2016 年 4 月 17 日 TOYOTA GAZOO Racing 新型TS050 HYBRIDのデビュー戦でシリーズ初参戦の小林可夢偉が 2 位 TOYOTA GAZOO Racing は 2016 年 FIA 世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストーン 6 時間レースで 2 位となった。 小林可夢偉とステファン・サラザン、マイク・コ ンウェイの TS050 HYBRID #6 号車は 3 位でゴール したのち、上位車両の失格により 2 位となり、トヨ タにとって 2012 年の WEC 参戦開始以来のシルバー ストーンでの連続表彰台記録を更新した。 コンウェイは WEC で自身 3 度目となる表彰台フ ィニッシュを果たし、イギリス人レーシングドライ バーズクラブメンバーの最高位ドライバーに送られ るリチャード・ロイド・トロフィーを獲得した。 小林にとっては LMP1 カーでのデビュー戦であり、トヨタで参加した世界選手権としては 2009 年の F1 アブダ ビ GP 以来となるレースで素晴らしいパフォーマンスを見せ、表彰台獲得の一翼を担った。 中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの#5 号車も力強い走りを見せていたが、不運な タイヤのパンクにより車両後部にダメージを負い、16 位に終わった。 1 降雪に見舞われた前日とは一転、好天に恵まれた決勝日となり、TS050 HYBRID はレース中の最速ラップで、 全車の最速ラップからわずか 0.354 秒遅れとその速さを実証し、希望を繋ぐレースデビューを果たした。 次戦以降での更なる性能向上を目指し、チームは新しい 2.4 リッターターボエンジンと 8MJ のハイブリッドシ ステムから、最大のパフォーマンスを引き出すために必要なセッティングの解析を進めて行く。 レース序盤、予選 5 番手、6 番手からスタートを 切った、 コンウェイの#6 号車とブエミの#5 号車は、 ポルシェ#1 号車とアウディ#8 号車のアクシデント により、3 位、4 位へとポジションを上げた。 レースが折り返しを過ぎたところで、3 位を走行 していた#5 号車は右リアタイヤのパンクに見舞わ れた。不運にもこのパンクはピットアウト直後に発 生し、中嶋は 1 周 5.901km のコースをスローダウ ンしたまま周回することとなり、バーストしたタイ ヤにより車両後部にダメージが及んでしまった。 メカニックの懸命な努力により、41 分間の作業の後に修復され、ブエミへと交代した#5 号車は首位から 24 周 遅れの 29 位でコースへと復帰した。 大きく遅れた#5 号車は世界選手権のポイント獲得のために追い上げを続けた。一方、チームメイトの#6 号車 はライバル勢と遜色のないラップタイムで周回を重ね、5 万 2 千人(週末合計)のファンが見守る中 3 位でチェッ カーフラッグを受けたが、その後、上位車両の失格により 2 位となった。 トヨタは、LMP1-ハイブリッドクラスのマニュファクチャラーで唯一 2 台が完走を果たしたことで、全 9 戦で 戦われるシリーズの開幕戦を終えた時点で、マニュファクチャラーズ選手権では首位につけている。 次戦は 5 月 7 日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されるスパ 6 時間レース。TOYOTA GAZOO Racing にとっては、チームの本拠地であるドイツのケルンから 120km 程と近い、「ホームレース」とも 言える一戦に臨む。 2 佐藤俊男 チーム代表: 開幕戦からエキサイティングで様々なことが起こったレースでした。予選が厳しい結果だっただけに、勇気づけら れる決勝結果となりました。全く新しい車両が、2 台共に完走出来たこと、そしてパフォーマンスもこれからに期 待を繋ぐものでした。まだ我々は望んだレベルには達していませんが、昨年に比較すれば大きな進化を遂げていま す。#6 号車がレース終盤、非常に良いラップタイムを刻んでくれたことは、TS050 HYBRID の高いポテンシャル を示しています。次戦へ向けて更に性能を向上すべく努力を続けます。 TS050 HYBRID #5 号車: (中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ) 決勝レース:16 位 170 周、ピットストップ 7 回、グリッド:6 番手 最高ラップタイム:1 分 41 秒 076 中嶋一貴: 我々の#5 号車にとっては厳しいレースとなってしましました。ペースはまずまずだったのですが、ライバルには 届きませんでした。パンクは残念でした。GT カーと接触してしまったのだと思いますが、それ以上は分かりませ ん。あの瞬間に全てが終わってしまいました。修復してコースに戻してくれたメカニックに感謝しており、選手権 で重要なポイントも獲得出来ました。我々はチームとしては進歩していることを示せたと思いますし、良いシーズ ンのスタートを切れました。次戦のスパではどれだけ進歩出来るかお見せしたいと思います。 アンソニー・デビッドソン: チームメイトが表彰台フィニッシュを果たせたことを喜んでいます。冬の間のハードワークが報われました。我々 の#5 号車については、もしパンクに見舞われていなければ、とも思いますが、それでもレース終盤には、勝つに は充分な速さはありませんでした。まだやるべきことは多いですが、次戦はもっと良い戦いが出来ればと思ってい ます。 セバスチャン・ブエミ: まず#6 号車に祝福を送ります。彼らは全力でレースを戦い、良い結果をチームにもたらしてくれました。我々は 不運なタイヤのバンクに見舞われたことで、表彰台フィニッシュのチャンスを失ってしまいました。この週末に学 んだことを活かして次戦以降に臨みます。ライバルを捕らえるために更なるハードワークが必要なことは明らかで すが、昨年に比べれば着実に進化しており、これからもプッシュを続けます。 TS050 HYBRID #6 号車: (小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ) 決勝レース:2 位 193 周、ピットストップ 7 回、グリッド:5 番手 最高ラップタイム:1 分 40 秒 657 小林可夢偉: 良いシーズンのスタートが切れました。特に私にとっては最初のレースだったので良かったと思います。昨年と比 べて進歩していますが、まだ多くのポテンシャルが秘められているはずです。更なる改良を続け、TS050 HYBRID からもっとパフォーマンスを引き出せば、ライバルと良い戦いが出来ると思います。TS050 HYBRID でどれだけ の戦いが出来るかとても楽しみです。 ステファン・サラザン: 勝利こそ叶いませんでしたが、表彰台フィニッシュはチームにとっても良かったと思います。TS050 HYBRID は 本当に素晴らしいレースカーで、大きなポテンシャルを秘めています。まだまだ多くの領域で使いこなすための努 力が必要ですが、既に昨年よりもライバルには近づいています。これからも全ての領域について全力でプッシュを 続けなくてはなりません。チームはやる気に満ちており、我々は上位争いへと激しく戦い続けています。 3 マイク・コンウェイ: 表彰台を獲得出来たのは素晴らしいことで、良いシーズンのスタートを切ることが出来ました。簡単なレースでは なく、2 位はハードな戦いの末の結果です。1 周のみのラップタイムでは遜色ないのですが、スティントを通して のペースという面では、ライバルに追いつくためにはまだ努力が必要です。専念すべき領域は分かっています。世 界選手権という意味で我々は着実にポイントを獲得しました。良い結果で週末を終えることが出来ました。 第 1 戦 シルバーストーン 6 時間 決勝結果 順位 予選 No. 1 4 2 ドライバー名 チーム/車種 ロマン・デュマ ポルシェ・チーム/ ニール・ジャニ ポルシェ 919 ハイブリッド 周回 194 マルク・リーブ 2 5 6 小林可夢偉 TOYOTA GAZOO Racing/ ステファン・サラザン トヨタ TS050 HYBRID 193 マイク・コンウェイ 3 33 13 マテオ・ツッシャー レベリオン・レーシング/ ドミニク・クライハマー レベリオン R-ONE - AER 183 アレキサンドレ・インペラトーリ 16 6 5 中嶋一貴 TOYOTA GAZOO Racing/ セバスチャン・ブエミ トヨタ TS050 HYBRID 170 アンソニー・デビッドソン 3 1 ティモ・ベルンハルト ポルシェ・チーム/ ブレンダン・ハートレー ポルシェ 919 ハイブリッド 70 マーク・ウェバー 2 8 ロイック・デュバル アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ ルーカス・ディ・グラッシ アウディ R18 69 オリバー・ジャービス 1 7 マルセル・ファスラー アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ アンドレ・ロッテラー アウディ R18 ブノワ・トレルイエ 4 194 ドライバーズ選手権 ポイント表 (第 1 戦終了時点) 順位 No. 1 2 ドライバー名 チーム/車種 ロマン・デュマ ポルシェ・チーム/ ニール・ジャニ ポルシェ 919 ハイブリッド ポイント 25 マルク・リーブ 2 6 小林可夢偉 TOYOTA GAZOO Racing/ ステファン・サラザン トヨタ TS050 HYBRID 18 マイク・コンウェイ 11 7 マルセル・ファスラー アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ アンドレ・ロッテラー アウディ R18 1 ブノワ・トレルイエ 17 5 中嶋一貴 TOYOTA GAZOO Racing/ セバスチャン・ブエミ トヨタ TS050 HYBRID 0.5 アンソニー・デビッドソン 19 1 ティモ・ベルンハルト ポルシェ・チーム/ ブレンダン・ハートレー ポルシェ 919 ハイブリッド 0 マーク・ウェバー 20 8 ロイック・デュバル アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ ルーカス・ディ・グラッシ アウディ R18 0 オリバー・ジャービス マニュファクチャラーズ選手権 ポイント表 (第 1 戦終了時点) 順位 マニュファクチャラー ポイント 1 トヨタ 33 2 ポルシェ 25 3 アウディ 1 以上 5
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