ドイツ銀行グループ - Deutsche Bank

1999年 業績
年次報告書
ドイツ銀行
ドイツ銀行
ドイツ銀行グループ概観*
ドイツ銀行
支払配当金
1株当たり配当金
百万ユーロ
706
600
459
’95
460
’96
489
’97
’98
’99
ドイツ銀行支払配当金
11.5
10.1
9.9
12.0
10.6
600百万ユーロ
3.50ユーロ
1株当たり純利益(営業権償却を含む)
4.25ユーロ
3.17ユーロ
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を除く)
4.86ユーロ
3.50ユーロ
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を含む)
4.09ユーロ
3.17ユーロ
税引前株主資本利益率(RoE)
(営業権償却を除く)
23.3 %
25.9 %
税引前株主資本利益率(RoE)
(営業権償却を含む)
20.8 %
24.8 %
費用/収益比率(営業権償却を除く)
73.6 %
69.1 %
費用/収益比率(営業権償却を含む)
75.6 %
70.2 %
百万ユーロ
百万ユーロ
6,619
5,539
616
835
純手数料収益
8,084
5,311
トレーディング利益
4,761
1,774
投資による純収益
2,007
1,182
15,746
10,121
4,971
4,032
再構築費用および税金前利益
’96
’97
’98
1.12ユーロ
5.05ユーロ
一般管理費
’95
1.15ユーロ
706百万ユーロ
貸倒引当金繰入
■ 最低比率 8%
1998
1株当たり純利益(営業権償却を除く)
純利息収益
■ 期末BIS規制資本比率
1999
再構築費用
884
–
法人所得税
1,516
2,306
純利益
2,571
1,726
1999年12月31日現在
百万ユーロ
1998年12月31日現在
百万ユーロ
総資産
839,865
626,603
貸出金総額
’99
284,149
248,585
報告株主資本
23,147
17,641
BIS規制資本比率
12.0 %
11.5 %
5.9 %
6.3 %
35.2十億ユーロ
29.3十億ユーロ
店数/人数
店数/人数
期末従業員数
千人
BIS規制コア資本比率
■ ドイツ
BIS規制資本
■ 国外
52
50
49
51
49
42
22
’95
25
27
支店
従業員
’97
’98
2,310店
93,232人
75,306人
長期格付
26
Moody’s Investors Service(ニューヨーク)
’96
2,374店
’99
Aa3
Aa1
Standard & Poor’s(ニューヨーク)
AA
AA+
Fitch IBCA(ロンドン)
AA
AA+
* 国際会計基準(IAS)準拠
ドイツ銀行グループ
2
3
6
8
10
当行のアイデンティティー
leading to results(よりよい結果を生み出すこと)
(スポークスマンの書簡)
会社概要
取締役会
株主、顧客、従業員、社会
株主
17
好調な一年
顧客
21
22
25
29
31
35
39
さらに多くを顧客へ提供
一般個人顧客および富裕層向けバンキング部門
法人顧客および不動産部門
グローバル・コーポレート&インスティテューションズ 部門
資産運用部門
グローバル・テクノロジー&サービス業務部門
コーポレート・センター
従業員
43
統合に向けた使命感と価値観
社会
47
国際社会における市民として
1999年度の事業展開
50
取締役による概況説明
連結決算書
56
57
58
59
60
121
123
140
141
損益計算書
貸借対照表
株主資本変動計算書
キャッシュ・フロー計算書
注記
調整注記
リスク・レポート
見通し
後発事象
確認書および管理組織
143
148
確認書
管理組織
補足情報
150
152
グループの10年間の記録
より詳しくお知りになりたい方に
当行のアイデンティティー
ドイツ銀行は、世界最高の金融サービスの提供に専念しています。当行の顧客、
株主、従業員そして社会全体のために価値を生み出す上で当行独自の経験、能
力、資金力の及ぶ範囲を最大限活用すべく努める所存です。かかる職務を成就
するにあたり、次の中核となる価値基準により営業を行います。
顧客重視
当行の活動の中心に顧客を位置づけ、顧客こそが当行の行動すべての原動力と
なります。
チームワーク
事業の成功達成に向けて共に協力することにより、当行のビジネスとスタッフ
の多様性から利益を享受します。
革新性
顧客の要求に応じるため絶え間なく旧来の知識に挑み、新たなソリューション
を展開しています。
業績
成果重視のカルチャーに傾倒しています。
信頼
公正かつ誠実に行動します。
取締役会
株主の皆様へ
2000年4月
フランクフルト・アム・マイン
当行は、3月初めにドイツ銀行とドレスナー銀行との合併を発表しました。ドレスナー銀行との合併計画は、当行
の戦略を補完し、両行にとり大きなチャンスとなるはずでした。投資銀行業務の統合に関する意見の相違を背景に、
ドレスナー銀行との合併についての話合いは、2000年4月5日に打ち切られました。私は、他の取締役と共に、確
信していたそして今なお確信している合併構想に伴う価値に鑑み、この合併が実現しなかったことを残念に思います。
ドレスナー銀行および新生ドイツ銀行の株主の利益のために、当行は、投資銀行部門の売却が得策と考えました。
現状のままの企業体としての売却によりドレスナー・クラインオート・ベンソンの価値が維持されると考えました。
一部の技術的理由を含む様々な理由により、この考えは受け容れられませんでした。次善の解決案として部分的統合
を提案しましたが、ドレスナー銀行はこの解決案にも同意できませんでした。これにより、バンカース・トラストに
関しては功を奏したこの類の統合経営は実施不可能となりました。その結果、合併に伴う価値創出というコンセンプ
トの大部分について疑問が投じられ、当行は、この合併構想により達成を望んだ効果を実際に成就することについて
確信が持てなくなりました。そのため、合併の目的であったさらに大きな顧客の満足度、安定的雇用および株主のた
めの付加価値を脅かすことになりました。その結果、この話合いは決裂しました。
話合いが決裂した時点で1999年度の本年次報告書および取締役会報告書は既に印刷済みでした。「スポークスマ
ンの書簡」および「本事業年度終了後の後発事象」の項中のドレスナー銀行との合併計画に関する記述はもはや該当
しないことにご留意下さい。
当行は、ドイツ銀行として、その事業戦略を引き続き追求する所存です。当行のホームマーケットである欧州では、
資産の集積と資産の配分等の分野、すなわち個人顧客と法人顧客への金融サービスの提供を行います。当行は、グロ
ーバルな市場と顧客の期待に対応するためグローバルな営業を展開しています。かかる市場としては投資銀行業務、
資産運用、グローバル・テクノロジー&サービスがあります。バンカース・トラストの買収、リテール銀行業務の統
合化戦略、グローバルな電子商取引戦略は、当行が金融サービス業界の動向に牽引されるのではなく、これを牽引し
たいと考えていることを明確に示すものです。当行の行動が何らの圧力下にないことは、前年度の顕著な実績に示さ
れています。
ドイツ銀行の全グループ部門の順調な戦略的方向性は、前年度の最高の業績を受けて2000年第1四半期にさらに
明瞭に反映されています。前年度の業績を上回り、一部では大幅な増加が見られました。ドイツ銀行の投資銀行業務
が含まれるまたは投資銀行業務を含むグループのグローバル・コーポレート&インスティテューションズ部門は、前
年度の際立った業績をさらに向上させ、過去最高の業績を達成しました。グループの一般個人顧客および富裕層向け
バンキング部門においては、既に実施された事業再編と資本投資がかなりの成果を生み出しました。全体として、
2000年第1四半期の税引前利益は前年度の数字を50%以上上回っています。当然のことながら、このことから通年
について推定することはできませんが、市場がこのまま好調に推移すれば、再びその業績を伸ばすことができるもの
と予測しています。
ロルフ - E. ブロイヤー
取締役会スポークスマン
Chairman of the Supervisory Board: Hilmar Kopper
Board of Managing Directors: Josef Ackermann, Carl L. von Boehm-Bezing,
Rolf-E. Breuer, MIchael Dobson, Thomas R. Fischer, Tessen von Heydebreck,
Hermann-Josef Lamberti, Ronaldo H. Schmitz
Deutsche Bank Aktiengesellschaft domiciled in Frankfurt am Main
Commercial Register No. 30 000 . Frankfurt am Main District Court
Deutsche Bank on the Internet: http://www.deutsche-bank.com
ドイツ銀行グループ
leading to results(よりよい結果を生み出すこと)
株主の皆様へ
当行年次報告書の表題としても使用されている当行のモットー「“leading to
results”(よりよい結果を生み出すこと)」は、ドイツ銀行ブランドを強化する
ものです。
1999年度がドイツ銀行にとりまたも成功裡に終わったことは数字により一目
瞭然です。好調なビジネス状況を背景に、当行の今後の活動に影響する3つの
重要な決定を実施しました。バンカース・トラスト(Bankers Trust)の買収と
迅速な統合により、大きな潜在力を有する事業において当行のポジションを拡
充し、また米国に大きな市場シェア(プレゼンス)を確立するいう目標を達成
しました。同時に当行のホーム・マーケットである欧州における業界のリーダ
ーとしての地位も強化しました。ドイチェバンク24(Deutsche Bank 24)の設
立は、一般個人顧客取引への新たな弾みとなりました。当行子会社ヨーロピー
アン・トランザクション・バンク(European Transaction Bank)は、ドイツに
おける銀行業界(セクター)における変化の引き金となりました。同社は、当
行の証券の処理と決済における専門能力を結集し、この方式により市場での成
功への道を邁進しています。
バンカース・トラストの統合による影響を強く受けた1999年度には、非常に
好調な業績を達成しました。前年度と比較して、当行グループの純利益は、ほ
ぼ50%増の26億ユーロとなりました。
当行の成功は、従業員のすぐれた資質とパフォーマンスによるもので、これ
に対し心からの謝意を表したいと存じます。
分配される配当収益は、1999年4月の増資を主な理由として7億600万ユーロ
とほぼ5分の1増額されます。これは、一株当たりでは1.15ユーロへの配当増に
相当します。
かかる純利益により、当行は、留保利益を18億ユーロ増額することができ、
これにより当行グループは、231億ユーロの自己資本を得ることになりました。
その結果、当行は、今後も価値ある取引チャンスを十分に活用する上で必要な
柔軟性を確保することができます。
昨年のドイツ銀行株価の平均を上回る値上がりは、市場が当行の戦略を認め
たことを反映しています。当行株価は、1999年度中76%上昇し、明らかにすべ
ての比較対象指数を上回っています。
3
昨年、ドイツ銀行の無記名株式が記名株式に転換された際、500,000人
以上の当行株主の意見を聞く機会を得ました。これら株主の非常に強い関
心を嬉しく思いました。これら株主の提案や意見を、特に個人株主とのコ
ンタクトの強化を目的とするプログラムに取り入れています。
新しいミレニアムの始まりは金融サービス業界における競争の異常な激
化という特徴を有しています。インターネットによりもたらされた変化は、
当行に新たなチャレンジをもたらすと共に、大きなチャンスを提供してい
ます。市場は一層透明性を増しつつあり、情報および取引関連コストは低
下し続け、また販売経路の数は増加を続けています。電子商取引が当行の
今後の成功の鍵を握っており、戦略上不可欠となっています。
インターネットによりもたらされる可能性を当行顧客のために十分に活
用していきます。当行顧客のアクセスをより容易にするため、その高度な
先進技術によるインフラストラクチャーを用いています。当行は、最新の
技術と新製品の助けを得て従来型の市場を電子市場に変容させつつありま
す。さらに多くの直接売買の可能性がグローバルな範囲で増えることでし
ょう。
2000年3月初め、ドイツ銀行とドレスナー銀行との合併計画が発表され
ました。これは両行にとって大きな飛躍となります。新組織の名称はドイ
ツ銀行AGとなる予定です。新生ドイツ銀行はその企業カラーとしてドレス
ナー銀行のグリーンを採用します。両行は完璧にマッチする組合せです。
新生銀行が法人顧客業務、投資銀行業務、資産運用、グローバル・テクノ
ロジーとサービス業務および資産家である個人顧客との取引に関して核と
なる能力を中心とすることによって、グローバルな対応能力を備えた欧州
のリーダーとなり、強力な競争力を有する地位が作りあげられます。バン
ク24ではアリアンツAG(Allianz AG)との協力が新たなサービス基準をも
たらすことになります。
収益力の増強、自己資本の大幅な拡充および総合された準備金が、当行
がグローバルに強固になるとともに、戦略的措置のための能力をさらに高
めることになります。シナジー効果の可能性によって、株主のためにより
高い価値を達成することが可能になります。大規模な経済価値を実現する
ことに加え、より大きな規模と資本配分の可能性により、当行の利益獲得
4
ドイツ銀行グループ
のチャンスも増大するでしょう。多くの分野でコストの削減と電子商取引
分野を中心とした収益の増加を同時に達成する所存です。
重層かつ重複構造は、再編処置により排除されなければなりません。こ
れには16,300人前後の従業員の削減が含まれます。自然減のほか、広範で
多様な社会保障対策により社会的責任のある形で、要求される変化に対応
することができると思われます。
両行の真の活動力により、統合化のプロセスは加速されるでしょう。デ
ジタルの世界にあっても、依然として人材という当行の最も重要な資本に
依存しています。これら人材の経験、創造性、熱意をもって、合併を成功
させる所存です。
より大きな力、顧客重視の強化、サービスの質の向上は当行顧客に利益
をもたらします。また、当行株主は、企業価値の増大による利益を受けま
す。
新しく編集された本年次報告書により、ドイツ銀行が株主、顧客、従業
員の利益また社会の利益に如何に役立ち、そのための付加価値の創造に如
何に専心するかが説明されています。今後のビジネス・チャンスに期待し
ています。
ロルフ - E. ブロイヤー
取締役会スポークスマン
2000年3月
フランクフルト・アム・マイン
5
会社概要
取締役会は、事実上の持株会社の方針に沿ってドイツ銀行を運営する。
一傘下に顧客と商品別の各グル
ープ部門が運営され、各グループ
手段を通じて戦略的に推進してい
営業活動が適切な地域ではどこで
る。
もグローバルに営業する。当行株
主は、当行と同様に国際的であり、
部門は、それぞれの収支に責任を
負い、当該市場における有力な競
争相手と競合しなければならない。
均衡のとれた進出
当行は、将来的に、統合の進む
当行株式の約半数は、ドイツ国外
の投資家により保有されている。
総合的な提供商品の領域を有する
市場においてその主導的地位を強
ことにより、当行は、優位な立場
化することを目指している。欧州
を持って活動することができる。
をホーム・マーケットに据え、米
取締役会は、事実上の持株会社
業界リーダーに期待される国際的
国において基盤を拡大し、世界の
の方針に沿ってドイツ銀行を運営
バンキング業務の拡大を画期的な
他の地域においてより均衡のとれ
する。取締役会は、全体の戦略を
たプレゼンスを築くことにより、
決定し、グループ目標を設定する。
顧客中心の構造
当行グループは、一層重要度が増
しつつある事業を形成している。
顧客への緊密さ*
* ドイツ銀行オフィス名鑑:申込用紙は159頁に添付。
6
インターネット:www.deutsche-bank.com/nlv
ドイツ銀行グループ
明確な企業体制
法人顧客および
不動産部門
法人顧客
不動産
金融サービス
一般個人顧客および富裕層向け
バンキング部門
一般個人顧客向けバンキング
富裕層向けバンキング
グローバル・テクノロジー&
サービス業務部門
支払
証券処理
保管業務
電子バンキング・サービス
IT
サイト - ベース・サービス
取締役会
コーポレート・センター
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ部門
投資銀行部門
グローバル・マーケット
グローバル・エクイティ
グローバル・バンキング・
サービス
資産運用部門
法人資産運用
リテール資産運用
プライベート・エクイティ
コーポレート・センター:監査、管理、経済分析、グループ・マーケティングおよびコミュニケーション、法務およびコンプライアンス、広報、
リスク管理、上級経営幹部、税務、財務。
取締役会は、上級経営幹部の開発
る。インターネットが次第に当行
の目標が、顧客重視、チームワー
に責任を負い、資本を配分し、リ
の伝統的な顧客へのアクセス方法
ク、革新性、業績、信頼性にその
スク方針を決定し、独立して収支
を補完し、これに取って代わるよ
価値を置くドイツ銀行の自己イメ
責任を負うグループ各部門の営業
うにさえなるだろう。
ージを特徴付ける。これらの価値
は、金融サービス業界内の変化の
方針を調整する。これらすべての
事業体は、900万人超の顧客を抱え、
平均を上回る業績を達成している。
明確な企業価値
当行グループの目的は、企業価
範囲と速度に鑑み、将来の事業構
築にあたり当行の一助となるため、
コーポレート・センターは、事実
値の長期的成長を達成することで
極めて重要である。ドイツ銀行の
上の持株会社を通して一連の流れ
ある。その広範な専門的業務対応
名は、引き続き品質と成功、変革
の中で、グループ全体の統一的方
能力をてこ入れする当行の戦略は、
と信頼性のシンボルであり続ける
針を確保する。電子商取引におけ
当行株主に対する主要義務により
だろう。
る中心的プレーヤーとしての組織
方向付けられる。このことは、当
への当行の変容は既に開始してい
行の他の目標、即ち顧客の満足、
従業員の意欲、社会的責務の遂行
と不可分に連動している。これら
7
ドイツ銀行グループ
マイケル・ドブソン
トーマス R. フィッシャー
Michael Dobson
Thomas R. Fischer
1952年生
1947年生
1996年取締役就任
1999年1月1日取締役就任。
グループの資産運用部門を担当
コーポレート・センターにおいて財務
およびリスク管理を担当。
ロナルド H. シュミッツ
クレメンス・ベルジック
Ronaldo H. Schmitz
Clemens Börsig
1938年生
1948年生
1991年取締役就任
2001年1月1日付で取締役就任
グループのグローバル・コーポレート&
コーポレート・センターにおいて管理、税務
インスティテューションズ部門を担当
および監査を担当。
9
株主、顧客、従業員、社会
ドイツ銀行は、経営判断にあたり、株主、顧客、従業員、社会という
4大要素の利害を考慮する。
株主、顧客、従業員、社会が優先
からの資本を必要とする。しかし、
するものはしばしば異なるが、当行
資本は、顧客が当行の業績に満足し
は、かかる4大要素全部に依存して
ている場合にのみ長期的に収益性を
いる。従って、当行は、4つのグル
もって利用することができる。これ
ープすべての利害についてバランス
には、意欲ある従業員がいなければ
を保たなければならない。市場のグ
不可能な卓越したサービスを必要と
ローバル・ネットワーク化は、顧客
する。これらすべての条件が充足さ
がより情報通となり識別能力を有す
れた場合にのみ、株主が当行に対し
ることと相俟って、当行に対する要
当然期待するような企業価値の増大
求が強くなっている。その結果、当
に成功することができる。同じ理由
行は、複雑な相互関係のシステムの
により、高い企業価値に反映される
中で営業を行っている。
事業の成功は、雇用を一層競争的に
し、結果的により安定させる。最後
責任をもって行動する会社
に、米国ではコーポレート・シチズ
ドイツ銀行は、事業を遂行し、収
ンシップとして知られる当行の地域
益性を目指して拡大するため、株主
社会へのコミットメントは、責任を
もって行動する企業として尊敬を受
けるために必要な根幹となってい
る。株主、顧客、従業員は、同時に
国際社会のシチズン(市民)でもあ
る。ドイツ銀行は、社会的、文化的、
4大利害関係グループへの業務提供
科学的創造力を支援し、促進する。
このようにして、地域社会のための
みならず、すべての利害関係グルー
10
株主
顧客
社会
従業員
プのために付加価値が創造される。
株主
株主への高いリターンは、顧客との価値ある関係を前提とする。
1998
1997
構成上の
グループ別株主
機関投資家
77 %
64 %
64 %
データ
株式資本中の比率
個人投資家
23 %
36 %
36 %
地域別内訳
ドイツ
51 %
–
–
株式資本中の比率
欧州連合(ドイツを除く。)
主要な数値
30 %
–
–
スイス
7%
–
–
アメリカ合衆国
9%
–
–
その他
3%
–
–
ドイツ銀行株式の価値の変動(総収益率)
+75.6 % – 21.9 % + 80.5 %
ドイツ国内の株式市場出来高に占めるドイツ銀行株式の割合
2
株主の満足度指数
特別
株主総会における
プロジェクト 株主意識調査
1
2
11
19991
5.6 %
6.6 %
7.5 %
60
–
–
目的:株主の忠実度と満足度を判断するため
ロードショー件数の増加
目的:特にバンカース・トラストの買収と統合に関する情報を
提供するため。
アナリストのワークショップ
目的:各グループ部門の戦略および営業上の方向性についての
より良い理解のため。
1999年8月末にドイツ銀行はその無記名株式を記名株式に転換した。それ以降、株主は、電子株主名簿に登録されており、
1999年の数字はこれに基づくものである。前年度までの各年と異なるデータ収集方法のため、それぞれの数値は完全には対
比不可能である。
本指数は、予想株式実績と当社についての一般情報の評価に基づいており、1999年に初めて算出された。
顧客
収益性は、当行と強固な絆を持つ顧客の満足に依拠する。
1999
構成上の
顧客数
データ
一般個人顧客および
富裕層向けバンキング部門
一般個人顧客向けバンキング
(ヨーロッパ)
富裕層向けバンキング
法人顧客および不動産部門
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ部門
資産運用部門
法人顧客
個人顧客
グローバル・テクノロジー&
サービス業務部門
主要な数値2
1998
8,872,000 8,419,000
1997 1996
–
–
449,000
400,000
–
–
117,000
112,000
–
–
1,700
1,200
–
–
5,700
4,500
–
–
4,100,000 3,600,000
–
–
6,000
–
–
–
グローバル・インスティテュー
ショナル・サービス1
一般個人顧客向けバンキング
(ドイツ国内)
顧客満足度指数
–
70
–
66
顧客忠実度指数
–
72
–
68
富裕層向けバンキング
(ドイツ国内)
顧客満足度指数
–
76
–
69
顧客忠実度指数
–
81
–
76
法人顧客および不動産
(ドイツ国内)
顧客満足度指数
71
–
–
68
顧客忠実度指数
82
–
–
78
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ
ユーロマネー誌の「ポル・オブ・
ポルズ」における順位
1
3
6
6
グローバル・テクノロジー&
サービス業務
顧客意識調査におけるポジション
ペンション・ファンド・
パートナーシップ
英国ペンション・ファンドの調査3
1
–
–
–
40 %
–
–
–
ドイツ銀行株主総数中ドイツ銀行の株主でもある顧客の割合
特別
グローバルE
プロジェクト
目的:新たな電子商取引ビジネス分野の発展に伴う組織的な利用と
サポート
ビジネス・エンジェルズ
目的:当該ネットワークは、未公開資本のチャネルとなり、
一層強力に創造性ある企業を見い出す一助となることを意図する。
イノベーション・チーム
目的:未来志向の中小企業の最適規模での販売促進
,
1
2
3
バンカース・トラスト統合後の顧客数(その内ドイツ銀行の顧客数:1,000人)
顧客満足度指数と顧客忠実度指数は、0乃至100のポイントの尺度により判定されている。顧客の意識調査は原則として2年毎
に行われる。
商品部門グローバル・セキュリティーズ・サービシズ
12
従業員
当行と一体となっている適格な従業員により顧客との強い絆が作り出される。
構成上の
データ
教育
地域別配置
1999
1998
1997
大学
36.8 %
32.6 %
32.5 %
高校卒業証明書
32.0 %
32.8 %
32.7 %
その他修学証明書
31.2 %
34.6 %
34.8 %
ドイツ国内
51,273 48,742 49,086
欧州(ドイツを除く。)
19,527 15,478 14,512
北米
14,652
4,971
4,696
南米
793
425
1,542
アフリカ
アジア/太平洋
93,232 75,306 76,141
12.0 %
12.5 %
–
25-34歳
38.0 %
37.2 %
–
35-44歳
28.9 %
28.4 %
–
45-54歳
16.6 %
17.3 %
–
54歳超
4.5 %
4.6 %
–
66
–
–
欠勤率
2.4 %
2.7 %
2.7 %
新規雇用のため当行を離職する従業員の割合3
6.8 %
5.7 %
5.0 %
従業員コミットメント指数1
2
研修および上級研修のための費用 (単位:百万ユーロ)
222.4
201.7
184.1
従業員株式を購入する従業員の割合
65 %
62 %
60 %
グローバル・エクイティ・プランへの
参加資格のある管理職2,500人中の割合5
79 %
83 %
–
適格性モデル
目的:将来に向けた人材開発のための基礎として成功のため
不可欠な能力の明確化
コーポレート・アイデンティティ
一体化調査
目的:コミットメントと企業価値基準の浸透度の判定
価値ベースの報酬コンセプト
目的:当行における価値の創造への管理職の直接的参加
プロジェクト
1
2
3
4
5
171
6,134
合計
4
特別
190
5,500
24歳以下
年齢構成
主要な
数値
213
6,774
従業員コミットメント指数(100点満点の評価尺度)は、今年初めて算出された。この処理方法は一定の間隔で繰り返され
る。
欠勤率は、標準労働時間に対する病気による欠勤を示す。
変動率は、従業員の年間平均員数を基準とする。
1999年度の研修および上級研修のための費用には事業再編に基づき各グループ部門に配属された推進グループは含まれてい
ない。
グローバル・エクイティ・プランへの参加に関して、基準数字APIPS(一株当たり調整済税引前所得)は、1996-1998年4.15
ユーロ、1997-1999年4.01ユーロと推移した。
13
ドイツ銀行グループ
社会
当行は、地域社会へのコミットメントを通して従業員にアイデンティティを提供。
構成上の
データ
主要な
数値
1999
1998
1997
70
66
60
ドイツ銀行が営業する国数
ドイツ銀行グループに関係する基金や
その他慈善機関による支出およびプロジェクト関連の支出
(単位:百万ユーロ)
社会的事項1
ドイツ銀行基金アルフレート・ヘールハウゼン
「自助のための支援」
5.3
5.3
3.5
13.5
–
–
英国地域慈善委員会
3.6
1.0
0.3
アレックス・ブラウン&サンズ・
チャリタブル・ファンデーション
2.0
–
–
その他プロジェクト関連の支出2
0.5
0.5
2.1
ドイツ銀行文化基金
3.5
3.1
3.5
その他プロジェクト関連の支出
1.7
1.5
1.0
シュティフターフェアバント・ヒュア・
ディ・ドイチェ・ヴィッセンシャフトの
ドイツ銀行シュティフタングファンズ
5.3
4.9
5.1
ヴィッテン・へルデッケ大学のファミリー・
オウンド・ビジネスのためのドイツ銀行研究所
0.6
0.2
–
アルフレート・ヘールハウゼン・ソサイエティ・
フォア・インターナショナル・ダイアログ
0.8
0.8
0.8
ISO14001、ヤング・ヨーロピアンズ・
エンバイロメンタル・リサーチ(YEER)、
ワールドワイド・ヤング・リサーチャーズ・
フォア・エンバイロメント(WYRE)
2.3
1.9
1.5
ドイツ銀行アメリカ基金
文化
2
社会および科学
環境
特別
マイクロクレジット・
目的:開発途上国における安定的経済構造の構築
プロジェクト ディベロップメント・ファンド
チルドレンズ・アワー
目的:子供と若者のための選定されたプロジェクトへの支援
ウイメン・オン・ウォール
目的:女性経営幹部と顧客との間のネットワークの開発
ストリート/ウイメン・イン・
ヨーロピアン・ビジネス
1
2
米国の各基金は1999年に初めて導入された。
コーポレート・センターにおけるもののみ。
14
ドイツ銀行グループ
実際的な評価基準に基づく価値重
基づき、株主の利益と当行の業績志
視の銀行経営
向との直接的連動を確立する。当行
ドイツ銀行は、1999年年次報告
顧客による当行の非常に肯定的な評
書において、かかる主要4要素にあ
価は、従業員の間に責任感を生み出
わせて内容を構成することにより上
している。また、例えばドイツ銀行
記のような基本的相互関係を記載し
アメリカ基金(Deutsche Bank Ame
ている。従って、当行は、株主、顧
ricas Foundation)を通じての地域
客、従業員、社会に対し報告を行う。
社会への当行のコミットメントは、
このような報告説明の根幹には、社
当行が雇用主として魅力あることを
会への説明や環境監査等の確立され
反映する。
たコンセプトを、バランスのとれた
1999年度におけるモデルの拡大
スコアカード等の新しい経営方法と
は、当行グループにとり重要な指標
連動することを試みる基本的モデル
となる。それは、ドイツ銀行が測定
がある。これは、数量化された結果
可能な評価基準により価値重視のリ
の報告のほか、企業経営による価値
ーダーシップを具備する上で役立っ
の推移に関する確実な基準を提示す
ている。
ることを意図する。かかるコンセプ
トには、構成上のデータや主要数字
のほか、利害関係グループのための
積極的なプロジェクト関連諸策が含
まれている。例えば、従業員コミッ
トメント指数は、雇用主としての当
行と従業員の一体化について、また
顧客重視や個人的展開等価値の創造
上関連のある姿勢についての情報を
提供する。グローバル・エクイテ
ィ・プランへの管理職による参加
は、価値重視の経営という方向性に
15
Deutsche Bank Group
業績
当行株価の平均を上回る上昇は、当行株主に対す
る当行の強いコミットメントと責任を証明するも
のである。
かかる成長は、当行の世界的組織が生み
出すことができる際立った業績を記すものである。
ヴォルフラム・シュミット
Wolfram Schmitt
インベスター・リレーションズ
フランクフルト・アム・マイン
16
16
株主
好調な一年
1999年度の総収益率は76%であり、当行株式は、ほぼすべての欧州のベンチマークを
大きく上回った。
満足すべき理由のあるドイツ銀行
力に報いたのである。当行の二重戦
株主
略は市場を圧倒した。つまり、当行
1999年初頭の全体的に低調な市
は、戦略的に、一方でホームマーケ
場において、銀行株は、当初、特に
ットである欧州に重点を置きつつ、
投資家の買い控えによる悪影響を受
他方、殊にバンカース・トラストの
けた。3月と4月には、当行の株価
買収を通じ有望な業務分野の強化を
は、さらにドイツ銀行の増資による
進めている。広範な対投資家活動
負担を被った。しかし、4月末の増
(IR)を通して、当行の明確に設定
資の順調な終了後には、当行の株式
は、数日で約10%値上がりした。
その後の数か月間に、ドイツ株式市
場の気配は明るさを増し、銀行株の
需要が高まった。ドイツ銀行の株式
は、予想外の税制改革計画によって
吊り上げられ、過剰なほど値上がり
し、年度末直前には90.49ユーロと
いう高値に達した。本年度末日の株
株主
1999
価は、83.85ユーロ(本年度開始日
には48.77ユーロ)であった。76%
ドイツ銀行株式の価値の変動(総収益率)
の総収益率により、ドイツ銀行株式
ドイツ国内の株式市場出来高に占めるドイツ銀行株式の割合
は、ドイツ株価指数DAX(+39.1%)
+ 75.6 %
5.6 %
ドイツ銀行株式に関する有益な情報
と銀行CDAX(+37.2%)をほぼ
100%上回った。ダウジョーンズ・
ストックス50(+44.9%)に対し
1999年12月31日現在
発行済株式数
614,342,520株
株式資本
1,572,716,851.20ユーロ
ても同様な差をつけ、また銀行株ダ
時価総額
ウジョーンズ・ストックス(+
株価
83.85ユーロ
21%)に対してはさらに大幅な差
一日当たり平均取引高
10(百万株)
をつけた。
51.4(10億ユーロ)
DAX中の比重
4.95 %
ダウジョーンズ・ストックス50中の比重
1.37 %
このような画期的な株価実績によ
り、市場は、銀行業界の再編と統合
のプロセスの推進に対する当行の努
有価証券確認上の数値
記名株式
ロイターズ
514000
DBKGN.DE
ブルームバーグ DBK GR
ADRスポンサー・レベルワン*
比率
シンボル
US-CUSIP
1:1
DTBKY
251 525 309
* OTC取引
17
株式資本の分布
されたグループ戦略と各グループ部
6億1,430万株
門の営業方針を伝えることができ
た。
保険会社、
投資信託会社 22%
被雇用者および
年金受給者 12%
その他の個人
11%
その他の機関投資家
および事業法人 55%
株主構成
538,548人の株主
増資の成功
1999年4月の増資は、バンカー
ス・トラストの買収の観点から、主
当行の時価総額は、本年度中ほぼ
に当行の自己資本の強化に有用であ
倍増し、1998年度末の268億ユーロ
った。33億ユーロを調達し、これ
から1999年度末には514億ユーロへ
はドイツの上場株式会社として2番
と上昇した。株式数は、8,140万株
目に大きな規模の増資であった。
増加し6億1,430万株であった。出来
当行株主総会は、1999年5月17日
高から見ると、ドイツ銀行の株式は、
にフランクフルト・アム・マインに
ドイツ株価指数DAX中最も流動性の
おいて開催された。約6,500人の株
ある株式の中(第5位)に入ってい
主および株主の代理人は、配当を
た。1999年度中、一取引日当たり
22%増の2.20マルクにするとの当行
平均で約1,000万株が売買された。
の提案を承認した。当行の議決権付
ドイツ銀行は、長期的に見て当行
株 式 の 37.5% ( 1998年 に は ほ ぼ
株主にとり収益性のある投資であっ
45%)の賛成を得て、すべての決
た。1980年から1999年までの年間
議が大多数の賛同を得て可決され
平均収益率は13.2%であり、当行株
た。株主総会に参加できなかった株
式は、銀行CDAXを大きく上回り
主は、大型支店で当行内の業務用テ
(年間当たり+11.2%)、またドイツ
レビを通じ、またはインターネット
株価指数DAX(+14.1%)に対して
上で開催の主要部分を見る機会を得
若干下回った。1980年1月1日現在
た。
のドイツ銀行株式への10,000マルク
被雇用者、
年金受給者 62%
の投資は、追加資金の投入なしで
その他の個人
36%
1999年12月31日には119,141マルク
の価値となった。
記名株式への転換
株主総会において可決されたドイ
ツ銀行の無記名株式を記名株式に転
換する決議は1999年8月30日に実施
機関投資家
2%
18
株主
された。538,548人の株主が登録さ
を聞くという提案が強く支持された
れた新規の株主名簿によれば、当行
ことを示している。
株式の51%はドイツの投資家が保
有し、49%は外国の投資家が保有
配当増額の提案
していることが明らかにされてい
2000年6月9日の株主総会におい
る。ドイツ銀行株式614,342,520株
て、本事業年度の配当を一株当たり
の内ほぼ23%は個人によって保有
1.15ユーロ(1998年度:1.12ユーロ)
され、また約77%は機関投資家お
に増額するよう株主に対し提案され
よび事業法人により保有されてい
る。
る。アリアンツAGは、当行自己資
本中の約5%(1999年4月現在)の
議決権付株式の保有により、周知の
最大株主である。
株主名簿により可能になった株主
との直接対話を確立するため、
1999年度末に株主に対する意識調
査を行った。約88,000件(18%)
と回答率が高く、当行が株主の意見
株価の長期的推移
■ ドイツ銀行
■ DAX
■ 銀行CDAX
1300
1100
900
700
500
300
100
’80
’81
’82
’83
’84
’85
’86
’87
’88
’89
’90
’91
’92
’93
’94
’95
’96
’97
’98
’99
’00
四半期毎の数値に基づく1980年を100とした総収益指数
19
新しいアイデア
顧客と緊密であることが当行の営業上の主要なベ
ンチマークになる。新しいアイデアと専門的なア
ドバイスをもって、顧客の要望を理解し、個々の
顧客へのサービスに努める。
クラウディア・エッカート
Claudia Eckert
一般個人顧客および富裕層向けバンキング部門
ミュンヘン
顧客
さらに多くを顧客へ提供
インターネットは、マウスをクリックするという行為により市場の障壁を打ち砕き、
顧客は、これまでにはなかったやり方で取引先を比較できる。
顧客に可能性を提供するインター
20%のマーケットシェアを確保し
ネット
ており、スタートにあたり優位に立
市場、殊に金融サービス市場は、
っている。グローバル・コーポレー
激しい変容を遂げつつあり、生産、
ト&インスティテューションズ部門
販売およびサービス獲得の間の旧来
は、資本市場の電子商取引市場への
の企業価値の流れは崩れつつある。
転換を支援している。インターネッ
かかる傾向の主な原動力は、電子商
トは、さらに当行の販売力の増強に
取引である。インターネットは、高
役立っており、当行は支払から保管
水準の利便性とこれまでにない商品
に及ぶほとんどすべての取引サービ
の個別化とを結合する。インターネ
スにおいてインターネットの能力を
ットは、市場の障壁を打ち砕き、顧
生かす商品を開発した。電子商取引
客にこれまでにはなかった形での取
は、ドイツ銀行のプロファイル上必
引先の比較を可能にし、市場におい
要不可欠な要素となっている。
て顧客に様々な可能性を提供してい
る。
高い透明性、低い取引コスト、常
時可能な金融サービスへの直接アク
セスは、当行の中心業務の一つであ
るリスクの軽減にも新たな光を投影
している。ドイツ銀行は、金融サー
ビスにおけるその強力なブランド、
グローバルな対応能力、技術面での
リーダーシップにより、かかる変化
に対して十分に準備を行っている。
顧客
全グループ部門が電子商取引によ
りもたらされるビジネスチャンスを
とらえた。富裕層向けバンキング部
門は、インターネットをベースとす
るヨーロピアン・パーソナル・イン
ベストメント・バンク(European
Personal Investment Bank) の
設立に向けて準備中である。ドイツ
国内ではオンライン口座で既に
一般個人顧客向けバンキング
1999
1998
顧客満足度指数
–
70
顧客忠実度指数
–
72
顧客満足度指数
–
76
(ドイツ国内)
顧客忠実度指数
–
81
法人顧客および不動産
(ドイツ国内)
顧客満足度指数
71
–
顧客忠実度指数
82
–
(ドイツ国内)
富裕層向けバンキング
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ
ユーロマネー誌の「ポル・
オブ・ポルズ」での順位
1
3
グローバル・テクノロジー&
サービス業務
顧客意識調査における位置
ペンション・ファンド・パートナーシップ
英国ペンション・ファンドの調査
1
–
21
一般個人顧客および
富裕層向けバンキング
イタリアおよびスペインにおいて
広範なリテール・ネットワークを
有している。フランスでは一般個
一般個人顧客向けバンキングに
人顧客に画期的な各種販売ルート
おいて、ドイチェバンク24
を統合した方法によりアドバイス
(Deutsche Bank 24)は、支店
を提供している。ポーランドでは
でのアドバイスに重点を置く、ま
個人向けモーゲージ債の機動的な
たは、様々なアクセスルートを介
販売に重点を置いている。
して銀行取引を行うことを望むド
富裕層向けバンキングは、その
イツ国内の顧客をターゲットとし
資産や多様なニーズのためカスタ
ている。また、当行グループは、
マイズされたサービスを必要とす
る顧客に提供される。同グループ
部門は、住宅金融と保険も提供し
ている。
好調なスタートを切る
一般個人顧客および富裕層向けバンキング*
ドイチェバンク24
単位:百万ユーロ
1999
1998
収益
4,807
4,303
– 94
– 142
– 4,082
– 3,479
– 149
– 106
17,500人の従業員、680万人の顧客
(含む:営業権償却)
– 45
– 22
および資産総額430億ユーロの規模
再構築費用および税金前利益
482
576
で事業を開始した。ドイチェバン
– 281
0
201
576
2,030
2,169
株主資本利益率(%)(除く:営業権償却)
12
28
株主資本利益率(%)(含む:営業権償却)
10
27
– 59
273
費用/収益比率(%)(除く:営業権償却)
87
83
費用/収益比率(%)(含む:営業権償却)
88
84
リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ)
44,058
37,863
セグメント資産(単位:百万ユーロ)
69,170
–
客の3分の1がオンライン顧客であ
セグメント負債(単位:百万ユーロ)
74,391
–
ることである。直接的な売買委託
貸倒引当金繰入
一般管理費
その他の収益/費用の差額
再構築費用
税引前経常利益
1999年9月1日はドイツ銀行のリ
テール業務にとり歴史的な日であ
っ た 。 ド イ チ ェ バ ン ク 24*は 、
ク24は、ドイツ銀行本体における
ドイツ国内の一般個人顧客向けバ
資本(単位:百万ユーロ)
ンキングとグループのダイレク
ト・バンキングとを統合したもの
である。本年度末までに、前年度
価値創造(単位:百万ユーロ)
* 注記に関しては108頁の「セグメント情報の報告」を参照。
* www.deutsche-bank-24.com
22
同期の2倍を上回る正味100,000人
の新規顧客を獲得した。特に満足
すべき点の一つは、これら新規顧
取引(ブロカレッジ24)**におい
** www.brokerage24.com
顧客
て、口座数は4か月間で25%増加し
同部門は現在、世界37か国に450
ドイチェ・バンク24
た。総数650,000人のオンライン顧
のプライベート・バンキング・セ
好調なスタート − 肯定的な顧客の反応
客を得て、ドイチェバンク24は、
ンターを構え、449,000人の顧客
ドイツ国内有数のダイレクト・バ
の資産約1,920億ユーロを管理し
ンキングを提供している。
ている。富裕層向けバンキング業
ドイチェバンク24は、最新の金
務においてドイツ銀行は、既に上
融機関として多くの可能性を提供
位5位に入っており、今後は首位を
している。顧客は、銀行取引を支
目指す。電子商取引は、この目標
店、金融センター、ファイナンシ
を達成する上で貢献するだろう。
ャル・アドバイザーを介しての機動
ドイツ国内の富裕層向けバンキ
的販売形態、電話、インターネッ
ング*では約15%のマーケットシ
トまたはセルフサービスを利用し
ェアを有している。330,000人の
て、いつ、どこで、どのように行
顧客が約2,000人のアドバイザー
うかを選択することができる。ド
による総合サービスを受けている。
イチェバンク24は、Yahoo!との
この分野では分散化された国際的
大いに満足 54%
満足 38%
不満足 8%
1999年12月の顧客意識調査
提携を通じて、主要インターネッ
ポートフォリオの運用という明確
ト・ポータルを介したアクセスを
な傾向がある。従来からの富裕層
提供している。
顧客へのサービス提供のみならず、
富裕層向けバンキング
ドイチェバンク24は、一般個人
成功を収めた若年層の資産管理に
運用資産
顧客向けバンキングにおける新た
対するサービスの提供にも注力し
な基準を確立しつつある。今後数
た。当行は、この分野において好
年間にわたり、同行は、顧客重視
調に安定した業績を達成した。
の事業再編に沿って、収益性の高
総額:1,922億ユーロ
ドイツ国内 50%
米国 24%
ドイツ国外では、当事業部門**は、
い画期的な金融サービス提供会社
主にバンカース・トラスト
へと前進を続ける。急成長する電
(Bankers Trust)の買収により大
子商取引のために、また支店ネッ
きく成長した。海外の従業員数は1
トワークの能力を統合するために、
年以内で2,100人超へとほぼ倍増
約2億5,000万ユーロが2001年
した。運用資産は、約960億ユー
半ばまでに準備されている。
ロへと120%増加した。米国にお
いてドイツ銀行は、富裕層向けバ
成長を続ける
富裕層向けバンキング
他の欧州/
中東 20%
富裕層向けバンキングは、
1999年度中好調に成長を続けた。
* www.db-privatebanking.de
アジア/オーストラリア 6%
** www.db-privatebanking.com
23
信頼
信頼の分かち合いは、当行顧客のニーズの深い理解へ
と繋がる。理解は、永続的な相互関係とより優れたソ
リューションに変容する。
ルク・ウォータース
Luc Wouters
法人顧客および不動産部門
ブリュッセル
顧客
ンキングにおける最大の外国機関
法人顧客および不動産部門
となった。顧客を重視するユニバ
ーサル・バンクの長所と米国流の
グループの法人顧客および不動
商品本位のビジネス・アプローチ
産部門は、不動産関係の顧客のほ
とを組み合わせており、このよう
か、特に中小企業、公共部門の法
なアプローチは、模倣が難しいた
人に対応する。変容する顧客の業
め顧客に強く支持されている。
態、中小企業にとっての資本市場
従来のプライベート・バンキン
の重要性の増大、新たな販売チャ
グ・センターに加え、新たなデリ
ネルとしての電子商取引*および銀
バリー・チャネルを開設中である。
行業界の再編は、新しいコンセプ
1999年9月以降、ドイツ国内のす
トと決然たる行動を必要としてい
べての顧客は、個別のインターネ
ット・ホームページの提供を受け
ている。顧客は、それぞれの口座
とポートフォリオにオンライン・
アクセスでき、例えば、支払また
は証券を直接注文することができ
法人顧客および不動産部門*
単位:百万ユーロ
1999
1998
収益
3,126
2,707
貸倒引当金繰入
– 200
– 231
– 1,813
– 1,604
– 164
– 69
る。近々、富裕層向けバンキング
部門の中央コールセンターが設置
され、これを介して顧客は常時当
一般管理費
行にコンタクトすることができる。
その他の収益/費用の差額
当行は、また、ドイツ国内の顧客
に対し、どこからでも携帯電話に
よる電子バンキング・サービスへ
の24時間アクセスを提供する最初
の銀行になる。いずれにしても、
顧客とアドバイザーとの間の信頼
関係が富裕層向けバンキング部門
(含む:営業権償却)
– 61
– 52
再構築費用および税金前利益
949
803
再構築費用
– 22
0
税引前経常利益
927
803
5,595
5,108
株主資本利益率(%)(除く:営業権償却)
18
17
株主資本利益率(%)(含む:営業権償却)
17
16
149
89
費用/収益比率(%)(除く:営業権償却)
61
61
費用/収益比率(%)(含む:営業権償却)
63
62
88,982
91,548
セグメント資産(単位:百万ユーロ)
135,647
–
セグメント負債(単位:百万ユーロ)
127,091
–
資本(単位:百万ユーロ)
価値創造(単位:百万ユーロ)
の成長を推進する上での重要な要
素であり続けるだろう。
リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ)
* www.deutsche-bank.com/e-commerce
* 注記に関しては108頁の「セグメント情報の報告」を参照。
25
る。当行の幅広い商品群を生かし、
1998年および1999年には、
リレーションシップ・バンキング
71億ユーロ相当の6件のアセッ
と当行の有する一流の商品や業界
ト・バック証券取引と29億ユーロ
内での経験を結合することによっ
の信用デリバティブ取引を行い、
て、当行の市場における地位をさ
これらに続く案件が現在進行中で
らに強化する所存である。
ある。従来型の割引債券取引と資
本市場とを結びつけることによっ
顧客への最大限の接近
ドイツ国内の法人顧客業務では、
て、当行の手形業務(現時点まで
で40億ユーロの取引規模)は、多
意思決定手続を簡略化し、与信プ
額の資金を拘束することなく順調
ロセスをさらに合理化した。初期
に進めることができた。金利およ
の段階でリスクを管理し、かつコ
び通貨の運用は、収益と取引高の
ントロールを可能にする上で有用
両面で満足のゆく成長を遂げた。
なアクティブなポートフォリオ運
用を用いている。貸付は、依然と
して重要な業務の柱ではあるが、
技術革新の促進
当行は、主に、技術の発展の原
その重要性は変化している。従来
動力になり画期的で急成長を遂げ
型の貸付業務が漸次十分な収益を
ている企業に注目している。技術
生み出すことができなくなってお
と取引の専門知識とを結びつけた5
り、融資の決定は、顧客関係によ
つの技術革新チームにより、当行
りもたらされる収益全体を考慮し
は、これらの企業の潜在力を評価
た上で判断される。中小企業向け
中である。フラウンホファー・イ
ドイツ国内における4倍増の債権の証券化
の資本市場での資金調達手法の拡
ンスティチュートISI(Fraunhofer
単位:10億ユーロ
大により、当行の手数料収益はさ
Institute ISI)と協力して、当行は、
らに増加し、計上資本の一部を放
ビジネス・エンジェルとしての富
出することになり、これにより
裕な個人顧客と新興の成長企業と
2002年までに25%の収益率を予
を結びつける全国規模のネットワ
定している。
ークを構築した。
法人顧客および不動産部門
11.3
10
8
主要欧州諸国での多年にわたる
6
業向けの有力なアドバイザーとな
2
っている。1999年度中にはベル
0
ギーおよびポーランドにも拡大し
2.7
’98
26
’99
業務経験の結果、当行は、中小企
4
顧客
た。コーポレート・ファイナンス、
億5,000万ユーロの取引規模を持
金利、通貨、キャッシュ・マネジ
つ上場不動産会社の株式が初めて
メントおよび国際的商取引のファ
売り出された。
イナンスにおける革新的な資金調
インターネット上のバーチャ
達に関する当行の市場や商品につ
ル・マーケットにおける商取引は、
いての専門知識は、競争上決定的
当行の法人顧客との取引の将来性
な優位性を確立する。欧州内での
に大きく影響するだろう。当行は、
当行総収益へのこれら商品の貢献
これまで、インターネットを商品
度は、徐々に増大するだろう。規
とサービスの広告のために主に利
制緩和の進展や公共部門の財政的
用してきた。11月9日にベルリン
脆弱さは、M&Aに関するアドバイ
のSMEコングレスにおいて4,500
ザリ−業務、公共部門と民間部門
人以上の起業家に紹介された当行
との革新的パートナーシップおよ
のバーチャル・エージェントであ
び民営化の可能性をもたらす。当
るCor@は、当行の各グループ部門
行は、これらの可能性を有効に活
が提供する商品*を紹介する。当行
用していく所存である。大きな潜
の法人顧客が銀行取引のためにウ
在成長力が認められるアセット・
ェブサイトを利用する可能性を本
ファイナンスでは、買収を通じて
格的に推進している。
法人顧客および不動産部門
先端企業の重視
総取引規模:1億5,100万ユーロ
当行の地位を強化し、また欧州と
米国の両方で当行の業務を拡充し
た。当該関係業務は、テクノロジ
ー、レクリエーション、工業、自
* www.deutsche-bank.com/ui
マイクロテクノロジー 3,800万ユーロ
バイオテクノロジー
3,000万ユーロ
動車の各産業グループに大きく分
類された。
欧州内の不動産業務の需要は著
しく活発になった。市場参加者は、
ますます収益を重視しており、一
層国際化している。国際化が進ん
でいる当行のオープン・エンド型
とクローズド・エンド型の不動産
投資信託に加え、投資家には、約5
マルチメディア
3,900万ユーロ
環境テクノロジー
3,100万ユーロ
ロボティクスとオートメーション
1,300万ユーロ
27
グローバルな対応能力
当行は、世界中の市場で顧客をサポートすべき特異な立場に
ある。当行の世界的なネットワークは、より優れた結果をも
たらすことを可能にする強力な拠点を付与している。
サーマン・マジ
Saman Majd
グローバル・コーポレート&インスティテューションズ部門
ロンドン
顧客
グローバル・コーポレート&イ
ンスティテューションズ部門
の拡大は、殊にBTアレックス・ブ
ラウンを通してドイツ銀行と取引
することになった顧客にとり有益
1999年度中、ドイツ銀行は、グ
なものとなっている。
ローバルな有力投資銀行としての
機関投資家顧客向けでは、提供
地位を確立した。グループのコー
商品を大幅に拡充した。証券化、
ポレート&インスティテューショ
エクイティ・ファイナンス、デリ
ンズ部門は、業界内で最高水準の、
バティブ商品における当行のサー
真に統合された企業金融および投
ビス提供力は大幅に強化された。
資銀行サービスを提供している。
ユーロの導入により、ドイツマル
前年度までの投資が寄与し、当行
ク起債のリーダーからユーロ債発
の中核業務は、記録的な業績を上
行のリーダーへと徐々に移行した。
げ た 。 BTア レ ッ ク ス ・ ブ ラ ウ ン
事業法人顧客向けには、特にハ
(BT Alex. Brown)の投資銀行業務
は、迅速かつ成功裡に統合され、
関係者全員にとり大きな功績とな
った。
顧客のための利益
BTアレックス・ブラウンを通じ
て、当行は、世界中の顧客を対象
とした主要市場および通貨主要取
引所におけるサービスを大幅に拡
充した。コーポレート・ファイナ
ンス・アドバイザリ−・サービス
グローバル・コーポレート&インスティチューションズ部門*
単位:百万ユーロ
1999
1998
収益
9,596
4,761
貸倒引当金繰入
一般管理費
その他の収益/費用の差額
–3
– 153
– 6,892
– 3,777
18
– 311
(含む:営業権償却)
– 254
– 50
再構築費用および税金前利益
2,719
520
再構築費用
– 494
0
税引前経常利益
2,225
520
10,445
7,599
資本(単位:百万ユーロ)
業務、リサーチ、営業およびトレ
株主資本利益率(%)(除く:営業権償却)
24
7
ーディング業務について北米にお
株主資本利益率(%)(含む:営業権償却)
21
7
911
– 570
費用/収益利益(%)(除く:営業権償却)
70
85
費用/収益利益(%)(含む:営業権償却)
73
86
リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ)
132,917
99,441
セグメント資産(単位:百万ユーロ)
582,164
–
セグメント負債(単位:百万ユーロ)
593,760
–
ける業務基盤を大幅に拡大した。
価値創造(単位:百万ユーロ)
欧州における主導的な地位とアジ
ア・太平洋地域における業務基盤
* 注記に関しては108頁の「セグメント情報の報告」を参照。
29
グローバル・コーポレート&
イ・イールド債やレバレッジド・
は、当行の顧客と株主により優れ
インスティテューションズ
ファイナンスの分野の商品群を拡
た結果をもたらすため知識、能力、
充した。当行のバランスシートの
創造性を備えた選りすぐりのグロ
強み、資本市場における起債力や
ーバルな投資銀行となることであ
アドバイザリ−業務の経験を活用
る。1999年度中この目標の達成
することによって、事業の発展上
に向けて著しい進展を成し遂げた。
国際債券のマーケットリーダー
■ 発行高(単位:10億ユーロ)
■ マーケットシェア(%)
100
64
100
80
の重要な段階において法人顧客に
60
比類のない総合サービスを提供し、
7.1
6.4
5.3
4.4
20
3.8
サポートする。
41
40
0
’95
’96
’97
’98
’99
出典:インタナショナル・ファイナンシング・レビュー
グローバル・コーポレート&インスティ
6
中にグループのグローバル・コー
レート&インスティテューション
ポレート&インスティテューショ
ズ部門は、1999年度に、最も重
ンズ部門は、株式と債券のインタ
要な基盤である顧客からこれまで
ーネット取引と販売においてドイ
以上に多くの高い評価を得た。ト
ツ銀行を業界最先端に位置づける
レーディング、引受、アドバイザ
ため、一連のプロジェクトへの投
リ−など投資銀行業務全般におい
資を行った。電子情報ネットワー
ての優秀性を反映し、ユーロマネ
クは、債券、外国為替、株式、デ
ー誌の「Poll of Polls」において
リバティブをはじめとする売買取
総合第一位を獲得した。ドイツ・
引の流動性にとり一層重要となる
株式の104億ユーロの第二次放出
商品の提供内容を引き続き充実さ
1
において大きな成功を収め、金融
せる予定である。欧州の資本市場
関連の報道から相当の賞賛を受け
の本格的な変革は、株式市場と債
た。
券市場の両方における当行の能力
9
12
12
グループのグローバル・コーポ
だろう。当グループ部門は、その
6
6
これらの賞賛は1999年度の当
を拡充する上で歓迎すべき挑戦で
行の業績を反映するものである。
ある。当行は、コーポレート・フ
当行は、事業法人および機関投資
ァイナンス/合併および企業買収
家顧客向けの広範な商品群に加え
におけるアドバイザリ−業務能力
秀逸性、革新性、創造性を提供す
ることにより、真にグローバルな
15
’95
’96
’97
’98
’99
出典:ユーロマネー誌:ポル・オブ・ポルズ
30
の提供を可能とする。1999年度
テ レ コ ム ( Deutsche Telekom)
3
3
成功軌道へ
順位
テューションズ:投資銀行銀行中第一位
1
電子商取引は、顧客に対し効果
的かつコスト効率の良いサービス
27
20
将来への備え
業務を構築した。当行のビジョン
顧客
とグローバルな業界専門知識とを
資産運用部門
結合する。また、重要な米国の事
業法人や機関投資家の間での当行
好調な内部成長とバンカース・ト
のポジションをさらに向上させる
ラストの買収が相俟って、ドイツ
ため、北米における営業拠点を拡
銀行の資産運用部門は、運用資産
充していく。
5,890億ユーロの世界有数の規模
当行は、卓越し、革新的であり
を有し、多角化された運用会社の
続け、顧客に対しすぐれたサービ
一つとなった。中でも米国では、
スを提供し続ける。
主としてパッシブな投資や仕組み
投資運用の分野において、当行の
業務は、規模と領域との両面で大
きく拡大した。日本でも、当行の
資産運用部門*
単位:百万ユーロ
1999
1998
収益
1,519
953
貸倒引当金繰入
0
0
– 809
– 501
その他の収益/費用の差額
– 87
– 73
(含む:営業権償却)
– 78
– 49
再構築費用および税金前利益
623
379
再構築費用
– 42
0
税引前経常利益
581
379
資本(単位:百万ユーロ)
332
316
株主資本利益率(%)(除く:営業権償却)
198
135
株主資本利益率(%)(含む:営業権償却)
175
120
価値創造(単位:百万ユーロ)
609
381
費用/収益比率(%)(除く:営業権償却)
54
55
費用/収益比率(%)(含む:営業権償却)
59
60
リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ)
2,002
1,837
セグメント資産(単位:百万ユーロ)
6,235
–
セグメント負債(単位:百万ユーロ)
5,558
–
一般管理費
* 注記に関しては108頁の「セグメント情報の報告」を参照。
31
業績
業績は、当行が行うあらゆる事項の背後にある原動力である。
当行にとり業績とは、その顧客のために際立つ結果を達成す
ることへの特別のコミットメントを意味する。
エリザベート・ヴァイゼンホルン
Elisabeth Weisenhorn
資産運用部門
フランクフルト・アム・マイン
顧客
業務は、バンカース・トラストの統
ツ国内では当部門のミューチュア
合により大きく拡がった。当行は、
ル・ファンドへの純流入資金は、
グループの資産運用部門の業務を4
80億ユーロに上り、前年度を
つの地域に再編した。
86%上回った。特に特定セクター
南北アメリカでは、8つに分かれ
向けファンドとファンズ・オブ・
ていた業務を、米国市場と主要ラ
ファンズに重点を置いて20の新規
テンアメリカ市場に対応する単一
ファンドを設定した。ドイツのリ
の強力な資産運用フランチャイズ
テール・マーケットにとり革新的
に統合した。急成長しているイン
であったのは、初めてのファン
デックス化の分野では、米国の業
ド・オブ・ファンズの発売であり、
務は免税資産において第三位に位
これには当行の競合相手のファン
置している。日本では、当行は、
ドも含まれ、DWSベストセレク
400億ユーロの運用資産とさらに
ト・ファンズ(DWS BestSelect
120億ユーロの管理資産を有し、
funds)やミットアルバイターフォ
最大の外資系資産運用グループと
ンズ(Mitarbeiterfonds)、従業
なっている。オーストラリアでは、
員退職金貯蓄向けに特別に設計さ
債券、オーストラリア株式、プラ
れたミューチュアル・ファンドな
イベート・エクイティおよびミュ
どによって構成される。新たな資
ーチュアル・ファンド「トップ50」
金は、株式ファンドを中心に投入
シリーズにおいて新商品を発売し
された。DWSグループの運用する
た。
純資産は、840億ユーロへと37%
資産運用部門
前後増加した。このようにして、
増加する資産運用への投資規模
欧州大陸における有数のファン
DWSは、リテール・マーケットで
ド・マネジャー
23%のシェアを獲得し、ドイツ国
グループの資産運用部門は、10
内のマーケットリーダーの地位を
か国で業務を展開し、運用資産
保持している。DWSインベストメ
1,680億ユーロを有する欧州大陸
ント・エス・エイ(DWS Invest-
有数のファンド・マネジャーであ
ment S.A.)に名称変更されたル
る。そのマーケットシェアは5%に
上っている。
単位:10億ユーロ
589*
500
400
300
クセンブルグでの事業は、総額
192億ユーロを運用している。
1999年度はDWSグループ*に
イタリアでの当行のミューチュ
とって記録的な年であった。ドイ
アル・ファンド事業の運用資産は
大幅に増加し、提供ファンドが拡
がった。当行の投資信託会社であ
600
197
138
229
200
157
100
0
’95
’96
’97
’98
’99
* 3,930億ユーロは、アクティブ運用に充当され、
1,960億ユーロは指数連動のポートフォリオで運用
されている。
* www.dws.com
33
るフィナンツァ・アンド・フトゥ
ファンドのほぼ半分を数々の有望
ーロ(Finanza & Futuro)にとり、
なビジネスに投資した。
引続き大変好調な年であった。運
用資産は、61億ユーロから88億
顧客関係の推進
ユーロに増加した。販売ネットワ
当行は、2000年度中そのグロ
ークにおいては、アドバイザーが
ーバルな業務基盤をフルに活用し
さらに1,300人に増員された。新
ていく所存である。即ち、米国で
たに設立された法人資産運用会社
は、バンカース・トラストを通じて
は、非常に好調なスタートを切っ
獲得した商品および顧客との関係
た。
に注力する。日本では、特に日本
1999年度の当行の英国年金フ
生命や国際証券との間の投資信託
ァンド事業は、再びすばらしいパ
商品に関する販売関係をさらに強
フォーマンスを達成し、8年連続上
化する。英国ではリテール業務を
位4分1以内の業績をあげこれまで
推進するとともに、好調な投資パ
の記録を伸ばした。この非常に好
フォーマンスを背景に法人関係の
調な記録を反映して90億ユーロに
マーケットシェアの拡大に努める。
上る新規契約が当年度中に獲得さ
欧州大陸では、既存の強みを生か
地域別資産運用
れ、他の資産運用会社を上回った。
し、マーケット・ポジションを拡
総額5,890億ユーロ
英国内における中規模の顧客から
大することを目指す。
資産運用部門
の新規取引を取り扱う最も効率的
アメリカ
な方法として、プールド・ファン
2,870億ユーロ
欧州大陸
1,630億ユーロ
ドの利用に引き続き重点を置いた。
国際株のパフォーマンスにおいて
も大きな改善がみられ、これに伴
い大幅な新規資金が獲得され、ま
た国際債券発行の業績においても
引続き伸びがみられた。
1999年は、プライベート・エ
クイティにとり特に成功を遂げた
年であった。当行は、フランクフ
ルトに事務所を開設し、15億ユー
英国
800億ユーロ
アジア/太平洋地域
590億ユーロ
34
ロを超える欧州のバイアウト・フ
ァンドを新たに立ち上げ、既に同
顧客
グローバル・テクノロジー&
サービス業務部門
躍動的進歩
インターネットは、顧客と当行
の両方に恩恵をもたらすだろう。
グループのグローバル・テクノ
電子商取引のさらなる普及に必要
ロジー&サービス業務部門にとり
な重要な点は、契約締結の相手に
1999年度は本格的な変革の年で
ついての確実な身元確認である。
あった。バンカース・トラストの主
そこで、他行との協力のもと、当
要事業の統合後、当部門の体制は、
行は、この種の証明を行うことを
顧客のニーズにより緊密に対応す
目的とする会社アイデントラス
るように改善された。例えば、金
(Identrus)を1999年に設立した。
融機関向けのサービスは単一の事
業分野に統合された。また、一つ
のソースから広範なサービスを提
供し、ドイツ銀行は行内で技術イ
ンフラストラクチャーを統一して
いる。
グローバリゼーションと情報技
グローバル・テクノロジー&サービス業務部門*
単位:百万ユーロ
1999
1998
897
337
術の着実な進歩が21世紀を形作る
だろう。銀行業務にも、スタッフ
の知識と専門能力に支えられたデ
収益
貸倒引当金繰入
一般管理費
0
0
– 837
– 213
ジタル情報サービスが影響してく
その他の収益/費用の差額
– 32
– 34
る。グローバル・テクノロジー&
(含む:営業権償却)
– 30
–3
サービス業務部門では、高水準の
再構築費用および税金前利益
28
90
サービス、広範な選択肢、便利な
再構築費用
– 44
0
税引前経常利益
– 16
90
資本(単位:百万ユーロ)
アクセス、低コスト等の成功に必
要な要素をすべて有している。こ
れを基本に、個々の顧客に適した
454
374
株主資本利益率(%)(除く:営業権償却)
3
25
株主資本利益率(%)(含む:営業権償却)
–3
24
– 53
37
費用/収益比率(%)(除く:営業権償却)
94
73
費用/収益比率(%)(含む:営業権償却)
97
74
リスク加重調整済ポジション(単位:百万ユーロ)
3,929
19
セグメント資産(単位:百万ユーロ)
9,137
–
セグメント負債(単位:百万ユーロ)
14,036
–
ソリューションを提供する。
価値創造(単位:百万ユーロ)
* 注記に関しては108頁の「セグメント情報の報告」を参照。
35
グローバルな対応能力
当行の重点は、前向きで付加価値のあるソリューションを
顧客に提供することに置かれている。それは世界的な競争
上の優位を生み出すソリューションである。
エドワード J. ジョーンズ
Edward J. Jones
グローバル・テクノロジー&サービス業務部門
ニューヨーク
顧客
また、当行は、インターネット用
当行のグローバル・インスティ
の電子身分証明カードを発行する、
テューショナル・サービス
ハンブルグのTCトラストセンター
( Global Institutional Services)
(TC TrustCenter)の株式も保有
は、現在、保管、キャッシュ・マ
している。
スト・サービスの提供において、
スの提供において、取引企業との提
主導的な地位を有している。銀行、
携が重要性を増している。このため、
投資信託会社、年金ファンド等の
当行は、メトロ(Metro)と提携し、
機関投資家顧客向けの支払業務や
合弁会社パゴ(Pago)を設立した。
証券取引業務において大きな成功
同社は、インターネット・プロバイ
を収めている。当行は、顧客別の
ダー向けのサービス・モジュールを
ソリューションやグローバルな対
提供している。2000年度にはさら
応能力と各地の市場の専門的知識
なる提携が計画されている。当行の
とを組み合わせたすべての主要国
全額出資子会社イージーキャッシュ
際金融センターへのアクセスなど
カードベースの販売時点支払サービ
スを一つに統合している。
サービス業務部門
力強く成長する証券保管業務
単位:10億ユーロ
3,902
3,000
2,000
1,619
1,194
1,000
895
639
0
’95
’96
’97
’98
ヨーロピアン・トランザクショ
ン・バンク(European Transaction Bank)(e.t.b)は、支払と証
由な取引を保護するためには、国
券決済のため1999年に独立会社
家の介入が縮小されることが肝要
として設立された。同社は、当行
である。当行は、これに関し多数
グループにだけでなく他の金融サ
グローバル・テクノロジー&
の業界の代表との国境を超えた議
ービス提供会社にもサービスを提
サービス業務部門
論に参加している。他の国際展開
供している。e.t.bは、事業開始直
している銀行と共に、当行は、世
後に最初のグループ外顧客との契
界的なインターネット・ビジネス
約を獲得した。e.t.bは、ドイツ銀
を推進するためにグローバル・トラ
行の規模の大きさの恩恵を受け、
スト・オーガナイゼーション
顧客に対し特に有利な価格でサー
設立した。
’99
広範な商品を提供する。
インターネット上での商品の自
(Global Trust Organisation)を
4,000
ネジメント、コーポレート・トラ
総合的な価値基準に沿ったサービ
(Easycash)は、当行のすべての
グローバル・テクノロジー&
1999年の支払業務取引規模の上昇
取引件数、単位:100万
150
140
133
ビスの提供が可能となっている。
ドイツ銀行の技術インフラスト
150
131
126
130
120
117
ラクチャーは、営業システムの安
110
定性と互換性における強固な基盤
となっている。新たな開発や技術
は、可能な限り早くかつ効果的に
100
1/99
4/99
7/99 10/99 12/99
37
パートナーシップ
取引関係がパートナーシップになると理解される場合にの
み、卓越した業績の達成が可能である。それこそが当行の
努力目標である。
アンドレア・クロイダー-ブリュール
Andrea Kreuder-Brühl
コーポレート・センター
フランクフルト・アム・マイン
顧客
組み込まれる。6つの専門開発セン
コーポレート・センター
ターを有し、最高級のソフトウェ
アを低コストで開発している。ユ
ドイツ銀行グループの統一的経
ーロの円滑な導入、バンカース・
営を確実に実行することがバンカ
トラストの統合、Y2Kに関わる移
ース・トラストの買収以降一層大き
行はすべて、ドイツ銀行が情報技
な課題となった。それ故に、コー
術の分野で優れた能力を備えてい
ポレート・センターへの指揮系統
ることを証明した。
の強化により、全体的な経営責任
がより効果的になった。当行のリ
スク管理体制は、統一的なグロー
バル組織における効果的なサポー
トが全分野での当行の成長に寄与
されるように改善された。コーポ
レート・センターも当行グループ
のためのサービス提供がその役割
であると自認し、部門を越えた包
括的な機能を果たしている。
DBインベスター
1998年末現在、ドイツ銀行は、
主要戦略的投資を目的とした保有
資産株を子会社へと譲渡した。DB
インベスターは、持株運営会社と
DBインベスター
して、産業関連株ポートフォリオ
保有ポートフォリオ中の株式含み益
の管理と再調整の責任を負ってい
本年度末現在、単位:10億ユーロ
る。1999年10月末、当行保有のア
19.0
リアンツ(Allianz)株の約2%が機
20
17.9
16.4
15
関投資家に売り出され、売却代金
は14億ユーロ弱であった。
11.3
10
9.3
5
0
’95
’96
’97
’98
’99
39
現有持株のアクティブなポートフ
上場企業の持株の時価は、
ォリオ運用を行うことのほか、DB
1999年末現在227億ユーロであ
インベスターは、魅力ある成長企業
った。未開示の留保金は、ほぼ
にも投資し、企業や産業全体の事業
180億ユーロであった。1998年
再構築策を支援している。その一例
度末と比較して、投資ポートフォ
はディヴァコ(Divaco)で、同社
リオは、時価で12億ユーロ縮小し
は、メトロ(Metro)の非中核事業
た。前年度に対する時価の値下が
の処分を目的としてメトロと合弁で
りの主な要因は、アリアンツ持株
設立された。他の例は、ドイツ・テ
の一部処分とその他小規模なポー
レコム(Deutsche Telekom)に
トフォリオ調整にある。
次ぐドイツ第二の広周波ケーブルテ
DBインベスターは、ドイツ銀行
レビ運営会社であるテレコロンブス
グループの投資による純利益に対
(TeleColumbus)の買収である。
し約15億ユーロ貢献した。配当利
新企業に関しては3年から5年の保
益は、約5億ユーロであった。
有期間が見込まれている。新規持株
は、当該会社が十分な潜在成長力を
グループ財務
有しかつ現状からの明確な脱出の見
資本と流動性の管理が当行にと
通しがある場合にのみ獲得される。
りさらに重要になった。1999年
度中のグループ財務の活動は、主
としてバンカース・トラストの買収
資金を調達することと統合資金を
提供することに集中した。これら
両行の財務機能は統合された。
欧州の主要な資本市場参加者と
して、ドイツ銀行は、広範な資金
調達ベースを有しており、有利な
条件で250億ユーロの中長期資金
40
顧客
を調達することができた。一方で
当行の健全な資金調達力が実証さ
れ、もう一方では投資家ベースが、
90億ユーロの流動性あるユーロ債
の発行により拡大した。さらに、
当行グループの資本は、ハイブリ
ッド資本証書の24億ユーロの発行
により増強された。
そのほか、当行の自己資本は、9
年間で初めての普通株の増資によ
り増額された。これは、既存株主
に対する新株引受権の提供として
行われ、また第二次募集では新株
引受権なしで実施された。総額33
億ユーロに上る増資のための2回の
募集は、順調に行われた。これに
グループ財務
より、当行株主資本がさらに拡大
商品グループ別起債
した。
総額250億ユーロ
1999年当初のユーロの導入に
より、当行は、欧州での流動性管
仕組み債と私募債
22%
理の合理化が可能となった。Y2K
ドイツ銀行社債
11%
に伴う移行において見込まれた当
行の流動性リスクは、慎重な流動
性への備えと各国の中央銀行との
緊密な協力により軽減された。幸
運にも、最悪のケースのシナリオ
は現実にならなかった。移行作業
はすべてにおいて順調に進んだ。
ユーロ債 36%
ハイブリッド
資本証書 9%
中期債券 22%
41
信頼
最高レベルによる顧客の満足度を確実にすることにより顧客
の信頼を得るよう懸命に努める。
ジェシー・タン
Jessie Tan
一般個人顧客および富裕層向けバンキング
シンガポール
従業員
統合に向けた使命感と価値観
当行の最も重要な資産は、当行とその目標にコミットする有能な従業員である。
当行グループの従業員数は、
知的で強いコミットメントを有す
1999年度末現在93,232人(前
る従業員を雇用できるかどうかに
年:75,306人)に増加した。この
依拠している。これら2つの要素の
増加の大半は、バンカース・トラス
一つが低いと、最終的に生み出さ
ト ( Bankers Trust) と ク レ デ
れるものの価値が大幅に低下する。
ィ ・ リ ヨ ネ ・ ベ ル ギ ー ( C r édi t
コミットメントは、従業員と当
Lyonnais Belgium)の買収に起因
社との一体感を反映し、また顧客
するものであった。従業員の地域別
重視、個々のイニシアティブ、成
および部門別の配属に著しい変動が
長への意欲等の姿勢に大きく影響
発生した。当行グループの海外事業
する。従って、コミットメントを
は中でもニューヨークとロンドンに
高めまた判定する方法を得るため
おいて大きく増加(+15,395人)
定期的に従業員に対する調査を行
した。全従業員のほぼ半数はドイツ
っている。価値観統合のための大
国外で勤務している。
規模プロジェクトの前に実施され
た国際的なグループの全体に及ぶ
責任感ある従業員が成功の鍵
統合プロセスの初期段階におい
調査では、コミットメントが高い
ことが示された。
て、バンカース・トラストとドイ
ツ銀行との企業文化を比較し、両
行が互いを補完し合うに十分な共
通の基盤を見出した。中でも両行
の顧客および業績重視という共通
の価値観に基づき、ドイツ銀行は、
世界最高の金融サービス提供会社
を目指すための意欲的なビジョン
を作り上げた。すべての部門と地
域に及ぶ共通の使命感と価値観が、
従業員
1999
コミットメント、即ち当社への深
い意味での献身と忠誠を成就する
従業員のコミットメント指数
ため肝要である。有能な従業員が
欠勤率
当行の知的資本を形成する。それ
こそが責任感と能力という因数を
乗じて得られるものである。言い
換えれば、企業の事業の成功は、
66
2.4 %
新規採用のため当行を離れる従業員の割合
6.8 %
研修および継続研修のための費用(百万ユーロ)
222.4
従業員株式を購入する従業員の割合
65 %
グローバル・エクイティ・プランに加入する
2,500人の適格管理職中の割合
79 %
43
個人の責任と柔軟性
従業員は、その業務上のそして
しい労働時間の要求に応じるため
に新しい労働時間規定を導入した。
個人の啓発に努めるよう奨励され
このスキームの中核には、従業員
るべきである。ドイツ銀行は、核
自らが労働時間の記録を維持する
となる能力と部門ごとの専門能力
ことやその生涯にわたる労働時間
とを取り込んだ適格性モデルを導
の取決めに至るまでの労働計画を
入した。このモデルは、一定の職
作成する機会を持つことが含まれ
務を遂行するために必要とされる
ている。本制度は、従業員が報酬、
知識と能力を明確にするとともに、
余暇時間またはその他のベネフィ
新しい適格性を取得する従業員自
ットの回収を可能にするため、生
身の努力をもサポートするもので
涯にわたる勤労価値への架け橋と
ある。そうすることによって、従
なることを意図している。
業員自身が自らの現在および将来
従業員の年齢構成
24歳未満 12%
25歳−34歳 38%
の雇用の可能性についての決定権
価値重視の報酬 − 株主の利益のた
を持つことができる。
めに
一貫した知識の追求は、個人と
当然のことながら、物資的な報
組織全体の双方にとり、重要であ
奨も従業員のコミットメントを高
る。セミナーのほか、インターネ
める上で有効である。株主のため
ットやイントラネットの技術を利
の価値の創出に連動した、管理職
用した知識の習得機会を数多く提
を対象とする報酬コンセプトを導
供している。この新しいタイプの
入することによって、当行の価値
学習方法は、内容、領域、時間、
重視の経営を補完した。このコン
場所に関し柔軟性があり、従業員
セプトは、年間賞与、中間奨励金
が明確な責任感と積極性を持って
および長期奨励金で構成されてい
いる場合にのみ効果がある。
る。年間賞与は、個別に合意され
従業員は、より柔軟な労働時間
を望んでいる。将来を見据えた新
た目標の達成如何に依拠している。
中間奨励金は、管理職が各グルー
プ部門が生じる価値の分与を直接
受けることを可能にし、長期奨励
35歳−44歳 29%
45歳−54歳 17%
54歳超 4%
44
従業員
金は、株価のパフォーマンスに連
は、一連の新手法を導入した。特
動する。これは、管理職が当行全
別採用フェアやワークショップ、
体、各グループ部門および個別業
大学との緊密な連携、インターネ
務がもたらす価値に対し直接的に
ットを利用したプロフェッショナ
関与し、また各自の報酬全体に反
ルの開拓である。同時に、当行の
映されることを目的としている。
研修制度は、有望な若いスタッフ
従業員に対しては、従業員参加
を発掘する重要なソースとなって
制度を通じて企業責任を負担する
いる。雇用主としての当行の人気
よう促している。1999年度中、
度は、当行の行う多数の研修制度
従業員持株制度への加入率は過去
に反映されている。昨年、当行は、
最高の65%に上昇した。これまで
1,373人のインターンを採用し、
の従業員株式保有プログラムは、
その結果、当行グループに、
従業員が保有する株式でのみ構成
1999年度末現在、3,439名のイ
されていたが、昨年度導入された
ンターンが銀行業務、情報技術お
新規の「db−share」構想には、
よびオフィス・コミュニケーショ
フリー・オプションの特徴が追加
ンのトレーニングを受けていた。
された。共同所有と利益分配によ
り従業員と株主との利益を同一線
上に並べることのメリットは数字
部門別従業員構成
グローバル・テクノロジー&
サービス業務 28%
コーポレート・センター 3%
でも明らかである。
一般個人顧客および
富裕層向けバンキング 33%
有能な従業員の需要
昨年、ドイツ銀行は、1,000人
以上の新卒者を採用し、その大半
は米国およびドイツにおいて採用
された。企業の有能な人材に対す
る需要はこれまで以上に高まって
いる。これに対応するため、当行
法人顧客および
不動産 15%
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ 17%
資産運用 4%
45
パートナーシップ
ドイツ銀行は、地域に対するその社会的、文化的責任を常に
果たしてきた。そして、今日、それは世界中の地域社会にわ
たっている。
マルレーン・ティーメ
Marlehn Thieme
ドイツ銀行アルフレート・ヘールハウゼン基金「自助のための支援」
フランクフルト・アム・マイン
社会
国際社会における市民として
ドイツ銀行は、社会、文化、学術における改革を推進する。
社会的責任
当行は、地域社会への支援活動
支援し、同協会に当行の従業員は
300,000ポンド以上を募金した。
の一環として、ドイツ銀行アルフ
レート・ヘールハウゼン基金
( Deutsche Bank Foundation Alfred
文化的責任
文化面での生活は、その国の経
Herrhausen)「自助のための支援」
済および社会の活力に密接に結び
を通じて社会に貢献している。同
ついている。ドイツ銀行の文化基
基金は、4,000万ユーロ超を拠出す
金は、1994年に設立された。同基
ることにより、1987年以降自助を
金は、約5,000万ユーロの拠出用資
目指す若者を支援してきた。成功
金を有しており、その資金は主に
を収めた「研修制度の機会を増や
現代音楽、美術、文学に充当して
そう!」の活動に始まり、1999年
おり、また、革新的な演劇プロジ
度の目玉プロジェクトは、「若者―
ェクトも対象としている。同基金
学校―産業」というもので、この
プロジェクトでは1,000人の学生が
地域の経済問題について調べた。
社会
このプロジェクトは、本学年度中
ドイツ銀行に関係する各基金による支出およびプロジェクト関連の支出
単位:百万ユーロ
1999
には2,000人超の若者にまで拡大し
た。南北アメリカでは、当行の社
会貢献活動は、1999年にバンカー
ス・トラスト基金を元に設立された
「ドイツ銀行アメリカ基金」が率先
している。英国地域慈善委員会は、
社会的事項
ドイツ銀行アルフレート・ヘールハウゼン基金
「自助のための支援」
ドイツ銀行アメリカ基金
5.3
13.5
慈善委員会英国地域
3.6
アレックス・ブラウン・アンド・サンズ慈善基金
2.0
その他のプロジェクト関連の支出
0.5
英国において当行とその従業員に
文化
代わり社会活動を支援し、組織し
ドイツ銀行文化基金
3.5
ている。1999年度は、「児童虐待防
その他のプロジェクト関連の支出
1.7
止のための全国協会」を重点的に
社会および科学
シュティフターフェアバント・ヒュア・ディ・ドイチェ・
ヴィッセンシャフトへのドイツ銀行の研究基金
5.3
ヴィッテン/へルデッケ大学の
ドイツ銀行自営企業研究所
0.6
アルフレート・ヘールハウゼン・ソサイエティ・
フォア・インターナショナル・ダイアログ
0.8
環境
ISO14001、ヤング・ヨーロピーアンズ・
エンバイロメンタル・リサーチ(YEER)、ワールドワイド・ヤング・
リサーチャーズ・フォア・エンバイロメント(WYRE)
2.3
47
は、「ニューミュージック」を演奏
ュート(Städel Art Institute)の緊
する民間資金によるオーケストラ
急の改装工事を支援した。
であるアンサンブル・モダーン・
オーケストラの設立を支援した。
同基金は、ペーター・シュタイン
当行は、学術活動を支援するこ
監督の「ファウスト」全話を舞台
とにより、社会が既存の諸問題に
化するという意欲的なプロジェク
対しより良い解決策を見出す一助
トに関して基本的な資金供給を行っ
となることを目指している。1999
た。この舞台は、Expo2000世界博覧
年にはドイツ銀行のシュティフタ
会において実現することになって
ーフェアバント・ヒュア・ディ・
おり、その後ベルリンおよびウィ
ドイチェ・ヴィッセンシャフト
ーンで上演される予定である。
文化基金の後援分野
1995年―1999年:329件のプロジェクト
演劇 8%
文学 12%
音楽 40%
美術 25%
その他 15%
48
社会と学術
( Stifterverband für die Deutsche
当行は、「職場にアートを」のモ
Wissenschaft)財団基金は、当基
ットーに基づき、20年間現代美術
金が資金を提供しているフランク
のコレクションを築き上げてきて
フルト/オーデル大学院が研究中
おり、現在約850の事務所の45,000
の「東欧における資本市場」とい
点以上の作品を保有している。展
うリサーチに注目した。この種の
示会、印刷物、催し物により、こ
唯一の研究所であるヴィッテン/
のコレクションは有名になってい
へルデッケ大学の「ファミリー・
る。当行は、ソロモン R.グッゲ
オウンド・ビジネス(個人経営企
ンハイム基金と協力し、ドイツ・
業)のためのドイツ銀行研究所
グッゲンハイム・ベルリン美術館
( The Deutsche Bank Institute for
において、ウンター・デン・リン
Family-Owned Businesses)」は、3
デン(Unter den Linden)展示室用
つの教授職で構成され、個人経営
に特別に構想された委託作品を含
企業の経営状態を調査するための
む年4回の展覧会を開催した。ドイ
合同研究、教授、コンサルティン
ツ銀行は、フランクフルト・ア
グを行っている。非営利のアルフ
ム・マインのゲーテ生誕250周年を
レート・ヘールハウゼン・ソサイ
記念する祝典の出資パートナーの
エティ・フォア・インターナショ
一員でもあった。当行は、1815年
ナ ル ・ ダ イ ア ロ グ( A l f r e d
に創立された世界有数の美術館の
Herrhausen Society for International
一つであるフランクフルトのシュ
Dialogue)は、1992年から活動し
テーデル・アート・インスティテ
ており、1999年の中心的テーマは
社会
資本主義の将来であった。独立し
を示すものである。マイクロクレ
たヒストリカル・インスティテュ
ジット・ディベロップメント・フ
ー ト ( Historical Institute) が 歴 史
ァ ン ド ( Microcredit Development
的な公文書を保管し、当行の歴史
Fund)は、資金調達のアクセスを
についての真実の記録を残すため
持たない起業家に対しミクロ・ク
独自および外部のリサーチを進め
レジットを提供することにより発
ている。主要課題の一つは、国家
展途上国の安定的経済構造の発展
社会主義下でのドイツ銀行の活動
において貴重な貢献を行っている。
についての研究である。
「 チ ル ド レ ン ズ ・ ア ワ ー
(Children's Hour)」は、各個人がミ
環境保護
レニアムの最後に得た収入を子供
当行の環境へのコミットメント
達のために寄付するように働きか
は、全部門を通じ浸透している。
けた。ドイツ銀行は、この国際キ
1999年5月にISO 14 001国際規格の
ャンペーンの設立パートナーの一
認可を受けた環境経営システムに
員で、このプロジェクトを軌道に
より、当行は、数々の環境対策と
乗せるために主にドイツ国内と米
その発展に貢献している。地域社
国 で 500,000米 ド ル を 寄 付 し た 。
会へのコミットメントの重要性を
「ウイメン・オン・ウォールストリ
明確にする上で、当行は、「ユーゲ
ート(Women on Wall Street)」を
ン ト ・ フ ォ ル シ ュ ト ( Jugend
通じて、当行は、米国の女性幹部
forscht)」基金と協力して、「ワー
社員と顧客との間のネットワーク
ルドワイド・ヤング・リサーチャ
の構築を支援している。本年度中
による支出
ーズ・フォア・エンバイロメント
に、当行は、「ウイメン・イン・ヨ
単位:百万ユーロ
(Worldwide Young Researchers
ーロピアン・ビジネス(Women in
for Environment)」というコンペ
European Business)」 と 称 す る 同
を催し、世界各地からの若い科学
様の活動を開始する。
Stifterverband für die Deutsche
Wissenschaft中のドイツ銀行財団基金
5.8
5.3
5.2
5.1
者が環境プロジェクトのために尽
5
4.9
力する支援を行っている。
特別プロジェクト
4
主要プログラムと並んで、個々
のプロジェクトは、ドイツ銀行の
コミットメントが単なる金融分野
に留まるものではないということ
3
’95
’96
’97
’98
’99
49
取締役による概況説明
1999年度を特徴づけたのは、ド
さらに、1999年7月1日付で当行
前年度より19.5%増加して66億ユ
イツ銀行グループにとって重要な
は、支払・証券処理業務を
ーロとなった。この増加のほぼ半
意味を持った意思決定であった。
European Transaction Bank AG
分は、バンカース・トラストおよび
バンカース・トラストの取得に伴
(ETB)に譲渡した。ETBは従業員
Deutsche Bank S.A./N.V.(ブリュ
って当行は、米国市場での強い地
3,000人で営業を開始した独立会社
ッセル)を主とした初回連結会社
位という目標を実現した。また支
である。ETBはドイツ銀行グループ
によるものであった。このほかに
払業務分野で世界的に主導的な地
が自由に利用できるだけでなく、
純利息収益に寄与したのは、法人
位へと前進した。
自らこうした処理業務を手がける
顧客および機関顧客業務の規模拡
ことを望まない他の銀行に対して
大による増収や、投資による収益
も取引サービスを提供する。
の増加であった。
バンカース・トラストのいくつか
の事業拠点が、特にニューヨーク
およびロンドンで、ドイツ銀行や
当年度、当行は対外資本投資を通
その他のグループ会社の事業拠点
じて事業基盤を大幅に拡大した。こ
と併合された。バンカース・トラス
れは、特にバンカース・トラストの
トの統合から期待された相乗効果
取得によるものであり、そのことは、
額で616百万ユーロであった。信用
は現われ始めている。
増加した純手数料収益81億ユーロ
リスクのための要引当額は11億ユ
にはっきりと示された。当行は、
ーロであり、特に国内与信業務に
219億ユーロの増収に成功した。
おける価値修正および引当の増加
1999年1月1日付でドイツ銀行は、
ドイツ国内の一般個人顧客向けバ
貸倒引当金繰入は、当年度、純
により、前年度数値を上回った。
ンキング事業をBank 24 AGに分割
譲渡した。これは、支店の一連の
貸倒引当金繰入
純利益
一方、カントリー・リスクについて
は、信用エクスポージャーの削減、
サービスや助言に関する専門的知
グループは過去最高の純利益26
識と、直接銀行の常時利用可能性
億ユーロを達成した。前年度の好
行内の国別格付システム改良によ
や専門化したサービスとを結合し
成績は特別利益によるものであっ
り、3億ユーロの戻入れが必要とな
たものである。同社は社名を
たが、当年度はこれに対してほぼ
った。グループの貸倒引当金総額
Deutsche Bank 24 AGに変更し、従
50%の伸びを示した。
79億ユーロは貸出金総額の2.8%
(1998年度:2.9%)をカバーして
業員17,500人、顧客680万人、総資
産430億ユーロをもって業務を開始
した。
50
貸倒引当金繰入前純利息収益
貸倒引当金繰入前純利息収益は、
いる。
1999年度の事業展開
貸出金総額の貸倒は総額8億ユー
6,490億ユーロとなった。
投資による純収益20億ユーロは、
ロであった。これは単に、過年度
に既に引当済みであった引当金の
ために1999年度の負担が少なかっ
ただけである。
債務不履行比率(対貸出金総額)
は0.30%で変わらなかった。
投資による純収益
トレーディング利益
主に、Allianz株式の売却益および、
トレーディング利益48億ユーロ
これよりは少ないがファンド受益
は期待を大幅に超え、対前年度比
証券の売却益によるものであった。
で30億ユーロ(168%)増加した。
1999年度の各四半期において、ト
一般管理費
レーディング・ユニットは10億ユー
一般管理費は、1999年度におい
ロ以上の成果を達成した。証券の
て157億ユーロとなった。この対前
貸倒引当金繰入後純利息収益は
トレーディング業務は27億ユーロ
年度比55.6%の高い伸び率は、そ
27.6%増加して60億ユーロとなっ
と、この成果に対して最大の貢献
の大部分が、バンカース・トラスト
た。
をし、再度その中心となったのは
などの初回連結によるものであっ
株式トレーディング業務であった。
たが、それだけでなく、為替レー
外国為替、金属および外貨(紙
トの上昇によって国外の一般管理
純手数料収益は前年度の好数値
幣/硬貨)のトレーディング業務
費が増加したことも一因となった。
を52.2%上回った。その結果、純
は、ユーロ転換の遺物となった通
これらの影響を調整後で、一般管
手数料収益はグループ最強の収益
貨のトレーディングがなくなった
理費は15.4%増加した。
源となった。純手数料収益の増加
にもかかわらず、合計で833百万ユ
28億ユーロのうち18億ユーロが初
ー ロ ( 37.5%増 ) の 貢 献 を し た 。
(97億ユーロ)によるものである。
回連結および為替レート変動によ
前年度、新興市場の混乱により業
この56%の増加は、初回連結およ
るものであり、これらを調整後の
績の上がらなかったその他の金融
び為替レートの影響のほか、主に
伸び率は17%であった。この喜ば
商品のトレーディング業務は、13
投資銀行業務における実績連動報
しい発展は、特に証券業務と資産
億ユーロを生み出した。
酬によるものである。年間平均従
貸倒引当金繰入後純利息収益
純手数料収益
業員数は、対外資本投資により、
運用の手数料によるものであり、
これらは純手数料収益全体の伸び
の80%を占めた。資産運用の取扱
高は、保険業務の資本投資を除き、
一般管理費の優に60%が人件費
保険業務による純収益
16%増加して78,229人となった。
保険業務による純収益は14.6%
増加して385百万ユーロとなった。
51
その他の管理費は51億ユーロと
再構築費用
主要な数値
なった。情報技術のさらなる向上
バンカース・トラストの統合に関
1株 当 た り 純 利 益 は 、 前 年 度 の
は、当行において引き続き高い優
連して計画された相乗効果を達成
3.50ユーロから、営業権償却を除
先順位を有している。従って、こ
するため、かなりの再構築対策が
いて5.05ユーロ(営業権償却を含
の領域への資本投資はかなり増額
求められ、そのために総額12億ユ
めると4.50ユーロ)に改善され、
されている。広告および顧客情報
ーロの準備が必要とされた。この
税引前株主資本利益率(RoE)は
のための費用も増加した。
うち630百万ユーロは初回連結の一
23.3%( 営 業 権 償 却 を 含 め る と
環として営業権に反映され、531百
20.8%)であった。
万ユーロが損益計算書上、費用と
費用/収益比率は現在、より広
前年度、Daimler-Benz AGの特別
して計上された。さらに、ドイツ
い基礎に立って算定されている。
配当金により利益を受けた雑収入
国内の一般個人顧客向けバンキン
貸倒引当金、再構築費用および税
には、バンカース・トラストの米ド
グ業務の分割譲渡に関連して3億ユ
金を除いて、すべての収益費用項
ル建ての購入価額に対するヘッジ
ーロの再構築費用が発生した。
目がこの主要数値に含まれている。
その他の収益/費用
この新たな方法を用いて算定され
による利益6億ユーロが含まれてい
た。
法人所得税費用
た費用/収益比率は、営業権償却
税金費用は34.3%減少して15億
を 除 い て 73.6%( 1998年 度 :
暦2000年対応に関連する費用は、
ユーロとなった。これは特に、ド
69.1%)であった(営業権償却を
384百万ユーロであった。営業権
イツにおける利益に対する法人税
含めると1999年度75.6%)。
473百万ユーロが償却を要し、この
率の低下および非課税収益の割合
うち263百万ユーロがバンカース・
が増加したことを反映したもので
トラストに関するものであった。
あった。
利益
純利益
ユーロ導入と情報技術関連の西
再構築費用及び税金前利益は
税引後純利益は26億ユーロであ
23.3%改善して50億ユーロとなっ
り、前年度数値を49.0%上回った。
た。
52
1999年度の事業展開
築費用もその負担となって、税引
的な展開による潜在力が、すべて
前経常利益は201百万ユーロとな
の中核的領域において一貫して開
ドイツ銀行の配当可能利益を、1株
り、前年度数値を375百万ユーロ下
発されたことによるものである。
当たり1.12ユーロから1.15ユーロへ
回った。
税引前経常利益2,225百万ユーロ
連結利益
2000年6月9日の株主総会には、
は、これを背景に、前年度の4倍を
増額された配当金の支払に充てる
ことを提案する。転嫁可能な法人
法人顧客および不動産
超えた。ここで、多額の営業権償
所得税1株当たり0.49ユーロを含め
法人顧客および不動産部門(グ
却および再構築費用は量的な意味
ると、国内株主の利益は合計で1株
ループ部門)では、経常利益は、
において償われた。同グループ部
当 た り 1.64ユ ー ロ ( 1998年 度 :
前年度に比して124百万ユーロ改善
門の費用/収益比率も著しく改善
1.61ユーロ)であった。
され、927百万ユーロとなった。不
された。これは、実績連動賞与支
動産部門におけるオープン・エンド
払による一般管理費の大幅な増加
一般個人顧客および富裕層向け
型およびクローズド・エンド型のフ
にもかかわらず、効率の大幅な向
バンキング
ァンド販売による高収益に加え、
上が達成されたことを示している。
一般個人顧客および富裕層向け
金融サービス部門ではヨーロッパ
また、同グループ部門の素晴らし
バンキング部門(グループ部門)
および米国での規模拡大戦略が功
い成果は、RoEが14%ポイント増
は、再構築と規模拡大の段階にあ
を奏し、上記の喜ばしい発展に対
加して21%となったことにも反映
る。Deutsche Bank 24 分割譲渡の
して特段の貢献をなした。
された。
Deutsche Bank S.A./N.V.(旧称
グローバル・コーポレート
資産運用
Crédit Lyonnais Belgium)の統合に
&インスティテュ−ションズ
成功、バンカース・トラストおよび
資産運用部門(グループ部門)
伴う富裕層向けバンキング業務の
グローバル・コーポレート&イ
は、力強い成長とバンカース・トラ
加速度的な規模拡大、ならびにフ
ンスティテュ−ションズ部門(グ
スト業務の統合とによって、世界
ランス、ポーランドおよびスペイ
ループ部門)の素晴らしい発展は、
のリーダー的資産運用会社の一つ
ンにおける規模拡大が、特筆に価
一つには、バンカース・トラストの
となった。バンカース・トラストの
する。結果として、一般管理費は
迅速な統合の成功によるものであ
統合は、特に米国および日本にお
前年度に比較して大幅に増加した。
る。いま一つは、過年度の資本投
ける業務拡大につながった。さら
これと関連させて捉えるべき再構
資による、また金融市場での積極
に、市場がプラス方向に推移した
53
ことにより、ファンドの取扱高が
に、ドイツ最大の取引銀行である
BIS規制リスク加重調整済ポジシ
著しく増加した。これを背景に、
European Transaction Bank (ETB)が
ョン(リスク加重調整済資産およ
税引前経常利益は喜ばしい伸びを
1999年度に設立され、他の銀行に
びマーケット・リスク・ポジション)
示し、前年度より202百万ユーロ増
対してサービスを提供しており、
の増加率は15.1%であり、総資産
加して581百万ユーロとなった。一
これによって大規模な対外収益が
の増加率を大幅に下回った。アセ
般管理費の上昇は特に、バンカー
生み出されることになる。グロー
ット・バック証券取引が、リスク加
ス・トラストの統合を背景として捉
バル・テクノロジー&サービス業
重調整済資産を削減するために利
える必要がある。費用/収益比率
務部門は、将来の電子商取引市場
用された。
は59%であり、この領域について
向け商品の開発および拡大に高い
有価証券所有高の増加(398億ユ
は同グループ部門が第 1位であっ
優先順位を置いている。税引前経
ーロ増)とデリバティブのプラス
た。
常利益は前年度より106百万ユーロ
の時価の増加(224億ユーロ増)と
減少して–16百万ユーロとなった
によって、ディーリング目的所有
グローバル・テクノロジー&
が、これは大部分において、これ
資産は2,330億ユーロに増加した。
サービス業務
らの資本投資を背景として捉える
グローバル・テクノロジー&サー
必要がある。
影響を強く受けた。金融サービス
証券直物取引を除く)は2,841億ユ
ーロとなった。この14.3%(356億
ビス業務部門(グループ部門)は
特に、バンカース・トラスト統合の
貸出金総額(逆レポおよび有価
貸借対照表
グループの総資産は、1999年度
ユーロ)の増加は、その大部分が
国外の会社および金融機関に対す
る与信によるものであった。
提供会社との業務を網羅するため、
に2,133億ユーロ(34.0%)増加し
新たに「グローバル・インスティ
て8,399億ユーロとなった。この規
他行からの預金は236億ユーロ増
テューショナル・サービス」部門
模拡大はもっぱら1999年度上半期
加した。これはもっぱら契約期限
が設けられた。その業務ユニット
におけるものであった。下半期に
付セグメントにおけるもので、要
は、保管業務部、グローバル・キ
は、総資産は77億ユーロ減少した。
求払預金は159億ユーロ減少した。
ャッシュ・マネジメント・金融機
バンカース・トラストおよび
その他の顧客預金は2,910億ユーロ
関業務部、投資家サービス業務部
Deutsche Bank S.A./N.V.(ブリュ
となった。これは618億ユーロの増
ならびにコーポレート・トラスト
ッセル)を主とした初回連結は、
加に相当し、このうち、ほぼ300億
および代理サービス業務部である。
この規模拡大に約820億ユーロ貢献
ユーロがそれぞれ要求払預金と契
この部門は同グループ部門の対外
した。
約期限付預金によるものであった。
収益の大部分を生み出した。さら
54
1999年度の事業展開
金融市場証券および債券を通じ
ての資金獲得の可能性をより広範
に活用した結果、証書債務は611億
ユーロ増加して1,641億ユーロとな
った。
8本の劣後証券24億ユーロが、国
外グループ会社を通じて発行され
た。初回連結による52億ユーロを
含めて、劣後資本は総額155億ユー
ロに増加した。
所有上場有価証券の時価は609億
ユーロであり、対応する簿価は426
億ユーロであった。この結果、183
億ユーロ(1998年度末:193億ユー
ロ)の含み益が生じている。
株主資本
1999年4月に実施された増資によ
り33億ユーロが株主資本に受け入
れられた。また、1999年度の純利
益から利益剰余金へ18億ユーロを
繰り入れることにより資本基盤が
強化された。この結果、株主資本
は231億ユーロとなった。
BIS規制株主資本は58億ユーロ増
加して352億ユーロとなった。資本
比率12.0%は、最低比率8%を十分
に上回っている。
55
損益計算書
ドイツ銀行グループ
損益計算書
単位:百万ユーロ
純利息収益
貸倒引当金繰入
[注記]
[3], [9], [15]
[4], [16]
貸倒引当金繰入後純利息収益
自1999年1月1日 自1998年1月1日
至1999年12月31日 至1998年12月31日
6,619
5,539
616
835
6,003
4,704
純手数料収益
[17]
8,084
5,311
トレーディング利益
[18]
4,761
1,774
保険業務による純収益
[19]
385
336
[6], [20]
2,007
1,182
[7], [8], [21]
15,746
10,121
[8], [22]
– 523
846
4,971
4,032
884
–
4,087
4,032
1,516
2,306
2,571
1,726
特別利益
–
–
特別利益に対する法人所得税
–
–
2,571
1,726
1999年度
1998年度
投資による純収益
一般管理費
その他の経常収益/費用の差額
再構築費用および税金前利益
再構築費用
[23]
税引前経常利益
経常利益に対する法人所得税
[24]
税引後経常利益
純利益
純利益の処分
単位:百万ユーロ
[25]
純利益
2,571
1,726
少数株主持分に帰属する利益
50
38
少数株主持分に帰属する損失
5
2
1,820
10
706
1,680
1999年度
1998年度
5.05
4.25
4.86
4.09
3.50
3.17
3.50
3.17
利益剰余金繰入
連結利益
1株当たり純利益の数値
単位:ユーロ
1株当たり純利益(営業権償却を除く)
1株当たり純利益(営業権償却を含む)
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を除く)
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を含む)
56
[26]
連結決算書
貸借対照表
ドイツ銀行グループ
資産
単位:百万ユーロ
現金および預け金
[注記]
1999年12月
1998年12月
31日現在
31日現在
[27]
21,879
20,175
他行への預け金および貸出金
[3], [28]
115,453
92,697
顧客に対する貸出金
[3], [29]
352,371
274,825
貸倒引当金総額
[4], [32]
– 7,850
– 7,158
ディーリング目的所有資産
[5], [33]
233,000
169,003
投資
[6], [34]
70,206
45,309
無形固定資産
[7], [35]
8,536
1,754
有形固定資産
[8], [36]
9,049
5,560
保険会社の資本投資
[37]
21,472
16,718
法人所得税資産
[38]
7,277
2,750
その他の資産
[39]
8,472
4,970
839,865
626,603
1999年12月
1998年12月
31日現在
31日現在
資産合計
負債および資本
単位:百万ユーロ
他行からの預金
[10], [42]
174,655
151,032
その他の顧客預金
[10], [43]
291,042
229,208
証書債務
[10], [44]
164,060
102,947
ディーリング業務による債務
[11], [45]
123,268
81,555
引当金
[12], [46]
31,755
24,598
法人所得税負債
[47]
7,852
4,325
その他の債務
[48]
7,705
7,842
劣後資本
[49]
15,504
7,186
少数株主持分
877
269
23,147
17,641
1,573
1,363
資本剰余金
10,438
7,265
利益剰余金
10,430
7,333
706
1,680
839,865
626,603
株主資本
[50]
引受済資本金
連結利益
負債および資本合計
[25]
57
株主資本変動計算書
ドイツ銀行グループ
株主資本変動計算書
単位:百万ユーロ
[注記50]
1999年度
1998年度
17,641
16,405
グループ株主資本前期末残高
引受済資本金
ドイツ銀行の引受済資本金の増加
+
210
+
4
+ 3,173
+
110
純利益から利益剰余金への繰入
+ 1,820
+
10
為替換算差額
+
–
127
その他の変動
+
42
+
連結利益
+
706
+
1,680*
ドイツ銀行の配当
–
600
–
489
資本剰余金
引受済資本金の増加による
株式プレミアムの資本剰余金への繰入
利益剰余金
グループ株主資本当期末残高
* 1999年の株主総会決議による利益剰余金繰入額1,080百万ユーロを含む。
58
155
23,147
48
17,641
連結決算書
キャッシュ・フロー計算書
ドイツ銀行グループ
キャッシュ・フロー計算書
単位:百万ユーロ
[注記51]
1999年度
1998年度
2,571
1,726
9,051
19,500
– 1,787
– 4,190
4,009
3,898
202
5,230
純利益
純利益中のキャッシュを伴わない項目および
純利益を営業活動から得たキャッシュ純額に調整するための修正
評価減、減価償却、修正、評価増および引当金の変動
その他のキャッシュを伴わない項目の変動
投資および有形固定資産の売却益
その他の修正(純額)
小計
キャッシュを伴わない構成要素修正後の営業活動による
資産および債務の変動
受取債権
他行
顧客
ディーリング目的所有有価証券
営業活動によるその他の資産
債務
他行
顧客
約束手形およびその他の証書債務
営業活動によるその他の債務
利息および配当金の受取
利息の支払
特別収入
特別支出
法人所得税の支払
–
–
25,145
4,201
22,137
50,325
12,226
15,338
– 9,654
– 10,645
– 42,996
209
24,268
29,622
43,265
3,410
32,135
– 25,516
1,082
– 1,605
– 1,467
43,289
6,568
24,857
2,299
27,927
– 22,388
1,652
–
808
– 1,153
30,313
23,358
–
–
–
–
営業活動から得たキャッシュ純額
売却収入
投資
有形固定資産
取得支出
投資
有形固定資産
連結に含まれるグループ会社の変更による影響
その他の投資活動(純額)
30,005
1,598
11,865
659
– 50,356
– 5,972
– 5,271
– 4,754
– 22,090
– 1,709
5
– 2,329
投資活動に投入したキャッシュ純額
– 34,750
– 13,599
株式発行収入
支払配当金
その他の財務活動(純額)
–
3,383
600
3,318
–
115
489
572
財務活動から得たキャッシュ純額
6,101
198
現金および現金同等物前期末残高
20,175
10,272
30,313
– 34,750
6,101
40
23,358
– 13,599
198
–
54
21,879
20,175
営業活動から得たキャッシュ純額
投資活動に投入したキャッシュ純額
財務活動から得たキャッシュ純額
為替レート変動の現金および現金同等物に対する影響
現金および現金同等物当期末残高
59
注記
ドイツ銀行の1999年度連結決算
の他の収益/費用の差額」として
ス・トラスト・グループの国内企
書は、貸借対照表日現在効力を有す
表示されていた項目を包含してい
業12社および外国企業557社が新た
る国際会計基準(IAS)に準拠して
る。国際的に解釈が限定的である
に連結された。
作成されており、従って、ドイツ商
ことから、当期は、特別利益に区
法第292a条に規定する、ドイツ商
分される収益および費用はない。
Lyonnais Belgium S.A.(ブリュッセ
法に準拠した連結決算書の作成が免
前年度の数値は、損益計算書の新
ル)を購入、統合し(同社はその
除されるための要件を満たしてい
たな表示方法に合わせて修正され
間にDeutsche Bank S.A./N.V.と名称
る。その上に、欧州連合の開示要求
ている。
変更された)、またその子会社であ
このほか、1999年度初頭にCrédit
IAS準拠の連結決算書とドイツの
る DB Finance( Luxembourg) S.A.
ここに記載した連結決算書は、初
報告基準準拠の連結決算書との相違
( ル ク セ ン ブ ル グ )、 DB Services
めてユーロ単位で作成された。公表
は、121ページの調整注記において
S.A./N.V.(ブリュッセル)および
数値は、明瞭性のため百万ユーロ
詳述されている。
Atomium plc(ダブリン)を購入し
も満たしている。
統合した。
(C)単位で表示されている。現行
の効力を有するIASはすべて適用さ
[1]連結に含まれている会社
さらに連結会社グループは、
れている。可決されたがまだ拘束力
連結決算書には、ドイツ銀行のほ
1999年度にともに取得されたBCH
を持たない基準の早期適用はしてい
かに国内企業94社(1998年度:134
Group plc(ブリストル)およびそ
ない。
社)および外国企業873社(1998年
の 子 会 社 で あ る BCH Vehicle
1999年度年次報告書におけるド
度:280社)が含まれていた。国内
Management Ltd.(ブリストル)を
イツ銀行グループ損益計算書の構
企業28社および外国企業622社が新
含め、また1998年12月下旬に子会
成は、国際的実務慣行に沿ったも
たに連結された。国内企業68社お
社9社とともに取得されたBoullioun
の と な っ て い る 。「 投 資 に よ る 純
よび外国企業29社が連結会社グル
Aviation Services, Inc.( ベ ル ビ ュ
収益」が経常利益計算に含まれ、
ープから外された。
ー/米国)を含めることで拡大し
た。
損益計算書上、独立科目として表
連結会社のグループは主に会社
示されたことは、銀行の投資ポー
取得によって拡大した。これは、
Deutsche Wohnen AG(エシュボ
トフォリオの積極的な運用が重要
持 株 会 社 で あ る Bankers Trust
ル ン ) お よ び そ の 子 会 社 6社 は 、
性を増してきていることを反映し
Corporation(ニューヨーク)の購
Deutsche Grundbesitz Management
て い る 。「 そ の 他 の 経 常 収 益 / 費
入を通じてバンカース・トラスト・
GmbH(エシュボルン)との支配契
用の差額」は、従来「その他の営
グループを統合したことに関連し
約に基づいて連結された。
業収益/費用の差額」および「そ
ている。これにより、バンカー
60
このほかに以下の会社が新たに連
連結決算書
結された:
行 を 事 業 目 的 と す る 会 社 16 社 :
ツ銀行の連結決算書に含めるため
−DB( Asia Pacific)Training Centre
Deutsche Bank Capital LLC I, II, III,
の基準に該当しなくなったためで
IV, Vお よ び Deutsche Bank Capital
あ る 。 特 別 目 的 会 社 1社が新たに
Funding LLC I, II, III、ならびにそれ
含まれた。
Pte. Ltd.(シンガポール)
−DB Immobilien GmbH(フランク
ぞれの同名の持株信託会社。
フルト・アム・マイン)
−DBPB Services S.A.(ジュネーヴ)
Deutsche Morgan Grenfell Group
−DB Re S.A.(ルクセンブルグ)
は、連結上3社を追加し、18社を除
−DB Vehicle Solutions Ltd.(ロンド
外 し た 。 DB Industrial Holdings
ン)
Groupでは2社が新たに連結された。
−DB Servicios de Consultoría e
Informática, S.A.(バルセロナ)
Deutsche
Asia
Pacific
Holdings
Groupは連結上4社を追加し、5社を
さらに以下の会社が連結から除外
された:
−Elektro-Export-Gesellschaft mbH
(ニュルンベルク)
−Süddeutsche Vermögensverwaltung GmbH(フランクフルト・ア
ム・マイン)
−Deutsche Bank S.A.(パリ)
除 外 し た 。 Deutsche Australia
−Rangegrow(ロンドン)
。
−Deutsche Holdings(BTI)Ltd.( ロ
Groupは連結上11社を追加し、1社
KCB-Beteiligungs-Aktiengesell-
を除外した。
schaft(ドゥイスブルク)はAlma
ンドン)
Deutsche Bank Americas Groupで
Beteiligungsgesellschaft mbH(フラ
は連結上13社が追加され、この中に
ンクフルト・アム・マイン)に合併
は 上 に 挙 げ た Boullioun Aviation
さ れ 、 同 社 が ま た Deutsche Bank
Aktiengesellschaft(エシュボル
Services Groupが含まれ、1社が除
Aktiengesellschaft(フランクフル
ン)
外された。サブ・グループである
ト・アム・マイン)に合併された。
−Deutsche Software(India)Private
Ltd.(バンガロール)
−EuropeanTransaction Bank
−RILENO S.p.A.(ミラノ)
Deutsche Bank Canada(トロント)
−Servicegesellschaft der Deutsche
で は 、 2社 が 新 た に 加 え ら れ た 。
Bank 24 mbH(ボン)
−Taunus Corporation( ウ ィ ル ミ ン
−DB Services S/C Ltda.( サンパウ
Versicherungsholding der Deutschen
ロ)がDeutsche Bank S.A. - Banco
Bank Aktiengesellschaftでは新たに2
Alemão(サンパウロ)に合併
社を連結した。
トン/米国)
さらに以下の合併があった:
−DB
Leasing
-
Sociedade
de
der
サブ・グループであるDeutsche
Deutschen Bank mbH(フランク
Immobilien Leasing GmbH( デ ュ
S . A .( リ ス ボ ン )が D e u t s c h e
フルト・アム・マイン)
、
ッセルドルフ)は、64社の特別目
Bank de Investimento, S.A.(リス
および、米国ウィルミントンに本社
的会社を連結から除外した。それ
ボ ン )に 合 併 さ れ 、 D e u t s c h e
を置き、ハイブリッド資本証券の発
は、その株主構成の変動後、ドイ
Bank(Portugal), S.A.に名称変更
−Telefon-Servicegesellschaft
Locaçáo
Financeira
Mobiliária,
61
−Deutsche Bank France S.A.(パリ)
割合は約0.2%である。このほか71
された。これらの企業の決算書は、
がDeutsche Bank AGのパリ支店
社が、議決権の行使が制限されてい
グループの会計方針に統一するため
に合併。
るか、あるいは株式が再売却の目的
の修正がなされていない。関連会社
バンカース・トラストの編入を主
で所有されているとの理由により、
68社への投資については、重要性
とした連結会社の増減は、以下の通
IAS第27号に基づき連結から除外さ
がないため持分法による評価は行わ
り、グループ貸借対照表の主要科目
れた。
れなかった。
に影響を与えた。
持分法適用会社のグループには以
全持株リストは、フランクフル
下の会社が含まれている:
ト・アム・マインの商業登記所に提
Deutsche Bank S.A./N.V.(ブリュッ
−Asia Leasing Ltd.(ハミルトン)
出されている。それは159ページの
セル)を初めて連結したことにより
−Baranka N.V.(ロッテルダム)
申込用紙を用いて無料で請求でき
計上された、それぞれ68億ユーロ
−Cassa di Risparmio di Asti S.p.A.
る。
バンカース・トラストおよび
および2億ユーロの営業権は、15年
にわたり償却される。
バンカース・トラストの営業活動
の成果は、グループ損益計算書に取
得時(効力発生日1999年6月4日)
から含められている。
(アスティ)
[2]連結の原則
−IMLY B.V.(ロッテルダム)
−Mastheads General Partnership
(ジョージタウン/ケイマン諸島)
−Singapore Aircraft Leasing Enterprise Pte. Ltd.(シンガポール)
。
国内および外国の関係会社合計
Deutsche Financial Capital L.L.C.
557社は、資産、負債および資本、
(グリーンズボロ)は、重要性がな
財政状態ならびに損益状況に対して
くなったため、持分法による評価の
重要性がないため、連結されていな
適用対象から外された。
い。グループの連結総資産に占める
合計21社が持分法に従って計上
連結会社の増減による貸借対照表の主要科目への影響
単位:十億ユーロ
顧客に対する貸出金
+ 27
ディーリング目的所有資産
+ 29
投資
+ 12
有形固定資産
+ 4
その他の顧客預金
+ 35
証書債務
+ 19
ディーリング業務による債務
+ 17
劣後資本
+ 5
総資産
+ 82
62
資本の連結は、帳簿価額法を用い
て実施されている。1999年に初め
て連結された会社については、各々
の取得日が基準として用いられた。
営業権は定額法で償却されている。
連結決算書
グループ内債権および債務、費
[4]貸倒引当金
金銭債権およびオフ・バランスシー
貸倒引当金は、価値修正、すべて
トのポジション(例えば、金利また
重要性のないものを除き消去され
の認識可能な信用およびカントリ
は通貨取引、保証および信用状)を
ている。保険会社の決算書は、価
ー・リスク引当金および潜在的債務
対象としている。
格変動引当金を除き変更を加えず
不履行リスク引当金で構成されてい
に連結決算書に含められている。
る。
用および収益ならびに内部損益は、
[5]ディーリング目的所有資産
ディーリング取引はすべて公正価
この業務の特殊性のため、保険会社
信用リスク引当金は、グループ全
のグループ内取引のポジションの相
体に一律に適用される慎重な基準に
値で貸借対照表に計上されている。
殺は原則として行われていない。
従い、債務不履行予想額で計上され
ディーリング目的所有資産およびデ
ている。
ィーリング業務による債務は、強制
外国への貸出に関する移転リスク
力のある相殺権があり、かつその相
他行への預け金および貸出金およ
(カントリー・リスク)は、各国の
殺が、期待される実際の将来キャッ
び顧客に対する貸出金は、必要に応
経済、政治、地域情勢を考慮に入れ
シュ・フローを合理的に反映してい
じ貸倒れ控除後の額面金額または原
た格付システムに基づいて評価され
る場合、相殺されている。
価により計上されている。割増額お
ている。
[3]貸出金
[6]投資
よび割引額は繰延べられ、期日まで
貸出業務における潜在的信用リス
の期間にわたって利息として計上さ
クは、過去の債務不履行の経験に基
非連結の関係会社株式は原価で計
れ て い る 。 期 日 前 補 償 金 は 4年間
づくグループ会社の評価を基準とし
上されている。関連会社は持分法で
(平均残存期間)にわたって収益計
て、包括的価値修正により引当金計
評価されて連結決算書に含められて
上されている。
いる。ただし、重要性が乏しい場合
上されている。
法的請求権がある場合でも、受取
貸倒引当金総額に計上される金額
原価で評価されている。一時的でな
利息はその実現の見込みがほぼ確実
は、将来発生が見込まれる債務不履
い減価の場合は評価減の処理が行わ
とならない限り収益として計上され
行見積り額、経済情勢、様々な貸出
れる。
ない。
金ポートフォリオの構成、特性、成
績およびその他の重要な要因によっ
て算出されている。この評価では、
63
投資目的の公社債およびその他の
一時的でない可能性が高い減価の
確定利付有価証券、株式およびその
場合は、計画外の評価減が行われ
他の変動利付有価証券ならびにその
る。
他の持分は原価で計上されている。
ただし、永久的減価については評価
[8]有形固定資産
減が行われている。評価減処理を行
有形固定資産は、取得原価から該
った理由が該当しなくなった場合
当する計画的減価償却を控除した額
は、残高の評価増が行われる。
で計上されている。資産は各々の見
積耐用年数にわたって定額法により
[7]無形固定資産
減価償却されている。
有形固定資産の各資産の耐用年数
有償で取得した無形固定資産
は、取得原価から該当する計画的
の決定に当たっては、物理的年数、
減価償却を控除した額で計上され
技術の進歩ならびに契約上および法
ている。
律上の制限を考慮している。
自社開発のソフトウェアは、それ
一時的でない可能性が高い減価の
により当行に経済的便益の生じる可
場合は、計画外の評価減が行われ
能性が高く、かつその製造原価を信
る。
有形固定資産を維持するために要
頼性をもって測定できる場合、資産
計上されている。ソフトウェアは、
した支出は、それが資産の性質を変
見積有用期間である3年から5年に
えずしかも規則的に発生する限り、
わたって定額法により償却されてい
費用として処理されている。
る。
企業取得による営業権は15年に
わたって定額法により償却されてい
る。経済的に独立した事業単位の取
得による営業権は、5年にわたって
定額法により償却されている。
[7]無形固定資産
償却年数
単位:年
営業権
5 または15
自社開発のソフトウェア
3–5
その他の無形固定資産(ライセンスおよび権利)
3–6
64
連結決算書
れている。
[8]有形固定資産
通常耐用年数
単位:年
土地および建物
25–50
EDP機器
2–6
その他の事務所用什器備品
3–10
[12]引当金
年金債務
年金および類似の債務に対する引
当金は、保険数理の原則に準拠して、
予測単位積増方式によって計算され
が帰属するリース資産(オペレーテ
ている。原則として、適用される昇
ィング・リース)は、有形固定資産
給率、年金調整率、割引金利は、特
として計上されている。減価償却は、
定国の状況が反映されている。グル
利益が貸手にあるリース契約(オペ
各々の固定資産に適用される原則に
ープの中には、国の規則に従って年
レーティング・リース)に基づく資
準拠して行われている。リース料は
金給付基金を設定している企業もあ
産のリース料は、借手では賃借費用
使用に応じて収益に計上されてい
る。
として処理されている。
る。
[9]リース業務
借手の場合
リース資産の所有に伴うリスクと
その他の引当金
貸し手の場合…
...ファイナンス・リース
[10]預金、証書債務
これらの科目は、返済金額または
IASに準拠すれば、リース資産
額面金額で評価されている。割引発
の所有に伴うリスクと利益がほと
行による債券および類似の債務は現
んどすべて借手に移転する場合、
在価値で計上されている。
よる未確定債務または予想損失の金
額で計上されている。
[13]繰延税金
繰延税金は、貸借対照表に着目し
ファイナンス・リースとして扱わ
れる。貸手では、借手に対する債
その他の引当金は、未確定取引に
[11]ディーリング業務による債務
た一時的差異の概念によって計算さ
権が、残存価額を考慮した約定支
ディーリング業務はすべて公正価
れている。そこでは、資産および負
払金額の現在価値で、計上されて
値で計上されている。ディーリング
債の残高が、各グループ会社に関連
いる。
業務による債務には、ディーリング
する税務上の残高と比較される。こ
目的所有資産と相殺された場合を除
の評価差額から一時的差異の額が算
くデリバティブのマイナスの時価、
定され、これについて、その解消さ
およびショート・ポジションが含ま
れる時期に関わりなく、繰延税金資
...オペレーティング・リース
IAS原則に準拠して貸手に所有権
65
産または繰延税金負債が計上されね
ばならない。繰延税金は、負債法に
従い、特定国における将来の税率を
用いて計算されている。繰延税金資
産は、法人所得税が同一の課税機関
によって徴収される場合、繰延税金
負債と相殺されている。
[14]通貨の換算
外貨建資産・負債および未決済の
直物為替取引は、原則として貸借対
照表日現在の直物相場仲値で、為替
予約取引は貸借対照表日現在の先物
相場で換算されている。
連結決算書においては、連結外国
会社の貸借対照表科目および損益計
算書科目は、それぞれの貸借対照表
日現在の仲値でユーロに換算されて
いる(決算日法)。損益計算書の主
要科目に対する為替レート変動の影
響は、注記に記載されている。資本
連結から生じる換算損益は利益剰余
金と相殺されている。営業権の換算
は、取得時現在の為替レートにより
行われている。負債および損益の連
結から生じる換算損益は損益に影響
を与えないように処理されている。
66
連結決算書
損益計算書注記
[15] 純利息収益
[15] 純利息収益
単位:百万ユーロ
利息収益
貸出および金融市場業務
確定利付有価証券
配当等収益
株式およびその他の変動利付有価証券
持分出資
持分法適用会社出資
関係会社出資
利息費用および類似の費用
預金
1998年度
29,592
26,227
27,742
25,068
1,850
1,159
1,502
705
1,221
442
154
213
96
38
31
12
24,905
21,827
17,601
15,956
証書債務
6,305
5,354
劣後資本
999
517
430
434
リース業務利益
リース業務による当期収益
1,112
995
リース資産の減価償却費
441
424
リース業務によるその他の費用
241
137
6,619
5,539
1999年度
1998年度
損益計算書の借方に繰入
2,079
1,983
損益計算書の貸方に戻入
1,321
1,167
50
36
為替ヘッジによる利益(−)/ 損失(+)
– 92
+ 55
合計
616
835
合計
[16] 貸倒引当金
1999年度
[16] 貸倒引当金
単位:百万ユーロ
償却済債権取立額
前年度「その他の営業利益/費用」に含まれていた、通貨エクスポージ
ャーをユーロ建てで引き当てるための為替レートヘッジによる利益/損失
は、貸倒引当金の一部として計上されており、比較数値もこれに従って修
正されている。
67
[17] 純手数料収益
[17] 純手数料収益
単位:百万ユーロ
1999年度
1998年度
証券業務
3,320
2,011
資産運用
2,153
1,237
国内支払業務
700
579
国外商業業務、旅行代金決済業務
336
329
貸出手続および保証
676
543
その他の業務
899
612
8,084
5,311
合計
手数料収益の額は9,205百万ユーロ(1998年度:5,982百万ユーロ)であ
り、対する手数料費用は1,121百万ユーロ(1998年度:671百万ユーロ)で、
主に証券業および代理業務に関するものであった。
次の管理および代理業務が第三者に対して提供された:保管、資産運用、
信託資産管理、抵当権、保険契約および不動産ファイナンス契約の委託、
ならびに合併および買収。
[18] トレーディング利益
[18] トレーディング利益*
単位:百万ユーロ
証券の自己勘定取引
1999年度
1998年度
2,650
958
債務証書および関連するデリバティブ
1,161
174
株式および関連するデリバティブ
1,489
784
833
607
756
568
77
39
外国為替、金属および外貨(紙幣/硬貨)自己勘定取引
外国為替
金属および外貨(紙幣/硬貨)
その他の自己勘定取引業務
1,278
209
OTCデリバティブ/スワップ
744
507
その他の金融取引**
534
– 298
4,761
1,774
合計
* 利息および配当収益、資金調達コストおよびトレーディング業務による手数料を含む。
** 新興市場の外国為替トレーディングによる61百万ユーロを含む。
その他の金融取引は、特に、新興市場のトレーディングおよび金融市場
の証書およびデリバティブのトレーディングからなっている。
68
連結決算書
[19] 保険業務による純収益
[19] 保険業務による純収益
単位:百万ユーロ
正味受取保険料
保険料払戻引当金総額からの分担
資本投資による収益
その他の収益
1999年度
1998年度
4,352
3,225
226
194
2,038
1,493
73
32*
収益合計
6,689
4,944
保険金請求費用
1,526
1,451
保険業務における正味引当金の変動
3,673
2,178
保険業務のための費用
350
245
資本投資のための費用
148
154
その他の費用
180
158
5,877
4,186
保険料払戻前純収益
812
758
保険料払戻費用
427
422
合計
385
336
費用合計
* 1999年度より資本投資による収益として計上されている資本投資の評価益181百万ユーロを修正後。
資本投資による収益の増加により、保険業務による純収益は54百万ユー
ロ(7.1%)増加して、保険料払戻引当金への繰入前で812百万ユーロとな
った。この結果、保険料払戻費用を通じての保険契約者の受取額は、前期
より5百万ユーロ増加して427百万ユーロであった。
[20] 投資による純収益
[20] 投資による純収益
単位:百万ユーロ
1999年度
1998年度
投資による利益/損失
2,062
1,528
投資の評価増/評価減
– 55
– 346
2,007
1,182
合計
1999年度の投資による純収益は、主に、Allianz AG株式の売却益および、
これよりは少ないがファンド受益証券の売却益からなっていた。1998年度
は主に、Hapag-Lloyd AG(ハンブルグ/ブレーメン州)株式の売却益およ
びAllianz株式にかかる収益からなっていた。
69
[21] 一般管理費
[21] 一般管理費
単位:百万ユーロ
人件費
賃金および給料
強制社会保険拠出金
年金およびその他の従業員給付費用
9,670
6,196
8,020
4,795
857
614
793
787
3,189
減価償却費および修正
964
736
事務所用什器備品
633
506
土地および建物
155
96
その他の無形固定資産
140
111
36
23
15,746
10,121
1999年度
1998年度
1,082
2,179
その他の諸資産
合計
費用の差額
1998年度
5,112
その他の管理費
[22] その他の経常収益/
1999年度
[22] その他の経常収益/費用の差額
単位:百万ユーロ
その他の収益
その他の当期経常収益
481
527
雑収入
601
1,652
その他の費用
1,605
1,333
その他の当期経常費用
597
296
営業権償却
473
176
97
103
その他の税金
損失引受による費用
雑損失
差額
3
3
435
755
– 523
846
「特別利益」の解釈が限定的であるため、その重要性および性質から特
別な影響というに値し、そのため「その他の当期経常収益/費用」に計上
されない項目は、「雑収入/雑損失」として表示されており、前年度の比較
数値もこれに従って修正されている。
70
連結決算書
その他の当期経常収益
その他の当期経常収益は特に、土地建物の賃貸料収入および有形固定資
産売却益からなっていた。前年度はこのほかに、Deutsche Bank Argentina
S.A. (ブエノスアイレス)の売却益も含まれていた。
雑収入
雑収入は特に、米ドル建てで契約されたバンカース・トラスト購入価額に
対する為替ヘッジ取引による非経常利益576百万ユーロによるものであっ
た。前年度は、Daimler-Benz AGからの特別配当金(法人所得税の税額控除
を含む)が含まれていた。
その他の当期経常費用
その他の当期経常費用は特に、貸出または証券業務に関係のない未確定
債務および予想損失に対する引当金の繰入、ならびに国外支店に割り当て
られた外貨建ての資本に為替変動が影響を与えたことによる損失からなっ
ていた。さらにこの項目には、Deutsche Wohnen AG(エシュボルン)の
居住用財産の維持費用も含まれている。同社は1999年度から連結会社グル
ープに含められた。
雑損失
雑損失は主に、ユーロへの転換および西暦2000年に関連する費用からな
っていた。1998年度は、年金引当金の評価に関する新たな会計原則(1998
年標準表)の適用による非経常費用が含まれていた。
71
[23] 再構築費用
[23] 再構築費用
単位:百万ユーロ
再構築対策費用
1999年度
1998年度
再構築対策費用
898
–
バンカース・トラストの留保金支払
107
–
再構築引当金戻入益
121
–
合計
884
–
この項目には、バンカース・トラストの取得に関連した再構築対策の費用
531百万ユーロが含まれている。このほかに、ドイツにおける一般個人顧客
向けバンキング業務の分離、中でも営業基盤の再構築およびこの領域で実
施された特別プロジェクトのための再構築費用があり、これらは併せて258
百万ユーロであった。
さらに、法人顧客および不動産部門とグローバル・テクノロジー&サービ
ス業務部門における一定の再構築費用109百万ユーロが決算書に計上されて
いる。
バンカース・トラストの
留保金支払
バンカース・トラストの取得に関連し、一定の従業員について留保金支払
プログラムの合意がなされた。
請求権は、契約により合意された最低勤務期間(平均3年)にわたって取
得される。1999年度の按分負担額は107百万ユーロであった。
再構築引当金戻入益
戦略的グループ再構築計画に関連して1997年度に繰り入れられた再構築
引当金のうち、121百万ユーロが1999年度に戻し入れられた。この部分的な
戻入は、バンカース・トラストの取得を背景に、グローバル・コーポレー
ト&インスティテュ−ションズ部門とグローバル・テクノロジー&サービス
業務部門において一定の対策が実施されないこととなったため、また、法
人顧客および不動産部門において一定の対策がより低いコストで実施でき
ることとなったために、必要となった。
72
連結決算書
[24] 経常利益に対する法人所得税
[24] 経常利益に対する法人所得税
単位:百万ユーロ
1999年度
1998年度
当期税金
1,906
2,085
繰延税金
– 390
221
合計
1,516
2,306
当期税金は、1999年度の課税所得に基づき、多様なグループ会社に適用
される当該国の税率を用いて計算された。
ドイツでは、1999年度より発効する、利益に対する法人税率40%に加え
て、5.5%の統一割増税が課されている。前年度に対し、法人所得税の実効
税率は47.475%から42.2%に低下した。実効税率10.225%(1998年度:
9.237%)の営業税と合わせて、1999年度のドイツ国内の税金総負担率は
52.4%(1998年度:56.7%)であった。課税所得のうち、既に45%の法人
所得税を課された配当所得またはその他の営業投資による所得からなる部
分については、法人所得税率は引き続き45%となる。ドイツ法人税法上、
利益に対する基本負担率42.2%は、配当金支払については31.65%(法人所
得税30%+統一割増税5.5%)に軽減される。この配当支払側の法人所得税
の軽減と並行して、ドイツに納税義務のある株主の側でも、税額控除を受
けることにより自らの個人所得税額との相殺が認められ、この相殺額が、
配当支払会社に課される残りの税負担31.65%と対応している(帰属法)。
一時的差異の発生および解消の結果、627百万ユーロの繰延税金費用が計
上された。税率の改定により、繰延税金費用は127百万ユーロ減少した。
73
次表は1999年度について、税引前純利益から算出された法人所得税と損
益計算書に実際に計上された法人所得税との関係(調整)を示している。
算出された法人所得税はドイツ国内の税金総負担率52.4%に基づいて計算さ
れている。
単位:百万ユーロ
1999年度
1998年度
税引前純利益から算出された法人所得税
2,142
2,286
配当に対する内国法人所得税の軽減
– 204
– 172
– 53
92
国外所得に対する税率差異
損金不算入費用
131
78
– 803
– 260
繰延税金資産の評価修正
197
118
営業権償却
247
127
その他
– 141
37
計上された法人所得税
1,516
2,306
非課税収益
[25] 純利益の処分
2000年6月9日の株主総会には、ドイツ銀行の配当可能利益7億ユーロを配
当することが決議案として提案される。これは、1株当たり1.12ユーロから
1.15ユーロへの増配に相当する。
[26] 1株当たり純利益の数値
IASの定義による1株当たり純利益の数値は、税引後純利益を平均普通株
式数で除したものである。税引後純利益は、金融部門の体系的な標準化に
伴い現在は、少数株主持分に帰属する損益を除いて計算されており、前年
度の数値もこれに従って修正されている。希薄化後1株当たり純利益も報告
される。この数値は、発行済の権利付与証券によって株式数が増加した、
または増加する可能性がある場合の、起こりうる希薄化効果を示している。
74
連結決算書
以下の表は、基礎となった主要な数値および株式数を示したものである。
1999年度
1998年度
1株当たり純利益(営業権償却を除く)
5.05ユーロ
3.50ユーロ
1株当たり純利益(営業権償却を含む)
4.25ユーロ
3.17ユーロ
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を除く)
4.86ユーロ
3.50ユーロ
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を含む)
4.09ユーロ
3.17ユーロ
平均発行済株式数
592,894,817
532,428,841
発行済の権利付与証券により増加した、
または増加する可能性のある株式数を含めた株式数
616,580,994
532,985,214
1998年の株主総会で決議されたグローバル・エクイティ・プランのため、
基礎数値となる「調整後税引前1株当たり純利益」が、現行の計算方法に従
って引き続き算定される。これは、損益計算書の新たな表示方法には大き
な影響を受けない。
75
貸借対照表注記
[27] 現金および預け金
[27] 現金および預け金
1999年
単位:百万ユーロ
現金および中央銀行預け金
公共部門事業体債務証券および中央銀行借入適格為替手形
政府短期証券、割引政府債および
類似の公共部門事業体債務証券
為替手形
合計
[28] 他行への預け金および貸出金
1998年
12月31日現在 12月31日現在
13,404
3,390
8,475
16,785
8,346
8,812
129
7,973
21,879
20,175
[28] 他行への預け金および貸出金
単位:百万ユーロ
国内銀行
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
国外銀行
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
当座/決済勘定
5,717
3,192
21,544
18,911
金融市場
8,505
5,445
64,328
48,605
貸出金
9,255
8,329
6,104
8,215
23,477
16,966
91,976
75,731
6,946
3,820
54,085
35,711
1999年
1998年
合計
このうち:
証券担保付金融市場業務
[29] 顧客に対する貸出金
[29] 顧客に対する貸出金
単位:百万ユーロ
国内顧客
12月31日現在 12月31日現在
149,937
148,403
事業会社および金融機関
57,006
59,560
一般個人顧客および富裕層
68,860
65,156
公共部門
23,251
23,264
その他
820
423
国外顧客
202,434
126,422
181,723
114,719
16,133
6,479
3,763
4,762
815
462
352,371
274,825
証券担保付金融市場業務
82,840
43,272
抵当銀行の抵当貸出
30,140
25,619
公共部門事業体への/により保証された貸出
29,594
28,313
抵当権により担保されたその他の債権
30,171
27,845
事業会社および金融機関
一般個人顧客および富裕層
公共部門
その他
合計
このうち:
76
連結決算書
関係会社および参加関係のある
会社への貸出金
単位:百万ユーロ
関係会社
参加関係のある会社
1999年
1998年
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在
銀行に対する貸出金
165
10
126
275
顧客に対する貸出金
1,885
2,155
1,181
1,377
6
21
–
–
保険会社の資本投資/その他の資産
[30] 手形割引
償還請求債権
92
0
85
87
取消不能与信契約
66
10
147
1
[30] 手形割引
(貸出金として区分計上されていな
いもの)
単位:百万ユーロ
国内顧客
111
1,906
111
1,769
–
137
19
147
19
83
銀行
–
63
その他
–
1
130
2,053
事業会社および金融機関
銀行
国外顧客
事業会社および金融機関
合計
[31] 貸出金総額
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
[31] 貸出金総額
単位:百万ユーロ
顧客に対する貸出金*
手形割引**
他行への預け金および貸出金
合計
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
268,660
229,988
130
2,053
15,359
16,544
284,149
248,585
* 証券担保付金融市場業務および有価証券直物取引を除く。
** 貸出金として区分計上されていないもの。銀行引受手形を除く。
貸出金総額のうち、1,590億ユーロ(56.0%)(1998年度:1,585億ユー
ロ)は国内の借手に、1,251億ユーロ(44.0%)(1998年度:901億ユーロ)
は国外の借手に対するものであった。
77
リース業務
貸出金総額には、総額4,807百万ユーロ(1998年度:3,311百万ユーロ)
のファイナンス・リースが含まれていた。ファイナンス・リースとして計
上されているリースに対する総投資額は5,564百万ユーロ(1998年度:
3,928百万ユーロ)であり、関連する未収ファイナンス収益は1,575百万ユ
ーロ(1998年度:618百万ユーロ)であった。
[32] 貸倒引当金総額
[32] 貸倒引当金総額
貸倒引当金総額の変動状況
信用リスク
単位:百万ユーロ
1月1日現在
カントリー・
潜在的リスク
合計
リスク(包括的価値修正)
1999年 1998年 1999年 1998年 1999年 1998年 1999年 1998年
5,917* 5,758
1,034** 752
830*** 607
7,781 7,117
増加
損益計算書の
借方に繰入
2,020
1,621
59
307
–
55
貸倒れ
842
691
–
53
–
–
損益計算書の
貸方に戻入
2,079 1,983
減少
931
1,012
370
155
20
–
為替換算差額
100
– 26
33
0
20
–5
12月31日現在
6,264
5,650
756
851
830
657
842
744
1,321 1,167
153
– 31
7,850 7,158
*
連結会社グループの変動による267百万ユーロ調整後
** 連結会社グループの変動による183百万ユーロ調整後
*** 連結会社グループの変動による173百万ユーロ調整後
貸倒引当金総額の分類
単位:百万ユーロ
他行への預け金および貸出金
顧客に対する貸出金
手形割引
(貸出金として区分計上されていないもの)
その他の科目
(裏書債務、保証、信用状など)
合計
78
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
573
587
6,704
5,924
4
5
569
642
7,850
7,158
連結決算書
貸出金ポートフォリオには、未発生の価値修正リスク負担分41億ユーロ
(1998年度:31億ユーロ)が含まれていた。
貸倒引当金総額の主要比率
貸出金総額に対する割合(%)
[33] ディーリング目的所有資産
1999年度
1998年度
純増加額比率
0.02
0.02
貸倒比率
0.30
0.30
残高比率
2.75
2.90
[33] ディーリング目的所有資産
単位:百万ユーロ
公社債およびその他の確定利付有価証券
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
123,960
104,913
21,816
7,939
公共部門発行者
66,364
51,960
その他の発行者
35,780
45,014
金融市場証券
公社債およびノート
このうち:自己社債
含む:証券取引所上場適格の有価証券
このうち:上場証券
株式およびその他の変動利付有価証券
株式
投資有価証券
その他
含む:証券取引所上場適格の有価証券
このうち:上場証券
デリバティブのプラスの時価
その他のディーリング目的所有資産
合計
1,743
2,152
123,960
104,913
95,875
94,334
45,703
24,958
43,225
24,369
1,632
296
846
293
45,340
24,817
42,223
24,505
61,351
38,920
1,986
212
233,000
169,003
ディーリング業務による未決済のデリバティブ取引の期末日現在の再調
達原価は1,198億ユーロ(1998年度:779億ユーロ)であった。
強制力のあるネッティング契約584億ユーロ(1998年度:390億ユーロ)
を考慮に入れた場合、デリバティブのプラスの時価は614億ユーロ(1998
年度:389億ユーロ)であった。
79
[34] 投資
投資70,206百万ユーロ(1998年度:45,309百万ユーロ)には、非連結関
係会社出資、持分法適用会社出資およびその他の投資が含まれていた。
内訳および推移
以下の表は投資の内訳と推移の詳細を示している。
[34] 投資
単位:百万ユーロ
非連結関係会社
出資
持分法適用
会社出資
公社債および
その他の確定利付
有価証券
その他の投資
株式および
その他の変動利付
有価証券
その他の
持分
取得原価
1999年1月1日現在
初回連結による増加
為替レート変動
取得
927
830
32,069
10,771
1,505
1,273
552
7,356
481
1,894
17
27
2,518
29
9
992
198
31,257
4,682
1,671
振替
28
–
–
–
– 28
売却
1,743
74
22,589
2,384
1,400
1999年12月31日現在
1,494
1,533
50,611
13,579
3,651
15
–
16
165
14
–
– 132
–
–
–
114
–
153
214
122
3
–
6
–
–
33
当期評価増
持分法による評価の変動累計額
評価減
1999年1月1日現在
為替レート変動
当期評価減
23
–
72
137
振替
–
–
–
–
–
売却
39
–
39
7
52
101
–
192
344
103
1999年12月31日現在
簿価
1998年12月31日現在
813
640
31,916
10,557
1,383
1999年12月31日現在
1,408
1,401
50,435
13,400
3,562
証券取引所上場適格の有価証券
–
–
50,435
5,556
–
証券取引所上場有価証券
–
–
36,082
4,514
–
含む:
80
連結決算書
非連結関係会社出資のうち、33百万ユーロが銀行に対する出資であった。
持分法により評価されている銀行への出資は77百万ユーロであった。その
他の投資には株式投資が3,771百万ユーロ含まれており、このうち1,231百
万ユーロが銀行に対するものであった。
持分法による評価の変動累計額は、持分法適用会社の持分按分した利益
および損失、ならびに1999年度の配当金59百万ユーロの差額である。
シンジケート契約債務は0.1百万ユーロであり、これは、発行証券が市場
で売り切れなかった場合の売却に関する制限を示している。これらのシン
ジケート契約債務以外には、売却または売却益の受取については何の制限
もなかった。
非連結関係会社、関連会社、20%以上のその他の主要な持分所有会社、
および議決権の5%超を保有する大規模公開会社に対する持分は、持株リ
ストでは連結会社の後に示されている。ここには、ドイツ銀行が無限責任
株主となっている会社に関する情報も含まれている。持株リストは、フラ
ンクフルト・アム・マインの商業登記所に預けられているが、159ページ
の申込用紙を用いて無料で請求することもできる。
81
持分法が適用される銀行業以外の
関連会社
所有割合(%)
1999年12月31日現在
AIH Agrar-lndustrie-Holding GmbH1
25.0
Asia Leasing Limited
28.0
Baranka N.V.
20.3
Consortia Versicherungs-Beteiligungsgesellschaft mbH
30.0
DBG Osteuropa-Holding GmbH
50.0
DBG Vermögensverwaltungsgesellschaft mbH
45.0
Deutsche Beteiligungsgesellschaft Fonds III GmbH
Deutsche Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. Fonds I KG
33.3
2
92.5
Deutsche Interhotel Holding GmbH & Co. KG 2
45.6
DMG & Partners Securities Pte. Ltd.
49.0
Energie-Verwaltungs-Gesellschaft mbH
25.0
GROGA Beteiligungsgesellschaft mbH
33.3
ILV Immobilien-Leasing Verwaltungsgesellschaft Düsseldorf mbH
50.0
IMLY B.V.3
40.0
K & N Kenanga Holdings Bhd.
22.3
Mastheads General Partnership
65.6
Rhein-Neckar Bankbeteiligung GmbH4
49.1
SEBA Beteiligungsgesellschaft mbH
50.0
Singapore Aircraft Leasing Enterprise Pte. Ltd.
35.5
1
2
3
4
議決権株式は4.6%
議決権株式は45.5 %
議決権株式は19.9 %
議決権株式は50.0 %
長期金融資産として取り扱われる
有価証券
単位:百万ユーロ
公社債およびその他の確定利付有価証券
金融市場証券
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
50,435
31,916
9,293
2,501
公社債およびノート
公共部門発行者
18,022
9,257
その他の発行者
23,120
20,158
このうち:自己社債
9,875
3,309
13,400
10,557
株式
6,804
4,601
投資有価証券
6,372
5,889
224
67
63,835
42,473
株式およびその他の変動利付有価証券
その他
合計
82
連結決算書
含み損益情報
上場有価証券(中間持株会社所有の有価証券を含む)の時価総額は609
億ユーロであった。この金額は、銀行業以外の事業会社に対する出資の時
価220億ユーロ(下表参照)、その他の株式(通常5%未満)の時価28億ユ
ーロならびに公社債およびその他の確定利付有価証券の時価361億ユーロ
から成っていた。これに対応する簿価は、公社債の簿価361億ユーロおよ
び株式の簿価62億ユーロならびに中間持株会社の簿価3億ユーロであり、
その結果183億ユーロ(1998年度:193億ユーロ)の含み益が生じていた。
銀行業以外の事業会社に対する重
要な株式所有...
銀行業以外の事業会社の株式についてはその5%以上をドイツ銀行グル
ープが所有する場合、重要と見なされる。直接あるいは間接にドイツ銀行
に帰属する所有割合および時価情報は以下の通りであった。
83
所有割合(%)
...上場会社
Allianz AG*
BHS tabletop AG
7.0
5,675
28.9
7
7.9
197
DaimlerChrysler AG
11.9
9,219
Deutsche Beteiligungs AG
Unternehmensbeteiligungsgesellschaft
15.0
49
Deutz AG
26.8
100
8.7
404
Continental AG
Heidelberger Zement AG
Philipp Holzmann AG
Leonische Drahtwerke AG
Linde AG
Metallgesellschaft AG
15.1
30
6.3
11
10.0
655
9.3
345
Motor-Columbus AG
9.9
93
Münchener Rückversicherungs-Gesellschaft AG
9.6
4,342
Nürnberger Beteiligungs-AG**
26.4
300
Phoenix AG
10.0
19
Südzucker AG
(議決権株式の12.9%)
10.1
192
VEW AG
6.2
318
Vossloh AG**
8.4
18
9.7
21
WMF Württembergische Metallwarenfabrik AG**
(議決権株式の14.6%)
合計
...非上場会社
時価1999年
12月31日現在
単位:百万ユーロ
Clean Car AG
21,995
43.8
DIVACO AG & Co. KG
(議決権株式の19.4%)
38.9
Gerling-Konzern Versicherungs-Beteiligungs-AG
(議決権株式の24.9%)
30.0
Mannesmann Arcor AG & Co. KG
Tele Columbus GmbH
8.2
100.0
*
トレーディング目的で所有するものを含む。
** このうち一部は、保険会社の資本投資。
上記の株式所有に関して、当行は単なる経済的利益のみを追求しており、
経営上の意思決定には影響力を及ぼしていない。このため、当該出資は原
価で評価されている。
84
連結決算書
[35] 無形固定資産
[35] 無形固定資産
営業権
自社開発の
ソフトウェア
その他の
無形固定資産
1999年1月1日現在
2,203
562
33
初回連結による増加
7,122
–
69
為替レート変動の影響
–
16
1
取得
–
144
80
振替
–
–
–
除売却
–
–
38
9,325
722
145
–
–
0
756
279
8
–
7
1
当期償却
473
120
20
臨時償却
–
–
0
振替
–
–
–
除売却
–
–
8
1,229
406
21
1998年12月31日現在
1,447
283
24
1999年12月31日現在
8,096
316
124
単位:百万ユーロ
取得原価/製造原価
1999年12月31日現在
当期評価増
償却費
1999年1月1日現在
為替レート変動の影響
1999年12月31日現在
簿価
初回連結による営業権の増加には、バンカース・トラストの取得による
ものが6,759百万ユーロ、Crédit Lyonnais Belgium S.A.(ブリュッセル)
の購入(同社はその間にDeutsche Bank S.A./N.V.と名称変更された)によ
るものが161百万ユーロ含まれていた。
85
[36] 有形固定資産
[36] 有形固定資産
土地および
建物
事務所用什器備品
1999年1月1日現在
2,938
3,225
2,438
初回連結による増加
2,305
425
1,256
単位:百万ユーロ
リース設備
取得原価/製造原価
為替レート変動の影響
取得
振替
41
147
182
130
878
978
–
–
–
586
469
950
4,828
4,206
3,904
–
–
–
524
1,646
871
1
64
0
当期償却
152
626
441
臨時償却
3
13
–
振替
–
–
–
28
103
321
652
2,246
991
除売却
1999年12月31日現在
当期評価増
減価償却費
1999年1月1日現在
為替レート変動の影響
除売却
1999年12月31日現在
簿価
1998年12月31日現在
2,414
1,579*
1,567
1999年12月31日現在
4,176
1,960
2,913
*自社開発のソフトウェア283百万ユーロが無形固定資産に組み替えられた。
簿価総額2,275百万ユーロ(1998年度:1,700百万ユーロ)の土地および
建物は当行の事業活動の範囲内で使用されていた。
当期の有形固定資産の賃貸料収入は199百万ユーロ(1998年度:59百万
ユーロ)であった。
有形固定資産の前払金は43百万ユーロ(1998年度:16百万ユーロ)で
あった。
オペレーティング・リースから受け取る将来の最低受取リース料は、
2,122百万ユーロであった。
86
連結決算書
[37] 保険会社の資本投資
保険会社の資本投資の内訳は以下の通りであった。
[37] 保険会社の資本投資
貸借対照表価額
1998年
12月31日現在
増加
振替
土地および建物
685
23
参加持分および関係会社出資
132
46
株式、投資有価証券および
その他の変動利付有価証券
4,273
無記名公社債および
その他の確定利付有価証券
登録公社債、債務証書および貸出金
抵当権、土地担保および
年金土地担保に係る債権
1,581
985
265
659
1,530
2,010
489
58
合計
17,220
12,558
相殺
– 456
– 63
16,764*
21,472
単位:百万ユーロ
減少
評価増
–
4
–
18
686
–
31
–
–
147
2,394
37
1,793
89
5
4,995
1,230
4,477
–
4,120
1
12
1,576
7,035
1,906
–
1,095
–
–
7,846
–
296
0
0
2,270
–
538
–
–
386
–
837
444
2
3,145
– 37
26
–
–
484
8,740
534
37
21,535
銀行預け金
保険契約者の計算および
リスク負担による資本投資
その他
相殺後の資本投資
評価減 貸借対照表価額
1999年
12月31日現在
* 為替レート変動による46百万ユーロ調整後
保険会社の資本投資には、連結関係会社への預け金合計1,195百万ユー
ロ(1998年度:825百万ユーロ、相殺された登録公社債432百万ユーロを
含む)が含まれていた。1999年度の相殺項目は、もっぱら、資本連結に含
まれた連結会社出資に関するものであった。
[38] 法人所得税資産
[38] 法人所得税資産
単位:百万ユーロ
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
当期税金
1,896
1,300
繰延税金
5,381
1,450
合計
7,277
2,750
87
繰延税金資産は、対応する繰延税金負債と相殺後で計上されている。
相殺前の繰延税金資産は、以下の項目から構成されていた。
単位:百万ユーロ
投資
有形固定資産
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
606
156
513
240
ファイナンス・リース
1,250
1,478
その他の資産
1,495
88
繰越欠損金
942
548
貸倒引当金
361
180
年金引当金
694
725
その他の引当金
425
392
2,013
168
80
264
8,379
4,239
ディーリング資産/債務
その他の負債
繰延税金資産(総額)
期間が確定していない繰越欠損金のうち978百万ユーロ(1998年度:
215百万ユーロ)および未利用の税務恩典442百万ユーロについては、現時
点での見積上、実現可能と見込まれないことから、繰延税金の計上をしな
かった。将来年度の新たな情報により、繰延税金資産の修正が必要となる
場合もある。
[39] その他の資産
[39] その他の資産
単位:百万ユーロ
88
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
その他の資産
4,926
保険会社のその他の資産
1,137
950
繰延勘定
2,409
1,509
合計
8,472
4,970
2,511
連結決算書
その他の資産
その他の資産には特に、トレーディング業務に帰属しないオプションお
よびスワップのプレミアムならびに小切手、償還期限到来公社債および取
立のための受取項目が含まれている。
保険会社のその他の資産
保険会社のその他の資産には、主に、保険業務による債権、銀行への当
座預け金ならびに利息および賃貸料債権が含まれている。
[40] 劣後資産
[40] 劣後資産
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
単位:百万ユーロ
他行への預け金および貸出金
61
5
顧客に対する貸出金
389
329
公社債およびその他の確定利付有価証券
558
220
株式およびその他の変動利付有価証券
保険会社の資本投資
合計
[41] 買戻契約に基づく取引
76
14
538
555
1,622
1,123
1999年12月31日現在、貸借対照表に計上され、買戻契約に基づいて売
却された資産の簿価は23,619百万ユーロ(1998年度:31,802百万ユーロ)
であった。
[42] 他行からの預金
[42] 他行からの預金
12月31日現在
単位:百万ユーロ
要求払
1999年
国内銀行
1998年*
1999年
国外銀行
1998年*
8,480
4,638
36,406
56,149
契約期限または通知期限付
16,220
20,533
113,549
69,712
合計
24,700
25,171
149,955
125,861
* 比較数値は、ショート・ポジションを「ディーリング業務による債務」へ組み替えたことにより修正された。
他行からの預金には、発行済の登録抵当証券が989百万ユーロ(1998年
度:911百万ユーロ)、発行済の登録公共部門抵当証券が614百万ユーロ
(1998年度:629百万ユーロ)および証券担保付預金が49,665百万ユーロ
含まれていた。
89
[43] その他の顧客預金
貯蓄預金および建築貯蓄預金
12月31日現在
単位:百万ユーロ
国内顧客
契約・通知期限
が3ヵ月
1999年 1998年
貯蓄預金
契約・通知期限
3ヵ月超
1999年
1998年
建築貯蓄預金
1999年 1998年
7,218
7,173
12,256
12,881
2,375
2,105
10
11
16
18
–
45
7,174
7,130
12,132
12,732
2,375
2,038
3
3
4
6
–
19
その他
31
29
104
125
–
3
国外顧客
3,763
964
1,269
1,373
–
20
6
0
1
1
–
0
3,749
963
1,266
1,367
–
20
公共部門
1
0
0
0
–
–
その他
7
1
2
5
–
–
10,981
8,137
13,525
14,254
2,375
2,125
事業会社および
金融機関
一般個人顧客および
富裕層
公共部門
事業会社および
金融機関
一般個人顧客および
富裕層
合計
その他の預金
要求払
12月31日現在
単位:百万ユーロ
1999年
1998年*
国内顧客
その他の預金
契約期限または
通知期限付
1999年
1998年
33,864
30,286
46,237
43,410
事業会社および
金融機関
18,776
16,785
32,821
29,088
一般個人顧客および
富裕層
12,302
14,279
12,757
11,883
公共部門
309
283
750
790
その他
500
461
783
1,230
国外顧客
82,872
56,805
101,188
74,191
74,032
50,605
84,418
62,675
事業会社および
金融機関
一般個人顧客および
富裕層
8,053
5,267
10,062
7,007
公共部門
619
743
6,346
4,336
その他
168
190
362
173
116,736
87,091
147,425
117,601
合計
* 比較数値は、ショート・ポジションを「ディーリング業務による債務」へ組み替えたことにより修正された。
90
連結決算書
その他の顧客預金には、発行済の登録抵当証券が7,959百万ユーロ
(1998年度:8,051百万ユーロ)、発行済の登録公共部門抵当証券が4,356百
万ユーロ(1998年度:5,422百万ユーロ)および証券担保付預金が57,653
百万ユーロ含まれていた。
関係会社および参加関係のある
会社への債務
関係会社
12月31日現在
単位:百万ユーロ
1999年
1998年
1999年
1998年
他行からの預金
185
23
114
492
その他の顧客預金
418
392
836
790
1
11
–
–
173
45
20
21
1999年
12月31日現在
1998年
12月31日現在
発行債券
88,004
64,239
発行金融市場証券
64,319
32,640
保険会社のその他の債務
偶発債務
[44] 証書債務
参加関係のある会社
[44] 証書債務
単位:百万ユーロ
未決済自行引受手形および約束手形
2,404
764
その他
9,333
5,304
164,060
102,947
合計
このうち:
抵当証券
公共部門抵当証券
[45] ディーリング業務による債務
9,915
9,464
29,557
25,584
ディーリング業務による債務には、ディーリング目的所有資産のプラス
の時価と相殺された場合を除くデリバティブのマイナスの時価65,675百万
ユーロ(1998年度:40,750百万ユーロ)、およびショート・ポジション
57,593百万ユーロ(1998年度:40,805百万ユーロ)が含まれていた。
91
[46] 引当金
[46] 引当金
単位:百万ユーロ
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
年金および類似の債務に対する引当金
保険業務引当金
再構築引当金
その他の引当金
合計
年金債務
4,174
3,855
20,361
16,434
974
546
6,246
3,763
31,755
24,598
ドイツ銀行グループの各社は、従業員の大部分に対して、会社の退職年
金給付を支給している。年金制度は、一部、掛金建のものもあるが、主に
給付建である。両タイプの制度とも、給与に連動している。給付建年金制
度による給付は一般に、グループにおける勤務年数にも依存している。
ドイツ国内会社の従業員に対する年金給付は大部分が内部資金により調
達される。一方、ドイツ国外の会社については外部資金により、一部は投
資信託を通じて調達される。外部資金の利用可能資産(制度資産)は公正
価値で評価されている。
給付建年金制度は、以下の原則に基づいて年次決算書に含まれている:
債務の範囲は、国際会計基準委員会(IASC)のIAS第19号(1998年改訂)
に規定する保険数理的原則に従って決定される。同基準は、債務の評価お
よび費用の計算に、いわゆる予測単位積増方式を用いることを明記してい
る。年金債務の実際評価額は、評価日現在の、取得された給付建債務の現
在価値である。
当年度の引当金の額は、前年度の引当金に、期首に算定した年金費用を
加算し、当年度中の支払額を減算した額に相当する。
年金制度に関連して生じる損益に、特に影響を与えるのは、リスクの不
規則な推移(罹病・死亡の予測と実際の差異)、計算パラメータの変更
92
連結決算書
(特に割引率、将来の年間昇給率および将来の給付水準の年間上昇率)、お
よび制度資産に係る予測外の損益である。これらの損益は、その発生額ま
たは未認識額が、年金債務および制度資産の実際評価額の最大額の10%を
超えるまでは、損益計算書に含まれない(回廊方式)。
この結果、積立状況は以下の通りとなっている。
積立状況
単位:百万ユーロ
1999年12月31日現在の
年金および類似の債務に対する引当金(4,174百万ユーロ)から
資産計上された制度資産の積立超過部分(540百万ユーロ)を控除した額
3,634
未認識純利益(−)/損失(+)
–
制度資産の公正価値
+ 2,292
1999年12月31日現在の年金債務の実際評価額
308
5,618
制度資産の増減は以下の通りである。
制度資産の増減
単位:百万ユーロ
1999年1月1日現在の制度資産の公正価値
794
初回連結による制度資産の増加
+ 1,051
為替レート変動
+
131
制度資産の実際収益
+
319
制度資産への拠出
+
57
制度資産から支払われた年金給付
–
59
退職金の支払および振替の影響
–
1
1999年12月31日現在の制度資産の公正価値
2,292
93
以下の表は、給付建年金制度に対する引当金の増減、および当年度の損
益計算書に計上された費用および収益の額を示している。
年金引当金の増減
単位:百万ユーロ
1999年1月1日現在の年金および類似の債務に対する引当金
3,855
初回連結によって増加した、年金引当金(103百万ユーロ)から
資産計上された制度資産の積立超過部分(447百万ユーロ)を控除した額
–
為替レート変動の影響
–
3
当年度中に取得された年金受給権に関する当期勤務費用
+
241
利息費用
+
277
制度資産の期待収益
–
188
退職金の支払および振替の影響
+
4
会社から支払われた年金給付
–
151
制度資産への拠出
–
57
1999年12月31日現在の
年金および類似の債務に対する引当金(4,174百万ユーロ)から
資産計上された制度資産の積立超過部分(540百万ユーロ)を控除した額
344
3,634
債務の保険数理上の評価にあたっては、各グループ会社の現地の経済情
勢に見合ったパラメータを用いた。
規準値の範囲
割引率
4.5%から7.8%
将来の年間昇給率
2.5%から5.0%
将来の給付水準の年間上昇率
2.8%まで
現在の、保険数理計算により算出された確率が、個々の寿命測定計算の
基礎として用いられた。年齢や勤務年数による上下動の確率も考慮に入れ
られた。
給付建年金制度のための費用は、当年度において99百万ユーロであった。
94
連結決算書
保険業務引当金
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
単位:百万ユーロ
生命保険業務引当金*
3,735
869
14,623
13,929
その他の保険業務引当金
補填引当金
未確定保険請求等引当金
保険料払戻引当金
その他の引当金
合計
216
207
1,143
1,076
644
353
20,361
16,434
* ただし投資リスクは保険契約者が負担する。
生命保険業務引当金は、保険契約者および受取人に対する保険会社の債
務を表しており、貸借対照表の資産に計上されている資本投資によってカ
バーされていなければならない。
再構築引当金
再構築引当金の1999年度中のプログラム別の増減は以下の通りであった。
単位:百万ユーロ
バンカース・
トラスト統合
その他の
再構築
プログラム
合計
–
–
553
59
1,161
234
1,454
136
620
–
756
戦略的
グループ再構築
1999年1月1日現在
当年度の増加
553*
目的使用:
人事対策向け
インフラ対策向け
61
95
–
156
戻入
121
–
–
121
1999年12月31日現在
294
446
234
974
* 為替レート変動の影響7百万ユーロを調整後
人事対策には、退職金契約、早期退職契約、および退職前パートタイム
雇用契約による雇用契約終了が含まれている。
95
インフラ対策には、特に、建物に空きのあるテナント賃借契約や建設プ
ロジェクトを終了させるコストや、諸手続の再構築および/または関連事
業の閉鎖によって不要となったハードウェアおよびソフトウェアの償却が
含まれている。
戦略的グループ再構築
1997年度の連結決算書において915百万ユーロ(このうち7億ユーロが
人事対策向けであり2億ユーロがインフラ対策向けであった)が、戦略的
グループ再構築計画の一環として、2000年度末までに実施される諸対策の
ために繰り越された。
この金額のうち369百万ユーロは、既に1998年度において特定目的に使
用された。為替レート変動の影響7百万ユーロを調整後で553百万ユーロが、
未実施の諸対策を1999年度および2000年度に実施するために残された。
1999年度になって59百万ユーロの追加計上が必要となったが、これは、
当時計画されていた再構築対策、特に一般個人顧客および富裕層向けバ
ンキング部門の再構築対策を実施するために、追加費用が必要とされた
ことによる。これらの費用はこの引当金の設定当時には、具体的にまた
十分な信頼性をもって測定し得なかったために、含めることができなか
った。
バンカース・トラスト統合
バンカース・トラストの初回連結によって再構築引当金は630百万ユーロ
増加し、これは営業権に含められた。このほかに531百万ユーロが、バン
カース・トラストの取得に関連した再構築対策のため、損益計算書に費用
として計上された。この合計12億ユーロのうち、9億ユーロが人事対策向
けであり、3億ユーロがインフラ対策向けであった。
これらの対策は1999年度下半期に着手され、715百万ユーロが特定目的
に使用された。残る446百万ユーロは、2000年度末までに実施される諸対
策のために繰り越された。
96
連結決算書
その他の再構築プログラム
この項目には、一般個人顧客向けバンキング業務分離の一環として実施
される営業基盤の再構築、ならびにグローバル・テクノロジー&サービス
業務部門と法人顧客および不動産部門における一定の再構築対策に対する
引当金が含まれている。これらのプログラムは2000年度末までに実施され
る予定である。
その他の引当金
その他の引当金の増加は主として、実績連動報酬が増加し、しかも未払
となっているためである。そのほか、この項目には、従業員に対する将来
の支払や訴訟リスクに備える引当金も含まれている。
[47] 法人所得税負債
当期税金に関する税金負債は、公共部門に対する当期税金の未払額を指
す。繰延税金負債は、対応する繰延税金資産と相殺後で4,344百万ユーロ
計上された。
税金負債
相殺前の繰延税金は、以下の項目の評価差額が解消される際に生じる将
来の税金負担である。
単位:百万ユーロ
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
ファイナンス・リース
1,578
1,640
ディーリング資産/債務
1,008
1,291
投資
383
330
有形固定資産
528
495
その他の負債
3,845
885
繰延税金負債(総額)
7,342
4,641
子会社の利益剰余金のうち1,327百万ユーロ(1998年度:1,463百万ユー
ロ)については、持分割合を超えた費用負担が生じる可能性があるため、
繰延税金負債を計算しなかった。
97
単位:百万ユーロ
[48] その他の債務
当期税金
3,508
2,473
繰延税金
4,344
1,852
合計
7,852
4,325
[48] その他の債務
単位:百万ユーロ
その他の債務
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
繰延勘定
2,146
2,544
その他の債務
3,745
4,041
保険会社のその他の債務
1,814
1,257
合計
7,705
7,842
その他の債務には、特に、劣後資本に関する支払期日前の未払利息およ
び未払税金が含まれている。その他の債務の一部には、リース契約に関す
るものとして36百万ユーロ(1998年度:61百万ユーロ)が含まれていた。
保険会社のその他の債務
保険会社のその他の債務には、主に、保険業務から発生する保険契約者
に対する債務が含まれている。
[49] 劣後資本
[49] 劣後資本
単位:百万ユーロ
劣後債務
11,028
5,194
利益参加資本金
1,380
1,380
匿名社員出資金
713
612
2,383
–
15,504
7,186
ハイブリッド資本証券
合計
98
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
連結決算書
主な劣後債務
金額
発行者/種類
利率
償還期限
600,000,000マルク 1990年ドイツ銀行新株引受権付無記名債
(シリーズ2)
8.00 %
2000年
4月11日
600,000,000マルク 1992年Deutsche Finance
(Netherlands) B.V.(アムステルダム)社債
8.04 %
2002年
2月6日
500,000,000マルク 1992年Deutsche Finance
(Netherlands) B.V.(アムステルダム)社債
8.165 %
2002年
5月6日
2,000,000,000マルク 1993年Deutsche Finance
(Netherlands) B.V.(アムステルダム)社債
7.54 %
2003年
2月10日
1,100,000,000米ドル 1996年Deutsche Bank Financial Inc.
(ドーバー/米国)ヤンキー債
6.70 %
2006年
12月13日
550,000,000米ドル 1999年Deutsche Bank Financial Inc.
(ドーバー/米国)中期債
7.50 %
2009年
4月25日
300,000,000米ドル BT International Capital Trust A
(ウィルミントン/米国)変動利付債
8.09 %
2026年
12月1日
上記の劣後債務に関しては、発行者側に償還期限前の償還義務のあるも
のはない。清算、破産、和議またはその他の破産回避手続きの場合、これ
らの債務に起因する債権および利息債権は発行者の全債権者の劣後弁済で
ない債権に対して劣後弁済となる。これらの条件は、個々に明記されてい
ない劣後借入金に対しても適用される。
劣後債務全体に対する利息費用は746百万ユーロ(1998年度:356百万
ユーロ)であった。この数値に含まれている支払期日前の未払利息238百
万ユーロ(1998年度:173百万ユーロ)は「その他の債務」の中の「その
他の債務」に計上されている。
99
利益参加資本金
発行済利益参加資本金発行状況は次の通りである:
− 2002年12月31日満期の1991年新株引受権付無記名利益参加証券12億
マルク。損失参加の定めに従うことを条件として償還は2003年6月30
日に行われる。利益参加証券の所持人は額面金額につき年9%の配当
支払を受ける権利を有し、この権利は株主に対する利益配分より優先
される。
− 2003年12月31日満期の1992年新株引受権付無記名利益参加証券15億
マルク。損失参加の定めに従うことを条件として償還は2004年6月30
日に行われる。利益参加証券の所持人は額面金額につき年8.75%の配
当支払を受ける権利を有し、この権利は株主に対する利益配分より優
先される。
1999年度の利益参加資本金に対する利息総額122百万ユーロ(1998年
度:122百万ユーロ)は(「その他の債務」の中の)「その他の債務」に計上
されている。
1999年5月17日の株主総会において取締役会は、総額25億ユーロまでの
新株引受権付利益参加証券および/または転換権付利益参加証券、新株引
受権付社債および転換社債を、2004年4月30日までに一度にまたは数回に
分けて発行する権限を与えられた。条件付資本金80,000,000ユーロがこの
ために利用可能である。
さらに取締役会は1997年5月20日の株主総会において、総額30億マルク
までの新株引受権付利益参加証券および/または転換権付利益参加証券、
新株引受権付社債および転換社債を、2002年4月30日までに一度にまたは
数回に分けて発行する権限を与えられた。条件付資本金153,600,000ユー
ロがこのために利用可能である。
匿名社員出資金
Deutsche Bank Luxembourg S.A.における匿名社員出資金は、以下の2種
類からなり、総額715百万米ドルである:
− 額面価額の6.825%の非累積的年間利益配分がなされる340百万米ドル。
この権利は株主に対する利益配分より優先される。損失参加の定めに
従うことを条件として償還は2007年12月28日に行われる。
100
連結決算書
− 額面価額に対し12ヶ月LIBOR+0.80%に基づく変動利益配分がなされ
る375百万米ドル。この非累積的利益配分の権利は株主に対する利益
配分より優先される。損失参加の定めに従うことを条件として償還は
2007年12月28日に行われる。
匿名社員出資金に係る利息費用は、総額38百万ユーロ(1998年度:39
百万ユーロ)相当であり、この数値に含まれている支払期日前の未払利息
0.5百万ユーロは(「その他の債務」の中の)「その他の債務」に計上され
ている。
ハイブリッド資本証券
当行は、米国ウィルミントンにあるグループ会社を通じて、券面総額
1,693百万米ドル、500百万ユーロおよび200億円の、革新的な資本証券
(信託優先証券)8本を発行した。これはグループのコア資本に含められる。
これらは確定および変動利付の無期限の非累積的証券であり、発行者に、
個々の期間(5年から30年)の満了時にコール・オプションが与えられてい
る。コール・オプションが行使されない場合、一定の発行証券には利息の
プレミアムがつく。
これらの革新的資本証券に係る利息費用は総額93百万ユーロ相当であ
り、この数値に含まれている支払期日前の未払利息0.2百万ユーロは(「そ
の他の債務」の中の)「その他の債務」に計上されている。
101
[50] 株主資本
以下の表は引受済、授権および条件付資本金の推移を示したものである。
引受済、授権および条件付資本金
の推移
引受済資本金
授権資本金
株主先買権除外
授権資本金
条件付資本金
1,362,555,063.58
434,598,099.02
11,916,764.24
230,081,346.54
単位:ユーロ
1998年12月31日現在
従業員株式の発行
4,864,189.44
1999年5月17日の株主総会決議に基づく増加
1999年度の増資
自己資金による増資
– 4,864,189.44
300,000,000.––
203,129,188.12
120,000,000.––
– 203,129,188.12
2,168,410.06
株式会社法第218条の規定による
条件付資本金の調整
1999年12月31日現在
318,653.46
1,572,716,851.20
531,468,910.90
7,052,574.80
350,400,000.––
引受済資本金は、無額面の株式から成っている。発行済株式数は当期首
現在532,985,214株であり、1999年度において、4月の増資(79,457,232株)
の結果および従業員株式1,900,074株の発行(11月)により増加し、1999年
12月31日現在614,342,520株となった。1999年度の平均流通株式数は
586,115,042株(1998年度:532,428,841株)であった。引受済資本金をユ
ーロへ転換する際に生じた、各無額面株式の名目上のユーロ金額の端数は、
自己資金による増資によって調整された。その結果、各無額面株式は株式
資本2.56ユーロに相当することとなった。
株主総会による授権
株主総会によって取締役会は、監査役会の同意を得て以下のような新株
発行により増資をする、内容の異なる4種類の権限を与えられた(授権資本
金):
102
連結決算書
− 2002年4月30日までに現金払込みによる新株発行によって総額
255,645,940.60ユーロまでの増資をし、その際に株主先買権を付与す
る権限(1997年5月20日の株主総会決議)。このうち152,000,000ユー
ロが無額面株式59,457,232株の発行を通じて利用され、その結果、こ
の授権済資本金は現在103,645,940.60ユーロのみとなっている。
− 2003年4月30日までに現金払込みまたは現金以外の出資による新株発
行によって総額127,822,970.30ユーロまでの増資をし、その際に通常
付与される株主先買権を付与する権限。ただし、現金以外の出資によ
る増資が会社買収や持分の取得を意図してなされた場合は、先買権を
除外することができる(1998年5月20日の株主総会決議)。
− 2004年4月30日までに現金払込みによる新株発行によってさらに
50,000,000ユーロの増資をする権限。株主の通常の先買権は、新株の
発行価格が、その発行価格確定時における既上場株式の市場価格に対
して著しく低くない限り、除外することができる(1999年5月17日の
株主総会決議)。
− 2004年4月30日までに現金払込みによる新株発行によって総額
250,000,000ユーロまでの増資をする権限(1999年5月17日の株主総
会決議)。
すべての場合において株主先買権は、端株について、ならびに発行済の
新株引受権または転換社債の保有者に先買権を付与するために、除外する
ことができる。
さらに定款には、このほかに、ドイツ銀行の従業員に対して株式およ
び/またはオプションを発行する、3種類の権限が含まれている。
1996年5月28日の株主総会決議により授権され、株主先買権が除外され
ている、未利用額7,052,574.80ユーロの授権済資本金は、従業員株式発行
用として指定されている。
103
1999年5月17日の授権に基づいて取締役会は、従業員株式のほかに、当
行およびその関係会社のすべての従業員に対し、詳細に規定された条件に
従って株式を購入できる譲渡不能のオプションを付与することができる。
このために、株式資本は条件付で40,000,000ユーロ増額された。これは
15,625,000株までの無額面株式に相当する。
さらに、1998年5月20日の授権に基づいて取締役会は、2003年5月10日
までに利付転換社債を上級経営幹部に対して発行することができる。この
関連で、株式資本は条件付で76,800,000ユーロ増額された。この授権は
1999年度に第2回目の一部利用がなされ、額面総額28,424,000マルクの3%
登録転換社債(最終満期2002年)が発行された。社債保有者は、その転換
社債をドイツ銀行の無額面の新株式に転換する権利を有する。額面1,000
マルクの社債1口に対して200株が付与される。転換権が行使されて株式が
取得される場合、転換価格が転換される社債の額面価額を上回る額に相当
する追加の現金払込みが必要となる。転換価格は、既に設定されている規
準に従い、1999年度から2001年度までの経営成績を勘案して確定される。
自己株式
1999年度末現在、ドイツ銀行および関係会社が保有するドイツ銀行株式
はなかった。1999年12月31日現在、ドイツ銀行株式1,718,461株(1998年
度:3,996,047株)、すなわち、株式資本の0.28%(1998年度:0.75%)が、
貸出金の担保としてドイツ銀行およびその関係会社に差し入れられていた。
規制資本および規制資本比率
IASに準拠して計算されたBIS規制資本は35,172百万ユーロ(1998年度:
29,343百万ユーロ)であり、その内訳は、コア資本17,338百万ユーロ、補
完的資本17,338百万ユーロおよび適格Tier III資本496百万ユーロであった。
リスク加重調整済ポジション292,621百万ユーロ(1998年度:254,192百
万ユーロ)を基礎として、BIS規制資本比率は12.0%(1998年度:11.5%)、
コア資本比率は5.9%(1998年度:6.3%)である。
104
連結決算書
コア資本および補完的資本
規制目的の連結会社グループのコア資本および補完的資本の内訳は、
1999年度末現在、以下の通りである。
単位:百万ユーロ
コア資本
引受済資本金
資本剰余金
利益剰余金
含む:連結利益
(除く:少数株主持分)
少数株主持分
ハイブリッド資本証券
匿名社員出資金
1999年12月31日現在
補完的資本
1999年12月31日現在
上場有価証券未実現損益
1,573 (45%適格)
7,323
10,438
包括的価値修正
11,136
累積的優先証券、
利益参加資本金
3,180
劣後債務
ただしBIS規制上、適格なもの
6,955
877
830
2,383
713
控除項目*
– 9,782
合計
17,338
合計
コア資本の額での
最大適格額
(18,288)
17,338
補完的資本の剰余額
950
このうちマーケット・リスク・
ポジションをカバーするための
Tier III資本として適格なもの
496
* 主に、営業権の未償却額、予定配当額、規制目的の連結会社グループとの相違調整、および少数株主持分に
含まれた累積的信託証券。
規制目的の連結会社グループには、ドイツ銀行グループ内の、すべての
与信会社、金融サービス会社および金融会社、ならびに補助的な銀行業サ
ービスを提供する会社が含まれている。保険会社、ファンド管理会社、金
融業以外の事業会社は含まれていない。
105
キャッシュ・フロー計算書注記
[51] 現金および現金同等物の規模
と推移
貸借対照表、損益計算書、株主資本変動計算書および注記と並んで、キ
ャッシュ・フロー計算書は、IAS準拠の連結決算書の不可欠の構成要素であ
る。キャッシュ・フロー計算書は、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の
各区分に分類して、グループの現金および現金同等物の規模および推移に
ついての情報を提供する。優先基準であるIAS第7号に加えて、銀行特有の
ドイツ会計基準であるDRS 2-10による報告義務も、作成に当たり考慮に入
れられた。
現金および現金同等物の計上金額の主な内訳は、現金および中央銀行預
け金ならびに公共部門事業体債務証券および中央銀行借入適格為替手形で
ある。
支払フローは、経常利益の区分に対応させて、営業活動に割り当てられ
ている。投資活動に投入したキャッシュ純額は、その大部分が、投資およ
び有形固定資産の売却収入および取得支出によるものである。財務活動か
ら得たキャッシュ純額の計算には、自己資本提供者との関係のみが含まれ
ている。他人資本提供者との関係は、当行の営業活動の一部であることか
ら、営業活動から得たキャッシュ純額の計算に含められている。
その他のキャッシュを伴わない項目の変動の項には、デリバティブのプ
ラスおよびマイナスの時価、繰延税金の増減純額、還付税債権の変動およ
び少数株主持分に帰属する利益(純額)が含まれている。
完全連結会社出資の取得および経済的に独立の事業単位の取得のために、
当年度は純額で5,272百万ユーロ(1998年度:248百万ユーロ)が支出され
た。これは特に、Bankers Trust Corporation(ニューヨーク)の取得およ
びCrédit Lyonnais Belgium S.A.(ブリュッセル)の取得(同社はその間に
106
連結決算書
Deutsche Bank S.A./N.V.と名称変更された)に関連している。完全連結会
社の売却により1百万ユーロの収入があった。現金および現金同等物は、
連結に含まれるグループ会社の変動によって、3,746百万ユーロ増加した。
取得した完全連結会社の主な資産および負債の内訳は、(連結後の)合
計額で、以下の通りである。
単位:十億ユーロ
顧客に対する貸出金
27
ディーリング目的所有資産
29
投資
12
有形固定資産
4
その他の顧客預金
35
証書債務
19
ディーリング業務による債務
17
劣後資本
総資産
5
82
キャッシュを伴わない投資および財務活動はなかった。
107
その他の情報
[52] セグメント情報の報告
事業の中心的主要数値のほかに、セグメント情報の報告では、グループ
セグメント情報の報告原則
部門別のグループ利益の計算が取り扱われている。その基礎は、内部経営
管理情報システムである「部門別収益性計算」である。これは、当行の部
門別経営管理組織の枠組の中で、計画、舵取り、統制のための手段として
中心的重要性を持っている。セグメントは、一方で事業別に、他方で地域
別に定義されている。
グループ部門セグメントの分類基準は、バンカース・トラストの統合以
後有効な、ドイツ銀行グループの組織構成である。ここでは各セグメント
は、自己の資本を有する独立の法的組織体のように表されている。「その
他/調整/連結」の欄には、各セグメントに直接関連付けられなかった評
価項目が含まれている。計算方法のたゆみない向上により、当年度の第4
四半期には、より多くの収益および費用項目が、発生原因に従って各セグ
メントに割り当てられた。またこの欄には、グループ部門の各評価項目を
グループ全体の適切な項目に合わせるための調整額も含まれている。そう
した調整が生じるのは、内部の舵取りを目的として想定上の数値を含めな
ければならない場合である。組織変更および方法論的改良点は、当年度の
報告に際して、また前年度の比較数値について、ともに考慮されている。
グループ部門別セグメント情報の
報告
報告にある収益は、主に、純利息収益、純手数料収益、トレーディング
利益、保険業務による純収益、および投資による純収益からなっている。
また、各セグメントを自己の資本を有する法的に独立の単位として表すた
めに各セグメントに割り当てられた、想定上の資本利益も含まれている。
貸倒引当金繰入には、信用リスク引当金への新規繰入純額のほか、償却
済債権取立益、カントリー・リスク引当金、および包括的価値修正が含ま
れている。
一般管理費の配賦基準は、責任の原則である。間接費は内部提供サービ
スおよび製品によって発生し、因果関係の原則に基づいて、提供部門では
108
連結決算書
費用の減少として、受入部門では費用の増加として計上されている。一般
管理費は、直接費と間接費の両方からなっている。
再構築費用は、バンカース・トラストの留保金支払を含めて報告されて
いる。
当年度においてわれわれは、価値主導型経営の概念を改善した。中心的
手段は株主資本利益率(RoE)であり、これは、税引前利益とIAS準拠の帳
簿上の平均資本との比率を示すものである。後者の平均資本は、経済的資
本を基礎として各セグメントに割り当てられる。さまざまなセグメントに
おけるリスク状況はこのようにして、考慮に入れられる。この方法によっ
て、セグメントに基礎を置いたリスク資本およびRoEの数値は必ず、対応
するグループ全体の数値と結び付くことになる。またこの概念によって、
RoEと資本市場から導き出された資本コスト率(15%)との比較が可能と
なる。もしあるセグメントのRoEが資本コストを超えていたら、それは価
値の創造を意味する。そうでない場合、価値は消滅したことになる。各セ
グメントにおいて結果的に長期的な価値創造につながるような意思決定の
基礎とするために、また将来の価値の成長可能性についてより透明性の高
い表示とするために、税引前利益は、価値創造計算目的では、営業権償却
について調整されている。同様に、上述のRoE数値および費用/収益比率
も、この項目を除いて報告されている。従来、セグメント別に報告されて
きたRAROC数値は、標準リスク原価考慮後営業利益と経済的資本との比率
であった。これをRoE概念と比較する場合は、RoE概念の方が、より多く
の収益項目を含んでおり、また経済的資本よりも大きいIAS準拠の帳簿上
の資本を用いていることに留意する必要がある。
109
グループ部門別セグメント情報の報告
単位:百万ユーロ
一般個人顧客
および
富裕層向け
バンキング
グローバル・
コーポレート
法人顧客 &インスティ
および
テューショ
不動産
ンズ
グローバル・
テクノロジー
&サービス
資産運用
業務
コーポ
レート・
センター
その他
/調整
/連結
グループ
合計
収益
1999年度
1998年度
4,807
4,303
3,126
2,707
9,596
4,761
1,519
953
897
337
61
103
1,850
978
21,856
14,142
貸倒引当金繰入
1999年度
1998年度
– 94
– 142
– 200
– 231
–3
– 153
0
0
0
0
0
0
– 319
– 309
– 616
– 835
– 4,082
– 3,479
– 1,813
– 1,604
– 6,892
– 3,777
– 809
– 501
– 837
– 213
– 533
– 188
– 780
– 359
– 15,746
– 10,121
– 149
– 106
– 164
– 69
18
– 311
– 87
– 73
– 32
– 34
– 36
– 111
– 73
1,550
– 523
846
– 45
– 22
– 61
– 52
– 254
– 50
– 78
– 49
– 30
–3
0
0
–5
0
– 473
– 176
482
576
949
803
2,719
520
623
379
28
90
– 508
– 196
678
1,860
4,971
4,032
– 281
0
– 22
0
– 494
0
– 42
0
– 44
0
0
0
–1
0
– 884
0
201
576
927
803
2,225
520
581
379
– 16
90
– 508
– 196
677
1,860
4,087
4,032
2,030
2,169
5,595
5,108
10,445
7,599
332
316
454
374
408
377
19,264
15,943
RoE(%)
(除く:営業権償却)
1999年度
1998年度
12
28
18
17
24
7
198
135
3
25
23
26
RoE(%)
(含む:営業権償却)
1999年度
1998年度
10
27
17
16
21
7
175
120
–3
24
21
25
– 59
273
149
89
911
– 570
609
381
– 53
37
費用/収益比率(%)
(除く:営業権償却)
1999年度
1998年度
87
83
61
61
70
85
54
55
94
73
74
69
費用/収益比率(%)
(含む:営業権償却)
1999年度
1998年度
88
84
63
62
73
86
59
60
97
74
76
70
リスク加重調整済ポジション(百万ユーロ)
1999年12月31日現在
44,058
1998年12月31日現在
37,863
88,982
91,548
132,917
99,441
2,002
1,837
3,929
19
534
6,071
20,199
17,413
292,621
254,192
一般管理費
1999年度
1998年度
その他の収益/費用の差額
1999年度
1998年度
含む:営業権償却
1999年度
1998年度
再構築費用および税金前利益
1999年度
1998年度
再構築費用
1999年度
1998年度
税引前経常利益
1999年度
1998年度
資本(百万ユーロ)
1999年度
1998年度
価値創造(百万ユーロ)
1999年度
1998年度
112
1,607
1,669
1,817
セグメント資産(百万ユーロ)
1999年12月31日現在
69,170
135,647
582,164
6,235
9,137
8,006
– 47,179
763,180
セグメント負債(百万ユーロ)
1999年12月31日現在
74,391
127,091
593,760
5,558
14,036
8,006
– 54,313
768,529
110
連結決算書
費用/収益比率は、費消した資源(一般管理費およびその他の費用)と
創造した資源(収益およびその他の収益)との比率であり、各セグメント
の、特に原価効率を評価する尺度となる。
貸借対照表日現在のリスク加重調整済ポジションは、バーゼル委員会の
最低基準(BIS規制)に準拠した、マーケット・リスク相当額を含むリスク
加重調整済資産からなっている。
各セグメントまたはコーポレート・センターの事業活動において利用さ
れている、またはそれらに直接割り当てられた、貸借対照表日現在のセグ
メント資産は、他行への預け金および貸出金、顧客に対する貸出金、ディ
ーリング目的所有資産、および投資からなっていた。各セグメントまたは
コーポレート・センターの事業活動において発生した、またはそれらに直
接割り当てられた、貸借対照表日現在のセグメント負債は、他行からの預
金、その他の顧客預金、証書債務、劣後資本、およびディーリング業務に
よる債務からなっていた。
地域別セグメント情報の報告における以下の分類は、グループ会社また
地域別セグメント情報の報告
は支店の所在地によるものである。
地域別セグメント情報の報告
単位:百万ユーロ
総資産
1999年12月 1998年12月
31日現在
31日現在
貸出金総額
1999年12月 1998年12月
31日現在
31日現在
債務 *
1999年12月 1998年12月
31日現在
31日現在
経常収益
1999年度
1998年度
ドイツ
348,191
293,323
164,818
163,795
262,048
220,942
11,205
11,928
欧州(ドイツを除く)
324,983
271,554
81,136
58,823
270,147
208,335
5,460
3,055
アジア/太平洋/アフリカ
107,319
82,209
14,589
12,506
78,486
64,336
1,991
1,088
北アメリカ
283,368
136,334
48,282
29,719
222,746
126,341
5,784
1,475
南アメリカ
12,321
11,376
10,695
10,246
10,508
10,677
289
92
連結
– 236,317
– 168,193
– 35,371
– 26,504
– 214,178
– 147,444
– 1,791
– 1,317
合計
839,865
626,603
284,149
248,585
629,757
483,187
22,938
16,321
* 他行およびその他の顧客への債務ならびに証書債務
:
111
地域別情報は連結数値で示されている。従って、上記の「連結」の報告
数値には、地域を超えたグループ内項目が含まれている。
経常収益は、純利息収益、純手数料収益、トレーディング利益、保険業
務による純収益、投資による純収益、およびその他の経常収益から成って
いる。
[53] 金融商品の公正価値
[53] 金融商品の公正価値
単位:十億ユーロ
1999年12月31日現在
公正価値
簿価
1998年12月31日現在
公正価値
簿価
資産
現金および預け金
他行への預け金および貸出金
関連するデリバティブ
顧客に対する貸出金
関連するデリバティブ
21.9
21.9
20.2
20.2
114.8
114.9
92.6
92.1
0
–
– 0.1
–
347.7
345.7
277.2
268.9
0
–
– 0.3
–
233.0
233.0
169.0
169.0
投資
63.4
62.2
41.0
38.9
関連するデリバティブ
– 0.6
–
–1.2
–
174.8
174.7
151.3
151.0
– 0.1
–
0
–
291.5
291.0
230.8
229.2
ディーリング目的所有資産
負債
他行からの預金
関連するデリバティブ
その他の顧客預金
関連するデリバティブ
証書債務
関連するデリバティブ
ディーリング業務による債務
劣後資本
– 0.3
–
– 0.5
–
162.3
164.1
106.2
102.9
0.6
–
– 0.2
–
123.3
123.3
81.6
81.6
15.7
15.5
7.6
7.2
その他の科目
偶発債務
与信契約債務および発行債務
配賦不能デリバティブ
36.9
36.9
30.2
30.2
107.5
107.5
61.4
61.4
0.4
–
– 1.1
–
無期限および短期の未収金ならびに180日以内の支払期限または確定利
付期限がある債務の公正価値は、商品や市場の状況に従い、簿価または現
在価値で計算された。
112
連結決算書
表示の公正価値は、我々の意見では、金融商品が貸借対照表日において
見識のある自発的な当事者間の対等な取引により公正に売買される金額に
一致している。公正価値を計算する際の手続きは以下の通りであった:
入手可能な場合は市場価格を利用した。これは主に証券取引所および活
発な市場で売買される有価証券およびデリバティブの場合であった。その
他の金融商品については、内部の評価モデル(特に現在価値法)を使用し
た。銀行業以外の事業会社に対する所有株式ならびに保険会社の資産およ
び負債は考慮されなかった。
1999年12月31日現在、金融商品の公正価値と簿価の差額は合計37億ユ
ーロ(1998年度:33億ユーロ)であった。この数値は、評価に算入され
た市場パラメータの変動および金融商品の購入・売却によって推移する。
[54] 外貨
[54] 外貨
単位:百万ユーロ
外貨建資産
このうち:米ドル
外貨建負債(株主資本を除く)
このうち:米ドル
外貨の平価変動による総資産の変動*
このうち:米ドルによるもの
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
414,400
363,500
276,900
161,400
452,300
378,400
303,600
178,700
+ 33,500
– 9,100
+ 24,700
– 8,100
* 資産側に基づく
113
損益計算書の主要科目における為
替レートの変動
為替レート変動の影響
影響額調整後の増減
%
単位:百万ユーロ
純利息収益
+ 128
+
952
+ 16.8
純手数料収益
+ 378
+ 2,395
+ 42.1
トレーディング利益
+ 397
+ 2,590
+ 119.3
投資による純収益
+
+
819
+ 68.9
一般管理費
+ 921
+ 4,704
+ 42.6
再構築費用および税金前利益
– 24
+
+ 24.0
6
963
[55] 残存期間に基づく期日別内訳
[55] 残存期間に基づく期日別内訳
単位:百万ユーロ
3カ月以下
3カ月超−1年
1年超−5年
5年超
1999年12月 1998年12月 1999年12月 1998年12月 1999年12月 1998年12月 1999年12月 1998年12月
31日現在
31日現在
31日現在
31日現在
31日現在
31日現在
31日現在
31日現在
貸出金
顧客に対する貸出金
180,922
127,909
34,446
26,820
62,219
53,253
74,784
66,843
他行への期限付預け金
および貸出金
貸出金
2,645
2,461
2,218
1,809
3,465
4,111
6,464
5,969
43,879
43,589
7,995
5,962
601
11
0
41
9,294
2,530
9,540
3,973
17,648
12,392
13,953
13,021
236,740
176,489
54,199
38,564
83,933
69,767
95,201
85,874
他行からの定期預金
96,433
71,160
16,541
7,251
7,131
2,456
9,664
9,378
貯蓄預金および
建築貯蓄預金
16,855
13,151
5,081
6,702
4,478
4,249
467
414
金融市場
公社債およびその他の
確定利付投資有価証券
合計
負債
その他の顧客からの
その他の期限付預金
107,789
72,763
16,680
24,800
9,331
8,810
13,625
11,228
証書債務
53,848
30,515
25,792
16,021
53,844
32,320
30,576
24,091
劣後資本
128
0
512
0
5,132
3,921
9,732
3,265
275,053
187,589
64,606
54,774
79,916
51,756
64,064
48,376
合計
114
連結決算書
[56] 偶発債務およびその他の契約
[56] 偶発債務およびその他の契約債務
債務
単位:百万ユーロ
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
偶発債務
36,925
再割引為替手形による偶発債務
2
1,506
36,923
28,743
183,447
132,337
837
495
保証および補償契約による偶発債務
その他の契約債務
発行および引受契約債務
取消不能与信契約
106,670
60,959
純レポ業務
49,350
37,617
有価証券借入による引渡契約債務
14,917
29,770
その他の契約債務
11,673
3,496
220,372
162,586
合計
発行および引受契約債務
30,249
権利請求されていない発行および引受契約債務は837百万ユーロであっ
た。1999年度末現在において290百万ユーロの権利請求がなされた。
取消不能与信契約
取消不能与信契約のうち97,130百万ユーロは、ノンバンクに対する当座
貸付および手形割引に関する契約であった。
純レポ業務
強制力のある相殺権(包括的ネッティング契約)に基づき、49,350百万
ユーロのレポ業務が相殺されなければならなかった。
その他の契約債務
賃貸借契約から生じる年次支払債務は総額753百万ユーロであり、残存
期間は最高62年であった。これらの債務のうち471百万ユーロが関係会社
に対するものであった。
株式会社および有限会社に対する出資ならびにその他の出資の未払込分
に関する将来の払込義務は1999年度末現在で467百万ユーロであり、その
他の将来の払込義務は47百万ユーロであった。有限会社法第24条に基づく
連帯債務は30百万ユーロであった。その他の既存の連帯債務に関しては、
いずれの場合にも共同出資者の信用状態に問題はない。
Liquiditäts-Konsortialbank GmbH(フランクフルト・アム・マイン)に
対する参加持分に関して66百万ユーロまでの追加出資義務があり、また、
115
ドイツ連邦銀行協会e.V.(ケルン)に属する他の株主の出資義務の履行に
関して持分に比例した偶発債務が存在する。
その他の出資に関する将来の払込義務は、1999年12月31日現在総額4百
万ユーロであった。
預金保険基金規定第5条第10項に基づき、ドイツ銀行は、当行が過半数
を出資している銀行のためにとった措置によりドイツ連邦銀行協会e.V.
(ケルン)が何らかの損害を被った場合、同協会に対し補償を行う義務を
負っている。
当行の業務活動の範囲内において、法律の規定により、総額7,922百万
ユーロの担保が要求された。
先物およびオプション取引所での取引による債務ならびに決済機関に対
する債務は、担保として有価証券の差入れが必要となり、その額は1999年
12月31日現在2,319百万ユーロであった。
DWS Investment Management S.A.(ルクセンブルグ)は、同社が管理
する投資信託の一部について特定期間の業績保証を行っている。
不動産譲渡の際に、さまざまなグループ会社が買手に対し、取消不能な
特定期間の売戻権を与えた(買戻しの申し出)。現時点の情報に従って売
戻権の評価額が当該不動産の対価を超える場合は、適切な引当金が設定さ
れている。
商事会社Klöckner & Co. AG(ドゥイスブルグ)の転売に関連して合計65
百万ユーロの偶発債務があった。
116
連結決算書
[57] 担保に供されている資産
以下の債務および偶発債務に関して表示金額相当の資産が担保に供され
た。
単位:百万ユーロ
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
他行からの預金
21,657
7,057
その他の顧客預金
10,700
3,508
証書債務
278
–
偶発債務
22
49
32,657
10,614
合計
担保に供されている資産の内訳は以下の通りである。
単位:百万ユーロ
公共部門事業体債務証券
および中央銀行借入適格為替手形
他行への預け金および貸出金
顧客に対する貸出金
ディーリング目的所有資産
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
1,460
–
346
84
7,881
6,348
19,968
3,426
投資
3,002
756
合計
32,657
10,614
117
[58] 支援宣言*
次に掲げる会社に関して、ドイツ銀行は政治リスクの場合を除き、これ
らの会社がそれぞれの契約債務を履行できることを保証する。
[58] 支援宣言*
ALD AutoLeasing D GmbH, Hamburg
Deutsche Bank Luxembourg S.A.,
Luxembourg
DWS Investment S.A., Luxembourg
(旧社名:DB Investment Management
S.A.)
Deutsche Bank (Malaysia) Berhad,
Kuala Lumpur
DB Investments (GB) Limited, London
Deutsche Bank OOO, Moscow
Deutsche Asset Management
International GmbH, Frankfurt am Main (旧
社名:Deutsche Asset Management
GmbH)
Deutsche Bank Polska S.A., Warsaw
Deutsche Bank S.A., Paris
Deutsche Bank S.A. – Banco Alemão,
São Paulo
Deutsche Australia Limited, Melbourne
Deutsche Bank S.A./N.V.,
Antwerp (事業本拠地 Brussels)
Deutsche Bank Americas Holding Corp.,
Dover/U.S.A. (旧社名:Deutsche Bank
North America Holding Corp.)
Deutsche Bank Saar Aktiengesellschaft,
Saarbrücken
Deutsche Bank BausparAktiengesellschaft, Frankfurt am Main
Deutsche Futures Singapore Pte Ltd.,
Singapore (旧社名:Deutsche Morgan
Grenfell Futures Pte Ltd.)
Deutsche Grundbesitz-lnvestmentgesellschaft mbH, Frankfurt am Main
Deutsche Bank Rt., Budapest
Deutsche Bank S.A., Buenos Aires
Deutsche Asset Management
Investmentgesellschaft mbH vormals
DEGEF Deutsche Gesellschaft für
Fondsverwaltung mbH,
Frankfurt am Main
Deutsche Futures London Limited, London
(旧社名:Deutsche Morgan Grenfell
Futures Limited)
Deutsche Bank, Sociedad Anónima
Española, Barcelona
Deutsche Bank Società per Azioni, Milan
Deutsche Grundbesitz Management
GmbH, Eschborn
Deutsche Morgan Grenfell Group plc,
London
Deutsche Securities Limited, Hong Kong
(旧社名:Deutsche Morgan Grenfell Capital
Markets Limited)
Deutsche Securities Asia Limited,
Hong Kong
DWS Investment GmbH, Frankfurt am
Main (旧社名:DWS Deutsche Gesellschaft
für Wertpapiersparen mbH)
Deutsche Bank de Bary N.V., Amsterdam
Deutsche Bank Trust Aktiengesellschaft
Private Banking, Frankfurt am Main
EUROHYPO Aktiengesellschaft
Europäische Hypothekenbank der
Deutschen Bank, Frankfurt am Main (旧社
名:Frankfurter Hypothekenbank
Centralboden Aktiengesellschaft)
Deutsche Bank (Portugal), S.A., Lisbon
(旧社名:Deutsche Bank de Investimento,
S.A.)
Deutsche – Equities S.A., Paris (旧社名:
Deutsche Morgan Grenfell – Equities S.A.)
Schiffshypothekenbank zu Lübeck
Aktiengesellschaft, Hamburg
Deutsche Bank Finance N.V., Curaçao
Deutsche Finance (Netherlands) B.V.,
Amsterdam
Süddeutsche Bank GmbH, Frankfurt am
Main
Deutsche Asset Management Europe
GmbH, Frankfurt am Main
(旧社名:Deutsche Fonds Holding GmbH)
Versicherungsholding der Deutschen Bank
Aktiengesellschaft, Berlin and Bonn
Deutsche Bank Canada, Toronto
Deutsche Bank (C.I.) Limited, Guernsey
Deutsche Bank Financial Inc., Dover/U.S.A.
Deutsche Bank Lübeck Aktiengesellschaft
vormals Handelsbank, Lübeck
Deutsche Bank (Suisse) S.A., Geneva
* 持株リストでは、損益供与契約を結んでいる会社に記号が付されている。
118
連結決算書
[59] 信託業務
[59] 信託業務
信託資産
単位:百万ユーロ
他行への預け金および貸出金
1,006
393
顧客に対する貸出金
1,033
861
公社債およびその他の確定利付有価証券
1
–
株式およびその他の変動利付有価証券
197
184
参加持分
886
849
78
–
3,201
2,287
有形固定資産
合計
信託債務
単位:百万ユーロ
他行からの預金
[60] 従業員
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
78
902
その他の顧客預金
3,123
1,385
合計
3,201
2,287
当年度の平均実働従業員数は78,229人(1998年度:67,578人)で、この
うち女性は33,667人(1998年度:29,456人)であった。これらの数値には
パートタイム従業員が比例的に含まれている。国外勤務者は平均35,586人
(1998年度:25,647人)であった。バンカース・トラストの初回連結によっ
て、平均実働従業員数は5,679人増加した。
119
[61] 取締役および監査役に対する
報酬ならびに貸付金
取締役に対する1999年度の報酬総額は39,128,246.30ユーロであった。
ドイツ銀行の元取締役またはその遺族には15,566,389.29ユーロが支払われ
た。監査役に対しては、固定報酬174,580ユーロのほかに配当連動の報酬
総額1,508,000ユーロが支払われた。
元取締役およびその遺族のための年金債務引当金は総額79,907,018ユー
ロであった。
1999年度末現在においてドイツ銀行の取締役および監査役に対する前払
金、貸付金および偶発債務は、それぞれ5,477,162.23ユーロおよび
1,260,122.75ユーロであった。
[62] 取締役会
[62] 取締役会
Josef Ackermann
Tessen von Heydebreck
Carl L. von Boehm-Bezing
Jürgen Krumnow (1999年10月31日退任)
Rolf-E. Breuer (スポークスマン)
Hermann-Josef Lamberti (1999年10月1日就任)
Michael Dobson
Ronaldo H. Schmitz
Thomas R. Fischer
[63] マンデイト
マンデイト・リストは、ドイツおよび国外におけるマンデイトの明細を
記載したものであり、159ページの申込用紙を用いて無料で入手すること
ができる。
120
連結決算書
調整注記
連結決算書における方法の相違:
あり、最終的に同一の契約相手方
市場価格で計上されているディー
IASとドイツ商法(HGB)の比較
に帰する債権および債務は、IAS
リング目的所有有価証券および貸
ドイツの報告体系と異なり、国
の規定する相殺の要件を満たして
借対照表日現在未決済のデリバテ
際会計基準(IAS)は、債権者保護
いる場合、相殺されている。この
ィブ取引のプラスの時価からなっ
を、保守的な報告および評価の基
相殺要件には特に、強制力のある
ている。
準によってではなく、意味ある情
相殺権の存在が含まれている。さ
報を提供することによって達成し
らに、当該相殺は、期待される実
トレーディング業務における相殺
ようとする。以下の項目について
際の将来キャッシュ・フローを適
トレーディング資産およびトレー
は、IASの異なる目的のために、連
切に反映していなければならな
ディング債務は、強制力のある相殺
結決算書上、異なる会計処理と評
い。相殺は、レポ業務の債権債務
権があり、かつその相殺が、期待さ
価の方法または異なる報告方法が
について、グループが売手と買手
れる実際の将来キャッシュ・フロー
適用されている。
の双方となる場合、大幅に利用さ
を適切に反映している場合、相殺さ
れている。
れている。
リスク引当金
貸付有価証券
貸出金
...リース業務による
IASの原則により借手に帰属す
標準的な国際実務慣行に従って、
取引の経済実態に従って、貸付
ると見なされるリース(ファイナ
リスク引当金は資産の部の貸出金
有価証券は、グループが貸手であ
ンス・リース)のリース資産は、
の後に独立項目として開示されて
る場合、引き続き所有有価証券と
グループが貸手であり、かつファ
いる。これにより、リスク引当て
して報告される。これに対し、ド
イナンス・リースの要件が満たさ
の方針が、より明確に示されるこ
イツ商法によれば債権の計上が求
れている場合、連結決算書におい
とになる。
められる。これはグループが借手
である場合も同様であり、ドイツ
て、有形固定資産ではなく、顧客
に対する貸出金として報告されて
いる。税務的な面はここでは考慮
されない。
ディーリング目的所有資産
トレーディング業務はすべて公
商法によれば債務の計上が求めら
れる。
正価値で貸借対照表に計上されて
いる。この結果、ドイツ法の下で
債権債務の相殺
は未実現利益と見なされる果実部
同一期日かつ、同一通貨建てま
分も、計上額に含まれている。デ
たは自由に転換可能な通貨建てで
ィーリング目的所有資産は主に、
121
ツ商法では、未決済取引により生
この評価差額から一時的差異が算
投資には、ドイツ商法の下では
じる可能性のある損失について、
定され、これについて、その解消
流動性準備金に割り当てられる有
その損失を補うような含み益資産
される時期に関わりなく、繰延税
価証券も含まれており、また(非
によって貸借均衡しない限り、引
金資産または繰延税金負債が計上
連結)関係会社出資、関連会社出
当金の設定が求められる。
される。一方、ドイツ商法に基づ
投資
資および持分所有も含まれている。
ショート・ポジションもディーリ
く繰延税金は、商法上の損益と、
ング業務による債務として報告さ
税法に基づいて計算された利益と
れているが、これはドイツ商法で
の期間差異として認められるのみ
自社開発のソフトウェアは、そ
は、他行に対する債務および/ま
である。
れにより当行に経済的便益の生じ
たは顧客に対する債務として報告
る可能性が高く、かつその製造原
されなければならない。
無形固定資産
少数株主持分は、負債および資
価を信頼性をもって測定できる場
合、資産計上されている。
有形固定資産
税法に基づく数値はIAS準拠の決
少数株主持分
引当金
本側の株主資本の部の外に、独立
...年金および類似の債務
項目として計上されている。
年金引当金の保険数理上の計算
に当たり、予測昇給率が考慮に入
信託業務
算書では報告されない。結果とし
れられている。当期年金支払額の
経済実態に従って、当行が自行
て、有形固定資産は通常、ドイツ
修正は繰り延べられ、即時に全額
名義で第三者のために取引する信
商法準拠の決算書よりも高い額で
は取り崩されない。また、市場金
託業務は、貸借対照表に計上され
報告される。
利も用いられている。
ない。
ディーリング業務による債務
繰延税金
ディーリング業務による債務に
繰延税金は、貸借対照表に着目
は、デリバティブのプラスの時価
した一時的差異の概念に基づいて
と相殺された場合を除いて、デリ
計上されている。そこでは、貸借
バティブのマイナスの時価が含ま
対照表上の各資産および負債の残
れている。このような場合、ドイ
高が、税務上の残高と比較される。
122
連結決算書
リスク・レポート
中核的競争力としてのリスク管理
リスクのタイプ
(例えば、移転規制)または当
銀行において、リスクの包括的
ドイツ銀行がさらされているリ
該国特有の経済的要因(例え
な測定、監視および舵取りの能力
スクの中では、銀行業特有のリス
ば、通貨切り下げ)により、
は、その戦略的な地歩を築く上で
クと、一般企業活動によるリスク
その支払義務の履行が不可能
決定的要因となってきている。こ
の間で線引きが可能である。さら
となるリスク。
のことを理解するに当たり背景と
に、グループの保険会社には、保
して考慮に入れなければならない
険業特有のリスクがある。
において、それが履行されな
かったまたは期限が守られな
のは、国際銀行間のグローバルな
競争の激化、および技術の進歩が、
− 決済リスク:債務の相互決済
銀行業リスク
かった際に生じるリスク。
銀行業リスクは、利益を生み出
流動性リスクとは、期日の到来
多くの領域で金融仲介機関の役割
すために、意識的に引き受けられ
した支払義務を、期限通りに、求
を根本的に変えようとしているこ
ている。ここではこれを、マーケ
められた規模で履行することがで
とである。
ット・リスク、信用リスク、流動性
きない可能性をいう。また、高過
リスクに区分する。
ぎる金利での預金の受入れや、市
取引コストの急激な低下を媒介に、
銀行は、商品販売および希少物
資としての資本の獲得の両面で、
マーケット・リスクは、利益の動
場より低い利回りでの余資の運用
こうした強まる競争圧力にさらさ
きに影響を及ぼす市場価格(金利、
を余儀なくされることによる潜在
れている。
株価、為替レート、商品価格)の
的損失も、このリスクの対象に含
変動の不確実性の中にある。
まれる。
ドイツ銀行は、株主から調達し
た資本を最大限に活用するため、
信用リスクは、当行に対して顧
リスク管理を中核的競争力へと育
客が契約上の支払義務を履行しな
て上げてきた。
い可能性の中にある。ドイツ銀行
保険業務に特有とされるリスク
にとってこれは、単独では最も重
は、偶然の理由から支払額が予測
要なリスクであり、以下のタイプ
を超えるリスク(追加リスク)お
のリスクからなっている:
よび、全般的な状況や被保険者の
− 債務不履行リスク:契約上合
行動が時を経て変化し、しかもそ
意した顧客の支払の部分的ま
うした変化が即時に認識されず掛
たは全面的な不履行。
金の調整や保険条件の変更によっ
− カントリー・リスク:顧客また
は契約相手方が、行政措置
保険リスク
て考慮されないリスク(変化リス
ク)である。
123
一般企業活動によるリスク
− 各グループ部門は、業務上の
オペレーショナル・リスクと一般
権限および与えられた限度枠
ビジネス・リスクは、銀行業の活動
の範囲内で、利益追求の観点
に不可欠なものである。
からリスクを引き受ける。
オペレーショナル・リスクは、経
− 各リスク管理部は、グループ
営破綻などの予測不能な事象や不
の部門構成に添って、しかし
十分な管理統制、あるいは従業員、
規律上、各グループ部門の管
第三者、契約関係、技術、(物的ま
理からは独立して、リスクの
たは電子的)資産に関する管理統
監視および管理(例えば、限
制上またはシステム上の欠陥によ
度枠の設定)につき、グルー
って損失の生じる可能性と理解さ
プ取締役会を補佐する。
れている。
一般ビジネス・リスクは、市場環
− 統制部は、各グループ部門お
よび各リスク管理部から独立
境、顧客の行動、技術の進歩とい
の立場にあり、リスクの透明
った状況の変化を原因とした利益
性およびリスク関連データの
の動きの不確実性を意味する。ビ
質の保証に責任を負う。
ジネス・リスクは、1999年度より
独立のリスク項目として扱われて
いる。
リスク管理の基本構造
リスク方針の設定および導入に
は、グループ取締役会が責任を負っ
ている。ここでリスク管理の全体的
な枠組が設定される。表[A]は、
ドイツ銀行におけるリスク管理の主
な職務とその責任部署を要約したも
のである。これは、グループのリス
ク管理構造を示している:
[A] リスク管理における職務割当
リスクの測定および報告:
統制部
グループのリスク概要に関する、質の保証された最新情報の定期的な提供
限度枠の設定:
当行のリスク許容量を反映した、整合のとれた限度枠システムの開発
各リスク管理部
統一的な方法および手続の定着
リスクの引き受け:
取引の開始およびポジションの創設
(例えば、与信業務、トレーディング業務によるもの)
各グループ部門
リスク/利益比率の最適化
エクスポージャー管理:
各リスク管理部
限度枠を超過した場合の措置
必要に応じ、リスク削減対策の開始
質の保証:
統計的測定技法の質の分析(事後検証)
リスク手続の定期的な分析
124
統制部、各リスク管理部
連結決算書
2000年2月から:統合された新リス
れた手法もある。また、統合され
− 危機的状況をシミュレートす
ク管理構造
たリスク管理に必要な手法も持っ
るシナリオ(例えば、イベン
ている。
ト・リスク・シナリオ)の分析
2000年2月から、リスク管理部の
から得られた数値。
組織が変更された。特に強調すべ
き主な変更点は以下の2点である:
量的リスク管理手法
経済的資本
− グループ取締役会は、グルー
その広範な手法のうち重要なも
プの最高リスク責任者(グル
のは、量的主要数値である。ここ
内部管理目的の中心的な主要数
ープ取締役会のメンバー)を
では、内部目的の数値を、規制目
値は、経済的資本である。これは、
委員長とする新設のグルー
的で計算される数値と区別する必
分散効果を考慮に入れたリスクの
プ・リスク委員会に、リスク
要がある。
総量であり、予期しなかった損失
これらの管理数値に基づいてグ
をも、かなりの確実性を持って吸
− 各グループ部門内の独立のリ
ループ取締役会は、リスクの限定
収できるために必要な株主資本の
スク管理部(信用リスク、マ
と管理のために、リスク限度枠を
額を示している。ドイツ銀行は、
ーケット・リスクおよびオペレ
各グループ部門に割り当てる。
債務不履行リスク、マーケット・リ
方針の導入を委任する。
スクおよびビジネス・リスクについ
ーショナル・リスク)は、統合
されて、単一のリスク管理部
となる。これらの部の責任者
内部目的のリスク管理数値
グループは以下の数値を利用し
て経済的資本を計算している。
経済的資本は、与えられた確率
は、代表者としてグループ・リ
ている:
の下で、ある特定の1年間でそれを
スク委員会に出席する。
− 個々のリスクを示すための数
超えることのない見積損失として
こうした方策によってドイツ銀
行は、すべてのリスクを、グルー
値。
− 個々のリスク間の相互依存性
測定される。ドイツ銀行では、こ
の確率(信頼水準)は99.98%であ
プ・レベルで統合された基礎に基づ
を考慮に入れた上で、リスク
り、したがって最高の基準が満た
いて監視し管理するのに適した組
の総量を測定するための数値。
されている。
織構造を持つことになる。
これらの数値は演繹的統計的
方法を基礎としている。それ
リスク管理手法
グループのリスク管理機能は、
は、経験的データの分析から
得られた予測や見積である。
幅広いリスク監視・管理手法を持
っている。その中には、各リスク
項目の特色に合わせて特に調整さ
125
マーケット・リスクに関する経済的
(特に債務不履行リスクに関連す
額が算出される。これは、例えば、
る)および、マーケット・リスク・
規制目的の規定では債務不履行リ
ポジション帰属額(金利、為替レ
スクについて分散効果を考慮に入
的資本を計算するための特別な方
ート、株価および商品価格リスク)
れていないことなどによる。
法として、ヴァリュー・アット・リ
からなる。当行のリスク・ポジショ
スク・アプローチが用いられてい
ンは、規制上の求めに従い、資本
資本は、少なくとも経済的資本を
る。ヴァリュー・アット・リスクは、
による裏付けを必要とする。
カバーしている必要があるが、そ
資本:ヴァリュー・アット・リスク
マーケット・リスクに関する経済
実際に利用可能な報告上の株主
あるポートフォリオについて、一
ドイツ銀行は、リスク・ポジショ
れだけでなく、経済的資本に含ま
定の期間(ドイツ銀行では保有期
ンの構成要素としてのマーケット・
れていないリスクや潜在的な事業
間1日)中に、一定の確率(ドイツ
リスク・ポジションの計算にヴァ
の成長に備えるクッション部分も
銀行では99%)で、(市場価格に関
リュー・アット・リスク・アプローチ
含める必要がある。規制目的では、
連して)将来発生する可能性のあ
を用いることについて、認可を受
一定の規定された比率を満たして
る、通常の市場状況ではそれを超
けている。
いなければならない。
えることのない損失を測定する。
全ポートフォリオのヴァリュー・ア
ット・リスクは、当行のマーケッ
株主資本
リスク・ポジションの裏付けに用
ト・リスク総量を示している。マー
いることができ、銀行規制目的で
ケット・リスクに関する経済的資本
認められている資本構成項目(株
はヴァリュー・アット・リスクから
主資本)は、コア資本(Tier I)、補
導き出される。
完的資本(Tier II)およびTier III資
金からなる。貸借対照表で報告さ
規制当局の定める数値
規制上、当行のリスク引受能力
を評価するため、以下の数値の算
れた株主資本と規制上の資本構成
項目との関係は、105頁に記載され
ている。
定が求められている。
内部目的と銀行規制目的による資
リスク・ポジション
リスク・ポジションは、当行の引
本の裏付け
銀行規制目的と内部目的のリス
き受けたリスクを銀行規制上の規
ク管理手続によって、資本の裏付
定に従って計算したものを意味す
けの最低水準に関し、異なる必要
ると理解されている。リスク・ポジ
ションは、リスク加重調整済資産
126
連結決算書
グローバル・コーポレート&イン
ける毎日のヴァリュー・アット・リ
スティテュ−ションズ部門トレー
スクの推移は、相対的に変動幅が
について、より詳細な説明がなさ
ディング・ユニットのヴァリュー・
小さいという特徴を示している。
れている。
アット・リスク
バンカース・トラストの統合によっ
リスクのタイプに関する情報
以下の項では、リスクのタイプ
て、ヴァリュー・アット・リスクで
同グループ部門トレーディング・
マーケット・リスク
ドイツ銀行では、グローバル・
ユニットのバリュー・アット・リス
測定されるマーケット・リスクは、
ク(信頼水準99%、保有期間1日)
平均10百万ユーロ増加した。
銀行規制目的の報告システムで
コーポレート&インスティテュ−
は、1999年12月31日現在で45.31
ションズ部門のトレーディング・
百万ユーロであった。グラフは
規定しているリスク項目に従って
ユニットと財務部が、その資産、
1999年度の毎日のヴァリュー・ア
分類した、同グループ部門トレー
負債および流動性の管理権限の範
ット・リスクの推移を示している。
ディング・ユニットのマーケット・
囲内で、マーケット・リスクを引き
1999年度の初めの5か月間にお
受ける権限を与えられている。引
き受けたリスクを管理するため、
リスクは、表[B]の通りである。
1999年度の毎日のヴァリュー・アット・リスク、保有期間1日
単位:百万ユーロ
リスク管理部は、ヴァリュー・アッ
50
ト・リスクおよびイベント・リスク・
シナリオに基づいて、限度枠を設
45
定している。
40
35
30
1/99
2/99
3/99
4/99
5/99
6/99
7/99
8/99
9/99 10/99 11/99 12/99
[B] トレーディング・ユニットのリスク項目別ヴァリュー・アット・リスク
単位:百万ユーロ
ヴァリュー・
アット・リスク*
金利リスク
合計
株価リスク
合計
商品価格
リスク
外国通貨
リスク
1999年12月31日現在の
ヴァリュー・アット・リスク
45.31
41.09
17.83
1.35
6.73
1999年度の最小
ヴァリュー・アット・リスク
30.69
27.50
9.00
0.58
2.69
1999年度の最大
ヴァリュー・アット・リスク
54.11
48.44
27.56
3.77
25.86
1999年度の平均
ヴァリュー・アット・リスク
41.44
37.57
14.47
1.89
8.69
* すべて、保有期間1日、信頼水準99%とした数値である;経験的相関関係を含む。
127
ヴァリュー・アット・リスクの最小
ット・リスクは、一般リスク28.54
値および最大値は、この数値の
百万ユーロと特定リスク24.16百万
1999年度の変動幅を示している。
ユーロからなっている。また一般
株価リスクの平均値は10.74百万ユ
金利リスクおよび株価リスクの
ヴァリュー・アット・リスクは、そ
ーロ、特定株価リスクの平均値は
れぞれ2つの構成要素からなって
9.66百万ユーロである。
表[C]は、グローバル・コーポ
いる。一般リスクは、一般的な市
場の動きによる価値の変動を表し
レート&インスティテュ−ション
ており、他方、特定リスクは発行
ズ部門の個々のトレーディング・ユ
者関連の原因によるものである。
ニットのヴァリュー・アット・リス
金利リスクの平均ヴァリュー・ア
クを示している。
[C] トレーディング・ユニットのヴァリュー・アット・リスク
単位:百万ユーロ
トレーディング・ユニット
ヴァリュー・アット・リスク
1999年12月 1998年12月
31日現在
31日現在
確定利付*
最小ヴァリュー・
アット・リスク
1999年度 1998年度
最大ヴァリュー・
アット・リスク
1999年度 1998年度
平均ヴァリュー・
アット・リスク
1999年度 1998年度
–
21.36
–
5.36
–
21.62
–
14.01
12.79
–
8.53
–
16.11
–
11.83
–
政府*
8.87
–
8.87
–
19.42
–
13.78
–
地方公共団体*
0.44
–
0.44
–
7.20
–
2.97
–
投資適格与信*
グローバル資産証券化*
9.59
–
9.07
–
18.32
–
12.19
–
ハイ・イールド*
5.02
–
2.70
–
6.92
–
5.14
–
貸付/貸付シンジケーション*
6.43
–
0.34
–
8.54
–
5.07
–
12.81
5.20
4.09
1.67
15.35
5.88
7.67
3.23
金融市場
債券・資本市場
0.54
1.20
0.54
0.36
5.22
3.21
2.01
1.47
12.57
16.91
8.54
7.97
26.31
18.45
12.43
12.61
外国為替
5.77
10.04
2.35
2.38
8.94
10.15
5.27
5.38
商品
1.35
1.41
0.58
0.55
3.77
2.20
1.88
1.38
OTCデリバティブ
自己勘定取引
新興市場
新興市場の自己勘定取引**
3.44
1.26
0.46
0.80
3.72
7.76
2.75
3.51
17.75
14.31
10.48
5.38
29.94
15.53
17.74
10.42
–
6.76
–
3.72
–
18.22
–
9.03
16.66
10.65
8.85
5.38
27.42
15.53
13.99
10.42
その他*
6.39
–
3.15
–
8.19
–
4.86
–
合計***
45.31
37.17
30.69
21.68
54.11
40.49
41.44
30.51
株式
投資適格与信、グローバル資産証券化、政府、ハイ・イールド、貸付/貸付シンジケーション、地方公共団体、その他の数値は、1999年6月4日以降の期間をカバーしている;
確定利付の数値は、1999年6月4日までの期間をカバーしている。これは、バンカース・トラスト統合の枠組の中で行われたユニットの再構築によるものである。
** このユニットは1999年1月に解体された。残存ポジションは他のユニット、特に新興市場に移管された。
*** 経験的相関関係を含む。
*
128
連結決算書
毎日のトレーディング収益
日数
ストレス・テストは極端な市場変動
をシミュレートする
40
ヴァリュー・アット・リスクが、
毎日計算され、通常の市場変動に
30
20
おける最大損失の予測値を提供す
る一方で、毎週行われるストレス・
テストは、極端な市場変動をシミ
10
ュレートする。ここではトレーデ
ィング・ポートフォリオは、ヴァリ
0
-10 – -5
単位:百万ユーロ
0–5
10 –15
20 –25
30 – 35
40 – 45
50 – 55
>60
ュー・アット・リスクの対象としな
い極端な市場シナリオの下で評価
される。
モデル予測をチェックするための
グループのヴァリュー・アット・リ
事後検証
スク
イベント・リスク・シナリオはリス
ク分析を補強する
経験的な市場の動きに基づいた
グループのヴァリュー・アット・
ヴァリュー・アット・リスク法が意
リスクは、グローバル・コーポレ
味のあるものかどうかは、事後検
ート&インスティテュ−ションズ
析は、特に新興市場ポートフォリ
証によって確かめられる。ここで
部門トレーディング・ユニットのマ
オの評価にとって、非常に重要で
は、毎日の損益が、ヴァリュー・ア
ーケット・リスク、ならびに非トレ
ある。さまざまな国における株式、
ット・リスク法を用いた価値予測と
ーディング・ユニットの金利リスク
金利および外国為替市場の暴落が、
比較される。
および為替リスクからなっており、
秩序立ったイベント・リスク格付け
表[D]に示されている。
に基づいてシミュレートされる。
グラフは、事後検証の基礎とし
各国特有のイベント・リスクの分
て用いられた1999年度の毎日のト
このイベント・リスク格付けは、毎
レーディング収益の分布を示して
週見直され、ある国がどれくらい
いる。プラスのトレーディング収
金融市場危機に陥りやすいかを表
益がトレーディング日数の99%に
す。ここでは、イベント・リスク格
おいて達成されている。1999年度
のトレーディング日で、その日の
[D] グループのヴァリュー・アット・リスク
ヴァリュー・アット・リスクを超え
単位:百万ユーロ
る損失を出した日はなかった。こ
ヴァリュー・アット・リスク*
1999年12月31日現在のヴァリュー・アット・リスク
61.25
のことは、ドイツ銀行のヴァリュ
1999年度の最小ヴァリュー・アット・リスク
33.84
ー・アット・リスク・モデルが、マー
1999年度の最大ヴァリュー・アット・リスク
61.25
ケット・リスクを過少見積していな
1999年度の平均ヴァリュー・アット・リスク
47.81
かったことを示している。
* すべて、保有期間1日、信頼水準99%とした数値である;第5条第1項第2文の第1原則に従って除外される項目を除く。
129
1999年度のグループ部門別の
付けは、信用リスク評価のための、
信用リスク・エクスポージャー
−標準リスク原価*
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ 44%
一般個人顧客および
富裕層向けバンキング 17%
その他 2%
− 特定の商品または顧客のため
より長期の国の格付けと区別する
の指針は、グループの信用リ
必要がある。これらは、頻度が遥
スク管理の方法と手続を業務
かに高く、観測期間もより短い(1
に合わせて構築するための基
か月から3か月)。この格付けの評
礎となる。
価段階は、1(最低リスク)から10
− 与信原則および与信方針に従
(最高リスク)までである。格付け
って、個々の与信の決定は部
によって、適用されるシナリオが
門単位の各与信部で行われ、
決まる。国の格下げは、限度枠管
一定の水準を超えるものはグ
理を通じて、そこでのポジション
ループ取締役会で決定される。
削減につながる。
信用リスク・ポジション
信用リスク
法人顧客および不動産
37%
−経済的資本*
グローバル・コーポレート&
インスティテューションズ 59%
一般個人顧客および
富裕層向けバンキング 8%
その他 3%
法人顧客および不動産
30%
ドイツ銀行は、総合的な信用リ
ドイツ銀行のすべてのグループ
スクを、標準リスク原価と経済的
部門は、信用リスクを引き受けて
資本を用いて決定している。標準
いる。今後、グループの信用リス
リスク原価は、与信業務における
クは、グループ・リスク委員会およ
リスク・プレミアムであり、過去
び各グループ部門のリスク管理責
の経験値に基づいて、1年間に債
任者を通じて管理される。
務不履行から生じると予測される
主な原則は以下の通りである:
損失として算出される。標準リス
− 当行の信用リスク引受は、グ
ク原価は、取引レベルで、また銀
ループ・リスク委員会によって
行全体の舵取りの枠組の中で、取
明確化され、グループ取締役
引条件を構築するために利用され
会によって承認される。監査
ている。
役会は当行のリスク概要を定
期的に監視する。
− 当行の信用リスク引受は、与
グループの信用エクスポージャ
ーの標準リスク原価は、1999年度
に10億ユーロであった。これは、
信方針を通じて各グループ部
リスク・プレミアム(グループ平均
門で実行され、主要業種に対
では与信相当額の0.22%)として、
する与信戦略は、適切な限度
理想的には当行が金利幅によって
枠を通じて営業活動において
生み出すべき額の一部である。
実行される。
信用リスクに関する経済的資本
は113億ユーロであった。与信相当
* カントリー・リスクおよび決済リスクを除く。
130
連結決算書
額に占める経済的資本の割合で示
[E] グループ部門別の信用リスク
した資本裏付け率は、2.4%である。
1999年度末現在、信用リスクの
標準リスク原価*
1999年度
与信相当額に対する割合(%)
経済的資本*
1999年度
グループ部門別の分布は、130ペー
一般個人顧客および富裕層向けバンキング部門
0.33
1.7
ジの図表に示す通りであった。
法人顧客および不動産部門
標準リスク原価および経済的資
本に占める各グループ部門の割合
0.27
2.4
グローバル・コーポレート&インスティテュ−ションズ部門 0.18
2.6
グループ
2.4
0.22
* 前年度の数値は、計算方法が変更されたため、不要とされた。
は、総エクスポージャーに占める
割合および事業に内在する異なる
リスク水準から導き出される。
表[E]は、与信相当額に対する
表[F]は、業種別のリスク概要
標準リスク原価および経済的資本
およびその相対的リスク水準を大
の割合をグループ部門別に示した
まかに表している。
この分析によって、当行の信用
ものである。
バンカース・トラストの取得に伴
エクスポージャーの約半分が相対
って増加した信用リスク・エクスポ
的に低いリスク(与信相当額に対
ージャーは、ポートフォリオ全体
する経済的資本の割合が2%未満)
の分散化の推進に貢献し、特に高
であることが、はっきりと示され
度に国内向けのポートフォリオの
ている。
比率に好影響を与えた。
[F] 業種別信用リスク
業種*
グループ
与信相当額に
占める割合
(%)
標準リスク
原価の与信
相当額に対する
割合(%)
経済的資本の
与信相当額に
対する割合
(%)
銀行業および保険
27
0.07
1.6
製造
13
0.35
3.8
個人
10
0.20
1.0
公共部門、社会保険機関
13
0.03
1.1
5
0.46
4.0
不動産および住宅
11
0.34
3.0
その他合計
21
0.35
3.3
商業
* 与信相当額に占める割合が5%を超える業種を、独立項目として表示している。
131
[G] 与信相当額の信用格付別分類
信用格付または格付相当
(Standard & Poor's格付)
グループ与信相当額に
占める割合(%)
AAA – AA
31.4
A
19.3
BBB
26.3
BB
18.1
B
4.3
CCCおよびそれ以下
0.6
表[G]は、行内で格付けされ
6月末の報告日までに統合された。
た信用リスク・エクスポージャー
バンカース・トラストの、ラテン・
の信用格付別の構成を示している。
アメリカにおけるリスクの増加は、
主に商業業務におけるものであり、
カントリー・リスクの動向
新興市場の顧客との業務におけ
一方、アジアでのリスク増加は、
デリバティブ業務に集中していた。
るリスク低減の道程は、アジア危
最後に、表[H]は、借り手の
機の突発前に始まり、1999年度上
本拠地所在国による、与信相当額
半期中も続けられた。これは同時
の地域別分類を示している。
に、1998年度のロシアにおける、
また1999年1月のブラジルにおけ
る危機的動向をも背景としていた。
バンカース・トラストは、当行によ
る取得前に、その新興市場に対す
る少なからぬエクスポージャーを、
既に相当程度、減らしていた。こ
[H] 与信相当額の地域別分類
与信相当額に対する割合(%)
れは、取得後も断固として続けら
れた。こうした戦略のおかげで、
東ヨーロッパ
1.2
西ヨーロッパ
66.2
バンカース・トラストのエクスポー
アフリカ
0.4
ジャーは、少数の例外を除いて、
アジア/太平洋*
8.0
ドイツ銀行の既存の限度枠構造に、
北アメリカ
1.5
その他**
4.0
* オーストラリア、日本、ニュージーランドを含む。
** 例えば、超国家的機関。
132
18.7
中央および南アメリカ
連結決算書
デリバティブ業務による債務不履
[I] OTCデリバティブのトレーディング業務 - 選定業種別分類
行リスク
業種:
ネッティング後のプラスの時価
単位:十億ユーロ
デリバティブ業務には信用リス
OTCデリバティブ*
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
クが伴う。それは契約相手方の債
銀行業および保険
52.05
35.21
製造
2.51
0.54
ンを組み直す必要がある場合に再
個人
0.14
0.01
調達原価がかかる可能性があるた
公共部門
1.94
0.70
めである。
商業
0.53
0.15
不動産および住宅
1.11
0.04
サービス/その他**
3.07
2.26
61.35
38.91
務不履行により、同等のポジショ
...業種別分類
表[I]は、OTCデリバティブの
トレーディングにおけるグループ
* 契約相手方に関連する、強制力のあるネッティング契約に基づく
** 主に会社向けのもの
の信用リスク負担業務についてそ
の選定業種別分類を示している。
...規制上の契約相手方区分別の分類
同様に、規制上の契約相手方区
分別分類は、表[J]に示されてい
[J] OTCデリバティブのトレーディング業務 - 契約相手方区分別分類
契約相手方区分:
ネッティング後のプラスの時価
単位:十億ユーロ
1999年
1998年
12月31日現在 12月31日現在
る。
OECD中央政府*
1.89
0.67
OECD与信機関*
39.05
20.50
OECD金融サービス機関*
6.70
1.94
その他(企業、私個人)
9.93
14.67
非OECD中央政府
0.04
0.00
非OECD与信機関
1.82
0.87
非OECD金融サービス機関
1.92
0.26
61.35
38.91
* OECD:ドイツ銀行監督法に基づき1998年ゾーンA国、メキシコ、ポーランドおよび韓国を除く。
133
136/137ページの表[L]は、貸
トレーディング業務のほか、デ
借対照表日現在未決済のトレーデ
リバティブ取引は投資ブックのリ
OTCデリバティブ・ポートフォ
ィング業務から生じた商品別のデ
スクを管理するためにも使われて
リオに属するトレーディング業務
リバティブ取引、および報告年度
いる。
の信用格付別分類(ネッティング
通年の平均値を表示している。
OTCデリバティブの信用格付別分
類
流動性リスク
を含む)は、契約相手方の構成に
過年度と同様、デリバティブ業
関するより詳細な分析となるもの
務は、投資銀行業務が引き続き成
流動性の管理および流動性リス
で、表[K]に示されている。
長したことにより拡大した。デリ
クの管理には、グループ財務部が
バティブ業務の再調達原価(プラ
責任を負っている。
純再調達原価(ネッティング後
のプラスの時価)でみた場合、
スの時価)は1,197.5億ユーロ
ドイツ銀行の流動性管理は、グ
74%(1998年度:81%)がAAA、
(1998年度:779億ユーロ)となっ
ループの主要な取引通貨を中心に
AAまたはAの格付に属している。
た。強制力のあるネッティング契
行われている。個々の通貨の現地
約を含めると、純再調達原価は
における流動性は、分散した各財
613.5億ユーロ(1998年度:389.1
務部で管理されている。これらの
億ユーロ)となる。
通貨の流動性を確保するため、当
なお、与信デリバティブのトレ
行は、フランクフルト、ニューヨ
ーディング業務もあるが、これは
ークおよび東京で、流動性の高い
報告日現在、重要性ある大きさに
有価証券を常に相当量、保有して
は達しなかった(プラスの時価30
いる。
百万ユーロ)。
[K] OTCデリバティブのトレーディング業務 - 信用格付別分類
信用格付または格付相当
(Standard & Poor's格付)
1999年12月31日現在 単位:百万ユーロ
合計
ネッティング
後の
プラスの時価
想定
元本中の
割合(%)
1年以下
1−5年
想定元本
5年超
149,393
161,853
123,134
434,380
10,539
85,226
56,480
60,160
201,866
1,975
0.98
2,982,023
1 451,095
936,702
5,369,820
32,723
0.61
BBB
612,416
395,555
127,744
1,135,715
8,082
0.71
投資対象外格付
160,602
82,977
64,521
308,100
4,594
1.49
97,632
33,534
19,875
151,041
3,438
2.28
4,087,292
2,181,494
1,332,136
7,600,922
61,351
0.81
AAA
AA
A
その他
合計
134
2.43
連結決算書
流動性リスク管理に用いられて
いる手法には、現在の業務から予
オペレーショナル・リスク
ドイツ銀行のオペレーショナル・
西暦2000年(西暦2000年対応に関
する開示)
測される将来のすべての契約上の
リスクの評価および管理には、各
キャッシュ・フローの、日別およ
グループ部門が責任を負っている。
ル・リスクの特殊タイプが内包さ
び通貨別の記録が含まれている。
これらグループ部門はリスクを取
れていた。新たなミレニアムへの
不確実なキャッシュ・フロー、すな
る立場にあり、いかなる形態で、
移行は、ドイツ銀行グループのす
わち市場の状況や契約相手方の意
いかなる範囲までリスクを引き受
べての会社において成功裏に達成
思決定に依存するものは、統計的
けるべきかあるいは削減すべきか
された。業務運営上、年度の変わ
手法を用いて見積もられている。
を決定する。現在の日々のオペレ
り目にも閏2月にも、Y2K問題によ
ーショナル・リスク管理に加えて、
って、これといった障害は起こら
重要な構成要素には他に、無担保
ドイツ銀行は、他の機関と協力し
なかった。1996年度に着手された
資金調達の監視および、必要な場
て、オペレーショナル・リスクの枠
グローバルなプロジェクトの一環
合に資産の売却または貸与によっ
組みの定義に取り組み始めた。そ
として実施され、1999年6月以降
て増やすことが可能な短期流動性
の意図は、オペレーショナル・リ
はバンカース・トラストも含めて実
スクを、グローバルに、またマル
施された徹底的な移行作業は、こ
これらの報告システムへの移行は
チ銀行の立場から、継続的な原則
うして成功した。最盛期には1,500
既に開始されている。
および測定技法に従って捉えるの
人以上が動員されたY2Kプロジェ
を確実にすることにある。これに
クトのグループ全体の総費用は
加え、全般的に効力のある基準が
511.29百万ユーロであった。
統合された流動性リスク管理の
(貸借対照表流動性)の見積がある。
ビジネス・リスク
グループ取締役会は、ビジネス・
リスクをグループ・レベルで、当行
定義された。これは新商品導入の
際に考慮に入れる必要がある。
Y2K問題には、オペレーショナ
Y2K問題は、多種多様のコンピ
ュータ・アプリケーションで年号を
の戦略的方向付けを通じて、管理
2桁で処理したために、データ処理
している。個々のグループ部門は、
上、世紀間の識別が不可能となっ
その職務権限の範囲内で、戦術的
たことによって起こった。加えて、
な日々の管理活動に責任を有して
西暦2000年は特別な閏年であり、
いる。ここでは、有効な費用/収
このことも多くのコンピュータ・ア
益管理のための主な基礎は、グル
プリケーションでは考慮されてい
ープの内部管理情報システムであ
なかった。従って、西暦2000年へ
る。
の移行時あるいは閏月に際して
個々のプログラムの転換をしなか
ったならば、誤作動、データ消失、
またはシステム機能停止が起こり、
その結果、相当に重大な影響の及
ぶリスクが、特に銀行において、
135
[L] デリバティブのトレーディング業務
1年以下
1−5年
残存期間別の想定元本
5年超
合計
金利関連取引
OTC商品
金利先渡契約
金利スワップ(同一通貨間)
金利オプション購入
金利オプション売却
その他の金利取引
697,316
1,752,459
130,054
138,883
19,048
54,232
1,624,005
290,104
315,477
21
0
1,160,528
70,405
98,561
10
751,548
4,536,992
490,563
552,921
19,079
小計
2,737,760
2,283,839
1,329,504
6,351,103
取引所売買商品
金利先物
金利オプション購入
金利オプション売却
1,889,447
171,417
149,117
361,350
18,934
18,924
93,641
0
0
2,344,438
190,351
168,041
小計
4,947,741
2,683,047
1,423,145
9,053,933
1,271,326
50,187
82,138
81,843
30,585
109,985
8,182
7,199
447
81,918
7,036
533
1,302,358
242,090
97,356
89,575
1,485,494
155,951
89,934
1,731,379
7,280
7,767
6,730
35
0
0
0
0
0
7,315
7,767
6,730
1,507,271
155,986
89,934
1,753,191
26,632
31,987
18,553
10,134
28,086
25,757
2,156
1,530
2,719
38,922
61,603
47,029
小計
77,172
63,977
6,405
147,554
取引所売買商品
株式/指数先物
株式/指数オプション購入
株式/指数オプション売却
37,177
459
462
175
31
17
0
0
0
37,352
490
479
115,270
64,200
6,405
185,875
その他の取引
OTC商品
貴金属取引(含む:金)
非貴金属取引
21,781
4,365
21,828
4,332
7,317
788
50,926
9,485
小計
26,146
26,160
8,105
60,411
9,450
650
1,892
1,922
306
249
0
0
0
11,372
956
2,141
38,138
28,637
8,105
74,880
4,326,572
2,529,927
1,433,948
8,290,447
単位:百万ユーロ
通貨関連取引
OTC商品
為替予約取引
異種通貨間スワップ
外国為替オプション購入
外国為替オプション売却
その他の外国為替取引
小計
取引所売買商品
外国為替先物
外国為替オプション購入
外国為替オプション売却
小計
株式/指数関連取引
OTC商品
株式/指数スワップ
株式/指数オプション購入
株式/指数オプション売却
その他の株式/指数売買
小計
取引所売買商品
先物
オプション購入
オプション売却
小計
取引所売買商品以外の合計
合計
銀行規制目的で認識されるネッティング契約後のプラスの時価
* 時価はOTCデリバティブについてのみ記載されている。
136
連結決算書
プラスの時価*
365
52,598
7,885
マイナスの時価*
356
58,076
純時価*
61
8,147
30
9
– 5,478
7,885
– 8,147
31
60,909
66,609
– 5,700
直近12か月の平均値
マイナスの時価
想定元本
プラスの時価
641,891
3,208,549
352,432
400,604
114,793
396
47,413
6,126
190
10,829
58
4,718,269
54,125
61,495
381
50,227
1,225,609
27,560
819,768
60,909
66,609
– 5,700
6,791,206
54,125
61,495
26,595
12,867
3,067
26,288
12,031
307
836
3,067
– 1,842
988,853
167,808
107,488
103,954
136
21,659
8,758
2,824
21,803
8,010
4
1,877
1
1,368,239
33,245
31,691
1,842
42,529
40,161
2,368
1,573
2,133
185,437
42,529
40,161
2,368
1,557,382
33,245
31,691
3,473
11,864
4,177
– 704
11,864
– 12,160
32,820
49,450
56,223
441
2,204
7,417
1,997
6
7,398
58
138,934
9,627
9,453
12,160
15,337
16,337
– 1,000
18,969
1,114
41,879
15,337
16,337
– 1,000
200,896
9,627
9,453
201
775
153
815
48
– 40
35,343
14,102
888
534
819
621
976
968
8
49,445
1,422
1,440
2,973
5,117
1,805
976
968
8
59,340
1,422
1,440
119,751
124,075
– 4,324
6,274,887
98,419
104,079
61,351
137
金融サービス提供者の強力なネッ
リスクの査定および価格決定プロ
監督法に基づく資本およびリスク・
トワークと銀行業という立場の重
セスにおいて利用される。
ポジション
要性から、指摘されていた。
すべての保険会社において、慎
銀行規制上の観点から、バーゼ
重性の原則に従って、引当金が設
ル委員会の最低基準(BIS規制)の
グループ保険会社における保険業
定されている。さらに、自己勘定
ドイツにおける実施基準に基づい
務特有のリスク
のリスクは、選定された再保険業
て算定したリスク・ポジション(リ
者にリスクを移転することにより
スク加重調整済資産およびマーケ
限定されている。
ット・リスク相当額)は、表[M]
保険業務特有のリスクに対して
は、適切な一連の手法がある。こ
に示された通りである。
れには、対人保険における実証さ
れた寿命測定計算の利用と統計的
に十分な安全のための余裕、リス
総合的リスク・ポジション
総合的リスク・ポジションを算定
ク引受についての厳格な指針とそ
するために、全種類のリスクに関
れへの準拠性の絶え間ない監視、
する経済的資本の数値が合算され
保険ポートフォリオ内の分散化に
る。すなわち、基礎となっている
よる全体でのリスクの平準化が含
のは、極端な損失が全種類のリス
まれる。
クにおいて同時に発生するという
損害保険では、ポートフォリオ
に取り込まれたリスクとその推移
保守的な仮定である。
1999年12月31日現在、グループ
が絶え間なく監視されている。保
の経済的資本は、分散効果を考慮
険金請求の動きの変化や市場動向
に入れて合計151.6億ユーロ
の変化によって得られた知識は、
(1998年度:123.9億ユーロ)であ
った。これには、カントリー・リ
スク、流動性リスク、オペレーシ
ョナル・リスクおよび保険会社にお
けるリスクは含まれていない。
138
連結決算書
[M] BIS規制リスク・ポジション
単位:百万ユーロ
1998年12月
31日現在
1999年3月
31日現在
240,910
257,339
295,799
285,316
283,945
13,282
18,738
13,310
9,100
8,676
254,192
276,077
309,109
294,416
292,621
リスク加重調整済資産
マーケット・リスク相当額
合計
1999年6月 1999年9月 1999年12月
30日現在
30日現在
31日現在
株主資本
BIS規制株主資本は、表[N]の
通りである。
ドイツ銀行の資本比率は12.0%
であり、BIS規制上求められている
最低比率8%を十分に上回ってい
る。
[N] BIS規制株主資本
単位:百万ユーロ
1998年12月 1999年3月 1999年6月 1999年9月 1999年12月
31日現在 31日現在 30日現在
30日現在
31日現在
コア資本(Tier I)
15,979
16,016
16,554
16,509
17,338
補完的資本(Tier II)
13,364
13,377
16,554
16,509
17,338
0
0
760
520
496
29,343
29,393
33,868
33,538
35,172
6.3 %
5.8 %
5.4 %
5.6 %
5.9 %
11.5 %
10.6 %
11.0 %
11.4 %
12.0 %
利用可能Tier III資金
適格株主資本合計
コア資本比率
(マーケット・リスクを含む)
BIS規制資本比率
139
見通し
は既にかなり上昇している。従っ
なる経営潜在力が、企業買収、合
てさらに2000年度において金利が
併および再構築プログラムによっ
2000年度には、経済は高成長に
上昇するとしても、その幅は限ら
てもたらされる。これらは今後も
収斂する兆しが見られる。アジア、
れたものとなろう。ユーロ通貨圏
なお、会社の効率化のために必要
ロシアおよびラテン・アメリカで危
内のさまざまな国債間の金利差が
不可欠であろう。市場の基礎を支
機を見た前年度とは対照的に、主
かなり縮まってきたことから、債
えているのは、重要性を増してい
な地域で深刻な成長問題を抱える
券に関しては、信用度と流動性の
る退職給付のための株式と、ヨー
ところはないだろう。米国におけ
面が重要性を増してきている。投
ロッパで強まっている株式文化で
る力強い景気上昇が10年目に突入
資家にとっては、抵当証券、社債
ある。株式文化は、ドイツにおい
する一方で、世界の他のほとんど
および新興市場債券が、ポートフ
て特に「新市場(ノイエ・マルク
の地域における企業活動はスピー
ォリオの分散においてますます重
ト)」の成功物語に表れた。同市場
ドを上げている。ただし日本の景
要なものになっている。1999年度
は2000年度もまた、より多くの会
気回復のエンジンは穏やかにしか
に楽観的な予測をも超えた社債市
社を引きつけることだろう。
かかっていない。ユーロ地域、特
場では、引き続きダイナミックな
にドイツの経済は、世界的な需要
成長が期待される。
増とユーロ高から利益を得ている。
株式市場では、多くが大幅な値
2000年度、ドイツ銀行は順
調なスタートを切った。すべての
グループ部門が、現在までのとこ
商品価格と生産設備稼働率の上昇
上がりや記録的高値のうちに1999
ろ、前年度の数値を上回っている。
から見て、これまで低かったイン
年度の幕を閉じた。特にユーロ域
2000年度の税引前利益について
フレ率は1999年度の水準より上が
内の株式市場では、金利見通しが
は、グループにおいてもほとんど
るだろう。欧州中央銀行はおそら
変わったにもかかわらず、緩やか
のグループ部門においても、主要
く、物価コスト情勢への脅威を緩
な上昇傾向が続くことが多くの指
市場における国内総生産の力強い
和するため、金融市場の金利を引
標によって示されている。ここで、
成長と、インフレおよび金利水準
き上げるであろう。
景気の上昇は、生産設備稼働率の
が穏やかな上昇にとどまることと
好調な景気と価格リスクが高く
上昇とあいまって、利益成長の持
を背景に、1999年度の好成績をさ
なったことから、資本市場の金利
続を保証してくれるだろう。さら
らに上回ることが期待されている。
140
連結決算書
ドイツ銀行は、すべてのグループ
後発事象
両行の一般個人顧客向けバンキ
ング業務は、合併後Bank 24に併合
部門とともに、電子商取引のもた
される。Allianzが同社の少数株主
らした好機を捕らえたが、なおそ
2000年3月初め、ドイツ銀行と
の上で、その伝統的な事業活動も
ドレスナー銀行の合併計画が公表
持分を所有することになる。Bank
拡大している。
された。両行はともに新会社に合
24は、向こう3年以内に公開の予定
併され、新会社の名称はドイツ銀
である。公開後、Allianz AGの持分
行となる。この合併により、ヨー
は最低32%、新生ドイツ銀行の持
ロッパの一流銀行が誕生する。合
分は10%となる。残りの持分は株
併決議のための臨時株主総会は11
式市場を通じて売り出され、幅広
月に開催される見通しであり、合
い一般投資家に引き受けられる。
併の効力発生日は2000年の6月30
ドイツにおいて、新生ドイツ銀
日か7月1日と予定されている。承
行は、富裕層および法人顧客向け
認を担当する当局との協議は既に
業務で最大のシェアをもつマーケ
開始され、統合の構想に関する作
ット・リーダーとなり、世界では、
業は急ピッチで進められている。
富裕層向け業務で第3位となる。高
合併後、新生ドイツ銀行は、5
所得者を対象とする富裕層向け業
つの業務分野に焦点を当てる。そ
務は、将来、事業の中核となるだ
の5分野とはすなわち、一般個人顧
ろう。新生銀行は、世界最高の投
客および富裕層向けバンキング、
資銀行と比肩し得る、ヨーロッパ
法人顧客および不動産、グローバ
の一流投資銀行となる。資産運用
ル・コーポレート&インスティテ
および保管業務では、新生銀行は
ュ−ションズ、資産運用ならびに
合併により世界第4位となる。この
グローバル・テクノロジー&サービ
合併はこのように、市場シェアに
ス業務である。事業会社持分ポー
おいて大きな利益をもたらすもの
トフォリオの管理のために、独立
である。
の部が創設される。
141
現時点の見解では、合併による
より強大な収益力、より幅広い
相乗効果は、年間約29億ユーロと
資本基盤、および事業会社持分の
見込まれている。このうち、約950
剰余金の集積によって、グローバ
百万ユーロ(33%)が情報技術分
ルな整理統合プロセスにおいて当
野における削減に関連するもので
行が戦略的行動に出るための能力
あり、約1,360百万ユーロ(48%)
は、さらに拡大するであろう。会
が事業部関連、約220百万ユーロ
社組織の高い適合性ならびに、中
(8%)
がコーポレート・センター関
核的競争力をホールセールおよび
連である。その他の相乗効果は合
投資銀行業務と資産運用および富
計で約330百万ユーロとされてい
裕層向けバンキング業務に集中さ
る。これらは例えば、広告、コン
せることを基盤として、グローバ
サルティング費用や購買およびス
ルな勢力範囲と強い競争上の地位
ペース管理において生じる。毎年
を持ったヨーロッパの銀行が誕生
の相乗効果のほかに、再構築のた
するだろう。
めの非経常的な費用として約30億
ユーロが見込まれている。
コア資本比率の2001年度の目標
は6%超であり、総合資本比率は
11%超を目標とする。
ドイツ銀行とドレスナー銀行の
会社価値の比率は、現在の市場の
評価を反映し、合併交換比率の基
礎となる。交換比率は、まだ決定
されていない。ドイツ銀行とドレ
スナー銀行の旧株主のための最終
的な交換比率は、監査人の作成し
た評価額を基礎として取締役会で
確定される。
142
確認書および管理組織
取締役会の報告
な監査機構が要求される。ドイ
エンゲゼルシャフト経済監査会
結決算書について責任を負って
ツ銀行の内部統制システムは、
社は、国際監査基準に準拠して
いる。連結決算書は、国際会計
体系化され、手続化された組織
連結決算書を監査し、これにつ
基準に準拠して作成されており、
の運営に適用される方針および
いての監査報告書を提出した。
ドイツ商業法による連結決算書
手続を書面により伝達すること、
KPMGド イ チ ェ ・ ト ロ イ ハ ン
の作成の免除に関するドイツ商
債務不履行リスクおよびマーケ
ト−ゲゼルシャフトおよびドイ
法第292条aの要件を充足してい
ット・リスクに関する増大した
ツ銀行の監査部門は、連結決算
る。さらに、欧州連合の開示要
リスクの管理ならびに職務の分
書の検討および内部統制システ
件を充足している。
離に基づいている。内部統制シ
ムの適切性の評価に関する監査
ステムは、すべての事業取引、
の過程において必要なすべての
すには、効率的な内部管理およ
資産および会社記録を対象とし
書類を自由に閲覧することがで
び統制システムならびに機能的
ている。ドイツ銀行の監査は、
きた。
ドイツ銀行の取締役会は、連
正確な会計処理の責任を果た
グループのすべての部門を対象
とし、また組織上の委任事項を
も遵守した広範な監査計画に従
って実施されている。
KPMGドイチェ・トロイハン
ト−ゲゼルシャフト・アクツィ
2000年3月21日
フランクフルト・アム・マイン
ドイツ銀行
ヨゼフ・アッカーマン
カール L. フォン・ベーム・
ロルフ-E. ブロイエル
マイケル・ドブソン
テッセン・
ヘルマン-ヨーゼフ・
ロナルド H. シュミッツ
フォンヘイデブレック
ランベルティ
ベツィンク
トーマス R. フィッシャー
143
監査報告書
私どもは、ドイツ銀行の1999年
私どもは国際会計士連盟(IFAC)
示の検討をも含んでいる。私ども
12月31日現在の連結決算書につい
により定められた国際監査基準に
は、私どもの監査が監査意見を表
て監査を行った。連結決算書は、
準拠して監査を実施した。この基
明するにつき十分に信頼できる基
国際会計基準委員会(IASC)によ
準は連結決算書に重要な記載誤り
礎を提供していると確信している。
り定められた基準において要求さ
がないかどうかについて合理的な
私どもの監査の結果、除外事項
れる書類、および欧州の法令によ
確証を得るために、私どもが監査
はなかった。ドイツ商法に基づく
り求められる追加情報を含む。連
を計画し、実施することを要求し
連結決算書の表示が免除されるた
結決算書についてはドイツ銀行の
ている。監査の実施は、連結決算
めの要件も満たされている。私ど
取締役会が責任を持っている。私
書上の計上額および開示事項の基
もの意見では、連結決算書は、ド
どもの責任は、実施した監査に基
礎となった証拠を試査により検証
イツ銀行の1999年12月31日現在の
づき、これらの連結決算書が国際
することを含んでいる。監査はま
純資産および財政状態ならびに同
会計基準(IAS)に準拠しているか
た、取締役会が適用した会計原則
日をもって終了した年度の損益お
どうかについて意見を表明するこ
および取締役会が行った重要な見
よびキャッシュ・フローの状況を、
とにある。
積りならびに連結決算書全体の表
国際会計基準委員会(IASC)によ
って定められた基準に準拠して、
真実かつ公正に表示している。
フランクフルト・アム・マイン、2000年3月23日
KPMGドイッチェ・トロイハント−ゲゼルシャフト
アクツィエンゲゼルシャフト
経済監査会社
ロルフ・ノンネンマッヒャー
ラインハルト・プラール
経済監査士
経済監査士
144
確認書および管理組織
監査役会報告書
監査役会は、昨年の4回の会議において、当行の財務状況、その時々の事
態および事業方針上の基本的問題について十分に報告を受けている。現在の
営業上の推移と並んで、当行グループの不動産金融、投資銀行業務の状況お
よび営業上重要性のある特定事項に議論が集中した。監査役会は、グループ
の一般個人顧客および富裕層向けバンキング部門の再編状況についても十分
に報告を受けている。バンカース・トラストの統合についてはすべての会議
で取り上げられた。
さらに、当行の持株ポートフォリオの変動について議論した。関連する取
締役会の提案については、ドイツの法律または定款により要求される場合に
は厳密に審査し、承認した。新興市場の通貨の状況や動向に関する問題と共
に、一般的な経済およびビジネスの状況についても十分に議論した。取締役
ヒルマー・コパー
監査役会長
会スポークスマンと監査役会長との間の定例会議において、時々の個別の関
心事についても検討された。
信用リスクおよびマーケット・リスク委員会は、6回の会議において、ド
イツの法律および定款に基づき承認を義務付けられたすべての約定およびす
べての大型融資または高いリスクを伴う融資について所定の時間内に検討し
た。当該委員会は、必要な場合承認を付与した。特に、信用リスク、マーケ
ット・リスク、営業リスクについて詳細に吟味した。統括委員会は、本年度
中6回の会議を行った。決算委員会は、2回の会議を行い、また調停委員会は
招集されなかった。
145
ハインツ・ユルゲン・ノイハウス氏およびペーター・ハーン氏は、1999
年3月31日および1999年8月31日にそれぞれドイツ銀行監査役会を退任した。
これら2名の方々に対しそれぞれの誠実さと責任ある関与に感謝の意を表し
たい。クラウス・シュヴェトラー氏およびミヒャエル・フライヘール・トル
ヒゼス・フォン・ヴェッツハウゼン氏がこれら両名に代わって監査役会に選
任された。
監査役会は、1999年10月25日の会議において、1999年10月31日付で退任
し、取締役会メンバーとしての契約を解消したいとのユルゲン・クルムノフ
博士の希望を容認した。同会議において、監査役会は、クレメンス・ベルジ
ッヒ教授博士を1999年12月16日付で業務執行副社長に指名することを決議
した。2000年1月26日の監査役会議において、ベルジッヒ教授は、2001年1
月1日付で取締役会のフルメンバーに任命された。
当行の監査人の代表は、監査役会の財務諸表会議、決算委員会の各会議お
よび信用リスクおよびマーケット・リスク委員会の一回の会議に出席し、提
起された問題について意見を述べた。
昨年の株主総会において選任された年次決算書の監査人であるKPMGドイ
チェ・トロイハント・ゲゼルシャフト・アクツィエンゲゼルシャフト経済監
査会社(フランクフルト・アム・マイン)は、連結財務諸表とその注記のほ
か、簿記、年次決算書および経営報告書を監査し、無限定の監査報告書を発
行した。当該監査報告書は、調査のために監査役会に提出された。監査役会
は、当該監査結果に同意する。
146
確認書および管理組織
監査役会は、免除効力を有する国際会計基準(IAS)に従い作成された
1999年12月31日付の年次決算書、経営報告書、利益処分案および連結財務
諸表とその注記を精査した。これらについて異議を申し述べる事項はなかっ
た。
本日、取締役会が作成した年次決算書を承認し、これにより同決算書は確
定した。監査役会は、利益処分案に同意した。
2000年4月5日
フランクフルト・アム・マイン
監査役会
ヒルマー・コパー
会長
147
監査役会
Hilmar Kopper
Frankfurt am Main
Heidrun Förster*
Deutsche Bank AG, Berlin
Dr. rer. oec. Karl-Hermann Baumann
Chairman of the Supervisory Board
of Siemens Aktiengesellschaft, Munich
Heinz Brülls*
Deutsche Bank AG, Aachen
Dr. Ulrich Cartellieri
Frankfurt am Main
Klaus Funk*
Deutsche Bank AG, Mainz
Peter Hahn*
Deutsche Bank AG, Hamburg
1999年8月31日退任
Sabine Horn*
Deutsche Bank AG, Frankfurt am Main
Louis R. Hughes
Executive Vice President
General Motors Corporation, Detroit
Dr. Michael Otto
Chairman of the Board of Management
of Otto-Versand (GmbH & Co.), Hamburg
Ulrich Kaufmann*
Deutsche Bank AG, Düsseldorf
Gerhard Renner*
Member of the National Executive of
Deutsche Angestellten-Gewerkschaft,
Hamburg
Adolf Kracht
Consultant, Munich
Professor Dr.-Ing. E. h.
Dipl.-Ing. Berthold Leibinger
Chairman of the Board of Management
of TRUMPF GmbH + Co. KG, Ditzingen
Dr. Klaus Liesen
Chairman of the Supervisory Board
of Ruhrgas AG, Essen
Margret Mönig-Raane*
First Chairperson of the Gewerkschaft
Handel, Banken und Versicherungen,
Düsseldorf
Heinz-Jürgen Neuhaus*
Deutsche Bank AG, Frankfurt am Main
1999年3月31日退任
Dr. Hermann Scholl
Chairman of the Board of Management
of Robert Bosch GmbH, Stuttgart
Klaus Schwedler*
GTG Gesellschaft für Technisches
Gebäudemanagement mbH, Eschborn
1999年4月1日就任
Michael Freiherr Truchseß
von Wetzhausen*
Deutsche Bank AG, Frankfurt am Main
1999年9月1日就任
Lothar Wacker*
Deutsche Bank AG, Cologne
Dipl.-lng. Albrecht Woeste
Chairman of the Supervisory Board
and the Shareholders’ Committee
of Henkel KGaA, Düsseldorf
監査役会委員会
統括委員会
Hilmar Kopper
委員長
Heidrun Förster*
副委員長
Dr. Ulrich Cartellieri
Lothar Wacker*
仲介委員会
Hilmar Kopper
委員長
Heidrun Förster*
副委員長
Dr. Ulrich Cartellieri
Gerhard Renner*
148
決算委員会
Hilmar Kopper
委員長
Heidrun Förster*
副委員長
Dr. rer. oec. Karl-Hermann Baumann
Heinz Brülls*
Dr. Ulrich Cartellieri
Peter Hahn*1999年8月31日退任
Michael Freiherr Truchseß
von Wetzhausen*
1999年9月1日就任
信用およびマーケット・リスク委員会
Hilmar Kopper
委員長
Dr. Ulrich Cartellieri
Dr. Klaus Liesen
Dr. rer. oec. Karl-Hermann Baumann
代理委員
Adolf Kracht
代理委員
* 従業員選出
確認書および管理組織
諮問委員会
Dr. Mark Wössner
委員長
Chairman of the Supervisory Board
of Bertelsmann AG
Gütersloh
Dipl.-Volkswirt Dr. h. c. Tyll Necker
副委員長
President of Hako-Werke GmbH & Co.
Bad Oldesloe
Dr. Horst Burgard
1999年11月23日 ✝
Frankfurt am Main
Sir John Craven
London
Dr. jur. Walter Deuss
Chairman of the Executive Board
of Karstadt AG
Essen
Dr. Michael Endres
Frankfurt am Main
Prof. Dr. Dr. h. c. Joachim Funk
Chairman of the Supervisory Board
of Mannesmann AG
Düsseldorf
Ulrich Hartmann
Chairman of the Board of Managing
Directors of VEBA Aktiengesellschaft
Düsseldorf
Dr. Karl-Ludwig Kley
Member of the Executive Board
of Deutsche Lufthansa AG
Cologne
Max Dietrich Kley
Member of the Board of Executive
Directors of BASF Aktiengesellschaft
Ludwigshafen
Dr. Jürgen Krumnow
Frankfurt am Main
1999年11月1日就任
Georg Krupp
Frankfurt am Main
Yoh Kurosawa
2000年1月2日 ✝
Chairman of the Board of Directors
IBJ The Industrial Bank
of Japan, Ltd.
Tokyo
Dr. h. c. André Leysen
Chairman of the Supervisory Board
of Agfa-Gevaert Group
Mortsel / Belgium
1999年12月1日退任
Francis Mer
Président Directeur Général
d’Usinor
Paris
Heinz-Joachim Neubürger
Member of the Management Board
of Siemens Aktiengesellschaft
Munich
August Oetker
General Partner
Dr. August Oetker
Bielefeld
Eckhard Pfeiffer
Houston
Dr. techn. h. c. Dipl.-lng. ETH
Ferdinand Piëch
Chairman of the Board of Management
of Volkswagen AG
Wolfsburg
Jürgen E. Schrempp
Chairman of the Board of Management
of DaimlerChrysler AG
Stuttgart
Dipl.-lng. Hans Peter Stihl
Chairman and
Chief Executive Officer
of Andreas Stihl
Waiblingen
Dr. Frank Trömel
Deputy Chairman
of the Supervisory Board
of DELTON Aktiengesellschaft
für Beteiligungen
Bad Homburg vor der Höhe
Marcus Wallenberg
Executive Vice President
INVESTOR AB
Stockholm
Dr. Ulrich Weiss
Frankfurt am Main
Werner Wenning
Member of the Board of Management
of Bayer AG
Leverkusen
Dr. Herbert Zapp
Frankfurt am Main
1999年5月17日退任
Dr. Jürgen Zech
Chairman of the Board of Management
of Gerling Group
Versicherungs-BeteiligungsAktiengesellschaft
Cologne
Dr. rer. pol. Dipl.-Kfm.
Gerhard Rüschen
Bad Soden am Taunus
149
グループの10年間の記録
単位:百万ユーロ
貸借対照表
IAS準拠の数値1
1999
1998
1997
1996
総資産
839,865
626,603
533,259
453,051
資産
現金および預け金
他行への預け金および貸出金
顧客に対する貸出金
貸倒引当金総額
ディーリング目的所有資産
投資
有形固定資産3
貸出金総額4
21,879
115,453
352,371
– 7,850
233,000
70,206
9,049
284,149
20,175
92,697
274,825
– 7,158
169,003
45,309
5,560
248,585
10,272
83,043
265,098
– 7,176
118,404
34,112
5,895
229,016
11,840
69,536
235,229
– 6,750
90,587
28,326
5,305
210,324
負債および資本
他行からの預金5
その他の顧客預金5
このうち: 貯蓄預金および建築貯蓄預金
要求払
契約期限または通知期限付
証書債務
引当金6
劣後資本
株主資本
174,655
291,042
26,881
116,736
147,425
164,060
31,755
15,504
23,147
151,032
229,208
24,516
87,091
117,601
102,947
24,598
7,186
17,641
146,631
224,260
23,893
91,260
109,107
77,942
26,391
6,615
16,405
109,392
192,056
24,040
69,497
98,519
72,404
22,013
5,330
15,180
損益決算書
純利息収益
貸倒引当金繰入
純手数料収益
トレーディング利益
保険業務による純収益
投資による純収益
一般管理費
再構築費用および税金前利益
再構築費用
法人所得税
純利益
主要な数値
1株当たり配当金
ドイツ銀行支払配当金
1株当たり純利益(営業権償却を除く)8
1株当たり純利益(営業権償却を含む)
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を除く)8
希薄化後1株当たり純利益(営業権償却を含む)
税引前株主資本利益率(RoE)
(営業権償却を除く)8
税引前株主資本利益率(RoE)
(営業権償却を含む)
費用/収益比率(営業権償却を除く)
費用/収益比率(営業権償却を含む)
年度末のBIS規制資本比率9
年度末のBIS規制株主資本9
年度末の従業員数
1
2
1999
1998
1997
1996
6,619
616
8,084
4,761
385
2,007
15,746
4,971
884
1,516
2,571
5,539
835
5,311
1,774
336
1,182
10,121
4,032
–
2,306
1,726
5,689
1,102
4,569
1,841
311
469
9,347
2,315
1,271
523
521
5,391
338
3,502
1,649
317
683
7,781
2,652
152
1,366
1,134
1999
1998
1997
1996
1.15ユーロ
706
5.05ユーロ
4.25ユーロ
4.86ユーロ
4.09ユーロ
1.12ユーロ
600
3.50ユーロ
3.17ユーロ
3.50ユーロ
3.17ユーロ
0.92ユーロ
489
0.92ユーロ
460
0.94ユーロ
2.19ユーロ
0.92ユーロ
2.16ユーロ
23.3 %
25.9 %
20.8 %
73.6 %
75.6 %
12.0 %
35,172
24.8 %
69.1 %
70.2 %
11.5 %
29,343
6.4 %
17.1 %
74.6 %
10.6 %
24,692
74.8 %
9.9 %
22,389
75,306
76,141
74,356
93,232
IASの適用により、1994年度から1999年度までの貸借対照表および損益計算書からの数値ならびに主要な数
値は、過年度の数値と部分的にのみ比較可能である。
銀行会計法の適用により、1992年度および1993年度の貸借対照表の数値は、過年度の数値と部分的にのみ比
較可能である。損益計算書の比較数値は修正された。
150
3
4
5
1998年度からは自社開発のソフトウェアを除く。
有価証券により担保された金融市場業務および有価証券直物取引を除く。
1998年度からはショート・ポジションを除く。
補足情報
ドイツ商法準拠の数値
7
19922
1994
1991
1990
368,981
303,009
284,603
254,987
229,460
204,440
9,159
55,842
209,389
– 7,319
56,670
25,244
4,633
193,990
6,492
51,708
180,568
– 7,565
33,556
20,763
4,600
178,201
3,846
50,076
158,123
4,575
48,903
150,606
4,226
56,216
139,333
3,344
47,821
126,186
6,310
170,154
5,694
164,391
5,132
153,246
4,008
139,748
91,446
154,096
23,727
49,470
80,899
64,880
18,414
4,244
14,338
63,327
134,917
23,065
42,125
69,727
58,295
15,193
4,200
13,230
54,700
141,093
23,898
42,367
74,828
55,981
12,817
4,185
10,745
50,553
123,844
23,228
35,868
64,748
51,368
11,290
2,948
9,880
52,462
116,265
21,294
30,462
64,509
42,885
5,168
614
8,726
42,430
104,531
19,232
26,439
58,860
41,843
4,547
–
7,959
1995
1994
1993
1992
1991
1990
5,527
678
2,864
1,040
311
105
6,972
1,954
131
739
1,084
5,777
1,237
2,861
531
286
444
6,407
1,866
58
931
877
5,985
1,680
2,989
1,021
261
5,573
977
2,367
580
47
5,281
849
2,125
570
38
4,486
1,154
2,009
310
16
5,998
5,328
4,941
4,174
1,053
1,147
805
936
899
721
577
546
1995
6
19932
1995
1993
1992
1991
1990
0.92ユーロ
459
0.84ユーロ 7
400 7
1994
0.84ユーロ
398
0.77ユーロ
355
0.77ユーロ
352
0.72ユーロ
316
2.16ユーロ
1.82ユーロ
2.35ユーロ
1.99ユーロ
1.53ユーロ
1.20ユーロ
2.10ユーロ
1.78ユーロ
13.7 %
14.1 %
24.5 %
21.0 %
21.3 %
16.2 %
73.8 %
10.1 %
20,405
69.1 %
10.4 %
19,194
58.5 %
11.3 %
20,830
62.2 %
10.5 %
17,849
61.7 %
10.7 %
16,934
61.2 %
10.7 %
14,866
74,119
73,450
73,176
74,256
71,400
69,272
1998年度からは法人所得税負債を除く。
1株当たり0.15ユーロすなわち73百万ユーロの記念特別配当金を
除く。
8
9
バンカース・トラストの取得を背景に、営業権償却全体の重要な影響を開示する目的で、「営業権償却を
除いた」主要な数値が1999年度に初めて(1998年度の比較数値とともに)含められた。
1998年度よりIAS準拠。
151
用語解説
1999年度年次報告書中で使用されている専門用語の解説。銀行業および証券取引所の
用語についてはインターネットのこちらへ:www.deutsche-bank.com/glossary
IAS(国際会計基準)
インターネット
ASファンド
国際的な会計士団体、財務諸表作成者およ
相互に接続された多数のネットワークおよ
特定の法的投資規制に従う特別小売年金基
び財務専門家により設定された会計基準。こ
び個々の資源からなる世界最大のコンピュー
金。大部分は株式およびオープン・エンド型の
れらの基準により、欧州連合ばかりでなく世
タ・ネットワーク。インターネットの主なサー
不動産ファンドに投資される。
界的に会計処理および開示の比較可能性を確
ビスには、電子郵便(電子メール)、検索エン
保する。かかる財務報告の主な目的は、財務
ジン、ファイル転送プロトコル(FTP)、およ
諸表に関心のある広範囲の関係者、特に投資
びディスカッション・フォーラム(ユーズネッ
家にとって意思決定に必要な情報を開示する
ト/ニュースグループ)が含まれる。
いる。
インターネット・ポータル
インターネット(インターネットを参照)上
取引可能な有価証券の形態による債権証券
の入口。データは、ウェブの提供するものを
化の特定のタイプ。これらの有価証券は一定
明確な構造をもった方法によって示すようコ
の金融資産の組み直しにより創設される(証
ンパイルされ処理される。
イントラネット
有価証券(例えば、株式、債券)の新たな
大口抵当証券
500百万ユーロ以上の抵当証券発行。
OTCデリバティブ
標準化されていない金融商品(デリバティ
ブを参照)で、証券取引所で取引されず、市
券化を参照)。
ECN(電子通信ネットワーク)
とになる金額。
ワールド・ワイド・ウェブによるユーザー
向けのナビゲーション補助として設計された、
アセット・バック証券
引き受けたリスクの結果として損失を被っ
た場合、例えば、借り手または契約相手方の
支払債務不履行の場合などに、当行が失うこ
ことである。規則の本文には、一般的な会計
原則と現在ほぼ40近くある基準書が含まれて
エクスポージャー
インターネットの技術を用いてインターネ
場参加者間で直接取引(店頭取引)されるも
の。
ット(インターネットを参照)内に構築され
オプション
電子取引システム。証券取引所またはOTC取
た、会社の社内ネットワーク。多くの場合、
引の代替手段。
社内報のような記事、求人、電子メール機能
特定資産(例えば、有価証券または外国為
などを従業員に提供する。通常、インターネ
替)の特定量を将来の特定期日またはそれ以
ット(インターネットを参照)とイントラネ
前に予め決められた価額で契約相手方(売り
ットとの間にはファイアウォールがインスト
手)より購入(コール)または売却(プット)
ールされ、インターネット(インターネット
する権利。
一般個人顧客向けバンキング
一般には、一般個人、自営業者および小規
模事業を対象とする業務。
本書では、支店業務のこと。セルフサービ
を参照)からの損傷や不正アクセスから社内
ス、ホーム・バンキング、カードなどの相補
ネットワークを保護する一方で、インターネ
的な流通経路を含む。一般個人顧客向けバン
ット(インターネットを参照)への十分なア
キングには、富裕層向けバンキング(富裕層
クセスを可能とする。
管理不能な事象、経営破綻、不十分な管理
統制ならびに、従業員、外部者、契約関係、
技術、および資産(物的および電子的)に関
向けバンキングを参照)は含まれない。
ヴァリュー・アット・リスク(VAR)
市場価格の変動による潜在的損失を算出す
る方法。ヴァリュー・アット・リスクは、通
常の市場状況の下での与えられた保有期間
(例えば、1日)における予め決められた確率
(例えば、99.90%)での最大の損失を示す。
152
オペレーショナル・リスク
する管理統制上またはシステム上の欠陥によ
る損失の可能性。
より詳しくお知りになりたい方に
オンライン・バンキング
電子ネットワーク(インターネット[イン
記名株式
無記名株式と対照的に、これらの株式は、
経済的資本
信用リスク(信用リスクを参照)
、マーケッ
ターネットを参照]等)を通じての銀行業取
特定の人の名前により登録される。株式会社
ト・リスク(マーケット・リスクを参照)また
引。一般個人顧客向け業務ではホーム・バン
法の求めに従い、株主名簿には、株主の名前、
はオペレーショナル・リスク(オペレーショ
キングとして知られ、法人顧客向けには電子
職業、住所および所有株数が記載される。株
ナル・リスクを参照)の結果として被る予想
バンキング(電子バンキングを参照)の用語
主名簿に記載された者のみがその会社の株主
外の損失をカバーするために指定された資本。
が使われる。
と見なされ、例えば、株主名簿の閲覧などの
従ってこの額は、報告上の株主資本とは明確
権利を有する。
に区別しなければならない。必要とされる経
格付
専門機関により実施される、発行者の信用
状態および債務証券に関する標準化された評
価。
合併および買収(M&A)
済的資本は、一定の確率(信頼水準を参照)
キャッシュ・フロー計算書
営業、投資および財務活動の結果、期中に
に基づいて、ある与えられた1年間でそれを超
えることがないとされる見積損失に相当する。
会社が獲得し、消費したキャッシュ・フロー
当行全体の経済的資本の合算数値は、極端な
の計算および表示ならびに期首および期末に
損失の際にも当行がその義務を満たせるよう
おける現金および現金同等物所有高の調整。
にするにはどれだけの株主資本を有する必要
会社の合併および買収。
があるかを表している。
キャッシュ・マネジメント
株主価値
戦略的かつ戦術的意思決定を、会社の価値
キャッシュ・マネジメントは、会社や金融
機関が財務活動を最適化するための、ドル、
の着実な増加に集中させる経営上の概念。指
ユーロおよびその他の通貨による流動性資産
針となる原則は、資本費用を上回る利益のみ
の管理を取り扱う。
が株主のための価値を付加するというもので
経常利益
銀行の通常業務による利益を表すものとし
て国際的に認められた主要な数値:
純利息収益(貸倒引当金繰入後)
+ 純手数料収益
ある。
均衡採点表
株主資本利益率(RoE)
き換えるためのツール。財務数値と非財務数
+ 投資による純収益
戦略的経営目標を質的および量的目標に置
+ トレーディング利益
+ 保険業務による純収益
一般には、利益(純利益)と投下資本との
値との組み合わせによって、さまざまな経営
− 一般管理費
関係において会社や銀行の収益状況を示す比
レベルでの均衡の取れた業績測定が可能とな
+ その他の経常収益/費用の差額
率。
る。
− 再構築費用
本書では、当期中の平均投下資本(少数株
主持分は除く)に対する税引前純利益の比率。
= 税引前経常利益
金融センター
リレーションシップ・バンキングの考え方に
環境監査
基づいて、個人および富裕層向けバンキング
会社の環境管理システムが欧州連合の規制
の顧客が、会社の年金体系、会社の起ち上げ、
に準拠していることを文書化する公式の証明。
あるいは不動産金融に関する問題について助
会社の環境管理が公認の環境専門家による監
言を得られる。
査を受けた後、与えられる。
− 経常利益に対する法人所得税
= 税引後経常利益
一般に、特別損益がなければ、経常利益は
純利益に一致する。
公正価値
資産または負債・資本が見識のある自発的
で独立した契約当事者間で公正に取引される
官民協力
公共部門と民間企業の協力。
金額。公正価値は多くの場合、時価と一致す
る。
153
コーポレート・トラスト・サービス
株式および確定利付金融の円滑な事務管理
を保護するサービス。
証券化
一般には、証券(例えば、株式または債券)
によって証明される権利。
本書では、証券(例えば、債券またはコマ
先物
量、質および決済日について標準化された
先物契約であり、金融、資本、貴金属または
かかる契約(例えば、株式指数に関するもの)
一般には、ある支払フローを他の支払フロ
ーと交換すること。
金利スワップとは、同一通貨による異なる
ーシャル・ペーパー)を発行することにより、
条件(例えば、固定または変動)の金利支払
貸出金の付け替えやさまざまな種類の債権の
フローの交換のこと。
資金化を行うこと。
外国為替市場で取引される商品が、将来の特
定期日に合意価格で購入または売却される。
スワップ
通貨スワップは、異種通貨による金利支払
フローおよび元本の交換。
信託銀行業務
すべてのタイプの証券取引の総称。主に財
セグメント情報
事業別(部門別)および地域別に分類され
においては、債務の履行のために(有価証券
務分析、顧客向け投資顧問、ポートフォリオ
の現物引渡または購入にかえて)差金決済が
管理ならびに証券保管および決済からなる。
た会社の資産および収益の開示。
信用リスク
ディスカウント・ブローカー
要求されることが多い。
仕組み金融
顧客がその債務を履行できなくなるリスク。
ディスカウント・ブローカーは、富裕層顧客
標準化された法人向け業務と異なり、高度
信用リスクには、債務不履行リスク、カント
に対し、オンライン、電話またはファックス
にカスタマイズされた形態の資金調達の総称。
リー・リスクおよび決済リスクが含まれる。
で証券取引を行う機会を提供する。通常、顧
仕組み金融は主にアセット・バック金融、輸出
金融、国際リース、レバレッジド・ファイナ
ンス、プロジェクト金融、税対策金融および
シンジケート金融からなる。
問サービスは提供されない。証券取引の決済
信用リスク相当額
規制目的の信用リスク(信用リスクを参照)
事業法人および顧客部門の選定資産のため
に依存する加重値との積に相当する株主資本
によって担保されていることが必要とされる。
の融資の一タイプ。
貸出業務について事前に計算されるリスク・
事業活動が従業員、株主または国家といっ
プレミアム。過去の経験値に基づいて、1年以
た一定のグループに与える影響の貨幣価値に
内に債務不履行によって生じると予測される
よる数量化に関するさまざまなタイプの費用/
損失を意味する。
証券会社および銀行のトレーディング業務
に起因するマーケット・リスク(マーケット・
持についてのEU通達。ドイツ銀行法の第6次
改正および改訂後の第一原則の基礎をなす。
デリバティブ
基礎となる商品(例えば、株式、債券、外
国為替または指数)の価格、価格変動および
便益計算の総称。
信頼水準
154
適正資本通達
リスクを参照)に関する適正な株主資本の保
信用リスクの標準リスク原価
社会貸借対照表
率よりも低い。
を示す数値(リスク加重調整済資産)で、リ
スク相当額(与信相当額を参照)と信用状態
資産担保金融
手数料は一般に、伝統的な銀行支店の課す料
価格予想値によってその価額の大部分が決定
ヴァリュー・アット・リスク(ヴァリュ
される商品。デリバティブは、スワップ(ス
ー・アット・リスクを参照)で規定される区
ワップを参照)
、オプション(オプションを参
間内で生じる潜在的損失の確率。
照)および先物(先物を参照)を含む。
より詳しくお知りになりたい方に
電子商取引
トレーディング・ブック
ハイブリッド資本証券
商業活動(情報の流れおよび商品またはサ
銀行規制上の用語で、銀行が、価格や金利
支払額が利益に連動し、損失の際は累積さ
ービスの取引)に関連して交換されるすべて
の変動から利益を得るために短期再売却の意
れないことを特徴とする資本証券。銀行規制
の電子的データの総合計。電子商取引の対象
図をもって所有する、金融商品、株式、およ
上は、これらはコア資本の一部となる。しか
は、会社間、会社と行政当局間、および会社
び譲渡可能債権のポジションをいう。ここに
し、株式資本ではないため、貸借対照表では
と個人間の関係に及ぶ。電子商取引では、さ
は、トレーディング・ブックのポジションと密
劣後資本として表示されている。
まざまなデータ伝送形態(電話、テレビ、デ
接に関連する業務(例えば、ヘッジ目的のも
ータ・ネットワーク、ミニテル[インターネッ
の)も含まれる。トレーディング・ブックに属
トを参照])が用いられる。
さないポジションは投資ブック(投資ブック
販売拠点(POS)
販売店舗、販売場所。
を参照)に含まれる。
電子バンキング
電子ネットワーク(インターネット[イン
BIS規制株主資本
トレーディング利益
国際的銀行に対する1988年バーゼル適正資
ターネットを参照]等)を通じてのまたはデ
時価で評価(値洗いを参照)された有価証
本合意(最終改訂1996年1月)に従った規制
ータキャリアエクスチェンジによる銀行業取
券、金融商品(特に、デリバティブ。デリバ
株主資本。コア資本(特に、株式資本および
引。
ティブを参照)、外国為替または貴金属の自己
剰余金)、補完的資本(主に、利益参加資本
勘定取引による収益および費用の差額。この
金、劣後債務および債券、株式、参加持分等
投資家向けサービス
科目には、同様に、トレーディング業務に配
の上場有価証券に対する再評価積立金)なら
投資サービス、実績測定、ポートフォリオ
賦される発生利息、配当および資金調達コス
びにTier III資本(主に、短期の劣後債務)か
顧問サービス、信託およびポートフォリオ管
ト構成要素の割当分に自己勘定取引による手
ら構成される。
理、証券貸出ならびに仕組み投資管理を提供
数料を加算したものも含まれている。
BIS規制資本比率
する。
値洗い
投資銀行業務
国際的銀行が、その債務不履行リスク(オ
銀行の自己勘定ディーリング業務(トレー
フバランスシート取引を含むリスク加重調整
ディング利益を参照)は、取得原価に関係な
済資産)およびマーケット・リスク(マーケ
証券およびそのデリバティブ(デリバティブ
く、現在の時価により評価され、未実現のキ
ット・リスクを参照)を、規制資本(コア資
を参照)の発行と売買、金利および通貨の管
ャピタル・ゲインは収益に計上される。
本、補完的資本およびTier III資本;BIS規制株
資本市場志向の業務の総称。これは主に、
理、コーポレート・ファイナンス、合併および
買収(M&A)、相談業務、仕組み金融、なら
主資本を参照)によってカバーするために用
ネッティング契約
いる比率。Tier I、Tier IIおよびTier III資本の、
2当事者間で締結される契約で、これによ
リスク加重調整済資産とマーケット・リスク・
り、特定の状況−例えば、支払不能−の場合
ポジションに係数12.5を乗じた値の合計に対
に、未決済の業務による当事者間の債権債務
する最低比率は8%である。コア資本のリスク
を相互に相殺することができるとした契約。
加重調整済資産に対する最低比率は4%と規
ブックを参照)に含まれなかったすべてのポ
法的拘束力のあるネッティング契約を含めて
定されている。
ジション。
考えた場合、債務不履行リスクは総額から純
びにプライベート・エクイティを含む。
投資ブック
トレーディング・ブック(トレーディング・
額に削減される。
155
BIS規制リスク・ポジション
費用/収益比率
ポートフォリオ
BIS規制に基づくリスク・ポジションは、主
一般には、会社の原価の有効性を評価する
に投資ブック(投資ブックを参照)およびト
ための比率であり、営業収益に対する営業費
有価証券、貸出金、持分参加証券または不動
レーディング・ブック(トレーディング・ブッ
用で表される。
産)に属する所有資産の全部または選定され
クを参照)の契約相手方リスクからなるリス
本書では、純利息収益、純手数料収益、ト
ク加重調整済資産と、マーケット・リスク・ポ
レーディング利益、保険業務による純収益、
一般には、1つまたは複数の種類(例えば、
たもの。ポートフォリオを組む目的は、主に
リスクの分散である。
ジションのリスク加重調整済の額(金利、通
投資による純収益およびその他の経常収益
貨、株式および商品の価格リスク)からなる。
(例えば、不動産業務による一定の利益貢献)
てグループ化された同種取引、特に有価証券
有価証券の場合は、価格リスク規準に従っ
当行のリスク・ポジションは規制上の要請に従
に対する、一般管理費およびその他の経常費
および/またはデリバティブ(デリバティブを
って計算され、資本によってカバーされなけ
用(特に、営業権償却)で表される比率。
参照)のこと。
ファンド・オブ・ファンズ
ホールセール・バンク
ればならない。
ビジネス・エンジェル
他のファンドに投資する証券ファンド。投
大口顧客、主に事業法人および機関投資家
資は、ドイツにおいて公衆への販売のために
向けの業務を中心とした銀行を指すときに使
専門分野の人脈やネットワークおよび資金を
登録されたあらゆるファンドに対して行うこ
われる用語。
提供して、若い技術系会社の起ち上げを支援
とができる。リスク分散のため、ファンド・オ
する個人富裕家。ビジネス・エンジェルの利
ブ・ファンズは、1つの対象ファンドにその資
点は、資本投資の代替形態という点にある。
産の20%を超えて投資することはできない。
新設の技術志向会社への直接投資は高いリス
顧客にとっては、ファンド・オブ・ファンズは、
クを伴う一方、高いリターンの潜在的可能性
リスク調整済ポートフォリオ(ポートフォリ
も秘めている。
オを参照)とプロによるファンド選びとを兼
起業家の経験、ビジネスや技術のノウハウ、
ね備えたものである。
1株当たり純利益
IAS(IASを参照)に準拠して算定される主
この用語は、機関投資家または富裕層投資
する税引後純利益(少数株主持分に帰属する
家に販売された、ドイツの特定ファンドに類
利益を除く)として表される。基本1株当た
似のポートフォリオを示すために用いられる。
り純利益のほかに、希薄化後1株当たり純利
ただし、ドイツの特定ファンドと異なり、投
益についても、付与された先買権が株式総数
資家数には制限がない。
における付加的なサービス。
マーケット・リスク
対応するポジションを手仕舞い得るまたは
株価、為替レート、商品価格)の予測不能な
変動によって、当行が突然の評価損失を被る
リスク。
持分法
事業方針に重要な影響を与えることができ
る会社(関連会社)に対する所有持分の評価
の増加につながるまたはつながる可能性があ
い。
証券の保管および事務管理、また証券分野
ヘッジし得る前に起きた、市場価格(金利、
プールド・ファンド
要な数値であり、会社の平均普通株式数に対
る(希薄化)場合には表示しなければならな
保管
富裕層向けバンキング
高所得者および資産家の顧客を対象とする
業務。
方法。持分法の下では、会社の当期純損益の
持分按分した割当分は所有持分の簿価に反映
される。配当については、持分按分した金額
が簿価から減算される。
156
より詳しくお知りになりたい方に
与信相当額
リレーションシップ・バンキング
比較可能性を確保する目的で、顧客に対す
一般には、商品専門家とともに、適任のリ
る不安定な債権を、リスク内容に関して同等
レーションシップ・マネジャーが、定められた
の安定的債権に換算するために用いられる方
市場セグメント内で、選定された法人顧客を
法。与信枠や与信デリバティブの場合、顧客
担当すること。
に対する債権の量は時を超えた変動にさらさ
本書では、国内および国際法人顧客向け業
れている。与信相当額は、現在のエクスポー
務におけるリレーションシップ・マネジメント
ジャーと未利用与信枠の一部からなり、時に
の考え方。
デリバティブ業務では将来における債権の潜
在的増加のための上乗せも含まれる。
レバレッジド・ファイナンス
与信デリバティブ
般には経営陣が関与して行われる、会社買収
通常、社外の投資家の援助を受け、かつ一
貸出金、債券またはその他のリスク調整済
のための資金調達。特徴は、買収資金調達の
資産やマーケット・リスク・ポジションに関連
レバレッジ効果が非常に高いことであり、買
する信用リスク(信用リスクを参照)を担保
収資金はもっぱら買収目的会社の将来のキャ
提供者に移転する手段。基礎となる原リスク
ッシュフローのみに基づいて提供され、当該
負担者(信用リスクの売り手)の信用関係は、
会社の資産によって担保される。
変更も再設定もされない。
レポ
予測債務不履行度
ある契約相手方が一定期間(例えば、1年)
以内に支払債務不履行となる確率。
売却した有価証券を買戻す契約(対象資産
が依然として売主の資産である場合は真の買
戻契約)。買主の立場からは、当該取引は逆レ
ポとなる。
予測単位積増方式
IAS第19号(1998年改訂)に従って、企業
の給付建債務の保険数理上の現在価値および
関連する当期勤務費用の算定に用いられる、
給付債務の評価方法。この方法では、将来の
給付増加の基礎として、例えば、予測昇給率
などを考慮に入れる。退職後給付債務を割り
引く際に用いる割引率は、貸借対照表日現在
の優良社債の市場利回りを参考に決定される。
157
索引
アセット・バック証券 26,54
一般管理費 53-54,56,70,109-111
インターネット 4,7,18,21,23,25,27,30,35,
37,44-45
営業権 22,25,29,31,35,52-53,56,62,75-76,
85,96,105,109-110,150
欧州取引銀行 3,37,50
純手数料収益 50-51,56,68,108,112,114,150
純利益 3,50,52,55-56,59,74,150
純利息収益 50-51,56,67,108,112,114,150
税金 7,52,65,73,87-88,97
セグメント情報 108-112
戦略 4,6-7,17-18,53,130,132,140-141
組織構造 108,125
存在感、国際的 6,21,29
<か行>
<た行>
外国為替取引 31,51,66,68,129,136
会社、連結 60-62,105
価格調整 50,59,63,70,78,105,109
貸倒引当金繰入 50,52,56-57,63,67,78
貸出金総額 51,54,77-79,111,150
合併および買収 27,68
株式市場の時価総額 17
株式トレーディング 51
株主 2,4-5,7,10-12,15,1719,30,41,44,53,73, 100,103,142
株主資本利益率(ROE)22,25,29,31,35,5253,109-111,150,157
株主総会 11,18-19,53,58,74-75,100,102103, 141,146
監査 7,143
監査役会 103,120,130,145-149
管理職 7,13,15,43-45,104
企業価値 5,7,10,13,142
キャッシュ・フロー計算書 59,106-107
競争 4,6,10,27,45,49,123,142
銀行監視 126,133,136
金融市場 77,140
グループ部門
−一般個人顧客および富裕層向けバンキング
部門 4,7,10,12,21-25,45,53
−グローバル・コーポレート&インスティテ
ュ−ションズ部門
7,21,29-31,45,53,72
−グローバル・テクノロジー&サービス業務
部門 7,35-39,45,53,72
−資産運用部門 4,7,12,31-34,45-53
−法人顧客および不動産部門 7,25-27,45,53
経済的資本 125-126,130-131
公共部門 25,27,76,79,82,89-90,91,97,106,
117,131,133
コーポレート・センター 7,39-41,111,142
顧客満足 7,10,12,21,23
国際決済銀行(BIS)54-55
コミットメント、社会的 7,10,14-15,47-49
退職引当金 140
中核的競争力 4,44,123,142
注記 60-142
中小規模の企業 25,27,34
調整注記 121-122
デリバティブ 29,31,54,65,68,79,91,106,
112-113,121-122,128,132134,136
電子商取引 4-5,7,21,23,25,30,35,54,141
ドイチェバンク 24 4,22-23,50,53,141
ドイツ銀行株式 4,11,17-19,104
投資 51,56-57,63,69,80-81,88,97,106-107,
111-112,114,117,122,150
投資銀行 4,7,21,29-30,134,145
特別費用 71
取締役会 6-9,100,102,104,120,124-125,
135, 143-149
ドレスナー銀行 4-5,141-142
トレーディング利益 51,56,67
<あ行>
<さ行>
債券取引 34
財務部 7,40-41,127,134
残存期間 114
支援宣言 118
支払 3,7,21,25,37,50,68
資本 3,18,41,52,55,57-58,102-105
従業員 2-3,5,7,13,15,43-45,119
出資 7,39-40,67,81,87,103,119,122,142
用語解説 152-157
<ら行>
リース 65,67,78,86,88,97-98,115,121
利益参加資本金 98,100,105
利益剰余金 3,55,57-58
リスク管理 7,123-139
利幅 131
連結の原則 62-63
<な行>
ネッティング 63,65,79,91,115,121-122,
133-134,136
年金債務 92-93
<は行>
配当金 19,40,53,59,74,120,150
Bankers Trust 3,11-12,31,50-51,53,71-72,9697
引当金 50,57,59,63,65,71-72,88,92-97,116,
122,138,150
1株当たり純利益 52,56,74-75,150
費用/収益比率 54
評価 22,25,29,31,35,53,56,64-65,67,69-70,
74,80,85-86,96,110,150
不動産 53
不動産ファンド 27
プライベート・バンキング 7,12,21-25,53,
142
分配 4,21-25,30,34,72,97
保管 7,21,54,142
保険業務 51,56,69
<ま行>
マンデイト 120,146
ミレニアム 39,41,71,135,138
<や行>
有形固定資産 57,59,62,64,86,106,107,119,
122,150
158
158
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株主
1999 Annual Report of Deutsche Bank Group (IAS)
(ドイツ銀行グループ1999年度年次報告書(IAS))
쏔 ドイツ語 쏔 英語 쏔 フランス語 쏔 スペイン語 쏔 日本語(本年度中頃出版予定)
Annual Financial Statements and Management Report of Deutsche Bank AG for 1999
(1999年ドイツ銀行年次決算書および経営報告書)
쏔 ドイツ語 쏔 英語 쏔 フランス語
첸 List of mandates 1999 (1999年マンデイト・リスト)(ドイツ語/英語)
첸 List of shareholdings 1999 (1999年株主リスト)(ドイツ語/英語)
첸 List of Advisory Council members 1999(1999年諮問評議会評議員リスト)
첸 Directory of Deutsche Bank Offices worldwide 1999
(1999年ドイツ銀行オフィス名鑑)(ドイツ語/英語)
顧客
첸
첸
Private Banking (プライベート・バンキング(小冊子および最新の雑誌))
*
Megatrends und Mittelstand(メガトレンドと中産階級)
*
Things that change the world. Global Technology and Services(世界を変える物。グロー
バル・テクノロジー&サービス)
첸 ドイツ語 첸 英語
従業員
Our identity(当行のアイデンティティー)첸 ドイツ語 첸 英語
첸 Neue Zeiten erfordern neue Wege – Das Deutsche Bank-Mosaik für Beschäftigung(新
しい時代は新しい方法を必要とする―ドイツ銀行―雇用のためのモザイク)
*
Humanizing change(人間味のある変化)첸 ドイツ語 첸 英語
社会
一冊でも一時的に入手不可能な場合、御注文
は登録され、入手可能となり次第送付致しま
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Tomorrow starts today(明日は今日始まる)첸 ドイツ語 첸 英語
Deutsche Bank’s commitment to the environment(ドイツ銀行の環境へのコミットメント)
첸 ドイツ語 첸 英語
첸 Pensionsfonds für Europa(欧州向けの年金基金)*
첸 E-Commerce: Katalysator für Strukturveränderungen in Deutschland(電子商取引:ド
イツ国内の構造改革のための触媒)
*
* ドイツ語版のみ入手可能
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From:
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Deutsche Bank AG
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Street(御住所)
D-60262 Frankfurt am Main
Postcode(郵便番号)
Town/city(市町村)
Country(国名)
159
ドイツ銀行
D-60262 フランクフルト・アム・マイン
タウヌスアンラーゲ 12番
電話 +49 69 910-00
電子メール [email protected]
インベスター・リレーションズ:
電話 +49 69 910-3 80 80
電子メール [email protected]
インターネット上の年次報告書:
www.deutsche-bank.com/99
写真
Wolfgang von Brauchitsch(ボン):
9頁
Gabo(ハンブルグ):
16, 20, 24, 28, 32, 38, 42, 46頁
John R. Glembin(ニューヨーク):
36頁
Martin Joppen(フランクフルト):
9頁
Andreas Pohlmann(ミュンヘン):
8, 9頁
2000/2001年の会計処理予定表
2000年5月4日
2000年6月9日
2000年3月31日現在中間報告
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキジビション・センター)にて、株主総会
2000年6月12日
配当金支払
2000年8月3日
2000年6月30日現在中間報告
2000年11月1日
2000年9月30日現在中間報告
2001年2月14日
2000会計年度の重要な数値の発表
2001年4月5日
年次記者会見
2000年度年次報告書発表
2001年5月10日
2001年3月31日現在中間報告
2001年5月17日
フランクフルト・アム・マイン フェストハレ
(エキジビション・センター)にて、株主総会
2001年5月18日
配当金支払
2001年8月2日
2001年6月30日現在中間報告
2001年11月1日
2001年9月30日現在中間報告
ドイツ銀行
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