2016 年 08 月 29 日 WEC第 5 戦メキシコ 6 時間 プレビュー TOYOTA GAZOO Racing WEC初開催のメキシコ 6 時間レースへ TOYOTA GAZOO Racing は今週末、FIA 世界耐久選手権(WEC)初開催となる、メキシコでのシリーズ第 5 戦 メキシコ 6 時間レースに向かう。 メキシコの首都メキシコシティに位置する 1 周 4.304km のサーキットで、中嶋一貴とアンソニー・ デビッドソン、セバスチャン・ブエミの 3 名が駆る TS050 HYBRID #5 号車と、小林可夢偉、ステファ ン・サラザン、マイク・コンウェイの 3 名がドライ ブする#6 号車が、表彰台へと挑む。 6 名のドライバーのうち、ブエミ、サラザン、コン ウェイの 3 名は、メキシコシティのサーキットの一 部を既に経験済みだ。3 名は 3 月に行われたフォー ミュラ E メキシコラウンドで、サーキットの一部を 使用した 2.14km レイアウトでレースを戦い、ブエ ミは表彰台を獲得している。 世界トップレベルの耐久レースがメキシコで最後に行われたのは 1991 年。世界スポーツカー選手権最終戦のひ とつ前のレースとして行われた。トヨタはこのレースには出場しなかったが、その前年までにメキシコでのレース を 2 度経験している。 1 1990 年、世界スポーツカー選手権最終戦となった メキシコシティ 480km レースに、ジョニー・ダンフ リーズ/ロベルト・ラバーリア組がトヨタ 90C-V、 ジェフ・リース/ジョン・ワトソン組がトヨタ 89C-V で出場したが、共にトラブルでリタイアに終わった。 その前年にはダンフリーズ/ワトソン組が 89C-V で 参戦し、予選では 3 番手を獲得するも決勝はリタイ アに終わっている。 戦いの舞台となるサーキットは、当時と同じアウ トドローモ・エルマノス・ロドリゲスだが、コース は当時とは大きく変わった。このサーキット名は、 レース中の事故で亡くなったメキシコ出身の名ドライバー、リカルドとペドロのロドリゲス兄弟にちなむ。エルマ ノスとはスペイン語で兄弟を意味する。 旧コースレイアウトは長く、緩やかなバンク角のついた高速のペラルターダと呼ばれた最終コーナーが有名だっ たが、2015 年のコース改修に伴いこの名物コーナーは姿を消した。改修された新コーナーは併設されている野球 場の中を通過する。それ以外のレイアウトは、再舗装以外は旧コースを踏襲している。 このコースは海抜 2,285m という高地に位置し、 WEC の戦われるコースの中では最も標高が高い。高 地による空気の薄さゆえ、グリップ確保のために超 ハイダウンフォースの空力パッケージを必要とする。 また、エンジンやハイブリッドシステムについても、 通常よりも大きな容量の冷却システムが使用される。 超ハイダウンフォースパッケージの TS050 HYBRID は第 4 戦ニュルブルクリンクに投入された が、5 位、6 位という結果に終わった。チームは、メ キシコのコースに合わせた車両特性の最適化を目指 して全力で改善作業を進めている。 レースウィークは 9 月 1 日(木)の、2 度にわたる 4 時間半の公式練習走行で幕を開ける。2 日(金)は最終公 式練習走行と予選が行われ、3 日(土)の現地時間午後 1 時半(日本時間 4 日午前 3 時半)に 6 時間の決勝レー スのスタートが切られる。 2 佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racing チーム代表: 今週末の WEC 第 5 戦メキシコは、シリーズ初開催であり、我々はもとより WEC 参戦全チームにとって新たなチ ャレンジとなります。また、メキシコの WEC ファンの方々にお会いできることをとても楽しみにしております。 今シーズンの WEC シリーズはここで中間点を迎え、レースは欧州内から世界への転戦が始まります。TS050 HYBRID の力強い走りをお見せしたいと思いますし、それが出来るポテンシャルを持っていると確信しています。 メキシコ戦には超ハイダウンフォース仕様の車両を持ち込む予定ですが、薄い空気ゆえに、高い最高速も期待でき るものと予想しています。これほど標高が高いサーキットで TS050 HYBRID を走らせるのは初めてであり、レー スへの万全な準備に全力を尽くします。 中嶋一貴: ニュルブルクリンクのあと、メキシコまで充分な準備の時間が取れたことは良かったです。WEC 初開催のコース ということで、レイアウトの学習を続けて来ましたが、充分に準備は整ったと感じており、実際にコースを走るの が待ち切れません。メキシコのファンはとても熱狂的だと聞いており、素晴らしい雰囲気の中でレースが出来ると 思います。彼らの前で素晴らしいレースを戦い、良い週末になることを願っています。 アンソニー・デビッドソン: 私はメキシコでのレースを戦ったことがありませんし、メキシコを訪れること自体が初めてで、この旅を前にとて も興奮しています。メキシコのファンの素晴らしさも多く聞いており、最高の雰囲気の中でのレースをとても楽し みにしています。我々の#5 号車の目標は最低でも表彰台獲得で、そのための競争力を期待しています。良いパフ ォーマンスを発揮すべく全力を尽くします。 セバスチャン・ブエミ: 新しいコースに挑戦出来るのは嬉しいことです。WEC の舞台としてメキシコは素晴らしいコースだと思います。 多くのモータースポーツの歴史を持ち、ファンも耐久レースについて良く知っています。私自身は今年の初めにメ キシコを訪れており、コースの一部を体験しました。スタジアムセクションは特に素晴らしく、ファンも熱狂的で した。ニュルブルクリンクは我々にとってやや厳しいレースとなってしまいましたが、また上位を争える自信はあ ります。 小林可夢偉: メキシコは全てのチームにとって未体験のコースであり、面白い週末になるでしょう。薄い空気についても考慮し なくてはならず、レースカーやドライバーにどんな影響を及ぼすかも興味深い点です。我々のパフォーマンスはニ ュルブルクリンクよりは向上しているはずですが、正確な状況は走り出すまで分かりません。決勝レースへ向けて、 完璧なレースカーを仕上げるために全力で作業を続け、表彰台争いが出来ればと思っています。 ステファン・サラザン: シリーズに新たなコースでの一戦が加わるというのは、いつもとてもチャレンジングでエキサイティングです。練 習走行では、このコースで TS050 HYBRID がどのような反応をするか、詳細に多くのデータを収集する必要があ り、忙しい週末になるでしょう。また、他のレースとは異なる要素として、標高の高さがあります。空気が薄いの で、ドライバーにとってもタフなレースになるでしょうが、私自身は充分に準備が出来ています。この週末へ向け 自信を感じていますし、上位を争いたいと思っています。 マイク・コンウェイ: サーキットのフルコースを走れるのが楽しみです。素晴らしいコースで、メキシコのファンは本当にモータースポ ーツを楽しんでくれるので、特別なレースになるでしょう。あの標高でのレースを経験しており、何が起こるか分 かっているので、それに対する準備という点で多少気は楽です。新しいコースに慣れるため、大変な週末になるで しょうが、準備は出来ており、ライバルとバトルが出来ることを望んでいます。 以上 3
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