費 自治体の支援内容を参考に本市の財政状況を勘案した上
への波及効果を期待するならば少なくとも駅より徒歩で で調整したものでございまして、その内容につきまして
10 ないし 15 分の距離を保つことが肝要と思います。
「市が行う支援について」
微妙な問題も含んでいることは理解しますが、他市の
事例も含めもう少し議会での丁寧な説明が必要です。
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は、議会の皆様にも説明させていただいております。
番号
14
項目
提出された意見の概要
地域医療の充実を図るという趣旨は納得出来る。しか
し、仮に大学が新設されたとして、そこの卒業生が県内
に就職するとは限らない。とすると、国としてはともか
く県に齎される恩恵は少ないのではないか。よって、医
科系大学を誘致すると地域医療体制が充実するのは詭弁
ではないか。例えば、医学部では大学の所在地がどこに
あるかということよりも偏差値を重視せざるを得ないよ
うに思える。そのため、医師となった後も実家の病院を
継ぐために大学の所在地を離れることは往々にして考え
られる。また、看護師は人材不足であるために場所を選
ばずに就職しやすい。すると、数年は成田市で医療に従
事したとしても後々は実家に帰ってそこで就職すること
も考えられる。
国際都市を謳っている都市として、医科系大学よりも
国際系大学を新設した方がいいのではないか。実際、検
討はされたのか。秋田県は国際教養大学を新設し大成功
を収めている。国際空港がある成田市であれば、秋田以
上の成功を収められると思われる。とすれば、今求めら
れているのは医療を担う人材よりもグローバルに活躍で
きる人材だと考えられる。
多額の税金が投入されることを考えると、住民投票に
かけるべきではないか。確かに、住民投票を行ったとし
ても、その結果が議会を拘束しないことは重々承知であ
るが、住民の意向も斟酌すべきである。パブリックコメ
ントの実施も住民説明会の実施も所詮は既成事実工作と
しか思えない。是非とも住民のための行政を実現してほ
しい。
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意見に対する市の考え方
市では、生涯を完結できるまちづくりを目指す中で、
本市にはない高等教育機関の要である大学の誘致を目標
の一つに掲げてきましたが、近年問題となっている医
師・看護師不足をはじめとする医療従事者不足を改善し、
地域医療の崩壊を食い止めるためには、医療関係者の努
力だけでなく、行政としても方策を講じる必要があると
考え、誘致の対象を医科系大学に絞り、全力をあげて取
り組んでいます。
また、今年度より新たな事業として、看護学校などを
卒業した後に、市内の病院に看護師として勤務いただけ
る看護学生を対象として、看護師等修学資金貸付事業を
開始し、看護師養成に係る経費の一部の助成を行うこと
で、市内の病院に従事する看護師の確保と地域医療体制
の充実に努めているところであります。
今回の誘致に関しましては、住民説明会やパブリック
コメントなどを通して、住民の皆さんの生の声をお聞き
しているところであり、また、地方自治制度は、基本的
に代表民主制によって運営されていることから、議会に
おきまして住民の皆さまのご意見を反映した判断をいた
だくことといたしまして、住民投票の実施は考えており
ません。
番号
15
項目
提出された意見の概要
意見に対する市の考え方
① 市長が 9 月 26 日公津地区説明会において、大学誘致
が市長選挙公約であると述べられたが、成田市総合5か
年計画2011 ローリング第1版を参照しても構想す
ら入っていない。本気で市長は大学誘致を考えているの
か疑問符が付く、他から言わされている感じがする。高
額な税金を使うことは市民の大切な税金の配分が間違っ
ている。市議会で十分な議論をせず、一方的に行政が決
めて良いはずはない、民主主義にも反している。拙速な
施策は結果的に成田市の財政を圧迫してしまう。このま
ま 12 月の定例市議会で、市側の補正予算を仮に通すこと
にでもなれば、市議会の存在を疑う。
② 成田市が誘致してもメリットが感じられない。
同じく公津地区説明会において、副市長は現状の看護師
不足の本音を述べていました。100 人が卒業して職につ
いても、100 人がその職を辞めていくと言われた。つま
り看護師の定職率が悪いという。それでは 20 億円という
大学誘致のための税金は、ザルに税金を投入することで、
市民のために使うのではなく、誘致した仲介業者、不動
産業者、電鉄会社が儲けのために成田市を利用したこと
である。行政は現時点では、経済効果が期待できると述
べられたが、市が 20 億円で不動産業者から敷地を購入す
ることは、今後敷地の固定資産税、都市計画税、購入手
数料等々各種の税金が入ってこないが、これはデメリッ
トである。
③ 誘致にかかる税金投入を止め、既存の医療系学校に
大幅な補助を考えた方が得策である。
・成田赤十字病院看護学校が来期廃校となるという。存
続のための抜本的な補助をする。
・成田病院系列の医療系専門学校に補助。
・成田国際福祉専門学校に補助
モノに税金を使うのではなく、ヒトに使うべきである。
教える先生、看護師、医療従事者等々の待遇に税金を
使うことが、最も安全で根本的な施策と考える。
今回の誘致に関しましては、土地の購入と今後予定さ
れております建設費の補助を予定しているわけでござい
ますが、財政負担の平準化、住民負担の世代間公平の調
整等を図ることから財源を「起債」により確保したいと
考えており、起債による借入金の返済額が及ぼす「実質
公債費比率」、「将来負担比率」という財政指標の数字の
上から見ましても、財政の健全性は維持できると考えて
おり、市の財政を圧迫するようなことはございません。
誘致のメリットでありますが、今回の誘致が叶った場
合には、学生や教職員を含めておよそ 1,600 人の新たな
まちが誕生するということであります。人口増加の効果
や建設時の投資や年間消費による経済効果、その他社会
的効果や文化的効果など様々な効果が見込まれ、市とし
てのクオリティーが格段に上がるものと確信しておりま
す。
千葉県の看護師数については、人口 10 万人あたり
523.6 人と、全国平均の 744.0 人を大きく下回り、47 都
道府県中 46 位で、看護師不足は今後の高齢化の進展によ
りますます深刻なものになると思われます。また、厚生
労働省が策定した看護職員需給見通しによれば、平成 27
年度には全国でおよそ 15,000 人の看護職員が不足する
と推計されています。このような中、本市では看護師不
足対策の新たな事業として、看護学校などを卒業した後
に、市内の病院に看護師として勤務いただける看護学生
を対象として、看護師等修学資金貸付事業を開始し、看
護師養成に係る経費の一部の助成を行うことで、市内の
病院に従事する看護師の確保と地域医療体制の充実に努
めているところであります。今後の超高齢化社会を迎え
るにあたっては、今から看護師等を養成していかなけれ
ば、これからの世代を支えていくのは非常に困難である
との認識に立ち、地域医療の崩壊を食い止めるためにも、
医療従事者を養成していく必要があるとの考えに至った
ものであります。
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項目
提出された意見の概要
看護大学の誘致をはかることにより、プラスの効果ば
意見に対する市の考え方
本市に医科系大学を誘致することができた場合、誘致
かりではなく、マイナスの効果が生じることも予想され による市内人口の増加、建設時の投資や年間消費による
ます。
経済効果、社会的効果や文化的効果など、様々な効果が
しかし、マイナスの効果は、創意工夫、資金の投入に 見込まれ、医師・看護師不足の解消といった地域医療環
よって、公津の杜の住民及び既存施設と調和をはかるこ 境の充実も期待できます。また、大学施設の開放や公開
とにより、逆に望ましい方向へと導くことも可能な場合 講座や講演会の開催、学生によるボランティア活動や地
があります。
域主催事業への参加など地元住民のかたにも様々なメリ
周辺環境との調和がとれていない構想であれば、 看護 ットがあるものと考えています。
大学関係者の方にとっても、居心地が悪く、決して良い
一方で、教職員を合わせて、1,600 人もの人が公津の
印象を与えることにはなりません。また、周辺住民・既 杜地区に集まることとなりますので、多少なりとも住環
存施設関係者の方の反発を招くことも予想され、円滑な 境に影響を与えることが予想されます。大学の存在が地
大学誘致推進活動にプラスには働きません。
域住民の安寧を脅かすことがないよう、開学前に大学と
看護大学誘致予定地の西側の空き地及びその周辺の土 十分に協議を行うとともに、開学後についても地域から
地の利用についても、周辺住民・既存施設との調和を考 の声が大学にも届くよう、市としても責任を持って対応
えた計画立案を、また場合によってはその実現のため新 してまいります。
たな予算措置についても、柔軟かつ慎重な対応をお願い
申し上げます。
なお、大学予定地西側の土地は、将来医学部が認めら
れた際には、その用地としたいと考えておりますが、直
ちに市で取得する予定はありません。
15
番号
17
項目
提出された意見の概要
医師・看護師不足は平成 28 年にも続くことが想定でき
意見に対する市の考え方
リハビリテーション専門職種についてですが、本市が
るが,その他の医療系学科については受給が満たされて 属する印旛保健医療圏の医療機関で就労するそれらの職
いる可能性も高い。
種の就労者数は、人口 10 万人あたり、理学療法士が 22.6
現段階ですでに需要過多となっている医療系学科もあ 人、作業療法士が 14.5 人、言語聴覚士が 2.4 人と、全国
り,地方都市に建てられた大学の定員が満たされないこ 平均の 44.6 人、27.9 人、9.0 人と比較して半数程度とな
とも考えられる。
っております。
このような状況から、理学療法士、作業療法士、言語
聴覚士についても不足しており、それぞれが地域医療を
担う重要な職種であると考えていることから誘致を進め
ているところであります。
16
番号
18
項目
提出された意見の概要
近隣住民の説明会をやるのに周知不足
9 月 26 日の説明会を知る前に終わっていた。
意見に対する市の考え方
9 月 26 日のもりんぴあこうづにおける住民説明会につ
きましては、大学設置予定地の近隣である公津地区の皆
市役所に確認したところ、自治会回覧を 13 日に通知し 様にいち早く計画を説明させていただきたいと考え、可
たとのことであるが周知期間が短すぎて周りきってない 能な限り早期に開催したものでありますが、開催案内が
のでは、あとはホームページだけとのこと。
開催日までに回らなかった方もいると伺い、誠に申し訳
パブリックコメントも市役所説明会の前に締め切るの なく思っております。
もどうか?
市では、説明会についてはこの 1 回だけで終了である
税金を 50 億円投入なのに市民の意見聞くスタンスとし とは考えておらず、10 月 23 日には成田市役所において
て疑問。
開催し、今後も、区・自治会・町内会等を対象に実施を
予定しております。
大学誘致につきましては、市民の皆様の意見をいただ
きながら進めてまいりたいと考えておりますので、ご理
解のほどよろしくお願いいたします。
17
番号
項目
19
国際医療福祉大学を「 医
提出された意見の概要
医療法第 1 条の 2 に「医療は、生命の尊重と個人の尊
意見に対する市の考え方
国際医療福祉大学は栃木県大田原市を中心に神奈川
療福祉の総合大学」と称 厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師そ 県・福岡県にもキャンパスを構えるほか、栃木・東京・
している点
の他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基 千葉・福岡で多数の病院や福祉施設を運営し、医療を提
づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われ 供しているため、現在は医学部・歯学部が設置されてお
るとともに(以下略)
」あり、また学校教育法第 85 条に りませんが、「医療福祉の総合大学」と呼ぶにふさわしい
「大学には、学部を置くことを常例とする。
」とあるとこ 大学であると考えております。
ろ、国際医療福祉大学は現時点では医学部及び歯学部が
ない大学であることから、当該大学を「医療福祉の総合
大学」等と称するべきと思われます。
18
番号
項目
20
閲覧資料「大学誘致につ
提出された意見の概要
閲覧資料「大学誘致について」の全文を読む限り、今
意見に対する市の考え方
大学誘致は本市にとっての長年の念願であり、その中
いて」内の「市では、生 回の国際医療福祉大学の誘致の目的は「医師・看護師不 で、近年問題となっている医師・看護師不足をはじめと
涯を完結できるまちづく 足をはじめとする医療従事者不足を改善し、地域医療の する医療従事者不足を改善し、地域医療の崩壊を食い止
りを目指す中で、本市に 崩壊を食い止めるため」であることがわかるが、その目 めるためには、医療関係者の努力だけでなく、行政とし
はない高等教育機関の要 的と左記の記述との整合性がなく、文章をわかりづらく ても方策を講じる必要があると考え、誘致の対象を「医
である「大学」の誘致を している印象を受けますので、左記の記述をすべて削除 科系大学」に絞り、全力をあげて取り組んでいるところ
目標の一つに掲げてきま すべきです。
した」の記述
であります。
また、仮に左記の記述を残すとしても、この記述では、
また、生涯を完結するまちづくりを目指す中で、大学
大学の教育を受けなければ「生涯を完結でき」ないかの 誘致を目標の一つとしているところであります。
ように誤解して受け取る市民が出てくる可能性があるた
従いまして、左記の記述につきましては変更の予定は
め、
「生涯を完結できるまちづくりを目指す中で」を「市 ありません。
内での教育環境の更なる向上を図る中で」等に改めるべ
きと考えます。
21
閲覧資料「大学誘致につ
閲覧資料「大学誘致について」において、
「医科系」及 ご意見の内容を参考に検討します。
いて」内の「医科系」及 び「医療系」がそれぞれの定義もなく、使用されている
び「医療系」の記述の混 ため、市職員の方はわかるのでしょうが、一般市民はこ
在
の混在によって当該資料の読解が難しくなっています。
このため、例えば、
『「医科系大学」
(医学部が設置されて
いる大学をいう。以下同じ。)、「医療系大学」(医学部が
されていない大学をいう。以下同じ。)』というように定
義語を入れるべきだったと思います。
19
番号
項目
22
閲覧資料「大学誘致につ
提出された意見の概要
今回の大学誘致は成田市の施策として行われるもので
意見に対する市の考え方
医師・看護師数の将来推計につきましては、各都道府
いて」内に成田市内の医 あるのならば、市民の判断材料として、千葉県や国の数 県が調査したものを国が取りまとめて算出したものであ
師・看護師数が記載され 字ではなく、現在の成田市内の医師・看護師の人数並び り、各市町村別の推計値は算出されておりません。また、
ていない点
に今後の当該人数及び需給見通しが記載されるべきとこ 本市の医療施設の状況といたしまして、病床数について
ろ、記載されていないことは理解に苦しむところです。 は、精神病床が全国平均を大きく上回っておりますが、
また、仮に今回の大学誘致が「本市のみならず周辺地域 一般病床については全国平均を大きく下回っているとい
全体の医療環境の向上」につながるということであれば、 う特徴があり、病床別の医師数・看護師数は把握できな
なぜ成田市周辺の市町村や千葉県、国と合同で大学誘致 い状況でありますが、同様の特徴があると考えておりま
を行わなかったかという理由が提供されるべきです。
す。そのため、全国平均との単純比較により本市の値を
推計することが難しく、市民の皆様に誤解を与える恐れ
があったため、千葉県の数値を引用したものです。
大学誘致の効果は、周辺市町にももたらされることと
はなりますが、その多くは、設置地である本市が享受す
ることは間違いありません。また、本市は成田空港を基
盤とする安定した財政力を持ち、周辺地域をけん引して
いく役割も担っているものと考えておりますので、周辺
市町からの負担は考えておりません。なお、千葉県から
は、大学に対して補助金が交付されることとなります。
20
番号
項目
23
医学部がない大学を誘致
する点について
提出された意見の概要
閲覧資料「大学誘致について」内に「昭和 54 年以降、
意見に対する市の考え方
市では、平成 23 年度に、医学部・薬学部・看護学部を
国は医学部の新設を認めない方針を示してい」て、また 持つ全国の私立大学を対象に本市に進出する意向がある
当該方針が変更される見通しがないにも関わらず、現在 かというアンケートを実施し、その調査結果を踏まえ、
医学部のない国際医療福祉大学を誘致することは『誘致 意向調査に前向きな回答をいただいた大学と意見交換を
の対象を「医科系大学」に絞』ったことと矛盾しますが、 行ってまいりました。
この点についての説明がありません。
その結果、現状では医学部の新設が認められていない
2008 年以降、国は医学部の定員を増加させることで対 ことから、まずは医師と同様に不足している看護師の養
応しているため、当該方針が当面の間変更されるとは考 成機関である看護学部を設置する意向があり、国の方針
えにくく、医学部のある大学の医学部誘致によって成田 が変わり新設が容認され次第、医学部を設置できる力を
市内での医師不足を解消できると考えるならば、国際医 持った大学である国際医療福祉大学を誘致したいと考え
療福祉大学が成田市内にキャンパスを設置した後も医学 たものです。
部のある大学の医学部誘致を継続して行わざるを得ず、
今回の大学誘致が資金や労力の面での消費となる懸念が
生じます。
21
番号
項目
24
今回の大学誘致という施
策の不足点について
提出された意見の概要
国際医療福祉大学が成田市内にキャンパスを設置して
意見に対する市の考え方
実習の受け入れについては、地元の成田赤十字病院や
も、当該大学の卒業生の多くが成田市内の医療機関に就 成田病院の協力が得られると聞いており、当然卒業後何
職することを担保するような施策をあわせて行わない限 年かは実習受け入れ先で勤務されるものと認識しており
り、市内の地域医療環境は一向に改善しません。よって、 ます。
その施策についてのある程度の具体的な言及がなけれ
市では看護師等修学資金貸付制度などを設けて、看護
ば、今回の大学誘致に関しても、判断ができないのでは 大学の学生も支援して日赤や成田病院などの看護師も確
ないでしょうか。
保していきたい。地域医療の担い手を確保するというこ
とを大学とも確認していきながら話を進めてまいりま
す。
25
今回の大学誘致に関する
効果について
閲覧資料「大学誘致について」内の【誘致の効果につ
経済波及効果につきましては、域内の最大需要として
いて】に記載されている効果(特に経済効果の金額)が、 試算しているため、実際には市外に流れる部分もあるこ
仮に成田市内のみ発生する効果であるのであれば、その とから、ご意見の内容を参考に検討いたします。
旨を記載すべきでした。また、経済効果の金額について
なお、経済波及効果の算定にあたりましては、土地購
は、ある程度の内容の内訳を記載すべきだったと思いま 入費用については算定の条件とはしておりません。
す。例えば、仮に土地所有者が法人で、かつその本店が
成田市外であれば、土地代金約 20 億円は市内で発生した
経済効果とは言えないからです。
22
番号
項目
26
キャンパス用地に対する
提出された意見の概要
今回の大学誘致に約 50 億円もの巨額な公金が支出さ
意見に対する市の考え方
大学の設置場所となる予定地の選定につきましては、
補助及び校舎建設費に対 れるというのに、キャンパス用地に対する補助及び校舎 学校跡地などの市有地や取得の可能性がある土地などを
する補助について
建設費に対する補助に関する説明が全くありません。な 大学側と見て回りました。
ぜキャンパス用地が市有地でなく私有地になったのか、
大学への支援につきましては、大学を誘致する場合、
校舎建設費が上限 30 億円になったのか等の理由は当然 財政的な支援を行っている自治体がほとんどでありま
記載されてしかるべきでしたが、記載されていないため、 す。
これでは判断ができません。
用地に対する援助、建設費に対する援助、その他様々
な形で支援を行っており、相当高額な資金援助を行って
いる自治体もあります。今回の誘致に関しましても、他
の自治体の支援内容を参考に本市の財政状況を勘案した
上で調整したものでございます。
市では、9 月 26 日にもりんぴあこうづにおいて、10
月 23 日には成田市役所において説明会を開催し、今後
も、区・自治会・町内会等を対象に実施を予定しており
ます。
説明会等を通して、詳細な内容等の説明をしてまいり
たいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願
いいたします。
23
番号
27
項目
提出された意見の概要
10月の広報に「地域医療の崩壊を食い止めるために
行政としても方法を講ずる必要があるために医療系の大
学を誘致する」とありますが、医療大学を誘致しそこの
学生が卒業したからと言って成田の病院に就職するとは
かぎりません。もしこれが狙いなら「成田の病院の働き
やすさも一緒に整備する」という両輪の輪が回って初め
て成田の病院に就職する動きになるはずです。
成田の病院内の「働きやすさ」プラスα、地域の医療
を崩壊させないために病気の予防となる活動をしなけれ
ば、ただただ医療系大学を誘致しようが、新たに病院を
作ろうがまったく意味がありません。
病気にならぬようマクロビオティックの考え方や、免
疫力を上げる方法やパブリックヘルスの考え方などを勉
強し市策に取り入れなければ、医療系大学を誘致すると
いうことは、傷口に絆創膏を貼るようなもので本質の問
題の解決には向かっていないと思います。それどころか
50億の借金をつくり傷を悪化させることになるかもし
れません。
大学が成田市民と切り離された建物でなく市民の健康
に直接的に働き掛けができる場であって欲しいと思いま
す。
成田市がパブリックヘルスの考え方を取り入れたりす
ればお金をかけずに市民へ健康へのアプローチがまだま
だできると思います。
「若者が集まるにぎわいのあるまち」といった新たな
魅力よりも成田市民が「元気長寿日本一の市」の市にな
るほうがもっと魅力的だと思いませんか。
24
意見に対する市の考え方
看護師不足の解消のためには、市内の病院の働きやす
さや魅力を向上させる必要があることは重々承知してお
りますが、今回の大学誘致につきましては、看護師不足
等の地域医療の崩壊を食い止めるため、市として何がで
きるか検討した結果であります。
市では今年度より、看護学校などを卒業した後に、市
内の病院に看護師として勤務いただける看護学生を対象
として、看護師等修学資金貸付事業を開始いたしました
が、今後も様々な施策を実施し、地域医療に貢献してま
いります。
また、パブリックヘルスについては、市では保健師(パ
ブリックヘルスナース)等を活用し健康づくりに努めて
いるところでありますので、今後も継続してまいります。
マクロビオティックについては、市では厚生労働省の
指針に基づき様々な食物をバランス良く摂取することに
より必要な栄養素をまんべんなく摂取できるよう指導し
ているところでありますので、マクロビオティックにつ
いては今後研究してまいります。
番号
28
項目
提出された意見の概要
大学誘致には、賛成然しながら多額の補助金には、費
意見に対する市の考え方
今回の国際医療福祉大学の誘致が成った場合には、市
用対効果において疑問、成田市の一等地であり取得費用 では、域内の最大需要ではございますが、建設時で 100
は高額、この場所であれば民間の開発税収が増えるので 億円、開学後 4 年目以降は毎年 40 億円を超える経済効果
は?補助金を引き下げ他の場所であれば大賛成します。
を見込んでおり、また、経済効果以外にも経済効果以外
にも、さまざまな効果がもたらされると期待しておりま
す。例えば、学生や大学職員が市内に転居してくれば、
本市の生産年齢人口の割合は上昇し、特に若年層である
大学生の人口が増加することから、街並みが若々しくい
きいきとしたものとなります。また、大学は教育機関で
あると同時に研究機関でもあることから、市外から多数
の研究者や関係者が来訪し、市内での消費活動が活性化
されるとともに、市民向けの講演会や公開講座の開催や、
大学施設の開放など地域への貢献も見込まれます。さら
に、地元への進学率が上昇し、その結果として定住率の
向上が見込まれることや、市民の教育への意識の向上、
市内小中高校の教育レベルの向上にも期待しておりま
す。
今回の誘致にあたりましては、これだけの効果がある
と見込んでおりますので、市といたしましてもキャンパ
スの設置にあたりまして、大学に支援させていただきた
いと考えております。
25
番号
29
項目
提出された意見の概要
成田市が 50 億円の財政負担をして「国際医療福祉大学」
を誘致することにやはり疑問を感じます。
医学部医学科の新設を見越してのことのようですが、何
年後に認められるのかわかりません。もし新設が許可さ
れたとすると、附属病院の建設や研修するトレーニング
センターのような設備、また、とても安く見積もったと
しても 6 年間で 2,000 万円の学費がかかり、これを支払
える家庭は限られてしまいます。成田市はそれらも修学
費助成金として負担をしていく予定なのでしょうか。そ
れはそれで問題です。一つの市が負担をするにはあまり
にも巨額です。
10 年後も 20 年後も医学部新設が認められなければこれ
もまた問題なわけです。
そういった 6 年後医師になることがほぼ確実な人物に
「大学を卒業したら成田へもどり医師として働こう!」
という気持ちを抱かせるようなはたらきかけをした方が
医師の確保に有効であり、市の財政にもやさしいはずで
す。
なにより、成田市の財政は市長個人のものではないので
すから、市民の声に耳をかたむけ慎重に有意義におねが
いいたします。大学生や職員が増えることで市がうるお
う面もあるかもしれませんが、今の成田もけっこう良い
環境で好きです。無理にどうにかしなくても良いと思い
ます。
26
意見に対する市の考え方
今回の国際医療福祉大学の誘致につきましては、医学
部誘致の第一段階として、医師と同様に不足している看
護師を養成する看護学部を誘致、看護師不足を解消し、
地域医療に貢献するためのものであります。
医学部の新設が成った場合には、私立大学の例をみま
すと、かなりの入学金、授業料を要し、現実問題として、
高額な授業料等の為に医学部進学を断念せざるを得ない
という学生がいる状況がある中で、大学側としては、地
域医療、国際医療に貢献したいという意欲のある学生を
求めていくため、できるだけ授業料を抑えていきたいと
伺っております。
医学部の学生に「成田で医師として働こう」と考えてい
ただくよう働きかけていくことも非常に重要なことだと
考えておりますので、市内の病院等と相談しながら方策
を検討してまいりたいと考えております。
番号
30
項目
提出された意見の概要
○用地を貸与するのは永年か。
意見に対する市の考え方
市では、大学の誘致が決まった場合には、大学への支
期限を設けるのが良いのでは。
援内容や大学の地域貢献の内容などについて、市と大学
○固定資産税等のその他の優遇はあるか。
上記と同様に期限を付けて優遇しても良いのでは。
○すぐに撤退しないような対策はしているか。
例えば、20 年以内に撤退した場合は支援と同等の返金
を求めるような条件を付けたらどうか。
との間で協定を締結する予定であります。
用地の取扱いにつきましても協定の中で検討してまい
りたいと考えております。
固定資産税等の優遇につきましては、地方税法により、
学校法人が教育の用に供する固定資産については非課税
と定められており、市民税についても非課税となります
ので、税制面での支援は考えておりません。
また、大学側も本市に根を下ろし、50~100 年本市で
活動していきたいと言ってくれておりますが、もしもの
場合も想定し、協定の中で検討してまいります。
27
番号
31
項目
提出された意見の概要
意見に対する市の考え方
成田市において医科大学誘致が提示されておりますが、
今回の誘致が成った場合には、本市におきましても先
行例を参考に大学への支援を考えており、用地につきま
しては市が購入した上で大学側に無償貸与し、校舎につ
きましては、建築費用の 1/2、補助上限額を 30 億円とし
て大学側に補助したいと考えております。
この場合、大学の設置は公的な事業とみなされるため、
75%を起債により調達いたしますので、15 年で返済する
となると、年間約 2 億 7 千万円の返済額となります。
この返済を行った場合の試算を行ったところ、各種財
政指標により本市の財政の健全性は保たるという結果に
なっております。
経済効果につきましては、亀田医療大学については設
立後 2 年しか経過していないこともあり判明しませんで
したが、千葉科学大学につきましては、銚子市から、平
成 22 年度において、大学の立地により学生や講師等の大
学関係者が 1,282 名市内に居住し、約 21 億 2,600 万円の
経済効果があったとうかがっております。
今回の誘致が成った場合には、本市において、建築時
100 億円、開学後 4 年目以降は年 40 億円を超える経済効
果を見込んでおります。
大学誘致につきましては、これまで全体の住民説明会
を行ってきたところですが、今後、区・自治会向けの説
明会を行っていく予定であり、市民の皆様に十分な説明
をしながら進めてまいります。
私は次の諸点から市の再考を求めます。
①銚子市において地域発展のため、千葉科学大学を誘致
したが、聞くところによると、名洗港埋立地を学校用地
に貸与し、市の財政から約 77 億 5003 万円を提供したと
のことです。現在銚子市のこの事業の負債は約 44 億円残
っており、毎年 3 億円づつ返済中とのことです。
②市への経済効果として、税収の伸びは見られず、学生
のためのアパートの賃貸業が僅かにあった程度で、市の
地域発展の起爆剤にはならないようです。
③現在、県内でも、東金市、勝浦市、鴨川市等で大学誘
致のため、用地、資金の提供のために、多額の市財政か
ら支出したようですが、これら県内自治体の経済負担と
それに見合う市への貢献度はきわめて少ないと言われて
います。至急調査、発表してください。
④成田市は、医科大誘致の効果について、十分調査、研
究して、市民に 50 億円の負担について説明、同意を求め
るべきです。
28
番号
32
項目
提出された意見の概要
意見に対する市の考え方
今回の大学誘致は「生涯を完結できるまちづくりを目
指す」成田市の計画および、成田市新総合計画の基本計
画 「4 市民が地域文化を愛し、次代を担う心豊かな人
材を育む」の基本方針の1つとして進められてきたもの
と理解する。
これらの計画では、設置学部まで指定している訳ではな
いので、医療系大学であっても問題はない。したがって
議会で予算が承認されれば、当該計画は実現したのであ
り、さらに医学部の設置を最終目標にする根拠はなくな
る。医学部設置は現時点では未確定で大学建設と時期も
違うので、一連の事業と見なす事はできないと思う。
国際医療福祉大学が医学部を新設するのは自由である
が、医学部新設等に成田市がこれ以上の市財政負担をと
もなう関与は行わない事を現時点で表明すべきである。
基本計画にもとづく大学誘致の取り組み過程で、誘致
対象を国が新設を認めていない「医科系大学」に絞り込
むのは、一般的には考えられない事であり、むしろ医学
部は真っ先に対象から外すべきであったと考える。計画
を医科系大学に限定した誘致に変更(発展)されたなら、
医学部設置まで誘致計画は継続され、医学部設置時にも
建設費等の負担があり得る事を表明すべきと考える。
市当局が大学誘致に際して、常識では考えられない誘
致対象の絞込みを行わなければ、もっと財政負担が軽く、
また、市民が活性化して欲しいと思う地域に大学が誘致
できたのでは、との思いがある。
市では、生涯を完結できるまちづくりを目指す中で、
本市にはない高等教育機関の要である「大学」の誘致を
目標の一つに掲げてきましたが、近年問題となっている
医師・看護師不足をはじめとする医療従事者不足を改善
し、地域医療の崩壊を食い止めるためには、医療関係者
の努力だけでなく、行政としても方策を講じる必要があ
ると考え、誘致の対象を「医科系大学」に絞り、全力を
あげて取り組んでいるところです。
市といたしましては、あくまでも医学部の誘致を最終
目標として大学誘致に取り組んでおり、そのため、医学
部設置に強い意欲を持つ国際医療福祉大学を誘致したい
と考えるに至った訳でありますので、ご理解をお願いい
たします。
29