「 最新の米国小売業」-Part 2

「2011 年度最新の米国小売業」-Part 2
Excell-K
(株)ドムス・インターナショナル
代表 松村 清
1) 企業別状況
a)ウォルマート
ウォルマート
2010年度の売上高は前年比3.4%増の4189億ドル。純利益は14.1%増の163億ドル。米国
国内事業、海外事業そしてホールセールクラブ(サムズクラブ)の3本柱で事業展開。海
外事業が絶好調。今後海外事業を現在の26%の構成比から50%へ拡大計画。国内事業の
既存店は9四半期連続で減少。
事業
米国事業
海外事業
ホールセールクラブ
合計
2010年度売上高
($億)
2602
1092
495
4189
前年比
(%)
+0.1
+12.1
+3.5
+3.4
構成比
(%)
62.1
26.1
11.8
100.0
海外事業は2010年度12.1%増の1092億ドル、営業利益は14.3%増の56億ドルと二桁成長。
南米やアジアで急速に店舗数拡大中だが、今後アフリカの大手小売業マスマートを買収
し、アフリカ大陸での店舗も拡大へ。3800店舗を展開する国内部門の売上高は2600億
ドルで前年比0.1%増。既存店売上高は前年比1.5%の売上げ減。
米国内事業の不振は店舗年齢が高くなったことやスーパーセンターの出店余地が少な
くなったため。現状を打破するため、ルーラル(田舎)やサバーブ(郊外)への大型出
店から、都市部の多店舗化が期待できる小型店舗「ウォルマートエキスプレス」や「ウ
ォルマートマーケット」の開発を急ぎ都市部へ焦点を移す。小型店の開発や海外事業は
国内市場での成長に限界を感じた小売業各社の共通テーマだ。またウォルマートが非常
に力を入れたプロジェクトインパクトというプログラムは、低価格意識の低下、アイテ
ムの絞り込み過ぎ(全体で9%)
、通路における山積みの禁止などにより失敗してしまっ
た。2010年度後半より挽回するために、EDLPと低価格への回帰、アイテム数の増加、
廃止部門の復活(フィッシング、ハンティング、クラフト)、ネット販売の強化(注文
当日店でピックアップ、サンホゼで生鮮食品のネット販売)をする。プロジェクトイン
パクトの失敗により流失した顧客はワンプライスストアのダラージェネラルなどへ流
れた。復活をかけて、小型ディスカウントストアと戦うため、また都市部への出店のた
めに「ウォルマートエクスプレス」という小型フォーマットを開発。店舗サイズは465
~1395㎡、アイテム数は12000程度。大学のキャンパスに出店する「ウォルマート・オ
ン・キャンパス」も1店舗展開して黒字化。ネイバーフッドマーケットも強化するが、
「ウ
ォルマート・マーケット」に名称変更。232㎡~6510㎡と大きさは様々。この小型フォ
ーマット展開により、M&Aにも積極的に。
2011 年度最新の米国小売業
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【ウォルマートグループ財務ハイライト】
(金額単位:$100 万)
2011 年
$418,952
3.4%
$103,471
24.7%
-1.5%
$80,858
19.3%
$25,542
9.1%
$15,355
会計年度
売上高
売上伸張率
粗利益高
粗利益率
既存店売上伸張率*
販売管理費
販売管理費率
営業利益
ROE
純利益
*国内店舗(2011 年期
2010 年
$405,046
1.0%
$88,011
24.8%
-0.8%
$79,607
19.7%
$23,950
8.9%
$14,335
期末 2011 年 1 月 31 日)
【事業部別売上&販売構成比】
売上高
2011 年
構成比
伸長率
$260,261
$109,232
$49,459
$418,952
62.1%
26.1%
11.8%
100.0%
0.1%
12.1%
3.5%
3.4%
会計年度
ウォルマートストアーズ
国際事業部
サムズクラブ
グループ全体
2010 年
構成比
売上高
$258,229
$100,107
&46,710
$405,046
63.8%
24.7%
11.5%
100.0%
伸長率
1.1%
1.3%
-0.4%
1.0%
【既存店売上伸張率(国内)
】
会計年度
2011 年
2010 年
ウォルマートストアーズ
サムズ
国内全体
-1.5%
3.9%
-0.6%
-0.7%
-1.4%
-0.8%
b)ターゲット
ターゲット
ディスカウントストア業態では第一位のウォルマート(国内)の不振が続いているが、
第二位のターゲットの2010年度売上は3.1%増の673億ドル、純利益は17.4%増の29億ド
ル。既存店舗の改装やレッドカードと呼ぶハウスカードによる顧客囲い込み、集客力向
上のための食品カテゴリーの導入が成功要因。またターゲットの中核顧客の世帯年収は
7万5千ドル以上だが、この層の失業率は比較的低いのに対し、ウォルマートの中核顧客
層の世帯年収が5万ドル以下で、失業率が高いことがウォルマートの業績に影響を与え
た。またターゲットは顧客が価格を良く知っている商品に対し非常に競争力のある価格
を提供。調査会社によると、35アイテムのバスケット価格でターゲットの方が安かった。
安い価格を提供できるのはターゲットのはアパレルが強いからだ。センスの良いターゲ
ットだけの専売品やPBに人気があるため、こちらで利益を出し雑貨や食品で安い価格
を提供しているのだ。一方ウォルマートの売上げの50%以上はグローサリーで、NB商
品が多いため粗利ミックス戦略がとりにくい。ターゲットはスーパーセンター展開では
ウォルマートに大きく遅れをとった。その対応策としてPフレッシュという生鮮食品売
場を備えた業態を展開した。売場スペース的には42坪程度で小さいが、売れ筋の乳製品、
冷食、生鮮食品など生活必需品は全て品揃え。PBでは40の商品カテゴリーで800アイテ
ム以上の商品を展開し、NBと同等かそれ以上の品質で、値段はNBより30%安くしてい
る。ファッション性が高いPBのため大好評である。また自社クレジットカード使用に
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より、割引きで購入できるのも客を呼んでいる。
【ターゲット財務ハイライト(1/29/11 決算 2010 年期)
】
(金額単位:$100 万)
会計年度
売上高
クレジット事業収入
総売上高
粗利益
粗利益率
販売管理費
販売管理費率
純利益
純利益率
既存店調剤売上成長率
2010 年
$65,786
$1,604
$67,390
$21,665
32.1%
$13,469
20.0%
$2,920
4.3%
2.1%
2009 年
$63,435
$1,922
$65,357
$19,373
30.5%
$13,078
20.5%
$2,488
3.8%
-2.5%
c)コストコ
コストコ
1983年に創業したコストコは国内第3位の小売業に成長した。期末の国内外のメンバー
は6000万人を超えた。ライバルのサムズの店舗当たりの年商は8千万ドルだが、コスト
コは1億5千万ドルだ。商品は絞り込まれていて3900SKUしかないが、HBCカテゴリー
で見てみるとドラッグストアより2割程度安い。宝探し的な気分の高額商品がワオーと驚
かせる価格で販売されており、お客が楽しみながら買物をしている。そのため滞店時間
はスーパーセンターの50分に対してコストコは75分と長い。消費者の低価格志向に対応
するためにPB開発に積極的で、彼らのPBカークランドの売上げ構成比は20%に上がり、
将来的には30%を狙っている。1998年に参入したネット販売では4000SKUの商品を販
売している。
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【コストコ財務ハイライト】
会計年度 (期末)
売上高
年会費収入
粗利益高
粗利益率
販売管理費
販売管理費率
営業利益
純利益
既存店売上成長率
国内
海外
全体
海外店舗現地通貨ベース
店舗数
2010 年(8 月 29 日)
$76,255
$1,691
$8,260
10.8%
$7,840
10.3%
$2,077
$1,303
(金額単位:$100 万)
2009 年(8 月 30 日)
$69,889
$1,533
$7,554
10.8%
$7,252
10.4%
$1,777
$1,086
4%
19%
7%
8%
*540
-2%
-8%
-4%
7%
527
*期末の店舗数には 50/50 のジョイントベンチャーで展開しているメキシコの店舗 32 店は含まれない
【会計収入】
会計年度
年会費収入
増減率
対売上年会費収入構成比
会員数*
2010 年
$1,691
10.30%
2.22%
58,000 人
(金額単位:$100 万)
2009 年
$1,533
1.80%
2.19%
56,000 人
*会員数にはコストコメキシコの 2010 年期末の 2,900 人の会員は含まれない
d)クローガー
クローガー
クローガー・マーケットプレース大型店のほか、ラルフスやスミスのコンボストア、ハ
イパーマーケットやウエアハウス型スーパーマーケットなど2460店舗を展開する最大
のスーパーマーケットチェーン。カスタマーファーストを経営戦略の柱としており、イ
ギリスのテスコ系列のデーターベースマーケティング会社ダンハンビーと提携。ロイヤ
ルティプログラムやショッピングバスケット分析から得た情報を活用しての品揃え、ク
ロスMD、売場作りに生かしている。スーパーマーケットの多くが不景気の影響を受け
ているが、クローガーは着実に業績を伸ばしている。
【クローガー財務ハイライト】
(金額単位:$100 万)
会計年度(期末)
売上高
粗利益高
粗利益率
販売管理費
販売管理費率
営業利益
純利益
既存店売上成長率
ガソリンを除く既存店売上成長率
店舗数*
2010 年 (2011/1/29)
$82,189
$18,262
22.22%
$13,811
16.80%
$2,182
$1,116
6.0%
3.1%
2,460
2009 年 (2010/1/30)
$76,733
$17,775
23.16%
$13,398
17.46%
$1,091
$70
0.9%
2.5%
2,469
*店舗数は SM、SM/Drug、ウエアハウス SM&マルチデパートメントストアの総計
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e)ホールフーズマーケット
ホールフーズマーケット
2008年のリーマンショック以後、一般スーパーより15%程度価格の高い当社は消費者離
れを起こし、業績が低下した。そのため割り高なイメージを一掃するために、高価格帯
のアイテムを削り、中価格帯の比重を高めた。またPBの「365」を最大限活用し、お得
感を訴求。地元農家支援と環境維持を自社のコアバリューにし、環境負荷の低い地元成
果を取入れた結果、現在は株価も復活し業績は好調。そして「健康的でない食品やサス
テイナブルでない商品は一切販売しない」と宣言。自店で販売している鮮魚の漁獲状態
を徹底調査。絶滅危惧種の販売を中止するとともに、持続可能レベルを色分けした独自
の格付け表を店頭に提示。絶滅危惧種には赤、絶滅の可能性のある品種には黄色、持続
可能な品種にはグリーンのシールが貼られている。魚介類は天然と養殖とを区別し、天
然の魚は海洋管理協議会に認定されたものを仕入れ。精肉は家畜の飼育状況を調査し、
ステップ1から5+までの格付け。ステップ1は「木箱やケージが取り払われ、自由に動き
回れる環境」ステップ5+は「良好な環境で育てられ、生涯同じ農場で飼育」と定義づけ。
オーガニックのヘルス&ビューティーケア商品の選別を開始し、「今後米農務省などか
ら正式に認可されたH&BC商品のみを扱う」と通告し、11年6月からスタート。
ANDIという栄養評価システムを導入。青果、食品、飲料の格付けを始めた。最高特典
は1000点で、ケールやクレソンが該当し、最も点数が低いのは炭酸飲料で1点と、それ
らが売場で表示されている。ここまで徹底しなければ主顧客である高学歴・高所得者層
の離反を食い止められないのだ。2011年8月よりマサチューセッツ店で、会員制ウエル
ネスクラブをスタートしたが、健全なライフスタイルを取り入れるための個人指導、食
品の買物や料理指導、栄養クラスその他有料イベントが無料になる。さらにヨガ、フィ
ットネス教室、マッサージや料理教室などの参加費が割引き、6000品目以上の商品が
10%値引きで購入できる。これは短期間で成功をおさめた食生活改善プログラム(ヘル
ス・スターツ・ヒア)が基盤で、多くの社員が肥満、高血圧や高コレステロールを解消。
それを売場で導入するのだ。ちなみにヘルス・スターツ・ヒア推奨商品はすでに惣菜売
場で販売。
これまでも妊婦や若い母親をターゲットにしたベビークラブや子供向け栄養教室など
を通して顧客とのつながりを図る。地元企業にも自社基準にあった商品を製造してもら
い、「ローカル」というシールを貼っているが、フードマイレージの削減と地元企業の
活性化を図る。さらに店舗の屋上や隣にグリーンハウスを栽培し、販売を実験的に開始
した。
f)トレーダージョー
トレーダージョー
店舗は 2 流立地で展開し、店舗サイズは 170~340 坪程度だ。品揃えは 3000~4000 ア
イテムで、そのうちの 85%は PB 商品だ。冷凍食品の質が良く、低価格で販売されてい
る。週の平均客数が 8500~12000 人で、客単価 50 ドル。売上げは 365 店舗で 90 億ド
ルと推測されている。平方フィート当たりでは 2000 ドルで、食品業界でも最大級だ。
1.99 ドルのチャールズ・ショー(カリフォルニア州以外では 2.99 ドル)は全米で一番販
売本数の多いワインだ。店長の年収は 10 万ドルを超え、従業員の平均年俸は 5 万ドルと
高いため離職率が低く、彼らが顧客へハッピーな接客をしロイヤルカスタマーを作り上
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げている。1979 年にドイツのアルディーのオーナーであるアルブレクト氏に買収された
が、アルディとは別経営されている。チラシはうたず、ポイントカードも発行していな
い。社員アーティストが魅力的な POP を作成している。
【トレーダー・ジョーズ財務ハイライト】
(金額単位:$100 万)
会計年度
売上高
店舗数
店舗当り売上高
2011 年
$8,500.0
365
$23.3
2010 年
$6,845.8
333
$20.6
非上場企業のため売上高はいずれも推定あるいは予測値
g)ウォルグリーン
ウォルグリーン
2009 年ランキングで 6 位であったウォルグリーンが、ターゲットを抜き 5 位に躍り出た。
2011 年にはホームデポを抜き 4 位になることが予測されている。日本のトップドラッグ
ストアマツモトキヨシは、日本の小売業ランキングで 25 位だが米国と大きな差がある。
2008 年に始めた将来の成長を目指した構造改革が実を結び始めている。2010 年 8 月期
の決算では売上高 674 億ドル、社員総数 24 万 4 千人、ドラッグストアの 7567 店に設置
したホームメディカルセンター、ワークサイトヘルスセンター、スペシャルティ調剤な
どを入れると合計 8046 の店舗や事業所になる。これまでの記録を更新する前年比 6.4%
増の 674 億ドルの売上げを達成。取扱った処方箋枚数は 7.5%増加して 7 億 8 千枚とな
り、調剤市場シェアで 19.5%になった。36 年連続増収 35 年連続増配を成し遂げ、フォ
ーチュンによるベスト 500 社の 32 位に数えられ、同誌が選ぶ「米国で最も信頼される
企業」の 1 社に 17 年間続けて選ばれている。
ウォルグリーンの店舗に毎日 600 百万人以上が来店し、米国人の 63%がウォルグリーン
の店舗から 3 マイル以内に住んでいる。2010 年期には CCR(カスターマーを中心に据
えた店作り)フォーマットの積極展開、バリューイメージの強化(アフォーダブル・エ
ッセンシャルコーナー)、ビール・ワインの再導入、フレッシュ食品の強化、PB の拡販
を積極的に行っている。CCR の取り組みの一環として、フロントエンドカテゴリーを 4
つに区分し、それぞれの役割を明確化している。
シグネチャー
パワー
ステープル
コンプリメント
OTC、ビタミン、サプリメント、PB
ヘアケア、スキンケア、デンタルケア、フード
日用品、紙製品、家庭用品、文房具
DIY 用品、カー用品、雑貨
CCR の一環として 15%程度の商品の絞込みをしたが、顧客から不評で 200 アイテム以
上を復活している。絞込みのやり過ぎは面白みのない店になってしまうのだ。CCR で始
まったマーチャンダイジングプログラムも、買収したデュエンリードから新しい刺激を
受け、ダイナミックなものに変貌している。PB、ロイヤルティプログラムの実験、アル
コール飲料や生鮮食品の導入、マルチチャネル小売と、顧客が求めるバリューと利便さ
を提供しようとしており、「ヘルスとデイリーリビングで必要が生じたときにウォルグ
リーンがすぐ思い浮かぶ企業になる」というマイ・ウォルグリーン戦略を取っている。
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【ウォルグリーン財務ハイライト(2010 年 8 月期)】
(金額単位:$100 万)
会計年度
売上高
粗利益高
粗利益率
販売管理費
販売管理費率
営業利益
純利益
既存店売上成長率
調剤売上伸長率
既存店調剤売上成長率
フロントエンド売上伸長率
既存店フロントエンド売上成長率
ROE
店舗数
2010 年
2009 年
$67,420
$18,976
28.1%
$15,518
23.0%
$3,458
$2,091
1.6%
6.3%
2.3%
6.8%
0.5%
14.5%
8,046
$63,335
$17,613
27.8%
$14,366
22.7%
$3,247
$2,006
2.0%
7.8%
3.5%
6.3%
-0.5%
14.7%
7,496
【その他の経営数値】
2010 年
6.4%
65%
778
95.3%
会計年度
前年比売上伸長率
売上に占める調剤の販売構成比
処方せん取扱い件数(単位は 100 万件)
調剤売上に占める保険会社への売上
2009 年
7.3%
65%
651
95.4%
(店舗数内訳】
年度
ドラッグストア
ホーム・メディカル・センター
ワークサイト・ヘルスセンター
スペシャリティー調剤薬局
通販センター
合計
2010 年
7,567
101
367
14
2
8,046
2009 年
6,997
105
377
15
2
7,496
h)CVS
CVS ケアマーク
買収戦略で大きくなった CVS は、2007 年に PBM 企業ケアマークスを買収し業界で初
めて垂直統合となった。しかしこの戦略は想定していなかった PBM 顧客の離脱という
結果を生み、2010 年期には総売上げを下げる結果となり、前年比 2.3%下落し 964 億ド
ル、営業利益は 4.3%減少し 62 億ドルとなった。PBM ビジネスでは、保健適用調剤薬
のリストであるフォームラリーの管理、小売ファーマシーネットワークの構築、メーカ
ーとの契約、メールサービスによる患者への直接ビジネスなどを行っている。現在ファ
ーマシーが PBM 事業を運営することの問題が表面化し、PBM 事業の顧客離れ、利益率
の低下などを招き、株主から PBM 事業の売却の要請もきている。ドラッグストア事業
は堅調で、売上げは 3.6%増、営業利益も 9.1%増であった。全米で 7200 店舗以上の店
舗ネットワークを持っており、処方箋市場の 20%のシェアを持つ。インストアクリニッ
クのミニッツクリニックは、業界最大手で全米 55 の地域で 570 箇所運営をしている。
この部門は赤字が続いたが、2011 年末までに黒字化になる予定で、今後 1060 箇所運営
を計画。スペシャルティファーマシーは絶好調で、110 億ドルに達した。
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【CVS ケアマーク(2010 年 12 月期)
】
2010 年
$96,413
$20,257
$14,092
$6,165
$3,427
2.1%
7,226
$47,780
会計年度
売上高
粗利益
販売管理費
営業利益
純利益
既存店売上伸長率
店舗数
PMB 事業売上高*
2009 年
$98,729
$20,380
$13,942
$6,438
$3,696
4.5%
7,074
$51,065
*PMB 事業の売り上げには 76 億 9,100 万ドルの顧客が CVS 店舗の店頭で支払った自己負担が含まれる。
上記 PBM 売上高はその金額を差し引く前の合計数値
【ドラッグストア事業】
(金額単位:$100 万)
2010 年
2009 年
$57,345
$17,039
29.7%
$12,502
21.8%
$4,537
$55,355
$16,593
30.0%
$12,434
22.5%
$4,159
全体
調剤
フロントエンド
3.6%
4.1%
2.6%
13.0%
13.1%
12.7%
全体
調剤
フロントエンド
総売上高に占める薬局の売上構成比
調剤売上に占める保険会社負担率
処方せん取扱い件数(単位 100 万枚)
調剤売上に占めるジェネリック薬の構成比
2.1%
2.9%
0.5%
73.0%
97.4%
636.3
72.7%
5.0%
6.9%
1.2%
67.5%
96.9%
616.5
69.9%
会計年度
売上高
粗利益高
粗利益率
販売管理費
販売管理費率
営業利益
売上伸張率
既存店売上伸張率
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