665 細胞診にて陰茎扁平上皮癌、その後の組織診断にて陰茎腺扁平上皮癌であった 1 症例 ◎服部 和宏 1)、瀬古 憲弘 1)、山村 宗幸 1)、秋山 哲文 1)、三宅 俊宏 1) 労働者健康福祉機構 旭労災病院 1) 【はじめに】 腺扁平上皮癌を疑い免疫組織学的に追加検討を行った. 陰茎癌は男性の全悪性腫瘍のなかで 0.5%未満の発生頻度で p63 と CK5/6 陽性の扁平上皮への分化を示す部分と,CK7 と あり非常に稀な癌である.今回我々は細胞診にて陰茎扁平上 CEA が陽性を示し粘液産生を伴う腺上皮への分化を示す部 皮癌と診断,その後の組織診断によって腺扁平上皮癌であっ 分が混在して認められ腺扁平上皮癌と診断した. たことが判明した 1 症例を報告する. 【結語】 【症例】 陰茎癌は女性の子宮頸癌と比較しても非常に稀な癌であり, 70 歳代男性,肉眼的血尿・亀頭部のしこりを主訴に当院泌尿 その 95%以上が扁平上皮癌である.また危険因子として真性 器科受診.CT にて亀頭部に 13mm の結節を認める.亀頭部擦 包茎,喫煙があげられるが近年では子宮頸癌と同じく 過細胞診を施行. HPV の持続感染が原因と言われている.本症例では術前のハ 【擦過細胞診】 イリスク HPV-DNA 検査は陰性であった. 表層型の無核扁平上皮の他に細胞質が OG や LG に好染し, 細胞診と組織診で診断に乖離が生じたが,腺癌成分が深部深 核の腫大や核形不整,クロマチンの増量を認める異型扁平上 層側に位置していた為,擦過細胞診では採取しきれなかった 皮が散在していた為,陰茎扁平上皮癌と診断した.その後陰茎 と思われる. 部分切除術が施行された. 【手術材料組織診】 連絡先 旭労災病院 中央検査部病理 表層側扁平上皮を置換性に増生する高度異型扁平上皮成分 電話番号 0561-54-3131 を認めた.また深部への浸潤性病変においては腺管構造を呈 する異型円柱上皮成分の混在を認めた.
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