iWORKS ERMホワイトペーパー: 1. ERM プログラムの実装: より多くのリスク視界とコントロールを達成する経営戦略 2. ERM ロードマップ: 保険会社における可視性と リスクコントロールの向上にむけて 3. 顧客事例: 複数国のデータ収集とリスクモデリングの促進のための集中化リ スク・フレームワークの実装 目次 1. ERM プログラムの実装:より多くのリスク視界とコントロールを達成する経営戦略 エグゼクティブ・サマリー ビジョン 新しいガバナンス・プロセス制御を要求する新しい事業パラダイム ゴール 結論 2. ERM ロードマップ:保険会社における可視性とリスクコントロールの向上にむけて イントロダクション ERM のプロセスとコントロール ERM のプロセス ERM のコントロール 3. 顧客事例:複数国のデータ収集とリスクモデリングの促進のための集中化リスク・ フレームワークの実装 イントロダクション 課題 ソリューション 結果 iWORKS ERMプログラムの実装: より多くのリスク視界と コントロールを達成する 経営戦略 1 SunGard iWorks エグゼクティブ・サマリー 保険市場は回復し始めましたが、経済的圧力、大々的な規制変更についての絶え間ない臆測および最近の 自然災害による多額の損失は、保険業に混乱を引き起こしました。経営者は、投資リスクと保険契約のリ スク許容度に関して契約者、株主および政府からの視線にさらされています。 「Chartisリサーチによれば、 ERM技術市場は年成長率19.2% で2013年までに16億7000万ド ルまで成長する見込みです。」 ソルベンシー II(EU)、SAM( 南アフリカ ) および原則ベースア プローチ ( 米国 ) といった規制変更で、保険担当者は、組織 全体でリスク・オペレーションを統合し、エンタープライズ・ レベルのガバナンスとコントロールを実装することを目指し ています。ますます多くの保険会社がより多くの視界および リスク管理を提供する包括的なエンタープライズ・リスク・ マネジメント (ERM) フレームワークを実装することを検討し ています。 これまでの業界認識は、ERM 成熟度が測定可能な体系的知識を欠いており、ベスト・プラクティス、ベン チマークおよび保険会社の格付への影響といった方法で示すべきものをほとんど持たないというものでし た。しかし、その認識は過去 3 年にわたって変わりました。Chartis リサーチによれば、ERM 技術市場は 年複利成長率 19.2% で 2013 年までに 16 億 7000 万ドルまで成長する見込みです。ERM は IT 戦略だけで はなく経営戦略です。ERM プロセスは長期の不確実性を削減し、厳重なリスク管理能力の発達における成 功の可能性を高めます。単に伝統的な財務上および引受可能な危険以上に、ERM は、負債、資産、戦略、 オペレーション、世評、財務、コンプライアンス、ITおよび情報データ管理を含むリスクの範囲全体を 包含します。組織の能力レベルが改善するとともに、既知および未知のリスクの管理を改善します。 ビジョン 多国籍企業の保険会社がグローバル ERM プロジェクトに取り組む場合、リスク管理者は、単一プラット フォームの管理、コントロールされた生産環境、完全自動化プロセスおよび適時の期末処理のサポートな どの再優先事項にまず取り掛かります。最適なキャピタル・リスク分配および収益性管理へのシフトは、 適時の結果分析能力を必要とします。多くのリスク管理者が高度なデータの完全性と品質を持った単一の ビューを生成するために奮闘しています。様々なレベルの組織、事業部門、国々および職務にわたって情 報を集約するために、一貫性は ERM のコアコンピタンスです。これは、経営者に主要リスク管理指標 (KRI) の正確な財務的尺度を提供し、組織のあらゆるレベルにおける十分な情報を得たうえでの決定を促進 する、エンタープライズ全体のリスク視界を与えます。ERM の理想像とは、すべての関連する財務情報お よび知識共有へのアクセスの提供により、地域と国々の透明性を高めることです。 ERMプログラムの実装 新しいガバナンス・プロセス制御を要求する新しい事業パラダイム 保険会社は、ガバナンス、オペレーション、アクチュアリアルおよび IT 処理を組込む新しい包括的な ERM フレームワーク・アプローチを必要とします。優れた ERM イニシアチブは成熟し定義された規律を 有しています。 • ガバナンスはモデル基準、変更申請、定期レビュー、変更コントロール、メタデータ系図およびコンプ ライアンス制御 ( 例えば SOX、S2、ISO270001、Type-2 など ) を指定しています。 • 環境運用プロセスのコントロールはリスク・プログラム実行、キャパシティー立案、モニタリング、ヘ ルプ・デスク、バージョン管理、ディザスタ・リカバリ、ハードウェアおよびソフトウェア保守を自動 化する必要があります。 • アクチュアリアル運用プロセス・ガバナンスのベスト・プラクティスは、共通要件、キャパシティ管理 およびオペレーションのスケジュール、標準フォーマットの結果のセットおよびトレーニングを取り入 れます。 • テクノロジー・プロセスはデータ系譜、extraction-transformation-loading(ETL) およびデータベース設 計をカバーします。 • デリバリー・コンポーネント:(1) プログラム管理 (2) システム・インフラストラクチャー (3) 生産結果 からの抽出 (4) アクチュアリアル機能 (5) パイロット・プロダクト (6) 評価モジュール (7) システム・エ ンジニアリング (8) 品質保証テスト (9) プロセス制御 (10) トレーニング (11) レポーティング (12) 継続的 支援 & ヘルプデスク ゴール 保険会社は、現在用いられているシステム ( 多くの場合スプレッドシート・フォーマット ) を更新するこ とを含む、共通のエンタープライズシステム・フレームワークの必要性を認識しています。再現可能で立 証可能な評価プロセスの作成により結果の一貫性を改善するために、アクチュアリーは地域レベルでリス ク管理に注意深く取り組みます。しかしながら、様々な処理の失敗および手動介入により、結果の報告に 遅れを生じる可能性があります。ゴールは、プロセス・ギャップの除去により組織全体にわたるリスク視 界、透明性およびコントロールを改善することです。ERM のベスト・プラクティスはトップダウンの組織 的アプローチを提供します : • • • • • • • • リスク運営委員会 資産負債管理 (ALM) 問題解決プロセス (IRP) ERM モデリング階層 データ・フロー インフラストラクチャー 統合報告書 ベンチマーク結果の継続的支援 「組織全体にわたる リスク視界、透明性 およびコントロールの改善」 多国籍企業の ERM インプリメンテーションの長期目標は、子会社および国々があらゆる一貫した財務的 結果および分析的なレポーティングを提供する共通の評価プラットフォームを使用することを確実にする 必要があります。現在、多くのコーポレート・アクチュアリーあるいはグループ・レベル・アクチュアリ ーは、分析的なギャップを生む、その他の結果と一致しにくい様々な地域子会社の財務的結果のリコンサ イルに努力しています。これらのギャップは正確性を減少させ、概要レベル評価の使用を増加させます。 リスク管理者は、信頼されたアドバイザーと協力してガバナンス、リスクおよびコンプライアンス手段を 提供し統合する、トップダウンのビュー・プログラム許可を確立する必要があります。 2 3 SunGard iWorks リスク運営委員会 グローバルな ERM インプリメンテーションの複雑さのため、多くの保険会社は、プロジェクトの管理を 監督するために実行リスク運営委員会を設置します。一般的に決定のステークホルダーとして各部門から 代表を収集し、中央のプロジェクト管理オフィス (PMO) を作成します。グローバル・プロジェクトリーダ ーは運営委員会に報告します。この機能の目的は以下にあります : • • • • • 評価およびプロジェクション・システムのコンバージョン・プログラムの管理 主要なプロジェクト変更の決定と PMO によってエスカレートされた問題の解決 複数の分野に跨る話し合いと解決の場を提供 ; アクチュアリアル、会計、IT PMO のガイド プログラム実績および費用対予算のモニター 資産負債管理(ALM) とモデリング ERM の構成要素であるフレームワーク・アプローチが最高リスク管理責任者とチーフ・アクチュアリーが 事業リスク選好とリスクベース・キャピタル決定をそろえるのを助けることを確実にするために、リスク 管理者はリスク委員会およびアクチュアリーと共に働きます。これは、高度な解析論、ストレステスト、 より大きなビジネス・インテリジェンス視界、透明性およびプロセス管理を備えた、エンタープライズ・ リスクデータについての 360 度ビューを持つことにより達成されます。ベスト・プラクティスは、ALM モデル化の管理への 3 ステップのアプローチを示します。 第 1 ステップ アセスメント結果および、ALM システムおよびデータ抽出、国 / タイプ毎の既存 ALM 資産のリストを含 む現状の ALM プロセスの精査 ; • ALM プロジェクションのための現状プロセスのレビュー ( 例 ; CFT、LAT、および予算と予測 ) • QIS5 を含む各タイプの ALM プロジェクションのための要件定義と文書化。シナリオの種類を明らかにする ( 現 実的またはリスク中立的 ) • 既存資産の外部プロジェクション源の精査 • 投資前提の明確化と文書化 第2ステップ どの資産が外部プロジェクションのためにモデル化されるかを決める将来の状況設計のロードマップ、お よびリスク中立的シナリオの下でモデル化された資産および外部プロジェクションをキャリブレートする ための戦略を確立; • 現実的およびリスク中立的シナリオの下のALM付与加算率、動的解約、生存給付保証および死亡給付保証を 標準化 • IT要件(ランタイム、データ記憶装置、抽出)の明確化 • 報告要件の定義 第 3 ステップ アクチュアリアル計算エンジンでのテスト資産抽出の開発とテストのロードマップの開発と実行、および 対外資産プロジェクションの統合 ; • 資産および負債統合のコーディングとテスト • ALMプロジェクションの確認とリコンサイル • 開発から品質保証、その後の生産までのモデルの効率化 ERMプログラムの実装 問題解決プロセス ERM イニシアチブが適切な経営者レベルからのサポートとステークホルダーからの賛同を得ていること を確実にするために、組織全体に包括的な問題解決プロセス (IRP) を確立することは非常に大切です。 IRP の礎石はリスク委員会による PMO の設置で始まります。その後 PMO は、拠点、アクチュアリアル、 IT、リソースとスコープ、およびスケジュールまたは費用のインパクトに分類される IRP の同定に対処 する明瞭なエスカレーション・ガイドラインを提供します。ベスト・プラクティスは、問題をプロジェ クトへの影響度と緊急性に応じて重大、高い、中程度あるいは低度に優先度付けするプロジェクト・リ ーダーへの懸念のエスカレーションと問題のコントロールのためのコラボレーションを確実にします。 ERM プロジェクトは多くの場合、解決計画のためのプロジェクト・リーダーあるいは PMO に固有にエ スカレートされるべき様々な新しい未知の要素を明らかにします。多くの問題が、その他国々の ALM 実装に影響する場合があり、その場合、解決計画の分析、レビューおよび開発で協働するために当該分 野専門家 (SME) が参画します。PMO レベルの解決策、あるいはグローバルでの適用可能性を持つ解決 策は、評価とレビューのための定期リスク運営委員会で精査されます。PMO はあらゆるステークホル ダーに周期的に状況を伝え、解決完了までこれらの問題を緊密にモニターします。重大案件は、PMO、 ステークホルダー、SME および潜在的リスク委員会を含め必要な参加者が参加する緊急会議を必要とす るかもしれません。 モデル階層 保険会社は、例えばバンカシュアランスのような事業ラインの絶え間ない合併と部門売却、地理的拡張 およびガバナンス、リスクおよびコンプライアンス (GRC) への規制上の圧力といった数多くの課題に直 面しています。これらの影響は、組織のすべてのレベルでのリスク管理、リスク領域およびデータ集約 をカバーする包括的 ERM 設計戦略を必要とするリスク管理者のための ERM 階層を形作っています。リ スク階層能力評価は全体的な ERM プログラムに基礎を提供します。ベスト・プラクティスは、一つの グローバル会社ビューへ地域のリスク結果および総計のフィードの両方を提供する、国毎に作成された 「単一の ALM 統合モデル」を要求します。ローカル階層は、法定評価 / プロジェクション、GAAP 評価 / プロジェクション、法定の税金、ALM およびエンベディッド・バリュー、予算、市場整合的 EV など に関する報告書を生成します。 生産データフロー 多くの ERM データ転送タスクが ALM データ・マネジメントの日々の処理で自動化されていません。こ れは手動介入をもたらし、データオートメーション・プロセスを逃れて、データと計算の異常を明らか にすることを困難にします。多くの保険会社の内部監査人は潜在的なサーベーンズ = オックスリー (SOX) 違反と同様に「処理の切れ目」としてこれらの危険度を批評します。リスク管理者を悩ますものは、 より大きな ERM 情報技術フレームワーク内の失敗に後続のプロセスをもたらすエラーの源を明らかに することです。ベスト・プラクティスは、合算とレポーティングのために様々なシステムからの抽出を 作成するローカルの自動化ガバナンスの確立を含んでいます。 インフラストラクチャー ERM の実装は、IT 戦略だけでなく管理者、従業員およびその他ステークホルダーによって理解されなけ ればならない、互いに関連する経営戦略です。包括的な ERM インフラストラクチャー戦略の不足は、 RIMS と S&P によって示されたように、ERM 実装への主要な課題です。成功する ERM のためのベスト・ プラクティス・アプローチは、既存のプロセス、データベース、レポーティングおよびビジネス・イン テリジェンス機能に付属する種々の技術コンポーネントを組み込むものです。プロセスの切れ目とイン フラ投資のギャップのリストを作ることで、将来に渡って適時の期末処理義務を逃すことを避けること ができるでしょう。 インターフェース経由の技術的な統合は、異種混合のシステム間のコミュニケーションのための ERM インフラストラクチャーの一側面にすぎず、さらに種々の ALM モジュールにわたってデータ使用のた めに必要なルールとプロセスの調整を提供します。ERM が組織において不可欠な場合、プロセス制御は 情報管理、知識、プロセスおよび IT に関するビジネス・ルールのエンタープライズ・レベルの青写真を 提供します。 4 5 SunGard iWorks 統合報告書 ERM をアクチュアリアル・モデリング、厳密なプロセス管理、データの制御および統合から成る流れ作 業とみなした場合、「リスク評価結果」はエンタープライズ・リスクデータ・ウェアハウス (ERDW) 環 境から提供されるでしょう。今日多くの保険会社が子会社レベルで洗練されたアクチュアリアル・モデ リング機能を有していますが、ほとんどは子会社、エンティティーあるいは企業のレベルでデータ集約 と解析をしていません。その結果、多くのリスク管理者が、保険企業の全体にわたる意思決定者に、多 面的分析データや合算と解析論機能をもたらすリスク・フレームワークを提供できるパートナーの重要 性を評価しています。 リスク・ウェアハウスは、リスク・ダッシュボード、警告、サマリー、傾向報告書および KRI エスカレ ーションを提供する精巧なビジネス・インテリジェンスで報告を統合します。リスク委員会は、業界ベ ンチマーク・データ、規制当局への法定のレポーティング、格付機関からの問い合わせへの回答、およ び業界アナリストのアドホックな問合せに対して比較すべきこれらのあらゆるリスク評価を利用しま す。 継続的支援 ERM の完全性を維持するために、PMO は品質結果を保証する重大なステークホルダー、信頼できるア ドバイザーおよびパートナーを含むポスト・インプリメンテーション・プログラムを設計しなければな りません。新しいプログラムは、本社ヘルプデスクがオンコール・サポートによって拡大するヘルプ・ デスクおよびサービスレベル合意の修正を必要とする中央集中化アーキテクチャーへの動きを含んでい ます。SME またはヘルプ・デスクが独力で解決することができない運用上の問題およびプロダクト問題 のエスカレーションのために社内に当該分野専門家を配置する必要があります。 結論 保険産業は競争の激化とより厳格な規制要件に直面しており、組織に渡ってより大きな視界およびリス ク管理を求めることを保険会社に強いています。明瞭なリスクについての見方の提供により、保険会社 は情報に基づく経営的意思決定をし、すべてのステークホルダーにその決定を明白に伝えるために必要 な結果を持てるようになります。 来たる規制変更、ソルベンシー II(EU)、SAM( 南アフリカ ) および原則主義アプローチ ( 米国 ) は、リスク・ オペレーションの統合と、十分に透明で監査可能なプロセスとデータ管理のための企業レベルのガバナ ンスおよびコントロールの導入を保険業者に要求します。これは、確かなリスク決定を可能にする包括 的な ERM フレームワークの導入を要求するでしょう。 概要レベルの ERM を達成した組織は、企業全体のリスクの可視化のアプローチの採用により実現され た多くの恩恵を受けています。サイロ化されたプロセスと行動の最小化、既存資産の維持、成長機会の 強化のための主要リスク管理指標の導入などです。企業リスク視界の最も著しい特性のうちの 1 つは、 とるべきリスクと緩和すべきリスクに関する知識です。 prescribed iWORKS ERM: 保険会社における可視性と リスクコントロールの向上にむけて 1 SunGard iWorks はじめに 規制や経済環境上の変動制の高まりにより、保険業界における エンタープライズ・リスク・マネジメント・システム (ERM) の ニーズが顕著になっています。規制当局、顧客および投資者か らの目が厳しくなり、保険会社の役員は十分な情報を得たうえ での決定を可能とするために、組織とリスク・ポジションの可 視性を向上させ、またより速く正確な財務モデルを構築するこ とが必要です。保険会社は経済情勢、大規模災害、および投資 戦略の変化等の可能性を ALM 全体にモデル化し分析するために ERM システムを利用しています。 サンガードは、保険会社がこれらの課題に対応し、かつリスク の全社的俯瞰をサポートするために ERM ソリューションを開発 しました。サンガードは、より多くの情報に基づく経営上の意 思決定に必要な情報へのアクセスと分析をサポートすることが できます。サンガードの ERM ソリューションは、「リスクの測 定と管理のためのプロセスとコントロールのシステム」と表現 することができます。 これまでの業界認識は、ERM は測定 可能な体系的知識を欠いていて未成 熟であり、ベスト・プラクティス、 ベンチマークおよび保険会社の格付 への影響といった方法で示せるもの がないというものでした。しかしな がら、その認識は過去 3 年のうちに 急速に変わりました。Chartis リサー チによれば、ERM テクノロジー市場 は年成長率 19.2% で 2013 年までに 16 億 7000 万ドルまで成長する見込 みです。 ERMのプロセスとコントロール 保険会社にとって ERM の実装は、単なる IT 投資でなく経営戦略になっています。優れた ERM アプロー チでは、保険会社が事業上と規制上のニーズに対応するために IT を活用します。ERM ソリューションは、 保険会社が日常業務の情報を有益なデータに変えることで組織管理を支援します。これらのシステムは、 会社全体にわたるリスクを可視化するためにデータを収集、管理、分析します。規制上の要求を満たす ために、厳重なコントロールでそれらのビジネスプロセスを自動化しなければなりません。 ERMのプロセス データ収集 ERM システムは、社内の到る所から現在および過去のデータを 収集しなければなりません。既存のシステムは予め構築されたプ ロセス、データベース、レポーティングおよびビジネス・インテ リジェンス機能によって構成され、これらは包括的なビューを得 るために互いに結びつけられていなければなりません。断片を結 合させることで、少ないコストで効率的なエンタープライズ全体 のビューを提供します。 サンガードの ERM ソリューションは、アクチュアリーがデータ・ マイニングや統計分析を行うための、より細かいレベルの過去デ ータの使用と保存の機能を提供します。サンガードは社内の 360 度の視界のためにシステムの接続を助けることができます。これ は将来も使い続けられるシステムによって既存システムを維持し ながら、リスクに関する意思決定に大きな信頼をもたらします。 サンガードソリューションは : 毎日 8,000 以上のユーザーに 2,500 を超えるカスタマーサイトで 60 か国以上で Global Fortune 500 でトップ 50 社 の生命保険会社の半数以上で • AM Best 誌米国トップ 10 の生命保 険会社のうちの 9 社で • トップ 10 の英国の生命保険会社の 10 社で • • • • 使用されています データ管理と計算 リスク管理の高度化が進むともに、スケーラブルで迅速に計算を行なうことができる共通 IT インフラ のニーズが増大しています。サンガードの iWorks ソリューションは、保険会社のために特に設計され た保険数理計算ソリューションを提供します。iWorks は、保険会社が潜在的なリスクと機会をモデル 化するためのデータ使用を助けます。このソリューションは、テンプレート駆動のサービス、技術プ ラットフォーム、プロセス制御の統合、分析処理の機能を提供します。 エンタープライズ・リスク・マネジメント・ロードマップ iWorks Prophet の包括的なアクチュアリアル・ライブラリーは、事業、地域、報告方法およびアクチュア リアル方法論を広範囲にカバーします。ライブラリーはデータ操作と前提入力のための複数のインターフ ェースを提供します。直観的なユーザ・インターフェースは、ユーザーがモデルを容易に設計することを 可能にします。Prophet Enterprise はマルチスレッド処理のような計算集約的な処理のために HPC グリッ ドを用います。これらのパフォーマンス強化により、数日からわずか数時間にまで劇的に計算ランタイム を削減できます。Prophet Enterprise は非常に柔軟で、並列環境上で実行することができます。 オペレーション管理コントロール 役員向け 報告資料 金融庁 提出資料 決算 報告書 IFRS レポーティング 法定報告レイヤー (Excel, Performance Pointなど) エンドユーザーの業務フロー、 コラボレーションとコミュニケーション (MSFT SharePoint) 目標マッピングと 実行ハンドリング へのデータソース 数理計算 エンジン エンタープライズ リスク 分析 他の リスクツール 結果 セキュリティ、監査、 コンプライアンスコントロール データ分析と報告 ビジネス・インテリジェンスは ERM において重要です。iWorks Prophet は、会社の業績と戦略の成功に 影響を与える、複雑なフィナンシャル・リスクやその他要因に対する有益な情報を提供します。ますます 複雑化する報告ニーズをサポートするために、リアルタイムアナリティクスにより経営判断の助けとなる エグゼクティブ・ダッシュボードやその他のドキュメントが作成されるでしょう。 iWorks Prophet は柔軟な報告環境をサポートしま す。エクセル・ベースの報告書により、ユーザー は、必要に応じてデータをさらに詳しい分析・表 示することができ、下層にあるデータへの全面的 なアクセスが可能です。定性的報告書は、経営者 の意思決定のための主要なリスク管理指標への容 易なアクセスを可能にします。改善されたリスク の可視性および透明性は、保険会社の幹部がそれ らの組織のリスク選好に対するより深い理解およ びコントロールを得ることを支援します。 ビジネスプロセス管理(オーケストレーション、ECM, ETLなど) クレーム システム 財務 システム 契約管理 システム 投資会計 システム 市場 データ ERMにおけるコントロール 多くの保険会社が日々のリスク管理オペレーションで、プロセスおよびコントロールの自動化を欠いてい ます。手動による介入は、管理を逃れて不良データや計算の異常を引き起こす場合があります。大抵の保 険会社の内部監査人はこういったリスクへのエクスポージャーを潜在的な SOX 法違反や「処理の中断(ブ レーク)」として記載します。リスク管理者を悩ますものは、大きな ERM フレームワークの中で下流のプ ロセスに問題を起こすエラーの根源の特定です。 サンガードの iWorks ERM ソリューションは、保険会社がデータ起源を捕らえる「ソース・ツー・ターゲ ット」マッピングの文書化を助けるために、値の変換・転換とともにデータ・プロセス制御を提供します。 さらに、データクレンジング・プロセスで、データ品質を検査してエスカレーションと例外処理のために 「不良データ」をマークし、修正のためにデータ起源のシステムにそれを返します。 サンガードの ERM プロセス・コントロール・フレームワークはすべてのシステム間コミュニケーション のインフラを提供します。さらに、データ使用のために必要なルールと種々の ERM モジュール全体のプ ロセス間の調整を提供し、情報、知識、プロセスおよび IT 管理に関するビジネス・ルールのエンタープ ライズ・レベルの青写真を提供します。 2 3 SunGard iWorks サンガードの iWorks ERM データ・コントロール・センター製品パッケージは、セキュアでコンプライア ンスに対応した環境を稼働させるためのコントロールおよびプロセスオートメーションの豊富なツールを 提供します。これらの機能は、ERM のためのガバナンス、リスクおよびコンプライアンス制御を提供します。 ERM データ・コントロール・センター・フレームワークは、ERM アプリケーションをサポートする、実 績のある方法論とベスト・プラクティスを持っています。 保険会社がリスクと監査へのエクスポージャーを低減するためには自動化が重要です。人為的エラーのリ スクを低減し、プロセス制御を ERM システムに加えることによって、Type II 監査、ISO270001 証明およ び SAS 70 レビューを遵守しながら、データ・マネジメントの自動化、変更コントロールおよびディザスタ・ リカバリを強化することができます。サンガードは、連続的なプロセス制御を持つことが、保険会社が一 貫した方式で、十分な情報を得たうえで意思決定を行う手助けとなると考えます。 iWORKS リスク管理の事例: 複数国のデータ収集とリスクモデリ ングの促進のための集中化リスク・ フレームワークを実装する米国企業 1 SunGard iWorks イントロダクション 規制や経済環境上のボラティリティにより、保険業界は競争の激化と組織全体により大きなリスク視界および 管理を求めることを強いる厳格な規制要件に直面しています。リスクについての明瞭な見方の提供により、保 険会社は情報に基づく経営的意思決定をし、すべてのステークホルダーにその決定を明白に伝えるために必要 な結果を持てるようになります。 来たる規制変更、ソルベンシー II(EU)、SAM( 南アフリカ ) および原則主義アプローチ ( 米国 ) は、リスク・オ ペレーションの統合と、十分に透明で監査可能なプロセスとデータ管理のための企業レベルのガバナンスおよ びコントロールの導入を保険業者に要求します。これは、確かなリスク決定を可能にする包括的な ERM フレ ームワークの導入を要求するでしょう。 概要レベルの ERM を達成した組織は、企業全体のリスクの可視化のアプローチの採用により実現された多く の便益を挙げています。サイロ化されたプロセスと行動の最小化、既存資産の維持、成長機会の強化のための 主要リスク管理指標の導入などです。企業リスク視界の最も著しい特性のうちの 1 つは、とるべきリスクと緩 和すべきリスクに関する知識です。下記は、概要レベルの ERM を達成し、ビジネス全体にわたってリスク管 理視界を改善するためにサンガードと提携した保険会社の事例です。 課題 世界50か国以上にオフィスを持つ大手金融サービス会社の子会社が売却されることになりました。こ のクライアントにとって、それらの海外企業体の評価は売却の完了のために重要でした。スプレッドシ ート、手作業による処理、複数ベンダーの環境、複数のデータモデルおよび評価モデル、データの一貫 性の欠如は、各国の情報を単一の企業ビューへ集約することを困難にしていました。そのため、クライ アントは国際事業の単一プラットフォームへの全ての保険数理評価およびプロジェクションの統合を望 みました。 この直近の課題に加え、集中化された環境から資産負債モデリングを管理しコントロールする必要があ りました。これにはキャッシュ・フロー・テスト(米国およびローカル)、負債十分性テスト(IFRS)、 DAC回収可能性分析、予算編成および予測、ソルベンシーII(QI 5を含む)、MCEV、エコノミックキャピ タルが含まれていました。 ソリューション クライアントは、中核のアクチュアリアル・ツールおよび IT インフラとして、Microsoft HPC 環境上で 稼働する、Prophet Professional と Prophet Enterprise を含む iWorks ERM フレームワークの中核コン ポーネントを選択しました。各国のモデルはすべてコーポレート IT にホストされ、また、モデルは中 央集中的に実行され、結果は高速通信リンクにより配布されます。 各国の必要条件が査定され、法定会計と GAAP の個々の Prophet モデル移行計画が展開されました。 いくつかの国は、既存のモデル構造を一時的にあるいは永久に維持しました。それは複数のモデル化さ れたプロダクトを同時にサポートすることを IT 環境に要求しました。プログラムに含まれる国数が多 いために、優先度スキームが開発されました。また、各国の新規インフラへの移行スケジュールは段階 的にプログラム計画内に含まれました。 リスク管理の事例 プログラムの最初の焦点は、集中的な計画フェーズで、これに中核 IT システムの開発およびインプリメ ンテーションとそれに関する新規のビジネスプロセスが後続しました。同時に、優先度上位の国々は詳細 に調査され、モデル開発 / 移行が試みられました。中核インフラストラクチャーが確立され、上位の国々 が移行すると、クライアントが各国の転換を継続することを可能にするために、スタッフのトレーニング と開発計画が完成しました。 包括的なソリューションを開発するために、サンガードはプログラム・オフィス、およびアクチュアリア ル、プロセス、データ・マネジメントおよび技術者のチームを設置しました。数年に渡るプログラムに重 要なコンポーネントを提供するために、クライアントと提携しました。サンガードのチームは、クライア ントの組織に完全に統合され、各国本社でのオンサイト・サポートなど、各国を代理することもありました。 サンガードのチームは下記タスクに責任を負いました : ・プログラム戦略および立案 ・IT 関連のプロジェクト管理およびデリバリー ・カントリー評価およびモデル移行アプローチ ・初期上位国のためのデータ抽出の完了、および契約管理システムから iWorks Prophet に適合したフィー ルドとフォーマットへのデータ・マッピング ・iWorks を包む、選択された既存 / 将来のビジネスプロセスおよびワークフローのドキュメンテーション ・Prophet の実装 ・結果の合算およびクライアントのデータ・ウェアハウス戦略の報告書作成 ・iWorks Prophet の展開のインフラストラクチャー計画の開発と実装のサポート ・DataSynapse グリッド上で作動するすべてのアプリケーションの HPC グリッドへの移行 結果 サンガードは集中化された iWorks Prophet 環境を資産負債モデルの実施および開発に推薦し実装しまし た。これは、カントリーベースの管理システムおよび他のレコード情報間のリスク・データの移動を含ん でいました。データは抽出され、コーポレートに送られ格納され、iWorks Prophet モデルにロードされます。 このクライアントは一貫性を改善し、カントリーコンバージョンに使用される、立証可能な評価および反 復可能な結果プロセスを作成しました。さらに、SOX 基準は評価プロセスへ統合されました。 この実装の結果、クライアントは、ベストプラクティス、標準化および自動化を組込むことにより決算手 続のための時間を著しく縮小しました。 さらに、概要レベル評価の縮小による USGAAP 評価の正確さの改善と、分析能力と意志決定の強化を達 成しました。クライアントは、新しく実装された Microsoft HPC グリッドにグリッド対応のアプリケーシ ョンをすべて組み入れ、さらにより低い処理コストでのより速い処理時間を達成しました。 この実装モデル・テンプレートは、現在フェーズ 1 に含まれなかった他の国々に展開されています。 2 www.sungard.com/iworksinsurance About SunGard’s iWorks サンガード iWorks は、保険業界向けのビジネス主導の IT 製品スイートであり、生命保険 / 健康保険 / 年金、 動産保険、災害保険、再保険といった主要な事業分野に対応しています。生命 / 健康 / 退職年金 / 年金払契約、 損害保険、および再保険。iWorks は、フロントオフィス・ツール、契約管理、再保険、保険数理計算、財 務会計、投資会計および報告を含む一連のプロダクトおよびサービスを提供します。サンガードは、お客 様との連携を通じて、変化を続けるビジネス・ニーズや規制要件に対応できる製品とサービスを提供して います。 About SunGard サンガードは世界有数のソフトウェア/テクノロジー・サービス会社です。サンガードは、20,000人を超 える従業員を擁し、顧客数は70か国の25,000社に上っています。サンガードは、金融サービス、高等教育 機関、および公共部門にソフトウェアとプロセッシング・ソリューションを提供しているほか、ディザス タ・リカバリ・サービス(障害復旧サービス)、IT運用管理サービス、情報可用性(IA)コンサルティング・サ ービス、事業継続管理ソフトウェアを提供しています。年間売上高が50億ドルを上回るサンガードは Fortune 500の434位にランクされており、非上場企業としては最大の業務用ソフトウェア/ITサービス会 社です。詳細は:www.sungard.com/japan お問い合わせ: サンガード 〒100-6812 東京都千代田区大手町1-3-1 JAビル12階 Tel: 03-4570-3000 E-mail: [email protected] ©2011 SunGard. Trademark Information: SunGard, the SunGard logo and iWorks are trademarks or registered trademarks of SunGard Data Systems Inc. or its subsidiaries in the U.S. and other countries. All other trade names are trademarks or registered trademarks of their respective holders.
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