出席議員(17名) 1番 良 知 義 廣 君 2番 増 田 伸 三 君 3番

●
●
出席議員(17名)
1番
良
知
3番
赤
5番
廣
君
2番
増
田
伸
三
君
堀
勳
君
4番
澤
田
・
弘
君
鈴
木
千津子
君
6番
中
山
香
君
7番
太
田
佳
晴
君
8番
鷺
坂
・
夫
君
9番
本
杉
光
雄
君
10番
中
野
康
子
君
11番
小
杉
康
男
君
12番
鈴
木
正
樹
君
13番
粂
田
幸
一
君
14番
大
石
和
央
君
15番
川
島
啓
司
君
16番
名
波
富
幸
君
17番
田
村
兼
夫
君
欠席議員(0名)
義
●
説明のため出席した者の職氏名
市
長
西
原
茂
樹
君
副
長
田
久
明
君
長
八
木
儀
一
君
総
長
杉
山
肇
君
政策協働部長
橋
本
辰
夫
君
市民生活部長
今
村
至
君
福祉こども部長
山
本
佳
延
君
健康増進部長
鈴
木
博
君
建
長
阿
部
一
博
君
産業経済部長
榑
林
初
夫
君
会 計 管 理 者
総
務
部
防 災 室 長
蒔
田
一
廣
君
紅
林
保
至
君
昇
君
教育文化部長
政 策 協 働 部
秘書広報室長
矢
部
杉
本
基久雄
君
政 策 協 働 部
経営企画室長
村
松
正
史
君
政 策 協 働 部
協働推進室長
加
藤
彰
君
政 策 協 働 部
財 政 室 長
野
村
豊
道
君
市 民 生 活 部
税 務 室 長
大
石
一
志
君
市 民 生 活 部
環 境 室 長
秋
野
裕
之
君
建
水
加茂川
雅
弘
君
建
設
部
建設維持室長
寺
尾
朗
君
建
設
部
都市住宅室長
榎
本
浩
巳
君
産 業 経 済 部
農林水産室長
横
山
裕
之
君
産 業 経 済 部
お茶振興室長
小
関
美
敏
君
紅
林
清
文
君
書
山
本
貴
子
君
教
●
育
設
部
市
務
部
設
道
室
部
長
博
事務局出席職員氏名
事
務
局
長
記
平成22年第7回牧之原市議会定例会議事日程(第3号)
平成22年12月13日(月曜日)
午前9時00分開議
日程第
1
議案第67号
日程第
2
一般質問
①
民事調停について
7番
太
田
佳
晴
君
②13番
粂
田
幸
一
君
③10番
中
野
康
子
君
④12番
鈴
木
正
樹
君
⑤
2番
増
田
伸
三
君
⑥
4番
澤
田
・
弘
君
〔午前
9時00分
開会〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
開会宣言
○議長(田村兼夫君)
これより本日の会議を開きます。
議事に入ります。
本日の議事日程はあらかじめ配付したとおりであります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日程第1
議案第67号
民事調停について(委員長報告、質疑、討論、採決)
○議長(田村兼夫君)
日程第1
議案第67号「民事調停について」を議題といたします。
本件は12月9日の本会議において、所管の常任委員会へ審査を付託し、既にその審査が終了しておりま
すので、委員会の審査の経過と結果の報告をお願いいたします。
○議長(田村兼夫君)
文教厚生委員長。
○文教厚生委員長(中野康子君)
おはようございます。文教厚生委員会の委員長報告をいたします。平成22年12月9日の本会議において、
文教厚生委員会に付託された議案第67号「民事調停について」の審査について報告いたします。
12月10日、4階第2会議室におきまして、委員8名全員出席のもと審査を行いました。審査におきまし
ては、所管であります福祉こども部長、幼保支援室長を説明員として出席要求し、再度説明を求めました。
担当部長から補足説明として、一刻も早い解決を望んでいる。相手方に話し合いに応じてもらえなく、金
銭的な解決を相手側が望んだ。今後、同様の事例が起きたときにどうするかという問題があるが、このよ
うなことが起きないよう、いかに早く対応するかマニュアルづくりが必要であるとの説明でした。
主な質疑は、双方は金額は知っているのか。事故が大きいと大きな金額になるのでは。お金で解決する
ということで、保育士が威圧されたと思う。早期に解決しなければという状況はわからないではないが、
再発防止をどうするのか。保育士が子供を我が子のように扱ってくれれば、傷みを自分の傷みとしてやっ
たか。その辺が薄かったのではないか。事務的な処理に問題があったのでは等々でした。
質疑による答弁は、保育園の子供については、保険を市、個人ともにかけているが、今回はそういうも
のではなく、慰謝料的なものの請求であった。これは保険の対象ではない。これから起こらないというこ
とはない。今、園として事故があったとき、当事者双方にいち早く話をして、状況と処理をしていること
を全部保護者に伝えている。子供が走り回っている中で、全面的に事故をなくすことは大変である。職員
全体が意識の統一をしていかなければいけない。初期対応に若干、問題があったかもしれない。職員は、
救急の対応は基本的にやっている。あとは職員がいかにアンテナを高くしてやっていくかということにな
ると思うということでした。
議案第67号は、討論はなく、採決の結果、賛成多数で可決いたしました。
以上で、文教厚生委員会に付託された案件についての報告を終わります。
○議長(田村兼夫君)
文教厚生委員長の報告は終わりました。これより委員長報告に対する質疑を行います。質疑はありませ
んか。
〔「なし」と言う者あり〕
−49−
○議長(田村兼夫君)
質疑はないものと認めます。これで質疑を終わります。
これより、議案第67号について討論を行います。討論はありませんか。
〔「なし」と言う者あり〕
○議長(田村兼夫君)
討論なしと認めます。
次に、議案第67号を採決いたします。本案に対する委員長報告は可決です。本案を委員長の報告のとお
り決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛
成
者
起
立〕
○議長(田村兼夫君)
ありがとうございました。起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日程第2
一般質問
○議長(田村兼夫君)
日程第2
一般質問を行います。
通告に従い順次一般質問を許します。7番
〔7番
太田佳晴君。
太田佳晴君登壇〕
○7番(太田佳晴君)
皆さん、おはようございます。平成23年度の当初予算編成方針を問うということで、12月議会最初の
一般質問をさせていただきます。
平成23年度の当初予算編成方針について、平成21年度決算において、実質公債費比率19.5%、将来負
担比率141.6%と県内ワーストワンという大変厳しい財政状況、財政見通しの中ではありますが、諸般の
状況を踏まえ、事務処理に当たるようにと、財政担当である政策協働部長名で各部長、各室長あてに通知
されたとの報告を議会では過日の全員協議会において受けました。
現在、各部担当室においては、さまざまな財政指標があらわすように、非常に厳しい財政状況の中で、
来年度の当初予算の編成作業が進んでいることと思いますが、税収の大幅な増加が期待できないなど、歳
入が頭打ちで、反面歳出については、扶助費の増加や市民ニーズの複雑化による行政需要の増大、消防の
広域化への対応に要する経費など、積み増し要因が多い中で、財源の確保とあわせて実施事業の調整に苦
慮しているところと推察をいたします。
しかしながら、取り巻く環境は大変厳しい中ではありますが、全員協議会でいただいた資料の平成
23年度予算編成の留意事項で示されているように、住民サービスを切り捨てることなく、歳入に応じた住
民サービスの最適化を図るために、さまざまな手法により成果を上げていくという考えの中で、予算編成
作業を進めるという方針も示されていましたので、限られた財源をどのように各事業に振り向け、社会福
祉の充実を考えていこうとしているのか、現在進められている当初予算の編成方針について、各事業別に
伺いたいと思います。
早いもので、牧之原市も本年10月11日に合併5周年を迎えましたが、市長は幹部職員への合併5周年
の訓辞で、子供たちの施設の耐震化はすべて終わり、次なる安全は広域消防と自主防災組織の確立、そし
て榛原総合病院の再建と健康医療福祉のネットワークを進めることだとのお話をしたこと。また、子供や
お年寄り、そして弱者には配慮したいとの考えを持っているということを市長のブログで拝見させていた
だきました。
−50−
基本的には総合計画の実施計画に基づいて事業が実施されるように、予算編成の作業が進んでいるこ
とと思いますが、その中で市長がブログでつづっていた思い、また訓辞で述べていたことなどを、どのよ
うな形で来年度の予算編成に盛り込んでいくのか。予算編成の全体的な考え方とともに、通告しました5
項目のことについて、具体的にどのように考えているのか、伺いたいと思います。
1項目めとして、まず市長が訓辞で述べていた榛原総合病院の再建と健康医療福祉のネットワークを
進めるとは、どのようなことを考えているのか。また、それについては、新たな予算措置が伴うものなの
かを示していただきたいと思います。
2項目めとして、2000年に施行された地方分権一括法、その後の三位一体改革、そして平成の大合併、
これらはすべて地方の自主裁量を高め、地方の力を強くすることを目的とした地方分権の流れの中で進め
られてきたものですが、このように中央集権体質から地域主権へと国のあり方が大きく変わろうとしてい
る中で、当市においても市民との協働により、合併以来の長い時間をかけて、自治基本条例の制定を進め
てきました。このことは、今後、中央からの権限の受け皿としての自治体は、構成する基礎自治会の役割
の重要性が増し、地域のことは地域の住民が考え、行政との協働で問題解決を行うという住民自治の仕組
みづくりが今後、必要であると、市長、行政サイドが考え進めてきたことだと、私は理解をしております。
しかしながら、長い時間を費やして、当初から今12月議会に上程が予定されながら、今定例会では上
程が延期された自治基本条例ですが、多くの市民を巻き込んでの長期にわたる制作過程、今後の条例の必
要性を考えたときに、国策に沿ったとも言える大きな施策である条例の制定に対しては、主役である市民
の理解を得ていくために、それなりの目に見える予算措置を、中心となる各地区自治会の組織強化のため
に行う必要があると思いますが、自治会への補助金については、主要施策を推進する観点から、来年度は
どのように考えていますか。
3項目めとして、昨年8月に発生した駿河湾沖地震がこの牧之原市にもたらせた災害の大きさとその
地震が与えた恐怖は、市民だれしも記憶に新しいところです。東海地震対策については、補助金対応も先
進的に取り組んでおりますので、財政的に厳しい中ではありますが、引き続き補助金の継続はお願いした
いと思います。
ただ、残念なのは、補助金の活用方法が市民の間にまだまだ浸透していないと思われますので、何度
か指摘させていただき、啓発活動の強化を図るとの回答をいただいてはおりますが、市民への周知の方法
も引き続き工夫を重ねて、有事に備えていただきたいと思います。このようなことを踏まえて、来年度に
ついてはどのような地震対策の補助金、また市民への広報活動についてはどのように考えているのでしょ
うか。また、防災面で今後、考えていかなければならないこととして、地球温暖化の影響とも言われてい
る集中豪雨に対する備えがどうしても必要になると思います。世界的な規模で発生している海外の災害の
様子をニュースで見ても、遠いところで起きていることとして、身近な恐怖は感じられませんでしたが、
ことしの夏に起きた奄美大島や静岡県小山町の水害の状況を見たときに、私たちの地域でもいつ豪雨に襲
われてもおかしくないと、初めて身近な問題として考えさせられるようになりました。今後、全国各地で
発生しているような、牧之原市でも起こり得る集中豪雨による災害への備えについては、どのような考え
でいますか。
4項目めとして、お茶の振興策については、この後で同僚議員からの質問がありますので、その場で
詳細はお願いすることとして、私からは基幹産業であるお茶の各種補助金について、既存の補助金制度の
一部見直しを含めた新たな支援策などをどのように考えているのか、概略を報告願いたいと思います。
5項目めとして、牧之原市は合併の翌年には環境に優しいまちづくりを目指して、県下または中部4
県でも、自治体では最初となるエコアクション21を取得し、その後、市民と行政が協働で取り組んださま
−51−
ざまな実績が評価されて、全国の自治体から選ばれ、環境大臣賞を受賞するなど、すばらしい実績を残し
てきました。
また、今定例会にも環境美化条例の制定について上程するなど、地球規模で人類全体が考えるべき環
境問題について、まず自治体として率先して市民との協働で積極的に取り組もうとしている姿勢は、大変
すばらしいものだと私は思います。
このようなどこの町にも負けないような前向きな気持ちがありながら、残念ながら私たちの町には環
境施策に投じる余裕のあるお金が不足しているようです。行政側の努力で自前のお金が乏しくても、工夫
して国や県の補助金を上手に取り込んで、環境施策の推進を積極的に頑張ってくれていますが、せっかく
ですので、もう少し環境問題に取り組む姿勢が目に見えて市民が実感として感じることのできる牧之原市
の特徴ある補助金の創設はできないものかと思いますが、どのような考え方でいますか。
以上、平成23年度の当初予算編成について、壇上よりの質問とさせていただきます。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
〔市長
西原茂樹君登壇〕
○市長(西原茂樹君)
おはようございます。太田議員にお答えをいたします。初めに、平成23年度当初予算編成における基準
となる全体的な考え方についてであります。
編成方針につきましては、①第1次総合計画の推進、②行政改革の推進、③財政健全化の推進、④エコ
アクション21の推進を重点施策として位置づけ、市民の皆様のご意見や市議会での審議の際に出されまし
た指摘事項に留意をいたしまして、持続可能な行政運営をしていくためには、どのように対応すべきかを
十分検討するよう定めております。
具体的には、本年8月に実施した戦略プランでの計画を要求の上限として設定し、各部は事業の経費を
精査して要求書を提出しておりますが、要求時点では15億円余りの財源不足となっております。これは、
戦略プランのヒアリングの後に発生しました新たな課題や扶助費の増加などによります。
基金や起債の活用を検討する一方で、新しい行政サービスを実施する場合は、今まで実施してきたサー
ビスを廃止するなどの徹底的な事業見直しによる歳出削減の必要性を認識しております。今まで実施して
きたサービスを廃止をすれば批判を受けるわけでありますけれども、限られた歳入の範囲内で事業展開を
していかなければ、財政破綻を招きかねないので、十分な説明を前提といたしまして、予算編成に当たっ
てまいりたいと考えております。したがいまして、22年度に実施しました補助金の削減につきましても、
いましばらく状況は続くものと考えております。
ただ一方で、このように厳しい中でありますと、市民の皆様や職員にも閉塞感や消極論が広まっている
ことも認識しておりますので、新たな財源を生む事業や予算を伴わなくても可能な、いわゆるゼロ予算事
業、こういったものにつきましても、積極的に検討してまいります。
次に、榛原総合病院の再建と健康医療福祉のネットワークについてであります。榛原総合病院は、今年
の3月から沖縄徳洲会の指定管理のもと、医師や看護師の不足により、いまだ開設できない診療科などが
あるものの、救急の受け入れも順調で、存続と再建に向かって進んでおります。
徳洲会の徳田理事長が「どんな地域でも、だれでも最高の医療が受けられるようにしたい」という願い
で、徳洲会では大都市を中心に展開すると同時に、鹿児島県や沖縄県の離島や僻地で医療活動を展開して
おります。
僻地離島では、高齢化率が50%を超えております。財政ももちろん楽ではありません。お年寄りが多い
−52−
ということは、病気になられる方も多いというわけであります。病気の発見がおくれて、治療がおくれれ
ば、治るけがや病気も治らなかったり、非常に長期間かかります。健康で働くことができれば、一家の大
黒柱が生活費を稼げますし、私たち行政にとってみれば税金が入ってまいります。ところが、治らないと
医療費はかかりますし、ご家族にとっても生活費が入ってこない。もちろん税金もであります。治って社
会復帰ができればよいわけでありますが、療養や介護を必要とすれば、それへの対応が必要であります。
療養や介護で社会復帰できればよいわけですが、できなければ、福祉の介護施設や在宅でのサービス、そ
ういったものが必要となります。
したがって、病気の早期発見・早期治療、できれば病気にならないよう、予防や健康づくりを含めて、
医療介護福祉の連携ネットワークが非常に重要だと言われました。医療機関が治療だけやって、介護施設
が介護だけをやるのではなくて、一人一人の立場に立って、トータルで生活の質の向上が目指されなけれ
ばなりません。そして、その結果として、それらを支える自治体の財政破たんを招いてはなりませんから、
連携を持ってやるべきだということであります。
徳田理事長はこう言っております。「僻地離島の自治体では、徳洲会と連携をして、ローコストでハイ
クオリティな医療や介護・福祉を実現してきた。牧之原市もいずれさらに高齢化が進む。その中でも財政
破たんを招かないで、ローコストでハイクオリティな医療・介護・福祉をつくりましょう」と言っており
ます。具体的な施策としては、現在、打ち出しておりませんが、そんな考え方を牧之原市として、今後、
各種政策に反映させていきたいと考えております。
次に、各地区自治会の組織強化のための予算措置についてであります。市では自治会に対しまして、自
治振興事務費交付金を初め、集会施設の整備事業費補助金や防犯灯設置補助金などによる支援を行ってお
りますが、さらには今後こうした財政的な支援にとどまらず、自治会と市、あるいは自治会と地域コミュ
ニティを基盤とした諸団体といった、公共を担うさまざまな主体が連携をして、協働しやすい仕組みづく
り、あるいは負担の軽減なども含めて、新たな支援策について、地域性を尊重しながら検討を進めてまい
ります。
一方、自治会、地区長会及び行政連絡会において、昨年度からの課題とされております本市の自治会組
織のあり方について、平成23年度末までに一定の方向性を示そうと検討を始めておりまして、来年1月に
開催される勉強会や2月の意見交換会に向け、準備を進めていただいております。来年度は今年度の結果
を踏まえて、さらに議論を深め、意見交換会を継続して実施していくことが、地区長会での決定事項とさ
れております。
市としては、検討に必要な関連予算やアドバイザー派遣による技術的なサポート等に加え、これら勉強
会や意見交換会に、防災担当や地域福祉担当など、自治会活動と深く関係する部署の市職員も参加するこ
ととしております。このような場を通じて、市と自治会の相互理解、連携強化につなげてまいるなど、積
極的に支援を図ってまいります。
次に、地震対策の補助金についてであります。地震対策補助金の考え方としては、阪神淡路大震災で亡
くなった方の83%は建物の倒壊によるもので、けがをした方の半数近くは、家具の転倒によるという調査
報告がされております。こうしたことから、災害時にいかに自分の命を守るかということに主眼を置いて
おります。
個人の被害を軽減するための住宅の耐震化補助事業プロジェクトTOUKAI−0では、わが家の専門
家診断から耐震補強工事までを補助するものであります。わが家の専門家診断につきましては、本年12月、
今月ですけれども、県と協力しまして、昭和56年5月以前の住宅400世帯にダイレクトメールを発送し、
診断事業の実施をお願いをいたします。また、高齢者を対象とした家具などの転倒防止対策への助成も行
−53−
っております。
自主防災組織を対象とした補助金は、防災訓練にかかる費用や資機材の購入に対する補助金があります。
これらの補助金を多くの皆様に活用していただくために、広報紙や防災説明会などでのPRを推進してま
いります。
次に、集中豪雨による災害への備えとしましては、引き続き河川や排水路の狭隘箇所の改修を実施いた
します。また、隣接地に被害を及ぼす恐れのある排水路につきましては、早期に修繕工事で対応をしてま
いります。
浸水が想定されるところには、排水ポンプの設置を行ってきており、台風など緊急に対応すべき事象が
発生した場合を考え、土のうや排水ポンプの設置なども考えております。
また、静岡県が実施しております土砂災害対策につきましては、急傾斜地崩壊防止事業により、大沼地
区、谷川地区の整備を、砂防事業では坂部沢の整備が計画されております。土砂災害防止法による危険区
域の指定作業につきましては、引き続き県に調査をいただき、危険区域の周知と避難体制の確立を進めて
いきます。
次に、お茶に関する補助金の一部見直しや新たな支援策についてであります。市内では、多くの茶園で
樹齢が30年を超え、茶樹の老齢化が進行している状況で、生葉の品質や収穫量の低下などが懸念されてい
るため、市では改植に伴う苗木補助を実施しております。現在までの改植実績は、平成21年度末で約25ヘ
クタールであり、今後も茶園の若返りや機械化ができる茶園整備、「やぶきた」以外の優良品種への転換
などの促進を図るため、引き続き実施していく方針であります。
今後の大きな課題は、昭和50年代の後半から設置した防霜ファン施設についてであります。多くの施設
で老朽化や耐用年数が経過している状況にあることから、設備の更新などに対して新たな支援や更新整備
にかかわる国庫補助事業などが求められております。市では、本年3月の茶凍霜害を受け、市議会や茶生
産者団体などから支援対策の要望をいただいており、農林水産省及び県知事、県の選出国会議員などへ、
茶農家に対する戸別所得補償制度、防霜ファン施設の更新に対する助成制度などの創設について、機会を
とらえ、要望を行っているところであります。また、10月には県市長会から、平成23年度県予算に関する
要望・提言書として県知事に提出をさせていただきました。
防霜ファン施設の更新につきましては、国の農業農村整備事業予算の縮減などによりまして、新設や性
能向上などの場合でも、事業採択が極めて困難な状況でありますが、引き続き採択要件の緩和や農業、農
村集落の多面的機能の保全を図る意味からも、予算確保を強く要望してまいります。
今後の新たな支援策としましては、近年、消費・販売の減少など、茶業界全体の低迷が続いている状況
にあることから、茶生産者や荒茶製造工場などが、農産物の生産だけでなく、食品加工、流通・販売にも
農業者が主体的に、かつ総合的にかかわり、消費・販売の拡大に取り組み、6次産業化などの展開を図る
支援が重要であると考えております。
本年度から実施した「無料お茶カフェ」プロジェクトなど、生産者みずからが販売に対しての高い認識
を持ち、「美味しくて、売れるお茶」の生産と販売に、積極的に取り組む出店者と連携し、情報発信やP
R活動を推進してまいりたいと考えております。
そのほか国では、茶価が連続して低下し、茶の収益性が悪化している状況を踏まえ、農家に対する経営
安定緊急対策の検討が現在行われております。現段階では、まだ詳細な事業内容等が不確定でありますが、
茶園を改植した場合など、改植後3年間程度の未収益期間に対し、緊急的に農家の経営支援を実施するも
のであります。
今後においても、国・県などの動向を見据えて、茶農家がこれからの営農継続に意欲を持てるような支
−54−
援の検討とともに、茶産地牧之原市として、茶の消費拡大と茶業の発展に尽力してまいります。
次に、環境施策に関する新たな補助金の創設についてお答えをいたします。環境施策で取り扱う市民向
けの補助事業は、浄化槽設置事業、ごみ集積施設設置事業、エコマイハウス支援事業などがあります。こ
のうち、浄化槽設置事業やごみ集積施設設置事業は、身近な地域の環境を守るための環境衛生補助に当た
り、従来から実施しているものであります。
一方、エコマイハウス支援事業は、地球温暖化防止を目的とした新エネ・省エネ機器への補助というこ
とで、平成21年度から補助金の交付を開始しております。これからの環境施策には、従来からの環境衛生
事業に加え、エコマイハウス支援事業のような、地球温暖化防止に資する事業が必要となってきておりま
す。
本市でも、エコアクション21の推進に加え、相良庁舎への太陽光発電とLED照明の導入やバイオマス
タウン構想の推進に伴う樹木粉砕機の導入、スズキ株式会社の次世代環境車の社会実験への協力、また、
現在募集を開始しております、牧之原市笑呼(エコ)キャンペーンなど、地球温暖化防止を目的とした多
くの施策を推進しているところであります。
市民向けの補助事業でありますエコマイハウス支援事業は、太陽光発電と省エネ機器を同時に二つ以上
設置する世帯に上限6万円を補助する事業で、平成21年度は10件に補助をし、22年度は27件の補助が決定
しております。この事業は、県のグリーンニューディール事業を財源とした事業でありまして、23年度も
この事業を引き続き実施するために、昨年より増額要望を県に提出しているところであります。ただし、
今のところ本事業は23年度で終了すると伺っております。
この、エコマイハウス支援事業とは別に、県内市町で太陽光発電システムなどへの単独補助を行ってい
る市町は、35市町のうち27市町となっております。当市におきましては、太陽光発電システム設置者への
補助金の上乗せ等は行っておりませんが、これらの事業のさらなる継続を国の施策として取り組むよう、
国や県に要望をしてまいりたいと考えております。
○議長(田村兼夫君)
7番
太田佳晴君。
○7番(太田佳晴君)
今、牧之原市は先ほど私が壇上で申し上げましたとおり、さまざまな財政指標が示すように、大変厳し
い状況にあることは紛れもない事実でありますが、反面、潜在的な大きな可能性を持っている町であるこ
とも事実だと思います。市長には、牧之原市民みんなが力を持って、力を合わせて頑張れるように、市政
のかじ取りを引き続きお願いし、合併の原点でもあります幸福実現都市を築くよう、これからも尽力して
いただきたいと思います。
そのために、先ほど申し上げましたとおり、今、準備を進めている自治基本条例は、まさに大切な市民
の力を結集するための道具として、大きな力になり得るものだと私は思います。市の最高規範として位置
づけられている条例でもありますので、市民力を高めることができるよう、すばらしいものが制定される
とよいと思っております。
そこで、ここで重ねて訴えておきたいことがあります。それは、申し上げるまでもなく、牧之原市にお
ける市民力の集大成とも言えるものに地域の公民館活動があります。旧相良地区の公民館活動は、県でも
3本の指に入ると言われるほど誇れるもので、今、その活動が合併後、牧之原市全体へと広がりを見せて
いるように思います。
合併後、相良の豊岡区、榛原の坂部区、そして相良の菅山区と榛原の細江区が地域間の交流を深め、そ
して毎年3月、年度末に相良で行われている相良地区の公民館活動の発表研修会に、ことしは細江区の皆
−55−
さんが参加して、地域の活動を報告してくれました。また次回は榛原の牧之原地区の皆さんが参加してく
れる予定だとも聞いております。
このように旧相良、榛原地区の地域間で交流が進む中、心配なのは公民館活動のすそ野の広がりとは反
して、年々減額されている公民館活動の補助金のことです。一昨年、一般質問で毎年減額されている公民
館活動の補助金のことを指摘したところ、翌年21年度については現状維持としてくれましたけれども、ま
た本年22年度は危機的な財政状況の中で、仕方がなかったとはいえ、補助金2割カットの影響を受けて、
再び減額されているような状況であります。ぜひとも予算要求側の責任者である教育長には、財政にかけ
合って、公民館活動の灯火が小さくならないよう、公民館活動の補助金の現状以上の上乗せを含めた確保
を呼びかけるよう、お願いしたいと思います。
また、財政当局にも公民館活動が牧之原市全体に今まで以上に広がり、牧之原市民の元気の源となるよ
う、格段の配慮をお願いしたいと思います。教育長の決意のほど、また財政の考え方も聞かせていただき
たいと思います。
自治基本条例の制定に向けての各地区自治体の組織強化のための予算措置については、自治会、市、地
域、コミュニティが連携するための新たな支援策の検討を今後進めるというようなお話でしたので、ぜひ
自治基本条例が市民の中で浸透して機能していくための支援策を考えていただきたいと思います。
なお、数日前に静岡新聞ですけれども、新聞記事に近隣の川根本町では、自治会活動の支援のために、
本年度の補正予算で町地域自治振興事業という交付金事業をスタートするということが報道されておりま
した。自治の自立を促すという観点からは、地域の考える力をつけるために、私は有意義な試みだとも思
いました。ぜひこのような事例も参考にしながら、牧之原市として新たな施策を考えていただきたいと思
います。
榛原総合病院の問題については、全市民のご理解、ご協力のもとに、現在、徳洲会に指定管理をお願い
して再建を目指すという道筋ができました。しかし、私は本当に大切なのはこれからで、みんなが出した
方向性が間違っていなかったということが、将来市民の皆さんから実感として評価してもらえるように、
今の病院運営を見守り育てていかなければならないと思います。
そのために今後、徳洲会はもちろんのことですが、今までどおり浜松医大の支援、また周辺市の総合病
院、開業医の皆さん、すべての医療関係者の皆さんに協力していただき、連携をとり、指定管理者に任せ
きりにするのではなく、常に自分たちがやれること、やるべきことは何であるかを常に認識して、榛原総
合病院の運営を行っていってほしいと思います。
健康医療福祉のネットワークを進めるということについては、残念ですけれども、私はもうちょっと市
長が答弁をしたのとは違うようなイメージを抱いておりました。それは、今、言われているのは、急速な
少子高齢化社会の問題の中で、5年後の平成27年には団塊の世代と言われている人たちが、いわゆる前期
高齢者に達し、その10年後の平成37年には、75歳以上の後期高齢者に達しています。高齢化の問題は、今
までは高齢化の進展の早さの問題でしたが、5年後の平成27年度以降は、高齢者数の多さ、高齢化率の高
さが大きな社会問題となってくると思われます。
このような形で、高齢化と少子化が進展していく中で、健康医療福祉のネットワークを今度は意識の問
題としてとらえるだけでなく、私は榛原総合病院、また外郭団体などの力もかりながら、行政が中心とな
り、形で示す支援のネットワークを構築していくような、そんな必要があると思いました。
市長の次なる目玉の施策になるような、そんな意味合いを持ってブログに掲載したように思っておりま
したけれども、その辺の考え方について、今後どのように考えていくか、示していただきたいなと思いま
す。
−56−
地震対策の補助金については、市民の安全・安心のために、今までどおりの予算の確保はお願いしたい
と思いますけれども、答弁していただきましたとおり、今後もなるべく市民の皆様に補助金を使っていた
だけるよう、広報活動はよろしくお願いしたいと思います。
集中豪雨の被害の問題については、発生の可能性の高さという点では、地震対策よりも今後はより身近
な問題として私は考えておく必要もあるかと思います。
私も萩間川の上流の川岸に住んでおりますので、大雨の際の川の状況がよくわかります。最近、とにか
く大雨が降った際の水かさのふえるスピードが大変速くなりました。特に、私たちの住む萩間地域では、
企業誘致により、多くの場所で地形が全く変わるような造成工事が行われておりますので、自然環境が変
わったことにより、大雨の際の影響は避けられないように思います。企業誘致や宅地開発など、経済活動
の中で自然環境を人間の手で変えていくことはやむを得ない事情もありますけれども、答弁をいただきま
したように、災害への備えとして、今後、河川、排水路の改修とともに、橋梁の改修などの整備も切れ目
なく続けていただきたいと思います。
お茶の補助金については、特にことし一番茶での凍霜害により、効果が認められた防霜ファンについて、
更新の支援ができるように取り組んでいるようですので、県・国での予算が確保できる体制づくりを、続
けてお願いしたいと思います。
また、改植に伴う苗木補助も継続してやっていただきたいということで、これは引き続き継続されると
いうことですけれども、以前ありました乗用型摘採機の補助については、一応当初の予定が、考えていた
ことが達成されたということで打ち切られておりますけれども、私はまたそれにかわるような、農家の需
要に沿った補助金が、新たにできればいいなと思っておりますので、この点もまた検討していただきたい
なと思います。
市の基幹産業であるお茶については、いろんな面で行政側でも十分認識を持っていただいて、重要施策
として取り組んでいて、非常にありがたく思います。しかし、現状としてどんなに努力しても、なかなか
その効果が確認できないほど、正直お茶の市況は厳しくて、茶農家の経営は深刻な状態にあり、経営意欲
も消極的にならざるを得ない状況にあります。
そんな茶農家の経営意欲を高めるには、茶価を安定させて、将来への希望を持つことができるようにす
ることこそが、私は今、一番大切なものであるかなと思います。そのために、私はやはり即効性のあるも
のとして、生葉の生産調整を行い、荒茶の市場流通在庫量を減らすことにより、茶価を安定させる方法を
とれないものかと、いつも思っていますが、昨年6月議会で生葉の生産調整についての私の質問に対して、
当時、市長は余り気の乗らない、前向きではないような答弁があったように思っております。その後、市
長は鹿児島へ行き、お茶の生産調整について少し認識を変えたとの考えを聞いたことがありますので、こ
の件につき、簡単にその後の状況と市長の今の考え方を聞かせていただきたいと思います。
環境施策に対する補助金の質問については、2年前にも同じ内容で質問をしたことがあります。その当
時は、詳細はわからないが経済産業省が来年度の予算要求において、家庭用の太陽光発電の普及を支援す
るための補助金を4年ぶりに復活させる記事が報道されたとの答弁をいただきました。報道のとおり、国
の太陽光発電の補助金が復活しまして、その後、太陽光発電を設置する家庭が大分ふえてきたように思い
ます。
実は、私もことしの3月に、この補助金と市のエコマイハウス事業を利用して、太陽光発電の設備を設
置しましたが、予想以上の結果に驚くこともありました。牧之原市内でも最近多くの市民が太陽光発電を
設置してきておりますので、設置者にお願いして、アンケートによるデータをとることも参考になると思
いますので、私は検討したらいかがと思います。それにより、よい結果が出て、それを市民にお知らせす
−57−
ることにより、太陽光発電の普及が進み、それが牧之原市民の協力で地球温暖化の原因と言われる温室効
果ガスの削減につながれば、大変によいことだと思います。
しかしながら、来年度も残念ながら牧之原市単独の地球温暖化防止にかかわるような環境施策に関する
補助金の新設は期待できないようですけれども、太陽光発電の単独補助を行っている市町もあるようです
ので、当市においてもさまざまな可能性を探っていただき、エコマイハウス事業のように、機会があれば
県や国の事業も上手に活用しながら、引き続き環境施策に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
そして、環境問題を考えるときにいつも申し上げますけれども、市民みんなで感謝しなければならない
のは、牧之原市の各地域で花壇を整備して、いつもきれいな花を咲かせてくれている花の会を中心にした
多くの皆さんのことです。ことしの夏は特に暑かったですが、炎天下でも牧之原市をきれいに彩るため、
そして町を訪れる人のために、一生懸命に管理をしている皆さんには本当に頭が下がります。
先日、第20回全国花の街づくりコンクールで優秀賞を受賞されましたが、市民全体で喜ぶべきことだと
思います。これからもこんなすばらしい光景がこの牧之原市にあり続けますように、行政の応援もぜひ最
大限の配慮をしていただきたいと思います。
以上、再質問とさせていただきますが、公民館活動の補助金について、健康医療福祉のネットワーク、
またお茶の生産調整、この3点について答弁をお願いいたします。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
大変、盛りだくさんの内容でございまして、全部にいろいろなご答弁をさせていただきたいというふう
に思うわけですが、今、最後に医療のことということでありましたので、そこについて少しお話をします。
後期高齢者医療制度、これが大変国民の皆さんの批判を受けて、それで政権が変わったといってもいい
くらい、今度の民主党政権のもとで、ついせんだって、新しい今後の高齢者の医療制度が発表されました。
ふたを開けて驚いたことに変わっていないんです、ほとんど。要するに75歳以上の方が、今までは国保の
分も、それから健保とか、共済とかの分も全部一緒になって75歳以上で後期高齢者とやっていた。ところ
が、今度は戻るわけです。国保の方は国保の方へ戻っていただいて、それから健保とか、共済の方はそち
らへ戻るというようなことでありますので、より複雑になったというような私は認識であります。
さらに、そういうふうに一体になりますと、今度は負担の割合が現役世代に非常に重くのしかかってく
る。今までは1人当たり幾らという計算でありましたけれども、今度は所得で幾らですから、所得の高い
人ほどたくさん納めるというような形で、今度の現役世代にとっても大変負担が大きい制度として今後出
てくる。
しかも、2015年から新しい高齢者医療制度が分けて始まるわけですけれども、国民健康保険の後期高齢
者、75歳以上の方は牧之原市ではやらない。県全体で、静岡県国保の高齢者というような形で、一つの団
体をつくってやる。そして、それが2030年ですから、今2010年ですから、20年後には国民健康保険は静岡
県でやる。要は市町で別々にやらないというような形まで記載されて、今度の法律が出てくるというよう
なことが示されました。
そうなったときに、私はそれでいいと思うんです。吉田町と牧之原市と御前崎市で、それぞれ国保の料
金が余りにも違うというのは、本当はおかしいと思っておりますので、そういうふうにして、一体的に運
用するということはいいと思うんですが、一方、今度は各市町で一生懸命健康づくりをやった場合に、健
康な町と病気ばかりかかる町と、では一緒でいいのかというような議論も出てくると思いますので、その
辺の調整が今後されると思いますが、何よりも大切なことは、今、全体の医療費を下げていくためには、
−58−
健康づくりしか一方ではないわけです。しかし、それをやったとしても、医療も、それからちょっと長く
なりますからやめますが、介護も、介護は今、牧之原市は3,800円ですが、全国平均は4,200円です。多分、
次の第5次、再来年から始まる制度でいきますと、全国は5,000円近くなる。牧之原市も四千数百円にな
るというようなことが予想されていますが、これだって、それぞれの対象となる被保険者の皆さんにお支
払いいただくということも、これも限界だろう。医療も限界、介護保険も限界。そうなってくると、これ
は牧之原市がどうするというよりも、日本の国として、ここにきちんと税金を投入するかどうかという議
論を一刻も早くしないと、これは年金もそうですけれども、その議論を早く国政レベルでやるということ
をしない限り、私は市町には過大なこれは要求だろうというふうに考えておりますので、議員もそういう
立場で、これは今の国会議員の皆さんが議論していただくということですが、我々市長会もこの議論はし
て、多分、県と市町で国保をどうするかというのは、これから来年にかけての大議論になってくると思い
ますけれども、ぜひご関心を持っていただきたいと。我々は、個々は健康づくりに一生懸命努力する。し
かし、この制度を変えないといかんともしがたい。その制度を変えるのは、牧之原市が努力しても変えら
れない。国で変えなければいけないということでございます。
それから、もう1点お茶のことでありますけれども、お茶については、乗用につきましては、ことしか
ら廃止ということでやっておりません。先週、JAハイナンさんの茶業活性化委員会がありました。私も
出ていて、ごあいさつをさせていただきましたけれども、その際に、皆さんから出てくる意見、それから
分科会で出てくる意見は、とにかく売れなければだめだ。つくるということよりもまず販売・消費、これ
を積極的に農協もやると。行政もそれに支援、取り組みをやってくれというようなことでございましたの
で、我々とすればその面での取り組みをする。
生産調整ということで、鹿児島へも行ってまいりまして、話もしましたけれども、やはり生産調整をや
るとすると、全国レベルできちんとやらなければいけない。やる必要は感じるけれども、ではそこへ幾ら、
あるいは財源はどうするかということで結論は出ませんでした。
ただ、先ほどちょっと私が今、考えているのがあるというお話をしましたけれども、これは、案の段階
ですけれども、一反歩4万円、これを3年間、12万円です。これを最初の年に出す。それは改植の場合で
も、それから台切りの場合でもいいと。台切りというのも改植も生葉調整みたいなものですから、太田議
員がおっしゃられたような形のものが、今、最終的に来年度予算で国の施策として出てくるというような
ことでありますが、何かあったらまた補足してくれればいいと思うんですが、そういうことで、我々も国
会議員、それから全国組織で私も訴えまして、全国の各首長さんからこれをやってほしいということを国
の方へ上げていただいておりますので、何とかいくのではないかなというふうに思っております。
○議長(田村兼夫君)
教育長。
○教育長(八木儀一君)
公民館活動の補助金についてお答えをしたいというふうに思います。今、太田議員の質問の中に、私ど
もの教育委員会の補助金の予算要求につきまして、応援をしていただいたようなことに感じておりまして、
一面はうれしいなというような感じもございます。
全く同様な質問が、平成20年9月の議会におきましてもございました。その中で、私は現在の公民館活
動については、公立公民館、そして地区の公民館と連携をしまして、県内でも有数な誇れる活動だという
ことでほめられているということを申し上げまして、30年もの長きにわたってやっているんですよという
ようなことで答弁をさせていただいております。したがって、今後もその時点でこうした公民館活動の推
進は必要である。したがって、補助金についても、維持ができるように努力をしていきたいというふうに
−59−
答弁をさせていただいております。
その質問を受けました後に、その翌年は同じような補助金で推移をしたわけでございますけれども、そ
の翌年の本年度、22年度予算については、議員からご指摘もございましたように、病院の問題、あるいは
財政事情の問題で、それを少し下げるということで、6万5,000円になっております。このままで行きま
すと、状況を見ますと、今までの補助金を見ますと、合併前はそれが10万円でありました。それから、
18年に合併をしまして9万5,000円、後に8万円、そして本年度6万5,000円という状況でございます。私
たちも公民館を訪問し、いろんな状況、活動を見ているわけですけれども、その数字自体がどこまで下が
っていくのかということで、区長さん初め、主事の皆さんからもご心配の声が聞こえてきますのは事実で
ございます。
私どもとしましては、この公民館活動につきましては、地域と行政をつなぐ、そして地域の教育力も加
えて応援していただけると。すばらしい活動というふうに思っておりますので、ぜひ21年度の額までくら
いは復活できるように、予算要求については頑張ってまいりたいとそんなふうに思っております。
○議長(田村兼夫君)
政策協働部長。
○政策協働部長(橋本辰夫君)
補助金の関係で財政の立場でお答えをさせていただきたいと思います。大変厳しい財政状況が続いてい
るということで、お答えするにもまた苦しいわけでございますけれども、先ほども議員からお話がありま
したように、23年度の編成方針におきましては、引き続き厳しい予算編成が予想されるということで、そ
の方針の中に、22年度に一部カットしました補助金につきましては、基本的には22年度をベースに要求を
してもらうと。その可否につきましては、予算編成の中で議論をさせていただきたいというような指示を
出したところでございます。
そうした中で、各部各室からの要求状況を見ますと、予算上ではございますけれども、90件ほどの補助
金があるということでございます。これは、当然、毎年変化はあるわけでございまして、今回の場合も2
割削減をしたということで、それぞれ事情がございますので、戻してほしいというようなこと、あるいは
事業が完了して廃止をしたというようなもの。あるいは新規にというようなものもございます。
そういった中で、ただいまご指摘の公民館活動につきましても、これまでいろいろな状況がございます
けれども、厳しい財政状況の中で、そういう形をとらせていただいたということでございますし、また合
併して以来、いろいろ事務事業の見直しをしている中で、類似していそうな部分、そういった部分も財政
上で調整できないかというような形の中で取り組んでいるということでございます。
そういったことで、大変厳しい、また難しい部分が補助金制度につきましてはございますけれども、限
られた財源、貴重な財政でございますので、そうした視点でまたこれから予算編成の中で議論をさせてい
ただきたいというふうに考えております。
それから、もう一つの川根本町の件でございますけれども、大変大きく新聞紙上で報道されたというこ
とで、私自身も関心を持って見させていただきました。議員ご指摘のように、自治会の自主性、あるいは
自立を促すということで、今、検討しています自治基本条例、こういった点におきましても合致するとい
うことで、協働のまちづくりを推進していく施策と私も感じたところでございます。
本市におきましても、その手法とか、あるいは方法、そういったものについて若干異なる部分はござい
ますけれども、類似した事業もあるということもございます。そういったことで、今後、当然そうした地
域づくり、まちづくりの必要性がありますので、承知した上でまた必要な支援はしていきたいなと思って
おります。
−60−
以上です。
○議長(田村兼夫君)
産業経済部長。
○産業経済部長(榑林初夫君)
お茶の関係でございますけれども、先ほどの件でございます。これは、国が現在検討している段階なも
のですから、まだ明確なことは言えませんけれども、改植と台切り、これをした場合には未収益期間がで
きるというようなことから、これを所得補償的に整備をしていきたいという緊急対策ということで聞いて
おります。詳細については、まだ検討の段階ということで発表されておりませんので、今後、発表され次
第、皆さんにお知らせをしていきたいというふうに思います。
○議長(田村兼夫君)
7番
太田佳晴君。
○7番(太田佳晴君)
ちょっと内容が広範にわたってしまったものですから時間が少なくなって、本当は個々にもう少し突っ
込んだお話を聞きたいんですけれども割愛させてもらいます。
今の3点については、それぞれ前向きな考え方を示していただきましたので、そのとおり進んでいって
もらいたいと思います。
それで、きょういろいろお話を聞いたわけですけれども、大変な予算編成の中ではありますけれども、
一番大切な今問われているのは、厳しい中で市民にいかに夢や希望を与えることができるかという、メリ
ハリのきいた予算編成だと思います。最初に言った市長が考えているような予算編成の方針を政策議論の
中でしっかりと示しながら、厳しい中にも将来の夢が見える平成23年度の当初予算に期待をしております。
そして、最後に市長に大切にしてもらいたいと思うことを私は2点述べさせていただきたいと思います。
先月、旧相良町時代から姉妹都市を結んでいる松川町議会の皆さんが議会を訪ねて見え、またその直後、
中国上海市閘北区の周平区長さんご一行も見られました。そのとき代表の方のごあいさつを聞いていまし
たら、お二人とも「この牧之原市に足を踏み入れたときに、整備されたお茶畑の景色に感動した」とのお
話をしていました。私たちには見なれた当たり前の風景ですが、外から来た人たちには、とても感動的な
景色として写るのだということを考え直しました。
今、全国の棚田が田園風景として注目されておりますが、厳しいところに水田をつくり、それを長い間
守り続けてきた先人の苦労がしのばれるすばらしい日本の風景だと思います。
同じように、牧之原市の大茶園も訪れた皆さんに感動を与える整備された美しい茶園は、農家の人たち
が大変な手間をかけて守っているということを忘れていただきたくないと思います。それは、牧之原市の
大切な観光資源とも言えると思いますので、今後、観光や環境の側面も考えながら、牧之原市の茶業、お
茶畑という観光資源を大事にしていただきたいと思います。
それともう一つは、私のきょうの質問のある程度総括的なことになりますが、今の民主党政権のマニフ
ェストである「コンクリートから人へ」という言葉についてであります。言葉じりをつかまえるわけでは
ありませんけれども、市長はブログの中で、「国ではコンクリートから人へだ。牧之原市も子供やお年寄
り、そして弱者支援に配慮したい」このようにつづってありました。
この言葉から受ける印象は、国がダムや道路など社会基盤整備である公共事業に回していた予算を社会
保障や子ども手当などに重点的に充てている政策に習い、牧之原市の施策も福祉重点で本年度の予算を組
んでいくという市長の思いのようなものが感じられました。
きょうの答弁を聞いていますと、あえてそのような偏った思いは感じられませんので安心はしましたが、
−61−
少子高齢化社会の到来で、福祉関係の扶助費は当然膨らんできます。それは、市民に対して医療や介護な
ど、幅広い福祉サービスを提供するのが行政の務めですので、社会情勢の必要に応じて扶助費がふえるの
は自然の成り行きとも言えるので当然のことだと思います。
しかし、私は「コンクリートから人へ」などという一見耳ざわりのよい優しそうな言葉に惑わされるこ
とのないようにお願いしたいと思います。言うなればコンクリートも人もということで、牧之原市は施策
を進めていただきたいと思います。
政権マニフェストの中で、公共事業をコンクリートと呼び、否定するかのような言い回しをしますけれ
ども、公共事業により物をつくり出すとき、そこには必ず人の手が入り、雇用が生まれます。大切なのは
バランスであり、公共事業という経済活動により、町の中でお金が動き出すことが大切なことだと思いま
す。その意味で、コンクリートも人も一体のものだと思いますので、不要な施設をつくることはもちろん
許すべきではありませんが、牧之原市ではコンクリートも人も大事にしたバランスのある中で、予算編成
をお願いしたいと思います。
以上、2点についてもし時間があれば市長の考えを聞きたいと思いますけれども、最後になりますけれ
ども、数日前、相良の町中に住む友人と町で出会ったときに、立ち話の中で言っておりました。「市にお
金のないのはわかったので、余り金がない、金がないと市長は言わないで、ちっとは明るい夢のある話を
してくれと言っておいてくれ」と言われましたので、友人との約束どおり、この場をかりて市長にお伝え
して、私の一般質問を終わります。
○議長(田村兼夫君)
西原市長、残り3分です。
○市長(西原茂樹君)
3分しかありませんので、太田さんの言うとおりです。私も全く同感です。ただ、言葉の端々をとらえ
ると、そこで誤解が生じたりということがありますけれども、議論をすれば何も変わらないというふうに
思っております。
昨日ビタミンの100年のイベントがありました。あれは残念ながら牧之原市は一銭も税金を出しており
ません。実行委員会の皆さんが最終的に300万円ほどになったのですか、自分たちでお金を集めて、しか
も東京農業大学のビタミンのまな弟子が来て、私はあのイベントは大変な夢や希望を牧之原市に与えてい
ただいたと思います。本当に感謝をしております。そういう人たちが市内にはいっぱいいると思いますの
で、そういう皆さんと一緒に金がなる、金を生むことをいろいろ考えていきたいというふうに思います。
○議長(田村兼夫君)
これで、7番
太田佳晴君の一般質問は終わりました。
ここで、暫時休憩をとりたいと思います。再開は10時10分にします。
〔午前
10時03分
休憩〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔午前
10時10分
再開〕
○議長(田村兼夫君)
引き続いて一般質問を行います。13番
〔13番
粂田幸一君。
粂田幸一君登壇〕
○13番(粂田幸一君)
傍聴者の皆さん、ご苦労さまです。きょうはこんな大勢の傍聴者の皆さんの中で一般質問をするという
ことで緊張しております。
−62−
私は、消防救急業務の広域化ということで、今、牧之原市の一番重要な問題として上がってきている問
題について、質問をさせていただきます。
私の所属する委員会でも、きょうの一般質問の市長の答弁を聞いてから、今、出されている議案の態度
を決めたいということで、委員会でもこの後の審議ということになりました。そういう点で、きょう重要
な問題ですので、市長の前向きな答弁をお願いしたいというふうに思います。
3点について通告に従って質問したいと思います。
県の消防救急広域化推進計画に伴い、牧之原市は静岡地域、御前崎市は中東遠地域に分かれ、広域化を
進めることになりました。これに伴い、旧相良町地域の消防体制は空白が生まれることになり、消防署建
設が喫緊の課題となっています。
市では、相良消防署建設基本構想を策定し、市議会において建設場所の選定など、協議に入っておりま
す。相良地域の消防救急体制の確立は、喫緊の課題であることは承知をしておりますが、今後の牧之原市
全体の消防体制の確立をどう図っていくかについて、もう少し行政、議会とも議論が必要ではないかとい
う点で、質問をしたいと思います。
まず、1点目の問題であります。相良消防署ではなくて、牧之原市の基幹消防署の建設を考えたらどう
かということであります。もう一つは、行政、議会とも調査研究の期間がもう少し必要ではないか。早急
な結論は避けるべき。この点についてご質問をしたいと思います。
今後の市の消防体制の確立を考える上で、新庁舎への建設の位置づけが重要であります。相良消防署な
のか、牧之原市の基幹消防署の建設なのかという点であります。
今までの説明では、相良消防署の建設ということでありますが、新庁舎建設を考えるなら、相良地域を
管轄する消防署ではなく、牧之原市全域を管轄できる基幹消防署の建設を考えるべきではないかと思って
います。
新庁舎建設には、十数億円単位の建設整備費が必要となり、新たに消防職員の人件費など、消防経費も
加算されます。今後の市の財政運営や他のまちづくり事業への影響は非常に大きいものになってきます。
今後の市の消防体制は、市が進めようとしている相良消防署と吉田、榛原の広域の消防署、この2制度で
いくのか、あるいは静岡地域での1本部2指令の枠組みの中で、この体制がベストなのかどうか。また、
消防コスト、行政コストの面でベターなのか。そういうことを考えますと、今後の榛原地域の消防体制の
方向性も踏まえて、やはりどうすべきということを考えるべきであります。
加えて、地理的条件などを考え、地頭方地域の消防救急体制をどう構築していくのか。地域住民のコン
センサスをどう図っていくのかも重要な課題であり、これらについてまだ議会でも十分な議論がなされて
おりません。木を見て森を見ないということにならないよう、今、入り口の部分でもう少し行政側も議会
でもこの部分での検討が必要ではないか。早急な結論を避けるべきというのが私の考えであります。市長
の結論を伺います。
3番目の消防本部の組織体制の確立をどう図っていくかということの対応策を伺いたいと思います。現
在、本部の消防職員数ですけれども、平成22年度調べ、これは消防年報を参考にいたしましたけれども、
牧之原・御前崎広域消防においては67名、吉田・牧之原広域消防では64名体制となっております。組合業
務開始から現在までの組織体制の推移を見てみますと、牧之原・御前崎広域消防では、業務の開始が昭和
48年4月。このときに25名体制から出発をしております。以後6年間かけて40名体制となり、現在の67名、
こういう推移になっております。
吉田・牧之原広域消防では業務開始が昭和44年3月。そして新庁舎を建設して完成してから昭和45年4
月、この体制で23名体制から出発をし、5年かけて46名体制になり、現在の64名ということに至っており
−63−
ます。
組織体制の整備は、1年や2年でできるというものではなく、ほぼ四、五年かけて体制を整備していく
ということが推察をされております。牧之原市が新庁舎が完成する平成25年移行時の組織体制がどこまで
確立されるか、これもまだ明らかになっておりません。非常に心配であります。消防車両が7台、ポンプ
車が1台、救助工作車1台、化学消防車1台、救急車3台、指揮車1台、これらを購入して整備をすると
いうご説明でしたが、これに対応する人員確保が果たしてできるかどうかということも心配であります。
聞くところによりますと、消防隊は5名編成、救助隊は3名編成、救助工作隊は数名、通信司令室3名、
それぞれまた指揮車両も必要になってきます。そういう点で、現在、吉田・牧之原広域消防でどういうこ
とになっているかということをお聞きをしてまいりました。特に、夜間体制がどうなっているかというこ
とをお聞きをしましたら、16名編成で2交代制でやっておるということであります。1消防署を建設する
ということは、これができなければならないということで、そういうことを聞きますと、その他職員も入
れますと、最低でも40名程度はまず25年に組織できるかどうかということであります。そういう点で、こ
こら辺の確保が大丈夫なのかどうなのか、こういう点を伺いたいと思います。
2件目の質問であります。米軍移転全国市長アンケート調査への市長回答についての真意を問うという
件であります。11月24日の静岡新聞ですけれども、分析首長アンケート2010ということで、これは、ナン
バー4ということですので、1、2、3があったと思いますけれども、私は4について、ここに米軍移転
78%門前払いという全国市長アンケートの結果が掲載されております。政府から基地や訓練の移転を要請
された場合の回答として、全国の都道府県知事、市町村長の78%は受け入れを検討する意思がないとの調
査結果が掲載をされています。
静岡県の川勝知事は「ない」と答え、「現状改善策は本土への受け入れや沖縄振興策ではなく、米軍基
地の必要性も含め、国内の基地を縮小する方向で議論すべきだ」。こういうように答えていると報道され
ています。
西原市長は「ある」という方に答えたと言いますけれども、浜岡原子力発電所と隣接する牧之原市の市
長として、市民の生命・安全を守る立場での発言とは到底思われないと思います。こういう点で市長の真
意をお聞きをしたいということで質問をさせていただきます。
壇上からの質問は以上であります。よろしくお願いいたします。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
〔市長
西原茂樹君登壇〕
○市長(西原茂樹君)
粂田議員にお答えをいたします。県の消防救急広域化推進計画に伴い、牧之原市は静岡地域、御前崎市
は東遠地域に分かれ、広域化を進めることになりました。これに伴い、牧之原市御前崎市広域施設組合で
行っていました消防救急業務を組合の業務から外すことになりますので、今後の両市の消防体制について
協議を重ねてきたところであります。
組合の持つ消防機能を分割してしまっては、両市の消防体制は整備できませんので、現在の消防機能を
一たん御前崎市に移管し、牧之原市は平成23年度、24年度の消防救急業務を御前崎市に委託すること。ま
た、委託する間に相良地域に消防署を建設すること。平成25年度から静岡市へ委託するまでの平成27年度
については、御前崎市が参画することとなっております東遠広域に消防本部を委託することなど、議会の
全員協議会へ説明をさせていただきながら進めてまいりました。今回、御前崎市との調整が整いましたこ
とから、御前崎市ともスケジュールを合わせる中で、今定例議会へ関係議案を提出させていただきました。
−64−
特に、全員協議会の中では、平成25年度からの東遠広域へ委託することについて、「確約を」との意見
をいただいておりますが、東遠広域につきましては、関係市が現在、協議中であり、確約がとれない状況
でありますので、先般の行政報告で「私が責任を持って対応する」と言わせていただきましたとおり、私
の決意の一端を示させていただいたものであります。
粂田議員からは、初めに消防署の建設について質問をいただいておりますが、現在、相良消防署基本構
想策定委員会を設置し、相良地域消防体制や消防署建設場所の選定などについて協議をしているところで
あります。
牧之原市基幹消防署の考え方についてでありますが、平成28年度から静岡地域の枠組みに参画するため
には、当市内に消防署を整備することが静岡市より条件として示されております。このため、御前崎市か
ら離脱し、消防空白区域になってしまいます相良地域に、平成24年度末までに消防署を整備していかなけ
ればなりません。この消防署は、当市にとりまして、市内に初めて整備される消防署となりますので、将
来的なことを考え、この消防署を1市1消防署の核となる基幹消防署としていきたいと考えております。
次に、場所の選定については、十分な調査、研究が必要であり、早急な結論は避けるべきではないかと
のことでありますが、相良地域の消防署の選定場所については、消防庁が定めます「消防力整備指針」に
基づき、市街地で交通の要所、バイパスインターチェンジ付近などを条件として選定作業を進めておりま
す。
「早急な結論は」とのご意見でありますが、本議会に議案提出させていただいておりますとおり、御前
崎市へ消防救急業務を委託することで調整が整いましたが、平成25年度以降は自前で消防体制を整える必
要があります。このため、平成23、24年度で消防署の建設をという急いだスケジュールとなっております
が、ご理解をいただきますようお願いいたします。
また、静岡地域の広域消防につきましても、既に協議が始まっておりますし、御前崎市との具体的な協
議もこれからであります。提出させていただきました議案につきましても、今議会の中でご議決をいただ
き、牧之原市の体制をしっかり整えた上で進めなければなりませんので、よろしくお願いしたいと思いま
す。
次に、消防本部の組織体制をどう図っていくかということであります。平成28年度からの広域化実現に
向け、平成22年度から静岡市、島田市、牧之原市、吉田町、川根本町で静岡地域消防救急広域化運営協議
会設立準備会を設置しております。準備会では、各市町の消防力の現状データ、分析などの基礎資料調査
を行っております。その基礎データをもとに、署所の配置、コストなどについて総合的に評価し、バラン
スのとれた消防組織体制について協議・調整をし、平成24年度末までに、管轄人口90万人の静岡地域消防
救急運営計画を策定してまいります。
こうしたことから、消防救急運営計画の中に、相良消防署基本構想策定委員会や議員の皆様のご意見を
取り込んだ、牧之原市の将来消防構想を静岡地域広域化運営協議会設立準備会に提言をし、広域化のメリ
ットを生かした中で、市民サービスの充実・強化につながる消防体制の確立を図ってまいりたいと考えて
おります。
次に、米軍移転、全国首長アンケート調査への市長回答についてお答えをいたします。本年11月沖縄県
で執り行われました沖縄「静岡の塔」追悼式に参列するとともに、普天間基地を視察する機会を得ました。
沖縄戦で亡くなられた方のご遺族や関係される皆様のお話をお伺いし、多くの犠牲者を出した沖縄戦の悲
惨さを改めて知ることができました。
第二次世界大戦終了後、日本の平和と安定、並びに経済的な発展におきまして、「日本国とアメリカ合
衆国との間の相互協力及び安全保障条約」、いわゆる日米安全保障条約は、重要な基盤として機能してま
−65−
いりました。また、署名発効50周年を迎えた現在も、アジア太平洋地域におきまして、不確実性、不安定
性が依然として存在しており、日米安全保障体制は、引き続き日本及びアジア太平洋地域の平和と安全を
確保するために、不可欠な役割を果たしていくものとされています。
一方、沖縄県には、多数の在日米軍基地が存在している現実があります。実際に沖縄を訪問いたします
と、軍用航空機の騒音や墜落事故の危険性等は著しく、基地による負担を少しでも軽減する必要を痛感い
たします。日本全体の繁栄が、沖縄県民だけの負担や犠牲の上に成り立つことは許されることではありま
せん。沖縄の基地問題、在日米軍の移転を考えるということは、日本国民である私たち自身が、日本の平
和と安全のために何ができるか、何をなすべきかという課題に、真剣に向き合うことだと考えております。
今回は、米軍基地や訓練移転につきまして、「受け入れの意思はあるか」ではなくて、「受け入れるか
どうか検討する意思はあるか」という設問に対しまして、「ある」と回答したものであります。自分たち
だけは負担や犠牲を望まない。こうした利己的な態度では解決することはできない。この課題に対する私
自身の覚悟として、そういう回答をしたというものであります。
○議長(田村兼夫君)
13番
粂田幸一君。
○13番(粂田幸一君)
数点にわたって再質問をさせていただきます。まず、今、市長の答弁で、牧之原市の相良消防署の位置
づけですけれども、これは基幹消防署ということで考えているというようなご答弁をいただきました。そ
の上に立って再質問ということですけれども、今、場所の問題も含めて、組織体制の問題も含めて、まだ
まだ議会の中で、私たち委員会でも、もう少し議論が必要ではないかということが大勢になっております。
そういう中で、12月15日に審議会が開かれて、場所を選定する、決めたいというようなことが、今まで
の説明の中でお聞きしております。この審議の中で、きょうの一般質問のことも含めて、やはりこういう
問題が出されたと、こういう点についてどうだという、そういう点での審議をぜひなさっていただきたい
ということで、まず15日に場所の決定をすべきでないということを私は思うわけですけれども、この点に
ついてのご回答をお願いいたします。
2点目ですけれども、場所の選定基準として、今までの説明の中では、市街地に隣接する、あるいはイ
ンターチェンジに近い、埋蔵文化財がないなどのところを挙げて、選定基準15項目を挙げたと。その中で、
評価点の多いものとして、造成困難、バイパスに距離が近い、それから現場までの移動時間というものの
評価点が多いところに決定をしたということで、大沢インター付近、菅山インター付近、緑と文化の丘公
園用地、相良庁舎、この4カ所に選定基準を絞ったということでお聞きをしております。
そういう点で、今、市長の答弁で基幹消防署をつくるという観点なら、果たして場所の選定がこれでい
いのかということを、私は改めて問いたいというふうに思います。
そういう点で、例えば、救命救急の場合、患者さんがどこの病院に搬送されているか。また、その病院
へ最短時間で運べるか。こういう判断基準も重要であります。そういう点で、現場からいかに早く病院に
到達するかは、人の生死にかかわる場合も多いわけでありまして、この点で、私は消防年報のデータを調
べてみました。
そうすると、榛原・御前崎の広域消防管轄で、牧之原市民、相良地域の住民がどういうように搬送され
ているかというデータですけれども、平成21年のデータですけれども、旧相良町市民が759名救急で搬送
されている。搬送先が榛原病院に281名、それから島田病院に196名、藤枝に123名、御前崎病院に42名、
菊川病院に25名ということであります。吉田・牧之原消防はどうなっているかということで、牧之原市民
が660名の搬送ですけれども、このデータでは、榛原と吉田の区分けがありませんが、1,399名が搬送され
−66−
ていて、その内訳として、榛原病院が702名、島田病院が267名、藤枝が200名、焼津が177名、こういう順
になっておりまして、榛原病院が圧倒的に多い。牧之原市民はやはり榛原病院を使うということで、救急
対応しているということであります。このことを考えると、榛原病院へいかに早く搬送するかということ
が非常に重要な問題であります。
合併時に相良町と榛原町が一体化するための地域融合道路というのを提案されまして、それも決まりま
した。例えば、山の手幹線、それから大江追廻線、それから天の川大江線。こういう幹線道路を早急につ
くって、150号にかわる融合道路として一体化を図るというのが合併当初の計画でも盛り込まれているわ
けです。そういう点で、榛原病院から山の手幹線を結び、そして大江追廻線を通って、天の川大江線とい
うのを結び、大沢インターへつなぐという、この幹線道路の整備というのも非常に重要になってくるわけ
ですけれども、そういう点で、特に山の手幹線の開通というのが切に望まれているわけですけれども、今、
勝間田川の橋をかけるという工事が非常におくれております。これが平成25年までにこの幹線道路が開通
をできるのかどうかということも、救命救急を考える場合非常に大切ということであります。そういう点
で、この点についてお伺いをしたい。
これに関連をして、今、挙げたような天の川大江線の道路整備ということもあるわけです。そういう点
で、橋をかけるという重要な問題もありますけれども、今までの議会の中でも、一般質問等でも、大江地
区の都市開発をどうするかというような問題も含めて、相良地域のまちづくり事業という観点からこの幹
線道路、そういうことがあります。そういう点でここら辺の道路整備をどう考えるかということもあわせ
て伺いたいと思います。
3点目ですけれども、消防コスト、行政コストの問題で伺っていきたいと思います。消防年報によりま
すと、消防総務費が平成22年予算で、牧之原市御前崎市広域施設組合で約6億3,000万円。このうち人件
費がどのくらいかというと、5億3,000万円計上されております。吉田・榛原の組合では約4億8,500万円、
人件費が4億2,300万円。こういうことになっておりまして、それでは消防職員1人当たりの人件費がど
のくらいかかるかということで計算をしてみましたら、御前崎・牧之原の方で790万円。吉田・牧之原で
760万円というように、ざっと割っていくとこういう計算になります。
今、牧之原市に基幹消防署ということで考えますと、ここに体制をどうするかによって、例えば、今ま
での54名体制という説明の中では、計算をしますと4億1,000万円くらいの人件費がかかってくる。これ
が今まで牧之原と御前崎で旧3町で持っていた広域組合の予算比率ではなくて、今度は牧之原独自で消防
署を持つということで、ここら辺の経費ということを考えると大きなものがあります。
そこに吉田・榛原でどのくらいかかるかということで、吉田・榛原は人件費が、64名で、例えば、吉
田・榛原は大体折半ということで、32名というふうに計算をしますと、2億4,000万円の人件費が現在、
牧之原市として負担をしている分だと、単純に考えますとこうなります。
そうすると、牧之原市が基幹消防署をもう一つつくると。それで、吉田・榛原との消防も維持するとい
うことになると、非常に行政コストの面で、そういう点でどうなのかということも含めて考える必要があ
るのではないか。こういう点の消防行政コストの点について、やはりここら辺をどう考えているかという
ことも伺いたい。
4点目ですけれども、今までのご説明の中で、消防署を建設しても、平成25年からの消防体制は中東遠
のセンターに委託をしていくということであります。市長も今、市長の責任においてということでお答え
をしたということの答弁ですけれども、今までの説明の中でまだ組合が立ち上がっていないと。まだお願
いに行っていないわけで、その確約をということで議会でも問題になっておりました。全域でサービスが
低下しないという方向で考えるなら、この間の委員会の説明では、例えば、指令を島田市にどうなんでし
−67−
ょうかというご質問をしましたら、島田市は受けないと答えているという、橋を、大井川を挟んでこちら
へ来るということはできないと。それだけの消防力がないということでお断りをされたということも聞い
ております。それでは、果たして中東遠のセンターが、牧之原のそれを受けてくれるかどうかという、本
当にここが非常に相良地域の、特に地頭方地域の皆さんの、そこら辺の消防体制の確立ということで不安
を抱いている原因になっております。この点について、果たして断られた場合どうなのかという点を、
「ないよ」と言うかもしれませんけれども、そういうことも含めて検討する必要もあるということで、こ
の点についてどうでしょうかということを伺います。
それから、5点目です。平成25年移行時の財産分与については、まだどうこうという具体的な数字は私
たち議員には聞かされておりません。説明によりますと、四分六の割合だということだけは聞きました。
そこで、牧之原市で消防署を建てて、54名体制でやっていくということなら、消防職員の確保をどうして
いくかということが非常に重要な問題になります。特に、数だけ合わせればいいということではなくて、
質の確保をどうするかということも心配をされるわけです。
私は、この消防年報で、牧之原市御前崎市広域施設組合の職員の身分別分布表というのを見させていた
だきましたら次のようになっておりました。一番トップ、消防監が1名、消防指令長が6名、消防指令補
が10人、消防士長が17名、副士長が9名、消防士が7名ということで、67名体制ということであります。
それでは、ここで新庁舎が建設された場合に、この職員の組織体制の確立をする上で、どういう配分を要
求しているのか、腹案をもう持っているのかどうなのか、こういう点で牧之原消防署を今、市長のご答弁
の基幹消防署にしていくということならば、ここら辺の質の強化というのが重要課題になってきます。そ
ういう点で、人員確保と質の強化についてどう図っていくのか。答弁の中では人員をどういうふうにそろ
えるというようなご回答がありませんでしたので、ここら辺が重要な問題だと思いますので、伺いたいと
思います。
もう1点、市長のアンケート結果のご回答の真意ですけれども、市長は検討するのではなくて、検討す
る意思があるかどうかということで回答したということであります。もちろん考えが、いろいろなお立場
はありますけれども、今、牧之原市は今回の議会でも平和都市宣言というのを制定をするということで、
議会に上程されております。この中には、戦争の悲惨さや平和の尊さを次の世代に伝えていく。牧之原市
は平和を願って、こういう平和宣言を制定していくんだということがうたわれております。
個人の考えはどうであれ、浜岡原発所があると。例えば、だれもすぐこういう回答をされたというと、
それでは市長は何だい、静岡空港をそういう方に開放するのかというのがぴんとくる場合もあります。そ
んなことはないにしても、そういう誤解されやすい発言であります。そういう点で、一たん空港をそこら
辺の離発着の基地にされたら、いつ浜岡原発所に何かの拍子に落ちるかわからないというようなことも考
えられるわけでして、絶対あってはならない。こういう発言は、やはり厳に慎むべきだと思いますけれど
も、ここら辺、やっぱり首長としての発言としては適当だったかどうなのか、そこら辺をもう一度伺いた
い。
以上です。よろしくお願いします。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
消防の件につきましては、部長の方から詳細にご回答させていただきたいと思います。
それから、先ほど言いました受け入れる意思ではございません。受け入れの検討する意思があるかどう
かということでありまして、静岡県内でも島田の市長、焼津の市長、静岡の市長、浜松の市長を初め、一
−68−
二、三市長がこの沖縄の問題に対して、きちんと検討しなければいけないという回答を私と同じようにし
ております。
静岡県は、北海道に次いで全国で一番基地の多い、面積として多いところでありますし、米軍のキャン
プ富士があるというようなこともございます。この近隣で言えば、自衛隊の基地と言えば、大井川にも自
衛隊の基地がありましたし、御前崎にもレーダーサイトがあるというような環境の中で、私たちがただ絶
対嫌だと言って、自分たちの安心・安全、それから平和というのは私は守れない。平和宣言を私はずっと
やらないということで答弁してきました。だけど、議会でこういうご議決を上げていただいて、私は議会
の方向に従ってこの作業をきちんとやったつもりでありますが、宣言を上げたから私たちの身を守れるな
んて思っておりません。それは、昨今の中国の武力の増強、それから北朝鮮が実際にどういう状況になる
かというのは、全く不確実であります。そういう中で、ロシアもあの北方2島さえも返さないというよう
な状況であります。日本の国民がそういったことにきちんと首長であろうが、これは国会議員で国がやる
ことだというふうに構えている限り、そういったものの解決は進んでいかないだろうというような意思を
含めて、受け入れる意思ではないんです、受け入れを検討する意思。沖縄の普天間の問題ということをき
ちんと我々国民の一人として考えるべきであろうということで丸をつけたということで、ただこのことが、
こういう質問で返ってくるというところまで私も承知しておりませんでしたものですから、こういうご質
問を受けたというふうなことであると思いますが、やり合ってもそれほど何か出てこない気もいたします
が、私の回答とさせてもらいたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
それでは、私の方から消防の広域化の関係について、お答えをさせていただきます。初めに、策定委員
会で12月15日に場所を決定するのだという動きがございます。これにつきましては、平成23年度、24年度
にゼロから消防署を建設すると、急いだスケジュールでやっております。これについては、市長の答弁の
とおりでございます。そうした中で、策定委員会に4カ所こういったところでどうですかということで案
を示させていただきまして、場所の選定に向けて協議をしております。
15日については、細かい調査項目の結果が出てまいりますので、それを報告してさらにご検討いただく
ということで、急いだスケジュールを考えれば、場所というのは早く決まっていただきたいというのが
我々事務サイドの考えでございますが、ただその中でも、現在、他の地区からこの場所はどうだというよ
うな要望もいただいております。また、本議会の中でも粂田議員からも場所についていろいろご意見もい
ただいております。そうしたことも策定委員会に報告をさせていただき、これらを勘案して場所を決めて
いく。
我々としては、15日に何でも決めてしまうということではありません。必要なら議論を重ね、最終的に
最もいい場所を決めていきたいというふうに考えております。
2点目の行政コストの関係でお話がありました。現在、詳細な数字はご勘弁いただきたいと思いますが、
吉田町と牧之原市の広域施設組合、これについては、市の負担金が2億1,000万円程度だったと思います。
また、御前崎市との組合については2億6,000万円くらい。都合、牧之原市が消防で両組合に負担をして
いる負担金が4億六、七千万円というふうに記憶をしております。
基本的に牧之原市が消防をやっていくということになりますと、この金額がベースになってくるとは思
います。ただ、消防の整備体制、これとかかる金額というのは当然裏腹になってまいりますので、人員を
たくさんふやして、いろんな機器を入れてと言えば、当然お金がかかってまいります。その辺は、具体的
−69−
にこれからどういう計画になっていくのか、静岡地域の中で今、準備会を立ち上げて、この静岡地域の消
防整備水準をどうするのかということの議論もしております。その辺も含めて最終的に決まってくること
でありますので、その検討の過程も議会の皆様に報告をしながら決めていきたいというふうに考えており
ます。
次に、指令の関係で、中東遠の5市1町に指令をお願いするということで説明をさせていただいており
ます。これにつきましては、事務レベルでは、事務局となる磐田市の方へ出向いて、その辺の話を進めて
おります。年がかわってすぐ5市1町の指令の協議会の会議が開催される予定だというふうに聞いており
ますので、そうした中へ市長みずから出向いていただいて、お願いをしていただくということで、その辺
の調整もさせていただいているところでございます。
次に、人員等も含めた消防の体制の関係でございます。議員の質問の中にもありましたが、現在69名と
いうことでやっております。平成23年度の新人採用を消防署で10名決めておりまして、その人数の増員が
されます。また、24年度については18名程度の採用をしたいというふうに、これは御前崎市との話であり
ますが、予定をさせていただいております。
そういたしますと、24年度には、25年度に牧之原市が消防署を建設してみずからやっていくという時期
になりますと、90名くらいの人員が確保できるということであります。この90名を御前崎市と牧之原市で
配分をします。この配分については、今、組合費の負担が基準財政需要額を基本としてということになっ
ておりますので、それが先般、説明させていただいた約4割、6割という数字でございます。詳細にはも
っと端数がつくわけですが、そういった形で、これを分配の想定をしてみますと、御前崎市が48人、牧之
原市が42人くらいの人員の配分になります。
この配分で現在、相良地域の消防体制が組めるのかということでありますが、その体制については、消
防署と協議をさせていただいておりまして、この42名の配置に、以前説明させていただきました車両の配
備等入れますと、やっていけるということで聞いております。
まだ、実際の配分については、今議会でご議決をいただいて、御前崎市とさらに具体的な配分について
詰めていくということになりますので、その中でもう少し25年度以降の配備体制等、皆様にご説明できる
のではないかというふうに考えております。
私の方からは以上でございます。あと、消防の救急の搬送等の関係の中で、道路の話のご質問も出まし
た。その辺につきましては、建設部長の方から答弁をさせていただきます。
○議長(田村兼夫君)
建設部長。
○建設部長(阿部一博君)
道路整備についてお答えをさせていただきます。山の手幹線の完成時期ということですが、山の手幹線
につきましては、天神橋付近から県道まで360メートルあります。現在、深谷橋の橋梁工事を本年度と来
年度でもって債務負担行為で実施してきております。23年度に道路整備を行いまして完成するという予定
でやっております。
また、天の川大江線につきましては、萩間川の改修計画がございます。本年、萩間川の用地調査の測量
を現在行っております。そういった中で、事業の進捗を見ながら、うちの方の天の川大江線の道路の整備
計画についても、事業化を調整しながら、県との調整の中で進めていきたいと考えております。
以上です。
○議長(田村兼夫君)
13番
粂田幸一君。
−70−
○13番(粂田幸一君)
1点回答がありませんでした。25年から中東遠のセンターにお願いをしていくと、委託をするというの
が、まだあちらが立ち上がっていないということで、お願いに行っていないということで、市長の責任で
やるということでありますけれども、私は質問の中で、もし中東遠が受けないと言ったらどうなのか。こ
れは、受けない話は想定できないと言うかもしれませんけれども、そういうことも含めて考えているかど
うかということのご答弁がありませんでした。これも含めてお願いをしたいというふうに思います。
今、行政コスト、消防コストの面で、牧之原消防署を基幹消防署と立ち上げた場合に、4億六、七千万
円くらいを想定しているということです。そうすると、私も先ほど提起をいたしました吉田・牧之原の方
の広域消防のそういうことも考えると、消防費の行政コストというんですか、費用負担というのは、非常
に大きなものになってくる。今まで以上に2億円、3億円のお金がかかってくるのではないかなと。
そういう点で、基幹消防署という位置づけであるなら、やはり牧之原全体をにらんだそういう点での場
所に、基幹消防署の建設をしていくということも一つの検討の課題になってしかるべきだというふうに思
います。このまま行きますと、やはりこの4カ所に決定していくということになってしまうのではないか
と。私はそこら辺の気がするわけで、この10年、20年先の行政コストと考えると、1市2制度をどうする
かということを、私たち榛原の住民としては、今の吉田・榛原の体制をずっととってくれればいいという
ことですけれども、それでは済まないだろうなと。やはり全体をにらんだ基幹消防署を建てて、そこから
最低限でも行くと。届かないところは分署なり建てて、そして救急体制を確立していくという視点が必要
ではないかと思うわけですけれども、そういう点で、今、ご答弁の中で、場所の選定は15日にはしないと
いうこともお聞きをいたしました。そういう点でここら辺を十分、検討課題にしていただきたい。
私はこの地域融合道路を早く整備をして、河川改修もあります。そういう時期に少なくてもあそこに橋
をかけるコンクリートだけで打っておくとか、そういう工事を進める中で、やはり天の川大江線を早く開
通をさせて、あそこら辺のまちづくりも含めて、そういう融合道路の整備ということも考えながら、10年、
20年先を考えた新庁舎の建設ということが非常に重要だろうと。そういう点で、いま一度そこら辺のこと
をやはり検討していただきたい。審議会の中で議会でも正副議長が参加をしております。そういう点で、
議会でもう少しそこら辺の議論をして、私たち委員会でも議論をしてどうなのかということを詰めた上で、
決まれば早急に建ててもらわなければ困るわけですけれども、そういう点で基幹消防署の位置づけという
ことをきょうのご答弁で伺いましたので、いま一度、場所の選定については考えていただきたい。ここを
もう一度、これは市長にご回答をお願いしたいと思います。
もう一つ、組織体制ですけれども、先ほど私は今、御前崎と牧之原の組織体制がどうなっているかとい
うことで、消防監以下そういう長年経験を積んだ人の身分を上げさせてもらいました。そういう点で、牧
之原市の基幹消防署ということなら、それに相応する身分の人を何人配置するかということも、組織を動
かす上で非常に重要だろうと。そういう点で、おおよそ42名体制でいくということで、新採用が18名とお
聞きをしました。そういう中で、ここら辺の配分を、質の強化ということでどういうふうに考えているの
か、そこら辺がもしあったらお答えを願いたいと。
以上です。よろしくお願いします。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
委員会の方で場所の決定を急ぐとかということではございませんので、ただ後の後段を考えれば、早急
に決めたいというようなことでございますので、議員のご意思、あるいは議会のご意思をきちんと斟酌し
−71−
て進めたいと思います。
それで、そもそも論でございますけれども、今回の広域化していくというのは、これは国が決定をして
上から決まってきたことであります。そのまず第一の会合を平成19年当時にやったときに、私はこの私た
ちの牧之原の地域が、県下で最も救急車が遅いと、消防車が遅いというような地域ということを県の全体
の会議で指摘をされまして、実は私が全国市町村の代表になりました。「何で代表になった」と聞いたら、
「一番あなたのところが消防車、救急車の到達時間が遅い」というようなことでありました。
そこで、急遽、御前崎・牧之原の消防については定数を増員をいたしました。今までの消防署の職員の
皆さんから聞いたら、とにかくこんな消防署の職員が少ない状況で体制を組んでやると。しかも、効率と
いう面で、3町の間のあそこに消防署を置いたわけでありますけれども、消防庁の基本的な考え方は、市
街地に置くと。人口が大勢いるところに消防署を置かなければ、助かる命も助からない。消える火も消え
ないというようなことが国の指針であります。
そういうようなことで、御前崎の石原市長とは、とにかく御前崎も役場の庁舎のそばに救急車と消防車
を置きたい。我々もそういった中で萩間の地域に昼間だけではありますけれども、ああいう分遣所を置い
たというような経緯がございます。したがって、場所とすればなるべく人口密集地に置くというのは、こ
れは消防のまず基本であります。そして、さらに私たちの地域は、消防団の力が非常に頼りになって強か
ったです。だから、火は地域が消すということがありましたので、消防力に対しては、救急の面は別にし
て、消防力は地域の消防団に負うところが多かったという経緯がありましたので、何となく救急の体制が
非常に脆弱であったというようなことです。
したがって、これはある数字ですけれども、非常に脳疾患とか、心臓疾患、これの死亡率が高いという
ようなことは、救急車の到達時間、それから病院までのアクセス時間、こういったものがやはり影響して
いるというようなことでありますので、広域する、しないは別にして人員の増は必要であり、消防にかか
る行政コスト、これは今まで少なくて済んでいたという面もありますが、逆に言えば、サービスが低かっ
たということでありますので、この面は増強していきたいというようなことであります。
最終的に広域化で、今後、中東遠の話でありますけれども、これも何も我々だけが決めて進めているこ
とではありません。すべて国が決めたことを県が入って、県もきちんと話に入って進めていただいており
ますので、私も責任を持ってやりますけれども、これは県も同じような気持ちで、県民の安全を守るとい
う形で取り組んでもらおうというふうに考えておりますので、一緒に心配ないような体制に持っていきた
いというふうに考えています。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
中東遠の指令の関係であります。できなかったらということでありますが、中東遠の方は平成24年度に
指令の業務を立ち上げるということで今、協議が進んでおります。牧之原市は平成24年度は御前崎市へ委
託ということで今、計画をしておりますが、その中で、既に牧之原市の分も指令の情報として入れていた
だいて、応分の負担をするということで、御前崎市とも話をしておりますし、先ほどご説明いたしました
ように、磐田市の事務局の方へも事務レベルで話を進めているということでございます。
それと、消防署の職員のいろいろ職域に段階があってということで、ご心配は新人をとって新人ばかり
だと消防署をつくっても機能しないよということだと思います。その辺も消防署と話をさせていただいて
おりまして、消防署でこの42名の体制で相良地域の消防体制が組めるということを聞いております。それ
は、当然、今、御前崎市との組合の消防署、ここにいろんな段階の役職の人たちもいます。それぞれ、消
−72−
防体制が組めるように応分の配分をしていただくと、そういうことでお願いをしていくということで考え
ております。
○議長(田村兼夫君)
これで、13番
次に、10番
粂田幸一君の一般質問を終わります。
中野康子君。
〔10番
中野康子君登壇〕
○10番(中野康子君)
通告に従い、市長並びに関係部長に質問をいたします。最初に、平成23年度当初予算の編成方針につい
て伺います。国は、地方交付税や地方税など、一般財源の総額を前年度並みに据え置く方針を公表してお
りますし、地域主権大綱に基づいて、補助金が一括交付金化されることも想定されることなど、国の地方
財政対策の動向、さらには最近の急激な円高、自動車関連産業などの海外への生産拠点の移転、一番茶の
大凍霜害による茶業界の厳しい状況などが地域経済に与えた影響を考えますと、例年以上に財源の確保が
難しくなるのではないでしょうか。
平成23年度当初予算の編成に当たっては、税財収入の確保に努力することはもちろんですが、何か新た
な財源を確保できる打ち出の小づちはないのでしょうか。難しいとなりますと、榛原総合病院への繰り出
し、消防署の新設、義務的経費の増加等々を考えますと、各部局一律カットをするのか、あるいは事業の
重点化、効率化を例年以上に徹底した予算編成をされるということでしょうか。大変厳しい23年度当初予
算の編成になると推察します。平成23年度当初予算の編成するに当たって、どのように税財収入を見通し、
いかなる方針で編成されるお考えですか。
また、行政サービスの一定の質、水準は当然確保しなければならないことはもちろんですが、各部局一
律カットを実施するお考えですか。まずお伺いします。
次は、お茶の振興策についてであります。6月議会で一番茶の凍霜害への対応策、お茶の振興策につい
て質問いたしましたが、その後の動向などについてお伺いいたします。
県下の推定被害総額は約45億円。収穫時期の遅い県東部、静岡市などの被害は少なく、県下全体では当
初心配したほどではなかったと発表されておりますけれども、牧之原市では栽培面積の約8割が打撃を受
け、うち2割の農家では収穫が全くできなく、市内の被害総額は推定11億円にも上るとのことであります。
しかし、防霜ファンの効果で被害の受けなかった場所を先に摘採し、被害を受けた場所は随分おくれて
2度、3度に分けて摘採。二番茶、秋冬番も同様のため、摘採や荒茶製造が長期化したことによる労務費
や製造経費などを考えますと、例年より随分上乗せになっており、実際に受けた被害額はさらにふえてい
るはずであります。
大きなダメージを受けましたけれども、行政、JAを初め、関係機関、関係者の皆さんが、早々に凍霜
害への対応策に奔走してくださり、おかげさまで時間の経過とともに、気持ちの上では立ち直ってきてい
るように感じておりますが、金銭面での苦労は相変わらずです。
早々に市とJAの支援により、実質無利子の融資制度をつくってくださいましたが、その後の貸し付け
状況といいますか、借り入れ状況はどのようになっているのでしょうか。お茶の収益性が落ち込んでいる
ことや後継者の問題など、いろいろ事情があるでしょうが、以前から茶園の耕作放棄地が見受けられるよ
うになってきましたが、今回の凍霜害でさらに耕作放棄地がふえてくるのではないかと心配する一人です。
凍霜害を受けて改めて思いますことは、防霜ファンの威力、効果であります。国や市の補助を受け、昭
和55年前後に防霜ファンを設置して以来、既に30年近くたっています。経年劣化で随分傷んでおり、電気
屋さんの裏庭に取り替えたファンが山ほどに積まれているのを目にしたことがあります。
−73−
凍霜害の当日に作動しなかったため、全滅した茶園があったと聞きましたが、それは無理もありません。
10年の耐用年数は遠い昔に過ぎています。茶業界を取り巻く環境が大変厳しい昨今、大多数の茶農家には
防霜ファンを新しくする余裕がないのが現実だと思います。補助や補償制度は農家の依頼心を生み、向上
意欲を削ぐとの意見もあるのは承知していますが、防霜ファンを更新したいから支援してほしいと訴える
多くの農家の声が聞こえてきます。かつて、補助を受けた施設に再び助成することは可能でしょうか。防
霜ファンが効かなかったところは摘採が随分おくれましたが、品質的にはどうだったのでしょう。
凍霜害を受けて、直ちに関係機関、関係者の皆さんが、牧之原茶の販売促進、販路拡大に積極的に取り
組んでくださいました。この流れを切らさないよう、引き続き新しい試みにいろいろ挑戦してくれていま
す。
昨今、何々カフェという名づけがはやっています。お茶カフェ、何かおしゃれな感じがします。お茶の
生産者と対話しながら、おいしいお茶が飲め、生産者の顔、安心、安全が確認できる。牧之原茶のイメー
ジアップと消費・販路の拡大につなげようと、市の茶業振興対策協議会がお茶カフェプロジェクトに茶農
家、茶工場、専門店に参加を呼びかけ、市内の31社の賛同を得て、去る10月17日、日曜日、一斉にお茶カ
フェが開かれました。
私もお茶カフェ勝間田マルタケ茶工場でのおもてなしに参加しました。初回は手づくりのようかんをつ
くってお出ししていますがその数で70名。先月は100名、そして昨日の第3回目は150名と訪れる方がふえ
ており、お茶談義に話がはずみました。2013年3月まで毎月1回実施する予定とのこと。何事にも挑戦だ
と思います。大きな輪に広がり、成果があらわれてくることを期待しています。
10月末に開催された世界お茶まつりでもお茶のおいしさ、お茶の文化や効用などを大いにPRしてくれ
ましたし、また牧之原市としては初の快挙と聞きますが、11月16日に開かれました全国手もみ製茶技術競
技大会において、牧之原チームが初優勝をしたとのうれしい出来事があります。本当にみんな頑張ってく
れています。
牧之原市は、全国1、2位を競う茶産地でありますので、お茶の需要や価格の下落傾向に歯どめがかか
り、早く上昇気流に乗ることができますよう、皆さんの力をかしていただきたいと思います。
しかし、ここに来て難しい課題を突きつけられています。環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定、
TPPです。TPPはすべての関税撤廃が原則です。外国の安い農産物が入ってきたとき、日本の農業は
どうなるのでしょう。安全・安心な日本の農産物、お茶などが高値で外国へ輸出されるようになり、牧之
原のお茶関係者にとってよかったということになってほしいわけですが、議論があるところです。
いろいろ申し上げましたけれども、お伺いをいたします。最初は、お茶の振興策のうち、無利子融資制
度についてであります。相談件数、申込件数、決定貸付金額、件数などの状況はどのようになっています
か。その結果から、凍霜害が茶業界に与えた影響、支援策についての評価、農家の要望など、どのような
ことが明らかになりましたか、お伺いします。
次は、防霜ファンの設置についてであります。厳しい予算編成になることは予想していますが、ぜひ前
向きな取り組みを期待し、質問します。
今回の凍霜害で改めて防霜ファンの設置の必要性を痛感いたしました。現在、農施設の多くは老朽化が
進み、施設の早期更新が求められていますし、また風が弱い場所での設置密度を上げたいなどの強い要望
があります。国庫補助事業であります強い農業づくり交付金は、防霜ファンの設置も補助対象だと思いま
すが、申請状況はどのようになっておりますか。既存の支柱は使用できますので、ファンの取り替えのみ
でも補助対象となりますか、お伺いします。
次に、お茶カフェプロジェクトについてであります。市内の31の茶農家、茶工場、茶専門店が参加しま
−74−
したが、対象者はどれくらいありますか。今後そのうちどれくらいの参加を目指しておりますか。
最後ですが、環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定が発効した場合、牧之原市の基幹産業であるお
茶関連産業にはどのような影響が出てくるとお考えですか、お伺いします。
以上、お尋ねをして一たん質問を終わります。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
〔市長
西原茂樹君登壇〕
○市長(西原茂樹君)
中野議員にお答えをいたします。初めに、主な市税の収入見通しについてであります。まず、市民税に
ついて、その増減を左右する景気の動向ですが、リーマン・ショックによる景気の低迷は、本年前半まで
に緩やかに回復をみせておりました。しかし、本年後半の円高、親企業の新興国への事業シフトなどによ
る受注の減少など、企業の雇用の改善、業績は思ったほどの回復を示しておりません。これらをもとに、
個人市民税は本年度と同様と踏まえております。
また、市内主要企業からの今後の業績などに関するアンケートでは、総じてリーマン・ショック以前の
業績への回復を回答する企業はなく、むしろ今後の先行き不透明から回答を控える企業もある状況です。
したがって、法人市民税については、法人数の増加分と若干の法人税割の増額を見込んだ程度にとどめて
おります。
次に、固定資産税ですが、これは例年のとおり、主な変動要素を土地は地価価格、家屋については新増
築、償却資産は減価償却分とし算定をいたしました。結果として、家屋の増額分を土地、償却資産の減額
分が相殺することとなり、固定資産税全体ではほぼ前年程度と見ております。
軽自動車税は、本年度の登録、廃止の状況から本年度並み、市たばこ税は近年の落ち込み分と値上がり
による喫煙の減少分を考慮し、売り渡し本数を減らしましたが、税率のアップにより若干の増額といたし
ました。
次に、地方交付税ですが、総務省の概算要求では、自治体に配分される出口ベースで0.2%減の16兆
8,605億円とし、自治体が自由に使える一般財源では、平成22年度を下回らない水準を確保することとさ
れております。
しかし、財務省は地方財政計画が過大だとして、1兆4,850億円の別枠加算の廃止を求めているとの報
道もありますので、油断はできないというふうに思っております。
当市の見込みでありますが、税収を増額見込みとしますので、普通交付税は今年度より減額となります。
別枠加算の影響額が大きく、試算が難しいわけでありますが、情報収集に努め、過大とならないよう試算
をいたします。
また、地方譲与税や地方消費税交付金等は、人口や市道の延長、面積などに応じて国から配分されるも
のであります。平成21年度決算額では、三つの譲与税、八つの交付金、交付税を含めますと約31億円とい
う大きな金額となります。現段階では、普通交付税や譲与税などの動向について、国の概算要求以外の情
報が把握できておりませんので、前年度の決算額や今年度の決算見込額をベースに算出しております。今
後、国や県から示される情報をもとに、各収入見込額の精度を高めたいと考えております。
次に、平成23年度当初予算編成の方針についてでありますが、①第1次総合計画の推進、②行政改革の
推進、③財政健全化の推進、④エコアクション21の推進を重点施策として位置づけ、市民の皆様のご意見
や市議会で出された意見等を参考にしながら、指摘事項に留意し、持続可能な行政運営をしていくために
はどのように対応すべきかを十分検討するよう指示したところであります。
−75−
次に、予算編成における各部局一律カットについてであります。昨年の今ごろは企業業績の悪化による
税収の落ち込みや、榛原総合病院の将来展望が定まらない中での編成作業で、県外出張の自粛、消耗品や
備品を初めとする経常経費の削減など、近年にない厳しい予算編成をいたしました。また、補助金につい
ても、自治会を初め、各種団体にもご理解をいただき、一律カットを実施させていただきました。
今年度の各部の11月12日の要求時点における一般会計の財源不足額は、臨時財政対策債と財政調整基金
を計上しない段階で約22億円、昨年度よりさらに7億円の財源不足が生じております。
市債につきましては、公債費負担適正化計画に基づき、市債借入額は総額18億円以下を目標としている
ことから、現時点での事業に充当できる市債約11億円を差し引きますと、臨時財政対策債は約7億円が上
限となります。先ほどの22億円の財源不足に補てんしたとしても約15億円の不足となり、昨年よりさらに
厳しい編成作業となっております。
22年度に実施しました補助金の削減につきましては、限られた財源の中で、新たな行政需要にもこたえ
ていかなければなりませんので、原則として継続させていただきたいと考えております。また、経常経費
については、引き続き必要最小限にするよう精査しているところであります。
次に、お茶の振興策のうち、凍霜害対策資金融資の状況についてお答えをいたします。相談及び申込件
数は、個人と法人で146件、貸付額は個人が138件の3億2,766万円、法人が8件の2億4,500万円、合計し
まして5億7,266万円であります。融資の申し込みは9月30日に終了いたしまして、10月30日までに貸し
付けがすべて完了しております。地区別の申し込み状況などから、特に被害が大きかった菅山、萩間、牧
之原、勝間田、坂部地区などの農家の方々が多く、農家への緊急的な営農及び生活支援となったものと考
えております。
また、このような気象災害には、農業共済で補償を受けられる制度がありますが、近年では大きな被害
がなく、防霜ファンに対する過信や茶工場単位でないと加入ができないなど、現在加入率が低い状況にあ
ります。今後については、加入要件の見直しや茶農家へのPRなど、加入促進に努めることが重要であり
ます。
次に、防霜ファン設置についてでありますが、強い農業づくり交付金などの国庫補助事業による防霜フ
ァン設置は、昭和54年度から取り組み、現在まで42組合の申請が認められ、受益面積で約830ヘクタール
の整備が完了しております。なお、平成15年度の整備事業以降は、国庫補助事業での申請はありません。
また、ファンの取りかえのみでも補助対象となるのかとのご質問でありますが、強い農業づくり交付金
事業では、設備の更新整備に関しても補助対象となっておりますが、従来の防霜ファンより性能や能力を
高めて整備することなど、導入前と導入後に関して大きな事業効果が求められております。防霜ファンが
設置してある既存茶園での同一性能、同一規格の更新整備では、事業採択が非常に難しい状況であります。
次に、お茶カフェプロジェクトの参加対象やどのくらいの参加を目指しているのかとのご質問でありま
すが、市内の茶専門店31店舗、荒茶工場215工場に協賛を呼びかけ、合計で31店舗の賛同を得ることがで
き、10月から事業を開始しております。その後、1店舗ふえまして、12月現在32店舗で開催しております。
その内訳は、茶専門店が10店舗、荒茶工場等茶業関係者が22店舗であります。
この運営につきましては、出店者によるアイデア会議なども随時開催し、地域的なグループ開催が望ま
しいなどの意見も出ており、今後、地域的な偏りや空白地域の解消を図っていくなど、40店舗程度までは
拡大し、継続的な運営を出店者とともに推進をしてまいります。
最後に、環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定が発効した場合、牧之原市のお茶関係への影響はど
うかとのご質問でありますが、緑茶に関しては、関税率が日本17%、韓国513%、中国15%、台湾が17%、
タイが19%というような状況であります。緑茶の輸入はほとんど中国からで、近年ではその取扱量は減少
−76−
傾向にあります。また、輸出では1位がアメリカ、2位がカナダ、3位がシンガポールとなっており、こ
れらいずれの国々も既に関税は無税であります。このようなことから、緑茶だけをとってみれば、これか
ら関税率が高い韓国への輸出拡大などが見込まれ、パートナーシップ協定の影響は総体的に余り大きくな
いというふうに感じております。
○議長(田村兼夫君)
10番
中野康子君。
○10番(中野康子君)
再質問します。ちょっと聞き漏らしていて重複するかもしれません、お許しください。
来年度の予算編成方針についてでありますけれども、社会保障関連費などの義務的経費が増加するであ
ろうというふうに推測します。義務的経費は本年度に比べてどのくらいの上乗せが想定されますか。おお
よその概数で結構ですのでお知らせください。
それから、2点目ですけれども、実質公債費比率が19.5%は18%を上回り、地方債を起こすには県の許
可が必要でありますので、借り入れするのもままならない厳しい状況であることは理解をいたしておりま
す。基金積立金で取り崩しできる金額はどれくらいあるのでしょうか。埋蔵金等があれば教えてください。
それから3点目。予算が確保できればこんなことに取り組みたいと考えている構想、新規事業にはどの
ようなものがありますか。ありましたら教えていただきたいです。
次は、防霜ファンの設置に対する助成に対してであります。強い農業づくり交付金は条件が厳しくてな
かなかクリアすることが難しいというお話でございました。要件の緩和を強く働きかけることが必要だと
いうふうに思います。また県単の中山間地域農業振興整備事業も、防霜ファンが補助対象のように先ほど
お聞きいたしましたけれども、牧之原市は中山間地域に該当しないようであります。国庫が難しく、県事
業も該当しないとなりますと、市単独で何らかの制度の検討をしてほしいと考えますけれども、市長はど
のように考えますか、ご所見を伺いたいと思います。
それから、お茶カフェプロジェクトについてであります。既に3回開催しましたけれども、反響はどう
でしょうか。お見えになった方の市内、市外、県外の割合はどれくらいでしょうか。そして、できれば地
域外の方が大勢来てくださり、牧之原茶のおいしさを知っていただき、たくさん買って飲んでいただきた
い。それには広報、PRが果たす役割が大変大きいと思います。地域外の方に対する広報のあり方につい
ては、どのようにお考えですか、お尋ねいたします。
最後に、茶園の耕作放棄地についであります。耕作していないとあっという間に荒れ果ててしまいます。
病害虫や雑草など、周辺の茶園にも悪影響が出てきます。現在どのくらいの放棄茶園がありますか。そし
て、市として何か対応策をお考えですか。お伺いします。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
ほとんど部長さんにご回答いただきたいと思うんですが、お茶の件で冒頭の答弁のときにちょっとお話
ししようかと思ったんですが、先ほども少し太田議員のところで紹介しましたけれども、先週JAハイナ
ンさんの茶業活性化大会がございました。そのときに櫻井組合長さんから冒頭のあいさつの中で、大変、
牧之原市の対応が、凍霜害のときに市、それから議会を含めて非常に迅速に対応していただいたというよ
うなことで感謝の言葉がありました。皆さん全体からということでありましたけれども、そういう中で、
その後で私があいさつでお話をさせていただいたことは、こういったものはもちろん対応するのだけれど
も、今、農家の皆さんも同じで、伊藤園さんとか、原田製茶さんがみんなもう畑を持って、工場を持って
−77−
農家になってきたと。そうなると、やはり農家の側が茶商さんになるというようなことを、例えば、農協
の資金力を使ってきちんとやるような、そういう対応をぜひとってほしいと。これは、多分、今の大きく
お茶をやっている皆さんは同じような気持ちをかなり持っています。したがって、できれば来年度はそう
いったものを具体的にやっていく。その意欲のあらわれがお茶カフェであろうというふうに私は認識をし
ております。
一歩一歩やって、無料でありますし、今やっていることが直接すぐ効果はあらわれてはこないと思いま
すが、3年やるという継続してやり続けることが大きいし、その過程の中では、今、私が話しましたよう
に、全国へ展開していく、その大きな一歩になるというふうに思います。お茶は来てもらって、飲んでも
らって、その上で買ってもらう。そうすると、全国津々浦々まで牧之原のお茶をお求めいただくというよ
うなことにもなっていくと思いますので挑戦していきたい。
それから、昨日のビタミンフェスタのところでも、荒井先生という東京農業大学の先生、あるいはその
後のパネルディスカッションでも話がありましたけれども、やはり牧之原市はPRが非常に下手だと。ビ
タミンがあって、鈴木梅太郎博士なんだから、もっともっと宣伝をすべきだというようなことが大分、外
の方から指摘をされましたので、そういったことにも取り組みたいし、それから農産物は機能性食品であ
ると。特にお茶はそういう面を持っています。ただ、お茶が機能性食品だよということだけだと、発見し
て努力しても、あっという間にアメリカとか、ヨーロッパでまねをされてしまう。すぐ世界戦略でお茶を
売っていくことを考えなければ、産地として牧之原が生き残っていくのは非常に難しいだろうというふう
な話をいただきましたので、そういうことも含めて、早急にいろんな議論をしていきたいと考えておりま
す。
残余の質問というか、ほとんどの質問は部長にお願いしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
政策協働部長。
○政策協働部長(橋本辰夫君)
財政関係について、少しお答えをさせていただきます。最初に、義務的経費の傾向ということでござい
ますけれども、要求段階の状況でございますので、詳細なことはまた査定後ということで、分析等をして
まいりたいと考えております。ただ、ご案内の義務的な経費というものにつきましては、一般的にその資
質が義務づけられているということで、節減ができない経費ということであります。そういった中で、人
件費、扶助費、公債費というものが該当するということでございます。
ちなみに、21年度決算の中で見ますと、68億円ほどの義務的経費が投資されているということで、その
ときも、たしか前年度に比べて1億円余の扶助費、特に扶助費がふえたということを承知しております。
今回の23年度の要求の中でもまだ精査してございませんけれども、さらにふえる傾向になるのかなという
ふうに考えております。
特に、これまでの査定の中で、聞き覚えの中でご答弁させてもらいますけれども、法や制度の改正、こ
ういったもので障害者の自立支援、それからまだ手当額が確定しておりませんけれども子ども手当の関係、
それから毎年受給者がふえております生活保護の関係、それから先ほど来の話にも出ましたけれども、医
療費の助成の関係、それから新規事業ということもご質問ありましたけれども、その一つとして、健康づ
くりの中でも予防接種事業、こういったものも要求が出ております。こういったものをあわせて見ますと
2億円余の増かなと。これは、扶助費の関係でございます。そういったことで、義務的経費が人件費はで
きる限り抑えているという部分がございますけれども、扶助費が伸びているということかと思います。
それから、基金のことでございますけれども、特に、財政調整基金を初め、一般会計の中では15ほどの
−78−
基金があるわけですけれども、本年度末の残高の今、見込みが27億円ということで見込んでおります。そ
ういった基金の中で、毎年一定額を取り崩しながら、あるいは積み立てながらやりくりをさせていただい
ているということで、特に財政調整基金については、そういったことで貴重な基金だということでありま
す。
今後、積み立てをどの程度するかというものが、これまでもいろいろ議論をされております。大変厳し
い財政の中で、予算編成に大変苦慮しているということで、またいつ起きるかわらかないという災害、こ
ういったものを考え合わせますと、まだまだ積み立てが必要であるのかなというふうには考えております。
そういったことで、23年度はどうだということで、先ほど来、市長のお話にもありましたけれども、要
求段階で不足が22億円ということでございます。そうしたこと等々考え合わせますと、また今後の予算の
査定、こういったものの推移を見ていきますと、例年以上、6億円から7億円、例えばそういった取り崩
しがされていかなければならないのかなというふうに考えております。
それから、予算に余裕があればということでお話もございました。そうした状況になれば大変ありがた
いわけでありますし、事務レベルではそういった中でどうだという部分がございました。借金の返済、積
み立てをさらに上積みをしていきたいという気持ちは重々持っておりますし、また先ほど来、お話があり
ましたように、少子高齢化の中で、あるいは健康弱者対策という部分等々ございます。そういったことを
踏まえていきますと、今の時点でどうだという部分はなかなか言えないわけでありますけれども、その程
度でお許しをいただきたいと思います。
特に、新規事業につきましては、先ほど来、健康づくりで予防接種というようなことを申し上げました
けれども、そのほか幾つかの要求が出ております。いずれにしましても、先ほど来の質問ではありません
けれども、消防の広域化、こういった面に財源の確保という部分で見直しもこれからしていかなければな
らないという状況でございます。そういったことと、また一方、お金のかからないゼロ予算の要求という
形で、各部各室からそういったことについても二十数件の要望が出ております。そういったことも考慮し
ながらやりくりをしていきたいなと、そういうふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思い
ます。
○議長(田村兼夫君)
産業経済部長。
○産業経済部長(榑林初夫君)
それでは、お茶関係についてお答えをさせていただきたいと思います。初めに、防霜ファンの関係でご
ざいますけれども、防霜ファンは先ほど市長からもご答弁をさせていただきましたように、昭和54年ごろ
から凍霜害が発生して、そのころから防霜ファンの整備が促進をされたというような状況でございます。
30年を経過するものもございまして、大分傷みがひどいという状況にはなっております。
これをどう解消するかということでありますけれども、現在一番有効な手段が強い農業づくり交付金事
業ということになっております。これは補助率で50%以内ということになっておりますので、これを採択
できれば、非常に有効な制度でありますので、これの採択を目指していきたいというふうに考えています。
ただ、非常にハードルが高いというような状況もございますので、今後これを強く要望しながら、採択
ができるようにしていかなければならないというふうに思っております。いろんな機会を通じてお願いを
しておりますけれども、なかなか厳しい状況ではありますけれども、精力的にこういった要望をしてまい
りたいというふうに、かように考えております。
先ほど申し上げましたように、お茶の皆さんはいかに消費の拡大をふやすかというようなことでありま
すので、それらもあわせて重点的に支援をしていきたいというふうに思っておりますけれども、その一環
−79−
として、お茶カフェの関係でございますけれども、人員でありますが、1回目のときに、10月17日に調査
をした結果を少し取りまとめてございますので、報告をさせていただきたいと思います。
各店に聞き取りをした状況でありますが、地域によって非常に格差があったように思います。全店で約
600名の皆さんの来店があったという回答をいただいております。また、各店を5カ所回るか、あるいは
5回来店するということで、ポイントカードを実施しておりますが、5点満点の獲得者が600名のうち
103名ということで、当初想像した以上の人数がお茶カフェを訪れているというふうに思っております。
なお、満点カードの取得者の地域を見てみますと、県外の方が3名、それから市外の方が25名、市内
75名ということになっておりまして、県外では東京の方面の方、あるいは神奈川の方が来店されていたこ
ともございます。また、市外では藤枝あたり、島田、あるいは掛川市のお客様もお越しをいただいている
と、そんな状況でございます。その後、何回か開催をしておりますので、さらにこの人数はマルタケさん
のように増加をしているのではないかなというふうに思いますし、また昨日は全店舗で営業をいたしまし
て、ある店舗ではバンドなども披露しながら、お客さんの呼び込みに苦慮しているというような状況もご
ざいます。今後ますますいろんなお客様を呼び込むための工夫が必要になってこようかと思います。
これは、一応3年間継続をしていくということで、反省をし、工夫をしながら、より多くのお客様に来
ていただくよう、努力をしていきたいというふうに思っております。
それから、お茶カフェの広報関係でありますけれども、これは知っていただかなければ意味がございま
せんので、事前の広報としては、チラシを1万枚作成して、市内回覧とともに、新聞の方では産経新聞、
あるいは朝日新聞、静岡新聞、中日新聞等への掲載をお願いをし、さらに市のホームページ等でお知らせ
をしております。また、県外の各種イベントもございますので、そういったところのイベントの際にチラ
シの配布を行ってまいっております。
また、第1回の終了の後も、たしか静岡朝日テレビでの放映、あるいは地元新聞への掲載、さらには長
野県の広報まつもとや広報まきのはらでも紹介をして、広く努めておるところでございます。
さらには、茶業関係者が各ホームページを持っておられる方も中にはいらっしゃいますので、一般の方
のブログでの紹介が18件以上あるということでありますし、それらは全国に発信をされますので、口コミ
での周知が拡大をされているというふうに思っております。今後も機会をとらえながら、メディアを活用
しながら、周知に努めていきたいというふうに思っております。
それから、あと耕作放棄地でありますが、たしか平成20年度に農家の意向調査を実施しております。農
家の意向調査によりますと、分類がお茶ということではなくて、樹園地という扱いになっておりますので、
これは若干、お茶だけということではございませんけれども、この段階で調べた結果によりますと、3段
階に耕作の荒れ地の状況を把握しております。緑と黄色と赤というようなことで、緑は非常に軽度で草取
りくらいで何とか回復できるだろう。それから、黄色になると、さらにもう少し手を入れないと再生でき
ない。さらに、赤ということになりますと、非常に復元が難しいという状況の3段階で抑えをしておりま
す。
樹園地で見ますと、青地・農振農用地が37ヘクタールほど、それから白農地では樹園地で21ヘクタール
ほどということになりますので、青・白の農地を合算をいたしますと約58ヘクタールほどの耕作をしてい
ないという回答があったものの集計ということであろうかと思います。これは随時数字を調整をしていく
というようなこともございますし、再生をされる方もいらっしゃいますので、それは随時変更されてくる
ということになろうかと思います。
耕作放棄地の対策については、国と県と市の補助を入れまして、25年度までに耕作放棄地を再利用して、
新たな作物をつくるという、そういうことをしますと補助を出すというような制度でございますので、こ
−80−
れからそういったことで耕作放棄地の解消も図っていきたいというふうに思っています。
以上です。
○議長(田村兼夫君)
10番
中野康子君。
○10番(中野康子君)
防霜ファンの設置に対する助成についてですけれども、大変厳しい中で、財政事情もありますので、単
年度で防霜ファンのすべてをというふうに私は言っているわけではありません。複数年にわたることはや
むを得ないと思います。よく検討して、研究していただきたいと思います。
それで、当面故障箇所の交換、それから修理する費用に対して何らかの支援をすることができないかな
というふうに再度伺います。
それから、茶園放棄地対策ですけれども、昔から篤農家のお宅というのは、茶畑に敷草を入れています。
しかし、山の荒廃などで、いろんな原因はあるでしょうけれども、最近草刈り場が少ないというふうに聞
いております。専門家の方が敷草を入れると入れないとでは、できたものが全然違う。それはアミノ酸の
含有量が、いわゆるうまみ成分がすごくふえるということで、いいお茶、おいしいお茶をつくるために、
ぜひみんな茶畑に草を敷いてほしいというふうに私のすぐ近くのお茶をつくり、大きく販売している方は、
耕作放棄地を何ヘクタールか借りて、全部茶園をこいで、草を刈ったそうです。そしたら見事にすばらし
い草が生えて、ぜひそこで草刈り場にうちの畑をしてほしいというような要請があって、今、それにすご
く取りかかっている。ススキは秋に刈って、それを畑にただ置くだけで、次の年にそれをまくと、それを
広げるだけでもうすばらしい草が生えてくるという、自信を持ってやっている。これはだれもやっていな
いすばらしいことだと思うので、ぜひというふうに言っております。
こういった草刈り場が少ないものだから、そういうことをしていると言うんですけれども、茶園の放棄
地を敷草づくりに活用していくということに対してはどうでしょうかというふうに質問したいと思いまし
たけれども、先ほど、市長が同僚議員の質問の中で、一反歩4万円だか、10万円だかの補助金として、改
植とか台切りでもよいのでというようなお答えがあったというふうに思いますけれども、これをこの茶園
放棄地の敷草づくりに活用するようなことはできないのでしょうか。草刈り場を探している方と地主さん
の両者結んで、茶園の放棄地を有効活用するというような考えはありませんか。お伺いします。
○議長(田村兼夫君)
産業経済部長。
○産業経済部長(榑林初夫君)
初めに防霜ファンのことについて、お答えをしたいと思います。現在、既にそれぞれ組合、あるいは個
人で防霜ファンの取り替えをしているというような状況もございまして、何十町歩かはもう既に更新が済
んでいるというような状況もございます。今後、どの程度進んでくるのかというのは、その整備の年代、
あるいはその地域における影響等もありますので、一口には言えませんけれども、仮に1,600町歩のうち、
大体8割程度が今整備をされているということになりますと、約2,000ヘクタールが対象となってくるの
ではないかなというふうに思います。さらにこの半分が更新をしようということにしたとしても、今現在
35万円から40万円くらいの設備の費用が10アール当たりかかってまいります。どれだけを補助するかとい
うようなことをざっと考えてみますと、仮に10アール当たり4万円の補助をさせていただいたということ
になりますと、約2,000ヘクタールですから8億円の費用がかかってきます。ということになりますし、
さらにその半分の1,000ヘクタールをやると4億円ということになってくるのではないかなというふうに
思っております。
−81−
先ほど申しましたように、できれば国の補助を活用しながらしていくのが、一番効率的ではないかなと
いうふうに思いますけれども、今後、農家の皆さんの意向を実際に把握をしていきながら、少し考えてい
きたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
それから、耕作放棄地の対策でありますけれども、ススキを植えて、それを草刈り場のような形で使う
ということだと思います。この補助は実は放棄地となっている畑を再利用するための費用に対して補助が
されるということでございます。その再利用するというのは、例えば、耕作放棄地を1回おこして、そこ
に例えば、緑肥となるような草とか、そういったものも今、幾つか出回っているようですので、それを植
えて、その農地で新たな作物を1年か2年そういうふうに土壌改良をして再利用するというのは現在その
制度の中では認められておりますけれども、そこを草刈り場として利用して、ほかの茶畑の肥料とすると
いうのは、残念ながら対象にはなっておりませんので、そういう方向で制度はありませんけれども、敷草
というのは非常にお茶の栽培にとって必要なことだというふうに思われますので、そういう利用の仕方は
あるのかなというふうに思いますけれども、制度上は残念ながら補助の対象にはならないということで、
ご理解をいただきたいというふうに思います。
以上です。
○議長(田村兼夫君)
これで、10番
中野康子君の一般質問を終わります。
ここで、暫時休憩といたします。再開は午後1時といたします。
〔午前
11時50分
休憩〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔午後
1時00分
再開〕
○議長(田村兼夫君)
午前中に引き続き一般質問を行います。12番
鈴木正樹君。
なお、鈴木正樹君については、一問一答方式で行われます。
〔12番
鈴木正樹君登壇〕
○12番(鈴木正樹君)
通告に従いまして、西原市長に当市における防災と危機管理についてを質問します。
12月5日は地域防災の日として防災訓練が行われました。つい先日のことであります。いろいろな方に
話を聞きましたが、昨年8月11日の地震の危機感が少し薄れてきたように私は印象を持ちました。
それでは、質問に入りたいと思います。フリー百科事典ウィキペディアでは、危機管理とは人的災害や
自然災害などの非日常的な危機事態に対して、組織がとる対策と手順の全般のことであると書かれていま
す。現在では防災は防犯、企業経営など、さまざまな危機を対象としています。
災害の危機管理については、社会全体で取り組むようになったきっかけは、平成7年1月17日に発生し
た阪神淡路大震災でありました。犯罪の危機管理については、平成13年6月18日に大阪府池田市で発生し
た小学校無差別殺傷事件で、社会を震撼させ、各学校、園の危機管理マニュアル作成や防犯体制づくりの
きっかけとなりました。関西生まれの私にとりましては、この二つのきっかけはいつまでもこだわりがあ
りました。
最近では、新型インフルエンザ、家畜の口蹄疫、児童虐待、情報の漏えい、地球温暖化による集中豪雨
などの洪水水害、南海・東南海地震など、さまざまな危機が想定されています。
本市においても、災害の危機に対応するために、総務部防災室の中の防災担当及び消防担当、交通安全
対策や犯罪の危機に対応するために、交通防犯担当が設置され、危機管理体制の整備に努めてこられたと
−82−
ころであります。そこで次のことをお尋ねします。
一つ目としまして、市長は行政トップとして、本市の危機管理をどのように考えておられるのか、所見
をお尋ねします。
二つ目としまして、県では危機管理監をおいているところがありますが、当市では室長が副防災監とい
う肩書きを平成22年度の座席表に記載されていました。しかし、その表には防災監がだれなのかは記載さ
れておりません。また、防災監、副防災監の目的や業務内容をお尋ねします。
三つ目として、正副防災監の職責、業務範囲は明確になっているでしょうか。
四つ目、危機発生時には、具体的にどのようなルートで対応への意思決定がなされ、職員に伝達する体
制になっているのか。例えば、災害時の避難勧告は、だれがどのタイミングで発令し、だれに伝えるのか。
災害は人知を超えて突然襲ってくるものであり、だれにもとめることはできません。しかし、備えをより
万全にすることによって、被害を少なくすることは可能だと考えています。
私は、すべての市民の皆さんが、日ごろから防災意識を持つことが何よりも大切であり、市民それぞれ
が自助・共助の精神、つまりみずからの安全はみずからが守る。地域の安全は地域が守るの意識をはぐく
むことが減災につながるものだと考えています。せめて、向こう三軒両隣のおつき合いは、最低限のおつ
き合いとして広めていきましょうとの考えであります。
一方、公助である行政は何をすべきか。地震対策においては、耐震補強や都市計画といった事前の地道
な対策を進め、被害の量を対処可能なレベルに減らすことが欠かせません。危機管理という言葉は災害直
後の対応を迅速、かつ適切に行うことを最重要視しているような印象を与え、災害を減らすための事前対
策の重要性を目立たなくする危険性があります。この危機管理の語感に惑わされず、今後も耐震補強など、
地道な防災対策を進めていかなければならないと考えます。
そこで、大地震の際、消防車や救急車などが通る緊急輸送道路が倒れた建物にふさがれないよう、沿道
の古い建物の所有者に、耐震診断の義務づけを行う条例制定の考えはないか。緊急輸送道路は、救助・消
火や住民の避難、物資の輸送に使う道路として指定されています。東京都は環七や環八など主要道沿道に、
ビル耐震診断義務化と費用自己負担ゼロにする方向で検討することが、11月30日の新聞に掲載されていま
した。
また、同日の静岡新聞に、国は2010年度補正予算成立を受け、本年度内に限って住宅耐震化に1戸当た
り30万円を上乗せ補助するということです。これらを利用して特に市街地を重点的に進めてはどうか、こ
のように新聞には報道されていました。
そこでお尋ねします。一つ目としまして、耐震工事への上乗せ補助に対する広報及び促進はどうするの
か。
二つ目、最低の必要道路の確保に対する当市の考えはどうか。
三つ目、第1次、2次、3次緊急輸送道路及び緊急交通路の指定は。これらの道路に架かる橋梁の耐震
状況はどうなのか。
次に、昨年8月11日の駿河湾地震での水道管漏水事故による断水被害について、水道室職員は大変な早
期解決対策にご努力をしていただき感謝しておりますが、事故対応検証で初動体制、連携体制、広報体制、
給水体制について、いずれも具体的手順が明確になっているのですか。ライフライン災害に対して、反省
点と改善点が着実に行われたのかお尋ねします。
また、住宅密集地の地震発生直後の火災発生に対する当市のお考えをお尋ねします。
以上、壇上での質問を終わります。
○議長(田村兼夫君)
−83−
西原市長。
〔市長
西原茂樹君登壇〕
○市長(西原茂樹君)
鈴木正樹議員にお答えをいたします。初めに、危機管理とは何かについてであります。危機管理につい
ては、災害時における行政の役割として、市民の生命及び財産を守るため、地域防災計画に基づき、予防、
災害応急、災害復旧業務を迅速・適確に行うとともに、通常時に行っている住民サービスも停滞させない
よう、継続していかなければいけないと考えております。
次に、室長が副防災監の肩書きですが、この肩書きの目的や業務内容、また防災監はだれなのかについ
てであります。防災監、副防災監は、牧之原市行政組織規則に基づくものでありまして、防災監には総務
部長を、副防災監には建設部長と防災室長を任命しております。その目的、業務内容についてであります
が、非常時や災害の発生が予想されるときなどには、私の指示により応急対応や非常時優先業務の遂行に
当たります。災害対策本部が設置されてからはその運営を総括いたします。災害対策本部は、私が本部長、
副市長、教育長が副本部長、各部長級職員、消防署、警察署、消防団長、自衛隊員、総勢19名の本部員で
市民の生命・財産を守るために、災害対策を進めることとなります。
次に、危機発生時の意思決定と職員への伝達体制についてであります。災害時の意思決定をするまでの
ルートは、地域の自主防災本部に地区担当職員31名を配置し、地域の情報を市災害対策本部に伝達・収集
する体制をとることとなっております。
災害対策本部では、迅速かつ効果的な判断を行えるよう、地域の情報を図面上に表示し、本部員が全体
イメージの把握に努め、本部長から本部員に指示、指令を行います。さらに、事態が悪化することも想定
し、県、自衛隊へ応援要請も行うこととなっております。
災害時の避難勧告を発令するタイミングにつきましては、最初にその現場を確認した上で、大雨警報な
どの今後の気象情報予測などを総合的に判断して「自主避難」を出し、同報無線で市民の皆様に避難所に
避難するよう呼びかけます。さらに、被害の拡大が予想される場合には、「避難勧告」「避難指示」を発
令してまいります。
避難勧告は、市民の皆様が避難行動を開始する段階で、人的被害の発生する可能性が明らかに高まった
場合に発令をいたします。避難指示は、人的被害の発生する危険性が非常に高いと判断された場合や人的
被害が発生した場合に発令します。また、市民への連絡は、同報無線、電話等が使えない場合は、広報班、
消防団による呼びかけを行ってまいります。自主避難を市民に呼びかける前には、消防署、警察署や自主
防災会と情報交換を密に状況把握を行い、市と自主防災組織が協力して毛布や食糧を準備し、避難所運営
ができる体制を整えることになっております。
次に、災害時での必要道路の確保についてであります。緊急輸送路確保のために、道路安全確保マニュ
アルを定めております。道路の確保のため、建設班が幹線道路・緊急輸送路・各防災拠点へのアクセス道
路を優先して調査します。調査に当たっては、「災害時における応急対策業務に関する協定」に基づき、
牧之原市建友会にも被害状況調査を依頼します。この状況を情報班へ報告すると同時に、国道・県道を含
めまして、規制が生ずる場合は、総括班(防災室)に連絡し、警察署・消防署及び道路管理者に速やかに
通報し、最小限度において応急措置を行うことになっております。
また、障害物の除去や応急復旧につきましても、牧之原市建友会へ要請しまして、優先道路を選択した
中で、順次対応してまいります。
次に、耐震工事への国庫補助金の上乗せに対する広報等についてであります。国による補正予算成立を
受け、牧之原市でも上乗せ補助金交付に向けて準備を進めているところであります。国からの補助金は
−84−
22年度のみであるため、耐震工事を考えている方を初め、本事業の対象となる方々に知っていただくため、
ぜひこの機会に事業を活用していただきたいと考えております。市では、国の30万円上乗せ補助により、
一般住宅では総額75万円の補助を受けることができ、個人負担の軽減となります。
11月30日の新聞報道により、多くの市民からの問い合わせがあり、今後、相当数の申請が予想されます
ので、2月議会において補正予算を計上し、可決後3月いっぱいまで申請を受け付ける予定であります。
なお、今回の補助については23年度に予算を繰り越しての事業実施も認める制度となっております。
今回の国の上乗せ補助を含んだプロジェクトTOUKAI−0総合支援事業につきましては、耐震診
断・計画策定・補強工事という順で実施しなくてはなりませんので、今月、県と協力して、昭和56年5月
以前の木造建築で耐震診断を実施していない住宅の所有者400名にダイレクトメールを発送し、耐震診断
を実施していただくようお願いをいたします。
また、10日の自治会行政連絡会におきましても趣旨を説明し、組内・町内会の回覧をお願いいたしまし
た。また、地元の建築士会の方々への説明、来月の広報まきのはらや市のホームページにも掲載をいたし
ます。この機会に多くの市民の皆様に耐震工事を実施していただきたいと考えております。
次に、緊急輸送路の指定等についてであります。現在、当市における緊急輸送路は、地域防災計画に記
載されております国道、県道、市道等を合わせ31路線あります。そのうち、市道に架かる橋梁は22橋あり
ます。しかしながら、この指定路線は、旧町時代に両町の指定路線をそのまま指定した路線でありますの
で、本年、牧之原市全体の市道路線の見直しを行ったことを機会に、緊急輸送路の見直しを行っていると
ころであります。
なお、平成23年度より重要路線に架かる橋を対象に、橋梁の長寿命化修繕計画をスタートさせる予定で
おります。これは、高度成長期以降に建設された橋が多く、計画的な修繕を実施していくために作成する
もので、耐震補強計画の策定も行ってまいります。緊急輸送路につきましても、重要路線として位置づけ、
この計画加えて、順次、修繕を実施していきたいと考えております。
次に、昨年8月の駿河湾地震における漏水事故の対応検証であります。初動体制につきましては、水道
職員は、常に緊急用の携帯電話を輪番制により所有しており、水道施設に異常が発生した場合は、昼夜を
問わず出動できる体制をとり、被害の状況に応じて市内の水道業者で組織する管工事協同組合との連携体
制により、早期の対応が図れるように災害協定を取り交わしているところです。
また、広報については広報班が、給水体制については断水規模により消防署への応援要請や日本水道協
会を基幹とした静岡市を初め、他の水道事業体との広域的な相互応援協定の中で対応できる体制をとって
おります。
次に、ライフライン災害に対して、反省点と改善点が着実に行われたかについてでありますが、反省点
としては、情報が錯綜し、正確な情報収集に手間取り、結果的に応急給水や施設復旧にかかわる関係機関
への応援要請が的確にできなかったことが挙げられます。これらの反省を踏まえ、本年度において地震災
害行動マニュアルの見直しを実施しており、有事の際の具体的な行動パターンを明確化しておりますが、
災害協定に基づく管工事協同組合等との連携強化を図り、さらに水道施設そのものの耐震化の推進を進め
る必要があると考えております。
次に、住宅密集地の地震発生直後の火災発生に対する考えについてであります。東海地震発生直後の火
災対応につきましては、地震直後は、幹線道路に家屋や電柱などの障害物が散乱し、消防車両が現場に到
着できない状況も想定されますので、それまでは地元消防団と自主防組織が連携して、火災対応していた
だくことになります。消防署だけでは対応できない場合は、被害を受けていない近県から、緊急消防隊が
応援に駆けつけることになっております。昨年の駿河湾地震の教訓を糧とし、市と地域、自主防災組織の
−85−
連携のもと、減災に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
多くの質問に答弁していただきましたが、1点だけちょっと抜けておると思いますので、その質問から
入っていきたいと思います。
大地震の際、救急車などが通る緊急輸送道路が倒れた建物にふさがれないよう、沿道の古い建物の所有
者に耐震診断の義務づけを行う条例制定の考えはないかということに関しての答弁が抜けていたと思いま
すが、いかがでしょうか。
○議長(田村兼夫君)
建設部長。
○建設部長(阿部一博君)
その件についてお答えをいたします。東京都におきましては、首都直下地震発生が切迫する中で、都民
の生命・財産を守ることと、首都機能の確保に向けて、耐震診断の義務づけについて、専門家会議を開催
して、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に向けた新たな規制誘導策の基本的な考え方(案)が提案さ
れておりました。そういった中で、緊急輸送道路が倒壊物により通行ができなくなることは、救助や消火
の妨げとなり、被害が拡大する事態になりますので、こういったことも大切なことと考えます。
緊急輸送路の指定につきましては、県が指定している道路と市が指定している道路があります。お互い
に指定をした道路がネットワークでつながっておりますので、倒壊した建築物がなくて初めて緊急輸送路
の機能が果たされることになりますことを考えてみますと、牧之原市が条例を制定するということではな
くて、東海地震、こういったものを考えれば、東京都のように県レベルでの制定の方がより望ましいので
はないかと考えます。
以上です。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
大きな意味で言ってしまったようですけれども、市としては避難所への避難道路、安全に歩いて行ける
ような事前に確保できることが私は大切だと思っているわけですけれども、地域の自主防災のハードマッ
プづくりでもその辺のところは明白だと私は思っています。
しかし、被災地の避難及び救出・救助、消火活動などに使用される救急車両及び警戒車両作業のみ通行
可能とする緊急交通路の確保についてはどうなのかお聞きしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
建設部長。
○建設部長(阿部一博君)
少し答弁の中でもお答えをさせていただいておりますけれども、牧之原市におきましては、平成18年7
月31日、牧之原市の建友会、現在は29社となっておりますけれども、この建友会との間でもって、災害時
における応急対策業務に関する協定書というものを結んでおります。こういった中で、災害対策基本法に
基づく牧之原市の災害対策本部が設置された場合や地震、風水害、そういった異常な自然現象によったと
きには、協定が発効されるということです。
こういった中で、一つには、災害箇所の状況報告、こういったものも載せてあります。また、工事施工
−86−
につきましても、応急復旧が必要な場合には、市の方で業者設定をしていまして、すぐに取りかかれるよ
うな内容もしてあります。そういった中で、出動要請につきましても、緊急を要するときには、電話でも
できるということで、書類等の整備については後でやるというので、緊急事態にはすぐに出動して、そう
いった除去・除却の対応をするように協定を結んで、それに基づいて本部でもって決定した中で、対応し
ていくということであります。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
災害が起こってからの処置の方法だと思うんですけれども、災害が起こってからではなかなか対応がし
にくいという部分が多かろうと思います。そういった意味では、今、私が提案しているのは、事前に緊急
避難道路、そういった道路を確実に守れるような対応ができないかどうかというのをお聞きしたかったわ
けです。
その緊急事態が起こるということに対しての答弁がありましたから、その辺のところは了解をしていき
ますが、その点、事前の対応というのはどうなのでしょうか。
○議長(田村兼夫君)
建設部長。
○建設部長(阿部一博君)
非常に事前対応ということになりますと難しい部分もありますけれども、現在うちの方で進めておりま
すTOUKAI−0の対策、こういった中で、古い建物、こういったものの耐震補強がされることが一つ
には重要ではないかと考えております。
そういった中で、TOUKAI−0、こういったものを推進して、少なくともそういった緊急道路とか、
幹線道路とかという中の物件をこれから少しでも、今までには全体で4,660棟ほどのそういった住宅があ
ります。そういった中で、21年度までは約860棟がわが家の専門家診断を受けられております。しかしな
がら、耐震補強工事まで至った部分については156棟という状況もあります。
そういった中で、そういった緊急輸送道路とか、幹線の必要な避難所へ行くような道路についても、少
しその辺のことについて耐震補強までやっていってもらえるような、そういったことも視野に入れて考え
ていきたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
前向きな形で検討をしていくということですので、その辺はお願いします。
それから、一番初めの一から四つ目までの質問の中の四つ目の質問なんですけれども、避難勧告の発令
の問題点です。避難勧告の発令は、地域住民にとってはゆゆしき事態ではあります。しかし、近年のゲリ
ラ豪雨、竜巻など、経験を越えた事態に陥った場合、人命尊重の観点から、早期に発令する判断が必要で
あろうと私は考えています。発令がおくれて被害が出る可能性もあるので、迅速にした方がよいと思いま
すけれども、その点いかがお考えなのか、お聞きします。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
初めに、避難勧告のご質問でございますが、避難所については、それぞれの対象者に伝達をしていくと
−87−
いうことでありますが、初めに一般の市民につきましては、まず緊急事態につきまして同報無線、追って、
市のホームページ等を、また必要に応じて市の広報車、また消防団にも回っていただくというような形で
やっております。
特に、今、集中豪雨の話が出ていますが、土砂災害の恐れのある災害時、こういった場には特に要支援
の必要のある施設等については、電話、ファクス等でお知らせをするとともに、常日ごろからそういった
ところに説明に回り、そういった対応をしていただくよう心がけていただく。そうした啓発活動等も進め
ております。
また、県の危機管理局でありますとか、土木関係の県の島田土木事務所でありますとか、そうした関係
の機関にも連絡をしていく必要があるということであります。
一般に土砂災害につきましては、その地域に降った雨量等により、県の方で土砂災害の警戒情報という
のが発令をされます。本年につきましては3月に、昨年の8月の地震で地盤が緩んでいるということで、
通常の想定する雨量の半分くらいの数字で、牧之原市に土砂災害警戒情報が出されました。このときの対
応につきましては、早速、同報無線等で市民にお知らせをさせていただいているところであります。
また、その前のチリの地震にかかわりまして、津波が到達するというようなことが、ことしの2月です
か、ございました。そのときにつきましても、今、瞬時に津波の警報が我が市の方へと参りますので、そ
れを受けて広報で発令する、また海岸地域に職員を派遣して見張りを立てる。こうした対応でやってきて
おります。
その中で、災害対策本部等が立ち上がる事象においては、その状況等の報告を受けて避難勧告をする、
また避難指示をする、そういった対応をとっていくということになります。また、議員のご指摘のように、
そういった処理については、的確に、迅速にやっていく必要があるというふうに考えております。
1点避難指示を出した事例で少しお話をさせてもらいますと、昨年の8月の地震のときに、道路にクラ
ックが入りまして、その下の何軒かのお宅が危険であるというような判断で、まず避難指示をしようとい
うことで災害対策本部で決め、早速その対応をしました。その後、実際に建設部等も含め現地調査をして、
最終的にはそこまでの危険には及ばないだろうと最終的にそういう判断になりまして解除をしたというよ
うな経過もありますが、まず危険を知らせる。すぐその対応をするということで、議員のご指摘のとおり、
そういった対応が必要になりますし、そういった対応を心がけて今、災害対策に臨んでいるということで
ございます。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
今、答弁の中でも情報の収集というのはいかに大切かということでありますけれども、県内に設置され
ている観測地点の情報というのが、リアルタイムにサイポスレーダーという形で、静岡県の土木総合防災
情報として流しているから、その辺のところで恐らく情報収集をしたりしていると思うんです。サイポス
レーダーの形の中では、萩間川東中橋、それから勝間田川深谷橋の水位情報。そういった形で水かさがふ
えたりしたときの情報が収集されたり、それから波津と静谷、牧之原の現在の降水量なども、リアルタイ
ムで情報が収集できるということでありますから、その辺のところも踏まえて、人命にかかわらないよう
な形で早急に対応をとってもらうようにお願いしたいと思います。
ちょっと視点を変えまして、危機管理の形の中で、今あちこちと問題になっています新型インフルエン
ザやSARSに代表される感染症、それから食品の安全性などのような不測の事件などの対応はどうされ
るのか、そちらの方向へちょっとお聞きしたいと思います。
−88−
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
議員のご質問にもありますように、一般的に防災というと、自然災害等が対象、イメージしやすいとい
うことでありますが、現在は今言われたインフルエンザのことでありますとか、また突発的な被害が想定
されるような事象すべて危機管理という形で対応する必要があるということであります。
県においても、もともとの防災局、これが危機管理局になり、現在は危機管理部ということで、県の場
合は、いろんな部署がそこにかかわり、総合的に危機管理の対策を行っていくということでございます。
牧之原市におきましても、名前は防災室という名前になっておりますが、危機管理全般は防災室が担当
するということで位置づけをしてございます。その中で、先ほどインフルエンザを例に質問をなされまし
たが、4月にインフルエンザのことでいろいろ騒がれまして、牧之原市、我が市はどういう対応をとって
いくのかということであります。当初は健康づくり室が所管でございますので、そこの対応ということで
ありますが、いざ発症して広がったらということを考えますと、学校のこともある、また庁舎自体も職員
がいなくなったらどうするのか。いろんな部署との関係が出てまいります。こうしたことから、早速対策
本部を立ち上げ、それではマスク等はどんなふうに用意をするのか、消毒液もそろえる必要があるのか、
そういったことについて議論をしてまいりました。そうした中で、議員もご存じだと思いますが、いろい
ろ指示を出したり、イベント等を延期してもらったり、広報で流したり、そういった対応をしてきたとこ
ろでございます。
今後におきましても、そういった考え方のもとに対応していくつもりでおりますが、大もとの今、市が
持っています地域防災計画というのがございます。その中にまだきちんとその辺のことを整備してござい
ませんので、県の防災計画は来年そういったことも含めて見直していくということでありますので、牧之
原市におきましても、地域防災計画を来年度には県とあわせて見直しをして、そういった危機管理のこと
についてもきちんと整理をして、マニュアル化していきたいというふうに考えております。
ちなみに、インフルエンザについては、具体的に事例で対応していましたものですから、それぞれ所管
のところのマニュアル等はつくって、事例に応じてすぐつくる必要があるものはつくって対応していると
いうことでありますが、全体的な話をさせていただきますと、来年、地域防災計画を見直す中で、その危
機管理の部分も盛り込んでやっていきたいというふうに考えています。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
こういった危機管理という形の中では、新型インフルエンザだけではなくて、宮崎で起こりましたよう
な口蹄疫の問題とか、そういったものが静岡空港でもマットですか、それを敷いて対応したとか、そうい
った形の中であるわけですけれども、できるだけ不測の事件などについてもその範疇に入れて、これから
対応できる体制を速やかにつくってもらうように、そのマニュアル化をぜひともお願いしたいと思います。
それから、今、有効に機能する新の危機管理体制の充実のために、これらの検討が急がれているという
ことでありますけれども、市長の所見を再度お願いしたいんですけれども、というのは、危機管理体制の
業務というものを、市長がこういう危機管理が起こったときに、一番トップとして何を指示していかなけ
ればならないかということが一番大切だと思うんです。そういった形の中で、有効に機能しない形であれ
ば困るわけですから、その辺のところの危機管理ということに対して、再度市長、お願いしたいんです。
○議長(田村兼夫君)
−89−
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
やはり市民の生命・財産を守るための的確な指針、方針、これをタイムリーに出していくということが
重要であろうかと思います。そのために、市長あるいは幹部、これは有事の際にはまず本部に全員がそろ
うこと。したがって、災害のときには外に行けませんので、常日ごろはそういったケースがどうなるかと
いう現地の視察も含めてやっておいて、いざというときには本部に入って現地へ行かないというような体
制で対応をとるということが、まず指揮官として重要であろうということの認識を持ってやっております。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
先ほど総務部長と市長からの答弁の中で、私がちょっと危惧しているのは、いろんな方面に危機管理が
多種多様で広がっているということで、今、この当市におきましては、防災室がどちらかというとメーン
になって先導した形の中で動いているということでありますけれども、ほかの都道府県では、危機管理監
という形の名称で職制を新設しているケースが多いわけですけれども、牧之原市としては、この危機管理
監のポストそのものを考えているかどうか、その辺を市長、お願いしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
市長への答弁ということでございますので、今の現行体制を大きく変えるという考えは持っておりませ
んけれども、議員のご指摘もございますし、今度組織の名称変更等もありますので、そういった中で、身
分、肩書き、それから職責を再検討していきたいというふうに考えています。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
いろいろ検討する形の中で、ちょっと提案ではあるんですけれども、今、いろんな他方面、多種にわた
っているから余計になんですけれども、危機管理点検週間というのを設定して、そして職員の意識の向上
を図るということも必要だろうし、職場における危機感への備えができているかどうかという、そういう
点検する機会を設ける考えはないかどうか、その辺もちょっとお聞きしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
今、ご提案をいただきました。基本的に今の災害対策は防災室でやっているわけであります。その中で、
それぞれ各本部の下に各班がありまして、それぞれの所管でいろんな分野について検討を加え、マニュア
ルをつくってやっているということであります。
ただ、突発的な事象、特に庁舎内に何か起こったようなときについては、継続的な市民サービスができ
なくなるということにもなりかねません。そういったことも含めまして、議員ご提案のように、常に我々
職員が意識を持つ、意識を薄れさせないということからも、定期的にそうしたチェックをかけていくとい
うことは必要なことではないかというふうに考えております。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
−90−
○12番(鈴木正樹君)
了解しました。それと、いろいろ答弁の中に、水道管の漏水事故の関係の中で、関連してちょっとお話
を聞きたいと思いますけれども、非常用備蓄品の充実とか、それから初動体制の整備とか、通信情報シス
テムの整備とか、そういったものは広範囲にわたる災害に備えた対策の強化を図ってこられていると思い
ます。そこで、災害が発生すると、発生後の72時間が極めて重要だと私は思っています。そのときに、災
害に対応する自助・共助・公助の役割が十分機能するような体制を考えておられるのかどうか、その辺基
本的な考え方の中でちょっとお尋ねしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
私の方からは全般的なお話をさせていただきます。災害対策に当たっていく場合に、先ほど申しました
ように、各班を編成して対応に当たるということであります。ただ、実際に発生した災害の事象に応じて、
職員にも限りがありますので、定期的な形の中ですべてが対応できるというものではございません。そう
いったものについては、情報交換を密にして、必要な部署に人が送れるような体制、お互いに助け合いが
できるような形。場合によっては、関係機関等も含めたそうした連携を構築していきながら対応していく
ということが重要であるというふうに思います。
○議長(田村兼夫君)
建設部長。
○建設部長(阿部一博君)
水道ということでございます。水道につきましては、一番には水道管の破裂、こういったときが一番大
きな対策が必要になろうかと思います。そういった中で、昨年の地震におきましても、そういったことで
非常に対応に苦慮したわけでございます。そういった中から、応援体制、こういったものも昨年におきま
しても静岡市と日本水道協会、そういったことからも連携をとっておりますので、そういった中で、ライ
フラインを早くに復旧させるということで考えております。そういった中でも市でも給水タンク、または
給水パックですとか、そういった備蓄もしております。また、近隣におきましても、そういった給水の必
要があったときには、応援をしていただくようにして、その間に早い復旧に向けてしていきたいとそうい
うふうに考えております。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
今、私が言いました自助というものは、大災害が起こったときには、70%が自助に頼る以外ないんだと
思っています。それと同時に、共助というのは、地域の中での協力というのは、恐らく20%くらいだなと。
あと公助はもうほとんどが県対応とか、いろんなそちらの方の形の中で対応されてて1%くらいの形だと
よく言われているわけです。
そういったときに、災害時に一番の問題点は何かというと、やはり情報がほとんど届かなくなるという
ことが一番大きな問題だと思うんです。仮に情報が手元にあっても、それを住民に伝達する手段があるの
かどうか、その辺のところも大きな問題になってきます。
今、拠点というんですか、例えば、波津区ですと、市の職員から無線を持ってきて、そして連絡の対応
をとるということで、先ほどもお話があったように、36名の方があちこちに散らばって、情報を発信した
りしてやりとりをするということですけれども、当初の形の中では、恐らく1名か2名の形、今ではほと
−91−
んど1名が訓練のときには来ておられますけれども、24時間体制となると、その辺のところが不足してく
るのではないかなと。その辺のところの考え方はどう思っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
今、議員、申されましたように、防災の基本というのは自分の命は自分で守る、地域は地域で守る、行
政はそれを支援をする、この考え方だというふうに思います。ご質問の中で無線の話が出ました。8月
11日のときの教訓。これもやっぱり情報のやりとりが迅速にできなかったということ、また自主防の人た
ちに集まっていただいて、いろいろ課題等を検証した中でも、無線、情報の交換、これが一番でございま
した。そうしたことから、平成23年度の予算編成の中で、無線の整備を進めていこうということで今、計
画をさせていただいております。そうした中で、市の中で無線の届きにくいところを常にチェックしたり、
改善策をしたり、必要な機器については最低限の整備をしていく、こういった考え方で進めていきたいと
いうふうに思っています。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
無線の関係なんですけれども、防災行政無線の整備は、市庁舎の中ではどんどん進めておられるんです
けれども、情報の多重化にどのように取り組んでいるのか。例えば、ボランティアの無線の会とか、そう
いった形の部分があろうかと思います。そういった人たちとの連携というのは、どういうように考えてお
られるかお聞きします。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
アマチュア無線の関係の方たちについては、以前から協力の申し出等をいただいております。そういっ
た人たちに組織化をしていただいて、行政の対策を進める中でどんなご支援がいただけるのか、その人た
ちとの話し合いを進めていきたいというふうに考えております。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
いろんな形の質問を投げかけましたので、まだまだ質問したいわけですけれども、時間的にあと少しと
いうことで、一つお聞きしておきたいのは、これからもし大きな災害が起こったときに、災害ボランティ
アの方たちがこの牧之原市に押し寄せてくると思うんです。そういった形の中で、災害ボランティアその
ものが今どちらかというと、社会福祉協議会の方に委託していると思うんですけれども、その辺のところ
の協定はどういう形になっているか、お聞きしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
災害ボランティアの活動等の支援につきましては、牧之原市の地域防災計画の中にその活動計画等を定
めております。その中で、市は災害対策本部を設置した場合に、あらかじめ定めた施設に、市、社会福祉
協議会等と連携して、ボランティアの受付、活動の斡旋及び配置調整等を行うということで定めておりま
−92−
す。いざ市にこうしたボランティアが来るというぐあいになれば、この計画に基づいて対応していくとい
うことになります。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
災害ボランティアを立ち上げる形の中では、榛原文化センターに災害救援ボランティアの本部を設置す
るという形で私は聞いております。そういった形の中で、役割としてはそういった形のきちんとした覚書
というんですか、そういったものは交わしているのかどうか、その辺はどうなんですか。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
現在は実際の活動マニュアルの中でそういったあたりを定めておりまして、社会福祉協議会等との協定
はいたしておりません。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
協定を交わしていないということですけれども、それは災害ボランティアの方に全面的に任せる方向で、
社協の方にお願いしているということだと理解しておきます。ボランティア団体のネットワーク化をどの
ように図るかということが一番大切だと思うんです、こういう場合は。そのときにいろんな団体があるん
です。災害ボランティアの形でも、先ほども言いましたように、建友会の形の人たちが、例の小山町の豪
雨のときでも出かけて行かれたりして、災害ボランティアの協力をやっておられたりしています。そうい
った形の中で、団体同士のネットワークをどういうような形で図っておられるのか、そこをお聞きしたい
と思います。
○議長(田村兼夫君)
福祉こども部長。
○福祉こども部長(山本佳延君)
確かに災害時にはボランティアが多くこの市を訪れます。その中で災害ボランティアのコーディネータ
ー、これが市に設置されております。民間の方々ですが、約30人ほどおります。その中で毎月毎月の訓練
をやって、例えば、入ってくるボランティアも、単なる労力だけのボランティアであるのか、それとも専
門的な知識を持って入っていらっしゃるのか、それによってコーディネーターがある程度仕分けをしてま
いります。その中で、市内で言えば各地へ送り込んでいくという、これが今、社協と、それから福祉こど
も部の中で連携をして、訓練も含めてやっているところであります。まだまだ知識の不足さもあるんです
が、そういうような仕分けをしていくという、こういうような役目でボランティアのコーディネーターが
あるという、これをお知らせいたします。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
ボランティア団体の関係でございますが、先ほど来、建友会等の話が出ております。また、昨年の8月
11日、水道が大きな被害を受けた中で、なかなか職員だけでは対応が難しいというような場面につきまし
ても、管工事組合等の人たちも出ていただいて、お願いしたらより迅速に対応ができるようになったとい
−93−
うような実例もございます。
また、ことしの12月の防災訓練におきましては、本部の中で来年、県とタイアップして行う総合防災訓
練についていろいろ話し合いをいたしました。その中で、そういった訓練にもそういった団体にも参加を
していただく。参加していただくにも、説明の段階、計画の段階からそういったボランティアの団体等の
人たちにも入っていただいて、実際の訓練をやっていこうというようなことになりました。そうしたこと
を踏まえて、そうした団体の方たちも、本当に行政の災害対策に協力していただけるような形で、ネット
ワーク化が図れたらというふうにも考えております。
○議長(田村兼夫君)
12番
鈴木正樹君。
○12番(鈴木正樹君)
最後なんですけれども、現行の体制を充実させるのが本当に大切だとは思うんですけれども、今、災害
ボランティアを担当している人たちから聞きますと、なかなかコーディネーターの人たちというのは限ら
れた形の中でやっておられて、いざ本当に災害が起こったときに、榛原文化センターの方へ相良の人たち
が本当に行けるかどうか。その辺のところも物すごく心配しています。
そういった意味では、第一次体制という形の中で、榛原文化センターに近い自治区からそういった救援
ボランティアに出てもらって第一次体制をとるとか。それから、落ちついた形の中では、全牧之原市の中
からそういうボランティアを第二次体制として組むというような対応を考えておられるのかどうか、その
辺もちょっと気になるわけです。
今、ボランティアの形の中で、即対応がとれるかどうかというのは、本当にまだ確約できるような状態
ではないものですから、その辺のところが第一次体制、第二次体制という形の部分をどう考えておられる
のかをお聞きしたいと思います。
○議長(田村兼夫君)
残り2分です。福祉こども部長。
○福祉こども部長(山本佳延君)
先ほど申し上げましたボランティアコーディネーターは確かに30人では不足をしております。まだまだ
会員を集めたいということなんですが、第一次体制としては、やはり地域に住むお母さんとか、若い方々
がまずそこで地域の支援をして、それから来ていただけるボランティアをさらにそこで仕分けをしていく
という、こういう考え方がまず大事ではないかと思います。
○議長(田村兼夫君)
総務部長。
○総務部長(杉山
肇君)
今は防災の関係は訓練の中でいろいろどんなふうになるのか想定して訓練を進めております。ただ、実
際に災害になって、果たして想定していた、例えば職員のことで申しますと想定していた職員が全部来れ
るのか、そういったことも考えていかなくてはいけないということであります。そうした中で、それぞれ
の庁舎の対応マニュアルというのを定めまして、来れなかった職員はどうするのか、そういったこともマ
ニュアルで定めております。
今、議員が申されましたそうしたボランティア団体等につきましても、そうした考え方を少しまとめて、
例えば文化センターへみんな来れるのかということでございますが、では来れない場合、そうしたボラン
ティアの人たちは地域で何ができるのか、そういったことも含めて、想定した中でマニュアル等をつくっ
ていくことが必要かなというふうに考えています。
−94−
○議長(田村兼夫君)
これで、12番
鈴木正樹君の一般質問を終わります。
ここで、暫時休憩とします。再開は2時10分とします。
〔午後
2時00分
休憩〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔午後
2時10分
再開〕
○議長(田村兼夫君)
休憩前に引き続き、一般質問を続けます。
次に、2番
増田伸三君。増田君については、一問一答方式で行われます。
〔2番
増田伸三君登壇〕
○2番(増田伸三君)
それでは、通告に従って質問をさせていただきます。平成17年10月に幸福実現都市を目指しまして、我
が牧之原市は誕生いたしました。このほど5周年を迎えましたが、現在の牧之原市を新市が誕生した当時
と比べてみたときに、町も、また市民も何となく元気がなくなったように感じられますが、そう感じるの
は私だけでしょうか。
この5年の間には、内外の経済状況の変化を初め、市や市民を取り巻く環境には厳しいものがありまし
たが、これから5年後、合併10周年を迎えたときには、現在よりもさらに5年前の合併時よりも元気な町
でありたいと思います。
そこで、フォーラムまきのはらについてお伺いいたします。平成19年度施政方針の中で、フォーラムま
きのはらは市民のための市役所、勤労、分度、推譲とともに、行政経営の基本姿勢の一つとされておりま
す。今、改めまして新市が誕生した後、間もなく発足したフォーラムまきのはらの開設準備会の事業報告
書を見てみますと、希望にあふれた市と市民の息吹が感じられます。環境が厳しい今こそ、環境変化にめ
げることなく、市民と行政とが協働で活力あるまちづくりに取り組まなければならないと思います。
フォーラムまきのはらの現状につきましては、本年1月18日の議員全員協議会において報告がありまし
たが、今ここで二つの点についてお伺いいたします。一つは、その後の状況はどうなったでしょうかとい
うことです。二つ目は、またこれからどのように展開、進めていこうとお考えでしょうか。この二つにつ
いて市長のお考えをお聞かせください。
以上で、壇上からの質問を終わります。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
〔市長
西原茂樹君登壇〕
○市長(西原茂樹君)
増田議員にお答えをいたします。牧之原市は、第1次総合計画の策定において、新市建設計画や行政改
革大綱なども踏まえ、フォーラムまきのはらを行政経営の基本姿勢の一つとして掲げ、かつ実践をしてき
ましたが、その実践の現在の状況についてであります。
来年2月の上旬に、各区長の推薦者38人と市職員8人ほどのメンバーで、「自分たちの地域で困ってい
ること」や「どんな地域にしたいか」、また「自分たちの地域で自慢したいこと」などについての話し合
いをしていただくことを、地区長会と自治会行政連絡会、そして、まちづくり協働ファシリテーターの協
力のもとに進めております。ここで地域の問題点などを抽出し、次年度は具体的な問題解決等に向けた取
り組みに入っていきたいと考えておりますが、この取り組みは昨年度来、地区長会で懸案となっておりま
−95−
す「自治会組織のあり方」検討の一環であります。
次に、今後どのように進めていくか、方針についてでありますが、フォーラムとは、前に申し上げまし
たように、問題意識を持つ当事者である市民の視点や切り口に加えて、行政ならではの公平性や正当性な
どの視点も入れ込むことで、問題の解決を図っていこうとするものであります。
そのプロセスでは、まず問題の抽出、拾い上げを行い、関係者の募集をしますが、この関係者には当然、
行政職員も入ります。その後、話し合いに移りますが、ここではいろいろな意見をまとめ上げていくこと
が必要となります。そして、実行となりますが、この実行に移る段階では、5W1Hに加え、予算を考え
ておかなくてはなりません。「なぜ」「何のために」「いつまでに」「どこで」「だれが」「何を」「ど
うする」「どのくらい」「幾らで」「財源は」を明確にし、自分たちでできること、できないことを仕分
けるという作業も加わってきます。
これらを考えてみますと、当初広く募集することで多くの方に参加していただけたことは大変よかった
わけでありますが、活動がとまってしまった幾つかの理由を鑑みますと、また目的を改めて踏まえますと、
「フォーラムまきのはら」の考え方を知ってもらう。それも、実践を通じて小さな成果の積み上げの中で
知ってもらうことは、このフォーラムまきのはらという行政経営の基本姿勢が、市民の皆様に受け入れら
れるための本質にかかわる課題であると考えております。
フォーラムまきのはらは、市民と行政の相互理解を一層深め、それぞれの役割と責任で市民主体の自治
を目指すことを、総合計画ではその目的として掲げております。このことは同時に、住民自治の拡充であ
り、それを支える基盤としてのコミュニティの展開が要請されていることを踏まえ、自治会地区長会及び
行政連絡会から問題が提起されてきた「本市の自治会組織のあり方」を検討していくには、まさにこのフ
ォーラムまきのはらの考え方を適用し、主要な切り口の一つとして、自治会を中心に展開していく方向に
あると考えます。
この方向を基本にしながら、みずから社会的な問題・課題を解決しようと活動する市民と行政が、お互
いの弱点を補完し合い、活動目的と活動効果にあわせて、市民と行政の役割分担を考え、問題・課題解決
の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
取り組みの推進に当たっては、市民主体で行うことが大切でありますが、行政による側面からの支えも
必要でありますので、まず合意形成のための知識や技術を十分身につけた市民や職員を育成すること。そ
して、あわせまして、だれでも気軽に参加でき、意見が言える場が必要となります。
市では、合意形成を図る会議の進め方を学ぶ機会として、まちづくり協働ファシリテーター養成講座を
開催するとともに、市民と行政が一緒にまちづくりを進める場として、男女協働サロンを開催しておりま
す。しかしながら、これらの取り組みにかかる実施規程などが整備されていない状況でありますので、現
在検討中の自治基本条例に、これらの取り組み方針を規定することによって、今後、必要に応じて関連条
例や規則等の整備を進め、安定的な制度、仕組みとし、同時に継続的な推進体制の確立を図ってまいりた
いと考えております。
○議長(田村兼夫君)
2番
増田伸三君。
○2番(増田伸三君)
今、お話を伺いしまして、幾つかお伺いしたいと思います。まず第1点でございますけれども、来年の
2月の上旬ごろからいろいろ話を具体的にして、自治会組織のあり方についてご検討されるということで、
非常に結構なことだと思います。
ただ、当初フォーラムまきのはらが始まったときは、もっと間口がいっぱいあったみたいですけれども、
−96−
自治会組織のあり方に集約されてしまうみたいな、これは私が勝手にそう考えたのかもしれないですけれ
ども、そんなふうなニュアンスにもとれましたけれども、その辺はどんなものでしょうか。
○議長(田村兼夫君)
政策協働部長。
○政策協働部長(橋本辰夫君)
お答えをさせていただきます。答弁の中にもありましたけれども、フォーラムまきのはらは平成18年度
に立ち上げまして、当初たしか30近くのグループ、テーマという形で発足をしたかと思います。その後、
問題が解決して解散をしたものとか、あるいは検討段階から実施の方向に移っていると、あるいは話がま
とまらず中断、消滅しているというような、幾つかの事例がございます。
そういったことで、少しそこら辺がどうだという部分と、今回、来年1月、2月に自治会をという話で
ございますけれども、何といってもこうしたいろんな地域の公共的な課題について、みんなで話し合いを
するという、そういった基盤については、何だかんだ言っても、地域の皆さん、市民の皆さんのやはりお
声、お考えを取り入れながら進めていきたいと。その一つの切り口として、自治会の皆さんと話し合いを
していきたいとそういったことでございます。
それ以前に自治会組織のあり方ということについても、地区長会の中でいろいろ検討、話題になってい
たということもちょうどありましたので、そういったことも含めまして取り組んでいこうという部分であ
ります。そういったことを進めていけば、また条例の中でもいろいろ関係する部分が出てきますけれども、
そういった部分とのまたつながりも出てくるということで考えております。
○議長(田村兼夫君)
2番
増田伸三君。
○2番(増田伸三君)
よくわかりました。ただ、老婆心ながら自治会組織のあり方、その辺を切り口に進めていくということ
でいいと思いますけれども、ぜひそれがすそのが広がっていくように、行政の方でもお力添えをお願いし
たいと思います。
それから、二つ目ですけれども、市長のご答弁の中で、当初いろいろな活動があったけれども、活動が
とまった理由もさまざまあるけれども、その辺実践を通じて知ってもらうとそんなような答弁がありまし
たけれども、活動がとまった理由を、失敗を責めるということではなくて、何で活動がとまったのか、せ
っかくやったことなものですから、その辺もよく分析して、また活動がとまらないようにお願いをしたい
んですけれども、それについて少しご答弁をお願いします。
○議長(田村兼夫君)
政策協働部長。
○政策協働部長(橋本辰夫君)
先ほども申し上げましたけれども、とまったものと、中断して消滅をしているものという判断も、いろ
いろそれぞれの事情等もありますので、幾つかという部分はわかりませんけれども、数件あるのかなとい
うふうに理解をしております。
それで、その中身の話としましては、やはり一つのテーマを目的に、その関係の皆さんが話をしたとい
うことですけれども、端的に言えば、意見がまとまらなかったとか、あるいは方向性が見い出せなかった
ということが一つかなという感じがしております。
そういったことで、なかなかいろんな情報についてまだまだ十分ではないと、そういったものが整理を
されていなかったというようなこととか、それぞれの情報が共有されていなかったというようなこともあ
−97−
るのかなということと、さらにそれをどういうふうにまとめていくかというような指導者が不足していた
とか、あるいは知識なり技術も劣っていたと言うと大変失礼ですけれども、そういったような意味合いか
なということが消滅、中断しているというようなことかなと考えております。
○議長(田村兼夫君)
2番
増田伸三君。
○2番(増田伸三君)
それでは、三つ目の質問に移ります。当初これが発足した当時は、ここに開設準備室の事業報告書みた
いなのがありまして、そこにフォーラムまきのはら事務局と書いてあって、電話番号もちゃんと書いてあ
って、括弧して秘書政策課とそんなふうになっています。
それで、ここでご提案というんですか、お願いというんですか、したいことは、私は最近になって何げ
なく若い人と話をしたときに、これ2口あるんですけれども、1口は、その若い人たちがちょっとしたこ
とをやっているものだから、そういったときに、私たちのやっていることを見に町へ客寄せというんです
か、そういったことをしていきたいけれどもどうしたものだろうかと。そんな話が一つと、それからもう
一つは、これ別の話ですけれども、これも若い人ですけれども、町を活性化したいと考えているんだけれ
ども、今いろいろ考えているけれども、もう少し考えがまとまったら相談をしたいのだけれども、どこへ
相談すればいいかねと、そういうようなことがありました。
したがいまして、当初のときは、秘書政策課が窓口になっていましたけれども、窓口は行政の都合で、
お仕事の都合でどこでもいいですけれども、とりあえず相談を受けてくれる、そういうセクションをはっ
きりして、広報まきのはらにうたうなり、ホームページに書くなりきちんとして、とにかく何かあったら
このセクションへ行きなと。そして、もちろん万能ではないですから、そこでは受け切れないこともある
でしょうけれども、テーマに応じて、それではここへ橋渡ししてやるからちょっとここで詰めなと。そん
なようなことを提案したいですけれども、いかがでしょうか。
○議長(田村兼夫君)
西原市長。
○市長(西原茂樹君)
大変うれしいというか、ありがたいことだと思います。何度も繰り返して申しわけないんですが、昨日
のビタミンフェスタの中で、やはり地域にいろんな人材がいるのに、そういったものが情報発信されてい
ないというような意見をいただきました。それから、ビタミンという切り口だけで、イベントが100でき
るという提案も、県内の教師の、いわゆるまちづくりの集団の皆さんから提案をいただきました。
したがって、市内にいっぱい若い人たち、これをやりたい、あれをやりたいといると思います。どこで
もいいと思うんです。でも、どこでもいいというと、では、どこでいいんだということになりますので、
それはどういうふうな形にするのか、今のご提言を受けて、至急お話を出したいと思います。
ただ、基本的には例えば農業であれば農業の部署へ行っていただくとか、工業の活性化をやるんだった
ら商工とか、健康づくりだったらというのをいろいろ基本的にはありますので、ある程度わかった方はそ
ういったところへ行っていただく。全くわからなくて、何か聞いてくれよというやつは、とにかくいろい
ろ市長のところへ話がいっぱい来ますので、議員さんが間に入っていただければ、直接言っていただけれ
ば我々も受けますが、どなたでもできるという意味では、広報でお知らせできるようなことを考えてみた
いと思います。
○議長(田村兼夫君)
2番
増田伸三君。
−98−
○2番(増田伸三君)
ぜひ、そんなふうにお願いしたいと思います。結局、今、市長がおっしゃいましたいろんな人がいると。
そういうことでそういったものを掘り起こすというんですか、考えている芽を伸ばすというんですか、ア
イデアを生かすというんですか、そういった方向でお願いをしたいと思います。
それからもう一つは、これで私の質問は終わりになりますけれども、これも提案の部類に入るかもしれ
ませんけれども、当初のフォーラムまきのはらは、随分構えてやってしまったような気がしないでもない
ですけれども、どこへいつ集まってと、もちろんいろいろ話が熟してくればそれも結構ですけれども、と
にかくどんな格好でも牧之原市のイメージが上がるという切り口も一つ必要ではないかと思いますので、
余りかみしもを着たようにならないように、その辺の運用もお願いしたいと思います。
また、いろいろな方から私の方へ相談を持ちかけられましたら、また私は私で行政の方へ相談しますの
で、ぜひ町が元気になるようにということで、フォーラムまきのはらを充実させるようご提案します。
以上です。
○議長(田村兼夫君)
答弁を求めますか。
○2番(増田伸三君)
いいです。
○議長(田村兼夫君)
これで、2番
次に、4番
増田伸三君の一般質問を終わります。
澤田・弘君。
〔4番
澤田・弘君登壇〕
○4番(澤田・弘君)
本日最後の質問になりました。よろしくお願いいたします。私は学校教育についてお聞きします。最近、
全国的に見ても不登校の児童の数はふえてきており、なかなか改善が見られないと学校などからも聞いて
おります。この問題は本人、保護者及び学校の対応にも問題があるかと思いますが、さまざまな要因があ
って、改善の道は大変厳しいと思われます。これからの子供たちの健全育成、人生の基礎をつくる小学校、
中学校時代に、学校に通うことができない状況は、本人にとっても、家族にとっても大変深刻な問題であ
ります。そこで教育長に牧之原市の児童の不登校の状況と改善のための対策などについてお聞きします。
次に、昨今、特別支援教育という文言をよく耳にします。市内の学校にも特別支援教育が必要な児童が
年々ふえてきていて、その指導に学校の先生方が大変苦労していることも聞きます。私自身も市長や教育
長の言うとおり、市内に住んでいる子供たち一人一人が牧之原市の宝だと思っております。特別支援が必
要な子供たちへの支援は、その子の健全育成、その子の一生を考えると、非常に大切なことだと思います。
そこで教育長に市内の特別支援教育の現状と課題、またそれに対する取り組み状況を次の2点についてお
伺いします。
1点目が、市内の不登校の状況と対策についてお聞きします。2点目、特別支援教育の市内における現
状と取り組みについてであります。
以上、2点質問とします。
○議長(田村兼夫君)
八木教育長。
〔教育長
八木儀一君登壇〕
○教育長(八木儀一君)
−99−
澤田議員のご質問2点についてお答えをいたします。議員ご指摘のとおり、不登校の改善と特別支援教
育の充実は、子供たちの豊かな成長を願う私ども教育委員会としましては、最重要課題ととらえておりま
す。子供たちは、学校を中心とした生活の中で、さまざまな教育活動を通して自己実現を目指していきま
す。その意味で不登校は、子供にとって切実な問題であり、その子供の将来を考えますと、改善に向けて
全力を尽くさなければならないと考えております。
現在、牧之原市では小学校1名、中学校23名、合わせて24名の不登校の児童・生徒がおります。不登校
の主な要因といたしましては、無気力による子供たちが12名と最も多く、続いて不安などの情緒的な混乱
による子供たちが7名、そのほか友達との人間関係による人が2名などとなっております。
無気力による不登校の子供たちを見ますと、特段の理由はないにもかかわらず、何となく学校に行きた
くないであるとか、学校に行かなくてはならないという意識が弱いことなどが挙げられております。こう
いった子供さんには、学校が迎えに行くなどしまして登校できる日もありますけれども、数日のうちには
また不登校になってしまうというのが共通して言えることであります。これといった理由が見当たらない、
何となく行きたくないということですから、教育委員会、学校ともに、その状況に心を痛めているところ
であります。
情緒的混乱による子供さんの7名は、そのほとんどが心因性による体調不安、不安を中心とした心的不
安定状態によるものであります。具体的には解離性障害。例えば、授業中に突然にその教室を飛び出して、
校外あるいは校内に出ていってしまう。あるいは、統合失調症、これは精神的な病気でございますけれど
も、そのような子供の症状がございます。この子供たちには、専門の医療機関で治療を進めていただき、
学校には関係の諸機関と連携協力をしまして、改善を図るよう指導をしているところであります。
このような状況を踏まえまして、不登校の対応策としまして、私ども教育委員会は、平成19年度より適
応指導教室フルールを開設いたしました。この開設した理由でございますけれども、市長とともに不登校
の子供さんを持ちました親御さんに来ていただいてその状況を聞きました。そうしましたところ、その親
御さんは相談する場所が欲しいということが第一番の要望でございました。そういうことによりまして、
このフルールを開設をしたわけでございます。
不登校児童生徒への直接支援を通して、「自信の回復」「情緒の安定」「意欲の向上」などを目指して、
学習支援や人間関係づくりなどを行っております。フルールに通うある子供は、算数の問題の解き方のヒ
ントを相談員からもらい、算数がわかるようになりまして、その結果、勉強することに意欲が高まり、自
信がつき、学校復帰ができるようになりました。
また、ある中学生は、調理実習や野外活動により、自分が将来やってみたいという職業の方向性を見つ
け、中学校卒業後、調理の道に進み始めました。このように不登校児童生徒に寄り添い、その子に合った
教育を行い、在籍校への復帰と社会的自立に向けての支援を行っております。
また、平成20年度から、臨床心理士のカウンセリングサポーターを配置をいたしました。このことによ
りまして、子供の内面から子供を的確に把握し、学校と連携しながら、より専門的な観点から指導・支援
を行うことといたしました。
さらに、フルールでは保護者との相談活動も行っております。不登校のお子さんを持つ保護者は、自分
の子供がなぜ学校へ行けないのかを大変悩んでおります。そのようなときに、フルールの相談員やカウン
セリングサポーターに相談することによりまして、精神的不安定感が改善をされ、自信を持って子育てに
励むことができるヒントをもらっております。
フルールの開設以来、ほぼ4年間で延べにしますと52名が通級し、そのうち16名が学校復帰を果たすと
ともに、昨年度は通級していました中学校3年生6人のうち5人が高等学校に進むなど、フルール開設所
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期の目的を十分に果たすなど、市内の不登校対策の中心的機関としての役割を担っております。
学校に対しては、心の相談員を中学校へ配置し、不登校生徒の相談に乗ったり、学習を教えたりする態
勢の支援も行っております。また、不登校児童生徒の記録を継続して取り続け、実態を把握して支援に生
かすことを目的に、不登校児童生徒記録簿をつけるよう指導をいたしております。その記録を学校から提
出してもらい、不登校児童生徒の様子や学校の取り組みを確認したり、子育て支援室やフルールなどの関
係諸機関へつなげたりしまして改善を図るようにいたしております。さらに、子育て支援室と連携し、要
支援部会を設置し、児童相談所などの関係機関とも情報交換をし、今後の対策を考えるという取り組みも
行っております。
次に、特別支援教育の問題であります。特別支援教育は、平成15年3月の文部科学省「今後の特別支援
教育の在り方について」の中で、「特別支援教育とは、これまでの特殊教育の対象の障害だけではなく、
その対象でなかったLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、あるいは高機能自閉症も含
めまして、障害のある児童・生徒に対しまして、その一人一人の教育的ニーズを把握し、当該児童生徒の
持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善、または克服するために、適切な教育を通じて必要な支援を
行うものである」と押さえられております。
つまり、特別支援教育は、従来の特殊教育のよさを継承、発展をさせながら、その支援対象を拡大する
とともに、学校全体でこの考え方に立った教育に取り組むことを通しまして、「教育ニーズの把握とそれ
に応じました指導が重要である」との考え方を浸透させ、障害の有無にかかわらず、すべての子供に確か
な学力と豊かな心をはぐくむことを目的とするものでございます。
市内小中学校では、本年度、広汎性発達障害やADHDの診断書がおりている児童・生徒を含めまして、
「特別な支援が必要」と学校から報告があった児童・生徒の数は延べ201人であります。平成19年度の同
じ調査では138名、20年度では168名、21年度では171名となっております。本年度201名という人数は、市
内小中学校の全児童・生徒数が3,963名ですので約5%に当たります。
一般的には、この割合は約6%と言われております。この子供たちは、授業中、教師の指示を受けとめ
られない、自分勝手な言動をしてしまう、教室から出て行ってしまう、友達とトラブルを起こしてしまう、
教師や友達との関係をうまくつくれない。場合によってはパニックを起こしてしまうなど、集団での学校
生活に上手に適応できないということであります。
私ども教育委員会といたしましては、こういったお子さんに対し、一人一人に応じたきめ細かな指導を
進めるため、教員補助員を配置し、学級の先生とテームティーチングで授業等を行うようにしております。
現在は、市内小中学校に、学校組合も含めまして11名の配置があります。また、学習支援策としまして、
放課後学習支援事業を展開しております。放課後を使っての短い時間での学習ですが、個別の指導により、
きめ細かな対応が可能なため、本人だけではなく、保護者からも事業効果を認めていただいております。
さらに、子供の発達の専門家の先生を学校へ派遣しまして、そのお子さんの授業を参観していただき、
専門家の立場からそのお子さんへの指導方法についてご助言をいただき、日常の学校の指導に生かしてい
ただくことも行っております。これによって、先生方がより専門的な根拠に基づいた指導ができるように
なりまして、お子さんの学習への構えや姿が成長していることを私どもも学校訪問等を通しまして確認を
しているところでございます。
学校では、教育委員会の支援態勢を受け、校内委員会を設置し、一人一人の学習への取り組みを改善す
るために、発達段階、そのお子さんの状況などを把握し、願う姿を具体的に設定し、それらを「個別の教
育支援計画」としまして、系統的・段階的な指導を進めているところでございます。
最後になりますが、不登校の問題、特別支援教育の充実につきましては、一人一人の児童・生徒を大切
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にし、一人一人の自己実現を支援するという観点から、引き続き努力してまいりたいというふうに思って
おります。
○議長(田村兼夫君)
4番
澤田・弘君。
○4番(澤田・弘君)
ただいま教育長に児童・生徒の不登校の問題、特別支援教育について、それぞれ現状と対応についてき
め細やかに回答をいただきましたが、聞いておりますと、何となく学校に行きたくないとか、不安による
混乱とか、人間関係などいろいろなケースがあることがわかりました。そんな要因に向かって相談員が不
登校生徒の相談に乗ったり、学習を教えたりする姿勢がよくわかりました。そうした、努力の結果、また
学校に復帰した生徒がいることもわかり、改めてよかったと思っております。
再度2点について質問します。1点目として、市内の不登校の状況はわかりましたが、それでは近隣市
町の不登校の状況はどうなっているのかお聞きしたい。また、市内の不登校、特別支援教育、それぞれ実
際に取り組んでいる中で、今後のいろいろな課題を抱えていると思うが、すぐ取り組むべきことは何か、
以上、2点についてお伺いします。
○議長(田村兼夫君)
教育長。
○教育長(八木儀一君)
お答えをいたします。1点目の近隣の不登校の状況ということでございますけれども、不登校の状況に
つきましては、各市町では状況を把握しているわけですけれども、それを対外的にどの市が幾つというこ
とは、余り読めていないといいますか、交換していないというのが状況なんですけれども、私ども榛原地
区ということで、吉田、それから川根本町、それから牧之原ということで、1市2町で榛原地区の生徒指
導等の連絡会をつくっております。その中のデータといいますか、22年度末の数字だけはありますので、
ちょっとお答えをいたしますけれども、牧之原は22年度末で23名、ことしも24名。去年は年度末で23名で
ございました。若干、少し心配になろうかと思いますけれども23名。吉田町が33名、そして川根本町は1
名というような状況の数字でございます。
吉田の学区の小中学校を合わせまして33名という数字が、大体、県の平均というふうに私は聞いており
ますので、それに比べますと、牧之原市の方はそれより児童・生徒も多いわけですので、それより人数が
少ないということですから、少ないなというような、少し率が低いということだというふうに思います。
それから、2点目の課題等でございますけれども、この答弁の中でも申し上げたわけですけれども、や
はり私は言うならば、人的な支援をする先生を整備していかないといけないというふうに思っております。
大規模の学校でも1名、小規模の学校でも1名というふうになっていますけれども、そういうような支援、
言うならば適切な指導ができるような教員の配置というのがとても大事だというふうに思います。
また、全体的にこういう特別支援教育というのは、非常に大事な教育でありますので、それを底上げし
ていくような先生、各学校に専門性を備えた先生を配置していくということも、非常に大切な問題だとい
うふうに思っております。
先ほど答弁の中で申し上げました二百数十名の該当の子供さんがいるわけでありまして、それからうち
60名くらいが特別支援学級に入級しております。したがって、あと140名から150名の子供たちが学級で学
んでいるということでございますので、そういう支援をきちんとやっていくことがとても大事だと。言う
ならば、課題は人的支援がやはり一番大事だとこんなふうに考えております。
○議長(田村兼夫君)
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4番
澤田・弘君。
○4番(澤田・弘君)
特別支援と関連する問題ですが、藤枝の支援学校についてですが、今、藤枝の支援学校は子供が大変多
くなって、学校側として大変困っているという状況を聞きますが、今後の方向についてお伺いしたいと思
います。
○議長(田村兼夫君)
教育長。
○教育長(八木儀一君)
お答えをいたします。特別支援学級、また特別支援学校と全く関係はないわけでありまして、関連があ
るということでございます。議員、ご質問のとおり大変、藤枝の特別支援学校は人数が多いということで
ございます。大体300名入るところだったんですけれども、今は大体450名くらい入っているということで
ありますので、増築、増築をしているというような状況であります。
過日の情報によりますと、吉田町の方では、この榛南の地域から30名が通っておりますし、それから牧
之原市内から40名、それから御前崎市の御前崎地区でしょうけれども6名くらいが通っている。ですから、
80名くらいの人たちが、旧榛南の地域から藤枝へ通っているという状況でございます。もう満杯な状態で、
先生が200人おります。450名の児童・生徒・高校生に先生が200名いるということですので、駐車場もま
まならないというようなことで、校長先生のお話を聞いたことがあります。
それから、この榛南の地域でも署名活動がありまして、できたら榛南の地域につくってほしいという状
況もあります。そういうことで、せんだっての9月の県議会におきまして、県の阿部教育長はしかるべく
県の土地を探しながら考えていきたいというような答弁をしているという記事をいただいております。
大変な人数でありますので、御前崎を出発をして、藤枝まで学校に到着するのに2時間かかるというよ
うな中で授業を受け、そして帰りも1時間半かかるというようなことで、3時間半の通学の時間を要して
しまう。本当にこれで教育かどうかという問題もあろうかと思います。是が非でも県のご理解をいただき
ながら、この地域にもこういう施設を分校なり、本校なり設置をしていただきたいなというのが私の考え
方でございます。
○議長(田村兼夫君)
4番
澤田・弘君。
○4番(澤田・弘君)
教育長の答弁を聞いて改めて大変さがわかりました。これからもこの問題はふえていくのではないかと
危惧しております。牧之原市の子供たち、いや宝を見守っていただきたいと思います。終わります。
○議長(田村兼夫君)
これで、4番
澤田・弘君の一般質問を終わります。
以上で、本日の一般質問は終わりました。
次回は、明日12月14日、引き続き一般質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
〔午後
2時50分
−103−
散会〕