文法性判断テストを使った条件文の習得状況

文法性判断テストを使った条件文の習得状況
―正解率と確信度スケールを用いて―
花城 可武
要 旨
本稿は、第二言語習得研究として習得が難しいと言われている日本語の条件文を
選び、海外で日本語を学んでいる大学生を対象に文法性判断テストを行った報告で
ある。今まで、正解率のみで習得状況が説明されてきた場合が多い。しかし、その
判断に対してどれくらい確信があるかを数字化するのも習得状況を見る上で大事
なことだと考え、確信度スケールを文法性判断テストに取り入れた。本稿では正解
率と確信度スケールという 2 つの尺度を使い、条件文の習得状況を調査した。調査
は、オーストラリアで日本語を学ぶ大学生(全員英語母語話者)を対象に行った。
その結果、正解率と確信度の組み合わせのうち、正解率が高く確信度も高い項目と
不正解で確信度が高い項目が確認された。正しい規則が構築された習得状況を促進
するために、
教師は間違った規則が構築されている項目に対して正しい規則を教え、
時間をかけて規則の再構築を行う必要があるだろう。
キーワード:日本語条件文 文法性判断テスト 正解率 確信度スケール
1.はじめに
本稿では、第二言語習得研究として日本語の条件文を選び、英語母語話者を対象に文法
性判断テストを行った。そして正解率と確信度スケールという 2 つの尺度を使い、条件文
の習得状況の調査を行った。従来の第二言語習得研究では主に正解率を取り上げてられて
いたが、2 つの尺度を用いることによって、習得状況をより深くとらえることができると
考えたからである。その結果から日本語教育への応用を考える。
2.先行研究
2.1 文法性判断テストの先行研究
第二言語習得研究において、第二言語学習者の文法能力を調査する研究が数多くなされ
てきた。そのような文法能力は目標言語における言語能力の全体像を必ずしも表していな
いが、第二言語習得研究において重要な役割を果たしていると言える。その調査方法の一
51
国際教育センター紀要 第 11 号
つの例として挙げられるのが、文法性判断テストである。文法性判断テストは中間言語の
システム、特に文法能力の一部を間接的に、あるいは直接的に観察できるという点で重要
だと考えられている。その一方で、文法性判断テストでは第二言語学習者の目標言語の直
感をどのくらい信頼していいものかはっきり分からないという議論があるが、学習者の学
習された文法能力と何らかの関係を示すものと考えられる。そのため、学習者の中間言語・
習得状況・習得順序等を仮定することができるので、文法性判断テストは学習者の文法能
力を調査する妥当な調査方法の一つであると考えられている。
文法性判断テストには、坂本・小山
(1997)
、Cowan and Abe Hatasa(1994)
、Ellis
(1991)
、
Gass(1994)
、Sakamoto(1993)等があるが、中でも Ellis(1991:162―163)は、文法性
判断テストで要求しているタスクとして、
「⑴ discrimination は正文 / 非文を区別する、⑵
location は非文のエラーを指摘することができる、⑶ correction はエラーを修正する、⑷
description はエラーに対する文法的な記述ができる」の 4 つを挙げている。多くの文法性
判断テストでは、⑴と⑵のタスクが含まれており、調査に時間がかかるが⑶と⑷が含ま
れているものもある。⑶と⑷のタスクが含まれている調査は、⑴と⑵のタスクの結果を見
れば推量かどうかが分かるので、調査結果の信頼をより高くしていると言えよう。他にも
文法性判断テスト後に、フォローアップ・インタビューを行っているものもある(Gass
1994)。
また、今まで多くの場合、正解率のみで習得状況が調査されてきた傾向があるが、テス
トの妥当性や信頼性を高めるタスクとは別に、その判断に対してどれくらい確信があるか
を数字化するのも習得状況の点から大事なことだと考え、確信度スケールを文法性判断
テストに取り入れた研究も多くある(坂本・大塚 1997、Gass 1994、Tsuda and Yule 1985、
Yule 1988、Yule, Yanz, and Tsuda 1985 等)。
中でも坂本・大塚(1992)は、正解率と確信度スケールの組み合わせを次のように説明
している(次ページ表 1 参照)
。A は正解率も確信度スケールも高く、健全な習得状況を
表しており、学習者の頭の中に正しい規則があることを意味している。B は正解率が高く、
確信度スケールが低いケースであるが、たまたま選んだ答えが合っていたか、あまり自信
がないことを表している。このようなケースでは、教師が学習者に自信を持つように励ま
すようにする。C は正解率が低く、確信度スケールが高いケースであるが、これは自信を
持って間違えたことを意味していると思われるので、規則の再構築が必要である。D はま
だ学習されていないか、学習者文法に規則がないことを意味している。そして、教師が
特に気をつけなければならないものを挙げて、C のような高い確信度で不正解になった場
合で、間違った規則が学習者に構築されていることが考えられるとしている。Tsuda and
Yule(1985)
、Yule(1988)
、Yule, Yanz, and Tsuda(1985)では non confident correct answering
と very confident wrong answering という用語を用い、この 2 つのケースは教師は早い時期
52
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
に学習者に正しい規則を教え、時間をかけて規則の再構築を行う必要があると述べてい
る。
表 1 正解率と確信度スケールとの関係
正解率
確信度スケール
A
B
C
D
高
高
高
低
低
高
低
低
2.2 条件文の先行研究
日本語の条件文は、日本語学習者にとって完全に理解して使い分けることは易しいこと
ではない。それは、後続文の制約(モダリタィー制約や継起性等)から、4 つの条件文は
入れ替えがいつでもできるわけではないからである(稲葉 1991b)。
以下に、主な条件文の大まかな規則をまとめる(*は非文)。
⑴ ば:前件が動作性→文末制限あり、前件が状態性→文末制限なし
例 1:この薬を飲めば、風邪が治ります。
例 2:*ハワイに行けば、おみやげを買おう。
例 3:お金があれば、買うつもりです。
⑵ と:文末制限あり(使えないものとして、意志、命令、禁止、忠告、勧誘等)
例 4:春になると、暖かくなる。
例 5:*お酒を飲むと、タクシーで帰ってください。
⑶ なら:前件の述語にタ形と辞書形が使用可
例 6:雨が降るなら、出かけません。
例 7:パーティーをしたなら、写真を見せてください。
⑷ たら:使用範囲が広い
例 8:その本を読んだら、私に貸してください。
日本語の第二言語習得研究において、条件文を扱った研究には、稲葉(1991a,b)、
Inaba(1992)
、小柳(1999)
、豊田(1985)
、ニャンジャローンスック(2001)等があり、
中でも、稲葉(1991a:87)は、モダリティー制約(後件制約)と前件・後件の時間的順
序性(継続性)という観点から、異なる日本語のレベルの学習者に対して、習得状況を調
査している。その結果、⑴「と / ば / たら / なら」の習得状況は、初級・中級間では、高い
相関関係が見られたが、上級では初級・中級とは異なった習得状況を示した。⑵「と / ば /
たら」条件文(後件制約・継続性)の習得順序として、習得容易なものから順に、
「モダ
リティーのある条件文」
、
「モダリティーのない条件文」、
「継続性」となった。ただし、
「な
ら」はこの習得階層とは異なった結果を得た、とある。また、ソルバン・前田(2005)は、
日本語母語話者を対象にモダリティー成立制約の妥当性を検証するために、条件文の使い
53
国際教育センター紀要 第 11 号
分けと使用条件を調査している。
今までの第二言語習得研究を概観してみると、その多くは正解率のみを基に習得状況が
明らかにされてきた。これに加え、学習者が自分の解答にどれくらい確信があるのかとい
う尺度、つまり確信度スケールを用いて、より深く習得状況を調査することができるので
はないかと考え、本稿では文法性判断テストに正解率と確信度スケールの 2 つの尺度を取
り入れた。
3.調査方法
3.1 調査協力者
本稿の調査協力者は、オーストラリアで日本語を学ぶ大学生 33 人で、全員英語母語話
者である。文法性判断テストを行う前に、
調査協力者を 2 つのレベルに分けるためにプレー
スメントテストを行った。そのプレースメントテストであるが、日本語能力試験 2 級・3
級の文法のセクションの問題を参考に問題を作った。始めに、プレースメントテストを受
けてもらい、その結果から平均点を基準に、平均点より上位のグループを A グループ(17
人)
、下位のグループを B グループ(16 人)
とした。そのあと、文法性判断テストを行った。
プレースメントテストと文法性判断テストともに、特に時間は設けなかった。
3.2 調査項目
条件文の文法性判断テストは、前田(1993)の分類を参考にして 7 つのグループを設け
た 1)。そのグループ分けであるが、下の例 1 で説明すると、「ば」
「なら」
「たら」を使う文
は文法的に正しいが、
「と」は後文に「いいです」と発話者の意志があるので、これは非
文である(2 のグループ)
。文法的に正しい文を「+」として、非文法的な文には「−」のマー
クをつけ、グループごとにまとめたものを表にした(表 2)。
表 2 条件文の分類 2)
ば
と
なら
たら
1
2
3
4
5
6
7
+
+
+
+
+
−
+
+
+
+
−
+
−
−
+
+
−
+
−
+
+
−
−
+
−
+
−
−
(+:文法的に正文、−:非文)
54
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
例 1:その中古車が 安ければ、
すぐ買った方がいいです。
* 安いと、
安いなら、
安かったら、
(* は非文)
文法性判断テストの質問文は 36 問で、ダミーの質問文(8 問)も含めて計 44 問作成し、
質問文の提出順序は、表 2 のグループごとではなく、44 問をランダムにし、同じグループ
の質問文が同じページにこないように配慮した。
3.3 解答方法
本稿における文法性判断テストの質問文に対する解答の仕方を以下に示す。(i)質問文
を読んでその質問文が文法的に正しければ C(orrect)に、正しくなければ I(ncorrect)
に丸印をつける。
(ⅱ)その判断に対してどれくらい確信があるか、その確信度を 1 から 5
までのスケール(5 が最も確信度が高く、1 が最も低い)を使って答える、の順序で作業
をさせた(例 2)
。
例 2:
(ローマ数字は作業をする順序)
携帯電話があったら、いつでも話すことができます。 ( C I)
(i)
1 − 2 − 3 − 4 − 5
(ⅱ)
テストを始める前に、調査者は例文を使い解答の仕方を説明し、C と I の例をそれぞれ
一つずつ説明文の下につけ実際に練習させた。次に、一度解答したものにはもどらないよ
うに指示した。また、質問文の漢字にはすべてルビをつけ、文中の単語は日本語の授業で
使用している教科書を参考にした。分からないだろうと思われる単語には英訳をつけた
が、そのほかにも意味が分からない単語に関しては、口頭で教えた。
4.結果と考察
4.1 正解率
4.1.1 レベル別
表 3 は、文法性判断テストの各群並びに全体の正解率を表している。プレースメントテ
ストで上位になった A 群の方が文法性判断テストの正解率も高くなっている。
また、表 3 には正文を正文と判断する能力(C → C)と非文を非文と判断する能力(I → I)
を表す正解率も併記した。この表から、正文を正文と判断する能力の方が非文を非文と判
断する能力よりが高く、A 群の方が B 群よりそれぞれの能力は高いことが分かる。
55
国際教育センター紀要 第 11 号
表 3 各群と全体の正解率(%)
正解率
C→C
I→I
A(n=17)
B(n=16)
78.8
68.1
82.0
71.3
75.1
64.4
全体(n=33)
73.6
76.8
69.9
4.1.2 質問文のグループとレベル別
次に、各群における 7 つのグループ別の正解率を表したものが表 4 である。すべてのグ
ループで A 群の方が B 群よりも正解率が高く、特にグループ 1 では約 20 ポイント、グルー
プ 6 では約 18 ポイントも差が出た。しかし、グループ 7 では両群とも同じような正解率に
なった。
表 4 グループ別の正解率(%)
G
A
B
全体
1
2
3
4
5
6
7
83.8
80.9
72.1
76.5
83.8
88.2
66.2
62.5
70.3
65.6
67.2
75.0
70.3
65.6
73.5
75.8
68.9
72.0
79.5
79.5
65.9
平均
78.8
68.1
73.6
次に出題された 28 問の質問文のうちからどのグループのどの質問文の正解率が高かっ
たか正解率の高いものから、順に並べたものが下の表 5 である。
これを見ると、A 群ではグループ 1 の「ば」・グループ 5 の「なら」・グループ 6 の
「なら」
の 3 つの質問文の正解率が 100%だった。次に正解率の高いものは、グループ 5 の「ば」・
グループ 6 の「と」が 94.1%で、80%以上の項目が 28 問中 15 問あった。一方、50%以下
の項目は、グループ 4 の「ば」のみで 47.1%だった。
B 群ではグループ 6 の「なら」のみが 90%以上(93.8%)で、80%以上の項目が 28 問中
11 問あった。一方、50 パーセント以下の項目は、28 問中 4 問あった(グループ 5 の「と」
[43.8%]
・グループ 7 の「なら」
[37.5%]
・グループ 4 の「ば」
[31.3%]
・グループ 6 の「ば」
[31.3%]
)
。
全体で見ると、グループ 6 の「なら」
・グループ 5 の「ば」
・グループ 5 の「なら」・グルー
プ 6 の「と」の正解率が 90%以上で、80%以上の項目含めると 28 問中 10 問あった。
56
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
表 5 各群と全体の正解率の順位
A
B
全体
#
G
JC
A
%
G
JC
A
%
G
JC
A
%
1
1
ば
C
100
6
なら
C
93.8
6
なら
C
97.0
2
5
なら
I
100
2
と
I
87.5
5
ば
I
90.9
3
6
なら
C
100
4
たら
C
87.5
5
なら
I
90.9
4
5
ば
I
94.1
5
ば
I
87.5
6
と
I
90.9
5
6
と
I
94.1
5
たら
C
87.5
2
と
I
87.9
6
2
ば
C
88.2
6
と
I
87.5
4
たら
C
87.9
7
2
と
I
88.2
7
たら
C
87.5
1
ば
C
84.8
8
3
たら
C
88.2
2
なら
C
81.3
3
たら
C
84.8
9
4
なら
C
88.2
3
たら
C
81.3
4
なら
C
84.8
10
4
たら
C
88.2
4
なら
C
81.3
5
たら
C
84.8
11
6
たら
I
88.2
5
なら
I
81.3
2
なら
C
78.8
12
1
と
C
82.4
7
と
I
75.0
6
たら
I
78.8
13
3
ば
C
82.4
1
ば
C
68.8
7
たら
C
78.8
14
4
と
I
82.4
1
なら
C
68.8
2
ば
C
75.8
15
5
たら
C
82.4
4
と
I
68.8
4
と
I
75.8
16
1
なら
C
76.5
6
たら
I
68.8
1
なら
C
72.7
17
1
たら
C
76.5
2
ば
C
62.5
3
ば
C
72.7
18
2
なら
C
76.5
3
ば
C
62.5
7
と
I
72.7
19
2
たら
C
70.6
3
と
I
62.5
1
と
C
69.7
20
6
ば
I
70.6
7
ば
I
62.5
1
たら
C
66.7
21
7
と
I
70.6
1
と
C
56.3
3
と
I
63.6
22
7
たら
C
70.6
1
たら
C
56.3
7
ば
I
63.6
23
3
と
I
64.7
3
なら
I
56.3
2
たら
C
60.6
24
7
ば
I
64.7
2
たら
C
50.0
3
なら
I
54.5
25
5
と
C
58.8
5
と
C
43.8
5
と
C
51.5
26
7
なら
I
58.8
7
なら
I
37.5
6
ば
I
51.5
27
3
なら
I
52.9
4
ば
I
31.3
7
なら
I
48.5
4
ば
I
47.1
6
ば
I
31.3
4
ば
I
39.4
28
(# =順位、G =条件文のグループ、JC =日本語条件文の項目、A =正文 / 非文、%=正解率)
最後に、4 つの条件文の項目(
「ば」
・
「と」・「なら」
・「たら」
)にまとめた正解率を示し
たものが表 6 である。4 つとも A 群の方が B 群より正解率は高く、特に「ば」は 20 ポイン
とも差があった。
「たら」は比較的使用範囲が広いので、正解率が高かった可能性がある
が、
「ば」は後続文の制約があるため(稲葉 1991b)、この 4 つの中では習得が進まない項
目ということが言える。
57
国際教育センター紀要 第 11 号
表 6 条件文別の各群と全体の正解率(%)
ば
と
なら
たら
A
B
78.2
58.0
77.3
66.8
79.0
71.4
80.7
74.1
全体
68.4
73.2
75.3
77.5
4.2 確信度スケール
ここでは、自分の答えに対してどれくらい確信があるかという確信度スケールを用い、
正解率との関係から日本語の条件文の習得を調べた。そして、4 と 5 の確信度スケールを
高確信度、3 を中確信度、2 と 1 を低確信度として、以下の結果と考察を述べる。
4.2.1 レベル別
表 7 は文法正判断テストの解答時につけた確信度スケール3)の平均をまとめたものであ
る。A 群は平均が 3.93 と、B 群の 3.74 よりもより高い確信度を持って答えていたことが分
かった。さらに、正文を正文と判断した(C →[C])時の確信度スケールと、非文を非文
と判断した(I →
[I]
)時の確信度スケールとを比較すると、後者の方の確信度スケールの
方が若干高かった。A 群は正文を正文と判断した時と非文を非文と判断した時の 2 つとも、
高確信度を持って解答し、B 群は A 群ほど高くはないが中確信度で解答していたことが分
かる。
表 7 解答時の確信度スケールと正文と非文に対する確信度スケールの平均
確信度スケール
C →[C]
I →[I]
A
B
3.93
3.72
4.00
3.74
4.05
3.92
全体
3.83
3.90
3.99
(C →[C]=正文を正文と判断、I →[I]=非文を非文と判断)
表 8 は文法判断テストでの確信度スケールの平均を高い順に並べたものである。確信度
スケールが比較的高い高確信度の項目を見ると、A 群は 11 の項目が該当している。その
うち 8 項目が正文を正文と判断したケースである。一方、B 群は該当項目が 6 つあり、4 項
目が A 群同様正文を正文と判断したケースであった。また、A・B 群に共通する項目とし
て、グループ 6 の「なら」・グループ 7 の「たら」・グループ 2 の「ば」(いずれも正文を正
文と判断したケース)で、確信度スケールが 4 以上あった。A・B 群とも 2 以下の低確信度
のケースはなかった。
58
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
表 8 各群と全体の確信度スケールの順位
A
B
全体
#
G
JC
A
CS
G
JC
A
CS
G
JC
A
CS
1
5
なら
I
4.65
6
なら
C
4.38
6
なら
C
4.48
2
6
なら
C
4.59
7
たら
C
4.19
7
たら
C
4.27
3
1
たら
C
4.41
7
と
I
4.06
5
なら
I
4.06
4
1
ば
C
4.35
2
ば
C
4.00
4
たら
C
4.03
5
7
たら
C
4.35
2
なら
C
4.00
2
ば
C
4.00
6
5
ば
I
4.29
3
と
I
4.00
6
と
I
4.00
7
4
たら
C
4.24
6
と
I
3.94
3
と
I
3.97
8
2
たら
C
4.12
6
たら
I
3.94
1
ば
C
3.94
9
5
たら
C
4.06
2
と
I
3.88
1
たら
C
3.94
10
6
と
I
4.06
4
たら
C
3.81
7
と
I
3.94
11
2
ば
C
4.00
1
と
C
3.75
5
ば
I
3.91
12
3
と
I
3.94
1
なら
C
3.69
6
たら
I
3.91
13
7
なら
I
3.94
3
たら
C
3.69
2
たら
C
3.85
14
4
と
I
3.88
4
と
I
3.69
2
と
I
3.82
15
6
たら
I
3.88
6
ば
I
3.69
7
なら
I
3.82
16
1
と
C
3.82
7
ば
I
3.69
1
と
C
3.79
17
4
ば
I
3.82
7
なら
I
3.69
2
なら
C
3.79
18
7
と
I
3.82
3
なら
I
3.63
4
と
I
3.79
19
2
と
I
3.76
2
たら
C
3.56
6
ば
I
3.73
20
4
なら
C
3.76
3
ば
C
3.56
5
たら
C
3.67
21
6
ば
I
3.76
1
ば
C
3.50
3
たら
C
3.64
22
5
と
C
3.71
4
なら
C
3.50
4
なら
C
3.64
23
2
なら
C
3.59
5
ば
I
3.50
7
ば
I
3.64
24
3
たら
C
3.59
1
たら
C
3.44
4
ば
I
3.58
25
7
ば
I
3.59
5
と
C
3.44
5
と
C
3.58
26
1
なら
C
3.41
5
なら
I
3.44
1
なら
C
3.55
27
3
なら
I
3.41
4
ば
I
3.31
3
なら
I
3.52
28
3
ば
C
3.35
5
たら
C
3.25
3
ば
C
3.45
(# =順位、G =グループ、JC =条件文、A =正解、CS =確信度スケール)
最後に、4 つの条件文(
「ば」
・
「と」
・
「なら」
・「たら」
)のみの正解率を示したものが表
9 である。4 つとも A 群の方が B 群より正解率は高く、特に「ば」は 20 ポインとも差があっ
た。表 6 でも述べたが、
「ば」はモダリタィー制約や継起性等の後続文に制約があるため、
他の条件文の項目ほど確信が持てないことも考えられる。また、
「たら」では他の項目よ
り低い結果になった。これは、広く範囲で使用できる「たら」の特性を理解できていない
可能性がある。
59
国際教育センター紀要 第 11 号
表 9 条件文別の各群の確信度スケールの平均
ば
と
なら
たら
A
B
4.03
3.57
3.90
3.86
4.16
3.81
4.20
3.76
全体
3.80
3.88
3.99
3.98
条件文のグループ別の確信度スケールを示したものが表 10 である。正文を正文、また
は非文を非文と判断した正判断 4)には、確信度スケールで記入した数字を得点として与
え、正文を非文、または非文を正文と判断した場合の誤判断に対しては、確信度スケール
で記入した数字をマイナスの得点として引いて Index とした。つまり、Index の数字が高
いほど、Index の数字が大きければ大きいほど、正しい習得がなされていると考えること
ができる。
表 10 から分かることは、A 群ではグループ 5・1・2・4 の順序で正判断が 3 以上の確信
度スケールがあり、誤判断も数字が小さく Index は 2 以上あった(特に、グループ 5[Index:
2.94]
・グループ 1[Index: 2.88]
)
。一方、グループ 3 は正判断の確信度スケールより誤判
断の確信度スケールの方が大きかった(Index: − 1.43)
。表 3 から、グループ 6 は正解率が
A 群で一番高かったにもかかわらず、正判断時の確信度スケールが 2.31 と低いのは、この
グループは文法的には正誤の判断はできるが、その判断に自信がないのではないかと考え
られる。
B 群ではグループ 2・5・4 の順序で正判断が 2.5 以上の確信度スケールがあり、誤判断
も数字が小さかったが、グループ 5 のみ Index が 2.00 にとどまった。一方、グループ 3 は A
群同様正判断の確信度スケールより誤判断の確信度スケールの方が大きかった(Index: −
0.45)
。表 3 と比較すると、グループ 5 は正解率が高く、また誤判断の確信度スケールが低
いので、Index が B 群では一番高くなっている。これは、B 群の中で一番習得が進んでい
るグループだと考えてもいいだろう。
A 群と B 群を比較すると、A 群の方が正判断と誤判断が B 群よりも数字が高いことから、
日本語のレベルの高い群の方が習得が進んでいると思われる。
A 群・B 群ともグループ 3 の Index がマイナスになっているが、正解率(A 群:72.1%、B 群:
65.6%)の割には誤判断の確信度スケールが高い。つまり、高い確信度で誤判断した項目
だと思われるので、このグループは正しい文法の説明が必要な項目だと考えられる。
全体では、グループ 5 のみが正判断の確信度スケールが 3 以上で Index が 2.48 とよく、
グループ 2 が Index が 2.08 と続いた。一方、グループ 6 では、グループ 5 同様正解率は
79.5%と同率であったが(表 3)
、グループ 6 の Index は 0.89 とグループ 5 と比較すると、か
なり低いことが分かる。これは、
正判断できたにも関わらず確信度スケールが低いことと、
誤判断した時の確信度スケールが高いことから、グループ 6 はまだ正しく習得されていな
60
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
いグループだということが推測される。
表 10 グループ別の各群の Index
A
B
全体
G
C→C
I→I
C→I
I→C
Index
C→C
I→I
C→I
I→C
Index
C→C
I→I
C→I
I→C
Index
1
2
3
4
5
6
7
3.44
3.18
1.35
3.04
3.56
2.31
2.74
0.56
0.69
2.78
0.88
0.62
1.26
1.60
2.88
2.49
− 1.43
2.16
2.94
1.04
1.13
2.27
2.75
1.53
2.50
2.70
2.19
1.95
1.33
1.11
1.98
1.08
0.70
1.53
1.63
0.94
1.64
− 0.45
1.42
2.00
0.66
0.33
2.87
2.97
1.39
2.78
3.14
2.27
2.36
0.93
0.89
2.44
0.98
0.66
1.38
1.61
1.94
2.08
− 1.05
1.80
2.48
0.89
0.74
平均
2.89
1.11
1.78
2.39
1.29
1.11
2.65
1.20
1.44
(C → C/I → I =正判断、C → I/I → C =誤判断、Index =正判断の確信度スケール―誤判断の確信度スケール)
表 10 の各グループの条件文の項目を Index の高い順に並べたものが、表 11 である。A 群
から見ていくと、グループ 5 の「なら」
、グループ 6 の「なら」
、グループ 1 の「ば」は正
解率が 100%だったので、確信度スケールがそのまま Index になり高い数字の項目となっ
た。これは正しく習得が進んでいるということができる。次に、グループ 5 の「ば」
、グ
ループ 6 の「と」は、正解率は 2 つとも 94.1%あるにもかかわらず、Index がそれぞれ 2.44
と 2.19 とあまり高くない。そして、A 群にもマイナスの Index の項目が 5 つあり、これら
の項目は表 1 の D「正解率:低、確信度スケール:低」の項目に当てはまり、まだ学習さ
れていないか、規則がない項目だということができる。特にグループ 5 の「と」は、正解
率も 58.8%とそれほど高くなく、また解答時の確信度スケールも A 群では比較的下位の部
類に入るので、とりわけ教授による練習がより必要となってくる項目である。
次に、B 群にはグループ 6 の「と」の 2.21 が最大値になった。この群にはマイナスの項
目が 7 つあり、これらの項目も表 1 でいう、D「正解率:低、確信度スケール:低」の項
目と言える。
最後に全体を見ると、両群に共通して Index の高い項目は、グループ 5 の「なら」、グルー
プ 5 の「ば」
、グループ 6 の「と」、グループ 5 の「たら」が該当し、習得が進んでいる項
目ということが分かった。反対に Index が低い項目は、マイナスを示しているグループ 6
の「なら」
、グループ 5 の「と」、グループ 1 の「と」、グループ 4 の「ば」がそれに当たる。
61
国際教育センター紀要 第 11 号
表 11 各群と全体の Index の順位
A
B
全体
#
G
JC
A
Index
G
JC
A
Index
G
JC
A
Index
1
5
なら
I
4.65
6
と
I
2.21
5
なら
I
2.63
2
6
なら
C
4.59
5
なら
I
2.18
5
ば
I
1.73
3
1
ば
C
4.35
5
たら
C
1.43
6
と
I
1.47
4
5
ば
I
2.44
6
たら
I
1.36
6
たら
I
1.15
5
6
と
I
2.19
5
ば
I
1.14
5
たら
C
1.02
6
2
ば
C
1.13
4
と
I
1.00
1
ば
C
0.87
7
3
なら
I
1.01
2
なら
C
0.82
3
と
I
0.87
8
6
たら
I
1.00
3
と
I
0.80
7
と
I
0.83
9
3
と
I
0.94
7
たら
C
0.79
3
なら
I
0.82
10
7
と
I
0.88
7
と
I
0.75
4
と
I
0.71
11
5
たら
C
0.88
3
なら
I
0.60
4
たら
C
0.60
12
1
なら
C
0.87
1
ば
C
0.44
1
なら
C
0.60
13
1
たら
C
0.87
3
たら
C
0.44
1
たら
C
0.59
14
3
ば
C
0.83
2
と
I
0.43
7
たら
C
0.53
15
4
たら
C
0.83
1
なら
C
0.42
3
たら
C
0.51
16
7
たら
C
0.50
4
たら
C
0.36
2
と
I
0.36
17
2
たら
C
0.45
7
ば
I
0.30
7
ば
I
0.35
18
7
ば
I
0.39
4
なら
C
0.21
2
ば
C
0.33
19
7
なら
I
0.39
6
ば
I
0.16
4
なら
C
0.28
20
2
と
I
0.30
1
たら
C
0.02
2
なら
C
0.27
21
4
なら
C
0.30
2
ば
C
0.00
7
なら
I
0.23
22
4
と
I
0.26
5
と
C
− 0.02
6
ば
I
0.20
23
6
ば
I
0.23
7
なら
I
− 0.03
3
ば
C
0.17
24
4
ば
I
− 0.14
4
ば
I
− 0.16
2
たら
C
0.13
25
2
なら
C
− 0.21
3
ば
C
− 0.17
4
ば
I
− 0.06
26
1
と
C
− 0.21
2
たら
C
− 0.38
1
と
C
− 0.30
27
3
たら
C
− 0.47
1
と
C
− 0.44
5
と
C
− 0.46
28
5
と
C
− 0.99
6
なら
C
− 0.67
6
なら
C
− 0.53
(#=順位、G=グループ、JC=条件文、A=正解、Index=正判断の確信度スケール―誤判断の確信度スケール)
4.3 正解率と確信度スケールとの相関関係
ここまで正解率と確信度スケールの 2 つの尺度を別々に見てきたが、その 2 つの尺度の
間に相関関係があるか、さらに深く見ていく。
調査協力者全体で正解率と解答時の確信度スケールとの間に相関があるか調べた。相関
係数は 0.504 であり、1%水準で統計的に有意だった。したがって、調査協力者全体を対象
にした場合、
正解率が高ければ高いほど、
確信度スケールも高くなるということが言える。
62
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
次に、A 群、B 群のレベル別に、正解率と確信度スケールとの間に相関があるか調べた。
相関係数は、それぞれ A 群 0.478、B 群 0.377 であり、5%水準で統計的に有意だった。し
たがって、調査協力者をレベル別に見た場合、正解率が高ければ高いほど、確信度スケー
ルも高くなると言える。
正解率と正判断の確信度スケールとの間に相関があるか調べた。調査協力者全体では相
関係数は 0.476 であり、5%水準で統計的に有意だった。したがって、調査協力者全体を対
象にした場合、正解率が高ければ高いほど、正解時の確信度スケールも高くなるというこ
とが言える。次に、A 群、B 群のレベル別に、正解率と確信度スケールとの間に相関があ
るか調べた。相関係数は、それぞれ A 群 0.387、B 群 0.476 であり、5%水準で統計的に有
意だった。したがって、調査協力者をレベル別に見た場合、正解率が高ければ高いほど、
正解時の確信度スケールも高くなると言える。
解答時の確信度スケールと正判断の確信度スケールとの間に相関があるか調べた。調査
協力者全体では相関係数は 0.897 であり、1%水準で統計的に有意だった。したがって、
調査協力者全体を対象にした場合、正解率が高ければ高いほど、正解時の確信度スケール
も高くなるということが言える。次に、A 群、B 群のレベル別に、正解率と確信度スケー
ルとの間に相関があるか調べた。相関係数は、それぞれ A 群 0.907、B 群 0.879 であり、1%
水準で統計的に有意だった。したがって、調査協力者をレベル別に見た場合、解答時の確
信度スケールが高ければ高いほど、正判断の確信度スケールもかなり高くなると言える。
次に、A 群と B 群との間の正解率、解答時の確信度スケール、正判断の確信度スケール
の相関を調べた。正解率においては、
相関係数は 0.712 であり、1%水準で統計的に有意だっ
た。したがって、プレースメントテストで上位の群の方が正解率がより高くなるというこ
とが言える。次に、解答時の確信度スケールと正判断の確信度スケールであるが、相関係
数はそれぞれ 0.105 と 0.239 であり、実験群間にはほとんど相関がないことが分かった。し
たがって、解答時の確信度スケールと正判断の確信度スケールにおいては、A 群と B 群に
統計的に違いがないことが言える。
5.まとめ
正解率から見ていくと、グループ別ではグループ 7(「と」だけ正文)の正解率が低く、
項目別に見ると「ば」が他の項目より正解率が低く、特に B 群では顕著であった。解答
時の確信度スケールでは、A 群は「ば」
「なら」「たら」で高確信度をつけていたが、B 群
は高確信度になった項目はなかったが、「と」の確信度が他のものよりわずかであるが高
かった。正判断の確信度スケールを見ると、グループ 3(「なら」だけ非文)の数字が A 群・
B 群とも低かった。反対に「たら」を含むグループ(1・2・4・5)は確信度スケールが高
63
国際教育センター紀要 第 11 号
かった。
正解率と確信度スケールから 2 つの尺度の関係を見ていくと、次のような結果になった。
⑴実験群内で見ると、正解率、解答時の確信度スケール、正判断の確信度スケールの相関
関係が統計的に有意なことが分かった。特に、解答時の確信度スケールと正判断の確信度
スケールとの間には、A 群・B 群とも強い相関があることが分かった。⑵ A 群と B 群との
間には、正解率においては強い相関が見られたが、2 つの確信度スケールにはほとんど相
関が見られなかった。
本稿は、Ellis(1991)が挙げた文法性判断テストの 4 つのタスクのうちの「正文 / 非文
を区別する」のみをタスクとした。それに加え、確信度スケールを使うことによって、日
本語学習者の直感もある程度習得状況を説明する上で、大事な手がかりになると言える。
そのことから、教室活動にフィードバックできることを考えてみると、教室で使う時間は
限られているので、本稿で判明したような正解率も確信度スケールも高いような項目に対
してはあまり時間をかけずに、正解率が低く確信度が高い項目は時間を割いて説明し練習
する必要がある。また正解率が高いが確信度スケールがあまり高くない項目に対しては、
質問文が正文か非文かを選択する二択なので、たまたま正解になったことも考えられる。
そのため、そのような文法項目を学習者が積極的に使えるような教材や練習などに採用し
て、正しく使えるという自信をつけさせる必要がある。最後に、正解率も確信度スケール
も低い項目は、学習者の中に文法が存在しないか、日本語の条件文としては比較的難しい
項目だと考えられるので、適切な教材や十分な練習を通して気づきを促し文法規則を構築
できるような教室活動を作ることが必要だと考えられる。
6.おわりに
本稿では、文法性判断テストを正解率と確信度スケールの 2 つの尺度を用いて、日本語
の条件文の習得状況を調査した。調査で使用した条件文のグループや質問文よりも適切
なものがあると思われるが、2 つの尺度を用いることによって日本語の条件文の習得状況
の一部が明らかになったと思われる。習得状況をさらに深く調査するのであれば、Ellis
(1991: 162―163)が挙げたようなタスク5)を使うことは適切な方法と思われる。しかし、
調査するタスクの種類や質問文が多ければ多いほど、調査協力者がタスクに疲れたり集中
できなかったり、
マイナスの面も出てくる。これからはポスト・テストとしてインタビュー
を行う質的研究や、被験者を増やし母語の違う実験群を設ける量的研究など、両方面から
第二言語習得状況に光を照らし研究成果を比較できるような研究を考えていきたい。
64
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
謝辞
本稿は、花城(2001)を基にしたが、本稿を書くにあたり大幅にデータを見直したものである。
ここに調査に協力していただいた学生のみなさんに感謝申し上げる。
(注)
1) 前田(1995:483―489)では「ば、と、なら、たら」の 4 形式の用法の重なりとして、実際
に 10 通りの場合が可能であるとしているが、パイロット・スタディーの結果 7 グループに分
類した。
2) 本稿の文法性判断テストは、文法的に正文か非文かに焦点をあて、意味による違いには触れ
ない。
3)4) 確信度スケールを解答時につけたものと正判断したものと区別したのは、調査協力者の
質問文に対する直感と正判断の比較によって習得状況が説明できると考えたからである。
5) タスクの種類については、
「2.1 文法性判断テストの先行研究」を参照のこと。
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国際教育センター紀要 第 11 号
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66
文法性判断テストを使った条件文の習得状況
資料 文法性判断テスト
#
G
JC
A
Q
1
1
ば
C
携帯電話があれば、いつでも話すことができます。
2
1
と
C
携帯電話があると、いつでも話すことができます。
3
1
なら
C
携帯電話があるなら、いつでも話すことができます。
4
1
たら
C
携帯電話があったら、いつでも話すことができます。
5
2
ば
C
その中古車が安ければ、すぐ買った方がいいです。
6
2
と
I
その中古車が安いと、すぐ買った方がいいです。
7
2
なら
C
その中古車が安いなら、すぐ買った方がいいです。
8
2
たら
C
その中古車が安かったら、すぐ買った方がいいです。
9
3
ば
C
この道を右に行けば、キャンベラ・センターが見えます。
10
3
と
C
この道を右に行くと、キャンベラ・センターが見えます。
11
3
なら
I
この道を右に行くなら、キャンベラ・センターが見えます。
12
3
たら
C
この道を右に行ったら、キャンベラ・センターが見えます。
13
4
ば
I
休みに日本へ帰れば、メールを送ってください。
14
4
と
I
休みに日本へ帰ると、メールを送ってください。
15
4
なら
C
休みに日本へ帰るなら、メールを送ってください。
16
4
たら
C
休みに日本へ帰ったら、メールを送ってください。
17
5
ば
I
自分の部屋にもどれば、電話がなった。
18
5
と
C
自分の部屋にもどると、電話がなった。
19
5
なら
I
自分の部屋にもどるなら、電話がなった。
20
5
たら
C
自分の部屋にもどったら、電話がなった。
21
6
ば
I
新しいコンピューターを買えば、あの店がいいでしょう。
22
6
と
I
新しいコンピューターを買うと、あの店がいいでしょう。
23
6
なら
C
新しいコンピューターを買うなら、あの店がいいでしょう。
24
6
たら
I
新しいコンピューターを買ったら、あの店がいいでしょう。
25
7
ば
I
あなたがシドニーに着けば、電話して下さい。
26
7
と
I
あなたがシドニーに着くと、電話して下さい。
27
7
なら
I
あなたがシドニーに着くなら、電話して下さい。
28
7
たら
C
あなたがシドニーに着いたら、電話して下さい。
(G:グループ、JC:日本語条件文の項目、A:正解、Q:質問文、C/I:正文 / 非文)
67
国際教育センター紀要 第 11 号
Acquisition of Japanese conditionals through grammaticality
judgment tests for learners of Japanese as a second language.
Yoshitake HANASHIRO
Abstract
In this study, a grammaticality judgment test involving two measurements, accuracy
percentage and the self-confidence scale, was conducted to investigate the use of
Japanese conditionals in second language acquisition. While many researchers studying
second language acquisition have examined the rate of accuracy closely, the selfconfidence scale may account for the learners’ confidence in their judgments in second
language acquisition. The investigation involved native English speakers of learning
Japanese in an Australian university. The results revealed that the subjects showed a
high level of confidence when answering questions correctly as well as incorrectly. This
paper suggests that teachers of Japanese language should focus on teaching the rules
related to various groups of Japanese conditionals, based on these accuracy and selfconfidence scores. Teachers should also reconstruct the linguistic features for which
this study observed a pattern of very confident wrong answering in order to improve the
process of learning Japanese as a second language.
Keywords: Japanese conditionals, grammaticality judgment test, accuracy percentage,
self-confidence scale
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