ビール純粋令から500年: デトモルトのシュトラーテ醸造所 コピーライト: Brauerei Strate Detmold 地元を愛し、環境にとことん配慮したビール作り。NRW州北東部の町デトモルトで は、5代目女性社長が2人の娘と共に奮闘中 ビール愛好家の間でも、ビール醸造は中世まで女性の仕事だったことは余り知られ ていない。デトモルトのシュトラーテ醸造所においては今でもその伝統が守られて いる。150年の歴史を持つ家族経営の醸造所の現社長は5代目で女性。レナーテ・シ ュトラーテ社長は2人の娘 -フリーデリケとシモーネと共に醸造所を経営している。醸造所は1853年にアドルフ・ヒュッペが設立。現在 、従業員33人を有する企業に成長している。 フリーデリケ・シュトラーテは1983年、ドイツ最年少となる19歳にしてビール醸造 マイスターとなった。担当は販売・マーケティング、並びにビールの味である。一 方シモーネは財務を担当し、社長のレナーテはマネジメント戦略の責任を負ってい る。女性3人のチームワークにより、年間生産量は1980年代初頭の1万ヘクトリット ルから今、16万ヘクトリットルにまで増加している。 シュトラーテ醸造所の特徴は環境にやさしいウィンクトップ(Bügelverschluss)の 瓶。この栓タイプの瓶ビール生産量では1980年から第2位の座につけている。年間 生産量は3900万本。つまり3900万個の王冠を節約していることになる。さらに、瓶 のラベリング工程でのアルミ蒸着の回避、また熱回収の新技術の導入など強い環境 志向が特徴だ。 シュトラーテ醸造所のモットーは「地域に生き、地域のために生きる」。ビールに news-japan.nrwinvest.com NRW.INVEST News 2016-04 は選りすぐりの材料のみを使用している。トイトブルク山地のベアレベック水源の 「軟水」、ドイツ産の大麦、ならびに世界でも有名なテットナンクとハラータウ地 方の高品質のホップ。このような努力により、シュトラーテ醸造所のビールは毎年 ドイツ農業協会(DLG)から表彰されている。 他とは異なるビールを欲する昨今の強いトレンドがシュトラーテ醸造所の成長を後 押ししている。製品には、伝統的な小麦ビール、ピルスナー、ラント・ビール、セ ラー・ビールの他にも、製造特許権を持つグリュービールも生産している。これは クリスマスの香辛料入りのビールで、温めて飲むので寒い日には最高だ。ビール消 費量が落ち込む冬に備える独自の対策である。なかでも特に人気が高いのがデトモ ルトの「トゥスネルダ・ビール」だ。この名称は、ファルスとの戦いに勝利したゲ ルマン族長のアルミニウスの妻の名前に因んでいる。紀元9年、アルメニウスは、 デトモルト近郊のトイトブルク山地でローマのファルス将軍に勝利した。2000年経 った2009年の「ファルス年」にはこの歴史的勝利を祝う一連の展示やイベントが行 われ、トゥスネルダ・ビールの販売も始まった。このビールは2013年、「ビール・ オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、メルケル首相も試飲した。 デトモルト・シュトラーテ醸造所ホームページ news-japan.nrwinvest.com NRW.INVEST News 2016-04
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