中国半導体ツアー報告

中国半導体ツアー報告
総合電機/半導体製造装置
2002 年 4 月 10 日
まだ脅威にはならないが、着実に地固めは進む。中国の半導体産業は当
面ファウンドリーが成長の牽引役となり、 その意味では、日本の半導体
メーカーと直接的に競合する状況にはない。 一方で、日本のセットメー
カーにとっては、中国は成長市場ながら厳しい市場となっている。
Japan
日本の半導体産業については、過度に悲観的になる必要はない
今後 5 年程度の中国の半導体産業の牽引役はファウンドリーとなろう。主要顧客は海外
半導体メーカー、仕向け地先は中国国内向け製品のセットが中心となる。一方で、中国
の IDM/LDM やファブレスは R&D の強化を急いでいるものの、技術的蓄積に時間を要する
ことから、当面は目立った存在とはならないと考えられる。
日本のセットメーカーは苦戦
家電製品や携帯電話事業等については、現地市場でのセットメーカーに対して日本メー
カーの苦戦が目立つ。セット生産そのものでは、現地企業との差別化は困難であり、強
力なブランド力を持つソニーを除いては競合が厳しくなっている。一方で、国内市場の
成長が続く状況にあるにもかかわらず、中国二番手企業の経営状況の悪化が目立ち始め
るなど、競争が激化している。日本のセットメーカーにとっては、従来以上にコア部品
総合電機/半導体担当
アナリスト
松橋 郁夫
[email protected]
(03) 3589-8852
の供給に徹するという選択も必要となると考えられる。
半導体製造・精密セクターへのインプリケーション
半導体製造・精密セクターにとっては、今後 5 年間でファブが 15 も 20 も建ち、中国需
要が装置のサイクルを大きく牽引するいうシナリオは現時点では考えにくい。今後、2~
半導体製造装置/精密担当
アナリスト
3 年の間は、中国の先端ファブは海外メーカーのビジネスを当てにしたファウンドリー
堀江 伸
[email protected]
(03) 3589-7396
市場は大きくならないと思われる。
Goldman Sachs
Global Equity Research
本資料の裏表紙に
重要なディスクロージャーを
掲載している。
にならざるを得ず、そうしたビジネスモデルで SMIC と GSMC 以外に次々に参入するほど
中国半導体ツアー報告
目
総合電機/半導体製造装置
次
1 中国半導体ツアーからのインプリケーション
3 中国の半導体産業の現況
7 需要地としては中国
9 中国セットメーカーの状況
12 日本メーカーの展開
13 個別企業偏
15
Semiconductor Manufacturing International Corp.
(SMIC:中芯国際集成電路製造)
16
Grace Semiconductor Manufacturing Corp. (GSMC:上海宏力半導体製造)
17
Central Semiconductor Manufacturing Corporation
(CSMC:中国上華半導体)
19
Advanced Semiconductor Manufacturing Corp.of Shanghai
(ASMC:上海先進半導体)
20
Shanghai Belling Corp., Ltd.(上海貝嶺)
21
Shangai Huahong Integrated Circuit(SHIC)
22
Haier(海爾集団)
24
TCL International Holdings
26
Legend Holdings(連想集団有限公司)
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中国半導体ツアー報告
中国半導体ツアーからのインプリケーション:
まだ脅威にはならないが、着実に地固めは進む
中国の半導体産業は、当面ファウンドリーが成長の牽引役となり、その意味では、
日本の半導体メーカーと直接的に競合する状況にはない。一方で、日本のセットメ
ーカーにとっては、中国は成長市場ながら厳しい市場となっている。
ゴールドマン・サックス(以下、「当社」)では、3 月中旬に中国の主要ハイテク企業を
訪問した。結論としては、日本の半導体産業については、過度に悲観的になる必要
はないことを確認できた。一方で、家電製品や携帯電話事業については、現地のセ
ットメーカーに対して苦戦が目立つ。総合電機メーカーの取り組むべき経営課題は
数多くあるが、シクリカルな回復に対する懸念は過剰であるとする考え方を確認し
たい。
日本の半導体産業については、過度に悲観的になる必要はない
中国の半導体メーカーが日本メーカーと直接競合することは当面ない
今後 5 年程度の中国の半導体産業の牽引役はファウンドリーとなろう。主要顧客は
海外半導体メーカー、仕向け地先は中国国内向け製品のセットが中心となる。一方
で、中国の IDM/LDM1やファブレスは R&D の強化を急いでいるものの、技術的蓄積に
時間を要することから、当面は目立った存在とはならないと考えられる。
こうした点から判断して、中国の半導体メーカーが日本メーカーと直接競合するこ
とは当面ないと言えよう。むしろどのように協業し、中国市場の成長の付加価値を
取り込む手段を構築することが重要であると考えられる。
むろん奢りは禁物であり、課題解決は不可避
ただし、日本の半導体メーカーにとって奢りは禁物であり、早急にバランスシート
の改善や効率経営の徹底といった課題に取り組まなければならないことは依然とし
て必要不可欠である。今後、半導体市場の回復が徐々に進む過程で、中国メーカー
を含めたアジア企業は、資本市場での資金調達によってレバレッジをかけて成長を
加速させる可能性が高い。こうした時に、日本メーカーが機動的に戦略的アクショ
ンを起こせない状況では、不利な立場に追い込まれる可能性がある。半導体サイク
ルの回復を待って、徐々にバランスシートを改善させ、そこから動くというのでは、
まったくの手後れとなるリスクが残る。
1
IDM/LDM:Integrated Device Manufacturer/ Leveraged Device Manufacturer。
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1
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総合電機/半導体製造装置
日本のセットメーカーは苦戦
その一方で、家電製品や携帯電話事業等については、現地市場での日本セットメー
の苦戦が目立つ。セット生産そのものでは、現地企業との差別化は困難であり、強
力なブランド力を持つソニーを除いては、競合が厳しくなっている。一方で、国内
市場の成長が続く状況にあるにもかかわらず、中国二番手企業の経営状況の悪化が
目立ち始めるなど、競争が激化している。日本のセットメーカーにとっては、従来
以上にコア部品の供給に徹するという選択も必要となると考えられる。
海外市場での中国メーカーの展開は、現在のところ、思ったほど進展していない。
主力企業でも海外売上高比率は一桁(%)台である。一方で、三星電子など韓国メー
カーとの競争が着実に顕著になっていることを念頭に置くと手放しには喜べないが、
中国メーカーの海外展開が本格化するのに今しばらく時間を要するということは、
日本企業にとっては好材料と言えよう。
半導体製造・精密セクターへのインプリケーション
中国において、今後 5 年間でファブが 15 も 20 も建ち、中国需要が装置のサイクル
を大きく牽引するいうシナリオは現時点では考えにくい。今後、2~3 年の間は、中
国の先端ファブは海外半導体メーカーのビジネスを当てにしたファウンドリーにな
ら ざ る を 得 ず 、 そ う し た ビ ジ ネ ス モ デ ル で SMIC(Semiconductor Manufacturing
International)と GSMC(Grace Semiconductor Manufacturing)以外の企業が次々に参
入するほど市場は大きくならないと思われる。
中国で先端ファブの建設ラッシュが起きるのは、国内の半導体メーカーがある程度
先端デバイスを設計できるようになってからと考えられ、それまでは SMIC や GSMC
の 拡 張 投 資 や 、 UMC(United Microelectronics) と TSMC(Taiwan Semiconductor
Manufacturing)の中国ファブあたりが先端ファブの需要になると思われる。その他、
中古装置を使ったニッチ・ファウンドリーが数ヵ所誕生する可能性はある。
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中国の半導体産業の現況
現在、中国の半導体産業は新たな局面に移行している。2001 年以降の半導体サイク
ル悪化により、一時よりはトーンダウンしているが、半導体工場新設の話題が、依
然として最も多い。中国市場は、需要面では世界の 7~8%程度はあるが、国内生産
は世界の 1%に過ぎないという状況にあり、多くの潜在的な成長余地を残している
(図表 1 参照)。
当面の牽引役はファウンドリー
ファウンドリーが半導体成長の牽引役
こうした新しい流れの最大の特徴は、半導体産業における当面の牽引役がファウン
ドリーとなることであろう。具体的には、新興勢力である SMIC や GSMC は、ハイエ
ンドの製造ラインを立ち上げ、台湾の TSMC や UMC、シンガポールの Chartered
Semiconductor などの大手ファウンドリーと近いビジネスモデルの構築を目指す。こ
の ほ か に 、 ラ イ ン 新 設 を 計 画 し て い る ASMC(Advanced Semiconductor
Manufacturing)や CSMC(Central Semiconductor Manufacturing)も、ファウンドリー
事業を展開している。ASMC はアナログ半導体のファウンドリーとして特徴を出して
おり、既に数多くの欧米半導体メーカーを顧客としている。また、CSMC は、ローエ
ンド・プロセスのニッチ市場をターゲットとしている。
そのほかには、海外メーカーの直接投資
現地のファウンドリー以外には、海外半導体メーカーの中国への直接投資がもう一
つの動きと言えよう。具体的に事例としては、Huahong NEC(上海華紅 NEC)、SGNEC(首鋼日電電子)やモトローラなどが過去の実績である。直近では、UMC が進出方
法を最終検討している段階にあると見られる。
中国ファウンドリーの有利な点・不利な点
台湾などのファウンドリーと比較した場合、中国ファウンドリーの主な有利な点と
しては以下の 4 点が挙げられる。
•
中国市場・中国セットメーカーと地理的に近い。
•
オペレーターなどの人件費が安い。米国の 10 分の 1、台湾の 4 分の 1 程度とな
る模様。
•
インフラ・コストも低い。
•
VAT(付加価値税)制度により国内生産が優位となっている。具体的には、国内消
費される半導体を購入する場合、中国生産部品では 3%の VAT で済むが、輸入品
では 17%の VAT がかかる。
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3
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一方で、主な不利点としては、以下の 3 点が挙げられる。
•
技術開発力の不足。これは、海外メーカーとの提携により補う方向。
•
エンジニア以上の層での人材確保。
•
ストック・オプション等の法制度の不備。
顧客の主要ターゲット
したがって、中国半導体メーカー(ファブレス)にとって、最大の顧客は海外半導体
メーカーとなる。用途は、基本的には中国内で消費される製品向けが中心となる。
海外市場向けは、将来的には拡大する余地も大きいが、当面は副次的な位置づけと
考えられる。
図表 1: 中国半導体市場における需要と供給の関係
(十億米ドル)
45
41.1
40
中国半導体供給
需要
35
31.8
30
24.8
25
19.3
20
15.1
15
11.79
2003予
8.5
2005予
4.8
6.3
2004予
2.9
2002予
0.63 0.71
2.25
3.7
0.96
2001
4.38
2000
3.35
1998
0.47
1996
0
2.61
1997
5
6.63
1999
10
出所: SMIC。
IDM/LDM は今のところ大勢ではない
一般的に言って、これに対して、中国の半導体産業における IDM/LDM の存在感は希
薄である。過去、中国国内でも IDM/LDM に近い存在はあったものの、IDM/LDM 的事業
と位置づけられるのはローエンド家電製品向けや、セキュリティ向けなど国内メー
カーとして庇護を受けている分野に限定される。
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中国国内におけるウエハー処理能力増強の動き
中国では、8 インチ・ファブは現在 3 つが稼働中である(上海華紅 NEC、モトローラ、
SMIC)。残りは、6 インチ以下のファブとなっている(図表 2 参照)。現在、2005 年頃
までに 8 インチのファブが 20 程度新設されるという観測がある。しかし、非常に興
味深いことに、中国の半導体業界関係者の中で、半導体工場の新設に関しては意外
に慎重な見方が多く、先に挙げた計画が実行に移される可能性は低い。その際に、
制約要因として資金調達力を挙げる向きが多かった。
図表 3 に今回訪問した企業の増強計画を示したが、これらは相対的には実行可能性
が高いと考えられる。
図表 2:
中国におけるウエハー処理能力の内訳(2000 年)
6イ ン チ
14%
8イ ン チ
5%
5イ ン チ
10%
3~ 4イ ン チ
71%
出所:SMIC。
図表 3:
中国の主要半導体メーカーの能力増強計画
ウエハー・サイズ
微細化レベル
8”Fab1+3B
8インチ
0.18~0.22μ
8”Fab2+3B
8インチ
Fab1
8インチ
0.18~0.22μ
上海貝嶺 Fab2
8インチ
ASMC
Fab3
CSMC
SMIC
GSMC
装置搬入
試作開始
量産開始
増強計画
2001年8月
2001年9月
2002年1月
5K/月
2002年12月
5K/月
2002年12月 2003年6月
25K/月 Fab1+2+3Bで
45K/月
2002年9月
2002年12月
2003年3月
5K/月
2004年1月
25K/月
2004年末
50K/月
0.25~0.35μ
2002年9月
2002年12月
NA
2003年12月
10K/月
NA
20K/月
8インチ
0.25~0.35μ
NA
Fab1
6インチ
0.5~0.6μ
Fab2
6インチ
2002年6月
NA フルキャパ時には30K/月
5K/月
現在
13K/月
NA
2002年末
20K/月
2003年末
17K/月
出所: ゴールドマン・サックス調査部作成。
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ファブレス半導体メーカーも、まだ黎明期
ファブレス半導体メーカーの数は既に 200 社程度に達している模様である。全社の
合計売上は約 20 億元。上位 5 社は年間売上 1 億元を超えており(図表 4 参照)、その
ほかは小規模の企業が多い。設計のレベルなどは世界的水準に対してまだ遅れてお
り、0.5~1.0μ以下の設計が中心となっている。今後の技術蓄積に関しては、デジ
タルのデバイスが中心となって進められると推測される。相対的に難易度が高く、
経験の蓄積を要するアナログなどについては、ファブレスの立ち上がりも遅れると
考えられる。
図表 4:
中国のファブレス半導体メーカー上位 5 社
社名
2001年売上
百万元
Silan
300~400
Datang
200
Sike
Huada
Huahong
主要製品
ファウンドリー
ローエンド民生系バイポーラなど
SMARTカード用IC
Hua Yue、SG-NEC
Huahong-NEC、ASMC、STM
200
民生、計算機
CSMC
160
デジタルAV、CADツール
Huahong-NEC
SMARTカード用IC
Huahong NEC、Samsung
110
出所: ヒアリングなどによりゴールドマン・サックス調査部作成。
R&D の基盤はまだ弱い
中国は R&D の強化を急いでいるものの、やはりまだ歴史が浅く、その基盤は世界レ
ベルから見てまだ弱いと言えよう。生産技術という面では、前工程の製造プロセス
技術では必ず海外のパートナーが存在する。また、設計という面では、ローエンド
家電向け製品を中心に 0.5~1.0μ程度の設計が中心となっている。これらが世界の
トップレベルに達するまでは少なくとも 4~5 年、場合によってはもう少し長い年月
がかかるものと推測される。
6
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需要地としては中国
短期的な需要は予想外に堅調:旧正月の売上も好調に推移した模様
家電製品:世帯普及率は、冷蔵庫・洗濯機が 50~60%程度、エアコンは 20%程度と
なっている模様であり、もう一段の普及率上昇の余地を残している。テレビは都市
部では普及率は 100%を超えているが 2 台目需要が立ち上がりつつあり、周辺部では
普及率が 40%程度にとどまっていることから、市場全体としては、年率で一桁(%)
台半ば程度の成長が可能との見方ができる。全体としてはやや伸び率が鈍化するこ
とが予想されるが、総じて成長余地を残している。
PC:市場規模は、2000 年で 721 万台、2001 年で 879 万台、2002 年は 1,080 万台程度
になると IDC は予想している。コンシューマ市場はやや伸び率が鈍化しているが、
企業向け市場は好調に推移している模様。また、この数年ローカル・ブランドの台頭
が著しい。海外ブランド PC のシェアは 96 年には 37%程度だったが、直近では 15%
を下回っている模様(図表 5、6 参照)。
図表 5:
中国 PC 市場のブランド別構成比の変遷
ノンブランド
ローカル・ブランド
海外ブランド
1996
1997
1998
1999
2000
54%
49%
53%
51%
35%
9%
19%
23%
33%
50%
37%
32%
24%
16%
15%
出所:Legend。
図表 6:
中国 PC 市場のメーカー別シェア、2001 年 10~12 月期
2001年Q4のシェア
Legend
30.8%
Founder
10.0%
Tonfang
5.1%
IBM
5.0%
Dell
4.5%
出所:Legend。
携帯電話:短期的には、市場伸び率は鈍化するものの期待値は高い。歴史的には、
モトローラやノキアといった海外ブランドが高いシェアを獲得してきた。しかし、
昨年以降、Bird、Haier や TCL などの追い上げにより、現地メーカーがシェアを伸ば
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7
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している(図表 7 参照)。特に、都市部では、誕生石を蓋に埋め込んだ TCL の端末が
現在、人気沸騰中である。海外の端末メーカーは、デザインのローカライゼーショ
ンを基本的に行わないことを考えると、現地メーカーのシェアは当面拡大基調が続
くものと予想される。海外メーカーではエリクソンやシーメンスなど欧州勢が、や
やモメンタムを失っている模様である。
図表 7:
中国携帯電話市場での国内メーカーのシェアの推移
%
45.0
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
1999
2000
2001
2002予
2003予
出所:TCL
また、China Unicom でサービスが始まっている cdma に対する懐疑的見方が予想以上
に多かった点も興味深い。GSM での音声サービスの品質がよく、ユーザーが積極的に
cdma へシフトする誘因がないことが響いている模様。中国政府は cdma に関して 19
のライセンスを出したが、海外端末メーカーで端末製造ライセンスを取得したのは
モトローラのみである(三星電子は現地メーカーとの提携を活用して、端末を供給)。
現地メーカーも、押し並べて cdma 端末の生産に対して消極的な姿勢が強い。
従来、中国の端末市場では、キャリアが端末を報奨金などをつけて仕入コストを安
く販売する方式は認められていなかった。しかし、これに対して、China Unicom は
cdma の端末を自ら輸入して、普及を促進させるなど、新しい方法を模索している模
様である。
8
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中国セットメーカーの状況
多角化を目指している
中国現地のエレクトロニクス・メーカー各社は、多角化を進めて総合経営路線を目指
している。エアコンや冷蔵庫といった白物家電のトップ・メーカーの Haier は、テレ
ビなど AV 製品には 98 年から、携帯電話事業にも 2001 年から参入した。また、TCL
など過去テレビを主力としてきた企業は、やはり白物家電や携帯電話や PC 事業に参
入。PC 最大手の Legend も、携帯電話事業の強化の姿勢を鮮明としている。
こうした総合経営路線は、かつての日本大手企業の多角化路線とも似ていると言え
よう。こうした戦略は、国内市場が急成長が続く局面では一定の効果をもたらす可
能性があろう。非常に興味深いことに、いずれのセットメーカーも、「ブランド」と
いう言葉を経営戦略を説明する際に予想以上に引用した。この意味を推し量ると、
現地メーカーは、ある特定市場セグメントにおける圧倒的ブランド力の構築を目指
しているのではなく、広くあらゆる製品市場で国民に認知されることを重視してい
るものと考えられる。
市場の成長続くものの、二番手企業の収益は早くも悪化
また、その一方で、もう一つ特徴的な点は、国内市場の成長が続く状況にあるにも
かかわらず、競争が激化しており、二番手企業は早くも赤字に転落するケースが出
てきていることであろう。
エアコン以外の白物家電は、Haier 以外は新規の技術開発も困難な状況になり兼ねな
い模様である。テレビでは、最大手の TCL(2001 年シェア 20%)は黒字であるものの、
Konka(同 14%)や Changhong(同 15%)は赤字に転落していると見られる。
コア部品の技術力にはまだ遅れているが、セットではほぼ同レベル
中国のセットメーカーを見た場合、セット生産技術に関しては、世界トップ・メーカ
ーとほぼ同レベルにあることは否定できない事実である。しかし、その一方で、コ
ア部品に関してはまだ技術的には海外メーカーが先行している。
例えば、エアコン用のコンプレッサーやテレビのブラウン管などは、海外メーカー
あるいは現地資本と海外企業の合弁が主要供給先となっており、自社生産に踏み切
っている現地セットメーカーは少ない。また、携帯電話に関しても、RF モジュール
などを自社設計・生産できる現地メーカーは、基本的にはない模様である。
今後、コア部品や半導体に関して、社内生産・社内設計を行うことについては関心
はそれなりには持っている。しかし、当面はコストを優先事項として挙げており、
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9
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同基準のもとで、外部調達か社内生産かが決定されると見込まれる。直近の Haier、
TCL などの日本メーカーとの提携は、コア部品の技術力の不足を解消することを目指
した動きと言える。
海外展開に関しては、予想以上に苦労している
セットメーカー各社は、いずれも海外展開を重点戦略として挙げている。Haier は欧
米市場志向、TCL はアジア市場志向といった違いはある。しかし、今のところ、いず
れも海外向け売上は全社売上の 5~10%程度にとどまっている状況にあり、苦戦を強
いられていると評価できよう。成功事例も、Haier の北米の小型冷蔵庫市場(市場シ
ェア 4 割程度)など特定分野に限られている。
中国市場での成長余地が依然大きく資源配分が国内優先となっていることが、海外
市場でのブランド・販売力の強化が想定したほど進んでいない要因の一つと考えら
れる。むろん、中国メーカーのコスト競争力を考えると、中長期的には、潜在的ア
ップサイドの余地は大きいと考える必要はあろう。しかし、今のところは、三星電
子など先行しているアジア・メーカーと同レベルで比較するのはやや時期尚早と言え
る。
流通構造にも特徴あり
中国国内の流通構造の最大の特徴は、大型量販店の数が非常に少なく、小規模小売
店が多いことである。同現象は市場創成期において一般的に見られる特徴とも言え
るが、さらに中国人のアントレプレナー的性格を色濃く反映しているものと考えら
れる。したがって、当面、この状況は大きく変化しそうにないと言えよう。
この結果として、中国市場において、セットメーカーが流通レベルの在庫管理まで
できるのは相当先となると言えよう。今のところ、中国市場で在庫問題がクローズ
アップされたことはあまりない模様である。しかし、今後、何かしらの製品市場で
需要が急減速した場合、深刻な在庫問題が顕在化するリスクもある。
生産の仕方は各社各様
生産という点に着目した場合、企業によってまったくその方式は違っている。
Legend は、PC の組み立てについて、人手を活用したライン方式が中心となっている
が、一部コンフィグレーションが必要な特殊製品ではセル方式を導入している。ま
た、携帯電話の生産一つをみても、Haier は自動化を積極的に進めている一方で、
TCL は人手による組み立てを行っている。
図表 8 に中国における主要家電製品の生産状況を掲げた。
10
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図表 8:
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中国における主要家電製品の生産状況
(万台)
冷蔵庫
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
3
3
5
6
10
19
55
145
225
401
758
671
463
470
486
597
768
919
980
1,044
1,060
1,210
洗濯機
2
25
128
253
366
578
887
893
990
1,047
825
663
687
708
896
1,094
948
1,075
1,255
1,207
1,342
扇風機
138
233
724
1,050
919
1,046
1,771
3,175
3,529
3,661
4,496
4,992
5,799
6,219
6,837
7,387
8,614
12,967
10,292
8,171
6,725
6,158
エアコン
0
1
1
1
2
4
6
12
10
13
26
38
24
63
158
346
393
683
786
974
1,157
1,338
テープ
ラジオ
白黒テレビ カラーテレビ レコーダー
1,168
51
0
5
1,381
132
1
17
3,004
246
3
74
4,057
524
15
155
1,724
562
30
347
1,999
631
53
498
2,220
870
134
776
1,600
1,232
435
1,393
1,590
1,045
415
1,757
1,764
1,262
673
1,978
1,549
1,467
1,038
2,540
1,835
1,827
940
2,349
2,103
1,652
1,033
3,024
1,969
1,486
1,205
2,874
1,649
1,535
1,333
3,232
1,754
1,597
1,436
3,648
4,132
1,594
1,689
8,396
8,205
1,439
2,058
8,581
5,651
1,004
2,538
8,633
4,624
926
2,711
8,274
3,497
4,262
-
出所:中国統計年鑑。
Goldman Sachs Global Equity Research
11
中国半導体ツアー報告
総合電機/半導体製造装置
日本メーカーの展開
主要セット製品における、日本メーカーの中国市場での展開に関しても調査を行っ
た。以下がその要点である。
12
•
携帯電話は苦戦:ソニーは地域を問わず、ハイエンド端末としては一定の存在感
あり。松下は香港など一部地域では健闘。その他の NEC、三菱電機などはあまり
積極的に展開していない感あり。
•
民生品では、部品供給者としては存在感あり:最終セットでは、ソニーの存在感
は圧倒的であり、高級ブランドとしての認知度が高い。テレビでは東芝も評価が
高い。エアコンは日立が中国国内 5 番手メーカー。このほかに主要部品に着目す
ると、日本メーカーは、エアコン用のコンプレッサーや、テレビ用ブラウン管な
どの供給者となっている。
•
PC:ソニーのバイオは人気高いが価格も高く、高嶺の花的存在。東芝のノートな
どは相対的には健闘。
•
プリンタ:HP(キヤノン)は強いが、三星電子なども侵食。
•
デジタルカメラ:日系メーカー中心の市場であり、今のところ現地メーカーでは
目立った存在はない。
•
半導体:実態は把握しにくい。しかし、今後の展開を考えた場合、現地生産・開
発拠点がないと、需要取り込みが困難なことは明らかと言えよう。
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総合電機/半導体製造装置
中国半導体ツアー報告
16 Grace Semiconductor Manufacturing Corp.
(GSMC:上海宏力半導体製造)
17 Central Semiconductor Manufacturing Corporation
(CSMC:中国上華半導体)
個別企業偏
15 Semiconductor Manufacturing International Corp.
(SMIC:中芯国際集成電路製造)
19 Advanced Semiconductor Manufacturing Corp.of Shanghai
(ASMC:上海先進半導体)
20 Shanghai Belling Corp., Ltd.(上海貝嶺)
21 Shangai Huahong Integrated Circuit(SHIC)
22 Haier(海爾集団)
24 TCL International Holdings
26 Legend Holdings(連想集団有限公司)
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14
総合電機/半導体製造装置
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総合電機/半導体製造装置
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Semiconductor Manufacturing International Corp.
(SMIC:中芯国際集成電路製造)
中国最初の先端 8 インチ・ファウンドリー。元 WSMC(Worldwide Semiconductor
Manufacturing )の CEO である Richard Chang 氏が設立。同社の成功の可否が、中国
に先端の半導体工場が根付くかどうかの試金石と言える。
生産能力
ファブ 1 は昨年 8 月から装置搬入を開始し、2002 年 1 月から量産を開始した。現在
は月産 5,000 枚の能力で、その大半が顧客用に、一部を開発用に割り当てている。
ファブ 2 は 2002 年 6 月から装置搬入を始め、両ファブで 2002 年末には月産 25,000
枚、2003 年 6 月に 45,000 枚、2004 年 1 月に 85,000 枚を目指す。
製品とユーザー
主要ユーザーは東芝、富士通、Chartered Semiconductor で、東芝はローパワーSRAM
など(0.18 ミクロン)、富士通は FCRAM(0.20~0.18 ミクロン)に関して、技術供与を
したうえで委託する。その他米国、台湾に主にファブレスのユーザーを確保してお
り、2002 年後半には日本、米国、台湾からの売上がほぼ均等になる可能性が高いと
見られる。現在約 40 の顧客を確保している。
競争状況
中国で最初の 8 インチの先端純粋ファウンドリーであり、かつ Richard Chang 氏の
豊富な人脈を利用できるなど、今後、完成してくる国内ファウンドリーに対しての
優位性は高い。しかし結局、当面は海外ユーザー中心になるため、TSMC や UMC との
競合もあり、さらに UMC や TSMC が今後中国でファブを建設する可能性が高まってき
ていることから、楽観はできない。
人材について
人員は約 1,100 人が中国国内、約 500 人が海外から。うち約 350 人が台湾、約 100
人が米国、残りがが欧州と他アジア。海外スタッフの給与に関しては基本的に従来
の本国の給与よりも低水準で、その分ストック・オプションで還元するという考え方
である模様。現在株式の 6~8%は従業員が保有している。
装置
露光装置は ASML とキヤノン。同社のファブは、世界でも珍しくトランジスタ形成工
程(FEOL、Fab1、2)と配線工程(BEOL、Fab3B)が別の建物になっている。そのため、
能力増やスペックの変更などの多い配線工程に、トランジスタ形成工程が影響され
ないというメリットがある。
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15
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総合電機/半導体製造装置
Grace Semiconductor Manufacturing Corp.
(GSMC:上海宏力半導体製造)
中国で 2 番目の 8 インチ・ファウンドリー。中国社会科学院副院長の Jiang Min Han
氏と Nanya Group の Winston Wong 氏が設立した。上海浦東の張江ハイテク工業地域
に位置する。現在ファブの建物はまだ建設中で、オフィスも仮設のものであるが、
既に活発な活動が行われている。
立ち上げスケジュール
現在のスケジュールでは、2002 年 6 月にファブ完成、9 月装置搬入、12 月パイロッ
ト生産、2003 年 3 月量産開始である。2004 年初には月産 25,000 枚、2004 年末には
月産 5,0000 枚を見込む。ここまでの予想投資額は 16.3 億ドル。今後 10 年間で 4 つ
のファブを立ち上げ、75 億ドルを投資する目標。当初は 0.22 ミクロン 80%、0.18
ミクロン 20%で立ち上げる。資金は 4 億ドル分のエクイティは確保済みで、国内銀
行からの 8.3 億ドルの借入を最近ほぼ決めた。残る 4 億ドルについては、エクイテ
ィを含めた調達手段を検討している。
製品とユーザー
立ち上げ時の主要顧客は沖電気、SST、台湾の大手ファブレス・メーカーと推定され、
沖電気はプロセスの共同開発も行う。沖電気、SST は株主でもある。当初はマスク
ROM、SRAM、フラッシュ、DRAM などから始め、その後ロジックを目指す。ウエハー単
価は市場より 5~10%低い水準を狙う。2003 年は、国内顧客は 1~2 割に過ぎないが、
将来は 4 割程度にまで持っていく方針。
競争状況
基本的には中国市場は十分に大きく、工場 8~10 個分の需要はある。一方で、現実
に 8 インチが立ちあがっているのはまだ 2~3 社に過ぎないことを考えると、まだ
Grace が SMIC などと競合するような段階にはないと会社側は考えている。
人材について
現在総人員は 400 名、うち 120 名が海外からの従業員で、その 6~7 割が台湾から来
ている。海外からの従業員の給与は従来よりも 3~4 割高い水準を提供していると推
定され、更にストック・オプションや住宅なども供与している。SMIC とはやや異なる
戦略を採っている。2002 年末には 1,000 名体制にする予定。
ファブ
工場は SMIF を用いたボールルーム型。露光装置はニコンの 205 と 206 と最先端のも
のが入る予定。工場の地盤に関しては、安定化のため 11,000 本のパイルを埋め込ん
でおり、特に問題はない模様。
16
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Central Semiconductor Manufacturing Corporation
(CSMC:中国上華半導体)
ニッチ・マーケットを狙う純粋ファウンドリー。SMIC や Grace に先駆けて 97 年に、
台湾の DRAM メーカーMosel Vitelic の元 CEO である Peter Chan 氏によって設立され
た。上海近郊の無錫に位置する。2001 年の売上は 3,200 万米ドル、税引利益は 500
万米ドル。6 インチで国内ファブレスのビジネスを狙う堅実なニッチ・プレーヤー。
資本関係
CSMC 自体は 100%の外資企業で、主要株主はベンチャー・キャピタルと経営陣。現在
のファブは国有半導体メーカーの Huajing(バイポーラ中心)との合弁の形態になって
おり、CSMC はその 51%を保有する。同社が次に計画しているファブは同社 100%保
有となる予定。
生産能力
現在の能力は 6 インチが月産 13,000 枚で、昨年まであった 5 インチの能力は既に使
用していない。2002 年末には能力を月産 20,000 枚に上げる方向。今後もう一つ月産
60,000 枚の新ファブの建設計画もあり、中国最大の 6 インチ・ファブの能力を目指す。
これらの増設設備は全て中古品を予定しており、日本の半導体メーカーからの購入
も検討している模様。理想的には、先進国の閉鎖されようとしている 6 インチ・ファ
ブを装置とそのファブのビジネスごと同社に移管し、さらにそこで働いていた人員
に立ち上げのサポートもしてもらうというモデルである。
製品とユーザー
同社の約 160 のユーザーのうち、100 近くが中国国内顧客、約 20 が台湾、約 40 が米
国その他である。同社は中国に 120 ほどあると言われる半導体のデザインハウスの 8
割とビジネスのつながりを持つ。プロセスは 0.6~0.5 ミクロン、メタル 1~2 層が
中心。アプリケーションはコンシューマー向けが大半。今後は、日米半導体メーカ
ーからのアナログ技術の導入に期待している。昨年、Cirrus Logic とのファウンド
リー契約を交わした。
競争状況
基本的には中国国内ユーザーからの需要の主体である 6 インチに特化し、かつ設備
投資を非常に低水準に抑えることで、最先端の Grace や SMIC に差別化していく。ま
た、海外の競争相手に対しては、税金面や人件費の安さに加え、中国国内の顧客が
海外出張に出にくいことや保安上の問題から、国内ファウンドリーを好むというメ
リットもある。
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17
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総合電機/半導体製造装置
人材について
Peter Chan 氏をはじめ、トップ・マネジメントはほぼ全て台湾、香港、オーストラリ
アなど海外の出身。現在従業員は 500 名で、うち海外からのエンジニアは 5~6 名に
過ぎず、低コストのオペレーションである。ファブの立ち上げ時には 30 名ほどの専
門チームがサポートした。
稼働状況
稼働率は海外需要が急減した 2001 年 6~7 月をボトムに、国内需要の回復により 11
月頃から回復基調にある。足元は多少タイトな状況。
装置
現有の装置はニコンの露光装置 12 台の他、Applied Materials のエッチャー、CVD、
PVD、大日本スクリーンと SVG のトラックなど。中古の装置は新品の約半分の価格で
購入可能である模様。中古市場の拡大と共に、装置メーカーも最近サポートの真剣
さが増してきているようである。
18
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Advanced Semiconductor Manufacturing Corp.of Shanghai
(ASMC:上海先進半導体)
アナログ・フォーカスのファウンドリー。元々は Philips の中国半導体工場で、現在
も Philips は同社の 38%を保有。95 年にファウンドリーとしての営業を開始した。
President の Tony Liu 氏は Bell Labs と AMD を経て同社に入社。
生産能力
6 インチ・ファブが一つと 5 インチが一つ。現在は 6 インチが 30,000 枚/月、5 イン
チが 25,000 枚/月の能力となっている。今年 4 月には 8 インチ・ファブの整地を始め
る。建物は月産 30,000 枚対応で、フェーズ 1 は月産 5,000 枚。中古装置を利用する
ため、投資額は建物とフェーズ 1 の装置で 7,000 万米ドルに過ぎない。月産 4,000
枚で黒字化の予定。
製品とユーザー
売上の 50%はアナログ、25%がパワー、25%が IC カードである。ユーザーは
Philips 以外にも、米国の主要アナログ半導体メーカーを多く持つ。売上の 85%は
海外企業から、15%は国内企業からである。稼働率を高めるために国内企業のビジ
ネスを増やすことも可能であるが、ウエハー単価が低すぎるため、当面は避ける模
様。今後の注力分野としては 1.2~0.8 ミクロンのパワーマネジメント・チップが挙
げられる。
競争状況
Philips から引き継いだアナログやバイポーラなどのノウハウがあることと、質の高
い顧客ベースを持つことが同社の強みである。また同社の平均歩留まりは 98~95%
程度で、米国メーカーより高い場合もある。アナログ分野でもアウトソーシングの
トレンドは出てきており、世界でも数少ないアナログ・ファウンドリーとしての優位
性は大きい。
人材について
総従業員は 500 名で、250 名がエンジニア、200 名がオペレーター、50 名が間接部門
など。
稼働状況
現在稼働率は 90%程度。
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Shanghai Belling Corp., Ltd.(上海貝嶺)
Shanghai Belling は 政 府 関 連 企 業 が 出 資 す る Huahong( 華 虹 ) グ ル ー プ と 上 海
Bell(Alcatel と郵電公司の合弁)の合弁会社。通信関連の半導体が主体。同社は
ASMC の 34%を保有し、その他ソフトウエア開発会社や指紋認証システムの会社など
にも投資している。中国初の上場半導体メーカー。2001 年の売上は 7.84 億人民元、
税引利益は 1.49 億人民元。
生産能力
現在は 4 インチのファブを一つ持ち、年産能力は 4 インチ・ウエハーで 18 万枚。現
在 8 インチ・ファブの建設を計画中。約 3.4 億ドルを投じて中古装置で 0.25~0.35
ミクロンのファブを作る予定。9 月に装置搬入、12 月にパイロット生産開始で、フ
ェーズ 1 で月産 10,000 枚を目標とする。装置は台湾の UMC から購入する話もあった
が、最近の UMC の発表でその話は消えたため、他のソースを探すことになる。設備
投資をするためには、増資あるいはシンジケート・ローンなどが必要。
製品とユーザー
売上合計は 7.8 億人民元で、うち 3.3 億元は自社製品、2.2 億元はファウンドリー、
2.1 億元はサービス(ソフト関係の子会社の持分寄与分)。自社製品の 7 割は通信向け、
1 割は IC カードである。ファウンドリーに関しては、ASMC 経由で Philips や
National Semiconductor などの仕事を受けている。
人材について
従業員は 594 名で 42%が設計、R&D などの技術者。基本的には海外からのエンジニ
アはほとんどいない。8 インチ・プロセスに関しては、欧州の IMEC から年 10 名ほど
エンジニアを派遣してもらって立ち上げる予定。
稼働状況
稼働率は 2000 年は 100%超、2001 年前半は 100%であったが、後半から下落し一時
70%にまで低下した。足元は 80%にまで回復。
20
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総合電機/半導体製造装置
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Shangai Huahong Integrated Circuit(SHIC)
中国で売上規模第 5 位のファブレス・メーカー。NEC Huahong や Shanghai Belling と
同じ Huahong グループに属する。1998年に復旦大学の教授であったMin Hao 氏が米国
から帰国して設立。2001 年には売上 1.1 億人民元、税引利益 1,200 万人民元を達成。
業界環境
中国にはファブレス半導体企業は約 200 社存在するが、その全体の売上はまだ約 20
億人民元に過ぎない。0.18 ミクロンの製品を出荷している会社はまだない。最大の
会社も売上で 60 億円程度である。
製品とユーザー
製品はコンタクトレス IC カード(公共交通機関用)、コンタクト CPU カードチップ
(社会保障カード)、ワイヤレス・ラベル(チケット用、防犯システム用)など。コア技
術として、8 ビットの RISC-CPU、RF、EEPROM、暗号などを持つ。デザイン・ルール
は 0.35~0.65 ミクロン。
人材について
従業員数は 100 名で、40 名が研究開発、30 名がアプリケーション、20 名がテストな
ど。現在の問題は海外ファブレス会社もしくは IDM の設計部門の進出によって、優
秀な人材を引き抜かれていくことである。VIA、Motorola、Intel、STM、Philips、
Macronix、エプソン、日立など、様々な企業が中国で設計を始めている模様。やは
り国内ファブレス・メーカーは、まだ製品化のためのノウハウの蓄積が圧倒的に不足
している。同社によれば、中国のファブレス会社が現在の台湾の水準に追いつくに
は 3 年程度かかると考えている模様。
政府の支援措置
上海市政府はこの種のファブレス企業の振興に非常に力を入れており、CAD ツールや
オフィスの貸出など、インキュベーターの役割をする組織をつくっている。また、
安価なウエハー試作サービスの提供、銀行借入のための保証などを行っている模様。
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Haier(海爾集団)
中国最大の家電メーカー
Haier は、84 年創業の中国最大の家電メーカー。本社は山東省青島市。従業員は約 3
万人。CEO 張瑞敏氏の卓越したリーダーシップのもと、中国市場で圧倒的なブランド
力と販売力を持ち、冷蔵庫、家庭用エアコン、洗濯機、掃除機等でトップシェアを
誇る。2000 年のシェアは冷蔵庫で 28%、冷凍庫で 35%、エアコンで 24%、洗濯機
で 24%(いずれもトップシェア)。
業績動向
業績に関しては、グループ全体で見た場合、2000 年度売上高は約 400 億元(6,000 億
円)、税前利益 30 億元(450 億円)、2001 年度は売上高約 600 億元(9,000 億円)、税前
利益 35 億~40 億元(575 億~600 億円)。エアコンや冷蔵庫での商用市場への参入、
中国市場のマンション・ブームなどに支えられて、2001 年度も高い売上の伸びを実現
している。しかし、収益面では価格競争が激化する傾向にあったため、利益率は低
下傾向にある。ちなみに、Haier は A 株として上場しているものの、上場しているの
は全体のオペレーションの一部に過ぎない。
多角化路線進めているが、今のところは白物家電中心。1998 年よりテレビに参入す
るなど、AV 製品にも参入している。また、携帯電話事業にも 2001 年より参入するな
ど多角化路線を進めている。しかし、今のところは、主力の白物家電製品が全社売
上の 90%程度を占めている模様である。
中国国内での販売網は強力
Haier の中国市場での販売網は非常に強力である。直轄販売会社が 42 社、販売取扱
店 9,000 拠点、サービス拠点が 11,900 拠点となっている。Haier はこうした販売網
をベースとして、アフターサービスの体制も含めて構築しており、この点が同社へ
の高い信頼性の背景となっている。
携帯電話事業も拡大を目指す
携帯電話も 2001 年から参入しているが、積極展開を図っている。2001 年度の出荷台
数実績 150 万台に対して、2002 年度は 600 万台を目指している。2002 年度出荷計画
の半分程度は、欧州市場向けの OEM 供給となる模様。同社の調べでは、2001 年度の
国内メーカー内のシェアは 2 番手(20%)であった模様である。数年以内に 30%程度
のシェアを確保したいとしている。
22
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海外展開
海外売上は 2001 年度実績で見た場合、前年比の伸び率は高いものの、全社の 5%程
度にとどまっている。Haier は、欧米市場等に相対的に重点を置いている。今後 3~
4 年以内に、全社売上高の 3 分の 1 ずつを国内、国内生産海外売上、現地生産海外売
上という形に持っていきたいとの目標を持っている。
三洋電機との包括提携
2002 年 1 月に、Haier は三洋電機との包括提携を発表している。同提携に基づき、
両社の技術・製造力・販売ノウハウ等の経営資源を相互に最大限活用するとともに、
(1)ハイアールの強い販売網を活用しての三洋商品の三洋ブランド、ハイアール・ブ
ランドでの中国市場での販売、(2)ハイアール・ブランド商品の日本市場での販売と
合弁会社三洋ハイアール設立、(3)コンプレッサー等の製造拠点での協業の推進、
(4)二次電池、液晶、コンデンサなど、三洋電機のキーデバイス(基幹部品)のハイア
ールへの技術協力と供給拡大する。
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23
中国半導体ツアー報告
総合電機/半導体製造装置
TCL International Holdings
中国最大のテレビメーカー
1981 年に設立された国有企業。92 年に親会社 TCL Holdings よりテレビ事業が移管
され、ほぼ現在の体制の基礎ができあがった。2001 年に中国市場においてテレビの
トップシェアを獲得した。TCL Holdings は現在 TCL International の株式の 51%を
所有している。
業績動向
業績に関しては、グループ全体で見た場合、2000 年度売上高は 85.69 億 HK ドル
(1,262 億円)、税前利益 4.58 億 HK ドル(67 億円)、税引利益 4.28 億 HK ドル(63 億
円)、2001 年度は売上高 96.10 億 HK ドル(1,619 億円)、税前利益 3.17 億 HK ドル(53
億円)、税引利益 2.92 億 HK ドル(49 億円)。12%増収となったにもかかわらず、価格
競争の激化等から粗利益率も 2%悪化した。
多角化路線を模索
テレビを主力としてきた TCL もやはり多角化路線をたどっている。2000 年から冷蔵
庫など白物に参入、エアコンは 2001 年から参入している。2001 年度実績の売上構成
は、テレビが 78%、白物家電 10%、AV(テレビを除く)2%、PC9%、その他 1%とな
っている。ちなみに、一部で TCL が PC 事業から撤退するのではとの観測があったが、
会社側によれば、その意志はない模様である。
テレビ市場では、従来は Changhong、Konka に次いで三番手の位置であったが、2001
年に Changhong が大きくシェアを落としたこともあり、TCL は 20%のシェアでトッ
プ企業となった。TCL の推計では、テレビ事業に関して、Changhong、Konka は赤字
に転落しており、ハイエンド機種で差別化に成功した SkyWorth と、TCL のみが黒字
を維持している。
ちなみに、中国の DVD 市場に関しては、現在のところ Shinco(2001 年シェア 26%)、
BBK(同 13.5%)、Jing Zheng(同 11.3%)となっており、他の家電製品とは全く違っ
たメーカーが上位供給者となっている。しかし、中国市場での需要が VCD から本格
的に DVD へ移行する際には、市場シェアが大きく変わる可能性がある。
海外展開
海外売上は 2001 年度実績で見た場合、全社の 7%程度にとどまっている。Haier と
異なり、TCL は成熟市場を回避して、アジアやロシアなど成長市場において自社ブラ
ンドを浸透させることにフォーカスしている点が特徴として挙げられよう。TCL によ
24
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総合電機/半導体製造装置
中国半導体ツアー報告
れば、インド、フィリピン、ベトナム、インドネシアといった国では、トップ 10 ブ
ランドに入っている模様である。
松下電器産業との提携検討を発表
4 月 9 日に、松下電器と TCL は、今後 1 年間、家電分野における技術開発、生産、ル
ート販売、部品調達等における多面的提携の課題を検討することに合意した。検討
項目としては、1)松下のコア部品(CRT、プラズマ、コンプレッサーなど)の TCL
への供給 、2)松下製品の TCL ルートを利用しての中国市場での販売、3)テレビ等
での相互補完による生産提携 、4)技術面、特に先端AV技術商品(DVD、SD など)で
の提携などが挙げられている。
携帯電話事業
携帯電話事業は 99 年に設立した TCL Mobile Communication で行っている。同社の
株主構成は、TCL International が 30%、TCL Communication Equipment40%、残り
30%を 2 つのベンチャー・キャピタルが所有している。2001 年実績は、携帯電話の出
荷台数が 130 万台、売上高 2.5 億ドル、税引後利益 4,000 万ドルとなっている。TCL
の強みは、1)ブランドネームの強さ、2)セールス・マーケティングの強さ、3)中国市
場に精通していること、4)コスト競争力、5)経営陣、としている。
自社ブランドでの展開に加えて、OEM/ODM も展開することを検討している。海外市場
では、TCL の家電事業と同様、アジア市場を重点市場と捉えている。同社は、欧米市
場は既に成熟しており、成長市場のフォーカスすべきと考えている。一方で、
OEM/ODM に関しては、現在のところ、いくつかの海外キャリアとの交渉を進めている
模様である。
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25
中国半導体ツアー報告
総合電機/半導体製造装置
Legend Holdings(連想集団有限公司)
中国最大の PC メーカーで、約 30%の国内シェアを持つ。経営の質の高さから国家の
モデル企業となっている。売上の 90%は PC で、59%が企業官庁向け、31%が消費者
向け。残り 10%程度はマザーボードと PCB の外販。海外製品の販売やシステム・イン
テグレーションの部門は、Digital China として分離上場した。
中国 PC 市場について
IDC によると、中国の PC の出荷台数の実績と見通しは 2000 年 721 万台、2001 年 879
万台、2002 年 1,080 万台となっている。2002 年は多少伸び率の鈍化が見られるが、
Legend としては中国市場は今後数年 20%台の成長を続けると見ている。足元の需要
は、消費者向けは弱いが、企業官庁向けが非常に強い。WTO 加盟による競争激化を懸
念して国有企業が急速に IT 化を進めていることや、民間企業もまだ IT 化が遅れて
いるためと見られる。今年の旧正月にかけての同社の消費者向けの販売は比較的好
調に推移した模様。中国の都市部の PC 普及率は 5.4%。中国のインターネット・ユー
ザーの数は現在 3,370 万人。96 年に 37%あった外国ブランド PC のシェアは、2001
年には 15%にまで下落。現地ブランドが 9%から 50%に上昇した。
Legend の最近の動向
Legend は中国内に 500 の専売店と 3,000 の代理店を持つ。これらの 9 割はオンライ
ン化されており、同社では流通在庫をほぼ完全に把握している。SAP をベースにした
全社的な ERP を導入し、受注から発送までを平均 5.7 日にまで短縮している。部品
在庫は 21 日。北京工場では年 200 万台の能力で、3 本のベルトコンベア式ラインと、
3 本のセルラインを持つ。Pentium4 と LCD モニターの組み合せは足元のデスクトッ
プの出荷の 5 割以上。メモリー容量は 128MB が主体だが、256MB も 1~2 割存在する。
PC 全体の平均単価は 6,000 元でほぼ一定。福建省アモイの大手携帯電話メーカー
Xiahua と携帯電話ビジネスでの提携を最近発表した。携帯電話は Legend ブランドで
販売される。Legend では携帯電話の技術は既に成熟し、PC 業界の 10 年前の状況に
あると判断して参入を決意した。2~3 年での黒字化を目指す。
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Goldman Sachs Global Equity Research
総合電機/半導体製造装置
中国半導体ツアー報告
本資料の一部または全部を、(Ⅰ)複写、写真複写、あるいはその他いかなる手段において複製すること、(Ⅱ)当社の
書面による許可なく再配布することを禁じます。
推奨レーティング
定義
RL = 推奨リスト採用銘柄(買い推奨)。今後 6~18 ヵ月において株式市場(TOPIX)に対し少なくとも 10%ポイント以上の超過収益が期待できる。
LL = 中南米推奨リスト採用銘柄。今後 6~18 ヵ月においてラテン・アメリカ MSCI に対し少なくとも 10%ポイント以上の超過収益が期待できる。
TB = 短期トレーディング銘柄。今後 6~9 ヵ月のうちに少なくとも 20%ポイント以上の超過収益が期待できる。
MO = アウトパフォーマー。今後 6~18 ヵ月において株式市場(TOPIX)に対し少なくとも 5~10%ポイント以上の超過収益が期待できる。
MP = アベレージパフォーマー。今後 6~18 ヵ月において株式市場(TOPIX)と同程度の収益が期待できる。
MU = アンダーパフォーマー。今後 6~18 ヵ月において株式市場(TOPIX)に対し少なくとも 5%ポイント以下の収益が見込まれる。
法令・社内規定によるレーティング
定義
NR = 投資見解保留。推奨レーティングと目標株価を一時的に保留する。ゴールドマン・サックスが当該企業や一定の状況において合併や戦略的な取引に関する投
資銀行業務に携わっている場合、法令および/またはゴールドマン・サックスの社内規定遵守の見地から投資見解は保留とする。
NC = 投資見解なし。ゴールドマン・サックス調査部の主要調査対象銘柄ではない。
CS = 調査中断。推奨レーティング、業績予想、目標株価などの提示を中断する。
NA = 適切な情報ではない。この情報は表示するには適切ではない。
NM = 適切な意味を持たない。この情報は特に意味を持たないため、除外する。
東京 2 部、大阪、名古屋、札幌、京都、福岡の各証券取引所の上場銘柄および店頭登録は流動性の低いことがあります。
©2002 ゴールドマン・サックス証券会社
本資料はかかる売却・購入が違法となるような法域での有価証券の売却もしくは購入を勧めるものではありません。また本資料によって何らかの行動を勧誘する
ものでもありません。本資料はゴールドマン・サックスのお客様へ一般的な情報を提供することを目的としています。本資料は個々のお客様の特定の投資目的、
財務状況、または要望を考慮しているものではありません。お客様は、本資料のいかなる意見または推奨に基づき投資行動をとる場合でも、その前にそれらがお
客様の特定の状況に当てはまるか否かを考慮に入れるべきであり、必要とあれば専門家に助言を求めて下さい。先物、オプション、高利回り証券に関係する取引
は大きなリスクを被る恐れがあり、すべての投資家に適切な取引ではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当社はそ
の正確性、完全性に関する責任を負いません。ご利用に際しては、ご自身の判断にてお願いします。ここに示した意見は、本資料作成日現在の当社の意見を示す
のみです。当社は、本資料中の情報を合理的な範囲で更新するようにしていますが、法令上の理由などにより、これをできない場合があります。当社および当社
の関連会社、役員、社員その他本資料の作成に携わった関係者が本資料に記された企業の証券または(オプションなどの)派生商品の買い持ちや売り持ち、および
売買を時として行うことはあり得ます。
本資料はゴールドマン・サックス・グループ・インクおよびその関連会社の一つ、もしくはそのいずれかにより発行され、英国での配布に関しては、英国金融サ
ービス機構の規制下にあるゴールドマン・サックス・インターナショナルの、またカナダでの配布に関しては、ゴールドマン・サックス・カナダの承認を得てい
ます。また、香港での配布についてはゴールドマン・サックス(アジア)L.L.C.が、韓国での配布についてはゴールドマン・サックス(アジア)L.L.C. ソウル支社
が、日本での配布についてはゴールドマン・サックス証券会社が、オーストラリアでの配布についてはゴールドマン・サックス・オーストラリア Pty Limited
(ACN 092 589 770)が、シンガポールでの配布についてはゴールドマン・サックス(シンガポール)Pte.が、これを行います。本資料は英国金融サービス機構の規則
に定義された英国の個人投資家配布用に作成されたものではありません。したがって当社は、転換社債もしくは派生商品を含む本資料で取り上げた投資物件を、
英国の個人投資家に提供することはできません。ゴールドマン・サックス・インターナショナルおよび米国以外に所在する同社の関連会社は、それが米国以外
以外
の国の発行体に関連している限り、適用法の許す範囲で、本資料の発行前もしくは発行直後に本資料を使用したり、または本資料に基づいて何らかの行動を起こ
している場合があります。外貨建て有価証券は、投資物件の価値もしくは価格、またはそれから得る収入を低減させる可能性のある為替レートの変動に服してい
ます。さらに、その価値が外国為替の影響を受ける ADR などの有価証券への投資家の場合には、事実上為替リスクを被ることを前提としています。NR( 投資見解
保留)は、当社のレーティングおよび(もし存在する場合)目標株価が一時的に保留されていることをあらわし、当社が当該企業に関連する合併もしくは戦略的取
引のアドバイザーとなっている場合等に、法令および/または当社社内規定に基づき使用されます。
尚、本資料に記載された有価証券に関しさらに詳しい情報がご入用の際には、当社までお問い合わせください。その場合、イタリアからのお問い合わせはミラノ
所在のゴールドマン・サックス S.I.M. S.p.A.もしくはロンドン市フリート・ストリート 133 番地に所在する同社支店が、また香港からのお問い合わせは、クイ
ーンズ・ロード 2 に所在するゴールドマン・サックス(アジア)L.L.C.が、そしてオーストラリアからのお問い合わせは、ゴールドマン・サックス・オーストラリ
ア Pty Limited が承ります。準拠法で別途認められていない限り、本資料記載有価証券の取引執行を当社を通じて希望される場合には、管轄地域内のゴールド
マン・サックス関連会社にお問い合わせください。注:オプション取引はすべての投資家に適切な取引ではありません。取引の開始にあたっては現行のオプショ
ン取引に関する開示書類をよくお読みの上、その内容を十分御理解なさったうえで行ってください
Goldman Sachs Global Equity Research
中国半導体ツアー報告
総合電機/半導体製造装置
中国の主要半導体メーカーの能力増強計画
ウエハー・サイズ
微細化レベル
8”Fab1+3B
8インチ
0.18~0.22μ
8”Fab2+3B
8インチ
Fab1
8インチ
0.18~0.22μ
上海貝嶺 Fab2
8インチ
ASMC
Fab3
CSMC
SMIC
GSMC
装置搬入
試作開始
量産開始
増強計画
2001年8月
2001年9月
2002年1月
5K/月
2002年12月
5K/月
2002年12月 2003年6月
25K/月 Fab1+2+3Bで
45K/月
2002年9月
2002年12月
2003年3月
5K/月
2004年1月
25K/月
2004年末
50K/月
0.25~0.35μ
2002年9月
2002年12月
NA
2003年12月
10K/月
NA
20K/月
8インチ
0.25~0.35μ
NA
Fab1
6インチ
0.5~0.6μ
Fab2
6インチ
2002年6月
NA フルキャパ時には30K/月
5K/月
現在
13K/月
NA
2002年末
20K/月
2003年末
17K/月
出所: ゴールドマン・サックス調査部作成。
Goldman Sachs Global Research Centers
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Menlo Park
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