印刷会社と米作農家が連携した 「こだわりの単一農家米」の販売

農商工連携
ブレンドしない米
﹁私が作った、
田んぼ1枚分︵約
年、ビジ
5 0 0 キロ︶の米 を 良い値 段 で
買ってほしい﹂
。平成
ネ スフォーム 印 刷 で高い技 術 を
有する秋田印刷製本株式会社を
経 営 す る 代 表 取 締 役 社 長の大 門
一平 氏 の も とに、秋 田 市 内 で 米
作 を 営 む 伊 藤 巧一氏 が 訪 ね て き
た。企 業 や 個 人に直 接、米 を 販
売する﹁田んぼのオーナー制度﹂
翌年、同社が行った試験販売で、
真 空 2 合 パックで 3 袋 入 り、七
筒に生産者の顔を取り込み米を
を始めるという。
全国に広がる知り合いの印刷会
人の﹁維新米﹂とネーミングした。
レンドしない、こだわりの単一農
もなく、東日本大震災が起きた。
﹁維新米﹂の販売が始まって間
﹁できること﹂
身動きできない中で
社社長に購入を勧めた。すると
﹁これほど美味しいあきたこまち
米 は 食べた こ と が ない﹂と 高 く
評価された。
こうして、平成
家米﹂のマーケティングがスター
停電で操業は停止、物流が止まり、
年、同 社 と 伊 藤 氏の連 携 で﹁ブ
年には農商工等
が﹁プリントネクスト東京大会﹂
連 携によ る 業 態 変 革への取 組 み
ちができることは何か﹂
、考えた。
き ない中 で、大 門 氏 は﹁自 分 た
本 業の印 刷 は 再 開 す る こ と が で
トし た。平成
でグランプリを 受 賞 す る。ま た、
売る」会社に変革していくのも近そうだ。
一週 間 後、被 災 地に同 社 が 開 発
はないと考えている。
しかし、地方には
同 社 は 企 画 会 議 を 重 ね て筒 型の
を売る印刷から、さらに
「印刷でモノを
し た パッケージで 救 援 米 が 割 り
だ けに終 わ ら ない。企 画 力 を さ
大門氏はアイデアには地域間格差
パッケージを 開 発、平 成
本 ㈱ も 単一農 家 米 を、知 名 度 が
み、定期購入の数も増えた。
らに高 め る こ と で﹁商 品のプレ
員教育に力を入れている。現在のモノ
ところ、完売し た。秋田印刷製
2合ずつ入っているので、炊くと
高い秋田県特産の稲庭うどんと
後は特別栽培米や、天日干し米
みを行っていきたいと考えている。
大 門 氏 は 農 家に、商 標 権の取
ゼンテーションを任せていただく
ている。
や携帯カイロとともに届いた。
きに計量しなくて済んだ。同社は、
セット でギ フト 商 品にす る な ど、
年は、1年目の販売目
など、より米の質を高める取組
フト し て き ている。そ こ で、今
に関心 が あ る 女 性 と 富 裕 層へシ
購 入 者 は、安 心・安 全・健 康
販売を強化している。
のちにこの経験を生かし て﹁備
蓄米セット﹂に取組んだ。
印刷で﹁モノ﹂を売る
平成
ト ンの維 新 米 を 完
売 し た。評 判 が口コミ で伝 わ り、
大門氏は、この取組みの成功
標 であった
東京や仙台からの注文が舞い込
得 を 促 し て き た。パート ナーで
社員による組織の確立」を目指して社
(取材対応:代表取締役社長 大門一平 氏)
用する社員を育成するために、
「自立型
売を行い、
「モノを売る印刷」を実現し
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29
12
case
な商品を開発し、プロモーション・販
印刷会社と米作農家が連携した
「こだわりの単一農家米」の販売
人材が少ないという。同社は全国で通
秋田印刷製本株式会社
生産者である伊藤氏との連携から新た
▲「維新米」パッケージ
会社に成長させたい﹂と将来を
▲会社外観
ある伊藤氏は、肥料に果物を使
http://www.akitainsatu.co.jp/index.html
発信していく人材やデザインのできる
年は
【代表者】
代表取締役社長 大門一平 見据えた構想を描いている。
【電話】
018-839-7554
ったお米に﹁フルーティ米﹂と名
【HP】
付 け て商 標 登 録 し て売 り 出 し た
【設立】
昭和 25 年 5 月
秋田印刷製本㈱は、本事業を通して、
21
1-9
秋田県秋田市
「人材力」を高める
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【住所】
秋田県秋田市御所野湯本 2 丁目
▲筒状のパッケージが印象的な維新米。農薬を減らし有機肥料を使用したあきたこまち。
事業のイノベーションのために
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【
【名称】
秋田印刷製本株式会社
▲こだわりの米をつくる生産者達
販路拡大」
。
6.6
キーポイント
印刷業。
ビジネスフォーム印刷を主
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組織 プ ロ フ ィール
Keypoint
主な事業内 容
23
Company Profile
力とする。
農商工連携 事 業
平成 22 年
(2010 年)
認定。
「包装開発と地元農家米の栽培管理に
より高付加価値化した『単一農家米』の