第8回 平成27年 7月 9日開催

平成 27 年 7 月 9 日(木)
第 8 回 医療・健康ワーキングループ会議
ワーキンググループ
第 8 回 医療・健康ワーキンググループ会議
場所
湯布院コミュニティセンター2 階学習室
コーディネーター
熊本大学 政策創造研究教育センター 教授 都竹 茂樹氏
参加者
柴田 玲子、近藤 由起、黒木 達哉、大津留 喜明、
事務局、㈱地域科学研究所
1.これまでの会議報告
・前回の市民委員との WG について
・コーディネーター会議について
医療健康 WG からプロジェクト案を 4 つ出したが、医療健康 WG が担当する重点プロジェクト
は、1つにまとめることとなった。重点プロジェクトのフォーマットが完成したので、フォーマット
に内容をまとめて、28 日に市民委員会議に提出し、滞りなく終わるよう進めていきたい。
2.今後について
・7 月 28 日 19 時から市民委員会議がある。
今日話した内容のまとめをメール等でやりとりし、28 日 13 時に集まり、市民委員会議までに
完成させる予定で進めたい。28 日までに重点プロジェクトのフォーマットを完成させておくよう
にする。最初の案段階では、幅広く、風呂敷を広げた形にしておきたい。こういうことをしてい
きたい、というような内容もプロジェクトには盛り込んでおきたい。
3.プロジェクトのフォーマットについて説明
・プロジェクト名は、インパクトのあるものにする。
・対象とする課題は、これまでの取り組みや現状、解決すべき課題を記載する。
・目標は、5 年後に目指す姿を記載し、明確に、かつ幅広に記載する。
・基本方針は、達成するために何をするかの方向性、手段を記載するが、あまり細かく手段を
記載すると絞られてしまうので、限定しすぎないように記載する。
・成果指標、推進体制、事業名は、配布資料に記載している通り。
4.プロジェクトについて
・職員の方が提出してくれたプロジェクト案は、どの自治体でも取り組むべきものであり、あとは
見せ方をどうするのかを考える必要がある。
・健康寿命を延ばすため、医療費を抑制するためにするべきことはある程度決まっている。例
えば、あまり意識が高くない人に対して、実際に運動してもらう仕組み、しかけをする、食事に
ついても同じ。シニアが活躍できる場所を用意するなど。
・健康寿命を延ばすには、寝たきりを増やさない、悪化させないのも重要だし、中年層に対して
も対策が必要、子どもも生活習慣病を増やさない対策が必要。
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・具体的に取り組んでいくときに、何をしてもらうのか、運動してもらうような仕組みをつくるとき
に、健康マイレージを活用するというのもあるのではないか。
・最終的には、食事も運動も個人に行動してもらわないと変わらない。行動を変えてもらう。行
政がすべてを仕切るわけにはいかないので、住民をどう活用するか、どう連携するかを考え
る必要もある。
・健康寿命を延ばす取組、医療費の削減につながる取組を考える。
・包括支援システムは手段になる。
今日は、提案してもらった3つのプロジェクトをもとに考えていくようにする。
5.重点プロジェクトの課題と内容について
・健康寿命が短い。大分県は、平均寿命は長いが健康寿命は短く、その中でも由布市は短い
方にある。なぜ短いのか?対策を考えるために、その理由を知る必要がある。
→福祉が充実しているからではないか。
老人会がなくなり、地域で集まる場所がないためデイサービスに行くしかないなど。自分で歩
いていける距離に集える場所があればよいのだろうが、それがない。これからも元気で、社
会で活躍できる高齢者を増やして活性化するというのもよい。
歩いていけるところに老人会などがないとなると、サルコペニアになり寝たきりになるなどのリ
スクが高くなるので、地域に集まれる場所を復活させるなどの手段があるが、復活させるの
が難しいなら何をするかを考える必要がある。
・健康診断後の事後指導をしていて感じることは、各自の自助努力しかない、地域でこんな活
動があるので行ってみては、と勧められるようなものが少ない、行政が主催している教室くら
いしかないため、持続が難しいだろうと思う。
→一時的にすればよいものでなく持続が必要だが、個々の努力に任されている状態。挾間に民
間経営の運動できる場所があったが、なくなった。民間のそういった場所に通っている人にも
健康マイレージをあげられるような制度にしてもよかったかもしれない。マイレージの範囲を
広げたり、緩和させたりして、企業を誘致するのもよい。いろんな健康づくりの取り組みに対し
てマイレージをあげるなど、市はもっと寛容になってもよい。はさま未来館では、個別プログラ
ムを設定して、個々にあった運動を教えてくれるようだ。
→大分市のホルトホールはコナミスポーツと組んでいるし、保健師も常時いる状態。運動指導す
る人はコナミスポーツの人が委託を受けて入っていて、夜 10 時まで二交代制でずっといるの
で、
大分市のように専門分野の人に任せるのもよい。市としても持続可能になる。
兵庫県豊岡市は、コナミに業務委託している。ゴルフ場でもマイレージをあげてもよいのでは
ないか。
→健康マイレージの可能性はあると思う。マイレージをどう広げていくか、カードを持ってもらう仕
組みも必要だろうし、中身のサービスも必要。たまったマイレージの使い方、ご褒美も工夫が
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必要。豊岡市は、マイレージを地区の学校に寄付できる制度も取り入れていて、ポイントがた
まったら学校で表彰式なども行っている。
→子どもの事業がないため、子どもマイレージの取り組みは現在行っていない。積極的に行って
ほしいというものに対しては、市が認めた取り組みとしてマイレージをあげてもよいと思う。
歯科検診は子どもだけでなく、大人対象にしてもよい。
宇佐市は期間限定で、子どもマイレージとして夏休みにラジオ体操に行ったらマイレージをあ
げるなどの取り組みをしている。
乳幼児、子ども向けマイレージの取り組みを進めてもよい。
→マイレージの普及について検討する、というのをプロジェクトに加えるのがよい。
細かい制度についてはプロジェクトに記載しないが、健康づくりの行動をしてもらえるように
マイレージを活用するということは、書いておくのがよい。
マイレージを今後継続させていくためにも、プロジェクトに書いておくべき。
・健康づくりの行政の仕組みの中で、健康診断、保健指導は全市的に行っている。その後のア
クションを支援することができていない。
→行動変容は個人で、ということになっていて、地域づくりもできていないし、行動するための選
択肢も少ない。運動は苦手という人への要望に応えられるような仕組みもない。行政だけで
は難しいので、民間につないでいき、本人なりの楽しみを持ちながら継続してもらう、そして、
そういったアクションプランに対して、マイレージをあげることができるとよい。行政だけではで
きないので、民間だけに委ねるのか、行政は民間をサポートするのかどうか。民間というの
は、市民がやりたいこと、市民が取り組むこととして考える。やりたいという市民が増えると、
自然とグループができてくると思うので、そのグループに対してマイレージをあげる。行政は、
行動している人を認めてはいるが、その活動を広げたり、紹介したりするようなことはしてい
ない。行政が関わっていない、民間だけのものに対しては、マイレージを認めていない状況。
→健康マイレージを、健康だけでなく、行政が市民にしてもらいたいこと、ボランティアなどに参
加したらマイレージをあげる、というように広げてもよいかもしれない。防災訓練に参加したら
マイレージなど。行政が市民の方にしてもらいたいけど無理強いはできないようなものに、マ
イレージをつけるなどで行動してもらうのも一つの方法。ご褒美がなければ行動しないのか、
という声も出るかもしれないが、最初に行動してもらうための方法としてはよいかもしれない。
→健康マイレージは健康立市の考えに基づいて、健康増進課が担当している。健康立市は、全
市的な取組みなので、各課に推進員がいる。
マイレージを継続すると何につながり、どうなっていくという仮説をたてて、プロジェクトに入れ
ておく。プロジェクトにしておくと、目標をたてて検証をしていくので、わかりやすくなり評価しや
すくなると思う。マイレージが広がっていくということは、健康づくりの事業が増えたということ
にもなる。主な事業名に「マイレージの活用検討」「マイレージ促進」「乳幼児、子どもマイレー
ジの検討」などを入れてもよい。乳幼児サークルへ参加、プールに行くとマイレージ、などもよ
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い。
・由布市の健康診断受診率は高いが、グレーゾーンの人は改善しているのか?
→維持はできている、悪化はしていない。国保の中高年層は限られているので、医療費が伸び
ているのは社保の方が多い。社保の方への対応をどうするか?職域との連携やマイレージ
を広めるのがよいと思っている。
社保の扶養者が健康診断を受けていないケースがあるので、まず健康診断を受けてもらう。
社保扶養者である、主に女性に健康診断を受けてもらうようにしたい。それと社保本人の行
動変容。運動しやすい環境をつくるなどの支援。それを行政が作れないとしたらどうするか。
地域の中に運動を教えられるヘルスアップリーダーをつくるよう育成している。育成された人
たちが地域の中で健康づくりの核になるように、合併後進めている。育成の支援を行政が行
うが、うまく機能していないのでは。
リーダーの人数が不足しているのか、教室が不足しているのか。リーダーのモチベーションも
高くない。行政の手伝いという意識が大きく、自由度が低いのでモチベーションが上がらず、
自分たちだけで地域の中で行動するのが難しいのではないか。内容というよりも、まずは教
室に集まってもらうことが大切だとは思う。
→行動を起こすためには寛容になるのが大事。教室を運営してもらうために敷居をなくすなど。
今までしていることがうまく機能していないのは、敷居が高いというのもある。行政も融通をき
かせられるような検討をしていくことを、今回のプロジェクトに加えるというのもよいと思う。
→シニアエクササイズもあるが、手法が違い、シニアエクササイズというプログラムを普及する
人たちもいる。シニアエクササイズは、他県で効果があった体操を核に健康づくりを普及する
もの。 多様性が必要で、いろんなメニューがあるのはよい。楽しいと思うことが必要で、ちゃ
んとやってもらい継続してもらう。ただ、継続することが大変なので、コミュニティのような教室
があると続けやすく、コミュニティの役割も果たし、引きこもりも少なくなる。 行政がすべてを
するのは現実的には無理なので、指導者を育成して、教室の運営サポートをし、それ以外は
住民の有志に任せる。その時に敷居が高くなっているのをもう少し下げる。ただ、疾病管理を
どうするかということについては、血圧などのチェックリストを作り、無理な時は見学する、な
どで対応するようにすれば、対応はできる。
リーダーの育成というようなシステムが既にあるので、広められるような改善方法を考えると
いうようにしたらどうか。
・シニアエクササイズやリーダーを養成しているが、なぜか広まらない。勤労者体育館や B&G
それぞれで実施しているが参加者が少ない。
→リーダーが開いている教室への参加者が少ないのは、情報が行き渡っていないのではない
か。市報に少し書いているだけでは広まらない。一人では参加しづらいので、誰かを誘ってい
くなど口コミは大事。参加した人がよいと思えば誘うと思う。あちこちでいろんな教室が開催さ
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れているというように、集まる場所があるというのがよい。一度お試しで体験してみて、良け
れば継続するかもしれないので、紹介の方法を工夫するのもよい。広める方法を検討してみ
る。一人ではできない、みんなを誘って広めていくなどの方法を検討する。
・男性のひきこもりについて。
→引きこもりになると健康寿命は下がる。教室も女性は参加するが、男性の参加は少ない。
挾間などの新興住宅地で、退職したら誰も知らない、というような状況になって引きこもってし
まうと、健康寿命は下がってしまう。退職した世代にヘルスアップリーダーになってもらうのが
よい。 一度リーダーになってもらっても、その人たちは 10 年もしたら高齢になっていくので、
退職者を新しいリーダーとして養成し、その人たちに核になってもらいたいという思いもある
ので、退職する人たちに情報提供したい、というのもある。退職者に、運動だけでなく、生涯
学習の講師をしてもらうなど、役割を提供していくというのもあってもよい。自分からは言わな
いが、言われたらいやじゃない人もいるし、そういう資質を持っている人もいる。男性と限定し
て書く必要はないかもしれないが、主に退職者がリーダーになれるような仕組みがあるとよ
い。
・個人で何かしようとしても、息切れしてしまうこともあり、行政が何か支援をしないと、個人の
志だけでは続かない。
→行政がバックアップしていたら続いていただろうと思う組織もある。今後は、住民同士の共助
ではなく、住民と行政の共助など、新しい支援の方法も考えていかないといけない。シルバー
人材センターは社協が支援をしているので成り立っている。登録者がかなりいるようなので、
同じような形で進めていけるとよいのではないか登録センターを作り、眠っている才能をもっ
た人を登録し、引き出すのもよい。
・病院、診療所、医師会との連携について。医療費削減に向けての取り組みとしては大事。
→予防もそうだが、疾病管理。慢性疾患のある人は、食事と運動が大事だが、きちんとしたサポ
ートまでは病院ではできていないのではないか。誰がサポートするか、という問題はある。医
療費と健康寿命に着目するなら、病気になった人をどうするかを考える必要がある。由布市
は糖尿病が多いという話になったときに、病院の先生たちでわかりやすい教材を作ろうという
ことになり、進めてくれたりしている。予防だけでは無理なので、病気になってしまった人を戻
すまではいかなくても、いかにして現状維持するかが大切。医療機関とうまく連携して、医療
機関が運動指導までできないときは、運動教室に行くように紹介してもらうなどができるよう
になるなど、行政と連携できるとよい。医療機関が行政までつないでもらえるとよいが、行政
につないだときに出せるものが少ないという現状がある。つなぐものができれば、医療機関
は紹介してくれると思う。行動しやすいまちにならないといけない。
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・仕組みの中で、最後のアクションに結びつけるのが難しい。
→地域の中で、たくさんの場所ができていくように最初の 5 年で進めてもよい。5 年後に歩いてい
る人がどれだけ増えたか、指導員がどれだけ増えたか、マイレージ登録者がどれだけ増えた
かという目標でもよい。
・地域包括をどう入れていくか。
→運動教室などを作っていくことで、地域の中に顔見知りができ、コミュニティができるようにな
れば、ゴミ出しや買い物支援なども声掛けができるようになり、解決していくのではないか。
退職したら地域に貢献したいという人もいるので、そういった人たちが 5 年、10 年でも退職後
にがんばってもらえるとよい。地域の中で活躍できる、行動できる場所を提供できると、その
人たちにとっても、地域にとっても行政にとってもよい、財産になる。そういった仕組みをつく
るとよい。
・今回の重点プロジェクトについて。
→新しい取り組みを始めるというよりは、既に取り組んできているものを活用して、最終的にはア
クションを引き起こすような仕組みを作っていく。運動教室を作る、医療機関との連携などの
方法を模索していき、結果として医療費削減、健康寿命の延伸につながり、最終的にはみん
なが幸せになるというのがよいのではないか。
ここで重点プロジェクトにあげるということは、ある程度の予算は担保されるが、全体で考える
と、他の何かの予算が削られるということは有り得る。
・自律した人を増やすのが大事。できることは自分でするという人を育てる必要がある。
→やりたいことがやれる町というのがよい。楽しいからするというのは続くが、健康のためにする
というのは続かない。健康寿命を延ばせば医療費も削減できるので、健康寿命の延伸を大き
く打ち出して、その陰に医療費の削減や介護保険サービスなどがあるとよいのでは。健康寿
命の延伸というのを前に出すかどうかも検討する。
→運動だけでなく食事についても入れた方がよい。千葉県柏市はコミュニティ食堂を作って、運
動もできて温泉もあるというのをしている。新しいコミュニティをどうつくるか、今までのものに
戻すのは無理、元に戻すのは無理なので、今これからの状況にヒットしたコミュニティをつく
る。
→健康温泉館を活用したコミュニティがあってもよいのではないか。熊本では町営の温泉があり、
その横の和室で講演会をしていたり、お弁当を食べたりしている。健康温泉館も公民館のよ
うな形で場所の貸し出しをすればよいのではないか。挾間の公民館は予約をとるのに並んで
いる。そして、公民館で行う活動にマイレージをつけてもよい。由布市が健康教室をしなくても、
民間の活動が増えてくるとよい。
→クアオルトの関係でウォーキングコースを作っているので、定期的にウォーキングができるよ
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うになるとよい。行政ではなく、市民の人に専属で対応してもらって実費くらいを支払うなど
行政は支援に回るのがよい。事故などのリスクの面もあるが、行政がすべての責任をもつと
いうのは難しいので、自己責任になることを最初に決めておくなどのルールは必要になる。
・最終的には自分たちがしたいもの、説明できるものをつくるのがよい。
→課題、目標は今日話した内容を記載する。
基本方針は、健康マイレージ利用者を増やす、対象・活用の場を増やすなど。
目標は、5 年後に、地域の様々な場所で行動変容活動が行われている。市民主導の教室・コ
ミュニティが増えている、そこに医療機関からの紹介も増えている、指導者は市民で、行政は
そういう方を育成し後方支援する、つなぐなど。
目標実施の取り組みは、マイレージや市民の育成、育成後の活用、活用に向けた育成、活
用の仕組みづくり、知識と技術の提供に対する仕組みづくり、退職者・有識者の活用、食推
協もあるので、食事についても記載する。障がい者について記載がないので記載する。
・プロジェクト名の案は「地域へとびだせ!健康マイレージ」でどうか。
→健康マイレージに賛同、協賛してくれる企業のお食事券や商品をプレゼントするというのも面
白い。協賛企業の一覧を作ってもよい。一度試みたことがあるが、企画するのが大変で実現
しなかったので、 横断的なプロジェクトとして行うのもよい。
由布市外の人対象で、由布市のマイレージをためたら、お食事券や商品プレゼントをすると
いうのもよい。マイレージはポテンシャルをひめているから、進めていくとよい。
今後発展的に「健康マイレージ」ではなく、「マイレージ」として、健康以外のものでもポイント
がたまるような仕組みができると面白いのではないか。
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