卒業生の声 - 秋田大学

国際コミュニケーション
国際コミュニケーション在校生
コミュニケーション在校生、
在校生、卒業生の
卒業生の声
♥ 国際コミュニケーション選修
国際コミュニケーションという言葉から何を想像しますか?
医学や工学などの専門とは違って、あいまいな印象を受ける人が多いのではないでしょうか。
確かに、何を学べるのかわかりづらい、一言で説明しにくい選修ではあると思います。具体的に
は、言語学、哲学、文化、文学、語学などを学ぶことができます。
私がこの選修で学んで感じたのは、全く違うように思われる分野でも、実は関係しているので
はないか、ということです。もちろんそれぞれの授業、分野に面白さがありますが、例えば哲学と
言語学で同じ学者の意見を扱ったり、文学を学ぶには文化的な背景を知ることが重要であったり、
文化に関して学んだことが語学の授業で活きてきたりと、学問はつながっているということに気
付きました。国際コミュニケーションという大きなテーマの中で、違う側面から物事を見ることがで
きるのも、国コミの魅力です。
そして、さまざま分野やテーマに取り組み、共通点や差異を見出すことは、ひいては視野を広
げるということにもつながると思っています。それは国際関係、異文化、コミュニケーションにつ
いて考える上でも必要なことではないでしょうか。
国際コミュニケーション選修で学ぶ皆さんには、ぜひいろいろなコースをとり、視野をひろげ、そ
のうえでより自分の興味が向くところを見つけていってほしいと思っています。(和田陽佳 3年)
♥ 青年海外協力隊としてアフリカを訪れて
わたしの大学生活を振り返ってみると、本当に充実した日々を送らせてもらったなぁと、しみじ
みと感じます。今のわたしがこうしているのは、家族の大きな支えを始め、大学の先生方、友人
そして地域の方々の温かな励ましと、時には厳しいご指導のおかげだと、実感しています。さま
ざまな人の出会いによって、たくさんの経験をすることができ、さらにとても貴重なお話を伺うこと
ができました。秋田では、残念ながら大学生がなかなか積極的に社会参加して来ないと言われ
ています。柔軟な発想力と、行動ができる大学生が、「こんなことをしてみたい」というやる気を持
っていながらも、結局なにもせずに終わってしまうのは大変もったいないことです。みなさんのそ
のやる気を発揮できる場所は、ここ秋田にたくさんあるのです。そして、そのやる気を活かして、
成長させるための仕掛けを仕組んでくださる大人の方々もいらっしゃいます。アンテナを張り巡
らし、いろいろなことに好奇心を抱いて、みなさんの生活する社会を見つめてください。就職活動
をする際には、その経験が、あなたの背中を押してくれること、間違いなしです。
わたしはこの先、青年海外協力隊として、アフリカのウガンダで2年間のボランティア活動をし
てきます。ここ秋田で培った経験と、出会った人々の恩恵を、ウガンダの人々に還元していくこと
がこれからのわたしの目標です。最後になりましたが、卒論指導で大変お世話になった先生を
始め、国際コミュニケーション選修の先生方、ご指導ありがとうございました。(野口聡子 08 年 3
月卒)
♥ 国際コミュニケーション選修とは何か?
私たち大学生は与えられる情報をただ受け入れるのではなく、そこに「なぜ」という疑問をもち
その疑問について悩むことを通して、考える力を身につけて生きる力にしていかなければいけ
ないと思います。国際コミュニケーションでは先生方、先輩、後輩、同期の人たちなど人とのつな
がりが強い選修です。みなさんが互いの意見を積極的に交換し合うので自分にない考えに触れ
る面白さを味わうことができますし、そういったことを通して自分の考えを深めていくことができる
選修だと思います。(五十嵐 啓太 09 年 3 月卒、同年 4 月筑波大学大学院入学)
♥ イタリア研修を終えて
私は、2011 年 2 月 28 日から 3 月 27 日までの約一カ月間、イタリアのカリアリ市にある、カリア
リ大学で学びました。イタリアの文化に触れること、日本の文化を紹介すること、国際的コミュニ
ケーションの媒体となる英語力を上げること、イタリア語のスキルを身につけることを目的とし、
研修に臨みました。
研修中の主な活動として、ジャパンフェア、ジャパニーズクッキングパーティを開催し、日本の
文化や秋田大学について紹介しました。ジャパンフェアというのは、カリアリ大学構内にあるバー
ルを借りて行った小規模のフェアで、折り紙、折り鶴と箸を用いたゲーム、浴衣、茶道、日本食を
カリアリ大学の学生に紹介し、体験してもらうという内容です。鶴の折り方を教えるだけで感動が
生まれ、あたたかい気持ちになりました。
研修中のコミュニケーションに使う言語は、英語またはイタリア語で、当然ですが日本語は現地
の人々とのコミュニケーションに使うことはできませんでした。英語力に関して言えば、実践的な
コミュニケーションツールとして英語を使っていたので、この研修中に大きく進歩したと思います。
あらかじめ学習してきた上で成立した英会話ですが、日本での“学習の対象”としての英語と、イ
タリアでの“実際的なコミュニケーション媒体”としての英語の間には、大きなギャップがあったよ
うに感じました。英語の試験に合格すること以上に、コミュニケーションを成立させることのほう
が価値のあることだと感じました。
イタリア語のスキルは、イタリアに滞在している間である程度身につけることができました。日
本にいるときに学習をしていたので、文法事項や語彙は少しだけ分かっていたのですが、あと数
カ月長く日本でイタリア語の学習をしていたとしても、イタリアで一カ月過ごすことでできる学習と
同じ程度の成果は得られないと思います。やはり、イタリア語が単なる学習対象であって、それ
を生活の中で実際に使うという環境になければ、そこでは限られた進歩しかすることができませ
ん。私は日本でイタリア語を学習していた時、それを実際に使う環境を想定した学習をしていま
せんでした。実際にイタリア語を使う生活を考えた上で、イタリア語を学習するべきだったと思い
ました。実際にイタリアで生活してみて、自分の学習態度の改めるべき点に気付きました。
日本から離れた生活、すなわち自分の生きてきた環境とは切り離された生活をしなければ、わ
からないことはたくさんあります。机の上の学習だけでは気づくことができないことに、留学する
ことで実感することができました。学生のうちにしか留学できないというわけではありませんが、
学生のうちに留学することでしか得られないものもあると思います。国際コミュニケーションに興
味を持っている人は、ぜひ留学を考えてみてほしいと思います。(田口萌香 3年)
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♥ 留学して
国際コミュニケーション選修所属学生の多くが「留学」を経験します。議論やレポート、試験ま
でも外国語で行われる授業で「留学」をし、多くの学生が、外国語を通して特定の学術分野への
扉を開くのです。
英語圏の大学への留学を真剣に考えている学生にとっても、国コミは魅力的であると言えま
す。英語でのプレゼンテーション、レポートの作成方法は授業を通じ習得が可能ですし、何よりも
「英語での教授を受けてきた」という経験は思いのほか大きなものになります。私自身、本選修
に所属していたからこその有意義な留学であると感じることが多々あります。国際コミュニケーシ
ョン選修で、言語・哲学・文化を通し、人間の本質に迫ってみませんか?(澤田真央 オークランド
工科大学留学 08 年 3 月卒、同年4月東北大学大学院入学)
♥ 交換留学生として留学中
私は、2011 年 2 月 24 日より、ルーマニア、ブカレスト大学に留学しています。現地に来て一番
多く聞かれたことは、「英語の勉強をしになぜルーマニアに来たのか?」ということでした。確か
に、英語を学ぶならネイティブの国へ留学するのが一番かもしれません。
ルーマニアを含め、多くのヨーロッパの国々では、第二言語として英語を小学校、またはそれ
よりも早く学び、多くの人が当たり前のように英語を使っています。私たち日本人は、中学校から
英語教育が始まり、大学生になる頃には 8~10 年間勉強していることになります。それにも関わ
らず、話せない、使えないという自分の情況に愕然とし、同じように第二言語として英語を学ぶ他
の国に興味を持ち始めました。ルーマニアでは、第二言語で英語を学習する上に、たいてい第
三、第四言語も学び、それらを使えるレベルまで達している学生が多くいます。私は将来英語の
教師になることを希望しているので、「英語教育」を考える上で、同じようにネイティブでない国の
人がどのように英語を学習しているのか、自分の目で見て体験してみたいと思いました。また、
大学の講義を含め、日本で英語を使う機会は本当に少なく、大学を卒業する時に国際関係の学
科を出たのに英語を話せないということになるのが嫌だと感じたことも動機の一つです。
英語を母語としない国で、母国語が異なる同士が「英語」を使ってコミュニケーションをすると
いう環境で、英語が世界共通語である意味や価値を考えてみたいと思いました。また、日本でも
あまり知られていないルーマニアという国で、その地の歴史や文化を肌で感じると共に、日本と
は全く異なる文化を持ったルーマニアという国を知り、ルーマニア語を知り、自分の今後の人生
に生かしていけたらと思っています。
ブカレスト大学では外国語学部に所属し、英語の授業をいくつか選択しました。もちろん授業は
すべて英語で行われ、そのレベルの高さに始めはただただ驚きました。特に学生の英語のレベ
ルや意欲が本当に高く、活発に行われるディスカッションなど日本との差に愕然としました。ただ、
時折先生がルーマニア語を使ったり、翻訳などのエクササイズになってしまうと、どうしてもルー
マニア語ができない事がネックになってしまいます。
外国語学部には日本語学科もあり、チューターを含め多くの学生が支援をしてくれます。本当
に日本、日本語、日本人が好きで一生懸命勉強している学生さんが多く、自分自身あらためて
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「日本」について考えることが多くなりました。
生活の様子については、季節はほぼ秋田と同じですが、5 月の初めから真夏のように暑い日
が続いています。冬は秋田よりも寒くなるということでした。
現在は大学寮に住んでいて、2人から3人でのシェアルームになっています。大学までは地下
鉄に乗って 30 分程度です。私はルーマニア語がゼロの状態からこちらに来たのですが、やはり
勉強しておいたほうがよかったと思うことが多々あります。大学や友達との間では英語で問題な
いのですが、お店や道を歩いているとやはりルーマニア語が飛び交う環境ですし、大人の方で
英語が話せるという人もあまり多くはないからです。今は独学ですが、留学生のためのルーマニ
ア語の講義もあるようです。
こちらに来てまだ3カ月ですが、本当に日本とは異なる、ヨーロッパのルーマニアという国につ
いて様々な考えが生まれてきました。日本では当たり前のことがそうではなかったり、ルーマニ
ア、ヨーロッパの日本に対する考え方なども見えてきました。宗教、文化が異なることで人間性も
異なってくるし、また共通点も発見することができます。文化も言葉も異なる国で、英語を通じて
学べることが本当にたくさんあります。また、自分を日本人として、私自身として見つめ直す本当
に良い機会となっています。1 年という短い期間ですが、言語習得だけにとどまらず、たくさん経
験をして秋田大学の今後につながる留学になればと思います。
3年 菅原 南
派遣先大学:ブカレスト大学(ルーマニア)
在籍身分:交換留学生
派遣期間:約 12 カ月
渡航年月日:2011 年 2 月 24 日
帰国年月日:2012 年 2 月予定
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