医師の選ぶサプリメントの条件①

(No.7012)
発行日:2008.7.7
Nutrients for preventive medicine
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キーワード
サプリメント , ビタミン・ミネラル
, 医薬品との相互作用
,
安全性
医師の選ぶサプリメントの条件 ①
医師が患者様の為に選ぶサプリメントに求められる条件
をまとめました。今回は 2 回シリーズの第1回目です。
基礎的な栄養素をもれなく配合しているか?
患者様の中には、マスコミの健康情報や広告、知人の体
験談などをより所に流行のサプリメントや、ローヤルゼ
リーなど伝統の健康食品を利用している方も多いと思い
ます。しかし、それらの成分には、有効性も安全性もエ
ビデンスが十分でないものも少なくありません。サプリ
メントとして最初に補うべき栄養素は、多くの方が不足
しており、医学的にも証拠が確立されている「基礎的な
ビタミンミネラル」です。その他の抗酸化物質や特別な
成分は、基礎的な栄養素を補ったあと、必要に応じて摂
取すべきものです。
アメリカドクターユースレベルの配合量か?
基礎的な栄養素が補給できるマルチビタミンミネラルで
も、メーカーによって栄養素の配合量は全く異なります。
現代では欠乏症で悩まれている方はほとんどいませんか
ら、欠乏症対策を目的とした日本の摂取基準ではあまり
役に立ちません。生活習慣病を予防したり、不定愁訴に
お悩みの患者様には、アメリカでドクターが使用してい
るレベルで設計された配合がよいでしょう。
医薬品との相互作用に配慮しているか?
医師が安心して勧めるためには、医薬品との相互作用や
副作用、アレルギーについても配慮が不可欠です。
「セン
トジョーンズワート」は、薬と一緒に摂ることで薬の効
果を下げてしまうことが知られていますし、カルシウム
やビタミン C、ビタミン K にも、併用に注意が必要な医薬
品もあります。マルチビタミンミネラルの中には、カル
シウム、ビタミン C を含むものが多いですが、必要に応
じて外すことのできるような工夫がされているものを選
ぶと良いでしょう。また、過剰症への配慮が十分検討さ
れている必要もあります。
安全性と品質は保証されているか?
医薬品の製造は GMP で厳格に管理されています。医師が
安全性の面でも安心できるためには、サプリメントも同
様のレベルで管理できる製造工場で作られていることが
重要です。さらに、問題時の迅速な対応のためにも、日
本国内で製造されていると安心です。
また、品質を評価する上で、パッケージの表示がしっか
りとしていることも大切な要素です。日本の法律では、
アレルギー表示は義務付けられていますが、栄養素の配
合量の表示は義務付けられていません。しかし、原材料
名や配合量の適切な表示は、サプリメントの品質を見る
上で、また、医薬品との相互作用を判断する上でもとて
も重要です。
単位
日本の栄養素等
表示基準値
米国製の
マルチビタミンの
例
ビタミン E
㎎
8
134
継続して飲むことができるか?
ビタミン C
㎎
80
200
ビタミン B1
㎎
1
50
ビタミン B2
㎎
1.1
50
ビタミン B6
㎎
1
50
ビタミン B12
μg
2
100
葉酸
μg
200
400
パントテン酸
㎎
5.5
50
サプリメントは医薬品とは目的が違い、症状が改善され
たら飲むことをやめるものではありません。基本的には
食事での不足分を補うもので、多くの場合、継続して飲
み続けるものです。そのため「無理なく継続できること」
も大切な要素になってきます。サプリメント先進国アメ
リカのサプリメントは高性能のものも多いですが、日本
人の口には大きくて飲み難い場合もあります。
また、価格と性能があまりにバランスが悪い高額商品も
継続利用を考えるとお勧めできません。
ビオチン
μg
45
300
セレン
μg
23
100
亜鉛
㎎
7
15
栄 養 素
次回は、医師が選ぶサプリメントの条件 ②
「天然成分」「加工法」「添加物」「エビデンス」です。