紙パルプ 紙の文化に触れるまち

日本夜景遺産(2010 年)
日本夜景 100 選
(2004 年)
瀬戸内まんなか・工都のあかり
ぐじょうてんぼうだい
四国中央市・具定展望台
紙パルプ
紙の文化に触れるまち
“四国中央市”
日本一の紙のまち
日本屈指の紙の産地である四国中央市において
は、宝暦年間(1751 ~ 63 年)の頃、嶺南の奥地で自
こうぞ
みつまた
生の楮 や三 椏を原料に紙をすいていたのが、紙づく
りの始まりとのことです。
その後、江戸から明治時代にかけて、農家の副業と
して製紙の奨励普及に努め、手すき和紙がこの地域に
根付いたそうです。そして、時代の流れとともに機械
すき製紙工業が次第に増え、昭和 29 年の銅山川疎水
事業により、製紙産業に必要不可欠な大量の工業用水
が確保されたことなどから飛躍的に発展し、現在では
「日本一の紙のまち」
としてその名が知られています。
この紙の町について森川専務は、
「この町は、先人達
のたゆまぬ努力の積み重ねにより成り立っており、先
水資源機構が多くの施設を管理する水系のひと
つ、吉野川はその水源を高知県の瓶ヶ森に発し、
四国の中央をほぼ東西に貫通して紀伊水道に注
ぎ、古くから四国三郎の異名を持つ、我が国有数
の大河川です。その吉野川の支川銅山川には、柳
瀬ダム(国交省)、新宮ダム(水機構)、富郷ダム(水
機構)の 3 ダムがあり、洪水を調節して吉野川の
安全を守り、愛媛県四国中央市に工業用水などを
安定供給しています。今回は、銅山川の利水開発
とともに成長した四国中央市の紙産業などについ
て、公益社団法人愛媛県紙パルプ工業会の森川専
務にお話を伺いました。
人達に感謝するとともに、その文化を未来へ引き継い
で行くことが我々の使命です」
と話してくれました。
昭和初期の紙のまちの様子
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水とともに 水がささえる豊かな社会
暮らしに欠かせない紙をつくる
決戦の地は紙のまち“四国中央市”
四国中央市の紙産業における製品出荷量は、大き
広大な山林と豊かな水に恵まれた日本一の紙のま
く分けた製品別の全国シェアでは新聞巻取紙、包装
ち四国中央市では、全国の高校生が「書の美しさ」と
用紙、衛生用紙、書道用紙などが高い数値で推移し、
「演技の美しさ」を競う大会『書道パフォーマンス甲
全国有数の紙産地であることがわかります。また、時
子園』が今年も開催されます。地元の高校書道部員た
代とともに多様化する消費者ニーズへも対応し、情
ちが、平成 13 年頃から文化祭や地元のイベントなど
報化社会に必要な新聞や雑誌、コピーやファクシミ
で、音楽に合わせて大きな紙に歌詞を揮毫する「書道
リ用紙、生活の必需品となるトイレットペーパーや
パフォーマンス」
が始まりで、平成 20 年夏に「四国中
紙おむつ、日本の心を贈る水引細工、のし袋などさま
央紙まつり」のイベントの一つとして「第 1 回書道パ
ざまな紙製品が作られています。特に、水引は元結製
フォーマンス甲子園」が開催されました。7 回目とな
造に端を発した四国中央市の伝統工芸で、その繊細
る今年は、下記日程で開催されます。是非、日本一の
な技術を生かした工芸品は全国へ出荷されるととも
紙のまちで “6分間の熱い戦い”を観戦しませんか!
きごう
に海外へも紹介される代表的な紙製品です。
【日時】平成 26 年 8 月 3 日(日)
【場所】四国中央市伊予三島運動公園体育館
※ 詳しくは書道パフォーマンス公式 HP をご覧下さい。
http://shodo-performance.jp/
商店街で行われた第 1 回大会
第 6 回大会優勝作品
伊予の水引を使った鮮やかなデザインの結納セット
紙の製造工程や環境への取組などの情報が以下の
ホームページで紹介されております。是非ご覧下さい!
紙づくり関連産業が集積する有数の産地
■公益社団法人愛媛県紙パルプ工業会 HP
四国中央市では、昔からの伝統技術と最先端技術
(愛媛県の紙パルプ工業に関する様々な情報が提供されています。
)
の融合による技術革新やダム・港湾などの産業イン
フラ整備、
「愛媛大学大学院紙産業特別コース」や「愛
媛県産業技術研究所紙産業技術センター」など産学
http://www.e-kami.or.jp/
■紙の総合マッチングサイト”四国は紙國” HP
http://www.shikoku-kami.com/
(四国の紙文化や紙の基礎知識が紹介されています。)
官のネットワークの充実により、日々新しい技術商
品開発が進められています。
「この町の特色は、製紙や紙加工だけでなく、紙づ
くりにかかわる原料や薬品、機械、販売、輸送など関
連産業 600 社余りが集積する日本で有数の産地なの
です」と森川専務は誇らしげに話してくれました。
読者プレゼント
「紙製 ボディタオル・
シートクッション セット」
5名様
今回取材にご協力いただいた愛媛県紙パルプ工業会
様より読者の方 5 名にプレゼントをいただきました。
ご希望の方は、①ご住所、②お名前、③性別、④年齢、
⑤電話番号、⑥このコーナーの感想を記入の上、ハガ
キにてふるってご応募ください。
■宛先 〒330-6008 さいたま市中央区新都心11番地2
独立行政法人水資源機構広報課 広報誌係
■応募締切 平成26年4月30日(水)
(当日消印有効)
現在の製紙工場内の様子(上)
伝統的な手すき作業の様子(右)
※当選者の発表は、
プレゼントの発送をもってかえさせていただきます。
いただいた個人情報の目的外利用はいたしません。
流れの先に
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