UNODCで働くために - 外務省 国際機関人事センター

UNODCで働くために
国連薬物犯罪事務所
United Nations
Office on
Drugs and Crime
外務省総合外交政策局
国際安全・治安対策協力室
在ウィーン国際機関日本政府代表部
外務省国際機関人事センター
外務省国際機関人事センターでは、国際機関への就
職を目指す日本人の方の採用に向けた支援に関連す
る業務を行っています。
http://www.mofa-irc.go.jp
2
目次
 UNODCで働くこととは
・・・3
 UNODCとは
 UNODCについて
 日本とUNODC
・・・4
・・・5
 UNODCの組織と業務
 UNODCの組織
 UNODCで働く日本人
・・・6
・・・7
 UNODCで働くために
 応募の実例
 応募資格・求められる人材
 応募方法
・・・8
・・・9
・・・10
3
UNODCで働くこととは
名前
後藤佳世子さん
肩書
事業局副局長(局長代行)
兼同局統合プログラム・監
視部長
私の勤務するUNODCは、ウイーンに本部を置く、麻薬犯
罪防止を使命とする国連機関です。同分野の条約批准と実施
に向けたサポートや、組織犯罪、汚職、テロの防止、刑事司
法整備、薬物乱用対策を中心に、リサーチや対加盟国への技
術協力を行う活動をしています。
そのため、法律の専門家、特に裁判官や検察、警察、税関
分野の出身者等、専門性の高い人材が多く登用されています
が、技術協力や条約会議の運営、人事財務などの管理部門等
の非法律職種も多く存在します。例えば、私の所属する事業
局では、各国・地域事務所の運営や、150カ国で展開する
技術協力活動を統括しており、戦略的計画作りから細かな予
算管理まで、プログラムの企画運営を一手に担うことの出来
る有能な“ジェネラリスト”達が働いています。
ですから、法律治安分野の専門家はもちろん、開発や平和
構築活動の経験をお持ちの若手プロフェッショナル達にも活
躍のチャンスのある職場だと思います。多くの方に、UNODC
の活動に興味を持っていただければ幸いです。
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UNODCとは
 UNODCについて
 役割と機能:UNODCは、国連事務局の
一部局(在ウィーン)であり、不正薬物、
犯罪、国際テロリズムの問題に包括的に取
り組むことを目的としています。
1997年に、国連薬物統制計画と犯罪
防止刑事司法計画が統合されて、国連薬物
統制犯罪防止事務所(UNODCCP)が
設置され、その後2002年に改称されて、
現在のUNODCとなりました。
主な業務は、不正薬物と犯罪に関する調査・分析を行うこと、国
連加盟国の不正薬物、犯罪、テロリズムに関する各条約の締結・実
施と国内法整備を支援すること、国連加盟国に対し、不正薬物、犯
罪、テロリズム対策における能力向上のための技術協力を提供する
ことです。UNODCは、国連経済社会理事会の機能委員会である
麻薬委員会、犯罪防止刑事司法委員会と、国際麻薬統制委員会の事
務局を務めているほか、国際組織犯罪防止条約や国連腐敗防止条約
の事務局ともなっています。
 職員数:425人(2011年8月現在)
(うち専門職(P)以上305人)
【職員出身上位国】(専門職以上)
オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イン
ド、イタリア、日本、スペイン、スウェーデン、イギリス、アメリカ
(注)自国出身の職員数が全体の2%以上を占める国。アルファベット順
 所在地(勤務地):本部(オーストリア・ウィーン)、各国・地域
事務所(プロジェクト・オフィス 等を含む。)53カ所
 主要なポスト(D2以上):事務局長(1名)、局長(4名)
UNODCについての詳細は、以下に掲載されています。
http://www.unodc.org
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 日本とUNODC
 活動の意義:日本は、国際社会における不正薬物、犯罪、国際テ
ロリズムの問題への取り組みを重視しており、UNODCの主な
活動である調査・分析、国連加盟国の関連条約の締結・実施促進
のための国内法整備支援、各国の法執行能力向上のための技術支
援に協力してきました。
 日本の重点分野:UNODCは、不正薬物対策実施のための国連
薬物統制計画基金と、犯罪・テロリズム対策実施のための犯罪防
止刑事司法基金の2つの内部基金を有しています。日本は、国連
薬物統制計画基金に対し、東南アジアや中央アジア諸国の薬物対
策のための事業に拠出し、犯罪防止刑事司法基金では、東南アジ
ア諸国での人身取引対策、腐敗対策、テロ防止関連条約締結促進
のための事業などに拠出しています。
また、UNODCの事業に方向性を与える麻薬委員会と犯罪防
止刑事司法委員会では、これらの議論に積極的に参加しており、
犯罪防止刑事司法委員会では、同委員会が発足した1992年以
降、一貫して委員国を務めています。麻薬委員会でも、1961
年以降、2009年まで委員国を務め、2012年から再び委員
国に選ばれています。
日本人職員数
2007
D2
D1
P5
P4
P3
P2
計
2008
1
1
1
1
4
1
9
(注)P1は、原則存在しない。
2009
1
1
1
1
4
1
9
2010
1
1
1
2
3
1
9
2011
0
1
1
2
3
0
7
各年1月1日現在
0
1
1
2
2
0
6
6
UNODCの組織と業務
 UNODCの組織
事務局長
事業局
統合プログラ
ム・監視部
フィールド
事務所
薬物防止・
保健部
司法課
条約局
政策分析・
広報局
組織犯罪・
政策分析・
不正取引部
調査部
腐敗・経済
犯罪部
テロ防止部
国際薬物統制
委員会事務局
広報課
資金調達課
管理局
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 UNODCで働く日本人
・カブール事務所 シニア・プログラム・コーディネーター
加藤美和さん
違法薬物取り締まり、犯罪防止をコア・マンデート
とするUNODCの活動は、国際社会の規範設定、調査・
分析等、多岐にわたりますが、中でも、途上国が違法
薬物を含む犯罪から受ける影響を食い止めるために行
う「フィールド技術支援」が、活動の中核をなしてい
ます。例えば、世界の不法ケシ栽培の8-9割を生産
しているアフガニスタンにおいては、麻薬取締り警察
の訓練、司法制度の整備、ケシの栽培地域での代替開
発、薬物の需要削減、薬物乱用防止等の、国内対策を
支援しています。また、不正薬物問題は、典型的な越
境犯罪で、周辺国への影響も多大であり、一カ国内の
みで対応を講じても成果が上がらないため、地域レベ
ルでの支援が必要です。 そこで、現在、地域レベルで
の取組を促進することが新たに求められています。
地域の国同士が異なる国益の利害関係を乗り越え、共通の課題である不法薬物取
締りの対策を講じ、被害を受ける人々に支援を効率的に行うよう働きかける仕事は、
困難でもありますが、とてもやりがいのある仕事です。とかく、高度に専門的で特
定したスキルのある人しか貢献できないと捕らえられがちなUNODCの仕事ですが、
苦境に直面する人や国を支援するという国連の第一の使命に情熱を持つ様々なバッ
クグラウンドの方が、UNODC の仕事に参加してくださればと願います。
・事業局 司法課 犯罪防止・刑事司法担当官(補)
山本弘行さん(JPO)
当課では、国家の刑事司法制度(警察、検察、弁護
士、裁判所、刑務所、犯罪被害者支援)の整備や発展
を支援するため、人材育成の支援、規範やガイドライ
ンの作成、最良の方策・事例の蓄積を行っています。
私は、特に、特定の犯罪の傾向や状況の分析、警察
活動に関する規範やガイドラインの作成、警察改革・
能力向上プロジェクトを実施している世界各地の現地
事務所の支援を担当しています。時には、プロジェク
トの現場に赴き、プロジェクトの成果の視察、現地関
係者からの意見(教訓)の聴取を行います。
国家と国民を犯罪から守るという重要な役割を担う警察組織への支援は繊細であり、
組織構造や警察を取り巻く環境は国によって異なるので、その国のニーズを的確に見
極める必要があります。従って、現地政府・警察との信頼関係やコミュニケーション、
そして、その国の文化や情勢などの理解が重要です。援助受け入れ国のニーズに応え、
その国の特徴を考慮しながら支援方法を作り上げるのは非常にやりがいを感じます。
8
UNODCで働くために
 応募の実例
•
事業局 統合プログラム・監視部 南アジア・東アジア・太平洋地域
課長
山田成美さん
アメリカの大学で学士号(社会学、政治学)、日本の大学院で修士
号(行政学・国際関係)を取得し、大学院在学中の日本の大学院での
職務及びその後の私企業(マネジメント・コンサルティング)での勤
務経験を経て外務省のJPO(AE)制度により国際労働機関(IL
O)で勤務。正規職員となり、ILOジュネーブ本部で勤務の後、国
連薬物乱用統制基金(1991年に国連薬物統制計画に改組、200
2年にUNODCに統合)に採用された。ウィーン本部アジア課、駐
タイ東アジア太平洋地域センター次席代表、駐ベトナムオフィス代表
等を経て、近年ウィーン本部に戻り、2010年より品質制御監査課
長を経て、2011年9月現在のポストに至る。
品質制御・監査のポストでは各地域で開発施行中のプログラムの質
の向上、制御、各地域オフィスから提出されてくるプログラム・プロ
ジェクトを本部として最終審査・承認するとともに、世界各地で運営
されているプログラムを統合的にモニターする初のシステムを立ち上
げ実行にうつしました。現在のポストはアジア各地の地域オフィスと
一体となって南アジア及び東アジア太平洋地域の援助プログラムの開
発実施を促進し効果的な成果を上げるようリードする役割です。長年
関わってきたアジア地域での援助プログラム運営管理経験を活かして
ダイナミックなプログラムの戦略的且つ統合的な計画と施行に携わり
国連が目指す平和、安全、開発に微力なりとも貢献したいと願ってい
ます。
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 応募資格・求められる人材
 国際機関では、「語学力」「学位(原則として修士号以上)」「専門性」が
あることが、応募の前提となっています。
 語学力:英語もしくは仏語で業務遂行可能なこと
 学位:応募するポストと関連する分野で(原則として)修士号以上の学位
を取得していること
 専門性:応募するポストと関連する職務経験が一定以上あること
 UNODCの求める職員
 検察・警察など刑事司法又は薬物乱用対策を担当した経歴を有するスペ
シャリストの職員
 専門的知識を政策・支援プログラムに転換してゆくジェネラリストの職員
(薬物・犯罪対策は、幅広い人材が求められており、必ずしも薬物や犯罪
の知識を要求されるとは限らない。)
 フィールド事務所のポストによっては、プロジェクト管理能力を求められ
る。
 UNODC職員に求められる資質
 法律・政治・開発経済等関連社会科学分野の修士号、又はそれに相応する
勤務経験(特に警察関連のポストにおいては、実務経験が学歴に代わり考
慮される場合がある。)
 高い言語能力(英語で足りるが、他の国連公用語又は途上国の言語で仕事
ができれば有利)
 高いコミュニケーション能力
 募集の多い職種は以下のとおりです。
薬学、刑事政策、法律等の専門家のほか、プロジェクト管理部門の募集も多
く、具体的には、以下のような職種があります。
 Drug Control and Crime Prevention Officer (薬物犯罪対策官)
 Programme Management Officer (プログラム・マネージャー)
 Law Enforcement Officer/Adviser(法執行官)
 Legal Officer/Expert(法律家)
 Drug Demand Reduction Expert(薬物需要削減の専門官。医師・ソー
シャルワーカー・教育者等)
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 応募方法
UNODCで働くためには、以下の方法があります。
 JPO派遣制度への応募
外務省では、将来的に国際機関で勤務する正規の職員を志望する若
手の日本人を対象に、派遣に係る経費を負担し、一定期間(原則2年
間)各国際機関へ職員として派遣し、国際機関の正規職員となるため
に必要な知識・経験を積む機会を提供する目的で、JPO派遣制度を
実施しております。
JPOは派遣期間終了後、引き続き正規職員として派遣先機関やほ
かの国際機関に採用されることが期待されますが、自動的に国際機関
の正規職員になることが保証されるものではありません。派遣期間終
了後に正規職員となるためには、通常の手続きに従って空席ポストに
応募して採用される必要があります。
JPOとして派遣されるためには、外務省で実施しているJPO派
遣候補者選考試験に合格する必要があります。JPO派遣候補者選考
試験は、通常年1回実施しています。募集要綱は、国際機関人事セン
ターのホームページに掲載されます。
<応募資格>
(1)35歳以下(受験年の4月1日現在)であること。
(2)外務省として派遣可能な国際機関に関連する分野における大学
院修士課程を修了し、当該分野に関連する職種において2年以上
の職務経験を有すること。
(3)英語で職務遂行が可能であること。
(4)将来にわたり国際機関で働く意思を有すること。
(5)日本国籍を有すること。
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 UNODCによる採用
UNODCによる採用は、国連事務局の制度に従っており、採用に関する情報
は、以下に掲載されています。
http://www.unodc.org/unodc/en/about-unodc/employment.html
具体的には以下の方法があります。
 空席公告への応募
職員の退職、転任、転出、あるいはポストの新設によってPレベルもしくはD
レベルのポストに欠員が生じた場合に国際的に公募されます。応募したい空席ポ
ストがあり、資格要件を満たしている場合には、所定の応募用紙をホームページ
から入手し、記入の上、UNODCに直接応募して下さい。
応募後、書面審査が行われ、応募者の専門性・勤務経験が、空席ポストに合っ
ているか否かが審査されますので、空席公告の職務内容を十分に踏まえて応募用
紙を作成する必要があります。
UNODCの空席公告の情報は、以下に掲載されています。
https://careers.un.org/lbw/Home.aspx
 インターンシップ・プログラム
UNODCは国連のインターンシップ・プログラムにより、インターンシップ
を受け入れています。
インターンに関する情報は、以下に掲載されています。
http://www.unvienna.org/unov/en/job_internship.html
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お問い合わせ先
UNODCに関する一般的なご照会
外務省総合外交政策局国際安全・治安対策協力室
Tel: 03-5501-8206
在ウィーン国際機関日本政府代表部
Tel:+43-(0)1-2606337
空席情報などについてのご照会
外務省国際機関人事センター http://www.mofa-irc.go.jp/
外務省国際機関人事センターでは、ホームページに国際機関の採
用に関する情報、応募書類の書き方や面接対策などの情報を掲載し
ております。面接まで進んだ場合には、国際機関人事センターまで
ご連絡ください。
(平成23年12月作成)