光合成で機能する酵素・蛋白質と遺伝子の解析 誌名 光合成で機能する酵素・蛋白質と遺伝子の解析 著者 農林水産技術会議事務局, 掲載ページ p. 1-135 発行年月 1989年3月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所 Tsukuba Office, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat グリーンエナジー計画成果シリーズ II系(物質固定) NQ22 光合成で機能する酵素・蛋白質と遺伝子の解析 平成元年3月 農林水産技術会議事務局 コ N・属 嘗1 ま え が き 近年,資源・エネルギー問題,環境問題都市問題等人類の生存と繁栄にかかわる 複雑かつ困難な問題が続出しているなかで,これらの諸問題を解決し,国民生活の向 上に寄与する革新的技術の開・発が強く求められている。農林水産業の分野においても 21世紀における食糧,資源・エネルギー,環境等に係る諸問題を解決するための鍵と なる新しい技術開発が要請されている。 このため,農林水産技術会議事務局においては,これらの要請にこだえるべく,産 官学の連携による,長期的かつ大規模なプロジェクト研究を構想し,その一つとして 昭和53年度から10力年計画で「農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術 に関する総合研究(グリーンエナジー計画)」を実施した。この研究は,光合成能力 の向上や生物的窒素固定の有効化など植物体そのものが持つ物質生産能力を向上させ るとともに,太陽エネルギーなどの自然エネルギーを一層積極的に利用することによ り,化石エネルギーに大きく依存している現在の農業生産技術から脱却し,革新的な 技術体系を開発することを目的として行われたものである。 本計画は,農林水産業の多くの研究分野が連携する学際的な研究であり,研究内容 も多岐にわたるところがら,五つの研究系(エネルギーの分布と利用系,物質固定系, 生産環境制御系,補助エネルギー変換利用系及び生産技術系)ごとチームを編成し, 研究の効率的推進に努めてきた。 本書は,グリーンエナジー計画成果シリーズの一環として,物質固定系の数年間に わたる研究成果を取りまとめたものである。大方の参考に供して頂ければ幸いである。 平成元年3月 農林水産技術会議事務局長 谷 野 陽 目 次 (頁) 緒 口 1 1, C4光合成に関係するNAD一マリックエンザイムの精製と酵素的及び免疫的 性質 3 2 イネ科C4植物におけるNAD一マリックエンザイム及びNADP一マリックエ ンザイムの免疫学的多様性 27 3, 光合成C4回路酵素蛋白質のアミノ酸配列・・…・………………・…・…………・…37 4. C3及びC4植物における光合成酵素の分子生物学的比較 ……………………62 5. ニホンナシ(P夕7%3ε〃。’吻αvar・Chojuro)のLHCP及びRuB{sCO SSUのcDNAの単離と塩基配列 96 6. 集光性クロロフィル蛋白質遺伝子の発現様式とマツ類に特異的な暗所発現…105 7. C4植物の葉緑体遺伝情報の解析 …………・…一・…………・…・…・…………113 & 高等植物葉細胞内及び微細藻細胞内における炭酸ガス輸送濃縮機構とその 遺伝情報の解析 121 CONTENTS 工ntroduction.。。。。。。。。・。・。。。・。・。.・ゆ。。。。。・。。.・・。・。。.。。o。。。。。。o。’ 1 1。Purif■cation and enzymic and i㎜unochemical properties of NAD−malic enzyme from leaves of ▽arious plants havinq C辱pathway photosynthesis 。。。。。。。.。。.。。。。。・。・・… 3 2。王㎜unochemical diversity of NAD噸alic enzyme and NADP・一malic enzyme in lea▽es of C与 qrasses 。。..。.。。_。。。。 27 3。 The amino acid sequence determination of enzymes in the C 4 dicarboxlic acid pathway of photosynthesis 。。。 37 4. Nolecular studies of some C 3 and C辱photosynthetic enZymeS ・・・・・・… 。・。・… 。・・… 。。… 。・・・… 。。。・。… 。・・。。・ 62 5。 工solatiorl and nucleot二ide sequence of cDNA clones for a chlorophy:L:L a/b binding p士otein and a sma:Ll subunit Of ribulose bisphosphate carboxylase fエ幽om の Japanese pear (Pンr㍑8 θθro古τγzα ▽ar. Choゴuro) 。。。。。・・。・… 96 6。 Expression of liqht harvestinq chlorophyll a/b binding Pro七ein in both and dark conditions in pine.seedling…………………………・…・・…… 105 7。 Analysis of the function of the genes of chlOro− plants。。.。...。。.。。。。.。。。。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 113 8。 Transport and concentratinq mechanism of inOrganic carbon into the cel16 and its qenetic analysis 。。。。。。。。。 121 緒 言 グリーンエナジー計画皿系一1の研究課題「光合成・呼吸機能の生理的並びに遺伝 的機構」は,農作物における光合成能力の飛躍的増大をはかることを目的として10年 間の研究を終えた。本研究ではC3, C 4及びCAM光合成など多様な光合成機構に関 して葉の微細構造や葉緑体機能の生理・生化学的特性を究明するだけでなく,温度, 水,光などの環境要因との関係について研究を行った。またC3植物の光合成機構と カップリングして,光合成能力を著しく低下させていると考えられていた光呼吸の生 理的解析及びその制御法について検討してきた。さらに,C4回路という精密なCO2 濃縮機構をもつが故に,高い光合成能力を示すC4光合成機構や,光合成効率の上か らは無駄としか考えようのなかった光呼吸系の遺伝機構を解析し,C3植物へC4光合 成機構の導入を試み,C3植物とC4植物の交雑実験や人為突然変異による大量スクリ ーニングを実施した。また作物生産の安定向上には葉の光合成能力の増大と維持が重 要であり,葉の生理的機能の維持及び老化に関する研究を行ってきた。これらの研究 成果は,研究の前半期間に相当する部分を昭和59年3月に,グリーンエナジー計画成 果シリーズ皿系Nα4,Nα5及びNα6として刊行した。 本冊に収録した「光合成で機能する酵素,蛋白質と遺伝子の解析」は研究の後半期 間にとり上げられた課題の成果である。前述したように,C4光合成はC3光合成に比 べて,きわめて効率的な光合成機能であって,これをC3植物に導入するとの考えは 魅力的ではあったが,きわめて困難なことが判ってきた。すなわち,イネ,ムギなど 主要なC3作物には交雑可能な近縁種にC4回路をもつ種が存在せず,種間交雑や交配 といった育種の常套手段は通用しない。このため,C4光合成に関係する酵素,タンパ ク質及び遺伝子の解析を進め,そのクローニングを経て形質導入をはかるという遺伝 子工学的手法が,重要な課題となったのである。本門の論文のうち,最初の3編はC4 光合成酵素の精製及び性質と酵素の多様生に関して,また酵素蛋白質のアミノ酸配列 の解析法について記したものである。つぎの4編はC3及びC4光合成の主要酵素と光 捕集性蛋白質のcDNAのクローニングを, C4植物のトーモロコシ,永年植物のナシ, 暗黒条件でも緑化するマツの遺伝子について実施し,その解析を行った結果である。 最後の1編は藻類の光合成においてCO2濃縮輸送に重要な働きをしているカーボニッ クアンヒドラーゼの生理機構と生合成機構を明らかにしたものである。 もとより,これらの成果はC3植物へC4光合成機構を導入するとの夢のような目的 には遠く及ぶべくもないが,その方向へ歩み始めた着実な第1歩と考えている。また 本冊の成果は農林水産省におけるバイオテクノロジー研究の先駆的意義をもち,今後 一1一 の研究において少なからず参考となることを確信する。なお,本冊に収録された大部 分の課題は「バイテク植物育種に関する総合研究」で想を新たにして実施される。ま た本研究の後半期間での成果は,本冊の外にも昭和63年3月に成果シリーズH系Nα17 として刊行されたものと,本冊と同時に刊行された成果シリーズ丑系Nα23「光合成活 性を規制する生理的及び遺伝的要因の解析」があることを付記しておく。参考にして 頂ければ幸いである。 最後に,永年にわたって精力的に研究を発展させてきた研究者の方々の労をねぎら い,心から感謝の意を表する。また本研究を企画・推進してこられた歴代研究開発官 を始めとする技術会議関係者,企画・指導に当たられたチームリータ㌧の方々及び本 研究課題のサブリーダーとして研究の企画・立案・推進に全力を傾注された田中市郎 氏(前東北農業試験場長),山下淳氏(現農研センター作物第2部長)の各位の卓見 と努力に,改めて敬意を表するとともに厚く御礼申し上げる。 H−1サブリーダー 村 田 孝 雄 一2一 1.C・光合成に関係するNAD一マリックエ ンザイムの精製と酵素的及び免疫的性質 村田 孝雄*大杉 立**高野 誠* C4光合成では,空気中のCO2は葉肉細胞(MC)においてリンゴ酸またはアスパラギン酸 (C4有機酸)に固定され,維管束鞘細胞(BSC)へ運ばれ,そこで脱炭酸されて再びCO2 となりカルビン回路によって糖へ固定される。このCO2の固定からCO2再放出の過程は, C4 有機酸を介して行われるのでC4回路と呼ばれ,この機構によって体内CO2濃度は10倍にも上 昇する。C4回路の最後の脱炭酸反応に関与する酵素は三種類が知られている。すなわち, BS C葉緑体に存在するNADP一マリックエンザイム(ME),BSC細胞質の存在が最近明らか になったホスホエノールピルビン酸カーボキシキナーゼ(PEP−CK:)及びBSCミトコンドリ の局在が確かめられているNAD−MEである。これらのうち,いずれが主要な酵素であるかは 植物の種によって定まっており,C4有機酸の代謝のみならず, BSCの微細構造にも一定の差 異がみられることから,C4光合成はさらにNADP−ME型, PEP−CK型及びNAD−ME 型の三つのサブタイプに分けられている5)。しかし,これらサブタイプの生態的特性につい ては不明の点が少なくない。Brown,W, V 3)は植物の系統分類と光合成の関係について解析 し,C4サブタイプはそれぞれ複数回の進化のチャンスがあったことを示唆している。実際に, NAD−ME型の中には,従来から知られていたBSCの葉緑体が求心的に分布しているもの [NAD−ME(P)型]の外に,それが遠心的に分布するもの[NAD−ME(F}型]が発見され, 両者は生態的にも異なることが明らかにされた10,12)。このことから,C4光合成の各サブタイ プはいくつかの形質を異にする小グループの集団ではないかと推定された。このようなC4植 物内の多様な分化の遺伝的背景を明らかにするため,C4サブタイプの鍵となるC4脱炭酸酵 素のうち,量的には多少の差があれ,すべてのC4サブタイプ種とC3植物にも存在している NAD−MEについて,その性質と多型性について検討することとした。 NAD−MEは自然界 に広く分布する酵素で1),本来呼吸の場であるミトコンドリアに存在している7野14’15)。高等植 物ではカウリフラワーやバレイショ塊茎などの非光合成器官やCAM植物(C7σ33341σ σ79θπ’θα) の葉から純化精製されている。C4植物葉のNAD−MEは,その不安定さの故に6)今まで精 製されたことがなく,部分精製した酵素について,双子葉のものと単子葉のものでは著しく性 質の異なることが示唆されている4’6>。本研究では単子葉植物のシコクエビ及びオオクサキビ と双子葉植物のハゲイトウの葉からNAD−MEを精製し,各精製酵素に対する抗体をウサギか ら作出し,酵素的及び免疫化学的な性質について実験を行った。 研究材料と研究方法 1)植物材料 NAD−ME(P)型のシコクビエ[E1詔3伽6007σo伽σ(L.)Gaertn],NAD−ME(F) 型のオオクサキビ(Pσ競%〃z漉。勿’o碗刀07%駕Michx.)と双子葉植物のハゲイトウ(・4勉α一 * 農業生物資源研究所・機能開発部 **草地試験場・育種部 一3一 7α彫肱3〃ゴoolo7 L.)及びその他の植物をポットに播種し,発芽後屋外で生育させた。約3 週間程度の若い葉を収穫し,一35℃に凍結保存した。 2)酵素の精製 q)粗抽出液の調製とポリエチレングリ調一ル(P脳畏)分画 約500gの凍結保存した葉を小片にしたのち,約3倍量の抽出液[50mM HEPES−K:OH (pH7.4),2.51nM MnC12,50mM 2一メルカプトエタノール(2−ME)及び12。5% グリセロール]と25gポリクラールAT(五協産業)を加えてポリトロンで破謁しガーゼで濾 過後,12,000rpmで15分間遠心した。遠心上清に,ポリエチレングリコール(PEG)の50% 水溶液を静かに添加して終濃度を5.5%として10分間放置後,遠心して上清を得た。この上清 に,さらに50%PEGを加えて終濃度を11%としたのち,15分間放置して遠心した。沈澱を約 100皿1の溶液[20mM Tris一酢酸(pH7),2.5mM MnC12,50 mM 2−ME及び10%グ リセロール,以後TBGと略す]に溶解して,18,000 rpm,10分間遠心して上清を得た。 (2>DEAE一ゲルクロマトグラフィ DEAE−TSK:一Ge1650 Mをつめたカラム(5×37cm)は予めTBGで平衡化したのちサ ンプルを注入しTBGで洗浄後21の酢酸ナトllウム/TBGの直線勾配(50 mM−250 mM) で,流速450m1/hで溶出した。活性画分をプールして終濃度12∼13%PEGとして沈澱を集 め少量のTBGに溶解して遠心した。 (3)ゲル濾過 TSK−Gel HW60Sのカラム(2.5×90c田)をα1M酢酸ソーダ/TBGで平:衡化し,サン プル注入後,同溶液で溶出した。オオクサキビ酵素の場合この操作は省略した。 (4)アフィ畠テイクロマトグラフィ 5’AMP一式ファローズCL−4Bのカラム(1.2×7cm)にサンプルを注入後,0.2M酢酸 ナトリュウム/TBGで洗浄してα6M酢酸ナトリウム/TBGで溶出した。活性画分を濃縮後, 塩及びPEGを除くためセブアツデックスG−50で濾過した。 平衡及び溶出に用いた溶液は TBGからグリセロールを除いた液とし,濾過後必要に応じてグリセロールを10%になるように 加えた。 (5)逆相クロマトグラフィ ブチルーTSK−Gel 650Mのカラム(2,5×23c皿)を予め2M酢酸ナトリウム/TBGで 平衡化したのち,同組成の溶液としたサンプルを注入して洗浄後,酢酸ナトリュウムの直線勾 配(2.0−OM)で溶出した。活性面分を濃縮後上記3)ゲル濾過を行った。 3)酵素活性の測定 反応は31℃においてリンゴ酸依存性のNADまたはNADPの還元速度を340 nmで測定した。 反応液の組成は,①HEPES系,シコクビエ及びオオクサキビNAD−ME活性の全測定及び ハゲイトウ酵素の抽出,精製における活性測定に使用した。25mM HEPES−KOH(pH7.2) 5mMリンゴ酸,2mMNAD,2,5mM MnC12,5割引 DTT及び500μMFBP,全容l ml。②ACES系,ハゲイトウの酵素活性の精製過程以外の測定に用いた。 HEPES系において, HEPES一一K:OHの代わりに12.5mM ACES−NaOH(pH 6.8),500μMFBPの代わり に100μMFBPとした。酵素1単位(unit)は1μmol NAD/minの還元速度を示す酵 素量とした。 の分子量の測定 サブユニットの分子量測定は,SDS一ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)8)によ り,また活性酵素の分子量はファーマシア社のFPLCによりSuperose 6カラム(1×30cm) を用いて行った。標準タンパクはSDS−PAGE用としてBio−Rad社の標準タンパクキット 一4一 を,ゲル濾過用としてはチトクロームC(分子量12,400),キモトリプシノーゲン(24、090), オバルブミン(45,000),牛血清アルブミン(66,000),アルドラーゼ(156,000),カタラ ーゼ(208,000)及びアポフェリチン(475,000)を用いた。 5)免疫的方法 (1)抗体の作出 各精製酵素約600μgをFreundの完全(最初のみ)または不完全アジュバンドと混合し,ニ ュージーランドホワイト種のメスウサギに4回戦分けて15日毎に注射した。最後の注射から10 日後}こ血液を抜き取り5,000rmpで遠心し,得られた血清は一35℃で保存した。 ② 沈降反応による解析 1D 二重拡散法はOuchterlony の常法に従った。酵素活性の抗体による阻害実験は次のように 行った9)。粗酵素液の一定量(酵素活性で約0.05単位)に種々の量の抗体を含む15rnM HEPS −KOH(pH 7.2),3.75 rnM MnC12,75mM 2三ME及びエ2,5%gly㏄rolを加え,全容 を55μ1として室温で15分間放置後,30μ1のProtein A一セファ一一ズを加えてさらに15分間 放置して遠心し,その上清についてNAD−ME活性を測定した。 (3) 亘ヨLISA Weeden 17)の方法に従ったが発色時の全容は100μ1とした。標識抗体としてパーオキンダ ーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Bio Rad社)を3,000倍希釈で使用した。また各酵素の特異抗 体は300∼40σ倍に希釈した。 6)NAD一獺賜の光による誘導実験 シコクビエ種子をイネ育苗用の浅いバットに播種し,25℃で完全な暗黒下に5日間おいて発 芽,生育させた後,約1万ルックス程度の光を連続的に照射した。経時的にサンプルを集め, 直ちに酵素活性と葉緑素量を測定し,またウェスターンプロッティング法でNAD−MEのタン パク質量を定性的に求めた。 7)タンパク質の定量 Bradfordの方法2)に従ってBio Rad社の測定キットを用いて行った。 結果と考察 1)国AD一瓢Eの精製 C4植物葉のNAD−MEは蜜定化の条件(特に低温での)が発見できなかったために精製され ることがなかった。予備実験において,かなり高濃度(50∼100mM)の2−MEとグリセロ ール(10∼15%)をすべての溶液中に添加することにより,酵素が安定化し,低温での抽出, 精製が可能となり,凍結条件(一35℃)で,少なくとも1ケ月間保存が可能なことが判った。 また,硫安塩析は,短時間のうちに,顕著に酵素を不可逆的に失活させるが,PEG分画では, むしろ安定化し,活性もわずかながら増大した。そこでシコクビエの葉からは,第1表に示す ような段階を経て酵素の精製を行った。この酵素の場合,DEAEゲルクロマトグラフィがきわ めて効果的で,その他の大部分のタンパクに先だって溶出されてくるため,次のゲル濾過で, 電気泳動的にほぼ均一に精製され,事実上,アフィニティクロマトグラフィは不必要であった。 同じことを,オオクサキビ酵素に適用すると,DEAE一ゲルクロマトで他の混在タンパクと の分離が十分でなく,その後のゲル濾過及びアフィニテイクロマトによっても微量に混在す るタンパク質を除去することができなかった。 第2表にハゲイトウ葉からの精製過程を示すが,この場合は,DEAEゲルクロマトにおいて, NAD−MEは相対的に大量に存在するPEPカーボキシラ一更とほぼ重なって溶出され,分 一5一 第1表 シコクビ点葉からのNAD−MEの精製 Table 1. Purification of NAD−ME froln leaves of E. oo7σo醐σ, Specific Total Total Total protein ac七ivity Reeovery Purifica七ion s七ep volume’ (皿1) activity Purification (mg) (units》 (%) Crude extract 1,580 17,380 2,233 100 PEG fraction 115 2,473 1,851 82.9 0.13 0.75 1 5。7 DEAE回TSK甲Gel chromatography 4.6 33.1 1,824 81.7 55.11 423.9 TSK−Gel filtra七ion 2.5 17.5 965 43.2 55.14 424.2 7.0 401 18.0 57.29 440.7 5,AMP−Sepharo8e ohroI皿atography O。8 第2表 ハゲイトウ葉からのNAD−MEの精製 Table 2. Purification of NAD−ME from leaves of、4,〃ゴoolo7. Total Total Total Purification step volume protein activity (皿1}. (皿9} (units} Specific Recovery activity Purifioation (%) Crude extract 1,500 16,184 2,412 100 0。15 1 PEG fraction 128 6,507 2,529 104.9 0.39 2.6 736 2,142 88.8 2.91 19.4 DEAE−TSK−Gel chromatography 50 Butyl−TSK−Gel chromatography 1.5 29.8 1,089 45。1 36,54 243.6 TSK−Gel filtration L3 11。4 654 27.1 57.37 382.5 離することができなかった。ζのため,アフィニテイクロマトにかえて,ブチルトヨパールゲ ルによる逆相クロマトを実施した。第1図にみられるように,NAD−MEとPEPカーボキシ ラーゼは,ほぼ完全に分離することができ,それぞれがきわめて純度高く回収された。両者は, それぞれ続いて実施したゲル濾過によってSDS−PAGE上で均一な標語となった.(第2図.)。 オオクサキビ酵素も,ブチルトヨパールゲルによる逆相クロマトにより均一標品とするこ とができた(第2図)。これら3種の植物からのNAD−M.Eの精製は,いずれも400倍程度:で あり,比活性も57∼58units/mgタンパク質とよく類似した値を示した。この結果から,生体 内における酵素の活性及び含有量は草山間で大差ないものと考えられた。 2)酵素タンパク質の物理的性質 活性酵素の分子量はゲル濾過によって測定した。シコクビエ,オオクサキビ及びハゲイトウ のそれぞれの酵素で有意な差はなく,いずれも490∼500kDと測定された。サブユニットの 分析はSDS−PAGEによったが,すべての酵素で単一のバンドのみ検出され,その分子量は 一6一 40 診 ’琴 瓢 ∪20 PEPC NAD−ME ……_ヘー 2.0. ( ) 溜 屈 Φ 8 E 亨 三 二 1・o薯 O 0 一 0 10 20 30 40 Tube numb鮮(5ml/tube) 第1図 ブチールトヨパールクロマトグラフイによるハゲイトウNAD−MEとPEPカーボ.キ シラーゼの分離。実線,UVデテクターによるタンパク質溶出曲線;丸印, NAD−ME 活性;三角印,PEPカーボキシラーゼ活性;点線,酢酸ナトリューム濃度,酵素の活 性は相対値でNAD−MEの活性はPEPカーボキシラーゼの5倍のスケールで示す。 Fig. i Separati:Qn of.4.’7ゴoolo7 NAD−ME from PEP carboxylase on butyl∠τSK− Gel chromatography. The column(2,5×27c皿)was eluted with reverse−phase gradient of sodium acetate(2. O M to O M). Solid hne, protein elution profile determind with UV det㏄tor;circle, NAD−ME activity;triangle, P EP carboxylase activity;dotted line, sodium acetate concentration, Enzyme was expressed with relative activity and the scale for NAD−ME activity was 5−fold Iarger than that for P氾P carboxylase activ{ty. シコクビエ酵素で明らかに大きく63kD,四隅クサキビ酵素は61 kD,ハゲイトウの酵素は60 kDと測定された。 シコクビエ,八二クサキビ及びハゲイトウ酵素のサブユニット分子量の差 について,植物試料中に含まれるプロテアーゼの作用が考えられた。この点を確かめるため, プロテアーゼ阻害剤(1mM PMSF及び0.1m躯mLダイズトリプシンインヒビター)を加えた溶液で シコクビエ及びオオクサキビの粗酵素液を調製し,SDS−PAGEを実行し, NAD−ME抗体 を用いたウエスタンプロッティングによって確認した結果,上記の精製酵素の場合と同様の結 果を得た。また,各精製段階でSDS−PAGEを実施しても,分子量の変化が認められないこと などを合わせ考えると,シコクビエ酵素は,他の二つに比べて,サブユニットの分子量が大き いと結論された。また,サブユニットの分子量及び活性酵素の分子量からみて,活性酵素は同 一のサブユニットの8量体であると推定された。最近,バレイショ及びCAM植物から精製さ れたNAD−MEは分子量が61kDと55kDの二種のサブユニットが等量含まれる8量体である と報告された1蒐しかし,この酵素は,本実験で得られた結果からみて,C4植物葉の酵素と は性質を異にするものと考えられる。また,その精製倍率(ミトコンドリア分画から1,700倍) から判断して,C4植物葉のそれに比べて,その存在はきわめて微量であると推定される。 一7一 第2図 各種C4植物の葉から精製した酵素のSDS一 電気泳動パターン。1 標準分子量タンパク 質;2 シコクビエNAD−ME(約5μg), 3 オオクサキビNAD−ME(約5μg), 4 ハゲイトウNAD−ME(約5μ9);5 ハ ゲイトウPEPカーボキシラーゼ(約15μg)。 Flg.2 SDS−po!yacrylamlde gel electrophoresls of purlfled NAD−ME from leaves of E1θ%ε魏θoo7σoσ紹 (lane 2), Poπ多oz4〃34goぬ。’o〃2z/707z6η2 (互ane 3) , and /1〃zα7ごzη’ぬ%ε ’7zoo〆07 (lane 4), and PEP carboxylare frorn 〆1. 〃300107 (1ane 5). Lane l ls the standard protelns 3)酵素活性の一般的性質 ㈲ 酵素反応のラグ時間と活性化 14) 16) の酵素の場合,定常状態の酵素活性に達するま やCAM植物 NAD−MEの反応はC3植物 でに,多少のラグ時間のあることが認められていた。この点についてみると,単子葉植物のシ コクビエ及ひオオクサキビの酵素では,基質や活性化剤の濃度が低い条件でも,ほとんどラク 時間が認められなかった。これに対して,双子葉植物のハゲイトウでは,基質や活姓化剤の儂 度か低い時には顕著なラグ時間が観察された。このラグ時間は,バノファー濃度が高い場合や 最適pH以上に高いpHでは,一層顕著になることが確認された。このラグ時間を除去する方 法をさぐるため,予め,各種の基質や活性化剤その他を添加して検討した結果,標準反応液に おいて10∼20分間プレインキュベートする方法のみ有効であることが判った。この結果から, プレインキゴーベーションの間に反応が進み,反応生成物が酵素の活性に影響するのではない かと考えた。実際に,反応液に10μM以上のNADHを添加すれはラグ時間が解消されることが 明らかにされた(第3図)。この結果から,NAD−MEの活性状態は,酵素一NADH一リンゴ 酸一Mn2+の形と考えられる。しかし,反応液中に反応生成物であるNADHを入れることは, 反応機構の解析を複雑にするので以後の実験においては,NADHを添加することはしなかっ た。 (2)最適温度 第4図にシコクビエ及びオオクサキビ酵素の温度に対する活性曲線を示す。オオクサキビ酵 素では,後述するように,基質濃度が十分に高い場合には,活性化剤のFBPがなくても高い 活性を示すが,活性化剤の有無は温度曲線とは無関係で,最適温度は45℃程度と測定された。 これに対して,シコクビエ酵素では35℃と低く,その差は約10℃もあった。この温度差はそれ ぞれの植物の植生と関係が深いと推定される。すなわち,寝藁クサキビは熱帯地方に,シコク ビエは我が国では飛騨や祖谷地方などの山岳冷涼地帯にもよく適応した植物であることが知ら 一8一 ε GO.6 講 ・駕 鎚 A B C D E 0.4 8 竃 を 802 程 0 Reaction tlme 第3図 種々の条件におけるハゲイトウNAD−ME反応の時間的経過 酵素活性の測定は,HEPES系反応液からFBPを除いた溶液を用いて行った。 A,反応液 に100μMFBPを添加して活性測定;BとC,予め5mMリンゴ酸を加えない(B)か,そ れを加えた(C)溶液〔25mM HEPES−KOH(pH 7),重mM NAD,0.5mM MnCl 2 及び5血MDTr〕中で30分間室温で放置したのち,その一部(1/100量)をとって活性測 定;D及びE,2μM(D)または10μMNADH(E)を反応溶液に添加して活性測定。 Fig.3 Tirne courses of the reaction of NAD−ME from、4’7ゴoolo7. AII assays with i mi reaction mixture containing 25 mM HEPES−KOH(pH 7), 5mM maiate,2mM NAD,2.5mM MnC12,5mM DTFI’, appropriate amounts of enzyme and compound as specified in the Figure. A, assayed with the reaction mixture containing lOOμM FBP;Band C、, assayed with ahquot of enzyrDe solu− tion which was previously incubated in the mixture containing 25 mM HEPES− KOH(pH7),1mM NAD,0.5mM MnCi2 and 5 mM DTr in the absence(B)or presence(C)of 5 mM malate at room temperature for 30 min;Dand E,assayed with either 2μM(D)or 10μM(E)NADH in the reaction rnixture れている。なお,この温度曲線に対するアレニュースプロットは,折れ目のない直線となった。 また,ハゲイトウの温度曲線はオオクサキビに近かった(データ省略)。 (3)最適pH 1 単子葉植物のシコクビエとオオクサキビの酵素では,活性の最適pHは6.5∼7.0にあり, その曲線の形はきわめてよく似ていた。また基質やFBPの濃度を下げたり,除外しても基本的 には同様の曲線となった(第5図,A)。これに対してハゲイトウ酵素は十分量の基質とFBP が存在する場合,最:適pHは6.8から7.3の間にあり,反応のラグ時間はpH 7,7以上で初め て認められた。しかし,質基やFBPの濃度が低下すると,最適pHは次第に低下し,ラグ時間 を示すpHも酸性側に移動した。リンゴ酸1mMでFBP無添加の条件では,最適pHはほぼ 6.2で,pH 6.6でラグ時間が観察された(第5図)。このような.単子葉植物と双子葉植物の 酵素で認められる最適pHの違いは,おそらく,後者で低濃度の基質または活性化剤の場合, アルカリ側では十分に酵素が活性化されないことに原因すると考えられる。 4)基質特異性と眠㎜及びVm麗。 NADに対するKm値は, FBPが存在する場合でも,他の植物起源のものに比べてやや大き 一9一 120 第4図 シコクビエ及びオオクサキビ NAD−ME活性に及ぼす温度の影 奮 響。〔a),シコクビエ酵素(500μM .認 FBPを含む標準反応液)=(b), )80 船主クサキビ酵素(500μM ’i; FBPを含む反応液);(c),オオク 畜 羅 サキビ酵素(FBPを含まない反 u 応液)。 ゆ ε40 Fig.4 Effect of temperature on 育 the activity of NAD−ME・ 罐 〔a},E. oo7σo佛αenzyme with 500μMFBP; 0 (b},P,漉。ぬ0’0駕刎0剛甥enzyme 10 20 30 40 50 60 with 500μM FBP; Temperature(。C) (c),P.4ゴ。乃。孟。吻〃707%甥 without FBP. 第5図 NAD−ME活性に及ぼすpHの 影響。(A);シコクビエ(白丸印) 及びオオクサキビ(黒星印)の酵 1.00 (A) 素,pH以外は標準反応液組成で 測定。{B);ハゲイトウ酵素,標準 75 反応のリンゴ酸及びFBP濃度を図 中に示すようにかえて測定。》印 ノ (50 はラグ時間をともなう酵素活性。 ) .盈25 Fig.5 Effect of pH on the activity ♂ of NAD−ME from leaves of ●罫 窺 E.oo7σo伽σ(A,open circle), 竃。 P.4ゴ。々。’o砺ノZo鰯〃z(A, closed Φ100 匠 ’ (躊》 踊75 star)and、4.’7ゴoolo7(B}.Assay 5 壽 100 ma【ate mM F面P(μM) of the former two enzyme was 5 T 5Q carried out with a standard 〃 レ 〃 reaction mixture except for ⊥1, pH. The enzyrne of the third 100 was assayed with various 1 25 Q 圃 concentrations of malate and レ レ レ FBP as shown in the Figure. Asymbol,v, indicates the’ 0 5.5 6.0 6.5 凱◎ 究5 NAD−ME activity showing the lag before reaching to Steady State rate in aSSay 一10一 い値が得られたが,FBPが存在しないと,その値は顕著に大きくなり,酵素の親和性が減少す る。また,Vrnaxはシコクビエ酵素の場合著しく増大するが,オオクサキビ酵素では1/V軸 での交点が等しく,Vmaxに差はなかった。しかし,シコクビエ及びオオクサキビ酵素とも Vmaxは120∼130 unitsで他の酵素と比べてL5∼3倍に達した(第3表)。 NADPに対す 第3表 シコクビエ及びオオクサキビ葉NAD−MEへの基質,の影響 [活性化剤のNAD−ME(500μM)を添加した場合(+), 添加しない場合(一)] Table 3. Kinetic parameters of NAD−ME from E. ooプσoσησ and P.漉。ん。’o癬ノZoプ%吻determined for the substrates shown with(+)and without(一)FBP(500μM). 墨 E. eoraoana Substrate (FBP) Km (mM) NAD ,, NADP 「, Malate ll Vmax (units) P。 dichotomiflorum 1{m (皿M) Vmax (uni七s) (+》 2.2 120。5 2.5 129.3 (一) 14.3 34.9 7.1 129,3 (+) 0.25 13.6 (一) 0.35 0.8 (+) 0,63 62.4 0.94 64。9 9.4 0.91 40.7 r(一) 5,5 る特異性はシコクビエ酵素においてのみ行った(第6図)。NADPに対する活性は,NADのそ れに比べてきわめて小さく,しかもNADの場合と同様に,2価金属に関してはMnaトに特異的 であり,Mg2+やCo2+では代替できず,またFBPによって顕著に促進された(Vmaxでα8 から13.6mitへ,第3表)。 リンゴ酸に対する反応様式は,単子葉植物(キビ,Pα瑠。伽Z伽1勿0甜〃のと双子葉植物 4,6) (肋α名απ伽3θ磁〃3,み’7ゴか16多3ρoπ9ゴ03σ)の酵素では異なることが報告されている ・ すなわち,前者では双曲線型の活性曲線であるが,後者はS字型の活性曲線となり,CoA やFBPなどの活性化剤はポジティブの,また, HCO3はネガティブのエフェクターとして作 用した。本実験でもこの二点に留意して実験を行った。単子葉植物のシコクビエ及びオオクサ キビではFBPの有無に関係なくリンゴ酸濃度に対して双曲線型の活性曲線が得られた(第3 表)。注目すべきは,FBPのこれらのパラメータに対する影響が両酵素で異なることである。 シコクビエ酵素では,FBPの添加によってKmは低下し, Vmaxは約7倍増大したのに対し て,オオクサキビ酵素ではKmは変わらず, Vmaxは1.5倍程度とわずかに増大した。双子葉 植物のハゲイトウの酵素ではFBPが存在しないか,またはきわめて低濃度の場合には,一見S 字型の曲線が得られた。しかし,FBPが飽和量(100μM)存在する場合には,むしろ双曲線 型で,二重逆数プロットでも直線となり,Kmは0.38 mM, Vmaxは6α6mitsであった (第7図)。前述したように,低濃度の基質やFBPの場合,酵素が十分に活性化されていな い可能性があり,低濃度のFBPが存在する場合(10μM)及びFBPを欠く場合について,反応 一11一 80 第6図 シコクビエ酵素に対する NAD及びNADP濃度の影響。 Fig.6 Eff㏄t of the concentration of NAD and NADP on NAD−ME 鶯60 from E. oo7σoσηα. NAD 毫 3 (一FBP)indicates that the erlzyme was assayed in the absence of FBP, 意 .藷40 ぢ Φ 鎧 三 一2。 NA[遊 NAD(岨FBP) NADP(一F P) 0 4 1 2 3 NAD or NADP(mM) 第7図 ハゲイトウNAD−ME活 性とリンゴ酸濃度の二重逆 V O。05 Km(mM) 1し42 V 口 FBP(μM) 10及び0μMの存在で測定 し,反応にラグ時間を伴う 活性CV印)を除外して作 0.87 V 1’V 数プロット。FBP濃度100, ム0 図した。 Fig.7 Double reciplocal plots O.03 0.38 /ロ10 』ンロ of the activity of enzyme 0 frorn/4.’7ゴ60107 as a ¶oo function of the concentration of m alate ‘0.α in the presence(100μM or 10μM)and abserlce .0 2 Q.5 1 1ノ$(Malat㊤, mM) of FBP. The activity determind without lag in reaction was plotted。 A symbol,v,indicates the activity with the lag before reaching to steady State rate ln aSSay. 一12一 にラグ時間の認められた測定値を除いてプロットすると,いずれも直線が得られ,1/V軸上 でFBP三〇〇μMの直線と交差した。 Kmはそれぞれ0.87と1.42 mMであった(第7図)。 FBPが低濃度かまたは存在しない場合に得られたS字曲線が,酵素の活性化が十分でないこと が原因であることを確かめるため,FBPが存在しなくてもラグ時間の見られないpH6で,FBP が100μM共存する場合及びFBPを欠く場合について実験を行い,ともに双曲線型の活性 曲線を得た。この場合のKlnは,それぞれ0.71mM及び2.0田Mであり,Vrhaxは共に49units であった。 5)脳n匿濃度の影響 本実験で得られた三種のC4光合成型NAD−MEは,すべてMn叶に特異的で, Mg2+やCo2+ などでは代替できなかった。Mn2+の影響はシコクビエ及びオオクサキビの両酵素に対して, また,いずれのFBP濃度においてもS字型曲線であった。(第8図)。 Mn2+濃度に対するHil1 60 (A) 500 陥P(刃M) 40 20 (20 盟 ’羅 3 0 漆0 曇60 (B) 500 総 ’① 隻 10 渥40 岨 0 20 《 0 1 2 3 為 5 Mn(⊃12 (mM) 第8図 シコクビエ(A)及びオオクサキビ(B)のNAD−ME活性に及ぼす MnC12の影響.図中に示したFBP濃度において測定した。 Fig.8 Effect of the concentration of MnC120n the NAD−ME from E.σ07σo翻。(A)and P.4匿。加’o珈ノ70グ%駕(B)in the presence of various concentrations of F B P as shown in the Figure. 一13一 プロットの結果,n値はFBPによって変わらず,シコクビエでは2.0,オォクサキビでは1.65 であった。Ko.5(最:大活性の1/2の活性を示すMn2+の濃度)は, FBPのな’ 「場合に比べ て,500μMFBPを添加すると滅少し,シコクビエ酵素では2.31nMから0。63mMへ,オ オクサキビでは0.66mMから0.161nMへ低下した。また, VmaxはFBPの添加によって増 加し,シコクビエは5、2unitsから62.4unitsへ,約12倍増加したのに対して,オオクサキビ では27.7unitsから59.1unitsへ,2倍強の増加にとどまった。 Mn2+濃度の影響がS字型 15) が,その生理的な意義につ 曲線である性質は,CAM植物のNAD−MEでも認められている いては明確にできなかった。 6)活性化剤の影響 C4植物のNAD−MEは, CoAやacety1−CoAまたはFBPなどの代謝産物によるだけでな 6) くSO42}によっても活性化される 。本実験で精製し’た3種の酵素もまたこれらの化合物に よって活性化されるが,CoAとacety1−CoAの活性化はFBPときわめて類似しているので, 実験はおもにFBPで行った。 (1)F駐Pによる活性促進,瓢皿2+との関係 シコクビエ酵素の場合,Mn2+濃度にほとんど関係なくFBPの濡性化効果は顕著であり, 10倍以上の活性促進が認められた(第9図,A)。しかし, KA(最大活性の1/2の活性を示 す活性化剤の濃度)と,△Vmax(FBP存在でのVmaxからFBP不在でのVrnaxを差し引い た値)は,Mn2+濃度によって異なった。 KAは2.5mM Mn2+では71μM,0.4mMでは 280μMであった。△Vmaxは,それぞれ62.7unitsと26. O unitsであった。一方,オオクサ キビ酵素では(第9図,B), Mn2+が高濃度に存在する場合FBPがなくても活性が高く, FBPの活性促進効果は相対的に低下した。α2mM,α4mM及び2.5mM Mn2+濃度におけ るみかけの促進効果は,13.7倍,3.8倍及び1.9倍であった。また,KA及びVmaxは, Mn2÷ 濃度とは関係なく大差なかった。 ② F8Pによる活性促進,リンゴ酸との関係 シコクビエ,オオクサキビ及びハゲイトウの精製酵素に対する,FBPの活性促進効果は, 基質であるリンゴ酸濃度が高い場合には,それぞれの酵素によって異なる(第10図)。 シコク ビエ酵素(第10図,A)はリンゴ酸濃度に関係なくFBPによって顕著に活性化され,0.5mM と5mMリンゴ酸存在下で,KAは160μMと65μMであった。オオクサキビ(第10図, B) 及びハゲイトウ酵素(第10図,C)の場合,低濃度のリンゴ酸(約0.5mM以下)ではFBPの 活性効果は著しく,オオクサキビ酵素では0.1mMとα5mMリンゴ酸の存在では,KAがそれ ぞれ12.5μMと5,5μM,ハゲイトウ酵素では47,6μMと12.7μMであった。しかし,飽 和濃度(5mM)のリンゴ酸の存在下では,オオクサキビ及びハゲイトウの酵素活性は, FBP が存在しなくても大きく,とくにハゲイトウではFBPの効果は殆どなく,オオクサキビではせ いぜい2倍程度であった。 ③ SO42+の影響 シコクビエ及びオオクサキビ酵素に対する影響を第11図に示す。両酵素ともFBPが共存す る場合,SO42一はむしろ阻害的に働き,しかも不可逆的であったが, FBP不在の場合には活 性促進効果が認められた。しかし,オオクサキビでは20mM以下の濃度で20∼30%程度の促進 にとどまり,それ以上の濃度では阻害効果が大きくなった。シコクビエでは少なくとも200rnM SO42一まで阻害はなく,S字型の活性促進がみられ, Vmaxは約3倍に増大し, SO42一に対 するKAは50mM, n値は2.5であったσ 7)CO2または戴C(パの影響 双子葉植物のNAD−MEは,反応生成物であるCO2またはHCOゴによってS字型に阻害 一14一 60 Mnα2(mM)(ン__一一一一一㊨ (A) 6Q (B) 2.5 2.5 4Q 繰 40 Q.2 20 20 o.4_一 o 0 O 100 200 3QO 400 5QO O 25 50 75 壌00 5QQ FBP(μM) 罵n豊ym⑤ activity(unit$) シコクビエ(A)及びオオクサキビ(B}のNAD−ME活性に及ぼすFBPの影響。図中に示し 第9図 ,B両図で異なること・ たMnC12濃度において測定した。 FBP濃度表示のスケールがA に注意。 Fig.9 Effect of the concentration of FBP on the activity of NAD−ME from E. oo7σoαπσ(A}and P.4匿。ぬ。’o珈ノ10物吻(B)at different concentrations of MnC12 as shown in the Figure. Note that the different scales used on the abscissa. 60 (五) (C) (B) 5.0 5.o O Mal齪ε (mM) 5.0 富40 謬 3 KAωM) α5 0・5. 箔 .慧 .≧ 65 5.5 12.7 ℃ ⑪20 ① 繧 0.5 》 0.1 N 田 0.1 葛 160 12.5 47合 Q。2550 伯001Q 25 5001025 50 ドBP (、μM) 第10図 種々の.リンゴ酸濃度におけるFBP濃度のNAD−MEに及ぼす影響。リンゴ酸濃度は 図中に示す。A,シコクビエ;B,オオクサキビ;C,ハゲイトウの各酵素。 Fig.10 Effect of the concentration of. FBP on the activity of NAD−ME from E. oo7αoσησ (A),. P.4ど漉。’o〃2ゴ〆Zo7%〃z(B)and〆1,〃疹oolo7(C}at different ooncentrations of Inalate as shown in the Figure, 一15一 第11図 シコクビエ(E.c)及びオオ 300 200 令 し 瞬 盧.G(一FBP) が存在する条件,二二はFBP P.d(一FBP) が不在の条件での測定。 50 團 Fig,11 Effect of the P.d concentration of ammonium り Φ 羅 sulfate on the activity of 20 Nあ ω 活性に及ぼす硫酸アンモニア の影響。黒印は500μMFBP 100 診 ’峯 クサキビ(P.d)のNAD一二E NAD−ME from 鳳。 E.607σoαηα(E.c)and 10 P,4客。ぬ。’o吻の707%吻 (P.d). The enzyme was assayed by 0 2Q 4Q 6Q 80 200 Ammonium sulfate(mM) the addition of amrnonium su上fate as indicated in the Figure to the standard reaction rnixture with (closed symbols) and witout1(open symbols)500 μMFBP. され,この酵素の活性調節と深い関係があると示唆されている4)。ハゲイトウの酵素につい てこの点を検討した。まず,反応門中に溶解しているCO2を煮沸, N2ガス通気等で除去して, 活性を測定した結果では何らの影響も認められなかった(データ省略)。次にNaHCO2添加の 影響を調べ,第12図に示す結果を得た。リンゴ酸やFBP濃度が低い場合,活性の低下は著しかっ た。NAD−MEの直接の生成物はC(》であることから, HCO3一をCO2にかえるカーボニック アンヒドラーゼを添加したが,その効果は認められなかった。さらにこの実験では,12:5mM AC ES−NaOHバッファーを用いたので,反応液のpHに対して活性をプロットしなおしてみると (第12図,挿入図),pH一品性曲線(第5図, B)ときわめて類似した曲線となり,NaHCO3 の添加に基づく活性低下は,むしろpHの上昇に原因すると考えられた。これらの結果から,ハ ゲイトウのNAD−MEはCO2またはHCO 3一による阻害はないと結論された。 8)免疫化学的性質の差異 最初に,シコクビエNAD−MEの抗体を作成し,単子葉のオオクサキビ酵素との免疫的性質 を二重拡散法によって調べた(第13図)。オオクサキビの酵素は抗体に対する反応性が弱い上 に,.シコクビエ酵素との間には典型的なスパーが形成され,両酵素は免疫的にかなり異なるこ とが示された。活性の半分を失活させるに必要な抗体量は,シコクビエ酵素では15μ1,オオ クサキビ酵素では115μ丘であった。また,双子葉植物の.4.θ吻〃3の酵素は,実験の範囲内 では全く阻害されなかった。その後,オオクサキビ及びハゲイトウの精製酵素が得られ,それ ぞれに対する抗体を作出したので,ELISA法によって,精製酵素とそれぞれの抗体との反応性 を検討した(第15図)。抗シコクビエNAI>ME抗体に対する各酵素の反応性をみると,シコク ビエ酵素のそれを100とした場合,オオクサキビとハゲイトウ酵素はそれぞれ49と、37であっ た(第15図,A)。同様にして,抗ハゲイトウNAD−ME抗体に対しては,ハゲイトウ酵素の 反応性を100とすると,シコクビエ及びオオクサキビ酵素は43と38であった(第15図,C)。 一16一 (%) (A) 100 \ 50 100 ⑫ 魅6スo 俗 75 か ) 》 .慧 .藷 50 \ pH △ ℃ 旺 .\ o 25 》 N 岨 Q △一 Q 5 10 15 20 NaHCO3 (mM) 第12図 ハゲイトウNAD−ME活性に及ぼすNaHCO3添加の影響。 反応液はACES系を用いたが,リンゴ酸濃度は2mM,FBPは 100μM(白,黒丸),5μM(白三角)及び無添加(白四角) とした。またCO 2の影響をみるため2単位のカーボニックアン ヒドラーゼを加えて測定した(黒丸)。挿入図は反応終了後に 測定したpHに対して活性を再プットしたもの。 Fig.12 The eff㏄t of NaHCO30n、4,〃勿0107 enzyme activity with different concentrations of FBP. The reaction was carried rout with 2 mM malate in the presence of 100μM (open and closed circle)and 5μM(open square)FBP and in the absence of FBP(open triangle). Carbonic anhydrase was added(closed circle)・Inset was plots of the activity versus pH of reaction mixture which was determined immed{ately after the reaction. これに対して,抗オオクサキビNAD−ME抗体の場合(第15図, B),三つの酵素の反応性は 類似しており,オオクサキビ酵素の反応性を100とした場合,シコクビエ及びハゲイトウ酵素 は93と84であった。 9)NAD一瓢Eの光による誘導 暗黒下で生育したシコクビエ幼植物葉のNAD−MEは,光の照射とともにその活性が増大し, 照射後90時間では13倍程度となった(第16図)。また,この活性の増加経過は,葉緑素量及びPEP カーボキシラーゼ活性の増加経過とほぼ平行的であった。葉緑素やPEPカーボキシラーゼの 生合成は,すでに光によって誘導されることが明らかにされているユ3)。この実鹸から,NAD一 一17一 禽4 ご 騒 盆 剃3図 二重免疫拡散法によるシコクビエ及びオオクサキビ酵素タンパク質の解析。 中心穴にシコクビエ精製NAD−MEに対する抗体,外側の穴1と3はシコク ビ二葉抽出液,2と4はシコクビエ葉抽出後のPEG分画,5と6はオオクサ キビ葉の抽出液。 Fig.13 Double immunodiffusion assay of NAD−ME from E. oo7σo碗σand P.4励。’o痂刀07勿甥.Central we11, anti−E, ooησ翻αNAD−ME antiserum;wells l and 3,crude extract from E. oo7σoσπα, wells 2 and 4,PEG fraction from E.60プσo朋σand wells 5 and 6, crude extract from P.漉。ぬ。’o砺刀。勉㎜. 100 評 》80 .怒 孟6。 竃 ①40 繕 あ N 環20 ω OO 50 1QO 150 刃IAnti囎rum’un縫en翌yme 第正4図 抗シコクビエNAD−ME抗体によるシコクビエ(E. c),オオクサキ ビ(P.d)及びアマランサス(A. e)のNAD−ME活性の阻害 Fig.14 1mmunoprecipitation curves of NAD−ME in the crude ex− tracts from leaves of E. oo7αo伽。(E. c), P.漉。加’o痂.1707%駕 (P.d)and、4吻α7σ雇伽3θ4〃ゴ3(A. e), Imrnunopr㏄ipitation were performed with anti}E, oo7σoαηαNAD−ME antiserum. 一18一 (8) (A) (c) △ 薦↑・0 諾 O 專 蟹.cor一 一 駕 8 o 羅。.5 △ 駐dic_ 一 駐 8 △ 豊 A.trl } … 0 1 1 ! 0 電.0 2.5 .0 1.0 2.5 ◎ 1.0 2.5 Purified NAD−M【三(ng) 第15図 シコクビエ,オオクサキビ及びハゲイトウの精製NAD−MEとそれぞれの抗体との相 互反応性(ELISA)。〔A};抗シコクビエNAD−ME抗体に対するシコクビエ(丸印),オ オクサキビ(四角印)及びハゲイトウ(三角印)のNAD−MEの反応性。(B};抗オオク サキビNAD−ME抗体に対する各酵素の反応性。(C};抗ハゲイトウNAD−ME抗体に対 する各酵素の反応性。 Fig.15 Cross−reactivities of NAD−MEs from the leaves of E. oo7σoo獺(circle), P,4ゴ。加’o漉ノZo7%駕(square)and /1.〃ガoolo7 (triangie)with antiserum prepared against the respective enzyme from E. oo7σoσ紹(A),P.4ゴ碗。’o漉ノ707%勉 (B)and 、4.緬oolo7(c), as showll by ELISA. NAD−M置 5Q 10 Q芝40 8 蚤 違30 ch毫orophyU ㎝ も NAD−M置 掘 Q.8) 6 書 馨2・ 1.2( や ≧ 轟 餐 婁 PEPC. 4 8 霊 0.4ご 魂1・ 2 壼 α 2 2 .δ 国 o 0 0 20 ・40 60 93.5 川umination time(h) 第16図 暗黒下に生育したシコクビエ幼植物におけるMAD−ME活性, PEPカーボキシラー ゼ活性及び葉緑素含量の光照射に伴う増加。 Fig.16 1ncrease.of the activities of NAD−ME and PEP carboxylase and of the conten t of chrorophyll in greening 工eaves of E, oo〆αoθ鍛z seedlings after iHumination. 一19一 MEの合成も光によって誘導されることが示唆された。実際に,ウエスタンプロッティングに よってタンパク質量を定性的に調べてみると,照射時間とともに増加していた(データ省略)。 このことから,シコクビェ葉のNAD−MEの光照射に伴う活性の増加は,酵素タンパク質の合 成に基づくと考えられた。ウエスタンプロッティングにおいて,光照射前の酵素タンパク質量 が,PEPカーボキシラーゼなどのそれに比べて,相対的に多い傾向が認められた。このタン パク質の性質については大変興味深く,今後明らかにしていく予定である。以上の実験結果を 総合して,C4植物葉のNAD−MEは,その植物起源によって酵素的性質や免疫的性質を異に し,多様性が認められた。このような多様性は,N末端アミノ酸配列やペプチドマッピング (本冊,平野,村田,香川;3.光合成C4回路酵素タンパク質のアミノ酸配列の決定)におい ても認められ,この酵素をコードしている遺伝子構造に興味がもたれる。また,C4光合成に 関係するNAD−MEは, PEPカーボキシラーゼやRubiscoなど光合成関係の酵素やタンパク質 と同じように,光によって合成と活性が誘導されることが明らかになった。本来呼吸の場であ るミトコンドリアに存在する酵素が,どのような機構によって光合成的酵素へと変化し得たの か遺伝子レベルでの解明が待たれる。 一20一一 摘 要 NAD一マリックエンザイム(NAD−ME)は生物界に広く存在する酵素であり,各細胞のミ トコンドllアに存在し, llンゴ酸からCO2とピルビン酸を生じる反応を可逆的に触媒する。C4 光合成回路では,維管束鞘細胞(BSC)でC4有機酸を脱炭酸して, CO2をカルビン回路に供 給する酵素は3種類が知られており,いずれの酵素が主要な働きをするかは植物の種によって 定まっている。NAD−MEはC4植物のNAD−MEサブタイプ種の主要酵素であるが,他のサブタ イプにも少量ながら含まれることが確かめられている。この酵素は,C3植物やCAM植物など では精製純化されて,物理,化学的性質等の研究が行われているが,C4植物からは不安定のた めいままで精製されたことはなかった。NAD−MEサブタイプの単子葉植物のシコクビエ (E16乞43ゴπθ 007α0απα)及びオオクサキビ(P伽ゴ0%駕4幼0’0珈π0〆%吻)と双子葉植物のハゲ イトウG4脚70雇肱3翻oolo7)の緑葉から,この酵素を純化精製し,それぞれの純化酵素に 対するウサギ抗体を得た。3種の精製酵素の分子量は大差なく,50万程度と測定された。また, SDS一電気泳動によるサブユニットの解析では,いずれも単一のバンドを示しその分子量は シコクビエ酵素が63kD,オオクサキビ酵素が61kD,ハゲイトウのそれが60kDと測定された。この ことから,C4植物のNAD−MEは同唱サブユニットの8量体と結論された。酵素反応の動力 学的性質は基本的には大差なく,基質であるNADやリンゴ酸濃度に対しては双曲線型の活性 を示し,反応にはMn2+が特異的に不可欠であり,その濃度に対してS字型の活性曲線を示し た。また,(hA,フルクトースー1.6一ニリン酸(FBP)あるいは硫酸イオンによって活性化 された。しかし,酵素起源により性質に差がみられた。ハゲイトウの酵素では,定常速度に達 するまで時間的なラグがあり,このラグは高pHや高バッファー濃度で長びく傾向があった。 しかし,反応塩出にNADHを10μM程度添加することにより,このラグは消滅した。最適pH は,シコクビエとオオクサキビの酵素で大差なく,6.5∼7であった。しかし,ハゲイトウ酵 素は標準条件ではpH 6,8∼7.3であったが,リンゴ酸やFBP濃度を低下させると最適pHは 酸性側に傾いた。活性化剤であるFBPやCoAの作用は,リンゴ酸やMn2+が低濃度の場合, きわめて効果的でいずれの酵素も10倍以上活性化された。しかし,飽和濃度のリンゴ酸やMn2+ が存在する場合,起源を異にする3つの酵素で異なった性質がみられた。すなわち,シコクビ エ酵素では,この条件でも,活性化剤の効果は低濃度のリンゴ酸やMn2+の場合と大差なく, 10倍以上であった。これに対して,オオクサキビ及びハゲイトウの酵素ではllンゴ酸やMn2+ の濃度を上げると,たとえ,活性化剤がなくても活性は顕著に増大し,オオクサキビでは活性 化剤が存在する場合の約60彩,ハゲイトウではほぼ同程度の活性を示したQまた,CO2または HCO3一が双子葉C4植物のNAD−MEを阻害するとの報告があり,この点について,ハゲイ トウの酵素では,そのような現象は見られなかった。それぞれの精製酵素の抗体を得たので, 免疫化学的性質について二重拡散法,酵素活性阻害法及びELISA法によって検討したところ, 三者三様の免疫化学的性質を示し,免疫的にはかなり相違するタンパク質であることが推定さ れた。また,シコクビエを暗黒下で発芽,生育させ,幼植物に光を照射すると,NAD−ME活 性が,PEPカーボキシラーゼ活性や葉緑素含量とほぼ平行的に増加することを認めた。この NAD−ME活性の増加は,ウエスタンプロッティングによりタンパク質量の増大に基づくこと を定性的に確認した。以上のように,C4植物のNAD−MEは,植物起源により酵素的並びに 免疫的な性質を異にするが,このことはNAD−MEの多様性を示すものであり,その遺伝的及, び生理的意義について今後追求する必要がある。また,本来呼吸の場であるミトコンドリアの 酵素が,どのような遺伝的変異を受けてC4光合成酵素として働くに至ったか遺伝子レベルで の解明が待たれる。 一21一 引 用 文 献 1) Artus, N・N・and G・E・Edwards(三985)NAD−malic enzyme from plant・FB冠S Letters 182:225−233 2) Bradford,M・M.(1976)Arapid and sensitive method for the quantification of microgram quantities of protein utilizlng the principle dye binding, AnaL Biochem.72 =248−254 3) Brown, W. 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Summary NAD malic enzyme [NAD−NE, L−malate 3 NAD oxidoreductase (decarboxylat二inq), EC l。1。1。39] is widespead in nature and cata− lyzes the ox生dative decarboxylation of malate tO produce CO2 and pyruvate in mitochodria。 In the leaves of certain C与 plant, desiqna七ed NAD−ME type species, NAD−ME plays a key role in C4 pathway photosynthesis by providinq CO2 for fixation in the Calvin cycle in bundle sheath cells. NAD−ME was purified about 400−fold to electrophoretic homo− geneity from leaves。f tw・m・n・cot q species, EZθ㍑8伽θoorαoαηα and Pαηゼ(3撒 とZゼ。勉0古0η7ゼ!ZOr㎜3 and a dicot, ・4ηZαrαη亡ん㍑8 亡rゼ00ZOγ㌔ 田he purification was successfully carried out usinq relatively high concent二rat二ion of 2−mercaptoethanol (50 mM) and qlycerol (10− 15 宅) and polyet二hyleneglycol (PEG) fractionation。 All enzymes from each C辱 spec生es were found to have one subunit by SDS poly− a・ry坤mid・qrl・lect・・ph・re・i・(PAGE)・Th・m・lecular w・iqh七・f subuni七s was somewhat different among t二he enzymes, that is, 63 kD for the enzyme fromπ。 oorαoαηα aIld 61 kD for t二he enzylne from P. 4励・伽ゼ∫Z・r㎜an母60 kD f・r the en・ym・f・・m4・加客・・Z・r・Th・ native molecular weiqht of the enzyme was not so different depend− inq on the sources of enzyme, about 490−500 kD being obser▽ed, indicatinq t二hat the leaf NAD−ME from different C辱 species is an octamer of identical subunits。 一24一 The enzyme from leaves of直。 亡rφooZor3 but not二the enzyme from lea▽es of monocots, showed a laq in reaction before reaching steady st二ate rate in reaction。 The :Lag was remarkable at low con− centrations of substrate or activator。 The laq was almOstly eliminated by the addition of lO μM NADH to reaction mixture. Optimum pH for・the activity was 6。5−7 with the enzyme from 七wo monocots and 6。8−7。3 with the enzyme from刃. 古r客ooZor at a standard reaction condition. But the optimum pH for the latter enzyme activity was chanqed to acidic side by either decreasinq concentra− tions of substrat二e or omitting the activator。 田he purified HAD−ME from each C辱species showed similar pro− perties in・hyperbolic activity curve$ aqains七 the concentration 2十 〇f malate and of NAD, absolute requirement for Mn and activation by fructose−1,.6−bisphosphate.(FBP) as well as by CoA。 Alt二houqh the enzyme from 14。 診rゼooZoγ・showed sigmoidal activity curve aqainst the concentration Qf.malate at IQw.concentrations of activator, b.ut二七his siqmodal character was due t二〇 that the enzyme was not fully activat二ed at assay。 The enzyme from E. ooア0:00:㎜ showed very small act二i▽ity with 醤ADP and this.act二i▽ity was stimulated by FBP 2一← . 2十 ■nthe presence of.Mn 。 A cooperativity with respect to㎞ was apParent with both enzymes from monocots。 The activator did not chanqe the Hill number but considerably decreased t二he concentration 2÷ givinq half−maximal activity。 of Mn Siqnificant二differences amonq t二he enzymes from two monocQts and a dicot二weτe observed in t二he responses to the activat二〇r depend一 . . 2+ and malate。 The erlzyme fro三nπ。 of Mn ■nq on the concentrat:Lon oorα(3αηαwas basically dependent on the activator regardless of . 2十 . . 田he aCt■vat■On WaS alWayS the cOncentrat■on of Mn and malate. more than lO−fold。 Both erlzymes from P。 dゼ。ん。か。∼ηゼプZoγ・卸η and直。 診rゼooZor also showed considerable dependence on the activator at 2十 10w concentrations of Mn and malate。 But activity of both enzymes was remarka上)ly increased, even thouqh the activator was 一25一 2十 absent, with increasing concentrations of Mn and ma:Late。 At 2十 and malate, the activity of enzyme saturated concentrations of Mn from P。 dゼ。海。亡。切φプZor㎜was about 60 ∼きof that with activator and the activity of enzyme from 4。 冶rゼooZor was no lonqer dependen七 〇n the activator。 Effect of the addition of various concentratiorls of NaHCO3 was tested and the activity Qf enzyme from君。 亡rゼ00Zoγ∂ was observed to decrease。 But this decrease was due to the chanqe of pH in the reaction mixture rather than inhibition of CO2 and HCO 3 。 The i㎜unOchemical prQperties of the enzyme fromセhree C辱 plant leaves were compared by the procedures of i㎜unodiffu畠ion, i㎜unoprecip止ation and enzyme−linked i㎜unoadsorbent.assay(EL工S旬 using antisera raised aqainst three purified enzymes from each C梶 species。 田he different cross−reactivities were.observed amonq the enzymes from different sources。 工llumination of dark qrown seedr lings of E。 (30rαoαηα fQr 93 hr brouqht about.13−fo:Ld increase in 七he activity of NAD−ME in paralle:L with the increase of the content of chrolophy!l.and the activioty of PEP carboxylase。 IPhe increase in NAD−ME activity was shown by Wester恥blottinq t二〇 〇ccur simul− taneously with the synthesis of enzyme proteinふ The experimental results described in this report show the differences in the erlzymic properties and antiqenicities must reflect二 a considerable divergence among the genes coding the enzyme of respective species. Therefore, it has to see what lheteroqeneit二y involved in these qenes characterizes the diveκsity of the enzyme by comparati▽e analysis of these qenes・ 一一 Q6一 2.イネ科C4植物におけるNAD一マリツクエンザイム及び NADP一マリックエンザイムの免疫学的多様性 的杉 立* NAD一マリツクエンザイム(ME)はC4植物のサブタイプの一つであるNAD−ME種の 炭酸固定における脱炭酸酵素である。しかし,他のサブタイプ(NADP−ME種及びPEP −CK種)にも一定の活性が認められ,また, NAD−ME種の間でも活性化剤(FBPある いはCoA)に対する反応が異なるなど,その多型性が示唆されている1・4,6}。本実験ではNAD、 一MEの免疫学的多様性を明らかにするため,同じNAD−ME種であるが,系統分類上, あるいは,葉構造の面で異なっているシコクビエ,オオクサキビ,ハゲイトウより精製した NAD−MEに対する抗体を用いて,多くのイネ科C4種のNAD−M露との反応性を検討した。 また,トウモロコシより精製したNADP−MEに対する抗体と多数のイネ科NADP−ME 種のNADP−MEとの反応性を調査し, NADP−MEの多様性もあわせて検討した。 桝料及び方法 表1に示したイネ科NADP−ME種11種, NAD−ME(P)種7種1変種, NAD− ME(F)種3種, PEP−CK種8種の合計28種1変種を供試した。 NAD−ME(P)種と NAD−ME(F)種はそれぞれ維管束鞘細胞内の葉緑体が求心的に分布するNAD−ME種 と遠心的に分布するNAD−ME種である9・lo}。 NAD−ME(F)種のp.oolo7認%〃2のcv・ Kabulabulaとcv・Solaiは染色体数など異なる点が多いため3,10),別個に扱った。系統分類上, イネ科C4植物は一部の例外を除いてキビ亜科(Panicoideae)とスズメガや亜科(Eragros− toideae)に属し,キビ亜科には全てのサブタイプが含まれているが,スズメガや亜科はNAD− ME(P)種とPEP−CK:種のみである。最近,スズメガや亜科のE7αg70伽3属にNAD− ME(F)種が見いだされたが11),今回の材料には含まれていない。 常法に従い圃場で生育させた植物体の最上位展開葉を快晴の日(1987年8月11日)の11時 ∼13時に採取し,液体窒素中で凍結後,酵素活性測定まで一85℃で保存した。 凍結した葉片(0.3−0.4g)を磨砕心(50 mM Hepes−NaOH(pH 7.5),2.5mM MgC12, 2,5mM MnC12,1rnM EDTA,10mM DTT,0,5%BSA,0,02%Triton X−100, 10%gl ycerol)を含む乳鉢中で磨生し,ミラクロスで濾過した。濾液を15,000 rpmで,10 秒間遠心し,上清をあらかじめ磨愈愈で平衡化したセファデックスG−25で遠心脱塩し,粗酵 素液とした。 NAD−ME活性は12,5mM MOPS−NaOH(pH7.0),5mM DTT,0.25mM EDTA,5mM malate,2.5rnM NAD,2.5mM MnC12中で測定した。反応はMnC12 で開始し,活性化剤(0.1mM CoA)を加えた後の値を活性とした。 NADP−ME活性は50 mM Hepes−NaOH(pH8,0),5mM DTT,5mM』EDTA,0.5mM NADP,5 rnM K−malate,20mM MgCI2中で測定し,反応はMgC12で開始した。 酵素活性を一定にそろえた粗酵素液を1%SDSで処理した後,10%ポリアクリルアミド, *草地試験場・育種部 一27一 表1 イネ科C4サブタイプ種葉身のNAD−ME活性及びN.AD−MEタンパクと オオクサキビある阿、はセユクビエ由来のNAD−ME抗体との反応性 Table 1. NAD−ME activity and antigenic cross−recactiviもy o{antibody against NAD−ME of 1セ吻。伽z 4ゴ。加如初壇07初and E如郷吻oo矯6αηαto MAD−ME polypeptide of different C4 subtype species of Gramineae・ Relative cross−reactivity(1)and(2)are determined by densitometric tracing of the immunoblotting reacted with ant玉body again6t NAD−ME of P.漉。ん。’o駕ゴ刀07z6溺and E. oo7とzoαπζz, respectively・Each value is relative peak height of NAD−ME b母nd qf respective species when the peak height of=P.4ゴ。ぬ。’oηz魏oγz6〃30r E. oo70αzηαis standardized as 1.00. Relative Relative Activity C4 subしype Species crOSS− crOSS− reaCtiVity reaCtiVity (μnlol/㎎Ch1/h) 潤ムDP覗E (1> (2) Panicoideae Cθηoゐ7房ε ‘μゴα〆5 63,9 LO7 0.42 1)ガ81”σ7如3η膨’3ゴゴ 76.5 0,19 0.34 163.4 0.30 0.20 78.4 0.33 0.31 Pαπfoμη3 ピ7”が40’σ’θ 12LO 0.60 0.39 P,0醒μεμ泌 107.0 0.10 0.31 εθ’07ゴσ3ρゐσ6θ!認σ .124.7 0.50 0。16 β0’ゐ7ガα治’00 海031θ〆 54.3 0.59 0.28 彦7ωη0σ〃α70ρ雇岬0’4θ3 30,9 0.71 0.43 Hツρα7納θπ如々fr’σ 29.2 0.67 0.42 77.8 0.62 0.35 β0雇”00〃0σ0耀3−90〃ゴ Pσ5ρσ’雄η 440如如η3 zθo㎜y3 84.3電12.5 0。52ニヒ0.08 0.33±0。03 轟ean圭S畳E. NAD一}lE(P) Panicoideae Pαπ勧解60!θ7σ嬬(cv.Klein) 516.8 0.84 P.oo1σσ緬翅 伽7.ημ々07珍σ7ゴθπεθ 613.9 0。97 1.00 P.吻ゴ!如‘α4鋭 498。1 0.78 0。97 P,3’ゆノぎα潴溜 644.9 0.73 0.78 Cゐ107ゴ3ρツ0”0醜7㍑ 525.9 0.56 1。02 Cンπα∫伽4σ‘ごメ。π ・ 536.7 0.67 0.74 B’θμ5∫πθσ02畠〃σβ”α 775.8 0.66 1.00 E7σ9γ03’∫30∬r昭1σ 632.1 0.82 0.52 阻ean±S.E. 593.0:ヒ32。9 0.75±0。05 0。85士OgO6 0,78 Eragrostoideae NAD−ME(F) Panicoideae Pαη∫oε4η宮 σo’07σ’解η3(cv◎Kabulabula) 552.0 0,89 0.88 P. oolo7α’ε6η蓼(cv。Solai) 654.7 0.76 0,98 P.漉0海0’0η冨ノ102膨η3 559.5 1.00 0.27. P,如θ加ノb’吻餌 314.3 1.19 L42 阻ean±S.E. 520.1ま72.5 0ゆ96±0.09 0曾89±0.24 PEP・CK Panicoideae Pσπゴ6拶溺 4θ㍑∫’μ解 ’ 131,1 0.86 1.15 P,,ηo∫ゴ隅μ7η 136.7 0.84 0.88 P.’θκ{72膨η3 232.8 1,09 1.20 び㍑ゐ如。餌〃目皿η3 167.7 0.85 1.31 143.2 0.86 0.41 Mθ伽fε引回曜∫ノ107α E「agrosしoideae 135.8 0曾84 1。31 256.7 0.70 0.84 142.3 0曾87 1.57 168.3;ヒ17。3 0曹86=ヒ0.04 1.08:ヒ0.13 β0μ’θ’0μ40闘7’ψθ”4〃β 』)α0砂’06’θπ鈴口 σθ即ρ’8μ9η 3♪oroゐ〃μ3ρアプσ勉ゴ4σ’π∫ 鼠ean±S。E, 一28一 0.2%SDSを含むゲル上で電気泳動を行った。泳動後,ニトロセルロース膜上に転写したタ ンパクを一次抗体(NAD−MEの抗血清),次いで,二次抗体(ホースラディッシュパーオ キシダーゼを結合した酵素抗体)と反応させた(イムノブロット法)。二次抗体染色で得られ たNAD−MEあるいはNADP−MEバンドのピークの高さをデンシトメーターで求め,反 応性の相対値を求めた。一次抗体として博覧クサキビ(p伽ゴ0%〃24醜0’0吻刎0ア襯,イネ科キ ビ亜科NAD−ME(F)種),シコクビエ(E1θ粥惚 oo7αo伽σ,イネ科スズメガや亜科NAD −ME(P)種)及びハゲイトウ(、4初。η駕伽3θ吻〃3,双子葉NAD−ME(P)種)葉 より精製したNAD−MEに対するウサギ拡体,また,トウモロコシ(2r印吻の23,イネ科 NADP−ME種)葉より精製したNADP−MEに対するウサギ抗体を用いた。酵素の精製及び 抗体の作成は農業生物資源研究所機能開発部炭素代謝制御研究室において行われ6・7),本研究 で用いた抗体は全て同研究室から譲り受けたものである。 結果及び考察 1.NAD一腋鱈の多様性 由来を異にする三種類のNAD−ME抗体(以下,ハゲイトウ抗体,オオクサキビ抗体,シ コクビエ抗体と略)と多数のイネ科C4植物のNAD−MEとの反応性の結果を表1と図1に示 した。三種類のNAD−ME抗体とも全てのサブタイプ種のNAD−MEと反応した。しかし, 反応程度には差異がみられ,双子葉植物由来のハゲイトウ抗体は単子葉イネ科C4種のNAD− MEに対し,反応性が低く,サブタイプの中でNAD−ME種と特に強く反応するという傾向は 認められなかった(図1A)。 一方,イネ科のオオクサキビ抗体はオオクサキビの属するNAD−ME(F)種のNAD− MEとの反応性に比べて,属さないNAD−ME(P)種のNAD−MEとの反応性が若干低 い傾向を示した。中でも,オオクサキビの属さないスズメガや亜科のNAD−ME(P)種と の反応性が低かった。従って,オオクサキビNAD−MEはキビ亜科のNAD−ME(P)種 やNAD−ME(F)種のNAD−MEとは免疫学的な差異はほとんどないが,スズメガや亜 科の蕊AD−ME(P)種のNAD−MEとはある程度の違いがあるものと考えられた。一方, シコクビエ抗体はシコクビエの属するNAD−ME(P)種との反応性と属さないNAD− ME(F)種との反応性との間で差異は見られなかった。また,シコクビエ抗体とシコクビエの 属するスズメガや亜科のNAD−ME(P)種及び属さないキビ亜科のNAD−ME(P)種 との反応性も互いに差異は見られなかった。従って,シコクビエNAD−MEはスズメガや亜 科,キビ亜科にかかわらず,NAD−ME(P)種あるいはNAD−ME(F)種のNAD− MEとの免疫学的な共通性を多く保持しているものと推察された。 ところが,種ごとにみると,オオクサキビ抗体とシコクビエNAD−MEとの反応性は相対 値で0.66と他のスズメガや亜科のNAD−ME(P)種とほぼ同様であったのに対し,シコ クビエ抗体とオオクサキビNAD−MEとの反応性は0,27と低く,他のNAD−ME(F)種と の高い反応性とは異なっていた。オオクサキビとシコクビエのNAD−MEは酵素的性質が異 なり,例えば,FBPによる活性化程度:はシコクビエが10−20倍であるのに対し,オオクサキ ビではわずかに1,5−2倍である4・6)。シコクビエ抗体とオオクサキビNAD−MEとの低い 反応性はこのような酵素的性質の違いと関連している可能性もある。 オオクサキビ抗体とシコクビエ抗体はPEP−CK種のNAD−MEに対してもNAD− ME(P)種やNAD−ME(F)種と同様な高い反応性を示した。本実験の結果, PEP一 一29一 A 図1 由来を異にした三種類のNAD− ME抗体と多数のイ了科C4種の 壌234567891Q唱12 NAD−MEとの反応性 Flg l Irnmunodeteclon of NAD− ME m varlous C4 grasses by 伽 usmg antybody agalnst NAD− ME obtalned from three dlfferent NAD−ME specles Extracts from leaves were subjected to SDS−PAGE transferred onto nltrocellulose sheet and stalned wlth antl NAD−ME antlbody and pero− xldase−conjugated secondary antlbody Proteln amourlt of the ext ract subjencted onto 123456789101112 評 . \ ゾ SDS−PAGE was dlffrerent ゾ dependlng on the specles slnce ヘ ザ ’ / 帰鵡必一無難一 π N the same unlt of NAD−ME actlvlty on a chlorophyll basls 伽 was sub]ected A cross−react1− vlty of antlbody agalnst NAD− ME of/1〃zα劾π酌z偲 θ4z〃25 B cross−reactlvlty of antlbody agalnst NAD−ME of P伽2傭㎜ 420履。駕刎070襯,Ccross− reactlvlty of antlbody agalnst c NAD−ME of酬θ%32紹oo名αo卿α Lane l extract from Dσの_ 1234567891011 鉾∫》癖霧賦∫\、 12 ♂oo’θπ躍勉(PEP−CK specles) 2,Pσ吻ozづ吻 46z63’z4吻 (PEP− CK二),3 σ7001zloα1)z6”94如2z3 (PEP−CK) 4 E1θ%33紹oo7σ一 〇伽α(NAD−ME(P)) 5 中 詑\ E7㎎703’z30π7陸田(NAD−ME (P)) 6,Pα窺α槻呪3加。甜勉 (NAD−ME(P)),7 βo魏1α観 卿’膨厩%如(NAD−ME(P)) 諭 8,Pαπ20%吻430勿孟。型押07%駕 (NAD−ME(F)),9,P翻z6襯 伽四げ。傭勉(NAD−ME(F)), 10 馳如72α3帥σoθ振起(NADP− ME) 11 Pα3ヵα/%初4廊如劾吻 (NADP−MB) 12,P伽zo襯σ漉40’σ1θ(NEDP−ME)NAD−ME(F)and NAD−ME(P) specles wlth centrlfugal and centrlpetal chloroplasts ln bundle specles are NAD−ME sheath cells respectlvely Each arrow lndlcates NAD−ME band 一30一 CK種のNAD−ME活性はNAD−ME(P)種やNAD−ME(F)種の約30%であっ た。PEP−CK種の炭酸固定反応においてもNAD−MEによる脱炭酸反応が一定の貢献を しているものと考えられているが,ここでみられたNAD−MEの免疫学的類似性からみると, 酵素的性質もあまり変わらないのではないかと推察された。 仲本ら(1987)はオクタロニー法により,シコクビエ抗体といくつかのイネ科C4種のNAD− MEとの反応性を検討し,反応性の違いからNAD−MEを4群に分け,シコクビエNAD− MEとパニカム属のNAD−ME(P)種, NAD−ME(F)種及びPEP−CK種のNAD −MEとは免疫学的性質が異なっていると報告している。しかし,本実験の結果,シコクビ エ抗体とシコクビエNAD−ME及び仲本らの用いたパニカム種のNAD−MEとの間で反応 性に明瞭な差異は認められず(オオクサキビを除いて),検出方法の違いによるのかどうかも 含めて今後検討する必要がある。 オオクサキビ抗体あるいはシコクビエ抗体とNADP−ME種のNAD−MEとの反応は低 かった。特にシコクビエ抗体とNADP−ME種のNAD−MEとの反応性が低かった。本実 験ではNAD−MEの活性をそろえて電気泳動を行ったため,タンパク量はそれぞれ異なった。 特に,活性の低いNADP−ME種のタンパク量はNAD−ME種の約10倍にも達した。この ためNAD−MEとほぽ同じ分子量:の大量の他のタンパクによってNAD−MEがゲル上で濃 縮されてデンシトメーターによるピーク高が高めにでたものが多く,相対的な反応程度は変わ らないが,実際のNADP−ME種のNAD−MEとNAD−ME抗体との反応性はもう少し 低いことも考えられた。しかし,一方で,NADP−MEはNADPのみでなくNADもCo− factorとして認識し,一定のNAD−ME活性を示すことが知られている2)。本実験では, NADP−MEとNAD−MEの示す全体のNAD−ME活性をもとに電気泳動を行い,タンパク 量:を決定した。従って,NAD−MEだけのタンパク量は活性に比べて少ない可能性がある。 このような点から,NADP−ME種のNAD−MEとオオクサキビ抗体やシコクビエ抗体と の反応性が本当に低いかどうかはNADP−ME種の精製したNAD−MEを用いて更に検討 する必要がある。 オオクサキビ抗体は一部のNAD−ME(F)種, NAD−ME(P)種及びPEP−CK種 のNAD−MEとの反応の際,二本のバンドが検出され,この内, NAD−ME(F)種と NAD−ME(P)種はほとんどがオオクサキビと同じZ)嬬。’o競.〃∂7θグループに属する種であ った。また,ハゲイトウ抗体も多くの場合,二本のバンドが検出された。この二本のバンドが 一部のCAM植物で見いだされているような分子量の異なる二種類のサブユニットであるか12), 材料調整中のartifactであるかは本実験の範囲では明らかではなく,今後さらに検討する予定 である。 2.NADP一厳劉の多様性 トウモロコシのNADP−ME由来の抗体(以下,トウモロコシ抗体と略)とイネ科NADP −ME種のNADP−MEとの反応性の結果を表2及び図2に示した。トウモロコシ抗体は トウモロコシのNADP−MEに対しては十分な反応性を示したが,他のNADP−ME種の NADP−MEとの反応性はきわめて低かった。また,他のサブタイプ種のNADP−MEと はほとんど反応しなかっ.た(結果省略)。このことはトウモロコシ抗体がトウモロコシのNADP −MEに対して特異性が高く,免疫学的な酵素の性質が他のNADP−ME種のNADP− MEと大きく異なっていることを示している。 トウモロコシは分類上,Maydeae族に属している。 Maydeae族は他にハトムギ(Co露如一 一31一 表2 イネ科NADP−ME種のNADP−ME活性とトウモロコシ由来の NADP−ME抗体との反応性 Table2 NADP−ME activity and antigenic cross−ractivity of anti一(2F6θ御鯛 NADP−ME antibody to NADP−ME polypeptide in leaves of some NADP− ME species of Gramineae. Rel ative cross−reactivity was determined by densitolnetric trac童ng of the imlnunoblotting in Figure 2. Each value is relative peak height of NADP一]ME band of respective species when the peak height of Z.〃2の3 is standard玉zed as 1,00. NADP−NE activities of E劒3吻60㍑伽σ(NAD−ME(P)species), Pσ月一4励。渉。駕解07襯(NAD− ME(F)species)and且魏伽π駕(PEP−CK species)were 83,7,39.8 and 70.4μmol/mg Chl/h, respectivel y・ Activity Relative (μmol/mg Chl/h) CrOSS−reaCtiVity Panicoideae Paniceae cθησ加・%30ゴ露σ7ゴ3 823.2 0.03 D∫8ゼ’σ7’αε解銘’3ゴゴ 527.7 0.05 E6雇π0σん!0α0耀3−9σ〃∫ 562.4 0.02 Pσε餌’襯霊4f’σ如勧初 653.6 0.04 Pα溺磯2η απ’ゴ40’σ’θ 1057。8 0.03 P.0δ如ε翻溜 764.4 0。03 εθ’σ7忽ε助σ061ごz如 498.7 0.03 Andropo菖Oneae β0魏7∫00々10αゐσ3‘θ〆 768.0 0.G3 E7θ㎜0ゐ10α0品川70ゴ4θ3 654.2 0.05 Hツ加ア7んθ擁α加プ’α 436.2 0.05 757.4 1.00 阿aydeae zθ馬脳σア5 07脚α一ブ。加)やテオシント(Eπo物6禰吻θ短。απα)等を含み,4属からなるキビ亜科の中で も他の属とは形態的にも大きく異なる遠縁の属である。従って,このような植物分化の過程で NADP−MEの免疫学的性質も特徴的に分化していった可能性が考えられる。しかしながら, 現在までトウモロコシのNADP−MEと他のイネ科NADP−ME種のNADP−MEの間 で酵素的性質に差異が見られるという報告はない。しかし,カヤツリグサ科NADP−ME 種であるハマスゲのNADP−MEが高濃度のCl によって活性化されることや,イネ科 NADP−ME種であるイヌビエ(E6ぬ初。〃αzo傭一9σ1〃)とエノコログサ(5”θ如7如g如鷹α) ではC1一による活性化程度に差が見られることが報告され, NADP−M巳に関しても多様性 が示唆されている5)。従って,トウモロコシのNADP−MEと他のNADP−ME種のNA DP−MEとの間でも酵素的性質に差異があり,本実験で見られた免疫学的差異もそのよ.うな 酵素的性質の違いと結びついている可能性は十分に考えられ,今後の研究課題である。 一32一 肇2345678910睾1嘩窪 、 ・▽ \こご、.\vミ x ・\図\ ∴ 総灘簸露}ジ ヘ ヘ へ そ ひ 門2 トウモロコシ由来のNADP−ME抗体と多数の イネ科NADP−ME種のNADP−MEとの反応性 Flg.2 1mmunodetectlon of NADP−ME ln varlous NADP−ME specles by usmg ant1(Zea mays) NADP−ME Experlmerltal condltlons are as経ven m Flgure l Lane 1,Cθπ6ん7z63 031多ζzプ33,2,Pα%κπ駕αη’340’α16, 3,1%3加〆襯ゴ廊嬬%御,4,Z) g凹凹辮磁ε%,5, Zθσ初の3,6,3認σ72σ3ρ如6θ1α如,7,Eo加”oo〃。α 67πε一9〃z,8,Pαη媚駕。∂脇ε麗甥・9,Zθσ駕の3, 10,βo地7300〃。σ伽3〆θ73,11,E7θ初ooぬ10αo碑鰯7024θ3, 12,H勉σ7吻脚肋吻 NADP−ME actlvltles subjected to lane 5 and g were O 2 and O O4 unlt, respectlvely, whlle the actlvltles subJected to the other lane were l unlt。 引用文献 1)Artus, N N. and G E.Edwards NAD−mallc enzyme from plants FEBS letter 182 225−233 (1985) 2)Edwards, G E. and D A Walker C3,C3 mechamsms, and cellular and envlron− mental regulatlon, of photosynthesls. Blackwell Sclentlflc Publlcatlons, London(1983) 3)小松敏憲・鈴木藤織 パニカム属導入系統の染色体数,染色体の行動およひ生殖様式 草 地試研報 33 56−61(1987) 4)村田孝雄・大杉 立・清水矩宏.C4植物のNAD一リンゴ酸酵素 調節的性質・日本植物 生理学会1982年度年会 p(1982) 5)村田孝雄・大杉 立・清水矩宏 C4光合成の脱炭酸酵素, NADP一及びNAD一リン ゴ酸酵素の店性に及ぼす塩素及び硫酸イオンの影響 草地試験報 25 27−36(1983) 6)村田孝雄。松岡 信・仲本 準 C4植物葉からのNAD−mallc enzymeの精製と性質 日本植物生理学会1987年度年会 p48(1987) 7)村田孝雄。他田淳一・高野 誠 C4植物葉のNAD−mallc erlzymeの性質・日本植物生 理学会1988年度年会 p285(1988) 一33一 8)仲本 準・村田孝雄・松岡 信:NAD一マリッ.クエンザイムの免疫学的草種間比較・日 本植物生理学会1987年度年会 p49(1987) 9)Ohsugi, R. and T. Murata:Leaf anatomy, pos卜iUumination CO2 burst and NAD−malic enzyme activity of Pσ痂%初4励。≠o吻解。鰯駕. Plant&Cell PhysioL 21: 1329−1333 (1980) 10)Ohsugi, R.,T.Murata and N.Chonan:C4 syndrome of the species irl the 1)ゴ。加’o一 初沸。名αgroup of the genus Pσ漉。卿2(Gramineae).Bot. M ag.,Tokyo 595:339−347 (1982) 11)Prendergast,H.D.W.,P・W.Haもtersley, N E. Stone and M・Lazarides:C4 acid decar− boxy lation type in E708γ03’ガ3(Poaceae):patterns of variaton in chloroPlast position, ultrastructure and geographical distribution・Plant Cell Environ. 9 :333−344(1986) 12)Wedding, R・T・and M・K・Black:Physical and kinetic properties and reg祀ation of the NAD malic enzyme purified from leaves of Cη33π如σ㎎θπθα.Plant PhysioL 72: 1021 − 1028 (1983) 一34一 Immunochemjcal dlversity of NAD−malic enzyme and ’ NADP−mallc enzyme in ]eaves of C軽 9rasses Ryu OHSUG工 (National Grassland Research 工rlstitute) Summa ry 工n C辱 photOsynthesis, NAD−malic enzyme (ME) and NADP騨ME are maゴor decarbQxylating enzymes for NAD−ME and NADP−ME species, respecti▽ely。 Respective enzyme has been reported to have a species−specific kinetic property。工n order to elucidate an i㎜u− nochemical difference in NAD−ME and NADP−ME amonq C辱 qrasses, cross−reacti▽ity of anti NAD−ME (or NADP一十ヨ) antibody to NAD−ME (or 聾ADP−ME) in leaves of many C辱 qrasses。 Soluble protein extracts adづusted to the same unit of the act二ivity on a chlorophyll basis from leaves of C辱 qrasses are sub一 ゴected to SDS−PAGE and analyzed by土㎜unoblo七ting usinq anti NAD− ME (or NADP−ME) antibody. We used three arltibodies aqainst NAD−ME obtained from leaves of邊〃αrαη診ん㍑8 θゴ㍑Z客ε. 勲η客。卿 ゴゼ。乃0汐0∼ηゼ∫ZOr〃η and Z『Zθ㍑Sゼηθ 00rα0αηα. ・4。 θ6Z㍑Zゼε is dicot NAD一宇E species。 P. ゴ表3ん0亡0η7客プZOr卿 (Panicoideae) and Z『。 00rαoαηα (Eraqrostoideae) are NAD−ME species with centrifuqal ch⊥orOplasts in bundle sheε聖th cells (desiqnated as 西AD一甑(F) species) and those with centripetal chloroplasts in bundle sheath cells (des土qnated as NAD−ME(P) species), respective:Ly。 Antibody aqainst NADP−ME obtained from leaves of Zθα∼ηαン8 was used for t二estinq the cross−reactivity to NADP−ME of some C与 NADP−ME species。 Cross−reactivity of anti一し4。 θゴ㍑Zゼ8) NAD−ME antibody tO NAD−ME of C辱qrasses was ▽ery low。 There was no trend that the cross− reacti▽ity to NAD−ME of NAD−ME species was particularly hiqh (Fiq。 1)。 C「oss}react土vity of anti一(P。砺0ん0惨0庇∫Zor㎜) NAD−ME antibody to NAD−ME of C妬 qrasses differs depending on C与 subtypes (Table l, 一35一 Fiq。 1)。 Relative cross−reacti▽ity deterInined by densitometric 、 tracinq of the i㎜unoblotting showed that cross曜eacti▽ity tO NAD− ME of NAD一胚E(F) and PEP−CK species was high and similar to each other and, on the other hand, that to NAD−ME of NAD−ME(P) species, particularly of those belonqinq to Eraqrostoideae was low, compared to NAD−ME(F) and PEP−CK species。 Cross−reacti▽ity to NAD−ME of NADP−ME species was the lowest。 Anti一(互。 00rαoαηα) NAD一囲 antibody showed almost similar cross−reactivity to NAD−ME of NAD−ME(F), NAD−ME(P) and PEP−CK:species, while the cross−reactivity to NAD−ME of NADP』照R species was lower t二han もhat shown fQr anti一(P。 (泥(3泡。亡αη多一 ∫Zor〃η) NAD−ME antibody。 Anti一(Z・ 7ηαンε ) NADP一囲 antibody showed a very low cross− reactivit二y to NADP−ME of the other NADP−ME species (田able 2, Fig. 2)。 田his crQss−reactivity was Inuch lower than that二〇f anti NAD−ME antibody to NAD一甑 of NADP−1近E species。 The result indicates that NADP迎of Z。加αンs has a distinct i㎜unochemical difference from七hose of the other NADP−ME species in Gramineae。 一36一一 3.光合成C・回路酵素蛋白質のアミノ酸配列の決定 * ** * 平野 久 村田 孝雄 香川 裕之 分子育種的手法を用いて,光合成C4ジカルボン酸回路(C4回路)関連酵素の遺伝子をC3 植物に導入し,形質転換を図って,C3植物の光合成能を高めようとする際には,まず, C4回 路酵素遺伝子をクローニングし,その構造や発現調節機構を解明しておくことが必要である。 C4回路酵素遺伝子を効率的にクローニングし,その構造上の特徴を把握するためには, C4回路酵素蛋白質の一次構造を蛋白質の分析から明らかにすることがきわめて重要である。 蛋白質の一次構造が部分的にでも明らかになれば,アミノ酸配列に対応するオリゴヌクレオチ ドを人工的に合成することができるので,それをプローブとして,ハイブリダイゼーションに よって,その蛋白質をコードする遺伝子をスクリー二・ングすることができる。また,クローニ ングしたDNAのリーディングフレームや翻訳領域を比較的容易に決定することができる。 これまで,C4回路酵素に関連した蛋白質として,大腸菌のホスホエノールピルビン酸カル ユ ボキシラーゼ(PEPカルボキシラーゼ)のN末端のアミノ酸配列が明らかにされている 。 しかし,その他の酵素については,アミノ酸配列に関する情報は全く得られていなかった。 そこで,本研究では,C4回路酵素遺伝子のクローニングに役立てる目的で, C4回路の主要 な酵素,PEPカルボキシラ一報(トウモロコシ),ピルビン酸リン酸ジキナーゼ(PPDK) (トウモロコシ),ならびにNAD一マリックエンザイム(オオクサキビ,シコクビエおよびハ ゲイトウ)のアミノ酸配列の分析を行った。また,C4植物のPEPカルボキシラーゼのアミノ 酸配列と比較するために,C3植物コムギのPEPカルボキシラ一片のアミノ酸配列を分析した。 なお,本研究は,「農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研 究」の一環(GEP豆一1−11)一②一e「C4回路主要酵素の蛋白構造解析」)として,昭和59年 ∼60年および62年の3年間行われたものである。本研究遂行に当たり,種々ご援助下さった山 下淳部長(農業研究センター,GEP前サブリーダー)に対し,謝意を表する。 材料および方法 1)喪末端アミノ酸配列分析 (1)材料 トウモロコシ(Zθα窺αys L。)PEPカルボキシラーゼおよびPPDK,コムギ(7’7漉。%甥 αθ3〃〃%吻(L.)The11.)PEPカルボキシラーゼ,オオクサキビ(Pσ忽6%駕4勿”o’o駕毎一 興鰯勉Michaus.),シコクビエ(E♂θ%3初θco7αoαηα(L。)Gaertn.)およびハゲイトウ (14粥紹π’勧ε’7100〆07,L。)のNAD一マリックエンザイムのN末端アミノ酸配列を分析し た。このうち,トウモロコシおよびコムギPEPカルボキシラ一日については,市販晶(Biozyme Laboratories, U KおよびBoehringer, Germany)を精製して分析に用いた。また,その他 の酵素は,GEP E−1一(11一①一d「C、牧草サブタイプ間のガス代謝痔院の生理遺伝的比較 (村田)」に関する研究で90%程度の純度まで精製されたものを,さらに脱塩精製してアミノ * 農業生物資源研究所・分子育種部 **農業生物資源研究所・機能開発部 一37一 酸配列分析に用いた。 (2)高速液体クロマトグラフィー(騒PLC)による酵素蛋白質の精製とアミノ酸配列分析 部分的に精製されたトウモロコシおよびコムギPEPカルボキシラーゼ(約5μmol)を2 %ドデシル硫酸ナトリウム(SDS),5%グリセロール,2%2一メルカプトエタノールを含 む0.0625Mトリス塩酸緩衝液(pH 6,8)100μ1に加え,95℃で10分間加熱して,完全に溶 解した。この溶液を,HPLCの逆相カラム(lnertsil C8,5μm,4×250mm)に注入し, 蛋白質を0.1%トリフルオロ酢酸一アセトニトリルの溶媒系を用いて,分別溶出した。この際, カラム温度30℃,流速1.Om1/分,アセトニトリルが60分で0%から100%になるようHPLC 条件を設定した。そして,2ユ6nmで溶出される蛋白質を検出した。また,トウモロコシPPDK: ならびにオオクサキビ,シコクビエおよびハゲイトウのNAD一マリックエンザイムについて は,グllセロールを含むトリス緩衝液に溶解しているものを,直接HPLCに注入し,脱塩精 製した。 HPLCで溶出された蛋白質画分の一部を凍結乾燥した後,上記トリス塩酸緩衝液に溶解し, SDS一ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)2)により蛋白質の純度を調べた。 3) また,残った画分を凍結乾燥後,30μ1の70%油酸に溶解し,気相アミノ酸配列分析装置 (気相シークエンサー)(Applied Biosystems,470Aおよび477A)に注入し,エドマン分 解4)を行った。なお,凍結乾燥後,:不溶化する酵素蛋白質については,乾燥することなく, HPLCから溶出された面分を30μiずつ繰返し気相シークエンサーに注入し,分析した。 エドマン分解によって得られる蛋白質N末端からのアミノ酸のフェニルチオヒダントイン (PTH)誘導体は,逆相マイクロボアカラム(ABI,PTH−C18,2×150㎜)を用い たHPLC(Applied Biosysterns,120A)によって分析した。カラム温度は55℃,流速α2 mi/分とし,30 m1/1の3M酢酸ナトリウムpH 3.8,10ml/1の3M酢酸ナトリウムpH 4.6 を含む5%テトラヒドロフランとアセトニトリルの溶媒を用いてクロマトグラフィーを行った。 アセトニトリルの濃度勾配は,0分10%,2分14%,20分40%,25分60%とし,溶出される PTHアミノ酸誘導体は,270nmで検出した。 5) (3}SDS−PAG翻心ガラス繊維濾紙にプロッティングした酵素蛋白質のアミノ酸配列分析 部分的に精製された酵素蛋白質(約500pmol)を2%SDS,5%グリセロール,2%2一 メルカプトエタノールを含むα0625Mトリス塩酸緩衝液(pH6.8)10μ1に溶解し,95℃ で5分間加熱処理した。この溶液中の酵素蛋白質を14%ゲルを用いたSDS−PAGEで分別し た。 泳動後のSDS一ゲルを20%メタノール,0.02%2一メルカプトエタノールおよび0.05% SDSを含む50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(p}18.0)に浸し,30分間振蝕した。20%メタ ノールと0.02%2一メルカプトエタノールを含む0.5Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 9.0) (緩衝液A),20%メタノールと0.02%2一メルカプト冷冷ノールを含む50mMホウ酸ナトリ ウム緩衝液(pH 9.0)(緩衝液B)および20%メタノールと0.02%2一メルカプトエタノー ルを含む50mMホウ酸ナトllウム緩衝液(pH 8,0)(緩衝液C)をステンレス製バットに入れ, ゲルと同じ大きさのWhatman 3 MM濾紙を緩衝液A, BおよびCにそれぞれ2枚ずつ浸した。 Whatmanガラス繊維濾紙(GF/C)をゲルと同じ大きさに切断し,6mg/m1のポリブレ ン水溶液に浸した後,クリップでつるして風乾した。プロッティングの前に純水で約10分闇 (2回)軽く振心しながら洗い,過剰のポリブレンを除去した。 セミドライプロッティング装置(ザルトリウス)の陽極電極上に緩衝液Aに浸した濾紙2枚, 緩衝液Bに浸した濾紙2枚,純水で洗ったガラス繊維濾紙2枚と平衡化したゲル,そして緩衝 液Cに浸した濾紙2枚を過剰の水分を除去した後,各層間に気泡が入らないよう注意しながら 一38一 順に重ねた。 室温で1時間,0.8mA/c㎡通電し,プロッティングを行った。プロッティング後,ガラス 繊維濾紙に結合している電気泳動緩衝液由来のグllシンを除くため,ガラス繊維濾紙を25mM 塩化ナトリウムを含む10rnMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8,0)に浸し,5分間振盈した。 さらに,緩衝液を換え,5分間門門した後,ガラス繊維濾紙を純水に浸し,5分間洗浄した。 そして,1晩乾燥させた。 プロッティングした酵素蛋白質を長波長のUVランプ上で検出した。蛋白質は,蛍光のバン ド.として特に染色することなく検出された。ガラス繊維濾紙の蛋白質のバンドが局在する部分 を切り取り,気相シークエンサーのカートリッジ部に直接挿入し,アミノ酸配列を分析した。 2)C末端領域のアミノ酸配列分析 (1}材料 HPLCにより精製されたトウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼ,オオクサキ ビおよびシコクビエのNAD一マリックエンザイムについて, C末端領域のアミノ酸配列を分 析した。 (2} トリプシン分解 酵素蛋白質をトリプシン(トリプシン/蛋白質1:50)により,0.1M重炭酸アンモニウム 溶液中で37℃,4時間分解した。生じたペプチド断片を逆相カラム(lnertsil C18,5μm, 4×250mm)を用いたHPLCによって分別精製した。 HPLCでは,0.1%トリフルオロ酢酸 一アセトニトリルの溶媒系を用い,アセトニトリルが0分0%,120分50%,140分で80%に なるよう濃度勾配を設定した。また,カラム温度は30℃,流速は1.Oml/分とし,216nmで 溶出されるペプチドを検出した。溶出されたペプチドは分取後,凍結乾燥し,アミノ酸配列分 析に用いた。 (3}アミノ酸配列分析 迅速に感度よく手動でアミノ酸配列を分析する新しい手法,すなわち蛍光カップリング試薬 である4一{[5一(ジメチルアミノ)r1一ナフチルサルホニル]アミノ}フェニルイソチオ シアネート(ダンシルアミノーPITC)を用いたアミノ酸配列分析法を確立し6・7!⊥記ペプ チドの分析に応用した。 結果および考察 1)潤末端アミノ酸配列分析 部分的に精製されたトウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼのHPLC溶出パ ターンを図1に,またオオクサキビ,シコクビエおよびハゲイトウのNAD一マリックエンザ イムのHPLC溶出パターンを図2に示してある。 トウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼ』は,図1に示した可分a一皿およびb −IVに高い比率で含まれていた。 SDS−PAGEにより純度を調べたところ,これらの画分に はPEPカルボキシラーゼが70∼80%の純度で含まれていることがわかった。しかし,この純度で は,アミノ酸配列分析を行う上で十分とは言えない。そこで,これらの画分を集め,同じ条件で再 度クロマトグラフィーを行って精製した。このようにして精製されたPEPカルボキシラーゼ は,90%以上の純度であることがSDS−PAGEで確認された(図3)。また,オオクサキビお よびシコクビエのNAD一マリックエンザイムは,図2に示す画分a−1およびb−1に90% 以上の純度で含まれていることがSDS−PAGEでわかった(図3)。 HPLCでは,サンプル中 に含まれる塩類,糖類は,カラムに吸着されず,クロマトグラフィーのきわめて初期に流出し ・一 R9一 図1 トウモロコシ(a}およびコムギ(b}PEPカ 皿 。 ルボキシラーゼのHPLCによる精製 Fig.1 HPLC of the partially purified PEP carboxylases frQm the maize「 (a)and wheat(b). Th弓HPLC ε column was Inertsil C8(5μm, 工 δ 4×250㎜).Solvent A wasα1 .罰 % aqueous trinuoroacetic acid and 窃 8 solvent B 100% acetonitrile.The b linear gradient was O−60%B in{ § 、60min. Column ternperatuセe was £ 9 300C and the fiow rate 1,0.m1/ 工 避 min. The effluent was monitored 皿 by absorbance at 216 nm。 20 40 Time(min) てくる。従って,HPLCで一度分別すれば,蛋白質精製と共にサンプルの脱塩を簡単に行うこ とができる。一方,ハゲイトウのNAD一マリックエンザイムは,図2に示す二分。−1に 高い純度で含まれていた。この山分をSDS−PAGEで分別すると,図3に示すように,ほぼ 同じ濃度の2本のバンドが現れる。HPLCによる精製前には,主要バンドは1本であったから, HPLC精製中にサンプルの一部が修飾を受けて生じたものと推察された。これらの2本のバン ドは分別がむずかしかったので,ここでは混合している状態でアミノ酸配列分析に用いること にした。 ここにはデータを示していないが,トウモロコシPPDKについても, PEPカルボキシラー ゼやNAD一マリックエンザイムと同様にHPLCで脱塩し,90%以上の純度まで精製すること ができた。 HPLCで溶出されたPEPカルボキシラーゼ, PPDKおよびNAD一マリックエンザイムの 画一を集め,凍結乾燥させた。そして,約500pmo1の各酵素のN末端アミノ酸配列を気相ジ ークエンサーで分析した。エドマン分解は,各サンプルについて10サイクル行った。篭の操作 をそれぞれの酵素について2∼5回繰り返して行った。しかし,いずれの酵素でも,PTHア ミノ酸誘導体を同定することはできなかった。 このことから,これらの酵素は,もともとN末端がブロックされているか,あるいは酵素精 製の過程でN末端がブロックされたか,酵素が不溶化し,エドマン分解によりアミノ酸配列分 析ができない状態になったと推察された。もし後者であれば,精製の条件を変えることにより アミノ酸配列を分析できるようになる可能性がある。そこで,HPLCを用いず, SDS−PAGE でそれぞれの酵素を分離した後,これをポリブレン処理したガラス繊維濾紙8)に電気的にプロ ッティングし,蛋白質の結合したガラス繊維濾紙を気相シークエンサーに挿入してアミノ酸配 列を分析することにした5)。 ガラス繊維濾紙のシラノール基は負に荷電しているので,そのままではSDS一ゲル電気泳 動で分離され,同じ負に荷電している蛋白質を効果的にプロッティングすることはできない。 一40一 (】 工 皿 ε b 工 に 2 N 燭 8 ∬ 呂 £ 8 詫 6『 工 π 20 40 Time(min) 図2 オオクサキビ(a},シコクビエ(b)およびハゲイトウ(c)のNAD一マリッ クエンザイムのHPLCによる精製 Fig.2 HPLC of the partially purified NAD−malic enzymes from the faii panic(a), finger miHet(b}and amaranth{c). For the explanation of the HPLC condition,see Fig.1. そこで,プロッティングには,蛋白質がうまく保持されるよう,あらかじめポリブレン処理し たガラス繊維濾紙を用いた。 ポリブレンは,多価陽イオンのキャリアー9)でガラス繊維濾紙,ならびに蛋白質やペプチド と非共有的に結合する。従って,ポリブレンをキャリアーとしてガラス繊維濾紙に蛋白質やペ プチドを保持することができる。 SDS一ゲルからガラス繊維濾紙へのプロッティングには,セミドライプロッティング装置 を用いた。勿論,従来のプロッティング装置(例えば,Bio−Rad社のもの)を用いても電気 的にプロッティングすることはできる。しかし,セミドライプロッティング装置は1従来の ものに比べ操作が簡便で,多量の緩衝液を必要とせず,プロッティングに時間がかからない5。 一41一一 図3 精製されたPEPカルボキシラーゼ およびNAD一マリックエンザイムの 鱒趨蜘購; 1一麟福4’ ・;聯瞬1671 購 欝 無1 ・1轍轡−・59一, … SDS−PAGE。a,トウモロコシ PEPカルボキシラーゼ;b,コムギ PEPカルボキシラ一眠;c,オオクサ キビNAD一マリックエンザイム;d, シコクビエNAD一マリックエンザイ ム;e,ハゲ’イトウNAD一マリックエ ンザイム;f,分子量マーカー蛋白質(フ ァルマシア)。 Fig.3 SDS−PAGE of the purified 十 q b C d e f PEP carboxylases and NAD− malic enzymes. a,rnaize PEP carboxylase;b,wheat PEP car− boxylase:c, fall panic NAD− malic enzyme;d, finger millet NAD−malic enzyme;e, ama− ranth NAD−malic enzyme;f, Mr calibration proteins(Pharmacia)・ PEPカルボキシラーゼ, PPDKおよびNAD一マIlックエンザイムのアミノ再配列をプ ロッティングを用いて分析する前に,予備実験として,SDS−PAGEで分離した二三の標準 蛋白質をポリブレン処理したガラス繊維濾紙にセミドライプロッティング装置を用いて転写し (図4),これらを気相シークエンサーで分析できるかどうか試してみた5)。例えば,α一ラ クトアルブミンの場合,5μg(350pmoDをSDS−PAGEで分別し,プロッティング したところ,約150pmolをガラス繊維濾紙上に転写することができた。 プロッティングした蛋白 質を気相シークエンサーで分析した結果,21残基のアミノ酸配列を決定することができた(図 5)。この際,初期収率は33%,反復収率は92%(3および12残基目のロイシン)∼97%(1 および19残基目グリシン)であった。また,データを示していないが,リゾチームの場合でも 17残基決定され,初期および反卑収率はそれぞれ42%および93∼98%であった。 このように,プロッティングと気相シークエンサーとを組合わせて,電気泳動で分離した微 量蛋白質のアミノ酸配列をうまく決定できることが明らかになった。 そこで,部分的に精製されたトウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼ,トウモ ロコシPPDKならびにオオクサキビ,シコクビエおよびハゲイトウのNAD一マリックエン ザイムをSDS−PAGEによって分別した後,ポリブレン処理したガラス繊維濾紙にプロッティ ングし,気相シークエンサーによってアミノ酸配列を分析した。 この方法で,トウモロコシPPDK,オオクサキビ,シコクビエおよびハゲイトウのNAD 一マリックエンザイムについては,N末端アミノ酸配列をうまく決定することができた。しか し,トウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼについては,10サイクルのエドマン 分解を行っても,PTHアミノ酸を検出することはできなかった。 トウモロコシPPDKを気相シークエンサーでエドマン分解し,N末端から切り出されてく るPTH一アミノ酸誘導体をHPLCで分析した結果を図6に示してある。トウモロコシPP DKは分子量が約10万ときわめて大きい。一般に,分子量が大きい蛋白質はプロッティングさ 一42一 嶺慰 A匪 緯嚇中門ゴ.、 ご聯・ 降し鞠・ 群群病、 趣働、 、q ⑥ 図4 SDS一ゲルからガラス繊維濾紙への蛋白質のプロッティング。A,泳動後のゲル をクマシーブルーで染色したもの;B,ガラス繊維濾紙ヘブロッティングされた蛋白 質;C,プロッティング後のゲルをクマシーブルー’で染色したもの;a,リゾチーム(分 子量15kDa);b,分子量マーカー蛋白質(ファルマシア):α一ラクトアルブミン (14.4kDa),トリプシンインヒビター(20,1kDa),カーボニックアンヒドラーゼ (30kDa),卵白アルブミン(43kDa),アルブミン(67kDa),ホスホリラーゼ (94kDa)。 Fig・4 Electroblotting of the proteiDs from SDS−gel onto polybrene−coated glassイiber sheet. A,the Coomassie blue−stained proteins on the gel after SDS−PAGE;B, the proteins electroblotted onto the gla串s−fiber sheet:C, the Coomassie blue−stained proteins remaining on the gel after electro− bIotting:a,lysozyme (Mr 15kDa)b,Mr calibration proteins(Pharmacia) :α一1actaIbumin(14,4kDa),trypsin inhibitor(20,1kDa),albumin (67kDa),and phosphorylase(94kDa). れにくく,また,N末端アミノ酸配列分析も比較的むずかしい。しかし,本研究では,効果的 にプロッティングでき,アミノ酸配列を決定することができた。PPDKの場合, SDS一ゲ ル電気泳動で分離した蛋白質量は,約500pmolで,決定されたアミノ酸数は19残基,反復収 率は96,1%(1および19残基目のトレオニン)であった。 ハゲイトウのNAD一マリックエンザイムをエドマン分解し,得られたPTH一アミノ酸誘 導体をHPLCで分析した結果を示したのが図7である。 PPDK同様に約500prno1を泳動 し,プロッティングしてアミノ酸配列を決定した。決定されたアミノ酸数は28残基で,反復収 率は96.4%(1および王6残基目のアラニン),98.1%(5および15残基目のグリシン)であ った。HPLC溶出パターンを示していないが,オオクサキビおよびシコクビエでもそれぞれ i4および28残基のアミノ酸配列が明らかになった。反復収率は,オオクサキビで98,5%(5お よび15残基目のプロリン),また,シコクビエでは96,2%(6および10残基目のアラニン), 97.5%(8および21残基目のグリシン)であった。 本研究で決定されたN末端アミノ酸配列をまとめて示すと表1のようになる。 NAD一マリックエンザイムについては,3種の植物でN末端アミノ酸配列を決定すること ができたが,図8にこれらの配列の相同性を比較してある。3種のNAD一マリックエンザイ 一43一 L Q 、 、 K、 G 1 、 T、 3 2 1 5 4 F ∼ E .v.. 、 1:. R 、 叢 8 7 6 9 10 麗 O N 卜 D し L 1 、 、 K∼ 眉 E、 Φ o ¢ o ぬ む ’ n 12 見3 15 董4 ひ 0 9辱 ぬ く〔 G、 G G K 、 16 、 Y、 20 19 星8 且7 Std ON εT Q ! .w V M Y P G A 「 V H 艮 、 1 21 20 10 2G 25 24 23 22 ユ0 10 2Q 工0 20 lo 20 Time(min) 図5 プロッティングしたα一ラクトアルブミンをエドマン分解して得られ たPTHアミノ酸のHPLC。 std,標準PTHアミノ酸誘導体 Fig.5 HPLC elution profiles of the PT日 amino acid deriyatives released by Edman degradation of the α一1actalbumin electroblotted. std, standard PTH amino acid derivatives. 一44一 FK 1 MGize PPDK 1 2 3 ,K K 4 舞 \ 5 コ ,. Tq 一 A髭 璽 馨嵩 霧2 『 驕 「露 訂 環 醒 闘 「 置 聞 咤 耳塾一 竃養 」 囲 = ㍉ 駕富 罷 鱒 輩 ¶■ ク塁. 評 2 『 = 琵需.P 罵 「 “ 卿 腎 闘 署; 冒 磯呂 3二 器 , 6 1 8 7 10 9 F〆 G 7 − V 鴫 巳 琴 = 「 n 現 覇 母【 卍繋一 臼 , 耳猛 “ h. 舞7阿1 零 ^一 謬 罵 『 の 島 璽 / F/ \ 発2 需h彗噂 竃3 馨h 著翼 矯ρ 耳3 奪旨 嘆 罵 駕罵 q 廼 = 桝哺 認 鴨 彗 口 耳= 閃 H “ E 畦 國 回 駕 こ 0 卜 N 蒔の 層 , 隅. 弓 一 耳o 薯鱒 駕 2 F 鳥訂 辱口 = 3 ≠ 蒔 諏 笥鴨 竃 薯 鳥 蒋 冒 開膚 耳 5= 膏 窯 司 も 罵累 看3 瓢 = 舞3 竃藝 腎 竃 .1 3 1 一 1⊥曙 K 8 珂 G ユ2 工3 K 竃 ・/ 霞昌 L 四 「冒 膏3 δ 町 零 \ 耳盈 月瑠 S 冨 . 遜盟 濁 G 昌 E 耀 i 罷 零 ユ4 琴層 巧岬 嘱. 闘 罵 15 再 直「 耳, £ 一 週の 講“ 竃塾 “笥 $ 課 扇 冠 胃 曙 躍 遷“ 9 可価 , 罵 環, i 耳 ” 耳 鰭 塁 珂3 = 署 耳 冒 コ 咤 箋. ・ 竃 属 2 冨 理冒 耳置 三唖 呂 耳 嘆 司 ” F = 一 .L G 耳 ,噂 露 ユ6 N 嗣\ .一 17 18 骨 工9 舅 1 K ’犀 3 隅 ♂ . 竃 −哺 口 5 ξ 目 珂阻 遜 層 蜀 P 偉 墳虜見 P = 讐 蕉 薯 題9 耳 T 窩 ” 岡 , q塞 口 コ 塾 7 塾 『 ” 属 噛 §遷 瞬 1 阿 珂 竃 環「 ’\ 鱒 燭 引d 5 ㍗ 、 .耳 嚢 竃 耳 響 電 昌 F 珂3 ヨ曹 咤= 箋 5目 扇q 罷コ 聾 薯 鴨 幽 ミ 耳 3 誓 β 2 コ 國 iO 20 10 20 10 20 10 20 10 20 Time(min) 図6 トウモロコシPPDKのエドマン分解で得られたPTHアミノ酸のHPLC。std, 標準PTHアミノ酸誘導体。 Fig.6 HPLC elution profiles of the PTH amino ac{d derivatives released by Edman degradation of the maize PPDK.std, standard PTH amino acid derivatives, 45 メ亀mσrσρ’んσ5 NAD−ME 1 3 2正 E 4 5 翼 G A駐 昏 墨 呈 3 ! ヨヨ 弓虎. ヨ , 婁 玉 , 響 … 盟 聾 6 蓼君 5 ヨ = 讐 ,奪 繧 塁 ヨ ら =桑 藍 甕琴竃三 雇 二 璽4 囑 屡 3. 「 雪腎 .庫電 , .職 尾 . 霊霊 , ■ 7 8 A 9 ユ0 F、 L\匪 皐 5 ヨ 墨 墜雪 1 毎, 墨 曇 ㌔ 「1 u = 筆愚. 畢 ,闘 1 π 屠 尾 聾 ,5 響牽 .! 営 15 14 ユ3 甕 に 欄 5■ Nユ2 5 … , 1葦監 歪 ! 響暦 雪 ∼ 9 畏署 ≡塁1 ! 2 5曙 5 , 脚 V κ _ \ w 聾 薯 2 = 巨 ⊆ 鐸 5 盟 1 璽 £ 9 コ5 蜀 ; = ■ 5望 竪 畦 思 5 1 , 露 聖 1 , 1 里墨 冨 [ 舞 富 5 ≡ 巽 』 1 嘔 」 匙 遷 響 5F 「 5 脚 5 暑 5 , 呈 闘盛 ! ⊆ ,き』 響 創 髪 ! 累 蟹 5撃 , 璽 . 蔦 呂 迅 照 16 工7 A 呂 眞 1 £ 1巳 19 F D 20 L、 〆 謳 , 呂 1 塁 , 乏 愚 匪 5 E 襲 1 望 ヨ 「肇 踊 聖 5 ヨ 呈 爾 喜 ⊆ 5 蟹 2 1 冨 噂 竺 i 曜 , 差 E 竪 思 5愚 ヨ ! 翼 響 霊 昌 睾 5! 暑 塞 1 ! 7 響 §謎 辱 量 ヨ 1 旦 釜 ! ヨ 巨 ヨ = 盟 ! 雪 … 1 迅 21 D 23 22 24 25 評 匪 臆 5 3 , 璽! , 璽 F 屡 V諄 5 … d = 璽 { コ 墓 § 1 一 4「 当 1 、 膏 胃 司 溜 聖 窪 哩 5L. 鐸 臼 1 , § 盟 ! 聖 コ 闘} 4「 ”喪 E 糟 ユ 環 ■ ・ ! 5 N 三 望 圏 5 智 F ヨ 雪 5 ! 1 萎 ヨ 塁 解 璽 ビi 25 η 29 2日 βtd i註 さ; 曾 葺 K珂 墨.襲 雪 ヨ 三 5 書 、 」 5 墨 志 5 … 丁 ぎ 窪 含 書 墨ヨ 墨 醒 5 5 嚢 璽 萱 q 5 藍 薯 , 5 1 暫 甚「 ! 鐸 ! ! ゆ.匡 5 聖 10 20 謝 F ド 響 曇 ユ0 20 厘1 1 1 2 FP 10 20 5き 卿 ; 砕 ユo 20 ` 当 ll 10 20 Time(mln) 図7 ハゲイトウのNAD一マリックエンザイムのエドマン分解で得られたPTHア ミノ酸のHPLC溶出パターン。 std,標準PTHアミノ酸誘導体。 Fig.7 HPLC elution profiles of the PTH amino acid derivatives released by Edrnan degradation of the amaranth NAD−malic enzyme. std, standard PTH amino acid derivatives. 一46一 表1, トウモロコシPPDKならびにオオクサキビ,シコクビエおよび ハゲイトウNAD一マリックエンザイムのN末端アミノ酸配列 Table 1。 The N−terrn孟nal amino acid sequen㏄s of the PPDK from the rnaize, and the NAD−malic enzymes from the fall panic, finger millet and amaranth. TTKKA VFHFG KGKSE GNKT トウモロコシPPDK 呂ai2e PPDK オオクサキビNAD一マリックエンザイム SSAAP PGAPL AVVP FalI panic トIAD一田alic en2y旧e シコクビエ賄D一マリックエンザイム SSAAP AAGAA VPGPI IVH警くX GNDIL トIDP Finger 剛i】let NAD一旧alic enzy騰e ハゲイトウNAD一マリックエンザイム A7AEG PGLAF VNKXG ADFLE DPVF卜l KGT A断aranth NAD一順alic en2yme ムにはアミノ酸配列にかなり高い相同性が認められた。これらの種は,分類学上は比較的遠縁 な関係にあるが,NAD一マリックエンザイムのN末端アミノ酸配列にはかなり高い相同性が 存在するのは興味深い。 懸::欝・母親惣画面隠。_ 図8 オオクサキビ,シコクビエおよびハゲイトウのNAD一マリ ックエンザイムのN末端アミノ酸配列の相同性。相同なアミノ 酸を枠で囲んである。 Fig.8 Structural homology of the N−tern〕inal amino acid sequences arnong the NAD−malic enzymes from the fall panic, finger millet and amaranth. Identical residues are enc丘osed in boxes. すでに述べたように,逆相カラムを用いたHPLCで酵素蛋白質を精製すると,N末端アミノ 酸配列を決定することができなくなったが,これは,おそらくHPLCによる精製中に蛋白質 が修飾され,N末端がブロックされたか,あるし〕は,蛋白質が不溶化し,気相シークエンサー によって分析できない状態になったためと考えられる。しかし,この原因に関しては,未だ推 測の域を出ない。 なお,トウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼは,プロッティングを用いても N末端アミノ酸配列が明らかにならなかったが,これは,もともとこれらの酵素のN末端がブ ロックされているためと推察された。 一47一 2)C宋端領域のアミノ酸配列の決定 〔1)ダンシルアミノーP亙管C法の開発 ダンシルクロリドを側鎖にもつ蛍光のエドマンタイプカップリング試薬,ダンシルアミノ ーPITCをJinら10)の方法によって合成した(図9)。そして,この試薬を用いた蛋白質および ペプチドの新しいアミノ酸配列分析法,すなわちダ・シ・レアミノーPITC法を磁した6,7)。 図10に,ダンシルアミノーPITC法1サイクルの分析方法を示してある。 ・(90; ・舘 ⑳,轡◎臨壁⑳⑩惑 畿③黒磯◎ 一 CH50H H+ 図9 ダンシルアミノーPITCの合成 Fig。9 Sythesis of dansylamino−PITC 監OENTIF1⊂AT10N byTL〔or HPL{; 5min Orying 50%pypidin駐20”1 50min 520〔 〔ONVERSION Pro}2ins or pep瞥ide5 50%pyridine 20りt O.5μmot don∼ybmino−Pl了〔10り1 ∼O% Tri「しuoroo〔e奮…こ odd 10μ1 Orying 20rrしin Drying Upper phoso 〔OUPUN6 らOmin 520〔 しower phose Plτ〔2pt 〔OUPUNG 20min 520〔 〔en旨rifugOセion Benzen2’e}hyto〔e↑o}e EXTRA〔二TION 2冥 れ:1}100”l WASH!NG 3翼 Wo!解30μ1 B囎ne’glhyto〔eble {1:1BO”t 〔en冒ri「uqo曾ion 5min Dじying しow駐「 phose 10min∼20〔 〔しEA>A6E 鴇 Drying 20min Trinuorつ。⊂e瞬〔o藍id 15pl 図10 ダンシルアミノーPITC法によるアミノ酸配列分析 Fig.10 Manual liquid phase dansylamino−Pn℃Inicrosequencing cycle. ダンシルアミノーPITC法では,長さ2.5cm,直径4mmの小ガラス試験管中でエドマン分 一48一 解を行った。従来のエドマン試験管(長さ4cm,直径8㎜)を用いた場合には,カップリング 反応後の洗浄,ならびにチアゾリノン誘導体の抽出に際して,多量の有機溶媒を用いなくては ならない。この際,蛋白質やペプチドの一部が有機溶媒中に溶出してしまい,反復収率が著し く減少することがあった。しかし,小ガラス試験管を用いると,後述のように,少量の有機溶 媒で洗浄や抽出を効果的に行うことができる。従って,蛋白質やペプチドの流亡を大幅に抑え ることが可能である。 まず,この小ガラス試験管に,蛋白質またはペプチド(100pmo1∼1nrnoDを入れ,20μ1 の50%ピリジン水溶液を添加した。これに,30μgのダンシルアミノーPITCを含む100%ピ リジン水溶液10μ1を加え,5秒間窒素ガスを吹き付けた後,試験管をパラフィルムで覆い, 撹伴し,52℃で40分加温した。この反応条件で,蛋白質またはペプチドの90%以上のN末端基 にダンシルアミノーPITCをカップリングさせることができた。しかし,この条件ではすべ てのN末端基にカップリングさせることはできなかった。そこで,反応後に2μ1のPITC を加え,窒素ガスを吹き付けた後,撹貸し,パラフィルムで覆い,再び52℃で20分間加温した。 これによって,残存するN末端基を完全にブロックすることができた。 インシュリンB鎖を用いて,52℃で,5,10,20および50分間N末端基とダンシルアミノー PITCとをカップリングさせ,カップリング収率を調べてみた。5分あるいは10分のカップ リング反応ではダンシルアミノーPTHアミノ酸誘導体の収率はきわめて低いことがわかった。 反応時間を長くすればするほど収率は増加する。しかし同時に,反応副産物量の増加も認めら れた。従って,カップリング反応は52℃で40分が適当であると考えられた。 ダンシルアミノーPITCは,大きなナフチル環を有する(図9)が,カップリング収率は 比較的高い(75∼95%)。しかし,N末端基のすべてがダンシルアミノーPITCとカップリン グすることはない。例えば,52℃で60分間カップリング反応を行っても,100彩カップリング させることはできなかった。従って,ダンシルアミノーPITCとPITCとによってダブルカッ プリングを行うことは不可欠であると考えられた。 カップリング反応の後,100μ1のベンゼン/酢酸エチル1:笠を加え,撹梓,遠心分離し, 上澄液を捨てて,過剰のカップリング試薬や反応副産物を除去した。この操作は3∼4回繰り 返して行った。 カップリング反応の後,種々の有機溶媒系を用いてサンプルの洗泌を行い,どの系を用いれ ばダンシルアミノーPTHアミノ酸の収率を高めることができるかを調べた。表2に示してあ るように,酢酸エチルのみを用いて洗浄した場合,高い初期収率が得られたが,反復収率はき わめて低かった。酢酸エチルの極性は比較的高いので,ペプチドの一部が溶媒中に流亡するた めと考えられる。ベンゼン/ヘプタンはベンゼン/酢酸エチルに劣る。しかし,ベンゼン/酢 酸ブチルでは,ベンゼン/酢酸エチルとほとんど同じ収率が得られた。従って,カップリング 反応後の洗浄には,ベンゼン/酢酸エチルか,ベンゼン/酢酸ブチルが適していると考えられた。 過剰のカップリング試薬や反応副産物を除去した後,サンプルを真空下で20分間乾燥させた。 そして,焉μ1のトリフルオロ酢酸を加え,撹拝し,パラフィルムで小試験管を覆い,52℃で 10分間加温して,N末端アミノ酸を切断した。 次に5分間,真空下で乾燥させて,トリフルオロ酢酸を除いてから,蒸留水30μ1とベンゼ ン/酢酸エチル1:120μ1を加え,撹伴,遠心分離した・この操作によって,末端アミノ酸 のチアゾリノン誘導体と残りのペプチドをそれぞれ上層の有機層と下層の水層に分別した。 チアゾリノン誘導体の抽出にベンゼン/酢酸エチルを用いたのは,4種類の溶媒系,すなわ ち,ベンゼン/酢酸エチル1:1,酢酸エチル,塩化ブチルおよび酢酸ブチルを用いて抽出 を試みたところ,ベンゼン/酢酸エチルを用いた場合に,最も効率的にチアゾリノン誘導体を 一49一 表2 カップリング後の蛋白質の洗浄に用いる有機溶媒の種類とダンシルアミ ノーPTHアミノ酸誘導体の収率との関係 Table.2 Yields of dansylamino−PTH amino acid derivatives using different solvent systems for wash after coupling. Cycle 1(Gly) Q(11e) Solve煎5ystcm’ a b 十十十十 十十十 十十十 牽十十 K十 ¥十十 ル†十 ¥十牽 ㈱q艸 p曾軽 竅?十十 R(VaD c d e f 壷十 }一 S(Glu) T(Gln) 1nmolインシュリンA鎖を分析。溶媒, a,酢酸エチル;b,ヘプタン/酢酸エチル2= 1および1=1(v/v);c,ベンゼン/酢酸ブチル1:1(v/v);d,ベンゼン/酢酸 ブチル132(v/v);e,塩化ブチル;f,ジメチルホルムアミド。収率は,TLCによ り推定,一,無;+,低;+++,高。 Insdin A chain(oxidized)was sequenced with different soivent systems:a, ethy墨aoetate;b, heptane/ethylacet ate 2= 1and l = 1 (v/v);c,benzene/ethyl− acetate 1 : 1 (v/v);d, benzene/金)uty星chloride 1 :.2 (v/v) ;e, butylchloride; f,dimethylformamide, Yields were estimated by TLC=一,none;+,low;+++, high。 図11.異なるチアゾリノン誘導体抽出溶媒を用いたときの 100 ダンシルアミノーPTHアミノ酸誘導体の相対収率。 1nmolインシュリンB鎖を分析。○,ベンゼン/酢 酸エチル1=玉(v/v);盒,酢酸エチル;馨, §o 塩化ブチル;×,酢酸ブチル。 論 v Fig。11 Relative yields of dansylamino−PTH 翌 曳 arnino aci(圭derivat{ves using different solvent 婁 systems for the extraction of thiazolinone 葦 derivatives. Insulin B chain(oxidized)was & sequenced accordjng to the procedure as shown in Fig。10.○, benzene/eもhylacetate 1 : 1 (v/v) ;盒, ethylacetate;鶴1, butylchioride.;×.,.butylacetate。 Yields were 10 i 2 3 母 5 R㊥5idu@ ca丘culated from the results of the quantitative analysis by HPLC, 抽出できることがわかったからである(図1i)。 チアゾリノン誘導体を含む上層の有機層を別の小試験管に抽出し,20分間真空下で乾燥させ た後,10μ1の50%トリフルオロ酢酸を加えて520Cで20分間加温した。これによって,チアゾ リノン誘導体は安定なチオヒダントイン誘導体に転換された。そして,得られたチオヒダント イン誘導体を二次元薄層クロマトグラフィー(TLC)またはHPLCによって同定した。下 層の水層については,真空下で乾燥させた後,次のサイクルのエドマン分解に用いた。 チアゾリノン誘導体は,1∼5pmolあれば,二次元TLCによって同定することができた。 一50一 TLCには,2.5×2,5cmのポリアミドシートを用い,一次元目に蒸留水/アセトニトリル/ ギ酸5=1=0,5(v/v),二次元目にベンゼン/酢酸2=1(v/v)の溶媒系を用いた。 また,TLCには,マーカーとして,ダンシルアミノーフェニルチオカルバミルジエチルアミ ンを次のように調製して用いた。エッペンドルフのチューブに10μ1のジエチルアミンと50μ 1のダンシルアミノーPITCピリジン溶液(3皿g/mi)を加え,520Cで50分野加温した。反 応液を乾燥させ,500μ1のエタノールを加え,マーカーとした。 このマーカーをポリアミドシートのダンシルアミノーPTH誘導体をスポットする位置の裏 側にスポットした。そして,ダンシルアミノーPTHアミノ酸を図12の原点の位置にスポット し,二次元で展開した。マーカーもダンシルアミノーPTHアミノ酸も共に蛍光を発するので,マー カーをダンシルアミノーPTHアミノ酸と同じ側にスポットして展開すると,両者を区別できない場 合がでてくる。そこで,マーカーは必ずポリアミドシートの裏側にスポットすることにした。 図12 ダンシルアミノーPTHアミノ野洲 導体の二次元TLC。溶媒,一次元目, 水/アセトニトリル/ギ酸5:1: 0.5(v/v);二次元目,ベンゼン /酢酸2=1(v/v)。ダンシルアミ ノーPTHアミノ酸誘導体は,$66nm のUV門下で検出することができる。 DNSAPITC,ダンシルアミノーPI TC;e ダンシルアミノフェニル DNsAPITC ◎ 寓丁鯵’ , チオカルバミルジエチルアミンマー 撃P贔 カー(ポリアミドシートの裏面);bl ・’⑳・ およびb2,反応副産物;×,原点。 ⑭㈱M 岬 、 Fig.12 Two−dimensional TLC separation of dansylamino−PTH ◎馳 \翻A ・攣K・臨e w鯵 _鴨Q amino aci d derivatives. The @匿翻》酬 solvent systems used were: K樋◎鬼K・。 曝 first dimension, water/ ・悔翻Y。囎 \酬 acetonitrile/formic acid 5:1: { s6 ’撃R 0,5 (v/v);second(iirnension, benzene/acetic acid 2:1 X一一伽1 (v/v),Darlsylamino−PTH amino acid derivatives were detected 1)y exposure to UV light at 366nm. DNSAPITC, dansylamino−PITC;e, dansylamino−phenylthiocarbamyl diethylamine marker(back side of the sheet);bl and b2, reaction by−products; ×, o「191n・ 一51一 二次元で展開した後,ポリアミドシートを乾燥させ,366nmUVランプ下で観察し,ダン シルアミノーPTHアミノ酸を蛍光のスポットとして検出した。図12には,ダンシルアミノー PTHアミノ酸誘導体のポリアミドシート上での位置を示してある。各誘導体は,未反応のダ. ンシルアミノーPITCのスポット(図12, DNSAPITC), 2つの反応産物のスポット(b1 およびb2)およびマーカーのスポット(e)との相対的な位置から容易に同定することができ た。 なお,サンプルをポリアミドシートにスポットする前に,ポリアミドシートを二次元目の溶 媒を用いて,二次元目方向にあらかじめ展開した。これによって,ポリアミドシートに含まれ る蛍光の來雑物を容易に除去することができた。 二次元TLCでは,ロイシンとイソロイシンのダンシルアミノーPTH誘導体が同じ位置に 移動するため,これらを識別することはできなかった。そこで,これらのアミノ酸は,後で述 べるHPLCによって同定した。 セリンは,TLCでいくつかのスポットが検出された。また,トレオニンおよびリシンでは, それぞれ3つのスポットが見られた。 ダンシルアミノーP王TC法により,きわめて感度よくアミノ酸配列を分析することが可 能であった。例えば,1nrno1,500 pmolおよび100 pmo1のインシュリンB鎖の場合,それ ぞれ19,14および9残基のアミノ酸配列を決定することができた。また,1nmo1のアポミオ グロビン,インシュリンA鎖,リボヌクレアーゼおよびブラジキニンでは1それぞれ16,18, 16および9残基の配列を決定することができた。図13には,インシューJンB鎖およびブラジキ ニン(各1nmol)のアミノ酸配列分析の結果を示してある。 a b 図13 インシュリンB鎖(a)およびブラジキニン(b)(1nmo1)のエドマン分解により 得られたダンシルアミノーPTHアミノ酸誘導体のTLC Fig.13 TLC of the dansylarnino−PTH amino acid derivatives obtained frorn dansylamino−PIT()microsequencing of l nmo上of insulin B chain (oxid量zed) (a)and bradykinin (b). The proport ions of the dansylamino一.PTH amino acid extracts applied to the TLC identification were工/50 to 1/2 0f the total amounts released. もし,ダンシルアミノーPTHアミノ酸をHPLCで同定すれば,さらに感度よくアミノ酸 配列を決定することができる。HPLCでは,200fmolのダンシルアミノーPTHアミノ酸で 一52一 1 S}d 1 し uPF D TQS F N A’Y E d H N d b1 b2 3 2 の ビ d d 8 の 裂 b∼ 8 V N b1 ぱ ω 〉 b1 b2 濃 ゆ の ω 餌 ら d 5 d b2 b1 Q b2 H 0 10 20 30 4QQ IO 2Q 30 らO Renねnhon穿ime {minl 図}4 インシュリンB鎖qnmo1)のエドマン分解により得られたダンシルアミノ ーPTHアミノ酸誘導体のHPLC Fig.14 HPLC elution profiles of dansylamino−PTH amino acid derivatives obtained by dansylamino−PITC microsequencing of l nmol of insuhn Bchain(oxidized). std,10 pmol of standard dansyiam{no−PTH amino acid derivatives;d, dansylamino−P正TC;bl and b・2, reaction by−products;The portions of the dansylamino−PTH alnino acid derivatives used for HPLC were 1/50, The HPLC column was Spherisorb C8(3μm,4×250㎜),Solvent A was 8加M acetate pH 4.5and solvent B 90% acet!onitriie. The linear. graφent was 45 ∼70%Bin 20 min. Column telnperatur6.l was 47℃and.:the flow rate O.5田1/rnin. F丘.uorescent derivatives were detected wi出the Shimadzu Fluorescence Monitor RF−530(λex=340 nm,λem=540nm), も同定が可能であった。図14には,1nrnolのインシュリンB鎖をダンシルアミノーPITC法 によってエドマン分解を行い,得られたダンシルアミノーPTHアミノ酸をHPLCで同定し た例を示してある。この場合,Spherisorb C8(3μm,4×250㎜)のカラム,8mM酢酸 一53一 緩衝液(pH 4.5)とアセトニトリルの溶煤系を用いた。カラム温度は47℃で,流速は0,5ml/分 とした。また,ダンシルアミノーPTHアミノ酸は,蛍光検出器(島津, RF−530)によって, 励起波長340nm,蛍光波長540nmで検出した。 HPLCには,エドマン分解で得られたダンシル アミノーPTHアミノ酸の1/50を注入した。にもかかわらず,きわめて明瞭にアミノ酸誘導 体のピークを同定することができた。 4−NN一ジメチルアミノアゾベンゼンー4’一イソチオシアネート(DABITC)をカップ リング試薬として用いたアミノ酸配列分析法,DABITC法で得られる4−NN一ジメチルア ミノアゾベンゼンー4’一チオヒダントイン(DABTH)一アミノ酸誘導体は, TLCおよび HPLCでそれぞれ10 pmolおよびユpmoiのレベルで検出される11’12’13)。ダンシルアミノー PTHアミノ酸誘導体は,上記のようにTLCでは1∼5pmo1,HPLCでは200fmo1めレ ベルで検出することができるので,DABTH一アミノ酸誘導体よりも5∼10倍感度よく検出で きると言える。 ダンシルアミノーPITC法は,感度が高いばかりではない。非常に迅速にアミノ酸配列を 分析できるという特徴がある。一日一人8∼9時間かけて,30蛋白質あるいはペプチドについ て,PTH一アミノ酸同定を含φて,2サイクルのエドマン分解が可能である。気相シークエ ンサーは一日に20残基ほどのアミノ酸を分析できるに過ぎないので,シークエンサーより3倍 もはやく分析できることになる。 蛋白質のN末端アミノ酸配列を決定するだけであれば,気相シークエンサーがあれば十分で ある。しかし,N末端がブロックされている場合,あるいは蛋白質が大きくて,それをコード するcDNAが一度に完全長のものが選抜できない場合などは,蛋白質をプロテアーゼで消化し たり,化学的に分解し,得られるペプチド断片を一つずつアミノ酸配列分析し,よりC末端側 のアミノ酸配列を決定しなければならない。気相シーク手ンサーでは,一台で一日に1ペプチ ドを分析できるに過ぎない。もし,1回のプロテアーゼ分解で50のペプチドが得られたとする と,すべてのペプチドについて分析するためには,少なくとも50日は必要である。しかし,マ ニュアルのダンシルアミノーPITC法で分析すれば,.短期間(15日程度)にすべてのペプチ ドのアミノ酸配列を明らかにすることができる。 (2)酵素蛋白質のペプチドマッピングとアミノ酸配列分析 トウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼならびにオオクサキビおよびシコクビ エのNAD一マリックエンザイムをまずトリプシン分解した。生じたペプチド断片をC18逆相 カラムを用いたHPLCによって分別した。図15には,各酵素蛋白質のトリプシンペプチドの HPLC溶出パターンを示してある。 トウモロコシとコムギのPEPカルボキシラーゼのトリプシンペプチドの溶出パターンは, 互いによく似ている。このことは,これらのPEPカルボキシラーゼの一次構造に相同性があ ることを示唆している。一方,オオクサキビとシコクビエのNAD一マリックエンザイムのト リプシンペプチド溶出パターンには,高い類似性が認められない。これは,NAD一マリック エンザイムのC末端側の配列には,少なくともトリプシンの切断部位であるアルギニンおよび リシンの位置に,オオクサキビとシコクビエの間で差異があることを示している。 溶出されたトリプシンペプチドを分取し,凍結乾燥させた後,ダンシルアミノーPITC法 によってペプチドのN末端アミノ酸を分析したところ,溶出された画分の多くでは,2種類以 上のN末端アミノ酸が検出された。従って,これらの画分は,2種類以上のペプチド断片を含 んでいると考えられた。そこで,HPLCのアセトニトリルの濃度勾配を変えて,再びこれら の画分のペプチドの分別を試みた。この方法で,いくつかの画分については,ペプチドをほぼ 完全に精製することができた。 一54一一 § G 3 3 ≡ ㌦ 5 ■ 登 匿 = 忌 実 “ 呂= 9養 = … …o F o 盤 £3 留2 , ε 箋 3 3 晋 ≡「 勢 C = 齢 ↓ 蟷 ⑩ ド 創 =’ 遼 竃 b 攣 昌 謹33 3 窪 o 零 脚 ≡ ‘ i 幽 X…モ緊む 3 回 ソ=㍗ ■ 9 , `朗 一 鞠 ‘唱 テ =逡 “■ 幽噌。一動謡留翻縄鐸 ’ r脚口 卿 = C ㌦ξ撃聯麟 9 霞 Φ C Q 艦 3 聖 § 。 諭 =D●, 言 3竃 = 識 . ・ 3 毒 3 芻u 含窃 名 錫 碧 3 .3 』 ◎ ω ぬ く ・ = 「害 記 』 雲 =P 1 ψ 臨 A団ジ 一 一 d 塁 留 8 旨 噛 ヒ 3 ≡ 蕊 隅 3f諏 2 2 島 9’ ε』= o 3 鵠 = 3 “ の _E.一禽善 亀 2 R 3電 £ 「 … 閥 . 撫 3= @ , 禔f・”署 ’ ○ 40 80 Time(min) 図15 トウモロコシ(a}およびコムギ(b)のPEPカルボキシラーゼ,ならびにオオクサ キビ(c),シコクビエ(d)およびハゲイトウ(e)のNAD一マリックエンザイムのトリ プシンペプチドのHPLC Fig.15 HPLC elution profiles of the tryptic peptides of the PEP carboxylases form the maize{a)and wheat(b},and the NAD−malic enzymes from the fall panic(c), finger millet(d)and amaranth{e}, The peptides were chromatographe(i on a reverse−phase co至umn(lnertsi1 C18,5μm,4×250mm)、 Solvent A was O.1%aqueous trifluoroacetic acid and solvent B 100%acetonitrile. The linear gradient was O−50 %Bin 120 min.60−80%Bin 20 min. C61umn temperature was 30℃and the flow rate 1. O m1/min. The effluent was monitored by absorbance at 216 nm. 図16 トウモロコシPEPカルボキシラーゼトリプシンペプチド(ITVPNEK)のエドマン 分解により得られたダンシルアミノーPTHアミノ酸誘導体のTLC Fig.16 TLC identification of the dansylamino−PTH amino acid derivatives released by dansylamino−PITC microsequencing of a tryptic peptide (ITVPNEK)of the maize PEP carboxylase. 一55一 表3PEPカルボキシラーゼおよびNAD一マリックエンザイムト リプシンペプチドのアミノ酸配列 Table 3 The amino acid sequences of the t正yptic peptides from the PEP carboxylases and the NAD−rnalic enzymes・ トウモロコシPEPカルボキシラーゼ トlaize PεP carboxylase v田PE▽田R AQPTPQDEHR FAIDK 工TVPNFK V工LGVΩ工ALR LSAAWQ工」YR YY工EFWK TFEV EMYNEWPPFR GDPG工AGLYD露LLA SVVVK LASGVSIA FSSWMGGDR NVXG SGTQ コムギPEPカルボキシラーゼ V工LG▽ Wheat PEP car・boxylase LSAAWQLYR LLIXF オオクサキビNA臣マリックエンザイム Fall panic NAD一重alic enzyme 工LNR GDGGEY VX工D YAGLSYD 肥しY シコクビエNAD一マリックエンザイム Fin8er 揃illet NAD一削alic enzy鵬e LΩDΩXD EIPQK ▽A田工XLP EQYE/K GEMP 剛LGLXエN WAFNTLΩ VV工Q ▽煙TFK XGLF FMN VL工DH工 XI」TAF/VPLLE 工YNWG GMYF AMXNPT AVVΩFE 単一のN末端アミノ酸が検出されたピークについて,ダンシルアミノーPITC法によって, アミノ酸配列分析を行った。その結果,決定されたアミノ酸配列を表3に示してある。表3に はアミノ酸配列が明瞭に同定できなかったものは示していない。また,図16にダンシルアミノ ーPITC法によってトウモロコシPEPカルボキシラーゼトリプシンペプチドを分析した例 を示してある。 表3に示したようにPEPカルボキシラーゼには,トウモロコシとコムギの聞で相同な配列 をもつペプチドが認められた。すでに,GEP H−1一(1>一②一e「C4光合成主要酵素の 発現調節機構(松岡)」に関する研究で,トウモロコシのPEPカルボキシラーゼ抗体とコム ギなどのC3植物のPEPカルボキシラーゼが反応することが明らかにされている。また, P EPカルボキシラーゼのプロテアーゼによる限定加水分解物の電気泳動パターンは, C3とC4 植物間でよく似ていることが示されている。これらの結果と本研究で得られたトリプシンペプ 一56一 チドのHPLC溶出パター・の類似齢よびアミ・酸配 りの相同性とを併せて考えると,トウ モロコシとコムギのPEPカルボキシラーゼのアミノ酸配列には全体に高い欄性があると言 うことができよう・なお・・のようにC・回路PEPカルボキ・ラーゼと相輪の高い_次髄 をもつと推察されるC・植物のPEPカルボ扮ラーゼカ繍ぜC、植物の場合と同じようにC、 植物で発現しないのかについては,明らかでない。今後の検討が待たれる。 一方,NAD一マリック土ンザイムのトリプシンペプチドのアミノ酸配列は,オオクサキビ とシコクビエでかなり異なっていることがわかった。表3に示してある明瞭に同定されたアミ ノ酸配列の中には,晶晶間で相同なものは見い出されなかった。オオクサキビとシコクビエの NAD一マリックエンザイムは,前述のようにN末端領域では,アミノ酸配列の相同性が認め られたが,C末端側の領域では,アミノ酸配列にかなり差異があると推察された。 トリプシンのほかに,3≠σヵ勿100000%3 α躍6鰐V8プロテアーゼやキモトリプシンなどで PEPカルボキシラーゼおよびNAD一マリックエンザイムの分解を試みたが,アミノ酸配列を 分析し得るペプチド断片を得ることはできなかった。 本研究で得られたN末端アミノ酸配列あるいは,よりC末端側のアミノ酸配列に対応するオ リゴヌクレオチドを人工的に合成し,それらをプローブとしてハイブリダイゼーションを行え ば,上記酵素蛋白質をコードするDNAを効率的にクローニングすることができるであろう。 プローブとして適したオリゴヌクレオチドを作成するためには,できる限り縮重が低い,5 残基程度のアミノ酸配列を選択することが必要である。また,できる限り㎞値の高いオリゴ ヌクレオチドを合成することも重要である。縮重の低いアミノ酸としては,メチオニン,トリ プトファン,アスパラギン酸,グルタミン酸などがある。一方,Tm値は, GC含量と密接な 関係がある。Tm値の高いものは, GC含量が高い。アラニン,プロリン,グリシン,アルギ ニン,トリプトファンなどのコドンのGC含量は高い。従って,縮重とGC含量とを併せて考 えると,トリプトファンや酸性アミノ酸を含むアミノ酸配列がオリゴヌクレオチドプローブ作 成に適しているといえる。 本研究で明らかにされた酵素蛋白質のアミノ酸配列の中には,オリゴヌクレオチド作成に適 したものがいくつか認められる。従って,決定されたアミノ酸配列は,酵素蛋白質をコードす るDNAのクローニングに役立てることができると考えられる。 また,DNAの塩基配列からアミノ酸配列が推定できるが, N末端アミノ酸が何か,リーデ ィングフレームに誤りがないかどうかは,実際のアミノ酸配列が明らかになっていないと決め ることはできない。本研究で決定されたアミノ酸配列は,DNAの構造的特徴あるいは翻訳中 または翻訳後のプロセッシングについて解析する上で重要なデータとなろう。 摘 要 光合成C4ジカルボ.ン酸回路(C4回路)関連酵素遺伝子をクローニングし,構造上の特徴を 解析するための基礎知見を得る目的で,C4回路の主要酵素,ホスホエノールピルビン酸カルボ キシラーゼ(PEPカルボキシラーゼ)(トウモロコシ),ピルビン酸リン酸ジキナーゼ(PP DK) (トウモロコシ),ならびにNAD一マリックエンザイム(オオクサキビ,シコクビエ およびハゲイトウ)のアミノ酸配列の分析を行った。 トウモロコシPPDKならびにオオクサキビ,シコクビエおよびハゲイトウのNAD一マリ ックエンザイムについては,SDS一ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分別し,ゲルか らポリブレン処理したガラス繊維濾紙に電気的にプロッティングした後,ガラス繊維濾紙を気 相プロテインシークエンサーに挿入して分析したところ,きわめて効果的にアミノ酸配列を 一57一 決定することができた。 分析の結果,トウモロコシPPDKのN末端アミノ酸配列はTTKKAVFHFGKGKSEGN KTであることが明らかになった。また,オオクサキビのNAD一マリックエンザイムのN末 端アミノ酸配列はSSAAPPGAPLAVVP,シコクビエではSSAAPAAGAAVPGPIIVHK XGNDILNDP,またハゲイトウではATAEGPGLAFVNKXGADFLEDPVFNKGTであっ た。このように,NAD一マリックエンザイムのN末端アミノ酸配列には種間でかなり高い相 同性が見られた。 トウモロコシのPEPカルボキシラーゼのN末端アミノ酸配列については,明らかにするこ とはできなかった。C3植物であるコムギのPEPカルボキシラーゼのN末端アミノ酸配列も 決定することができなかった。これらのPEPカルボキシラーゼは, N末端がブロックされて いるものと推察された。 トウモロコシおよびコムギのPEPカルボキシラーゼ,ならびにオオクサキビおよびシコク ビエのNAD一マリックエンザイムについて, C末端領域のアミノ酸配列を明らかにするため, 逆相C8カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した後,トリプシンで 分解し,得られたペプチドのアミノ酸配列を分析した。この際,ト.リプシンペプチドのアミノ 酸配列を効率的に決定するために,蛍光のカップリング試薬,4一{[5一(ジメチルアミノ)一 ユーナフチルサルポニル]アミノ}フエニルイソチオシアネート(ダンシルアミノーPITC) を用いた迅速高感度なアミノ酸配列分析法を開発した。この方法により得られるチオヒダント インアミノ酸誘導体は,薄層クロマトグラフィーで1∼5pmo1, HPLCで200 fmolのレベ ルできわめて感度よく検出することができた。 ダンシルアミノーPITC法を用いて上記酵素トリプシンペプチドのアミノ酸配列を分析した 結果,トウモロコシPEPカルボキシラーゼは,コムギPEPカルボキシラーゼとアミノ酸配 列にかなり高い相同性があることがわかった。しかし,オオクサキビとシコクビエのNAD一 マリックエンザイムは,N末端アミノ酸配列に相同性が認められるにもかかわらず,分析した 限りでは,C末端領域には相同性が見い出されなかった。 本研究で得られたアミノ酸配列に関する知見は,これらの酵素をコードする遺伝子のクロー ニングや,これらの遺伝子の構造の解析に役立てることができると考えられた。 引用文献 1) 石蔦純男・藤田信之・三輪哲也・泉井桂・香月裕彦(1983)大腸菌ホスホエノールピルビ ン酸カルボキシラーゼの末端一次構造について 生化学 55,1243. 2) Laemmli,U. K.(1970)Cleavage of structural proteins during the assernbly of the head of bacteriophage T 4. Nature 227,680−685. 3) Hewick, R. M., Hunkapillar, M.W.,Hood, L.E., Dreyer, W。 J.(1981)A gas−hquid solid phase peptide and protein sequenator. 」. BioL Chem.256,7990一 一7997. 4)Edrnan,P.(1949)Amethod for the deterrnination of the amino acid sequence in peptides. Arch. Biochem.22,475. 5) 平野久(1985)アミノ酸配列分析装置 ぶんせき 8,52−59. 6) Hirano,H.,Wittmann−Liebold,B.(1986)Protein pico−sequencing with 4一 { [5 一 (dimethylamino)一 1−naphthylsul fonyl] amino } phenyl isothiocyanate. BioL Chem. Hoppe−Seyler,367,1259−1265, 一58一 7) Hirano,H,,Wittmann−Liebold,. B.(1987)Protein pico_sequencing with dansylamino−PITC. Bio1. Chem. Hoppe−Seyler.368,438. 8) Vandekerckhove, J.,Bauw, G,Puype,. MりDamme,」・V・,Montagu・M・V・ (1985)Protein−blotting on pQlybrene−cQated glass−fiber sheets, A basis for acid hydrolysis and gas−phase sequencing of picomole quantities of protein previously separated on sodiu皿dodecyl su玉{ate/acrylamide ge}. Eur. J.Biochem. 152,9−19. g) Tarr,G.E、,Beecher, J.E(1978)Polyquarternary amines prevent peptide loss from sequenators. AnaL Biochem,84,622−627. 10) Jin, S.一W,,Chen, G.一X.,Palacz, Z・,Wittmann−Liebold,B・(1986)Anew sensitive Edrnan−type rea gent=4一(N−1−dimethylaln inonaphthalene−5− su}fonylamino)phenyl isothiocyanate. FEBS Lett.198,150−154. 11) 平:野久(1984)DABITC法による蛋白質の一次構造分析。蛋白質核酸酵素 29,374− 382. 12) Wittmann−Liebold,B.,Hirano,H.,Kimura,M.(1986)Manual microsequence determination of proteins and peptides with the DABITC/P正TC rrlethod.(eds. Wittrnan卜しiebold,B,,SalniKow., J.,Erdmann, V. A.)Advanced Methods in Protein Microsequence Analysis.77−90,Springer−Verlag,Berlin, Heidelberg. 13) 平野久(1987)手動エドマン分解一DABITC法。(日本生化学会編)続生化学実験講 座2 タンパク質の化学(上)317−327,東京化学同人,東京。 14) 平野久・松岡信・竹内規和・村田伸夫・山下淳(1985) トウモロコシホスホエノールピ. ルビン酸カルボキシラーゼの一次構造。育雑35,別冊1,28. 一59一 The Amino Acid Sequence Determination of Enzymes ln The C与 Dlcarboxyl lc Acid Pathway of Photosynthesls H。 H工RANO, 田。 MU RATA and H。 KAGAWA (National 工rlstitute of Aqrobiological Resources) Summary Three maゴor enzymes in the C辱 dicarboxylic acid pat二hway of phot二〇synthesis, phosphoeno:Lpyruvate carboxylase (PEP carboxylase), phosphopy「u▽at・Pi diki・a・e(PPDK)and NAD噸・lic en・ym・were purified from the C㎏plants to determine the partial amino acid sequences of their N−termina⊥ and internal reqions。 由h・PPDK f・・m瞬・e(Zθα η2αン8 エ}。)and th・NAD−m・lic en・yme・ fr・m fall panic(Pα疵α淵臨0ん0古0幅fZor㎜醜0んα㍑S.),finger millet (πZθ㍑8r診ηθ 00:Pα0α㎜ (L。) Gaertn。) and amaranth (14η7αrαη渉ん㍑8 診rr匹00ZOγ・ L。) separated by sodium dodecyl su工fate/polyacrylamide qel electro− phoresis and electroblo七セed ont二〇 the polybrene−coated qlass− fiber sheets could be sequenced directly in a qas−phase prot二ein sequencer。 The N−terminal amino acid sequence of the maize PPDK was det二ermined as T田KKA▽FHFG KGKSE GNKT。 The N−terminal sequence of the NAD−malic enzyme from もhe fall panic was as SSAAP PGAP工・ AWP, that of the finger millet SS皿P熱GAA▽PGP工工▽HKX GND工L NDP and that of the amaranth ATAEG PGLAF ▽因KXG ADFLE DPVFN KGT。 The N−terminal amino acid sequences of the NAD−malic enzymes determined here were found to be homolOqous among these species。 No released PTH−amino acid derivatives could be identified after ユO cycユes of Edman deqradation of the PEP carboxyユase, purified by reverse−phase hiqh performance liquid chromatography (HPLC),or electroblotted ont二〇 the qlass−fiber sheet。 This may indicate a blocked amino terminus。 To determine t二he amino acid sequerlces of 七he peptides from the internal reqion of the PEP carboxylases and the NAD−malic 一60一 enzymes, purified by reverse−phase HP工、C, a sensitive and rapid manual protein microsequencinq method employinq a novel Edman−t二ype ・・uplinq・eaq・・t,4べ[5一(dim・thyl・mi・・)一1引aphthyl・ulf・nyl]・mi・・] phenyl isothiocyanate (dansylamino−P工TC) was established。 [rhe dansylamino−PI田C is a fluorescent compound structurally related to dansyl chloride and the thiohydantoin−amino acid derivatives can be detected at a l−5 pmol level by thin−layer chromatQqraphy and at a 200 fmol :Level by HPLC。 The PEP carboxylases from the maize and t二he NAD−malic enzy!nes frOm the fall parlic and finqer millet were diqested with trypsin, and the result二ant peptide fraqments were separated by reverse−phase HPLC and the amino acid sequences of some of the fraqments were unambiquously determined with darユsylamino−PITC microsequencinq method・ 工n add土tiQn’ the trypt土。 peptides Qf. PEP carbQxylase from ロ コ the wheat (距z呑乃。躍ηαθ8診zO獺 (L。) Thell。) were separated and sequenced by the same method to examine the struct二ural difference of the PEP carboxylase between the C蒔 and C 3 plants。 田he results of the peptide Inapping and sequencing suggest that the PEP caκboxy} lases are hiqhly hOmoloqous between the maize and what。 工n cOn− trast with the N−terminal reqion’ no sequence homoloqy wa『 found in the internal regions Qf the NAD−malic enzymes between the fall panic and finqer millet。 The amino acid sequence data obt二ained in this experiment should be useful for the cloninq of the genes encodinq thgse enzymes and the characterizat:Lon of these genes。 一61一 4.C・及びC・植物における光合成酵素の 分子生物学的比較 松岡 信 高 年 作物の光合成能力を高める方法としてこれまでいくつかの方法が考案されているが,最近, 分子生物学の発展により,遺伝子操作を用いた方法が注目を集めるようになって来た。遺伝子 操作により光合成能力を向上させようとする場合,改変する対象が個々の遺伝子となるので, 一つ又は少数の光合成反応に極めて重要な遺伝子にねらいを定めて改変,導入さらには削除す ることが必要である。そこで,本研究においては,二つの異った遺伝子工学的戦略により,イ ネの光合成能力向上に向けての基礎的研究を行った。一つはC3植物であるイネをより光合成 能力の高いC4植物に改変することを目ざすものである。C4植物においては,カルビン回路と よばれるC3植物にも存在する光合成を行う回路以外に,C4回路とよばれる大気中のCO2を濃 縮してカルビン回路のCO2固定の効率を上げるC4植物固有の回路が存在する。そこでこのC4 回路を構成しているいくつか酵素に対する遺伝子をイネに導入することによりイネの光合成を C4化する可能性が考えられる。この可能性をイネ及びC4光合成植物であるトウモロコシを 用いて検討した。 他の一つは,イネの光合成において律速段階の反応に関与していると考えられる酵素タンパ ク質の構造を,酵素活性の高い他の植物と一比較することにより,より活性の高い酵素タンパク 質に改変することを目ざした。具体的には1明反応におけるクロロフィル結合タンパク質 (LHCP)と,暗反応におけるリブロースー1,5−2リン酸カルボキシラーゼ(RuBisCO)の小 サブユニット(SSu)の二つのタンパク質についてイネにおける構造的特徴を検討した。 方法及び材料 (1)イネにおけるボスホエノールピルビン酸力ルポ串シrラーゼ(PEPC)及びピルビン酸リン 酸ジ卑ナーゼ(PPDK)。 (1)植物材料 イネ(0プタgσ3σ’勿σL.cv日本晴),コムギ(7!腕固%刑σ6’勿π魏L.cv農林61号),オ ームギ(Ho7016%吻 4訥々6ん%鯛 L.CV ニューゴールデン)及びトウモロコシ(Z6α燗の3 L cvゴールデンクロスバンタム)はバーミュキュライト中で25−30℃,7日間培養した。タバコ (論oo々翻σ’α∂α6%〃3 L.cvサムスン)は播種後2−3カ月自然光下で栽培した。これらの植 物より若い緑葉をXl」り取りタンパク質及びmRNAの抽出に用いた1)。 (2)藍化葉及び緑化葉の調製 イネ,コムギ及びトウモロコシの種子を30℃,7日間(イネ及びトウモロコシ)又は25℃, 6日間(コムギ)暗下で培養した後,これを黄化葉として用いた。さらにこれらの黄化植物に 20kluxの光を照射し適当時間培養した植物を緑化葉として用いた。 農業生物資源研究所・分子育種部 一62一 (3) トウモロ調シP鱈PC及びPPDK抗体の作製 トウモロコシPEPCはUedanとSugiyama 2)の方法により精製した。最終精製物を5m厚 の10%スラズゲルSDS一ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ泳動後2,5Mの酢酸ナトリ ウムにより染色した。このゲルよりPEPCのバンド切り出しゲルをよくつぶした後Freund’s completeアジュバンドを混合しウサギに注射して抗体を得た。オクタロニーテストにおいて 本抗体はPEPCに特異的な抗体であることが確認された。 PPDKの抗体調整は以下のように行った。トウモロコシ緑葉200gをSugiyamaの方法 により抽出し40−50%の硫安により分画した。この画配を5V/c磁で調整用SDS−PAGE(10 %ポリアクリルアミド)を行った。泳動後ゲルを2.5M酢酸ナトリウムにより染色しPPDK を切り出した。調整用SDS−PAGEを再度行いPPDKを精製した後,ゲルをつぶしアジュ 3) バンドと混合してウサギに注射し特異抗体を得た。 (4)イムノプロッテイング 各種植物の緑葉(0.05g)を2mlの0,1MTris−HCI(pH7,4)中でつぶし,16,000rpm 10分の遠心を行った。その上清(30μgのタンパク質)を0.2%SDS及び10%ポリアクリルア ミドを含むSDS−PAGEを行った。泳動後電気的にゲルよりニトロセルロース膜にタンパク質 を移動させ抗PEPC抗体及び抗PPDに抗体を一次抗体として用い,西洋ワサビのパーオキ 4) シダーゼを結合させたヤギ抗ウサギlgG抗体を二次抗体としてプロッティングを行った。 (5)ペプチドマッピング 各植物の抽出液(30μgタンパク質)をSDS−PAGEにかけ泳動後クマシーブリリアント ブルーRによりタンパク質を染色した。脱色後,PEPC及びPPDKのバンドを切り出した。 C3植物の場合は,PEPC及びPPDKのバンドが確認できない為,イムノブロティングによ り反応したバンドの位置(PEPCの場合100K,PPDKの場合95K付近)を切り出した。切り 出したゲル切片を15%ポリアクリルアミドを含むSDS−PAGのサンプル穴の中に入れ,その 上に20μ4の0.1mg/m13’αρ砂100000%3σ%76%3 V8プロテアーゼ及び0.1%SDSを含んだ0.125 MTris−Hcl(pH 6.8)緩衝液を重層した。ゲル中のタンパク質は濃縮ゲル中でプロテアーゼ により部分的に切断され,切断されたペプチドは分離ゲル中で分離され銀染色により解析した。5) (6)PEPC及びPPDKの免疫沈殿 50μ1の粗抽出液(約380μgタンパク質)に適当量の抗トウモロコシPEPC又はPPDK抗 体を盛典し水により全量を60μ1にした。 この溶液を10分間室温で放置した後,30μ1(ベッド) のプロテインA一世ファローズCL−4B(ファルマシア)を加えさらに10分間混合し続けた。 その後16,000rpm 5分間遠心レセファロースを除きその上清の酵素活性を測定した。 (7)ポリ(A)+賦潤Aの調整 トウモロコシ又はイネの葉(20∼30g)を120 miの0.5%ラウリルザルコシン,25mMクエン 酸ナトリウム,0,2%アンチホルムAを含む4Mグアニジンチオシアネート液中で抽出し10,000 ×g15分間遠心した。この上清を0.正MEDTA,25mMクエン酸ナトリウムを含む5,7M塩化 セシウム液に重層し60,000×g24時間遠心し沈殿したRNAを10mlのH20に溶解し塩 化リチウム沈殿及びエタノール沈殿を行うことにより精製した後,オリゴdTセルロースカラ ムによりポリ(A)+RNAを分離した。 (8) 6DNAの作製及びスクリーニング トウモロコシ緑葉より調製したpoly(A)+RNAを5−20%のショ糖密度勾配遠心により分 画し,PEPC及びPPDKmRNAを含む画分をウサギ網状赤血球抽出液による吻麗’プ。翻訳 系を用いて確認した。本西分を用いてGublerとHoffman5)の方法によりcDNAを合成し pUC 8のPst lサイトにdG−dCホモポリマー法によりクローニングした。コロニーハイブリ 一63一 ダイゼーン及びハイブリッドーセレクトトランスレーションはManiatisら7)の方法に従った。 (9)ノーザンハイブリダイゼーション イネ及びトウモロコシのpoly(A>+RNAを1.3%ホルムアルデヒド入りのアガロースゲル で分離し,ニトロセルロース膜にトランスファーした。ハイブリダイゼーションはラベルした cDNAを用いて,5×SSC,6×デンハルト液,0,5%SDS及び100日前/m1のDNAを含ん だ50%ホルムアミド溶液中で420C,20時間行った。フィルターは0,1×SSC,0.5%SDS液で 42℃,1時間洗った後,オートラジオグラフィーを行った。 (1①核の畏Aの抽出とサザンプロッティング トウモロコシ及びイネの黄化葉より核を0.285Mショ糖,2mMMgC13及び0,1MNaジエチ ルジオカルバメイトを含む20mMTris−HC玉緩衝液(pH8.0)中で抽出し,12,000×g5分の 遠心により集めた。遠心後,核を1,5%ザルコシル及び20mM EDTAを含む501nMTris−HCl 緩衝液(pH8.0)により溶解させDNAを抽出し塩化セシウムの遠心によりDNAを単離した。 DNAは各種制限酵素で切断後,0,7%アガロースゲル電気泳動により分離し,ニトロセルロ ース膜に移した。ハイブリダイゼーションはノーザンプロッティングと同様の条件で行った。 (11)DNAシークエンス cDNAインサートの塩基配列の決定は,ダイデオキシ法により行った。8)6DNAを制限酵 素により適当なサイズに切断し,それらをM13ファージDNAにサブクローニングしM13ファー ジの一本鎖DNAを用いて行った。 結果及び考察 (1)C,植物内のP劉PC及びP野D羅3’9) C3植物緑葉中の可溶性タンパク質及びトウモロコシの黄化葉,緑葉の可溶性タンパク質を SDS−PAGEにより分離後,トウモロコシPEPCに対する特異抗体を用いたイムノブロッ ティングを行った結果,トウモロコシ緑葉中には多量のPEPCが一本のバンドとして観察され た(図1)。 一方,コムギ及びオームギの場合は本抗体と反応する二本のバンドが観察され, 一本はトウモロコシPEPCと同様の泳動を示し(分子量約100K功他の一本はそれより泳動 度が遅く(分子量約110KD)量も少なかった。9)イネの場合,分子量95−115KDの問に4 本のバンドが観察された。タバコの場合,トウモロコシのPEPCと同様の泳動度(100KD) 付近に一本のバンドが観察された。トウモロコシ黄二葉の場合には三本の抗体と反応するバン ドが観察され,泳動度の遅いバンドは極めて少量でありコムギ,オームギの上のバンドと同じ 泳動度を示す一方,下の二本のバンドはC4タイプのPEPCを類似した泳動度を示した。イ ネ,コムギ,オームギ及びトウモロコシ黄化葉越のPEPCはC3タイプのPEPCと考えられ ることから,今回調べたすべてのイネ科植物においては複数のC3タイプPEPCが存在する一 方,タバコには一本のバンドしか観察されないことから双子葉植物にはこれはあてはまらない ことが予想された。 PPDKにおいても同様の実験を行ったところ, トウモロコシPPDKに対する抗体は, CAM 植物であるアロエ,C3植物のコムギ,オームギ,イネ及びタバコのすべての植物に対して 一本のタンパク質と反応しさらにその分子量はトウモロコシのPPDKと同様の分子量を示し た(図2)。 興味深いことに,イネのバンドの強さは他のC3植物に比してかなり強く,これは C3植物中のPPDK活性の強弱とも対応した。次にこれらのイムノブロッティングにおいて観 察されたバンドが実際にPEPCやPPDKの活性を持っているかどうかを検討する目的で免疫 沈降実験を行った(図3,表1)。 その結果,PEPC, PPDKともそれらの抗体の添加量を 一64一 1 2 3 4 5 図1,C3植物におけるPEPCタンパク質の免疫学的同定。レー ン1,トウモロコシ葉;レーン2,コムギ葉;レーン3,オ ・幽、誘\麺響脚 ームギ葉;レーン4,イネ葉;レーン5,タバコ葉 Fig。1. Immunodetection of PEPC in C3 plants。 Extracts(30 μgof proteins)from plant leaves(0、05 g fr wt)were sublected to SDS−PAGE, then transfbrred onto a nitrocellulose sheet,and stained with anti一(maize) PEPC antibody and peroxidase−conjugated second antibody. Lane 1, extract frorn maize;2,wheat;3, barley; 4, rice;and 5, tobacco 鞭暴 難 鞭 難事盤懸難解細川 無 羅獅 瀬 輻 ㍊ ・蟹 臨『 h 燃 「 n 『 罷 r . 、 、 図2.C3植物におけるPPDKタンパク質の免疫学的同定。レーン1,トウモ ロコシ葉;レーン2, アロエ:葉;レーン3, コムギ葉;レーン4, オーム ギ葉;レーン5,イネ葉;レーン6,タバコ葉 Fig.2. Immunodetec宅ion of’PPDKin C3and CAM plants。Extracts (30μgof proteins) from plant leaves(0.05g fr wt)were subjected to SDS−PAGE,then trarlsferred.onto a nitro− cellulose sheet,and stained with anti一(maize)PPDK antibody and peroxidase−conjugated second antibody. Lane 1,extract from maize;2,aloe;3,wheat;4,, barley; 5,rice;and 6,tobacco, Positions of mol wt sta】:ぬards given in KD are shown on the r{ght. L 増加させると上清中のそれぞれの酵素活性は減少した。この結果は,イムノブロッティングで 反応したタンパク質はPEPCやPPDKの活性を有していることを示している。 PEPCの場 合,何故約半分の活性が上清中に残るかは不明であるが,本抗体で認識できないPEPC活性 がC3植物中に存在しているのかも知れない。 一65一 令 ミ〕∞ .意 \、 \ト、 ・藷 \憾・、 紹 \\ 星 、馬嚇㍉ 歴50 \ ’\∼\ \翫__一_二鴻 婁 塞 0 0 0.5 】ρ L5 2ρ Anti PEPC anti$erum.(μP. 図3.抗トウモロコシPEPC抗体によるイネ陰)及びコム ギ(轟)PEPC活性の阻害 Fig.3. Inhibition of PEPC activity of rice and wheat by anti一 (maize)PEPC antibody。 Indicated volumes of the antibody and nonimmune serum were added to50μ10f the enzyme sqlution and the enzyme−antibody solution(60μ1)were.ihbubated for 10 min at room temperature. Next, protein A−Sepharose was added and the mixture was incubated for another 30 min。 After incubation,the mixtures were centrifugedε田d the remaining PEPC activities in the supematants were deter− mined。 表1.抗トウモロコシPPDK抗体によるイネPPDK活性の沈降 Table 1. Immunoprecipitation of PPDK inrice immature grains with antibody against maize PPDK ロ PPDK acヒ■v■ty Addition (}ユ1) (nmo1/min/mg Pro七ein) (%) H O (10) 6.80 100 Conヒrol s¢rum (10) 7.83 115 Anヒi−PPDK (3) 3.07 45 Anしi−PPDK (10) 0.69 10 2 一66一 3,9) (2)P翻PC及びPPDKのC3,C4植物間の構造的比較 C3植物に見い出されたPEPC及ひPPDKの性質を検討する目的でそれぞれのタンパク質 のペプチトマッピングを行いその切断パターンをC4タイプのPEPC, PPDKと比較した。 PEPCの場合は,コムギのPEPCの部分精製標品を用いて分子量の大きいバンドと小さいバ ントをそれぞれ切り出しトウモロコシPEPCのペプチドマップと比較した(図4)。その結 A 一 勲 団細 2 轟 幽 3 自邸 \畿ぞ 冠 臨麟 鋳 鞭 B 1 2 3 為 5 百 順い き 幽 由 静 幽 鍵 司 翻 蟷 蜜 モ 灘 } 騨 , 図4 コムギ及びトウモロコシPEPCのペプチドマップによる比較 A:レーン1,コムキ小さいPEPC;レーン2,コムギ大きいPEPC;レーン3,トウモ ロコシPEPCをV8プロテアーゼで切断PAGE後難染色を行った。 B:レーン1,コムギ大PEPC(1μgV8プロテアーゼ);レーン2及び3,コムギ小PE PC(2μg及ひ50ng隔),レーン4及ひ5,トウモロコシPEPC(2μg及ひ50ngV8) で処理後,抗PEPC抗体を用いてイムノブロットを行った。 FIg.4 Peptlde mapplng of PEPC ln wheat.Whea毛PEPC bands were cut out from the SDS−polyacrylamlde gel(FIg。1),therl parnally dlgested wlth V』protease and separated by SDS−PAGE。 Expererlmental deta1正s are glven ln Materlals and Methods. A:The bands were detected by sllver stalnlng. Arrowhead mdlcates the posltlon of undlgested PEPC and arrows mdlcate common fragmerlts ln all plants tested. Lane 1,wheat lower band,2,wheat upper band, and 3,ma]ze. B:The bands were detected by proteln blottlng uslng the ant1一 (malze)PEPC antlbody and peroxldase℃onjugated second antlbody。 Lane 1, wheat upper band treated w正th 1μg of V駐protease,lanes 2 and 3,wheat lower one treated wlth 2μg and 50ng of the protease,re− sp㏄tlvely;lanes 4 and 5, malze PEPCtreated wlth 2μg and 50ng of the protease,resp㏄tlvely. 一67一 果,数本の矢印で示したバンドがこれらのタンパク質に共通して存在した。しかしこの三種の タンパク質の切断パターンは同一ではなくそれぞれ少しずつ異なっていた。この結果はコムギ の二本のPEPCはトウモロコシPEPCと類似した構造を持つものの,部分的に異なること を示しており,さらにコムギの二本のPEPC間にも構造的相異点が存在することを示して いる。さらに詳細にこれらのタンパク質の構造を検討する為に,抗トウモロコシPEPC抗体 がこれらの切断フラグメントとどの様な反応をするかを調べた(図4)。トウモロコシPEPC のほとんどすべての切断フラグメントは本抗体により認識される一方,コムギの低分子量の PEPCは,比較的分子量の大きい切断フラグメントについては本抗体により認認されるものの, 分子量の小さいフラグメントはあまり認識されないことが分った。また抗体が認識する切断フ ラグメントのパターンはこれらのタンパク質問でよく類似していた。それに対して,コムギの 高分子量のPEPCは2∼3本のフラグメントしか本抗体により認識されず,比較的大きい分 子量のフラグメントでも認識されなかった。高分子量PEPCと低分子量PEPCの本抗体に 対する反応性を比較することは,これらのタンパク質の量が異なることから単純にはできない ものの,高分子量PEPCの切断フラグメントでタンパク質染色において十分観察されるフラ グメントでも本抗体が認識しないものがあることと,低分子量PEPCにおいては大きい切断 フラグメントでタンパク質染色で観察されたものはすべて本抗体が認識することを考え合せる と,コムギ高分子量PEPCは低分子量PEPCより本抗体に対する反応性が低いと考えられ る。これらのことから,コムギの低分子量PEPCはトウモロコシC4タイプのPEPCの構造 1 2 4 3 獅「 璽 サ .膿 嚇騨 幽 →繕 一劔. 鷺 鴬 桑 こ 璽 図5,C3植物のPPDKとトウモロコシPPDKのペプチドマップの比較。 レーン1, トウモロコシPPDK;レーン2,コムギPPDK;レーン3, オームギPPDK;レーン4,イネPPDK Fig.5. Peptide mapping of PPDK:in C3 plants. PPDKbands w6re cut out fromaSDS−polyacrylarnide gel (Fig.2), then partia玉ly digested with V忌protease and separated by SDS−PAGE。Experimental deta童ls are given in Materials and Methods。The bands were detected by silver staining. Arrowhead indicates the position of undigested PPDK, and arrows indicate common fragments in all plants tested. Lane 1, maize;2・wheat;3・barley;and 4・rice。 一68一 と細かい部分では異なっているもののかなりの部分が類似している一方,高分子量PEPCは 低分子量のものより類似している箇所が少ないと考えられる。 同様のことをPPDKについても行った。その結果,調べたC3植物のすべてのPPDKがペ プチドマッピングにおいて共通のバンドを示すこと(図5), さらにこれらの切断フラグメン トと抗トウモロコシPPDK抗体との反応性を検討した所, C3植物のPPDK:フラグメント の一部分は本抗体と反応し,そのパターンは互いに類似していた(図6)。 これらの結果は, 、↑ ② 犠 鷲 3 欝 騨幽 幽 慰 罫 蕎 騒 響 紬纏輸 隔鰯ダ ・撫 姦、 灘 ・贈 盤 蟹 欝・、 離 無 ・、輪 噸晦 ・窟・ 蜘・ 図6.C3植物のPPDK及びトウモロコシPPDKのペプ チドマップによるフラグメントに対する抗トウモロコシ PPDK抗体の反応性の比較 レーン1及び2,トウモロコシPPDK(20ng及び1μg 穐プロテアーゼ);レーン3,コムギPPDK;レーン 4,オームギPPDK;レーン5,イネPPDK Fig.6, Peptide mapping of PPDK by immuoblo乞ting. The bands were detected bythe protein blotting usirlg the anti一(rnaize)PPDK antibody and peroxidase℃onjugated secon(玉antibody. Lanes l and 2,maize PPDK treated with 20 ng and 1μg of V8 protease,respective至y;lane 3, wheat;4,barley;and 5,rice.PPI)臨(about 1μg protein)from C3plants were treated with 200ng of the protease. C3植物PPDK:のいくつかの切断フラグメントはトウモロコシのそれらと免疫学的に類似して いることを示しており,さらに,C3植物PPDKの一次構造は互いによく類似していると同時 に,トウモロコシPPDKとも共通な部分が存在することを示している。 3,9) (3)C3植物におけるPEPC及びPPDKタンパク質の光による誘導 C4植物のPEPCやPPDKは光により誘導されC4光合成系に関与することはよく知られ 一69一 .9 峯 2 α £ Q6縷 欝。 9 や .羅 璽 藍 霧 ε4Q 雄 。璽 一 〇 } 皿 嘔盧____四__藍___ 3 .鐙 篇 ・露 軽2Q 8 0、2紹 紀 ◎ o 房 出 。 0 0 20 4q継墾じ 至幾60 0 Time(h) 図7・イ横化葉の緑化謡うP.耳1:・,…脳活性の変動 Fig.7, Rice leaves. i0.05g ffwt)癖砂重:砂collected at the irldicated times after the iniち:1無ion of gree垣ng。 PEPCact{vities in their extfa6ts were assayed as described in Materials and Methods。 ( Φ ヰ 2 細 α ≧ ⑰60 濫 篶 鴇 億 虹 ’壼 1、Qo 、 (= ぶ ロ 覆40 藷 蟷 o 一 ε >1 顎L 劇 ●一 ) 豊 絃 り Q Φ Ω_ 房 歴 0 0 0.爾 20 40 0 60 Time(h) 図8. コムギ黄化葉の緑化に伴うPEPC活性の変動 Fig.8, Changes in PEPCactivity during the greening of etiolated wheat seedlings. Experimental con− ditions are as given in Fig。7. 一70一 ている。一方,今回C3植物に見い出されたPEPCやPPDKが光によりどのように制御され るかは不明であるので,C3PEPCやPPDKが光により誘導されるか否かを検詞した。暗下で 7日間生育したイネまたはコムギを20Kluxの白光を連続照射することによりPEPCやPP DKの酵素活性及ひタンパク質量の変動を調べた。イネ及ひコムギ緑化葉における全クロロフ ィル量やリブロース2リン酸カルポキシラーゼ(RuBlsCO)タンパク質は連続的に増加する 一方,PEPCの店性は生重量当りでは変化せす,全:タンパク質含量当りでは最初の1日で急 速に減少した(図7,8)。 これは光により他のタンパク質(RuBlsCO等)が増加した為 と考えられる。それに対してイネに思い出される複数のPEPCタンパク質は緑化中に複雑に 変動した(図9,10)。 興味深いことに,イネPEPCは光の制御様式から二つのタイプに分 夏llumin副on tim曹(h) o売抑霧等器黛諾 傷塗{ … } ・ 、き 、、 .、・蕊繋旧記L 罰配意鱗球脚蜘 尋議羅\ 留編が慧ll驚醸 レ拶薫辮 i、・/奪纏縫欝質3 霧繋 ,ざぴ〕∵忌囲曝/ご・ 8虐 。 ス ヘ へち マ び へ む 1>、ll,・ .ご∼・乞\逸 ・v _\ 難 レ ヘ ウひ ヘル ノぐリ @か摩㌔ ビ芦む愚翁 一 、 \弧隅順 濤 マ 懸隔へぐ 懇懇遵 ごがいへをゆ 、。㌧.じ ㌻/∵1 ご%一 1 ・ 〆 戸 ん,・・ /㎡ \ \ρ/ぐ ^ 聡慧・ 図9 イネ黄化葉の緑化に伴うPEPCタンパク質の変動 抗トウモロコシPEPC抗体を用いたウエスタンプロット により行った。 Flg。9 Changes ln the amount of PEPCpolypeptldes durmgthe greenlng Of etlolated rlce seedhngs。 Leaves(005g fr wt)were collected at the mdlcated t玉mes after the mltlatlon of greenmg. Thelr extracts(30μg of proteln)were subjected to SDS−PAGE, transferred to a nltrocellu亘ose sheet, and staIned wlth the ant1一(malze)PEPCantlbody and the peroxldase−conJugated s㏄ond antlbody. 類された。一つは光により誘導されるタイプで,五本のバンドの内,暗下では観察されない一 番大きいバント及ひ暗下で極く少量観察される三番目のバントかそれに対応する(図9の右側 の矢印及び図10の黒丸)。第二のタイプは,光により減少するもので,二番目,四番目及び五番 目のバンドがそれに対応する(図9の左側の矢印,及ひ図10の白丸)。 これらのバンドは最初 の一日で約半分に減少しその後減少は停止した。コムギのPEPCの変動はイネのように明確 一71一 ではなく,二本のバンドは緑化中ほとんど変化しなかった(図11,12)。 しかし,メインバン ドに近接してすぐ下の位置に新しいバンドが照射後2日以降に観察された(図12の左側の矢印, 及び図13の黒丸)。 このバンドはメインバンドと重っており,デンシトメーターによる観察に おいてはメインバンドの肩として見られた。 5 劇4 琵 へ 、,夙 くk\ 、 、 \ 「、 ㌦ §3 ’ぐ 、Nγ/ 瞥黛:蝉セ Φ .≧2 お 布 藍1 0 0 24 48 72 1賦uminatbn time(h) 図10.イネ黄化葉の緑化過程に伴うPEPCタンパク質の変動。図9のウエス タンプロットのバンドをデンシトロメトリーにより定量化した。PEPC は分子量の大きい順に蕊,▽,轡,○,△である。 Fig。10 Time course of the amoun亀of PEPCpolypeptides during the greening of etiolated rice seedlings.Dataare takerl from dens{tometric trac:ing;ofthe imrnunoblotting in Fig.4, Ordinate,relative peak height of the largest(盒、 second(▽), third罐劉, fourth(()l and fifth band(△);abscissa,tirne after illumination。 一72一 …組umin献ion篶m鎗(h)訣「1鎗\・: ⇔.斜託・爲需ン等∴$ll藩論滋 1:で’ゴ: ミ・ ∵「∵謬愚・鍾 済ミ1川蝉’∫; ・ \二・・、へ、.総二、・痴渥・轍♪i懇∵・、二 瑠灘・篇、騨『綿二欝騨綿“寒煙害殉難∴il← ひ ㌔♂”:\譜や▽》コ・凸型 了 ・ 一 ” Ψ ぞ∵:\・二く霞ヅ㌻警yτ ・、 ・. ・ ・ じ「 ・.∵畦\》:; ’・一’”・iぎ ・ ・ .、、 \ ・・;・こ 鉱.・ミ・こ癌\や…1’1圏i 一一’:、荻い麗 い 旨’ 了’ギ㌦’ 兜茜11門ド農忽?ゴ} 1 ..1■:1窯 i窓 …\べ} ・蹴・・i 図11,コムギ黄化葉の緑化に伴うPEPCタンパク質の変動 方法は図9と同じ。 Fig.11. Changes inthe amount of PEPC polypeptides during the greeing of etio星ated wheat seed董ings. Experimental conditiorls are as given in Fig.9. 図12,コムギ黄化葉の緑化過程に伴うPEPC タンパク質の変動。図11のウエスタンブロ ットのバンドをデンシトロメリーにより定 2ρ 量化した。PEPCは分子量の大きい順に △,○,翻である。 胴 Fig.12. Time course of the amount of ω PEPC pQlypeptides during the で 8 greening of etiolated wheat LO seedlings.Data are taken from Φ .≧ densitometric tracing of the お で ㏄ immunoblotting in Fig。6, Ordinate,relative peak height of 0 the upper band(△),10wer band 0 24 48 72 1Uumination time(h) (0),and the band induced by light indicated by the arrow in Fig。 6罐診). 一73一 イネの緑化葉におけるPPDK活性の変動は表2に示すように,黄化葉においてかなりの酵 素活性が存在しており,緑化葉中でそれが一たん減少した後再ひ増加した。これと同様のパタ ーンかPPDKのタンパク質レヘルの変動でも観察された(図13)。 すなわち,即下における PPI)Kのバントの強度は比較的強く,それが光照射により減少後再び増加した。これらの結 果より,イネPPDKは光により一たん減少し再ひ増加することか示された。 表2 イネ黄化葉の緑化に伴うPPDK活性の変動 Table 2 Charlges ln PPDK actlvlty during the greenmg of etlolated rlceseedllng. Time (h) ロ ロ PPDK act■vlLy (nmo1/min/mg Proヒein) (nmo1/min/g fr wし) 0 0。613 3.52 12 0.087 1.07 24 Nがシ ND 36 ND ND 48 0,168 3.86 60 0.280 6.04 砂ND, N・t d・tecヒ・b1・. 購 塞菱灘 図!3 イネ黄化葉の緑化に伴うPPDKタ 叢 ンパク質の変動。方法は図9と同じ F19.13 Changes ln the amount of PPDKpolypeptlde durlng the \麟 翻姦諭こ∬慣甑冷 1・ご養饗撫糞暴響繋・∵ .濾毒諺蔑≒奨ザ㌦ 1い孫毒零解4 噛騨.}翻瀞蹴羅 greenlng of etlolated rlce seedllngs。 Leaves (005 g ft \慧 wt)were coHected at 口繕i lndlcated tlrne after the lnltlatlon of greenlng.Thelr ダ ヘヘ マも へば どな ヨ extracts (30μg of proteln) ・じ密\\》蠕》∼ ♪㍉ゾ ハ n な ヘ へ へ 》・//癌ぐ蕉心へ\ ハ 》へ 譜∼Y 詮_ も ヘ ヘ へし ソン ヘ ヒ ダ う \熟◎薬.\. 各〆 \ \ 天 帆 檬 \ぐ were subjected to SDS−PAGE, transferred to a nltrocellu豆ose ハ‘ ヘ ノ ヘ ザ地凸努 盛\鳶/ \ sheet,and stalned wlth the 瓦 / こ \ へ心 \ ant1(malze)PPDK antlbody and the peroxldase−conjugated second antlbody. 一74一 (4)トウモロ訓シのPEPC及びPPOK cD麗Aのク潤一畠ング11) これまでの結果より,C3植物葉においてもPEPCやPPDKが存在し,それらはC4植物 のPEPC及びPPDKと一次構造が類似しており,C4植物同様光による制御も受けることが明 らかになった。そこでC3植物のPEPCやPPDKをさらにDNAレベルでC4植物のそれ らと比較検討する為に,トウモロコシ:葉より,PEPCとPPDKのcDNAの単離を試みた。 トウモロコシ葉よりポリ(A)+RNAを抽出し,ショ糖密度勾配遠心を行いPEPC及びPPDK のmRNAを精製し.た。その結果,これらのmRNAはともに約25S付近に沈降し,勿吻’70 のタンパク質翻訳実験より本画分には他のmRNAはほとんど存在しないことが確認された。 そこでこの画分を用いて「材料及び方法」の所で示したようにcDNAライブラリィーを作製し 10) により た。このcDNAライブラリィーよりPEPCcDNAのスクリーニングは,既にlzlliら 報告されているトウモロコシPEPCcDNAの内在塩基配列(5’一GTCCACGAGAAGA TCCAGGG−3’)を人工的に合成しそれをプローブとして行った。その結果いくつかのクロ ーンがひろえたので,それらのクローンよりcDNAの長さが最長のものを選び出した。本クロ ーン(pPEP3055)は2,5Kbのインサートを有しており,その制限酵素図は既に報告され 10) ているトウモロコシのそれと同じであった(図14)。 さらにこのcDNA塩基配列の一部を 決定した所,既報のシークエンスと全く同一であった為,本クローンはトウモロコシのPEPC cDNAであると結論した。 PPDKcDNAのスクリーニングは,cDNAライブリィーよりPEPCcDNAクローンを 除いたクローンの内,インサートの長さが2Kb以上のものを選び,これらのインサートを用 いてハイブリッドリリーストランスレーションにより行った。これらの内,一つのクローン (pPPD1067)が分子量110KDの抗PPDK抗体により沈降するタンパク質をコードしている mRNAをセレクトした(図15)。 この結果によりpPPD1067はトウモロコシPPDKの cDNAであると結論した。 本クローンの制限酵素地図は図14に示した。 PPDKはC4光合成 pPEP3055 バ ⑤工 瀦ε 歪 ㎝ 山 働豊 8 謎露 瀟 凶r晒 需 &耐 pPPD 1067 璽 男窓= 厘 蓋8謬 1髪際 2、5 2.0 1、S 1、0 0.5 0 Kb 図14.トウモロコシPEPC(pPEP3055)及びPPDK:(pPPD1067)cDNA クローンのマップ・サイトはpUC18のクローニングサイトに存在する酵素のみを 記した: Fig.14. Restriction maps of cDNAs of PEPC(pPEP3055)and PP DK(p PPD1067)from maize. The restriction maps show the locations of pUC18 cloning sites.The sites located in the pUC vector are indicated as fiHed circles. 一75一 、、、[1:12滋⑨賦紀1潔驚 下毒轟 蕊洞爺 磯穀・・ i圏墨歯蘇::・・ヤ が が 批難=ゴ i照\ll罵 鋤齢 嚢擁i 図15.ハイブリッドセレクト法によるPPDKcDNAの同定。レーン1, poly (A)+RNAの全翻訳産物;レーン2,一poly(A}+RNAの翻訳産物;レーン 3,レーン1の産物の抗PPDK抗体による沈降物;レーン4,ハイブリッド セレクトされたmRNAによる翻訳産物;レーン5,レーン4の抗体による沈 降物 .Fig。15. Indentification of a cDNA clone for PPDK by hybrid− select translation and immunoprecipitaiton。 The hybrid− selected mRNAs from maize leaves were translated勿加〃。 and the products were analyzed by sodium dodecyl sulfate gel electrophoresis.∫η露’70 translation products made in the presence of the total population of poly(A)+RNA (larle 1)and in the absene of poly(A)+RNA(lane 2), immunoprecipitation, of the sarne products as those in lane lwith PPDK−specific antibody(lane 3),伽痂70 translation produ(沈s of poly(A)÷RNA, hybrid−selected by pPPD1067 (lane 4), and immunoprecipiしation of the same products as those shown in larle 4 (lane 5)。 において最も重要な酵素であるにもかかわらずその一次構造の解析は未だに行なわれていない。 そこでPPDKの全構造を決定する目的でPPDKの完全鎖鎌を含むcDNAクローンのスクリ ーニングを試みた。しかし本cDNAライブラリーにはPPDKの完全鎖長と考えられる約3,2 Kb以上のインサートを持つクローンは存在しなかった。そこでpPPD1067の塩基配列を決 定しその内在配列(5’GGTCCAGGTGGCCTGGCT 3’)をプライマーとして用いてプライ マーイクステンション法によりcDNAを合成し直した。二本鎖cDNAをλgt11ベクターに クローニングした結果,100以上のプラークがpPPD1067の5’側塩基配列とハイブリダイ ズした。この内16コを無作為に取り出しそのインサートの長さを検討した所,それらのクロー ンのすべてが約1.5Kbのインサートを有しており,同様の制限酵素地図が得られた。その内 最つとも長いインサートを持つクローン(PPD71)についてその塩基配列を決定した。尚, 一76一 PPD71とpPPD1067はその重複部分におけるマップは同一であり, これら2つのクロー ンにより約3.4KbのmRNA領域をカバーすることが確認された(図16)。 瀟毒藷瀟 潅薫 pPPD1067一 一 一 一 一 一→ 一 悶一吻 一 .一一一一一 t 一嚇 一 PPD711一一一一一一一一一 一 一一 一 一 O O.5 1,0 1艦5 ’ 2ρ 2、5 3,0 }くb 図16,トウモロコシPPDKcDNAのマップ及びシークエンススト ラテジー Fig。16. Strategy for sequencing P PDK cDNAs。 The restriction map shows only the sites relevant for DNAsequencing.. The protein−coding region is ind{cated by an open box.The directions and lengths of the sequences determined are shown by horizontal arrows under each cloned sequerlce. 12) (5) トウモロコシP?DK cDNAの全塩基配列 PPD71とpPPD1067の塩基配列決定は図16に従い行った。二つのクローンの重複する 領域のシークエンスは全く同一であり,このことはこの二つのクローンが同一のmRNAから 合成されたことを示している(図17)。 本シークエンスは947アミノ酸残基をコードする2844 bpの長い翻訳領域を持ち,その翻訳産物の分子量は102.673ダルトンと計算された。この翻 訳領域の最初のATGは,翻訳開始シグナルとして知られる配列(A××ATGG)を構成して おり13),このA’TGより15ヌクレオチド上流にはインフレームのTGAが存在することから, このATGがPPDK前駆体の最初のATGであることが確認された。 またこの結果より,:本 cDNAは1136pの5’側非翻訳領域及び212bpの3’側非翻訳領域を有することが確められ た。 (6)イネにおけるP翻PC及び??DK遣伝子11) トウモロコシよりPEPCとPPDKのcDNAが得られたのでこれらをプローブとして用い てイネ核中のPPPCやPPDK遺伝子の存在を確認した。イネ核DNAをEcoRI,Bam HI 及びHind皿で切断し,0.7%アガロースゲル電気泳動の後, PEPCcDNAを用いてサザン プロッティングを行うと,数本のバンドが検出された(図18)。 この際,トウモロコシの核 DNAではBamHI及びHind IIの切断では2本, EcoRIの切断では3本のバンドが検出され た。これらのバンドパターンはフィルターの洗いの条件をきつくしても変化しないことからイ ネ核DNAに存在するPEPCの構造はトウモロコシのそれとよく類似していると考えられた。 PPDKの場合には,トウモロコシPPDKcDNAはEcoI切断で4本, BamHI切断で2本, Hind皿切断で1本のバンドが検出された(図19)。 トウモロコシの核DNAにおいても類似 の結果が得られた。これらの結果は,イネ核DNAにおいてもトウモロコシPEPCとPPDK 一77一 GM剛。㈱砿6㎜G㎝c㎜㎜ 婁550 ㎝c縣腎A職 ㏄貼㎜昭Ao㏄㈱一一硫㎜A㎜GG Vo二■へ【9.AL昌一αL聰一Th「一30=噂7τo噸61u一A菖ρrv馳1FG上7嘗窃↓y,Moヒー紅墓”7猷昌胃ハユa−v邑二,Gユy一竃二6−Lo巳 50 100 硫AゆAGq・OCG OAG●Acこ AGC◆儒噸GAα o乱。◆㎝ ㎜ ㏄c A四 ㎝G ㎝ ㎝ ㎝ ㎝ A皿r㎝ 曹114 150 1700 A鵬.G㏄.㎝・剛.㎝5㈹C。A6G.G㏄▽A麗.鷹.αA,㎝O.MG曜CCG.㈱曜瓢.….鷹.ACC.AGG A縣,Oへ6,A㏄齢瞭◆σGCgA㏄◆A㎝ 誓CC.㎝C 6硫 Gα ㎝ 側 叫 贈 糀 悩 ㈱ 蹴 mc 曹1 200 ② ② 1750 GAC.A㏄.GM・GCG.ACC.職.鷹.6CC●㏄C.㏄A.㏄G噸Gκ ㎝ GCG CCG◆A㏄ CCC.C㏄ ㎝C ㏄C ㏄C●㎝.㏄GO㏄A■質C.f㎝5㈱■A管■C㏄P67A■顛C.‘AT.q㏄.GAG幽畝σ.㎝⊂.㎝,ACGrA㎎.㏄A HQヒーAユ轟.A工a冒30r−vる1冒Sor一み=望一A1盈一=L■r¢y8.v融濫曹Gユ島一L75冒2ro喝乳y¶5◎r曜Ly5曹Cy馴一丁医【■A『9 Th【一GL魅一醜望一G三ygG二▼一腕。ピー督h=.So【.H二5層A↓邑一A工範一V“工曹V馳L一A1‘.ハ■り一↑【ρ}T【P曹61y一』y5・Cy■ 轟5P.農【望一G乳UrAL畳需τれ「一So【卿,れQ一颪La”M『.祉q曽SQ【一vもし.A↓愚冒AL&一日‘o■㎏9囎P‘o冒2冒。一訊L5雪AL邑 qな糧騨Ψa工gSoじ層¢工¥・c了竃.窪Q【一GL7甲110噂Ar『,v&二■A霜u幽A昼9.へし風曹GL“鴫Ly霧一L唱旭曹v亀L冒τh=rtL亀胴qし7 550 250 1eoO 1850 AGC.砿丁.G鵬.㎝,CG⊂◆CM噛腰.GAG.τ㏄r㎝G凸でCG.㎝.Mで,㏄G幽剛唖Aα響㎝.‘為G.GTC.汽TC ….GCC.GCCr眠●磯.ATC.㏄G.TCC阜GAC.㏄C.㏄C.脳.㏄A7㎝.㏄C.qG曜㎝τ●㍑.TCG.姻 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The N−terminal acl resl acid sequence of purified PPDK,{s shown with ammo shadowing and the slte of processing of the precursor , marked by The horizontal arrow indicates 1s arl arrOW. the reglon used aprimer for the synthesis of the as second cDNA l brary, and the overlapping reg{on of l cDNA underlined.The catalytic(histidine 529) twO IS and regulatory (threonine 527)sites are indicated by closed circles。The putative additional poly A signal is boxed。 78 1 2 R M R ・M 鑑BHEBH 置BHEBH 鞍1馨1 ・瞳瀧諺 欝’馨 織羅難 欝織1じ劉幽.β 図18.イネ(R及びトウモロコシ(M)核DNAに対するトウモロコシPEPcDNAを 用いたサザンプロット。核DNAをEcoRI(E), Bam HI{B)又はHind lll(H)で 切断後アガロースゲル電気泳度を行ないフラグメントを分離した。フィルター の洗いの温度は42℃(1)又は62℃(2)で行った。 Fig.18, Southern blot arlalysis of rice(R)and maize M DNA hybridized with the PEPC probe.Rice and maize DNAs(10 μ9)were digested with Eoo RI(E),βσ勉H∬(B),and∬勿4]田[(H), separated on O.7% agarose ge豆 and blotted onto nitroce董lu至ose filter.The f童lter was hybridized against the labeled Eoo RI fragment of pPEP3055. The filter was washed in washing solution at 420C(panel 1)or 62℃ (panel 2), The numbers on the right side of the panel are size markers, given in Kb。 一79一 2 璽 R M R M 置BH置BH 置BHεB目 懇歯23、1 撫塩9,4 幽6、6 難轟一4冠 藩 雪ム・23 嘱一2、◎ 瀬 轍 轟0.6 ∵∴削忌8嚢護 \こ \ 鐙 、・・掌第鹿占 機 図19 イネ及ひトウモロコシ核DNAに対するトウモロコシPPDK cDNAを 用いたササンフロット。方法は図18と同じ。 Flg。19 Southern blot analysls of r!ce and malze DNA hybrldlzed wlth the PPDK probe. Experlmented condltlons were the same as descrlbed ln the legend to Flg。18 The loger Pε’I fragment of pPPD1067 was used as Probe. に類似した構造を有する。遺伝子が存在することを示している。 (7)イネ縁化葉におけるPEPC及びPPDK皿醜NAの誘導11) トウモロコシPEPC及ひPPDK cDNAを用いてイネ黄化葉,緑化葉及び緑葉のpoly(A)+ RNA対してノーザンハイフリダイゼーションを行ったところ,黄化葉中には本プローブとハ イブリダイズするRNAは全く存在しないが,緑化葉中にはトウモロコシPEPCとPPDK mDNA同様の移動度を持つRNAが本プローブとハイフリダイズすることが確認された(図 20,21)。またこれらのバンドは緑葉中のRNAにはほとんど確認することができなかった。 これらのことから,イネ葉中においても光で誘導されるPEPCやPPDK遺伝子が存在するこ と及ひ,本誘導は緑葉中では停止することが示唆された。以上結果はこれまでトウモロコシで 得られていたPEPCやPPDK mRNAの誘導パターンとよく似ており,イネ核中にもC4 光合成酵素とよく類似した構造を有し,かつ類似した制御を受ける遺伝子が存在することを示 している。さらに,このC3植物内にもC4酵素遺伝子か存在するという事実は,C3植物をC4 植物化することを考える際,単にC4光合成遺伝子をC3植物に導入すればC4植物内におけるよう にC4光合成遺伝子が発現するという可能性を否定しており, C3植物内におけるこれらの遺伝 子発現制御をどのようにして行うかが今後の残された重要な課題となろう。 一80一 図20 イネPEPCmRNAに対するトウモロコシ PEPC cDNAを用いたノーザンフロット。 険難Y o’ 戸 \ 、 薫 レーン1及ひ2,トウモロコシpoly(A)+RNA (1μg,5μg),レーン3,イネ黄化葉のpoly 345 2 可 (A)+RNA;レーン4,イネ緑化葉のpoly(A)+ RNA,レーン5,イネ緑化のpoly(A)+RNA. i 筏 Flg。20 Norもhern blot analysls of nce レ ■ 1・ \\欝欝織 and malze poly(A)+RNA ・r論鍵_← Ma三ze po}y(A)+RNA(1μg,lane 1;and ・∵ 5μg,lane 2)and rlce poly(A)+RNAs (20μg)from etlolated(lane 3), hybrldlzed wlth the PEPC probe。 N い 呼 (lane 5)leaves,were separated on 轟 響 greenlng(lane 4), and fully green a13%formaldehyde−agarose gel 鴫 ず and b玉otted onto a nltrocellulose P 讐9 \園’ 麟 fllter。The filter was hybrldlzed agalnst the labeled E}oo1∼Ifragment of pPEP3055。Thefl夏ter was washed ln washlng soIutlon at 42℃。 The arrows on the left s豆de lndlcate the posltlon of 25Sand 18S rRNAs. 12 345 図21イネPPDKmRNAに対するトウモロコシ PPDK cDNAを用いたノーザンプロット。 実験方法は図20と同じ。 Flg.21 Northern b豆ot analysls of rlce and malze poly(A)+RNA hybrldlzed wlth the PPDK probe. Experlmental condltlons were the sarne as descrlbed ln the legend to ぐ 尋 Flg。20 The Ionger P3’Ifragment of pPPD1067was used as a probe. 一81一 2)イネ及びトウ署口調シにおける醜腿鰯sC〔》SSu及びL蟹C翌の構造 方法及び材料 すべて1)に記した方法によった。 結果及び考察 (1)イネ及びトウ署口訓シの魏uBisco及びL翌CP 6DNAのクロー島ング イネ又はトウモロコシ緑葉よりpoly(A)+RNAを調製し,ショ糖密度勾配により分画した。 それぞれの画分のpoly(A)+RNAを用いて勿痂70翻訳系を用いて翻訳産物を確認し, SSu の前駆体及びLHCPの前駆体を合成した画分を用いてcDNAライブラリィーを作成した。 これらのライブラリィーよりSSu及びLHCPの既に報告されているDNA配列中最もよく 保存されている部分に対応する配列を人工的に合成しそれらをプローブにしてそれぞれのcDNA をスクーリングした。その結果,イネSSuについては70クローン,イネLHCPについては25 クローン,トウモロコシSSuについて7クローンがこれらのプローブとハイブリダイズした。 そこでこれらのクローンのプラスミドを単離し,制限酵素を用いてこれらの内に含まれている cDNAの長さを確認するとともに,これらのクローンがSSu又はLHCPのcDNAクローン であることを再確認する目的でサザンプロッティングを行った。その結果,これらの内いくつ かがSSuやLHCPをコードするに十分な長さであることが解った。またSSu及びLHCPは 20クローン以上が全区長cDNAを有することが予想されたので制限酵素を用いてこれらのクロ ーンのグルーピングを行った。その結果,無作為に選んだ14クローンのイネSSuは6つのグ ループに分類されることが解った(図22)。 この内,グループ1∼5のクローンは互いによく 類似した切断パターンを示し,グループ6のみがこれと異ったパターンを示した。この結果よ り,イネSSu mRNAの構造は2つの大きなクラスに分類されることが予想された。すなわ ち,1つは,グループ1∼5からなるクラスで他の1つはグループ6からなるクラスである。 一82一 Group謁(コ◎ne離 1084 鯵 1 1128 翻 働 働 1139 2029 翻 鶴 醗 2 3061 1103 爾 翻 翻 鯵 3 108雀 4 働 爾 翻 2167よ 2179 5 6 繍 爵 3174 2106 鶴翻 鯵 繭 働 2107 2162 4058 Q Q2 0、4 Q.6 0.8 1.O Kb 図22,イネSSu cDNAクローンのRsa Iによるマップ Fig.22. Comparison of Rsa I sites irl cDNAs for rice SSu。 Filled circles indicate sites of cleavage by Rsa I. 次にイネLHCPcDNAについても同様のことを行った。その結果,無作為に選んだ13クロ ーンのLHCPは5グループに分類されることが解った(図23)。この内,グループ1∼3のク ローンは互いによく類似した切断パターンを示し,グループ4と5がこれと異ったパターンを 示した。この結果は,イネLHCP mRNAの構造は2つの大きなクラスに分類できることを 示している。 一83一 (:1◎ne絆 1047 1048 1064 2120 2125 恥81一一一一一一」L_」L2_ 2。73__」L__」』蟹_ 1122 1125 2123 鎌一一」一 O Q2 0為 0β 0β 1、Q Kb 図23.イネLHCP cDNAクローンのRsa I及びEcoRIによ るマップ Fig.23. Comparison of 1∼3σ1圃and Eoo1∼1(E)sites in c DNAs for dce LHCP. (2)イネ及びトウモロ園シの臨勝scO SS腫cDNAの塩基配列14’15) トウモロコシSSu cDNAの内,最も長いインサートを有するクローン,イネSSu cDNA の内クラス1より1クローン(pOSSS1139)及びクラス2より1クローン(pOSSS2106) の3クローンについてその全塩基配列を決定した。(図24,25)。 トウモロコシSSu cDNAク ローンは513bpからなる翻訳領域を有し,それから合成されるタンパク質は170アミノ酸残 基と予想された。トウモロコシ成熟SSuタンパク質のN宋端アミノ酸配列は決定されていない が,他の植物のN末端のアミノ酸配列から,本前駆体タンパク質は47番目のCysと48番目の Metの間で切断されると予想された。したがって,トウモロコシSSuのトランジットペプチド は47アミノ酸残基からなり,成熟タンパク質は123アミノ酸残基からなると考えられた。一方, イネSSuは,両クローンとも528bpからなる翻訳可能領域を有し,175アミノ酸残基をコ ードすると考えられた。この2クローンの翻訳領域は91%のホモロジーを有しており,翻訳産 物のアミノ酸配列では95%のホモロジーであった。一方,5’又は3’非翻訳領域のDNA配列 の類似性は見られなかった。またイネ成熟SSuタンパク質のN末端アミノ酸は決定されていな いが,既報の成熟SSuタンパク質のN末端アミノ酸配列から,イネSSu前駆体は47番目のCys (pOSSS1139)又はPhe(pOSSS2106)と48番目のMetの間で切断されることが予想さ れた。したがって,イネSSuのトランジットペプチドは47アミノ酸残基からなり,成熟タン パク質は128アミノ酸残基からなると考えられた。これらのことからこの2つのSSu成熟タン パク質部分のアミノ酸配列の類似性は極めて高く99%であることが確認された。以上の結果よ 一84一 一77 GGGGGGGGGG GGCAGGACGA CCCAAGCAAG CAAGCAAGCA GCGAG田ACA「r ACAをACA①λC 囎AGGCAGCCA GGCAGC(コ 1 A「rG。GCG。CCC。ACC。G笛G。A田G。A響G。GCC。TCG。田CG。GCC。ACC。GCC。G冊C。GC田。CCG。警TC。CAG。GGG。C田C MET−Aユa−Pro一田hr−Val−ME田一MET−Aユa−Ser・・Ser−Aユa−Thr−A〕・a−Va工一Aユ尊一PrQ−Phe−Gユn−Gly−Leu 60 AAG。τCC。ACC。GCC。AGC。C田C。CCC◎GTC。GCC。CGC。CGC。田CC。TCC。AGA。AGC。C7C。GGC。AAC馴GTC.AGC Lys−Ser−Thr−A工a−Ser−Leu−Pro−VaユーAla−Arg−Arg−Ser−Ser−Arg−Ser−Leu−G工y−A$n−Va1−Ser 景9。GG。.GGI。AGG。鵬CGG。。GC藍。G。C。、,、。G。。GG.CCG。GCC。,。,.GGC.袖_、。触。。,。。C.GAG Asn−Gly−Gly−Arg一工le−Arg−Cy$一MET−Gln−Va工一Trp−Pro−Ala一田yr−Gly−Asn−Lys−Lys−Phe−Glu 180 ACG。C『eG。TCG。冊AC.CTG。CCG。CCG。CTG。TCG。ACG。GAC。GAC。C?G。C?G.AAG。CAG。αrG。GAC。「『AC。CTG τhr−Leu−Ser一慣yr−Leu−Pro−Pro−Leu−Ser一τhr−Asp−Asp−Leu−1」eu−Lys−Gln−Va1−Asp一コPyr繭Leu 240 CTG。CGC。AAC。GGC。TGG。A田A。CCC。TGC。C?C。GAG。1e?C。AGC。AAG。G田C。GGC.T『∼C。GTG。田AC。CGC。GAG Leu−Arg噂Asn−G工y一管xp−11e−PrQ−Cys−Leu−Glu−Phe−Ser−Lys囮・V盈1−Gly−Phe−Va工一1Pyr−Arg−Glu 300 AAC。讐CC。ACC。①CC。CCG。「rGC。TAC。偲ACgGAC。GGC。CGC。TAC。TGG。ACC。ATG。?GG。AAG。CTG。CCC。A㌘G Asn−Ser一白hr一$er−Pro−Cys一讐yr−Tyr−Asp−G工y−Arg−Tyr一τrp一口『hr−ME響一「rrp−Ly$一Leu−Pro一凹ET 360 田響C。GGC。①GC。AAC。GAC。GCC g ACC。CAG。GΨG。TAC。AAG。GAG。CTG。CAG。GAG。GCC。A]『C。AAA。ΨCC g TAC Phe−Gly−Cys−Asn−Asp−AlarThr−Gln−Va1一り臣yr−Lys−Glu−Leu−Gln−Glu−A工a一工le−Lys−Ser一田yr 420 CCG。GAC。GCC。聖TC。CAC。CGC”G?C。ATC。GGC。τTC。GAC。AAC。A田C。AAG。CAG。ACG。CAG。『rGC。GTC。AGC Pr◎_Asp−Ala−Phe−His−Arg噌V季1一工ユe噂Gly−Phe−Asp噸Asn嶋工le一五ys−Gln一田hr−Gユn−Cys−Val−Ser 480 591 TTC。ATC。GCC。?AC。AA6。CCC。CCG.GGC。AGC。GAC。TAG。 ACCGCGCCCG Phe一工1e−A⊥a一田yr−Ly$一Pr◎一P訂。−Gly−Ser−Asp一舳☆一 601 CCGGC(;GCCC CCCGCCGGCT AGCTAGCTAG CTAGCTCCTG CG「£GAGCTAG TAGCTAGTGC 661 CATGCG?CG? C田C曽G『『CG田T CGGrPT密TGα碧 ①CGGG「rCACC GTACCα£T?G CTTGCTTGG田 721 TTC田TCTT田C CT田田丁皿TCCT TTTT曽丁1艶丁曽C TTα翌丁?思CCC CGGCCATGGT 「rCC田田IPGCTOP 781 TCAGCAG響TC TCTGTGATG雲 GATGTATCCA TTGTTGCAAG CATGCAτGGC C「r「野GCA響TGG 841 C田AAAAAAAA AAA 図24.トウモロコシSSu cDNAの全塩基配列及びアミノ酸配列 矢印はトランジットペプチドの切断部位を示す。 Fig24. Nucleotide sequence and deduced aminoacid sequence of the RuBisCO SSu cDNA insert. The arrow iτ1dicates the proposed processing Slte. りイネ及びトウモロコシのSSuの構造は互いによく類似しており 重要な変異は存在しないことが示唆された。 一85一 C3・C4間にSSu遺伝子の 一60 pOSSS2106 ACAGCACτ田ACT汽CTGG瓦CATACτC肥ACTA(:τACTAGCCAG7AAGCτAGCτAACTAACτACGTGCT pQSSS1139 TGCAT(;TCA△GAAGTACTCGAGCAAAGAAGGAGAGAGαr①GGTGAGCTGCAGAG 響hr Ser l A C C 田 G A A ATG.GCC。CCC.TCC.GτG。ATG.GCG.TCG。TCG.G(=C.ACC.ACC.GTC.GCT。CCC。TTC.CAG.GGG.CTC。AAG 胚Eτ一Ala−Pro−Seτ一鴨1一卜珊一Ala−Ser−Ser−Ala一τhr−Thr−Va1−A上a−Pro−Phe−Gエn−Gエy−Leu−Lys Leu Ser 「警hr G工y 61 GCC AG AC GG 肥CC.ACC曹GCC.GGC.ATG.CCC.GTC.GCC.CGC。CGC.1『CC。GGC.AAC層「rCC。AGC.田TC.GGC。AAC.GTC.AGC Ser一宏hr四Aユa−Gly−MEτ一2ro−Va工一Ala−ArgFArg−Ser−G】」y噌Asn−SeガーSer−Phe−Gly−Asn−VaユーSer 12暫 A Lxs P詰e↓ A AAτ.GGC。GGC.AGG。A?C.AGG.TGC.AτG.CAG。GτG。管GG。CCG.AT肇.GAG。GGC.ATC.AAG.AAG.ττく=.GAG Asn−G工y−Gly−Arg一工工e牌Arg−Cys叫赫ET−G工n−Va1−Trp−Pro一工ユe−G工u−Gly一工1e僻しys−Lys−Phe−Glu 181 AG A(=C。CτC.「rC(:。「PAC。CTG。CCA.CCG。CTC。ACC.G7G,G轟G。GAC.C脚C。CTG。AAG.CAG。A蟹C.GλG.τAC。CTG A ㎎『窟警 田hr−Leu−Ser一τyr−Leu−Pro−Pro−Leu哩hr−Va−Gユu−Asp喝eu−LeU−Lys−G↓n一工le−G加一Tyr−Leu 241τ A τ 『r C CτC曹CGT.τCC.AAG.{じGG.G7G。CCC弓τG(:.CTC●GAG.TTC.AGC.AAG.GTC邑GGA。TτC.GTC.TAC.CGT。GAG Leu薗Arg−Ser甲工』ysoτrp閣Va工陣Pro凹Cys藺Leu層G工u頓Phe−Ser贈Ly30Va工一G工y噂Phe−Va工閥τyr−Arg閣G工u 301 G τ G τ AAC。CAC.AGA.暫CC.CCC.GGA.響AC。TAC。GAT。GGC.AGG.TAC.τGG。ACC.A1⊃G.τGG.AAG曹CTG.CCC.ATG Asn−Hi5−Arq−Ser−Pro−G↓y一①y=一Tyr噌Asp−G]Ly−Arg一τyr−Trp一τhr一踵E田噌τrPpLys−Leu−Pτo一凹ET 361 C C ・T C 管TC.GGG。口GC.ACτ.GλC.GCC.AC(=.CAG。GTG.CTC.AAG.GAG.CτC.GAG.GAG。GCC。AAG。AAG.G(=G.TAC Phe−G工y−CysoThr哺Asp−Ala−Thr−Gln働Va↓一Leu−LY5−Glu−Leu−Glu−Glu−A工a−Lys−Lys岬A工a一τyr 工よe 421C C TA 響G ? CCτ弓GA田。GCAgT田C。GTC.CGT.ATC.A田C。GGC.親雪C。GAC。AAC.GTC.AGG。CAG.GTG。CAG.CTC。ATC.AGC 2ro−Asp−A↓a−Phe−Va工一Arg−Ue−11e−G工y−Phe−Asp−Asn−Va1−Arg−Gln−Vaよ一硯n−Leu一工工e−Ser , 481 A 「騒 GC T肌GATC晶G ?TC.ATC.GCC.『口AC.AAG。CCC。CCG.GGC。TGC。GAG.GAG。TCT。GG誓。GGC.AAC。「rAA.GC CGTCムTCGTC Phe−Ue−A工a4yr−Ly5−Pro−Pro−Gエy−Cys−G四一Gエu−Ser−Gly−G工y−Asn−SセOP 541 CA響CGCGCTG GTGGATTGCτ GCCTATAA層A ATAGTA①GCT GCTTτGT?望T GGGC口ATGT㌘ GATGATATAT A「碧A「【ATAGCC 『口警GTT「ぐAA「じ「じ GTTC△TcτC『誓 GA『慶「【CGATGム TGTCTCCCA(; C囎『艀GTT「£CGT G「口G「£「鷲CCCAG 6誓 CAA肝A1じATAA TA?GCTATAT ATTTTTATTT TACAGT層TGG 「rTA田GTACCA τCTCAATGGC CTCTGCTCTT TTTGTTCAτC GTCTTτTGA「r 田TTACCGGCC GTGCTCTGCT TT曽Gτ丁田曽TG τTTCACCTGA τCTCTCTC管G 681 AA(=ACATAτG 「『AA田AATGτG τ?CCCTCCCT CTCCGGCCGG TTTTAτTGT八 AGAG艇ACTAC ATTATCGTTG ACTτGA?GTA AGAGTGGTAτ CTGCTACGAC TATATGTTGT TGGGTGAGGC ATATG管GAAT GAAATATATG 731 GGTGAGGATA TGTGAAAACA AAGCTCCGGC TATATACACA CAGTATAGTA TCτAGACGAT ATCTGATAAA GAAGCTCCGG CTATATAτAτ TTATAC {poly A, 801 碧τ¢GτCGAC (poユY A} 図25,イネSSu cDNA(pOSSS1139及びpOSSS2106)の全塩基配列及びアミ ノ酸配列。pOSSS2106はpOSSS1139と異なる部分のみを示した。 Fig.25. Comparison of the nucleotide sequences of the cDNA irlserts of pOSSS1139 and pOSSS2106. The nucleotide sequeτ1ce of the coding・region of pOSSS2106 and the corresponding. deduced amino acid sequence are show only where they differ from those Qf pOSSS1139. The arrQw indicates the site Qf cleavage of the transit peptide. 〈3)イ級びト蝿鵬シのし珊?・DKAの櫨配列16・17) トウモロコシLHCP cDNAの内,最も長いインサートを有するクローン,イネLHCP cDNAの内クラス1より1クローン(pOSLHC2120)及びクラス2より1クローン(pOSL ● HC2123)の3クローンについてその全塩基配列を決定した(図26,27)。トウモロコシLHCP cDNAは798bpからなる翻訳可能領域を有し,265アミノ酸残基のタンパク質をコードする と考えられた。トウモロコシ成熟LHCPタンパク質のN末端アミノ酸配列は決定されていない が,他の植物のN末端のアミノ酸配列から,本前駆体タンパク質は3ユ番目のThrと32番目の 一86一 1 ハTαrCAAGCC ACCATCGA「rC ?TCAAGTCTC GCTACG「rAGC AG「rGCAATAA AAAAAGCAGC CGCA 65 ATG。GCG。AGC。AGC。ACC。ATG。GCC。CTC。TCC.TCC.ACG。GCC。TTC●GCC。GGC。AAG。GCC晦GTGgAAC。GTG 還盤1二:濃=1瓢ll:=1慧=:至難:1:;訟1:載捻=::二=盤1茎=畿=畿1叢謡濫隠 Pro−Ser−Ser−Ser−Phe−Gly−Gユu−Ala−Arg−Va1一饗hlr隅14ET−Arg−Lys−Thr−A⊥a_Aエa_Lys_Ala_Lys 185 鑑二贈團蔑二瀬二脚二登盤鑑二獅噛麗9鐸婁ε二罵二£器二幅二踊二幾9二鑑二講門鑑 245 CτG。岱CC◎GGCgGAG。CCG。CCG。AGCサTAC。CTG。ACG。GGC。(;AG。TTC。CCG。GGC●GAC。田AC。GGC。TGG。GAC Leu−Ser轟Gユy−Glu−Pro−PrQ−Ser−Tyr−Leu両?hr−Gly騨G】.u−Phe−Pro−Gly−Asp−Tyr吻Gly囎Trp獅Asp 305 ACC。GCG。GGG。C「£G。TCG◎GCG。GAC。CCG。GAG。ACG。TTC。GCC◎AAG。AAC。CGG。GAG。CTG。GAG。GTG。ATC Thr叫A工a−G工y繭Leu回Ser−A工a−Asp−Pro口G工u−Thr−Phe−A工a−Lys−Asn−Aτg−Gよu−Leu騨Glu哺Va工。エエe 365 CAC。TGC。CGC。TGG。GCC。A㌘G.CTG。GGC。GCG。CTC。GGT。TGC。GTC。丁磐CgCCG.GAG。CTT。CTC。GCC。CGC His−Cys−Arg−Trp噂A工a一}lET隣しeu野Gly−Ala−Leu−Gly−Cys鴨Va1−Phe−PrQmG】.u−Leu殉Leu−Ala−Arq 425 AAC。GGC。GTC。AAG。TTC。GGC。GAG。GCC。GTG。TGG。TTC。AAG。GCC。GGC。TCC。CAG。ATC。TTC。AGC。GAG Asn−G⊥y−Va1−Lys−Phe−Gよy−Glu口AlaoVa工脚Trp−Phe−Lys−Ala−Gユy−Ser−Gユn一工le向Phe−Ser噛G]」u 485 、, GGC。GGG。CTG。GAC.TAC。CTC。GGG。AAC.CCG。AGC。CTC。ATC。CAC。GCG。CAG.AGC。ATC。CTT。GCC.ATC G】.y−Gly−Leu−Asp一ユ「yrpLeu−Gly−Asn口Pro−Ser−Leu−lle−His。Ala−Gln−Seτ一1ユe−Leu−Aユa鵯11e 545 TGG.GCC。TGC。CAG。G曽C。GTG。CTC.ATG。GGC。GCC。GTC。GAG。GGC。TAC。CGC。ATC。GCC。GGC。GGC。CCG τrp−Ala−Cys−Gln−Val−Va工嘩Leu−MET−Gly−Ala−Va二一Glu−Gly一曽yr噂Arg−11e−AユarGly−GlyuPro 605 CTC。GGC。GAG。GTC。GTC。GAC。CCG。CTC。TAC.CCC.GGC。GGC。AGC。TTC。GAC。CCG。CTG。GGC.CTC。GCC Leu−G工y−Gユu−VaユーVal−Asp−P工。−Leu−Tyr−Pro−Gly−Gly−Ser叫Phe−Asp−Pro−Leu働Gly−Leu−Ala 665 GAC.G八C.CCC.GAG。GCC。TTC⑤GGC。GAG.CTC.AAG。GTC。AAG.GAG。CTC.AAG。AAG。GGC.CGC。CTC。GCC Asp−Asp−Pエro−Gユu−Ala−Phe−G二Ly−Glu−Leu−Ly5−VaユーLys−Gユu一為eu−Lys−Lys−Gユy一λrg一乃eu−Aユa 725 ATG.TTG.TCC。ATG.TTC。GGA.TTC。TTC。G㌘C贋CAG.GCC。ATC。GTC。ACC.GGG。AAG.GGC。CCG。CTC.GAG 14ET−Leu−Ser−MET−Phe−Gly−Phe噂Phe−Val−Gln−A】,a一工le−Va1−Thr−Gly−Lys−Gly−Pro−Leu−G】」u 785 AAC剛CTC。GCT。GAC。CAC。A㍗T.GCC。GAC。CCC.GTC。AAC.AAC。AAC。GCτ.TGG.GCC。TAC.GCC。ACC。AAC Asn−Leu−Ala−Asp−His−11e−Ala−Asp−Pro−Va1−Asn−Asn−Asn−Ala−Trp−Aユa−Tyコr−Ala噂Thr−Asn 845 TTC。GTC,CCC。(芋GC。AλG.TGA。GGGAGGCG CCGCGGTGAC CTTTAGTGτC CGGATGATGT GAGCGAAGTG Phe−Va工一Pro−Gly−Ly5一☆輿☆ 911 GTTTTCGGT田 TGTACCA望GA TG’rAAハCTAT TGTTC八ATCG CAAGGA㌘AAT TGTGTTCAAA AAAAA 図26.トウモロコシLHCP cDNAの全塩基配列及びアミノ酸配列 矢印はトランジットペプチドの切断部位を示す。 Fig.26, Nuc聖eotide sequence and deduced amino acide sequence of the LHCP cDNA insert。The arow indicates the proposed processing site. Metの間で切断されると予想された。したがってトウモロコ・シLHCPのトランジットペプチド は31アミノ酸残基からなり,成熟タンパク質は234アミノ酸残基からなると考えられた。一方, イネLHCPは,pOSLHC2120が798 bp,pOSLHC2123が792 bpからなる翻訳領域を 有し,それぞれ,265及び263アミノ酸残基のタンパク質をコードすると考えられた。イネ LHCP成熟タンパク質のN末端アミノ酸配列は決定されていないが,他の植物のN末端のアミ ノ酸配列から,これらの前駆体タンパク質はpOSLHCP2120が31番目のThrと32番目の Met,pOSLHC2123が,34番目のThrと35番目のMetの間で切断されることが予想された。 したがってpOSLHC2120のトランジットペプチドは31アミノ酸残基からなり,成熟タンパ ク質は234アミノ酸残基,pOSLHC2123のトランジットペプチドは34アミノ酸残基からな り成熟タンパク質は229アミノ酸残基からなると考えられた。またこれらの2クローンはトラ ンジットペプチド部分及び成熟タンパク質のN末端部分の構造にかなりの相違が見られること, さらにこれらに対応するLHCPが他の植物においても発見されたことから,これらの2つの 一87一 GGGGGGGq CTTCCGCCGC CGCATCGCCCT CGTTAG八ACG GGGA冊CGCCA 密CTCTCTCAG CTC冊CACムGCT CACTGCATCA Ser A]La Leu His Gln Thr Thr Ser 一}一 Phe Leu Gユy ?hr Arg Arg l TGGGC CAC AGA A AGC TCCT G AC C TCGCCGG ATG。GCC.GCG.GCC.ACC.ATG.GCG.CTC.TCC.TCC.CCG.GTG.ATG.GCC.CGC.GCG.GCG.CCG.TCG.ACC MET−A工a−Ala−A工a−Thr−MET一Ala艸工」eu−Ser帽Ser−Pro−Va1鞠焔ET甲A]La−Arg−Al己一Ala−Pro−Ser−Thr 61 AsP Asp Leu Va工 Arq Arg Val Gly 瓦sp Ser Gly Gly A=g Val GAT GAG CTC GTC CG CG TC GG Gハ TC GT GC C CGC T 一一一 @ 一一一 TCC.TCC.GCG.CTC。TTC.GGC.GAG.GCG.CGG.ATC.ACC.ATG.CGC.AAG.ACC.GCC @ 一一一 Ser−Ser−Ala−Leu−Phe”Gユy−Glu−Ala−Arg−1ユe−7hr−MET−Arg−Lys−Thr−Ala 一一一 @一縣冑 噸一鴨 Ser 輯一” Pro 一一一 G工n 工le Pro Pro Ly6 一一一 121 一一一一一噂_一一 @ AGC CCC一__CA ATC T ACT TCC AAG GCG.AAG g CCC.AAG.CCG.GCG。GCG.TCG.TCG.GGG.AGC.CCG.TGG。TAC.GGC.GCC.GAC.CGC.GTC.CTC Ala−Lys−Pro−Lys−Pro−Ala一λ1a,Ser−Ser−Gコ」y−Ser−Pro−Trp−Tyr−G工y−A工a噂A3p−Arg−Va1−Leu 181 Phe Glu Gln Thr GTGAGCAAΦCGGA, A 7AC.CTC.GGC畳CCG.CTC.TCC。GGC.GAG.CCG.CCG。AGC.TAC.CTC.ACC.GGC。GAG.TTC.CCGgGGC.GAC Ty=一Leu−Gユy−P=o−Leu−Se=一G工y−Gユu−Pro−Pro−Seτ卿Tyr−Leu−Thr−Gly−Glu−Phe−Pτo−Gly−Asp 241 G AG GG A 田AC.GGG.TGG.GAC.ACC.GCG.GGG.CTC.TCC.GCCgGAC.CCG.GAG.ACG,TTC.GCC.AAG.AAC.CGG.GAG Tyr−Gly−Trp一∼㌧sp一曽h=一Ala−Gly−1.eu−Ser−Ala需Asp−Pro−Glu−Thr−Phe−A工a−Ly5−Asn−Arg−Glu 301T GG GG CTG.GAG.C田G.ATC,CAC,肥C(:。CGA.?GG.GCG.ATG.CTG.GGC.GCG.CTC.GGC。TGC.GTC.TTC.CCG。GAG Leu−G工u−Leu脚11e−His一Ser補Arg−Trp−Ala傅MET繭Leu紳GIY−Ala輔Leu鴫Gly−Cy5−Va工一Phe−Pro−Glu 361 . . 工1e Ser Lys , Ala A G叩 AA G G G G C G CTC.CTC。GCC.CGG.AAC。GGC.GTC。AAG.TTC.GGC.GAG.GCC.GTG.TGG.田TCgAAG.GCG.GGC.TCG.CAG Leu卿LeurAla噌Arg噌Asn咽Gly帽V己1縛しys−Phe−Gly−Glu−Ala−Va1−T=p−Phe−Lys一ハ1a−Gly−Ser−G工n 421 . Asn Vaユ TCG GGCAGG 、ATC.TTC。森GC。GAG.GGC.GGG.C田C.GAC.TAC。CTC.GGC.AAC.CCG.AGC.CΨG.ATC.CAC.GCG.CAG.AGC 工1e−Phe−Se=一G工u−G工y−Gly−Leu−Asp−Tyr−Leu−G]Ly−Asn−Pro−Se=一Leu−11e−His−Ala−Gln−Ser 481 Phe V己工 C ・ A『『T C G ATC。CTC.GCC.ATC.TGG.GCG.GTG。CAG.GTG.GTG.C聖CgA肝G.GGC.GCC.G田C.GAG.GGG.TAC..CGC.ATC エユe−Leu−Ala}工1e騨Trp韓Ala糎Va1輔Gln−Va1膳Va1,Leu一MET−Gly−Ala−Va1−Glu−G工y−Tyr三Aオg−11e 541 GCAAGGA Gly . Gly Leu Lys Vaユ GC GCC.GGC.GGG。CCG.CTC.GGC璽GAG.GTC.GTC。GAC。CCG.CTC.TAC.CCC.GGCgGGC.GCC.TTC.GAC.CCG A工a−Gly−Gly−Pコro−Leu−G工y−G]」u−Va1−Va1−Asp−Pτo−Leu−Ty=一Pro−Gly−Gly一八1a−Phe鴫ハsp−Pro 601 . Asp Thr I」eu ムsn C T C A C C C C CTC.GGC.CTC.GCC.GAT。GAC.CCC.GAG.GCG.TTC.GCG。GAG.CTC.AAG.GTG.AAG.GAG.ATC.AAG.AAA LeurGユy鵯Leu−Ala−ASp−Asp−Pro−Gユu−A]」a−Phe−A↓a−Glu−I」eu−Lys−Va工一Lys−G工u−11erLys−Ly6 Arg 661 A GG GGC.CGC。CTC.GCC.ATG。TTC璽TCC.ATG.TTC.GGC.ΨTC.TTC.GTC.CAG.GCC。真TC.GTC。ACC.GGC.AAG Gly噂Arg嚇しeu−Ala−ME碧一Phe−Ser−MET−Phe−Gly−Phe−Phe−Va1−Gln−Ala−11e印Va1−Thr−Gly−Ly5 721 工le Phe Va工 Th「 Ala A TT GA GC . A GGC.CCC.CTC.GAG.AAC.CTC曹GCC.GAC.CAC.CTC.GCC.GAC.CCC.GTC.AAC曾AAC.AAC.GCC.TGG。GCG GIy−Pro−Leu−Glu−Asn−Leu−Ala−Asp−His−Leu−Ala−Asp−PrO−Val−Asn−Asn−Asn−Ala−Trp−Ala 781 AGTGAGC TAC.GCC。ACC.AAC.TTC.GTC.CCC。GGC。AAG.TGA.AG7GGGG ?yr−Ala一田hr鴨Asn−Phe−Va1−Pro−Gly−Lys一★★★一 ACAACGACAC GATCGAGATG GTGCCAACCA GACCGTAGCT TAGCAGTGGT TAATTGTGGT ACGTACCATG TGTACACTTG TAGTAGCCAC GCACCGACCC TGCAGTTGCA GTTGCAGCAG TGCATGTATG ΨGGATGGATT TGTGGCCAGC GAGTTCGTTG 曽CTTTGGGTT GGGGAAGATG GGTTTAGTGC GACGAGATGA TATGTACCTT AATTGTGTGT GTGTGTGTGA ATCGATCGAG GAGATTTCTA GCTTAATTAA AAAAAAA TGA冊CGAGTT GGTGTTGTGT ACACTAAGAA GATGAAGAAG AAGATGATGT ?TTTGCAA?A ATGATT田TAT 7CGTTTCCCA AAAAAAA 図27.イネLHCPcDNA(pOSLHC2120及びpOSLHC2123)の全塩基配列及びアミ ノ酸配列。pOSLHC2123はpOSLHC2120と異なる部分のみを示した。 Fig。27. Comparison of the nucleotide sequences of the cDNA inserts of pOSLHC2120 and pOSLHC2123。 The nucleotide sequence of the coding region of pOSLHC2123 and the corresponding deduoed arnino acid sequence are shown only where they dif飴r from those of pOSLHC2120. The arrow indicates the of cleavage of the transit peptide。 一88一 LHCPは異なった機能を持っていることが予想された。以上の結果より,イネ及びトウモロ コシのLHCPの構造は互いによく.類似しており, C3,C4間にLHCP遺伝子の特筆すべき 変異は存在しないことが示唆された。 引胴文献 1)Matsuoka,M.,Asou,S.&Ohashi,Y。(1985)Transcriptional step is nesse− sary for induction of pathogenesis−related proteins。Pプoo。ノ≧りπ。〆10α4. 61: 486 −489。 2) Uedan, K.&Sugiyama,T.(1976)Purification and characterization of phosphoenolpyruvate carboxylase from rnaize leaves.P1碗’P勿3ゴ01.57:906− 910. 3)Hata,S.&Matsuoka,M.(1987)Immunological studies on pyruvate ortho− phosphate dikinase in C3 P正ants。P1σπ’ Cθ〃P〃ツεゴ01.28:635−641。 4)Matsuoka, M.&Asahi,T.(1983)Machanism of the increase in cytochrome o oxidase activity in pea cotyledons during seed hydration. 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In order to obtain information about t二he expression of PPDK in C 3 plants, chanqes in the enzyme act二ivity and in t二he amourlt of PPDK prot二ein were investiqated during the qreeninq.of rice seedlinqs。 PPDK, which was found in the etiolated seedlinqs, decreased tempo− rarily in an ear:Ly stage of greening and then increased。 (3) 工 have isolated two overlapPing cDNA clones t二hat encompass the entire structural qene for PPDK from maize。 The analysis of the nucleotide sequence has revealed that the cDNA clones include and irlsert of a to七al of 3,171 nucleotides without a poly A tail, and encode a polypeptide that contains 947 amino acid residues and has a molecular weight of lO2,673 daltons。 qo町)arison of the N− terminal amino acid sequence of purified PPDK protein wit二h that deduced from the nucleotide sequence shows that the mature form of PPDK in the maize chloroplast cons士sts of 876 amino acid residues and has a molecular weiqht of 95,353 daltons。 The amino acid composition of the deduced sequence of PPDK is in qood aqreement with that of the purified enzyme。 The reqion that contains the acti▽e and requlatory sites of PPDK can be found in the deduced sequence of amino acids。 We ha▽e predicat二ed the secondary struc− ture and calculated the hydropa七hy pattern of this reqion。 The extra 71 residues at the N−terminus Of t二he deduced sequence of 一92一 amino acid residues corresponds to the transit peptide which is indispensable for the transport of the precursor protein into chloroplasts。 We have cO㎎)ared the primary structure of the PPDK transit pept二ide to thOse of other proteirls and found $equences similar to the consensus sequences found in other transit peptides。 (4) Usinq the cDNAs for PEPC and PPDK as probes, I compared the qenes for PEPC and PPDK from a C3 plant, rice, with those from a C4 plant, maize。 田he cDNA.inserts hybridized to several fragment二s of rice DNA diqested with restriction enzymes, even under hiqhly strinqent conditions, demonstrat二inq the presence Of multiple qenes ir}rice with structures quite similar to those the genes for PEPC and PPDKI frOm maize。 Northern blot analysis, using the cDNA inserts, revealed the presence of transcripts of sizes similar to those of t二he mRNAs for PEPC and PPDK from maize in the population ・・p・・y(・)+團A…m・ree・i…i・e・eaves, b・・…i・・h・t f… etiolated leaves。 The }一eve:Ls of the transcripts in fully green leaves were much lower 七han those in q士eeninq leaves, a.result that corresponds to the chanqes in levels of proteins observed previously。 田he correspondence suqqests that the.. expression of the transcripts was responsible for the synthesis of PEPC and PPDK proteins in qreening rice leaves。 These findinすs. alβo indicate that the qenes for PEPC and PPDK in rice not only have structures similar to those of the qenes in maize, but are also requlated by liqht in a similar manner. (5) Fifteen cDNA clones fOr.t二he small subunit of ribulose−1,5− bisphosphate carboxylase from rice were constructed and classified. into six groups based on restriction enzyme maps. One cDNA. insert hybridized to a few D腿A fraqments from a restriction diqest of rice genomic D瞬A。 The results indicate that there are some kinds of mRNA for the small subunit of. this enzyme。 Two sequences of essentially full−lenqth cDNAs, which belonqed to different qroups=, were determined and compared。 Both sequences cont二ained a 528−bp 一93一 open readinq frame capable of coding for a pOlypeptide with l75 amino acids.。 .The codinq sequences share 91竃 homoloqy arld the deduced amino acid sequences of.the precursors to the SSu are 95宅 homoloqous。 The homoloqy between sequences for the mature.protein reqion is extremely hiqh (99竃), and only one amino acid exchanqe occurs。 Comparison with the structures of small subunit from other plant二s revealed.that the sma!l subunit from rice is similar to that fz℃m wheat二。 Extreme codon bias was detected in the cDNAs, and similar codon preferences can be identif止ed for the small subuniセ and the liqht harvesting C耳l a/上). bindinq protein from other morlocot plants, but not from dicot plants。 The results suggest that pre一. ferential. codon usage occurs in the case of qenes expressed at hiqh leVelS Qn mOnOC.Ot leaVeS。 (6) I have cloned a full length cDNA for the small su上)unit of 「ibulose剛1’5閣bisphosphat 秩A ca「boxylase.f「om the C・monoco七maize’ determined the qomplete nuclelotide sequerlce of the cDNA and deduced the amino. acid sequence。 The cDNA insert included 518 bp of the codinq re.9‡on, and,65 and 252 rlucleotides of 5闇 and 3 I untranslated regions, respectively。..、The transit and mature peptides have respec− tively 47 and l23.amino.acids。 Compar土son wit二h the small subunit genes from ot二her p.lants.reveals t二hat the maize.small subunit is similar 七〇wぬeat Qne,.73宅 homoloqOusユn the.transit peptide and 64∼とhomo:Loqous in.the…mature protein。 This indicate.that there is no noteworthy difference between C 3 and C妬 small subunit structure。 Extreme codon bias is observed for this qene, and t二he similar codon preferences are observed in other proteins highly expressed in maize leaf, light harvestinq chlorophyll bindinq protein and PEPC。. 田he results indicate that there.‡s prefererltial codon usaqe for high↓y expressed genes in maize leaf. (7) 工 have cloned a f耳ll length cDNA for the lightニーha.r▽estinq. chlorophyll a/b bindinq protein (LHCP) from the己C4 monocot maize, det.ermined t二he complete nucleotide sequence of this cDNA and deduced 一94一 the amino acid sequerlce。 .The trans土t and mature pep七ides have respectively 31 and 234 amino acids。 Comparison with the coding region of LHCP from C3 monocOt, wheat, re▽eals that maize LHCP has one additional amino acid residue, a工anine, in the mature peptide and has two amirユ。 acid deletions in the transit peptide。 田he homoloqy in t二he mature peptide reqion is 83宅 and 94招 at the nucle− otide and amino acid level, respectively, and that irl the transit二 pept二ide reqion is 70宅 a七 the nucleotide level and 61亀 at the amino acid le▽el。 (8) Thirt二een cDNA clones :Eor LHCP工工 from rice were constructed and classified into five groups based on restrictiOn enzyme maps. 田。 assign the qroups 七〇 different types of LHCP工1, the clOrles were sequenced and compared with reported sequences for 七ype 工 and type 工工 of LHCP工工。 rPhree groups of these corresponded 七〇 type 工 arユd two tO type 工工。 Two sequences of essentially full−lenqth cDNAs for 七ype 王 and type 工工 of lLHCP工工 were determined. The sequences of type 工 and type I工 contained a 798 bp and 792 bp open readinq frame capable of codinq for a polypeptide with 265 and 263 amino acids, respectively。 田hese sequences are different each other at not only 5蓼 and 3騨一 noncodinq region but also at the transit peptide reqion and the R−terminus reqion of the mat二ure protein, while the C−terminus reqion of the mature protein are quite similar。 (3enomic SOuthern blot analysis sugqests that the genes for both types LHCP工工 exist as small multigene fami!ies in rice genome using the sequences as the specific probes for type 工 and type エ日 工、HCP工工, which encode the 5一noncoding, the transit peptide and the N一te「minus「eqi。n’and d。 nQt c「oss一hyb「idize each othe「・Noゆr「n blot二analysis usinq the specific probes .re▽ealed that neither mRNA for type 工 or type 工工were hardly det二ect二ed in dark−qrown rice ・eed”h・・a・d b・th皿NA・acc…’・t・d・a・’d’y f・”・w’・・’手’・血’哩on with white liqht as a similar manner。 The results sugqe串t that⊇. t二摯e expre$sion of both qenes are regulated as a similar manner by liqht・ 一95一 5.ニホンナシ(Pγ1%33670〃欄va. Chojuro)のLHCP 及びRuBisCO・SSuのcDNAの単離と塩基配列 村上ゆり子*田中 敬一*寿松 木章*間苧谷 徹* はじめに 植物葉にはクロロフィル結合蛋白質(LHCP:Light Harvesting Chlorophyll a/b Protein)とりブロースー1,5アニリン酸カルボキシラーゼ(RuBisCO:Ribulose−1,5− bisphospha七e carboxylase/oxygenase)が豊富に存在し,どちらの蛋白質もクロロプラスト 特異的であり,光合成反応過程の重要な蛋白質である。作物の光合成の能力を高める方法の一つ として,その作物の光合成過程における律速段階の酵素の活性を上昇させることが考えられる。 光合成過程の律速段階は,明反応においてはLHCPの反応過程であり,暗反応においては炭 素固定に関与するRuBiscoの反応であることが報告されている。 RuBiscoは8個の大サブ ユこット(LSU)と8個の小サブユニット(SSU)を含んでいる。また,チラコイド膜に存 在しているLHCPは,光エネルギーを捕集する役割をもった色素蛋白質複合体である。 RuBisco・ssuとLHcPはどちらも核DNAにコードされていて,々ルチ遺伝子であり, その遺伝子の発現はファイトクローム依存性で転写レベルで制御されている。核DNAからS SUとLHCPは前駆体として合成され,クロロプラストに入るときにトランジットペプチド 部分をはずす。 しかし,これらの蛋白質の遺伝子に関する研究は葉緑体DNAにコーードされているRuBisco ・LSU以外の研究は少ない。また,木本における分子レベルでの光合成研究は,草本に比べて, 著し’く後れている。 本報告では,ニホンナシ(1『y脇88εro‘‘παvar. Chojuro)を用いて, L H C P及びRuBisCO ・SSUのcDNAクローンをとり,その全塩基配列を決定して,今までに得られている他の植 物での知見と比較して,それらの蛋白質の変異と遺伝子の多重性について検討した。 方 法 ニホンナシ(Chojuro)の未展開葉10gを,液体窒素中で粉砕し,グアニジンチオシアネート 法により抽出を行い,上清について,5.7MCs Cl,28,000 rpm,24時間の平行密度勾配遠心 法を行い,全RNAを得た。これから, mRNAを抽出するために,オリゴ(dT)セルロース カラムクロマトグラフィーを行い,吸着画分を得た。このmRNAを鋳型として, Gubler− Hoffmanの方法1)により,cDNAを合成し, dG・dC Tailingにより,発現ベクターpUC 8 につなぎ,Hanahanの方法によってEcoZ‘JM83株に形質転換した。形質転換された大腸菌 のスクリーニングは,培地中のアンピシリンに対する耐性と,5−Bromo−4−indolyl一β一D− galactopyranosideの発色により行った。こうして得られたcDNAライブラリーから,4θ膨α gガ∂∂σ2)のRuBisCO・SSUのクローンpLgABの塩基配列を基に作った相同性の高い合成 プローブ(TAC. TGG. ACA。 ATG. TGG. AAG. CT:20 base)により,ハイブリッドを *果樹試験場・栽培部 一96一 形成するRuBisCO・SSUのクローンを得た。このcDNAクローンのうち全鎖長を含むと考え られるインサートを持ったクロニンについて,全塩基配列を決定した。また,LHCPのクロー ンについても全李朝を含むと考えられるインサートを持った2つのクローンについてdideoxy法3). により全塩基配列を決定した。. 結果と考察 島ホンナシcDNAライブラリーの作成 ニホンナシからmDNAの抽出を,ステージの異なる葉で試みた。爽雑物の関係で抽出は極 めて困難であったが,長十郎の未展開葉を用いることにより,果樹では初めて,試験管内での 蛋白合成活性を有しているmRNAの抽出に成功した(図1)。このmRNAからのcDNAの合 1 図1 ニホンナシmRNAの試験管内蛋白 2.、.β4’・56 質合成。 Fig.1 ∫%加〃。 translation of mRNA 糊 物 of Japanese pear・ Lane 1−6: ㌍.噸欝 fractions separated frorn 5−20 ・贈1一 % sucrose hnear density. Lane l 凝 繋 and 6 were bottom and top 馬 fractions of the tube, respectively. ぞ . 一一、.{ .一暗晦離隔 岬曝 A 毒難 懸 癬 管 門 成効率は,約5%であり,妥当な値であった。このcDNAを,ベクターに導入する方法として は,合成リンカー法と,ホモポリマー法があるが,両者を検討した結果,より簡単な,ホモポ リマー法を用いた。同法は,cDNA側にポリCを付け,ベクターであるpUC8プラスミドにポ リGを付けて,それぞれの粘着末端同士で接着を行わせる方法である。こうして得られた外来 遺伝子を持ったベクターを大腸菌に導入し,形質転換したコロニーを数えると,ベクター1μg 当たり約105個の菌が形質転換しており,効率は低くなかった。このことより,ニホンナシ (Chojuro)のcDNAライブラリーが出来たと考えられた4>。 猛uB蓋sCO。SSむのpC血oSSU5188クローンの全塩基配列 ニホンナシRuBisCO・SSUのcDNAクローンpChoSSU51885!は844塩基から構成され ていた(図2)。5’上流域に45個の塩基配列,3’下流域に終止コドンTAAから247塩基対が 存在していた。RuBisCO・SSUは,前駆体として,183個のアミノ酸を含み,分子量20,526 の蛋白質と考えられ,成熟蛋白質としては,6重番目のMetからPheまで123個のアミノ酸を含 一97一 AAGTAAAGCACτCAAGCAAAGAAGAGAAAGCAGAGAGAGAGAGCA 瓦TG。Gα『.響CC。腎CA。A㌘G 超e七繭Ala−Ser閥Ser臨凹eヒ A留丁。『口CC。田CC。GGT。ACC。GTG。GCT。ACA。GTT。皿CC。GCC。GAC。CGC。CCA。GCC。CCC◎GCT。CAA。GCC。AGA エエe−Ser−Ser−Gよy閥ThrqVa工・・Ala一田hr−Val−Ser−Aユa唾Asp−Arg皿P置〇一Aユa−Pro−Ala糊Gln−Aユa−Arq A響G。G『}『r。GC肥.CCA。留TC。AAC。GGC。CTC碍AAG。聖CC。「rCC。謄CA。GCT。『r聖C。CC〕『。G『PC。ACC。AGA。AAA.AGC 麗et;一Va工一A↓a−Pro恥Phe−Asn出Gly−Leu−Lys−Ser−Ser−Ser−A工a−Phe繭Pro−Vaユ脚Thr−Arg−Lys−Ser v AA①。GAC.AτT。ACC。ΨC賦『。ATT。GCA。ハGC。AA「r。G¢A。GGA。AGA。GTG。CAA。田GC。A響G。CAG.G㌘G.響qG.CCT Asn−Asp一工le一「『hrqSer叩工1e−A工a駝Ser−Asn−G工y−G工y−Arg−Va1−Gln−Cys一閏eヒーGユn。・Va工噂丁置p−Pro CCA。Cり慶C。GGA。CTG。AAG。AAG。①TC。GAG。ACC。CTC。響CT。『AC.C署丁。CC「聖.CCC.CTT。蟹C「r.TCC。GAG。T(℃ pro_Leu_Gly_エ」eu画しys−Lys藺Phe鞠Gユu一τh置・・エeu−Ser凹田yr−Leu−Pro酋PromL¢u四Ser・・Ser噂G工u−Ser 管「rG。GCC。AAG。GAA。GTT。GAC。『『AC。CTC。C「rC。CGC●AAG。AAC。響GG。G『野田。CCC。TG(コ。『r『G.GAA。肥丁曽。GAG Leu−Aユa−Lys−Glu−Va工一Asp一別yr−Leu鴨Leu−A罫q−Ly5−Asn一山rp−VaユーPro−Cys俸ゐeu−Glu−Phe−Gユu 曽TG。GAG。AC「皿。GGA。「rTC。GTG。TAC。CG田。GAG.AAC。CAC。AGG。TCC。CCA。GGA。¶『AC。田AT。GA田.GGA。AGG Leu_G工u一田hr噌Gly−Phe−Va1−Tyr−Arg噸Glu−Asn一}Ii5噂Arg−Ser−Pro−G工y一軸yr㎝7yr轡Asp−G工y−Arg TAC。『『GG.ACA。ATG.『rGG。AAG。CTG。CCCりATG。TTC.GGA g田GC。ACC。GAC。TCτ。?CC.CAG.GTG。「rTG.AAG Tyr』置P一田hr−Meし一Trp−Lys−Leu−Pro−Me七一Phe−Gエy−Cys−7h四一Asp−Ser−Ser−Gln−VaエーLeu−Lys GAG。CTG。GAA。GAG.GCC。AAG。AAG。Gα翫思AC。CCC。CAG。τCC。T『rC。ATC.CG冊。ATC。ATC。GGA。丁饗C。GAC GIu−Leu叩G工u−G工u−Ala−Ly5−Ly5−A工a畑「置yr−Pro−Gln哺Ser噌Phe一工1e叫Arq噂1工e一エ上e−Gly聯Phe−Asp AAT.GTC.CGT。CAA.GTG。CAG.騨GC.ATC。AGτ。TTC。ATC.GCT。TAC。AAG.CCT。GCA。GGC.TTC.「rAA G7T Asn_Val−Arq−Gln−Va1−Glh−Cys嚇工le−Ser輔Phe一工1e−Ala輔『ryτ一Lys−Pro−Ala−Gly−Phe噛★歯密 GTTC田ACAATTTTCATAAT田AATGTTGTTGTTGTATGTACCATTGTGGC田CT『rAGCAAGG(;TCCCGG田GGTC響G田田TAA GTTTGTATT曽GA『rTAGGGCTTTCAAGACCTTTGCCTAT『PTGTTTCTTTAATTCTC?ATCCTT「聖TTCGAGGCAαPCTCGT TTGTTTTCGAATTTGGTGTTTTATCGGA「罫τCAAGATGGTCTTGGTTGAGAAATτCAτGAATAAATGAGA『摩CCGTGTTTT A田丁τTTG 図2 Fig.2 pChoSSU5188のcDNAクローンの.塩基配列。 Nucleotide sequence of the pChoSSU 5188 cDNA:ごdone. The molecular weight of the mature protein.. 奄刀D20,526. An arrow points to the putative cleavage site aもthe transit and..mature protein junctlon. Trans工七 Pep七ide PEAR PEA N冊 LG WH MASS 騒工 PV田 RK SN D工? S工A SSGTVATVS ADRPAPAQARMV APFNGLKSSSAF __ 一一一一 rA−T一一一R−S_dSA−V−PF一 一一一G一一一一MTG一 一一K KV N田 一一 ・・一『慶 @V工f 刀匠AA一一一 一 一V −TAA一一R一 一一 oAV−A 一一A−T SNGGRVQC 一一一一国一 j一 一SNV−3−N一一 一一一①一一一・AAS一 一『$...「「 Q−L一一一 一一一 一 ロー一門四一一G一 一一一CR一一V−E 顧み腎.}.黛一 A−N−L −TLP 一S一一一一S_ 一 一一一Q一勤一一田 一GL一工SC幽SG一 一GL−SV 一一”一一 HR_ 一Ω一一一一丁 一G工一一A 鴨R −GNW 一FGNV一一一一一工R_ 一・ 一 一一一Q−r一一丁 一SL一一A −R −SRSL. 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Computer analysis of the sequence:The weights used were−1 for a nucleotide match,+1 for a mismatch and+2 for a gap, involving unpaired bases. The homologus groups are boxed. Pine P。。。 Pea S。yb・・n田。bacc。 Duckweed Rice 曾hea七 M・i・e pine oear oea roybean sobacco cuckweed qice vheaヒ laize 一 25 22 19 19 25 7 7 10 25 Q2 P9 P9 Q5 @7 @7 P0 一 一10 一’17 −17 1 16 22 16 │10 一 一18 −7 P4 19 19 14 │17 −18 一 一23 │17 −7 −23 一 1 14 3 2 R 10 14 15 Q 13 15 15 │ 23 27 27 P6 19 10 13 23 一 一23 −26 Q2 19 14 15 27 │23 一 一18 │26 −18 一 P6 . 14 15 15 27 LHCPのpCboLHC5144ク闘一ンとpChoL∬C3094クローンの全塩基配列 LHCPについては,2つのクローンが得られた。1?はpChoLHC5144で975個の塩基対 が存在していた5)。5’上流域に78塩基対,3’下流域に終止コドンTAA以下102塩基対の配列 が存在した。前駆体蛋白として264個のアミノ酸を含み,分子量28,559と考えられた(図4)。 成熟蛋白質としては45番目のLeuからSerまで220個のアミノ酸から成っていることが分った。 他の植物のLHCPとの比較から,120番目のArgと192番目のTアrの2つのアミノ酸が挿入 されていることが分った。コムギとの相同性は,68%と高いが.ID,トランジットペプチドの部 分の相同性は,約40%で,成熟蛋白質部分の相同性に比較して著しく低かった。LHCPは,一 般に,よく保存されていると考えられているが,ニホンナシのpChoLHC5144クローンはコ ンピューター分析㊥の結果,他の植物のLHCPとはかなり変異していることが認められたこ とより成熟過程に違いがあることも考えられた(図6,表2)。 一方,もう1つのクローンであるpChoLHC 30945)は1055塩基対からなり,5’上流域に 62塩基対,3’下流域に終止コドンTAGより156塩基対の配列から構成されていた(図5)。 前駆体蛋白質として278個のアミノ酸を含み,分子量が37,096と考えられた。成熟蛋白質は 61番目のProからLysまでの218個のアミノ酸から構成され,他の植物11,12)・とのコンピュ ーター分析6)によるホモロジーの比較から,pChoLHC5144クローンとは異なりかなり相同 性が高いことが分った(図6,表2)。したがって,今回得られた2つのcDNAクローンから, LHCPはニホンナシでもMultigene Familyを形成していると考えられた。今後,それらのう ちどの遺伝子が,主に発現しているか,あるいは,時期等により,その発現パターンが変化す るのか,などの遺伝子の発現の制御機構を検討したい。 一99一 GGAAACACAATTCCACCA.ATTAATTCATCAGAACACAAATCAAGTCATCGGAATT AAGTTCTGAAAGCTTGGAAAGTC ATG.GCA.GCA.GCT.GCT.AGC.TCA.AGC.ACT.CTT.CTA.AAA,ACA,ACC Met−Ala−Aユε』一Ala−Ala−Ser噂Ser−Ser−Thr−Leu囎Leu鴨Lys−Thr−Thr CCA.TTT.CTT.qGC。CAA.AGC.CGA.GGG.CCA。AGT。TTT.AAC.ACT.CTC.AGA.GAT.GTT.GTC。CCA.GTG Pro憐Phe−Leu・・GIy叫Gln−Ser町Ar9−GIy国Pro繭Ser−Phe吻Asn−Thr㎝Leu脚Arg一Asp−V盈且。。Va畳一Pro−Va夏 v GGA.ACT.GGC.AAA.TAC.ACC.ATG.G(】G。AAT.GAT.TTG.TGG.TAT.GGA.CCA.GAC.AGA.GTG.AAG.TAT GIy7Thr国Gly甲Ly8−TyrロThζ1“駈et㎝G瓦y囚A器n一Asp向Leu−Trp四Tyr働Gly−Pro嚇・Asp一Arg−Va1四Lys−Tyr TTG.GGA。CCC。TTT。TCT.GCT.CAG.ACT.CCT。TCG。TAC.CTG。. `AC.GGA,GAA己TTT.CCT.GGT.GAT.TAC Leu−Gly口Pro−Ph艦齢Ser即Aユa回G互n縮Thr翻Pro−Ser−Tyr−Leu−Asn騨GlyoGlu−Phe−Pro聯Gly−Asp−Tyr GGC。TGG.GAT.ACT.(ヨCA.GGG.TTG.TCA.GCT.GAC.CCA。GAG.GCC。TTT.GCT.AAG.AAC.CGG.GCT.CTT Gly−Trp糀Asp−Thr四Ala・・Gly皿Leu−Ser脚Aユa馴Asp−Pro口Glu−Ala槻Phe藺Ala−Lys叫Asn噂Arg「Ala−Leu GAG.TTG.ATC.CAT.GGC.CGG.TGG.GCT.ATG.CTT。GGA.GCA.CTA.GGC.TGC.ATC.ACC.CCA.GAA.GTT Glu柵Leu−11e−Hi6船Gly補ArgoTrp噌Ala哺Met−Leu−Gly働Ala−Leu吻Gly−Cys−ne−Thr−Pro−GIu−V鼠1 CTC.GAG.AAA.TGG.GTG.AGA,GTG.GAC。TTC.AAA,GAG.CCA.GTG.TGG.TTC.AAA.GCC.GGA.GCT.CAA Leu噂qlu衆Lys魑Trp曽Va1榊ArgロVa1岡Asp儒Phe㎝Lys−Glu−Pro船Va1−Trp陣Phe繭Ly5一A聖a−Gly一AIa−GIn ATC.TTC.TCA6GAA.GGC.GGC.CTC。GAC。TAT。TTG。GGC.AAC.CCC.AAC.CTA.GTC.CAC.GCT.CAG.AGC 11eロPhe陣Ser一(ヨu−Gly−Gly−Leu−Asp−TyrロLeu。Gユy−Asn耶Pro藺Asn四Leu働V鼠lnHis四A1&一Gln−Ser ATC.CTA,GCA.GTG.CTT.GGG.TTC.CAA.GTC.ATC。CTC。ATG.GGT.CTC.GTT.GAA.GGA.TTC.CGT..ATC 置le−Leu−Ala−Va1−Leu−Gユy−Phe−Gln−Va1騨11e−Leu−Met鱒Gly−Leu−Va1−Glu−Gly−Phe一Arg−11e AAC.GGT.CTT.GAT.GGC.GTA,GGA。GAG.GGC.AAC.AAC.CTC.TAC.CCC.GGA。GGG.CAA.TAC.TTC.GAC Asn−Gly回しeu−Asp−Gユy−Va五回Gly四Glu喚Gly贈Asn−Asn騨Leu四Tyr−Pro−Gly−Gly口GIn藺Tyr−Phe一ASp CCC.CTC.GGC.CTT。GCC.GAT.GAC.CCT.GTC.ACC.TTT.GCC.GAG.CTC.AAG.GTG.AAG.GAA.ATC.AAG Pro−Leu−Gly脚LeunAla−Asp隅Asp胴Prg簡V鼠1−Th『叫Phe噌A:a−Glu−Leu四Lys叫Va1・。Lys−Glu一置1e−Lys AAT.GGG.AGG。CTA.GCC.ATG.TTC.TCC,ATG。TTT。GGG.TTC。TTT.GTC.CAA.GCA。ATT.GTG,AqT。GGG Asn−Gly口Arg四Leu四AIa口MetnPhe繭Ser−MeセロPhe榊Gly−Phe−Phe口Va1躰Gln−Ala一亘le−Val−Thr−Gly AAG.GGT.CCC.CTA.GAG.AAC。CTC,TTG。.GAC.CAC.CTT,GAC。AAC.CCT.GTA.GCT.AAC.AAT,GCA.TGG Lys鴨Gly−ProoLeu−Glu四Asn酋Leu−Leu−Asp騨His回しeu−Asp−Asn−Pro−Va1−Ala一Asn−Asn。Ala−Trp GTT.TAT。GCC.ACC.AAG。TTT.GTG.CCC.GGA.TCA.TAA ATTAATCTTCAGT’rCCTCTAGTTAGTAATTATTAA V&ユーTyr−Ala−Thr四Lys膳Phe血Va1−Pro口Gly艦・Ser一摩ホ* TCTTGTTTGGGAGAATGTAATTGAACGGAAAATTTTATGGAGACGTTTAAAACTTGCCGTTTTAATT 図4 pChoLHCP5144のcDNAクローンの塩基配列。 Fig.4 N㏄1eotide sequence of the pChoLHCP 5144 cDNA clone. The molecular weight of the mature protein is 28,559. An arrow pointsヒ。 the putative cleavage site at the transit and mature proteln junctlon. 一100一 CG『騒GAAC㎎AAGTGCGC『蜜CC緊冊CTGCGTGAGAGCGGCGAAAGCAAAGCAAGGAqAGAGみ『£AGG A「『G。GCT。ACA。ACA◎A,G.GCG。AGC。TGC。GGC。ATA。GGG。TCG。CGT.田GT。GCG。TTC。GCT。GGG.GCG』CAG Me七一Ala一τh訂一Thr覗eヒーAla−Ser−Cys−Gユy−ne−Gly−Ser−Arg−CyS−Ala−Phe−Ala−Gユy−Ala−Gln CTA。田CA。TCG。GTG,AAG。CCT。CAG.AAC.AAC。CAG.TTG。CTG,GGA。GTC。GGC。GGA。GCT。CAT.GGC。GAA 正』eu−Se㌶一Ser−VaユーLys−Pro”Gl駄一Asn一λsローGln−Leμ一轟母u−Gly−Va1陣GIY−Gly一《1a−Hユsr・G真y−G工u GCG。CGA。T「rG。ACG。ATG。CGG。AAA。GCG。ACC。GGG。AGG。AAG。τα『。GTT。GCG。GCG」AGC。A脚C。GAT,TCG AIa−Arg−Leu一τhr−MeヒーArq爾聾ys−A⊥a−Thr−Gly叫Arg−Lys−Ser−Va1−Aユa−Ala需Serr・工1e−Asp−Ser 覧,MGG.。。C.GG。.CCG。GAC。CG。.。。G。。。G脚.。。G.GG。.CCA。囎C。。CC。GGC.GAG..CCGIご。G鋤 ヨ セ Pro−Trp−Tyむ一GlyゆPro−Asp碑Arg−Val−Meヒ・・Tyr−Leu−Gly−Pro−Phe口Ser−Gly−Gユu義》ど6一・P罵ρ『Se密 TAC、CTG。ACC。GG曽。GAA。「PTC。CCC.GGT。GAC。TAC。GGG。τGG。GAC。ACG。GCG。GGG。CΨT。田CGらGCG。GAT 偲yr−Leu叩Thr・・Gユy四Glu−Phe皿Pro−Gユy四Asp一τyr・・Gly一田rp−Asp一曽hr−Ala−Gly−L.eu−Ser叫Ala−Asp CCG。GAG。ACG。TTC。GCG。AAG。AAC。AGA。GAG。CTG。GAA。GTG。ATC。CAC。TCC.CGG。TGG。GCG。ATG。CTG Pro−Glu一「置hr口Phe叫Ala−Lys−Asn−Arg−Glu−Leu噂Glu−Va1噂工le−Hi6−Se置一Arg_Ψrp囎Ala−Met四Leu GGC。GCT。C田C。(;GG。馴『GC。G①A.田田C。CCG。GAG。CT田。CTτ。GCG。AGG。AAT。GGA。GTA。AAG。偲田C。GGT。GAG GIy−Ala”Leu−Gly−Cys−Va1−Phe−Pro−Gユu一工leu−1」eu−Ala−Arg−Asn鱒Gly−Va1−Ly5−PherGly−Glu GCG。G田G●口『GG。T『『C。AAG.GCG。GGA。GCT。CAG。ATC。TτC。AGC”GAG。GGA.GGG●C雪曽。GAC。TAC。CΨA。GGG Ala−Va工一田xp−Phe一島ys−Ala−G』.y・一Ala−Gln一工1e−Phe−Ser−Gユu−Gly−Gly−1、eu㎝Asp−Tyr−Lg舜一G工y AGC.CCA。CAG。「三田G。ATC。CAC。GCC。CAG。AGC。丸丁τ。CTT。GCC。ATC●TGG。GCA。田GC.CAG.GTC。ATC。CTC Se「凹Pr。一Gln−Leu一工1e−His国Ala回Gln−Ser・・エ1e−Leu−Aユa一工1e一脚一Ala−Cy謬一Gエn−Val一工手e−L・辱 ATG。GG田。GCC。ATC。GAG。GGC。TAC。CGT。GTT。GCG。GG響。GGG。CCC。CTC。GGA。GAd.αrG。ACC。dAd。CdC ・・ヒーGユy−Al・一・le−G・u−G・・一・y・一A・・一V・1一・ユa一・・y− 窒撃刪黶E堪・u−G・y−G平μ一V・1一・h・「ゆ』・・。 ATC。TAT。CCC。GGC。GG「r。AAC。響TC。GAC。CCG。CTG。GGA。CTG。GCA。GAC。GAC。CCG。GAT。GCT。TTC。GCG 工1e一『『y七一PrQ鞠Gly叫Gly−Asn−Phe−Asp−P置。−Leu−Gly−LeU−Ala−Asp一・Asp−Pro陣Asp繭Ala−Phe」Ala 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論一TTMA鱒CGIGSRCA−A−AQLSSVK−QN−Q−LG−GGAH口EARL一』 MAAATMALSSPSFAGKAVKFSPSSSEITGNGKATM MAATTMSLSSSSFAGKAVKNLPSSAL!GDARVNM MASSTMALSSTAFAGKAVNVPSSSFGEARVTM GND RKATGRKSVAASIDS RKTV「「KAKPVSSGS RkTAAKAKQVSSSS .RKTAAKAKPAAASGS RKTAAKPKPAASSGS トIAAATMALSSPVMARAAPSTSSALFGEARITM Ma七ure proteinロ皿om四四四ロ四皿皿匝口m口皿画m血㎝㎝㎝団一m皿四m四皿四四口四口口四吻㎝切面甲面出.幽皿ロ伽図n PChQLRq5144 PChoLHC3094 Petunia Wheat Haize Rice LWYGPDRVKYLGPFSAQTPSYLNGEFPGDYGWDTAGLSADPEAFAKNRALELIHGRWAト1L P国仰一“一廓一M閃閃一。一一GEPロー一。T陶鳳一閃一”騨一一一一・一一一一一一一T一一匝一一・E一一V一一S一一一一一 P一一一一一一一一陶一・一一一一GEA一一一繭T一臼・一一・一一一一一一一一E一一一一一一T一・・一一一E埆一V一一C一一一一一 む P一一一S一一一L一一一一L・・GEP一一国鱒T一一一一一一一一一一G一一一一嘔・一T一一一一一E一一V一一C一一一一一 P一一一一一一一L一一一伽L−GEP・・一一・・TD一一一一・・一一一一鱒RD一一一一一鳳丁一一一一一E一一V一一C一一一一一 P一一rA一一一L一響。一一L一一EP一一一回丁一一隅一一一?一四EH一一一一一一一陣T一一一一一H一一L一願S一一一一一 PChoLHC5144 pChoLHC3094 GALGCITPEVLEKWVRVDFKEPVWFKAGAQIFSEGGLDYLGNPNLVHAQSiLAVLGFQV I L Peセunia 一一一一一 uF一・。L−ARNG −K−G−A一一一一図一S一一一四一一巳・一.・・一一一一一S一一一一一一一一一1WAC・.一V一 Wheat 咽・一一・囮一 Ma.ize Rice PChoLHC5144 PChoLHC3094 P6t.unia’ Wh.eat Maize Rice p(コho工、HC5144 PChOLHC3094 一一一陣一 uFρ一L−ARNG −K−G−A一㎝m一緬侮一簡廓一四一一騨一一m一一S一(∼一1一一田・o一一一lWAC一一一鞠 uF一一L−ARNG −K−G−AG一一一一一Sロー一一D一一一一一一一一一S一一一甑・一一L一一】WAC一一V一 」一・・o・ぜVF憐騨L叫ARNG 四KLA−A一一隣一一四S一一一一一一一一一一一・・一一S−1一一一一顧繭一IWAC一一V一 一。・一一一 uF一?L−ARNG −KbG−A碗一一口・・一S一一一阿一一一一一一一一一一S−1一一一一一一一lWAV一・・V一 卜1GLVEGFRINGLDGVGEGNNLYPGGQYFDPLGLADDPVTFAELKVKE互KNGRLAMFS属FGF 一一 `I簡一Y−VA−GPLGEVTDPI傭一一一N 一一・一一一一・咀一一一DA一一DV一一一・・一一一一一一一一一一一一一一 一一 `一脚一Y−VA騨GPLGEVVDP一一四一S 【一回ロー一一一・一EA一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 `一一一Y一一A−GPLGEIVDP一一国一一S 一一一一一一一ER−QA一・・一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 一一 `一一一Y一一A−GPLGEVVDP甲一一一一S 一一一『一一一一R脚RGLR−P鞠一。・一L−K一輔一一一L一一9一一 一四 一一 `一一一Y一一A−GPLGEVVDP一一一一一A 一一・・一一一一A一一冠A一一一一一一一一L−K一一一一一一一一一一一 FVQAIVTGKGPLENLLDHLDNPVANNAWVYATKFVPGS* 一一一一一一一一一馴一 P一一出A脚・一◎帰AD一ロN一一一撃園A一一胸N一一一一K* Petunia 一m一一騨一一藺一一罐 脚傭・・ Wheaヒ Maize. 一一一一一一一一一一一一・ Rice `四輔・塵AD一一N一騨脚。・S輯繭一N一一一一K零 c・・A一一IAD一一N一一一一L1一一Nロー一一K* 一一一一蟹・一一〇一・。一一一一一 ・・一一四一 `一一IAD一臼N一。署回一A一向四N輯一・一一K* hm四聯騨卿一卵ローA一一凹AD一一N一四。一=ALR−N一一一陣K* 図6 各種植物のLHCPのアミノ酸配列の比較。 Fig.6 CompariSon of amino acids sequences of LHCP Qf various plants 表2 各種植物のLHCPの成熟ペプチドのホモロジー比較。 Table 2 Homology of transit peptide of LHCP Computer analysis of the sequence:The weights used were−1 for a nucleotide match,+1 for a mismatch and+2 for a gap involving unpaired bases. 5144 3◎94 Petunia Rice Maize Wheat pine PChQLHC5144 一224 一86 一97 一80 一72 一79 一96 PCh◎LHC3094 一86 一97 一80 一72 一79 一96 一234 一178 一233 司62 一157 一158 一191 司80 一234 司82 司82 司52 Petuni Rice 瓢aize Wheaヒ pine 司78 司62 一157 一158 司52 一182 一191 一161 摘 一で80 司82 司74 一132 一234 一178 一132 司74 司78 一233 一B3 一161 一132 一132.. 一133 一229 要 ニホンナシ(砂駕ssθro伽αvar. Chojuro)の未展開葉から蛋白合成活性を有しているm RNAを抽出し,ベクターpUC8プラスミドに導入し, cDNAライブラリーを作成した。形質 一102一 転換効率は105/μgであった。作成されたcDNAよりニホンナシRuBisCO・SSUのクローン pChoSSU5188を得た。このクローンは金鎖長を含み183個のアミノ酸からなり,分子量 20,526の蛋白質であると決定された。LHCPについては,2つのクローンが同定された。1 つは,pChoLHC5144で264個のアミノ酸を含み分子量28,559の蛋白質であると考えられ た。このクローンは他の植物のLHCPとの相同性は低かった。他の1つのpChoLHCP 3094 は278個のアミノ酸を含み,分子量は37,096と考えられた。このクローンは他の植物のLHCP との相同性は高かった。 引用文献 !)Gubler, U. and B. J.Hoffman:Asimple and very efficient method for genera− ting cDNA libraries. Gene 25:263−269(1983) 2)Stiekema, W. H., C. F. Wimpee and E. M. Tobin:Nucleotide sequence encoding the precursor of the slnall subunit of ribulose 1,5−bisphosphate carboxylase from ゐθ甥πσ塑’∂勿 L.G.一3. Nucleic Acids Res.11:8051−8061(1983) 3)Messing, J。:New M 13 vectors for cloning. Methods Enzymol。101:20−78(1983) 4)村上(嘉納)ゆり子,寿松木章,間苧谷徹,松岡信,大橋祐子,田中喜之,山本直樹,小 関良宏:ニホンナシcDNAライブラリーの作成.園芸学会昭和62年度春季大会要旨集 106−107(1987) 5)村上(嘉納)ゆり子,松岡信,大橋祐子,田中喜之,山本直樹,小関良宏:ニホンナシ LHCP及びRuBPC・SSuのcDNAクローンの単離と塩基配列の解析.植物生理学会昭和 62年度大会要旨集 280(1987) 6)Takeishi, K。 and O. Gotoh:Computer analysis of the sequence relationships among 4.5SRNA molecular species from various sources. J. Biochem.92:1177 (1982) 7)Mazur, B, J. arld C. F. Chur:Sequence of a genomic DNA clone for the small subunit of ribulose 1,5−bisphosphate carboxylase−oxygenase from tobacco. Nucleic Acids Res.13:2373−2386(1985) 8)Broglie, R., G. Coruzzi, G. Lamppa, B. Keith and N. H. Chua:Structure ana王ysis of nuclear genes coding for the precursor to the small subunit of wheat ribulose −1,5− bisphosphate carboxylase. Bio/Technology 1:55−61(1983) 9)Smeekens, S., J.Van Oosten, M.De Groot and P. Weisbeek:Silence cDNA clones for a divergent chlorophyll−a/b−binding protein and a small subunit of ribulose− biphosphate carboxylase. Plant Mol. 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Nucleic Acids Res,15:6302(1987) 一103一 Isolation and Nucleot{de Sequence of cDNA Clones for a Chloγ℃phy11−a/b−Bind曙ng Protein and a Small Subunlt .of Ribuloseb嘩sphosphate Carboxylase from Japanese Pea¥・ (P〃ユρ㍑s 8θro古ゼηα var。 Chojuro) オ ま ぬ ま YurikO MURAKA贋工 , Keiichi TANAKA , Akira SUZUK工 , 田ouru MAOTAN工 (Fruit Tree Research Station, MAFF) Summary cDHA clones for a small subunit二〇f ribulose−1,5−bi忌診hosphate carboxylase (RuBisCO SSU) and a chlorophyll−a/b−bindirlq protein り (LHCP) of Japanese pear (Pンr㍑8 8θγり渉zηα ▽ar。 Chojuro) were isolated and arla]一yzed。 These cDNA clones contain the codinq informa七ion for the complete peptides。 The precursor parts of pC虹oSSU 5188 0f RuBisCO SSU clone is not homologous tO other puk)lished precursor sequences。 In the mature part sOme non・一conservati▽e changesa士e obse「ved・:田he pChoLHCP 5144 c!one gf LHCP dキff・「s f「om,卑ost pubr lished LHCP seqUences.in both the transit peptide part and the amino t二erminal part of t二he mature protein。 On the other hand the pChoLHCP 3094 clone of LHCP is homoloqous to other published LHCP sequences・ 一104一 6.集光性クロロフィル蛋白質遺伝子の発 現様式とマツ類に特異的な暗所発現 山本 直樹・ まえがき 一般に集光性クロロフィル蛋白(Light Harvesting Chlorophyll a/b bingding Protein を略してLHCPと呼ぶ)の遺伝子は,明所でだけ,即ち,光刺激により遺伝子の発現が誘導され る。光合成系に関連する遺伝子の発現は,核遺伝子の支配下にあるLHCP遺伝子やリブロースニリ ン酸カルボキシラーゼ小サブユニット(Rubisco ssu)の遺伝子をはじあ,葉緑体DNAにコー ドされている32KDチラコイド膜蛋白やブロースニリン酸カルボキシラーゼ大サブユニット(Rubisco LSU)各々の遺伝子もこのような光の発現調節を受けている15)(表1)。また,これらの光 の発現調節にはフィトクロームが関与している15)。一方,フィトクロームの遺伝子それ自身が 負の光制御を受けている15)。このような一連の遺伝子群に対してPhotogeneの名が与えられ, 私達は光発現遺伝子と訳してみた。 しかしながら,この光発現遺伝子という概念が裸子植物にも適用できるであろうか? 光発現遺伝 子の概念は被子植物の研究の成果であることのほかに,マッの芽生えは暗所条件下で発芽させた場 表1 光合成系の遺伝子の発現様式 Table. I IGene ExpressiQn of PhotQsynthtic Genes in Higher Plants Angiosperm 15) Gymnospem 16) Gene Nuclear (Dark/L ight) (Dark/L ight) DNA oσ∂ Light Harvesting Chlorophyil OFF/ON ON/ON a/b Protein(LHCP) 7うoS: Ribulose Bisphosphate Carboxyl− OFF/ON ase Small Subunit(Rubisco ON/ON SSU) Chloroplast DNA 7ウoL:Ribuloge Bisphosphate Carboxy1− OFF/ON ON/ON ase Small Subunit (Rubisco LSU) ρ3∂A:32kD Thylakoid Membrane OFF/ON Protein(32kD Protein) * 森林総合研究所・生物機能開発部 一一 P05一一 ON/ON 合にも,黄化はみられず淡いながらも緑色を呈しているというマツ類に特微的な現象があるからで ある。このマツ類の外部形態的な特徴は,光発現遺伝子の概念がマツ類にはあてはまらないことを 示唆している。この可能性を検討してきた結果,マツの芽生えではLHCP遺伝子は暗所ででも明 所と同様に発現していることを明らかにすることができた。 材料と方法 マツ芽生え クロマツの種子をバーミキュライト上で14時間明(約30klux)/25℃一10時間暗/20 ℃の条件下で約2週間生育させた。実験にはこのような芽生えの子葉を用いた。 cDNAライブラリーの作製及びLHCP cDNAクローンの単離 クロマツの明所芽生えより全mRNA(poly(A}RNA)を抽出し,シヨ糖密度勾配遠心により LHCのmRNAを含む分画を得て,部分濃縮した。このようなInRNAから逆転写酵素により cDNAを合成した3)。このcDNAをホモポリマー法によりpUC8ベクターにつなぎ,大腸菌(E. coil JM83)に形質転換し・cDNAライブラリーを作製した。 LHCP cDNAクローンpLg AB19(14)をプローブとしてコロニー・ハイブリダイゼーションを実施した。 塩基配列の決定 Sangerによって開発されたDideoxy chain terrnination法2)により,MessingらP)による M13ファージベクターをもちいて,、塩基配列を決定した。 実験結果及び考察 LHCP cDNAクロンの単離と同定 暗所条件下で育てたマツ芽生えのmRNA(poly(A)RNA)から作成したcDNAライブラリー から,pLgAB19と相補性を示すcDNAクローンを多数単離することに成功した。これらのクロ ーンのうち,LHCP mRNAの全学長をカバーしうるインサートを持つと考えられるクローンに ついて塩基配列を決定し解析をおこなったところ,pPDLHC2176,及びpPDLHC3117の2 つのクローンは,クロマツのLHCP cDNAクローンであると結論した(図2)。 マツに特異的な暗所発現 暗所芽生えのmRNAから作成したcDNAライブラリーにLHCP c DNAクローンが存在したこ と自体が,暗所でLHCP遺伝子が発現していることを示しているが,正確に言えばmRNAの存在 を示すに過ぎない。そこで,単離したcNNAクローンをプローブとしてノーザンプロットハイブリ ダイゼーションを実施しクロマツの発芽過程におけるLHCP mRNAの消長を調べたところ,同遺 伝子が暗所においても明所と同様に発現していることを確かめることができた(図1)。即ち,乾 燥種子や発芽初期の吸水種子には同遺伝子のmRNAは認められないが,暗所芽生えには多量のmRNA が検出できた。量的には明所芽生えと同程度と見積られる。以上のことは,マツのLHCP遺伝子 は暗所,明所を問わず発現していることを示している。いままで被子植物のLHCP遺伝子の発現 は光の正の制御を受けると考えられてきたことと対比させると,マツのLHCP遺伝子の発現を極 めて特徴的なものと言わざるを得ない。 LHcP遺伝子と同様RubiscQ SSu遺伝子も光発現遺伝子として解析が進んでいる。タバコの Rubisco SSU遺伝子の場合では,転写開始点の上流一50幽一330塩基対(bp)のプロモター 領域に光感受性の機構が秘められているらしい2)。被子植物のLHCP遺伝子の発現調節は,光に より転写レベルで制御されている。しかし,マッのLHCP遺伝子の転写は,発芽後期から明暗の 一106一 図1. マツの集光性クロロフィル蛋白遺伝子の暗所芽 生えにおける発現。クロマツの乾燥種子(1),暗所 吸水種子②,明所吸水種子(3),暗所芽生え(4), ’明所芽生え(5),それぞれからmRNAを抽出, 次いで集光性クロロフィル蛋白のcDNAクロー ンをプローブに用いてノーザン・プロッティン グを実施。従来,暗所セは発現しないと考えら れていたが、マツでは暗所でも発現していた。 Fig 1. Expression of gene encoding light harvesting chlorophyIl a/b binding protein in both dark and Iight conditions in pine seedings, LHCP mRNA was detec_ ted by Northern blot hybridization with 32P−labelled I、HCP cDNA(pPDLHC 2176). Poly(A)一RNA(s)were prepared from dry seeds(1), dark−imbibed seeds(2),1ight− imbibed seeds(3), dark−grown seedlings(4) and light−grown seedhngs(5). 条件にかかわらず開始することを明らかにしてきた。このような被子植物一般とマツ類それぞれに おける遺伝子の発現様式の違い(表1)は,各々の遺伝子のプロモーター領域の違いによるものと 6) 推察できる。最近,著者らはマッLHCPの核遺伝子をクローニング したので,暗所発現を担う プロモーター領域の解析を開始している。 LHCP cDNAの塩基配列からの解析結果 塩基配列を決定したので,既知のデータとも併せて解析を試みた。塩基配列からとりうるアミノ 酸配列に翻訳したところ,PPDLHC 2176及びpPDLHC3117両クローンは,5’端に各々に51,39 ヌクレオチド,3’ [に各々126,114ヌクレオチドの非翻訳領域を有しており,全鎖長におよぶc DNAを含むことが明らかとなった。 pPDLHC2176クローンの3’端の非翻訳領域には,AATAAA のポリAシグナルのコンセンサス配列が見いだされたが,pPDLHC3117クローンには見られなか った。予想される全駆体ポリペプチドは約28.5kD,29,0kDであり,翻訳後37アミノ酸残基, 40アミノ酸残基のトランジット・ペプチドが切断されて約25.OkDの成熟型のペプチドが生成され るものと推察される。 ペチュニア(1},、4γ砺40ρ3ゴ3(8),3〃θηθ(13),トマト(10,11)(双子葉植物),ウキクサ{4>, コム判7}(単子葉植物)の集光性クロロフィル蛋白質遺伝子に関する既存のデータも既に報告され ている。一方,光化学系HのLHCPの遺伝子は多重遺伝子族であり,少なくとも互いに異なる2 種類の遺伝子群(タイプ1およびタイプ11)の存在が知られている。マツの2cDNAクローンの塩 基配列の結果(図1)を他の植物種のLHCPに関するデータと比較検討したところ,興味ある知見 が得られた。LHCPの成熟タンパク部分ではアミノ末端の一部を除いて互いに類似した保守的な一 次構造を有していることがわかった(図3)。一方,保守的な成熟タンパク部分とは対照的にトラン ジットペプチド部分では,種を越えた高いホモロジー,あるいは各遺伝子野間の高いホモロジーは 見られなかった。 一107一 CGCATTACC ΨGACΨTTGGT CTGAGCATTT TTCをCGTCGT CACGTTCACCg ATGりGCA.ACA電GC7.TCみ.GCC.義TC。CλA.AGC.田CA.AGC.『TG.GCA.GGC.CRG。ACC。CTC。CTA.AGG.CCG◎ MeピーA]La−Thr_Ala−Ser−Ala−1工e−Gln−Ser−Ser−Ser−Leu−Ala−Gly−Gln−Thr−Leu−Leu−Arg−Pro− CAG.CAG.AAT。GAG.CTC.GTC.AAG.AAA。GTG.GGC。ACG.GCG.CAG。GCT。CGA g ATC.ACCgATG.CG△.AGA. G]Ln−Gln−Asn−Glu−Leu−Val−1」ys−Lys−Va1−Gly−Thr−Ala−Gln−Ala一λrg−11e−Thr−Met:一Arg−Arg朝 ACC.GTA.AGG.λGC.GCC.CCC.GAG.AGC.AT7.TGG。TAT.GGA.CCT。GAC.CGC。CCC。AAG.TAC.CTA.GGC. Thr−yal−Arg−Ser−Ala−Pro−Glu−Se1=一工le−Trp−Tyr−Gly−ProrAsp一Arg−Pro−Lys一?yr−Leu−Gly− CCC.丁聖C.TCG.GAA.GGG.ACG.CCG.TCA。TAT.CTC.ACC.GGA.G麟,TTτ。CCC.GGC.GAC.TAC.GGG.TGG. Pro−Phe−Ser−GlローGly−Thr−Pro−Ser−Tyr−Leu−Thr−Gly−G瓦u−Phe−Pro−Gly−Asp−Tyr−Gly−Trp− GAC.ACT。GCC.GCC.GTC.TCG。GCG.GA唾㌔CCA.GAG。ACC.TTC曹GCA.AAA.AAC.AGA.GAG.C田G。GAG.GTG。 Asp−Thr−Ala−Ala−Val−Ser−Ala−Asp−Pro−Glu−Thr−Phe−A上a−Lys−Asn−Arg−Glu−Leu−Glu−Val− ATC.CAC.TGC.AGA.TGG。GCC。ATG.TTG.GGA.GCG。CTC.GGC.TGC.GTT.TTC.CCGrGAG.CTG.田TG。GCC。 工1e−His−Cys−Arg−Trp−Ala一ト1et−1、eu−Gly−Ala−Leu−GIY−Cys−VaユーPhe−Pro−G工u−Leu−Leu−Ala− AA八.AAT.GGG.丁曽G.AAA.TTT。GGG.GAA.GCT.GTG.TGG.TTC。AAG.GCC.GGG.GCG。CAG r ATA.TTCgTCA。 Lys−Asn−G上y−Leu−Lys−Phe−Gly−Glu−Ala−Va1−Trp−Phe−Lys−Ala−Gly−Ala−G⊥n−11e−PherSer− GAG.GGA,GG(】.CTT.GAC.. TAC.GCT。GGG.AAC.CCC.AAC。CTG.ATC.CAC.GCG。CAG.AGC謄ATT。CTA.GCC.. Glu−Gly−Gly−Leu−Asp−Tyr−Ala−Gly−Asn−Pro−Asn−Leu一工le−His−Ala臼Gln−Ser−11e−Leu−Aユa− A田C曾TGG.GCC.TGC.CAG.GTT。GTT.CTCgA田G。GGA.TτG.ATT.GAA.GG∼㌧.TAC.AGA。GTG.GGA。GGA.GGG。 《r9.』Va馬丁Gly−GエY−Gly− エle−T「p−Ala−Cys−Gln雪Va1’Va1需Leu“Met”Gly暫しeu’エ1e−Glu−Gエy・Ty「 ACC。C囎。GGA.GAG.GGG.TTG.GAC.CCT.CTG.TTA.CCA.GGG.GGT.GCC。田TC.6¢AC.CCA.CTG.GGG.CTG. Thτ一Leu−GIY−Glu−Gly−Leu−A5p−Pro−Leu−Leu−Pro騨Gly−Gly−Ala」Phe−Asp−Pro−Leu−GIY−Leu− GCC.GAC。GAC.CCC.GAG.GCC.TGC.GCG.GAG.CTG.AAG.GTG.AAA.GAG.ATΨ乙AAG.AAC.GG田.CGG.C7G. A工a−Asp−Asp−Pro−Glu−Ala−Cys−Ala−Gユu−Leu−Lys−VaユーLys−G↓u一工ユ.¢一Lys−Asn−Gly葡Arg葡Leu傅 GCC,ATG曹TTC.TCC.ATG謄TTC.GGT。TTC.TTC4Gτ?.CAG.GCA.ATC.GTG.λeC.GGG.AAG.GGC.CCC畳ATT. Ala一州eヒーPhe−Ser−Me七一Phe−G工y−Phe−Phe−Va1−Gln−Ala一工ユe−Val一口hr−Gly−Lys−Gly−Pro−11e國 辱 GAA。AAT.CTC.TAC.GAC。CAC.丁田G.GCG。GAC.CCC.GTT.GCC.AAC。AAT.GCC.TGG冒GCC.TAC。GCC。ACC. Glu一汽sn」Leu−Tyr−Asp−H雄一Leu−A1己一Asp−PrQ−Va1−Ala−Asn−Asn−Ala−Trp一乱a噌Yr−Aユa−Thr− AAT。TTCbGTT.CCT。GGC謄AAG.?GA. Asn−Phe−Val−Pro−Gly−Lys一★★☆ AGGτGみCGGみ=A触丁轡AGA GGCρ田GTGAT CTGTGCATCA ATCA町GACλGCCTTAGTG TTAATAAAAT ATGTTCTTTC AGC田GGATGT ATTTGT7GGT GATCTTCGT哩 AA響AAAATA7 TTTCTT AGCTAACTA TCTCTGTTTG TGCGGCCTAC TGCTGCAACA. ATG.GCA.AGC.TGC.GGA.TCG.GGT.CGT.TGC.GCT.TTC.GCT.GGC.GGA.CAG.ATA.TCA.TCG.CTG。AAG曹 Met−Ala−Ser−Cys−G工y−Ser−Gly−Arg−Cys−Ala−Phe−Ala−Gly−Gly−G]Ln−11e−Ser−Ser−Leu−Lys− CCT.CAC.ACC.AAC.CAG.C7G.CTG.GGA.GTC.GGC.GCC.GGG.GTT.CAT.GGC.GAG,GCG.CGA.G7G.ACG. Pro−His−Thr−Asn−Gln−Leu−1」eu−Gly−Va1−Gly一λla−Gly−Va上一His−Gly−Glu−Ala−Arg−Va↓一Thr− ATG.AGG.AAG.GCG.ACC.ACC.AAA.AAA.GTG。TCA。GCT.TCA.GCG.AGC.ACA.TCG.CCA.TGG。ΨA㌍,GGG. 図eし一Arg−1」ys−A工a−Thr−Thr−Lys−Lys−Va1−Ser−」㌧la−Ser−Ala−Ser−Thr−Ser−Pro−Trp−Tyr−Gly− CCG.GAC.CGG.GTT.CTC.TAC.胆TG.GGG.CCG.TTT.TCC.GGC.GAG.CCG.CCArTCCっTAC.曽TG.ACC.GGT. Pro−Asp−Arg−Va上一Leu−Tyr−Leu−Gly−Pro−Phe−Ser−Gly−Glu−Pro−Pro−Ser−Tyr−1」eu一田hr−Gly− GAG.TTC.CCC.GGT.GハC.7AC。GGG、TGG虚GACgACG.GCG.GGG.CTT.TCG.GCA.GA田。CCA.GAG.ACT.TTT. Glu−Phe−Pro−G工y−Asp−Tyr−Gly−Trp−Asp−Thr−A上a−Gly−1.eu−Ser−A瓦a−Asp−Pro−Glu−Thr−Phe− GCG.AAG.AAC.AGA.GAG.CTG.GAA.GTG.ATC.CAC.TGC.CGG.TGG.GCA。ATG。CTG.GGC。GCT.CTG.GGT. Ala−Lys−Asn−Arg−Glu−Leu−Glu−Va上一1ユe−Hi5−Cy5−Arg−Trp一A]La−Met−Leu−Gly−Ala−1」eu−Gly− TGC.GTT.TTC.CCG.GAG.CTT.CTG.GCG.AGA.AAT。GGA.GTA畳AAG.TTC.GGG.G八G.GCC。GTG.TGG.TTC◎.. Cys−Va1−Phe−Pro−Glu−Leu−Leu−Ala−Arg−Asn−Gユy−Va1−Lys−Phe−Gly−G工u−Ala−Va]L−Trp−Phe− AAG.GCC.GGA.GCT.CAG。A?T.TTC.AGC.GAG.GGA.GGG.C田丁。GAC.TAC。CTG。GGA.AAC.CCT.AGC。管TGg Lys−Ala−Gly−Ala−Gln−ne−Phe−Ser−Glu−Gly−Gly−Leu−Asp−Tyr−Leu−Gly−Asn−Pro−Ser−Leu− GTT.CAC.GCG。CAG.AGC.ATT.CTT.GCA,ATC.TGG.GCA6日目C.CAG.GTT.ATC.CTC.A田G.GGC。GCC.GTG. Va工一His−Ala−Gln−Ser一工le−Leu−Ala−11e−Trp−Ala−Cys−Gln−Va1−lle−Leu一凹eヒーGly−Ala−Val− GAG.GGA.TAC.CGT.ATT.GCG.GGC。GGT.CCT,CTG.GGA。GAG。GTG.ACC.GAC.CCC.ATC.TAC.CCC.GGG畳 Glu−Gly−Tyr−Arg一工le−A工a−G工Y−Gly−Pro−Leu−Gly−Glu−Va1−Thr−Asp−Pro一工1e−Tyr−Pro−Gユy− GGC.AGC.丁田C.GAC.CCG.CTG。GGA.CTT.GCG.GAC.GAC。CCT。GAC。GCT.TTC.GCG.GAG.CTG.AAG.GTG。 Gly−Ser−Phe−Asp−Pro−1、e壁一G工y−Leu−Ala−Asp−Asp−Pro−Asp−Al己一Phe−Ala−G]」u−Leu−LYs−Va1− AAG。GAG.ATC.AAG.AAC.GGG.CGG.TTG.GCC.ATG.TTT.TCC.ATG.TTC。GGA.TTC。T①C.GTG.CAG.GCC。 Lys−Glu一工le−Lys−Asn−Gly−Arq−Leu−Ala一越et−Phe−Ser−MeヒーPhe−Gly−Phe−Phe−Va工一Gln−Ala鵯 ATT.GTC.ACC.GGG。AAA.GGA.CCC.ATC.GAG.AAC.CTC.ACT.GA¶『.CAC.CTG.GCq}.GAC。CCC.GTT.AAC. 工1e−Va]」一Thr−Gly−Lys−Gly−Pro一工le−Glu−Asn−Leu−Thr−Asp−His−Leu−Ala−Asp−Pro−Va工一Asn噌 AAC.A《C.GCC.TGG.GCC冒TAC。GCC。ACC。AAC。TTC.GTC。CCC。GGC.AAA.TGA. Asn−Asn−Ala−Trp−Ala−Tyr−A]」a−Thr−Asn−Phe−VaユーPro−Gユy−LY5一★★★ AATCCGCCAC TAGCACAAGT ATGATGCTCT GTGATCATCT TTTGAGCCGG CCGGGGGCCG GGCCTGGCTT ATTTCTTGTC TATTCTGTTT GTCCTTCCTC TGTTTTAATG CAACGAATAT TTCAGATCCT τGTTAAAAAA 図2. マツ集光性クロロフィ ル蛋白のcDNA(pPDLHC2176とPPDLHC3i17) の全塩基配列の決定, および塩基配列から推定される前駆体ポリペプチド の一次構造。 トランジット・ペプチ ドが切断されて, 成熟型の蛋白 図中に示した矢印で 。ポリAシグナルには, が生成される Fig2・ 下線を付けた。 Nucleotide sequences and deduced amirlo acid sequences of pPDLHC2176(A) and pPDLHC3117 LHCP cDNA inserts of proposed (B).The arrows indicated the poly(二A) signal Uniderline indicated . 一108一 processlng slte。 TRANSlT PEPT艮DE pPDLHC3117 CAB−1B CAB−3C LGAB30 pPDLHC2176 CAB−4 CAB−5 LGAB19 MASCGSGRCAFAGGQ…SSLKPHTNQLLGVGAGVHGEARVT MAAATMALSSPSFAGQAVKLSPSAS一一一一一一E[SGNGRIT MATSTMALSSSTFAGKAVKLSPSSS一一一一一一EITGNGRVT MAA−SMALSSPSLVGKAVKLAPAAS一一一一一一EVFGEGRVS 阿ATAsAiQss sLAGQTLLRPQQNELvKK一一VGTAQARIT MAT−CAIQQS−AFVGQAVGKSQNEFIRKV一一GNFGEGR!T SFEGGRVT MAASAI一一一SSAFAGQALK−QRDELVRKVGS一一一一一GRFS 閏ATURE PROTEIN pPDLHC3117 阿RKATTKKVS ASASTSPWYG PDRVLYLGPF CAB−1B MRKAVAKr−S A−PSSSPWYG PDRVKYLGPF MRKTATKAKP AS−SGSPWYG PDRVKYLGPF CAB−3C LGAB30 MRKTAGKPKP VS−SGSPWYG PDRVKYLGPF 国RRTV一一一一一 RSAPESIWYG PDRPKYLGPF pPDLHC2ユ76 CAβ一4 阿RRTV一一一KS A−PQ−SI騨YG EDRPKYLGPF 凹RRTV一一一KS A−PQ−SIWYG EDRPKYLGPF CAB−5 LGAB19 MRRTV一一一KA VS−Q−SIWYG ADRPKFLGPF pPDLHC3117 CAB−1B CAB−3C LGAB30 pPDL}{C2176 CAB−4 CAB−5 LGAB19 AKNRELEVIH AKNRELEVIH AKNRELEVIH AKNRELEVIH AKNRELEVIH EFPGDYGWDT AGLSADPなTF EFPGDYGWDT AGLSADPETF EFPGDYGWDT AGLSADPETF .EFAGDYGWDT AGLSADPETF EFPGDYGWDT AAVSADPETF S£⑤TPSYLTG EFPGDYGWDT AGLSADPεTF SEQTPSYLTG EFPGDYG冒DT AGLSADPETF SEQTPSYLTG EFPGDYG輔)T AGLSADPETF SGEPPSYLTG SGESPSYLTG SGESPSYLTG SGEAPSYLTG SEGTPSYLTG KAGAQIFS8G KAGSQIFSEG KAGSQIFSEG KAGSQIFSEG KAGAQIFSEG KAGSQIFSEG KAGSQIFSEG KAGAQIFSEG GLDYLGNPSL GLDYLGNPSL GLDYLGNPSL GLDYLGNPSL GLPYAGNPNL GLDYLGNPNL GLDYLGNPNL GLDYLGNPNL GEVTDPIYPG GSFDPLGLAD GEVV韮)PLYPG GSFDPLGLAE GEVVDPLYPG GSFDPLGLAD GEVVDPLYPG GSFDPLGLAD GEGLDPLLPG GAFDPLGLAD GEGLDKIYPG GAFDPLGLAD GEGLDKIYPG GAFDPLGLAD GEGLDPLYPG GAFDPLGLAD DPDAFAELKV DPEAFAELKV DPEAFAELKV DPEAFAELKV CRWAMLGALG CVFPELLARN GVKFGEAVWF CRWAMLGALG CVFPELLARN GVKFGEAVWF CR膨AMLGALG CVFPELLARN GVKFGEAV脚F ARWAMLGALG CVFPELLARN GVKFGEAVWF CRWAMLGALG CVFPELLAKN GLKFGEAVWF ARNRELεVIH CRWA阿LGALG CVFPE!LSKN GVKFGEAVWF ARNRELEVIH CRWA岡LGALG CVFPEILSKN GVTFGEAVWF AKNRELEVIH SRWAMLGALG CIFPELLSKN GVQFGEAVWF CAB−4 CAB−5 LGAB王9 VHAQSILAIW IHAQS1LAI尉 VHAQSILA!W ACQVILMGAV EGYRIAGGPL ACQVVLMGAV EGYRIAGGPL ACQVVL図GAV EGYRIAGGPL ATQVVLMGAV EGYRVAGGPL ACQVVLMGLI EGYRVGGGTL ACQVVLMGFV .EGYRVGGGPL ASQVVLMGFV EGYRVGGGPL ATQVVLMGLI EGYRVGGGPL pPDLHC3117 KEIKNGRLA卜彊 FSMFGFFVQA IVTGKGPIEN LTDHLADPVN NNAWAYATNF VPGK KEIKNGRLAM FS卜{FGFFVQA pPDL}{C3117 CAB−1B CAB−3C LGAB30 pPDLHC2176 CAB−1B CAB−3C LGAB30 pPDLHC2176 CAB−4 CAB−5 LGAB19 図3. VHAQSILAIW VHAQSILAIW VHAQSILAIW VHAQSILAIW IHAQSILAI回 DPεACAELKV DPEAドAELKV DPEAFAELKV DPEAFAELKV KεIKNGRLAM FSMFGFFVQA IVTGKGPLEN LADHLADPVN NNAWAFATNF VPGK KEIKNGRLAM FSMFGFFVQA IVTGKGPLEN LADHLADPVN NNAWAFATNF VPGK K絃IKNGRLAM FSMFGFFVQA IVTGKGPLEN LADHLADPVN NNAWAFATNF. VPGK IVTGKGPIEN LYDHLADPVA NNAWAYATNF VPGK K露IKNGRLAM FSMFGFFVQA [VTGKGP夏EN LSDHINDPVA NNAWAYATNF VPGK KEIKNGRLA阿 FSMFG戸FVQA IVTGKGPIEN LSDHIADPVA NNA輝. `YATNF VPGK KEIKNGRLAM FSMFGFFVQA IVTGKGPI.EN LSDHIADPVA NNAWAFATNF VPGK マツ集光性クロロフィルタンパク質のアミノ酸配列の比較 トマト(10,11)とゐθ襯σg励θ(4,5)各々の遺伝子クローン について得られた結果と比較した。 F.ig3・ Comparison of.. the amino acid sequence of the light harvesting chlorophyll a/b binding protein (LHCP). The predicted amino acid sequenced deduced from two pine LHCP cDNA clones of pPDLHC2176 and pPDLHC 3117 were compared wi th those encoded by tomato Cab−1B and Cab.一3C (10) and C ab−4 and C ab−5(11), and the ムθ初παg2’∂∂α genes LGAB30(5)and. LGAB 19(4). 両グループ間の最も主要な差異は,成熟蛋白のアミノ末側に特徴が認められ,グループ1にみら れる数アミノ酸残基がグループUでは欠失していることである。両タイプのLHCP遺伝子がクロー ン化されている植物種として,ウ.キクサ(ムθ〃zησ即’∂∂の(4,5)とトマト(11)をとりあげて,マツの2 cDNAクローンのデータと比較した(図3)。その結果,そのホモロジーからP.PDLHC3117はタイ.プ.1の pPDLHC2176はタイプ旺の遺伝子に相当するものと考えられた。この知見はLHCP遺伝子の.分 子進化に重要なデータを提供している。即ち,双子葉植物や単子葉植物に限らず裸子植物(マツ)に 一109一 も2グループのLHCP遺伝子が存在するという知見は,同遺伝子心の分岐は,裸子植物の発生以 前に起こったものと推側できる。 摘 要 暗所条件下で育てたマツ芽生えのmRNA(poly(A)RNA)から作製したcDNAライブラリーか ら,2つのLHCPクローンをプローブとしてノーザンプロットハイブリダイゼーションを実施しク ロマツの発芽過程におけるLHCP mRNAの消長を調べたところ,同遺伝子が暗所においても明所 と同様に発現していることを確かめることができた。量的には明所芽生えと同程度と見積られる。 マツのLHCP遺伝子は暗所,明所を問わず発現しており,被子植物における光の正の制御とは対照 的にマツのLHCP遺伝子の発現様式における特異性をしめすことができた。 光化学系EのLHCPの遺伝子は少なくとも互いに異なる2種類の遺伝子忌(タイプ1およびタ ゴ イプE)の存在が知られている。塩基配列を調べた結果,そのホモロジーからpPDLHC3117はタ イプ1の,pPDLHC2176はタイプ豆のLHCP遺伝子に相当するものと考えられる。 引用文献 1) Dunsmuir. P.(1985)The petunia ch重orophyll a/b binding protein genes:a comparison of Cσ∂genes from differentgene families, Nuc. Acid Res.13:2503 −2518. 2) Herrera−Estrella, L.etal.(1986)Light−inducible and chlorop聖ast−associated expression of a chimeric gene introduced into A励。〃σ紹 如∂σoπ魏using a Ti Plasmid. Nature 310:115−120・ 3) GobIer, U. and B. J.Hoffmann(1983)A simple and very efficient method for generating c DNA library. Gene 25:263−269 4) Karlin−Neumann, G. A. et al.(1985)A chlorophyllla/b−protein encoded by a gene co飢aining an intron with characteristics of transposable element J.Mol ApPl.Gerlet,3:45−61 5) Kohorn, B. D. et a1.(1986)Functional and mlltational analysis of the Hgh卜 harΨesting chlorophyll a/b protein ofしhyl’akoid membranes・J・Cell Biol.102: 972−981 6)小島克己・山本直樹。佐々木恵彦(1988)マツの集光性クロロフィル蛋白の核遺伝子(oσ∂) の単離と同定 第99回日本林学会大会 7)Lamppa,G. K.,G. Morelli, and N.LH. Chua(1985)Stucture and developmental regulation of a wheat gene encoding the major chlorophyll a/b−binding poly− peptide.Mo1.Cell.Biol.5:1370−1378 8) Leutwiler, L. S. et al.(1986)Structure and expression of three light− harvesting chlorophyll a/b−binding Protein genes in 〆17σ40ρεぎε ’翫z〃σησ.Nuc. Acid Res.14:4051−4064 9)Messing,」.and J. Vieria (1982)Anew pair of M13 vectors for selecting either DNA stand of double−digest restriction fragments.Gene 19:269−276 10)Pichersky, E.,et aL,(1985))Molecular characterization and genetic mapping of two cluste.rs of genes encoding chlorophyll a/b−binding Proteins ir1 一110一 Lycoヵθ7s疹ooπ θso%」θ漉π隅(tomato).Gene 40:247:258 11) Pichersky, E. et al.(1987)The tomato Cab−4 and Cab−5 genes endode a second type of CAB polypeptides localized in photosystem江. Plant Mol.Biol. 9:109−120 12) Sarlger, F.(1981)DNA sequencing and gene structure. SCience 214:1205− 1210 13) Smeekens, S. et al.(1986).3〃θπ6 cDNA clones for a divergent chlorophy11− a/b−binding protein and a small subuロit of ribulose bisphosphate carboxyl− ase, Plant Mol.Biol.7:433−440 14) Stiekma,W. J. et al.(1983)Phytochrome control of the expression of two nuclear genes encoding chloroplast proteins in乙θ窺παg3’δδαL。 G−3. Rant Physiol.72:717−724 15) Tobin, E. M. and J. Silverthorne(1985)Light reguIation of gene expression irl higher plants.Ann. Rev, Plant Physiol.36:569 16)山本直樹ら(1987. jマッRuBisco小サブユニット遺伝子とLHcP遺伝子のcDNAクローン の単離,同定及び明暗両条件下における発現,日本植物生理学会1987年度年会 一111一 Expresslon of Light Harvesting.Chlorophyll a/b Bindlng Protein in both Ljght and Da¥’k Conditions in Pine Seedling Naoki YAMAMαro Forestry and Forest Products Research 工nst■tute Summa ry エnthe Anqi・・pe・mae’.liqht ha・been・h。wn tQ induce the臼xp・es− sion Of a so−called photoqene such as oαわ encoding light harvestinq chlorophy13. a/b bindinq protein.(LHCp) of PS工工。 Pine seedlings are not etiolated even if seeds are qerminat二ed in the dark, but their cotyledons are qreen。 To examine t二he expression of oαわ qene of pine in dark−qrown seedlinqs, we have isolated and sequenced two cDNA clones (pPDLHC2176 and pPD工・HC3117) encoding the liqht har▽est− inq chlorophyll a/b bindinq protein of Pゼη㍑s 診勉πηわθrg客ゼ。 Expression of oαわwas confirmed in both dark and :Light conditions in pine seedling by Northern blot hybridizat二ion。 Two type of oαわ, designated 田ype 工 and Type I工, have been identified in Anqiospermae (tomato and dickweed). Nucleotide sequence comparisons demonstrat二e the presence of both Type I and Type 工工 in pine qenome。 It was $uqqe.sted that oαZ)di▽erqed two types before the diverqence of Gy㎜ospermae and Angiospermae。 一112一 7.C・植物の葉緑体遺伝情報の解析 加藤 明* 葉緑体は植物細胞の核とは性質の異なる独自の遺伝情報系を備えたオルガネラである。高等植物 の葉緑体DNAは約150kbpの長さの環状分子で,葉緑体リボソームRNAおよび葉緑体tRNAの 全遺伝子とリボソームタンパク質,チラコイド膜タンパク質およびリブロースビスリン酸カルボキシ 3,8) ラーゼ・オキシゲナーゼ(Rubisco)大サブユニットの遺伝子をコードしている 。現在までにタ バコとゼニゴケ葉緑体DNAの全塩基配列が決定されており,タンパク質の遺伝子として,リボソ ームタンパク質20種,チラコイド膜タンパク質21種,その他12種の遺伝子の存在が報告されてい 3,8) る 。 タバコとゼニゴケ葉緑体DNAの遺伝子組成はよく似ており,高等植物間では葉緑体DNAは同 じ遺伝子をコードしているものと考えられる。C4植物では維管束鞘細胞と葉肉細胞の葉緑体に分化 がみられ,Rubiscoあるいは光化学系1およびHの遺伝子発現は異なるが,このちがいは,葉緑体遺 伝情報によるのだろうか,それとも核遺伝子のちがいによるだろうか。この研究はC3およびC4植物 の葉力体遺伝子の構造と遺伝子発現を明らかにして遺伝子発現の調節機構を解明する目的で開始し た。 研究材料と方法 1)葉力体DNAの単離・精製 タバコあるいはトウモロコシの幼葉30∼609に4倍量の0.35Mショ糖,501nMトリス。HCIbH 8,5mM』EDTA,5mMメルカプト副司ノールを含む溶液を加えジューサーで3秒ズ4回,0℃ でホモゲナイズし,2層のミラクロスでろ過した液を2500r㎜・’5分間遠心し,ペレットをホモゲ ナイズ溶液に懸濁して15−60%ショ糖,20mM EDTAの密度勾配にのせ,27,000rpm。60分問遠 心して(日立RPS27−2)葉緑体を含む分画を採取した。葉緑体懸濁液に2%サルコシル,200mM NaCl液を等量加えて葉緑体を溶液し,1雇当り0.69の塩化セシウムと0.046雇の10㎎/雇臭化 エチジウムを加え,これを4.5M塩化セシウム・TE溶液に重層して58000rpm・3hr遠心した (日立65Tiローター)。得られたDNAバンドを4.5M cscl。TEに混合し,5認重直ロータ ーチューブに入れて80000rpm・5hr遠心してDNAを精製し, n一ブタノールで臭化エチジウム を除いたのち透析してCsCIを除き,エタノール沈澱としてDNAを回収した。 2)葉緑体DNA断片のクロー島ング 葉緑体DNAを制限酵素で部分的にあるいは完全に分解し,0.7−1%アガロースゲル電気泳動 で分離し,サイズによって分画したDNA断片をゲルから回収し,大腸菌プラスミドpBR322ある いは入ファージベクターEMBL 3をベクターとしてクローニングし, D N Aライブラリーを調整し た。 3)調口漏一,サザンハイブリダイゼーション ニッタトランスレーションは文献7)に従って行い,ポリヌクレオチドキナーゼによるRNA5’標 *農業生物資源研究所・分子育種部 一113一 識,ノーザンハイブリダイゼーション,マクサム・ギルバート法によるDNA塩基配列の決定はそ れぞれ1),7)の文献に従った。 4)RNAの抽出 トウモロコシあるいはタバコの幼生を液体窒素で凍結し,乳ばち乳棒で微細粉末としたのち,5 Mグアニジウムチオシアネート,10mMクェン酸ナトリウム,0.1%サルコシル,0.1Mメルカプ トエタノール,0.1%アンチフォームを含む溶液に溶解・懸濁し,6M塩化セシウム溶液に重層し て25000rpm・16hr遠心し(日立RPS27−2), RNAペレットを8M塩酸グアニジンに溶解した のちエタノール沈澱としてRNAを回収した。簡便な方法としては,植物組織を上述のグアニジゥ ムチオシアネート溶液にてホモゲナイズし(ガラスホモゲナイザー使用),フェノール・クロロホル ム(1:1)液をよく混合したのち水層に1M酢酸を1/10容量,エタノール0、6容量加えてRNA を沈澱させて回収した。 結 果 1)粘力体豊RNA遺伝子の構造 以下の研究はC3植物であるタバコを材料にして行なった。 C4植物であるトウモロコシについても いくつかのtRNA遺伝子の構造が決定されているが, tRNA遺伝子およびその発現に関するC3。 C4の差異は見出されていない。 タバコ葉緑体DNAのSalI分解断片を含むプラスミドDNAからEcoRI部分分解により8.5 kbp領域を含む断片をクローニングした。この断片はEcoRI断片として0.6,1.4,1.8,1.7, 0.7,0.2,0.3,0.75kbpの各断片をこの順に含み,タバコ葉緑体より 出した45RNAは, 1.4,1,8および0,75kbp断片とハィブリダイズした。断片の物理地図と塩基配列の一部を決定 した結果,1.8kb断片は既に報告したD tRNAAsn遺伝子を含み,1.4kb断片は,45Sおよび5 S rRNA遺伝子を含むことがわかった。従って,ここでは1.4kbp断片と0.75 kbp断片のtRNA 遺伝子を含む部分の塩再配列を決定した。(図3)。 1.4kbpおよび0.75kbp断片の塩基配列から, t RNAの共通配列5’一GTTC−3’を目印に検索 し,クローバー靴型構造をとりうる塩基配列として0.75kb断片からはtRNALow(UAG),1.4kb 断片からはtRNAA「9(ACG)およびこの反対側のDNA鎖にtRNA A「9(ACG)様の塩基配列がみ つかった。tRNAA「9(ACG)はウキクサ(単子葉植物)の遺伝子と100%相同であり,tRNAL eu (UAG)はダイズ,ソラマメのtRNALeu(UAG)と96%,ホウレンソウのものと95%,ユ_グレ ナのtRNA Leu(UAG)とは59%のホ目同性がある. tRNβ「gの鵬の1)tRNAA「gの間は581bp Arg Leu の上流 の長さで,この領域はウキクサの塩基配列と81%相同である。tRNA およびtRNA には,葉緑体遺伝子のプロモーター配列(一35および一10領域)とみられる塩基配列は見出せなか った1) 2) トウモ陰コシ葉緑体遺伝子のク目一ニング トウモロコシ葉緑体DNAをBamH I, H{nd皿, S au 3AIで部分的にあるいは完全に分解し, アガロースゲル電気泳動で分離し,1》・10kbp断片はpBR322を,10∼20 kpb断片は入EMBL3 をベクターとしてクローニングし,DNAライブラリーとした。ホウレンソウ葉緑体psbB(47kg) 遺伝子およびタバコ葉緑体5’一12S, ndhF領域をプローブとしてサガンハイブリダイゼーション を行ったところ,これらのプローブはそれぞれ4.3kbpおよび3.1kbpのBanHI断片とハイブリ ダイズした。これらの断片を含むクローンをコロニーハイブリダイゼーション法によってスクリー ニングした。47kdタンパク質遺伝子とハイブリダイズするトウモロコシ葉緑体DNAについで は,その塩基配列の一部を決定した(図5)。トウモロコシとタバコを比較したところ,塩基配列は89% 一114一 しSC 后三 熱黒 ∼s 9 軽(乳 騒ρ32 8 ぶ ゑ \ ら儀 ε7 鯨 ン / 鯖 畢 8 ’ M 図1 タバコ葉緑体DNAのSal I断片地図 SI断片よりEcoRI部分分解断片pTCP67(8.5kbp)をサブク ローニングした。 Fig.1 The Sal I restriction map of tobacco chloroplast DNA. An EcoRI partial−diges七ion fragment pTCP67(8.5Kb)was subcloned from the SI fragment. 0 2 4 6 8 kbP O.65 1.7 1.8 1、4 0.7 0.20.3 0.75 1.0 EcoRI 23S 45S 5S Arg Asn ゆ や ウ Hi日dllI EcoRl Taql Hpall / 争 Ddel JSB ARS Leu I l l ウ \ /\ 一 Dde1 − Eco副 __一 Hin刊 一 Taql 一 一 ←一一一一吋 同 ←一一輔 ト面一や一一7 ト噌 一1 一 ←一一一4 一う 一 ←刺 図2 pTCP67断片のEcoRI切断点地図およびDNA塩基配列決定の方法 下段矢印線は塩基配列決定の起点と方向及び終点を示す。 Fig2 The EcoRI restriction map of PTCP67 and the strategy of the sequencing.The arrows at the bottom show the start points,direction and extent of sequencing. 一115一 コ コ ロ コ ロ コ の ロ ロ TCCCTTCTCTCCCACTTCACACC,CGGAACGCACCCTTCTTATAGAGATAAACGCGCCTTCACATCTTCTTAACCCGAAATGGCTGGGGAGAGGAAAGGT − AGGGAAGAGAGGGTGAAGTGTGGAGCCTTGCGTGGGAAGAATATCTCTATTTGCGCGGAAGTGTAGξ㌧AGAATTGGGCTTTACCGACCCCTC?CCTTTCCA フoo 瞬0陥, 雷NAA「g 卜1GPVAQRIRARGYEgRCR ■ , り , 響 ● ● 噸 噸 GGCCTGTAGCTCAGAGGATTAGAGCACGTGGCTACGAACCACGGTGTCGG TCCTT?TT7TG森GGGTACTCCCGGGAACAGATCCAGTGGAGACGG T AGGAAAAAAACTCCCATGAGG(;CCCTTGTCTAGGTCACCTCTGCCCCACCCCGGACATCGAGTCTCC TCをCGTGCACCGATGCTTGGTGCCACAGCC G F E S L L A 800 瞬ORF38 HNRPKREVPFPLGVGKS 凹工GIANQKLW ロ ロ コ ワ サ GGGTT GAATCCCTCCTCGCCC AACCGGCCCAAAAGGGAAGTA(=CTTTCCCTCTGGGGGTAGGAAAATC匡團℃GGGATAGCGAACCAAAAGCTATG CCCAAGCTTAGGGAGGAGCGGGTGT田GGCCGGGτTTTCCC7TCATGGAA GGAGACCCCCATCCTTTTAG?ACTAGCCC,ATCGCΨTGG7TTTCGATAC 900 tR認rg司ik・撒 NLGVGLLSKWNGFSFSLF工YREWGNHYT コ リ ロ ロ ロ ロ ワ G岨CTTGGG・GTGGGTC・丁質GTCG嵐TGG袖TGGCTTTTCTT・τTCTCワ・・TTATTTA・CGTGAA・GGGGG韻・CATTACAC聖・CGGTCA・・。・ CTTGAACCCACACCCAGAAAACAGCTTTACCTTACCGAAAAGAAAAAGAGAAAAATAAATAGCACTTACCCCC7TAGTAATGTGTATCATACGGGCCAGT b O ■ ■ ● , ● , ● ● . TAAGACTCTAAACTCAAATCfAAAATAAfGAACCTTCAACTTCAAATTCCTATTTGAみCAACTTTTTATTGTTATTGATCCATTTGAATCATTACTAAAC 100 AT?CTGAGATTTGAGTτTAGATTTTAT7ACTTGGAAGTTGAAGT緊}TAAGGATA義ACTTG?TGAAAAA7AACAAでAAC㍗AGGTAAACTτAG7A瓦TGATTTG 噂ORF35 t職NALeu MSSRQAAMVKLVDTLLLG 7 ・ ● 噛 ● ● .........o , . 9 TAAAATAGCTTCC?CAATCTCGACGATTGCTTATTCATAGGCTAT⑬GTTCAAGACA CCGCTATGGTGAAATTGGTAGACACGC7GCTCT哩AGGA ATTTTATCGAAGGAGTTAGAGCTGCTAACGAATAAGTATCCGATAATACTCAAGTTCTGTCCGGCGATACCACTTTAACCATCTGTGCGACGAGAATCCT S S A N A S 200 R F E S E 膵 R H T V F 「 AGCAGTGCTAATGCATCTCGGTTCGAGTCCGAGTGGC ロ ロ ロ ワ C ACCG7CTTC歴墾へAAGGATAAATAGATC?TATAATG TCGT(=ACGATTACGTAGAGCCAAGCTCAGGCTCACCGCCGTATGGCAGAAGATTTTTCCTATTTATCTAGAATATTAC 図3 tRNAAfg(ACG)およびtRN幽u(UAG)船むタバ。葉緑体 DNA断片の塩基配列 Fig3 The EcoRI.sequences of tobacco chloroplast DNA f・agm・nts c・・t・i・i。g tRN♂「g(ACG)。nd tRRNLeu (UAG)gene sequences. 図4 トウモロコシ葉緑体DNAのBamHI(左)および Hind皿(右)分解産物のα8%アガロースゲル 電気泳.動。 Fig4 Agarose gel electrophoresis of maize chlo ropIast DNA digestedwith BamHI (left)and Hirld皿(right) 一116一 0 BamHI PSII4フKd 51鞠rp512 図5 Hind RI BamHI Hind RI ndhF 4 3 2 1 5Kbp RI BamH工 RI βa皿HI RI Bamli工 Hind βa皿HI トウモロコシ葉緑体遺伝子PS豆47 kd, ndh F,5’一rps 12を加え DNA断片の制限酵素切断点地図。3つのクローンは,タバコ葉 緑体遺伝子をプローブとしてスクリーニングした。 Fig5 The restiction site maps of maize chloroplast DNA fragments. containing gene sequences of PSH47kd, ndhF, and 5ノーrPs 12 15190 15200 15210 15220 15230 15240 TGGAGTATCACAGGGGGGACTGTAACGAATCCGGGTATTTGGAGTTACGAAGGTGTAGCT Tobacco ホ琳***承率* ***庫 *啄 *****串**率由*啄****4**疹***率寧ホ*寧* **曲率*琢*雰 ** TGGAGTATTTCAGGAGGAACTGTAACGAATCCGGGTATTTGGAGTTATGAAGGTGTGGCA 凹alze 11 21 31 41 51 61 15250 15260 15270 ユ5280 15290 15300 GGAGCACATATTGTGTTTTCTGGCTTATGCTTTTTGGCAGCTATCTCGCATTGGGTGTAT ** 本4 *寧**ホ*********曲率**專卑 率* 寧* 寧**率*亦***山雨堵《ネ率ホ曲率曲率申零*零 率由尊 GGTGCGCATATTGTGTTTTCTGGCTTGTGTTTCTTGGCAGCTATCTGGCATTGGGTATAT 71 81 91 101 111 121 図6 トウモロコシおよびタバコのPS皿47kdタンパク質遺伝子の塩基 配列の一部。 Fig6 Partial sepuences of the PSH47kd Proteingenes of maize and tobacco. %相同であり・アミノ酸配列は97%相同であった(図6)。 トウモロコシ幼植物の子葉,根,子葉鞘から全RNAを抽出し,グリオキサール変性させて1% アガロースガル電気泳動で分離し,ホウレンソウ葉緑体psbB(47kd)遺伝子を含むDNA断片 をプローブとしてノーザンハイブリダイゼーションを行ったところ,3kdのバンドに強く,2.1, 1.9,1.7kbのバンドに弱くハイブリダイズした。2.1kb以下のバンドは根ではより弱くハイブ リダイズしたが,組織による違いは顕著ではなかった。(図7) 一l17一 図7 トウモロコシ幼植物組織のRNAに対するタバコ葉 葉緑体PSH47kd遺伝子断片のノーザンハイブリゼ ーション。 伽ヨ.Ok』 葉(左)および(右)。 ←’2」 Fig7 Northern hybridization of total RNA of maize seadlings against PSE47 kd gene fragment of tobacco chloroplast. left, leaves, right: roots 考 察 1)葉緑体tRNA遺伝子の構造と発現 葉緑体tRNAは核のtRNAとは別種で,葉緑体tRNAのアミノアシル化反応は葉緑体のアミ ノアシルtRNAシンセターゼのほか大腸菌の酵素でも可能であるが,核の酵素は触媒できない。 下駄禦購響奮讐婆盟騒灘1贈駕蕪写照四隣辮轍鋼筆 αJAG)は大腸菌のtRNAとの相同性(約60幽50%)が核のものとの相同性(約40∼50%)より高 く,D一ループが7∼8塩基と小さいことも大腸菌tRNA駝u, t RNAA「9遺伝字は, t RNAの5’ 末端 は,葉緑体tRNALeu, tRNA《「9遺伝子は, tRNAの5’末端に共通して存在する5’一CC A−3’配列をコードしておらず,この点は既に報告したtRNAタsnをはじめとして,すべての葉緑 体tRNA遺伝子にあてはまる6)。葉緑体もtRNAも5’一末端にCCA配列を含むが,これらの塩基 は細胞核のtRNFと同様に, tRNA合成の最終段階で付加されると考えられる。 タバコ葉緑体とRNA Leu(ACG)およびtRN1贈u(UAG)配列はタバコ葉緑体45RNAとハイブリ ダイズすることから,両者は活性のある遺伝子であると推定される。いずれのtRNA遺伝子も,そ の⊥流域数百bp以内にはプロモーター配列らしい塩基配列は見出せなかった。可能性としては, tRNAA「9(ACG)は260bp上流の5SrRNA遺伝子およびさら1こ上流の16Sおよび23S rRNA 遺伝子とともに転写され,また,tRNALeu(AUG)は539bp上流のndhBと共に転写されることが 考えられる。しかし,タンパク質遺伝子をRNA遺伝子が共通の転写単位に含まれる例は大腸菌で は知られておらず,従って,tRNALeu(AUG)は葉緑体遺伝子のプロモーター配列である一35領 域および一10領域の共通配列とはあまり似ていないプロモーター配列を持つのかも知れない。 2) トウ署周調シ葉縁体遺伝子の構造と発現 タバコ葉緑体遺伝子の全塩基配列が決定され,21種のチラコイド膜タンパク質遺伝子とみられる 塩基配列が報告されている。このなかにはPSIのP700アポタンパク質遺伝子がA2, PS巫のD1, D2および47kdタンパク質遺伝子が含まれている6)。C4植物では維塁塞鞘細胞と葉内細胞の分化 にともないPS豆およびPSHの活性に差異のあることが報告されており,遺伝子発現のレベルで 分化のあることが考えられるが,葉緑体遺伝子についてはこの面の研究は行なわれていない。 ノーザンハイブリダイゼーション検出したRNAのサイズは3kbであり,47kdタンパク質遺伝 子のコード領域約1.3kbより長い。タバコでは,47kd遺伝子はその下流のPSHの10 kdタンパク 質,およびb/f複合体のb6およびサブユニットWがひとつの転写単位を構成していることが示 されているが,4’5)トウモロコシ葉緑体でも同じ理由によって,3kdの長い転写箱が生じると考えら れる。 47kdタンパク質遺伝子プローブとハイブリダイズするDNA量は,葉,根および子葉鞘の間で顕 一118一 著な違いはないが,2.1kb以下のRNAバンドでは根では少し弱くハイブリダイズした。この結果 は,葉緑体遺伝子の発現調節は転写のレベルではおこなわれない可能性を示している。この実験に ついては今後の研究にまたねばならないが,葉緑体遺伝子の発現調節が転写レベルでなくmRNA 形式のためのプロセシング以後の段階で行われるとすれば,原核細胞型の葉緑体遺伝情報系と植物 細胞の核の遺伝情報系との相互作用・調節の関係で解明していくうえで興味深い。 引用文献 1)Kato, A. H. Shimada,M. Kusuda and M. S ugiura 1981. The nucleotide sequence of two tRNAAsn ganes from tobacco.chloroplasts. Nuc玉,Acids Res.9:5601− 5607 2)Kato,A, F. Takaiwa, K. Shirozaki andM. Sugiura 1985. Location and nucleo tide sequence・f th・g・nesf・・t・bacc・ch1…Plast tRNAA「g砕CG).and t只NALeu (UAG),Curr.Gent.9:405−409 3)Shinozaki K. M。 Ohme,M. Tanaka, T. Wakasugi, N. Hayashida, T. Matsuba二 yashi, N. Z aita,」. Chunwongse, J. Obokata, K. Yamaguchi−Shinozak:i, C・Ohto, K・Torazawa, B・Y・Meng, M・Sugita, H・Deno, T. K amugashira, K.Yamada,、J. Kusuda, F. TakaiwL A. Kato, N, Tohdoh, H. S摯ir海ada and M.Sugiura,1986, The complete nucleotide sequence of the tobacco expression genome.:its gene organization and・expression. EMBO J.5.2043−2049 3)N.Tanaka, J. Obakata, J。 Chunworlgse, K Shinozaki and M. Sugiura。1987 Repidsplicing and stepwise processing of a transcript from the psbB operon in tobacco ch1oroplasts l Determination of the intron s圭tes in pet B and pet D.Mol.Gen. Genet,209:427−431 5)Wosthoff, P.1985 Trancription of the gene coding the 51kd chlorophyll a−apoprotein of the photosystem皿reaction centle from spinach Mol. Gen. Genest.201:115−123 6) Sugiura M.1987 Structure and function of the tobacco chloroplant genome Bot.Mog. T okyo 100:407−436 7)Maniatis. T, E. F. Fritsh and J. Sambrook 1982 Molecular cloning. Cold Spring Harbor Laboratory NY, 8) Ohyama, K・・H・Fukazawa, T. Kohchi, H・Shirai, T・Sano, K. Umesono, Y.Shiki, M. Takeuchi, Z. Chang, S. Aota, H. Inokuchi, and H. Ozeki,1986. Chloroplast gene organization deduced from complete cequence of liverwort Marcharltia polymorpha Chloroplast DNA. Nsture 322,572−574 一119一 Analysis of the Functlon of the Genes of ChloroPlasts Akira KATO (Nat二ional 工nstitute of Agrobioloqical Resources) Summary 田・bacc・・hl・r・plast DNA fra騨ents c・nta土ni阜q tRNA qen6s were ・1・n・du・inq[32P]4S㎜A・f t・bacc・・hl・r・pl・・t・a・th・pr・be and their nucleotide sequences were determined by Maxam−Gilb6rt method。 Leu Arq (ACG) and tRNA A clone pTCP67 contained two tRNA qenes, tRNA (UAG)。 A DNA library of maize chlorOplast was constructed and clones containinq the qenes Qf psbB (47Kd), ndhF and 5!一rps l2 wefe picked ・pμ・i・・th6.32P−i・b・…ざr≒・◎fragm・b・・・…bacc・・耳・・r・p・・・… the probe・ Partial sequen(⊇e of t二he 47 Kd protein qene of maize were. determined。 7120一 8.高等植物葉細胞内及び微細藻細胞内における 炭酸ガス輸送濃縮機構とその遺伝情報の解析. 宮地 重遠 微細藻類では,低CO 2条件で生育すると, C 3型の光合成を示すにもかかわらず, C 4植物と 同様に,CO 2に対し高い親和性を示す。その原因として,カーボニックアンヒドラーゼ(CA) と無機炭素(Ci)の濃縮機構があげられている。一方, C3植物においては,細胞外からリ ブロース1.5一ジリン酸蝕ルボキシラーゼまでCO 2が移動する過程は,光合成における律速 要因の一つである。そこで,その律速要因をなくして高い光合成能力を生みだすことは,物質 生産を考える上できわめて重要なテーマである。 こうした背:景から,藻類の光合成におけるCAの役割とその生合成過程,及びCi濃縮機構の 解明を目的として研究を進めた。 方 法 1)光合成におけるカーボ罵ックアンヒドラーぜの役割 (1}クロレラの光合成におけるCi輸送機構 通常の空気条件(約0,04%CO 2)で生育したC配07θ〃σθ〃gσ溶11h細胞を用い, シリコ ンオイル層遠心法により,細胞内へ取り込まれたCi量と光合成で固定される量とを測定した。 基質は,NaH 14 CO3を酸性又はアルカリ性(pH 9)にし,14CO 2又はH14CO 3一溶液の型で 細胞懸濁液に添加した。特に14CO 2溶液は気相への拡散を防ぐため,点眼キ干ップをした注 射筒内で作製した。 {2)鼠一グレナ単離葉緑体 シアノコバラミンを30ng/4に加えて,光独立栄養条件下で生育したE%g 1θησ劃αoゴ〃εZ 細胞を,トリプシン処理して,スフェロブラスト化し,イエダプレスによって破砕した。遠心 処理により,葉緑体分画を得た。 (3}罰ムギプロトプラストと単離葉緑体 播種後8∼10日間コムギ葉を用い,セルラーゼとペクチナーゼを用いて,プロトプラストを 得た。20μmのナイロンネットを通すことにより,プロトプラストを破砕し,葉緑体を得た。 2)カーボニックアンヒドラーゼの性質と生會成 (1} クラミドモナスCA C物駕夕4αηo駕ε7θ勿肋曜魏C−9低CO 2細胞に3H一直は14C一アルギニンを与え,タン パク質にとりこまれた3H又は14Cのうち, CA抗体で沈殿したペプチドを, SDS一電気泳動 によって解析した。パルス実験は,放射性アルギニンで5分間のラベルののち,2,000倍の非 放射性のアルギニンを加えることによって行なった。 また,CAタンパク質をアフィニティークロマトグラフィーとHPLCを用いて精製し, BrCN 法で断片化した後,ゲルロ過によって,ペプチド断片を得た。この断片のうちの一つを,エド マン分解法により部分アミノ酸配列を決定した。 東京大学応用微生物研究所 一121一 {2}ポリフィリディウムCA Po7ヵ勿露4伽瑠。物θ競〃ηR−1低CO 2細脚をDE−23, DEAE−Toyopearl及びQAE− CellexによりCAを精製した。それをToyopearl HW 65Sによりポロ酵素の分子量を測定し た。 3)ラン藻における無機炭素濃縮機構 ・4πα勿6紹搬7励魏3M3を用い,シリコンオイル層遠心法により,Ci細胞内取りこみを 調べた。 結 果 1)光千成におけるカーボ島ックアンヒドラーゼの役罰 (1}クロレラの光合成におけるCi輸送機構1) pH 7.1の反応液(28℃)中では, Ciは, CO21に対し, HCO 35の割合で平衡状態に達 している。そこで,空気を通気しながら生育したC郁。プ〃αθ〃gα7露11hの細胞(低CO 2細 胞)の懸濁液に3,2μMのCO 2と16μMのHCO 3『(〔HCOゴ〕/〔CO 2〕一5)とを与えて光 合成を行なわせた。その際,CO2とHCOゴの片方のみi4Cとし,他方を12Cにしたところ, 添加後10秒間は,図1に示すように,CO2の方が濃度が低いにもかかわらず,14CO2はH i4CO3一(図1B)より高い固定速度を示した。細胞内へとりこまれた量(T)は,細胞が固定し た量(F)と細胞内に蓄積された量(P)との和であることから,CO 2, HCOゴそれぞれの 場合について,F/丁即ち,細胞内へとりこまれた炭素のうち,.光合成によって固定された割 合を調べた(図2A)。 CO 2は,添加5秒後は75%固定されているのに対し, HCO 3一の固定 の割合はわずかに30%であった。HCOゴ由来のユ4Cは,時間と共に固定が増加したため, F/Tの割合もしだいに増加した。 図1 C・捌19α7ゴ311h低CO 2細胞の光合成 (・)ヂ (A) 欝 撃 ぎ 2.2 尾 £1\ 試 % 2。 71m鍛(騒) 40 12CO 2とH14CO 3一(B),(両方共pH 7.1, は,細胞内へとりこまれた量で,固定量 8 とCi濃度との和である。 1δ Fig.1 Time course of bhotosynthetic 薯 謹 \ 400 20 をそれぞれエ4CO 2とHi2CO3一(A), 28QC)の条件下で与えた結果である。△ 罵 、 経時変化。3.2μMCO2と16μMHCOゴ 藷 藻 、、、 炭素固定(○)と細胞内Ci濃度(翻)の $ / 豊)2 £● 麗 》 ノ 鷲儘 鴇 薦 ∼ ”瑠 髪$4 瞬し お罫 一直 ( 0 carbon f重xation(○)and of changes in internal concentration of Ci(鞠) .in low.一CO2 celIs of C. ”z4忽αγゴ311h・Concentrati olls of CO 2 and HCO3用were 3.2and 16μM,. respectively.The pH and temperature were 7.1and 2.8℃.14CO 2 and H14 CO3−were used in{A)and in(B), respectively. Transported Ci(△)is the sum of fixed and interrlal Ci. 一122一 倉 10Q 100 9 (8) 罵 ほ コ コ ぢ 脚 ( お Fig,1 CO HCO四 (A)魎コ (B)巨魎 ) 翠 ㌔ / 婁 番5Q かC。5 難 /! 蔚ぎ 》 δ り ” 傘◎ o \ £5Q 、\、 △ 傍 △、、\ モへ 8 煙 ひ Fix會d T・a・・p㈱智、礪 認 017 璽 罵 に。 .蓋 』0 0 20 40 0 了ime(§) 20 40 了ime(§) 図2 細胞内にとりこまれた14CO2又はH14CO 3一が固定される割合 (A)と,14CO 2とH14CO 3一とが平衡に達している反応液から, 14CO2として細胞内にとりこまれた14C主と固定された14Cの割合 (B)。共に図1の結果から計算したものである。 Fig.2 Ratio of fixed:to total transported 14C frbm 14CO20r H14 CO 3一(A),arld percent transporta七iorl and fixation of 14CO2 from the reaction medi㎜in equllibrium with 14CO 2 and H14COゴ(to£al concentraもion,19,2μM)at pH 7.1 and 28℃(B}.〔A)and(B)were obtained from the data shown in Fig。 1, 図1の実験は,14CO 2とH14COゴとを別々に加えたものである。そのため, T, F及び Pについてそれぞれ,AとBの結果をたすと, CO 2もHCO 3一も共に14Cで与えた場合の結果 となる。そこでAの結果を(A+B)で割ることにより,Ci全体のうちでco2由来の。が細 胞に取り込まれ,固定される割合を示した(図2B)。この結果,はじめの5秒間では, Ci全 体のうち52%はCO 2の方から取り込まれ,48%はHCO 3一の方から取り込まれることが明らか となった。しかし,光合成によって固定されたCi中,84%がco2由来のものであった。この 値は時間がたつにつれて減少していることから,H:COゴはCO 2へ変化してから周定されてい ることが明らかである。この結果から,①細胞は,HCOゴも取り込むが,主にCO 2を取り込 み固定すること,②HCO3一の固定効率(F/T)が最初低いことから, CO 2, HCOゴは,そ れぞれの形のまま細胞内に取り込まれていること,即ち,細胞表面で積極的にCO 2になってか ら細胞内に入いるとは考えにくいこと,③取り込まれたHCO 3一のF/Tがしだいに増加する ことから,細胞内に蓄積されたHCO 3補は, CAによってすぐにCO 2になるのではなく,非触 媒的にCO 2に変化してから固定される可能性が強いことが判明した。 一方,これまでの我々の報告で,葉緑体内のCAは, HCOゴを介した“間接的なCO 2供給 系”に必須の要素であり,この系がCO 2の固定促進に役立っているのであろうと考えてきた。 その可能性をさらに確める目的で,CAの阻害剤であるエトキシゾルアミド(EZA)の影響を 調べた(表1)。EZA添加により,CO2,HCOゴ共に,取り込みの阻害は,固定に比べて常 一123一 0〃”gσγ客311h低co 2細胞のCiのとりこみと固定,及び固定 表1 効率に対するエトキシゾルアミド(EZA)の影響 Effect of ethoxyzolamide (EZA)on transport and fixation of Table 1 Ci and on efficiencies of its fixation in至ow−CO2 cells of C θz4盈σ7ゴ311h.* Exp. 1 14 Cl added in fixation/tpansport transport fixatlon −EZA +EZA 65 52 28 _2之 4 22. 18 0 25 84 63 32 49 51 39 CQ2.(5 μM) 57 71 88 59 HC・3回 68 80 89 56 i10・M) CO2 (5 μM) HCO3幽 3 Ratio (%> of 35 CO2(10μM) HC・ R囮 2 % ρf inh手bition i50・M) i50・M) 鮪Values were calculated from the results obtained afteP 5−s 工4 incubation w工th Ci at pH 7.4. Str◎ma Cy亀。§◎1 M§dlum Ru窪》2 C亀s會 . RuP2 C鵬㊧ _↑ ↑ CQ2八一一一一一一一CO2 ↑ CA @ 測 HCO§趨一 HC◎5《6響 へ ←・囎) 騨廿CQ・ !向 。3曝島 uHC.§ (!ndlr㏄t supply o㌘CO2) Chl◎r◎幽st c釜Uwalland @nv曾1◎P@ p鵬mal㊤mma 図3 c.〃”9碗ε11h低co 2細胞におけるCiのとりこみと固定の模式図。 横方向の.矢軸は,Ciの移動を,縦方向の矢印は, Ciの反応を示す。 実線が主な移動と反応を示す。 Fig.3 Transport and fixation Qf C3 in phQtosynthesis of low−CO2 cells of C.θ”g〃疹311h. Arrows in the horizontal represent the translfer of Ci and those in the vertical, reaction呂 of. :Ci. Arrows with solid lines are the malor transfer and reactions of Ci in photosynthesis。 一124一 に低く,阻害が見られない場合すらあった。さらに固定効率がEZAによって低下したことか ら,EzAは, co 2やHco 3一の固定を阻害した結果,細胞内へのciの取り込みも抑えたと考 えられる。細胞内に蓄積されたCO2が, RuBPCaseによって固定されるまでの過程がEZAに よって阻害されたこと,又RuBPCaseの基質がCO2であることから,この蓄積されたCO 2は, CAによってHCO3一に変化し,又CO2にもどってから固定される可能性“間接的なCO 2供給 系”が更に強められた。図3に, C2”810勿311 h低CO 2細胞におけるCi輸送系の概略を示 す。 (2}ユーグレナ単離葉緑体の光舎成活性2} 現在までのところ,クロレラ細胞から,光合成活性を示す葉緑体の単離は成功していない。 そこでE%g1θ紹97αo”ゴ3細胞から葉緑体単離を試みた。その結果,1.5%CO2存在下の光独 立栄葉条件で生育した細胞をトリプシン処理し,イエダプレスを用いて破砕することにより, 純度の高い無傷葉緑体(図4)が得られた。その光合成活性の最適条件を検討した結果,pH は8.0,ソルビトール濃度は0.33Mであり,5∼20mMのPi,4∼5mMのATP又はADPを 必要とすることが明らかとなった。また,箪gC12は0∼10mMの間で添加効果が見られなか った。さらに,この葉緑体分画には,ミトコンドリアの混入は最:大に見積っても,破砕前の5 %であり,細胞質,マイクロボディの混入は見られなかった。 図4 E.97σ6”露Zの高CO 2細胞から単離した葉緑体の電子顕微鏡写真(A)。 スケールは1μm。葉緑体色膜が3層からなっていることを示す(B)。ス ケールは0,1μm。 Fig64 Electron micrographs of chloroplasts isola宅ed from high−CO 2 cells of E. gプσ切”εZ(A);bar represents 1μM. Higher magnification featuring the chloroplast envl ope consisting of ℃hree layers of membrane(B);bar represents O.1μM。 一125一 低CQ 2条件下で生育したE. g7αo”2ε細胞からも葉緑体単離に成効したので,10mMと1rn MNaHi4CO3存在下における固定速度を,高CO2(1,5%)で生育した細胞(高CO2細胞) から単離した葉緑体と比較検討した。その結果,10mM NaHCO3存;在下では,高低両CO2細 胞から単離した葉緑体羽撃120μmol mg−1Chl・h−1という高い14CO2固定速度を示した。 20 (A) 侶) 18 16 欝一 二 912 (122) δ (119) 寺)10 塾 (75) 縷8 5 馨6 寒 、 (37) 風三 富 ぢ ま2 O 02468100246810 Tim㊤(min) 図5 ユーグレナ単離葉緑体の14CO2固定。○及び鯵は,低CO 2及び 高CO2細胞から単離した葉緑体。(A}NaH王4CO 310mM,(B)I mM。 かっこ内の数字は,直線部分の光合成活性(μmoles 14CO 2・mg襯1 Chl・h−1)を示す。 Fig.5 Time courses of photosynthetic 14CO 2 fixation in chloroplasts isolated from low−CO2◎or high−CO2 cells鰹蓼)of E,97ごzo〃ゴ5 Z. The assay medium contained 30 mM Tricine−NaOH(pH 7.8),20 rnM Na−orthophosphate, 0.33Msorbitol,1mM ATP, l mM MgC12,33μg/ml carbonic anhydrase and 101nM(A)or l mM(B}of NaH 14CO3. Phot osynthetic rates(μmolesエ4CO 2・mg−1 Chl。h網1)in the linear phase are indicated in parentheses. 一方,1mM NaHCO 3存在下では,低CO 2細胞由来の葉緑体は75μmol,mg鰯1 Chl・h−1の活 性を示したが,高CO 2細胞由来のものの活性は37μmol, mg−1 Chl・h−1と低かった(図5)。 以上の結果から,低CO 2細胞の示すCO2に対する高い親和性は,少なくともその一部は,葉 緑体に原因があることが明らかとなった。 一126一 {3)調ムギ単離プ罰トプ弓ストと葉山体の光合成活性の比較3) 高等植物にも高いCA活性が存在し, C 3植物では葉緑体に主に局在している。一方,クロ レラなどの微細藻類もC3型の光合成活性を示すにもかかわらず, CO 2補償点は低く,高等植 物単離細胞に比べてCO 2に対する親和性が高い。こうした背景から,高等植物では,細胞壁 から葉緑体にCO 2が移動するまでの間に,藻類では見られない,律速段階がある可能性が考 えられる。そこで,コムギ葉からプロトプラスト,さらに葉緑体を単離し,その光合成活性を 測定した。結果は,プロトプラスト,葉緑体共,最大光合成活性はそれぞれ,、152及び138μmol ・mg『1 Chl・h−1と差は見られなかったが,K%(CO2)値は,それぞれ14,3及び6.1μMであ った(図6)。葉緑体の方がK施(CO 2)値が低いことから,葉緑体の方が, CO2に対する親 和性が高いこと,即ち,細胞膜から葉緑体包膜までの間でCO 2の流れが律速されていること が明らかとなった。 図6 コムギ葉単離プロトプラスト㊥とク (A) ロロプラストO}の,CO 2濃度に対する 光合成酸素発生速度。測定は,28℃, 箱20 導 憲 り pH 8.4で行なった。 Fig.6 Response of photosynthetic O2 T(罰 evolution of wheat Protop}aslasts鶴〕and 亙 霧80 chloroplasts()to increasing 臥 と concentrat ionS of CO 2. £ Photosynthesis was initiated by 老 light・Up to 30μM CO2 the rates of O2 evolution were 濫4◎ δ rneasured when the〔02〕was 悪 between 3 t o 5%.;above 30 罵(姑 μMCO2 therateof O2 10 20 30 40 evolution was measured when 〔CO2コ μM the〔02〕was between 8 to 10%. 〔CO 2〕was calc司ated using 6,4 as the PKa vahle of bicarbonate. 2)カーボ罵ックアンヒドラーゼの性質と生生成 口} クラミド畢ナスCA4・5) 単細胞緑藻C〃如駕ッ40吻。πα37θ山院プ4≠露はその細胞壁に高いCA活性をもち,細胞壁を 破砕するだけで容易に可溶化される。既に,CAタンパク質の精製に成功し,その抗体も得ら れている。その抗体を用い,細胞壁欠失の突然変異株伽.グθ吻勿74漉CW−15株におけるCA タンパクの生合成過程を解析した。(この突然変異株においては,生成したCAは培地中へ放 出される。)低CO 2条件下で,放射性アルギニンを与え,細胞をラベルしたところ,5分間で, 42KDaタンパクにラベルが認められた。多量の非放射性のアルギニンを加えて,チェイス実 験を行った結果,30分以内に42KDaから35KDaのCAタンパクにラベルの移行が見られた (図7)。この35KDaタンパクは,細胞内ではなく,培地中に認められたことから,既に細胞 壁へ局在するように分泌されたタンパクと考えられる。また,低CO2細胞からpoly(A) RNAを単離し,ウサギのcell−free reticulocyte lysate系を用いて, in vitro translation を行ったところ,翻訳産物は38KDaであった。このin vi七ro translation実験において,犬 一127一 (a》 1 2 3 4 5 (01。) (b) 100 80 60 寧圃蜘脚 =矯・.髄劉幽..醐 韓… / 響 40 ’〆 @ .ご’と.・・.㌦、 ・. h.濠録、ぐ∫ 20 り コ ア こ ’. @ ...・1.二;.∴.,層・... ド∴.1・喧i..1㍉’竜∵1ヤ.・ o O 2.5 5 10 0 2.5 5 10 30 Chase time(min) Chase time(min} 図7 14C・.アルギニン・パルスチェィス後.のラベルの経時変化・(a) SDS−PAGE,下が35KDa,上が42KDaポリペプチド。 (b}(a}の結果.をプロットしたもの。○が35KDa,勧が42KDa。 Fig.7 Processing of precursor species to CA during air adaptation in the wa玉1−1ess mu主ant cells of C.7θ勿んα74’露(CW−15).. Wall.一less cells, adapted to air for 90 min, were pulse− labled l、for..5.min with〔14C〕Arg(1μCi. ml)and cha6ed .ガfor indicated、periods..Immunoprecipitates of CA were analyzed by. SDS−PAGE as described in Materials and Methods(a). Fluorograms were analyz ed by a densitometer and ratios of each barld to the sum of two bands were plotted〔b).縷142−ld:)a polypebtide; 0)35−kDa polypeptide。 のミクロソーム三分を添加すると・42KD・の郡尽プチ、ドが出現したrさら}・,42KD・タ.・ バクは,concanavalin A(Con A)Sepharoseに強い親和準を示すζとから,高マンノース 型の糖鎖を持つことが推定された。また,42KDaから35KDaに変化した直後もCon Aに対し m武NA 嘉号÷薦_ co−translational signal peptide ? 42−KDa precursor (pl=7.1−7,3) {21 (withip 5 min) ㈲ 一一一一35rKDa polypeptide(pl=6.1−6.2) ト・・h・fm・d・f・・・・…(・) 35−KDa ma加re molecule(pl臨6.1−6。2) {4} (within 30 min) 図8 推定されたCA誘導過程(クラミドモナス) Fig.8 Possible biosynthetic process of CA in C”.7θ勿勿毎”ぎ. 一128一 親和性を示したが,成熟したCAタンパク質は弱い親和性しか示さなかったことから,35kD aに 変化した後に二二が修飾されている可能性が強い。図8に,推定されたCA誘導過程を示す4)。 また,CAタンパク質のポロ酵素の分子量は115kDaと推定された5)。 Cん.プθ勿勿74漉のCAタンパク質をB戸CN法により断片化し,部分配列を決定したところ, 動物のCAで知られているZn結合部位に相当するアミノ酸配列が見い出された。一方,クラ ミドモナスの遺伝子における使用頻度の高いコドンが,既に報告されているチューブリンやリ ブロース1,5一ジリン酸カリボキシラーゼの小サブユニットから見い出された。このコドンを 用いて,上のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを調製した。別にクラミドモナス遺 伝子ライブラリーをファージベクター(EMBL3)を用いて作製した。これらを用いて, CA遺伝子を含むクローンを検索しつつある。 {2}ポルフィリディウムCA6・7) 単細胞紅藻Poプρ西目4伽駕07紹彫蹴イ氏CO2細胞のCAは, Cぬ.アθ吻勿74’露と異なり, 細胞内のみに高いCA活性を示す。そこで,このCAの性質を調べたところ,主に葉緑体に存 在すること6),伽。76卿勿74魏のCAと異なり, Crが活性促進効果をもつこと,ポロ酵素 のゲルロ過及びSDS一ポリアクリルアミドゲル電気泳動から,分子量55∼59 kDaの単量体で 存在することが明らかとなったη。. 3)らん藻の無機炭棄濃縮機構8・9・10} 藍藻、4πα如θ紹”α而σδ魏∫M3低CO 2細胞では, HCOゴの能動輸送系が存在することが 報告されている。そこで,C.脇1gσ7ゴ311hとの比較を行う目的で,まず光合成における無 機炭素の取り込みを調べた。その結果,(D細胞はCO 2, HCO3一共に取り込み,細胞内に濃縮 蓄積すること8},m)その取り込みは, CO 2に対する方がHCOゴに対するよりも親和性が大で あるが,生理条件であるpH 7.8では,細胞懸濁液中のCO 2濃度に比べHCO 3一濃度が高いた め,CO 2,HOO 3 をほぼ同程度に取り込む。(m CO 2,HCO 3一共,その取り込みにNa÷が促 進効果をもち,この効果は特にアルカリ側で顕著である9)。OV)酸性側では, Na+なしでもCO2, HCO3一の取り込みが行われることから,アルカリ側で見られるNa+の効果はH+で置きかわ るものと考えられる101。(V)細胞内に蓄積されたCiが固定される割合は, CO2, HCOゴ共に 等しく,それはNa+の有無にも,又,CAの阻害剤であるエトキシゾルアミド(EZA)にも 関係しない(図9)。このことは,細胞内に蓄積されるCiは,反応液から取り込むCiがco2 であれ,HCOゴであれ,細胞内では同じ形で存在することを示唆している。また, Na+も EZAも,細胞内に蓄積されたCiが固定されるまでの過程には,何ら影響をもたないことを示 している。しかし,(vD EZ Aは,CO 2の取り込みを阻害し, HCO3一の取り込みに影響しな いことも明らかとなった。このことから,細胞膜内へ取り込まれたCO 2がCAによって, HCOゴに変化してから細胞内へ取り込まれる可能性が強い。さらに,(vD蓄積されたCiが 固定される割合は,高CO 2細胞では低CO 2細胞に比べて低いことも判明した(図9)。以上の 結果から,Aθσ7毎∂〃∫3低CO2細胞では, C.〃〃gσ擁311hと異なり, HCO 3一の能動輸 送系が存在し,CAと共にCiの細胞内濃縮に役立っているものと推定された(図10)。 察 微細藻類では,一般にどの種でも,低CO 2条件における光合成活性は,高CO 2細胞におけ るより低CO2細胞における方が著しく高い。本研究の結果から, CAの細胞内局在性も,又, その機能も多様化していることが明らかとなった。さらに,クロレラとアナベナとで,Ciの取 り込み方,その細胞内輸送が異なっていることも明らかとなった。このことから,微細藻類で 一129一 {a) 5 (b) oCO2 翁 超1 △.Hcoヨ o 含 0.8 L。w−CO、・el{。 C。・HCO… ム ε 控。,1 翁 丁お0.5 。駅 3 / / 奮 0,01 ! £0.4 / / / / / / / / o / 80,2 ./ ぢ / o 0 / 。愚母。。。 / o / / / ’ 宏 別口 / / o ! / ノ み o / / o / / / △ / △ / / 産 △ o / / O.1 / Q / Oo £ 隻 / ノ ! 器 / 1Q.2 / ⑳ ! .里 / 蕃。・3 r ! / 書 5 / /△ 0.060.1 τ 乳IC(mM) ・・gh{・・ce・… / // 細 o / 1。.、 範 / £ ち雛9”M’llノ. 富0.6 / 。劔。 き ヂ / 卓 / / O O.2 0.4 0,6 0.8 1.0 1,4 . t6 / / £ In乏ern母しin♀rg孕ni5.. qarbgn(mM) / ! 0 0 ノ / 0,2 o,4 0,6 0,8 1,◎ Int曾rnal inor9母nic carbon(mM), 図9 .4紹如θησ御厄4∂〃おM.3{氏co2細胞の細胞内に蓄積されたCiと,光合成と.の関係。 la);○は14CO 2を,△はH1℃03『を与えた結果。(b};種々の条件で行なった場合の 結果・○,鱒.+EZA;□,∵圏Na+無添加;△,盒pH7;▽,署pH 9,鯵以上いずれ にも.CO 2細胞。☆,高CO 2細胞。白ぬき印は14CO2,黒ぬき印はH14CO 3「を与えた。 Fig・9a Initial rate of photosynthetic IC fixation versus internal IC cor1㏄ntration .in l ow−CO 2 cells Qf、4紹勿θηαρσ7ゴα6ゴ1〃3 M3..The intial rates were determined by the amount of 14C fixed during 5 s after injectiQn of 14 b−IC at pH 7.8−8.0. Substrate=○,14CO 2;△, H 14 CO 3髄.The same data are shown on a logarithmic scale irl the insert. See、text for explanation of the discontinuous lines。 Fig・9b Rela縫onship between initial rate of photosyrlthesis and in£ern311C concentration in high CO2−cells, as well as those determined in the presence of EZA(20μM), at different pH and under Na+deficiency: with low−CO2 cells of!1.”α7詔∂〃ぎ.3 M 3.High−CO 2 cells, stars;E3A, circles;Na+一deficient condition, spuares;pH 7,triangies;pH 9, irlverted triangles(all other experiments were carried out at pH 7.8− 8.0).Open symbols, experiments with 14CO2;closed syrnbols, exPeriments with H14CO37.So皇重d and broken lines were .transferred from Fig・9a。 は,種によってさまざまな異なった形で低002条件に適応していることが判明した。 コムギやホウレンソウなどC3植物では,葉緑体にCAが存在していること3)から,その多 様化している藻類の中にあって,葉緑体にのみ.CA活性を示すC.鰯1gσ79511h低CO2細胞 が,陸上C3植物葉細胞との比較に適していると考えられる。 C. o〃gα7ゴ811h低CO 2細胞 一130一 Mediator($) pump ; R・BPCa・e・凱C・2←HC・3 ごHCO3 一一 吻 圏 bA gCO3 CO2 CeU waU融nd pはsmam㊧mbran㊧ 図10 !1.θσ7勿∂漉εM3低CO 2細胞におけるCO 2とHCO 3『の輸送様式 Fig.10 Schematic model for CO2 and HCO3噌transport in low−CO2 cells of、4.びα7毎∂〃彦3 M 3. で,ある程度のCiの細胞内蓄積が認められたが,葉緑体内でCAが, CO 2のRuBPCaseへの 供給に役立っている可能性が強くなった。又,コムギ葉プロトプラストの光合成におけるK% (CO 2)値が,葉緑体より高いことから,細胞壁から葉緑体包膜までの間のCO 2の輸送が, コムギでは律速になっていると考えられる。この結果は,イネの葉を用いたガス交換の結果か ら得られた,葉肉抵抗が高いという結論11}と一致する。葉緑体でCO2輸送を促進するCAを, 細胞質に入れてCO2輸送を高めてみるという試みは,細胞膜から葉緑体包膜までの抵抗が本当 に律速になっているのかどうか,その可能性を検討するために重要な手段である。又,この技 術が確立すれば,本研究で存在が推定されたCi濃縮機構の高等植物への導入も可能性が開か れると思われる。そのためには,アナベナにおけるCi輸送機構の単離が望まれる。 引用文献 1)Tsuzuki, M:Transport and fixation of inorganic carbon in the cells of帥1(〃θ”σ 勘19αγ2s llhgrown under ordinary air. P1σ窺C611 P勿εゴ。♂.27:1233−1240 (1986).(GEP61−1−1−8). 2)Suzuki,E.,M, Tsuzuki and S. M iyachi=Photosynthet ic characteristics of chloroplasts isol ated from Eμg1θησg7σoゴ1ゴ3 Z grown photoautotrophiρally。P1σ初 Cθ11P勿3ゴ01.28=1377−1388(1987).(GEP62−1−1−21). 3)Tsuzuki, M., S. M iyachi and G.E. Edwards=Localization of carbonic anhydrase in mesophyll cells of terrestrial C3 plantsin relation to CO2 assimilation. P1α舵Cθ〃Pんッ3ゴ04 26=881−891 (1985). (GEP60−H−1−10). 4)Toguri,T., S. Muto and S. M iyachi=Biosynthesis and intracellular processing of carbonic anhydrase i n Cぬ孔z駕夕40駕。”α3 7θゴ2zlzα74’露. Ez4先 ノ; ・Bゴ06ん6解 159= 189−194 (1986),(GEP61−H−1−3). 5)Yagawa, Y.,S. Muto and S, M iyachi:Carborlic anhydrase of Cん1α勉ッ40駕。πα3 7θ勿肋74〃ゴ.Cellular distribution and subunit constitution contition主n two strains, 一131一 P1α窺Cθ〃Pぬ夕5201. 29:185−188 (1988).(GEP62一一H一一1−20). 6)Yagawa, Y.,S. Muto and S. Miyachi l CarbQnic anhydrase of a unicellu玉ar red alga Po7ρ13ッ7ゴ4伽勉67z66班%〃2 R−1.H.Distribution arld role in photosynthesis. P1伽’Cθ”P妙3疹01.2811509−1516 (1987).(GEP62−1−1− 8). 7)Yagawa, Y.,S. Muto and S. M iyachi l Purification and properties of the carbonic anhydrase of a uniceHular red alga Poη)勉y万4伽初 07%6η’z〃z R−1. 1.Purification and properties of the enzyme. P1醐彦Cθ〃P勿3ゴ01.2811253− 1262(1987).(GEP62−1−1−7). 8)Abe, T.,M. Tsuzuki and S.. M iyachi:Transport and fixation Qf inorganic carb on during photosynthesis of、4πσろσθπσ grown under ordinary air.1. Act ive sp㏄ies of inorganic carbon utilized for phot osynthesis。 P1απ彦 C6〃P〃ニソε201., 28: 273−281 (1987),(GEP61−1−1−10). 9)Abe, T.,M. Tsuzuki, A. Kaplan and S. M iyachi l Transport and fixation of inorgnaic carbon durirlg photosynthesis irl t he cells of .肋σ∂σθηα grow n under ordinary air. H.Effect of sodium.concer式ration during growth Qn the induction of active transport system for IC.1〕1醐’Cθ〃1)勿3ぎ01。28:671−677(1987). (GEP62−H−1−2)。 10)Abe, T., M. Tsuzuki and S. Miyachi=Transport and fixation of inorganic carbon during phot osynthesis in cells of.、4紹∂αθπσgrown under ordinary air.皿. Some characteristics of the HCO 3噛一transport system in cells grown under ordinary air. P1σ碗C61J P13ッ3ゴ01. 28:867一一874 (1987). (GEP62−H−1一.3). 11)石井龍一=水稲における光合成能:カの品種間差とその半作。日本光合成研究会昭和62年度 シンポジウム「イネの光合成一葉群から分子まで一」講演要旨集pp.10−11.1987 一132一 Tγ℃ansport and Concentratjng Mechanjsm of Inorganic Carbon into the Cells and its Genetic Analysls Shiqetoh M工YACR工. (Uni▽. of Tokyo) Summary 工ntracellular accumulation of inorqanic carbon (Ci) and its fixation in photosynthesis were investiqat二ed usinq silicone oil layer filterinq centrifuqation technique wlth the cells of OんZorθZZα り祝Zgαr客8 11h qrown under ordinary air。 Both CO2 and HCO.3 were transpOrted into the cells from the reaction medium and accumulated in the cells, but the rate of transport was much faster for the former than the latter。 A series of experiments suggest that CO2 and.HCO3 were not converted to the co㎜on compound=in the cells durinq the initial period of.photosynthesis and that CA enhanced the supPly of CO2 to the reaction site of ribulose bisphosphate carboxylase in t二he s七roma。 Photosynthetically dompetent chloroplasts were isolated from ce:Lls of π㍑gZθηα grα(9客Zゼ8 qrown photoautotrophically under both air enriched with.1。5亀 CO2 and ordinary air。 甲he rate of photo− synthetic CO2 fixat二ion at l mM NaHCO3.waslhiqher in the chloro− plast二s isQlated from cells qrown in ordinary air t二han in those from cells qrown in l。5宅 CO2, whereas at lO m赫NaHCO3 t二he rates of the two types of chloroplasts were nearly the same。 These results suqqest that二the CO2 concentratiQn given durinq qrowth of the alqal cells affects the affinity for dissolved Ci at the chloroplast le▽e工。 Photosynthetic characteristics of protoplast二s and chloroplasts isolated from wheat lea▽es were determined。 The amount of CO2 required for half maximum rates of photosynthesis was about two− fold higher for isolated protoplasts than for isolated chloroplas七s 一133一 from wheat. ..田he result implies that a possib:Le resistance to CO2 transfer is in the cytoso:L of mesophyll cells of wheat。 To investiqate the biosynthesis and intracellular processinq of CA, the cells of wal:L−less mutant CW−15 0f OんZαη彰do御。控αs rθZηんαrゴ古φゼwere pulse−labelled with radiQactive arqinine, chased, and radioacti▽e proteins were i㎜unoprecipitated with anti−CA serum。 A 42−kDa polypeptide was first synthesized and was chanqed to 35− kDa which was then secreted into the culture medium wi.thin 30 min。 Holecular.wt of the holoenzyme was l15−l17 kDa。 CA Qf POrρんンr乞(1物〃η(3灘6η亡〃ηwhich was IQcated in the chloro− plast was partially purified。 .工ts molecular wt was estimated as 59 kDa by SDS−PAGE and 55 kDa by gel filtration, sugqesting that 七he native enzyme is a monomer. 工n.cells of cyanQbacterium/1ηαわαθγ観 りαrゼαわゼZゼs qrQwn under ordi.nary a工r, 七he transport二;of bot二h CO2 and HCO3 was siqnificarltly ・・hanced by N。㌔己、Wh。。 ce・・。 g。。w。 u。der Qrdi。ary。i。 were t。eat。d with an inhibiセor of.CA, only CO2 transport but not HCO3 transport二, was inhibit二ed。 田hese resul七s suqqest that Ci is acti▽ely transported throuqh the plasmamembrane in.a form of HCO 3 probably by some tran。p。rt。。 a。d th。t th。 tra。6m。曲。a。。 N。+9。adi。nt i。 i。▽。1。。d i。 th土s Ci transport system。 Free CO2 may be hydrated by CA to HCO3 and then transport二ed t二〇 the cells by t二his transporter. 一一 P34一 Bullefin OξGreen EnergY PrQgrαm Group.II〔Fl×αtiOn of Mαt重er}NO.22 A鞭且ys量§⑪奮E鷺y髄灘鋸 P騰紬薦鎌鵡G繍e§F難⑯愈量翻量顯9 量鵬P撫魂⑪sy醜h㊧曲 〈《(】rch 署野鶴勢 Agriculture, For@stry and F皿i$her18s F建絵s∈}融r()h Coun(;ii s@or㊨tariat Mini$try Qf A劇OUItUr㊧, FOreStry and昌Sh翻eS Toky◎ Japan
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