プレスリリース

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従来法
含硫黄試薬
S
2置換芳香族化合物
縮環チオフェン
今回開発した方法
硫黄(S)
S
1置換芳香族化合物
縮環チオフェン
従来法(総工程5~6段階)を最短2段階まで短縮
簡単操作 安価な試薬
有機半導体開発を加速する新反応
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1
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硫黄と炭素からなる 5 員環「チオフェン」を含む芳香族化合物は、縮環チオフェンと呼ばれ、
高性能な半導体材料として、高移動度トランジスタや有機薄膜太陽電池、有機 EL などの電子
デバイスには欠かすことができない重要な分子です(図 1)。また、有機化合物特有の柔軟性も
備えていることから、最近では、ウェアラブルデバイスの鍵物質としても広く応用されるよう
になっています。しかし、芳香族化合物に新たにチオフェン環を連結させ縮環チオフェンを得
る「チオフェン縮環反応」はいまだ限られていました。チオフェン縮環反応を行うには、あら
かじめ 2 つの置換基を芳香族化合物に導入した原料を合成する必要があり、その工程が煩雑で
あることから(図 2)、より短工程かつ簡便なチオフェン縮環反応の開発が求められていました。
H C S C H
C C
H
H
=
S
S
S
チオフェン
S
縮環チオフェン
1( > = ?<@4 > = ?<@6 $
4~5段階
含硫黄試薬
S
芳香族化合物
2置換芳香族化合物
縮環チオフェン
2( > = ?<@ 6 2
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:*>=?<@6
403)A
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( +6,
( 今回、本研究グループは、容易に手に入る 1 置換芳香族化合物を有機溶媒中で硫黄と混ぜて
加熱撹拌するという極めて簡単な方法によって、芳香族化合物にチオフェン環を連結する反応
を開発しました(図 3)。
2段階
硫黄(S)
S
芳香族化合物
1置換芳香族化合物
縮環チオフェン
3( % 02 > = ?<@ 1 置換芳香族化合物と硫黄を溶液中で加熱撹拌することにより、縮環チオフェンを得る方法。1
置換芳香族化合物を合成する過程で、精製操作を行うことなく、硫黄を加えて加熱撹拌するこ
とで、最短 2 段階で縮環チオフェンを得ることができる。
2
今回の反応に必要となる 1 置換芳香族化合物は、芳香族化合物に対してパラジウム触媒によ
る薗頭カップリング
注4)
を行うことで簡便に合成が可能です。この 1 置換芳香族化合物に対し
て今回の反応を適用すると、本来は反応性が低い炭素-水素結合の部位が切断され、硫黄と反
応するため、2 つの置換基を導入する工程を必要とせず、チオフェン縮環反応が進行します。
今回開発した反応では、芳香族炭化水素だけでなく、各種チオフェン誘導体に対してもチオフ
ェン縮環反応が可能です。さらに、前処理段階である薗頭カップリング後、精製操作を行うこ
となく硫黄を加えて加熱撹拌するだけでチオフェン縮環反応が進行するため、従来法と比べ圧
倒的な手間とコストの削減が可能です。
研究グループは、開発した本手法を用いて、実際に 20 種類の新しい縮環チオフェンを合成
しました。導入したアルキン部位
注5)
の数だけチオフェン環を縮環することができるため、複
数のチオフェン環が縮環した芳香族化合物を迅速に合成することも可能です。実際に本反応を
用いて、1 分子に対してチオフェン環が 2 つ、3 つ、5 つ縮環した分子を合成しました(図 4)。
さらに、有機電界効果トランジスタ材料として現在最高峰の性能が報告されている分子(図 4
右下)を簡便に合成することにも成功しました。
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
S
H 3C
CH 3
S
S
= 芳香族置換基(アルキルフェニル基)
4 (チオフェン縮環反応で生成したチオフェン環を赤で表示)
有機半導体に欠かせない分子である縮環チオフェンの簡便な合成法が確立したことで、これ
まで困難だったさまざまな分子を合成できるようになりました。「有機化合物の強みはほぼ無
限の分子設計が可能なこと」と言われるものの、設計した分子が簡便に合成できなければ応用
はありえません。本手法は多様な材料候補分子を簡便に供給できるため、今後の有機半導体開
発を加速させる効果が期待できます。
3
注 1)硫黄
硫黄原子(元素記号 S)の単体で、淡黄色無臭の固体。黒色火薬、硫酸、合成繊維などの原
料として使われている。火口付近の鉱物から採取できるが、現在は石油精製の副産物として安
価に供給されている。
注 2)芳香族化合物
分子内にベンゼン環をもつ有機化合物の総称。
注 3)有機電界効果トランジスタ
有機半導体材料を用いたトランジスタ。
注 4)薗頭(そのがしら)カップリング
ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)が置換した芳香族化合物とアルキンを結合さ
せる反応。パラジウム触媒と銅試薬を用いる。
注 5)アルキン部位
ある有機分子の中で炭素と炭素の 3 重結合をもつ部位。
掲載雑誌:
Journal of the American Chemical Society
論文名:
“Thiophene-fused π-Systems from Diarylacetylenes and Elemental Sulfur”
(ジアリールアセチレンと硫黄によるチオフェン縮環π系の合成)
著者:
Meng Lingkui, Takao Fujikawa, Motonobu Kuwayama, Yasutomo Segawa,
Kenichiro Itami
(孟 令奎、藤川 鷹王、桒山 元伸、瀬川 泰知、伊丹 健一郎)
論文公開:
2016 年 8 月号
DOI:
10.1021/jacs.6b06486 (http://dx.doi.org/10.1021/jacs.6b06486)
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