小 学 部 ○ 授業研究 『生活単元学習 生活単元学習』学習計画案 ○ 授業研究のまとめ のまとめ ○ 学部研修を振り り返って -5- ≪本時のキーポイント≫ 【人とのかかわり】○ 子 供 た ち が 夢 中 に な っ て 遊 び 、 友 達 と 関 わ り 合 え る 場 の 設 定 と 支 援の工夫 ≪キーワード・キーグッズ≫ ○にこにこさん ○にこにこボックス ○手作り教材でのゲーム ○にこにこ賞・にこにこ感謝賞 ○係の名札・ユニフォーム ○任命証 小学部1組「生活単元学習」学習計画案 授業時間 10:30~11:30 授業場所 小学部1組教室 授業者 T1神田智美 T2関洋介 T3伊藤英世 T4高津みさ子 T5熊倉裕子 T6小林範子 T7熊倉優幸 岩城道子(学校看護師) 1 単元名 「きらきら にこにこ みんなであそぼう」 2 単元のねらい ≪人間関係形成能力【人とのかかわり】≫ ○一人一人が役割を果たしたり、友達と関わって楽しく活動したりする。 3 単元で育てたい力≪人間関係形成能力【人とのかかわり】≫ (1) 単元設定の理由 小学部は、1年生から6年生の9人と職員6人で構成されている。人数が多くなり、そのうち4人が新・ 転入生である。それぞれ学級の仲間としてお互い意識はしているものの、個々の興味、関心は様々であり、 個々または特定の友達とだけ遊ぶ様子がよく見受けられる。 実態や友達との関わり方は様々であるが、どの児童も好きなゲーム的な活動を取り入れることでより友達 同士の関わりが広がることを願って本単元を設定した。ゲームの選定に当たっては、児童が活動を楽しめる と予想されるものとして、①道具の動き(ピンや的が倒れる、魚が釣れるなど)で結果がわかりやすいもの。 ②転がす、投げるなど体を動かして行うゲームであること。③勝ち負けが設定できるもの。などの点を考慮 して「魚釣り」「ボウリング」「箱積み」「的当て」「モグラたたき」の5つのゲームを取り上げる。「魚 釣り」「ボウリング」「箱積み」は既習経験があり、「モグラたたき」「的当て」は未習である。9人の児 童がだれもが一つは楽しめるゲーム、さらに繰り返し遊ぶことも考えて、5つのゲームを選定したが、学習 時には1ゲームずつ提示し、意識が拡散せずにその活動にしっかりと取り組めるようにする。提示の順番は、 慣れ親しんだ既習のゲームの後に未習のゲームを入れることで、児童が自信をもって取り組んだり、新しい 物に対する期待感をもったりすることができるようにする。 単元が進むにつれて、自分たちがゲームを楽しむとともに、道具を工夫して自分たちでゲームのお店を開 き、役割交代しながら、友達や他の人を楽しませる活動を取り入れていく。それらの活動を一緒に行う中で 自分らしさを発揮したり、自分の良いところを表現したりしながら、関わりを深めてほしいと願っている。 (2) 単元の構想 ○第1次では、5つのゲームを繰り返し行い、ゲームの楽しさを十分味わう。 ○第2次では、自分たちで楽しんだゲームの中から1つ選択して、きらめき祭(文化祭)で出店(マート) を出す。その準備活動や当日のお客さんとのやり取りを通して、一人一人が役割を果たす充実感を味わう ことができるようにする。 ○第3次では出店をさらに発展させ、ゲーム数を1つから3つへと増やし、遊園地を想定した『スマイルラ ンド』を作る。役割交代をしながら自分たちで出店を担当する活動を取り入れていく。活動を通して、自 分が楽しむとともに、自分で自信をもって役割を果たしたり、人に喜んでもらう経験をしたりして、人と 関わって遊ぶ、取り組む楽しさを味わうことができるようにする。 -6- (3) 支援の構想 ① 勝負を楽しむ一方で勝ち負けにこだわりすぎる児童もいる。そこで、第 1 次のゲームは個人戦ではなく、 チーム対抗とする。チームで協力したり、応援したりすることで友達の様子に目を向け、みんなで活動す る楽しさを味わう。ゲームの回数にも配慮して、児童が話し合いをする状況を作り、順番やチームの人数 の関係で2回行う人を決めるなど、ルールを守ってゲームを行う姿を引き出す。 ② メインティーチャー(以下MTと略)が『にこにこさん』に扮し、学習の案内進行役となり、にこにこボッ クスに乗って登場する。このボックスは、サブティーチャー(以下STと略)が扮する『にこにこ王子』 が押して現れる。児童にとって『にこにこさん』は、登場することで「ゲームの活動」であることを、持 ってきた道具で「ゲームの内容」を予告する役割となり、期待感と見通しをもたせる。『にこにこさん』 はまた、児童の良いところを見付けて褒める役も務める。『にこにこ王子』は『にこにこさん』がにこに こボックスから登場する際に補佐となり、搭乗後はサブティーチャー(以下STと略)となる。 第2次では『にこにこさん』はビデオレターで登場し、出店を出す活動への意欲を高める。 第3次では、MTはゲームランドを開くための相談役を務める。第3次の最後に『にこにこさん』を招待 客として招くことを伝え、「にこにこさんが楽しんでくれるにはどんな工夫をしたらいいだろう」と投げ 掛け、自分たちがゲームコーナーを開こうという意欲付けとなるようにする。 ③ 児童が意欲的に活動に参加できるように、個々の実態に応じて『にこにこさん』から係を依頼する。第 3次では、個々の付けたい力に応じて、役割を設定する。マネージャー(リーダー)、ゲームの責任者 (案内と道具直し)、エール係(始めの会の掛け声)、ゲームはこれ!係(お客さんのゲームを決定す る係)、やってみよう係(模範演技)、として個々に任命証を渡して意欲を高める。各コーナーの係は お客さんと組んで、自分たちもゲームを楽しみながら役割を果たすようにする。 ④ ゲームの道具は市販の教材でなく、最初はあえて飾りをつけない手作り素材で提示する。児童が工夫で きる余地を残すことで、その後の学習で友達と一緒に楽しめる工夫を考えたり、友達と一緒に協力して 作ったりする活動へとつなげる。第2次ではどんな出店にするかを話し合い、出店に必要な道具を自分 たちで作る活動を取り入れる。第3次では、さらに自分たちで作った道具も使いながら、『スマイルラ ンド』を開く。 ⑤ 活動の最後に「にこにこ賞」の表彰を行う。これは、望ましい友達同士の関わり方が意識できるように、 個々の児童の頑張りや友達を応援する様子、集団活動でのルールが守れた姿などを称賛する。第3次で は、実態に応じて自分の役割を果たす様子を中心に、「にこにこ感謝賞」としてメダルを贈り称賛する。 ⑥ 第3次の『スマイルランド』のゲームは、児童に一番人気のあったもの、きらめき祭の出店として出し、 児童が道具を作って親しみのあるもの、児童が工夫の余地があり、教室で活動しやすいものを選定する。 ⑦ みんなで『スマイルランド』を開いているという一体感をもち、友達が頑張っている様子が見られるよ うに、ゲームコーナーや受付などを教室の中1か所にまとめる。狭いため、安全には十分留意する。 4 指導計画(全22時間) 第1次 『スマイルクラブ』で遊ぼう。【8時間】 ・『にこにこさん』と一緒にいろいろなゲームで遊ぶ。(4時間) ・自分の好きなゲームを決めたり、みんなで楽しめるゲームを考えたりする。(1時間) ・自分たちの選んだゲームで遊ぶ。(3時間) 第2次 『スマイルマート』出店をしよう。【6時間】 ・出店で行うゲームや係、準備する道具などを話し合う。(1時間) ・出店に必要な道具を作る。(3時間) ・出店のリハーサルをする。(2時間) 第3次 『スマイルランド』で遊ぼう。【8時間】 ・どんな『スマイルランド』にするか話し合う。(1時間) ・『スマイルランド』に必要な道具を作る。(3時間) ・役割交代をしながら自分たちで遊んだり、『にこにこさん』や職員を招待して『スマイルランド』 を開いたりする。(4時間 本時8/8時) -7- 5 本時の目標 ○『スマイルランド』に取り組む中で、自分の役割を果たしたり、教師や友達と関わり合いながら遊んだりす ることができる。 6 本時の展開 時間 学習活動 5分 ○『スマイルランド』の準備をする。 ・係ごとに準備をする。 5分 ○マネージャーが始めの会を行う。 始めの会 1 マネージャーのことば 係の確認 2 がんばろうコール(エール係) 3 『にこにこさん』『にこにこ王子』 入場 4 『にこにこさん』のことば 5 開店 支援と留意点 ※S:サブティーチャーの動き ・T6が準備を促す。 ・自分の役割の準備がわかりやすいように、係ごとに必要 な道具をまとめておく。 ・マネージャー係の児童が自信をもってできるように、シナ リオをつくり、事前にリハーサルをしておく。係がわかる ようにマネージャーから名前と役割を確認してもらう。 S:マネージャー係に注目できるよう、姿勢や目線の方 向を児童の横で小声で指示する。 S:「○○係だね」と言葉を掛けて確認し、励ます。 ・自分の係を意識できるように、個々の係に応じて着用する ・エール係が「頑張ろうコール」をする。 ・他の児童はマネージャー係の話を聞いたり、 ユニフォームを用意する。 エール係の掛け声に合わせて声を出したりす ・児童の期待感を高めるため、1次と同様に、『にこにこ さん』は『にこにこ王子』が運んでくるにこにこボック る。 スに入って登場する。 ○『にこにこさん』の話を聞く。 30 ○『スマイルランド』を開く。 分 ・児童が楽しんで取り組めるように、はじめに『にこにこ さん』『にこにこ王子』が一緒にゲームをし、その後は STとして児童の支援にあたる。 ・それぞれのコーナーで、お客さん(授業参観 ・児童の係に応じた支援グッズを用意する。 者)と一緒にチームを組んでゲームをする。 S:個々の児童ができる範囲で自分の役割を果たせるよう ・『ゲームはこれ!』係の児童がお客さん(授業 に言葉を掛けたり、一緒に行ったりする。 参観者)のゲームを選び、場所に案内する。 ・ゲーム終了後、入り口で受付係の児童が景品 (にこにこバッジ)をお客さんに渡す。 5分 ○後片付けをする ・マネージャーが閉店のコールをする。 ・後片付けをする。 10 ○マネージャーが終わりの会を行う。 分 終わりの会 1 お客様の人数発表(マネージャー) 2 『にこにこさん』のお話 ○『にこにこ感謝メダル』を受け取る。 ・片付けやすいように、係ごとのカゴを用意する。 ・児童が自信をもってできるように、始めの会同様にシナリ オを作り、事前にリハーサルをしておく。 ・児童が達成感をもてるように、お客様の人数を発表する場 面を作る。 ・該当児童に注目できるよう、黒板の前に一人ずつ呼んでメ ダルを渡す。児童の実態を考慮して、表彰の順番を組む。 ・児童が「自分の役割を果たしていた」などの観点でメダル の名前や内容を決める。 S:児童が『にこにこさん』に注目できるよう、姿勢や目 線の方向に気を付けながら、拍手や言葉掛けで発表を 盛り上げる。 5分 ○『にこにこさん』『にこにこ王子』を見送る。・児童が満足感を得られるように『にこにこさん』『にこに こ王子』は別れを惜しみながら帰る。 ・マネージャーが終わりの挨拶をする。 ・T6が促す。 -8- 7 評価(児童の様子に応じた評価) ○全体の動きを見ながら、自分の役割を果たせたか。 ○自分の係の仕事をしながら、友達に声を掛けたり一緒に活動できたりしたか。 ○友達と一緒に係の仕事をすることができたか。 8 学習環境構成図 ★T3 ★T6 《ゲーム》 モグラたたき 《ゲーム》 魚 釣 り ●E ●G ●B ●H ★T7 『にこにこ王子』 ★T2 黒 板 ★T4 《ゲーム》 ●A 的 当 て ●F にこにこバッジ ★T1 『にこにこさん』 案 ゲーム券 内 係 ●D にこにこ ボックス ★T5 ●C 出入り口 ≪ランドに設定するゲーム≫ ゲーム 【魚釣り】 出入り口 ≪各児童の係≫ 内 容 ・時間内に、何匹 釣れたかを競 う。 【モグラたたき】 ・穴から出てくる 人形をハンマー で何回たたいた かを競う。 【的当て】 ・ボール(3個)を 的に向かって投 げ、ぶつかった り、倒れたりし た数を競う。 児童 A B C D E 係 名 ○マネージャー ○的当て係 ○エール係 内 容 ・会の進行、全体の手伝い ・ゲームの説明・的直し ・「がんばろうコール」の声掛 けをする。 ○モグラたたき ・お客さんと一緒にゲームをし 係 たり、道具を渡したりする。 ○ゲームは ・お客さんのゲームを選んだり、 これ!係 場所まで案内したりする。 ・ゲーム券やにこにこバッジを 渡す。 ○魚釣り係 ・お客さんと一緒に魚釣りをし たり、竿を渡したりする。 F ○的当て係 G ○やってみよう ・ゲームの最初にみんなの前で、 係 模範演技をする。 ○魚釣り係 ・お客さんと一緒に魚釣りをし たり、魚を直したりする。 H ○モグラたたき係 -9- ・お客さんと一緒にゲームをし たり、道具を直したりする。 ・お客さんと一緒にゲームをした り、道具を渡したりする。 ≪授業研究のまとめ≫ 1 授業名 2 育てたい力 3 「きらきら、にこにこ、いっしょにあそぼう」 ≪人間関係形成能力【人とのかかわり】≫ 有効だった支援 (1)活動内容・構成 ・ゲームは個人戦ではなく、チーム対抗とした。勝負を楽しむ一方で、勝ち負けにこだわりすぎる児 童もいるため、チームで協力したり、応援したりすることで友達の様子に目を向け、みんなで活動 する楽しさを味わわせた。ゲームの回数にも配慮して、児童が話し合いをする状況を作り、順番や チームの人数の関係で2回行う人を決めるなど、ルールを守ってゲームを行う姿も引き出した。 ・児童がより活動に参加しやすいように、児童の実態に応じて係として役割をもたせた。リーダー的 な児童は自分で役割を見つけて活動したり、友達の係の手伝いをしたりしていた。模範演技係は、 意欲がその日の気持ちに左右されやすい児童や、見通しが持てず待つことが苦手な児童を活動に集 中させるのに有効だった。興奮しやすい児童や気持ちが途切れやすい児童には、リセット係として、 道具を直す係を設定した。本時はあまり活動がなかったが、1次を通して自分の仕事が分かって役 割を果たせるようになった。児童の様子によっては役割を果たすことを無理強いしなかったが、実 態に応じて対応することにより、より活動に集中しやすかった。 (2)教材・教具 ・単元全体を通して既習・未習含めて5つのゲームを取り上げた。児童の興味を持続したり高めたり することができた。 ・授業研当日は「もぐらたたき」を取り上げた。教材の魅力・活動内容の分かりやすさもあって、児 童一人一人が生き生きと活動し、教師の期待する姿を見せていた。 ・ 「にこにこボックス」で MT が登場し、道具を提示することは、その日のゲームに期待感をもたせる のに有効だった。 ・手元で順番が話し合える写真カードを作り、話し合いが円滑にできるようにした。 ・ 「にこにこ賞」の表彰を行い、望ましい友達同士の関わり方が意識できるように、個々の児童の頑張 りや友達を応援する様子、集団活動でのルールが守れた姿などを称賛した。児童の意欲付けに有効 だった。 (3)教師の働き掛け ・MTが「にこにこさん」に扮し、学習の案内進行役となった。児童にとって「にこにこさん」は登 場することで「ゲームの活動」であることを、持ってきた道具で「ゲームの内容」を予告する役割 であり、単元に期待感と見通しをもてるようにした。また、児童の良いところを見つけてほめる役 も務めた。児童の授業に対する期待感を高めるのに有効だった。 ・ST は MT や友達の動きに注目できるよう、姿勢や目線の方向を小声で指示したり、児童の期待する 姿に対して、短い言葉で即時に称賛したりする役割を務めた。 (4)環境構成 ・MT の登場及び話を聞く場面とゲームを行う場面で、児童の並び方を変えたことにより、各活動への 集中を促すことができた。 ・児童がゲームをする向きを工夫して友達がゲームしている様子がよく見えるようにした。 ・教室の中を整理し、前面に余計な刺激がないようにした。黒板には勝敗表と授業の流れを提示し、 色模造紙で勝敗表を作成することで、より集中できるようにした。 ・単元が進んでも児童が一体感を持って学習に取り組めるよう、狭さはあるが、教室内で行うように した。 - 10 - 4 課題と今後の取り組み ○子ども自身が自分の課題を意識する取組 ・1人1人の課題をより明確にすること。特に認識レベルの高い児童が、自分の課題を意識できる ようにしていくことが必要である。 ○STの役割の重要性 ・ささやきや指示だけではない役割を果たすこと。児童が達成しなければならない課題のために教 師の模範も考えられる。 ・日々の授業で ST の言葉の支援が大きすぎないか、多すぎないか検証する。 ○日常の言語環境の検証 ・教室に飛び交う言葉の重要性を大切にする必要性がある。語彙・文型・語句数が子どもに合って いるかを検証する。教師の話すスピードも大切である。 - 11 - ≪学部研修を振り返って≫ 1 『目指す姿』への達成度 <評価と今後の取組・改善> ○「人との関わり」に関して≪人間関係形成能力≫ 小学部では人間関係形成能力のうち「人とのかかわり」を将来の生活に向けて最も基盤となるも のととらえて研修を進めてきた。どの児童も相手を認め、自分も認められる大切な存在であること を、学校生活の身近な大人や友達との関わりを通して実感してほしい。自分や友達の良さを見付け、 自信をもって生活していってほしいと考えてきた。 生活単元学習の中で、友達同士の関わりを意識して設定して授業を構成したり、児童の実態に応 じた役割を設定し、その役割を果たした姿をみんなの前で称賛したりしてきた。それにより、自分 が認められたり、友達を認めたりする経験を積み重ねることができ、身近な友達との人間関係が望 ましいものになってきていると考える。休み時間など、関わって遊ぶ場面も増えてきている。 今後も「人との関わり」は、目指す姿の基本となるものと考え取り組んでいく必要がある。 ○「集団参加」に関して≪人間関係形成能力≫ 「ゲーム」という児童の好きな活動で集団での活動に取り組んだり、友達と協力する経験を積ん だりする中で、集団で楽しく活動する経験を多く積み重ねることができた。結果、集団での活動に 参加できる時間が伸びている児童が多い。 しかし、生活年齢等により、活動によって集団参加への意欲のむらが顕著になっている児童もい る。今後も集団参加の楽しさが味わえる学習活動の設定や、個々の指導に対する検討を重ねていく 必要がある。 ○研修の進め方について 個々の児童への働き掛けは個々の教師に委ねられることが多い。日々の情報交換を大切にしなが ら、共通理解して進みたい。 また、共通理解の方法として児童の実態によって3つのグループに分けて目標を設定し、単元ご との評価の一覧表を作って取り組んでいる。評価表の形式を変え、児童の顕著な姿を記入する部分 を付け加えることで、MT が児童の様子を適切に把握し次時の授業に生かすのに効果的だった。 さらに、◎○△で評価の基準をより明確にすること、評価表を回覧することで個々の児童の姿を 職員全員で共有することなど活用の仕方を工夫していきたい。 2 自立につながる力の育成について ~こういう力が大切だ~ ○人間関係形成能力の育成に関して 児童は、様々な生育環境の中で自信がなかったり、自分が認められたいと言う思いが先行したり する様子が多く見られる。それらの思いを満足させることが、自己有用感を高める。そして、自分 の良さへの気付きは、児童が自信をもって自ら行動すること。さらに、友達の良さへの気付き、友 達との関わりや優しさをもった姿へとつながっていくという昨年度の評価を再確認した。 今後さらに、リーダー的な児童を中心として、教師の支援を最小限にした友達との関わり場面を 増やし、自分たちで遊びや学習を組織していく力を付けていきたい。 小学部は幼児期からの遊びを中心にした発達全体の促進の時期であり、6年間という長さもある。 低学年、高学年または、児童の実態によって、今後必要な力の視点が違うのではないかと考えるが、 人間関係形成能力の育成には今後も重点を置いていきたい。 また、中学部・高等部を見据え、中学部・高等部の教育課程の系統性も考えながら、役割を果た すこと・課題への持続性など自立につながる力として小学部で育てるべき力を検討していきたい。 - 12 -
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