救急ランチョンセミナー 輸液

救急ランチョンセミナー
輸液
研修医 川井 伸彦
• 救急外来で検査値に電解質異常が、、脱水が、、
• 病棟での点滴のオーダーを頼まれたけど…
とりあえず
ソルF!?
何を処方す
る!?
上の先生
が捕まら
ん!
→救急ランチョンセミナーということで、救外やICUの症例を中心に
勉強してみる
点滴の目的
• 輸液・輸血を行う。
→ 容量がおおよそ50 mLを超える注射製剤は点滴静注で投与される。
• 緩やかに、徐々に薬剤を投与する。
→ 時間をかけてゆっくり投与することで、血中薬剤濃度の急激な上昇を抑え、副作用を回避する。
• 持続的に薬剤を投与する。
→持続的に薬剤を投与することで、薬理作用を保った血中濃度を維持することができる。
主なルートの種類
末梢静脈路
中心静脈路
骨髄穿刺路
末梢静脈路
・水分、薬剤、栄養、電解質、
輸血などの投与路の役割
を果たす。
中心静脈路
•
強心薬や抗不整脈薬などの重要な薬剤
の投与経路
•
血管炎を起こしにくいため高カロリー輸
液の投与経路
•
心臓に近く虚脱しにくいため心肺蘇生時
の確実な薬剤の投与経路
骨髄穿刺路
•
小児患者で心停止状態など重篤な状況
の患者に緊急薬剤を投与する静脈ライ
ンを確保するのが困難な場合
•
経静脈的な投与と同程度の速度で心臓
に達し、血中濃度もほぼ同様であること
が証明されている
成人男性の水分組成(まずは国試の復習)
全体重
60%
15%
組織間(細胞外)
40%
細胞内
8
:
3
5%
血管
内
: 1
※小児は体重の70%、高齢者は50%が水分
細胞外環境
Na⁺
140±5mEq/l
K⁺
4.0±0.5mEq/l
Cl⁺
100±5mEq/l
7.40
pH
PaO2
100Torr
PaCO2
40Torr
HCO3⁻
25mEq/l
輸液製剤の種類
• 電解質輸液
3号液
• ソルデム3A
1号液
細胞外液
電解質補正剤
• ソルデム1
• 生食
• ソルアセトF
• フィジオ
• ポタコール
• ソルラクト
• ビカーボン
• グルコンサンK
• 10%NaCl
• カルチコール
• 硫酸マグネシ
ウム
5%ブドウ糖
輸液製剤
• 栄養輸液
高カロリー輸液
等張性
等張
285±5
mOsm/L
電解質輸
液
水分輸液
低張性
高張性
栄養輸液
血液成分
輸液
•
• エルネオパ
• ハイカリックRF
アミノ酸製剤
• アミノレバン
• キドミン
• ビーフリード
脂肪乳剤
• イントラリボス
血液成分輸液
濃厚赤血球
血漿増量剤
• 濃厚血小板
• 新鮮凍結血漿
• ボルベン
• ヘスパンダー
アルブミン製剤
• 日赤アルブミ
ン
等張液電解質製剤の違い
ラクテックD
①高Cl性ア
シドーシス
になりやす
い!
②乳酸は肝臓
で代謝され
HCO₃⁻となる。
ただし肝障害
には×
③酢酸は筋肉
でも代謝され
るので安全、
乳酸リンゲル
と治療成績に
差はほぼなし
ソルアセトF
ビカーボン
http://blog.livedoor.jp/nagasawanorio62-yakuhin/archives/40410606.html
各製剤の組織への移行
水分輸液
・
5%ブドウ糖
細胞外液血
管内:5%
細胞外液
間質:15%
細胞内液:
40%
←自由水なので各分画に均等
に分布
細胞内液:
40%
←Kを多めに含むので細胞内にも
分布しやすい
維持輸液(3号液)
・
ソルデム3A
細胞外液血
管内:5%
細胞外液
間質:15%
細胞外液
・
←主に血管内に分布する
ソルアセトF
細胞外液血
管内:5%
細胞外液
間質:15%
細胞内液:
40%
レジデントノート増刊 Vol.18レジデントノート増刊 Vol.18 No.2 「あらゆる場面で自信がもてる!輸液療法はじめの一歩 基本知識と状況に応じた考え方、ピットフォール」より引用
実際に使うと
液量
mEq/L
Na⁺
K⁺
ソルデム
1
500
90
ソルデム
3A
500
35
20
ソルアセ
トF
500
131
4
生食
500
154
Mg²⁺
Ca²⁺
3
Mmol/L
Kcal/L
PH
浸透圧
比
Cl⁻
L-Lac⁻
70
20
G26
104
4.5~7.0
約1
35
20
G43
172
5.0~6.0
約1
200
6.5~7.5
約1
4.5~8.0
1
109
Ace⁻
糖質
g/L
28
154
• ソルアセトF(細胞外液)
→血管内volumeを増やすため
→絶飲食の場合で電解質異常が特になければ1日3本が目安
→Kの量が少ないので初期輸液として入れても問題なし
• ソルデム3A(3号輸液):維持輸液
→1日3~4本つなげば必要な水分、電解質を補充できる
→低Naに注意
P
輸液の投与速度
滴数/分※
滴数/分※※
≒ml/時
速度
輸液
15
20
60
Very slow
小児、高張液など
30
40
120
Slow
維持輸液
60
80
250
Moderate
維持輸液+補充輸液
120
160
500
Rapid
補充輸液
240
320
1000
Very rapid
緊急輸液
480
640
2000
Extermely rapid
緊急輸液
※60滴=1mlの輸液セット ※※20滴=1mlの輸液セット
• 電解質輸液の投与速度は500ml/hrが基準
• 維持輸液は500mlを2時間以上かけて投与するのが一般的
やさしく学ぶための輸液・栄養の第一歩(第二版)
輸液する際の3つ
の要素
電解質
Total IN
総カロリー量・タ
ンパク量
Total INの計算
• (1日の必要輸液量)=(維持液量)+(補充液量)
体重50kgの健康な成人男性なら
• (維持液量)
=尿量(30~35ml/kg/日)+不感蒸泄(10ml/kg/日)
(補充液量)
=欠乏量+予測喪失量(滲出液、吸引液、嘔吐、下痢など)
不感蒸泄
最低尿量維持
1日水分必要量
10mL/kg/日
+10mL/kg/日
→合計20ml/kg/日
+10mL/kg/日
尿量に余裕
→合計30ml/kg/日
1日の必要輸液量≒2000ml/日
尿量は1分1mlで覚えると楽です!
正確には不感蒸泄15mL/kg-代謝水5mL/kg
1日あたり10mOsm/kgに老廃物が出され、尿の最大濃縮濃度は1500mOsm/L
つまり体重60kgの人では最低400mL/日の尿が必要(乏尿の基準)
腎臓に負担の少ない等張尿(300mOsm/L)では老廃物を排泄するのに2000mL/日必
要。尿量としては最低10ml/kg/日、通常20ml/kg/日を維持すべきだが、これは必要
最低尿量0.5ml/kg/時できれば1ml/kg/時というルールにおおむね一致。
体温が1℃上昇すると200mL/日、発汗は300~1000mL/日程度の水分喪失と見積も
→合計40ml/kg/日~ られる。
発熱している場合は点滴を1本増やすという臨床のルールに一致。
+10mL/kg/日
発熱や仕事
「ジェネラリストのための内科診断リファレンス エビデンスに基づく究極の診断学をめざして」(酒見英太/監、上田剛士/著)、医学書院、2014 から引用、改変
脱水の分類
• 体液が徐々になくなる→体全体の水分が喪失
水分欠乏 • 血漿浸透圧
の上昇
型脱水
Na欠乏 • 循環血液量
型脱水
の減少
※実際にはこの二つが同時に起きていることが
多いので補正には細胞外液を使うことが多い
→病気で食事ができない
炎天下で長時間作業
→維持輸液、5%ブドウ糖
維持輸液
細胞外
液血管
内:5%
細胞外
液
間質:
15%
細胞内液:
40%
体液が急になくなる→主に細胞外液が喪失
→・けが、手術による出血
・嘔吐や下痢
→生食、乳酸リンゲル、
膠質液
ソルアセトF
細胞外
液血管
内:5%
細胞外
液
間質:
15%
細胞内液:
40%
やさしく学ぶための輸液・栄養の第一歩(第二版)
脱水の指標
脱水は複数の所見で評価する
ことが重要!
「より理解を深める!体液電解質異常と輸液 改訂3版」(深川雅史/監、柴垣有吾/著)、中外医学社、2007より引用改変/輸液・栄養読本[水・電解質編] 監修:日本医科大学腎臓内
科名誉教授 飯野晴彦 株式会社大塚製薬工場 より引用
総カロリー量・タンパク量
• 難しいので後ほど症例を交えて発表します。
休憩に1本いっとく?
ブラックジャックによろしく 第一巻 第1話「研修医の夜」 より
実際の症例を使って
症例① ショック
• 80代男性 脳梗塞後、老人ホームに入居中。誤嚥性肺炎で当院に紹介
搬送。JCS3 血圧:60/測定不能 心拍数:180bpm 体温:38.3℃
SpO₂:96%(酸素15L) 右鼠径動脈触知不良。心電図 PSVT
→バイタルを安定させることが最優先
→まず細胞外液1000mlを速度全開で投与(ソルFなら22Gで30分前後)
・外傷性(出血性)ショック:成人1~2L、小児で20ml/kg×3回
・敗血症性ショック:30mL/kg
→つまりどっちでも(50kgの成人なら約1000ml)で細胞外液で全開投
与。
・「改訂4版 外傷初期診療ガイドライン JATEC」(日本外傷学会、日本救急医学会/監)、へるす出版 2012
・Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Severe Sepsis and Septic Shock: 2012
症例②低Na 血症
• 60代男性。突然のふらつきと脱力感を主訴に救急搬送。身長172㎝
体重64.9kg JCS0 BP:165/86mmHg HR:69bpm 不穏がみられ
る。 神経学的所見異常なし。Na:108mEq/L K:3.9mEq/L
〈初期治療〉
約0.5mEq/L/時で上昇させたいとき
→3%食塩水→0.5ml/kg/時→25ml/時(体重50kg)
ソルアセトF:95ml/時
→
→このままだと1日上限を超えるので実際は60ml/時
で補液していく
生食500ml+10%NaCl注20mlの場合
→50~60ml/時間
急性発症
(48時間以
内)
補正速度(1
時間あたり)
補正速度(1
日あたり)
補正目標
1~2mEq/L
10mEq/L
130mEq/L
8mEq/L
120mEq
慢性発症
(72時間以内、 0.5~1mEq/L
発症時期不
明)
(参考)輸液1L投与後の血清Na濃度変化(mEq/L)={輸液中Na濃度+輸液中K濃度血清Na濃度}÷{体重(kg)×係数+1} 係数:男性0.6(高齢0.5) 女性0.5(0.45)
救急レジデントマニュアル 第5版 P207参照
〈経過〉
• 60代男性。突然のふらつきと脱力感を主訴に救急搬送。身長
172㎝ 体重64.9kg JCS0 BP:165/86mmHg HR:69
bpm 不穏がみら れる。 神経学的所見異常なし。Na:108mEq/L
K:3.9mEq/L
補正速度(1時間あ
たり)
補正速度(1日あた
り)
補正目標
1~2mEq/L
10mEq/L
130mEq/L
0.5~1mEq/L
8mEq/L
120mEq
急性発症
(48時間以内)
慢性発症
(72時間以内、発症
時期不明)
Day
1
1(5時間後)
2(11時)
2(18時)
3
4
5
6(退院)
Na
108
113
112
114
119
126
135
132
ソルアセト
F
ラクテックD500ml+ビタメジン
生食500ml+塩化ナトリウム10%注20ml
症状が改
善がみられ
るまでは急
速に補正
生食500ml+塩化ナトリウム10%注20ml
症例③高Na血症:水分欠乏型
• 70代女性。意識障害で救急搬送。以前までは普通食をとれていた。
数日前に骨折し加療中に全身状態が悪化。来院するまでの数日間、
飲食はほぼなし。身長140㎝ 体重33.3kg BP:80/40mmHg HR:
110:bpm BT:35.4℃ SpO2:80%room air Na:161mEq/L K:3.4mEq/L
Cl:134mEq/L BUN:71.5㎎/dL Cre:0.83㎎/dL
〈初期治療〉
補正速度(1
時間あたり)
補正速度(1
日あたり)
目標値
急性:48時
間以内
1~2mEq/L
10~12mEq/
日
150mEq/L
慢性:48時
間以降
0.5mEq/L
12mEq/日
150mEq/L
→発症起点不明なので慢性型として:0.5mEq/L/hr
水分欠乏量=(血清Na濃度-140)/140×体内総水分
量(体重×0.6)
→水分欠乏量≒3L、つまり3L補液すると21mEq下がる。
1日の補正速度を12mEq以下に抑えたいので最初に
入れる量は1~1.5L/日(三号液で)
救急レジデントマニュアル 第5版 P206参照
補正速度(1
時間あたり)
補正速度(1
日あたり)
目標値
急性:48時
間以内
1~2mEq/L
10~12mEq/
日
150mEq/L
慢性:48時
間以降
0.5mEq/L
12mEq/日
150mEq/L
〈経過〉
• 70代女性。意識障害で救急搬送。以前までは普通食をとれていた。
数日前に骨折し加療中に全身状態が悪化。来院するまでの数日間、
飲食はほぼなし。身長140㎝ 体重33.3kg BP:80/40mmHg HR:
110:bpm BT:35.4℃ SpO2:80%room air Na:161mEq/L K:3.4mEq/L
Cl:134mEq/L BUN:71.5㎎/dL Cre:0.83㎎/dL
Day
1
2
3
4
6
10(軽快)
Na
161
161
154
145
129
140
ソルデム3A500ml
ソルデム3A500ml
ソルアセト
F
NaCl注10%
ビーフリード
ビーフリード
Kの補正について
• Kは細胞内に多く存在する
基準値(pH:7.40・K:4.0mEq/L)より
→高い範囲では値が変動しやすい
→低い範囲では値が変動しにくい
末梢静脈路
中心静脈経由
補充速度
補充濃度
血清K濃度原則
20mEq/hr、最高で
も40mEq以下に
血管痛を起こすた
め、20~40mEq/L
以下に
右心系のK濃度が
急に上がるリスクが
あるため、20mEq/
時以下に
100~200mEq/L
以下
1.シングルボーラスショットは禁忌
2.ECGモニタリング(慢性的な高KではECGはK≧7.0に
ならないと変化しない)
3.尿量0.5ml/kg/時以上を確保
4.副腎機能不全、腎機能障害、アルドステロン薬、
ACE-I服用時、インスリン使用中は注意
症例④低K血症
• 60代男性 腹痛を主訴に救急搬送。大量の腹水の貯留を認める。
背景にはアルコール性非代償期肝硬変。救急外来で腹水穿刺を施
行後入院。身長150㎝ 体重38.7kg JCS1~3 血圧101/57㎜Hg 心
拍数101bpm SpO2:98%(2L nasal) Na:125mEq/L K:2.5 mEq/L Alb
3.2g/dL
〈初期治療〉
→ 経口(グルコンサンK細粒)にて補正
緊急性のある場合
K≦2.0mEq/L、神経麻痺、重症不整脈
生食500ml+KCL20mEqを1時間かけて
DIV
輸液療法の進め方ノート―体液管理の基本から手技・処方までのポイントがわかる から引用 改変
〈経過〉
補充速度
• 60代男性 腹痛を主訴に救急搬送。大量の腹水の貯留を認める。
背景にはアルコール性非代償期肝硬変。救急外来で腹水穿刺を
末梢静脈路
施行後入院。身長150㎝ 体重38.7kg JCS1~3 血圧101/57㎜Hg
心拍数101bpm SpO2:98%(2L nasal) Na:125mEq/L K:2.5 mEq/L
中心静脈経由
Alb:3.2g/dL
Day
1
2
3
6
7
8
K
2.6
2.6
3.3
4.1
4.3
4.0
グルコン酸K
4mEq/g 9g分3
補充濃度
血清K濃度原則
20mEq以下、最高
でも40mEq以下に
血管痛を起こすた
め、20~40mEq/L
以下に
右心系のK濃度が
急に上がるリスクが
あるため、20mEq/
時以下に
100~200mEq/L
以下
症例⑤高K血症
• 60代男性。HCCに伴う胃静脈瘤の治療で入院中に倦怠感を訴える。
造影剤による腎機能低下あり。心拍数28bpm。Alb 2.8g/dl
Na:133mEq/L K:6.4mEq/dL
一時ペーシン
グ
→①カルチコール10mlを3分以上かけて緩徐に静注
②GI療法:regular insulin10単位+50%ブドウ糖液
50~100mlを急速静注or regular insulin10単
位+10%ブドウ糖液500mlを持続点滴
③ケイキサレート15~60gを経口or注腸投与
→フロセミドでK排泄を促す
「救急・ICUの体液管理に強くなる」 編集:小林修三 土井研人 羊土社
カロリー・タンパク質
BEEは簡便な方法でもOK!
25~30kcal×体重(kg)
必要kcal量=BEE(基礎エネルギー量)×活動係数×ストレス係
数
BEE=Harris-Benedict式
•
男性:BEE=66.47+13.57×体重(kg)+5.00×身長(㎝)-6.78×年齢
•
女性:BEE=655.14+9.56×体重(kg)+1.85×身長(㎝)-4.68×年齢
必要アミノ酸量=NPC/N(non-protein calorie/nitorogen)
→非侵襲時150~200
侵襲時80~150
腎不全:300~500
cf、ハイカリックRF500ml:1000cal/袋 アミノレバン400ml:窒素含有量4.8g
→1000/4.8≒210
→これを適切に調整しないとAlbが低下
して水がたまりやすくなります!
⑥重症急性膵炎
• 40代男性。40℃の発熱と腹痛を主訴に来院。急性膵炎の診断で入
院。入院3日目にCV挿入。中心静脈栄養を開始。身長176㎝ 体重
96.2kg 血圧167/84mmHg HR84bpm 体温38.3℃ WBC:20,750
Alb:2.3 CRP:47.18 UN:29.4 Cre:1.88 Na:139mEq/dL K:3.8mEq/dL
Cl:100mEq/dL
必要kcal量=BEE(基エネルギー量)×活動係数×ストレス係数
→急性膵炎のストレス係数は重度熱傷と同じといわ
れている
→計算では3500~4000kcal必要
輸液・栄養製品組成早見表 大塚製薬 より抜粋
• 40代男性。40℃の発熱と腹痛を主訴に来院。急性膵炎の診断で入
院。入院3日目にCV挿入。中心静脈栄養を開始。身長176㎝ 体重
96.2kg 血圧167/84mmHg HR84bpm 体温38.3℃ WBC:20,750
Alb:2.3g/dl CRP:47.18 UN:29.4 Cre:1.88 Na:139mEq/dL
K:3.8mEq/dL
Cl:100mEq/dL
ICU1
2
3
4
5
6
7
Alb
3.0
2.4
2.4
2.2
2.2
2.3
2.1
尿量ml
1225
3820
3765
3050
1965
1990
2065
エルネオパ2号1000ml ×2
5%ブドウ糖500ml×1≦30ml/hr
ラシックス
一般病棟へ
転棟し経腸
栄養開始
輸液の注意すべき合併症
ビタミンB1欠乏
• 完全な静脈栄養時は3㎎/日、不足が予想される場合は6㎎/日を投与
• 不足すると乳酸アシドーシスを引き起こす。(致死的)
→アルカリ化剤が無効、ビタミンB1の急速投与(100~400㎎)
• Wernicke脳症
浸透圧性脱髄症候群(OSD)
• 低Na血症補正中に症状が再燃したり、意識障
害や運動障害、痙攣などが出現した場合
• 実際には初期の急速補正は2~5mEq/Lで済
むことが多く、症状が出現したらさらに安全圏
をとって8mEq/L未満の速度で補正することで
予防
まとめ
• 水分バランスや電解質平衡、栄養を考えるのは難しく、最初から理想的な
輸液を行うのは難しいので、
→急性期の重症な電解質異常の補正の仕方を覚える
→亜急性期の水分バランス、栄養を考える
• 長期経過中の電解質は適宜補正していく
ご清聴ありがとうございました。