平成18・19年度 - 北海道留辺蘂高等学校

平 成 1 8 ・ 1 9 年 度
豊 か な 体 験 活 動
推 進 校 報 告 書
友愛
英知
創 造
文部科学省指定
実践研究推進校
北 海 道 留 辺 蘂 高 等 学 校
目
次
はじめに
1p
1
推進計画の概要
2p
(1) 研 究 の ね ら い
2p
(2) 推 進 計 画
4p
(3) 推 進 体 制
6p
2
3
4
5
「 産 業 社 会 と 人 間 」( 1 年 次 生 ) に お け る 取 組
7p
(1) 「 産 業 社 会 と 人 間 」 の 概 要
7p
(2) 専 門 学 校 訪 問 ( バ ス 見 学 会 )
7p
(3) 職 業 調 査 ・ 職 場 見 学
9p
総合的な学習の時間等における取組
12p
(1) イ ン タ ー ン シ ッ プ ( 2 年 次 生 )
12p
(2) 課 題 研 究 ( 3 年 次 生 )
20p
特別活動における取組
30p
( 1 )落 語 講 演 会
30p
( 2 )芸 術 ( 合 唱 ) 鑑 賞 会
31p
( 3 )演 舞 ( 創 作 ダ ン ス ) 鑑 賞
33p
教科における特色ある取組
35p
( 1 ) 理 科 (「 北 海 道 の 自 然 」)
35p
( 2 ) 家 庭 科 (「 児 童 文 化 」)
35p
ア
幼稚園訪問(異校種間交流)
35p
イ
幼稚園訪問(読み聞かせ)
36p
ウ
木製玩具体験(カプラ実習、日本の伝統玩具)
40p
(3) 体 育 科 ( 心 肺 蘇 生 実 習 )
43p
(4) 福 祉 科
45p
ア
社会福祉実習
45p
イ
障害者模擬体験授業
52p
ウ
重度心身障害児との交流会
53p
6
網走管内高等学校研究指定校推進NEWS
55p
7
成果と課題
56p
(1) 成 果
56p
(2) 課 題
58p
平成18・19年度
文部科学省指定
豊かな体験活動推進校
報
発
編
行
集
告
書
平成19年2月
北海道留辺蘂高等学校
豊かな体験活動推進委員会
友愛
英知
創造
平成 18・19 年度 文部科学省指定
豊かな体験活動推進校報告書
北海道留辺蘂高等学校
は
じ
め
に
このたび、平成18・19年度文部科学省指定「豊かな体験活動推進校」としての本校
の実践をまとめ、活動報告書として発刊することとなり、これまでご支援ご協力いただき
ました皆様にお礼申し上げます。
本校は、平成12年度に普通科から総合学科へ学科転換して 8 年目を迎えています。科
目「産業社会と人間」や「総合的な学習の時間」を活用した一人一人のライフプランづく
りやインターンシップ、課題研究などを通して、じっくりと時間をかけて自分自身を見つ
め興味・関心・適性や進路希望を確かなものとし、生徒一人一人のカリキュラムを編成・
実施するとともに、豊かな体験活動を重視し地域との連携を深めるキャリア教育を積極的
に 進 め て い ま す 。平 成 1 8 年 度 か ら 文 部 科 学 省 か ら 豊 か な 活 動 推 進 校 と し て の 指 定 を 受 け 、
あらためて総合学科の特色を一層生かすとともに様々な体験活動に積極的取り組んでまい
りました。
特に、訪問介護員(ヘルパー 2 級)を取得する科目や地域の特色を生かした観光にかか
わる科目、コンピュータの活用やビジネス関連科目、芸術や生涯スポーツなどの科目の充
実を図っています。また、人文科学や自然科学の分野においても、少人数授業を充実する
など、総合学科の特色を生かした教育課程を編成・実施しています。
このたびの指定を受けて、本校として以下の 4 点を重視して取り組みました。
1
総合学科の特色を生かし、学習内容を深化・発展させる体験活動の創造
2
地域住民や事業所との連携と交流を重視した体験活動の創造
3
優れた文化に触れ、豊かな感性や人間性を培う体験活動の創造
4
自己理解を深め、望ましい職業観・勤労観を培う体験活動の創造
これまでの 2 カ年の取組については、これらの観点を踏まえた教育実践について十分な
ものといえない面もありますが、地域と連携し学校外の教育資源を最大限に活用して地道
な教育実践を展開する中で、一定の成果を納めることができたのではないかと考えており
ますが、なによりも生徒一人一人が様々な体験活動の場面で笑顔が輝いていたことはとて
も印象深く思い出されます。これまでの実践を評価し課題等の改善を図ることにより、今
後さらに魅力ある総合学科校として、豊かな体験活動の充実に引き続き取り組んでまいり
たいと考えております。
本報告書をご一読された方々から、忌憚のないご意見等をいただければ幸いと考えてお
ります。
平成20年2月
北海道留辺蘂高等学校長
成
-1-
田
雅
昭
1
推進計画の概要
(1) 研 究 の ね ら い
平成12年度に普通科から総合学科へ学科転換した本校では、望ましい進路選択を
可能にさせ、自己決定能力と自立意識を育成するとともに、働くことの意義を学び、
望ましい職業観・勤労観を育成するためのキャリア教育の充実に力を入れてきた。
望ましい職業観や勤労観の育成を重視するキャリア教育においては、職業や勤労に
かかわる体験活動が重要であるとの観点から、総合学科の必履修科目である「産業社
会 と 人 間 」( 1 年 次 2 単 位 ) を は じ め 、 総 合 的 な 学 習 の 時 間 ( 2 年 次 1 単 位 、 3 年 次
2単位)を中心に、就業体験・職場体験等の活動を積極的に取り入れた実践を展開し
てきた。
また、総合学科の特色である2・3年次に開講される多数の選択科目においても、
家庭科や福祉科、商業科を中心に、地域の企業等の事業所における実習などの体験活
動を積極的に取り入れた授業に取り組んでいた。
こ う し た キ ャ リ ア 教 育 に お け る 体 験 活 動 の 実 績 を 踏 ま え な が ら 、文 部 科 学 省 か ら「 豊
かな体験活動推進校」に指定されたことを機に、これまでの実践内容等を見直すとと
もに、本実践研究の主旨を踏まえつつ新たな取組として充実させるべく2年間努力し
てきた。次のページの図は、こうした本校での取組の概要を示したものである。
図に示したように、本実践研究を推進するに当たって本校では、地域の教育資源を
生かしながら、次の4点をねらいとして取り組んできた。
1
総合学科の特色を生かし、各教科等における学習内容を深化・発展させる体験
活動の創造
2
地域の企業等の事業所、そこで働く地域住民など異世代との交流や連携を大切
にした体験活動の創造
3
優れた芸術等文化に触れ体験することで、豊かな感性や人間性を培うことので
きる体験活動の創造
4
自己理解を深めるとともに、望ましい職業観・勤労観を培うことのできる体験
活動の創造
2年間の取組で、これら全ての観点が十分に達成できたかと問われると、疑問の残
るところではあるが、高校生という発達段階を踏まえつつ、ある程度の成果を収める
ことができたのではないかと考えている。
本校では、総合学科の主旨を生かすキャリア教育の一層の充実に、今後とも努める
必要がある。そのためには、これまで取り組んできた体験活動について、目標設定か
ら活動内容の選択、指導方法や評価方法等を見直し、課題等を明確にするとともに、
その改善策を考えて実践する、いわゆるPDCAのマネジメントサイクルを重視た取
組をより一層推進したいと考えている。
- 2 -
○本校における体験活動
学
1
2
3
4
校
教
育
目
標
基礎学力の向上と自ら学ぶ態度の育成に努める
社会の変化に対応できる創造力と実践力の涵養に努める
生命を尊重し、健康で明るい生活習慣の定着を図る
働くことの意義を体得させ、豊かな人間性の育成に努める
総合学科におけるキャリア教育の主旨
生徒の実態
地域の実態
第1年次生「産業社会と人間」
各教科 第2年次生「インターンシップ」
第3年次生「課 題 研 究」
特別活動
地域の教育資源を生かした体験活動の充実
1
総合学科の特色を生かし、学習内容を深化・発展させる体験活動の創造
2
地域住民や事業所との連携と交流を重視した体験活動の創造
3
優れた文化に触れ、豊かな感性や人間性を培う体験活動の創造
4
自己理解を深め、望ましい職業観・勤労観を培う体験活動の創造
(キャリア教育の観点からみた体験活動のねらい)
職業観・勤労観の育成・自己決定力の育成・変化に対応する力の育成
1
2
3
望ましい進路選択、自己決定能力と自立意識を育成する。
働くことの意義を学び、望ましい職業観・勤労観を育成する。
社 会 人 に 必 要 な 資 質 ・ 能 力 を 育 成 す る 。( 挨 拶 ・ マ ナ ー 、
コミュニケーション・情報収集能力)
- 3 -
(2) 推 進 計 画 ( 平 成 1 9 年 度 )
(文部科学省へ提出)
推進地域名
北見市
所 在 地
校 長 名
学 級 数・
児童生徒数
※事業年度
4.1 現 在
1 主に取り組む
体験活動の種
類等
都道府県
ふ り が な
ほつかいどう る べ し べ こうとう がつこう
学校名
北海道留辺蘂高等学校
北 海 道 北 見 市 留 辺 蘂 町 旭 公 園 104番 地 5 5
成田
学級数
児童・
生徒数
雅昭
教職員数
1
3
2
3
3
4
87
87
110
4
北
海
道
0157( 42) 2225
41
5
6
計
10(0)
284
※ 該 当 す る 活 動 の 種 類 に ○ を つ け る と と も に ( 複 数 選 択 可 ), 主 に 取 り 組 み
たい体験活動の種類を含め,取り組みのポイントなどの簡潔な説明
1 ボランティアなど社会奉仕に関わる体験活動
2 自然に関わる体験活動
③ 勤労生産に関わる体験活動
④ 職場・職業・就業に関わる体験活動
⑤ 文化や芸術に関わる体験活動
⑥ 交流に関わる体験活動
○取り組みのポイント
・キャリア教育の観点を重視し、地域の事業所における就業体験
や職場での実習などを積極的に取り入れる。
・総合学科で開講される教科・科目で取り組む体験活動を重視す
るなど、総合学科の特色を生かす。
・地域の事業所や住民の理解と協力の下に進める体験活動を重視
し地域と一体となった教育活動を創造する。
・優れた芸術・文化に触れたり、参加したりする機会を積極的に
設けるなど、豊かな体験活動の場を創造する。
2 ねらいや特に
重点を置きた
いこと。
(学校や児童
生徒の現状に
関する問題意
識や課題認識
を 含 む 。)
地域における豊かな体験活動を通じて
(1) 地 域 の 人 々 と の ふ れ あ い を 深 め る 中 で 、 自 己 有 用 感 や 自 他 を 尊
重する意識を高めるなど、豊かな感性や人間性を培う。
(2) 自 己 の 職 業 適 性 へ の 理 解 を 深 め 、 望 ま し い 職 業 観 ・ 勤 労 観 を 育
成するとともに、コミュニケーション能力を高めるなど、豊かな
社会性を培う。
(3) 総 合 学 科 の 多 様 な 教 科 ・ 科 目 で 学 ん だ 知 識 ・ 技 能 を よ り 深 化 ・
発展させるとともに、より実践的なものへと高める。
3 年次ごとのお
よその計画
第1年次(平成18年度)
(1) 各 体 験 活 動 計 画 の 立 案
①バスによる専門学校見学
1年次生
②職場体験
1、2年次生
③「さんフェア2006」
3年次生
④社会福祉実習
3年次生(科目選択者)
⑤芸術鑑賞
3年次生(科目選択者)
⑥その他
(全校)
(2) 各 種 調 整 と 体 験 活 動 の 実 施
(3) 各 種 活 動 の 評 価 及 び 課 題 の 明 確 化 、 改 善 策 の 検 討 ( 中 間 反 省 )
第2年次(平成19年度)
(1) 各 体 験 活 動 計 画 の 立 案
①宿泊研修、バスによる専門学校見学、職場訪問、ライフプラン
発 表 会 、 応 急 措 置 実 習 (1 年 次 生 )
② 職 場 体 験 ( イ ン タ ー シ ッ プ )、 見 学 旅 行 体 験 学 習 2 年 次 生
③課題研究及び発表会 3年次生
④社会福祉実習
3年次生(科目選択者)
⑤芸術鑑賞
(全校)
⑥幼稚園訪問
3年次生(科目選択者)
(2) 各 種 調 整 と 体 験 活 動 の 実 施
(3) 各 種 活 動 の 評 価 及 び 報 告 書 の 作 成
- 4 -
4
推進体制
(1)学校を挙げて実施する際の体制整備について
(特に留意する点等)
校務連絡会議
校長→教頭→
1年 次 団
主担当
→
教務部長
2年 次 団
3年 次 団
進路指導部長
(2)学校支援委員会(平成19年度)
①学校支援委員会の構成
氏
名
坂田
圭司
(有 )ニ ュ ー マ ル サ カ
社長
PTA会長
鑓水
欽三
(株 )三 九 建 設
社長
前振興会会長
坂口
信一
坂口呉服店
社長
学校評議委員
菱沼英一
北洋銀行留辺蘂支店
支店長
学校評議委員
(五日市 武)
(4.1~ 9.31)
石谷忠義
元留辺蘂町教育委員会
元教育長
学校評議委員
菊池
菊池商店
店主
学校評議委員
(現振興会会 長)
西舘喜代子
読み聞かせサークル
代表
学校評議委員
成田
雅昭
留辺蘂高等学校
校長
宮田日出夫
留辺蘂高等学校
教頭
伊藤
陽司
留辺蘂高等学校
事務長
川上
陽
留辺蘂高等学校
教務主任
竹内
潤子
留辺蘂高等学校
進路指導主事
達也
勤務先又は機関・団体 名
職
名
備
②学校支援委員会の主な活動予定について
・各体験活動に係る実施計画の検討
・支援体制・連携体制の確立
地域の各種団体との連絡調整、協力要請
生徒の体験活動の受入先となる事業所への協力要請
- 5 -
考
(3) 推 進 体 制
ア
豊かな体験活動推進委員会
2年間の研究推進体制
図
実践研究推進体制
を担う組織として、各分
掌部長及び主任(年次)
を中心とした「豊かな体
校長-教頭 -
事務長
験活動推進委員会」を立
ち 上 げ た 。( 右 図 )
これは、本校で「校務
校務連絡会議
主担当
教務部長
進路指導部長
-
1年次団
2年次団
3年次団
教科担当
豊かな体験活動推進委員会
連絡会議」とよんでいる
分掌部長・主任(年次)で構成する連絡調整会議を母体としたものである。
な お 、 本 校 で は 、 総 合 学 科 の 性 格 上 、「 産 業 社 会 と 人 間 」 や 総 合 的 な 学 習 の 時 間
を活用して、インターンシップなどキャリア教育にかかる体験活動に積極的に取り
組んできた。こうした体験活動は、教務部と進路指導部が連携しながら指導計画を
作成してきた経緯があることから、教務部長と進路指導部長を「豊かな体験活動推
進委員会」の主担当とした。
イ
学校支援委員会
実践研究を支援する学校支援委員会については、本校PTA会長、本校振興会会
長及び学校評議員(地域の有識者等)に、校長等の教職員を加えて組織した。
学校支援委員会の中心となる学校評議員は、平成15年度から設置され、地域で
会社や商店を経営する企業家の他に、商工会議所の副会頭や元教育長など、多彩な
メンバーで構成されている。年間3回開催される学校評議員会では、本校の教育活
動の在り方について、活発な議論がかわされている。
支援委員会は、体験活動の受入先となる事業所の開拓や、地域の各種団体等との
連 絡 調 整 な ど 、本 校 が 様 々 な 体 験 活 動 を 取 り 組 む 際 に 、大 き な 役 割 を 果 た し て い る 。
なお、学校評議員が支援委員会の委員を兼ねる体制とした背景は、本校の評議
員が地域で幅広く活躍する方々で
あることから、支援委員として本
校と地域を結ぶ大きな役割が期待
できること。加えて、学校評議員
として、本校の教育活動に参加す
る機会が多く、本校の課題等につ
いても理解しており、本校生徒に
とって有意義な体験活動を創造す
る上で、適切な指導・助言を受け
ることができるものと期待された
からである。
教育活動の在り方を協議する学校評議員
- 6 -
2
「 産 業 社 会 と 人 間 」( 1 年 次 生 ) に お け る 取 組
(1) 「 産 業 社 会 と 人 間 」 の 概 要
○平成18年度「産業社会と人間」指導計画
本校の「産業社会と人間」は、自
金曜 5、6時間目
分を見つめ、自己の性格や志向、職
・オリエンテーション
4月
業適性等を理解し、社会における自
・自分史作成
己の在り方生き方について考え、2
・作文指導
5月 ・性格診断テスト(自己理解を深める)
年次以降の履修科目の主体的な選択
・レディネステスト(職業適性を考える)
に資することを主なねらいとして実 前
・専門学校バス見学会準備(事前指導)
6月
施 し て い る ( 年 間 指 導 計 画 参 照 )。
・専門学校バス見学会
指導計画の作成に当たっては、専 ・専門学校バス見学会まとめ(事後指導)
7月
・社会人講話Ⅰ及び感想文作成
門学校見学会や職場見学などの体験 活 動 を 積 極 的 に 取 り 入 れ る と と も に 、 期 8月 ・科目選択オリエンテーション
・科目選択模擬授業①
その体験を後の指導に生かせるよう、
・科目選択模擬授業②
振り返り活動や自己評価活動(感想
・科目選択相談会①
9月
・科目選択相談会②
文作成など)を重視している。
・社会人講話Ⅱ及び感想文作成
また、総合学科の多様な開講科目
・職場見学事前準備①
から、生徒が自己の適性やキャリア
・職場見学事前準備②
10月
発達を考えて主体的に科目選択がで
・職場見学
・職場見学礼状作成
きるよう、LHRでの指導と連携さ
・職場見学発表準備①
せたガイダンス機能の充実に努めて
後 11月 ・職場見学発表準備②
いる。
・職場見学グループ発表
・社会人講話Ⅲ及び感想文作成
このため、開講科目の内容等を記 ・職場見学全体発表
したシラバスを活用した指導だけで 12月 ・職場見学まとめ
はなく、実際に授業を体験する「模 ・ライフプラン作成①
擬 授 業 」を 実 施 し て い る 。
「模擬授業」
期 1月 ・ライフプラン作成②
課題研究全体発表会
は、シラバスだけではわかり難い学
・ライフプラン作成③
習内容等を生徒に体験的に理解させ
2月 ・ライフプランクラス発表
ることを目的として、例年、各教科
・ライフプラン全体発表
・1年間を振り返って
2科目程度実施している。実際に授
3月
・ライフプラン冊子製本
業を体験しながら、生徒たちが授業
内容等が自己の適性に合うか否かを判断することで、誤りのない科目選択を促す効果
がある。
こ こ で は 、「 産 業 社 会 と 人 間 」 に お け る 活 動 の 中 か ら 、 体 験 活 動 を 中 心 と し た 取 組
について、そのいくつかを次項以下で紹介する。
(2) 専 門 学 校 訪 問 ( バ ス 見 学 会 )
ア 実施日 平成18年6月29日(木)
平成19年5月16日(水)
イ 見学先 北海道情報ビジネス専門学校
オホーツク社会福祉専門学校
北 見 美 容 専 門 学 校 (H19追 加 )
ウ 目 的
専門学校における学習内容等
を直接体験することで、専門学
校とそこでの学習内容等につい
て理解を深めるとともに、自己
の適性や将来の進路選択につい
て考えさせる。
- 7 -
介 護 浴 槽 体 験 (H19)
エ
概
要
①専門学校担当者からの説明
・学校概要(教育課程、取得資格、授業料、施設設備)
・入学後の授業(実習)の概要等
・学校生活等
②専門学校における授業体験
・北海道情報ビジネス専門学校…コンピュータ実習
・オホーツク社会福祉専門学校…車椅子体験・介護体験
専門学校での車椅子体験(H18)
ヘ ア カ ッ ト 実 習 を 参 観 (H19)
オ
生 徒 の 感 想 (平 成 1 8 年 7 月 2 5 日 発 行 「 留 辺 蘂 高 校 P T A だ よ り 」 )
カ
関連報道
平成19年
5 月 2 9 日 (火 )付 け
「経済の伝書鳩」
- 8 -
(3) 職 業 調 査 ・ 職 場 見 学
ア 実施日
平成18年10月19日(木)
平成19年10月24日(水)
イ 訪問先
北見市留辺蘂自治区内の
約30事業所
ウ 目 的
職業人(社会人)とのコミュニ
ケーションを通じて、現実の社会
(職場)について認識を深めると
ともに、勤労観や職業観の育成の
一助としてライフプラン作成の参
考資料とする。
貯 水 槽 工 事 現 場 を 視 察 (H19)
また、調査計画の作成やまとめ
の発表を通じて、課題解決能力の育成や表現力の向上を図る。
エ 概 要 ①事前指導 職業調査の意義、訪問時の注意事項、マナー、質問作成
②職場訪問 希望する職場別に3~4名からなるグループで、あらかじ
め了解を得ていた事業所を訪問し、事前に用意していた質問
を中心に、各職場や職業等についての聞き取り調査を実施す
る。また、生徒たちは、発表用資料作成のため、デジタルカ
メラを持参して職場(訪問先)の様子等を撮影。
③まとめ
聞 き 取 り し た 内 容 を 整 理 し 、レ ポ ー ト に ま と め る と と も に 、
写 真 等 を 活 用 し て 模 造 紙 1 枚 分 の 掲 示 資 料 を 作 成 す る 。( 作
成した資料は、廊下に掲示)
④発表
ク ラ ス 、 1 年 次 全 体 ( 代 表 )、 全 校 ( 代 表 )
○PTA便り(平成19年12月25日発行)に掲載された生徒の感想
- 9 -
○ 主 な 職 場 訪 問 受 入 先 ( H18・ H19)
受入先
さかえ保育所
留辺蘂消防署
北見信用金庫留辺蘂支店
きたみらい農業協同組合
ヤマザキ
(有)ニューマルサカ
(北陽会)るべしべ光星苑
中野デンキ
三九建設(株)
ローソン
(有)鈴木生花店
医療法人 前鼻医院
(北陽会)るべしべ希楽苑
(株)中村経木
おのでら医院
職種等
保育士
消防士
事務・行員
事務
販売
販売
老人福祉
販売
建築
販売
花卉販売
医療・看護師
老人福祉
木材加工
医療・看護師
受入先
石井理容店
吉川書店
日本通運(株)留辺蘂営業所
すずや食堂
(株)きくち
(株)坂口呉服店
サニードライクリーニング
留辺蘂郵便局
留辺蘂総合支所
留辺蘂図書館
留辺蘂高等学校
あさひ保育所
松谷建設(株)
北見トヨペット(株)留辺蘂営業所
留辺蘂中学校
職種等
理容師
書籍販売
運送
食堂
販売
販売
クリーニング
事務・郵便
事務・公務
図書館業務
公務・教職
保育士
建築
自動車販売
公務・教職
書 店 の 経 営 者 か ら の 聞 き 取 り (H19)
留 辺 蘂 消 防 署 で の 放 水 体 験 (H19)
介 護 用 品 に つ い て 聞 き 取 り (H19)
ス ー パ ー 店 長 か ら 聞 き 取 り (H19)
- 10 -
オ
発表会
ま と め の 掲 示 資 料 等 か ら 内 容 の 優 れ て い る 数 グ ル ー プ を 選 び 、全 体 発 表 会 を 実 施 。
発 表 に 当 た っ て は 、 PowerPointを 活 用 し た プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 資 料 の 作 成 を 義 務 づ
け、情報活用能力の育成も目指している。
なお、特に発表内容が優れているグループについては、例年2月に実施される総
合学科研究発表会で課題研究等の成果とともに発表する。
体 育 館 で の 全 体 発 表 会 の 様 子 (H19)
カ
パ ワ ー ポ イ ン ト を 活 用 し た 発 表 (H19)
関連報道
平成19年11月1日(木)付け「北海道通信」
- 11 -
3 総合的な学習の時間等における取組
(1) イ ン タ ー ン シ ッ プ ( 2 年 次 生 )
ア
実施日
イ
実習先
ウ
目
エ
指導過程
○平成 18年度イン ターン シップの 指導過程
的
平成18年6月21日(水)~6月23日(金)
平成19年6月20日(水)~6月22日(金)
北 見 市 留 辺 蘂 自 治 区 を 中 心 と す る 約 6 0 の 事 業 所 等( 平 成 1 9 年 度 は 、
旧北見市内の事業所に対しても生徒の受入れを依頼)
三日間の職場実習を通じて、
社 会 の 現 実 と 対 峙 す る 中 で「 産
業社会と人間」での学習成果
を一層発展させ、働くことの
意義を体感させるとともに、
主体的な進路選択能力、マナ
ーやコミュニケーション能力
等、社会人として必要な資質
・能力を育成する。また、職
場体験を機に進路目標を明確
にし、各教科の学習や「課題
研究」に積極的に取り組む姿
ガソリンスタンドでの車の窓ふき(H19)
勢を育てる。
受 入 先 事 業 所 と の 打 合せ等
生徒 への 指導等
4 ○ 受 入 れ の 可 否 及 び 可 能 人 数 に か か る ア ンケ
月
ート調査
○ ア ン ケ ー ト 回 収 訪 問 (兼 第 1回訪 問)
○ ア ン ケ ー ト 集 計 、 受 入 先 一覧 作成
○イ ンター ンシッ プの 主旨説 明
○イ ンター ンシッ プ先 希望職 種調査
( 計2 時間 )
5 ○事業所別担当者の決定
月 ○依頼文書提出(兼第2回訪問)
・ 実 習 生 履 歴 書 及 び 終 了 後 に 提 出 し て もら
う事後アンケートを持参
○生 徒実習 先の調 整・ 決定
○面 接指導 (礼 法・ 服装頭 髪等の 確認)
○受 入先提 出用履 歴書 作成( 計4時 間)
6 ○ 実 習 期 間 (6/21~ 23)
月
・実習先巡回(最低1回)
( 第 3 回訪 問)
○事 前講話 (講師 ハロ ーワー ク職員 )
○各 担当教 員との 面談( 注意 事項の 確認 、
日 誌記入 要領の 確認 )
( 計4時 間 )
○実 施( 職 場実習 ・実 習記録 ・日誌 記入 )
(計 18時間 )
○日 誌完成 ・提出
( 2時間 )
7 ○ 礼 状 提 出 及 び 事 後 ア ン ケ ー ト 回 収 ( 兼 第4
・
回訪問)
8 ○アンケート集計及び結果分析
月
○ 礼 状作 成 、 レ ポ ート ( ま と め )作 成
( 計4 時間 )
○レ ポート 冊子の 作成
( 2時間 )
(イン ターン シッ プ報告 書)
3 日 間 の 職 場 体 験 を よ り 充 実 さ せ る た め 、4 月 早 々 か ら 指 導 を 開 始 す る な ど 、
事 前 指 導 に 十 分 な 時 間 を か け て い る ( 上 表 参 照 )。 特 に 、 イ ン タ ー ン シ ッ プ の
意義を理解させ、しっかりとした心構えを持たせたり、礼儀作法を身に付けさ
せたりする指導のほかに、受入先に提出する履歴書の書き方や、実習に向けた
決意文の作成などに、多くの時間をかけ、念入りな指導を展開している。
なお、平成19年度は、インターンシップ前日の事業所訪問を実施した。訪
問の中で生徒たちは、関係者への挨拶と翌日からの実習内容や実習中の留意事
項 な ど を 確 認 し た 。時 間 等 の 関 係 か ら 前 年 度 ま で 事 前 訪 問 は 実 施 し な か っ た が 、
実習前に訪問することで、実習をスムーズに開始することができるなど大きな
効果があった。
- 12 -
建 築 現 場 で 説 明 を 受 け る 生 徒 (H18)
温 泉 ホ テ ル の 浴 場 で の 椅 子 の 清 掃 (H18)
美 容 室 で の 洗 髪 (H19)
食 堂 で の 実 習 (H19)
オ
受入先事業所
次頁の表は、留辺蘂自治区内の主な受入れ事業所を示すものである。生徒の希望に
添った職種でインターンシップが実施できるよう、受入先を確保・拡大することは重
要な課題である。当初、留辺蘂自治区内に限定されていた受入れ事業所は、現在では
旧北見市内の事業所にも協力を求めて、生徒の受入れを依頼している。
こうした受入先企業の開拓は進路指導部が中心になって担当しており、生徒の受入
れの可否を問うアンケート調査を毎年4月上旬に実施するなど、年度の早い時期から
取り組んでいる。上記の事業所のほとんどは、毎年生徒を受け入れている。こうした
ことから、自治区内の多くの事業所は、本校のインターンシップの主旨を熟知してお
り、3日間の実習が生徒にとって充実したものとなるよう、体験させる作業につい便
宜を図るなど様々協力をしてくれている。
一方、学校としても、受入先の実情をよく理解し事業所の実態に即したきめ細かな
事前指導が展開できるよう、事業所ごとに担当者を決めている。各担当者は当該事業
- 13 -
所と連絡を取り合いながら生徒の指導に当たるとともに、履歴書の提出や実習中の巡
回 訪 問 、事 後 ア ン ケ ー ト や 礼 状 の 送 付 と 回 収 な ど 、当 該 事 業 所 を 何 度 も 訪 問 し て い る 。
担当者が何度も訪問することで、事業所との信頼関係を構築し、より綿密な情報交換
が可能になるとともに、採用情報や学校に対する企業の率直な思いなど、学校にとっ
て貴重な情報を数多く得ることができる。この意味でインターンシップは、生徒の体
験 活 動 に と ど ま ら ず 、学 校 と 地 域 を 結 ぶ 架 け 橋 と も い え る 大 き な 役 割 も 果 た し て い る 。
○主な受入れ事業所
企
北海道
留辺蘂
留辺蘂
北見ト
北見日
留辺蘂
きたみ
クリシ
ラーメ
留辺蘂
(有 )パ
(株 )道
エーコ
(有 )ど
(株 )坂
(有 )ス
花のに
医療法
医療法
おので
北陽会
北陽会
留
町
町
ヨ
産
マ
ら
ュ
ン
町
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東
ー
う
口
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人
人
ら
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立
立
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一
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蘂
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留
ッ
動
カ
農
レ
舎
書
ラ
ル
み
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服
か
樹
団
院
べ
べ
高
辺
辺
ト
車
ー
業
ス
名 等
等学校
蘂小学
蘂中学
株式会
(株 )留
センタ
協同組
トラン
学
校
学
校
学
社留辺蘂店
自
辺蘂店
自
ー
自
合
事
食
食
館
図
ンセ
パ
ズ ラルズマート留辺蘂 販
らい留辺蘂支店
販
南販売所
販
店
販
鈴木生花店
販
販
会小助川クリニック
病
前鼻医院
病
病
しべ希楽苑)
福
しべ光星苑)
福
職 種
校
校
校
動
動
動
務
堂
堂
書
ン
売
売
売
売
売
売
院
院
院
祉
祉
公
公
公
車
車
車
務
務
務
整
整
整
企
補
補
補
備
備
備
老人保
マリア
留辺蘂
留辺蘂
(株 )大
オホー
(株 )中
須摩印
日本通
館
(株 )井
製造
(有 )太
食 料 品 (有 )オ
食料品 松谷建
新聞
吉兆庵
福祉
すずや
花屋
(株 )昇
花屋
(有 )ニ
(有 )フ
中野デ
(有 )高
ミツ美
業
健
幼
町
町
江
ツ
村
刷
運
上
田
ミ
設
施設い
稚園
あさひ
さかえ
本家
ク観光
経木
(株 )
(株 )留
工務所
商会
工務店
(株 )
食
ュ
ァ
ン
野
容
堂
き
ー
ッ
キ
商
室
名 等
きいき
保育所
保育所
(株 )温 根 湯 ホ テ ル
辺蘂営業所
くち
マルサカ
ションショップくさか
店
職 種
福
保
保
保
ホ
ホ
木
印
運
建
建
建
建
食
食
販
販
販
販
販
理
祉
育
育
育
テ
テ
材
刷
送
築
築
築
築
堂
堂
売
売
売
売
売
美
ル
ル
製造
衣
衣
衣
家
酒
容
料
料
料
電
類
幼 稚 園 で の 園 児 と の 交 流 (H18)
食 堂 で 注 文 を 受 け る 生 徒 (H18)
カ
評価と指導計画の改善
本校では、インターンシップ終了後、生徒の実習態度等についての評価を含む事後
アンケートを各受入先に依頼している。この受入先の評価や実習日誌の内容、事後レ
ポートなどをもとに、一連の取組の中で生徒の努力した事項や優れた点などを所見と
して残す評価を行っている。
次 の 表 は 、 平 成 18年 度 の 受 入 先 事 業 所 か ら 寄 せ ら れ た 感 想 の 一 部 で あ る 。 イ ン タ ー
- 14 -
ンシップ担当者は、事業
所からの感想や訪問時に
得られた情報、生徒の感
想などをもとに、指導計
画等を見直し、改善点を
明らかにするなどして、
次年度に向けて指導計画
の改善を図っている。
食堂で調理を体験(H19)
○事後アンケートに寄せられた事業所等の感想(一部)(H18)
職種
運送
食堂
自動車整備
病院
自動車整備
感
想
3日間では物流業の大変さはわからない。
暑い中厨房でご苦労様。仕事の進め方をみせることが出来たと思う。
活発で意欲を感じた。
患者さんとの接し方に戸惑いがあった。
興味を持っていた。言葉が少なかった。実際に現場を見て就職活動
に役立ててくれれば良い。
保育
子どもと接する以外は自分から動く姿勢がない。
自動車整備 この職業に興味がある生徒であれば実習の意味がある。
販売福祉 この体験が進路の一助になれば良いと思う。
食堂
最近の子供たちの意識が理解できてよかった。
事務
雑用が多く学習に役立てたか。
建築
進路を決めるためには良い体験だと思う。
販売花屋 すぐできる仕事ばかりで3日間は長い。
福祉
少し大人しかった。もう少し元気と積極性が必要。
販売新聞 世間には数限りない職業が存在する旨を伝えたかった。
保育
積極的に体験して欲しかった。受け答えもしっかりして欲しい。
図書館
説明も真剣に聞き、作業も一生懸命取り組んでいた。
販売花屋 葬儀会場に花を持っていくことに抵抗はあったが、手伝いをさせた。
学校公務補 大変礼儀正しく作業に取り組んでおり、好感が持てる生徒であった。
保育
たくさん手伝ってもらった。始めは緊張気味だったが指示されたこ
とを良くこなしていた。
ホテル
地域の企業や産業の実態を知り、働く喜びや厳しさを知り、働く上
での人間関係等を知ることができる点で大変良い。
販売家電 働く職場を作ってあげるのが私たちの責任です。
保育
前向きに子供達と接していた。子供達も喜んでいた。
建築
マンツーマンはきついです。ただし積極的で意欲があり、良かった。
ス ー パ ー の 来 店 客 へ の 挨 拶 (H19)
事 務 作 業 を 体 験 (H19)
○生徒の感想(H18)
私は、職場体験学習で老人保健施設「いきいき」に三日間お世話に
なり、数多くの貴重な体験をすることができました。初日は、緊張し
ていたこともあり利用者の方とコミュニケーションが上手くとれず気
ばかり焦っていましたが、「どこからきたの?」「何年生?」と向こう
から話しかけられるうちに、段々と緊張もとれ会話も弾むようになっ
てきました。
二日目、三日目になると、お話だけでなく「将棋」や「オセロ」な
どゲームを通し交流を深めることができました。普段から練習を積み重ねているためか、その腕
前は強く私達も勝つことができずボロ負けでした。その他には、髪の毛を乾かすなど入浴後のケ
アや食事の介助、洗濯など施設でしか経験できない事をたくさんやらせて頂き、私にとって貴重
な三日間になりました。
私は介護福祉士という仕事は、大変できつく辛い仕事と思っていましたが、利用者方の「あり
がとう」の一言や笑顔を見るたびに、「頑張ろう」という気持ち、さらには心が温まり嬉しく感
じたことなど、この仕事のやりがいを私なりに感じることができ、より一層 、介護福祉士にな
りたいという気持ちが強くなりました。
- 15 -
キ
インターンシップ報告書
○平成18年度参加生徒の例
- 16 -
○平成19年度参加生徒の例
実習先企業名
留辺蘂図書館
実習内容
ブックカバー付け、受付、古い本の整理、
新しい本野整理
3日間の流れ
6月20日(水)
時 刻
実 習 内 容
10:00 開始
6月21日(木)
時 刻
実 習 内 容
10:00 開始
6月22日(金)
時 刻
実 習 内 容
10:00 ブ ッ ク ン に 乗 っ て 留 辺
図書館の今までの活動の
古い本の処理
蘂小学校へ行き子供た
説明
バーコードの読み取り
ちへの本の貸し出し
判子付け
11:45 図書館内見学
12:10 図書館到着
昼休み
12:00 昼休み
12:00 昼休み
13:10 受 付 と ブ ッ ク カ バ ー 付
13:00 古い本の処理
け
13:00 カウンターで受付
新しい本のブックカバー 15:30 終了
15:30 最後の挨拶
付け
16:00 終了
16:30 終了
マナーや言葉遣いについて学んだこ と
仕事上の学んだ知識
マナーに関してはそんなに厳しくはなかった
本を購入されてから処理するまでの道を考え
のですが、図書館はお客様にリラックスして
ることが、図書館にとって仕事上での知識だ
くつろいでもらう場なので、挨拶が何よりの
と教えてくれました。本が新しく入って、処
マナーでした。言葉遣いは、常に尊敬語でし
理されるまでの道のりを考えることはいかに
た。常に使わないと言葉遣いは難しいです。
大変かを知りました。
高校でやっておくべきこと
インターンシップを終えての感想
私が得意とすることに力を入れ、進路に備え
仕事では忍耐がないと出来ないことばかりだ
ておくことが大事だとわかりました。私の持
と教わりました。大林さんには「人生は挫折
つ夢にあきらめずに進んで行くことと、図書
と妥協の連続だ」と言っていました。私が人
館の方に言われ、ぜひ叶えたいと思いました。
生を歩んでいく中でその言葉を大事にしたい
と思いました。
◆インタビュー・コーナー
○ やりがいを感じること・やりがいを感じるときは? ⇒利用者の希望を聞いて利用者の役に立った時。
○仕事でつらいこと・つらいときは?⇒ あ ま り な い が 、利 用 者 が 読 み た い 本 が な い と 言 う 時 。
- 17 -
ク
関連報道
○平成18年6月23日(金)付け「北海道新聞」
○平成18年7月7日(月)付け「北海道通信」
- 18 -
○平成19年6月25日(月)付け「経済の伝書鳩」
○ 平 成 1 9 年 6 月 2 8 日( 木 )
付け「北海道通信」
- 19 -
エ
課 題 研 究 の 成 果( 発 表 会 レ ジ メ 及 び 使 用 ス ラ イ ド( パ ワ ー ポ イ ン ト 画 面 )等 か ら )
① 発 表 会 用 レ ジ メ ( 英 語 科 及 び 理 科 )( H18)
- 23 -
②平成18年度の英語科(英語ゼミ)発表資料(発表したスライドの一部)
- 24 -
- 25 -
③平成18年度の理科(理科ゼミ)発表資料(発表したスライドの一部)
- 26 -
- 27 -
④要約集の作成(各テーマ毎にA4判1枚程度に要約したレポートを収録)
- 28 -
⑤関連した報道(総合学科研究発表大会)
○平成19年2月9日(金)付け
○ 平 成 1 9 年 2 月 1 5 日 (木 ) 付 け
北海道新聞
北海道通信
- 29 -
(2) 課 題 研 究 ( 3 年 次 生 )
ア
指導の概要
本 校 の 課 題 研 究 は 、「 人 に や さ し い ま ち づ く り ~ ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 公 園 設
計~」のような大枠となるテーマを担当者(3学年団で構成)がいくつか定めて生
徒 に 選 択 さ せ た 後 、「 バ リ ア フ リ ー 」 な ど の サ ブ テ ー マ を 、 将 来 の 進 路 等 を 考 慮 し
て生徒が独自に設定し追究する方法をとっている。当初、生徒が自由に課題を設定
す る 方 法 も 試 み た が 、課 題 設 定 や 調 査 方 法 な ど で 戸 惑 う 生 徒 が 多 い と い う 反 省 か ら 、
このような方法となった。提示されたテーマから進路目標等に応じてテーマを選択
した生徒たちは、サブテーマの設定方法や各種の調査法、得られた資料(情報)の
整理の仕方など、研究方法等について指導を受けた後、各自がサブテーマ(課題)
を 設 定 し て 研 究 活 動 の 年 間 計 画 表 を 作 成 す る 。 そ の 後 、 12月 に 予 定 さ れ て い る レ ポ
ートの提出と1月の発表会に向け、担当の先生からアドバイス等を受けながら研究
活動を続ける。研究活動では、書籍等の文献調査やインターネットを活用した情報
収 集 だ け で は な く 、専 門 家 を 訪 問 し た り 、学 校 に 招 聘 し て 講 義 を 受 け た り す る な ど 、
多様な形態が取り入れられている。
研究成果発表会は、テーマ毎と全体の2回実施し、プレゼンテーション能力を培
う た め 、 発 表 に 当 た っ て は パ ワ ー ポ イ ン ト 等 の 活 用 ( DV D 映 像 等 の 作 成 を 含 む ) を
義務づけている。研究成果は、全員分をコンパクトに収めた報告書(写真左)にま
とめられるが、一人一人の成果をより具体的に紹介できるようにと、一つのテーマ
で単独に作成する場合もある。
イ
課題研究の教科とテーマ
○平成18年度テーマ一覧
教科
1
2
3
4
5
6
7
教科
テーマ
テーマ
「わかりやすい敬語の本」作成
アクセサリー芸術
小説を書く
ガラス芸術
8 芸術
国語 方言調査
木と和紙の芸術書
他人に好かれる話し方
銅板芸術
方言調査
2種類楽しめるペットボトル
古代エジプト ピラミッドから文化・生活を探る
SDが結ぶ家電と携帯
地歴公民
戦国時代 関が原の人間模様
環境に優しいエコスポンジ&洗剤
暗号
障害者や老人の為に音声認識給水栓
数学 自動車
新型お財布携帯
建物
9 商業 新商品開発
理科 きのこ栽培をする
全自動分別ゴミ箱
英語暗誦
地産地消 オニオンアイス
英語スピーチ
排気洗浄機能付き掃除機
英語 英語暗誦
バイブ機能付き静音目覚まし枕
英語吹き替えに挑戦
風力発電兼用ソーラー扇風機
洋楽翻訳
薬について
保健体育人体の構造についての研究
心の病について
人形劇を作ろう『3匹のこぶた』
10 看護福祉 ジェンダーについて
家庭
人形劇を作ろう『りっぱなうんち』
障害について
ユニバーサルデザインについて
- 20 -
○平成19年度テーマ一覧
教科
1
2
3
4
5
テーマ
文芸創作(小説)
就職に役立つ作文マニュアル製作
わかりやすい漢字テキストを作る
国語 文芸創作(エッセイ)
方言研究(東北地方)
方言研究(九州地方)
方言研究(沖縄)
上杉謙信の謎
太平洋戦争の悲劇
織田信長の生涯
地歴公民 伊達政宗の生涯
剣豪の歴史
歴史で活躍した女性(日本史編)
歴史で活躍した女性(世界史編)
憲法に基づく判例の研究
数学 確実な確率
理科 不要になったオガクズからきのこを育てよう
不要になった紙くずからきのこを育てよう
多読&洋楽翻訳
英語
多読&レシテーション
教科
テーマ
筋力トレーニングについて
6 保健体育 テーピング本を作ろう
コーチングについて
グラフィックアートについて
コンテンツデザインについて
2007年の流行色を予測する
照明効果について
7 芸術
ファゴットについて
ドラマーについて
色覚異常について
レゲエについて
8 家庭 子どもが喜ぶ出し物を作成し、演じてみよう
白花豆を使った豆腐作りに挑戦!!
新感覚のパン作り
9 商業
ストラップ作り
手作り風鈴
介護食を開発しよう
10 看護福祉
障害者スポーツ
ミラミッドの構造理解のための模型作成(H18)
きのこの栽培法について情報収集 (H18)
特 産 の 白 花 豆 で 豆 腐 作 り に 挑 戦 (H19)
車 椅 子 バ ス ケ ッ ト に 挑 戦 (H19)
- 21 -
ウ
指導過程
総合的な学習の時間(3年次生) 年間実施内容
課題研究
学期 月 日
13
4 20
主な実施内容
研究の進め方、教室、外出、移動の手続きなどのガイダンス
研究に当たってのガイダンス を体育館で実施。終了後、各教科に分かれて、教科担当者が指
年間計画表作成
導。
自分の課題について考えを深める。どのような課題をどのよ
うに1年間研究を進めていくか、教科の教員と相談しながら年
間計画を作成する。「個人調査書」「年間計画書」を各自作成
する。
27
研究①
課題の内容、年間計画について担当教員と最終調整をし、以
後、各自・各グループで調査・研究を進める。
11
研究②
随時教員が助言・指導を行う。毎時間生徒には「学習ノー
ト」を提出させ、振り返り・来週の予定を考えさせ、必要に応
じて担当者が助言する。
18
25
1
15
6 22
29
7 6
24
8 31
研究③
研究④
研究⑤
研究⑥
研究⑦
研究⑧
研究⑨
研究⑩
9 14
21
研究⑫
12
研究⑭
19
26
11 9
16
後期
7
12 14
21
研究⑮
研究⑯
5
前期
10
研究⑪
研究⑬
研究レポート作成①
教科内中間発表会準備。パワーポイント、発表資料の準備を
する。
教科内中間発表会 他者の発表を聞きながら評価表に記入す
る。
発表会を振り返り、今後の計画を組み直す。
随時教員が助言・指導を行う。毎時間生徒には「学習ノー
ト」を提出させ、振り返り・来週の予定を考えさせ、必要に応
じて担当者が助言する。
レポート、レポート要約集、パワーポイント作成。最終発表
会へ向け発表準備。
研究レポート作成②
研究レポート作成③
発表会準備・レジュメ作成
発表会準備・レジュメ作成
1 25
教科内発表会
2 8
全体発表会
教科内発表会を実施し、代表者を決める。代表になったグ
ループ・個人を中心に全体発表会での教科発表について教科全
体で取り組むよう指導。全体発表会当日に使用するレジュメ作
成。
代表者生徒による発表(全学年参加)
地域イベントでの紙芝居実演(家庭科ゼミ) ( H 1 9 )
- 22 -
地域イベントでの子供たちとの交流(家庭科ゼミ)(H19)
4
特別活動における取組
(1) 落 語 講 演 会
ア
実施日
平成18年8月21日(月)
イ
会
本校体育館
ウ
落語家
入 船 亭 扇 治 氏 ( 真 打 )( 東 京 都 )
エ
対
象
本校生徒及び保護者
オ
概
要
落語講演会は、本年度の芸術鑑賞の一環として、現代の高校生にとっ
場
てやや馴染みの薄い古典落語への理解を深め、豊かな感性と教養を育む
ことを目的に開催した。
は じ め に 講 師 の 入 船 亭 扇 治 氏 か ら 、落 語 で は 、一 人 の 落 語 家( 話 し 手 )
が複数の登場人物の会話のやりとりを巧みに演じ分けることや、観客を
笑わせつつも話の最後に、
「 オ チ 」を つ け て 終 わ ら せ る も の で あ る こ と 。
ま た 、道 具 と し て は 扇 子 と 日 本 手 拭 い の み を 使 い 、閉 じ た 扇 子 で 箸 や 刀 、
槍などを巧みに表現することなど、落語の基本について説明を受けた。
続いて、落語の命ともいえる「オチ」について、いくつかの小話とと
もに説明を受けたのち、現代風の作品である「ゆうれいタクシー」と、
古典的な内容である「長短」の二つの話に生徒たちは聞き入った。
講演会を企画した担当者は、現代の高校生に古典落語がどのように受
け止められるのかと、やや不安な思いもあったが、生の落語を初めて聞
い た 生 徒 た ち は 、「 落 語 家 の 表 情 豊 か な 演 技 力 に 感 動 し た 。」「 落 語 家 の
話 の 上 手 さ に 驚 い た 。」「 落 語 の 奥 の 深 さ が わ か っ た 。」 な ど と 、 講 師 の
入船亭扇治氏の巧みな話術と表現力に、一様に驚きの声をあげていた。
「お笑い」といえば、コメディ番組的なものを思い浮かべる現代の高
校生にとって、長年の修行によって芸人としての技を磨き、その演技力
で観客を引き付けつつ笑いを誘いだす落語は、馴染みが薄いだけに大変
新鮮に思えたようである。
古 典 落 語 「 長 短 」 を 口 演 す る 入 船 亭 扇 治 氏 (H18)
- 30 -
(2) 芸 術 ( 合 唱 ) 鑑 賞 会
ア
実施日
平成18年10月7日(土)
イ
会
本校体育館
ウ
公演者
せ せ ら ぎ 合 唱 団( 清 水 町 )及 び バ ス バ リ ト ン 歌 手 高 橋 伸 仁 氏( 東 京 都 )
エ
対
象
本校生徒及び保護者
オ
概
要
芸術鑑賞会では、せせらぎ合唱団がカンタータ「土の歌」より大地讃
場
頌 、滝 廉 太 郎 の「 花 」な ど 1 1 曲 を 披 露 し 、そ の 後 、高 橋 氏 が 独 唱 で「 オ
ー
ソーレ
ミーオ」など4曲を披露した。
さらに、ベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」など2曲が独唱と
合唱を交えながら披露された。
また、途中で2年生の村上
純君が奏でるドラムで「イエスタディ
ワ ン ス モ ア 」 を 合 唱 す る 場 面 な ど も あ り 、 生 徒 た ち は 、「 高 い 声 が と て
も 綺 麗 に 伸 び て い て 、 あ ら た め て 人 の 声 っ て す ご い と 思 い ま し た 。」「 中
学校時代に合唱コンクールで歌った曲をとても上手に仕上げていて、素
晴 ら し い と 思 い ま し た 。」 な ど と 、 磨 か れ た 歌 声 に 感 動 し て い た 。
生徒たちの指導に当たっている音楽科の石原
武 教 諭 は 、「 最 近 、 生
徒はこうしたクラッシック音楽に触れる機会が少なくなっています。今
回の鑑賞会は、鑑賞マナーも含めて、生徒たちにとって新鮮な体験をさ
せ る い い 機 会 に な り ま し た 。」 と 感 想 を 述 べ て い た 。
せせらぎ合唱団とオペラ歌手高橋氏の共演に聞き入る生徒 (H18)
- 31 -
○ 関連した報道
ア
イ
平成18年8月31日(木)付け
平成18年10月20日(金)付け
北海道通信
北海道通信
- 32 -
(3) 演 舞 ( 創 作 ダ ン ス ) 鑑 賞
ア
実施日
平成19年7月22日(土)
イ
会
本校駐車場特設ステージ
ウ
公演者
「新琴似
エ
対
象
本校生徒及び保護者、地域住民
オ
概
要
学 校 祭 ( 7 月 21~ 22日 ) 特 別 企 画 と し て 、 札 幌 市 の YOSAKOIチ ー ム 「 新
場
琴似
天舞龍神」
天 舞 龍 神 」 を 招 聘 し た 。 天 舞 龍 神 は 、 YOSAKOIソ ー ラ ン 大 賞 を 今
年を含めて4年連続で受賞した実力チーム。駐車場の特設会場に集まっ
た生徒や保護者、地域住民など約600人を前に、30人のメンバーが
鍛 え 抜 か れ た 華 麗 な 演 舞 を 披 露 し た 。( 写 真 )(後方はクラス旗、クラス垂れ
幕) こ の イ ベ ン ト は 、 生 徒 と 保 護 者 、 地 域 住 民 が 本 格 的 な YOSAKOIチ ー
ムの踊りを共に楽しむことで、学校祭を盛り上げようと同校PTAが企
画 。 中 心 と な っ た 坂 田 圭 司 P T A 会 長 は 、「 一 流 チ ー ム の 演 舞 を 見 て も
らうことで、学校祭クラス対抗ダンスコンテストのレベルアップにつな
が れ ば と 思 っ て い ま す 。」 と 、 知 名 度 の 高 い チ ー ム を 招 く こ と の 効 果 に
大きな期待を寄せていた。
本 年 度 Y O S A K O I 大 賞 受 賞 作 品 な ど を 鑑 賞 し た 生 徒 た ち は 、「 チ ー ム ワ
ークが素晴らしい。全員の動きが一つになっています。体の動きだけで
はなく、心も一つになることで、見る人を感動させる演技になるのかと
思 い ま す 。」 と 、 ひ と 味 違 う 演 舞 に 感 嘆 し て い た 。
天 舞 龍 神 の 演 舞 (H19)
天舞龍神と会場の人たちとの共演(H19)
3 A 生 徒 の 演 技 (H19)
3 B 生 と の 演 技 (H19)
- 33 -
○関連報道
平成19年7月
24日(火)付け
経済の伝書鳩
平成19年7月
27日(金)付け
北海道通信
- 34 -
5
教科における特色ある取組
(1) 理 科 ( 学 校 設 定 科 目 「 北 海 道 の 自 然 」) で の 栽 培 体 験
ア
期
間
5月中旬~9月下旬
(週1回
1時間程度)
イ
場
所
校 内 の 圃 場 ( 2m×4m )
ウ
対
象
「北海道の自然」選択者
(23名)
エ
目
的
北海道の代表的な作物の栽
培体験を通じて、北海道の自
然環境の特性を理解するとと
もに、身近な自然(植物や昆
虫)へ親しませる。
また、収穫の喜びと農作業
栽培体験 学校設定科目「北海道の自然」(H18)
の大変さなどを体感させる。
オ
内
容
①栽培作物
ジャガイモ、トウモロコシ、ミニトマト、ナス、ピーマン
②作業
圃場整備(春耕・畝作・秋耕 )、播種、苗移植、施肥、収穫
(平成19年度についても同様の内容で実施)
(2) 家 庭 科 「 児 童 文 化 」
ア
幼稚園訪問(異校種間交流)
①実施日
平成18年7月5日(水)及
び7日(金)
平成19年7月3日(火)
②訪問先
留辺蘂マリア幼稚園
③訪問者
「児童文化」選択生徒
④目
生徒が園児たちと一緒になっ
的
て「手遊びうた」などの遊びに
取り組み、園児たちと直接ふれ
あう体験を通じて、子どもと遊
びの関係、遊びの中で見出され
園児たちと手遊びで交流する生徒たち(H18)
る子どもの表現活動の様子な
ど、これまでの授業で学んだ内
容を確かめ、理解を深める。ま
た、遊びを通じた子どもたちと
のコミュニケーションの大切さ
を体感する。
⑤概
要
はじめ生徒たちは、体にまと
わりつく子どもたちを前にし
て、戸惑っていたが、子どもた
ちの可愛らしいしぐさや元気な
- 35 -
園児たちとおやつを食べる生徒たち (H19)
声に促されながら、子ども
と一緒になって遊ぶ楽しさ
を 経 験 し た よ う だ 。「 子 ど
もは、私たちと違って黙っ
ていられなことが、今日、
わ か っ た 。」「 本 当 に 楽 し か
った。元気をもらった感じ
です」などと、初めての幼
稚園訪問で得た感動を言葉
にしていた。
担 当 者 と し て は 、「 訪 問
生 徒 に よ る 絵 本 の 朗 読 (H19)
を通じて、子どもたちとの心のふれ合うコミュニケーションの大切さな
どを理解してほしいしことと、この感動が今後の授業の励みになれば」
と、訪問の成果に期待している。
手作りのおもちゃで園児と遊ぶ(H18)
イ
手作りの紙芝居で園児と遊ぶ(H18)
幼稚園訪問(読み聞かせ)
①実施日
平 成 1 8 年 9 月 6 日( 水 )
及 び 8 日( 金 )
平 成 1 9 年 9 月 10日( 月 )
及 び 14日( 金 )
②訪問先
留辺蘂マリア幼稚園
③訪問者
「児童文化」履修生徒
④目
的
生徒たちは、これまでの
授業を通じて、子ともたち
に豊かな感性と豊かな心を
園児との交流(読み聞かせ)(H18)
育むための読み聞かせの在り方や、子どもを引き付ける読み聞かせのノ
ウハウなどについて、町内の読み聞かせサークルのメンバーなどを講師
に招いて学んできた。幼稚園訪問は、授業で取り組んできたことを、園
児たちを前にして実演する機会として設定した。
- 36 -
⑤概
要
どのように読み聞かせるこ
とで、子どもの心をつかむこ
とができるかについて、その
ノウハウを頭では分かってい
る生徒たちも、実際に子ども
たちを前にするとやはり緊張
していた。思うように子ども
たちを引き付けることができ
ずにいるうちに、ほかの遊び
を始めてしまう子どもがいた
りして、生徒たちも戸惑うこ
園児との交流(読み聞かせ)( H 1 8 )
とが多々あった。
しかし、時間とともに、生徒たちは子どもたちを引き付ける読み聞か
せ の コ ツ を 体 得 し た の か 、子 ど も た ち が 絵 本 を 手 に し て 生 徒 に 詰 め 寄 り 、
読んでほしいとせがんでいる姿も園内のあちらこちらで見られた。
担 当 者 と し て は 、「 今 回 は 、 前 回 に 比 べ て 、 子 ど も と の コ ミ ュ ニ ケ ー
シ ョ ン に 戸 惑 う 生 徒 も 少 な く な っ た 。生 徒 は 、予 想 以 上 に 頑 張 っ て い て 、
子 ど も を 前 に し た ら 、 ま る で 別 人 の よ う で あ っ た 。」「 や は り 教 室 で の
授業だけではなく、実際の体験を通して学ぶことの重要性を改め実感し
た 。」 な ど と 、 実 体 験 を 取 り 入 れ た 授 業 の 成 果 ・ 手 応 え を 感 じ て い た 。
子どもの心を惹きつけようと真剣な男子生徒 ( H 1 9 )
- 37 -
絵本の読み聞かせに挑戦する女子生徒 (H19)
⑥
生徒の感想(平成18年度発行
⑦
関連した報道
学校だより「武華川」第11号より)
○平成19年9月11日(火)付け「北海道新聞」
- 38 -
○平成19年9月13日(木)付け「経済の伝書鳩」
○平成18年9月12日(火)付け「経済の伝書鳩」
- 39 -
ウ
木製玩具体験(子どもたちに創造性を育てる玩具・遊びを考える)
①「カプラ実習」
1)実 施 日
平成19年11月12日(月)
2)目
木製造形ブロック「カプラ」を使った遊びを体験する中から、子どもた
的
ちに創造性を育てる玩具・遊びの在り方について考える。
※「カプラ」について
カプラとは、大人の手のひらにのるほどの細長い木製の板で、同じサイ
ズの板を多数積み上げることで、動物や建物などさまざまな形を大きさも
自由に作り出すことができる積み木のこと。子どもたちの創造性や集中力
を高める玩具として、フランスで生まれて世界中に広まった。
3)参 加 者
「児童文化」選択者(3年次生50名)
4)講
師
伊藤友美(保育士)
5)概
要
生徒たちは、講師から木製玩具の魅力やカプラを使った遊び方について
の話を聞いた後、2・3人のグループとなって見本写真を見ながら実習に
取 り 組 ん だ 。( 写 真 )
6)授 業 者 コ メ ン ト 等
カ プ ラ は 素 朴 な 積 み 木 で す が 、 1人 で も 集 団 で も 遊 べ ま す し 、 自 在 に 組 み 合
わせて、大小さまざまな形を作ることができます。生徒たちには、童心に返っ
てカプラで遊び、その魅力を肌で感じて欲しいと考えている。
授 業 を 終 え た 生 徒 は 、「 一 本 で は 、 た だ の 板 で す が 、 た く さ ん 積 み 上 げ る こ
とで、いろいろな形を作ることができ、子どもたちが楽しい時間を過ごせるお
も ち ゃ だ と 思 い ま し た 。」 と 、 初 め て カ プ ラ を 使 っ た 感 想 を 述 べ て い た 。
集 団 で の 「 滝 」 を 積 む (H19)
完 成 し た 「 滝 」 (H19)
見 本 の 建 物 を 積 む (H19)
見 本 の 動 物 を 積 む (H19)
- 40 -
②「ちゃちゃワールド」訪問
1)実 施 日
平 成 1 9 年 11月 30日 ( 金 )
2)目
独楽や絡繰り人形など、江
的
戸時代から伝わる伝統的な木
製玩具を使った遊びを体験さ
せ、子どもの遊びと玩具につ
いて考えさせる。
3 )参 加 者
「児童文化」選択者(3年
次生50名)
4 )講
師
牧野祐也氏(ちゃちゃワー
ルド学芸員)
5 )概
要
収蔵されており世界各地の
木製玩具を見学し、概要等の
手のひらで大独楽を回す女子生徒 (H18)
説 明 を 受 け た 後 、絡 繰 り 人 形 な ど の 伝 統 的 日 本 の 玩 具 実 演 を 見 学 。そ の 後 、
紐 を 使 っ た 独 楽 の 廻 し 方 や 、素 手 で 廻 す 大 独 楽 の 使 い 方 な ど の 指 導 を 受 け 、
生徒たちも挑戦した。
6)授 業 者 コ メ ン ト 等
近年、プラスチックや金属でできた玩具が多い中で、木でつくられた玩具の
よさが見直されている。子どもたちの情操を育む上で、木製玩具が持つよさに
気付いてもらうことが、今回の見学等のねらい。
い く つ か の 玩 具 を 体 験 し た 生 徒 は 、「 木 で 作 ら れ た 玩 具 は 、 電 池 で 動 く 玩 具
と違って、単純なものばかり。しかし、遊んでいると、木の温もりと作った人
の 心 が 伝 わ っ て く る よ う で 、 何 と な く 優 し さ を 感 じ ま し た 。」 と 、 現 代 の 玩 具
との違いを感じ取っていた。
大独楽を手に回し方の説明を受ける (H18)
- 41 -
③関連報道
○平成19年11月19(月)付け「北海道通信」
○平成19年12月10日(月)付け「北海道通信」
- 42 -
(3) 体 育 科 ( 心 肺 蘇 生 実 習 )
ア
実施日
平成18年10月31日(水)
平成19年10月30日(火)
イ
会
場
本校体育館
ウ
講
師
留辺蘂消防署救急係5名
エ
参加者
1年次生全員
オ
目
応急措置の方法を理解し、その技術を習得することで、救急時の対応
的
を可能とするとともに、自他の生命を大切にする心を育てる。
カ
内
容
応急手当の基礎知識
・ 心 肺 蘇 生 法( 人 形 を 使 っ て 人 工 呼 吸 法 と 心 臓 マ ッ サ ー ジ の 方 法 を 習 得 )
・止血法(直接圧迫止血と間接圧迫止血の方法を習得)
・骨折時の応急手当(添え木による患部の固定法を習得)
・AEDの使用法の習得
キ
その他
受 講 者 に は 、「 普 通 救 命 講 習 終 了 証 」 を 発 行
A E D 使 用 法 実 習 (H19)
心 臓 マ ッ サ ー ジ 実 習 (H19)
人 口 呼 吸 法 実 習 (H19)
講 師 (留 辺 蘂 消 防 署 救 命 係 )
- 43 -
心 臓 マ ッ サ ー ジ 実 習 (H18)
人 工 呼 吸 法 実 習 (H18)
ク
関連報道
○平成19年11月7日付け「北海道通信」
- 44 -
(4) 福 祉 科
ア
社会福祉実習
①実施日
平 成 1 8 年 7 月 2 6 日( 水 )~ 8 月 1 7 日( 木 )の 4 日 間( 土 日 除 く )
平 成 1 9 年 7 月 2 5 日( 水 )~ 8 月 1 3 日( 月 )の 4 日 間( 土 日 除 く )
②会
場
ア)介 護 実 習 … 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム で 実 施 ( 2 日 間 )
イ)在 宅 サ ー ビ ス 提 供 現 場 見 学 実 習 … デイ・サービスセンターで実施(1日間)
ウ)ホ ー ム ヘ ル プ サ ー ビ ス 同 行 訪 問 … 被 介 護 者 宅 ( 1 日 間 )
③対象者
「社会福祉実習」選択者
④目
実習を通じて、利用者がそれぞれ異なった生活背景や個性をもつ人間
的
であることを理解するとともに、利用者の日常生活援助に際して必要な
基本的な介護技術を習得する。また、利用者との信頼関係を築くために
必要なコミュニケーションの取り方や介護福祉に携わる者としての構え
などを学ぶとともに、施設介護や在宅介護にわたり介護福祉の在り方を
考えさせる。
⑤内
容
ア)養 護 老 人 ホ ー ム に お け る 介 護 全 般
イ)デ イ ・ サ ー ビ ス セ ン タ ー に お け る 介 護 全 般
ウ)ホ ー ム ヘ ル プ サ ー ビ ス に お け る 介 護 全 般
車 椅 子 の 高 齢 者 と の 会 話 (H18)
車 椅 子 の 高 齢 者 の 介 助 (H18)
高 齢 者 と の 会 話 (H19)
高 齢 者 と の ち ぎ り 絵 の 作 製 (H19)
- 45 -
⑥生徒の感想(平成19年11月16日発行
学校だより「武華川」第14号)より
⑦実習のまとめ(実習の報告書)
ア)表
題
「こころ」
イ)刊
行
毎年1月
ウ)内
容
・実習のねらい、課題、実習計画と反省
・実習で身についたこと、学んだこと、感じたこと
エ)概
要
「こころ」と題する報告書は、A4判30ページほどで、人間生活
系列で社会福祉を学ぶ生徒(3年次生)が夏休み期間中に北見市内の
老人福祉施設等で取り組んだ介護実習の記録や感想等を収録したも
の。
実 習 は 、 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム や デイ・サービスセンターでの介護体験を
はじめ、 ホ ー ム ヘ ル プ サ ー ビ ス へ の 同 行 な ど 、 各 生 徒 に つ き 計 4 日 間
実施した。実習を通じて生徒たちは、介護を必要とする高齢者の日常
- 46 -
生活の支援に必要な基本的な介護技術を習得するだけではなく、高齢
者一人一人の個性や心情を大切にすることや、高齢者と信頼関係を築
くために必要なコミュニケーションのとり方など、教室での授業で得
ることのできない多くのことを学んできた。
報告書は、こうした生徒たちの貴重な体験を記録として残すととも
に、生徒たちの指導を担当した多くの施設職員の方々へ、感謝の気持
ちを伝えることをねらいとして刊行した。
報 告 書 の 表 題 「 こ こ ろ 」 は 、 福 祉 に 携 わ る 者 と し て 、「 思 い や り の
心 」「 や さ し い 心 」「 尊 敬 す る 心 」「 受 容 と 共 感 の 心 」 を 大 切 に し て 欲
しいという担当者の願いを込めたものである。
19年 度 版 こ こ ろ
- 47 -
オ)報 告 書 の 内 容 ( 一 部 )
○平成19年度の実習に参加生徒
- 48 -
平成18年度の実習に参加生徒
- 49 -
⑨関連報道
平成19年8月7日(火)付け「北海道通信」
○平成19年8月9日(木)付け「経済の伝書鳩」
- 50 -
○平成19年8月8日(水)付け「北海道新聞」
- 51 -
イ
障害者模擬体験授業(北海道環境福祉アドバイザー事業)
①実施日
平成18年10月16日(月)
②会
場
本校教室
③講
師
浅井学園大学人間福祉学部教授
白石
淳氏
(北海道福祉環境アドバイザー)
④対
象
人間生活系列「福祉」選択者
⑤目
的
身体の障害を模擬体験することで、障害を理解し、障害者を支えるため
に 何 が 必 要 か を 考 え さ せ る 。( 福 祉 環 境 ア ド バ イ ザ ー 派 遣 事 業 は 、 地 域 住
民が互いを理解し、障害者を共に支え合う福祉環境を醸成することを目的
と し て 、 北 海 道 保 健 福 祉 部 福 祉 局 が 推 進 し て い る 。)
⑥概
要
白石教授の指導のもと生徒たちは、アイマスクを付けての食事や教室内
の歩行、半身の麻痺を想定して三角巾と手袋を付けての食事など、障害が
あることによって生じる不自由さとともに、そうした障害のある人たちを
援 助 す る と き に 、ど の よ う こ と が 必 要 に な る か を 体 験 的 に 理 解 し た 。ま た 、
実際に車椅子に乗って校内を移動しながら、身障者用トイレや玄関スロー
プが車椅子利用者にとってどのような役割を果たしているか、バリアフリ
ー設計がいかに重要かなどを理解するための体験活動も行った。
授 業 を 終 え た 生 徒 た ち は 、「 援 助 者 の 声 が と て も 大 切 だ と い う こ と を 体
験 す る こ と が で き ま し た 。」「 困 っ て い る 人 を 見 た ら 積 極 的 に 声 を か け て
あ げ た い と 思 い ま し た 。」 な ど と 感 想 を 述 べ て い た 。
(半身麻痺体験)三角巾で片腕を支え利き手に手袋 (H18)
- 52 -
ウ
重 度 心 身 障 害 児 と の 交 流 会 (「 こ こ ろ を つ な ぐ 」 交 流 会 )
①実施日
平成19年9月19日(水)
②会
場
本校介護実習室
③講
師
佐 々 木 秀 代 (「 看 護 基 礎 医 学 」 担 当 )
参加児童
紋別養護学校きたみ分校2名及びその保護者
④参加者
人間生活系列「看護基礎医学」選択者(2年次生)
⑤目
生徒たちに障がいをもつ子どもたちやその家族と直接ふれ合うことで、障
的
がいをもつ子どもや家族の気持ちを理解し、福祉の在り方について考える。
⑥概
要
重度心身障がい児2名(駿斗君と一輝君)とその保護者(母)など6名が
来校。はじめに、保護者から障がいをもつ子どもと共に生きる母の思いや、
これまでの体験、介護を受ける立場から見たヘルパーの資質などについて話
したあと、二人の子どもたちの名前を呼びながら握手するなどの交流を行っ
た。
講 師 に よ る 2名 の 児 童 の 紹 介 (H19)
母 の 想 い を 語 る 保 護 者 (H19)
手 を 握 り 名 前 を よ ぶ 女 子 生 徒 (H19)
専 用 車 に 乗 り 込 む 児 童 (H18)
- 53 -
⑦関連報道
○平成19年9月26日(水)付け「経済の伝書鳩」
○平成19年9月28日(金)付け「北海道通信」
- 54 -
6
平成18年度網走管内高等学校研究指定校推進NEWS
- 55 -
7
3年次
成果と課題
(1) 成 果
研究のねらいで示したように、本校における体験活動は、学校行事などの特別活動
を除くと、望ましい進路選択を可能にさせ、自己決定能力と自立意識を育成するとと
もに、働くことの意義を学び、望ましい職業観・勤労観を育成するためのキャリア教
育の観点から取り組んでいるものである。したがって、本報告書で紹介した体験活動
の多くも、総合学科で取り組むキャリア教育にかかわる活動である。
本校では、キャリア教育のねらいを達成
○キャリア教育の体系化
するため、右図に示すようにキャリア形成
( 各 選 択 科 目 ・ 課 題 研 究 ・ LHR等 )
能力を段階的に高めることができるよう体
①実習等による知識・技能の深化
② 探求学習による情報活用能力の育成
系的な取組を進めてきた。
③主体的な進路選択能力の育成
例 え ば 、1 年 次 を「 導 入 期 」と 位 置 付 け 、
④自己実現の能力と意欲の育成
キ
「産業社会と人間」を中心に、自己の性格
発展(実習・探求学習)
ャ
や職業適性、自らが生きる社会(産業や職
( イ ン タ ー ン シ ッ プ ・ LHR等 )
リ
業)についての理解を深めつつ、自己のラ
<職場体験を通じて>
①社会人に必要な資質・能力の
ア
イフプランを考える力の育成を目指した指
理解と育成(挨拶等のマナー)
②体験を通じた自己理解の深化
導に取り組んでいる。この過程で、専門学
形
③職業観・勤労観の育成
校を訪問しての授業体験や、地域の事業所
④コミュニケーション能力の育成
成
を訪ねて職場や職業にかかわる聞き取りな
応用(職場体験)
能
どを行う職場訪問を実施している。
力
(「 産 業 社 会 と 人 間 」・ LHR等 )
続く2年次は、応用段階と位置付けてお
①自己に対する理解
の
②産業や職業に対する理解
り、1年次の「産業社会と人間」で学んだ
③上級学校に対する理解
深
④ 将 来 設 計 (ライフプラン)の 作 成
内容を深め発展させる指導を進めている。
⑤①~④を踏まえた科目選択
化
中でも生徒全員が地域内の事業所等の職場
基礎(社会・職業・自己理解)
において取り組むインターンシップは、働
く大人たちとふれ合い、社会人として必要なマナー等を身に付け、コミュニケーショ
ン能力や望ましい職業観・勤労観を育成するために最も重要な体験活動として重視し
ている。そのため、例年6月の実施に向けて4月から準備を始めるなど、多くの時間
と労力をかけて取り組んできた。
3年次は、高等学校におけるキャリア教育の仕上げ段階と考えている。活動の中心
となっている「課題研究」では、調査や実験、まとめの発表などの体験的な活動を重
視するとともに、探求的な学習を通じて情報を収集・選択・整理する情報活用能力な
どを育てることや、発表活動によるプレゼンテーション能力・表現力の育成を目指し
ている。
また、3年次では、総合学科の特色である多様な選択科目が開講されているが、本
報告書で紹介した「児童文化」や「福祉実習」などで様々な体験活動に取り組んでい
る。
以上のようなキャリア教育を中心とした本校の体験活動について、当初設定した研
究のねらいごとに達成度等を検証すると、次のようになっている。
2年次
1年次
ア
総合学科の特色を生かし、各教科等における学習内容を深化・発展させる体験活動の創造
本校の課題研究は、各教科毎に大枠となるテーマを設定し、そのテーマに基づい
て「ゼミ」的なかたちで研究を深めるものになっている。具体的な研究活動の進め
方は各担当者によって異なっているが、基本的には各教科における学習成果を深化
・ 発 展 さ せ る も の と な っ て い る 。 例 え ば 、 平 成 19年 度 に 福 祉 科 で 取 り 組 ん だ 「 介 護
食の開発」や、障害者スポーツ「車椅子バスケット」などは、福祉系科目で学んだ
知識等を実際に調理し試作品をつくったり、車椅子に乗ってゲームをしたりする体
験を通じて発展させ深化させるものであった。
- 56 -
また、いくつかの教科では、課題研究以外にも、教科内容の深化・発展を目指す
体 験 活 動 に 取 り 組 ん で い る 。 例 え ば 、「 児 童 文 化 」( 家 庭 科 ) で 取 り 組 ん で い る 幼
稚園実習などは、教室で学んだ子どもの成長と遊びとの関連等を子どもたちとの交
流を通じて確認する機会となっている。同様に「木製玩具体験」なども、生徒自身
が木製玩具を使って遊ぶことにより、木でつくられた玩具のよさ、子どもの成長に
与える効果等を体感する機会となっている。
イ 地域の企業等の事業所、そこで働く地域住民など異世代との交流や連携を大切にした体験活動の創造
地域の事業所と連携して実施する体験活動の中心は、やはりインターンシップで
ある。本校では、アルバイトをしている生徒は多いが、金銭を得ることを目的とす
るアルバイトと違って、インターンシップを通して接する大人たちの地道に働く姿
から、生徒たちは人間としての在り方生き方にかかわる多くのことを学んでいる。
その意味では、生徒たちの職業観や勤労観を形成していく過程で、インターンシッ
プの果たす役割は大きい。
生徒にとって貴重な経験となるインターンシップではあるが、受け入れ先企業・
体験可能な職種が限られていて、将来目指している職場・職種を体験することがで
きない場合もある。受け入れ先企業の拡大、体験可能な職種の拡大が大きな課題と
なっている。
異世代間の交流では、前述した幼稚園実習や高齢者介護施設での実習も大きな成
果を上げている。例えば、毎年夏季休業中に実施している福祉実習は、授業で習っ
た介護技術等を現場実習を通じて確認し、確実に身に付ける機会となっているばか
りではなく、多様な人生経験を有する高齢者との交流が生徒を人間的にも成長させ
る契機にもなっている。実習を終えた生徒たちは、人と人とのコミュニケーション
の大切さ、感謝の心や高齢者を人間として尊重する態度が大切であることなど強く
意識するようになっていく。
ウ 優れた芸術文化等に触れ体験することで、豊かな感性や人間性を培うことのできる体験活動の創造
本校の生徒たちは、地域的にみて、優れた芸術等の文化に触れる機会が多いとは
言い難い状況である。その意味では、学校が積極的に優れた芸術等の文化に触れる
機会を作り出すことの意義は大きい。
この2年間では、平成18年度に北海道内で有名な「せせらぎ合唱団」を招いて
の合同演奏会と落語鑑賞会を実施し、平成19年度に狂言の鑑賞(地域の高校との
合 同 ) と 学 校 祭 で の 「 天 舞 龍 神 」( 北 海 道 で 有 名 な 「 YOS AK OI ソ ー ラ ン ま つ り 」 ( 札
幌 )の 演 舞 チ ー ム ) の 招 聘 を 実 施 し た 。 特 に 、「 Y OSA KO Iソ ー ラ ン ま つ り 」 で 2 年 連
続で最優秀賞を受賞した「天舞龍神」の招聘は、生徒たちの感性を育てる上で大き
な効果があった。
本校の学校祭では、クラス対抗「ダンスコンテスト」を実施しているが、例年、
生 徒 た ち の ダ ン ス の 多 く が 「 Y O S AK O I ソ ー ラ ン ま つ り 」 で 披 露 さ れ た 創 作 ダ ン ス を
アレンジしたものである。その意味では、最高の演技を間近で鑑賞できたことの意
義は大きかった。学校祭当日は、生徒たちの演技が終わり入賞クラスが発表された
あとに「天舞龍神」の演舞が行われたが、生徒たちは、自分たちのレベルとの違い
に 驚 く と と も に 、 一 糸 乱 れ ぬ 踊 り に 大 き な 感 動 を 得 て い た 。「 天 舞 龍 神 」 の 招 聘 が 、
来年度以降の本校学校祭におけるダンスコンテストのレベルを飛躍的に向上させる
ものと期待している。
エ 自己理解を深めるとともに、望ましい職業観・勤労観を培うことのできる体験活動の創造
自 己 理 解 を 深 め る こ と や 望ましい職業観・勤労観の育成は、キ ャ リ ア 教 育 に お け る 最
も重要な目的の一つである。したがって、キャリア教育にかかる体験活動の全てに
おいて兼備しなければならないものとも考えている。本校における体験活動も、最
終 的 に は 、 自己理解を深めるとともに、望ましい職業観・勤労観を目指したものである。
しかし、この「自己理解」や「望ましい職業観・勤労観」について、内容に曖昧さがあるこ
- 57 -
とは否めない反面、現代社会にあっては価値観が多様化していることから、その内容を一義的
に定めることが難しいという課題がある。インターンシップなどで生徒たちが接する大人たち
が、仕事や働くことにどんな価値を見出しているのかを働く大人の姿を通して知ることが、生
徒たちの職業観や勤労観を形成していく上で大きな意味を持っていると考えている。
(2) 課 題
これまでに本校が取り組んできた体験活動について、主な課題をあげると、次のよ
うになっている。本校の体験活動のより一層の充実を目指して、今後の取組の中で、
こうした課題の解決策等を一つ一つ検討していきたいと考えている。
ア 体験活動のねらいの明確化と評価の充実
教科指導に限らず体験活動においても、評価の在り方が重要である。評価を充実
さ せ る た め に は 、 当 然 な が ら 「 ね ら い 」( 目 標 ) が 明 確 に な っ て い る こ と が 必 要 で
ある。しかし、実際には、体験活動の場合、教科指導に比べてねらいが明確になっ
て い な い こ と が 多 い 。 前 述 し た 「 望ましい職業観・勤労観の育成」を例にすると明らかで
あるが、内容が漠然としていて目標として直接設定するには不向きである。こうした場合、
「望
ましい職業観・勤労観」を生徒の発達段階に合わせて、「○○をすることができる。」「○○と考
えることができる。」などと、より下位の目標群に分けて行動目標のような評価規準として示す
必要がある。残念ながら、この2年間の研究では、こうした評価規準を設定して体験活動に取
り組むことができなかった。これまで体 験 活 動 ご と に 、 報 告 書 を 作 成 し た り 、 感 想 を 書
かせるなどして評価してきたが、今後、各体験活動をより充実させるために、その
活動のねらいに即した有効な評価法等を検討していく必要がある。
イ 高校生の発達段階及び本校生徒の実態を踏まえた体験活動のねらいや内容の再検討
上記アとも関連しているが、今後、生徒の発達段階を踏まえた体験活動のねらい
の設定と内容の吟味が必要と考えている。例えば、インターンシップや職場訪問な
どは、小学校や中学校の総合的な学習の時間などで取り組んでいることが多い。本
校に入学してくる生徒の中にも、中学校で既にインターンシップを経験している者
も多い。こうした実態を考慮すると、高校生という発達段階に相応しインターンシ
ップとはどのようなものか、ねらいと内容を吟味することが大切である。
多数の中学校から生徒が入学してくるため、難しい側面はあるが、高校で取り組
む体験活動が、小・中学校と重複していたり、深みのない活動とならないよう、十
分に検討する必要がある。
ウ 地域との連携を深め、地域の教育資源を有効に活用する体験活動の創造
充実した体験活動を展開するには、地域の教育資源をより有効に活用していくこ
とが大切である。本校では、地域の企業等の事業所と連携しながら、インターンシ
ップや各種実習等を実施してきた。今後、体験活動のバリエーションを広げ、より
一層の充実を図るためには、地域との連携を一層深めるとともに、人的・物的両面
で活用可能な地域資源の発掘等に力を入れていく必要がある。
エ 充実した体験活動に取り組むためには、安全確保は言うまでもなく、経費等の問
題を避けて通ることはできない。多様な体験活動を校内の人材、近隣の地域だけで
指導していくことには限界がある。優れた芸術家や各分野の専門家を講師として招
聘したり、体験活動にふさわしい施設等が利用できるよう移動したりする必要があ
る。そのために必要な経費を確保することが、体験活動を充実させるためには必要
である。
以上が、この2年間の取組の中で浮かび上がってきた主な課題である。学科転換か
ら 8 年 が 過 ぎ よ う と し て い る 今 、本 校 が 取 り 組 む 体 験 活 動 の 内 容 や 指 導 法 等 に つ い て 、
新たな視点から検討することが求められている。主な課題として、上記ア~エを示し
たが、こうした課題を解決していくためにも、今後とも、PDCAのマネジメントサ
イクルを重視した取組を推進していくことが切に求められている。
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